(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】送風支管、送風支管の製造方法及び溶解炉送風システム
(51)【国際特許分類】
C21B 7/00 20060101AFI20240228BHJP
【FI】
C21B7/00 307
(21)【出願番号】P 2022537126
(86)(22)【出願日】2022-02-22
(86)【国際出願番号】 KR2022002574
(87)【国際公開番号】W WO2022182097
(87)【国際公開日】2022-09-01
【審査請求日】2022-07-01
(31)【優先権主張番号】10-2021-0025498
(32)【優先日】2021-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0020021
(32)【優先日】2022-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518355814
【氏名又は名称】エクセロ カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】パク,ソン ジェ
【審査官】岡田 隆介
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-040404(JP,A)
【文献】特開平09-263807(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0014745(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0092350(KR,A)
【文献】韓国登録特許第10-0828154(KR,B1)
【文献】中国実用新案第202968585(CN,U)
【文献】中国実用新案第202849452(CN,U)
【文献】中国実用新案第201779366(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C21B 7/00-7/24
C21B 9/00-9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高温の空気と接触する流路が内面に形成される耐火物層;
前記耐火物層の外面に配置され、前記耐火物層から伝達された熱によって加熱される熱伝導層;
前記熱伝導層の外面に配置され、前記熱伝導層の熱が外部に伝達されたり、外部の熱が前記熱伝導層に伝達されることを遮断する外部断熱層;及び
前記熱伝導層の温度を感知するための温度センサー;を含むことを特徴とする送風支管。
【請求項2】
前記耐火物層と前記熱伝導層との間に配置され、前記耐火物層と接触する内面の温度が予め設定された温度を超える場合、変形しながら熱伝導率が急激に上昇する内部断熱層をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の送風支管。
【請求項3】
前記温度センサーは、前記熱伝導層の少なくとも一部である温度測定領域の温度を感知し、
前記熱伝導層は、前記温度測定領域の少なくとも一部を形成するパターン部を有することを特徴とする、請求項1に記載の送風支管。
【請求項4】
前記パターン部は、
前記温度センサーの感知部に連結される第1内側領域と、前記第1内側領域から第1直線距離だけ離隔して配置される第1外側領域と、前記第1内側領域と第1外側領域とを連結する第1延長部と、を有する第1パターン部;及び
前記温度センサーの感知部に連結される第2内側領域と、前記第2内側領域から前記第1直線距離より長い第2直線距離だけ離隔して配置される第2外側領域と、前記第2内側領域と第2外側領域とを連結する第2延長部と、を有する第2パターン部;を含むことを特徴とする、請求項3に記載の送風支管。
【請求項5】
前記第1延長部及び前記第2延長部の長さは同一であることを特徴とする、請求項4に記載の送風支管。
【請求項6】
前記第1延長部と前記第2延長部とは互いに異なる長さを有し、
前記第1延長部は第1熱伝導率を有し、
前記第2延長部は、前記第1熱伝導率より大きい第2熱伝導率を有することを特徴とする、請求項4に記載の送風支管。
【請求項7】
前記第1延長部と前記第2延長部とは互いに異なる長さを有し、
前記第1延長部は第1面積を有し、
前記第2延長部は、前記第1面積より広い第2面積を有することを特徴とする、請求項4に記載の送風支管。
【請求項8】
前記熱伝導層は、
前記第1外側領域又は前記第2外側領域に配置され、前記耐火物層から伝達される熱を収集する熱収集部;をさらに含み、
前記熱収集部は、前記第1パターン部及び前記第2パターン部より熱伝導率が大きい素材を含むことを特徴とする、請求項4に記載の送風支管。
【請求項9】
供給部から供給される高温の空気を溶解炉の内部に供給するための送風支管の製造方法であって、
外皮層の内面に外部断熱層を形成する外部断熱層形成段階;
前記外部断熱層の内面に熱伝導層を形成する熱伝導層形成段階;
前記熱伝導層の内面にインサート部材を挿入し、前記インサート部材と前記熱伝導層との間に耐火物層を形成する耐火物層形成段階;及び
前記インサート部材を除去するインサート部材除去段階;を含むことを特徴とする送風支管の製造方法。
【請求項10】
前記熱伝導層形成段階後に行われ、
前記熱伝導層の内面に内部断熱層を形成する内部断熱層形成段階;をさらに含むことを特徴とする、請求項9に記載の送風支管の製造方法。
【請求項11】
前記外部断熱層形成段階において、
前記熱伝導層に温度センサーの感知部が接触するように、前記温度センサーの少なくとも一部を前記外部断熱層に埋めることを特徴とする、請求項9に記載の送風支管の製造方法。
【請求項12】
溶解炉に高温の空気を供給するための供給部;
前記供給部に連結される送風主管;
前記送風主管と前記溶解炉とを連結し、前記送風主管から高温の空気を分配しながら前記溶解炉に供給するための請求項1乃至請求項8
のいずれか1項に記載の送風支管;及び
前記送風支管の温度と、予め設定された基準温度とを比較して、前記送風支管の損傷の有無を判断する温度管理モジュール;を含むことを特徴とする溶解炉送風システム。
【請求項13】
前記温度管理モジュールは、
前記温度センサーで感知された前記熱伝導層の温度を基にして、高温の空気と接触する前記耐火物層の温度をリアルタイムで算出することを特徴とする、請求項12に記載の溶解炉送風システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送風支管、送風支管の製造方法及び溶解炉送風システムに関し、より詳細には、赤熱、亀裂、流路の変形などのような送風支管の損傷の有無をリアルタイムでモニタリングし、事故を未然に予防することができ、溶解炉に向かって高温の空気を安定的に供給できる送風支管、送風支管の製造方法及び溶解炉送風システムに関する。
【背景技術】
【0002】
鉄鉱石などの原料を溶解しながら溶鉄を生産する溶解炉(主に、高炉又は溶鉱炉と言う)は、原料を溶解するための熱源として約1200℃乃至1400℃で加熱された空気の供給を受ける。
【0003】
このような高温の空気を溶解炉に供給するための送風装置としては、高温で加熱された空気を供給する供給部と、供給部に連結され、溶解炉の周囲を取り囲むようにリング状に形成される送風主管と、送風主管と溶解炉とを連結し、送風主管から分配される高温の空気を溶解炉に供給する送風支管とが使用される。
【0004】
一般に、送風支管は、送風主管と溶解炉の空気流入ホールとの間の相対的な角度及び位置条件を充足しながら施工性及び整備性を備えるために、分解及び組み立てが可能な複数の連結管を組み立てることによって送風主管と溶解炉の空気流入ホールとを連結するようになる。
【0005】
このような送風支管においては、一部の領域で発熱温度が高くなるという問題が発生し、このように局部的な温度差が発生すると、熱膨張の差によって耐久性の差が局部的に表れ得る。その結果、内部に流れる高温高圧の空気によって送風支管に赤熱現象が発生したり、ひどい場合は、流路の変形又は亀裂が発生し得る。
【0006】
また、溶解炉で原料を溶解する間には、常に一定の範囲の温度が維持されなければならないが、送風支管に亀裂や流路の変形が発生すると、溶解炉に適正な温度の空気が供給されなくなり、溶解品質が低下し得る。
【0007】
また、送風支管に発生した亀裂や流路の変形部分は、継続して供給される高温高圧の空気によって送風支管の破損を誘発するおそれがあり、その結果、全体の設備の破損のみならず、大きな事故を誘発し得る。
【0008】
韓国登録特許第0828154号公報(2008.05.08.公告)には、熱風炉設備の発熱及び赤熱状態を早期に検出し、これ以上損傷が進行しないように冷却させる熱風管の冷却装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述した問題を解決するための本発明の課題は、送風支管の赤熱、亀裂、流路の変形などのような損傷の有無をリアルタイムでモニタリングし、事故を未然に予防することができ、溶解炉に向かって高温の空気を安定的に供給できる送風支管、送風支管の製造方法及び溶解炉送風システムを提供することにある。
【0011】
本発明の他の課題は、作業者の接近が不可能であったり、温度の測定が難しい環境に設置される送風支管に、コンパクトな構造の温度センサーモジュールを含むことによって、送風支管の温度を迅速且つ正確に獲得できる送風支管、送風支管の製造方法及び溶解炉送風システムを提供することにある。
【0012】
本発明が解決しようとする課題は、以上で言及した課題に制限されなく、言及していない他の課題は、下記の記載から本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解され得るだろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決するための本発明の実施例に係る送風支管は、高温の空気と接触する流路が内面に形成される耐火物層;前記耐火物層の外面に配置され、前記耐火物層から伝達された熱によって加熱される熱伝導層;前記熱伝導層の外面に配置され、前記熱伝導層の熱が外部に伝達されたり、外部の熱が前記熱伝導層に伝達されることを遮断する外部断熱層;及び前記熱伝導層の温度を感知するための温度センサー;を含む。
【0014】
本実施例に係る送風支管において、前記耐火物層と前記熱伝導層との間に配置され、前記耐火物層と接触する内面の温度が予め設定された温度を超える場合、変形しながら熱伝導率が急激に上昇する内部断熱層をさらに含み得る。
【0015】
本実施例に係る送風支管において、前記温度センサーは、前記熱伝導層の少なくとも一部である温度測定領域の温度を感知することができ、この場合、前記熱伝導層は、前記温度測定領域の少なくとも一部を形成するパターン部を有することができる。
【0016】
本実施例に係る送風支管において、前記パターン部は、前記温度センサーの感知部に連結される第1内側領域と、前記第1内側領域から第1直線距離だけ離隔して配置される第1外側領域と、前記第1内側領域と第1外側領域とを連結する第1延長部とを有する第1パターン部;及び前記温度センサーの感知部に連結される第2内側領域と、前記第2内側領域から前記第1直線距離より長い第2直線距離だけ離隔して配置される第2外側領域と、前記第2内側領域と第2外側領域とを連結する第2延長部とを有する第2パターン部;を含み得る。
【0017】
本実施例に係る送風支管において、前記第1延長部と前記第2延長部の長さは同一であり得る。
【0018】
本実施例に係る送風支管において、前記第1延長部と前記第2延長部は互いに異なる長さを有することができ、この場合、前記第1延長部は第1熱伝導率を有することができ、前記第2延長部は、前記第1熱伝導率より大きい第2熱伝導率を有することができる。
【0019】
本実施例に係る送風支管において、前記第1延長部と前記第2延長部は互いに異なる長さを有することができ、この場合、前記第1延長部は第1面積を有することができ、前記第2延長部は、前記第1面積より広い第2面積を有することができる。
【0020】
本実施例に係る送風支管において、前記熱伝導層は、前記第1外側領域又は前記第2外側領域に配置され、前記耐火物層から伝達される熱を収集する熱収集部;をさらに含むことができ、この場合、前記熱収集部は、前記第1パターン部及び前記第2パターン部より熱伝導率が大きい素材を含むことができる。
【0021】
一方、本発明の実施例に係る送風支管の製造方法は、外皮層の内面に外部断熱層を形成する外部断熱層形成段階;前記外部断熱層の内面に熱伝導層を形成する熱伝導層形成段階;前記熱伝導層の内面にインサート部材を挿入し、前記インサート部材と前記熱伝導層との間に耐火物層を形成する耐火物層形成段階;及び前記インサート部材を除去するインサート部材除去段階;を含む。
【0022】
本実施例に係る送風支管の製造方法において、前記熱伝導層形成段階後に行うことができ、前記熱伝導層の内面に内部断熱層を形成する内部断熱層形成段階;をさらに含み得る。
【0023】
本実施例に係る送風支管の製造方法において、前記外部断熱層形成段階では、前記熱伝導層に温度センサーの感知部が接触するように前記温度センサーの少なくとも一部を前記外部断熱層に埋めることができる。
【0024】
一方、本発明の実施例に係る溶解炉送風システムは、溶解炉に高温の空気を供給するための供給部;前記供給部に連結される送風主管;前記送風主管と前記溶解炉とを連結し、前記送風主管から高温の空気を分配しながら前記溶解炉に供給するための上述した送風支管;及び前記送風支管の温度と予め設定された基準温度とを比較して、前記送風支管の損傷の有無を判断する温度管理モジュール;を含む。
【0025】
本実施例に係る溶解炉送風システムにおいて、前記温度管理モジュールは、前記温度センサーで感知された前記熱伝導層の温度を基にして、高温の空気と接触する前記耐火物層の温度をリアルタイムで算出することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によると、送風支管の温度状態及び局部的な温度差をリアルタイムで測定及びモニタリングすることによって、送風支管での赤熱、亀裂、流路の変形などの損傷部位、損傷が発生した時間及び損傷の規模を迅速且つ正確に感知及び判断することができる。また、これを基にして送風支管を冷却させたり、作業者又は点検者が迅速に対処できるようにし、事故を未然に予防することができる。
【0027】
本発明によると、送風支管の温度状態及び局部的な温度差をリアルタイムで測定及びモニタリングすることによって、送風支管の外部に放出される高温の空気及び熱を感知及び判断することができ、これによって、溶解炉に向かって高温の空気を安定的に供給し、溶解炉での溶解品質を高めることができる。
【0028】
本発明によると、温度センサーの感知部に連結された状態で測定領域の表面に沿って延長形成される熱伝導層を含み、送風支管に伝達される温度を正確に測定及び処理することができ、このように獲得された温度情報から送風支管に対する安定的且つ体系的な管理が可能である。
【0029】
本発明の効果は、上記のような効果に限定されるものではなく、本発明の詳細な説明又は特許請求の範囲に記載の発明の構成から推論可能な全ての効果を含むものと理解しなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明の一実施例に係る溶解炉送風システムの側面例示図である。
【
図2】本発明の一実施例に係る溶解炉送風システムの平面例示図である。
【
図3】本発明の一実施例に係る送風支管を示した例示図である。
【
図4】本発明の他の実施例に係る送風支管を示した例示図である。
【
図5】本発明の一実施例に係る熱伝導層を示した平面例示図である。
【
図6】本発明の第1実施例に係る熱伝導層のパターン部を示した平面例示図である。
【
図8】本発明の第2実施例に係る熱伝導層のパターン部を示した平面例示図である。
【
図9】本発明の第3実施例に係る熱伝導層のパターン部を示した平面例示図である。
【
図10】本発明の第4実施例に係る熱伝導層のパターン部を示した平面例示図である。
【
図11】本発明の一実施例に係る送風支管の製造方法を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、上述した解決しようとする課題が具体的に実現され得る本発明の好ましい実施例を添付の図面を参照して説明する。本実施例を説明するにおいて、同一の構成に対しては同一の名称及び同一の符号を使用することができ、これによる付加的な説明は省略される場合がある。
【0032】
図1は、本発明の一実施例に係る溶解炉送風システムの側面例示図で、
図2は、本発明の一実施例に係る溶解炉送風システムの平面例示図で、
図3は、本発明の一実施例に係る送風支管を示した例示図である。
【0033】
図1乃至
図3を参照すると、本発明の実施例に係る溶解炉送風システムは、赤熱、亀裂、流路の変形などのような送風支管40の温度及び損傷の有無をリアルタイムでモニタリングし、送風支管40の損傷を判断したとき、作業者又は点検者の迅速な対処で事故を未然に予防し、溶解炉10に向かって高温の空気を安定的に提供することができる。
【0034】
このための本発明の一実施例に係る溶解炉送風システムは、溶解炉10、供給部20、送風主管30、送風支管40及び温度管理モジュール60を含んでもよい。
【0035】
溶解炉10は、内部に溶解空間を有し、溶解空間には、焼結工程で生産された原料と高温の空気を流入し、溶解された溶鉄を生産することができる。
【0036】
溶解炉10の下端部の周囲には、高温の空気の供給を受けるための流入ホールが備えられてもよい。流入ホールは、溶解炉10の周囲に沿って離隔して複数個が設けられてもよい。
【0037】
供給部20は、溶解炉10側に高温の空気を供給するためのものであって、加熱部で加熱された高温の空気を加圧しながら送風主管30に押し送ることができる。このような供給部20としてはポンプが使用されてもよい。
【0038】
送風主管30は、供給部20に連結され、供給部20から押し送られた高温の空気を送風支管40に供給することができる。
【0039】
このような送風主管30は、溶解炉10の周囲を取り囲むリング状を有してもよい。
【0040】
送風支管40は、送風主管30と溶解炉10とを連結し、送風主管30から供給される高温の空気を分配しながら溶解炉10側に供給することができる。
【0041】
このような送風支管40は、リング状の送風主管30に対して溶解炉10の周囲に沿って離隔して複数個が配置されてもよく、溶解炉10に備えられた複数の流入ホールにそれぞれ結合されてもよい。
【0042】
したがって、複数の送風支管40を介して溶解炉10の周囲に沿って均一な容量で分配された高温の空気を溶解炉10側に供給することができる。
【0043】
送風支管40は、上部管40A、下部管40B、エルボー管40C及びブロー管40Dを含んでもよい。
【0044】
上部管40Aは、一端部が送風主管30に連結されてもよい。また、上部管40Aは、送風主管30から溶解炉10の流入ホールに向かうように傾斜して延長形成されてもよい。
【0045】
下部管40Bは、一端部が上部管40Aに連結されてもよい。また、下部管40Bは、上部管40Aから溶解炉10の流入ホールに向かうように傾斜して延長形成されてもよい。
【0046】
エルボー管40Cは、一端部が下部管40Bに連結されてもよく、他端部は、溶解炉10の流入ホールに対して水平に対向するようにベンディング形成されてもよい。
【0047】
ブロー管40Dは、一端部がエルボー管40Cに連結されてもよく、他端部は、溶解炉10の流入ホールに挿入され、溶解炉10の溶解空間の内側に延長されてもよい。
【0048】
このように送風支管40には、溶解炉10の流入ホールに挿入・装着されるブロー管40Dの角度及び位置条件を満足させるために上部管40A、下部管40B、エルボー管40C及びブロー管40Dが着脱可能に結合され得る。
【0049】
また、上部管40A、下部管40B、エルボー管40C及びブロー管40Dのうち少なくとも一つは、流動方向と並んだ軸方向又は横方向に対して衝撃による変位を吸収できる構造を有してもよい。例えば、上部管40A、下部管40B、エルボー管40C及びブロー管40Dのうち少なくとも一つは、ベローズ(Bellows)連結部を有してもよい。これによって、送風支管40は、使用中に高温又は高圧の空気から発生する衝撃による変位を効果的に吸収することができる。
【0050】
一方、送風支管40は温度センサー50を含んでもよい。
【0051】
温度センサー50は、送風支管40の温度をリアルタイムで感知することができる。
【0052】
温度センサー50は、温度を測定するための接触式の感知部51(
図6参照)を有してもよい。
【0053】
実施例に係る温度センサー50は、感知部51を熱接点とする熱電対部と、熱電対部の冷接点に連結され、熱電対部の温度による熱起電力から温度を算出する処理部とを含んでもよい。具体的に、熱電対部は、互いに異なる種類の金属線を含み、前記金属線の両側端部を接続したとき、金属線の一側接続端部である熱接点(測温接点)と、金属線の他側接続端部である冷接点(基準接点)との間の温度差により、金属線には電流が流れるようになる。このような熱電対部の熱接点が感知部51に該当することができ、熱接点を含む熱電対部は、チューブなどのカバー部材が埋められて保護され得る。そして、処理部は、熱電対部の熱接点と冷接点との間の温度差値と、熱電対部で発生する熱起電力との関係により、前記熱接点での実際の温度情報を獲得することができる。このような処理部としては電圧計が使用されてもよい。もちろん、温度センサー50としては、測定対象となる熱源の種類によって、熱電対のみならず、公知の多様な種類の温度センサーが使用されてもよい。
【0054】
また、温度センサー50は、第1通信部をさらに有してもよく、第1通信部は、温度センサー50で測定及び処理された温度情報を温度管理モジュール60に送信することができ、温度管理モジュール60から伝達される制御信号を受信することができる。
【0055】
また、それぞれの送風支管40ごとに複数個の温度センサー50が備えられてもよく、各送風支管40の耐火物層41に接触する熱伝導層42の少なくとも一部である温度測定領域Aごとに一つの温度センサーが備えられてもよい。
【0056】
温度管理モジュール60は、温度センサー50で感知された送風支管40の温度と、予め設定された基準温度とを比較して、送風支管40の赤熱、亀裂、流路の変形などの損傷の有無を判断することができ、これを作業者又は点検者に提供することができる。
【0057】
また、温度管理モジュール60は、判断された送風支管40の損傷の有無によって冷却モジュールを動作させることができ、或いは溶解炉送風システムを非常停止させることもできる。
【0058】
また、温度管理モジュール60は第2通信部を有してもよく、第2通信部は、温度センサー50で測定及び処理された温度情報を受信することができ、制御信号を温度センサー50に送信することができる。そして、温度管理モジュール60は、温度センサー50で測定及び処理された温度情報を処理し、これを多様な出力値の形態で表示することができ、管理者は、温度管理モジュール60に表示される温度情報をリアルタイムでモニタリングしながら送風支管40の動作及び状態に対する管理を効果的に行うことができる。
【0059】
このような温度管理モジュール60は、コンピューターであってもよく、或いは管理者が携帯可能なタブレットやスマートフォンであってもよい。
【0060】
送風支管40は、使用中に局部的な温度差が発生し得るが、例えば、送風主管30に連結される上部管40A領域で発熱温度が相対的に高くなり得る。このように送風支管40に局部的な温度差が発生すると、熱膨張や熱収縮の差によって局部的に耐久性の差が発生し得る。これによって、送風支管40は、内部に流れる高温の空気によって赤熱現象が発生したり、ひどい場合は、流路の変形又は亀裂が発生し得る。そこで、温度センサー50を通じてそれぞれの送風支管40での温度状態及び局部的な温度差をリアルタイムで測定及びモニタリングすることによって、送風支管40が損傷する前に冷却モジュールを動作させ、送風支管40の過熱を防止ししたり、又は局部的な温度差を補償することができ、作業者又は点検者に迅速な対処のための情報を提供することができる。
【0061】
これに加えて、本実施例に係る溶解炉送風システムは、送風支管40の損傷部位、損傷が発生した時間及び損傷の規模をより迅速且つ正確に感知及び判断することができ、これによって、より安定的且つ迅速な管理が可能になる。
【0062】
以下、本発明の実施例に係る送風支管に対してより詳細に説明する。
【0063】
図3を参照すると、本実施例に係る送風支管40は、耐火物層41、熱伝導層42、外部断熱層43及び外皮層44をさらに含んでもよい。
【0064】
耐火物層41は、送風支管40を通過する高温の空気と直接接触する部分であり、高温の空気と接触する流路Sが内面に形成されてもよい。
【0065】
耐火物層41は、耐熱性に優れた材質で製作可能であり、予め設定された許容耐火温度を有してもよい。このような耐火物層41は、高温の空気によって耐火物層41が許容された耐火温度を超えた状態で一定時間が維持される場合、亀裂が発生したり、流路の変形をもたらし得る。その結果、耐火物層41の耐熱性が急激に低下し、高温の空気及び熱が外部に放出され得る。
【0066】
熱伝導層42は、金属などの熱伝導に優れた材質で製作可能であり、耐火物層41の外面に配置されてもよい。これによって、熱伝導層42は、耐火物層41から伝達された熱によって加熱され、温度が上昇し得る。
【0067】
外部断熱層43は、断熱素材で製作可能であり、熱伝導層42の外面に配置されてもよい。これによって、外部断熱層43は、熱伝導層42の熱が外部に伝達されたり、外部の熱が熱伝導層42に伝達されることを遮断することができる。
【0068】
外皮層44は、外部断熱層43の外面に配置され、送風支管40の外形を形成することができる。外皮層44は、外部衝撃から送風支管40が保護されるように鉄などの金属材質で製作され得る。
【0069】
このとき、温度センサー50は外部断熱層43に設置されてもよく、外部断熱層43に設置された温度センサー50の感知部51は熱伝導層42に接触してもよい。よって、温度センサー50は、熱伝導層42の温度を感知することができ、これを温度管理モジュール60に伝送することができる。
【0070】
したがって、温度管理モジュール60は、複数個の温度センサー50で感知された熱伝導層42の温度を基にして、高温の空気と接触する耐火物層41の全体の領域に対する温度分布をリアルタイムで確認することができる。
【0071】
図面では、送風支管40のうち上部管40Aの断面構造に対して説明しているが、下部管40B、エルボー管40C及びブロー管40Dも同一の断面構造を有することができる。
【0072】
上記のように、耐火物層41から伝達された熱によって加熱される熱伝導層42と、熱伝導層42を中心に耐火物層41の反対側領域に温度センサー50を配置することによって、高温の空気に対する温度センサー50の耐久性低下を防止できると共に、熱伝導層42の温度変化を迅速且つ正確に測定することができる。これによって、温度管理モジュール60は、温度センサー50で感知された熱伝導層42の温度と予め設定された基準温度とを比較して、耐火物層41で発生する損傷部位、時間及び規模を直ぐ測定及び判断することができる。これによって、送風支管40の事故を予防できると共に、溶解炉10に向かって高温の空気を安定的に提供することができる。
【0073】
一方、本実施例に係る溶解炉送風システムは、冷却モジュールをさらに含んでもよい。
【0074】
冷却モジュールは、冷却流路及び冷媒供給部を有してもよい。
【0075】
冷却流路は、送風支管40に配置されてもよく、耐火物層41に形成されてもよい。
【0076】
冷媒供給部は、冷媒を加圧し、冷却流路に沿って冷媒を循環させることができる。これによって、温度センサー50によって感知された送風支管40の温度が基準温度を超える場合、温度管理モジュール60は、冷却モジュールを動作させ、送風支管40の温度を冷却させることができる。
【0077】
また、冷却モジュールは、温度センサー50が設置される温度測定領域Aごとに複数個が独立的に設置されてもよい。これによって、送風支管40の局部的な温度差が発生する領域に対して独立的に冷却させることができ、これによって、送風支管40の局部的な温度差が発生することを抑制することができる。
【0078】
一方、温度管理モジュール60は、予め設定された冷却モジュール動作温度を有してもよく、このとき、冷却モジュール動作温度は、基準温度より低く設定されてもよい。すなわち、温度センサー50で感知された熱伝導層42の温度が基準温度に到逹する前に、冷却モジュール動作温度に先に到逹すると、温度管理モジュール60は、送風支管40が過熱状態であると判断し、冷却モジュールを動作させ、送風支管40を冷却させることができる。これによって、送風支管40の亀裂や流路の変形などの損傷を未然に予防することができる。
【0079】
図4は、本発明の他の実施例に係る送風支管を示した例示図である。
【0080】
図4を参照すると、本実施例に係る送風支管40は、耐火物層41と熱伝導層42との間に配置される内部断熱層45をさらに含んでもよい。
【0081】
内部断熱層45は、通常、耐火物層41から熱伝導層42に向かう過度な熱伝達を抑制することができる。これによって、内部断熱層45がない場合と比較して、熱伝導層42の温度は低くなり得る。
【0082】
また、内部断熱層45は、耐火物層41と接触する内面の温度が予め設定された温度を超える場合、変形しながら熱伝導率が急激に上昇し得る。これによって、耐火物層41から伝達された熱は、熱伝導層42に迅速に伝達され、熱伝導層42を急速に加熱することができる。
【0083】
内部断熱層45がない場合と比較して、内部断熱層45がある場合は、熱伝導層42が耐火物層41の損傷の有無によってより広い温度範囲と高い温度変化率を有するようになる。
【0084】
結果的に、温度センサー50は、 熱伝導層42の変化温度をより正確且つ迅速に測定することができる。また、相対的に低価の温度センサー50を使用した場合にも、熱伝導層42の温度を正確に測定することができる。
【0085】
内部断熱層45は真空断熱材で製作可能であり、真空断熱材は、優れた断熱性を有しながらも、真空が壊れると断熱性が急激に低くなる。
【0086】
一方、
図5は、本発明の実施例に係る熱伝導層を示した平面例示図である。
【0087】
図5をさらに参照すると、本実施例に係る熱伝導層420は、温度センサー50の感知部51(
図6参照)に連結された状態で耐火物層41に接触する温度測定領域Aを有してもよい。
【0088】
温度測定領域Aは、熱伝導層420の枠部に沿って延長される仮想の外郭線によって区画される領域であってもよい。そして、熱伝導層420は、仮想の区画線によって区画される複数個の温度測定領域Aで構成され得る。
【0089】
熱伝導層420は、耐火物層41から温度測定領域Aに伝達される熱を収集し、これを温度測定領域Aの表面に沿って温度センサー50の感知部51に伝達することができる。
【0090】
また、熱伝導層420はパターン部を有してもよく、パターン部は、基本的に感知部51を中心に温度測定領域Aの枠領域に行くほど全体的に均一なパターンを有し得る。そして、パターン部は、温度測定領域Aの少なくとも一部を形成することができる。すなわち、熱伝導層420は、平面図上で外部断熱層43を完全に覆うように設けられてもよく、外部断熱層43の一部のみをカバーするパターンを有してもよい。
【0091】
以下、
図6乃至
図10を参照して、本発明の多様な実施例に係るパターン部を有する熱伝導層に対して詳細に説明する。
【0092】
図6は、本発明の第1実施例に係る熱伝導層のパターン部を示した平面例示図である。
【0093】
図6を参照すると、本実施例に係る熱伝導層420はパターン部を有してもよく、パターン部は、第1パターン部420A及び第2パターン部420Bを有してもよい。
【0094】
第1パターン部420Aは、第1内側領域421A、第1外側領域422A及び第1延長部423Aを有してもよい。
【0095】
第1内側領域421Aは、温度測定領域Aの内側中心領域に配置されてもよく、温度センサー50の感知部51に連結されてもよい。
【0096】
第1外側領域422Aは、温度測定領域Aの外側枠領域に配置されてもよく、第1内側領域421Aから第1直線距離d1だけ離隔して配置されてもよい。
【0097】
第1延長部423Aは、第1内側領域421Aと第1外側領域422Aとを連結することができる。第1延長部423Aは、第1直線距離d1と同一の長さを有してもよく、第1直線距離d1より長くてもよい。例えば、第1延長部423Aは、平面図上でジグザグ状や弧状などの非定型形状を有し、第1内側領域421Aから第1外側領域422Aに向かって延長形成されてもよい。
【0098】
第2パターン部420Bは、第2内側領域421B、第2外側領域422B及び第2延長部423Bを有してもよい。
【0099】
第2内側領域421Bは、温度測定領域Aの内側中心領域に配置されてもよく、温度センサー50の感知部51に連結されてもよい。
【0100】
第2外側領域422Bは、温度測定領域Aの外側枠領域に配置されてもよく、第2内側領域421Bから第2直線距離d2だけ離隔して配置されてもよい。このとき、第2直線距離d2は、第1直線距離d1より長く形成されてもよい。
【0101】
第2延長部423Bは、第2内側領域421Bと第2外側領域422Bとを連結することができる。第2延長部423Bは、第2直線距離d2と同一の長さを有してもよく、第2直線距離d2より長くてもよい。例えば、第2延長部423Bは、平面図上でジグザグ状や弧状などの非定型形状を有し、第2内側領域421Bから第2外側領域422Bに向かって延長形成されてもよい。
【0102】
ここで、本実施例によると、第1直線距離d1と第2直線距離d2との差とは関係なく、第1延長部423Aと第2延長部423Bの長さL1は互いに同一であってもよい。すなわち、第1直線距離d1と第2直線距離d2との差が発生することによって、第1延長部423Aと第2延長部423Bが同一の長さL1を有するためには、図示したように、互いに異なる形状のパターンを有するようになる。
【0103】
結果的に、第1延長部423Aと第2延長部423Bの長さL1を同一に設定することによって、第1外側領域422A及び第2外側領域422Bから感知部51にそれぞれ伝達される熱伝逹率の直線距離d1、d2の差による変化を補償することができる。
【0104】
また、感知部51から第1直線距離d1だけ離隔した第1外側領域422Aに伝達された熱と、第2直線距離d2だけ離隔した第2外側領域422Bに伝達された熱は、第1延長部423A及び第2延長部423Bに沿って移動した後、同一の時間に感知部51に到逹できるようになる。これによって、温度センサー50は、温度測定領域Aに対する温度を特定の時間帯に迅速且つ正確に獲得できるようになる。
【0105】
図6に示したように、平面図上で四角形状の温度測定領域Aを有する熱伝導層420に対して感知部51が温度測定領域Aの中心部に配置される場合、感知部51から相対的に近い側面領域の熱と、感知部51から相対的に遠いコーナー領域の熱は、第1延長部423A及び第2延長部423Bをそれぞれ経た後、同一の時間に感知部51に到逹できるようになる。
【0106】
【0107】
図7に示すように、温度センサー50の感知部51は、熱源の種類或いは熱源を収容する耐火物層41の与件によって、熱伝導層420によって区画される温度測定領域Aの内側空間に干渉構造物STが配置されてもよい。これによって、温度センサー50の感知部51は、温度測定領域Aの中心部からずれて偏心した位置に設置される必要がある。
【0108】
このように、温度センサー50の感知部51が温度測定領域Aの中心部から偏心した位置に配置された場合にも、上述したように、第1延長部4230Aと第2延長部4230Bの長さL1を同一に設定することによって、第1外側領域422A及び第2外側領域422Bから感知部51にそれぞれ伝達される熱伝逹率の直線距離の差による変化を補償することができる。
【0109】
また、感知部51から第1直線距離d1だけ離隔した第1外側領域422Aに伝達された熱と、感知部51から第2直線距離d2だけ離隔した第2外側領域422Bに伝達された熱は、第1延長部4230A及び第2延長部4230Bに沿って移動した後、同一の時間に感知部51に到逹できるようになる。
【0110】
図8は、本発明の第2実施例に係る熱伝導層のパターン部を示した平面例示図である。
【0111】
図8を参照すると、上述したように、パターン部は、第1パターン部420A及び第2パターン部420Bを有してもよい。そして、第1パターン部420Aは、第1内側領域421A、第1外側領域422A及び第1延長部4231Aを有してもよく、第2パターン部420Bは、第2内側領域421B、第2外側領域422B及び第2延長部4231Bを有してもよい。これに対する重複説明は省略する。
【0112】
ここで、本実施例によると、第1直線距離d1と第2直線距離d2との差により、第1延長部4231Aと第2延長部4231Bは互いに異なる長さを有してもよく、このとき、第1延長部4231Aと第2延長部4231Bは、互いに異なる熱伝導率を有する素材からなってもよい。すなわち、第1延長部4231Aは第1熱伝導率λ1を有してもよく、第2延長部4231Bは、第1熱伝導率λ1より大きい第2熱伝導率λ2を有してもよい。
【0113】
結果的に、第1延長部4231A及び第2延長部4231Bの熱伝導率を互いに異なるように設定することによって、第1外側領域422A及び第2外側領域422Bから感知部51にそれぞれ伝達される熱伝逹率の直線距離d1、d2の差による変化を補償することができる。
【0114】
図9は、本発明の第3実施例に係る熱伝導層のパターン部を示した平面例示図である。
【0115】
図9を参照すると、上述したように、パターン部は、第1パターン部420A及び第2パターン部420Bを有してもよい。そして、第1パターン部420Aは、第1内側領域421A、第1外側領域422A及び第1延長部4232Aを有してもよく、第2パターン部420Bは、第2内側領域421B、第2外側領域422B及び第2延長部4232Bを有してもよい。これに対する重複説明は省略する。
【0116】
ここで、本実施例によると、第1直線距離d1と第2直線距離d2との差により、第1延長部4232Aと第2延長部4232Bは互いに異なる長さを有してもよく、このとき、第1延長部4232Aと第2延長部4232Bは互いに異なる面積を有してもよい。すなわち、第1延長部4232Aは第1面積A1を有してもよく、第2延長部4232Bは、第1面積A1より広い第2面積A2を有してもよい。
【0117】
結果的に、第1延長部4232Aと第2延長部4232Bの面積を互いに異なるように設定することによって、第1外側領域422A及び第2外側領域422Bから感知部51にそれぞれ伝達される熱伝逹率の直線距離d1、d2の差による変化を補償することができる。
【0118】
図10は、本発明の第4実施例に係る熱伝導層のパターン部を示した平面例示図である。
【0119】
図10を参照すると、上述したように、パターン部は、第1パターン部420A及び第2パターン部420Bを有してもよい。そして、第1パターン部420Aは、第1内側領域421A、第1外側領域422A及び第1延長部4233Aを有してもよく、第2パターン部420Bは、第2内側領域421B、第2外側領域422B及び第2延長部4233Bを有してもよい。また、第1パターン部420Aは、第1外側領域422Aに配置される第1熱収集部425Aをさらに有してもよく、第2パターン部420Bは、第2外側領域422Bに配置される第2熱収集部425Bをさらに有してもよい。
【0120】
ここで、本実施例によると、第1直線距離d1と第2直線距離d2との差により、第1延長部4233Aと第2延長部4233Bは互いに異なる長さを有してもよく、このとき、第1熱収集部425Aと第2熱収集部425Bは互いに異なる熱伝導率を有する素材からなってもよい。すなわち、第1熱収集部425Aは第3熱伝導率を有してもよく、第2熱収集部425Bは、第3熱伝導率より大きい第4熱伝導率を有してもよい。
【0121】
結果的に、第1外側領域422Aと第2外側領域422Bに互いに異なる熱伝導率を有する素材を配置し、第1内側領域421Aと第1外側領域422Aとの間の温度差と、第2内側領域421Bと第2外側領域422Bとの間の温度差とを互いに異なるように設定することによって、第1外側領域422A及び第2外側領域422Bから感知部51にそれぞれ伝達される熱伝逹率の直線距離d1、d2の差による変化を補償することができる。
【0122】
また、第1熱収集部425A及び第2熱収集部425Bをさらに備えることによって、耐火物層41の熱は、熱伝導層420の外側領域に伝達された後、感知部51により速く到逹できるようになる。
【0123】
図6乃至
図10を通じて説明した多様な実施例では、第1パターン部420A及び第2パターン部420Bを形成するとき、第1延長部423A及び第2延長部423Bの長さ、熱伝導率及び面積の設定値を個別的に調節することを説明したが、第1パターン部420A及び第2パターン部420Bを形成するとき、第1延長部423A及び第2延長部423Bの長さ、熱伝導率及び面積のうち少なくともいずれか一つの設定値を調節することによって、第1延長部423A及び第2延長部423Bを経由する熱伝逹率の直線距離d1、d2の差による変化を補償することができる。そして、このように熱伝導層420に備えられるパターン部の長さ、熱伝導率及び面積の設定値は、耐火物層41の種類、感知部51の設置位置によって適宜調節され得る。
【0124】
一方、図示していないが、本実施例に係る熱伝導層420は、パターン部がなく、温度測定領域Aに相応する形状の平板形態を有してもよい。
【0125】
すなわち、実施例に係る温度測定領域Aは円形状を有してもよく、温度測定領域Aの中心部に温度センサー50の感知部51が配置されてもよい。そして、熱伝導層420は、円形状の温度測定領域Aに対応して感知部51を中心に一定の半径を有する円形状を有してもよい。
【0126】
このように、感知部51を中心に一定の半径を有する円形状の熱伝導層420は、パターン部がなくても、熱伝導層420の外側領域から感知部51に伝達される熱伝逹率が均一になり得る。また、耐火物層41から熱伝導層420の外側領域に伝達された熱は、感知部51に連結された内側領域に同一の時間に到逹できるようになる。
【0127】
もちろん、感知部51を中心に一定の半径を有する円形状の熱伝導層420もパターン部を有し得るが、この場合、パターン部は、感知部51に連結される内側領域を中心に外側領域に向かって同一の長さ、熱伝導率及び面積を有する放射状のパターン部を有してもよく、これによって、耐火物層41から熱伝導層420の外側領域に伝達された熱は、感知部51に連結された内側領域により速く到逹できるようになる。
【0128】
図11は、本発明の一実施例に係る送風支管の製造方法を示したフローチャートである。
【0129】
図11を参照すると、本発明の実施例に係る送風支管の製造方法は、外皮層形成段階(S11)、外部断熱層形成段階(S12)、熱伝導層形成段階(S13)、内部断熱層形成段階(S14)、耐火物層形成段階(S15)及びインサート部材除去段階(S16)を含んでもよい。
【0130】
外皮層形成段階(S11)は、外皮層44を形成する段階であり得る。
【0131】
外部断熱層形成段階(S12)は、外皮層44の内面に外部断熱層43を形成する段階であり得る。
【0132】
外部断熱層形成段階(S12)において、温度センサー50は、外部断熱層43に一体に組み立てられてもよい。すなわち、温度センサー50の感知部51が外部断熱層43の内面に露出するように、温度センサー50の少なくとも一部は、外部断熱層43の形成過程で外部断熱層43に埋められてもよい。よって、温度センサー50は、外部断熱層43の内面に形成される熱伝導層42の温度を測定することができる。
【0133】
熱伝導層形成段階(S13)は、外部断熱層43の内面に熱伝導層42を形成する段階であり得る。
【0134】
上述したように、
図5乃至
図10に示した多様なパターン部を有する熱伝導層420が形成されてもよい。
【0135】
内部断熱層形成段階(S14)は、熱伝導層42の内面に内部断熱層45を形成する段階であり得る。耐火物層形成段階(S15)は、熱伝導層42の内面に流路Sに相応する形状のインサート部材を挿入し、インサート部材と熱伝導層42との間に耐火物層41を形成する段階であり得る。よって、耐火物層41の形成が完了すると、耐火物層41の内面には、高温の空気が流動する流路Sが設けられ得る。
【0136】
インサート部材除去段階(S16)は、インサート部材を除去する段階であり得る。すなわち、耐火物層41の形成が完了すると、インサート部材を除去することによって送風支管40の製造を完了するようになる。
【0137】
一方、上部管40A、下部管40B、エルボー管40C及びブロー管40Dのそれぞれは、上述した外皮層44、外部断熱層43、熱伝導層42、内部断熱層45及び耐火物層41を有してもよく、個別的に製作された上部管40A、下部管40B、エルボー管40C及びブロー管40Dは、送風主管30及び溶解炉10の相対位置及び角度によって別途の締結部材を用いて現場で適宜組み立てられ得る。
【0138】
上述したように、図面を参照して本発明の好ましい実施例を説明したが、該当の技術分野で熟練した当業者であれば、下記の特許請求の範囲に記載した本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正又は変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0139】
本発明は、溶解炉設備である送風支管の温度状態及び局部的な温度差をリアルタイムで測定及びモニタリングすることによって、送風支管での赤熱、亀裂、流路の変形などのような損傷部位、損傷が発生した時間及び損傷の規模を迅速且つ正確に感知及び判断することができ、これによって溶解炉での溶解品質を高めるだけでなく、溶解炉設備で発生し得る事故を未然に予防できるので、溶解炉分野で広く使用可能である。