(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】パラメータ設定支援システム、パラメータ設定支援方法およびパラメータ設定支援プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 7/18 20060101AFI20240228BHJP
H04N 23/60 20230101ALI20240228BHJP
【FI】
H04N7/18 E
H04N23/60 100
(21)【出願番号】P 2019226619
(22)【出願日】2019-12-16
【審査請求日】2022-12-01
(73)【特許権者】
【識別番号】320008672
【氏名又は名称】i-PRO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】瀬川 昂平
(72)【発明者】
【氏名】山畠 利彦
(72)【発明者】
【氏名】原 大輔
(72)【発明者】
【氏名】小方 剛
(72)【発明者】
【氏名】久保田 亮
【審査官】佐野 潤一
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-248090(JP,A)
【文献】特開2009-141710(JP,A)
【文献】国際公開第2016/157330(WO,A1)
【文献】特開2012-039392(JP,A)
【文献】特開2016-099790(JP,A)
【文献】特開2014-179923(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/18
H04N 23/60
G08B 13/00-31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視カメラと端末装置とが互いに通信可能に接続されたパラメータ設定支援システムであって、
前記端末装置は、
ユーザ操作により選択された前記監視カメラのパラメータの設定種別を前記監視カメラに送信し、
前記監視カメラは、
受信された前記設定種別が前記監視カメラの撮像画像の画質でない場合、前記監視カメラに接続された外部記憶媒体に記憶された過去に撮像された過去映像を取得して前記端末装置に送信し、
前記端末装置は、
受信された前記過去映像を再生し、
前記ユーザ操作により再生中の前記過去映像を用いた
対象物の検知に関する設定種別ごとのパラメータの入力を受け付け、前記入力された前記設定種別ごとのパラメータを前記監視カメラに送信し、
前記監視カメラは、
受信された前記設定種別ごとの前記パラメータを設定する、
パラメータ設定支援システム。
【請求項2】
前記検知に関する設定種別ごとのパラメータは、検知される前記対象物に関する検知設定または前記対象物を検知する検知領域の奥行き設定に関するパラメータである、
請求項1に記載のパラメータ設定支援システム。
【請求項3】
前記監視カメラは、
設定された前記設定種別ごとの前記パラメータに基づいて、前記過去映像の画像処理を実行し、
前記画像処理後の過去映像を前記端末装置に送信し、モニタに出力させる、
請求項1に記載のパラメータ設定支援システム。
【請求項4】
前記端末装置は、
前記過去映像の表示領域を含む、前記設定種別ごとの前記入力を受け付ける設定画面をモニタに出力する、
請求項1に記載のパラメータ設定支援システム。
【請求項5】
前記端末装置は、
前記ユーザ操作により前記画質が選択された場合、前記画質の設定を開始させる制御信号を生成して前記監視カメラに送信し、
前記監視カメラは、
前記画質の設定を開始させる前記制御信号を受信すると、前記監視カメラによって現在撮像されているライブ映像を前記端末装置に送信し、
前記端末装置は、
受信された前記ライブ映像を出力する、
請求項1に記載のパラメータ設定支援システム。
【請求項6】
前記端末装置は、
前記ユーザ操作により、前記表示領域にて前記過去映像の再生あるいは一時停止を行うとともに、前
記設定種別のパラメータの入力を受け付ける、
請求項
4に記載のパラメータ設定支援システム。
【請求項7】
前記端末装置は、
前記過去映像を用いた前記設定種別ごとのパラメータの入力を繰り返し受け付け、再入力された前記設定種別ごとのパラメータを前記監視カメラに送信し、
前記監視カメラは、
受信された前記設定種別ごとの前記パラメータに基づいて、前記過去映像の画像処理を実行し、
前記画像処理後の過去映像を前記端末装置に送信し、モニタに出力させる、
請求項1に記載のパラメータ設定支援システム。
【請求項8】
監視カメラと端末装置とが互いに通信可能に接続されたパラメータ設定支援方法であって、
ユーザ操作により選択された前記監視カメラのパラメータの設定種別が、前記監視カメラの撮像画像の画質でない場合、前記監視カメラに接続された外部記憶媒体に記憶された過去の過去映像を取得して再生し、
前記ユーザ操作により再生中の前記過去映像を用いた
対象物の検知に関する設定種別ごとのパラメータの入力を受け付け、前記入力された前記設定種別ごとのパラメータを設定する、
パラメータ設定支援方法。
【請求項9】
監視カメラ
と通信可能に接続された
端末装置に、
ユーザ操作により選択された前記監視カメラのパラメータの設定種別が、前記監視カメラの撮像画像の画質でない場合、前記監視カメラに接続された外部記憶媒体に記憶された過去映像を取得して再生するステップと、
前記ユーザ操作により再生中の前記過去映像を用いた
対象物の検知に関する設定種別ごとのパラメータの入力を受け付け、前記入力された前記設定種別ごとのパラメータを設定するステップと、を
実行させるための、
パラメータ設定支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、パラメータ設定支援システム、パラメータ設定支援方法およびパラメータ設定支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、監視対象範囲を撮像する撮像装置と、撮像画像から画像解析処理の設定に関するパラメータを取得し、パラメータに基づいて、監視対象範囲を撮像した撮像画像に対して実施する画像解析処理に関する設定を行う画像処理装置と、画像処理装置によって実施された画像解析結果を表示可能な表示装置と、を備えた画像処理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1の画像処理システムの構成では、監視対象範囲に設置された画像コード(例えば2次元バーコード、多色カラーコードなど)を撮像し、撮像画像に映る画像コードに埋め込まれている画像解析処理のパラメータに基づいて、監視対象範囲を撮像した撮像画像に実施する画像解析処理を設定が可能である。一方、撮像装置の画像解析処理の性能(例えば人物等の対象物の検知性能)を確認したいというユーザからの要望がある。しかし、特許文献1の構成では、監視対象範囲をリアルタイムに撮像したライブ映像を用いて、画像解析処理の設定をしなければならなかったが、例えば、画像解析処理の設定が夜間の場合、あるいは雨天、降雪の場合などライブ映像だけでは画像解析処理の設定が不十分なことがあった。
【0005】
本開示は、上述した従来の事情に鑑みて案出され、監視カメラの過去映像あるいはライブ映像を用いて監視カメラのパラメータの効率的な設定を支援するパラメータ設定支援システム、パラメータ設定支援方法およびパラメータ設定支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、監視カメラと端末装置とが互いに通信可能に接続されたパラメータ設定支援システムであって、前記端末装置は、ユーザ操作により選択された前記監視カメラのパラメータの設定種別を前記監視カメラに送信し、前記監視カメラは、受信された前記設定種別が前記監視カメラの撮像画像の画質でない場合、前記監視カメラに接続された外部記憶媒体に記憶された過去に撮像された過去映像を取得して前記端末装置に送信し、前記端末装置は、受信された前記過去映像を再生し、前記ユーザ操作により再生中の前記過去映像を用いた対象物の検知に関する設定種別ごとのパラメータの入力を受け付け、前記入力された前記設定種別ごとのパラメータを前記監視カメラに送信し、前記監視カメラは、受信された前記設定種別ごとの前記パラメータを設定する、パラメータ設定支援システムを提供する。
【0007】
また、本開示は、監視カメラと端末装置とが互いに通信可能に接続されたパラメータ設定支援方法であって、ユーザ操作により選択された前記監視カメラのパラメータの設定種別が、前記監視カメラの撮像画像の画質でない場合、前記監視カメラに接続された外部記憶媒体に記憶された過去の過去映像を取得して再生し、前記ユーザ操作により再生中の前記過去映像を用いた対象物の検知に関する設定種別ごとのパラメータの入力を受け付け、前記入力された前記設定種別ごとのパラメータを設定する、パラメータ設定支援方法を提供する。
【0008】
また、本開示は、監視カメラと端末装置とが互いに通信可能に接続されたパラメータ設定支援プログラムであって、ユーザ操作により選択された前記監視カメラのパラメータの設定種別が、前記監視カメラの撮像画像の画質でない場合、前記監視カメラに接続された外部記憶媒体に記憶された過去映像を取得して再生するステップと、前記ユーザ操作により再生中の前記過去映像を用いた対象物の検知に関する設定種別ごとのパラメータの入力を受け付け、前記入力された前記設定種別ごとのパラメータを設定するステップと、を有する、パラメータ設定支援プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、監視カメラの過去映像あるいはライブ映像を用いて監視カメラのパラメータの効率的な設定を支援できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態1に係るパラメータ設定支援システムの内部構成例を示す図
【
図6】感度設定およびその他設定画面の一例を示す図
【
図8】実施の形態1に係るパラメータ設定支援システムの動作手順例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、適宜図面を参照しながら、本開示に係るパラメータ設定支援システム、パラメータ設定支援方法およびパラメータ設定支援プログラムの構成および作用を具体的に開示した各実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるものであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0012】
(実施の形態1)
図1を参照して、実施の形態1に係るパラメータ設定支援システム100の構成例およびユースケース例について説明する。
図1は、実施の形態1に係るパラメータ設定支援システム100の構成例を示す図である。パラメータ設定支援システム100は、ユーザが監視カメラを購入する前に、購入を希望(検討)する監視カメラによって実行される画像処理をパラメータ設定支援するシステムである。
図1に示す監視カメラC1は、ユーザが購入を希望(検討)する監視カメラと同じあるいは類似する機能を有する監視カメラであって、例えば販売店、メーカなどから貸し出される。ユーザは、貸し出された監視カメラC1を、監視カメラの設置予定位置に設置し、通信可能に接続された端末装置P1を操作して監視カメラC1の性能をパラメータ設定支援する。パラメータ設定支援システム100は、監視カメラC1と、端末装置P1と、を含んで構成される。なお、
図1の説明において、監視カメラが1台の例について説明するが、監視カメラの台数は複数であってもよい。
【0013】
パラメータ設定支援システム100における監視カメラC1は、ユーザが撮像を希望する撮像領域を撮像可能な位置(つまり、ユーザが監視カメラの設置を予定する位置)に設置される。監視カメラC1は、端末装置P1との間で通信可能に接続される。また、監視カメラC1は、撮像領域を撮像可能であるとともに、監視カメラC1あるいは他の監視カメラによって撮像された過去の撮像映像(以降、過去映像と表記)のデータを外部記憶媒体M1あるいはメモリ12から取得する。監視カメラC1は、取得された過去映像のデータを、ネットワークNW1を介して端末装置P1に送信する。
【0014】
監視カメラC1は、ユーザ操作によって入力された各種設定種別(例えば、画質設定、検知設定、奥行き設定、その他設定、スケジュール設定など)ごとのパラメータに基づいて、過去映像あるいは撮像部13によって撮像されたライブ映像に画像処理を実行する。監視カメラC1は、通信部10と、プロセッサ11と、メモリ12と、撮像部13と、AI(Artificial Intelligence)処理部14と、外部記憶媒体I/F(interface)15と、を含んで構成される。
【0015】
通信部10は、端末装置P1における通信部20との間でネットワークNW1を介してデータ通信可能に接続される。なお、通信部10は、通信部20との間で有線通信可能に接続されてよいし、無線LANなどの無線ネットワークを介して接続されてもよい。ここでいう無線通信は、例えばBluetooth(登録商標)、NFC(登録商標)などの近距離無線通信、またはWi-fi(登録商標)などの無線LAN(Local Area Network)を介した通信である。
【0016】
通信部10は、プロセッサ11により生成された画像処理結果としての過去映像あるいはライブ映像のデータ、AI処理部14により生成された画像処理結果としての検知データ、あるいは撮像部13によって撮像されたライブ映像のデータなどを、ネットワークNW1を介して、端末装置P1における通信部20に送信する。また、通信部10は、ネットワークNW1を介して、ユーザ操作により入力されたパラメータを受信し、受信されたパラメータをプロセッサ11に入力する。
【0017】
プロセッサ11は、例えばCPU(Central Processing unit)またはFPGA(Field Programmable Gate Array)を用いて構成され、メモリ12と協働して、各種の処理および制御を行う。具体的には、プロセッサ11はメモリ12に保持されたプログラムおよびデータを参照し、そのプログラムを実行することにより、各部の機能を実現する。なお、ここでいう機能は、例えばユーザ操作により設定された設定種別ごとのパラメータに基づいて、過去映像あるいはライブ映像のデータを画像処理する機能、各種設定種別のそれぞれのうち選択された設定種別に基づいて、過去映像あるいはライブ映像のいずれを取得するかを選択する機能などを実現する。
【0018】
プロセッサ11は、端末装置P1から各種設定種別のうち、ユーザ操作により選択された設定種別の情報を通信部10から入力される。プロセッサ11は、入力された設定種別の情報が画質設定である場合、撮像部13に撮像を開始する制御信号を生成して出力する。プロセッサ11は、撮像部13から入力されたライブ映像のデータをメモリ12に記憶するとともに、通信部10を介して端末装置P1に送信する。プロセッサ11は、ライブ映像のデータを送信した後、さらに端末装置P1からユーザ操作により設定された画質のパラメータが入力されると、入力された画質のパラメータに基づいて、撮像部13から入力されたライブ映像のデータに画像処理を実行する。プロセッサ11は、画像処理実行後のライブ映像のデータをメモリ12に記憶するとともに、通信部10を介して端末装置P1に送信する。
【0019】
プロセッサ11は、端末装置P1から各種設定種別のうち、ユーザ操作により選択された設定種別の情報を通信部10から入力される。プロセッサ11は、入力された設定種別が画質設定でない場合(例えば、検知設定、奥行き設定、その他設定、スケジュール設定などの設定種別の場合)、メモリ12に記憶された過去映像のデータを要求する信号を生成してメモリ12に入力する。また、プロセッサ21は、入力された設定種別が画質設定でない場合、外部記憶媒体I/F15を介して接続された外部記憶媒体M1に、過去映像のデータを要求する制御信号を生成して送信する。プロセッサ11は、外部記憶媒体M1から送信された過去映像のデータを受信すると、メモリ12に記憶するとともに、端末装置P1に送信する。また、プロセッサ11は、入力された設定種別が画質設定の場合、撮像部13によって撮像されたライブ映像のデータをメモリ12に記憶するとともに、端末装置P1に送信する。プロセッサ11は、端末装置P1からユーザ操作により設定された設定種別ごとのパラメータが入力されると、入力された設定種別ごとのパラメータに基づいて、過去映像あるいはライブ映像に画像処理を実行する。
【0020】
なお、プロセッサ11は、入力された設定種別が画質設定であっても、ユーザ操作によって外部記憶媒体M1に記憶された過去映像のデータを用いた画像処理を要求する信号を受信した場合には、撮像部13による撮像を中止する制御信号を送信し、外部記憶媒体I/F15を介して接続された外部記憶媒体M1に、過去映像のデータを要求してよい。
【0021】
さらに、プロセッサ11は、外部記憶媒体M1に複数の過去映像のデータのそれぞれが記憶されている場合、端末装置P1に複数の過去映像のデータのそれぞれのうち、画像処理を実行する過去映像のデータの選択操作を受け付けてよい。このような場合、プロセッサ11は、端末装置P1に複数の過去映像のデータを送信する。端末装置P1は、受信された複数の過去映像のデータのそれぞれをモニタ23に表示させ、画像処理を実行する対象となる過去映像のデータの選択操作を受け付ける。端末装置P1は、ユーザ操作により選択された過去映像のデータの情報を監視カメラC1に送信する。
【0022】
メモリ12は、例えばプロセッサ11の各処理を実行する際に用いられるワークメモリとしてのRAM(Random Access Memory)と、プロセッサ11の動作を規定したプログラムおよびデータを格納するROM(Read Only Memory)とを有する。RAMには、プロセッサ11により生成あるいは取得されたデータもしくは情報が一時的に保存される。ROMには、プロセッサ11の動作を規定するプログラムが書き込まれている。メモリ12は、撮像部13によって撮像された過去映像およびライブ映像のデータ、外部記憶媒体I/F15を介して取得された過去映像のデータを記憶する。また、メモリ12は、ユーザ操作によって設定された設定種別ごとのパラメータ、外部記憶媒体M1から受信された過去映像のデータ、プロセッサ11あるいはAI処理部14の画像処理結果としての過去映像あるいはライブ映像のデータ、および検知データなどを記憶する。
【0023】
撮像部13は、少なくともレンズ(不図示)とイメージセンサ(不図示)とを有して構成される。イメージセンサは、例えばCCD(Charged-coupled device)あるいはCMOS(Complementary metal-oxide-semiconductor)などの固体撮像素子であり、撮像面に結像した光学像を電気信号に変換する。撮像部13は、撮像された撮像画像(ライブ映像)をプロセッサ11に出力する。
【0024】
AI処理部14は、例えばCPU、DSP(Digital Signal Processor)またはFPGAを用いて構成され、ユーザ操作により入力された設定種別ごとのパラメータに基づいて、撮像部13によって撮像された過去映像あるいはライブ映像のデータ、あるいは外部記憶媒体I/F15を介して取得された過去映像のデータに画像処理を実行する。AI処理部14は、AI演算処理部14aと、学習モデルDB(Database)14bとを含んで構成される。
【0025】
AI演算処理部14aは、プロセッサ11から入力された各種項目ごとのパラメータと、学習モデルDB14bに記憶された学習データとに基づいて、過去映像あるいはライブ映像のデータの画像処理を実行する。AI演算処理部14aは、画像処理結果としての過去映像あるいはライブ映像のデータあるいは検知データをプロセッサ11に出力する。
【0026】
学習モデルDB14bは、RAMおよびROMなどによる半導体メモリと、SSD(Solid State Drive)あるいはHDD(Hard Disk Drive)などによるストレージデバイスのうちいずれかを含む記憶デバイスを有する。また、学習モデルDB14bは、例えばAI演算処理部14aが実行する画像処理を規定するプログラム、これらの処理を実行するための各種の設定データ、人物、車両などの検知対象を検知する際に用いられる学習データ、プロセッサ11から入力された過去映像あるいはライブ映像のデータなどの各種のデータを生成または記憶する。
【0027】
学習データを生成するための学習は、1つ以上の統計的分類技術を用いて行っても良い。統計的分類技術としては、例えば、線形分類器(linear classifiers)、サポートベクターマシン(support vector machines)、二次分類器(quadratic classifiers)、カーネル密度推定(kernel estimation)、決定木(decision trees)、人工ニューラルネットワーク(artificial neural networks)、ベイジアン技術および/またはネットワーク(Bayesian techniques and/or networks)、隠れマルコフモデル(hidden Markov models)、バイナリ分類子(binary classifiers)、マルチクラス分類器(multi-class classifiers)、クラスタリング(a clustering technique)、ランダムフォレスト(a random forest technique)、ロジスティック回帰(a logistic regression technique)、線形回帰(a linear regression technique)、勾配ブースティング(a gradient boosting technique)などが挙げられる。但し、使用される統計的分類技術はこれらに限定されない。また、学習データの生成は、監視カメラC1内のAI処理部14で行われても良いし、例えばネットワークNW1を用いて監視カメラC1との間で通信可能に接続される端末装置P1内で行われてもよい。さらに、学習データは、外部記憶媒体I/F15を介して通信可能に接続された、例えばUSB(Universal Serial Bus)メモリあるいはSD(Secure Digital Memory)カードなどの外部記憶媒体M1から受信(取得)された学習データであってもよい。
【0028】
外部記憶媒体I/F15は、例えばUSBメモリあるいはSDカードなどの外部記憶媒体M1を挿抜可能に設けられ、外部記憶媒体M1との間でデータ通信可能に接続される。外部記憶媒体I/F15は、プロセッサ11の要求に基づいて、外部記憶媒体M1に記憶された過去映像のデータあるいは学習データを取得し、プロセッサ11に出力する。また、外部記憶媒体I/F15は、プロセッサ11の要求に基づいて、撮像部13によって撮像された過去映像あるいはライブ映像のデータ、設定種別ごとのパラメータに基づく画像処理が実行された過去映像あるいはライブ映像のデータ、あるいは監視カメラC1内で生成された学習データなどを、外部記憶媒体M1に送信し、記憶する。なお、外部記憶媒体I/F15は、複数の外部記憶媒体のそれぞれを同時に接続可能であってよい。
【0029】
外部記憶媒体M1は、所謂USBメモリあるいはSDカードなどの記憶媒体であって、過去の過去映像あるいはライブ映像のデータを記憶する。なお、外部記憶媒体M1は、他の監視カメラあるいは端末装置によって生成された学習データなどを記憶してよい。
【0030】
端末装置P1は、例えばPC(Personal Computer)、タブレット、スマートフォンなどの装置であって、ユーザの入力操作(ユーザ操作)を受け付け可能なインターフェース(例えば、キーボード、マウス、タッチパネルディスプレイなど)を備える。端末装置P1は、ネットワークNW1を介して監視カメラC1との間で通信可能に接続され、ユーザ操作に基づいて生成された信号(入力された設定種別を含む信号、入力された設定種別ごとのパラメータを含む信号など)を、ネットワークNW1を介して監視カメラC1に送信する。また、端末装置P1は、ネットワークNW1を介して監視カメラC1から受信された過去映像あるいはライブ映像のデータ、または画像処理結果としての検知データをモニタ23に表示する。端末装置P1は、通信部20と、プロセッサ21と、メモリ22と、モニタ23と、操作部24とを含んで構成される。
【0031】
通信部20は、ネットワークNW1を介して監視カメラC1における通信部10との間においてデータ通信可能に構成される。なお、通信部20は、通信部10との間で有線通信可能に接続されてよいし、無線LANなどの無線ネットワークを介して接続されてもよい。ここでいう無線通信は、例えばBluetooth(登録商標)、NFC(登録商標)などの近距離無線通信、またはWi-fi(登録商標)などの無線LANを介した通信である。通信部20は、プロセッサ21によって生成されたユーザの入力操作に基づく信号を監視カメラC1に送信し、監視カメラC1から受信された過去映像あるいはライブ映像のデータ、または検知データなどをプロセッサ21に出力する。
【0032】
プロセッサ21は、例えばCPUまたはFPGAを用いて構成されて、メモリ22と協働して、各種の処理および制御を行う。具体的には、プロセッサ21はメモリ22に保持されたプログラムおよびデータを参照し、そのプログラムを実行することにより、各部の機能を実現する。ここでいう各部の機能は、例えば、操作部24から入力されたユーザの入力操作に基づいて信号を生成する機能、監視カメラC1から受信された過去映像あるいはライブ映像のデータ、または検知データをモニタ23に表示させる機能などである。
【0033】
メモリ22は、例えばプロセッサ21の各処理を実行する際に用いられるワークメモリとしてのRAMと、プロセッサ21の動作を規定したプログラムおよびデータを格納するROMとを有する。RAMには、プロセッサ21により生成あるいは取得されたデータもしくは情報が一時的に保存される。ROMには、プロセッサ21の動作を規定するプログラムが書き込まれている。
【0034】
モニタ23は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)または有機EL(Electroluminescence)などのディスプレイを用いて構成される。
【0035】
操作部24は、例えばユーザの入力操作を検知するユーザインターフェースであり、マウス、キーボードまたはタッチパネルなどを用いて構成される。操作部24は、ユーザの入力操作に基づいて、各種設定種別の選択、設定種別ごとのパラメータの入力、過去映像のデータの選択などを受け付けて信号に変換し、プロセッサ21に出力する。
【0036】
ネットワークNW1は、端末装置P1との間で無線通信ネットワークまたは有線通信ネットワークによって通信可能に接続される。ここでいう無線通信ネットワークは、例えば無線LAN(Local Area Network)、無線WAN(Wide Area NetWork)、4G(第4世代移動通信システム)、5G(第5世代移動通信システム)、またはWi-fi(登録商標)等の無線通信規格に準じて提供される。
【0037】
図2は、設定種別選択画面SL1の一例を示す図である。
図2に示す設定種別選択画面SL1は、ユーザが購入を希望あるいは検討する監視カメラC1を用いて監視カメラC1の性能確認を開始する際に、モニタ23に表示される。
【0038】
設定種別選択画面SL1は、複数の設定種別のそれぞれと、複数の設定種別ごとに1つの詳細設定ボタンを含んで表示される。
【0039】
複数の設定種別は、例えば画質設定、検知設定、奥行き設定、その他設定、スケジュール設定などである。なお、設定種別は、
図2に示す例に限定されないことは言うまでもない。
【0040】
複数の詳細設定ボタンSBt1,SBt2,SBt3,SBt4,SBt5のそれぞれは、複数の設定種別ごとに生成される。詳細設定ボタンSBt1は、画質のパラメータの入力を行う場合に、ユーザ操作により選択(押下)されるボタンである。詳細設定ボタンSBt2は、検知のパラメータの入力を行う場合に、ユーザ操作により選択(押下)されるボタンである。詳細設定ボタンSBt3は、奥行きのパラメータの入力を行う場合に、ユーザ操作により選択(押下)されるボタンである。詳細設定ボタンSBt4は、感度あるいはその他のパラメータの入力を行う場合に、ユーザ操作により選択(押下)されるボタンである。詳細設定ボタンSBt5は、スケジュールのパラメータの入力を行う場合に、ユーザ操作により選択(押下)されるボタンである。
【0041】
図3は、エリア設定画面Mn1の一例を示す図である。エリア設定画面Mn1は、モニタ23に表示され、
図2に示す複数の詳細設定ボタンSBt1~SBt5のそれぞれのうち、ユーザ操作により検知パラメータの入力を行うための詳細設定ボタンSBt2が選択(押下)された際に、プロセッサ21により生成されて、モニタ23に表示される。
【0042】
エリア設定画面Mn1は、複数のタブTb1,Tb2のそれぞれと、再生操作領域Re1と、複数の検知ボタンIc1,Ic2,Ic3,Ic4のそれぞれと、映像取込ボタンBt1と、撮像映像表示領域Mn11と、描画種別欄Bt2と、検知エリア設定ボタンBt3と、マスクエリア設定ボタンBt4と、消去ボタンBt5と、全消去ボタンBt6とを含んで構成される。
【0043】
タブTb1は、監視カメラC1から受信された過去映像を表示する画面に切り替えて表示するためのGUI(Graphical User Interface)ウィジェットである。タブTb1が表示する過去映像は、過去の過去映像である。
【0044】
タブTb2は、監視カメラC1における撮像部13によって撮像されたライブ映像を表示する画面に切り替えて表示するためのGUIウィジェットである。
【0045】
なお、実施の形態1に係るパラメータ設定支援システム100において、タブの数は、2つに限定されない。例えば、ユーザが複数の監視カメラを設置する場合には、設置された監視カメラの台数に応じて複数のタブが生成されてよい。
【0046】
再生操作領域Re1は、過去映像を再生に関する制御(例えば、再生、ユーザ操作による所定の再生時間からの再生、一時停止など)を可能とし、過去映像の総撮像時間(例えば、
図3において25分40秒で示される時間)と、総撮像時間のうち現在再生している(つまり撮像映像表示領域Mn11に表示されている撮像画像)の再生時間(例えば、
図3において6分10秒)とを示す。再生操作領域Re1は、再生ボタンRe2と、スライダRe3とを含んで構成される。
【0047】
再生ボタンRe2は、ユーザ操作により選択(押下)され、過去映像の再生と停止とを制御する。
【0048】
スライダRe3は、総撮像時間に対する現在の再生時間をスライダRe3の位置そのものを用いて可視化する。スライダRe3は、ユーザ操作により左右に移動されると、移動箇所に対応する再生時間から過去映像の再生を開始する制御を実行する。
【0049】
複数の検知ボタンIc1,Ic2,Ic3,Ic4のそれぞれは、ユーザ操作により選択(押下)されると、その選択(押下)された検知種別の検知パラメータの入力を受け付ける。
【0050】
検知ボタンIc1は、ユーザ操作により入力されたラインを通過した動体(例えば人物、車両など)を検知するための設定を行うボタンである。
【0051】
検知ボタンIc2は、ユーザ操作により入力された設定領域内に侵入した動体(例えば人物、車両など)を検知するための設定を行うボタンである。
【0052】
検知ボタンIc3は、ユーザ操作により入力された設定時間以上、指定領域内に滞在した動体(例えば人物、車両など)を検知するための設定を行うボタンである。
【0053】
検知ボタンIc4は、ユーザ操作により入力された方向に移動した動体(例えば人物、車両など)を検知するための設定を行うボタンである。
【0054】
映像取込ボタンBt1は、監視カメラC1におけるメモリ12あるいは外部記憶媒体M1に記憶された過去の過去映像のデータを取り込むためのボタンである。プロセッサ21は、映像取込ボタンBt1がユーザ操作により押下されると、監視カメラC1におけるメモリ12あるいは外部記憶媒体M1に記憶された過去の複数の過去映像のデータを一覧表示する。プロセッサ21は、ユーザ操作によりいずれかの過去映像のデータが選択されると、その過去映像のデータを監視カメラC1に要求する信号を生成して、通信部20を介して監視カメラC1に送信する。プロセッサ21は、監視カメラC1から受信された過去映像を撮像映像表示領域Mn11に出力する。
【0055】
描画種別欄Bt2は、複数の描画ツールBt21,Bt22,Bt23,Bt24,Bt25のそれぞれを含んで構成される。描画種別欄Bt2は、AI処理部14が検知対象を検知する検知エリア、AI処理部14が検知を実行しないマスクエリア、あるいは複数の検知ボタンIc1~Ic4のそれぞれによって設定される各種検知を行うための領域またはラインを描画するための複数の描画ツールのそれぞれを選択可能に表示する。
【0056】
描画ツールBt21は、撮像映像表示領域Mn11に表示された過去映像上にラインを設定するツールである。描画ツールBt21は、ユーザ操作に基づいて、過去映像上にラインを描画可能にする。プロセッサ21は、ユーザ操作により描画されたラインを生成し、過去映像上に重畳して表示する。
【0057】
描画ツールBt22は、撮像映像表示領域Mn11に表示された過去映像上に矩形状の検知エリアを設定するツールである。描画ツールBt22は、ユーザ操作に基づいて、過去映像上に矩形状の検知エリアを描画可能にする。プロセッサ21は、ユーザ操作により描画された矩形状の検知エリアを生成し、過去映像上に重畳して表示する。
【0058】
描画ツールBt23は、撮像映像表示領域Mn11に表示された過去映像上に多角形状の検知エリアを設定するツールである。描画ツールBt23は、ユーザ操作に基づいて、過去映像上に多角形状の検知エリアを描画可能にする。プロセッサ21は、ユーザ操作により描画された多角形状の検知エリアを生成し、過去映像上に重畳して表示する。
【0059】
描画ツールBt24、撮像映像表示領域Mn11に表示された過去映像上に矩形状のマスクエリアを設定するツールである。描画ツールBt24は、ユーザ操作に基づいて、過去映像上に矩形状のマスクエリアを描画可能にする。プロセッサ21は、ユーザ操作により描画された矩形状のマスクエリアを生成し、過去映像上に重畳して表示する。
【0060】
描画ツールBt25は、撮像映像表示領域Mn11に表示された過去映像上に多角形状のマスクエリアを設定するツールである。描画ツールBt25は、ユーザ操作に基づいて、過去映像上に多角形状のマスクエリアを描画可能にする。プロセッサ21は、ユーザ操作により描画された多角形状のマスクエリアを生成し、過去映像上に重畳して表示する。
【0061】
検知エリア設定ボタンBt3は、過去映像上に重畳されたマスクエリアを検知エリアに変更して設定するためのボタンである。プロセッサ21は、ユーザ操作によりマスクエリアが選択された後に検知エリア設定ボタンBt3が選択されると、選択されたマスクエリアを検知エリアに変更する。
【0062】
マスクエリア設定ボタンBt4は、過去映像上に重畳された検知エリアをマスクエリアに変更して設定するためのボタンである。プロセッサ21は、ユーザ操作により検知エリアが選択された後にマスクエリア設定ボタンBt4が選択されると、選択された検知エリアをマスクエリアに変更する。
【0063】
消去ボタンBt5は、過去映像上に重畳された検知エリア、マスクエリア、検知のためのラインあるいは検知するための方向などの設定を削除するためのボタンである。プロセッサ21は、例えばユーザ操作により検知エリアが選択された後に消去ボタンBt5が選択されると、選択された検知エリアと検知エリアに関連にして設定(入力)されたパラメータ(例えば、検知対象としての人物、検知時間、検出感度など)を消去する。
【0064】
全消去ボタンBt6は、過去映像上に重畳されたすべての検知エリア、マスクエリア、検知のためのラインあるいは検知するための方向などの設定を削除するためのボタンである。プロセッサ21は、例えばユーザ操作により全消去ボタンBt6が選択されると、過去映像に設定されたすべてのパラメータを消去する。
【0065】
図3に示す撮像映像表示領域Mn11は、撮像領域中において多角形状を構成するラインML1で囲まれ、マスクエリアとして設定された領域Ar1と、多角形状を構成するラインML2で囲まれ、検知エリアとして設定された領域Ar2とが重畳されて表示されている。
【0066】
図4および
図5を参照して、奥行き設定の方法について説明する。
図4は、奥行き設定画面Mn2の一例を示す図である。
図5は、奥行き設定画面Mn3の一例を示す図である。なお、
図4および
図5に示す奥行き設定画面Mn2において、
図3と同一の機能を実現するものには同一の符号を付すことでその説明を省略する。奥行き設定画面Mn2,Mn3のそれぞれは、
図2に示す複数の詳細設定ボタンSBt1~SBt5のそれぞれのうち、ユーザ操作により検知設定を行うための詳細設定ボタンSBt2が選択(押下)された際に、プロセッサ21により生成されて、モニタ23に表示される。
【0067】
図4に示す撮像映像表示領域Mn21には、総撮像時間25分40秒の過去映像の内、6分10秒における撮像画像が表示されている。撮像映像表示領域Mn21に表示された撮像画像には、人物U1が映っている。
【0068】
図5に示す撮像映像表示領域Mn31には、総撮像時間25分40秒の過去映像の内、6分35秒における撮像画像が表示されている。撮像映像表示領域Mn31に表示された撮像画像には、
図4に示す人物U1と同一人物である人物U2が映っている。なお、ここで撮像される人物はユーザであってよい。
【0069】
プロセッサ21は、複数の撮像画像のそれぞれを監視カメラC1に送信する。また、プロセッサ21は、複数の撮像画像のそれぞれについて、ユーザ操作により人物U1,U2が映る領域が囲まれると、囲まれた人物U1が映る領域U11および人物U2が映る領域U21のそれぞれの情報を監視カメラC1に送信する。
【0070】
監視カメラC1におけるプロセッサ11は、受信された複数の撮像画像のそれぞれと、複数の領域U11,U21のそれぞれの情報とを用いた画像処理を実行し、奥行き設定を行う。プロセッサ11は、撮像画像の水平方向のピクセル数および垂直方向のピクセル数を計測する。また、プロセッサ11は、領域U11の水平方向のピクセル数および垂直方向のピクセル数(つまり領域U11の大きさ)と、領域U21の水平方向のピクセル数および垂直方向のピクセル数と(つまり領域U21の大きさ)を計測する。プロセッサ11は、計測された複数の領域U11,U21のそれぞれの大きさに基づいて、消失点P0を算出し、撮像領域内における消失点P0との間の距離であって、消失点P0から等しい距離にある位置(座標)を繋いで生成された複数の等距離線ML31のそれぞれと、消失点P0を基準として等しい角度にある位置(座標)を繋いで生成された複数の等角度線ML32のそれぞれとを生成する。プロセッサ11は、生成された消失点P0、複数の等距離線ML31のそれぞれおよび複数の等角度線ML32のそれぞれを用いて、過去映像(撮像画像)の奥行き情報を生成し、メモリ12に記憶する。また、プロセッサ11は、生成された奥行き情報を端末装置P1に送信する。
【0071】
これにより、実施の形態1に係る監視カメラC1は、他の監視カメラによって撮像された過去映像のデータを用いて検知対象の検知処理を実行する場合であっても、メモリ12に記憶された奥行き情報に基づいて、ユーザ操作により設定された検知対象の大きさに基づく検知を実行できる。
【0072】
図6は、感度設定およびその他設定画面Mn4の一例を示す図である。なお、
図6に示す感度設定およびその他設定画面Mn4において、
図3と同一の機能を実現するものには同一の符号を付すことでその説明を省略する。感度設定およびその他設定画面Mn4のそれぞれは、
図2に示す複数の詳細設定ボタンSBt1~SBt5のそれぞれのうち、ユーザ操作により感度またはその他の設定を行うための詳細設定ボタンSBt4が選択(押下)された際に、プロセッサ21により生成されて、モニタ23に表示される。
【0073】
撮像映像表示領域Mn41には、総撮像時間25分40秒の過去映像の内、6分01秒における撮像画像が表示されている。撮像映像表示領域Mn41に表示された撮像画像は、交差点を撮像した撮像画像であって、二輪車を運転する人物H1と、人物H2と、複数の車両H3,H4,H5,H6,H7,H8のそれぞれが映っている。
【0074】
プロセッサ21は、ユーザ操作により詳細設定ボタンBt7が選択(押下)されると、感度設定およびその他設定を行う設定欄Dt0を表示する。
【0075】
設定欄Dt0は、感度設定欄Dt1と、時間設定欄Dt2と、大きさ設定欄Dt3とを含む。感度設定欄Dt1は、感度に関する複数の設定項目Dt11,Dt12,Dt13,Dt14のそれぞれを有する。時間設定欄Dt2は、時間に関する複数の設定項目Dt21,Dt22,Dt23のそれぞれを有する。大きさ設定欄Dt3は、検知する大きさに関する設定項目Dt31,Dt32のそれぞれを有する。なお、
図6に示され、設定欄Dt0に含まれる感度設定欄Dt1、時間設定欄Dt2、および大きさ設定欄Dt3は一例であって、これらに限定されないことは言うまでもない。また、同様に、
図6に示される複数の設定項目Dt11~Dt14,Dt21~Dt23,Dt31~Dt32のそれぞれは一例であって、これらの項目に限定されない。
【0076】
設定項目Dt11は、監視カメラC1におけるAI処理部14で実行される画像処理に関する設定であって、ユーザ操作によって設定された検知対象を撮像画像から検出する検出感度を調整可能なスライドバーである。AI処理部14は、設定項目Dt11において、スライドバーがより小さい数字あるいは-(マイナス)側に調整された場合、検知対象の検出感度を低く(小さく)する。AI処理部14は、設定項目Dt11において、スライドバーがより大きい数字あるいは+(プラス)側に調整された場合、検知対象の検出感度を高く(大きく)する。
【0077】
設定項目Dt12は、監視カメラC1におけるAI処理部14で実行される画像処理に関する設定であって、撮像画像から検出された動体が検知対象である人物であるか否かを判定する判定感度を調整可能なスライドバーである。AI処理部14は、設定項目Dt12において、スライドバーがより小さい数字あるいは-(マイナス)側に調整された場合、人物の判定感度を低く(小さく)する。AI処理部14は、設定項目Dt12において、スライドバーがより大きい数字あるいは+(プラス)側に調整された場合、人物の判定感度を高く(大きく)する。例えば、設定項目Dt12を用いて人物を検知する場合、監視カメラC1におけるAI処理部14は、人物H1,H2のそれぞれを検知する。
【0078】
設定項目Dt13は、監視カメラC1におけるAI処理部14で実行される画像処理に関する設定であって、撮像画像から検出された動体が検知対象である車両であるか否かを判定する判定感度を調整可能なスライドバーである。AI処理部14は、設定項目Dt13において、スライドバーがより小さい数字あるいは-(マイナス)側に調整された場合、車両の判定感度を低く(小さく)する。AI処理部14は、設定項目Dt13において、スライドバーがより大きい数字あるいは+(プラス)側に調整された場合、車両の判定感度を高く(大きく)する。例えば、設定項目Dt13を用いて車両を検知する場合、監視カメラC1におけるAI処理部14は、複数の車両H3~H8のそれぞれを検知する。
【0079】
設定項目Dt14は、監視カメラC1におけるAI処理部14で実行される画像処理に関する設定であって、撮像画像から検出された動体が検知対象である二輪車(例えば自転車、バイクなど)であるか否かを判定する判定感度を調整可能なスライドバーである。AI処理部14は、設定項目Dt14において、スライドバーがより小さい数字あるいは-(マイナス)側に調整された場合、二輪車の判定感度を低く(小さく)する。AI処理部14は、設定項目Dt14において、スライドバーがより大きい数字あるいは+(プラス)側に調整された場合、二輪車の判定感度を高く(大きく)する。例えば、設定項目Dt14を用いて二輪車を検知する場合、監視カメラC1におけるAI処理部14は、二輪車を運転する人物H2あるいは人物H2が運転する二輪車を検知する。
【0080】
設定項目Dt21は、検知エリア内へ侵入した動体を検知した際に、アラートを出力する条件を設定するための項目である。端末装置P1におけるプロセッサ21は、ユーザ操作により設定項目Dt21にセット(設定)されたパラメータを監視カメラC1に送信する。監視カメラC1におけるプロセッサ11は、検知エリア内に動体の侵入設定を検知し、さらに動体が設定された時間(例えば2秒)以上継続して侵入状態である場合、検知エリアへ動体が侵入したと判定する。プロセッサ11は、侵入検知後、検知エリア内に動体が侵入している旨を通知するアラートを生成して端末装置P1に送信する。
【0081】
設定項目Dt22は、検知エリア内で動体の滞留を検知した際に、アラートを出力する条件を設定するための項目である。端末装置P1におけるプロセッサ21は、ユーザ操作により設定項目Dt23にセット(設定)されたパラメータを監視カメラC1に送信する。監視カメラC1におけるプロセッサ11は、検知エリア内に動体の侵入設定を検知し、さらに動体が設定された時間(例えば10秒)以上継続して検知エリア内に滞留した場合、検知エリアに動体が滞留していると判定する。プロセッサ11は、滞留検知後、検知エリア内に動体が滞留している旨を通知するアラートを生成して端末装置P1に送信する。
【0082】
設定項目Dt23は、検知エリア内で動体が設定された方向に移動したことを検知した際に、アラートを出力する条件を設定するための項目である。端末装置P1におけるプロセッサ21は、ユーザ操作により設定項目Dt23にセット(設定)されたパラメータを監視カメラC1に送信する。監視カメラC1におけるプロセッサ11は、検知エリア内の動体が、ユーザ操作によりセット(設定)された方向に、設定された時間(例えば2秒)継続して移動した場合、検知エリアに動体が設定された方向に移動していると判定する。プロセッサ11は、方向検知後、動体が設定された方向に移動している旨を通知するアラートを生成して端末装置P1に送信する。
【0083】
設定項目Dt31は、検知エリア内において検出される動体のうち、アラートを出力する動体の大きさを設定するための項目である。端末装置P1におけるプロセッサ21は、ユーザ操作により設定項目Dt31にセット(設定)されたパラメータを監視カメラC1に送信する。監視カメラC1におけるプロセッサ11は、監視カメラC1の画角の例えば1/2以下の大きさで、かつ動きがある場合、検知エリア内に動体が存在すると判定する。
【0084】
設定項目Dt32は、検知エリア内において検出される動体のうち、アラートを出力する動体の小ささを設定するための項目である。端末装置P1におけるプロセッサ21は、ユーザ操作により設定項目Dt32にセット(設定)されたパラメータを監視カメラC1に送信する。監視カメラC1におけるプロセッサ11は、監視カメラC1の画角の例えば1/5以上の大きさで、かつ動きがある場合、検知エリア内に動体が存在すると判定する。
【0085】
図7は、画質詳細設定画面Mn5の一例を示す図である。なお、
図7に示す画質詳細設定画面Mn5において、
図3および
図6と同一の機能を実現するものには同一の符号を付すことでその説明を省略する。
【0086】
まず、
図2に示す複数の詳細設定ボタンSBt1~SBt5のそれぞれのうち、ユーザ操作により画質設定を行うための詳細設定ボタンSBt5が選択(押下)されると、端末装置P1におけるプロセッサ21は、ユーザ操作により選択された詳細設定ボタンSBt5の情報を監視カメラC1に送信する。監視カメラC1におけるプロセッサ11は、受信された情報に基づいて、撮像部13に撮像領域の撮像を開始させる制御信号を生成して送信し、撮像部13によるライブ画(つまりリアルタイム)の撮像を開始させる。プロセッサ11は、撮像部13によって撮像されたライブ映像のデータを監視カメラC1に送信する。端末装置P1におけるプロセッサ21は、GUIウィジェットとしてタブTb2を生成し、受信されたライブ映像のデータを撮像映像表示領域Mn51に表示する。
【0087】
タブTb2は、さらに簡単画質設定ボタンBt8および実行ボタンBt12を含んで構成される。プロセッサ21は、簡単画質設定ボタンBt8をユーザ操作により押下されると、画質設定を行うための画面として画質設定画面Mn52および簡単画質設定画面(不図示)のそれぞれを表示させる。
図7では、ユーザ操作により簡単画質設定ボタンBt8が押下され、画質設定画面Mn52が撮像映像表示領域Mn51を含むタブTb2と同一画面(つまり画質詳細設定画面Mn5)上に表示された例を示す。
【0088】
画質設定画面Mn52は、画質を設定する際の複数の設定項目のそれぞれ(例えば、スーパーダイナミック、光量制限モード、白黒切換、IR(infrared) LED Light、デジタル・ノイズ・リダクションなど)を含んで生成される。例えば、画質設定画面Mn52に含まれる複数の設定項目のそれぞれのうち、項目「マスクエリア」は、開始ボタンBt9、終了ボタンBt10およびリセットボタンBt11のそれぞれを有する。開始ボタンBt9は、ユーザ操作により押下されると、現在設定されているマスクエリアを有効化し、マスクエリア内における検出および検知処理を無効化する。終了ボタンBt10は、ユーザ操作により押下されると、現在設定されているマスクエリアを無効化し、マスクエリア内における検出および検知処理を有効化する。リセットボタンBt11は、ユーザ操作により押下されると、現在設定されているマスクエリアの情報をリセット(削除)する。
【0089】
実行ボタンBt12は、ユーザ操作により押下されると、現在設定されている画質設定を反映して実行させる。プロセッサ21は、実行ボタンBt12の押下を検知すると、現在設定されている画質のパラメータを監視カメラC1に送信する。監視カメラC1におけるプロセッサ11は、受信された画質のパラメータに基づいて、ライブ映像(撮像画像)の画像処理を実行して端末装置P1に送信する。端末装置P1におけるプロセッサ21は、受信された画像処理後のライブ映像(撮像画像)をモニタ23に出力するとともに、撮像映像表示領域Mn51に表示させる。
【0090】
図8を参照して、実施の形態1に係るパラメータ設定支援システム100の動作手順について説明する。
図8は、実施の形態1に係るパラメータ設定支援システム100の動作手順例を示すフローチャートである。
【0091】
端末装置P1は、ユーザ操作により複数の設定種別のそれぞれのうち、設定したい種別に関する選択を受け付ける。端末装置P1は、複数の詳細設定ボタンSBt1~SBt5のそれぞれのうち、ユーザ操作により押下(選択)された詳細設定ボタンが画質に関する設定を行うための詳細設定ボタンSBt1であるか否かを判定する(St1)。
【0092】
端末装置P1は、ステップSt1の処理において、ユーザ操作により押下(選択)された詳細設定ボタンが画質に関する設定を行うための詳細設定ボタンSBt1である場合(St1,YES)、撮像したい撮像場所の撮像を開始させる(St2)。
【0093】
一方、端末装置P1は、ステップSt1の処理において、ユーザ操作により押下(選択)された詳細設定ボタンが画質に関する設定を行うための詳細設定ボタンSBt1でない(つまり、画質以外のパラメータの入力を行う)場合(St1,NO)、監視カメラC1の画像処理における設定を行うために監視カメラC1におけるメモリ12あるいは外部記憶媒体M1に記憶された過去の過去映像のデータを取り込む(St3)。なお、取り込む過去の過去映像のデータは、ユーザ操作により選択されてよい。
【0094】
監視カメラC1は、ステップSt2の処理において撮像部13による撮像を開始し、撮像されたライブ映像のデータを端末装置P1に送信する。端末装置P1は、受信されたライブ映像を用いて、ライブ映像を表示する撮像映像表示領域を含む設定画面(例えば、
図7に示す画質詳細設定画面Mn5)を生成し、モニタ23に表示させる(St4)。
【0095】
端末装置P1は、ユーザ操作による簡単画質設定ボタンBt8の押下(選択)を検知する(St5)。
【0096】
端末装置P1は、ユーザ操作による簡単画質設定ボタンBt8の押下(選択)を検知した場合(St5,YES)、画質の詳細設定を行うための複数の設定項目のそれぞれを含む画質設定画面Mn52を表示する(St6)。端末装置P1は、複数の設定項目のそれぞれについてユーザ操作を受け付ける。ここで、画質設定画面Mn52は、撮像映像表示領域Mn51とともに同一画面(つまり画質詳細設定画面Mn5)上に表示される。これにより、ユーザは、ライブ映像を確認しながら画質に関する設定を行うことができる。
【0097】
一方、端末装置P1は、ユーザ操作による簡単画質設定ボタンBt8の押下(選択)を検知した場合(St5,NO)、あるいはステップSt6の処理において、画質の詳細設定が完了した場合、複数の検知ボタンIc1~Ic4のそれぞれの選択による検知モード(例えば侵入、滞留、移動方向など)の設定あるいは描画種別欄Bt2による検知エリアおよびマスクエリアの設定を受け付ける(St7)。
【0098】
さらに、端末装置P1は、撮像領域の奥行き設定を実行する(St8)。具体的に端末装置P1は、撮像時刻が異なる複数の撮像画像のそれぞれから例えば同一人物を検出し、検出された人物の検出領域の大きさ(水平方向のピクセル数および垂直方向のピクセル数)に基づいて、消失点P0を算出する。端末装置P1は、算出された消失点P0を原点とする複数の等角度線および複数の等距離線のそれぞれを生成し、撮像領域の奥行設定を実行する。なお、端末装置P1は、人物の代わりに所定の撮像時刻における撮像画像内に同じ高さ(長さ)の棒などの目印を検出し、この目印の検出領域の大きさに基づいて奥行き設定を実行してもよい。
【0099】
端末装置P1は、ユーザ操作により詳細設定ボタンBt7が選択(押下)されると、スケジュール設定、感度設定およびその他設定を行う設定欄Dt0を表示し、ユーザ操作によるスケジュール設定、感度設定およびその他設定等の設定操作を受け付ける(St9)。
【0100】
端末装置P1は、ステップSt6~St9における処理において受け付けた設定種別ごとのパラメータを監視カメラC1に送信する。監視カメラC1は、受信された設定種別ごとのパラメータに基づいて、撮像部13によって撮像されたライブ映像に画像処理を実行し、画像処理結果としてのライブ映像のデータおよび検知結果を端末装置P1に送信する。端末装置P1は、受信されたライブ映像を出力するとともに、検知結果をモニタ23に出力して、表示させる(St10)。
【0101】
監視カメラC1は、設定種別ごとのパラメータをメモリ12に記憶する(St11)。ステップSt11の処理の後、実施の形態1に係るパラメータ設定支援システム100は、動作手順を終了する。
【0102】
監視カメラC1は、ステップSt3の処理においてメモリ12あるいは外部記憶媒体M1に記憶された過去映像のデータを端末装置P1に送信する。端末装置P1は、受信された過去映像を用いて、過去映像を再生する撮像映像表示領域(例えば撮像映像表示領域Mn41)を含む画面(例えば感度設定およびその他設定画面Mn4)を生成し、モニタ23に表示させる(St12)。
【0103】
端末装置P1は、ユーザ操作による複数の検知ボタンIc1~Ic4のそれぞれの選択による検知モード(例えば侵入、滞留、移動方向など)の設定あるいは描画種別欄Bt2による検知エリアおよびマスクエリアの設定を受け付ける(St13)。
【0104】
さらに、端末装置P1は、撮像領域の奥行き設定を実行する(St14)。具体的に端末装置P1は、撮像時刻が異なる複数の撮像画像のそれぞれ(例えば、
図4に示す撮像映像表示領域Mn21に表示された撮像画像および
図5に示す撮像映像表示領域Mn31に表示された撮像画像)から例えば同一の人物U1,U2のそれぞれを検出し、検出された人物の検出領域の大きさ(水平方向のピクセル数および垂直方向のピクセル数)に基づいて、消失点P0を算出する。端末装置P1は、算出された消失点P0を原点とする複数の等角度線および複数の等距離線のそれぞれを生成し、撮像領域の奥行設定を実行する。これにより、ユーザは、予めユーザ自身が映るように撮像された過去映像のデータを用いて奥行き設定できる。つまり、実施の形態1に係るパラメータ設定支援システム100は、ユーザ1人で奥行き設定を行うことができる。なお、端末装置P1は、人物の代わりに所定の撮像時刻における撮像画像内に同じ高さ(長さ)の棒などの目印を検出し、この目印の検出領域の大きさに基づいて奥行き設定を実行してもよい。
【0105】
端末装置P1は、ユーザ操作により詳細設定ボタンBt7が選択(押下)されると、スケジュール設定、感度設定およびその他設定を行う設定欄Dt0を表示し、ユーザ操作によるスケジュール設定、感度設定およびその他設定等の設定操作を受け付ける(St15)。
【0106】
端末装置P1は、ステップSt13~St15における処理において受け付けた設定種別ごとのパラメータを監視カメラC1に送信する。監視カメラC1は、受信された設定種別ごとのパラメータに基づいて、撮像部13によって撮像された過去映像に画像処理を実行し、画像処理結果としての過去映像のデータおよび検知結果を端末装置P1に送信する。端末装置P1は、受信された過去映像を再生するとともに、検知結果をモニタ23に出力して、表示させる(St16)。
【0107】
端末装置P1は、ステップSt13~St15における処理において受け付けた設定種別ごとのパラメータについて、再設定するか否かのユーザ操作を受け付ける(St17)。
【0108】
端末装置P1は、ステップSt13~St15における処理において受け付けた設定種別ごとのパラメータについて、ユーザ操作により再設定が選択された場合(St17,YES)、ステップSt12の処理に移行する。
【0109】
一方、端末装置P1は、ステップSt13~St15における処理において受け付けた設定種別ごとのパラメータについて、ユーザ操作により再設定が選択されなかった場合(St17,NO)、設定種別ごとのパラメータの設定完了を示す信号を生成して、監視カメラC1に送信する。監視カメラC1は、信号を受信すると、ステップSt11の処理に移行し、設定種別ごとのパラメータをメモリ12に記憶する(St11)。
【0110】
以上により、実施の形態1に係るパラメータ設定支援システム100の動作手順は終了する。なお、上述した実施の形態1に係るパラメータ設定支援システム100の動作手順は一例であって、これに限定されない。例えば、ステップSt6~St9の処理、およびステップSt13~St16の処理の順序は、
図8に示すフローチャートと異なる順序で実行されてよい。さらに、ステップSt17の再設定をユーザに確認する処理は、ステップSt10の後に実行され、再設定が選択された場合には、ステップSt5の処理に移行してよい。また、ステップSt1において、ユーザにより押下(選択)された詳細設定ボタンが画質に関する設定を行うための詳細設定ボタンSBt1であっても、さらにユーザ操作により監視カメラC1におけるメモリ12あるいは外部記憶媒体M1に記憶された過去の過去映像のデータの取り込みを実行可能であってよい。パラメータ設定支援システム100は、ユーザ操作により過去映像のデータを用いて画質に関する設定を行う場合、ステップSt2において過去映像のデータの取り込みを実行してよい。
【0111】
以上により、実施の形態1に係るパラメータ設定支援システム100は、監視カメラC1と端末装置P1とが互いに通信可能に接続されたパラメータ設定支援システムである。端末装置P1は、ユーザ操作により選択された監視カメラC1のパラメータの設定種別(例えば、
図2に示す画質設定、検知設定、奥行き設定、その他設定、スケジュール設定など)の情報を監視カメラC1に送信する。監視カメラC1は、受信された設定種別の情報が監視カメラC1の撮像画像の画質(つまり、画質設定を示す設定種別)でない場合、監視カメラC1に接続された外部記憶媒体M1に記憶された過去映像のデータを取得して端末装置P1に送信する。端末装置P1は、受信された過去映像を再生し、ユーザ操作により再生中の過去映像を用いた画質以外の設定種別ごとのパラメータの入力を受け付け、入力された設定種別ごとのパラメータ(複数の項目のそれぞれに設定された情報)を監視カメラC1に送信する。監視カメラC1は、受信された設定種別ごとのパラメータを設定する。
【0112】
これにより、実施の形態1に係るパラメータ設定支援システム100は、監視カメラC1あるいは他の監視カメラによって撮像された過去映像を用いて監視カメラC1のパラメータの設定を支援できる。よって、ユーザは、過去映像を用いて監視カメラC1のパラメータを設定できるため、例えば夜間など時間を指定したい場合、あるいは雨天など天候を指定したい場合などの条件であっても、時間あるいは天候によらず、監視カメラC1のパラメータを設定できる。また、ユーザは、監視カメラC1によって検知したい検知対象が撮像された過去映像を用いて検知に関するパラメータ(例えば、検知エリア、マスクエリア、各検知種別の検知設定など)を設定できる。
【0113】
また、実施の形態1に係るパラメータ設定支援システム100における監視カメラC1は、設定された設定種別ごとのパラメータに基づいて、過去映像の画像処理を実行し、画像処理後の過去映像を端末装置P1に送信し、モニタ23に出力させる。これにより、実施の形態1に係るパラメータ設定支援システム100は、パラメータに基づいて画像処理された過去映像を可視化できる。よって、ユーザは、モニタ23に表示された画像処理後の過去映像により、設定されたパラメータに基づいて実行された監視カメラC1による画像処理の性能確認を簡易に行える。
【0114】
また、実施の形態1に係るパラメータ設定支援システム100における端末装置P1は、過去映像の表示領域(撮像映像表示領域の一例)を含む、設定種別ごとのパラメータの入力を受け付ける設定画面(例えば、
図3に示すエリア設定画面Mn1、
図4に示す奥行き設定画面Mn2、
図5に示す奥行き設定画面Mn3、
図6に示す感度設定およびその他設定画面Mn4、
図7に示す画質詳細設定画面Mn5など)をモニタ23に出力する。これにより、実施の形態1に係るパラメータ設定支援システム100は、過去映像と設定種別ごとの設定画面とモニタ23に表示できる。よって、ユーザは、過去映像を確認しながら監視カメラC1の設定を行える。
【0115】
また、実施の形態1に係るパラメータ設定支援システム100における端末装置P1は、ユーザ操作により画質が選択された場合、画質の設定を開始させる制御信号を生成して監視カメラC1に送信する。監視カメラC1は、画質の設定を開始させる制御信号を受信すると、監視カメラC1によって現在撮像されているライブ映像(撮像部13によって撮像されたライブ映像)を端末装置P1に送信する。端末装置P1は、受信されたライブ映像をモニタ23に出力する。これにより、実施の形態1に係るパラメータ設定支援システム100は、監視カメラC1によって撮像されているライブ映像を用いて監視カメラC1のパラメータの設定を支援できる。よって、ユーザは、他の監視カメラの性能などの影響を受けずに、監視カメラC1による画像処理の性能確認を行える。
【0116】
また、実施の形態1に係るパラメータ設定支援システム100における端末装置P1は、ユーザ操作により、表示領域(タブTb1に含まれる撮像映像表示領域の一例)にて過去映像の再生あるいは一時停止を行うとともに、画質以外の設定種別のパラメータの入力を受け付ける。これにより、実施の形態1に係るパラメータ設定支援システム100は、所定の再生時間におけるパラメータの入力を受け付けることができる。また、ユーザは、画像処理の性能を確認したい時間帯について、入力された設定種別のパラメータによる画像処理結果を確認できる。
【0117】
また、実施の形態1に係るパラメータ設定支援システム100における端末装置P1は、過去映像を用いた設定種別ごとのパラメータの入力を繰り返し受け付け、再入力された設定種別ごとのパラメータを監視カメラC1に送信する。監視カメラC1は、受信された設定種別ごとのパラメータに基づいて、過去映像の画像処理を実行し、画像処理後の過去映像を端末装置P1に送信し、モニタ23に出力させる。これにより、実施の形態1に係るパラメータ設定支援システム100は、入力された設定種別のパラメータごと画像処理された画像処理後の過去映像をモニタ23に表示できる。よって、ユーザは、設定種別のパラメータごとの画像処理結果のそれぞれの変化を十分に確認できるとともに、監視カメラC1の画像処理の性能を確認できる。
【0118】
以上、添付図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても本開示の技術的範囲に属すると了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した各種の実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0119】
本開示は、監視カメラの過去映像あるいはライブ映像を用いて監視カメラのパラメータの効率的な設定を支援するパラメータ設定支援システム、パラメータ設定支援方法およびパラメータ設定支援プログラムの提示として有用である。
【符号の説明】
【0120】
10,20 通信部
11,21 プロセッサ
12,22 メモリ
13 撮像部
14 AI処理部
14a AI演算処理部
14b 学習モデルDB
15 外部記憶媒体I/F
100 パラメータ設定支援システム
Ar1,Ar2 領域
C1 監視カメラ
M1 外部記憶媒体
NW1 ネットワーク
P1 端末装置