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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】装飾体
(51)【国際特許分類】
   B41M 3/06 20060101AFI20240228BHJP
   G02B 3/00 20060101ALI20240228BHJP
   B44F 1/06 20060101ALI20240228BHJP
【FI】
B41M3/06 C
G02B3/00 A
B44F1/06
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022146065
(22)【出願日】2022-09-14
【審査請求日】2023-02-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000114813
【氏名又は名称】ヤマックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100173406
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 真貴子
(74)【代理人】
【識別番号】100067301
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 順一
(72)【発明者】
【氏名】森下 義雄
(72)【発明者】
【氏名】碓井 浩司
(72)【発明者】
【氏名】久保 誠一
【審査官】牧島 元
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-120499(JP,A)
【文献】国際公開第2007/007793(WO,A1)
【文献】特開平10-035083(JP,A)
【文献】特開平09-207254(JP,A)
【文献】特開2004-299202(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41M 3/06
G02B 3/00
B44F 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明基材上に複数の線状画が印刷された線状画層と、透明基材上に複数の同一の凸レンズ状の集光素が印刷された集光素層とが積層された装飾体であって、
前記線状画層は1インチ当たりの線数が20≦線数≦70の縦の紗線で形成される列の1列につき1本の線状画が印刷されており、
前記集光素層は、1インチ当たりの線数が縦横各20≦線数≦70の紗線で形成される升目1つにつき1つの集光素が印刷されており、
前記線状画層の縦の紗線と前記集光素層の縦又は横のいずれかの紗線とがなす角が45°以下(但し、0°は含まない)、又は、135°以上(但し、180°は含まない)であり、
各線状画は、前記縦の紗線で形成される列の幅の2%以上かつ96%以下の範囲で太さが変化する1本の線状画であり、連続した100本中1本以上が他の線状画と形状が異なる線状画である装飾体。
【請求項2】
透明基材上に複数の線状画が印刷された線状画層と、透明基材上に複数の同一の凸レンズ状の集光素が印刷された集光素層とが積層された装飾体であって、
前記線状画層は1インチ当たりの線数が20≦線数≦70の縦の紗線で形成される列の1列につき1本の線状画が印刷されており、
前記集光素層は、1インチ当たりの線数が縦横各20≦線数≦70の紗線で形成される升目1つにつき1つの集光素が印刷されており、
前記線状画層の縦の紗線と前記集光素層の縦又は横のいずれかの紗線とがなす角が45°以下(但し、0°は含まない)、又は、135°以上(但し、180°は含まない)であり、
各線状画は、前記縦の紗線で形成される列の幅の2%以上かつ96%以下の太さであって、各線状画は隣の線状画と太さが異なる装飾体。
【請求項3】
前記線状画層が、徐々に太くなる3本以上の線状画群が繰り返してなることを特徴とする請求項記載の装飾体。
【請求項4】
前記線状画層が、徐々に太くなって、徐々に細くなる3本以上の線状画群が繰り返してなることを特徴とする請求項記載の装飾体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は虚像がギザギザの折れ線で出現する装飾体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、装飾体から出現する虚像は球状、円筒状等の丸みを帯びた形状であった。
【0003】
しかし、丸みを帯びた形状であると優しくて、和みのあるデザインには適するが、例えば、トラ、龍、稲妻等のデザインと共に用いると調和が取れず、使用が困難であるという問題がある。
【0004】
そこで、トラ、龍、稲妻等の意匠と共に用いても調和が取れ、激しさや荒々しさが表現できる虚像を出現させる装飾体の開発が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2002-120499
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
出願人は、特許文献1に開示される平凸レンズ状集光素の縦横いずれか一方の列と平行に整列するように線状画素を積層した虚像現出装飾体であって、前記集光素と線状画素のずれが外側ほどずれ幅が大きくなる虚像現出装飾体を開発している。
【0007】
しかしながら、特許文献1記載の虚像現出装飾体では、虚像が丸みを帯びた形状で出現するため、激しさや荒々しさを表現できないという問題がある。
【0008】
本発明者らは、前記諸問題点を解決することを技術的課題とし、試行錯誤的な数多くの試作・実験を重ねた結果、透明基材上に複数の線状画が印刷された線状画層と、透明基材上に複数の同一の凸レンズ状の集光素が印刷された集光素層とが積層された装飾体であって、前記線状画層は1インチ当たりの線数が20≦線数≦70の縦の紗線で形成される列の1列につき1本の線状画が印刷されており、前記集光素層は、1インチ当たりの線数が縦横各20≦線数≦70の紗線で形成される升目1つにつき1つの集光素が印刷されており、前記線状画層の縦の紗線と前記集光素層の縦又は横のいずれかの紗線とがなす角が45°以下(但し、0°は含まない)、又は、135°以上(但し、180°は含まない)であり、各線状画は、前記縦の紗線で形成される列の幅の2%以上かつ96%以下の太さであって、連続した100本中1本以上が他の線状画と形状が異なる線状画である装飾体であれば、ギザギザの折れ線の虚像が出現するため、激しさや荒々しさを表現できるようになるという刮目すべき知見を得て、前記技術的課題を達成したものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記技術的課題は、次のとおり本発明によって解決できる。
【0010】
本発明は、透明基材上に複数の線状画が印刷された線状画層と、透明基材上に複数の同一の凸レンズ状の集光素が印刷された集光素層とが積層された装飾体であって、前記線状画層は1インチ当たりの線数が20≦線数≦70の縦の紗線で形成される列の1列につき1本の線状画が印刷されており、前記集光素層は、1インチ当たりの線数が縦横各20≦線数≦70の紗線で形成される升目1つにつき1つの集光素が印刷されており、前記線状画層の縦の紗線と前記集光素層の縦又は横のいずれかの紗線とがなす角が45°以下(但し、0°は含まない)、又は、135°以上(但し、180°は含まない)であり、各線状画は、前記縦の紗線で形成される列の幅の2%以上かつ96%以下の太さであって、連続した100本中1本以上が他の線状画と形状が異なる線状画である装飾体である。
【0011】
また本発明は、各線状画は隣の線状画と太さが異なる前記の装飾体である。
【0012】
また本発明は、各線状画が、前記紗線で形成される列の幅の2%以上かつ96%以下の範囲で太さが変化する1本の線状画である前記の装飾体である。
【0013】
また本発明は、前記線状画層が、徐々に太くなる3本以上の線状画群が繰り返してなることを特徴とする前記の装飾体である。
【0014】
また本発明は、前記線状画層が、徐々に太くなって、徐々に細くなる3本以上の線状画群が繰り返してなることを特徴とする前記の装飾体である。
【発明の効果】
【0015】
本発明における装飾体は、ギザギザの折れ線の虚像が出現するため激しさや荒々しさを表現できるので、トラや龍の意匠と共に使用しても調和がとれ、また、稲妻のような虚像を出現させることもできる。
【0016】
また、複数の線状画の太さがランダムになるほど、ギザギザの度合いが強くなり、激しさや荒々しさをより表現できる装飾体になる(図1)。
【0017】
また、徐々に太くなる3本以上の線状画群が繰り返してなる線状画層であれば、三角形が連なったようなギザギザの折れ線の虚像が出現する装飾体になる(図2)。
【0018】
また、徐々に太くなって、徐々に細くなる3本以上の線状画群が繰り返してなる線状画層であると、四角形が連なったようなギザギザの折れ線の虚像が出現する装飾体になる(図3)。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明における虚像の一例(実施例5)の写真である。
図2】本発明における虚像の一例の模式図である。
図3】本発明における虚像の一例の模式図である。
図4】線状画層20及び線状画2の一例を表した図である。
図5】線状画2の一例を表した図である。
図6】集光素層30及び集光素3の一例を表した図である。
図7】線状画層20と集光素層30の積層状態を表した図である。
図8】本発明における「なす角」を示した図である。
図9】本発明における装飾体の一例の断面図である。
図10】実施の形態1の線状画層の一例を表した図である。
図11】実施の形態1の虚像を表した模式図である。
図12】実施の形態2の線状画層の一例を表した図である。
図13】実施の形態2の虚像を表した模式図である。
図14】実施例1の装飾体の虚像の写真である。
図15】実施例2の装飾体の虚像の写真である。
図16】実施例3の装飾体の虚像の写真である。
図17】実施例4の装飾体の虚像の写真である。
図18】比較例1の装飾体の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明における装飾体は、透明基材1上に複数の線状画2が印刷された線状画層20と、透明基材1上に複数の同一の凸レンズ状の集光素3が印刷された集光素層30とが積層された装飾体10である。
【0021】
透明基材1は、特に限定されない。
透明基材として合成樹脂製、ガラス製の基材を例示する。
【0022】
合成樹脂は硬質、軟質のいずれでもよい。
合成樹脂として、ポリカーボネート、ポリエステル、アクリル、ポリ塩化ビニルを例示する。
【0023】
透明基材の厚みは、硬質の場合は厚さ1mm~5mmが好ましく、軟質の場合は厚さ0.5mm~2mmが好ましい。
【0024】
透明基材は板状であってもよいし、フィルム上であってもよい。
【0025】
また、基材は透明であれば着色されていてもよい。
【0026】
図4に示す通り、本発明における線状画層20は、透明基材上に紗線4で形成された縦の列1列につき線状画2が1本印刷された層である。
【0027】
紗線のピッチ21は同一であるであるため、同一のピッチ毎に1本の線状画2が印刷されている。
【0028】
本発明における紗線は1インチ(25.4mm)当たり20≦線数≦70であるため列の幅は0.36mm~1.27mmである。
【0029】
線数が20未満であると、ギザギザの折れ線の虚像が出現せず、70より多いと1インチ当たりの紗線が多くなり過ぎて印刷が困難になるからである。
【0030】
紗線は20≦線数≦70であればよいが、より好ましくは30≦線数≦60である。
【0031】
線状画は紗線で形成される列の幅の2%~96%の太さであればよい。
【0032】
線状画は図4に示す通り、1本が同一の太さである直線の線状画2であってもよいし、図5に示す通り、列の幅の2%~96%の範囲で変化する1本の線状画2であってもよい。
【0033】
線状画2は、連続した100本中1本以上が他の線状画と形状や太さが異なっていれば折れ線の虚像が出現するが、連続した100本中25本以上が異なっていることがより好ましく、連続した100本全部が異なっていてもよい。
【0034】
また、各線状画2の左右隣の線状画は太さが異なることが好ましい。
【0035】
線状画の形状や太さのランダム性が高くなるほど、ギザギザが大きく現れ、激しさや、荒々しさをより表現できる虚像が出現するからである。
【0036】
図5に示すような、全ての形状が異なる線状画2は市販の画像ソフトを用いてランダムの設定を所望により調整することによって作製することができる。
【0037】
線状画2の色は何色であってもよい。
【0038】
図6に示す通り、本発明の集光素層30は、透明基材上に縦の紗線5と横の紗線6とで形成された升目一つ当たり一つ印刷された集光素3からなる。
【0039】
集光素3は凸レンズ状であり、全て同一形状である。
【0040】
縦の紗線のピッチ31は同一であり、横の紗線のピッチ32は同一であるため縦横所定のピッチ毎に1つの集光素3が印刷されている。
【0041】
升目に占める集光素の割合は升目の面積の5%~95%が好ましく、より好ましくは30%~40%である。
【0042】
縦横の紗線はそれぞれ1インチ(25.4mm)当たり20≦線数≦70であり、より好ましくは30≦線数≦60である。
【0043】
縦横の紗線の線数は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
また、縦横の紗線の線数はそれぞれ線状画層の紗線の線数と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0044】
集光素は厚盛性のよい透明インクを用いて、透明基材1の表面に印刷して形成することができる。
【0045】
集光素を印刷するインクは特に限定されないがレイキュアーGA4100RL-B 厚盛メジウム、レイキュアーGA4100-RL-CS メジウム、レイキュアーLP4700LP-RL-N 厚盛メジウム(いずれも十条ケミカル株式会社製)を使用することができる。
【0046】
本発明は、線状画層と集光素層が積層してなる装飾体である。
【0047】
図7及び図8に示す通り、線状画層20と集光素層30は、線状画層の縦の紗線と、集光素層の縦横いずれかの紗線とがなす角7(以下「なす角」という)が45°以下、若しくは、135°以上となるように積層されている。
但し、なす角が0°又は180°ではない。
【0048】
図9に示す通り、本発明の装飾体であれば、連続する100本全てが縦の紗線で形成される列の中心に配置されるわけではなく、また集光素と線状画の位置も一定ではなく、線状画の太さが変わることで虚像の太さが変わるためギザギザの虚像となり、さらに、線状画が中心よりずれることにより、発現する虚像の位置がずれ、虚像が中心より均等な幅の変化だけでなく、虚像の中心が一直線でないことによって、よりギザギザに見えると考えられる。
【0049】
本発明においては、透明基材上に印刷された線状画層20と透明基材上に印刷された集光素層30が積層されていればよい。
【0050】
また、本発明においては、一枚の透明基材の一方の面に線状画を印刷し、もう一方の面に集光素を印刷してもよい。
【0051】
本発明における線状画と集光素は透明基材上に印刷することで形成させる。
【0052】
印刷方法は特に限定されないが、スクリーン印刷、オフセット印刷、凸版印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、インクジェット等のデジタル出力印刷を例示する。
【0053】
(実施の形態1)
図10に示す通り、徐々に太くなる3本以上の線状画群が繰り返し印刷されている線状画層であると、図11に示す通り、三角形が連なった虚像9が出現する。
【0054】
なす角が45°以下であると、右上がり(図11A)の虚像9が出現し、なす角が135°以上であると右下がり(図11B)の虚像9が出現する。
【0055】
(実施の形態2)
図12に示す通り、徐々に太くなって、徐々に細くなる3本以上の線状画群が繰り返し印刷されている線状画層であると、図13に示す通り、四角形が連なった虚像9が出現する。
【0056】
なす角が45°以下(図13A)の虚像9と、なす角が135°以上(図13B)の虚像9とは出現する角度が異なる。
【実施例
【0057】
本発明を実施例及び比較例を挙げてより詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0058】
線状画層及び集光素層はスクリーン印刷にて形成した。
【0059】
線状画層はSG700ブラックコンク改D(株式会社セイコーアドバンス製)、集光素層はレイキュアーGA4100-RL-B 厚盛メジウム(十条ケミカル株式会社製)のインクを使用した。
【0060】
透明基材としてNF-2000 552A T1.0(新興プラスチックス株式会社製)を使用した。
【0061】
(実施例1)
20線(1.27mmピッチ)の紗線で形成される1列に1本ずつ、0.762mmの太さの直線の線状画を99本連続して配置し、1本を0.2mmの線状画を配置したものを線状画層とした。
【0062】
20線(1.27mmピッチ)の紗線で縦横に升を形成し、升の面積の30%を占めるように中央に集光素3を配置したものを集光素層とした。
【0063】
なす角5度で交差させて積層した。
【0064】
図14に示す通り、ギザギザの折れ線の虚像が出現した。
【0065】
(実施例2)
30線(0.8466mmピッチ)の紗線で形成される1列に1本ずつ、0.508mmの太さの直線の線状画を99本連続して配置し、1本を0.175mmの線状画を配置したものを線状画層とした。
【0066】
30線(0.8466mmピッチ)の紗線で縦横に升を形成し、升の面積の30%を占めるように中央に集光素3を配置したものを集光素層とした。
【0067】
なす角4度で交差させて積層した。
【0068】
図15に示す通り、ギザギザの折れ線の虚像が出現した。
【0069】
(実施例3)
60線(0.423mmピッチ)の紗線で形成される1列に1本ずつ、0.254mmの太さの直線の線状画を99本連続して配置し、1本を0.11mmの線状画を配置したものを線状画層とした。
【0070】
60線(0.423mmピッチ)の紗線で縦横に升を形成し、升の面積の30%を占めるように中央に集光素3を配置したものを集光素層とした。
【0071】
なす角3度で交差させて積層した。
【0072】
図16に示す通り、ギザギザの折れ線の虚像が出現した。
【0073】
(実施例4)
70線(0.363mmピッチ)の紗線で形成される1列に1本ずつ、0.2177mmの太さの直線の線状画を99本連続して配置し、1本を0.10mmの線状画を配置したものを線状画層とした。
【0074】
70線(0.363mmピッチ)の紗線で縦横に升を形成し、升の面積の30%を占めるように中央に集光素3を配置したものを集光素層とした。
【0075】
なす角3度で交差させて積層した。
【0076】
図17に示す通り、ギザギザの折れ線の虚像が出現した。
【0077】
(実施例5)
【0078】
45線(0.564mmピッチ)の紗線で形成される1列に、図5に例示されるように、1本ずつ細くする、太くする、弧を描く、太さを変える等の変化をつけて全ての線状画の形状が異なるように配置したものを線状画層とした。
【0079】
線状画はランダム機能を有する公知の画像ソフトを使用して作製した。
【0080】
45線(0.564mmピッチ)の紗線で縦横に升を形成し、升の面積の30%を占めるように中央に集光素3を配置したものを集光素層とした。
【0081】
なす角3度で交差させて積層した。
【0082】
図1に示す通り、ギザギザの折れ線の虚像が出現した。
【0083】
(比較例1)
10線(2.54mmピッチ)の紗線で形成される1列に1本ずつ、1.52mmの太さの直線の線状画を99本連続して配置し、1本を0.2mmの線状画を配置したものを線状画層とした。
【0084】
10線(2.54mmピッチ)の紗線で縦横に升を形成し、升の面積の30%を占めるように中央に集光素3を配置したものを集光素層とした。
【0085】
なす角を1°~45°で交差させて観察したが虚像は出現しなかった。
【0086】
なす角5°で交差させた場合の装飾体の写真を図18に示す。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明における装飾体は、ギザギザの折れ線の虚像が出現するので、激しさや荒々しさが表現でき、トラ、龍の意匠とともに用いても調和が取れ、また、稲妻のような虚像を出現させることができる装飾体である。
よって、本発明の産業上の利用可能性は高い。
【符号の説明】
【0088】
1 透明基材
2 線状画
3 集光素
4 線状画の縦の紗線
5 集光素の縦の紗線
6 集光素の横の紗線
7 なす角
9 虚像
10 装飾体
20 線状画層
21 線状画のピッチ(縦列)
30 集光素層
31 集光素のピッチ(縦列)
32 集光素のピッチ(横列)
【要約】
【課題】
虚像がギザギザの折れ線で出現する装飾体を提供する。
【解決手段】
透明基材上に複数の線状画が印刷された線状画層と、透明基材上に複数の同一の凸レンズ状の集光素が印刷された集光素層とが積層された装飾体であって、前記線状画層は1インチ当たりの線数が20≦線数≦70の縦の紗線で形成される列の1列につき1本の線状画が印刷されており、前記集光素層は、1インチ当たりの線数が縦横各20≦線数≦70の紗線で形成される升目1つにつき1つの集光素が印刷されており、前記線状画層の縦の紗線と前記集光素層の縦又は横のいずれかの紗線とがなす角が45°以下(但し、0°は含まない)、又は、135°以上(但し、180°は含まない)であり、各線状画は、前記縦の紗線で形成される列の幅の2%以上かつ96%以下の太さであって、連続した100本中1本以上が他の線状画と形状が異なる線状画である装飾体。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18