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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】配管ユニットおよびメータユニット
(51)【国際特許分類】
   E03B 7/07 20060101AFI20240228BHJP
   G01F 15/18 20060101ALI20240228BHJP
   G01F 1/00 20220101ALI20240228BHJP
【FI】
E03B7/07 Z
G01F15/18
G01F1/00 G
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020087140
(22)【出願日】2020-05-19
(65)【公開番号】P2021181696
(43)【公開日】2021-11-25
【審査請求日】2023-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】390006736
【氏名又は名称】株式会社日邦バルブ
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 隆雄
(72)【発明者】
【氏名】林 晃彦
【審査官】荒井 良子
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-039163(JP,A)
【文献】特開2004-124569(JP,A)
【文献】特開2000-352083(JP,A)
【文献】特開平09-013439(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03B 7/07
G01F 15/18
G01F 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水道メータと二次側配管との間に配置される配管ユニットにおいて、
前記水道メータと前記二次側配管とを接続する主配管と、
前記主配管から側方に分岐する分岐配管と、
前記主配管における前記分岐配管の分岐部分に配置された流路切換弁と、
前記分岐配管に設けられた水吐き口と、
前記水吐き口を着脱可能に封鎖する蓋部材と、を有し、
前記分岐部分は、前記分岐配管の一方の端部にあり、
前記水吐き口は、前記分岐配管の他方の端部にあり、
前記分岐配管は、前記分岐部分と前記水吐き口との間に、前記水吐き口の側に向かって上方に湾曲または屈曲する第1折れ曲がり部を備えるとともに、前記分岐部分と前記第1折れ曲がり部との間に、前記主配管から離間する方向に向かって前記水道メータの側に湾曲または屈曲する第2折れ曲がり部を備え、
前記水吐き口は、上方を向いており、
前記流路切換弁は、前記水道メータを経由した水を前記二次側配管に流通させる第1流路と、前記水道メータを経由した水を前記分岐配管に流通させる第2流路とに切り替えることを特徴とする配管ユニット。
【請求項2】
前記流路切換弁は、前記第1流路、前記第2流路、および前記水道メータを経由した水を前記第1流路と前記第2流路とに流通させる第3流路に切り替えることを特徴とする請求項1に記載の配管ユニット。
【請求項3】
前記分岐配管は、ドレン口と、前記ドレン口を開閉可能に封鎖するドレンプラグと、を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の配管ユニット。
【請求項4】
前記主配管は、前記水道メータと前記流路切換弁とを接続する管継手を備え、
前記流路切換弁は、前記二次側配管の先端に設けられた二次側配管フランジ部を締結可能な流路切換弁フランジ部を備え、
前記管継手は、前記水道メータが備える水道メータフランジ部に締結可能な管継手フランジ部を備え、
前記流路切換弁フランジ部の規格と、前記管継手フランジ部の規格とは、同一であるこ
とを特徴とする請求項1から3のうちのいずれか一項に記載の配管ユニット。
【請求項5】
水道メータと、
請求項1から4のうちのいずれか一項に記載の配管ユニットと、
を有することを特徴とするメータユニット。
【請求項6】
水道メータと、
請求項に記載の配管ユニットと、
前記水道メータと一次側配管を接続するための管継手部材と、
を有し、
前記管継手部材は、前記一次側配管が備える一次側配管フランジ部に締結可能な管継手部材フランジ部を備えることを特徴とするメータユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水道メータを経由する配管の途中に設置されて取水を可能とする配管ユニットに関する。また、水道用の配管の途中に設置されるメータユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
水道管の本管から建物内に引き込まれる配管の途中に設置されるメータユニットは特許文献1に記載されている。同文献のメータユニットは、所定寸法の補足管と、補足管に接続された水道メータと、を備える。補足管は、水道メータとは反対側の端に補足管フランジ部を備える。補足管フランジ部は、本管に連通する一次側配管の端部に設けられた一次側配管フランジ部に締結される。水道メータは、補足管とは反対側の端に水道メータフランジ部を備える。水道メータフランジ部は、建物の側に延びる二次側配管の端部に設けられた二次側配管フランジ部に締結される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-202252号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
災害時に水道管の本管から建物内に引き込まれる配管から取水できれば、被災者に飲料可能な水を供給できる。また、このような場合に、メータユニットから取水すれば、配管に水吐き口を形成するなどの施工を行うことなく、水を外部に供給できる。しかし、メータユニットから取水する場合には、水道メータを取り外して、水吐管などを接続しなければならないという問題がある。
【0005】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、水道メータを経由する配管の途中に配置することにより、配管への水吐き口の形成や、水道メータの取り外しを行うことなく、配管からの取水が可能となる配管ユニットを提供することにある。また、かかる配管ユニットと水道メータとからなるメータユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、水道メータと二次側配管との間に配置される配管ユニットにおいて、前記水道メータと前記二次側配管とを接続する主配管と、前記主配管から側方に分岐する分岐配管と、前記主配管における前記分岐配管の分岐部分に配置された流路切換弁と、前記分岐配管に設けられた水吐き口と、前記水吐き口を着脱可能に封鎖する蓋部材と、を有し、前記分岐部分は、前記分岐配管の一方の端部にあり、前記水吐き口は、前記分岐配管の他方の端部にあり、前記分岐配管は、前記分岐部分と前記水吐き口との間に、前記水吐き口の側に向かって上方に湾曲または屈曲する第1折れ曲がり部を備えるとともに、前記分岐部分と前記第1折れ曲がり部との間に、前記主配管から離間する方向に向かって前記水道メータの側に湾曲または屈曲する第2折れ曲がり部を備え、前記水吐き口は、上方を向いており、前記流路切換弁は、前記水道メータを経由した水を前記二次側配管に流通させる第1流路と、前記水道メータを経由した水を前記分岐配管に流通させる第2流路とに切り替えることを特徴とする。
【0007】
本発明の配管ユニットでは、水道メータと二次側配管とを接続する主流管が分岐配管を備える。また、主流管における分岐配管の分岐部分には流路切換弁が配置されており、流路切換弁は、水道メータを経由した水を二次側配管に流通させる第1流路と、水道メータを経由した水を分岐配管に流通させる第2流路とに切り替える。従って、流路切換弁により第1流路を選択すれば、水道メータを経由する水を二次側配管に流入させることができる。一方、災害時などに、流路切換弁を操作して第2流路を選択して、蓋部材による水吐き口の封鎖を解除すれば、水を分岐配管に流入させ、水吐き口から吐出させることができる。従って、水道メータを経由する配管から水道メータを取り外すことなく、水吐き口か
ら取水できる。ここで、配管ユニットは、水道メータと二次側配管との間に配置される。従って、第1流路を選択した場合には、二次側配管に流入する水の流量を水道メータにより計量できる。従って、第1流路を選択した場合には、水道メータおよび配管ユニットを、通常のメータユニットとして使用できる。また、第2流路を先端した場合には、水吐き口から吐出される水の流量を水道メータにより計量できる。
【0008】
また、本発明によれば、前記分岐配管は、前記分岐部分と前記水吐き口との間に、前記水吐き口の側に向かって上方に湾曲または屈曲する第1折れ曲がり部を備え、前記水吐き口は、上方を向いている。従って、水吐き口に、上方から、外部の配管やホースなどを接続することができる。
【0009】
さらに、本発明によれば、前記分岐配管は、前記分岐部分と前記第1折れ曲がり部との間に、前記主配管から離間する方向に向かって前記水道メータの側に湾曲または屈曲する第2折れ曲がり部を備える。従って、主配管の管軸方向および上下方向と直交する方向において、配管ユニットをコンパクトにすることが容易となる。
【0010】
本発明において、前記流路切換弁は、前記第1流路、前記第2流路、および前記水道メータを経由した水を前記第1流路と前記第2流路とに流通させる第3流路に切り替えるものとすることができる。このようにすれば、水道メータを経由した水を、二次側配管に流入させるとともに、水吐き口から吐き出させることができる。また、二次側配管に流入する水と水吐き口から吐出される水の総量を水道メータにより計量できる。
【0011】
本発明において、前記分岐配管は、ドレン口と、前記ドレン口を開閉可能に封鎖するドレンプラグと、を備えることが望ましい。このようにすれば、取水後などに、分岐配管に残留した水を排出できる。
【0012】
本発明において、前記主配管は、前記水道メータと前記流路切換弁とを接続する管継手を備え、前記流路切換弁は、前記二次側配管の先端に設けられた二次側配管フランジ部を締結可能な流路切換弁フランジ部を備え、前記管継手は、前記水道メータが備える水道メータフランジ部に締結可能な管継手フランジ部を備え、前記流路切換弁フランジ部の規格と、前記管継手フランジ部の規格とは、同一であるものとすることができる。このようにすれば、水道メータと二次側配管との間に配管ユニットを挿入して、これらを配管ユニットで接続することが容易となる。すなわち、流路切換弁フランジ部の規格は、水道メータフランジ部に接続可能な管継手フランジ部の規格と同一なので、流路切換弁フランジ部の規格と水道メータフランジ部の規格とは、同一である。また、管継手フランジ部の規格は、二次側配管の先端に設けられた二次側配管フランジ部を締結可能な流路切換弁フランジ部の規格と同一なので、管継手フランジ部の規格と二次側配管フランジ部の規格と同一である。よって、水道メータフランジ部、管継手フランジ部、流路切換弁フランジ部、および二次側配管フランジ部は、同一の規格を備える。従って、水道メータが備える水道メータフランジ部に管継手フランジ部を締結することが可能であり、流路切換弁フランジ部に二次側フランジが備える二次側配管フランジ部を締結することが可能である。よって、配管ユニットを水道メータと二次側配管との間に設置することが容易である。
【0013】
次に、本発明のメータユニットは、水道メータと、上記の配管ユニットと、を有することを特徴とする。
【0014】
本発明のメータユニットによれば、水道メータを取り外すことなく、メータユニットからの取水が可能となる。
【0015】
また、本発明の別の形態のメータユニットは、水道メータと、上記の配管ユニットと、
前記水道メータと一次側配管を接続するための管継手部材と、を有し、前記管継手部材には、前記一次側配管が備える一次側配管フランジ部に締結可能な管継手部材フランジ部が設けられていることを特徴とする。
【0016】
本発明のメータユニットによれば、水道メータを取り外すことなく、メータユニットからの取水が可能となる。また、本発明のメータユニットは、補足管と、補足管に接続された水道メータとを有し、補足管は、水道メータとは反対側の端に補足管フランジ部を備え、水道メータは、補足管とは反対側の端に水道メータフランジ部を備える既存のメータユニットに置換可能である。
【発明の効果】
【0017】
本発明の配管ユニットを水道メータと二次側配管との間に配置すれば、配管への水吐き口の形成や、水道メータの取り外しを行うことなく、配管からの取水が可能となる。また、二次側配管に流入する水の計量、および、水吐き口から外部に吐出される水を計量できる。
【0018】
また、上記の配管ユニットと水道メータとを備える本発明のメータユニットによれば、水道メータを取り外すことなく、メータユニットからの取水が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】メータユニットを上方から見た場合の平面図である。
図2】メータユニットを幅方向から見た場合の側面図である。
図3図1のA-A線断面図である。
図4】メータユニットの使用形態の説明図である。
図5】本発明のメータユニットにより既存のメータユニットを置換する場合の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態であるメータユニットを説明する。
【0021】
(メータユニット)
図1は本例のメータユニットを上方から見た場合の平面図である。図2は、本例のメータユニットを幅方向から見た場合の側面図である。図2では、メータユニットを分岐配管とは反対側から見た場合である。図3は、図1のA-A線断面図である。図1図2において、水道メータは二点鎖線で示す。また、図1図2では、メータユニットにおいて一次側配管と二次側配管との間に位置する配管の一部を断面で示す。
【0022】
本例のメータユニット1は、水道管の本管から建物内に引き込まれる配管の途中に設置される。図1図2に示すように、メータユニット1は、水道管の本管に連通する一次側配管2と、建物内の水道配管に連続する二次側配管3との間に設置される。一次側配管2と二次側配管3とは、地中において、直線上に配置されている。本管から流入する水は、一次側配管2から二次側配管3に向かって流れる。一次側配管2は、先端部(下流端部)に、一次側配管フランジ部2aを備える。二次側配管3は、先端部(上流端部)に、二次側配管フランジ部3aを備える。
【0023】
メータユニット1は、水道メータ5、管継手部材6、配管ユニット7、および配管ユニット7に着脱される蓋部材8を備える。管継手部材6は、水道メータ5と一次側配管2とを接続する。配管ユニット7は、水道メータ5と二次側配管3との間に配置されて、水道メータ5と二次側配管3とを接続する。配管ユニット7は、水道メータ5に、直接、接続されている。なお、メータユニット1は、ユニットボックスに収容されて、地中に埋設さ
れている場合がある。
【0024】
ここで、一次側配管2、二次側配管3、および水道メータ5の管軸Lに沿った方向を管軸方向Xとし、管軸方向Xにおける水の流通方向の上流側をX1方向、下流側をX2方向とする。メータユニット1の設置姿勢における上下を上下方向Zとし、上方をZ1方向、下方をZ2方向とする。また、管軸方向Xおよび上下方向Zと直交する方向をメータユニット1の幅方向Yとし、幅方向の一方側をY1方向、他方側をY2方向とする。
【0025】
図1に示すように、水道メータ5は、水が流入する流入口を備える流入管11と、水の流出口を備える流出管12と、流入管11を介して流入する水を計量して流出管12に流出させるメータ本体13と、を備える。流入管11は、先端部分に配管接続部11aを備える。配管接続部11aは、雌ねじを備える。流出管12の先端部分には、水道メータフランジ部14が設けられている。
【0026】
管継手部材6は、水道メータ5と一次側配管2を接続する。管継手部材6は、管部15と、管部15のX1方向の端部から外周側に広がる管継手部材フランジ部16と、を備える。管部15のX2方向の端部には、雄ねじが設けられている。管部15のX2方向の端部は、水道メータ5の流入管11の配管接続部11aに接続される。管継手部材フランジ部16は、一次側配管2の一次側配管フランジ部2aと同一の規格を有する。管継手部材フランジ部16は一次側配管フランジ部2aに締結される。
【0027】
配管ユニット7は、水道メータ5と二次側配管3とを接続する主配管21と、主配管21からY1方向(側方)に分岐する分岐配管22と、を備える。主配管21は、水道メータ5と二次側配管3との間を直線状に延びる。主配管21の管軸は、一次側配管2、二次側配管3、および水道メータ5の管軸Lと一致する。図2図3に示すように、分岐配管22の端には、水吐き口23が設けられている。蓋部材8は、分岐配管22の終端部分に着脱可能に取り付けられている。蓋部材8は、水吐き口23を開閉可能に封鎖する。
【0028】
図1図2に示すように、配管ユニット7の主配管21は、水道メータ5の側から二次側配管3の側に向かって、管継手25と、流路切換弁26と、をこの順に備える。管継手25は、水道メータ5と流路切換弁26とを接続する。管継手25は、管部28と、管部28のX1方向の端部から外周側に広がる管継手フランジ部29を備える。管部28のX2方向の端部は流路切換弁26に接続されている。管継手フランジ部29は、水道メータフランジ部14と同一の規格である。管継手フランジ部29は、水道メータフランジ部14に締結される。
【0029】
流路切換弁26は、主配管21における分岐配管22の分岐部分21aに配置されている。流路切換弁26は、管継手25が接続された流入管部31と、分岐配管22が接続された流出口32と、二次側配管3が接続される流出管部33と、を備える。流出管部33は、X2方向の端部から外周側に広がる流路切換弁フランジ部34を備える。流路切換弁フランジ部34の規格は、管継手フランジ部29の規格と同一である。また、流路切換弁フランジ部34の規格は、二次側配管3が備える二次側配管フランジ部3aの規格と同一である。流路切換弁フランジ部34は、二次側配管フランジ部3aに締結される。
【0030】
なお、流路切換弁フランジ部34は流路切換弁26とは別の部材に設けられており、この部材が流出管部33に固定されることにより、流路切換弁26が流路切換弁フランジ部34を備えている場合もある。
【0031】
ここで、流路切換弁フランジ部34の規格は、水道メータフランジ部14に接続可能な管継手フランジ部29の規格と同一である。従って、流路切換弁フランジ部34の規格は
水道メータフランジ部14の規格と、同一である。また、管継手フランジ部29の規格は、二次側配管3の先端に設けられた二次側配管フランジ部3aを締結可能な流路切換弁フランジ部34の規格と同一である。従って、管継手フランジ部29の規格は、二次側配管フランジ部3aの規格と同一である。よって、水道メータフランジ部14、管継手フランジ部29、流路切換弁フランジ部34、および二次側配管フランジ部3aは、同一の規格を備えている。
【0032】
図3に示すように、分岐配管22は、主配管21の分岐部分21aと水吐き口23との間に、水吐き口23の側に向かって上方に屈曲する第1折れ曲がり部41を備える。水吐き口23は、上方Z1を向いている。また、分岐配管22は、分岐部分21aと第1折れ曲がり部41との間に、Y1方向(主配管21から離間する方向)に向かってX1方向(水道メータ5の側)に湾曲する第2折れ曲がり部42を備える。図1に示すように、本例では、第2折れ曲がり部42は、流路切換弁26の流出口32に接続されたエルボ43によって形成されている。
【0033】
さらに、分岐配管22は、ドレン口44と、ドレン口44を開閉可能に封鎖するドレンプラグ45と、を備える。ドレン口44は、第1折れ曲がり部41と、第2折れ曲がり部42との間において、分岐配管22の下側部分に設けられている。
【0034】
(使用形態)
図4は、メータユニット1の使用形態の説明図である。本例では、流路切換弁26は、水道メータ5を経由した水を二次側配管3に流通させる第1流路S1、水道メータ5を経由した水を分岐配管22に流通させる第2流路S2、および水道メータ5を経由した水を第1流路S1と第2流路S2とに流通させる第3流路S3に切り替える。メータユニット1は、流路切換弁26の操作により第1流路S1、第2流路S2、および第3流路S3のいずれかを選択することにより、異なる形態で使用される。
【0035】
図4(a)は、流路切換弁26により第1流路S1を選択した場合のメータユニット1の第1使用形態の説明図である。第1使用形態では、一次側配管2から流入して水道メータ5を経由する水を二次側配管3に流入させる。また、第1使用形態では、二次側配管3に流入する水の流量を水道メータ5により計量できる。従って、第1流路S1を選択した場合には、本例のメータユニット1を通常のメータユニットとして使用できる。
【0036】
図4(b)は、流路切換弁26により第2流路S2を選択した場合のメータユニット1の第2使用形態の説明図である。第2使用形態では、蓋部材8による水吐き口23の封鎖を解除する。すなわち、蓋部材8を分岐配管22の終端部分から取り外している。第2使用形態では、一次側配管2から流入して水道メータ5を経由する水を分岐配管22に流入させ、水吐き口23から吐出させることができる。従って、メータユニット1から水道メータ5を取り外すことなく、メータユニット1からの取水が可能である。また、二次側配管3に水を流入させることなく、メータユニット1からの取水が可能である。さらに、水吐き口23から吐出される水の流量を水道メータ5により計量できる。
【0037】
図4(c)は、流路切換弁26により第3流路S3を選択した場合のメータユニット1の第3使用形態の説明図である。第3使用形態では、蓋部材8により水吐き口23の封鎖を解除する。第3使用形態では、一次側配管2から流入して水道メータ5を経由する水を二次側配管3に流入させるとともに、分岐配管22に流入させ、水吐き口23から吐出させることができる。従って、メータユニット1から水道メータ5を取り外すことなくメータユニット1からの取水が可能となる。また、二次側配管3の側への水の供給を停止することなく、水を外部に供給できる。さらに、本形態によれば、二次側配管3に流入する水と水吐き口23から吐出される水の総量を水道メータ5により計量できる。
【0038】
(作用効果)
本例のメータユニット1によれば、水道メータ5を取り外すことなく、メータユニット1からの取水が可能となる。
【0039】
また、本例のメータユニット1は、分岐配管22が水吐き口23の側に向かって上方Z1に屈曲する第1折れ曲がり部41を備えており、水吐き口23が上方Z1を向いている。従って、第2使用形態および第3使用形態のメータユニット1では、水吐き口23に、上方Z1から、外部の配管やホースなどを接続することができる。よって、災害時などに、飲料可能な水を、外部に供給することが容易となる。
【0040】
さらに、本例では、分岐配管22は、分岐部分21aと第1折れ曲がり部41との間に、主配管21から離間する方向に向かって管軸方向Xを前記水道メータ5の側に湾曲する第2折れ曲がり部42を備える。従って、幅方向において、メータユニット1および配管ユニット7をコンパクトにすることが容易となる。
【0041】
また、分岐配管22は、ドレン口44と、ドレン口44を開閉可能に封鎖するドレンプラグ45と、を備える。従って、取水後などに分岐配管22に残留した水を排出できる。
【0042】
次に、本例のメータユニット1は、既存のメータユニットに置換可能である。図5は、本例のメータユニット1により既存のメータユニットを置換する場合の説明図である。図5の下段に示すように、既存のメータユニット50は、所定寸法の補足管51と、補足管51に接続された水道メータ5とを有する。なお、補足管51と水道メータ5とからなるメータユニット50を「水道メータ」と称する場合もある。メータユニット50を水道メータと称する場合には、本例のメータユニット1は、既存の水道メータに置換可能であるといえる。
【0043】
補足管51は、水道メータ5とは反対側の端に補足管フランジ部52を備える。水道メータ5は、補足管51とは反対側の端に水道メータフランジ部14を備える。補足管フランジ部52は、一次側配管2が備える一次側配管フランジ部2aに締結されている。水道メータフランジ部14には、二次側配管3が備える二次側配管フランジ部3aが締結される。補足管フランジ部52の外側端面から水道メータフランジ部14の外側端面までの寸法は、予め定められた所定寸法Mである。
【0044】
既存のメータユニット50を置き換える際には、まず、本例のメータユニット1として、管継手部材フランジ部16のX1方向の端面から流路切換弁フランジ部34のX2方向の端までの寸法が所定寸法Mのものを採用する。また、管継手部材6は、管継手部材フランジ部16の規格が一次側配管フランジ部2aの規格と同一のものを採用する。さらに、配管ユニット7は、管継手フランジ部29および流路切換弁フランジ部34の規格が、水道メータフランジ部14および二次側配管フランジ部3aと同一のものを採用する。
【0045】
次に、既存のメータユニット50を一次側配管2と二次側配管3との間から取り外し、しかる後に、本例のメータユニット1を、一次側配管2と二次側配管3との間に挿入する。そして、管継手部材6の管継手部材フランジ部16を一次側配管フランジ部2aに締結し、二次側配管フランジ部3aを流路切換弁26の流路切換弁フランジ部34に締結する。これにより、既存のメータユニット50を、本例のメータユニット1に置換できる。
【0046】
ここで、本例のメータユニット1は、配管ユニット7が、水道メータ5と流路切換弁26との間に、管継手25を備える。従って、管継手25として、管軸方向Xの長さ寸法が異なるものを採用することにより、メータユニット1の管軸方向Xの長さ寸法を調節でき
る。よって、メータユニット1として、管継手部材フランジ部16のX1方向の端面から流路切換弁フランジ部34のX2方向の端までの寸法が所定寸法Mのものを準備することが容易である。
【0047】
また、本例のメータユニット1は、管継手部材6が管継手部材フランジ部16を備え、流路切換弁26が流路切換弁フランジ部34を備えるので、一次側配管2の一次側配管フランジ部2aと二次側配管3の二次側配管フランジ部3aとの間にメータユニット1を配置して、これらの間を接続することが容易である。
【0048】
次に、本例のメータユニット1の管継手部材6および配管ユニット7を使用すれば、既存のメータユニット50に使用されていた水道メータ5をそのまま利用しながら、メータユニット50を本例のメータユニット1に置き換えることも可能である。
【0049】
この場合には、まず、既存のメータユニット50から補足管51を取り外す。次に、管継手部材6を既存の水道メータ5の流入管部31に接続する。また、配管ユニット7を水道メータ5の水道メータフランジ部14に締結する。そして、管継手部材6、水道メータ5および配管ユニット7を、一次側配管2と二次側配管3との間に挿入する。しかる後に、一次側配管フランジ部2aに管継手部材フランジ部16を締結する。また、流路切換弁フランジ部34に二次側配管フランジ部3aを締結する。これにより、既存のメータユニット50は本例のメータユニット1となり、本例のメータユニット1により一次側配管2と二次側配管3とが接続される。
【0050】
なお、この場合においても、管継手部材6は、管継手部材フランジ部16の規格が、一次側フランジ部の規格と同一のものを採用する。また、配管ユニット7は、管継手フランジ部および流路切換弁フランジ部の規格が、水道メータフランジ部14および二次側配管フランジ部3aと同一のものを採用する。管継手部材6および配管ユニット7は、新たに構成されるメータユニット1において、管継手部材フランジ部16のX1方向の端面から流路切換弁フランジ部34のX2方向の端までの寸法が所定寸法Mとなるサイズのものが採用される。
【0051】
ここで、配管ユニット7において、流路切換弁フランジ部34の規格は、水道メータフランジ部14に接続可能な管継手フランジ部29の規格と同一である。従って、流路切換弁フランジ部34の規格と水道メータフランジ部14の規格とは、同一である。また、管継手フランジ部29の規格は、二次側配管3の先端に設けられた二次側配管フランジ部3aを締結可能な流路切換弁フランジ部34の規格と同一である。従って、管継手フランジ部29の規格と二次側配管フランジ部3aの規格と同一である。よって、水道メータフランジ部14、管継手フランジ部29、流路切換弁フランジ部34、および二次側配管フランジ部3aは、同一の規格を備える。従って、水道メータ5と二次側配管3との間に配管ユニット7が位置するときに、水道メータフランジ部14に管継手フランジ部29を締結することが可能であり、流路切換弁フランジ部34に二次側配管フランジ部3aを締結することが可能である。よって、水道メータ5と二次側配管3との間に配管ユニット7を設置することが容易である。
【0052】
なお、本例の配管ユニット7は、単体で用いることができる。この場合でも、配管ユニット7を水道メータ5と二次側配管3との間に配置すれば、配管への水吐き口の形成や、配管からの水道メータ5の取り外しを行うことなく、取水が可能となる。また、二次側配管3に流入する水の計量、および、水吐き口23から外部に吐出される水を計量できる。
【0053】
なお、配管ユニット7の分岐配管22の第1折れ曲がり部41は、水吐き口の側に向かって上方に湾曲していてもよい。すなわち、エルボなどにより、第1折れ曲がり部41を
形成してもよい。また、分岐配管22の第2折れ曲がり部42は、屈曲していてもよい。また、第2折れ曲がり部42は、省略することもできる。
【符号の説明】
【0054】
1…メータユニット、2…一次側配管、2a…一次側配管フランジ部、3…二次側配管、3a…二次側配管フランジ部、5…水道メータ、6…管継手部材、7…配管ユニット、8…蓋部材、11…流入管、11a…配管接続部、12…流出管、13…メータ本体、14…水道メータフランジ部、15…管部、16…管継手部材フランジ部、21…主配管、21a…分岐部分、22…分岐配管、23…水吐き口、25…管継手、26…流路切換弁、28…管部、29…管継手フランジ部、31…流入管部、32…流出口、33…流出管部、34…流路切換弁フランジ部、41…第1折れ曲がり部、42…第2折れ曲がり部、44…ドレン口、45…ドレンプラグ、50…既存のメータユニット、51…補足管、52…補足管フランジ部、S1…第1流路、S2…第2流路、S3…第3流路、L…管軸、X…管軸方向、Y…幅方向、Z…上下方向
図1
図2
図3
図4
図5