(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】2輪車駐輪装置
(51)【国際特許分類】
B62H 3/08 20060101AFI20240228BHJP
B62H 3/04 20060101ALI20240228BHJP
【FI】
B62H3/08
B62H3/04
(21)【出願番号】P 2020105672
(22)【出願日】2020-05-22
【審査請求日】2023-05-08
(73)【特許権者】
【識別番号】597021598
【氏名又は名称】株式会社イケヤフォ-ミュラ
(74)【代理人】
【識別番号】100110629
【氏名又は名称】須藤 雄一
(73)【特許権者】
【識別番号】508245954
【氏名又は名称】日本駐車場メンテナンス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110629
【氏名又は名称】須藤 雄一
(74)【代理人】
【識別番号】100166615
【氏名又は名称】須藤 大輔
(72)【発明者】
【氏名】池谷 信二
(72)【発明者】
【氏名】兼光 和人
【審査官】高瀬 智史
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3165928(JP,U)
【文献】特開2010-888(JP,A)
【文献】実開昭49-11408(JP,U)
【文献】特開2010-149810(JP,A)
【文献】実開平2-139189(JP,U)
【文献】実開平2-68288(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第102464038(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62H 3/08
B62H 3/04
E04H 6/02
B60P 3/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2輪車の進路となり床面に固定される基礎部材と、
前記2輪車の車両入庫過程で前輪の前部が接触する傾斜した位置から前記2輪車の入庫位置まで揺動可能となるように前記基礎部材にリンク節により結合され
前記入庫位置で前記前輪の前部を進行方向及び左右方向に固定する車輪前部固定部材と、
車輪前部固定部材の後方に位置し前記2輪車の入庫過程においては前記前輪がその上部を通過すると共に前記車輪前部固定部材の入庫位置までの揺動に連動して前記基礎部材上に倒れた位置から起き上がるようにリンク節により揺動可能に結合され前記前輪の後部を押圧する車輪後部支持部材と、
前記車輪前部固定部材と前記車輪後部支持部材とをリンク節により相対回転可能に結合し前記連動を行わせる連結部材と、
を備え、
前記基礎部材及び前記連結部材との間で前記車輪前部固定部材が構成するリンク辺の長さXfを、前記車輪後部支持部材が構成するリンク辺の長さXrよりも長くし、
前記入庫位置での前記車輪前部固定部材と前記基礎部材との間の前記リンク節から前記車輪前部固定部材の前記前輪に対する接触点までの距離をWfと
すると共に、前記入庫位置での前記車輪後部支持部材と前記基礎部材との間の前記リンク節から前記車輪後部支持部材が前記前輪を押圧する点までの距離をWrとして、
(Xf/Wf)>(Xr/Wr)とし、
前記車輪後部支持部材が前記連結部材から働く力による回転モーメントで前記基礎部材から起き上がろうとするときのモーメントアームに対し前記車輪後部支持部材が起き上がって前記連結部材から働く力による回転モーメントで前記前輪の後部を押圧するときのモーメントアームが大きくなるように設定した、
ことを特徴とする駐輪装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2輪車等の駐輪装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の2輪車用駐輪装置の例を特許文献1に示す特開2009-262794号公報によれば2輪車入庫出庫の際、駐輪装置のペダル等を2輪操作者の足で操作する必要がある。該操作は、操作者が恣意的に行えるため、誤認により2輪車が固定される前にペダル操作を行いハンドルバーから手を放すと、2輪車が横転する可能性を有し、入庫操作にはある程度の熟練と、注意が必要であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする問題点は、入庫操作の熟練の必要性である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
まず車両の本発明の駐輪装置への進入方向を前方と、また駐輪機に駐輪している状態を入庫、離脱する状態を出庫と定義する。
本発明は、2輪車の進路となり床面に固定される基礎部材と、前記2輪車の車両入庫過程で前輪の前部が接触する傾斜した位置から前記2輪車の入庫位置まで揺動可能となるように前記基礎部材にリンク節により結合され前記入庫位置で前記前輪の前部を進行方向及び左右方向に固定する車輪前部固定部材と、車輪前部固定部材の後方に位置し前記2輪車の入庫過程においては前記前輪がその上部を通過すると共に前記車輪前部固定部材の入庫位置までの揺動に連動して前記基礎部材上に倒れた位置から起き上がるようにリンク節により揺動可能に結合され前記前輪の後部を押圧する車輪後部支持部材と、前記車輪前部固定部材と前記車輪後部支持部材とをリンク節により相対回転可能に結合し前記連動を行わせる連結部材とを備え、前記基礎部材及び前記連結部材との間で前記車輪前部固定部材が構成するリンク辺の長さXfを、前記車輪後部支持部材が構成するリンク辺の長さXrよりも長くし、前記入庫位置での前記車輪前部固定部材と前記基礎部材との間の前記リンク節から前記車輪前部固定部材の前記前輪に対する接触点までの距離をWfとすると共に、前記入庫位置での前記車輪後部支持部材と前記基礎部材との間の前記リンク節から前記車輪後部支持部材が前記前輪を押圧する点までの距離をWrとして、(Xf/Wf)>(Xr/Wr)とし、前記車輪後部支持部材が前記連結部材から働く力による回転モーメントで前記基礎部材から起き上がろうとするときのモーメントアームに対し前記車輪後部支持部材が起き上がって前記連結部材から働く力による回転モーメントで前記前輪の後部を押圧するときのモーメントアームが大きくなるように設定した。
【0006】
また上記車輪後部支持部材を駆動し、該揺動を固定その固定を解除する手段は外部動力を利用するアクチェーター等またはアクチェーター等に代わり、前輪の前進力を駆動源とする方法であって、基礎部材と、基礎部材に対し直行する水平軸線廻りに揺動可能に係合された車輪前部固定部材と、同じく基礎部材の直行水平軸線回りに揺動可能に係合された車輪後部支持部材と、車輪前部固定部材と車輪後部支持部材に揺動可能に係合され、車輪前部固定部材の揺動を車輪後部支持部材に増幅して伝達する伝達手段をリンク辺とし、各部材、手段の係合手段をリンク節とする不等辺4節リンクを構成し、前輪の前進力で車輪前部固定部材を進行方向に付勢、揺動させ、前輪が入庫位置に到達した時、車輪前部固定部材で前輪の前部、車輪後部支持部材で前輪の後部、基礎部材で前輪の下部を保持固定するように駆動し2輪車の直立を保持する。該入庫位置で4節のいずれかの節を車両のドアをロックするのと類似する原理で自動的に固定、前記リンクの動きを固定し2輪車の直立保持を維持する。
車輪後部支持部材の揺動をアクチェーター等で駆動する場合は、前輪が入庫位置に達したことを、光電センサー等で検知、信号を駆動装置のコントローラーに伝達し、例えば、アクチェーターとウオーム歯車等の不可逆的減速機で車輪後部支持部材の揺動を駆動し車輪後部支持部材が前輪後部を押圧する位置で駆動トルクの増大が発生することからトルク増大を検知する手段等で、アクチェーターの駆動を停止する指令を出し停止させれば自動的に車輪後部支持部材は該位置で固定され、前輪の固定は維持される。
【0007】
不等辺4節リンクを利用する発明の場合、固定部材にロックを解除するトリガーを設け、該トリガーを動力または手動で操作することにより、前記リンク節の固定を解除することにより、出庫過程で前輪の後退により前輪後部が車輪後部支持部材を後方に倒しまたは、車両が後退し前輪前部が車輪前部固定部材の押圧を停止することで、車輪前部固定部材と連結部材と車輪後部支持部材の生み出す重力による後ろ向きの回転モーメントにより、車輪後部支持部材は後方に倒れ車輪の出庫を可能とする。
アクチェーターで車輪後部支持部材を駆動する発明の場合は、出庫スイッチ操作でアクチェーターを駆動し、車輪後部支持部材を後方に倒すことで出庫可能となる。車輪後部支持部材が後倒し所定のストッパー等に当接すると、駆動トルク増加等により前記コントローラーの働で駆動手段の動きは停止する。
【0008】
不等辺4節リンクを利用する発明のリンク節固定解除のためのトリガーには先端に2輪車のハンドルのレバー等の先端に差し込むキャップ状の部材のついた紐等を結び、該キャップをハンドルレバー先端に差し込んでおくことにより、ハンドルレバーを握ることで、トリガーが解放方向に操作されロック部材のロックを解除するようにすることもできる。車輪後部支持部材の駆動にアクチェーターを利用する発明の場合、出庫スイッチを2輪車ハンドルに支持しておいてもよい。このようにすれば、両手で2輪車ハンドルの支持を維持し指先でスイッチを操作することで出庫が可能となる。
【発明の効果】
【0009】
2輪車のハンドルから手を放すことや、足等での何等の操作の必要もなく、入庫および出庫の操作が可能なため、本発明の駐輪装置の使用に熟練が不要で、利便性に優れ、安全である。特に重量車両に対しては本効果が顕著に発揮される。また2輪車はその機構形態上、前進させることは容易であり、その前進力を各前輪固定部材の駆動エネルギーとして使用することは非常に合理的である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】前輪が車輪後部支持部材上を通過している状態を示す図である。
【
図2】車輪前部固定部材の基礎部材への取り付状態を示す図である
【
図3】車輪後部支持部材取り付けプレートの側面図である。
【
図4】車輪後部支持取り付けプレートの正面図である。
【
図5】車輪後部支持部材取り付けプレートと車輪後部支持部材の側面図である。
【
図6】車輪後部支持部材取り付けプレートと車輪後部支持部材の正面断面図である。
【
図7】連結手段の車輪前部固定部材と車輪後部支持部材の結合部の詳細図である。
【
図8】2輪車の前輪を駐輪装置に固定した状態、および不等辺4節リンク長と車輪前部固定部材と車輪後部支持部材と車輪の接触位置の関係を示す図である。
【
図9】基礎部材の上面図で床面への取り付け穴位置及び、基礎部材、車輪後部固定部材の車輪横滑り防止手段の図である。
【
図10】車輪前部固定部材のロック前の状態を示した図である。
【
図11】固定用ロック装置がロックした時の図である。
【
図12】ロック部材の固定を解放する時の図である。
【
図13】駐輪装置に車両の前輪を固定しトリガーとハンドルレバーを紐等で連結し、補助固定ロープで固定した際の図と連結部材の図である。
【
図14】車輪後部支持部材を、基礎部材で直接支持する構造図である。
【
図15】ワンウエイクラッチの取り付け部位を示す図である。
【
図16】ワンウエイクラッチのラッチ歯の拡大図と解放トリガーを示す図である。
【
図18】連結手段の一部をコイルスプリング状にした図である。
【
図19】引っ張りスプリングを使用した連結手段と、車輪前部固定部材の位置決めストッパーの図面である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0011】
図1は本発明の駐輪装置の車輪後部支持部材700の上を、入庫、出庫の際、2輪車の車輪1300が通過する状態を示し、基礎部材100、車輪前部固定部材4500、車輪後部支持部材700、連結部材900の位置関係を示す。
図2は車輪前部固定部材4500の基礎部材100への取り付け部の詳細図である。
【0012】
本実施例は
図1に示すように、車輪の進入路を形成し、車輪下部を固定する部材であって前端上部にロックピン120が設けられ、建造物の床や屋外の地面等に接する底面101が床面等に締結部材162で取り付けるための複数の穴164を有し、該底面101の両側に壁面105を有し、該両側壁面105に車輪前部固定部材取り付け穴102と車輪後部支持部材支持プレート710を取り付ける長孔104および、車両補助固定用のロープ等を固定する固定部材166を有し、締結部材162等で床面に固定される基礎部材100と、該部材100の両壁105の取り付け穴102に、上端にブラケット501を有し、該ブラケット501にロック部材520を取り付け、
図2に示すように軸端内径部にねじ穴554を有する軸552を有し、断面がV型等の形状を有する車輪前部固定部材4500が、そのねじ穴502に、取付け穴102を貫通した締結部材504をねじ込むことにより、回転自在に支持されている。
【0013】
図3に車輪後部支持部材取り付けプレート710の側面図、
図4にその正面図、
図5に該部材710と車輪後部支持部材700を結合しさらに、基礎部材100に取り付けた状態の側面図、
図6にその正面断面図を示す。
【0014】
基礎部材100の両側壁105には穴102に対し、後方に所定の距離から離れた長孔104が設けられ、両壁105の長孔104に、車輪後部支持部材取り付けプレート710が長孔104と取付け穴711を貫通するボルト704とナット754で取り付けられ、該ボルトを緩めると該プレート710が基礎部材に対し車両方向前後位置変化が可能となり、ボルト704を締めるとその位置が固定されるように支持されている。
図3、
図5においては、取付け穴711と取付けボルトは1個のプレート710に対し2個であるが、1個でもよい。
プレート710に設けられた穴712には、締結部材714が回転自在に貫通し、断面が台形を有し該台形斜面701に、凸部718と凸部706が設けられた車輪後部支持部材700がその凸部718のねじ穴713に穴712を貫通した締結部材714がねじ込まれ、揺動可能に取り付けられている。
【0015】
車輪後部支持部材700が
図1および、
図5に示す位置にあるときは、該部材700の底部701の前端は、少なくとも揺動中心である取付け穴712中心より後方に位置し、車輪後部支持部材700の凸部取り付け部材のねじ穴713中心から底部701の下側までの距離と、基礎部材100の底部101の上面から、取り付けプレート710の穴712までの距離が等しくなるように作られている。したがって、車輪後部支持部材700の底部701が基礎部材底部101に接するときは、互いに平行に接触し、車輪後部支持部材700の底部701の全面が、基礎部材100の底部101の上面に接触にする。このため、基礎部材100の底部101上面と車輪後部支持部材700の段差は車輪後部支持部材700の底部701の厚さのみとなり、車輪1300が抵抗なく、車輪後部支持部材700の底部701の上を通過できる。この時車輪前部固定部材4500はやや右側に傾斜した位置にあり、ロック部材520と、ロックピン120が所定の距離を保持するように設定されている。なお車輪後部支持部材の底部701が干渉せずはまるような穴を基礎部材底部101に設け、車輪後部支持部材底部の701と基礎部材底部101の段差をなくすようにしてもよい。また基礎部材100底101の後端を車輪後部支持部材700の底部701の前端より前方にし、車輪後部支持部材の底部701と基礎部材101の段差をなくしてもよい。
【0016】
図7は連結部材900と車輪前部固定部材4500と車輪後部支持部材700との結合部分の詳細図である。
図8の一部は連結手段とその側面図を表す。連結手段900は両端に互いに逆向きのネジ穴を有するターンバックル本体934と該ネジ穴に勘合するねじを有し端部にL型部920を有する出力軸931と、端部にターンバックル本体934に勘合するねじを有し、他端に複数の取付け穴930を有するプレート932が設けられた出力軸939を有する。
【0017】
連結部材900のL型部920は車輪前部固定部材4500に設けられた穴506に止め輪等で揺動可能に勘合し、取付け穴930のいずれかは車輪後部支持部材700に設けられた取り付け凸部706にねじ穴703に締結部材702で揺動可能に締結されている。該連結部材900は
図7においては車両を挟んで両側に、2本使用している例を示すが、車両側面片側に1本でもよい。
【0018】
図8は車輪1300が固定された時の詳細及び、▲1▼基礎部材100と基礎部材に固定された車輪後部支持部材取り付けプレート710の一組の部材と、▲2▼基礎部材100に揺動可能に結合された車輪前部固定部材4500と▲3▼車輪後部支持部材取り付けプレート710に揺動可能に結合された車輪後部支持部材700と、▲4▼車輪前部固定部材4500と、車輪後部支持部材700を揺動可能に連結する連結部材900の、4つ部材または手段をリンクの4辺とし、各部材を揺動可能に結合する結合手段を4つのリンク節とし構成される不等辺4節リンクを示す。2点鎖線は仮想リンク辺を表す。また各節の位置及び、車輪1300のリンクを構成する各部材への接触位置関係を示す。さらに前述したように連結部材900の取り付けの側面図である。
【0019】
基礎部材100と車輪前部固定部材の結合部位502をリンク節A、車輪前部固定部材4500と連結部材900の接合部をリンク節B、連結部材900と車輪後部支持部材700の接合部をリンク節C、車輪後部支持部材700と車輪後部支持部材取り付けプレート710の接合部をリンク節Dとし、節ABの間の距離をXf、節CD間の距離をXr、節Aと車輪前部固定部材4500と、車輪1300の接触位置1302までの距離をWf、節Dから車輪後部支持部材と車輪1300の接触位置をWrとした時、これらの関係はXfがXrよりも大きく、克XfとWfとの比Xf/Wfが、XrとWrの比Xr/Wrよりも大きくなるようにし、更に▲1▼車輪後部支持部材700が後方に倒れ基礎部材100に接しているときの、節BC間を結ぶ作用線から節Cまでの距離すなわちモーメントアームM1を ▲2▼車輪後部支持部材が前輪の後部と接する位置に起き上がっている時の該作用線から節Cまでの距離M2よりも小さくなるようにリンク節CDの位置を設定し、
上記▲1▼の状態においては、リンク節ABを結ぶ直線と、リンク節ABを結ぶ直線の交角が90度に近くになり、上記▲2▼の状態では該軸交角が90度から離れるような関係位置になるように不等辺4節リンクを設定する。
【0020】
上記設定リンク節の位置により車輪前部固定部材4500の基礎部材100に対する角度変化を揺動角αとすると、αに対し車輪後部支持部材700の角度変化である揺動角βは大きくなる。さらにβのαに対する微分値dβ/dαは車輪前部固定部材4500の揺動角αが大きくなるほど小さくなる。本特性は相反する車輪後部支持部材700のより大きな揺動角と、より大きな車輪後部支持部材700の車輪1300後部押圧支持力を両立させる。
車輪1300が入庫位置に達し、車輪前部固定部材4500が所定位置まで揺動すると、ロック部材520がロックピン120を噛みこみ車輪前部固定部材4500は基礎部材100に固定され結果、節Aの揺動が固定される。そのためリンク辺を構成する各部材の揺動が固定され、車輪1300の固定は維持される。
【0021】
2輪車の車輪1300の径は車種により大きく異なる。それに対応する手段としてリンク節AD及びBC間の距離を変化させることが必要となる。本実施例においては、距離ADの変化は車輪後部支持部材取付けプレート710を基礎部材100に固定するボルト704を緩めることにより、車輪後部支持部材取り付けプレート710を基礎部材100に対し、車両の前後方向に移動して行う。
距離BCの変化は連結部材900に多穴930とターンバックル本体934が設けられ、大きな長さ調整は、多穴930の取り付け位置変更、微調整はターンバックル本体934で行う。以上の操作を実施することで車輪1300の径の大きく異なる車両の駐輪にも対応可能となる。
【0022】
図9に車輪後部支持部材700の台形形状底部701及び、基礎部材100の底部の車輪接触部に設けられた凹凸721及び113、および基礎部材を床等に固定する締結部材162、および締結部材が貫通する取付け穴164を示す。当該凹凸は、車輪タイヤとの摩擦を増加することにより車輪1300の横滑りを防止し、車輪の固定をより安定させることが出来る。締結部材162の位置は車輪1300と干渉しない位置に設け、車輪通過を妨げないようにしている。
【0023】
図10、
図11、
図12にロック部材520の一実施例を示す。
図10はロック部材520のロック前の状態を示す。
図11はフック522がロックピン120を噛みこみロックした状態を示す。
図12はトリガー524を操作し、フック522とロックピン120を解放した状態を示す。
【0024】
図13は2輪車が駐輪している状態を示す。車輪1300は、車輪前部固定部材4500と、車輪後部支持部材700に挟まれ固定され、更に、補助固定ロープ168の端部のフック167が基礎部材100に設けられたロープ固定部材166に引掛けられ、ロープの他端のフック165を2輪車の車体169に引掛け固定してある。
またロック部材520のトリガー522の穴に締結された先端にキャップ546と長さ調整手段554を有するロープ544のキャップ546が車両ハンドルのレバー先端に差しこまれている。
【0025】
ロック部材520は、車輪前部固定部材4500のV型先端部等に設けられたブラケット501にその穴531を貫通する締結部材502により回転自在に取り付けられている。先端に斜面523を有するフック522、トリガー524、弾性体取り付け穴526、穴526と、ブラケット501間を連結する弾性体529が、ブラケット501の穴503に取り付けられ、フック522がロックピン120を噛みこむ方向に回転モーメントを与える。ブラケット501にストッパー部材537が設けられ、該ストッパー部材537の位置は、
図10に示すようにロック部材520がロックピン120を噛みこんでいないときは、フック522がストッパー部材537に接触し、ロックピン120とフック522が接触を開始するとき、最初にピン120にフック斜面523が当接する位置に、また
図11に示すように、フック522がロックピン120を噛みこみロックしている時は、フック522と、ストッパー部材537は接触しない位置になるように設けてある。
【0026】
車輪1300により車輪前部固定部材4500が押圧揺動されることにより、ロック部材520のフック522の斜面523がロックピン120に接触しさらに揺動が進むと、フック522は斜面523の作用で、弾性体529を変形させながらピン120を乗り上げさらに進むと、弾性体529の働きで
図11に示すようにピン120を抱え込む。この時フック522は前記したようにストッパー部材537との隙間は保たれ、ロックピン120を十分に噛みこむ。したがって、不等辺4節リンクの一節である節Aが固定され、車輪1300の固定が維持される。尚
図11に示すように、ロックピン120にセンサー119を設け、フック522がロック確実にロックされた位置に達した時、警告灯が作動し、確実にロックされたか否かを判別させることもできる。
【0027】
また必要に応じ、基礎部材100に設けられた、本実施例の場合はアイボルトで構成されたロープ固定部材166に通称タイダウンウンベルト等168の先端のフック等167を引掛け、他端のフック165を車両の適切な位置に固定しベルトを締めあげ、車両の固定をさらに強固なものにすることもできる。
【0028】
図13に示すようにライダー等が、補助固定ベルト168が用いてある場合は、それを外してから、また該補助固定ベルト168を用いない場合は直接、キャップ546の差し込まれた車両ハンドルのレバーを握ることで、トリガーが
図12の右方向にひかれ、フック522はロックピン120から浮き上がり、ロックピンとの固定は解かれ、不等辺4節リンクの固定は解除される。このためリンクの一辺である車輪前部固定部材4500の揺動が可能となる。
【0029】
この状態で、2輪車を後方に移動させると、車輪1300が車輪後部支持部材700を後方に押圧し、車輪前部固定部材4500とともに車輪後部支持部材700は、その底部が基礎部材底部101に接触するまで後方に倒れる。このため、車輪1300は
図1に示すように車輪後部支持部材700の上を通過可能となり2輪車は駐輪装置から離脱できる。尚ロック手段及びその解放手段は節ABCDの4つの節のどの節に設けてもよい。4節のうち1節が固定されれば、4節リンクは固定されるからである。2つの節に固定手段とその解放手段を設け、そのうちの1つを自動、他にロック解除キー機構を設け盗難防止手段としてもよい。
【0030】
図14は車輪後部支持部材取り付けプレート710を用いず、車輪後部支持部材700を、基礎部材0100の長孔0104に直接取り付けながら、揺動可能にしかも、揺動中心節Dの位置を前後方向に変化させ、節AD間の距離を変化可能な車輪後部支持部材700の取り付け例を示す。
【0031】
後輪後部支持部材700の凸部材718に設けられたねじ穴715と、長孔0104にはめ込まれた内部に穴7013を有するボルト7011とボルト7011を基礎部材0100の長孔0104に固定するナット7019、ボルト7011の穴7013を貫通するボルト7015から構成される。ボルト7015のネジ部は、ねじ穴715に勘合し、該ネジ部より太い軸部7017を有し、軸部7017はボルト穴7013と勘合摺動する径となっている。軸部7017の長さはボルト7011の全長より長く作られている。
【0032】
このため、ボルト7015を車輪後部支持部材700の凸部材718に設けられたねじ穴715にきつく締めても、穴7013とボルト7015の摺動性は保たれ、車輪後部支持部材700の基礎部材0100との揺動性は保たれる。ボルト7011はナット7019を緩めることで、長孔0140に対する前後位置を変化させることが可能で、締めることにより、位置が固定される。したがって、車輪後部支持部材取り付けプレート710を使用することなく、車輪後部支持部材700の揺動を可能にしながら、節AD間の距離を変化させることも、所定の距離で固定することも可能となる。
【0033】
車輪前部固定部材4500は前記したように、その断面形状がV型で車輪1300の横方向の倒れを防止し、車輪後部支持部材700は、台形断面をし、車輪後部支持部材700の底部701が平らなため、後方に倒れた
図1の状態での太いタイヤを有する車輪1300の通過時、タイヤ側面が、台形側面に接触せず通過が容易であり、
図5に示す車輪1300が固定された状態に置いては、車輪の大きな横方向のずれを防止し、車輪固定を確実にする。車輪後部支持部材700の底部701は、太いタイヤの断面の曲率より小さい曲率の面であれば、平面でなくてもよい。
【0034】
本実施例においては、不等辺4節リンクの節BC間の距離及び節AD間の距離の調整手段を有しない、すなわち連結部材900の長さを固定し、克節Dの位置を固定した物でもよい。駐輪する車種が、契約等の理由で固定されている場合、車輪1300の径が一定であるため、連結部材900の長さや、車輪後部支持部材700の揺動中心すなわち不等辺4節リンクの節Dの位置調整の必要がない場合があり、構造もより簡単になるからである。
【0035】
以上のように、本実施例は、入庫や出庫の際の時、両手をハンドルから手を放すことなく2輪車を前方に押すだけで入庫可能で、ハンドルのレバー等を握り、車両を後方に移動するだけで駐輪装置から出庫できる。さらに2輪車は構造形態上、前進は容易である。このため各前輪固定部材の駆動源に前輪の前進エネルギーを使用することはきわめて合理的で、さらに不等辺4節リンクの動きを応用した簡単な機構で信頼性が高く、小型軽量、安価である。
また、車両の固定をより強固なものとするため、必要によりタイダウンベルト168等で車両を固定また解放する際、車両は車輪前部固定部材4500と車輪後部支持部材700により車輪1300を挟まれ自立しているため、その操作は容易である。本実施例の連結手段900はリンク辺で構成するが、そのほかに車輪前部固定部材と車輪後部支持部材を連結する非円形歯車列、偏心スプロケットとチエーン、2つの油圧シリンダー、等を使用してもよい。
【実施例2】
【0036】
実施例2の一例を
図15、
図16に示す。
図15は、不等辺4節リンクの節Aすなわち車輪前部固定部材4500の揺動中心位値にワンウエイクラッチ機構580を配置した図であり、
図16はワンウエイクラッチ機構520のラッチ588とトリガー582の詳細図を示す。
【0037】
実施例2は実施例1のロック部材520に変え、外周が円または扇状でその中心部に車輪前部固定部材4500を取り付けるための締結部材が貫通する132穴を有するワンウエイクラッチ機構580のラッチ188が該部材の中心穴の中心が基礎部材100の外壁105のリンク節Aの位置に、締結部材または溶接等で固定し、ラッチ188と同一平面上にトリガー機構582を所定位置に取り付けるためのブラケット592が車輪前部固定部材4500に取り付け固定され、トリガー582が該ブラケット592に、ボルト591等の軸で回転可能に取りつけられている。さらに弾性体586で、トリガーとブラケット592を連結する。該構造により、節Aの揺動を基礎部材100に対し車輪前部固定部材4500が
図15の左方向のみ可能とするワンウエイクラッチ機構580と、その機能を解除し、反対方向または両方向への揺動を可能にする機構が実現できる。
【0038】
ラッチ188の外周部588には、歯593が設けられ、その歯型はトリガー582が車輪前部固定部材4500と共に左揺動するときに接する面の傾きは緩く、トリガー歯先581とかみ合うときの共通法線が、
図16におけるトリガーの回転中心である取り付けボルト591の中心よりも上方を通過する形状となっている。ラッチ歯型593の反対側の歯面はトリガー歯先581と接触する面は斜面がきつく、トリガー歯先581との噛み合い共通法線が、トリガーの回転中心である取り付けボルト591の中心上方を通過する形状となっている。
トリガーはラッチ歯593に噛み合う歯先581と弾性体取り付け腕583とトリガー腕582と回転中心穴581、弾性体取り付け腕583を有し、該腕583と、ブラケット592の穴597間を弾性体586で連結している。
【0039】
ラッチ歯593に噛み合うトリガーの歯先581の形状はラッチの歯593の谷形状と等しくし、ラッチ歯に噛みこむ形状となっている。このため、車輪前部固定部材4500がトリガー582と共に
図16の左方向に揺動すると、フックには歯先581と歯593の共通法線方向の噛み合い力が作用し、トリガーは右廻りの回転モーメントを受け、弾性体586を変形させながら、歯先581はラッチの歯593から浮き上がり、両者の結合は外れる。このため、車輪前部固定部材4500の左方向の揺動を阻害しない。弾性体586は、トリガーに常時、左回転モーメントを与えているため、歯先581がラッチの歯593の山を乗り越えると、すぐに再度噛み合い状態に復帰する。
【0040】
ラッチ歯593と歯先581がかみ合っている状態で、車輪前部固定部材4500を右方向に揺動させようとすると、トリガーには、歯先581とラッチ歯593に共通法線方向に噛み合い反力が働き、歯がますます噛み合う方向の左回転のモーメントが生じ、噛み合いが外れることはない。
【0041】
車輪1300が車輪前部固定部材4500を前方に押圧すると、前記したように車輪前部固定部材4500は基礎部材100対し、ワンウエイクラッチ機構580の作用によりその位置から逆方向へは戻らない。したがって車輪前部固定部材4500を、車輪1300により所定の位置まで押圧すると、車輪後部支持部材700は連結部材900の作用で車輪1300の後部を押圧し、車輪1300は車輪前部固定部材4500と、車輪後部支持部材700により挟まれ2輪車は自立固定され、車輪1300の前方への押圧を停止しても、ワンウエイクラッチ580の機能でその状態が保持される。車輪1300を挟む力は、ライダーが車輪1300で車輪前部固定部材4500を押圧する力に一義的に対応する値となる。
【0042】
ワンウエイクラッチ機構580がロックされた状態のとき、トリガー腕582を
図17の右側に動かすと、トリガーは取付け穴506を中心に右回転する。このためトリガー歯先581は、ラッチの歯593から浮き上がり、ワンウエイクラッチ580のロックは解かれ、不等辺4節リンクの節Aの揺動が自由となり、不等辺4節リンクの右方向の揺動が可能となる。
【0043】
この状態で車輪1300を後方に移動させると、車輪後部支持部材700は後方に倒れ、2輪車は駐輪機から離脱可能となる。
【0044】
図15、
図16に示したワンウエイクラッチとトリガーは本発明の一実施例であり、本発明の主要発明は不等辺4節リンクの応用であることから、当該リンク機構の左回転方向の揺動のみを許す手段と、その機能を停止し、右方向または左右両方向の揺動を許容する手段を有する物であれば、どのようなものでもよい。また、該手段は不等辺4節リンクの4つの節であるABCDのいずれの節に設けてもよい。ワンウエイクラッチの機能を停止さリンク節の揺動を自由にする手段の駆動は手動のほか、ソレノイド、モーター、空圧等、油圧等のアクチェーターを使用してもよい。
この場合、アクチェーターのスイッチと料金箱やカード読み取り機と連動させ、所定の料金を支払ったときのみリンクを固定または解放方向に働くようにしてもよい。
【0045】
以上のように、ワンウエイクラッチ機構を使用することで、車輪前部固定部材4500を自由な揺動位置で固定可能となり、車輪1300の径に違いがあっても、自動的に補正し、確実な車輪の固定が可能となる。車輪1300の径が小さい場合は、車輪前部固定部材4500を車輪1300でより前方に移動押圧すれば、連結部材900の作用で、車輪後部支持部材700がより大きく揺動し、車輪1300を後方から押圧するからである。
【実施例3】
【0046】
本実施例は実施例1における連結部材900の剛性を下げた実施例である。
図17は車輪前部固定部材4500と、車輪後部支持部材700を連結する連結部材901の形状を示す。ターンバックル本体934の片側出力軸1930を一個または複数の波型に曲げ、引張方向の剛性を下げたものである。
図17はターンバックル本体934の出力軸の一方1930のみを波型とした例であるが両側軸を波型にしてもよい。
使用車両が限定されている場合、車輪1300の径は一定なのでターンバックル本体934を使用せず、出力軸1930に多穴プレート922を結合した構造でもよい。また多穴930は1個でもよい。
【0047】
図18は連結部材902のターンバックル本体934の出力軸1931をコイル状に加工し、引っ張り方向の剛性を下げたものである。
図11は片側出力軸のみコイル状としたが、両側でもよい。使用車両が限定されている場合、ターンバックル本体934は使用せず、出力軸1932と多穴プレート922を直接結合したものでもよい。また穴930は1個でもよい。
【0048】
図19は連結部材903を、引っ張りコイルスプリング1932を多穴プレート1922に接合して構成し、車輪前部固定部材4500の右方向への揺動を制限するストッパー150を基礎部材に取り付けたものである。尚本実施例と離れ、実施例1に属する発明となるがストッパー150を設定した場合、連結手段は鎖等でもよい。さらに鎖を車輪前部固定部材4500と車輪後部支持部材700とのコマの固定位置を変えれば連結手段の長さ調整が可能である。
【0049】
本実施例における節の固定手段及び解放手段の位置は、基礎部材100と車輪前部固定部材4500間の節Aまたは基礎部材100と車輪後部支持部材700間の節Dに設定する。
【0050】
ストッパー150を取り付けた理由は、引っ張りスプリングの場合、圧縮方向の支持力が不足し、車輪前部固定部材4500を、所定の位置に保持することが難しいからである。引っ張りコイルスプリングの代わりに、ゴム紐等を使用してもよい。当該連結部材903は、ターンバックル本体934は使用しない。多穴プレートの取り付け位置変更のみで対応可能だからである。また、駐輪車両の車種が限定されている場合は、多穴プレート922の穴930は1か所でもよい。
【0051】
タイヤの摩耗持、空気圧の変化により同一機種であっても、車輪1300の直径は変化する。この時実施例3に示すように、連結手段、901、902、903の引っ張り方向の剛性を下げることで、車輪1300の直径が多少変化しても、連結部材900の長さ調整や、車輪後部支持部材700の位置を調整することなく、車輪前部固定部材4500と車輪後部支持部材700の車輪1300を押圧する力の変化を最小することが出来、車輪1300を確実に保持することが可能となる。
【実施例4】
【0052】
図20は本実施例の側面図を示す。基礎部材100に車輪1300前部接触部は他の実施例と同様にV字断面形基礎部材100の両壁との接触部はコの字断面形状を有し、コの字の底が前方に位置し両壁が基礎部材100の両壁の内側に接し、締結部材の貫通する前後方向に伸びる長孔584を有し、基礎部材に対し、その締結位置が前後に変化可能なように締結部材586で基礎部材100に固定されている車輪前部固定部材4500と、その後方に基礎部材100に直行する水平軸線廻りに揺動可能に支持された車輪後部支持部材700と、該揺動中心軸を電動モーター781とウオーム等の不可逆的減速機構788と基礎部材100壁面の車輪後部支持部材700の揺動中心部に設けられた穴に遊挿され、車輪後部支持部材700に設けられた揺動軸の穴に勘合し、キー等で締結された駆動軸から構成される駆動ユニット780と、車輪前部固定部材4500のブラケット581に取り付けられた投光器582とその光を受け信号に変換する車輪前部固定部材下部に取り付けられた受光器583、電流検出器783、コントローラー784、出庫スイッチ786を示す。本実施例の場合駆動ユニット780は駆動軸が車輪後部駆動部材の揺動中心位置になるように、基礎部材100の壁面に締結部材788で固定され、駆動体の出力軸が車輪後部支持部材700の揺動の駆動と揺動中心位置の保持の機能を有する。駆動軸と、車輪後部支持部材の被駆動軸の駆動はカップリング、ギヤー、チエーンで等を介し駆動してもよい。
【0053】
車輪1300が入庫位置に到達したことを感知する光センサー582、583が前輪到達を検知し信号をコントローラー784に送り、コントローラー784が駆動ユニット駆動し、車輪後部支持部材700を後ろに倒れている位置から、前輪後部を押圧する位置まで揺動させる。車輪後部支持部材が前輪後部を押圧する位置に達すると、モーターの負荷が増大し、電流計783に流れる電流が増大する。その電流値または電流変化(時間に対する電流の微分値)をコントローラー784が検知し、モーター駆動を停止する。減速機が前記したように不可逆的減速機構のため、車輪後部支持ユニットは前輪後部を固定した位置にとどまり入庫が維持される。
車種により車輪1300の径が異なる場合、締結部材を緩め車輪前部固定部材4500を、基礎部材に対し、前後方向に調整、その後締結部材を締め位置を固定するする。
【0054】
出庫の際、出庫スイッチ786を操作することで、コントローラーがモーターを駆動、車輪後部支持部材は後方に該上を前輪が通過可能位置まで倒れストッパー789で揺動を妨げられ、モーターの電流変化によりコントローラーがりモーターを停止させる。前記ストッパーはゴム等の弾性を有することが良い。
【0055】
車輪後部支持部材の駆動を所定の位置で、停止させる手段は、駆動ユニットを駆動軸線上廻りに揺動可能に弾性体で支持、駆動反力変化で該ユニットが揺動する角度を位置センサーで検出し、モーターを停止する方法でもよい。