(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240228BHJP
【FI】
A63F7/02 320
(21)【出願番号】P 2023052844
(22)【出願日】2023-03-29
【審査請求日】2023-05-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 嘉一
(72)【発明者】
【氏名】西村 仁
(72)【発明者】
【氏名】井上 雄貴
(72)【発明者】
【氏名】木村 裕一
(72)【発明者】
【氏名】平 勇輝
【審査官】渡辺 剛史
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-019294(JP,A)
【文献】特開2010-094316(JP,A)
【文献】特開2009-056148(JP,A)
【文献】特開2004-121729(JP,A)
【文献】特開2004-201909(JP,A)
【文献】特開2016-63907(JP,A)
【文献】特開2003-225423(JP,A)
【文献】特開2004-129898(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の態様で装飾図柄を表示する第1演出を行った後で、特定結果又は非特定結果を導出可能な第2演出を行う特定演出を実行可能であり、
前記装飾図柄には、前記非特定結果が導出され易いことを示唆する
第1特定装飾図柄
と、前記第1特定装飾図柄よりも前記非特定結果が導出される割合が低い第2特定装飾図柄と、前記第2特定装飾図柄よりも前記非特定結果が導出される割合が低い非特定装飾図柄とを含む複数の種類があり、
前記装飾図柄に所定数の前記
第1特定装飾図柄
と特定数の前記第2特定装飾図柄とを含んでいる特定演出モードと、前記装飾図柄に前記所定数よりも多い数の前記
第1特定装飾図柄
と前記特定数よりも少ない数の前記第2特定装飾図柄とを含んでいる非特定演出モードとに設定可能であり、
前記特定演出モードであっても前記非特定演出モードであっても前記装飾図柄に含まれる前記非特定装飾図柄の数は変わらず、
前記特定演出モードにおいて前記特定演出が実行されるときと、前記非特定演出モードにおいて前記特定演出が実行されるときとがあることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技機であって、
前記特定演出が終了したときに遊技者にとって有利な有利状態に制御し、所定条件が成立したときに前記有利状態の後で特典状態に制御することが可能であり、
前記特定演出として、前記有利状態に制御されるときに前記所定条件が成立する割合が
所定の割合である高成立演出を実行する場合と、前記有利状態に制御されるときに前記所定条件が成立する割合が
前記所定の割合よりも低い低成立演出を実行する場合とがあ
り、
前記低成立演出は、前記第1特定装飾図柄でリーチが形成される変動演出であり、
前記高成立演出は、前記第2特定装飾図柄でリーチが形成される変動演出であることを特徴とする遊技機。
【請求項3】
請求項2に記載の遊技機であって、
前記有利状態に制御するかの当否判定よりも前に、前記有利状態になるかと前記所定条件が成立するかの先読み判定を行い、当該先読み判定の結果に基づいて、前記有利状態になることに期待させる所定の先読み演出を実行することが可能であり、
前記有利状態になる旨の前記先読み判定がなされた場合であって、当該先読み判定に対応する前記特定演出として前記低成立演出を実行するときは、
当該先読み判定において前記所定条件が成立すると判定されていても前記所定条件が成立しないと判定されていても、当該先読み判定に基づく前記所定の先読み演出の実行を制限することを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、遊技機の一例であるパチンコ遊技機として、例えば下記特許文献1に記載されているように、左中右の演出図柄(装飾図柄)を変動表示させた後、大当たりか否かの判定の結果を示す態様で停止表示する変動演出において、中演出図柄を、その後の演出展開(例えば発展先であるバトルリーチにおける敵キャラクタの種類)を示唆する特殊な演出図柄で一旦停止することがある遊技機が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載されているような特殊な演出図柄を停止することでその後に行われる演出展開を示唆する演出手法は、現在ではよく見かけるものとなっており、演出図柄を用いた演出によって遊技者に興趣を提供するためには、未だ改良の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の遊技機は、
所定の態様で装飾図柄を表示する第1演出を行った後で、特定結果又は非特定結果を導出可能な第2演出を行う特定演出を実行可能であり、
前記装飾図柄には、前記非特定結果が導出され易いことを示唆する第1特定装飾図柄と、前記第1特定装飾図柄よりも前記非特定結果が導出される割合が低い第2特定装飾図柄と、前記第2特定装飾図柄よりも前記非特定結果が導出される割合が低い非特定装飾図柄とを含む複数の種類があり、
前記装飾図柄に所定数の前記第1特定装飾図柄と特定数の前記第2特定装飾図柄とを含んでいる特定演出モードと、前記装飾図柄に前記所定数よりも多い数の前記第1特定装飾図柄と前記特定数よりも少ない数の前記第2特定装飾図柄とを含んでいる非特定演出モードとに設定可能であり、
前記第1特定演出モードであっても前記第2特定演出モードであっても前記装飾図柄に含まれる前記非特定装飾図柄の数は変わらず、
前記特定演出モードにおいて前記特定演出が実行されるときと、前記非特定演出モードにおいて前記特定演出が実行されるときとがあることを特徴とする遊技機である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の遊技機によれば、演出を通じて遊技の興趣を向上可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図3】第2大入賞装置等を詳細に示す正面図である。
【
図5】(A)は盤上可動装置と盤下可動装置とが待機状態のときの演出用ユニットの正面図、(B)は盤上可動装置と盤下可動装置とが作動したときの演出用ユニットの正面図である。
【
図6】主制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図7】サブ制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図10】(A)は普図関係乱数を示す表であり、(B)は特図関係乱数を示す表である。
【
図11】(A)は当たり判定テーブルの一例であり、(B)は普図変動パターン判定テーブルの一例であり、(C)は補助遊技制御テーブルの一例である。
【
図12】(A)は大当たり判定テーブルの一例であり、(B)は大当たり図柄種別判定テーブルの一例であり、(C)はリーチ判定テーブルの一例である。
【
図13】特
図1変動パターン判定テーブルの一例である。
【
図14】特
図2変動パターン判定テーブルの一例である。
【
図19】特図変動演出の通常変動の具体例を示す説明図である。
【
図20】特図変動演出のNリーチの具体例を示す説明図である。
【
図21】特図変動演出のSPリーチの具体例を示す説明図である。
【
図25】主制御メイン処理のフローチャートである。
【
図26】メイン側タイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図27】サブ制御メイン処理のフローチャートである。
【
図28】1msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図29】10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図30】第1実施形態のパチンコ遊技機に係る大当たり図柄種別判定テーブルである。
【
図31】高確率高ベース遊技状態における特
図2変動パターン判定テーブルである。
【
図32】(A)第1確変演出モードにおける演出図柄について説明するための表である。(B)第2確変演出モードにおける演出図柄について説明するための表である。
【
図33】第1確変演出モードにおける演出図柄の具体例を示す図である。
【
図34】第2確変演出モードにおける演出図柄の具体例を示す図である。
【
図35】(A)第1確変演出モードにおけるリーチ図柄決定テーブルである。(B)第2確変演出モードにおけるリーチ図柄決定テーブルである。
【
図36】高確率高ベース遊技状態における特
図2先読み判定テーブルである。
【
図37】高確率高ベース遊技状態におけるチャンスゾーン演出の抽選テーブルである。
【
図38】高確率高ベース遊技状態における変動演出の具体例を示す図であり、リーチが形成されるまでを示す図である。
【
図39】味方キャラクタが先制攻撃を行うバトルリーチの具体例を示す図である。
【
図40】通常敵キャラクタが攻撃を行うバトルリーチの具体例を示す図である。
【
図41】通常敵キャラクタによる攻撃に対して味方キャラクタがカウンタ攻撃を行うバトルリーチの具体例を示す図である。
【
図42】強敵キャラクタが攻撃を行うバトルリーチの具体例を示す図である。
【
図43】強敵キャラクタによる攻撃に対して味方キャラクタがカウンタ攻撃を行うバトルリーチの具体例を示す図である。
【
図44】チャンスゾーン演出の具体例を示す図である。
【
図45】チャンスゾーン演出の具体例を示す図であり、
図44の続きを示す図である。
【
図46】第2実施形態のパチンコ遊技機に係る低確率低ベース遊技状態における特
図1変動パターン判定テーブルである。
【
図47】低確率低ベース遊技状態における特
図1に係る変動演出パターン判定テーブルである。
【
図48】リーチ成立チャレンジ演出の実行抽選テーブルである。
【
図49】リーチ成立チャレンジ演出の具体例を示す図である。
【
図50】リーチ成立チャレンジ演出の具体例を示す図であり、
図49の続きを示す図である。
【
図51】変動演出でリーチが形成されてバトル演出に発展する場合に行われる発展演出の具体例を示す図である。
【
図52】変身していない主人公キャラクタと敵キャラクタAとがバトルを行うバトル演出の具体例を示す図である。
【
図53】変身していない主人公キャラクタと敵キャラクタBとがバトルを行うバトル演出の具体例を示す図である。
【
図54】変身した主人公キャラクタと敵キャラクタXとがバトルを行うバトル演出の具体例を示す図である。
【
図55】変身した主人公キャラクタと敵キャラクタYとがバトルを行うバトル演出の具体例を示す図である。
【
図56】第3実施形態のパチンコ遊技機に係る遊技盤ユニットの正面図である。
【
図57】第3実施形態のパチンコ遊技機における普通図柄に関する各種のテーブルであり、(A)は当たり判定テーブルであり、(B)は補助遊技制御テーブルであり、(C)は普図変動パターン判定テーブルであり、(D)は普図先読み判定テーブルである。
【
図58】普通図柄抽選に基づくルーレット演出の具体例を示す図である。
【
図59】低確非時短状態における特
図1変動パターン判定テーブルである。
【
図60】低確非時短状態における特
図1先読み判定テーブルである。
【
図61】先読み判定に基づくキャラ集合演出の実行抽選テーブルである。
【
図62】キャラ集合演出において集合させるキャラクタの数を決定するための集合キャラクタ数決定テーブルである。
【
図63】特別図柄抽選に基づくルーレット演出の実行抽選テーブルである。
【
図64】特別図柄抽選に基づくルーレット演出の具体例を示す図である。
【
図65】低確非時短状態におけるルーレット演出の禁則について説明するための表である。
【
図67】キャラ集合演出で集合させたキャラクタを用いたキャラ予告演出と、SPリーチの導入部分の演出の具体例を示す図である。
【
図68】第3SPリーチ(バレエダンスリーチ)の具体例を示す図である。
【
図69】第2SPリーチ(協力バレーリーチ)の具体例を示す図である。
【
図70】第1SPリーチ(一人バレーリーチ)の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の遊技機の実施形態を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分や同じ役割を発揮する構成には同一の符号を付し、重複する説明を原則として省略する。なお本明細書では、記述の簡略化上、情報、信号、物理量又は部材等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対する情報、信号、物理量又は部材等の名称を省略又は略記することがある。また、後述の任意のフローチャートにおいて、任意の複数のステップにおける複数の処理は、処理内容に矛盾が生じない範囲で、任意に実行順序を変更できる又は並列に実行できる。
【0009】
なお本明細書では、遊技機に関して、まず従来からの一般的な構成について基本形態のパチンコ遊技機PY1として説明し、その後で特徴的な構成(特徴部)について、基本形態のパチンコ遊技機PY1からの変更箇所を中心に、第n実施形態(nは1以上の整数)のパチンコ遊技機として説明する。このため、「7.第1実施形態のパチンコ遊技機」の項よりも前に説明した構成について、「7.第1実施形態のパチンコ遊技機」の項以降でも説明することがあるが、この場合には、各実施形態のパチンコ遊技機は、「7.第1実施形態のパチンコ遊技機」の項以降で説明した内容で構成されているものとする。
【0010】
1.遊技機の構造
最初に、基本形態のパチンコ遊技機PY1の構造について
図1~
図5を用いて説明する。なお、以下の説明において、パチンコ遊技機PY1の各部の左右上下方向は、そのパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者にとっての(正面視の)左右上下方向のことである。また、「前方」は、パチンコ遊技機PY1から当該パチンコ遊技機PY1に対面する遊技者に近づく方向とし、「後方」は、パチンコ遊技機PY1に対面する遊技者から当該パチンコ遊技機PY1に近づく方向とする。
【0011】
図1に示すように、パチンコ遊技機PY1は、遊技機枠2を備えている。遊技機枠2は、後述する遊技盤ユニットYUが取り付けられる遊技盤取付枠2Aと、遊技盤取付枠2Aにヒンジ2Bを介して回転自在に支持される前枠23mと、を備える。前枠23mは遊技盤取付枠2Aに対して開閉が可能である。前枠23mには、透明板23tが取り付けられている。前枠23mが閉じられているとき、遊技盤取付枠2Aに取り付けられた遊技盤1と透明板23tとは対面する。よって、パチンコ遊技機PY1が遊技店に設置されると、当該パチンコ遊技機PY1の前方にいる遊技者は、透明板23tを通して、遊技盤1に形成された遊技領域6を視認することができる。透明板23tは、透明なガラス板や透明な合成樹脂板等を用いることができる。透明板23tは、パチンコ遊技機PY1の前方から遊技領域6を視認可能であればよい。
【0012】
前枠23mの前面の右下部には、遊技球を発射させるための回転操作が可能なハンドル72kが設けられている。ハンドル72kが操作された量(回転角度)が、遊技球を発射させるために遊技球に与えられる力(後述する発射装置72が発射ソレノイドに駆動させる量)の大きさ(発射強度)に対応付けられている。よって、遊技球は、ハンドル72kの回転操作に応じた発射強度で発射される。また、前枠23mの前面の下部中央には、前方に向けて大きく突出した下部装飾体36が設けられている。下部装飾体36の上面には、ハンドル72kに供給される遊技球を貯留するための上皿34が形成されている。また、下部装飾体36の正面の下部中央には、上皿34に収容しきれない余剰の遊技球を貯留するための下皿35が設けられている。
【0013】
下部装飾体36の上面の上皿34より前方側には、下方に押下操作可能な第1入力装置(以下「通常ボタン」)40が設けられている。また、前枠23mの表面の右縁部から前方に突出して形成されている右部装飾体32において、下方に押下操作可能な第2入力装置(以下「特殊ボタン」)41が設けられている。通常ボタン40は、振動可能に構成されている。すなわち、通常ボタン40には、当該通常ボタン40を振動させるための振動機構が内蔵されており、この振動機構に含まれる振動用モータが駆動されると、遊技者が目視でもわかる程度に通常ボタン40がブルブルと振動するようになっている。なお、通常ボタン40を振動させるための振動機構については公知の構成を適宜採用することができる。通常ボタン40は、操作部の一例であり、振動体の一例でもある。
【0014】
また、前枠23mの表面の上部から前方に突出して形成されている上部装飾体31の底面に、音を出力可能なスピーカ52が設けられている。スピーカ52は、左側に配置された左スピーカ52Lと、右側に配置された右スピーカ52Rと、からなる。また、前枠23mの右縁部と、下部装飾体36における正面の下皿35の左側および右側とに、発光可能な枠ランプ53が設けられている。さらに、前枠23mの左縁部および右縁部の上側には、遊技興趣を高めることを目的とする演出装置としての可動式の枠可動装置58が取り付けられている。枠可動装置58は、左側に配置された左枠可動装置58Lと、右側に配置された右枠可動装置58Rと、で構成される。
【0015】
なお、遊技機枠2に設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
【0016】
次に、遊技盤ユニットYUについて、主に
図2~
図5を用いて説明する。遊技盤ユニットYUは、遊技盤1と、遊技盤1の背面側に取り付けられた演出用ユニット1Uと、を有する。最初に、遊技盤1について説明する。遊技盤1は透明な合成樹脂板で構成されている。遊技盤1の略中央には正面視略円形の開口部1Aが形成されている。開口部1Aに沿って、遊技球が流下可能な遊技領域6を区画するための略リング状の内側壁部1Bが前方に突出して形成されている。また、内側壁部1Bの外側にも、遊技領域6を区画するための略リング状の外側壁部1Cが前方に突出して形成されている。
【0017】
遊技盤1の前面には、内側壁部1B、外側壁部1Cなどで囲まれた遊技領域6が形成されている。すなわち、遊技盤1の前面が、内側壁部1Bおよび外側壁部1Cによって、遊技領域6とそれ以外の領域とに仕切られている。
【0018】
遊技領域6は、ハンドル72kの操作によって発射された遊技球が流下可能な領域であり、パチンコ遊技機PY1で遊技を行うために設けられている。なお、遊技領域6には、多数の遊技くぎ(図示なし)が突設されている。遊技くぎは、遊技領域6に進入して遊技領域6を流下する遊技球を、後述する第1始動口11、第2始動口12、一般入賞口10、ゲート13、第1大入賞口14、および、第2大入賞口15などに適度に誘導する経路を構成している。なお、第1始動口11や第2始動口12といった始動口を入球口と称し、第1大入賞口14や第2大入賞口15といった大入賞口を特別入賞口あるいは特定の入賞口と称し、ゲートを通過口あるいは通過領域と称することができるものとする。
【0019】
遊技領域6の中央付近には、開口部1Aの周縁を装飾するセンター枠(センター装飾体)61が設けられている。センター枠61には、後述する第1始動口11へ遊技球を誘導可能なステージや、ステージへ遊技球を誘導可能なワープが設けられている。
【0020】
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な第1始動口11が形成された第1始動入賞装置11Dと、第2始動口12への入球を可能または不可能にさせる第2始動入賞装置(所謂「電チュー」)12Dと、が設けられている。
【0021】
第1始動入賞装置11Dは不動である。そのため、第1始動口11は、遊技球の入球し易さが変化せずに一定(不変)である。遊技球の第1始動口11への入賞は、第1特別図柄(以下、「特
図1」という)の抽選(後述の特
図1関係乱数の取得と判定:以下、「特
図1抽選」ともいう)および特
図1の可変表示の契機となっている。また、遊技球が第1始動口11へ入賞すると、所定個数(本形態では4個)の遊技球が賞球として払い出される。
【0022】
電チュー12Dは、作動可能な電チュー開閉部材12kを備えている。電チュー開閉部材12kは、通常は(通常状態では)、第2始動口12への遊技球の入球が不可能な閉鎖位置にある。そして、特別状態になると、第2始動口12への遊技球の入球が可能な開放位置に移動する。このように、電チュー開閉部材12kが開放位置に移動することを第2始動口12または電チュー12Dの「開状態」ともいい、開状態であるときだけ遊技球の第2始動口12への入球が可能となる。一方、電チュー開閉部材12kが閉鎖位置にあることを第2始動口12または電チュー12Dの「閉状態」ともいう。また、第2始動口12または電チュー12Dが「開状態」になることを「電チュー12Dが開放する」ともいい、電チュー12Dが「閉状態」になることを「電チュー12Dが閉鎖する」ともいう。
【0023】
遊技球の第2始動口12への入賞は、第2特別図柄(以下、「特
図2」という)の抽選(後述の特
図2関係乱数の取得と判定:以下、「特
図2抽選」ともいう)および特
図2の可変表示の契機となっている。また、遊技球が第2始動口12へ入賞すると、所定個数(本形態では4個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、遊技領域6には、遊技球を第2始動口12へ誘導する誘導ステージ12gが設けられている。
【0024】
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な一般入賞口(普通入賞口)10が設けられている。遊技球が一般入賞口10へ入賞すると、所定個数(本形態では3個)の遊技球が賞球として払い出される。
【0025】
また、遊技領域6には、遊技球が通過可能なゲート13が設けられている。遊技球のゲート13の通過は、普通図柄(以下、「普図」という)の抽選(すなわち普通図柄乱数の取得と判定:以下、「普図抽選」という)および普図の可変表示の契機となっている。補助遊技が実行されることによって電チュー12Dを開放する。すなわち、補助遊技は、電チュー12Dの開放を伴う遊技である。
【0026】
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な第1大入賞口14が形成された第1大入賞装置14D(以下、「通常AT14D」ともいう)が設けられている。第1大入賞装置14Dは、開状態と閉状態とに作動可能な通常AT開閉部材14kを備える。通常AT開閉部材14kの作動により第1大入賞口14が開閉する。通常AT開閉部材14kは、通常では第1大入賞口14を塞ぐ閉状態になっており、遊技球が第1大入賞口14の中に入球することは不可能である。通常AT開閉部材14kが開状態に作動すると、遊技球が第1大入賞口14の中に入球することが可能になる。このように、通常AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球の第1大入賞口14への入球が可能となる。遊技球が第1大入賞口14へ入賞すると、所定個数(本形態では15個)の遊技球が賞球として払い出される。
【0027】
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な第2大入賞口15が形成された第2大入賞装置15D(以下、「VAT15D」ともいう)が設けられている。第2大入賞装置15Dは、作動可能なVAT開閉部材15kを備えている。VAT開閉部材15kは、通常では第2大入賞口15を塞いでいる。VAT開閉部材15kは開状態をとることができる。VAT開閉部材15kが開状態であるときだけ遊技球の第2大入賞口15への入球が可能となる。一方、VAT開閉部材15kが第2大入賞口15を塞いでいる状態を「閉状態」ともいう。このように、VAT開閉部材15kの作動によって第2大入賞口15が開閉する。遊技球が第2大入賞口15へ入賞すると、所定個数(本形態では15個)の遊技球が賞球として払い出される。
【0028】
ここで、
図3を用いて、第2大入賞装置15Dについて詳細に説明する。第2大入賞装置15Dの内部には、第2大入賞口15に入球した遊技球を検知し、遊技球を下方へ通過させることが可能なゲート状の第2大入賞口センサ15aが設けられている。
【0029】
第2大入賞口センサ15aの下流域には、遊技球が通過(進入)可能な特定領域16と非特定領域17とが設けられている。第2大入賞口センサ15aを通過した遊技球は、振分装置16Dによって、特定領域16か非特定領域17かに振り分けられる。振分装置16Dは、略矩形状の平板からなる振分部材16kと、振分部材16kを駆動する振分ソレノイド16sとを備えている。振分部材16kは、振分ソレノイド16sの駆動により、左右にスライド可能に構成されている。
【0030】
振分ソレノイド16sが通電されていないとき、振分部材16kは特定領域16への遊技球の通過を妨げる第1状態(通過阻止状態:
図3(A)の正面視で振分部材16kの左端が特定領域16の左端よりやや右側に位置し、振分部材16kが特定領域16をその直上で覆う状態)にある。振分部材16kが第1状態にあるときは、第2大入賞口15に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ15aを通過した後、特定領域16を通過することは不可能であり、非特定領域17を通過する。この第2大入賞口15から非特定領域17まで流下する遊技球のルートを第1のルートという。
【0031】
一方、振分ソレノイド16sが通電されているとき、振分部材16kは遊技球の特定領域16の通過(進入)を許容する第2状態(通過許容状態:
図3(B)の正面視で振分部材16kの左端が特定領域16の右端よりやや左側に位置し、振分部材16kが特定領域16をその直上で覆わず、特定領域16の直上が開放している状態)にある。振分部材16kが第2状態にあるときは、第2大入賞口15に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ15aを通過したあと特定領域16を通過容易である。この第2大入賞口15から特定領域16まで流下する遊技球のルートを第2のルートという。
【0032】
なお、基本的に、振分部材16kは第1状態で保持されている。すなわち、第1状態が、振分部材16kの通常の状態であるといえる。そして、所定のラウンド遊技(例えば16R)においてのみ、振分ソレノイド16sが通電され、第2状態に変化することができる。なお、振分部材16kの作動態様は適宜変更可能である。
【0033】
特定領域16と非特定領域17には、各領域16,17を通過(進入)した遊技球を検知し、遊技球を下方へ通過させる特定領域センサ16a、非特定領域センサ17aが設けられている。
【0034】
なお、第1大入賞装置14Dおよび第2大入賞装置15Dは、遊技に支障をきたさない範囲で、一方だけを設けるようにすることが可能である。また、遊技性に応じて、第1大入賞装置14Dのような、特定領域や振分装置のない大入賞装置を2つ設ける構成とすることが可能である。また、第1大入賞装置14Dと第2大入賞装置15Dとが設けられているものの、遊技性に応じて、第1大入賞装置14Dだけを利用することとしたり、第2大入賞装置15Dだけを利用することとしたりすることが可能である。なお、第1大入賞装置14Dだけを利用する構成とした場合には、第2大入賞装置15Dに関する処理は行われないものとし、第2大入賞装置15Dだけを利用する構成とした場合には、第1大入賞装置14Dに関する処理は行われないものとする。
【0035】
また、
図2に示すように、遊技領域6の略最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6の外部へ排出する2つのアウト口19が設けられている。また、遊技盤1には、発光可能な盤ランプ54が設けられている。
【0036】
ところで、遊技球が流下可能な遊技領域6は、左右方向の中央より左側の左遊技領域6A(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域6B(第2遊技領域)と、に分けることができる。遊技球が左遊技領域6Aを流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「左打ち」という。一方、遊技球が右遊技領域6Bを流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「右打ち」という。パチンコ遊技機PY1において、左打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第2流路R2という。第1流路R1および第2流路R2は、多数の遊技くぎなどによっても構成されている。
【0037】
第1流路R1上には、第1始動口11と、2つの一般入賞口10と、が設けられている。よって、遊技者は、左打ちにより第1流路R1を流下するように遊技球を発射させることで、第1始動口11、または、一般入賞口10への入賞を狙うことができる。一方、第2流路R2上には、第2始動口12と、一般入賞口10と、ゲート13と、第1大入賞口14と、第2大入賞口15と、が設けられている。よって、遊技者は、右打ちにより第2流路R2を流下するように遊技球を発射させることで、ゲート13の通過や、第2始動口12、一般入賞口10、第1大入賞口14、または、第2大入賞口15への入賞を狙うことができる。
【0038】
なお、何れの入賞口(第1始動口11、第2始動口12、一般入賞口10、第1大入賞口14、および第2大入賞口15)にも入球しなかった遊技球は、アウト口19へ誘導されて排出される。また、各入賞口への入賞による賞球数は、適宜に設定することが可能である。
【0039】
また、遊技盤1の前面に形成された遊技領域6の下方の左隣(遊技領域6以外の部分)には表示器類8が配置されている。
図4に示すように、表示器類8には、特
図1を可変表示する特
図1表示器81a、特
図2を可変表示する特
図2表示器81b、及び、普図を可変表示する普図表示器82が含まれている。また、表示器類8には、後述する特
図1保留数(U1:特
図1表示器81aによる特
図1の可変表示が保留されている数)を表示する特
図1保留表示器83a、および後述する特
図2保留数(U2:特
図2表示器81bによる特
図2の可変表示が保留されている数)を表示する特
図2保留表示器83bが含まれている。
【0040】
特
図1の可変表示は、第1始動口11への遊技球の入賞を契機に特
図1抽選が行われると実行される。また、特
図2の可変表示は、第2始動口12への遊技球の入賞を契機に特
図2抽選が行われると実行される。なお、以下の説明では、特
図1および特
図2を総称して特図あるいは特別図柄といい、特
図1抽選および特
図2抽選を総称して特図抽選という。また、特
図1表示器81aおよび特
図2表示器81bを総称して特図表示器81という。さらに、特
図1保留表示器83aおよび特
図2保留表示器83bを総称して特図保留表示器83という。
【0041】
特図の可変表示は、特図抽選の結果を報知する。特図の可変表示では、特図が可変表示したあと停止表示する。停止表示される特図(停止特図、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特図抽選によって複数種類の特図の中から選択された一つの特図である。停止特図が予め定めた特定の特図(特定の停止態様の特図すなわち大当たり図柄)である場合には、大入賞口(第1大入賞口14及び第2大入賞口15)を開放させる大当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。なお、大当たり遊技が行われている遊技状態を大当たり遊技状態という。大当たり遊技状態は、遊技者に有利な特別遊技状態の一例である。
【0042】
特図表示器81は、例えば横並びに配された8個のLED(Light Emitting Diode)から構成され、その点灯態様によって特図抽選の結果に応じた特図を表示する。例えば特図抽選の結果が大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)である場合には、特図表示器81は、「□□■■□□■■」(□:点灯、■:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDの点灯で構成される大当たり図柄を表示する。また、特図抽選の結果がハズレである場合には、特図表示器81は、「■■■■■■■□」というように一番右にあるLEDのみの点灯で構成されるハズレ図柄を表示する。なお、特図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。よって、例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させてもよい。
【0043】
また、特図の可変表示において、特図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特図の可変表示がなされる。特図の可変表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様である。なお、特図の可変表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してよい。
【0044】
ところで、パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞(入球)があると、特図抽選などを行うための各種乱数(判定情報の一例)が取得されることがある。この各種乱数は、特図保留として後述の特図保留記憶部105に一旦記憶される。なお、以下において、第1始動口11への遊技球の入賞(入球)により取得された各種乱数のことを「特
図1関係乱数」といい、第2始動口12への遊技球の入賞(入球)により取得された各種乱数のことを「特
図2関係乱数」という。ここで、特
図1関係乱数は、特
図1保留として、特図保留記憶部105の中の特
図1保留記憶部105aに記憶される。一方、特
図2関係乱数は、特
図2保留として、特図保留記憶部105の中の特
図2保留記憶部105bに記憶される。特
図1保留記憶部105aに記憶可能な特
図1保留の数(特
図1保留数)および特
図2保留記憶部105bに記憶可能な特
図2保留の数(特
図2保留数)には上限(本形態では4個)が設定されている。特
図1保留数や特
図2保留数の上限は適宜変更可能であり、上限を「無し」としてもよい。なお、以下において、特
図1保留と特
図2保留を総称して「特図保留」といい、特
図1保留数と特
図2保留数を総称して「特図保留数」という。また、特
図1関係乱数と特
図2関係乱数とを総称して「特図関係乱数」という。
【0045】
パチンコ遊技機PY1では、遊技球が第1始動口11または第2始動口12へ入賞した後すぐに特図の可変表示が行われない場合、具体的には、特図の可変表示の実行中や大当たり遊技の実行中に入賞があった場合、その入賞に対する特図の可変表示(あるいは、特図抽選の権利)を留保することができる。特図保留記憶部105に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特図の可変表示が可能となったときに消化される。すなわち、特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特図関係乱数等を判定して、その判定結果を示すための特図の可変表示を実行することをいう。
【0046】
そして、特図保留数は、特図保留表示器83に表示される。特
図1保留表示器83aと特
図2保留表示器83bのそれぞれは、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留数の分だけLEDを点灯させることにより特図保留数を表示することが可能である。
【0047】
また、普図の可変表示は、普図抽選の結果を報知する。普図の可変表示では、普図が可変表示したあと停止表示する。停止表示される普図(停止普図、可変表示の表示結果として導出表示される普図)は、普図抽選によって複数種類の普図の中から選択された一つの普図である。停止表示された普図が予め定めた特定の普図(所定の停止態様の普図すなわち当たり図柄)である場合には、第2始動口12(電チュー12D)を開放させる補助遊技が行われる。
【0048】
普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普図抽選の結果に応じた普図を表示する。普図抽選の結果が当たりである場合には、普図表示器82は、「□□」(□:点灯、■:消灯)というように両LEDの点灯で構成される当たり図柄を表示する。また普図抽選の結果がハズレである場合には、「■□」というように右のLEDのみの点灯で構成されるハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお、普図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。
【0049】
また、普図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普図の可変表示が行われる。普図の可変表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお、普図の可変表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してもよい。
【0050】
パチンコ遊技機PY1では、遊技球がゲート13を通過すると、普図抽選を行うための普通図柄乱数(判定情報の一例)が取得されることがある。この乱数は、普図の可変表示または補助遊技が実行されていないことを条件に、後述の普図保留記憶部106に記憶される。普図保留記憶部106に記憶可能な普図保留の数(普図保留数)には上限(本形態では4個)が設定されている。普図保留数の上限は適宜変更可能であり、上限を「無し」としてもよい。なお、以下において、遊技球がゲート13を通過することにより取得された普通図柄乱数のことを「普図関係乱数」ともいう。また、本形態では、普図保留数を表示する普図保留表示器を設けていないが、普図保留表示器を表示器類8に加えてもよい。普図保留表示器としては、例えば特図保留表示器83と同様の構成のものを採用することが可能である。
【0051】
次に、
図5を用いて、遊技盤1の背面に取り付けられた演出用ユニット1Uについて説明する。演出用ユニット1Uは、主に演出を行う複数の装置をユニット化したものである。演出用ユニット1Uには、画像表示装置50、第1盤可動装置(以下「盤上可動装置」)55、第2盤可動装置(以下「盤下可動装置」)56が搭載されている。
【0052】
画像表示装置50は、所定の画面サイズの3D液晶ディスプレイで構成され、3D画像を表示可能な表示部(表示画面)50aを具備する。なお、画像表示装置50は、画像を表示することが可能であれば、複数枚の液晶ディスプレイで構成されるものや、EL(Electro Luminescence)ディスプレイで構成されるもの等、他の表示装置であってもよい。
【0053】
盤上可動装置55は、表示部50aに沿って移動可能に構成され、装飾が施された盤上可動体55kを具備する。盤下可動装置56は、表示部50aに沿って移動可能に構成され、装飾が施された盤下可動体56kを具備する。
【0054】
図5(A)は、盤上可動体55kおよび盤下可動体56kが作動していない通常の待機状態(初期位置)で保持されている様子を概略化して表している。盤上可動装置55の駆動源が駆動すると、盤上可動体55kは下向きに移動(下降)し、盤下可動装置56の駆動源が駆動すると、盤下可動体56kは上向きに移動(上昇)する。このとき、画像表示装置50は下降した盤上可動体55kまたは上昇した盤下可動体56kに覆われ、画像表示装置50は視認困難となる。
【0055】
なお、遊技盤ユニットYUに設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
【0056】
2.遊技機の電気的構成
次に、
図6~
図7に基づいて、パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明する。
図6~
図7に示すように、パチンコ遊技機PY1は、特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、後述する遊技状態の設定、普図抽選、普図の可変表示、補助遊技などの遊技利益に関する制御(遊技の進行)を行う遊技制御基板(以下「主制御基板」)100、主制御基板100による遊技の進行に応じた遊技演出(特図変動演出、保留演出、操作演出、大当たり遊技演出など)や客待ち演出などの演出に関する制御を行う演出制御基板(以下「サブ制御基板」)120、および、遊技球の払い出しに関する制御などを行う払出制御基板170等を、遊技盤1の画像表示装置50よりさらに背面側に備えている。主制御基板100を、遊技の制御を行う遊技制御部(メイン制御部)と位置づけることができる。また、サブ制御基板120を、後述する画像制御基板140、ランプ制御回路151、および音声制御回路161とともに、演出の制御を行う演出制御部(サブ制御部)と位置づけることができる。なお、演出制御部は、少なくともサブ制御基板120を備え、演出手段(画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、および、可動装置55,56,58等)を用いた各種の演出を制御可能であればよい。
【0057】
また、パチンコ遊技機PY1は、電源基板190を備えている。電源基板190は、主制御基板100、サブ制御基板120、及び払出制御基板170に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板190には、押下操作可能なRAMクリアスイッチ191が設けられている。RAMクリアスイッチ191(特定操作手段)は、電源投入時に、後述する遊技制御用マイコン101の遊技用RAM104に記憶されている遊技情報(例えば高確率状態などの遊技状態の情報、特図保留の数や大当たりの当否判定結果などの情報)を、遊技用CPU102にクリア(以下「RAMクリア」と呼ぶ)させるためのものである。
図8に示すように、RAMクリアスイッチ191は、本パチンコ遊技機PY1の裏側に配置された電源基板190上に設けられている。そのため、前扉23を開閉可能な遊技場の従業員等でなければ、RAMクリアスイッチ191を操作することはできない。即ち、RAMクリアスイッチ191は、実質的に遊技者による操作が不可能な操作手段といえる。RAMクリアスイッチ191が押下操作されると、RAMクリアスイッチ191がONであることを示す検出信号が遊技制御用マイコン101に入力される。なお本形態では、RAMクリアスイッチ191が電源基板190上に設けられているが、RAMクリアスイッチ191の配置箇所は適宜変更可能であり、例えば主制御基板100上や専用の基板上に設けられていても良い。
【0058】
電源基板190には、バックアップ電源回路192が設けられている。バックアップ電源回路192は、パチンコ遊技機PY1に対して電力が供給されていない場合に、後述する主制御基板100の遊技用RAM104やサブ制御基板120の演出用RAM124に対して電力を供給する。従って、主制御基板100の遊技用RAM104やサブ制御基板120の演出用RAM124に記憶されている情報は、パチンコ遊技機PY1の電断時であっても保持される。また、電源基板190には、電源スイッチ193が接続されている。電源スイッチ193のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切り換えられる。なお、主制御基板100の遊技用RAM104に対するバックアップ電源回路を主制御基板100に設けたり、サブ制御基板120の演出用RAM124に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板120に設けたりしてもよい。
【0059】
図6に示すように、主制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。遊技制御用マイコン101には、遊技の進行を制御するためのプログラムやテーブル等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM(Random Access Memory)104、および遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102が含まれている。
【0060】
遊技用ROM103には、後述する主制御メイン処理やメイン側タイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。また、遊技用ROM103には、後述する大当たり判定テーブル、大当たり図柄種別判定テーブル、リーチ判定テーブル、特図変動パターン判定テーブル、先読み判定テーブル、大当たり遊技制御テーブル、当たり判定テーブル、普図変動パターン判定テーブル、補助遊技制御テーブルなどが格納されている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。
【0061】
また遊技用RAM104には、前述した特図保留記憶部105や普図保留記憶部106などが設けられている。また遊技用RAM104には、非消去記憶部107が設けられていて、非消去記憶部107には、総賞球数記憶部107a、総発射球数記憶部107b、差玉数記憶部107cが設けられている。非消去記憶部107では、RAMクリアが実行されても、遊技用CPU102が記憶内容を消去しないようになっている。
【0062】
遊技制御用マイコン101は、電源が投入されてから随時、総賞球数をカウントしていて、カウントされた総賞球数の情報は、総賞球数記憶部107aに記憶される。総賞球数は、全ての遊技状態(通常遊技状態、大当たり遊技状態、高確高ベース状態、低確高ベース状態など)において遊技者が獲得する(遊技者に払い出される)賞球数のことである。また遊技制御用マイコン101は、電源が投入されてから随時、総発射球数をカウントしていて、カウントされた総発射球数の情報は、総発射球数記憶部107bに記憶される。総発射球数は、全ての遊技状態において、遊技者が発射した発射球数のことである。そして遊技制御用マイコン101は、電源が投入されてから随時、総賞球数から総発射球数を減算した差玉数を演算していて、演算された差玉数の情報は、差玉数記憶部107cに記憶される。遊技制御用マイコン101は、差玉数(特定計測数の一例)が基準数(例えば「80000」)以上となったことを条件に、遊技を実行不能にする。この機能を、過賞球防止機能と言う。過賞球防止機能は、最大差玉数(最大持ち球、MY等ということもある)が予め定められた基準数となることに応じて作動させてもよい。最大差玉数は、計測された差玉数の最低値である最低差玉数と、最低差玉数が計測された後における差玉数のピーク(最高値)との差である。この場合、最大差玉数が特定計測数に相当する。
【0063】
また主制御基板100には、7セグ表示器300と、設定キーシリンダ180と、特別リセットスイッチ181(特別操作手段)と、が設けられている(
図8参照)。7セグ表示器300は、
図9に示すように、所謂4連7セグであり、合計で32個の点灯(発光)する部分を備えている。具体的に、7セグ表示器300は、左から右に向かって順番に、第1表示領域310と第2表示領域320と第3表示領域330と第4表示領域340とを備えている。そして4つの表示領域310、320、330、340は、それぞれ「0」~「9」までの数字を表すことができるように、8個の点灯部分(LED素子)LB1~LB8、LB9~LB16、LB17~LB24、LB25~LB32を有している。7セグ表示器300の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
【0064】
設定キーシリンダ180は、大当たり判定確率に対応する設定値を設定する際に、操作手段として機能するものである。この設定キーシリンダ180の内部は、設定キー(図示省略)が挿入された状態で、初期位置と回転位置との間で回転操作される。よって、本パチンコ遊技機PY1では、設定キーシリンダ180を回転位置へ回転操作しておき、RAMクリアスイッチ191を押下操作しながら、電源を投入することで、設定値を設定可能な設定モードに移行することができる。そして、この設定モードにおいて、設定値を「1」に設定することができる。しかしながら、本パチンコ遊技機PY1では、設定値が1種類である「1」しか設けられていない。従って、設定値を「1」から変更できないようになっている。なお、設定モードに設定されているときに、設定キーシリンダ180を回転位置から待機位置へ回転操作すると、設定モードが終了して、RAMクリアが実行される。
【0065】
また主制御基板100には、押下操作可能な特別リセットスイッチ181が設けられている。
図8に示すように、特別リセットスイッチ181は、本パチンコ遊技機PY1の裏側に配置された主制御基板100上に設けられている。そのため、前扉23を開閉可能な遊技場の従業員等でなければ、特別リセットスイッチ181を操作することはできない。即ち、特別リセットスイッチ181は、実質的に遊技者による操作が不可能な操作手段といえる。特別リセットスイッチ181の機能については、後に詳述する。また、主制御基板100には、データや信号の入出力を行うための遊技用I/O(Input/Output)ポート部118が実装されている。
【0066】
また、主制御基板100には、所定の中継基板(図示なし)を介して各種センサ類MSやアクチュエータ類MAが接続されている。そのため、主制御基板100には、各種センサ類MSが出力した信号が入力する。また、主制御基板100は、各種アクチュエータ類MAに信号を出力する。
【0067】
主制御基板100に接続されている各種センサ類MSには、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、一般入賞口センサ10a、ゲートセンサ13a、第1大入賞口センサ14a、第2大入賞口センサ15a、特定領域センサ16a、および、非特定領域センサ17aが含まれている。
【0068】
第1始動口センサ11aは、第1始動口11に入賞した遊技球を検知する。第2始動口センサ12aは、第2始動口12に入賞した遊技球を検知する。一般入賞口センサ10aは、一般入賞口10に入賞した遊技球を検知する。一般入賞口センサ10aは、一般入賞口10毎に設けられている。ゲートセンサ13aは、ゲート13に設けられており、ゲート13を通過した遊技球を検知する。第1大入賞口センサ14aは、第1大入賞口14に入賞した遊技球を検知する。第2大入賞口センサ15aは、第2大入賞口15に入賞した遊技球を検知する。特定領域センサ16aは、特定領域16を通過(特定領域16に進入)した遊技球を検知する。非特定領域センサ17aは、非特定領域17を通過(非特定領域17に進入)した遊技球を検知する。各センサは、遊技球を検知すると、その検知内容に応じた信号を主制御基板100に出力する。
【0069】
また
図6では図示を省略しているが、各種センサ類MSには、遊技領域6を流下する全ての遊技球(総発射球数)を検知する排出口センサが含まれている。ここで、遊技領域6の外部へ流下した遊技球は、遊技盤取付枠2Aの下部に設けられている排出経路(図示省略)を通って、本パチンコ遊技機PY1の外部に排出される。そのため、排出口センサは、排出経路内に設けられている。また各種センサ類MSには、不正な磁気を検知する磁気センサが含まれている。磁気センサは、遊技者が磁石等を用いて遊技球を不正に各種入賞口10、11、12、14、15へ入賞させる際に生じる磁気を検知するものである。上記した各センサは、遊技球を検知すると、その検知内容に応じた信号を主制御基板100に出力する。
【0070】
また各種センサ類MSには、前扉23の外枠22に対する開放を検知する前扉開放センサと、前枠23mの遊技盤取付枠2Aに対する開放を検知する前枠センサと、が含まれている。前扉開放センサは、前扉23の開放を検知すると、その検知内容に応じた信号を主制御基板100に出力する。前枠センサは、前枠23mの開放を検知すると、その検知内容に応じた信号を主制御基板100に出力する。なお、主制御基板100に接続されるセンサの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
【0071】
また、主制御基板100に接続されている各種アクチュエータ類MAには、電チューソレノイド12s、第1大入賞口ソレノイド14s、第2大入賞口ソレノイド15sおよび振分ソレノイド16sが含まれている。電チューソレノイド12sは、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動する。第1大入賞口ソレノイド14sは、第1大入賞装置14Dの通常AT開閉部材14kを駆動する。第2大入賞口ソレノイド15sは、第2大入賞装置15DのVAT開閉部材15kを駆動する。振分ソレノイド16sは、振分装置16Dの振分部材16kを駆動する。
【0072】
なお、主制御基板100に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
【0073】
さらに主制御基板100には、表示器類8(特図表示器81、普図表示器82、および、特図保留表示器83)が接続されている。これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
【0074】
また主制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU(パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)、および賞球払出装置73が接続されているとともに、発射制御回路175を介して発射装置72が接続されている。なお、発射装置72には、ハンドル72k(
図1参照)が含まれる。
【0075】
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、賞球払出装置73の賞球モータ73mを駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、その計数のための賞球センサ73aにより検知されて、賞球センサ73aによる検知信号が払出制御基板170に出力される。
【0076】
また、発射装置72には、遊技者などの人のハンドル72k(
図1参照)への接触を検知可能なタッチスイッチ72aが設けられている。遊技者によるハンドル72kの操作があった場合には、タッチスイッチ72aが遊技者のハンドル72kへの接触を検知し、検知信号を払出制御基板170に出力する。また、発射装置72には、ハンドル72kの回転角度(操作量)を検出可能な発射ボリュームつまみ72bが接続されている。発射装置72は、発射ボリュームつまみ72bが検出したハンドル72kの回転角度に応じた強さで遊技球が発射されるよう発射ソレノイド72sを駆動させる。なお、パチンコ遊技機PY1においては、ハンドル72kへの回転操作が維持されている状態では、約0.6秒毎に1球の遊技球が発射されるようになっている。
【0077】
また払出制御基板170は、外部端子板160に接続されている。つまり、外部端子板160は、払出制御基板170を介して、主制御基板100に接続されている。外部端子板160は、主制御基板100から送信される外端信号を、パチンコ遊技機PY1の外部に設けられている外部ユニットGU(データカウンタ、ホールコンピュータなど)に送信するものである。外端信号に含まれる情報には、例えば、大当たりに当選したかを示す情報、遊技状態の情報、エラーや不正(異常)を示す情報が含まれる。なお、外部端子板160は、外端信号をパラレル通信によって外部ユニットGUに送信しているが、外端信号を非同期シリアル通信(共通の非同期シリアル通信ポート)で送信するようにしても良い。また、主制御基板100を払出制御基板170を介して外部端子板160に接続したが、主制御基板100を払出制御基板170以外の基板(例えば中継基板)を介して外部端子板160に接続したり、主制御基板100と外部端子板160とを直接接続したりするようにしても良い。
【0078】
また主制御基板100は、遊技の進行に応じて、サブ制御基板120に対し、遊技に関する情報を含んだ各種コマンドを送信する。サブ制御基板120は、主制御基板100から送られる各種コマンドに基づいて、主制御基板100による遊技の進行状況(遊技の制御内容)を把握することができる。なお、主制御基板100とサブ制御基板120との接続は、主制御基板100からサブ制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板100とサブ制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
【0079】
図7に示すように、サブ制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。演出制御用マイコン121には、主制御基板100による遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、および演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122が含まれている。
【0080】
また、演出用ROM123には、後述するサブ制御メイン処理、受信割り込み処理、1msタイマ割り込み処理、および、10msタイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。
【0081】
また、サブ制御基板120には、データや信号の入出力を行うための演出用I/Oポート部138、およびRTC(Real Time Clock)139が実装されている。RTC139は、現時点の日時(日付及び時刻)を計測する。RTC139は、パチンコ遊技機PY1に、所定の島電源供給装置(図示なし)から電力が供給されているときにはその電力によって動作し、島電源供給装置から電力が供給されていないときには、電源基板190が備えるバックアップ電源回路192から供給される電力によって動作する。このため、RTC139は、パチンコ遊技機PY1の電源が投入されていないときにも現在の日時を計測することが可能である。なお、RTC139に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板120に設けてもよい。バックアップ電源回路には、コンデンサや内蔵電池(ボタン電池等)を含む回路を採用することができる。
【0082】
サブ制御基板120には、画像制御基板140が接続されている。サブ制御基板120の演出制御用マイコン121は、主制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、主制御基板100による遊技の進行に応じて、画像制御基板140の画像用CPU141に画像表示装置50の表示制御を行わせる。なお、サブ制御基板120と画像制御基板140との接続は、サブ制御基板120から画像制御基板140への信号の送信と、画像制御基板140からサブ制御基板120への信号の送信の双方が可能な双方向通信接続となっている。
【0083】
画像制御基板140は、画像制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM142、ワークメモリとして使用される画像用RAM143、及び、画像用ROM142に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU141を備えている。また、画像制御基板140は、画像表示装置50に表示される画像のデータを記憶したCGROM145、CGROM145に記憶されている画像データの展開等に使用されるVRAM146、及び、VDP(Video Display Processor)144を備えている。勿論、これらの電子部品の全部又は一部がワンチップで構成されていてもよい。CGROM145には、例えば、画像表示装置50に表示される画像を表示するための画像データ(静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データ)が格納されている。
【0084】
VDP144は、演出制御用マイコン121からの指令に基づき画像用CPU141によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM145から画像データを読み出してVRAM146内の展開領域に展開する。そして、展開した画像データを適宜合成してVRAM146内のフレームバッファに画像を描画する。そしてフレームバッファに描画した画像をRGB信号として画像表示装置50に出力する。これにより、種々の演出画像が表示部50aに表示される。
【0085】
なお、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されている。ディスプレイリストには、描画する画像の種類、画像を描画する位置、表示の優先順位、表示倍率、画像の透過率等の種々のパラメータの情報が含まれている。
【0086】
演出制御用マイコン121は、主制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、主制御基板100による遊技の進行に応じて、音声制御回路161を介してスピーカ52から音声、楽曲、効果音等を出力する。
【0087】
スピーカ52から出力する音声等の音声データは、サブ制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御回路161を、基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装し、そのROMに音声データを格納してもよい。また、スピーカ52を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音声データを格納してもよい。
【0088】
また、サブ制御基板120には、所定の中継基板(図示なし)を介して、入力部となる各種スイッチ類、駆動源となる各種アクチュエータ類SA、各種ランプ類SLが接続されている。サブ制御基板120には、各種スイッチ類が出力した信号が入力する。また、サブ制御基板120は、各種アクチュエータ類SAに信号を出力する。また、サブ制御基板120は、主制御基板100から受信したコマンドなどに基づいて、ランプ制御回路151を介して各種ランプ類SLの点灯制御を行う。
【0089】
サブ制御基板120に接続されている各種スイッチ類には、通常ボタン検出スイッチ40aおよび特殊ボタン検出スイッチ41aが含まれている。通常ボタン検出スイッチ40aは、通常ボタン40が押下操作されたことを検出する。特殊ボタン検出スイッチ41aは、特殊ボタン41が押下操作されたことを検出する。各検出スイッチ40a,41aは、検出内容に応じた信号をサブ制御基板120に出力する。なお、サブ制御基板120に接続されるスイッチの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
【0090】
サブ制御基板120に接続された各種アクチュエータ類SAには、盤上可動装置55を駆動する盤上駆動モータ55m、盤下可動装置56を駆動する盤下駆動モータ56m、枠可動装置58を駆動する枠駆動モータ58m等が含まれている。演出制御用マイコン121は、これらのモータを駆動して、各可動装置に所定の動作を行わせることが可能である。詳細には演出制御用マイコン121は、各可動装置の動作態様を決める動作パターンデータを作成し、ランプ制御回路151を介して、各可動装置の動作を制御する。またサブ制御基板120には、通常ボタン40を振動させるための振動用モータ(不図示)も接続されているものとする。なお、サブ制御基板120に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
【0091】
サブ制御基板120に接続された各種ランプ類SLには、枠ランプ53、盤ランプ54等が含まれている。演出制御用マイコン121は、各ランプを発光させることが可能である。詳細には演出制御用マイコン121は、各ランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って各ランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
【0092】
なお、ランプ制御回路151を基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに、各ランプの点灯制御、および、各可動装置の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装して、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。また、サブ制御基板120に接続されるランプの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
【0093】
3.遊技機による主な遊技
次に、パチンコ遊技機PY1により行われる主な遊技について、
図10~
図17を用いて説明する。なお、後述する「7.第1実施形態のパチンコ遊技機」以降の説明において
図10~
図17に示す各テーブルとは別のテーブルを示した場合、各実施形態のパチンコ遊技機ではそのテーブルが用いられているものとし、別のテーブルを示さない構成については、ここで示したテーブルが用いられているものとする。
【0094】
3-1.普図に関わる遊技
最初に、普図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球がゲート13を通過すると、普図抽選を行う。普図抽選を行うと、普図表示器82において、普図の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行う。ここで、停止表示される普図には、当たり図柄とハズレ図柄とがある。なお、普図のハズレ図柄については、後述する特図のハズレ図柄と区別をするために「ハズレ普図」ともいう。当たり図柄が停止表示されると補助遊技が実行されて、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。一方、ハズレ普図が停止表示されると、補助遊技は行われず、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。また、以下において、遊技球がゲート13を通過することを「普図始動条件の成立」という。
【0095】
パチンコ遊技機PY1は、このような一連の遊技(普図抽選、普図の可変表示、補助遊技)を行うにあたり、普図始動条件の成立により、普図関係乱数を取得する。取得する普図関係乱数には、
図10(A)に示すように、普通図柄乱数がある。普通図柄乱数は当たり判定を行うための乱数である。乱数を判定情報とも言う。乱数には、適宜に範囲が設けられている。
【0096】
3-1-1.当たり判定
当たり判定は、
図11(A)に示すような当たり判定テーブルに従って、当たりか否か(補助遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。当たり判定テーブルは、後述する遊技状態に関連付けられている。すなわち、当たり判定テーブルには、非時短状態で用いる当たり判定テーブル(非時短用当たり判定テーブル)と、時短状態で用いる当たり判定テーブル(時短用当たり判定テーブル)と、がある。各当たり判定テーブルでは、当たり判定の結果である当たりとハズレに、普通図柄乱数の判定値(普通図柄乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得した普通図柄乱数を当たり判定テーブルに従って判定することにより、当たりかハズレかの当たり判定を行う。そして、当たり判定の結果に基づいて、普図の可変表示を行うための普図変動パターン判定を行う。当たり判定の結果が当たりであると、基本的には、普図の可変表示で当たり図柄が停止表示される。一方、当たり判定の結果がハズレであると、基本的には、普図の可変表示でハズレ普図が停止表示される。なお、当たりの当選確率については、適宜に変更することが可能である。また、当たり判定テーブルを、遊技状態毎に分けなくてもよい。
【0097】
3-1-2.普図変動
普図変動パターン判定は、
図11(B)に示すような普図変動パターン判定テーブルに従って、普図変動パターンを決定するための判定である。普図変動パターンとは、普図変動時間などの普図の可変表示に関する所定事項に関する識別情報である。
【0098】
普図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられている。すなわち、普図変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(非時短普図変動パターン判定テーブル)と時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(時短普図変動パターン判定テーブル)とがある。なお、普図変動パターン判定テーブルを遊技状態毎に分けなくてもよい。
【0099】
各普図変動パターン判定テーブルには、普図変動パターン判定の結果である普図変動パターンが、停止される普図毎に1つ格納されている。すなわち、パチンコ遊技機PY1は、非時短状態においてと時短状態においてとで、普図変動時間を異ならせることが可能である。例えば、非時短状態においては、ハズレの普図(ハズレ普図)を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば30秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば30秒となる普図変動パターンに決定する。また、時短状態においては、ハズレ普図を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば5秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば5秒となる普図変動パターンに決定する。この判定で決定された普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間の普図の可変表示が、普図表示器82で行われる。また、これら普図変動時間については、適宜に変更することが可能である。このように、当たり判定、および、普図変動パターン判定が行われることによって、普図表示器82において普図の可変表示が行われる。
【0100】
3-1-3.補助遊技
補助遊技は、普図の可変表示で、表示結果(普図抽選の結果)として、当たり図柄が停止表示(導出)されると実行される。
【0101】
補助遊技を構成する要素(補助遊技構成要素)には、電チュー12Dが開放する回数、および各開放についての開放時間などの様々な要素が含まれている。そして、これらの各要素は、遊技状態(非時短状態/時短状態)に対応付けられている。パチンコ遊技機PY1は、遊技状態(非時短状態/時短状態)に基づいて、
図11(C)に示すような補助遊技制御テーブルに従って補助遊技を制御する。補助遊技制御テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に対応付けられている。各補助遊技制御テーブルには、補助遊技構成要素が格納されている。なお、これらの各要素における開放回数や開放時間については、適宜に変更することが可能である。
【0102】
パチンコ遊技機PY1は、非時短状態における補助遊技と時短状態における補助遊技とで、電チュー12Dの開放時間を異ならせている。例えば、非時短状態における補助遊技では、第1の開放時間(遊技球を電チュー12Dに入賞させるのが困難な時間(例えば0.08秒))だけ電チュー12Dを開放する。以下において、非時短状態における補助遊技のことを「ショート開放補助遊技」ともいう。また、時短状態における補助遊技では、第1の開放時間よりも長い第2の開放時間(遊技球を電チュー12Dに入賞させるのが容易な時間(例えば3.0秒))だけ電チュー12Dを開放する。以下において、時短状態における補助遊技のことを「ロング開放補助遊技」ともいう。なお、非時短状態における補助遊技と時短状態における補助遊技とで、電チュー12Dの開放時間が同じであってもよい。
【0103】
3-2.特図に関わる遊技
次に、特図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球が第1始動口11に入賞すると、特
図1抽選を行う。特
図1抽選が行われると、特
図1表示器81aにおいて、特
図1の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特
図1抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特
図1には、大当たり図柄およびハズレ図柄がある。すなわち、特
図1抽選の結果には大当たり、およびハズレがある。大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。一方、ハズレ図柄が停止表示されると、大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
【0104】
同様に、パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球が第2始動口12に入賞すると、特
図2抽選を行う。特
図2抽選が行われると、特
図2表示器81bにおいて、特
図2の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特
図2抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特
図2には、大当たり図柄、およびハズレ図柄がある。すなわち、特
図2抽選の結果には、大当たり、およびハズレがある。大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。一方、ハズレ図柄が停止表示されると大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
【0105】
なお、以下において、第1始動口11に遊技球が入賞することを「第1始動条件の成立」といい、第2始動口12に遊技球が入賞することを「第2始動条件の成立」という。また、「第1始動条件の成立」と「第2始動条件の成立」をまとめて「始動条件の成立」と総称する。また、特別図柄のハズレ図柄については、前述の普図のハズレ図柄と区別するために「ハズレ特図」ともいう。
【0106】
パチンコ遊技機PY1は、このような一連の遊技(特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、遊技状態の設定)を行うにあたり、始動条件の成立により、特図関係乱数を取得し、当該乱数について種々の判定を行う。取得する特図関係乱数には、
図10(B)に示すように、特別図柄乱数(大当たり乱数)、図柄種別乱数、リーチ乱数および特図変動パターン乱数がある。特別図柄乱数は大当たり判定を行うための乱数である。図柄種別乱数は大当たり図柄種別判定(当たり図柄種別判定)を行うための乱数である。リーチ乱数はリーチ判定を行うための乱数である。特図変動パターン乱数は特別図柄の変動パターン判定を行うための乱数である。乱数を判定情報とも言う。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。
【0107】
3-2-1.大当たり判定
大当たり判定は、
図12(A)に示すような大当たり判定テーブルに従って、大当たりか否か(大当たり遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。大当たり判定テーブルは、遊技状態、詳細には、通常確率状態であるか高確率状態であるかに関連付けられている。すなわち、大当たり判定テーブルには、通常確率状態において用いられる大当たり判定テーブル(通常確率用大当たり判定テーブル)と高確率状態において用いられる大当たり判定テーブル(高確率用大当たり判定テーブル)とがある。
【0108】
各大当たり判定テーブルでは、大当たり判定の結果である大当たり、およびハズレに、特別図柄乱数の判定値(特別図柄乱数値)が振り分けられている。パチンコ遊技機PY1は、取得した特別図柄乱数を大当たり判定テーブルに従って判定することにより、大当たり、またはハズレの何れであるかを判定する。
図12(A)に示すように、高確率用大当たり判定テーブルの方が、通常確率用大当たり判定テーブルよりも、大当たりと判定される特別図柄乱数判定値が多く設定されている。また、大当たりの当選確率については、適宜に変更することが可能である。また、小当たりに当選可能に構成した場合、大当たり判定の結果に、小当たり当選を含めることができる。
【0109】
3-2-2.大当たり図柄種別判定(当たり図柄種別判定)
大当たり図柄種別判定は、大当たり判定の結果が大当たりである場合に、
図12(B)に示すような大当たり図柄種別判定テーブルに従って大当たり図柄の種別(大当たり図柄種別)を決定するための判定である。大当たり図柄の種別毎に、大当たりの内容、換言すれば、遊技者に付与される遊技特典などで構成される大当たりの構成要素が対応付けられている。
【0110】
大当たり図柄種別判定テーブルは、可変表示される特別図柄の種別(特
図1/特
図2)、言い換えれば、当該大当たり図柄種別判定の起因となる入賞(当該大当たり図柄種別判定を発生させた入賞)が行われた始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けられている。すなわち、大当たり図柄種別判定テーブルには、特
図1の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第1大当たり図柄種別判定テーブル)と特
図2の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第2大当たり図柄種別判定テーブル)とがある。
【0111】
大当たり図柄には複数種類の種別があり、各大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別判定の結果である大当たり図柄種別に、図柄種別乱数の判定値(図柄種別乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得した図柄種別乱数を大当たり図柄種別判定テーブルに従って判定することにより、大当たり図柄の種別を判定する。そして、第1大当たり図柄種別判定テーブルおよび第2大当たり図柄種別判定テーブルでは、図柄種別乱数値が各種大当たり図柄に適宜に振り分けられている。なお、大当たり図柄種別の振分率については、適宜に変更することが可能である。また、大当たり図柄の種別については、適宜に増加したり減少したりすることが可能である。
【0112】
例えば、
図12(B)に示すように、特
図1についての大当たり図柄種別判定による大当たり図柄種別の振分率を、大当たり図柄Aが50%、大当たり図柄Bが50%にし、特
図2についての大当たり図柄種別判定による大当たり図柄種別の振分率を、大当たり図柄Cが100%にすることが可能である。このように、第1始動口11に遊技球が入賞して行われる特
図1抽選と、第2始動口12に遊技球が入賞して行われる特
図2抽選とで、大当たり図柄種別の振分率を異ならせることが可能である。また、小当たりに当選可能に構成した場合、小当たり当選時に小当たり図柄の種別の判定を行う構成とすることができる。当たり図柄種別判定には、大当たり図柄の種別の判定と、小当たり図柄の種別の判定とが含まれる。小当たり図柄の種別の判定も、大当たり図柄の種別の判定と同様、図柄種別乱数を用いて行われるものとする。
【0113】
3-2-3.リーチ判定
リーチ判定は、大当たり判定の結果がハズレである場合に、
図12(C)に示すようなリーチ判定テーブルに従って、後述する特図変動演出でリーチを発生させるか否かを決定するための判定である。
【0114】
リーチ判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられている。すなわち、リーチ判定テーブルには、非時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(非時短用リーチ判定テーブル)と時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(時短用リーチ判定テーブル)とがある。なお、リーチ判定テーブルを遊技状態毎に分けなくてもよい。
【0115】
各リーチ判定テーブルでは、リーチ判定の結果である「リーチ有り(リーチを発生させる)」と「リーチ無し(リーチを発生させない)」に、リーチ乱数の判定値(リーチ乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得したリーチ乱数をリーチ判定テーブルに従って判定することにより、リーチ有りかリーチ無しか(リーチを発生させるか否か)を判定する。
図12(C)に示すように、非時短用リーチ判定テーブルと時短用リーチ判定テーブルとで、「リーチ有り(リーチを発生させる)」と判定されるリーチ乱数値の数が異なっている。なお、リーチ有りと判定される確率については、適宜に変更することが可能である。以下において、大当たり判定の結果が「ハズレ」であることを前提に行われる「リーチ有り(リーチを発生させる)」のことを「リーチ有りハズレ」といい、「リーチ無し(リーチを発生させない)」のことを「リーチ無しハズレ」ということもある。
【0116】
3-2-4.特図変動パターン判定
特図変動パターン判定は、
図13~
図14に示すような特別図柄の変動パターン判定テーブル(特図変動パターン判定テーブル)を用いて、特図の可変表示の変動パターン(特図変動パターン)を決定するための判定であり、大当たり判定の結果が大当たり、およびハズレの何れの場合にも行われる。特図変動パターンとは、特図変動時間や後述する特図変動演出の演出フロー(演出内容)などに関する所定事項を識別するための識別情報である。なお、特図変動パターンには、特図変動時間や特図変動演出の演出フロー(演出内容)の他、大当たり判定の結果とリーチ判定の結果に関する識別情報が含まれている。特図変動パターンに含ませる識別情報は、適宜に変更することが可能である。また、特図変動パターンとして、それぞれ識別情報が異なる複数種類の特図変動パターンを用いることが可能であり、その数は適宜に変更することが可能である。
【0117】
特図変動パターン判定テーブルは、判定対象となる可変表示を行う特別図柄の種別(特
図1/特
図2)、言い換えれば、当該特図変動パターン判定の起因となる入賞が行われた始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けられている。すなわち、特図変動パターン判定テーブルには、特
図1の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特
図1変動パターン判定テーブル:
図13)と、特
図2の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特
図2変動パターン判定テーブル:
図14)とがある。なお、特図変動パターン判定テーブルを、特別図柄の種別(特
図1/特
図2)に応じて分けなくてもよい。
【0118】
そして、各特図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)にも関連付けられている。すなわち、特
図1変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる特
図1変動パターン判定テーブル(非時短用特
図1変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる特
図1変動パターン判定テーブル(時短用特
図1変動パターン判定テーブル)とがある。一方、特
図2変動パターン判定テーブルについても同様に、非時短状態のときに用いられる特
図2変動パターン判定テーブル(非時短用特
図2変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる特
図2変動パターン判定テーブル(時短用特
図2変動パターン判定テーブル)とがある。なお、特図変動パターン判定テーブルを、遊技状態毎に分けなくてもよい。
【0119】
また、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられた各特図変動パターン判定テーブルは、さらに、大当たり判定結果およびリーチ判定結果にも関連付けられている。すなわち、非時短用特
図1変動パターン判定テーブルおよび非時短用特
図2変動パターン判定テーブルにはそれぞれ、大当たり用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。同様に、時短用特
図1変動パターン判定テーブルおよび時短用特
図2変動パターン判定テーブルにもそれぞれ、大当たり用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。なお、特図変動パターン判定テーブルを、大当たり判定結果やリーチ判定結果に応じて分けなくてもよい。
【0120】
さらに、各リーチ無しハズレ用の特
図1変動パターン判定テーブルは、特図保留数にも関連付けられている。例えば、特
図1保留数(U1)が0~2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特
図1変動パターン判定テーブルと、特
図1保留数(U1)が3~4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特
図1変動パターン判定テーブルと、がある。また、各リーチ無しハズレ用の特
図2変動パターン判定テーブルは、特図保留数にも関連付けられている。具体的には、特
図2保留数(U2)が0~2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特
図2変動パターン判定テーブルと、特
図2保留数(U2)が3~4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特
図2変動パターン判定テーブルと、がある。なお、特図変動パターン判定テーブルを、特図保留数に応じて分けなくてもよい。
【0121】
そして、各特図変動パターン判定で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間の特図の可変表示が、特図表示器81で行われる。そして、特図の可変表示で、表示結果(特図抽選の結果)として、大当たり図柄が停止表示されると、即座に次の特図の可変表示が行われず、引き続いて、大当たり遊技が実行される。
【0122】
また、各特図変動パターンには、
図13~
図14の表の右から2番目の欄に示すような特図変動演出の演出フローが関連付けられている。なお、特図変動パターンに特図変動演出の演出フローを関連付けなくてもよい。
【0123】
また、
図13~
図14の表の一番右の欄に示すように、特図変動パターンを、特図(大当たり判定結果)および特図変動演出の演出内容などに関連付けた名称で呼ぶことがある。例えば、大当たりに係る特図変動パターンのことを「大当たり変動」と言い、ハズレに係る特図変動パターンのことを「ハズレ変動」と言う。そして、大当たり変動の中で、リーチの一種であるSPリーチが行われる特図変動パターンのことを「SP大当たり変動」と言い、Lリーチが行われる特図変動パターンのことを「L大当たり変動」と言い、Nリーチで特図変動演出が終わる特図変動パターンのことを「N大当たり変動」と言い、リーチが成立するとすぐにゾロ目が揃う特図変動パターンのことを「即大当たり変動」と言う。一方、リーチ有りハズレの中で、リーチの一種であるSPリーチが行われる特図変動パターンのことを「SPハズレ変動」と言い、リーチの一種であるLリーチが行われる特図変動パターンのことを「Lハズレ変動」と言い、リーチの一種であるNリーチで特図変動演出が終わる特図変動パターンのことを「Nハズレ変動」と言い、リーチ無しハズレに係る特図変動パターンのことを「通常ハズレ変動」と言う。通常ハズレ変動には、変動時間が互いに異なる3種類の変動(通常Aハズレ変動、通常Bハズレ変動、通常Cハズレ変動)がある。また、リーチ無しハズレに係る特図変動パターンであって「通常ハズレ変動」に比べて変動時間が短い特図変動パターンを「短縮ハズレ変動」と言う。短縮ハズレ変動には、変動時間が異なる2種類の変動(短縮Aハズレ変動、短縮Bハズレ変動)がある。なお、SP大当たりとSPハズレ変動とを総称する場合、SP変動あるいはSPリーチ変動と言う。
【0124】
3-2-5.先読み判定
パチンコ遊技機PY1は、取得した特図関係乱数に基づいて、
図15に示すような先読み判定テーブルに従って先読み判定を行う。先読み判定は、大当たり判定よりも前に(具体的には例えば始動口への入賞時に)行われる。先読み判定には、例えば、特別図柄乱数が大当たり判定で大当たりと判定されるか否かの判定、図柄種別乱数が大当たり図柄種別判定で何れの大当たり図柄の種別に決定されるかの判定、特図変動パターン乱数が特図変動パターン判定で何れの特図変動パターンに決定されるかの判定、などがある。先読み判定テーブルは、その始動入賞に係る始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けられている。すなわち、先読み判定テーブルには、第1始動口11に入賞した場合の先読み判定テーブル(第1先読み判定テーブル)と、第2始動口12に入賞した場合の先読み判定テーブル(第2先読み判定テーブル)と、がある。第1始動口11は特
図1の抽選の契機となる始動口であるため、第1先読み判定テーブルを特
図1先読み判定テーブルと言うこともできる。また、第2始動口12は特
図2の抽選の契機となる始動口であるため、第2先読み判定テーブルを特
図2先読み判定テーブルと言うこともできる。なお、先読み判定テーブルを、始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に応じて分けなくてもよい。また、始動入賞とは、始動口への入賞のことである。
【0125】
また、先読み判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)にも関連付けられている。すなわち、先読み判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる先読み判定テーブル(非時短用先読み判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる先読み判定テーブル(時短用先読み判定テーブル)と、がある。
【0126】
つまり、先読み判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、時短状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、非時短状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、時短状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、がある。なお、先読み判定テーブルを、遊技状態毎に分けなくてもよい。また、先読み判定にどのような判定を含ませるかは適宜に変更可能である。
【0127】
3-3.大当たり遊技
次に、大当たり遊技について説明する。大当たり遊技は、大入賞口(第1大入賞口14あるいは第2大入賞口15)の開閉を伴う複数回のラウンド遊技と、大当たり遊技が開始してから初回のラウンド遊技が開始されるまでのオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了してから大当たり遊技が終了するまでのエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、オープニングの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はエンディングの開始によって終了する。また、OPやEDを設けないようにすることが可能である。なお、以下において、所定回数目(所定の順番)のラウンド遊技を、単に「ラウンド」という。例えば、初回(1回目)のラウンド遊技のことを「1ラウンド(1R)」といい、10回目のラウンド遊技のことを「10ラウンド(10R)」という。
【0128】
このような大当たり遊技を構成する要素(大当たり遊技構成要素)には、ラウンド遊技の回数、各回のラウンド遊技における大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)の開放回数、各開放が行われる大入賞口の種別および開放時間、次回の開放まで閉鎖させる時間(閉鎖時間あるいはインターバル時間)、オープニングの時間(オープニング時間)、およびエンディングの時間(エンディング時間)などが含まれている。パチンコ遊技機PY1は、特図の停止表示後、
図16に示すような大当たり遊技制御テーブルに従って大当たり遊技を制御する。
【0129】
図16に示すように、大当たり遊技制御テーブルには、大当たり遊技毎(例えば大当たり遊技A~C毎)に大当たり遊技構成要素が格納されている。各大当たり遊技では、1Rから15Rまでは、最大で29.5秒にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技、または、最大で0.1秒にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技、が行われる。そして、16R(最終ラウンド)では、最大で29.5秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技、または、最大で0.1秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技、が行われる。また、各ラウンド遊技では、予め定めた所定個数(例えば10個)の遊技球が大入賞口センサ14a,15aによって検出されると、大入賞口14,15の最大開放時間が経過する前であっても、ラウンド遊技を終了させる。
【0130】
なお、
図16に示す大当たり遊技Aは、当選した大当たり図柄の種別が大当たり図柄A(
図12(B)参照)である場合に実行され、大当たり遊技Bは、当選した大当たり図柄の種別が大当たり図柄Bである場合に実行され、大当たり遊技Cは、当選した大当たり図柄の種別が大当たり図柄Cである場合に実行される構成とすることが可能である。
【0131】
また、各大当たり遊技構成要素における回数や時間については、適宜に変更することが可能である。また、大当たり遊技を、第1大入賞口14および第2大入賞口15の両方を用いて行うことも一方だけを用いて行うことも可能である。第1大入賞口14だけを用いる大当たり遊技しか行わない構成、あるいは、第2大入賞口15だけを用いる大当たり遊技しか行わない構成とする場合には、用いない方の大入賞口を備えない構成としてもよい。また、実行可能な大当たり遊技の種類は、複数種類であってもよいし、1種類であってもよい。
【0132】
ここで、特定領域16について詳細に説明する。特定領域16は、振分部材16kによって、入賞不可能な閉状態と、入賞可能な開状態とをとるので、振分部材16kの作動態様は、特定領域16の開閉態様ということができる。以下において、振分部材16kの作動態様のことを「特定領域16の開閉態様」ともいう。また、特定領域16が開状態にあることを「V開放」ともいい、特定領域16が閉状態にあることを「V閉鎖」ともいう。
【0133】
振分部材16kは一定の作動態様で制御される(つまり、特定領域16は一定の開閉態様で制御される)。例えば、第2大入賞口15の開放が開始してから15秒間、振分ソレノイド16sが通電され、振分部材16kが第2状態(
図3(B))に制御される。よって、最大で29.5秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技では、第2大入賞口15の開放時間およびタイミングと、振分部材16kの第2状態に制御されている時間およびタイミングとの関係から、遊技球が特定領域16を通過する(遊技球を特定領域16に進入させる)ことが容易である。一方、最大で0.1秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技では、第2大入賞口15の開放時間およびタイミングと、振分部材16kの第2状態に制御されている時間およびタイミングとの関係から、遊技球が特定領域16を通過する(遊技球を特定領域16に進入させる)ことはほぼ不可能(困難)である。このように、振分部材16kの一定の作動態様(特定領域16の一定の開閉態様)と、大当たり遊技における第2大入賞口15の開閉態様との組み合わせで、大当たり遊技において遊技球を特定領域16に進入させることの困難性(容易性)を設定することが可能である。なお、振分部材16kの作動態様は適宜に変更可能である。後述する「7.第1実施形態のパチンコ遊技機」以降の説明において別の作動態様を示した場合、各実施形態のパチンコ遊技機ではその作動態様が採用されているものとする。
【0134】
なお、大当たり遊技中に、遊技球の特定領域16への通過(以下、「V通過」ともいう)が容易な第1開放パターン(Vロング開放パターン)でVAT開閉部材15k及び振分部材16kが作動する大当たりを、「Vロング大当たり」といい、遊技球の特定領域16の通過が不可能又は困難な第2開放パターン(Vショート開放パターン)でVAT開閉部材15k及び振分部材16kが作動する大当たりを、「Vショート大当たり」という。
【0135】
3-4.遊技状態
次に、遊技状態について説明する。パチンコ遊技機PY1は、
図17に示すように、「低確率低ベース遊技状態」、「低確率高ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」、「高確率高ベース遊技状態」および「大当たり遊技状態」の何れかの遊技状態にすることが可能である。なお、「低確率低ベース遊技状態」を「低確低ベース状態」と、「低確率高ベース遊技状態」を「低確高ベース状態」と、「高確率低ベース遊技状態」を「高確低ベース状態」と、「高確率高ベース遊技状態」を「高確高ベース状態」と、それぞれ略称することがある。遊技状態を構成する状態として、大当たり判定において「大当たり」と判定される確率に係る状態と、電チュー12Dの開放の容易性に係る状態とがある。前者としては、通常確率状態と高確率状態とがある。一方、後者としては、非時短状態と時短状態とがある。
【0136】
通常確率状態は、「低確率低ベース遊技状態」または「低確率高ベース遊技状態」において設定され、大当たり判定で大当たりと判定される確率が通常の確率である状態である。高確率状態は、「高確率低ベース遊技状態」または「高確率高ベース遊技状態」において設定され、大当たり判定で大当たりと判定される確率が通常確率より高い高確率である状態である。従って、高確率状態は通常確率状態よりも遊技者に有利な遊技状態であると言える。パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入されたときには通常確率状態が設定される。そして、大当たりに当選することによって通常確率状態から高確率状態に切り替えることが可能になる。例えば、大当たり遊技において遊技球が特定領域16を通過することによって高確率状態に切り替えることが可能である。また、大当たり図柄の種別によって高確率状態に切り替えることも可能である。高確率状態に切り替える契機をV通過とするか、大当たり図柄の種別とするかは、実現したい遊技性に応じて予め定められているものとする。高確率状態では、大当たりに当選することなく所定回数の大当たり判定が行われることや、次回の大当たりに当選することで、高確率状態から通常確率状態に切り替えることが可能である。
【0137】
非時短状態は、「低確率低ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」または「大当たり遊技状態」において設定される。時短状態は、「低確率高ベース遊技状態」または「高確率高ベース遊技状態」において設定され、非時短状態に比べて、1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易い遊技状態である。例えば、時短状態においては、非時短状態における電チュー12Dの開放時間(例えば0.08秒)よりも長い開放時間(例えば3.0秒)となる。また、時短状態では、特図変動時間の短い特図変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた特図変動パターン判定テーブルに従って、特図変動パターン判定が行われる(
図13~
図14参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
【0138】
また、時短状態は、非時短状態に比べて、普図変動時間が短くなり易くなっている。例えば、時短状態においては、非時短状態において決定される普図変動時間(30秒)よりも短い普図変動時間(5秒)が決定される(
図11(B))。よって、時短状態の方が、単位時間当たりにおける普図抽選の実行回数が多い。
【0139】
また、時短状態は、非時短状態に比べて、当たり判定で当たりと判定され易くなっている。例えば、時短状態では、非時短状態で当たりと判定される確率(例えば6600/65536)よりも高い確率(例えば59936/65536)で当たりと判定される(
図11(A))。よって、時短状態の方が、単位時間当たりにおいて当たり判定で当たりと判定される回数が多い。
【0140】
このように時短状態では、非時短状態に比して、単位時間当たりの電チュー12Dの開放時間が長くなり、第2始動口12へ遊技球が頻繁に入賞し易くなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。そのため、ベースの高い時短状態では、所持する遊技球を大きく減らすことなく大当たり当選を狙うことができる。従って、時短状態は非時短状態よりも遊技者に有利な遊技状態であると言える。
【0141】
パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入されたときには非時短状態が設定される。そして、例えば、大当たりに当選することによって時短状態が設定可能になる。時短状態では、大当たりに当選することなく所定回数の大当たり判定が行われることや、次回の大当たりに当選することで、時短状態から非時短状態に変更することが可能である。
【0142】
なお、時短状態では、非時短状態に比して、当たりに当選し易く、普図変動時間が短くなり易く、且つ、1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易い。つまり、普図に係る遊技について3つの点で、遊技者に有利に設定されている。しかし、この遊技者に有利に設定されている点はこれらの中の一部であってもよい。また、時短状態における特図変動パターン判定テーブルが、非時短状態におけるものよりも、特図変動時間の短い特図変動パターンが選択され易いものでなくてもよい。
【0143】
なお、パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入された後の遊技状態は、通常確率状態且つ非時短状態が設定される「低確率低ベース遊技状態」である。この遊技状態を「通常遊技状態」ともいう。なお、「大当たり遊技状態」では、普図抽選(普図に関する当たり判定)は行われるが特図抽選(大当たり判定)は行われないため、大当たり遊技の開始に伴って、非時短状態が設定される。また、遊技状態については、前述した遊技状態の全てを用いることも一部だけを用いることも可能である。また、本明細書で説明している各種の遊技状態については、「第n遊技状態」(nは1以上の整数)の形式で任意に表現できるものとする。また、低確率低ベース遊技状態(低確低ベース状態)を低確非時短状態、低確率高ベース遊技状態(低確高ベース状態)を低確時短状態、高確率低ベース遊技状態(高確低ベース状態)を高確非時短状態、高確率高ベース遊技状態(高確高ベース状態)を高確時短状態と呼ぶことができるものとする。
【0144】
4.遊技機による主な演出
次に、パチンコ遊技機PY1により行われる主な演出について、
図18~
図24を用いて説明する。
【0145】
4-1.演出モード
最初に、演出モードについて説明する。演出モードは、演出の区分(あるいは、上位概念的な属性)のことである。パチンコ遊技機PY1は、演出モードとして、客待ち演出モード、通常演出モードと、確変演出モード、時短演出モードおよび大当たり演出モードを設定することが可能である。
【0146】
客待ち演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」、「低確率高ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」および「高確率高ベース遊技状態」において特図変動演出が行われていないときに設定可能であり、特図変動演出が行われていない待機状態であることを示す演出モードである。客待ち演出モードが設定されているときに客待ち演出が行われる。客待ち演出では、例えば、
図18(A―1)に示すように、表示部50aにおいてパチンコ遊技機PY1を紹介する客待ちデモ動画G100が表示される。また、客待ちデモ動画G100が表示されているときに通常ボタン40が操作されると、
図18(A―2)に示すように、パチンコ遊技機PY1の演出に関する設定を行うための設定画面G101が表示される。演出に関する設定には、スピーカ52から出力される音の音量設定、表示部50aの輝度設定、実行される演出の頻度設定などがある。
【0147】
通常演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」または「高確率低ベース遊技状態」において特図変動演出が行われているときに設定可能であり、非時短状態であることを示唆可能な演出モードである。通常演出モードには、例えば、
図18(B―1)に示すように、表示部50aにおいて昼間の山の景色を表す背景画像(昼間通常用背景画像G102)が表示される第1通常演出モードと、
図18(B―2)に示すように、表示部50aにおいて夕方の山の景色を表す背景画像(夕方通常用背景画像G103)が表示される第2通常演出モードと、
図18(B―3)に示すように、表示部50aにおいて夜間の山の景色を表す背景画像(夜間通常用背景画像G104)が表示される第3通常演出モードと、があり、大当たりに当選することなく1回または複数回の特図変動演出が行われることを1つの条件として切り替えられる。なお、第1~第3通常演出モードでは、特図変動演出においてリーチが成立する前は、昼間通常用背景画像G102、夕方通常用背景画像G103および夜間通常用背景画像G104の何れかが表示部50aに表示されるが、リーチが成立した後はリーチの種類に応じた専用の背景画像が表示部50aに表示され得る。また、「高確率低ベース遊技状態」においてのみ設定される特殊演出モードを設けても良い。
【0148】
確変演出モードは、「高確率高ベース遊技状態」において特図変動演出が行われているときに設定可能な演出モードであり、高確率状態且つ時短状態であることを示す演出モードである。確変演出モードでは、例えば、
図18(B―4)に示すように、表示部50aにおいて宇宙を表す背景画像(確変用背景画像G105)が表示される。なお、確変演出モードでは、特図変動演出においてリーチが成立する前は、確変用背景画像G105が表示部50aに表示されるが、リーチが成立した後はリーチの種類に応じた専用の背景画像が表示部50aに表示され得る。
【0149】
時短演出モードは、「低確率高ベース遊技状態」において特図変動演出が行われているときに設定可能な演出モードであり、通常確率状態且つ時短状態であることを示す演出モードである。時短演出モードでは、例えば、
図18(B―5)に示すように、表示部50aにおいて空を表す背景画像(時短用背景画像G106)が表示される。なお、時短演出モードでは、特図変動演出においてリーチが成立する前は、時短用背景画像G106が表示部50aに表示されるが、リーチが成立した後はリーチの種類に応じた専用の背景画像が表示部50aに表示され得る。
【0150】
大当たり演出モードは、「大当たり遊技状態」において大当たり遊技が行われているときに設定可能な演出モードであり、大当たり遊技が行われていることを示す演出モードである。大当たり演出モードでは、例えば、大当たり遊技におけるオープニング中には、
図18(C―1)に示すように、表示部50aにおいて、大当たり遊技の開始を示唆するオープニング画像G107や「右打ち」を促す右打ち画像G108が表示される大当たりオープニング演出が行われる。大当たり遊技におけるラウンド中には、
図18(C―2)に示すように、表示部50aにおいて、ラウンド数を示すラウンド画像G109や払い出された賞球数を示唆する賞球数画像G110が表示されるラウンド演出が行われる。大当たり遊技におけるエンディング中には、
図18(C―3)に示すように、表示部50aにおいて、大当たり遊技後に設定される演出モードを示唆するエンディング画像G111や払い出された総賞球数を示唆する総賞球数画像G112が表示される大当たりエンディング演出が行われる。
【0151】
なお、演出モードの種類については、適宜に変更または追加することが可能である。
【0152】
4-2.特図変動演出
次に、特図変動演出(単に「変動演出」とも言う)について説明する。パチンコ遊技機PY1は、特図の可変表示が開始されると、特図の可変表示に係る特図変動パターンおよび特図抽選結果(大当たり判定結果、大当たり図柄種別判定結果、リーチ判定結果、および、特図変動パターン判定結果)などに基づいて、特図変動演出を実行する。特図変動演出(報知演出の一例)では、表示部50aにおいて、所定の背景画像に重畳的に、演出図柄の変動表示が行われる。演出図柄の変動表示では、演出図柄が変動した後に停止する。すなわち、特図変動時間、演出図柄の変動表示が行われた後に、当該変動が停止して、演出図柄の停止表示が行われる。そして、演出図柄の停止表示によって特図抽選の結果が報知される。
【0153】
なお、特図変動演出では、演出図柄の変動表示以外に、画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、可動装置55,56,58、通常ボタン40、特殊ボタン41などの様々な演出装置を用いた他の演出を行うことが可能である。この場合、演出図柄の停止表示後も、他の演出を継続して行うことが可能である。
【0154】
4-2-1.演出図柄表示領域
画像表示装置50の表示部50aには、
図19(A)に示すように、表示部50aを水平方向に3つに略均等に分けた左側、中央および右側それぞれに、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、および右演出図柄領域50b3を設けることが可能である。左演出図柄領域50b1は、特図変動演出における演出図柄の停止表示のときに、左演出図柄EZ1を表示する領域である。同様に、中演出図柄領域50b2および右演出図柄領域50b3は、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3を表示する領域である。
【0155】
また、
図19(A)に示すように、表示部50aの上端部の左端(左上隅)の一区画に、小図柄領域50cを設けることが可能である。小図柄領域50cは、特図の可変表示が行われているときに小図柄KZ1,KZ2,KZ3を変動表示する領域である。
【0156】
なお、
図19(A)において、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cは二点鎖線で明示されているが、これは左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cの範囲を表すために記載したものであり、実際には表示されていない。また、各領域の範囲は適宜に変更可能である。また、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3(左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、右演出図柄EZ3)だけでなく、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も、演出用に表示部50aに表示される図柄であるため、「演出図柄」の一例である。なお、演出図柄を装飾図柄や飾り図柄とも言う。
【0157】
4-2-2.通常変動
パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出において、先ず通常変動を行うことが可能である。通常変動は、特図の可変表示が開始されたことを示唆する演出として機能する。
【0158】
特図の可変表示が開始されると、例えば、
図19(A)に示すように、表示部50aにおいて、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3が停止表示されていると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3が停止表示されており、特図の可変表示が行われておらず、特図の可変表示を待機している状態から、
図19(B)に示すように、その開始に伴って演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が開始されると共に、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示が開始される。そして、この特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「通常ハズレ変動」の場合には、
図19(C―1)に示すように、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが異なる停止態様で仮停止してから、
図19(D)に示すように、ハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。一方、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「Nハズレ変動」などのリーチ有りの特図変動パターンの場合には、
図19(C―2)に示すように、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが同じ停止態様で仮停止して、リーチが成立する。詳細には、まず左演出図柄EZ1がある図柄(例えば5図柄)で停止し、続いて右演出図柄EZ3が左演出図柄EZ1と同じ図柄(5図柄)で停止して、リーチが成立する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示は継続して行われ、特図変動パターンに応じたリーチ演出が行われる。なお、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止順序や停止態様は、適宜に変更することが可能である。
【0159】
4-2-3.Nリーチ
パチンコ遊技機PY1は、通常変動においてリーチが成立するとNリーチを行うことが可能である。Nリーチは、大当たり判定の結果が「大当たり」であった可能性があることを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
【0160】
Nリーチでは、
図20(A)に示すように、リーチが成立した状態が所定時間維持され、
図20(B)に示すように、中演出図柄EZ2の変動速度が徐々に減速していく。そして、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「Nハズレ変動」の場合には、
図20(C―1)に示すように、ハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。一方、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「N大当たり変動」の場合には、
図20(C-2)に示すように、大当たりを示唆する停止態様(所謂ゾロ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も大当たりを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。なお、Nリーチの演出内容は、中演出図柄EZ2が徐々に減速することに限られず、適宜に変更または追加することが可能である。
【0161】
また、ハズレを示唆する演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止態様に関して、リーチが成立しない場合のバラケ目を「非リーチバラケ目」や「非リーチハズレ目」と称し、リーチが成立する場合のバラケ目を「リーチバラケ目」や「リーチハズレ目」と称する。非リーチバラケ目を構成する各演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の組み合わせをどのようにするか(例えば「2・3・1」や「5・8・6」等)、および、リーチバラケ目を構成する各演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の組み合わせをどのようにするか(例えば「2・1・2」や「5・4・5」等)は、演出制御用マイコン121によって選択される。また、大当たりを示唆する停止態様(ゾロ目)を構成する各演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の組み合わせをどのようにするか(例えば「2・2・2」や「7・7・7」等)は、当選した大当たり図柄の種別に基づいて、演出制御用マイコン121によって選択される。
【0162】
4-2-4.SPリーチ
パチンコ遊技機PY1は、Nリーチの後にSPリーチを行うことが可能である。SPリーチは、大当たり判定の結果が「大当たり」であった可能性が、Nリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
【0163】
SPリーチでは、Nリーチの後に、例えば、
図21(A)に示すように、表示部50aにSPリーチ専用の背景画像(SPリーチ用背景画像G113)が表示され、表示部50aの中央にSPリーチが開始されたことを表す画像(SPリーチ開始タイトル画像G1)が表示される。その後、
図21(B)に示すように、SPリーチ専用演出(例えばバトル演出)が行われる。そして、SPリーチ専用演出の最終局面を迎えると、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「SP大当たり変動」の場合には、
図21(C―1)に示すように、表示部50aに、大当たりを示唆する演出(例えば、主人公キャラクタ(味方キャラクタの一人)がバトルに勝利して仁王立ちしている表示)が行われるとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示唆する停止態様(所謂ゾロ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も大当たりを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。一方、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「SPハズレ変動」の場合には、
図21(C―2)に示すように、ハズレを示唆する演出(例えば、敵キャラクタがバトルに勝利して仁王立ちしている表示)が行われるとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。なお、SPリーチの演出内容は、適宜に変更または追加することが可能である。
【0164】
ここで、各リーチに対する演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示す態様で停止される可能性(大当たり期待度)について詳細に説明する。各リーチに対する大当たり期待度は、大当たり判定の結果に基づく実行確率によって定められる。例えば、Nリーチで終わる変動の実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には10%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には50%として、SPリーチに発展する変動の実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には4%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には50%とすれば、SPリーチの大当たり期待度を、Nリーチの大当たり期待度よりも高く設定することが可能である。また、SPリーチとしてSPリーチAとSPリーチBとを実行可能にし、SPリーチAの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には2%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には30%として、SPリーチBの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には2%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には20%とすれば、SPリーチAの大当たり期待度を、SPリーチBの大当たり期待度よりも高く設定することが可能である。このように、大当たり判定の結果に応じた実行確率を適宜に設定することで、大当たり期待度を設定することが可能である。
【0165】
4-2-5.Lリーチ
パチンコ遊技機PY1は、Nリーチの後にLリーチを行うことが可能である。Lリーチは、特図抽選の抽選結果が「大当たり」であった可能性が、SPリーチよりは低いがNリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。なお、Lリーチのリーチ演出の実行時間は、SPリーチのリーチ演出の演出時間よりも短い(
図13および
図14)。よって、Lリーチのリーチ演出では、例えば、SPリーチのリーチ演出よりも短い動画が表示部50aに表示される。なお、Lリーチのリーチ演出の内容は適宜変更可能である。また、Lリーチのリーチ演出の後にSPリーチのリーチ演出が発展的に実行される特図変動パターンを設けてもよい。
【0166】
4-3.保留アイコン表示領域
画像表示装置50の表示部50aには、
図22(A)に示すように、4つの表示領域からなる保留アイコン表示領域50dを設けることが可能である。保留アイコン表示領域50dは、第1表示領域50d1、第2表示領域50d2、第3表示領域50d3および第4表示領域50d4で構成され、特
図1保留数または特
図2保留数に応じて、各表示領域50d1,50d2,50d3,50d4に、保留アイコンHAを表示することが可能である。例えば、特
図1保留数が『1』の場合には、第1表示領域50d1に保留アイコンHAが表示され、特
図1保留数が『2』の場合には、第1表示領域50d1と第2表示領域50d2とに保留アイコンHAが表示される。
【0167】
また、保留アイコン表示領域50dの近傍に、
図22(A)に示すように、1つの表示領域からなる当該アイコン表示領域50eを設けることが可能である。当該アイコン表示領域50eは、特図変動演出が開始されることに応じて、保留アイコンHAと同じ当該アイコンTA(当該保留アイコンTAとも言う)を表示することが可能である。なお、当該アイコンTAとして、保留アイコンHAと異なるアイコンを表示することがあってもよい。
【0168】
なお、保留アイコン表示領域50dを構成する表示領域の数については、適宜に変更することが可能である。また、保留アイコン表示領域50dを、特
図1保留数および特
図2保留数の両方を表示する表示領域とすることも一方だけを表示する表示領域とすることも可能である。また、保留アイコン表示領域50dを設けるが当該アイコン表示領域50eを設けない構成としたり、両者を設けない構成としたりすることも可能である。
【0169】
4-3-1.保留演出
パチンコ遊技機PY1は、遊技球が第1始動口11または第2始動口12に入賞することに応じて、保留演出を行うことが可能である。保留演出は、特
図1保留または特
図2保留の数を遊技者に報知することが可能である。
【0170】
保留演出では、特
図1保留数が『0』のときに遊技球が第1始動口11に入賞すると、特図変動演出が開始され、例えば、
図22(B)に示すように、当該アイコン表示領域50eに当該アイコンTAが表示される。そして、特図変動演出中に更に2個の遊技球が第1始動口11に入賞すると、
図22(C)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1と第2表示領域50d2とに保留アイコンHAが表示され、特
図1保留数が『2』であることが遊技者に報知される。その後、特図変動演出が終了し、新たな特図変動演出が開始されると、
図22(D)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1に表示されていた保留アイコンHAが、当該アイコン表示領域50eに移動して当該アイコンTAとして表示され、保留アイコン表示領域50dの第2表示領域50d2に表示されていた保留アイコンHAが、第1表示領域50d1に移動して表示され、特
図1保留数が『1』であることが遊技者に報知される。
【0171】
4-4.予告演出
パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出中の任意のタイミングで予告演出を行うことが可能である。予告演出は、画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、可動装置55,56,58、入力装置(通常ボタン40、特殊ボタン41)等を用いた演出であり、大当たり判定の結果や特図変動パターン判定の結果を示唆することが可能である。
【0172】
4-4-1.可動体演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、可動装置55,56,58を用いた可動体演出を行うことが可能である。可動体演出は、可動装置55,56,58を作動させる演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
【0173】
可動体演出では、例えば、NリーチからSPリーチに発展する際に、
図23(A)に示すように、盤上可動装置55および盤下可動装置56が作動し、盤上可動体55kと盤下可動体56kとが、表示部50a上に重なるように移動して、SPリーチに発展することが示唆される。このとき、表示部50aの盤上可動体55kおよび盤下可動体56kと重なっていないスペースにはエフェクト画像が表示される。その後、
図23(B)に示すように、盤上可動体55kと盤下可動体56kとが、通常の待機状態(初期位置)に戻ってSPリーチに発展する。この可動体演出は、発展演出の一例である。なお、可動体演出については、SPリーチへの発展示唆に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。また、可動体演出における可動装置の作動内容は、適宜に変更または追加することが可能である。また、可動体演出において作動させる可動装置は、適宜変更可能である。また、演出が発展しない場合(例えばNハズレ変動の場合)に、所謂ガセ演出として、可動体演出を行うようにすることも可能である。可動体演出を、可動体駆動演出とも言う。
【0174】
4-4-2.操作演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、通常ボタン40や特殊ボタン41を用いた操作演出を行うことが可能である。操作演出は、遊技者に通常ボタン40や特殊ボタン41を操作させる演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
【0175】
操作演出では、例えば、SPリーチにおいて、入力装置(特殊ボタン41)の押下操作が有効な期間(操作有効期間)が発生し、この操作有効期間の発生に伴って、
図24(A)に示すように、特殊ボタン41の操作を促す演出(操作促進演出)が行われる。操作促進演出において、表示部50aに、操作促進画像G30が表示される。操作促進画像G30は、特殊ボタン41を模した画像(特殊ボタン画像G31)と、特殊ボタン41の操作方法(すなわち、押下操作)を表す画像(操作方法指示画像G32)と、操作有効期間の残り時間を表す画像(有効期間画像G33)と、を含む。なお、有効期間画像G33は、おおむね曲線状のプログレスバーからなり、時間の経過に伴って、遊技者が操作有効期間の残り時間を容易に理解できるように変化する。その後、操作有効期間において特殊ボタン41が押下操作されることに応じて、または、操作有効期間において特殊ボタン41が操作されることなく操作有効期間が経過した後、
図24(B)に示すように、盤上可動装置55が作動し、盤上可動体55kが表示部50a上に重なるように移動して、大当たり期待度が示唆される。なお、操作演出については、盤上可動装置55の作動に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。また、特殊ボタン41や通常ボタン40といった操作手段(操作部)の操作を促す操作促進演出を、操作指示演出とも言う。
【0176】
4-4-3.先読み演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、特図抽選が行われていない特
図1保留または特
図2保留に対する先読み演出を行うことが可能である。先読み演出は、特
図1保留または特
図2保留に対する特図抽選の抽選結果を事前に示唆するための演出として機能する。
【0177】
先読み演出では、例えば、特
図1保留に対する先読み判定の結果が「大当たり」の場合、
図22(C)に示すように、保留アイコン表示領域50dに通常は「〇」で表示される保留アイコンHAを「☆」で表示することがある。また、先読み判定の結果が「ハズレ」の場合に、所謂ガセ演出として、保留アイコンHAを「☆」で表示することがある。このように、保留アイコンHAや当該アイコンTAを通常態様(本形態では「〇」、通常表示態様ともいう)ではなく特殊態様(本形態では例えば「☆」、特殊表示態様ともいう)で表示する先読み演出を、保留変化演出あるいは保留表示変化演出と言う。また、保留アイコンHAや当該アイコンTAを総称して、保留表示あるいは所定のアイコンと言う。本形態では、保留表示として、保留アイコンHAと当該アイコンTAとを表示するが、保留アイコンHAだけを表示し当該アイコンTAを表示しない構成としてもよい。また、保留変化演出において特殊態様の保留表示を行うタイミングは、その保留表示の契機となる始動入賞の発生時であってもよいし、その保留表示のシフト表示時(保留アイコンHAの表示領域を変更したとき)であってもよいし、その保留表示に対応する特図変動(いわゆる当該変動)の実行中(当該アイコンTAとして表示しているとき)であってもよい。また、保留表示の特殊態様には複数の種類があってもよい。
【0178】
なお、先読み演出は、特
図1保留および特
図2保留の両方または一方に対して行うことが可能である。また、先読み演出は、保留アイコンHAの表示態様の変化に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。保留変化演出以外の先読み演出としては、例えば、所謂連続予告などが挙げられる。
【0179】
5.遊技制御用マイコン101による遊技の制御
次に
図25~
図26に基づいて遊技制御用マイコン101による遊技の制御について説明する。なお、以下において説明する遊技制御用マイコン101による遊技の制御において登場するカウンタ、タイマ、バッファ等は、遊技用RAM104に設けられている。
【0180】
[1.主制御メイン処理]
主制御基板100に備えられた遊技制御用マイコン101は、パチンコ遊技機PY1が電源投入されると、遊技用ROM103から
図25に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず、電源投入時処理(S001)を行う。電源投入時処理では、遊技用RAM104へのアクセスの許可設定、遊技用CPU102の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定等が行われる。
【0181】
また電源投入時処理(S001)では、遊技制御用マイコン101は、RAMクリアスイッチ191への押下操作に基づく信号を入力すると、RAMクリアを実行する。RAMクリアが実行されると、遊技用RAM104に記憶されている遊技情報(例えば高確率状態などの遊技状態の情報、特図保留の数や大当たりの当否判定結果などの情報)が消去される。これにより、遊技状態は通常遊技状態(低確低ベース状態、低確非時短状態)に設定される。但し、RAMクリアが実行されても、総賞球数記憶部107aに記憶されている総賞球数の情報、総発射球数記憶部107bに記憶されている総発射球数の情報、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報は、クリアされない。
【0182】
電源投入時処理に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、
図10(A)および
図10(B)に示した種々の乱数のカウンタ値を1加算して更新する。各乱数のカウンタ値は上限値に達すると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数のカウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数のうちの少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
【0183】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期で遊技用CPU102に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、メイン側タイマ割り込み処理(S005)は4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による種々の乱数のカウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに遊技用CPU102に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
【0184】
[2.メイン側タイマ割り込み処理]
次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。
図26に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず入力処理(S102)を実行する。入力処理(S102)では、遊技制御用マイコン101は、例えば、下皿35の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号を取り込み、下皿満杯データとして遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。
【0185】
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、
図25の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、
図10(A)および
図10(B)に示した各種乱数のカウンタ値の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
【0186】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、遊技制御用マイコン101は、センサ検出処理(S104)を行い、続いて普通動作処理(S105)を行い、さらに特別動作処理(S107)を行う。センサ検出処理、普通動作処理および特別動作処理については後述する。
【0187】
特別動作処理(S107)に次いで、振分装置16Dを制御するための振分装置制御処理(S108)を行う。なお、振分装置16Dを作動させるのは、第2大入賞装置15Dを用いた特別遊技を行う場合である。但し、振分装置16Dを、電源投入から常に一定動作で作動させてもよい。
【0188】
次に、遊技制御用マイコン101は、出力処理(S112)を実行する。出力処理(S112)では、上記の各処理において主制御基板100の遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板120や払出制御基板170等に出力する。
【0189】
その後、遊技制御用マイコン101は、その他の処理(S113)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S113)としては、電源が断たれる際の電源断監視処理、遊技用RAM104に設けられているタイマの更新などが行われる。また、その他の処理(S113)として、遊技者に賞球を払い出す払出制御処理が行われる。払出制御処理では、各入賞口への遊技球の入賞に応じて、賞球要求信号を払出制御基板170に送信する。つまり、払出制御基板170は、賞球要求信号に基づいて、賞球を払い出す。
【0190】
そして、遊技制御用マイコン101は、次に遊技用CPU102に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002~S004の処理を繰り返し実行し(
図25参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)を実行する。
【0191】
[2-1.センサ検出処理]
センサ検出処理(S104)では、一般入賞口センサ処理、ゲートセンサ処理、第2始動口センサ処理、第1始動口センサ処理、第1大入賞口センサ処理、第2大入賞口センサ処理、特定領域センサ処理、排出口センサ処理を順次行う。そして、各処理において生成されたコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
【0192】
一般入賞口センサ処理では、一般入賞口センサ10aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じて、一般入賞口センサ用コマンドを生成する。
【0193】
ゲートセンサ処理では、ゲートセンサ13aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、普通図柄乱数カウンタのカウンタ値が示す普通図柄乱数を取得し、取得した普通図柄乱数を、遊技用RAM104に設けられた普図保留記憶部106に記憶する。なお、普図保留記憶部106に普通図柄乱数が所定数(例えば4個)記憶されている場合には、新たに取得された普通図柄乱数は記憶されない。また、当該処理の結果に応じて、ゲートセンサ用コマンドを生成する。
【0194】
第2始動口センサ処理では、第2始動口センサ12aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、特別図柄乱数カウンタ、図柄種別乱数カウンタ、リーチ乱数カウンタ及び特図変動パターン乱数カウンタからなる特
図2関係乱数を取得し、取得した特
図2関係乱数を、遊技用RAM104に設けられた特
図2保留記憶部105bに記憶する。特
図2保留記憶部105bは、第1領域から第n領域まで(nは2以上の整数、例えば「4」)の複数の記憶領域があり、取得された特
図2関係乱数は、第1領域から順に記憶される。なお、第n領域まで特
図2関係乱数が記憶されている場合には、新たに取得された特
図2関係乱数は記憶されない。また、取得した特
図2関係乱数と第2先読み判定テーブルとを用いて第2先読み判定を行う。また、当該処理の結果に応じて、特
図2保留記憶部105bに記憶されている特
図2関係乱数の数(特
図2保留数)を表す特
図2保留数コマンドおよび第2先読み判定の結果を表す第2始動入賞コマンドを含む第2始動口センサ用コマンドを生成する。
【0195】
第1始動口センサ処理では、第1始動口センサ11aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、特別図柄乱数カウンタ、図柄種別乱数カウンタ、リーチ乱数カウンタ及び特図変動パターン乱数カウンタからなる特
図1関係乱数を取得し、取得した特
図1関係乱数を、遊技用RAM104に設けられた特
図1保留記憶部105aに記憶する。特
図1保留記憶部105aは、第1領域から第n領域まで(nは2以上の整数、例えば「4」)の複数の記憶領域があり、取得された特
図1関係乱数は、第1領域から順に記憶される。なお、第n領域まで特
図1関係乱数が記憶されている場合には、新たに取得した特
図1関係乱数は記憶されない。また、取得した特
図1関係乱数と第1先読み判定テーブルとを用いて第1先読み判定を行う。また、当該処理の結果に応じて、特
図1保留記憶部105aに記憶されている特
図1関係乱数の数(特
図1保留数)を表す特
図1保留数コマンドおよび第1先読み判定の結果を表す第1始動入賞コマンドを含む第1始動口センサ用コマンドを生成する。
【0196】
第1大入賞口センサ処理では、第1大入賞口センサ14aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じた第1大入賞口センサ用コマンドを生成する。
【0197】
第2大入賞口センサ処理では、第2大入賞口センサ15aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じた第2大入賞口センサ用コマンドを生成する。
【0198】
特定領域センサ処理では、特定領域センサ16aによって遊技球が検出されたか否か判定する。また、当該処理の結果に応じて、特定領域センサ用コマンドを生成する。
【0199】
排出口センサ処理では、排出口センサによって遊技球が検出されたか否か判定する。
【0200】
[2-2.普通動作処理]
普通動作処理(S105)では、普通図柄待機処理、普通図柄変動処理、普通図柄確定処理、補助遊技制御処理を順次行う。そして、各処理において生成されたコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
【0201】
普通図柄待機処理は、普図の可変表示および補助遊技が行われていない待機中に行われる処理である。普通図柄待機処理では、普図保留記憶部106に記憶された普通図柄乱数に基づいて当たり判定を行う。また、現在の遊技状態に基づいて普図変動パターン判定を行って普図変動パターンを決定する。そして、当たり判定および普図変動パターンの結果に関する情報を含む普図変動開始コマンドを生成する。それから、決定した普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間に基づいて、普図の可変表示を普図表示器82に開始させる。
【0202】
普通図柄変動処理は、普図の可変表示中に行われる処理である。普通図柄変動処理では、実行中の普図の可変表示が開始してから普図変動時間が経過することに応じて、当たり判定結果に基づいて普図の停止表示を行う。そして、普図の可変表示の終了を示す普図変動停止コマンドを生成する。
【0203】
普通図柄確定処理は、普図が停止表示しているときに行われる処理である。普通図柄確定処理では、実行中の普図の停止表示が開始してから所定の停止時間(例えば、0.8秒)が経過することに応じて、停止表示している普図が当たり図柄であるか否かを判定する。当たり図柄が停止表示していれば、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を開始させ、補助遊技の開始を示す補助遊技開始コマンドを生成する。
【0204】
補助遊技制御処理は、補助遊技が行われているときに行われる処理である。補助遊技制御処理では、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を制御する。また、当該処理の結果に応じて、補助遊技制御用コマンドを生成する。
【0205】
[2-3.特別動作処理]
特別動作処理(S107)では、特別図柄待機処理、特別図柄変動処理、特別図柄確定処理、大当たり遊技制御処理、遊技状態設定処理を順次行う。そして、各処理において生成されたコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
【0206】
[2-3-1.特別図柄待機処理]
特別図柄待機処理は、大当たり遊技状態ではなく、特図の可変表示が行われていない待機中に行われる処理である。特別図柄待機処理では、特
図2保留記憶部105bに記憶されている特
図2関係乱数に基づいて、特
図2判定処理及び特
図2変動パターン判定処理を行うとともに、特
図2保留記憶部シフト処理を行う。また、特
図1保留記憶部105aに記憶されている特
図1関係乱数に基づいて、特
図1判定処理及び特
図1変動パターン判定処理を行うとともに、特
図1保留記憶部シフト処理を行う。
【0207】
特
図2判定処理では、特
図2保留記憶部105bの第1領域に記憶されていた特
図2関係乱数のうちの特別図柄乱数と、現在の遊技状態に応じた大当たり判定テーブルとを用いて、大当たり、または、ハズレの何れであるかを判定する大当たり判定を行う。大当たり判定の結果が大当たりであれば、特
図2関係乱数のうちの図柄種別乱数と、特
図2大当たり図柄種別判定テーブルとを用いて、大当たり図柄の種別を判定する大当たり図柄種別判定を行う。そして、判定された大当たり図柄種別を表す図柄指定コマンドを生成する。また、大当たり判定の結果がハズレであれば、ハズレを表す図柄指定コマンドを生成する。なお、ハズレの種別を複数設け、大当たり判定の結果がハズレであれば、ハズレ図柄の種別を判定するようにしてもよい。この場合、図柄指定コマンドにはハズレ図柄の種別を示す情報を含ませるとよい。
【0208】
特
図2変動パターン判定処理は、特
図2判定処理の後に行われる処理である。特
図2変動パターン判定処理では、特
図2保留記憶部105bの第1領域に記憶されていた特
図2関係乱数のうちの特図変動パターン乱数と、現在の遊技状態に応じた特
図2変動パターン判定テーブルとを用いて、特
図2変動パターンを判定する。大当たり判定の結果がハズレであった場合の特
図2変動パターン判定処理では、リーチ判定がなされ、そのリーチ判定の結果に応じて、特
図2変動パターンが判定される。なお、特
図2変動パターンの判定は、特
図2保留記憶部105bに記憶されている特
図2関係乱数の数(特
図2保留数)にも関連付けられている。そして、判定された特
図2変動パターンを表す特
図2変動開始コマンドを生成する。特
図2変動開始コマンドには、特
図2であることに関する情報、大当たり判定の結果に関する情報、大当たり図柄種別判定の結果に関する情報、リーチ判定の結果に関する情報、特
図2変動パターンに対応付けられた特図変動時間の情報などが含まれる。そして、判定された特
図2変動パターンに対応付けられた特図変動時間に基づいて特
図2表示器81bに特
図2の可変表示を開始させる。
【0209】
特
図2保留記憶部シフト処理は、特
図2判定処理及び特
図2変動パターン判定処理が行われる際に行われる処理である。特
図2保留記憶部シフト処理では、特
図2保留記憶部105bに記憶されていた特
図2関係乱数を第1領域側に一つシフトするとともに、第1領域の特
図2関係乱数を特
図2保留記憶部105bからクリアする。このようにして、特
図2関係乱数は取得された順に消化される。そして、当該処理後の特
図2保留数を表す特
図2保留数コマンドを生成する。
【0210】
特
図1判定処理では、特
図1保留記憶部105aの第1領域に記憶されていた特
図1関係乱数のうちの特別図柄乱数と、現在の遊技状態に応じた大当たり判定テーブルとを用いて、大当たり、または、ハズレの何れであるかを判定する大当たり判定を行う。大当たり判定の結果が大当たりであれば、特
図1関係乱数のうちの図柄種別乱数と、特
図1大当たり図柄種別判定テーブルとを用いて、大当たり図柄の種別を判定する大当たり図柄種別判定を行う。そして、判定された大当たり図柄種別を表す図柄指定コマンドを生成する。また、大当たり判定の結果がハズレであれば、ハズレを表す図柄指定コマンドを生成する。なお、ハズレの種別を複数設け、大当たり判定の結果がハズレであれば、ハズレ図柄の種別を判定するようにしてもよい。この場合、図柄指定コマンドにはハズレ図柄の種別を示す情報を含ませるとよい。
【0211】
特
図1変動パターン判定処理は、特
図1判定処理の後に行われる処理である。特
図1変動パターン判定処理では、特
図1保留記憶部105aの第1領域に記憶されていた特
図1関係乱数のうちの特図変動パターン乱数と、現在の遊技状態に応じた特
図1変動パターン判定テーブルとを用いて、特
図1変動パターンを判定する。大当たり判定の結果がハズレであった場合の特
図1変動パターン判定処理では、リーチ判定がなされ、そのリーチ判定の結果に応じて、特
図1変動パターンが判定される。なお、特
図1変動パターンの判定は、特
図1保留記憶部105aに記憶されている特
図1関係乱数の数(特
図1保留数)にも関連付けられている。そして、判定された特
図1変動パターンを表す特
図1変動開始コマンドを生成する。特
図1変動開始コマンドには、特
図1であることに関する情報、大当たり判定の結果に関する情報、大当たり図柄種別判定の結果に関する情報、リーチ判定の結果に関する情報、特
図1変動パターンに対応付けられた特図変動時間の情報などが含まれる。そして、判定された特
図1変動パターンに対応付けられた特図変動時間に基づいて特
図1表示器81aに特
図1の可変表示を開始させる。
【0212】
特
図1保留記憶部シフト処理は、特
図1判定処理及び特
図1変動パターン判定処理が行われる際に行われる処理である。特
図1保留記憶部シフト処理では、特
図1保留記憶部105aに記憶されていた特
図1関係乱数を第1領域側に一つシフトするとともに、第1領域の特
図1関係乱数を特
図1保留記憶部105aからクリアする。このようにして、特
図1関係乱数は取得された順に消化される。そして、当該処理後の特
図1保留数を表す特
図1保留数コマンドを生成する。
【0213】
なお、特
図2保留数および特
図1保留数の何れも存在する場合、特
図2判定処理が優先して行われ、特
図2の可変表示と特
図1の可変表示とが並行して行われないようになっている。つまり、遊技制御用マイコン101は、特
図2保留がある場合には、特
図1保留があっても特
図1判定処理を行うことはない。なお、特
図2の可変表示と特
図1の可変表示とが入賞順に行われるように構成したり、同時に行われるように構成したりしてもよい。
【0214】
[2-3-2.特別図柄変動処理]
特別図柄変動処理は、特図の可変表示中に行われる処理である。特別図柄変動処理では、特図変動時間が経過することに応じて、特図表示器81に、特図の可変表示を終了させるとともに、大当たり判定の結果に応じた特図を停止表示させる。大当たり判定の結果が大当たりであれば、大当たりを示す大当たり図柄を停止表示させ、大当たり判定の結果がハズレであれば、ハズレを示すハズレ図柄を停止表示させる。そして、特図の可変表示の終了を示す特図変動停止コマンドを生成する。
【0215】
[2-3-3.特別図柄確定処理]
特別図柄確定処理は、特図が停止表示しているときに行われる処理である。特別図柄確定処理では、現在停止表示している特図が大当たり図柄である場合には、大当たり遊技状態に移行させる。そして、大当たり遊技の開始を示すオープニングコマンドを生成する。オープニングコマンドには、大当たり図柄種別判定の結果に関する情報が含まれる。また、現在停止表示している特図がハズレ図柄であり且つ高確率状態を終了させる場合には、通常確率状態を設定する。そして、通常確率状態への移行を示す高確率終了コマンドを生成する。また、現在停止表示している特図がハズレ図柄であり且つ時短状態を終了させる場合には、非時短状態を設定する。そして、非時短状態への移行を示す時短終了コマンドを生成する。なお、現在停止表示している特図がハズレ図柄であり且つ特
図2保留数および特
図1保留数が「0」の場合には、パチンコ遊技機PY1が待機状態であることを示す客待ちコマンドを生成する。
【0216】
[2-3-4.大当たり遊技制御処理]
大当たり遊技制御処理は、大当たり遊技状態において行われる処理である。大当たり遊技制御処理では、大当たり遊技制御テーブルに従って、大当たり遊技を行う。大当たり遊技状態への移行後、オープニング時間または閉鎖時間の経過に応じて、各ラウンド遊技を開始する。そして、ラウンド遊技の開始を示すラウンド遊技コマンドを生成する。また、最終のラウンド遊技を終了させることに応じて、エンディングを開始する。そして、大当たり遊技の終了を示すエンディングコマンドを生成する。エンディングコマンドには、大当たり図柄種別判定の結果に関する情報が含まれる。
【0217】
[2-3-5.遊技状態設定処理]
遊技状態設定処理は、大当たり遊技状態が終了する際に行われる処理である。遊技状態設定処理では、通常確率状態から高確率状態に変更する場合は、大当たり遊技状態の終了の際に高確率状態を設定する。高確率状態の継続期間を制限する場合には、高確率状態の継続期間(例えば、大当たりに当選することなく高確率状態が継続できる特図の可変表示の回数)も併せて設定する。そして、高確率状態の設定を示す高確率設定コマンドを生成する。また、非時短状態から時短状態に変更する場合は、大当たり遊技状態の終了の際に時短状態を設定する。時短状態の継続期間を制限する場合には、時短状態の継続期間(例えば、大当たりに当選することなく時短状態が継続できる特図の可変表示の回数)も併せて設定する。そして、時短状態の設定を示す時短設定コマンドを生成する。
【0218】
なお、遊技制御用マイコン101が各処理において生成するコマンドは、適宜に追加または変更することが可能である。
【0219】
6.演出制御用マイコン121による演出の制御
次に、
図27~
図29に基づいて演出制御用マイコン121による演出の制御について説明する。なお、以下の演出制御用マイコン121による演出の制御の説明において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、バッファ等は、演出用RAM124に設けられている。
【0220】
[1.サブ制御メイン処理]
サブ制御基板120に備えられた演出制御用マイコン121は、パチンコ遊技機PY1が電源投入されると、
図27に示したサブ制御メイン処理のプログラムを演出用ROM123から読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、最初に、電源投入に応じた電源投入時処理を行う(S4001)。電源投入時処理では、例えば、演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
【0221】
次に、割り込みを禁止し(S4002)、乱数更新処理を実行する(S4003)。乱数更新処理(S4003)では、種々の演出に関する判定を行うための種々の演出判定用乱数カウンタの値を更新する。種々の演出についての演出判定用乱数カウンタの更新方法は、一例として、前述の主制御基板100が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板100が行う乱数更新処理においても同様である。
【0222】
乱数更新処理が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4004)。コマンド送信処理では、サブ制御基板120の演出用RAM124内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板140に送信する。コマンドを受信した画像制御基板140は、受信したコマンドに従って、表示部50aに画像を表示する(画像による種々の演出を実行する)。なお、サブ制御基板120は、画像制御基板140によって行われる種々の演出とともに、音声制御回路161を介してスピーカ52から音声を出力させたり(音声による種々の音演出を実行したり)、ランプ制御回路151を介して枠ランプ53、および盤ランプ54を発光させたり(発光による種々の発光演出を実行したり)、可動装置55,56,58を作動させたり(動作による種々の可動体演出を実行したり)する。このようにして、各種の演出(特図変動演出、保留演出、操作演出、先読み演出、その他の予告演出、大当たり遊技演出、客待ち演出、演出モードの制御など)が実現される。
【0223】
演出制御用マイコン121は続いて、割り込みを許可する(S4005)。以降、ステップS4002~ステップS4005をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4010)、1msタイマ割り込み処理(S4011)、および10msタイマ割り込み処理(S4012)の実行が可能となる。
【0224】
受信割り込み処理(S4010)は、主制御基板100から送られた各種のコマンドが演出制御用マイコン121に入力される度に実行される。受信割り込み処理(S4010)では、演出制御用マイコン121は主制御基板100の出力処理(S112)により送信されてきて受信した各種のコマンドを演出用RAM124の受信バッファに格納する。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4011、S4012)に優先して実行される。
【0225】
[2.1msタイマ割り込み処理]
1msタイマ割り込み処理(S4011)は、サブ制御基板120に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。1msタイマ割り込み処理(S4011)では、
図28に示すように、入力処理(S4101)、発光データ出力処理(S4102)、可動装置制御処理(S4103)、ウォッチドッグタイマ処理(S4104)を順次行う。
【0226】
入力処理では、通常ボタン検出スイッチ40aや特殊ボタン検出スイッチ41aなどの遊技者が操作可能な操作部に対する操作を検出し、検出結果に応じてコマンドをセットしたり演出用データを作成したりする。発光データ出力処理では、入力処理や後述する演出データ作成処理等で作成された演出用データに基づいて、画像による演出等に合うタイミングなどで枠ランプ53、および盤ランプ54などのランプを発光させるべく、発光データをランプ制御回路151に出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、発光データに従って枠ランプ53、および盤ランプ54などを所定の発光態様で発光させる。可動装置制御処理では、入力処理や後述する演出データ作成処理等で作成された演出用データに基づいて、所定のタイミングで可動装置55,56,58などの可動装置を動作させる可動体演出を行うべく、駆動データを出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、駆動データに従って、可動装置55,56,58などを所定の動作態様で動作させる可動体演出を行う。ウォッチドッグタイマ処理では、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行う。
【0227】
[3.10msタイマ割り込み処理]
10msタイマ割り込み処理(S4012)は、サブ制御基板120に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。10msタイマ割り込み処理(S4012)では、
図29に示すように、受信コマンド解析処理(S4201)、演出タイマ更新処理(S4202)、音声制御処理(S4203)、演出用データ作成処理(S4204)を順次行う。
【0228】
受信コマンド解析処理では、受信割り込み処理(S4010)によって演出用RAM124の受信バッファに格納されたコマンドを解析し、そのコマンドに応じた処理(例えば演出の選択や演出モードの設定、コマンドのセット等)を行う。演出タイマ更新処理では、各演出に関する時間を計測するためのタイマを更新する。例えば、演出タイマ更新処理では、通常ボタン40や特殊ボタン41といった操作部の操作有効期間の開始タイミングや終了タイミングを計測する。音声制御処理では、入力処理や受信コマンド解析処理の処理結果に基づいて、音声データ(スピーカ52からの音声の出力を制御するデータ)の作成と音声制御回路161への出力が行われる。演出用データ作成処理では、受信コマンド解析処理の処理結果に基づいて、演出用データの作成が行われる。
【0229】
ここで、演出制御用マイコン121が遊技制御用マイコン101からコマンドを受信した場合の処理の一例を説明する。演出制御用マイコン121が受信するコマンドは、特図変動開始コマンド(特
図1変動開始コマンド又は特
図2変動開始コマンド)とする。演出制御用マイコン121は、受信コマンド解析処理(S4201)において、特図変動開始コマンドを受信していると判定した場合、変動開始コマンド受信時処理として、そのコマンドが示す特図変動パターンに基づいて、特図変動演出の演出パターン(サブ変動パターン)を選択し、そのサブ変動パターンの情報をセットするとともに、そのサブ変動パターンの情報を含む変動演出開始コマンドを出力バッファにセットする。例えば、特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンがSP変動(SP大当たり変動やSPハズレ変動)である場合、SPリーチを行うサブ変動パターンを選択し、そのサブ変動パターンに対応する変動演出開始コマンドを出力バッファにセットする。その後、各処理(コマンド送信処理(S4004)、発光データ出力処理(S4102)、可動装置制御処理(S4103)、音声制御処理(S4203)など)が実行されることで、選択したサブ変動パターンに対応する特図変動演出が実現される。なお、このような演出の実現に関する処理の流れは、大当たり遊技演出や客待ち演出、先読み演出、所謂当該変動に伴う予告演出、普通図柄に係る演出などの他の演出についても基本的には同じである。
【0230】
7.第1実施形態のパチンコ遊技機
7-1.第1実施形態の構成
以下、特徴的な構成を有する第1実施形態のパチンコ遊技機PZ1について、上述の基本形態のパチンコ遊技機PY1と異なる箇所を中心に詳細に説明する。第1実施形態のパチンコ遊技機PZ1は、大当たり遊技において第2大入賞口15内の特定領域16に遊技球が通過したことに基づいて大当たり遊技の終了後の遊技状態を高確率状態に制御可能な所謂V確変機である。
【0231】
まず、パチンコ遊技機PZ1が実行可能な大当たり遊技について説明する。パチンコ遊技機PZ1の遊技制御用マイコン101は、特図抽選において大当たり当選と判定した場合、
図30に示す大当たり図柄種別判定テーブルに基づいて大当たり図柄の種別(大当たり図柄1~4)を判定し、大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技(大当たり遊技1~4)を実行可能である。
【0232】
図30に示すように、遊技制御用マイコン101は、特
図1判定処理(第1始動口11への入賞に基づく特図判定処理)における大当たり図柄種別判定では、「大当たり図柄1」又は「大当たり図柄2」の何れかを決定可能である。より詳細には、遊技制御用マイコン101は、「大当たり図柄1」を55%の割合で決定し、「大当たり図柄2」を45%の割合で決定する。また、遊技制御用マイコン101は、特
図2判定処理(第2始動口12への入賞に基づく特図判定処理)における大当たり図柄種別判定では、「大当たり図柄3」又は「大当たり図柄4」の何れかを決定可能である。より詳細には、遊技制御用マイコン101は、「大当たり図柄3」を80%の割合で決定し、「大当たり図柄4」を20%の割合で決定する。
【0233】
そして、遊技制御用マイコン101は、決定した大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技を実行する。具体的には、「大当たり図柄1」が決定された場合に実行される「大当たり遊技1」、および、「大当たり図柄3」が決定された場合に実行される「大当たり遊技3」では、ラウンド遊技が10回行われる。そして、1Rから9Rまでは1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって第1大入賞口14を開放し、10Rでは最大で29.5秒にわたって第2大入賞口15を開放する。
【0234】
また、「大当たり図柄2」が決定された場合に実行される「大当たり遊技2」、および、「大当たり図柄4」が決定された場合に実行される「大当たり遊技4」では、ラウンド遊技が10回行われる。そして、1Rから9Rまでは1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって第1大入賞口14を開放し、10Rでは最大で0.1秒にわたって第2大入賞口15を開放する。なお、大当たり遊技2及び大当たり遊技4の10Rは、大入賞口の開放時間が極めて短く、現実的には大入賞口への入賞が見込めない。つまり、大当たり遊技2及び大当たり遊技4の実質的なラウンド遊技の回数は9回である。
【0235】
従って、実質的なラウンド遊技の回数が10回である「大当たり遊技1」や「大当たり遊技3」は、実質的なラウンド遊技の回数が9回である「大当たり遊技2」や「大当たり遊技4」よりも遊技者に有利な大当たり遊技であると言え、「大当たり遊技1」や「大当たり遊技3」が実行される大当たり遊技状態は、「大当たり遊技2」や「大当たり遊技4」が実行される大当たり遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態と言える。
【0236】
なお、本形態では、第1大入賞口14の開放時間が29.5秒に達する前に第1大入賞口14内に10個の遊技球が入球すると、第1大入賞口14は閉鎖し、第2大入賞口15の開放時間が29.5秒に達する前に第2大入賞口15内に10個の遊技球が入球すると、第2大入賞口15は閉鎖する。また、「大当たり遊技1」、「大当たり遊技2」、「大当たり遊技3」、および「大当たり遊技4」の何れでも、10ラウンド目のラウンド遊技で第2大入賞口15が開放される。「大当たり遊技1」および「大当たり遊技3」では、第2大入賞口15内に所定個数(例えば6個)の遊技球が入球すると、振分部材16kが第1状態から第2状態に変化し、特定領域16への遊技球の通過が許容される。振分部材16kが第2状態になっている時間は遊技球が特定領域16を通過するのに十分な時間(例えば3000ms程度)である。一方、「大当たり遊技2」および「大当たり遊技4」では、振分部材16kが第1状態から第2状態に変化することはなく、特定領域16への遊技球の通過は許容されない。つまり、「大当たり遊技1」および「大当たり遊技3」では、実質的に特定領域16を遊技球が通過することになり、「大当たり遊技2」および「大当たり遊技4」では、実質的に特定領域16を遊技球が通過することはない(
図3参照)。なお、いずれの大当たり遊技においても、10ラウンド目のラウンド遊技において所定個数(例えば1個)の遊技球の入球を契機に、極めて短い時間(例えば1ms程度、特定領域16への通過がほぼ生じない時間)だけ振分部材16kを第2状態に制御するようにしてもよい。
【0237】
次に、遊技制御用マイコン101が制御可能な遊技状態について説明する。遊技制御用マイコン101は、「大当たり遊技1」、「大当たり遊技2」、「大当たり遊技3」、および「大当たり遊技4」の何れの大当たり遊技を実行した場合でも、大当たり遊技後の遊技状態を、時短状態(高ベース状態)に設定する。また、大当たり遊技状態において、特定領域16を遊技球が通過していれば、高確率状態に設定する。上述したように、「大当たり遊技1」および「大当たり遊技3」では、実質的に特定領域16を遊技球が通過するため、「大当たり遊技1」および「大当たり遊技3」の何れかの大当たり遊技が実行される大当たり遊技状態の後には、高確率状態が設定される。一方、「大当たり遊技2」および「大当たり遊技4」では、実質的に特定領域16を遊技球が通過しないため、「大当たり遊技2」および「大当たり遊技4」の何れかの大当たり遊技が実行される大当たり遊技状態の後には、高確率状態が設定されない(通常確率状態が設定される)。
【0238】
つまり、遊技制御用マイコン101は、「大当たり遊技1」又は「大当たり遊技3」の後は、高確率高ベース遊技状態(高確率状態且つ時短状態)に制御し、「大当たり遊技2」又は「大当たり遊技4」の後は、低確率高ベース遊技状態(通常確率状態且つ時短状態)に制御する。なお、本形態では、「高確率高ベース遊技状態」は、次回の大当たり遊技が実行されるまで継続可能とする。一方、「低確率高ベース遊技状態」は、特図の可変表示の回数が100回(所定の上限実行回数)となるまで継続可能とする。
【0239】
従って、その後に高確率状態が設定される予定の「大当たり遊技1」又は「大当たり遊技3」は、その後に高確率状態が設定されない予定の「大当たり遊技2」又は「大当たり遊技4」よりも遊技者に有利な大当たり遊技であると言える。また、「大当たり遊技1」又は「大当たり遊技3」が実行される大当たり遊技状態は、「大当たり遊技2」又は「大当たり遊技4」が実行される大当たり遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態と言える。
【0240】
なお、大当たり遊技状態は、大当たり図柄の種類を問わず、通常遊技状態よりも有利な遊技状態と言える。また、高確率状態の1つである「高確率高ベース遊技状態」は、通常確率状態の1つである「低確率高ベース遊技状態」よりも遊技者に有利な遊技状態と言える。本明細書では、遊技者に有利な遊技状態を有利遊技状態あるいは有利状態とも言う。
【0241】
次に、高確率高ベース遊技状態における特
図2に係る特図変動パターン判定について説明する。遊技制御用マイコン101は、高確率高ベース遊技状態における特
図2に係る特図変動パターン判定では、
図31に示す特
図2変動パターン判定テーブルを用いて特
図2変動パターンを判定する。
【0242】
遊技制御用マイコン101は、高確率高ベース遊技状態に設定しているときの特
図2変動パターン判定処理において、特
図2判定処理で行った大当たり判定の結果、大当たり図柄種別判定の結果、リーチ判定の結果、および特図変動パターン乱数に基づいて、特
図2変動パターンを決定する。より詳細には、遊技制御用マイコン101は、
図31に示すように、大当たり判定の結果が「大当たり」である場合、大当たり図柄種別判定の結果が「大当たり図柄3」であれば、特
図2変動パターンとして、「THP001」を55%の割合で選択し、「THP002」を35%の割合で選択し、「THP003」を10%の割合で選択する。
【0243】
また遊技制御用マイコン101は、大当たり判定の結果が「大当たり」である場合、大当たり図柄種別判定の結果が「大当たり図柄4」であれば、特
図2変動パターンとして、「THP004」を15%の割合で選択し、「THP005」を85%の割合で選択する。
【0244】
また遊技制御用マイコン101は、大当たり判定の結果が「大当たり」でない場合であって、リーチ判定の結果が「リーチ有り」である場合、特
図2変動パターンとして、「THP011」を10%の割合で選択し、「THP012」を15%の割合で選択し、「THP013」を20%の割合で選択し、「THP014」を35%の割合で選択し、「THP015」を20%の割合で選択する。
【0245】
また遊技制御用マイコン101は、大当たり判定の結果が「大当たり」でない場合であって、リーチ判定の結果が「リーチ無し」である場合、特
図2変動パターンとして、「THP021」、「THP022」の2種類の何れかを決定することが可能である。これらの特
図2変動パターンのうち何れに決定するかは、特
図2保留数によって割り振られている。
【0246】
特
図2保留数が「0」~「1」の場合には、変動時間が13000msである「THP021」を95%の割合で選択し、変動時間が4000msである「THP022」を5%の割合で選択する。また、特
図2保留数が「2」~「4」の場合には、変動時間が13000msである「THP021」を20%の割合で選択し、変動時間が4000msである「THP022」を80%の割合で選択する。つまり、大当たり判定の結果が「ハズレ」であってリーチ判定の結果が「リーチ無し」である場合には、特
図2保留数が少ない方が、変動時間の長い変動パターンが選択され易くなっている。
【0247】
なお、各特図変動パターンの振分率は適宜変更可能である。また、特図変動パターンの種類についても、遊技に支障をきたさない範囲で、適宜増減可能である。
【0248】
ここで、特
図2変動パターン「THP001」~「THP005」は何れも、SPリーチとしてバトルリーチ(味方キャラクタと敵キャラクタとがバトルを行うリーチ演出)を行う「大当たり変動」である。このうち「THP001」は、リーチ図柄(リーチを形成する演出図柄)を後述の味方図柄(味方キャラクタが描かれた台座部DGMを含む奇数の演出図柄、
図33参照)とする「バトル攻撃大当たり変動」であり、「THP002」は、リーチ図柄を後述の通常敵図柄(通常の敵キャラクタが描かれた台座部DGTを含む偶数の演出図柄)とする「バトル防戦/カウンタ大当たり変動」であり、「THP003」は、リーチ図柄を後述の強敵図柄(通常の敵キャラクタよりも強い強敵キャラクタが描かれた台座部DGKを含む偶数の演出図柄)とする「バトル防戦/カウンタ大当たり変動」である。
【0249】
これらの特
図2変動パターンは、所謂確変大当たり(大当たり図柄3)に当選した場合に選択される。これらの特
図2変動パターンが遊技制御用マイコン101により選択された場合には、演出制御用マイコン121は、変動演出における演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の最終的な停止態様(最終停止態様)を味方図柄のゾロ目とする。この味方図柄のゾロ目は、確変大当たり当選の報知として機能する。なお、各特図変動パターンにおける変動演出の演出フローについては後述する。
【0250】
また、「THP004」は、リーチ図柄を通常敵図柄とする「バトル防戦大当たり変動」であり、「THP005」は、リーチ図柄を強敵図柄とする「バトル防戦大当たり変動」である。
【0251】
これらの特
図2変動パターンは、所謂通常大当たり(大当たり図柄4)に当選した場合に選択される。これらの特
図2変動パターンが遊技制御用マイコン101により選択された場合には、演出制御用マイコン121は、変動演出における演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の最終的な停止態様を敵図柄(通常敵図柄、強敵図柄)のゾロ目とする。この敵図柄のゾロ目は、通常大当たり当選の報知として機能する。
【0252】
また、特
図2変動パターン「THP011」~「THP015」は何れも、SPリーチとしてバトルリーチを行う「ハズレ変動」である。このうち「THP011」は、リーチ図柄を味方図柄とする「バトル攻撃ハズレ変動」であり、「THP012」は、リーチ図柄を通常敵図柄とする「バトル防戦/カウンタハズレ変動」であり、「THP013」は、リーチ図柄を強敵図柄とする「バトル防戦/カウンタハズレ変動」であり、「THP014」は、リーチ図柄を通常敵図柄とする「バトル防戦ハズレ変動」であり、「THP015」は、リーチ図柄を強敵図柄とする「バトル防戦ハズレ変動」である。
【0253】
これらの特
図2変動パターンが遊技制御用マイコン101により選択された場合には、演出制御用マイコン121は、変動演出における演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の最終的な停止態様をリーチハズレ目とする。
【0254】
また、特
図2変動パターン「THP021」は「通常Aハズレ変動」であり、特
図2変動パターン「THP022」は「通常Bハズレ変動」である。これらの特
図2変動パターンは、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチにならない(リーチ演出が実行されない)特図変動パターンである。これらの特
図2変動パターンが遊技制御用マイコン101により選択された場合には、演出制御用マイコン121は、変動演出における演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の最終的な停止態様を非リーチハズレ目とする。
【0255】
次に、バトルリーチを伴う各特図変動パターン(THP001~005、THP011~015)における変動演出の演出フローについて説明する。バトル攻撃変動(バトル攻撃大当たり変動、バトル攻撃ハズレ変動)では、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が変動表示を開始された後、味方図柄でリーチが形成され、味方キャラクタが通常の敵キャラクタ(通常敵キャラクタ)に先制攻撃をしかけて当落分岐を迎えるバトルリーチ演出が行われる。
【0256】
また、リーチ図柄を通常敵図柄とするバトル防戦/カウンタ変動(バトル防戦/カウンタ大当たり変動、バトル防戦/カウンタハズレ変動)では、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が変動表示を開始された後、通常敵図柄でリーチが形成され、通常敵キャラクタが味方キャラクタに攻撃をしかけるが、味方キャラクタがこの攻撃をかわして通常敵キャラクタにカウンタ攻撃をしかけて当落分岐を迎えるバトルリーチ演出が行われる。
【0257】
また、リーチ図柄を強敵図柄とするバトル防戦/カウンタ変動(バトル防戦/カウンタ大当たり変動、バトル防戦/カウンタハズレ変動)では、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が変動表示を開始された後、強敵図柄でリーチが形成され、強敵キャラクタが味方キャラクタに攻撃をしかけるが、味方キャラクタがこの攻撃をかわして強敵キャラクタにカウンタ攻撃をしかけて当落分岐を迎えるバトルリーチ演出が行われる。
【0258】
また、リーチ図柄を通常敵図柄とするバトル防戦変動(バトル防戦大当たり変動、バトル防戦ハズレ変動)では、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が変動表示を開始された後、通常敵図柄でリーチが形成され、通常敵キャラクタが味方キャラクタに攻撃をしかけて当落分岐を迎えるバトルリーチ演出が行われる。なお、このバトル防戦変動では、味方キャラクタによるカウンタ攻撃はなされない。
【0259】
また、リーチ図柄を強敵図柄とするバトル防戦変動(バトル防戦大当たり変動、バトル防戦ハズレ変動)では、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が変動表示を開始された後、強敵図柄でリーチが形成され、強敵キャラクタが味方キャラクタに攻撃をしかけて当落分岐を迎えるバトルリーチ演出が行われる。なお、このバトル防戦変動では、味方キャラクタによるカウンタ攻撃はなされない。
【0260】
このように本形態では、味方図柄でリーチが形成された場合には(THP001、THP011)、味方キャラクタが通常敵キャラクタとバトルを行うバトルリーチに発展して、そのバトルリーチでは味方キャラクタが先制攻撃を行う。また、通常敵図柄でリーチが形成された場合には(THP002、THP012、THP004、THP014)、味方キャラクタが通常敵キャラクタとバトルを行うバトルリーチに発展して、そのバトルリーチでは通常敵キャラクタが味方キャラクタに攻撃をしかけてくる。また、強敵図柄でリーチが形成された場合には(THP003、THP013、THP005、THP015)、味方キャラクタが強敵キャラクタとバトルを行うバトルリーチに発展して、そのバトルリーチでは強敵キャラクタが味方キャラクタに攻撃をしかけてくる。
【0261】
ここで、バトルリーチを伴う各特図変動パターンは
図31に示す振分率に従って選択される。詳細には、バトル攻撃大当たり変動は、大当たり図柄3(確変大当たり)に当選した場合にバトル防戦/カウンタ大当たり変動よりも高い割合で選択される。また、バトル攻撃ハズレ変動は、リーチ有りハズレの場合に10%と他の特図変動パターンに比して低い選択率で選択される。従って、バトル攻撃変動(味方図柄をリーチ図柄とする変動)は、確変大当たりの期待度が高い演出として機能する。
【0262】
また、リーチ図柄を強敵図柄とする特図変動パターンは、リーチ図柄を通常敵図柄とする特図変動パターンと比べて、大当たり図柄4(通常大当たり)に当選している場合に極めて選択され易く、大当たり図柄3(確変図柄)に当選している場合には選択され難く、また、リーチ有りハズレの場合にも選択され難い。よって、リーチ図柄を強敵図柄とする変動演出(低成立演出の一例)は、通常大当たりの期待度が高い演出(通常大当たりに当選して高確率状態が継続しないことを予感させる演出)や、確変大当たりの期待度が低い演出として機能する。なお本形態では、高確高ベース状態において遊技者は、次の大当たり遊技の後も高確率状態が続いてほしいと思って遊技しているため、大当たり図柄4(通常大当たり)に当選することは遊技者にとって不利であり好ましくない。そのため、敵図柄をリーチ図柄とする変動演出が行われた場合、遊技者は、味方キャラクタのカウンタ攻撃が行われることに期待し、また、味方キャラクタのカウンタ攻撃がなされなければ、ハズレを示す態様で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が最終的に停止表示されること(大当たり図柄4に当選しておらずハズレであること)に期待して遊技を進める。しかし、強敵図柄でリーチが形成された場合には、味方キャラクタのカウンタ攻撃の可能性も、カウンタ攻撃がなされたかった場合のハズレの可能性も、通常敵図柄でリーチが形成された場合よりも低くなっているため、遊技者は大当たり図柄4に当選していないことを願って緊張感をもって遊技を進めることとなる。
【0263】
一方、通常敵図柄でリーチが形成された場合には、強敵図柄でリーチが形成された場合と比べて、大当たり図柄4(通常大当たり)に当選している可能性が非常に低く、大当たり図柄3(確変図柄)に当選している可能性が高く、また、リーチ有りハズレの可能性も高い。よって、リーチ図柄を通常敵図柄とする変動演出(高成立演出の一例)は、確変大当たりの当選に十分期待できる演出として機能する。
【0264】
次に、パチンコ遊技機PZ1における演出図柄EZ1,EZ2,EZ3について詳細に説明する。パチンコ遊技機PZ1は、演出モードに応じたデザインの演出図柄(装飾図柄)を表示部50aに表示する。ここでは、確変演出モード(高確高ベース状態において設定される演出モードであって、
図18(B-4)に示す宇宙を表す背景画像である確変用背景画像G105を表示部50aに表示する演出モード)である場合の演出図柄について説明する。本形態では、確変演出モードには、第1確変演出モード(特定演出モードの一例)と、第2確変演出モード(非特定演出モードの一例)とがある。
【0265】
パチンコ遊技機PZ1において、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、右演出図柄EZ3のそれぞれには、1図柄~8図柄までの8つの演出図柄が含まれている。このうち奇数図柄(1図柄、3図柄、5図柄、7図柄)は、味方キャラクタが描かれた味方図柄であり、偶数図柄(2図柄、4図柄、6図柄、8図柄)は、敵キャラクタ(通常敵キャラクタ、強敵キャラクタ)が描かれた敵図柄(通常敵図柄、強敵図柄)である。
図32に示すように、強敵図柄(特定装飾図柄の一例)の数は、第1確変演出モードであるか第2確変演出モードであるかによって異なっている。
図32(A)に示すように、第1確変演出モードでは、敵図柄のうち、2図柄、4図柄、及び6図柄の3つの図柄が通常敵図柄であり、8図柄だけが強敵図柄である。これに対して、
図32(B)に示すように、第2確変演出モードでは、2図柄だけが通常敵図柄であり、4図柄、6図柄、8図柄の3つの図柄が強敵図柄である。つまり、第2確変演出モードは、第1確変演出モードに比べて、強敵図柄の数が多い演出モードである。
【0266】
各演出図柄(1図柄、2図柄、3図柄、4図柄、5図柄、6図柄、7図柄、8図柄)は、キャラクタが描かれた台座部DGと数字を表す数字部SGとを含んでいる。具体的には例えば、
図33に示すように、「1図柄」であれば、楕円形状の台座であって前面に味方キャラクタ(パチンコ遊技機PZ1のモチーフとなっている作品の主人公キャラクタ)が描かれた台座部DGMと、数字の1を表す数字部SG1とを含んでいる。
図33は、第1確変演出モードにおける各種の演出図柄を示す図である。3図柄、5図柄、及び、7図柄の各図柄は、1図柄と同様、味方キャラクタが描かれた楕円形状の台座部DGMの左下部前方に、各図柄に応じた数字を表す数字部SG(3を表すSG3、5を表すSG5、7を表すSG7)を重ねたデザインとなっている。
【0267】
また、第1確変演出モードでは、2図柄、4図柄、及び、6図柄の3つの図柄が、通常敵図柄である。これらの各図柄は、通常敵キャラクタ(本形態では馬をモチーフとした敵キャラクタ)が描かれた楕円形状の台座部DGTの左下部前方に、各図柄に応じた数字を表す数字部SG(2を表すSG2、4を表すSG4、6を表すSG6)を重ねたデザインとなっている。
【0268】
また、第1確変演出モードでは、8図柄だけが強敵図柄である。この8図柄は、強敵キャラクタ(本形態では敵側のリーダーである敵キャラクタ)が描かれた楕円形状の台座部DGKの左下部前方に、8を表す数字部SG8を重ねたデザインとなっている。
【0269】
一方で、
図34に示すように、第2確変演出モードでは、4図柄と6図柄が、8図柄と同様、強敵図柄(強敵キャラクタが描かれた台座部DGKを含む演出図柄)となり、2図柄だけが、通常敵図柄(通常敵キャラクタが描かれた台座部DGTを含む演出図柄)となる。すなわち、第2確変演出モードでは、第1確変演出モードよりも、強敵図柄の数が増え、その分だけ通常敵図柄の数が減る。このため、第2確変演出モードでは、第1確変演出モードよりも確変大当たりを引き当て難い印象(言い換えれば、高確率状態が継続し難い印象)を遊技者に抱かせ易くなっている。なお、味方図柄の数は、第2確変演出モードと第1確変演出モードとで変わらない。
【0270】
なお本形態では、第1確変演出モードに設定するか第2確変演出モードに設定するかは、大当たり遊技を終了させて高確高ベース状態に移行させる際に、演出制御用マイコン121が抽選にて決定するものとする(例えば70%の割合で第1確変演出モードに設定し、30%の割合で第2確変演出モードに設定する等)。ちなみに、大当たり遊技を終了させて高確高ベース状態に移行させる際に、発生している特
図2保留の中に、通常大当たりに当選していると判定される予定の通常大当たり保留が含まれていないかを判定し(大当たり遊技中の先読み判定)、通常大当たり保留が含まれていなければ比較的高い割合(例えば80%の割合)で第1確変演出モードに設定し、残りの割合で第2確変演出モードに設定する一方、通常大当たり保留が含まれていれば比較的高い割合(例えば80%の割合)で第2確変演出モードに設定し、残りの割合で第1確変演出モードに設定するように構成してもよい。このように構成すれば、第2確変演出モードを実質的に高確率状態が継続し難い演出モードとして機能させることが可能となり、興趣向上が見込める。
【0271】
次に、高確高ベース状態における演出制御用マイコン121によるリーチ図柄(リーチを形成する図柄)の決定抽選について説明する。リーチ図柄の決定抽選は、第1確変演出モードに設定されている場合、
図35(A)に示すリーチ図柄決定テーブルに基づいて行われ、第2確変演出モードに設定されている場合、
図35(B)に示すリーチ図柄決定テーブルに基づいて行われる。
【0272】
具体的には、第1確変演出モードに設定されている場合、
図35(A)に示すように、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンがTHP001(リーチ図柄を味方図柄とするバトル攻撃大当たり変動)であれば、1図柄、3図柄、5図柄の各図柄をそれぞれ20%の割合で選択し、7図柄を40%の割合で選択する。これに対して、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンがTHP011(リーチ図柄を味方図柄とするバトル攻撃ハズレ変動)であれば、1図柄、3図柄、5図柄の各図柄をそれぞれ30%の割合で選択し、7図柄を10%の割合で選択する。このように7図柄のリーチは、大当たり変動で発生し易くハズレ変動で発生し難いため、7図柄のリーチは、1図柄、3図柄、あるいは5図柄のリーチに比べて、大当たりに当選している期待度(大当たり当選期待度)が高い演出として機能する。
【0273】
また、第1確変演出モードに設定されている場合、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンがTHP002(リーチ図柄を通常敵図柄とするバトル防戦/カウンタ大当たり変動)であれば、2図柄を34%の割合で選択し、4図柄及び6図柄をそれぞれ33%の割合で選択する。また同様に、遊技制御用マイコン101から受信した特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンがTHP012(リーチ図柄を通常敵図柄とするバトル防戦/カウンタハズレ変動)である場合も、2図柄を34%の割合で選択し、4図柄及び6図柄をそれぞれ33%の割合で選択する。つまり、リーチ図柄を通常敵図柄とするバトル防戦/カウンタ変動では、大当たりである場合もハズレである場合も、3種類の通常敵図柄をほぼ同じ割合でリーチ図柄として選択する。
【0274】
また、第1確変演出モードに設定されている場合、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンがTHP004(リーチ図柄を通常敵図柄とするバトル防戦大当たり変動)であれば、2図柄を34%の割合で選択し、4図柄及び6図柄をそれぞれ33%の割合で選択する。また同様に、遊技制御用マイコン101から受信した特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンがTHP014(リーチ図柄を通常敵図柄とするバトル防戦ハズレ変動)である場合も、2図柄を34%の割合で選択し、4図柄及び6図柄をそれぞれ33%の割合で選択する。つまり、リーチ図柄を通常敵図柄とするバトル防戦変動では、大当たりである場合もハズレである場合も、3種類の通常敵図柄をほぼ同じ割合でリーチ図柄として選択する。従って、第1確変演出モードにおいて通常敵図柄でリーチが形成された場合の大当たり期待度やバトルリーチにおけるカウンタ攻撃の発生期待度は、2図柄でのリーチ、4図柄でのリーチ、6図柄でのリーチの何れであっても概ね同じと言える。なお、通常敵図柄の種類に応じて、大当たり期待度やカウンタ攻撃の発生期待度が異なる構成とすることで、遊技興趣を高めるようにしてもよい。
【0275】
また、第1確変演出モードに設定されている場合、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンがTHP003(リーチ図柄を強敵図柄とするバトル防戦/カウンタ大当たり変動)であれば、8図柄を100%の割合で選択する。また同様に、遊技制御用マイコン101から受信した特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンがTHP013(リーチ図柄を強敵図柄とするバトル防戦/カウンタハズレ変動)である場合も、8図柄を100%の割合で選択する。また同様に、遊技制御用マイコン101から受信した特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンがTHP005(リーチ図柄を強敵図柄とするバトル防戦大当たり変動)である場合も、8図柄を100%の割合で選択する。また同様に、遊技制御用マイコン101から受信した特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンがTHP015(リーチ図柄を強敵図柄とするバトル防戦ハズレ変動)である場合も、8図柄を100%の割合で選択する。つまり、リーチ図柄を強敵図柄とするバトル防戦/カウンタ変動やバトル防戦変動では8図柄を必ず選択する。
【0276】
また、第2確変演出モードに設定されている場合、
図35(B)に示すように、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンがTHP001(リーチ図柄を味方図柄とするバトル攻撃大当たり変動)であれば、第1確変演出モードであるときと同様に、1図柄、3図柄、5図柄の各図柄をそれぞれ20%の割合で選択し、7図柄を40%の割合で選択する。これに対して、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンがTHP011(リーチ図柄を味方図柄とするバトル攻撃ハズレ変動)であれば、第1確変演出モードであるときと同様に、1図柄、3図柄、5図柄の各図柄をそれぞれ30%の割合で選択し、7図柄を10%の割合で選択する。このように7図柄のリーチは、大当たり変動で発生し易くハズレ変動で発生し難いため、7図柄のリーチは、1図柄、3図柄、あるいは5図柄のリーチに比べて、大当たりに当選している期待度(大当たり当選期待度)が高い演出として機能する。
【0277】
また、第2確変演出モードに設定されている場合、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンがTHP002(リーチ図柄を通常敵図柄とするバトル防戦/カウンタ大当たり変動)であれば、2図柄を100%の割合で選択する。また同様に、遊技制御用マイコン101から受信した特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンがTHP012(リーチ図柄を通常敵図柄とするバトル防戦/カウンタハズレ変動)である場合も、2図柄を100%の割合で選択する。また同様に、遊技制御用マイコン101から受信した特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンがTHP004(リーチ図柄を通常敵図柄とするバトル防戦大当たり変動)である場合も、2図柄を100%の割合で選択する。また同様に、遊技制御用マイコン101から受信した特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンがTHP014(リーチ図柄を通常敵図柄とするバトル防戦ハズレ変動)である場合も、2図柄を100%の割合で選択する。つまり、リーチ図柄を通常敵図柄とするバトル防戦/カウンタ変動やバトル防戦変動では2図柄を必ず選択する。
【0278】
また、第2確変演出モードに設定されている場合、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンがTHP003(リーチ図柄を強敵図柄とするバトル防戦/カウンタ大当たり変動)であれば、4図柄及び6図柄をそれぞれ33%の割合で選択し、8図柄を34%の割合で選択する。また同様に、遊技制御用マイコン101から受信した特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンがTHP013(リーチ図柄を強敵図柄とするバトル防戦/カウンタハズレ変動)である場合も、4図柄及び6図柄をそれぞれ33%の割合で選択し、8図柄を34%の割合で選択する。つまり、リーチ図柄を強敵図柄とするバトル防戦/カウンタ変動では、大当たりである場合もハズレである場合も、3種類の強敵図柄をほぼ同じ割合でリーチ図柄として選択する。
【0279】
また、第2確変演出モードに設定されている場合、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンがTHP005(リーチ図柄を強敵図柄とするバトル防戦大当たり変動)であれば、4図柄及び6図柄をそれぞれ33%の割合で選択し、8図柄を34%の割合で選択する。また同様に、遊技制御用マイコン101から受信した特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンがTHP015(リーチ図柄を強敵図柄とするバトル防戦ハズレ変動)である場合も、4図柄及び6図柄をそれぞれ33%の割合で選択し、8図柄を34%の割合で選択する。つまり、リーチ図柄を強敵図柄とするバトル防戦変動では、大当たりである場合もハズレである場合も、3種類の強敵図柄をほぼ同じ割合でリーチ図柄として選択する。従って、第2確変演出モードにおいて強敵図柄でリーチが形成された場合の大当たり期待度やバトルリーチにおけるカウンタ攻撃の発生期待度は、4図柄でのリーチ、6図柄でのリーチ、8図柄でのリーチの何れであっても概ね同じと言える。なお、強敵図柄の種類に応じて、大当たり期待度やカウンタ攻撃の発生期待度が異なる構成とすることで、遊技興趣を高めるようにしてもよい。
【0280】
次に、高確高ベース状態において第2始動口12への入賞が生じた場合の先読み演出(先読み判定の結果に基づいて行われる演出)について説明する。パチンコ遊技機PZ1は、高確高ベース状態における先読み演出として、背景画像を確変用背景画像G105(宇宙背景の画像)から、チャンス背景画像(森背景画像G70、
図44(B)参照)に変更するチャンスゾーン演出を実行可能である。チャンスゾーン演出(所定の先読み演出の一例)は、ターゲット保留(先読み演出の実行契機となった特図保留)よりも先に記憶された特図保留に基づく変動からターゲット保留に基づく変動までの複数変動にわたって実行され得る演出である。
【0281】
高確高ベース状態において第2始動口12への入賞が生じた場合、遊技制御用マイコン101は、
図36に示す特
図2先読み判定テーブルに基づいて、始動入賞コマンドを特定する。
図36に示すように、遊技制御用マイコン101は、先読み判定として大当たり図柄3(確変大当たり)に当選予定であって、リーチ図柄を味方図柄とするバトル攻撃大当たり変動を選択予定であると判定した場合、始動入賞コマンドとしてコマンド001を選択する。また、先読み判定として大当たり図柄3(確変大当たり)に当選予定であって、リーチ図柄を通常敵図柄とするバトル防戦/カウンタ大当たり変動を選択予定であると判定した場合、始動入賞コマンドとしてコマンド002を選択する。また、先読み判定として大当たり図柄3(確変大当たり)に当選予定であって、リーチ図柄を強敵図柄とするバトル防戦/カウンタ大当たり変動を選択予定であると判定した場合、始動入賞コマンドとしてコマンド003を選択する。また、先読み判定として大当たり図柄4(通常大当たり)に当選予定であって、リーチ図柄を通常敵図柄とするバトル防戦大当たり変動を選択予定であると判定した場合、始動入賞コマンドとしてコマンド004を選択する。また、先読み判定として大当たり図柄4(通常大当たり)に当選予定であって、リーチ図柄を強敵図柄とするバトル防戦大当たり変動を選択予定であると判定した場合、始動入賞コマンドとしてコマンド005を選択する。
【0282】
また遊技制御用マイコン101は、先読み判定としてリーチ有りハズレの予定であって、リーチ図柄を味方図柄とするバトル攻撃ハズレ変動を選択予定であると判定した場合、始動入賞コマンドとしてコマンド011を選択する。また、先読み判定としてリーチ有りハズレの予定であって、リーチ図柄を通常敵図柄とするバトル防戦/カウンタハズレ変動を選択予定であると判定した場合、始動入賞コマンドとしてコマンド012を選択する。また、先読み判定としてリーチ有りハズレの予定であって、リーチ図柄を強敵図柄とするバトル防戦/カウンタハズレ変動を選択予定であると判定した場合、始動入賞コマンドとしてコマンド013を選択する。また、先読み判定としてリーチ有りハズレの予定であって、リーチ図柄を通常敵図柄とするバトル防戦ハズレ変動を選択予定であると判定した場合、始動入賞コマンドとしてコマンド014を選択する。また、先読み判定としてリーチ有りハズレの予定であって、リーチ図柄を強敵図柄とするバトル防戦ハズレ変動を選択予定であると判定した場合、始動入賞コマンドとしてコマンド015を選択する。また、先読み判定としてリーチ無しハズレの予定であると判定した場合、始動入賞コマンドとしてコマンド021を選択する。このように始動入賞コマンドには、大当たり図柄の種別の情報や特図変動パターンの情報が含まれている。
【0283】
高確高ベース状態において、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から始動入賞コマンドを受信すると、
図37に示すチャンスゾーン演出の抽選テーブルに基づいて、チャンスゾーン演出の実行抽選を行う。具体的には、
図37に示すように、演出制御用マイコン121は、受信した始動入賞コマンドがコマンド001(リーチ図柄を味方図柄とするバトル攻撃大当たり変動の実行予定を示すコマンド)であれば、50%の割合でチャンスゾーン演出を実行することに決定し、50%の割合で実行しないことに決定する。
【0284】
また演出制御用マイコン121は、受信した始動入賞コマンドがコマンド002(リーチ図柄を通常敵図柄とするバトル防戦/カウンタ大当たり変動の実行予定を示すコマンド)であれば、40%の割合でチャンスゾーン演出を実行することに決定し、60%の割合で実行しないことに決定する。また演出制御用マイコン121は、受信した始動入賞コマンドがコマンド004(リーチ図柄を通常敵図柄とするバトル防戦大当たり変動の実行予定を示すコマンド)であれば、5%の割合でチャンスゾーン演出を実行することに決定し、95%の割合で実行しないことに決定する。
【0285】
また演出制御用マイコン121は、受信した始動入賞コマンドがコマンド011(リーチ図柄を味方図柄とするバトル攻撃ハズレ変動の実行予定を示すコマンド)、コマンド012(リーチ図柄を通常敵図柄とするバトル防戦/カウンタハズレ変動の実行予定を示すコマンド)、又は、コマンド014(リーチ図柄を通常敵図柄とするバトル防戦ハズレ変動の実行予定を示すコマンド)の何れかであれば、20%の割合でチャンスゾーン演出を実行することに決定し、80%の割合で実行しないことに決定する。また演出制御用マイコン121は、受信した始動入賞コマンドがコマンド021(通常ハズレ変動の実行予定を示すコマンド)であれば、0.5%の割合でチャンスゾーン演出を実行することに決定し、99.5%の割合で実行しないことに決定する。
【0286】
また演出制御用マイコン121は、受信した始動入賞コマンドが、リーチ図柄を強敵図柄とする変動の実行予定を示すコマンド(すなわちコマンド003、コマンド005、コマンド013、コマンド015)である場合、チャンスゾーン演出の実行抽選を行わず、チャンスゾーン演出を実行することがない。言い換えれば本形態では、リーチ図柄を強敵図柄とする変動を実行する予定の特図保留をターゲット保留としてチャンスゾーン演出が実行されることは、禁止されている。
【0287】
以上のように本形態ではチャンスゾーン演出の実行抽選がなされる。よって本形態では、チャンスゾーン演出は、ターゲット保留に基づく変動で大当たり当選が報知される期待度が高いことを示唆する演出として機能し(
図37)、特に、確変大当たり(大当たり図柄3)に当選している期待度が高いことを示唆する演出として機能する。また本形態では、強敵図柄でリーチが形成されると、通常大当たり(大当たり図柄4)に当選している可能性が高くなっているところ(
図31参照)、強敵図柄でリーチが形成される予定の特図保留をターゲット保留としてチャンスゾーン演出が実行されることがないため、チャンスゾーン演出が実行されて大当たり当選への期待感を強められていたのに、強敵図柄でリーチが形成されてしまって、遊技者に不利な通常大当たりに当選しているのではないかと落胆するといった事態の発生が防止されている。
【0288】
なおチャンスゾーン演出の実行割合は演出の効果を低下させない範囲で適宜変更可能である。例えば、本形態では通常ハズレ変動を実行する予定の特図保留であっても極めて低い確率でチャンスゾーン演出のターゲット保留となり得る構成としたが、チャンスゾーン演出が実行された場合には必ずバトルリーチが実行される構成としてもよい。
【0289】
次に、バトルリーチ及びチャンスゾーン演出の実行例について説明する。
【0290】
<バトルリーチ>高確高ベース状態において演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンがTHP001あるいはTHP011であった場合、すなわち、バトル攻撃変動を行う場合、
図38(A)(B)に示すように、左演出図柄EZ1及び右演出図柄EZ3を共に同じ味方図柄(ここでは7図柄)で仮停止表示して、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3をリーチ状態(「所定の態様」の一例)とする。これにより、遊技者は味方キャラクタが先制攻撃を行うバトルリーチが開始されることを認識することができる。
【0291】
なお、変動演出において演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチ状態になるまでの演出は第1演出の一例であり、変動演出において演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチ状態になってからの演出は第2演出の一例である。また、バトルリーチに発展する変動演出は特定演出の一例である。また、変動演出で導出される確変大当たり当選の結果は特定結果の一例であり、変動演出で導出される通常大当たり当選の結果は非特定結果の一例である。また、確変大当たり当選は所定条件の一例である。
【0292】
味方キャラクタが先制攻撃を行うバトルリーチでは、
図39(A)に示すように、まず味方キャラクタが通常敵キャラクタ(馬のキャラクタ)とバトルを行うことを示す画像が表示部50aに表示され、その後、
図39(B)に示すように、味方キャラクタが敵キャラクタに攻撃をしかける様子を示す画像が表示部50aに表示され、当落分岐を迎える。特図変動パターンTHP001(バトル攻撃大当たり変動)に基づく変動演出であれば、演出制御用マイコン121は、
図39(B)に示した演出に続いて、味方キャラクタの攻撃が通常敵キャラクタにヒットして、味方キャラクタが敵キャラクタに勝利したことを示す画像を表示部50aに表示する(
図39(C))。つまり、
図39(C)に示すような勝利演出を実行する。そして、
図39(D)に示すように、バトルリーチの画像から宇宙背景の画像(確変用背景画像G105)に戻すとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を味方図柄(ここではリーチ図柄である7図柄)のゾロ目で最終的に停止表示(確定停止表示)する。これにより、確変大当たり(大当たり図柄3)に当選しており、大当たり遊技後も高確率状態が続くことが遊技者に示される。
【0293】
一方、特図変動パターンTHP011(バトル攻撃ハズレ変動)に基づく変動演出であれば、演出制御用マイコン121は、
図39(B)に示した演出に続いて、通常敵キャラクタが味方キャラクタの攻撃をかわして、味方キャラクタが攻撃に失敗したことを示す画像を表示部50aに表示する(
図39(E))。つまり、
図39(E)に示すような失敗演出を実行する。そして、
図39(F)に示すように、バトルリーチの画像から宇宙背景の画像(確変用背景画像G105)に戻すとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3をリーチハズレ目(ここでは「7・6・7」)で最終的に停止表示(確定停止表示)する。これにより、大当たりに当選していないことが遊技者に示され、高確率高ベース状態での遊技が続く。
【0294】
また、高確高ベース状態において演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンがTHP002、あるいはTHP012であった場合、すなわち、通常敵図柄をリーチ図柄とするバトル防戦/カウンタ変動を行う場合、又は、遊技制御用マイコン101から受信した特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンがTHP004、あるいはTHP014であった場合、すなわち、通常敵図柄をリーチ図柄とするバトル防戦変動を行う場合、
図38(A)(C)に示すように、左演出図柄EZ1及び右演出図柄EZ3を共に同じ通常敵図柄(ここでは2図柄)で仮停止表示して、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3をリーチ状態とする。これにより、遊技者は通常敵キャラクタが味方キャラクタに攻撃をしかけてくるバトルリーチが開始されることを認識することができる。
【0295】
通常敵キャラクタが味方キャラクタに攻撃をしかけてくるバトルリーチでは、
図40(A)に示すように、まず味方キャラクタが通常敵キャラクタ(馬のキャラクタ)とバトルを行うことを示す画像が表示部50aに表示される。これは、バトル攻撃変動と同様である。その後、
図40(B)に示すように、通常敵キャラクタが味方キャラクタに攻撃をしかける様子を示す画像が表示部50aに表示され、演出分岐を迎える。特図変動パターンTHP004(バトル防戦大当たり変動)に基づく変動演出であれば、演出制御用マイコン121は、
図40(B)に示した演出に続いて、味方キャラクタが通常敵キャラクタの攻撃をくらって敗北したことを示す画像を表示部50aに表示する(
図40(C))。つまり、
図40(C)に示すような敗北演出を実行する。そして、
図40(D)に示すように、バトルリーチの画像から宇宙背景の画像(確変用背景画像G105)に戻すとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を通常敵図柄(ここではリーチ図柄である2図柄)のゾロ目で最終的に停止表示(確定停止表示)する。これにより、通常大当たり(大当たり図柄4)に当選してしまい、大当たり遊技後は低確率状態に移行する(高確率状態が続かない)ことが遊技者に示される。
【0296】
一方、特図変動パターンTHP014(バトル防戦ハズレ変動)に基づく変動演出であれば、演出制御用マイコン121は、
図40(B)に示した演出に続いて、味方キャラクタが通常敵キャラクタの攻撃に耐え、闘志を燃やしていることを示す画像を表示部50aに表示する(
図40(E))。つまり、
図40(E)に示すような継続演出を実行する。そして、
図40(F)に示すように、バトルリーチの画像から宇宙背景の画像(確変用背景画像G105)に戻すとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3をリーチハズレ目(ここでは「2・1・2」)で最終的に停止表示(確定停止表示)する。これにより、大当たりに当選していないことが遊技者に示され、高確率高ベース状態での遊技が続く。
【0297】
また、特図変動パターンTHP002(バトル防戦/カウンタ大当たり変動)又はTHP012(バトル防戦/カウンタハズレ変動)に基づく変動演出であれば、演出制御用マイコン121は、
図40(B)に示した演出に続いて、味方キャラクタが通常敵キャラクタに対してカウンタ攻撃を行う画像を表示部50aに表示する(
図41(A)(B))。なお、味方キャラクタによるカウンタ攻撃の演出が実行された時点で、通常大当たり(大当たり図柄4)に当選していることはない。よって本形態では、カウンタ攻撃の演出の実行に伴って、リーチ図柄が奇数図柄(味方図柄に応じた数字の図柄)に変更される(
図41(B)参照)。
【0298】
そして、特図変動パターンTHP002(バトル防戦/カウンタ大当たり変動)に基づく変動演出であれば、演出制御用マイコン121は、
図41(B)に示した演出に続いて、味方キャラクタのカウンタ攻撃が通常敵キャラクタにヒットして、味方キャラクタが敵キャラクタに勝利したことを示す画像を表示部50aに表示する(
図41(C))。つまり、バトル攻撃大当たり変動と同様、
図41(C)に示すような勝利演出を実行する。そして、宇宙背景の画像(確変用背景画像G105)に戻して演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を味方図柄(ここでは7図柄)のゾロ目で最終的に停止表示する(
図41(D))。これにより、確変大当たり(大当たり図柄3)に当選しており、大当たり遊技後も高確率状態が続くことが遊技者に示される。
【0299】
一方、特図変動パターンTHP012(バトル防戦/カウンタハズレ変動)に基づく変動演出であれば、演出制御用マイコン121は、
図41(B)に示した演出に続いて、通常敵キャラクタが味方キャラクタのカウンタ攻撃をかわして、味方キャラクタがカウンタ攻撃に失敗したことを示す画像を表示部50aに表示する(
図41(E))。つまり、バトル攻撃ハズレ変動と同様、
図41(E)に示すような失敗演出を実行する。そして、宇宙背景の画像(確変用背景画像G105)に戻して演出図柄EZ1,EZ2,EZ3をリーチハズレ目(ここでは「7・6・7」)で最終的に停止表示(確定停止表示)する。これにより、大当たりに当選していないことが遊技者に示され、高確率高ベース状態での遊技が続く。
【0300】
また、高確高ベース状態において演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンがTHP003、あるいはTHP013であった場合、すなわち、強敵図柄をリーチ図柄とするバトル防戦/カウンタ変動を行う場合、又は、遊技制御用マイコン101から受信した特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンがTHP005、あるいはTHP015であった場合、すなわち、強敵図柄をリーチ図柄とするバトル防戦変動を行う場合、
図38(A)(D)に示すように、左演出図柄EZ1及び右演出図柄EZ3を共に同じ強敵図柄(ここでは8図柄)で仮停止表示して、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3をリーチ状態とする。これにより、遊技者は強敵キャラクタが味方キャラクタに攻撃をしかけてくるバトルリーチが開始されることを認識することができる。言い換えれば、通常大当たり(大当たり図柄4)に当選している可能性が比較的高く、高確率状態が続かない可能性が高いことが遊技者に示唆される。
【0301】
強敵キャラクタが味方キャラクタに攻撃をしかけてくるバトルリーチでは、
図42(A)に示すように、まず味方キャラクタが強敵キャラクタとバトルを行うことを示す画像が表示部50aに表示される。その後、
図42(B)に示すように、強敵キャラクタが味方キャラクタに攻撃をしかける様子を示す画像が表示部50aに表示され、演出分岐を迎える。特図変動パターンTHP005(バトル防戦大当たり変動)に基づく変動演出であれば、演出制御用マイコン121は、
図42(B)に示した演出に続いて、味方キャラクタが強敵キャラクタの攻撃をくらって敗北したことを示す画像を表示部50aに表示する(
図42(C))。つまり、
図42(C)に示すような敗北演出を実行する。そして、
図42(D)に示すように、バトルリーチの画像から宇宙背景の画像(確変用背景画像G105)に戻すとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を強敵図柄(ここではリーチ図柄である8図柄)のゾロ目で最終的に停止表示(確定停止表示)する。これにより、通常大当たり(大当たり図柄4)に当選してしまい、大当たり遊技後は低確率状態に移行する(高確率状態が続かない)ことが遊技者に示される。
【0302】
一方、特図変動パターンTHP015(バトル防戦ハズレ変動)に基づく変動演出であれば、演出制御用マイコン121は、
図42(B)に示した演出に続いて、味方キャラクタが強敵キャラクタの攻撃に耐え、闘志を燃やしていることを示す画像を表示部50aに表示する(
図42(E))。つまり、
図42(E)に示すような継続演出を実行する。そして、
図42(F)に示すように、バトルリーチの画像から宇宙背景の画像(確変用背景画像G105)に戻すとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3をリーチハズレ目(ここでは「8・7・8」)で最終的に停止表示(確定停止表示)する。これにより、大当たりに当選していないことが遊技者に示され、高確率高ベース状態での遊技が続く。
【0303】
また、特図変動パターンTHP003(バトル防戦/カウンタ大当たり変動)又はTHP013(バトル防戦/カウンタハズレ変動)に基づく変動演出であれば、演出制御用マイコン121は、
図42(B)に示した演出に続いて、味方キャラクタが強敵キャラクタに対してカウンタ攻撃を行う画像を表示部50aに表示する(
図43(A)(B))。なお、味方キャラクタによるカウンタ攻撃の演出が実行された時点で、通常大当たり(大当たり図柄4)に当選していることはない。よって、カウンタ攻撃の演出の実行に伴って、リーチ図柄が奇数図柄(味方図柄に応じた数字の図柄)に変更される(
図43(B)参照)。
【0304】
そして、特図変動パターンTHP003(バトル防戦/カウンタ大当たり変動)に基づく変動演出であれば、演出制御用マイコン121は、
図43(B)に示した演出に続いて、味方キャラクタのカウンタ攻撃が強敵キャラクタにヒットして、味方キャラクタが強敵キャラクタに勝利したことを示す画像を表示部50aに表示する(
図43(C))。つまり、
図43(C)に示すような勝利演出を実行する。そして、宇宙背景の画像(確変用背景画像G105)に戻して演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を味方図柄(ここでは7図柄)のゾロ目で最終的に停止表示する(
図43(D))。これにより、確変大当たり(大当たり図柄3)に当選しており、大当たり遊技後も高確率状態が続くことが遊技者に示される。
【0305】
一方、特図変動パターンTHP013(バトル防戦/カウンタハズレ変動)に基づく変動演出であれば、演出制御用マイコン121は、
図43(B)に示した演出に続いて、強敵キャラクタが味方キャラクタのカウンタ攻撃をかわして、味方キャラクタがカウンタ攻撃に失敗したことを示す画像を表示部50aに表示する(
図43(E))。つまり、
図43(E)に示すような失敗演出を実行する。そして、宇宙背景の画像(確変用背景画像G105)に戻して演出図柄EZ1,EZ2,EZ3をリーチハズレ目(ここでは「7・6・7」)で最終的に停止表示(確定停止表示)する。これにより、大当たりに当選していないことが遊技者に示され、高確率高ベース状態での遊技が続く。
【0306】
<チャンスゾーン演出>次に、チャンスゾーン演出の実行例について説明する。
図44及び
図45は、チャンスゾーン演出の具体例を示す図である。
図44(A)は、高確高ベース状態において確変用背景画像G105(宇宙背景)が表示部50aに表示されている中で当該アイコンTAに対応する変動演出が終了した場面(演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が確定停止表示された場面)を示している。この場面では、特
図2に係る保留アイコンHA(特
図2保留アイコンHA2)は4個表示されており(特
図2保留が4個貯まっており)、このうちの4個目の特
図2保留の発生時の先読み判定に基づくチャンスゾーン演出の実行抽選で、チャンスゾーン演出を実行すると決定されているものとする。すなわち、4個目の特
図2保留がチャンスゾーン演出のターゲット保留であるものとする。
【0307】
図44(A)に示す状態から次の変動表示が開始される場合、
図44(B)に示すように、各特
図2保留アイコンHA2は1つ隣り(1つ先)の表示領域にシフト表示される。つまり、1個目の特
図2保留アイコンHA2は当該アイコンTAとして表示され、2個目から4個目の特
図2保留アイコンHA2は1個目から3個目の特
図2保留アイコンHA2として表示される。演出制御用マイコン121は、このターゲット保留に対応する保留アイコンHAの初回のシフト表示に際して、チャンスゾーン演出を実行する。具体的には、表示部50aに表示している背景画像を確変用背景画像G105(宇宙背景の画像)から、森背景画像G70(チャンス背景画像)に変更するとともに、「CHANCEゾーン」の文字画像を含むゾーン突入画像G72を表示部50aの上下左右の中央に表示する。ゾーン突入画像G72は、チャンスゾーン演出が開始されたこと(チャンスゾーンに移行したこと)を示唆する表示として機能する。
【0308】
そして演出制御用マイコン121は、
図44(C)に示すように、ゾーン突入画像G72を所定時間(本形態では3秒)表示したあと非表示とするとともに、表示部50aの上部に「CHANCE ゾーン」の文字を含む帯画像G74を表示する。帯画像G74は、チャンスゾーン演出中であることを明示するための画像である。チャンスゾーン演出の実行により、遊技者には、確変大当たり(大当たり図柄3)に当選している可能性が高く、通常大当たり(大当たり図柄4)に当選している可能性が低いことが遊技者に示唆される(
図36、
図37参照)。なお本形態では、チャンスゾーン演出が実行された場合でも通常大当たりに当選している可能性がある構成としたが、通常大当たりに当選している可能性が全くない構成としてもよい。
【0309】
その後、
図45(A)に示すように、チャンスゾーン演出が実行されている中で(森背景画像G70が表示部50aに表示されている中で)、当該チャンスゾーン演出の実行契機となったターゲット保留に基づく変動演出が開始される。この変動演出でリーチが形成される場合には必ず、
図45(B)に示すように味方図柄(例えば7図柄)でのリーチとなるか、
図45(C)に示すように通常敵図柄(例えば2図柄)でのリーチとなり、強敵図柄でのリーチとなることはない(
図37参照)。このように本形態では、チャンスゾーン演出の実行により確変大当たり当選への期待感が高められたにもかかわらず、強敵図柄でリーチが形成されてしまって通常大当たりに当選しているかもしれないと落胆して興冷めするような事態の発生が防止されている。なお、
図45において当該アイコンTAは、チャンスゾーン演出の実行契機となったターゲット保留に係る保留表示である。
【0310】
7-2.第1実施形態の効果
以上詳細に説明したように、第1実施形態のパチンコ遊技機PZ1によれば、変動表示される各演出図柄EZ1,EZ2,EZ3(装飾図柄)のそれぞれには、通常大当たり当選(非確変大当たり当選)が導出され易い強敵図柄(強敵キャラクタが描かれた台座部DGKを有する演出図柄)が含まれており、第2確変演出モードに設定された場合には第1確変演出モードに設定された場合よりも、各演出図柄EZ1,EZ2,EZ3に含まれる強敵図柄の数が多くなる(
図33、
図34参照)。よって、第2確変演出モードに設定された場合には、バトルリーチに発展する変動演出(特定演出)の結果として確変大当たり当選よりも通常大当たり当選が導出され易い不利な感じを遊技者に抱かせることができ(
図34参照)、遊技に緊張感を持たせるように遊技者心理を刺激して、遊技興趣を向上することが可能である。
【0311】
また第1実施形態のパチンコ遊技機PZ1によれば、確変大当たり当選(所定条件成立)のときには大当たり遊技状態(有利状態の一例)の後で高確率状態(特典状態の一例)に制御され得るところ、バトルリーチに発展する変動演出として、確変大当たり当選の割合が比較的高い通常敵図柄をリーチ図柄とする変動演出(高成立演出)が実行されるときと、確変大当たり当選の割合が比較的低い強敵図柄をリーチ図柄とする変動演出(低成立演出)が実行される場合とがあるため(
図31、
図38参照)、リーチを形成する図柄の種類に対する関心を高めることが可能であり、遊技興趣を向上可能である。
【0312】
また第1実施形態のパチンコ遊技機PZ1によれば、バトルリーチに発展する変動演出として、確変大当たり当選の割合(高確率状態が継続する割合)が相対的に低い強敵図柄をリーチ図柄とする変動演出(低成立演出)が実行される場合には、この変動演出に対応する先読み判定の結果に基づくチャンスゾーン演出の実行が制限される(
図36、
図37参照)。よって、チャンスゾーン演出の実行によって遊技者に期待を持たせたにもかかわらず、強敵図柄をリーチ図柄とする変動演出が実行されて遊技者を落胆させてしまう事態の発生を防止可能である。
【0313】
7-3.第1実施形態の変更例
以下、第1実施形態のパチンコ遊技機PZ1の変更例について説明する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成しても良い。また、上記形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0314】
上述した第1実施形態では、背景画像を確変用背景画像G105から森背景画像G70に変更するチャンスゾーン演出が、強敵図柄をリーチ図柄とする変動演出が実行される場合に禁止される先読み演出である構成とした。これに対して、強敵図柄をリーチ図柄とする変動演出が実行される場合に禁止される先読み演出は、保留表示(保留アイコンHA、当該アイコンTA)の表示態様を通常表示態様とは異なる特殊表示態様に変更することで大当たり期待度が高いことを示唆する保留表示変化演出や、1又は連続する複数の特図変動にわたって演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を所定のチャンス目で停止表示することで大当たり期待度が高いことを示唆するチャンス目演出など、他の種類の先読み演出であってもよい。
【0315】
また、強敵図柄をリーチ図柄とする変動演出が実行される場合であっても、チャンスゾーン演出の実行が禁止されない構成としてもよい。このような構成とすれば、チャンスゾーン演出が実行されたのに強敵図柄でリーチが形成されて落胆する機会は残るものの、チャンスゾーン演出が実行されることによって高揚感を抱かせる機会が増えるからである。
【0316】
また上述した第1実施形態では、第1確変演出モードでも第2確変演出モードでも、強敵図柄をリーチ図柄とする変動演出が実行される場合には、所定の先読み演出(チャンスゾーン演出)の実行が禁止される構成とした。これに対して、第2確変演出モード(1図柄から8図柄までの中に含まれる強敵図柄の数が第1確変演出モードよりも多い演出モード)である場合に限って、チャンスゾーン演出の実行が禁止される構成としてもよい。このような構成とすれば、遊技者から見ればリーチ図柄が強敵図柄になる可能性が高そうに見える演出モードに限って、チャンスゾーン演出の発生が強敵図柄以外の図柄でのリーチ成立の示唆として機能するため、第2確変演出モードの不利な感じを和らげる効果に期待できる。また逆に、第1確変演出モード(1図柄から8図柄までの中に含まれる強敵図柄の数が第2確変演出モードよりも少ない演出モード)である場合に限って、チャンスゾーン演出の実行が禁止される構成としてもよい。このような構成とすれば、遊技者から見ればリーチ図柄が強敵図柄になる可能性が低そうに見える演出モードにもかかわらず、チャンスゾーン演出が発生したのに強敵図柄でリーチが形成されてしまうと落胆の程度が非常に大きいと思われるところ、このような事態の発生を防止して遊技興趣が低下するのを抑制可能である。
【0317】
また上述した第1実施形態では、高確率状態が特典状態である構成としたが、時短状態を特典状態としてもよい。この場合、大当たり遊技の終了後の遊技状態を時短状態に制御する時短大当たりへの当選が所定条件に相当する。あるいは、時短回数がx回(例えば1回)よりも大きいn回(例えば7回)である時短状態を特典状態としてもよい。この場合、時短回数n回の時短状態の移行契機となる大当たりへの当選が所定条件の一例である。
【0318】
また上述した第1実施形態では、高確高ベース状態における特
図2に係る変動演出の種類に応じて先読み演出(チャンスゾーン演出)の実行が制限される構成としたが、このような構成を、特
図1の抽選を主として遊技を進める遊技状態における特
図1に係る変動演出や先読み演出に対して適用してもよい。
【0319】
また上述した第1実施形態では、通常敵図柄をリーチ図柄とする変動演出が高成立演出に相当する構成としたが、高成立演出は確変大当たりに当選し易い演出(所定条件が成立し易い演出)であれば、味方図柄をリーチ図柄とする変動演出など他の演出であってもよい。
【0320】
また上述した第1実施形態において、各種抽選における振分率や各演出の内容等は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜実行可能である。
【0321】
8.第2実施形態のパチンコ遊技機
8-1.第2実施形態の構成
次に、特徴的な構成を有する第2実施形態のパチンコ遊技機PZ2について、上述の基本形態のパチンコ遊技機PY1と異なる箇所を中心に、
図46-
図55に基づいて詳細に説明する。なお、第2実施形態のパチンコ遊技機PZ2は、上述の第1実施形態のパチンコ遊技機PZ1と同様、
図30に示したように、第1始動口11への入賞に基づく特
図1の抽選で当選可能な大当たりの種類に、大当たり図柄1及び大当たり図柄2が含まれ、第2始動口12への入賞に基づく特
図2の抽選で当選可能な大当たりの種類に、大当たり図柄3及び大当たり図柄4が含まれているものとする。
【0322】
第2実施形態のパチンコ遊技機PZ2は、低確率低ベース遊技状態において、
図46に示す特
図1変動パターン判定テーブルに従って特
図1変動パターンを判定する。具体的には、遊技制御用マイコン101は、
図46に示すように、大当たり判定の結果が「大当たり」である場合、大当たり図柄種別判定の結果が「大当たり図柄1」であっても「大当たり図柄2」であっても、特
図1変動パターンとして、「THP101」を55%の割合で選択し、「THP103」を35%の割合で選択し、「THP105」を10%の割合で選択する。
【0323】
また遊技制御用マイコン101は、大当たり判定の結果が「大当たり」でない場合であって、リーチ判定の結果が「リーチ有り」である場合、特
図1変動パターンとして、「THP111」を10%の割合で選択し、「THP113」を25%の割合で選択し、「THP115」を65%の割合で選択する。
【0324】
また遊技制御用マイコン101は、大当たり判定の結果が「大当たり」でない場合であって、リーチ判定の結果が「リーチ無し」である場合、特
図1変動パターンとして、「THP121」、「THP122」の2種類の何れかを決定することが可能である。これらの特
図1変動パターンのうち何れに決定するかは、特
図1保留数によって割り振られている。
【0325】
特
図1保留数が「0」~「2」の場合には、変動時間が13000msである「THP121」を95%の割合で選択し、変動時間が8000msである「THP122」を5%の割合で選択する。また、特
図1保留数が「3」~「4」の場合には、変動時間が13000msである「THP121」を20%の割合で選択し、変動時間が8000msである「THP122」を80%の割合で選択する。つまり、大当たり判定の結果が「ハズレ」であってリーチ判定の結果が「リーチ無し」である場合には、特
図1保留数が少ない方が、変動時間の長い変動パターンが選択され易くなっている。
【0326】
なお、各特図変動パターンの振分率は適宜変更可能である。また、特図変動パターンの種類についても、遊技に支障をきたさない範囲で、適宜増減可能である。
【0327】
ここで、特
図1変動パターン「THP101」及び「THP103」は、リーチが成立して発展演出を経てバトル演出を行う「大当たり変動」である。このうち「THP001」は、発展演出で主人公キャラクタが鎧をまとった騎士に変身して敵キャラクタとのバトルに挑む「変身バトル大当たり変動」であり、「THP003」は、発展演出で主人公キャラクタが鎧をまとった騎士に変身することなく敵キャラクタとのバトルに挑む「非変身バトル大当たり変動」である。特
図1変動パターン「THP101」におけるバトル演出でも、特
図1変動パターン「THP103」におけるバトル演出でも、主人公キャラクタが敵キャラクタに勝利して大当たり当選が示される。また、特
図1変動パターン「THP105」は、リーチが成立してNリーチで大当たり当選が示される「N大当たり変動」である。
【0328】
また、特
図1変動パターン「THP111」及び「THP113」は、リーチが成立して発展演出を経てバトル演出を行う「ハズレ変動」である。このうち「THP111」は、発展演出で主人公キャラクタが鎧をまとった騎士に変身して敵キャラクタとのバトルに挑む「変身バトルハズレ変動」であり、「THP113」は、発展演出で主人公キャラクタが鎧をまとった騎士に変身することなく敵キャラクタとのバトルに挑む「非変身バトルハズレ変動」である。特
図1変動パターン「THP111」におけるバトル演出でも、特
図1変動パターン「THP113」におけるバトル演出でも、主人公キャラクタが敵キャラクタに敗北してハズレであることが示される。また、特
図1変動パターン「THP115」は、リーチが成立してNリーチでハズレであることが示されて終了する「Nハズレ変動」である。
【0329】
また、特
図1変動パターン「THP121」は「通常Xハズレ変動」であり、特
図1変動パターン「THP122」は「通常Yハズレ変動」である。これらの特
図1変動パターンは、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチにならずに(すなわちリーチ演出が実行されずに)ハズレが示されて終了する特図変動パターンである。
【0330】
本形態では、低確率低ベース遊技状態における特
図1変動パターンは、
図46に示す振分率に従って選択される。つまり、大当たりに当選していれば、変身バトル大当たり変動(THP101)が最も選択され易く、非変身バトル大当たり変動(THP103)が次に選択され易く、N大当たり変動(THP105)が最も選択され難い。これに対して、リーチ有りハズレであれば、変身バトルハズレ変動(THP111)が最も選択され難く、非変身バトルハズレ変動(THP113)が次に選択され難く、Nハズレ変動(THP115)が最も選択され易い。従って、バトル演出に発展する変動演出は、Nリーチで終了する変動演出よりも、大当たりに当選している期待度(大当たり当選期待度)が高い演出として機能する。また、変身した主人公キャラクタが敵キャラクタとバトルを行うバトル演出(変身バトルのバトル演出)は、変身していない主人公キャラクタが敵キャラクタとバトルを行うバトル演出(非変身バトルのバトル演出)よりも、大当たり当選期待度が高い演出として機能する。
【0331】
次に、低確率低ベース遊技状態における特
図1に係る変動演出パターンについて
図47に基づいて説明する。
図47に示すように、低確率低ベース遊技状態では、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特
図1変動開始コマンドが示す特
図1変動パターンがTHP101(変身バトル大当たり変動)である場合、60%の割合で変動演出パターンSHP101を選択し、40%の割合で変動演出パターンSHP102を選択する。変動演出パターンSHP101は、変身した主人公キャラクタが敵キャラクタX(敵キャラX)とバトルを行って勝利するバトル演出を行う変動演出パターンである。また、変動演出パターンSHP102は、変身した主人公キャラクタが敵キャラクタY(敵キャラY)とバトルを行って勝利するバトル演出を行う変動演出パターンである。
【0332】
また、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特
図1変動開始コマンドが示す特
図1変動パターンがTHP103(非変身バトル大当たり変動)である場合、60%の割合で変動演出パターンSHP103を選択し、40%の割合で変動演出パターンSHP104を選択する。変動演出パターンSHP103は、変身していない主人公キャラクタが敵キャラクタA(敵キャラA)とバトルを行って勝利するバトル演出を行う変動演出パターンである。また、変動演出パターンSHP104は、変身していない主人公キャラクタが敵キャラクタB(敵キャラB)とバトルを行って勝利するバトル演出を行う変動演出パターンである。
【0333】
また、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特
図1変動開始コマンドが示す特
図1変動パターンがTHP105(N大当たり変動)である場合、100%の割合で変動演出パターンSHP105を選択する。変動演出パターンSHP105は、Nリーチで演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がゾロ目で停止表示されて大当たり当選が示される変動演出パターンである。
【0334】
また、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特
図1変動開始コマンドが示す特
図1変動パターンがTHP111(変身バトルハズレ変動)である場合、40%の割合で変動演出パターンSHP111を選択し、60%の割合で変動演出パターンSHP112を選択する。変動演出パターンSHP111は、変身した主人公キャラクタが敵キャラクタX(敵キャラX)とバトルを行って敗北するバトル演出を行う変動演出パターンである。また、変動演出パターンSHP112は、変身した主人公キャラクタが敵キャラクタY(敵キャラY)とバトルを行って敗北するバトル演出を行う変動演出パターンである。
【0335】
また、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特
図1変動開始コマンドが示す特
図1変動パターンがTHP113(非変身バトルハズレ変動)である場合、40%の割合で変動演出パターンSHP113を選択し、60%の割合で変動演出パターンSHP114を選択する。変動演出パターンSHP113は、変身していない主人公キャラクタが敵キャラクタA(敵キャラA)とバトルを行って敗北するバトル演出を行う変動演出パターンである。また、変動演出パターンSHP114は、変身していない主人公キャラクタが敵キャラクタB(敵キャラB)とバトルを行って敗北するバトル演出を行う変動演出パターンである。
【0336】
また、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特
図1変動開始コマンドが示す特
図1変動パターンがTHP115(Nハズレ変動)である場合、100%の割合で変動演出パターンSHP115を選択する。変動演出パターンSHP115は、Nリーチで演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がバラケ目で停止表示されて変動演出が終了する変動演出パターンである。
【0337】
また、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特
図1変動開始コマンドが示す特
図1変動パターンがTHP121(通常Xハズレ変動)である場合、100%の割合で変動演出パターンSHP121を選択し、THP122(通常Yハズレ変動)である場合、100%の割合で変動演出パターンSHP122を選択する。変動演出パターンSHP121及びSHP122は何れも、リーチが成立せずに演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がバラケ目で停止表示されて変動演出が終了する変動演出パターンである。
【0338】
このように本形態では、演出制御用マイコン121は、低確率低ベース遊技状態における特
図1に係る変動演出パターンを、
図47に示す変動演出パターン判定テーブルに従って選択する。よって、変身した主人公キャラクタがバトルを行う変身バトルの変動演出としては、大当たり当選時は敵キャラXとのバトル(SHP101)の方が敵キャラYとのバトル(SHP102)よりも行われ易く、ハズレ時は敵キャラYとのバトル(SHP112)の方が敵キャラXとのバトル(SHP111)よりも行われ易い。よって、敵キャラXとバトルを行う変身バトルの変動演出は、敵キャラYとバトルを行う変身バトルの変動演出よりも大当たり当選期待度が高い演出として機能する。
【0339】
また、変身していない主人公キャラクタがバトルを行う非変身バトルの変動演出としては、大当たり当選時は敵キャラAとのバトル(SHP103)の方が敵キャラBとのバトル(SHP104)よりも行われ易く、ハズレ時は敵キャラBとのバトル(SHP114)の方が敵キャラAとのバトル(SHP113)よりも行われ易い。よって、敵キャラAとバトルを行う非変身バトルの変動演出は、敵キャラBとバトルを行う非変身バトルの変動演出よりも大当たり当選期待度が高い演出として機能する。
【0340】
なお、敵キャラAとバトルを行う非変身バトルの変動演出と、敵キャラYとバトルを行う変身バトルの変動演出とでは、前者よりも後者の方が大当たり当選期待度が高いものとする(
図46参照)。よって、変動演出においてリーチが成立して発展演出が行われたときには、遊技者は主人公キャラクタが変身することに期待して演出を見る。そして、主人公キャラクタが変身した場合には、大当たり当選に対する期待感を一層強め、主人公キャラクタが変身しなかった場合には、まだ大当たり当選の可能性は残っているものの、多少落胆する。
【0341】
次に、リーチ成立チャレンジ演出について説明する。第2実施形態のパチンコ遊技機PZ2は、低確低ベース状態における特
図1の変動に応じた変動演出(報知演出の一例)において、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチ状態になることに期待させるリーチ成立チャレンジ演出を実行可能である。リーチ成立チャレンジ演出は、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチ状態になることを目指して遊技者に通常ボタン40(操作部の一例)を操作させる演出である(
図49、
図50参照)。より詳細には、リーチ成立チャレンジ演出では、通常ボタン40の操作の機会が5回(所定回数)付与され(通常ボタン40を操作させる操作演出が5回発生し)、各回の操作に応じて演出制御用マイコン121は、リーチを成立させるかの抽選(リーチ成立抽選)を行って、当該リーチ成立抽選に当選した場合には演出図柄EZ1,EZ2,EZ3をリーチ状態で表示する。演出図柄EZ1,EZ2,EZ3をリーチ状態で表示する際には、通常ボタン40を振動させる。すなわち、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチ状態で表示されるまでは、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3をリーチ状態で表示する確率は、通常ボタン40を振動させる確率と等しいと言える。なお、通常ボタン40を振動させる演出をボタン振動演出と称する。通常ボタン40が振動している態様(振動態様)や振動していない態様(非振動態様)は何れも、操作部の態様の一種である。ボタン振動演出は、操作部の態様を変化させる変化演出の一例である。
【0342】
リーチ成立チャレンジ演出において5回の操作機会が全て消化されるよりも前に演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチ状態で表示された場合であっても、残りの操作機会は付与される。すなわち、例えばリーチ成立チャレンジ演出における3回目の操作でリーチ成立となった場合でも、残り2回の操作機会は付与される。この残り2回の操作では、演出制御用マイコン121は、通常ボタン40の操作に基づいて、当該通常ボタン40を振動させるかの抽選(振動抽選)だけを行う。つまり、リーチ成立チャレンジ演出では、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチ状態で表示される前は、遊技者による通常ボタン40の操作に応じて、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチ状態で表示されるとともに通常ボタン40が振動することがあり、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチ状態で表示された後は、遊技者による通常ボタン40の操作に応じて、通常ボタン40が振動することがある。
【0343】
演出制御用マイコン121は、
図48に示す抽選テーブルに基づいて、リーチ成立チャレンジ演出を実行するか否かを決定する。すなわち、演出制御用マイコン121は、変動演出パターンSHP103(敵キャラAに勝利する非変身バトルを行う変動演出パターン)を選択した場合、80%の割合でリーチ成立チャレンジ演出を実行することに決定し、20%の割合でリーチ成立チャレンジ演出を実行しないことに決定する。また、演出制御用マイコン121は、変動演出パターンSHP104(敵キャラBに勝利する非変身バトルを行う変動演出パターン)を選択した場合、95%の割合でリーチ成立チャレンジ演出を実行することに決定し、5%の割合でリーチ成立チャレンジ演出を実行しないことに決定する。
【0344】
また、演出制御用マイコン121は、変動演出パターンSHP113(敵キャラAに敗北する非変身バトルを行う変動演出パターン)を選択した場合、20%の割合でリーチ成立チャレンジ演出を実行することに決定し、80%の割合でリーチ成立チャレンジ演出を実行しないことに決定する。また、演出制御用マイコン121は、変動演出パターンSHP114(敵キャラBに敗北する非変身バトルを行う変動演出パターン)を選択した場合、2%の割合でリーチ成立チャレンジ演出を実行することに決定し、98%の割合でリーチ成立チャレンジ演出を実行しないことに決定する。
【0345】
また、演出制御用マイコン121は、変動演出パターンSHP121(変動時間が13秒の通常変動で終了する変動演出パターン)を選択した場合、10%の割合でリーチ成立チャレンジ演出を実行することに決定し、90%の割合でリーチ成立チャレンジ演出を実行しないことに決定する。
【0346】
なお、演出制御用マイコン121は、変身バトルを行う変動演出パターン(SHP101、SHP102、SHP111、SHP112、
図47参照)や、Nリーチで終了する変動演出パターン(SHP105、SHP115)、8秒の通常変動で終了する変動演出パターン(SHP122)を選択している場合には、リーチ成立チャレンジ演出を実行することはない。言い換えれば本形態では、リーチ成立チャレンジ演出が実行される場合であってバトル演出が行われる場合には、そのバトル演出は必ず、2種類の非変身バトル演出(敵キャラクタAとバトルを行うバトル演出、あるいは、敵キャラクタBとバトルを行うバトル演出)の何れかが選択されていることになる。このようにしている理由は次の通りである。
【0347】
すなわち、本形態では、リーチ成立チャレンジ演出は
図48に示す通り、大当たり当選に基づく変動演出(SHP103、SHP104)においての方が、ハズレに基づく変動演出(SHP113、SHP114、SHP121)においてよりも、高い確率で実行される。よって、リーチ成立チャレンジ演出は、大当たり期待度が高いことを示唆する演出や、大当たり遊技状態(有利状態の一例)に制御されることに期待させる演出として機能する。そして上述した通り、バトル演出が行われる場合であってその前の発展演出において主人公キャラクタが変身しなかった場合には、変身した場合よりも大当たり当選に期待できない分、遊技者は落胆する可能性がある。そこで本形態では、非変身バトルのバトル演出が行われる場合には、
図48に示した実行確率でリーチ成立チャレンジ演出が実行されることがあるようにしている。これにより、非変身バトルのバトル演出が行われる場合であっても、その前にリーチ成立チャレンジ演出が実行されている場合には、大当たり当選に十分に期待してバトル演出を見ることができるようになり、遊技興趣の向上が見込める。なお、リーチ成立チャレンジ演出は、好機演出の一例である。
【0348】
また、非変身バトルのバトル演出の中でも相対的に大当たり当選期待度が低い敵キャラBとバトルを行うバトル演出が実行される場合の方が、相対的に大当たり当選期待度が高い敵キャラAとバトルを行うバトル演出が実行される場合よりも、リーチ成立チャレンジ演出が大当たり当選期待度の高い演出として実行される(
図48参照)。よって、敵キャラBとバトルを行う非変身バトルのバトル演出が実行される場合であっても、その前にリーチ成立チャレンジ演出が行われていることで、大当たり当選に十分に期待してこのバトル演出を見ることができるようになっており、遊技興趣の向上が見込める。
【0349】
なお本形態では、変動演出パターンSHP121(13秒の通常変動で終了するリーチが成立しない変動演出パターン)が選択された場合であっても、リーチ成立チャレンジ演出が実行されることがある構成となっている。これは、リーチ成立チャレンジ演出の実行が、リーチ成立の確定報知とならないようにするためである。
【0350】
ここで、リーチ成立チャレンジ演出において5回発生する操作演出において、どこで演出図柄EZ1,EZ2,EZ3をリーチ状態とするかは、通常ボタン40の操作に応じた抽選によって決定される。具体的には、
図48に示すように、演出制御用マイコン121は、大当たり当選に基づく非変身バトルの変動(変動演出パターンSHP103、SHP104)であれば、通常ボタン40が操作されたことに基づいて、33.3%のリーチ成立確率でリーチを成立させる。また、演出制御用マイコン121は、ハズレに基づく非変身バトルの変動(変動演出パターンSHP113、SHP114)であれば、通常ボタン40が操作されたことに基づいて、25%のリーチ成立確率でリーチを成立させる。また、演出制御用マイコン121は、ハズレに基づく13秒の通常変動の変動(変動演出パターンSHP121)であれば、通常ボタン40が操作されてもリーチを成立させることはない(リーチ成立確率0%)。なお、非変身バトルの変動(変動演出パターンSHP103、SHP104、SHP113、SHP114)であるのに、5回の操作演出の何れにおいてもリーチを成立させる旨の抽選結果を得られなかった場合には、演出制御用マイコン121は、5回目の操作演出における通常ボタン40の操作に応じて演出図柄EZ1,EZ2,EZ3をリーチ状態で表示するものとする。
【0351】
また、演出制御用マイコン121は、リーチ成立チャレンジ演出において演出図柄EZ1,EZ2,EZ3をリーチ状態で表示する際に、通常ボタン40を振動させる。言い換えれば、変動演出において演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチ状態をとる前は、リーチ成立の抽選は通常ボタン40を振動させるかの振動抽選を兼ねており、演出制御用マイコン121は、リーチ成立確率と同じ当選確率で、通常ボタン40を振動させるかの振動抽選を行っていると言える。演出図柄EZ1,EZ2,EZ3をリーチ状態で表示する際の通常ボタン40の振動は、リーチ成立を祝福する演出として機能する。また、大当たり変動におけるリーチ成立チャレンジ演出の方が、ハズレ変動におけるリーチ成立チャレンジ演出よりも、リーチ成立確率(通常ボタン40の振動確率)が高いため、リーチ成立(通常ボタン40の振動)を少ない操作回数で発生させることができた場合は、より大当たり当選に期待が持てるようになっている。
【0352】
また、リーチ成立チャレンジ演出において演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチ状態で表示された後も、全5回の操作演出が全て終了していなければ、残りの操作演出が実行される。そして、この残りの操作演出における通常ボタン40の操作に応じて、演出制御用マイコン121は、通常ボタン40の振動抽選を行う。リーチ成立後の振動抽選において通常ボタン40を振動させると決定される確率(振動抽選の当選確率)は、リーチ背率前の振動抽選の当選確率(リーチ成立確率と同じ確率)と異なっている。具体的には、大当たり当選に基づく非変身バトルの変動に伴うリーチ成立チャレンジ演出では、リーチ成立前の振動抽選の当選確率(33.3%)よりも、リーチ成立後の振動抽選の当選確率(50%)の方が高くなっている。一方、ハズレに基づく非変身バトルの変動に伴うリーチ成立チャレンジ演出では、リーチ成立前の振動抽選の当選確率(25%)よりも、リーチ成立後の振動抽選の当選確率(15%)の方が低くなっている。つまり、リーチ成立後の通常ボタン40の振動確率は、大当たりに当選している場合の方がハズレの場合よりも高いだけでなく、大当たりに当選している場合にはリーチ成立前よりも通常ボタン40が振動し易くなり、ハズレの場合にはリーチ成立前よりも通常ボタン40が振動し難くなっている。従って、リーチ成立後の通常ボタン40の振動は、大当たり当選期待度が高いことを示唆する演出として機能する。このため、リーチ成立チャレンジ演出においてリーチが成立した後も操作演出において通常ボタン40を操作する楽しみが遊技者に与えられており、遊技興趣が向上されている。なお、リーチ成立チャレンジ演出では、通常ボタン40の操作に応じて当該通常ボタン40が振動するボタン振動演出が発生することがあるため、リーチ成立チャレンジ演出は、ボタン振動演出を含む演出であると言える。
【0353】
次に、リーチ成立チャレンジ演出およびバトル演出(特定演出の一例)の実行例について
図49-
図55に基づいて説明する。
【0354】
<リーチ成立チャレンジ演出>低確低ベース状態において演出制御用マイコン121は、リーチ成立チャレンジ演出を実行可能である。リーチ成立チャレンジ演出を実行すると決定した変動演出では、演出制御用マイコン121は、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示を開始すると直ぐに(
図49(A)(B))、リーチ成立チャレンジ演出を実行する(
図49(C))。リーチ成立チャレンジ演出では、まず、「ボタンを押してリーチをかけろ(チャンスは5回)」の文字画像G80を表示する。この文字画像G80は、リーチ成立チャレンジ演出の実行開始を示す演出であるとともに、リーチ成立チャレンジ演出の内容を示す演出である。演出制御用マイコン121は、文字画像G80を所定時間(例えば2秒程度)表示した後非表示とし、続けて、
図49(D)に示すように、1回目の操作演出を行う。操作演出では、遊技者に通常ボタン40を操作するよう促す操作促進画像G81と、操作有効期間を示す有効期間画像G82と、リーチ成立チャレンジ演出における操作回数の残りを示す残回数画像G83とが表示される。
【0355】
1回目の操作演出において通常ボタン40の操作がなされると、演出制御用マイコン121は、
図48に示すリーチ成立確率でリーチを成立させるかの抽選を行う。この例では、1回目の通常ボタン40の操作時の抽選ではリーチを成立させないことに決定されたものとする。この場合、通常ボタン40の操作に応じて、
図49(E)に示すように、中演出図柄EZ2を変動表示させたまま、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とを互いに異なる種類の演出図柄(例えば4図柄と8図柄)で停止表示する。これにより、リーチを成立させられなかったことが示される。また、リーチ成立の抽選は通常ボタン40の振動抽選を兼ねているため、リーチを成立させない場合には、演出制御用マイコン121は、通常ボタン40を振動させない(
図49(E))。
【0356】
1回目の操作演出(
図49(D)(E))が終わると直ぐに、演出制御用マイコン121は、全ての演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を再び変動表示させて、2回目の操作演出を実行する(
図49(F))。2回目の操作演出において通常ボタン40の操作がなされた場合も、リーチを成立させるかの抽選が行われる。この例では、2回目の通常ボタン40の操作時の抽選でもリーチを成立させないことに決定されたものとする。よって、2回目の操作演出における通常ボタン40の操作時も、
図49(G)に示すように、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが互いに異なる種類の演出図柄(例えば3図柄と2図柄)で停止表示されて、リーチを成立させられなかったことが示され、通常ボタン40は振動しない。
【0357】
2回目の操作演出(
図49(F)(G))が終わると直ぐに、演出制御用マイコン121は、全ての演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を再び変動表示させて、3回目の操作演出を実行する(
図49(H))。3回目の操作演出において通常ボタン40の操作がなされた場合も、リーチを成立させるかの抽選が行われる。この例では、3回目の通常ボタン40の操作時の抽選ではリーチを成立させることに決定されたものとする。この場合、通常ボタン40の操作に応じて、
図50(A)に示すように、中演出図柄EZ2を変動表示させたまま、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とを同じ種類の演出図柄(例えば3図柄)で停止表示するとともに、右演出図柄EZ3の上方に「リーチ!」の文字画像G84を表示する。これにより、リーチが成立したことが示される。また、このリーチの成立に伴って、演出制御用マイコン121は、通常ボタン40を振動させる(
図50(A))。このリーチの成立および通常ボタン40の振動により、非変身バトルのバトル演出に発展することが示唆される。
【0358】
リーチ成立チャレンジ演出には通常ボタン40の操作機会が5回含まれる。よって、3回目の操作演出(
図49(H)、
図50(A))で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチ状態になった後も、残り2回の操作演出が発生する。よって、3回目の操作演出が終わると直ぐに、演出制御用マイコン121は、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3をリーチ状態で表示したまま、
図50(B)に示すように、4回目の操作演出を実行する。リーチ成立後の操作演出では、操作促進画像G81に「まだまだ」の文字である付加画像G85が付加される。これにより、リーチ成立後も通常ボタン40を操作すべきことが遊技者に示される。
【0359】
4回目の操作演出において通常ボタン40の操作がなされた場合には、通常ボタン40を振動させるかの抽選だけが行われる。この例では、4回目の通常ボタン40の操作時の抽選では通常ボタン40を振動させないことに決定されたものとする。この場合、通常ボタン40が操作されても、
図50(C)に示すように、操作促進画像G81等の操作演出に係る画像が非表示となるだけで、通常ボタン40は振動しない。
【0360】
4回目の操作演出(
図50(B)(C))が終わると直ぐに、演出制御用マイコン121は、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3をリーチ状態で表示したまま、
図50(D)に示すように、5回目(最後)の操作演出を実行する。5回目の操作演出において通常ボタン40の操作がなされた場合にも、通常ボタン40を振動させるかの抽選が行われる。この例では、5回目の通常ボタン40の操作時の抽選では通常ボタン40を振動させることに決定されたものとする。この場合、通常ボタン40が操作されたことに応じて、
図50(E)に示すように、操作促進画像G81等の操作演出の画像を非表示とするとともに、通常ボタン40を振動させる。このリーチ成立後の通常ボタン40の振動により、大当たり当選期待度が高いことが遊技者に示唆される。なお、リーチ成立後の通常ボタン40の振動は、
図48に示した通り大当たり当選時の方がハズレ時よりも発生し易いため、リーチ成立後の通常ボタン40の振動の発生回数が多くなるほど大当たり当選により期待が持てるようになっている。
【0361】
5回目の操作演出(
図50(D)(E))の終了によりリーチ成立チャレンジ演出は終了する。リーチ成立チャレンジ演出の終了時に演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチ状態をとっている場合(リーチが成立している場合)には、続けて、
図50(F)に示すように、発展演出が実行されることとなる。
【0362】
<発展演出>変動演出においてバトル演出に発展させる場合、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3をリーチ状態にした後、バトル演出を開始する前に、発展演出を行う。発展演出では、どの種類のバトル演出に発展するかが遊技者に示される。具体的には、発展演出ではまず、
図51(A)に示すように、演出制御用マイコン121は、リーチを形成している左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3を表示部50aの上部に移動させつつ、主人公キャラクタが変身しようとしている様子を示す画像を表示部50aに表示する。
【0363】
そして、実行中の変動演出が変動演出パターンSHP103、SHP104、SHP113、SHP114の何れか(非変身バトルのバトル演出を行う変動演出パターン)に基づくものであれば、
図51(A)に示す演出に続いて、主人公キャラクタが変身しなかった様子を示す画像(変身していない主人公キャラクタの画像)を表示部50aに表示する(
図51(B))。これにより、非変身バトルのバトル演出が行われることが遊技者に示唆される。
【0364】
これに対して、実行中の変動演出が変動演出パターンSHP101、SHP102、SHP111、SHP112の何れか(変身バトルのバトル演出を行う変動演出パターン)に基づくものであれば、主人公キャラクタが変身した様子を示す画像(鎧をまとった騎士に変身した主人公キャラクタの画像)を表示部50aに表示する(
図51(C))。これにより、変身バトルのバトル演出が行われることが遊技者に示唆される。
【0365】
図51(B)に示す演出(すなわち、変身していない主人公キャラクタの画像を表示する演出)を行った場合には、続いて、演出制御用マイコン121は、
図51(D)に示すように、非変身バトルのバトル演出(第2特定演出の一例)における敵キャラクタが敵キャラA(
図51(D)の左側のキャラクタ)であるのか、敵キャラB(
図51(D)の右側のキャラクタ)であるのかを示す演出(対戦相手煽り演出)を行う。
【0366】
一方、
図51(C)に示す演出(すなわち、変身した主人公キャラクタの画像を表示する演出)を行った場合には、続いて、演出制御用マイコン121は、
図51(E)に示すように、変身バトルのバトル演出(第1特定演出の一例)における敵キャラクタが敵キャラX(
図51(E)の左側のキャラクタ)であるのか、敵キャラY(
図51(E)の右側のキャラクタ)であるのかを示す演出(対戦相手煽り演出)を行う。なお、対戦相手煽り演出までが発展演出であるとする。発展演出は、遊技者から見れば、これから実行されるバトル演出の種類を選択している演出と言える。
【0367】
なお、本形態のパチンコ遊技機PZ2では、リーチ成立チャレンジ演出が行われていた場合の発展演出では、必ず非変身バトルのバトル演出に発展することが示唆され(
図51(A)(B)(D)に示す演出が実行され)、変身バトルのバトル演出に発展することが示唆されることはない(
図51(A)(C)(E)に示す演出が実行されることはない)。発展演出において非変身バトルのバトル演出に発展することが示唆された場合でも(
図51(A)(B)(D)に示す演出が実行された場合でも)、この発展演出前にリーチ成立チャレンジ演出が行われていれば、大当たり当選期待度は十分高いため、遊技者は強い期待感を持って、非変身バトルのバトル演出を見ることが可能である。
【0368】
<バトル演出>
図52(A)に示すように、バトル演出における敵キャラクタが敵キャラAであるか敵キャラBであるかを煽る対戦相手煽り演出を実行した場合、この変動演出が変動演出パターンSHP103又はSHP113(敵キャラAとバトルを行う非変身バトルのバトル演出の変動演出パターン)に基づくものであれば、
図52(B)に示すように、演出制御用マイコン121は、敵キャラAとバトルを行うバトル演出を開始する。具体的には、変身していない主人公キャラクタが敵キャラAとバトルを開始することを示す演出画像を表示部50aに表示する(
図52(B))。
【0369】
そして、変身していない主人公キャラクタが敵キャラAに攻撃をしかける等のバトルシーンの画像を表示部50aに表示して(
図52(C))、当落分岐を迎える。実行している変動演出が変動演出パターンSHP103(大当たり当選に基づく変動演出パターン)に基づくものであれば、
図52(D)に示すように、演出制御用マイコン121は、主人公キャラクタが敵キャラAに勝利した様子を示す画像を表示部50aに表示するとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3をゾロ目で停止表示する。これにより、大当たりに当選したことが遊技者に示される。
【0370】
これに対して、実行している変動演出が変動演出パターンSHP113(ハズレに基づく変動演出パターン)に基づくものであれば、
図52(E)に示すように、演出制御用マイコン121は、主人公キャラクタが敵キャラAに敗北した様子を示す画像を表示部50aに表示するとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3をハズレ目(リーチハズレ目)で停止表示する。これにより、特図抽選の結果がハズレであったことが遊技者に示される。
【0371】
また、バトル演出における敵キャラクタが敵キャラAであるか敵キャラBであるかを煽る対戦相手煽り演出(
図52(A)参照)を実行した場合、この変動演出が変動演出パターンSHP104又はSHP114(敵キャラBとバトルを行う非変身バトルのバトル演出の変動演出パターン)に基づくものであれば、
図53(A)に示すように、演出制御用マイコン121は、敵キャラBとバトルを行うバトル演出を開始する。具体的には、変身していない主人公キャラクタが敵キャラBとバトルを開始することを示す演出画像を表示部50aに表示する(
図53(A))。
【0372】
そして、変身していない主人公キャラクタが敵キャラBに攻撃をしかける等のバトルシーンの画像を表示部50aに表示して(
図53(B))、当落分岐を迎える。実行している変動演出が変動演出パターンSHP104(大当たり当選に基づく変動演出パターン)に基づくものであれば、
図53(C)に示すように、演出制御用マイコン121は、主人公キャラクタが敵キャラBに勝利した様子を示す画像を表示部50aに表示するとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3をゾロ目で停止表示する。これにより、大当たりに当選したことが遊技者に示される。
【0373】
これに対して、実行している変動演出が変動演出パターンSHP114(ハズレに基づく変動演出パターン)に基づくものであれば、
図53(D)に示すように、演出制御用マイコン121は、主人公キャラクタが敵キャラBに敗北した様子を示す画像を表示部50aに表示するとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3をハズレ目(リーチハズレ目)で停止表示する。これにより、特図抽選の結果がハズレであったことが遊技者に示される。
【0374】
また発展演出の最後で、
図54(A)に示すように、バトル演出における敵キャラクタが敵キャラXであるか敵キャラYであるかを煽る対戦相手煽り演出を実行した場合、この変動演出が変動演出パターンSHP101又はSHP111(敵キャラXとバトルを行う変身バトルのバトル演出の変動演出パターン)に基づくものであれば、
図54(B)に示すように、演出制御用マイコン121は、敵キャラXとバトルを行うバトル演出を開始する。具体的には、変身した主人公キャラクタが敵キャラXとバトルを開始することを示す演出画像を表示部50aに表示する(
図54(B))。敵キャラXとのバトル演出は、4種類のバトル演出(敵キャラXとのバトル、敵キャラYとのバトル、敵キャラAとのバトル、敵キャラBとのバトル)の中で最も大当たり当選期待度が高い演出であるため(
図46、
図47参照)、敵キャラXとバトルを開始することを示す演出(
図54(B)に示す演出)が実行されることで、遊技者の大当たり当選への期待感は高められる。
【0375】
敵キャラXとバトルを行うバトル演出では、演出制御用マイコン121は、
図54(B)に示す画像の表示に続いて、変身した主人公キャラクタが敵キャラXに攻撃をしかける等のバトルシーンの画像を表示部50aに表示して(
図54(C))、当落分岐を迎える。実行している変動演出が変動演出パターンSHP101(大当たり当選に基づく変動演出パターン)に基づくものであれば、
図54(D)に示すように、演出制御用マイコン121は、主人公キャラクタが敵キャラXに勝利した様子を示す画像を表示部50aに表示するとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3をゾロ目で停止表示する。これにより、大当たりに当選したことが遊技者に示される。
【0376】
これに対して、実行している変動演出が変動演出パターンSHP111(ハズレに基づく変動演出パターン)に基づくものであれば、
図54(E)に示すように、演出制御用マイコン121は、主人公キャラクタが敵キャラXに敗北した様子を示す画像を表示部50aに表示するとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3をハズレ目(リーチハズレ目)で停止表示する。これにより、特図抽選の結果がハズレであったことが遊技者に示される。
【0377】
また発展演出の最後で、バトル演出における敵キャラクタが敵キャラXであるか敵キャラYであるかを煽る対戦相手煽り演出(
図54(A)参照)を実行した場合、この変動演出が変動演出パターンSHP102又はSHP112(敵キャラYとバトルを行う変身バトルのバトル演出の変動演出パターン)に基づくものであれば、
図55(A)に示すように、演出制御用マイコン121は、敵キャラYとバトルを行うバトル演出を開始する。具体的には、変身した主人公キャラクタが敵キャラYとバトルを開始することを示す演出画像を表示部50aに表示する(
図55(A))。
【0378】
敵キャラYとバトルを行うバトル演出では、演出制御用マイコン121は、
図55(A)に示す画像の表示に続いて、変身した主人公キャラクタが敵キャラYに攻撃をしかける等のバトルシーンの画像を表示部50aに表示して(
図55(B))、当落分岐を迎える。実行している変動演出が変動演出パターンSHP102(大当たり当選に基づく変動演出パターン)に基づくものであれば、
図55(C)に示すように、演出制御用マイコン121は、主人公キャラクタが敵キャラYに勝利した様子を示す画像を表示部50aに表示するとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3をゾロ目で停止表示する。これにより、大当たりに当選したことが遊技者に示される。
【0379】
これに対して、実行している変動演出が変動演出パターンSHP112(ハズレに基づく変動演出パターン)に基づくものであれば、
図55(D)に示すように、演出制御用マイコン121は、主人公キャラクタが敵キャラYに敗北した様子を示す画像を表示部50aに表示するとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3をハズレ目(リーチハズレ目)で停止表示する。これにより、特図抽選の結果がハズレであったことが遊技者に示される。
【0380】
8-2.第2実施形態の効果
以上詳細に説明したように、第2実施形態のパチンコ遊技機PZ2によれば、通常ボタン40の操作に応じて当該通常ボタン40が振動する割合(ボタン振動演出の実行割合)が、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチ状態をとる前と後とで異なっているため(
図48参照)、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチ状態をとる前と後とで通常ボタン40を操作する楽しみに違いが生じ、興趣向上が見込める。
【0381】
また第2実施形態のパチンコ遊技機PZ2によれば、通常ボタン40の操作に応じて当該通常ボタン40を振動させるボタン振動演出が、大当たり遊技状態への制御に期待させるリーチ成立チャレンジ演出(好機演出)に含まれており、このリーチ成立チャレンジ演出が実行される場合には、変身バトルのバトル演出(第1特定演出)ではなくて、これよりも大当たり期待度が低い非変身バトルのバトル演出(第2特定演出)が実行されるようになっている(
図48~
図50参照)。よって、変身バトルのバトル演出ではなくてそれよりも大当たり期待度が低い非変身バトルのバトル演出が実行されるときでも、リーチ成立チャレンジ演出が実行されていることで落胆の程度が緩和され、興趣低下を防止可能である。
【0382】
また第2実施形態のパチンコ遊技機PZ2によれば、リーチ成立チャレンジ演出と非変身バトルのバトル演出とが行われた場合は、リーチ成立チャレンジ演出が行われず非変身バトルのバトル演出が行われる場合よりも大当たり期待度が高くなっているため(
図48参照)、バトル演出の中では大当たり期待度が低い非変身バトルのバトル演出が行われたときでもリーチ成立チャレンジ演出が行われていることで大当たり遊技状態に制御されることに十分に期待させることが可能となり、興趣向上が見込める。
【0383】
8-3.第2実施形態の変更例
以下、第2実施形態のパチンコ遊技機PZ2の変更例について説明する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成しても良い。また、上記形態および下記変更例中の技術的特徴は、上述した第1実施形態のパチンコ遊技機PZ1やその変更例の構成とも、遊技に支障をきたさない範囲で適宜組み合わせることが可能である。なお、上記形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0384】
上述した第2実施形態では、リーチ成立チャレンジ演出において演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチ状態をとる前の操作部(通常ボタン40)の操作と、リーチ状態をとった後の操作部の操作とで、操作部が振動する割合が異なる構成としたが、操作部の操作に応じて操作部に内蔵された発光部(LEDなど)が発光する割合が異なる構成としてもよい。この場合、操作部が発光する発光態様や発光していない非発光態様が、操作部の態様に相当し、操作部が発光する発光演出が変化演出に相当する。また、変化演出において変化する操作部の態様は、操作部の振動/非振動の他、操作部の回転/非回転、所定方向への移動動作/非動作(待機)、所定方向に沿った往復動作/非動作(待機)など適宜変更可能である。
【0385】
また第2実施形態では、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチ状態をとる前の操作やリーチ状態をとった後の操作の対象となる操作部を、通常ボタン40としたが、特殊ボタン41など他の操作部としてもよい。
【0386】
また第2実施形態では、変身した主人公キャラクタがバトルを行う変身バトルのバトル演出(第1特定演出)として、敵キャラXと戦うものと、敵キャラYと戦うものの2種類を設けたが、何れか一方のみを実行可能な構成としてもよく、また、敵キャラZと戦かうものなどさらに別の種類を設けた構成としてもよい。
【0387】
また第2実施形態では、変身していない主人公キャラクタがバトルを行う非変身バトルのバトル演出(第2特定演出)として、敵キャラAと戦うものと、敵キャラBと戦うものの2種類を設けたが、何れか一方のみを実行可能な構成としてもよく、また、敵キャラCと戦かうものなどさらに別の種類を設けた構成としてもよい。
【0388】
また第2実施形態では、リーチ成立チャレンジ演出が実行されてバトル演出が実行される場合、必ず非変身バトルのバトル演出が実行される構成としたが、変身バトルのバトル演出が実行されることがある構成としてもよい。すなわち、リーチ成立チャレンジ演出が実行された場合のバトル演出が、変身バトルのバトル演出(第1特定演出)の中から選択されることがある構成としてもよい。
【0389】
また第2実施形態では、主人公キャラクタが敵キャラクタとバトルを行ってその勝敗によって当落を報知するバトル演出を特定演出としたが、特定演出は、有利状態への制御期待度を示唆する予告演出であってもよい。具体的には例えば、主人公キャラクタの画像を表示する第1カットイン予告演出と、敵キャラクタの画像を表示する第2カットイン予告演出(第1カットイン予告演出よりも大当たり期待度が低い予告演出)とを実行可能な構成とし、第1カットイン予告演出に、画像の縁取りが青色の青色第1カットイン予告演出と、画像の縁取りが赤色の赤色第1カットイン予告演出(青色第1カットイン予告演出よりも大当たり期待度が高い第1カットイン予告演出)とがあり、第2カットイン予告演出に、画像の縁取りが青色の青色第2カットイン予告演出と、画像の縁取りが赤色の赤色第2カットイン予告演出(青色第2カットイン予告演出よりも大当たり期待度が高い第2カットイン予告演出)とがある構成としてもよい。
【0390】
また第2実施形態では、リーチ成立チャレンジ演出が行われなかった場合でも変動演出にてリーチが成立して非変身バトルのバトル演出が実行されることがある構成としたが、非変身バトルのバトル演出が実行される変動演出では、リーチ成立チャレンジ演出が必ず実行されるように構成してもよい。このように構成すれば、主人公キャラクタが変身しなかった場合の遊技者の落胆をより抑制することが可能である。
【0391】
また第2実施形態では、大当たり遊技状態に期待させるリーチ成立チャレンジ演出(好機演出)が、操作部の態様を変化させる変化演出(ボタン振動演出)を含む構成としたが、変化演出(ボタン振動演出)は、大当たり遊技状態に期待させる演出として実行されるものでなくてもよい。大当たり期待度と関係なく、操作部(通常ボタン40)が振動する演出であっても、遊技を盛り上げる一定の効果が見込めるからである。
【0392】
また第2実施形態においては、大当たり当選に基づく変動演出では、リーチ成立チャレンジ演出においてリーチが成立する前の操作に応じて通常ボタン40が振動する確率よりも、リーチが成立した後の操作に応じて通常ボタン40が振動する確率の方が高く、ハズレに基づく変動演出では、リーチ成立チャレンジ演出においてリーチが成立する前の操作に応じて通常ボタン40が振動する確率よりも、リーチが成立した後の操作に応じて通常ボタン40が振動する確率の方が低い構成としたが(
図48参照)、ボタン振動演出(変化演出)の発生確率は適宜変更可能である。具体的には例えば、大当たり当選に基づく変動演出でもハズレに基づく変動演出でも、リーチ成立チャレンジ演出においてリーチが成立する前の操作に応じて通常ボタン40が振動する確率よりも、リーチが成立した後の操作に応じて通常ボタン40が振動する確率の方が高い構成としたり、逆に低い構成としたりしてもよい。但し、どちらの構成とした場合も、大当たり当選に基づく変動演出の方が、ハズレに基づく変動演出よりも、通常ボタン40が振動する確率が高い構成とするとよい。通常ボタン40の振動を、大当たり期待度が高いことの示唆として機能させることができるからである。なお、このことを考慮しなければ、リーチ成立チャレンジ演出においてリーチが成立する前の操作に応じて通常ボタン40が振動する確率についても、リーチが成立した後の操作に応じて通常ボタン40が振動する確率についても、大当たり当選に基づく変動演出とハズレに基づく変動演出とで、同じ確率をとる構成としてもよい。
【0393】
また第2実施形態において、リーチ成立チャレンジ演出での操作演出の発生回数は、複数回であれば適宜変更可能である。
【0394】
9.第3実施形態のパチンコ遊技機
9-1.第3実施形態の構成
次に、特徴的な構成を有する第3実施形態のパチンコ遊技機PZ3について、上述の基本形態のパチンコ遊技機PY1と異なる箇所を中心に、
図56-
図70に基づいて詳細に説明する。
図56に示すように、第3実施形態のパチンコ遊技機PZ3は、普通図柄の抽選契機となる通過口として、右遊技領域6Bに配されており右打ちされた遊技球が通過可能なゲート13だけでなく、左遊技領域6Aに配されており左打ちされた遊技球が通過可能な第2ゲート18を備えている。第2ゲート18には、遊技球の通過を検知可能な第2ゲートセンサ18aが設けられている。遊技球が第2ゲート18を通過した場合(第2ゲートセンサ18aによる遊技球の検知があった場合)には、遊技制御用マイコン101は、遊技球がゲート13を通過した場合と同様の処理を行う。すなわち、遊技制御用マイコン101は、第2ゲート18への通過に基づいて、普図関係乱数(
図10(A)参照)を取得する。なお本形態では、普図保留記憶部106に記憶可能な普図保留の数(普図保留数)の上限は「4」である。
【0395】
次に、第3実施形態に係る「当たり判定テーブル」、「補助遊技制御テーブル」、「普図変動パターン判定テーブル」、「普図先読み判定テーブル」について
図57に基づいて説明する。第3実施形態のパチンコ遊技機PZ3は、ゲート13あるいは第2ゲート18への遊技球の通過に基づいて取得した普図関係乱数(普通図柄乱数)を、
図57(A)に示す当たり判定テーブルに従って判定することにより、普通図柄抽選を行う。具体的には、
図57(A)に示すように、非時短状態では、普通図柄乱数の値が1~1100であれば「第1当たり図柄」に当選したと判定し、普通図柄乱数の値が1101~6600であれば「第2当たり図柄」に当選したと判定し、普通図柄乱数の値が1~6600の何れでもなければ、ハズレである(ハズレ図柄である)と判定する。これに対して遊技制御用マイコン101は、時短状態では、普通図柄乱数の値が1~1100であれば「第1当たり図柄」に当選したと判定し、普通図柄乱数の値が1101~55936であれば「第2当たり図柄」に当選したと判定し、普通図柄乱数の値が1~55936の何れでもなければ、ハズレである(ハズレ図柄である)と判定する。このように本形態では、時短状態における普通図柄抽選の当選確率は、非時短状態における普通図柄抽選の当選確率よりも非常に高くなっている。また本形態では、普通図柄抽選にて当選可能な当たり図柄に、第1当たり図柄と、第2当たり図柄の2種類がある。当たり図柄の種類の違いは、補助遊技における電チュー12D(可変入球装置の一例)の開放パターンに影響を及ぼす。
【0396】
具体的には、第3実施形態のパチンコ遊技機PZ3は、
図57(B)に示すように、非時短状態では、普通図柄が第1当たり図柄で停止表示された場合(普通図柄抽選で第1当たり図柄に当選した場合)、電チュー12Dを4000msにわたって1回開放する補助遊技を実行する一方、普通図柄が第2当たり図柄で停止表示された場合(普通図柄抽選で第2当たり図柄に当選した場合)、電チュー12Dを8msにわたって1回開放する補助遊技を実行する。よって非時短状態において、第1当たり図柄に基づく補助遊技では、遊技者は右打ちを行うことで電チュー12Dに係る第2始動口12に遊技球を入球させることが可能であるが、第2当たり図柄に基づく補助遊技では、遊技者が右打ちを行っても電チュー12Dの開放時間が極端に短いため第2始動口12に遊技球を入球させることは不可能あるいは極めて困難である。
【0397】
これに対して、時短状態では、第3実施形態のパチンコ遊技機PZ3は、普通図柄が第1当たり図柄で停止表示された場合も第2当たり図柄で停止表示された場合も、電チュー12Dを4000msにわたって1回開放する補助遊技を実行する。よって時短状態においては、第1当たり図柄に基づく補助遊技であっても第2当たり図柄に基づく補助遊技であっても、遊技者は右打ちを行うことで電チュー12Dに係る第2始動口12に遊技球を容易に入球させることが可能である。
【0398】
なお、非時短状態における第1当たり図柄に基づく電チュー12Dの開放を非時短状態における電チュー12Dのロング開放と言う。
【0399】
次に、普図変動パターン(普通図柄変動パターン)について
図57(C)に基づいて説明する。
図57(C)に示すように、第3実施形態のパチンコ遊技機PZ3では、遊技制御用マイコン101は、非時短状態における普通図柄抽選の結果が第1当たり図柄であった場合、13秒の普図変動時間の普図変動パターンFHP001を選択する。また遊技制御用マイコン101は、非時短状態における普通図柄抽選の結果が第2当たり図柄であった場合、30秒の普図変動時間の普図変動パターンFHP002を選択する。また遊技制御用マイコン101は、非時短状態における普通図柄抽選の結果がハズレ図柄であった場合、2%の割合で13秒の普図変動時間の普図変動パターンFHP003を選択し、98%の割合で30秒の普図変動時間の普図変動パターンFHP004を選択する。なお、普図変動パターンの選択に用いる普図変動パターン乱数は、ゲート13あるいは第2ゲート18への遊技球の通過時に遊技制御用マイコン101が取得し、普通図柄乱数とともに普図保留記憶部106に記憶しているものとする。普図変動パターン乱数は、普通図柄乱数と同様、普図関係乱数に含まれる。
【0400】
普図変動パターンFHP001が選択された場合、及び、普図変動パターンFHP003が選択された場合には、所定の禁則条件(後に詳述)が成立している場合を除いて、普通図柄の変動表示に伴ってルーレット演出を実行する。ルーレット演出は、非時短状態において電チュー12Dのロング開放に期待させることが可能な演出である。ルーレット演出については、後述する。
【0401】
また第3実施形態のパチンコ遊技機PZ3では、遊技制御用マイコン101は、
図57(C)に示すように、時短状態における普通図柄抽選の結果が第1当たり図柄であった場合、5秒の普図変動時間の普図変動パターンFHP101を選択する。また遊技制御用マイコン101は、時短状態における普通図柄抽選の結果が第2当たり図柄であった場合も、5秒の普図変動時間の普図変動パターンFHP102を選択する。また遊技制御用マイコン101は、時短状態における普通図柄抽選の結果がハズレ図柄であった場合も、5秒の普図変動時間の普図変動パターンFHP104を選択する。つまり時短状態では、普通図柄抽選の結果が当たりであってもハズレであっても、非時短状態よりも極めて短い普図変動時間が選択される。これにより、時短状態では非時短状態よりも、普通図柄抽選が頻繁に実行されることになる。
【0402】
図57(C)に示す普図変動パターン判定テーブルに従って決定した普図変動パターンの情報は、普通図柄の変動表示の開始時に遊技制御用マイコン101から演出制御用マイコン121に対して送信される普図変動開始コマンドに含められる。演出制御用マイコン121は、受信した普図変動開始コマンドが示す普図変動パターンがFHP001であった場合やFHP003であった場合にはルーレット演出を実行し得る。
【0403】
次に、普図先読み判定テーブルについて
図57(D)に基づいて説明する。第3実施形態のパチンコ遊技機PZ3では、遊技制御用マイコン101は、ゲート13あるいは第2ゲート18への遊技球の通過に基づいて普図関係乱数を取得した場合、
図57(D)に示す普図先読み判定テーブルに従って、普図先読みコマンドを特定して、演出制御用マイコン121に送信する。
【0404】
具体的には、
図57(D)に示すように、非時短状態である場合、遊技制御用マイコン101は、取得した普図関係乱数(普通図柄乱数、普図変動パターン乱数)が「第1当たり図柄」且つ「普図変動パターンFHP001」と判定される予定のものである場合、普図先読みコマンドとしてコマンド801を特定して、演出制御用マイコン121に送信する。また、遊技制御用マイコン101は、取得した普図関係乱数が「第2当たり図柄」且つ「普図変動パターンFHP002」と判定される予定のものである場合、普図先読みコマンドとしてコマンド802を特定して、演出制御用マイコン121に送信する。また遊技制御用マイコン101は、取得した普図関係乱数が「ハズレ図柄」且つ「普図変動パターンFHP003」と判定される予定のものである場合、普図先読みコマンドとしてコマンド803を特定して、演出制御用マイコン121に送信する。また遊技制御用マイコン101は、取得した普図関係乱数が「ハズレ図柄」且つ「普図変動パターンFHP004」と判定される予定のものである場合、普図先読みコマンドとしてコマンド804を特定して、演出制御用マイコン121に送信する。これにより、非時短状態において演出制御用マイコン121は、発生している普図保留が当該普図保留に基づく普図変動の開始時の判定でどのように判定されるかを事前に把握することが可能である。
【0405】
また時短状態である場合、遊技制御用マイコン101は、取得した普図関係乱数(普通図柄乱数、普図変動パターン乱数)が「第1当たり図柄」且つ「普図変動パターンFHP101」と判定される予定のものである場合、普図先読みコマンドとしてコマンド901を特定して、演出制御用マイコン121に送信する。また、遊技制御用マイコン101は、取得した普図関係乱数が「第2当たり図柄」且つ「普図変動パターンFHP102」と判定される予定のものである場合、普図先読みコマンドとしてコマンド902を特定して、演出制御用マイコン121に送信する。また遊技制御用マイコン101は、取得した普図関係乱数が「ハズレ図柄」且つ「普図変動パターンFHP104」と判定される予定のものである場合、普図先読みコマンドとしてコマンド904を特定して、演出制御用マイコン121に送信する。これにより、時短状態においても演出制御用マイコン121は、発生している普図保留が当該普図保留に基づく普図変動の開始時の判定でどのように判定されるかを事前に把握することが可能である。
【0406】
次に、演出制御用マイコン121が、遊技制御用マイコン101から普図変動開始コマンドを受信した際に実行することがあるルーレット演出の具体例について
図58に基づいて説明する。
図58(A)は、低確非時短状態(通常遊技状態)において演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が行われている状態を示している。このような中で、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した普図変動開始コマンドが示す普図変動パターンがFHP001(第1当たり図柄を引いた場合の13秒の普図変動パターン、
図57(C)参照)またはFHP003(ハズレ図柄を引いた場合の13秒の普図変動パターン)である場合、普通図柄の変動表示に際して、ルーレット演出を開始する。ルーレット演出では、まず、
図58(B)に示すように、「ルーレットスタート!」の文字画像G90を表示部50aの右上部に表示するとともに、この文字画像G90の下方に、演出結果を表示する窓部を有するルーレットの画像(ルーレット画像G91)を表示する。そして、所定時間(例えば2秒)経過後に「ルーレットスタート!」の文字画像G90を非表示とするとともに、窓部内でルーレット(リール)が回っている状態のルーレット画像G91を所定時間(例えば4秒)表示する(
図58(C))。
【0407】
その後、演出制御用マイコン121は、普図変動パターンFHP003(ハズレ図柄に係る普図変動パターン)に基づくルーレット演出である場合には、
図58(D)に示すように、電チュー12Dが開放されないハズレであることを示す「×」の図柄をルーレット演出の結果として停止表示する。すなわち、窓部内に「×」の図柄が止まっている状態のルーレット画像G91を表示する。
【0408】
これに対して、普図変動パターンFHP001(第1当たり図柄に係る普図変動パターン)に基づくルーレット演出である場合には、演出制御用マイコン121は、
図58(C)の演出の後、
図58(E)に示すように、電チュー12Dのロング開放がなされることを示す「〇」の図柄をルーレット演出の結果として停止表示する。すなわち、窓部内に「〇」の図柄が止まっている状態のルーレット画像G91を表示する。ルーレット演出において「〇」の図柄を導出表示した場合(
図58(E))、続いて、電チュー12Dのロング開放を行う補助遊技の実行に際して、遊技者に右打ちを促す右打ち画像G108を表示するとともに、「電チューを狙え!」の文字画像G92を表示部50aの右上部に表示する(
図58(F))。
図58(E)(F)に示す演出を見た遊技者は右打ちを行うことにより電チュー12Dに係る第2始動口12への入賞を発生させることが可能である。なお本明細書では、最終的に「〇」の図柄を停止表示するルーレット演出を、ルーレット演出(〇)と表記し、最終的に「×」の図柄を停止表示するルーレット演出を、ルーレット演出(×)と表記し、これら2つのルーレット演出をまとめて、ルーレット演出(〇・×)と表記することがある。ルーレット演出(〇)は、所定の演出の一例である。
【0409】
次に、第3実施形態のパチンコ遊技機PZ3における低確非時短状態での特
図1に係る特図変動パターンの判定について説明する。なお、第3実施形態のパチンコ遊技機PZ3は、上述の第1実施形態のパチンコ遊技機PZ1と同様、
図30に示したように、第1始動口11への入賞に基づく特
図1の抽選で当選可能な大当たりの種類に、大当たり図柄1及び大当たり図柄2が含まれ、第2始動口12への入賞に基づく特
図2の抽選で当選可能な大当たりの種類に、大当たり図柄3及び大当たり図柄4が含まれているものとする。
【0410】
第3実施形態のパチンコ遊技機PZ3は、低確非時短状態(低確率低ベース遊技状態)において、
図59に示す特
図1変動パターン判定テーブルに従って特
図1変動パターンを判定する。具体的には、遊技制御用マイコン101は、
図59に示すように、大当たり判定の結果が「大当たり」である場合、大当たり図柄種別判定の結果が「大当たり図柄1」であっても「大当たり図柄2」であっても、特
図1変動パターンとして、「THP301」を50%の割合で選択し、「THP302」を35%の割合で選択し、「THP303」を15%の割合で選択する。
【0411】
また遊技制御用マイコン101は、大当たり判定の結果が「大当たり」でない場合であって、リーチ判定の結果が「リーチ有り」である場合、特
図1変動パターンとして、「THP311」を10%の割合で選択し、「THP312」を20%の割合で選択し、「THP313」を70%の割合で選択する。
【0412】
また遊技制御用マイコン101は、大当たり判定の結果が「大当たり」でない場合であって、リーチ判定の結果が「リーチ無し」である場合、特
図1変動パターンとして、「THP321」、「THP322」の2種類の何れかを決定することが可能である。これらの特
図1変動パターンのうち何れに決定するかは、特
図1保留数によって割り振られている。
【0413】
特
図1保留数が「0」~「2」の場合には、変動時間が13000msである「THP321」を95%の割合で選択し、変動時間が8000msである「THP322」を5%の割合で選択する。また、特
図1保留数が「3」~「4」の場合には、変動時間が13000msである「THP321」を20%の割合で選択し、変動時間が8000msである「THP322」を80%の割合で選択する。つまり、大当たり判定の結果が「ハズレ」であってリーチ判定の結果が「リーチ無し」である場合には、特
図1保留数が少ない方が、変動時間の長い変動パターンが選択され易くなっている。
【0414】
なお、各特図変動パターンの振分率は適宜変更可能である。また、特図変動パターンの種類についても、遊技に支障をきたさない範囲で、適宜増減可能である。
【0415】
ここで、特
図1変動パターン「THP301」、「THP302」、及び「THP303」は、リーチが成立してSPリーチに発展する「SP大当たり変動」である。これらの各特
図1変動パターンに基づく変動演出では、リーチ成立後にSPリーチの導入部分の演出が行われる。ここまでは各特
図1変動パターンで共通する。そして、特
図1変動パターン「THP301」では、SPリーチの導入部分の演出(導入演出と称する)に続いて、第3SPリーチの演出が行われ、特
図1変動パターン「THP302」では、SPリーチの導入部分の演出に続いて、第2SPリーチの演出が行われ、特
図1変動パターン「THP303」では、SPリーチの導入部分の演出に続いて、第1SPリーチの演出が行われる。つまり、SP大当たり変動に係る各特図変動パターンに基づく変動演出では、SPリーチの導入部分の演出までは共通するが、その後に展開される演出(展開演出と称する)の内容が、第3SPリーチ、第2SPリーチ、第1SPリーチといった具合に異なっている。第3SPリーチを行う大当たり変動を「第3SP大当たり変動」といい、第2SPリーチを行う大当たり変動を「第2SP大当たり変動」といい、第1SPリーチを行う大当たり変動を「第1SP大当たり変動」という。何れのSP大当たり変動であっても、最終的には演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がゾロ目で停止表示され、大当たり当選が報知される。
【0416】
また、特
図1変動パターン「THP311」、「THP312」、及び「THP313」は、リーチが成立してSPリーチに発展する「SPハズレ変動」である。これらの各特
図1変動パターンに基づく変動演出では、リーチ成立後にSPリーチの導入部分の演出(導入演出)が行われる。そして、特
図1変動パターン「THP311」では、SPリーチの導入部分の演出に続いて、第3SPリーチの演出が行われ、特
図1変動パターン「THP312」では、SPリーチの導入部分の演出に続いて、第2SPリーチの演出が行われ、特
図1変動パターン「THP313」では、SPリーチの導入部分の演出に続いて、第1SPリーチの演出が行われる。つまり、SPハズレ変動に係る各特図変動パターンに基づく変動演出では、SPリーチの導入部分の演出までは共通するが、その後に展開される演出の内容が、第3SPリーチ、第2SPリーチ、第1SPリーチといった具合に異なっている。第3SPリーチを行うハズレ変動を「第3SPハズレ変動」といい、第2SPリーチを行うハズレ変動を「第2SPハズレ変動」といい、第1SPリーチを行うハズレ変動を「第1SPハズレ変動」という。何れのSPハズレ変動であっても、最終的には演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチハズレ目で停止表示され、ハズレであることが報知される。
【0417】
また、特
図1変動パターン「THP321」は「通常Sハズレ変動」であり、特
図1変動パターン「THP322」は「通常Tハズレ変動」である。これらの特
図1変動パターンは、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチにならずにハズレが示されて終了する特図変動パターンである。
【0418】
本形態では、低確率非時短状態における特
図1変動パターンは、
図59に示す振分率に従って選択される。つまり、大当たりに当選していれば、第3SP大当たり変動(THP301)が最も選択され易く、第2SP大当たり変動(THP302)が次に選択され易く、第1SP大当たり変動(THP303)が最も選択され難い。これに対して、リーチ有りハズレであれば、第3SPハズレ変動(THP311)が最も選択され難く、第2SPハズレ変動(THP312)が次に選択され難く、第1SPハズレ変動(THP313)が最も選択され易い。従って、各SPリーチの大当たり期待度は、第3SPリーチ>第2SPリーチ>第1SPリーチとなっている。なお、第1SPリーチは、通常展開演出の一例であり、第2SPリーチや第3SPリーチは、特別展開演出の一例である。
【0419】
次に、低確非時短状態における特
図1に係る先読み判定について
図60に基づいて説明する。低確非時短状態において第1始動口11への入賞が生じた場合、遊技制御用マイコン101は、
図60に示す特
図1先読み判定テーブルに基づいて、始動入賞コマンドを特定する。
図60に示すように、遊技制御用マイコン101は、先読み判定として大当たりに当選予定であって、第3SP大当たり変動を選択予定であると判定した場合、始動入賞コマンドとしてコマンド301を選択する。また、先読み判定として大当たりに当選予定であって、第2SP大当たり変動を選択予定であると判定した場合、始動入賞コマンドとしてコマンド302を選択する。また、先読み判定として大当たりに当選予定であって、第1SP大当たり変動を選択予定であると判定した場合、始動入賞コマンドとしてコマンド303を選択する。
【0420】
また遊技制御用マイコン101は、先読み判定としてリーチ有りハズレの予定であって、第3SPハズレ変動を選択予定であると判定した場合、始動入賞コマンドとしてコマンド311を選択する。また、先読み判定としてリーチ有りハズレの予定であって、第2SPハズレ変動を選択予定であると判定した場合、始動入賞コマンドとしてコマンド312を選択する。また、先読み判定としてリーチ有りハズレの予定であって、第1SPハズレ変動を選択予定であると判定した場合、始動入賞コマンドとしてコマンド313を選択する。また、先読み判定としてリーチ無しハズレの予定であると判定した場合、始動入賞コマンドとしてコマンド321を選択する。このように始動入賞コマンドには、大当たりであるか否かの当落情報や特図変動パターンの情報が含まれている。
【0421】
低確非時短状態において、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から始動入賞コマンドを受信すると、
図61に示すキャラ集合演出の実行抽選テーブルに基づいて、キャラ集合演出の実行抽選を行う。キャラ集合演出は、先読み判定の結果に基づいて実行される先読み演出の一種であり、1人から5人までの範囲でキャラクタを徐々に集合させていく演出である(
図66参照)。キャラ集合演出において最終的な集合キャラクタの数が3人以上となった場合には、集合させたキャラクタを用いた予告演出(キャラ予告演出)を実行する。キャラ集合演出は、ターゲット保留(先読み演出の実行契機となった特図保留)よりも先に記憶された特図保留に基づく変動からターゲット保留に基づく変動までの複数変動にわたって実行され得る演出である。キャラ集合演出の具体例については後述する。
【0422】
キャラ集合演出の実行抽選では、演出制御用マイコン121は、
図61に示すように、受信した始動入賞コマンドがコマンド301(第3SP大当たり変動の実行予定を示すコマンド)、コマンド302(第2SP大当たり変動の実行予定を示すコマンド)、及び、コマンド303(第1SP大当たり変動の実行予定を示すコマンド)の何れである場合も、70%の割合でキャラ集合演出を実行することに決定し、30%の割合で実行しないことに決定する。
【0423】
また演出制御用マイコン121は、受信した始動入賞コマンドがコマンド311(第3SPハズレ変動の実行予定を示すコマンド)、コマンド312(第2SPハズレ変動の実行予定を示すコマンド)、及び、コマンド313(第1SPハズレ変動の実行予定を示すコマンド)の何れである場合も、30%の割合でキャラ集合演出を実行することに決定し、70%の割合で実行しないことに決定する。
【0424】
また演出制御用マイコン121は、受信した始動入賞コマンドがコマンド321(通常ハズレ変動の実行予定を示すコマンド)である場合は、3%の割合でキャラ集合演出を実行することに決定し、97%の割合で実行しないことに決定する。
【0425】
このように本形態では、大当たり当選の先読み判定結果である場合の方が、ハズレの先読み判定結果である場合よりも、キャラ集合演出が実行され易い。よって、キャラ集合演出は、大当たり当選に期待させる演出や、大当たり期待度が高いことを示唆する演出として機能する。また、SPリーチが行われる予定である旨の先読み判定結果であった場合だけでなく、リーチが成立しない通常ハズレ変動の予定である旨の先読み判定結果であった場合も、極めて低い確率ではあるがキャラ集合演出を実行すると決定されることがあるため、キャラ集合演出がSPリーチの確定を示唆する演出として機能することがないようになっている。
【0426】
キャラ集合演出の実行抽選でキャラ集合演出を実行すると決定した場合、演出制御用マイコン121は、続いて、キャラ集合演出において最終的に集合させるキャラクタの数(「最終的な集合キャラクタ数」という)を、
図62に示すテーブルに基づいて決定する。具体的には、通常ハズレ変動の実行予定である旨の先読み判定結果に基づいてキャラ集合演出を実行すると決定した場合には、最終的なキャラクタ数を50%の割合で「1」に決定し、50%の割合で「2」に決定する。なお、最終的な集合キャラクタ数が「1」や「2」である場合には、キャラ集合演出に続いてキャラ予告演出が行われることはなく、ターゲット保留に基づく変動演出はリーチが成立することなく終了する。
【0427】
また、演出制御用マイコン121は、第1SP変動(第1SP大当たり変動、第1SPハズレ変動)の実行予定である旨の先読み判定結果に基づいてキャラ集合演出を実行すると決定した場合には、最終的なキャラクタ数を55%の割合で「3」に決定し、30%の割合で「4」に決定し、15%の割合で「5」に決定する。また、第2SP変動(第2SP大当たり変動、第2SPハズレ変動)の実行予定である旨の先読み判定結果に基づいてキャラ集合演出を実行すると決定した場合には、最終的なキャラクタ数を25%の割合で「3」に決定し、40%の割合で「4」に決定し、35%の割合で「5」に決定する。また、第3SP変動(第3SP大当たり変動、第3SPハズレ変動)の実行予定である旨の先読み判定結果に基づいてキャラ集合演出を実行すると決定した場合には、最終的なキャラクタ数を10%の割合で「3」に決定し、40%の割合で「4」に決定し、50%の割合で「5」に決定する。
【0428】
最終的な集合キャラクタ数が3以上である場合には、最終的な集合キャラクタ数に応じたキャラ予告演出が、キャラ集合演出に続いて行われる。本形態では、最終的な集合キャラクタ数が「3」である場合、キャラ集合演出で集合した3人のキャラクタが「バンド演奏」を行うことを内容とするキャラ予告演出が実行される。また、最終的な集合キャラクタ数が「4」である場合、キャラ集合演出で集合した4人のキャラクタが「リレー」を行うことを内容とするキャラ予告演出が実行される。また、最終的な集合キャラクタ数が「5」である場合、キャラ集合演出で集合した5人のキャラクタが「トライアスロン」を行うことを内容とするキャラ予告演出が実行される。なお、バンド演奏のキャラ予告演出は、「キャラクタを第1の表示態様で表示する第1演出」の一例であり、トライアスロンのキャラ予告演出は、「キャラクタを第2の表示態様で表示する第2演出」の一例である。
【0429】
「バンド演奏」、「リレー」、「トライアスロン」の何れを内容とするキャラ予告演出にも、成功態様と失敗態様とがある。つまり、バンド演奏のキャラ予告演出には、3人のキャラクタがバンド演奏に挑んで演奏を成功させる成功態様と、演奏に失敗する失敗態様とがあり、リレーのキャラ予告演出には、4人のキャラクタがリレーに挑んで最終走者までバトンの受け渡しに成功する成功態様と、バトンの受け渡しに失敗する失敗態様とがあり、トライアスロンのキャラ予告演出には、5人のキャラクタがトライアスロンに挑んで最終走者までバトンの受け渡しに成功する成功態様と、バトンの受け渡しに失敗する失敗態様とがある。
【0430】
キャラ集合演出のターゲット保留が第1SP変動を実行する予定の特図保留であった場合、「バンド演奏」、「リレー」、「トライアスロン」の何れを内容とするキャラ予告演出であっても、失敗態様が実行される。これに対して、キャラ集合演出のターゲット保留が第2SP変動又は第3SP変動を実行する予定の特図保留であった場合、「バンド演奏」、「リレー」、「トライアスロン」の何れを内容とするキャラ予告演出であっても、成功態様が実行される。つまり本形態では、失敗態様のキャラ予告演出は、第1SPリーチが行われることの示唆として機能し、成功態様のキャラ予告演出は、第1SPリーチよりも大当たり期待度が高い第2SPリーチ、又は、第2SPリーチよりも大当たり期待度が高い第3SPリーチの何れかが行われることの示唆として機能する。なお、キャラ集合演出とこれに続くキャラ予告演出とを合わせて、キャラ演出と称する。キャラ演出は、キャラクタを用いた演出であって、実行されるSPリーチの種類を示唆する演出と言える。
【0431】
ここで、キャラ集合演出における最終的な集合キャラクタ数(言い換えればキャラ予告演出の内容)の振分率は
図62に示した通りとなっている。よって、最終的な集合キャラクタ数が「3」である場合(つまりバンド演奏のキャラ予告演出が実行される場合)よりも、最終的な集合キャラクタ数が「4」である場合(つまりリレーのキャラ予告演出が実行される場合)や、最終的な集合キャラクタ数が「5」である場合(つまりトライアスロンのキャラ予告演出が実行される場合)の方が、キャラ予告演出が成功態様をとる可能性が高い。つまり、第2SPリーチや第3SPリーチが実行される可能性が高い。また、最終的な集合キャラクタ数が「4」である場合(つまりリレーのキャラ予告演出が実行される場合)よりも、最終的な集合キャラクタ数が「5」である場合(つまりトライアスロンのキャラ予告演出が実行される場合)の方が、キャラ予告演出が成功態様をとる可能性が高い。そして、成功態様のトライアスロンのキャラ予告演出が実行された場合には、第2SPリーチよりも、第3SPリーチが実行される可能性が高い。つまり、トライアスロンのキャラ予告演出は、3種類のSPリーチの中で最も大当たり期待度が高い第3SPリーチが実行されることに期待させる演出として機能したり、第1SPリーチよりは第2SPリーチの方が実行され易い状況であることを示唆する演出として機能したり、第2SPリーチよりは第3SPリーチの方が実行され易い状況であることを示唆する演出として機能する。また逆に、バンド演奏のキャラ予告演出は、そのキャラ予告演出が失敗態様に帰結し、3種類のSPリーチの中で最も大当たり期待度が低い第1SPリーチが実行されることを予感させる演出として機能したり、第3SPリーチよりは第2SPリーチの方が実行され易い状況であることを示唆する演出として機能したり、第2SPリーチよりは第1SPリーチの方が実行され易い状況であることを示唆する演出として機能する。
【0432】
次に、特図抽選の結果に基づくルーレット演出について説明する。本形態のパチンコ遊技機PZ3では、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特
図1変動開始コマンドに基づいて、大当たり期待度が高いことを示唆するために、ルーレット演出を実行することがある。このルーレット演出は、上述した普図変動開始コマンドに基づくルーレット演出と同様の演出であるが、最終的に停止表示される図柄が「熱」の文字からなる図柄である点が異なる(
図64参照)。このルーレット演出を、ルーレット演出(熱)と表記することがある。
【0433】
ルーレット演出(熱)の実行抽選では、演出制御用マイコン121は、
図63に示すテーブルに従ってルーレット演出(熱)を実行するか否か決定する。具体的には、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特
図1変動開始コマンドが示す特図変動パターンがTHP301(第3SP大当たり変動)である場合、ルーレット演出(熱)を40%の割合で実行し、60%の割合で実行しない。また、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特
図1変動開始コマンドが示す特図変動パターンがTHP302(第2SP大当たり変動)である場合、ルーレット演出(熱)を20%の割合で実行し、80%の割合で実行しない。
【0434】
また、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特
図1変動開始コマンドが示す特図変動パターンがTHP311(第3SPハズレ変動)である場合や、THP312(第2SPハズレ変動)である場合には、ルーレット演出(熱)を5%の割合で実行し、95%の割合で実行しない。
【0435】
また、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特
図1変動開始コマンドが示す特図変動パターンがTHP303(第1SP大当たり変動)である場合や、THP313(第1SPハズレ変動)である場合、THP321(通常Sハズレ変動)である場合、THP322(通常Tハズレ変動)である場合には、ルーレット演出(熱)を実行することはない。
【0436】
このように本形態では、第3SPリーチおよび第2SPリーチの何れかが行われる変動である場合のみ、ルーレット演出(熱)が行われ得るようになっている。そして、ルーレット演出(熱)は、大当たり変動である場合の方が、ハズレ変動である場合よりも高い確率で実行されるようになっている。よって、ルーレット演出(熱)は、第3SPリーチおよび第2SPリーチの何れかが実行されることの確定報知として機能するとともに、大当たり当選期待度が高いことを示唆する演出として機能する。また、ルーレット演出(熱)は、第3SPリーチが行われる変動の方が、第2SPリーチが行われる変動よりも高い確率で実行されるようになっている。よって、ルーレット演出(熱)は、第3SPリーチが実行される期待度が高いことを示唆する演出として機能する。
【0437】
次に、ルーレット演出(熱)の具体例について
図64に基づいて説明する。ルーレット演出(熱)の実行抽選においてルーレット演出(熱)を実行すると決定した変動では、演出制御用マイコン121は、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示を行っている最中に、ルーレット演出を開始する(
図64(A)(B))。このルーレット演出では、まず、
図64(B)に示すように「ルーレットスタート!」の文字画像G90を表示部50aの右上部に表示するとともに、この文字画像G90の下方に、演出結果を表示する窓部を有するルーレットの画像(ルーレット画像G91)を表示する。そして、所定時間(例えば2秒)経過後に「ルーレットスタート!」の文字画像G90を非表示とするとともに、窓部内でルーレット(リール)が回っている状態のルーレット画像G91を所定時間(例えば4秒)表示する(
図64(C))。
【0438】
その後、演出制御用マイコン121は、
図64(D)に示すように、「熱」の図柄をルーレット演出の結果として停止表示する。すなわち、窓部内に「熱」の図柄が止まっている状態のルーレット画像G91を表示する。「熱」の図柄が停止表示されたことにより、遊技者は、この変動では第3SPリーチか第2SPリーチが行われること、この変動の大当たり期待度が高いこと等を認識することができる。
【0439】
このように本形態では、演出制御用マイコン121は、ルーレット演出として、特別図柄抽選に基づいて大当たり遊技が実行されることに期待させる「ルーレット演出(熱)」と、普通図柄抽選に基づいて電チュー12Dのロング開放がなされることに期待させる「ルーレット演出(〇・×)」とを実行可能である。どちらのルーレット演出も、最終的に図柄が停止表示されるまでは、同じ演出内容となっており、遊技者が区別することは難しい(
図58、
図64参照)。左打ちをしている場合に第2ゲート18への遊技球の通過が生じるタイミングがランダムであることや、第2ゲート18ばかりを見て遊技者が遊技を進行しているわけでないことに鑑みれば、ルーレット演出が開始された場合に、遊技者がどちらのタイプのルーレット演出が行われたのかを毎回正しく区別することはできないと思われる。よって本形態では、ルーレット演出が実行されて、「〇」の図柄か「×」の図柄の何れかが停止表示されると思っているところに、「熱」の図柄が停止表示されて、大当たり当選に対する期待感が一気に高められることがあると言え、これにより遊技興趣が向上されている。
【0440】
但し本形態では、演出制御用マイコン121は、特図抽選に係る「ルーレット演出(熱)」と、普図抽選に係る「ルーレット演出(〇・×)」とを実行可能であるため、無制限に両演出を実行可能としてしまうと演出が煩雑となり、反って遊技興趣を低下させてしまうことが考えられる。そこで本形態のパチンコ遊技機PZ3では、
図65に示すように、ルーレット演出(熱)の実行を制限する条件として、2つの条件(第1禁則条件、第2禁則条件)を設けるとともに、ルーレット演出(〇・×)の実行を制限する条件としても、2つの条件(第1禁則条件、第2禁則条件)を設けている。
【0441】
具体的には、ルーレット演出(熱)についての第1禁則条件は、発生している普図保留の中に、第1当たり図柄当選と判定される予定の普図保留(特定普図保留と称する)があることである。特定普図保留がある場合には、「ルーレット演出(〇)」(
図58(B)(C)(E))を行う予定が既にあると言えるため、このような場合には、演出制御用マイコン121は、特図変動開始時(変動演出開始時)の抽選(
図63)でルーレット演出(熱)を行うと決定した場合でも、ルーレット演出(熱)を実行しないようにしている。なお、ルーレット演出(熱)の実行抽選自体を行わない構成としてもよい。
【0442】
また、ルーレット演出(熱)についての第2禁則条件は、第1当たり図柄に係る普図変動中(第1当たり図柄当選の判定結果に基づく普通図柄の変動表示中)であることである。このような場合には、既にルーレット演出(〇)を実行中であるかまもなく実行するところであるため、演出制御用マイコン121は、特図変動開始時(変動演出開始時)の抽選(
図63)でルーレット演出(熱)を行うと決定した場合でも、ルーレット演出(熱)を実行しないようにしている。なお、ルーレット演出(熱)の実行抽選自体を行わない構成としてもよい。
【0443】
また、ルーレット演出(〇・×)についての第1禁則条件は、発生している特図保留の中に、SPリーチ(第1SPリーチ、第2SPリーチ、第3SPリーチ)を実行する予定の特図保留(特定特図保留と称する)があることである。特定特図保留がある場合には、「ルーレット演出(熱)」(
図64)を行う可能性がある状況である。そのため、「ルーレット演出(熱)」が実行されることによる興趣向上の機会を無くさないように、演出制御用マイコン121は、受信した普図変動開始コマンドが示す普図変動パターンがFHP001やFHP003(ルーレット演出を行う普図変動パターン、
図57(C)参照)であっても、ルーレット演出(〇・×)を実行しないようにしている。
【0444】
また、ルーレット演出(〇・×)についての第2禁則条件は、SPリーチ(第1SPリーチ、第2SPリーチ、第3SPリーチ)の実行中であることである。このような場合には、遊技者は大当たり当選に期待してSPリーチを見ていると考えられるため、SPリーチの結末に向いている遊技者の意識を別の演出に向けさせることは好ましくない。よって、演出制御用マイコン121は、受信した普図変動開始コマンドが示す普図変動パターンがFHP001やFHP003(ルーレット演出を行う普図変動パターン、
図57(C)参照)であっても、ルーレット演出(〇・×)を実行しないようにしている。
【0445】
なお、ルーレット演出(〇)の実行が上記の第1禁則条件あるいは第2禁則条件によって制限された場合でも、電チュー12Dのロング開放に際しては、表示部50aの右上部に右打ち画像G108と「電チューを狙え!」の文字画像G92が表示される(
図58(F))。これにより、遊技者が電チュー12Dへの入賞機会を完全に失わないようになっている。
【0446】
次に、キャラ集合演出、キャラ予告演出、第3SPリーチ、第2SPリーチ、第1SPリーチの実行例について説明する。
【0447】
<キャラ集合演出及びキャラ予告演出>まず、キャラ集合演出(示唆演出の一例)の実行例について説明する。
図66は、キャラ集合演出の具体例を示す図である。
図66(A)は、低確非時短状態において昼間通常用背景画像G102(昼背景)が表示部50aに表示されている中で当該アイコンTAに対応する変動演出が終了した場面(演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が確定停止表示された場面)を示している。この場面では、特
図1に係る保留アイコンHAは4個表示されており(特
図1保留が4個貯まっており)、このうちの4個目の特
図1保留の発生時の先読み判定に基づくキャラ集合演出の実行抽選(
図61)でキャラ集合演出を実行すると決定され、集合キャラクタ数の決定抽選(
図62)で最終的な集合キャラクタ数が「5」に決定されているものとする。すなわち、4個目の特
図1保留がキャラ集合演出のターゲット保留であるものとする。なお、4個目の特
図1保留は、キャラ予告演出の実行契機の特図保留と見ることもできるし、キャラ演出(キャラ集合演出とキャラ予告演出の総称)の実行契機の特図保留と見ることもできる。
【0448】
図66(A)に示す状態から次の変動表示が開始される場合、
図66(B)に示すように、特
図1に係る各保留アイコンHAは1つ隣り(1つ先)の表示領域にシフト表示される。つまり、1個目の保留アイコンHAは当該アイコンTAとして表示され、2個目から4個目の保留アイコンHAは1個目から3個目の保留アイコンHAとして表示される。演出制御用マイコン121は、ターゲット保留に対応する保留アイコンHAの初回のシフト表示に際して、キャラ集合演出の実行を開始する。具体的には、まず、表示部50aの右下部に「キャラを集めろ!」の文字画像MGを表示する(
図66(B))。「キャラを集めろ!」の文字画像MGは、キャラ集合演出の開始を示唆する表示として機能するとともに、キャラ集合演出の内容(目的)を示す表示として機能する。
【0449】
演出制御用マイコン121は、「キャラを集めろ!」の文字画像MGを所定時間(例えば2秒)表示したあと非表示とする。そして、
図66(C)に示すように、表示部50aの右下部に、最大5人のキャラクタを表示可能なキャラクタ表示領域の画像(キャラ表示領域画像CA)を表示する。またこの際に、一人目のキャラクタである第1キャラKaをキャラ表示領域画像CAが表すキャラ表示領域の外側から中へと入れるように表示する。
【0450】
続いて演出制御用マイコン121は、
図66(D)に示すように、ターゲット保留に対応する保留アイコンHAが2個目の保留アイコンHAとして表示されているときに(ターゲット保留が2個目の特
図1保留であるときに)、二人目のキャラクタである第2キャラKbをキャラ表示領域画像CAが表すキャラ表示領域の外側から中へと入れるように表示する。これにより、キャラ表示領域画像CAが表すキャラ表示領域内に、第1キャラKaと第2キャラKbとが集合した様子が示される。
【0451】
続いて演出制御用マイコン121は、
図66(E)に示すように、ターゲット保留に対応する保留アイコンHAが1個目の保留アイコンHAとして表示されているときに(ターゲット保留が1個目の特
図1保留であるときに)、三人目のキャラクタである第3キャラKcをキャラ表示領域画像CAが表すキャラ表示領域の外側から中へと入れるように表示する。これにより、キャラ表示領域画像CAが表すキャラ表示領域内に、第1キャラKaと第2キャラKbと第3キャラKcとが集合した様子が示される。
【0452】
続いて演出制御用マイコン121は、
図66(F)に示すように、ターゲット保留に基づく変動演出を開始して演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を変動表示させているときに(当該アイコンTAがターゲット保留に対応する保留表示であるときに)、四人目のキャラクタである第4キャラKdをキャラ表示領域画像CAが表すキャラ表示領域の外側から中へと入れるように表示するとともに、五人目のキャラクタである第5キャラKeをキャラ表示領域画像CAが表すキャラ表示領域の外側から中へと入れるように表示する。これにより、キャラ表示領域画像CAが表すキャラ表示領域内に、第1キャラKa、第2キャラKb、第3キャラKc、第4キャラKd、及び、第5キャラKeの5人のキャラクタが集合した様子が示される。なお、第1キャラKa、第2キャラKb、第3キャラKc、第4キャラKd、及び、第5キャラKeの各々を、単にキャラクタKと称することがある。また本形態では、各キャラクタKは、フルーツをモチーフにしたキャラクタであるが、キャラクタの種類は適宜変更可能である。各キャラクタKは、所定のキャラクタの一例である。
【0453】
このように演出制御用マイコン121は、4個目の特
図1保留をターゲット保留としてキャラ集合演出を実行し、最終的な集合キャラクタ数を「5」に決定している場合には、ターゲット保留が3個目の特
図1保留になったときの変動演出から、ターゲット保留に基づく変動演出までの4回の変動演出にわたって(つまり4回の特図変動にわたって)、徐々にキャラクタKを集合させていくことが可能である。このため遊技者は、キャラ集合演出で何人のキャラクタKが最終的に集合するのかを楽しみにしながら当該演出を見ることが可能である。なお
図66では、ターゲット保留に基づく変動演出が開始されるまでは1変動毎に一人ずつキャラクタKが増え、ターゲット保留に基づく変動演出では二人のキャラクタKが増えるパターンを例示したが、キャラ集合演出においてどのタイミングで何人のキャラクタKを増やしていくかは、キャラ集合演出のターゲット保留が発生した際の特
図1保留数や、決定した最終的な集合キャラクタ数に基づいて、予め定められているバリエーションの中から抽選で決定されるものとする。
【0454】
図66(F)に示したように、キャラ集合演出において5人のキャラクタKが集合した場合、そのキャラ集合演出のターゲット保留に基づく変動演出では演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチ状態(例えば「2↓2」)で表示され(
図67(A))、SPリーチに発展する。なお、SPリーチの発展は変動演出の開始から13秒経過したタイミングで行われるものとし、この変動演出の開始からSPリーチの開始までの13秒の期間は「所定期間」の一例である。また、SPリーチを実行している状態を所定状態と称する。
【0455】
本形態ではSPリーチが実行される場合、まずSPリーチの導入部分の演出(第1SPリーチ、第2SPリーチ、第3SPリーチの何れにも共通する導入演出)が実行される。具体的には、
図67(B)(C)に示すように、演出制御用マイコン121は、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を表示部50aの右上部に移動表示させつつ、表示部50aの中央に「バレーリーチ」というリーチ名を表す画像を表示し、続いて、本形態のパチンコ遊技機PZ3のモチーフとなっている作品に登場する主人公キャラクタがバレーをしている画像を表示部50aに表示する。
【0456】
このようなSPリーチの導入演出に伴って、演出制御用マイコン121は、キャラ集合演出にて集合させたキャラクタKを用いたキャラ予告演出を実行する。既に述べたように、キャラ予告演出としては、3人のキャラクタKを集合させていた場合はバンド演奏に、4人のキャラクタKを集合させていた場合はリレーに、5人のキャラクタKを集合させていた場合はトライアスロンにチャレンジする演出を実行する(
図62)。この演出例では、キャラ集合演出で5人のキャラクタKを集合させているため(
図67(A))、演出制御用マイコン121は、5人のキャラクタKがトライアスロンにチャレンジするキャラ予告演出を実行する(
図67(B))。トライアスロンのキャラ予告演出では、表示部50aの左から右へ向かって、第5キャラKeが第1種目の水泳を、第1キャラKa及び第2キャラKbが第2種目の自転車ロードレースを、第3キャラKc及び第4キャラKdが第3種目の長距離走を、順次担当していく。最終的に第3キャラKcが第4キャラKdにバトンを渡そうとし(
図67(C))、第4キャラKdにバトンを渡すことができれば演出成功(成功態様のトライアスロンのキャラ予告演出)となり(
図67(D))、第4キャラKdにバトンを渡すことができなければ演出失敗(失敗態様のトライアスロンのキャラ予告演出)となる(
図67(E))。なお、バンド演奏のキャラ予告演出やリレーのキャラ予告演出については図面に基づく具体例の説明を省略するが、これらの演出でも、トライアスロンのキャラ予告演出と同様、最終的には成功態様(集合したキャラクタKによるチャレンジが成功する態様)または失敗態様(集合したキャラクタKによるチャレンジが失敗する態様)に分岐する。
【0457】
図67(B)(C)(D)に示す成功態様のキャラ予告演出は、実行中の変動演出が第3SPリーチあるいは第2SPリーチを行う予定のものである場合(言い換えれば、ターゲット保留が第3SPリーチあるいは第2SPリーチを行う予定の特図保留であった場合)、に行われる(
図62参照)。これに対して、
図67(B)(C)(E)に示す失敗態様のキャラ予告演出は、実行中の変動演出が第1SPリーチを行う予定のものである場合(言い換えれば、ターゲット保留が第1SPリーチを行う予定の特図保留であった場合)、に行われる(
図62参照)。よって遊技者は、成功態様のキャラ予告演出(
図67(B)(C)(D))が行われることにより、第1SPリーチよりも大当たり期待度が高い第2SPリーチ及び第3SPリーチの何れかが実行されることを認識できる。これにより、大当たり当選への期待感が強められる。また遊技者は、失敗態様のキャラ予告演出(
図67(B)(C)(E))が行われることにより、第1SPリーチが実行されることを認識でき、第1SPリーチの結果に望みをかけることになる。
【0458】
<第3SPリーチ>実行中の変動演出が第3SP大当たり変動又は第3SPハズレ変動に基づくものである場合、演出制御用マイコン121は、成功態様のキャラ予告演出(
図67(B)(C)(D))に続いて、
図68(A)に示すように、第3SPリーチであるバレエダンスリーチを実行する。具体的には、表示部50aに、多数のキャラクタ(パチンコ遊技機PZ3のモチーフとなっている作品における主人公キャラクタのクラスメイトのキャラクタ)が参加するシーンを表示し(
図68(A))、続いて、導入演出で表示していた主人公キャラクタがバレーを止めて、参加してきたキャラクタと一緒にバレエダンスを行うシーンを表示する(
図68(B))。そして、表示部50aの右上部に縮小表示していた演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を表示部50aの全域にわたるサイズに戻して、当落分岐を迎える。なお、演出制御用マイコン121は、バレエタンスリーチの実行中は、表示部50aの左上部に、実行中のSPリーチの名称である「バレエダンスリーチ」の文字画像RM1を表示する。これにより遊技者は、「バレーリーチ」のうち大当たり期待度が最も高い「バレエダンスリーチ」が実行されていることを確実に把握できる。
【0459】
そして、実行中の変動演出が第3SP大当たり変動に基づくものであれば、演出制御用マイコン121は、
図68(B)に示した演出に続けてバレエダンスが上手くいったことを示す成功シーンを表示した後で、
図68(C)に示すように、最終的に演出図柄EZ1,EZ2,EZ3をゾロ目(「2・2・2」)で確定的に停止表示する。これにより、大当たり当選が示される。一方、実行中の変動演出が第3SPハズレ変動に基づくものであれば、
図68(B)に示した演出に続けてバレエダンスが上手くいかなかったことを示す失敗シーンを表示した後で、
図68(D)に示すように、最終的に演出図柄EZ1,EZ2,EZ3をリーチハズレ目(「2・1・2」)で確定的に停止表示する。これにより、ハズレであることが示される。
【0460】
<第2SPリーチ>実行中の変動演出が第2SP大当たり変動又は第2SPハズレ変動に基づくものである場合、演出制御用マイコン121は、成功態様のキャラ予告演出(
図67(B)(C)(D))に続いて、
図69(A)に示すように、第2SPリーチである協力バレーリーチを実行する。具体的には、表示部50aに、二人のキャラクタ(パチンコ遊技機PZ3のモチーフとなっている作品における主人公キャラクタの親友である親友キャラクタ)が参加するシーンを表示し(
図69(A))、続いて、導入演出で表示していた主人公キャラクタが、参加してきた二人の親友キャラクタと一緒のチームでバレーの試合を行うシーンを表示する(
図69(B))。そして、表示部50aの右上部に縮小表示していた演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を表示部50aの全域にわたるサイズに戻して、当落分岐を迎える。なお、演出制御用マイコン121は、協力バレーリーチの実行中は、表示部50aの左上部に、実行中のSPリーチの名称である「協力バレーリーチ」の文字画像RM2を表示する。これにより遊技者は、「バレーリーチ」のうち大当たり期待度が中程度の「協力バレーリーチ」が実行されていることを確実に把握できる。
【0461】
そして、実行中の変動演出が第2SP大当たり変動に基づくものであれば、演出制御用マイコン121は、
図69(B)に示した演出に続けてバレーの試合での勝利を示す成功シーンを表示した後で、
図69(C)に示すように、最終的に演出図柄EZ1,EZ2,EZ3をゾロ目(「2・2・2」)で確定的に停止表示する。これにより、大当たり当選が示される。一方、実行中の変動演出が第2SPハズレ変動に基づくものであれば、
図69(B)に示した演出に続けてバレーの試合での敗北を示す失敗シーンを表示した後で、
図69(D)に示すように、最終的に演出図柄EZ1,EZ2,EZ3をリーチハズレ目(「2・1・2」)で確定的に停止表示する。これにより、ハズレであることが示される。
【0462】
<第1SPリーチ>実行中の変動演出が第1SP大当たり変動又は第1SPハズレ変動に基づくものである場合、演出制御用マイコン121は、失敗態様のキャラ予告演出(
図67(B)(C)(E))に続いて、
図70(A)に示すように、第1SPリーチである一人バレーリーチを実行する。具体的には、表示部50aに、主人公キャラクタが一人でバレーを練習しているシーンを表示する(
図70(A))。そして、表示部50aの右上部に縮小表示していた演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を表示部50aの全域にわたるサイズに戻して、当落分岐を迎える。なお、演出制御用マイコン121は、一人バレーリーチの実行中は、表示部50aの左上部に、実行中のSPリーチの名称である「一人バレーリーチ」の文字画像RM3を表示する。これにより遊技者は、「バレーリーチ」のうち大当たり期待度が最も低い「一人バレーリーチ」が実行されていることを確実に把握できる。
【0463】
そして、実行中の変動演出が第1SP大当たり変動に基づくものであれば、演出制御用マイコン121は、
図70(A)に示した演出に続けてバレーの練習が上手くいったことを示す成功シーンを表示した後で、
図70(B)に示すように、最終的に演出図柄EZ1,EZ2,EZ3をゾロ目(「2・2・2」)で確定的に停止表示する。これにより、大当たり当選が示される。一方、実行中の変動演出が第1SPハズレ変動に基づくものであれば、
図70(A)に示した演出に続けてバレーの練習が上手くいかなかったことを示す失敗シーンを表示した後で、
図70(C)に示すように、最終的に演出図柄EZ1,EZ2,EZ3をリーチハズレ目(「2・1・2」)で確定的に停止表示する。これにより、ハズレであることが示される。
【0464】
なお、
図66、
図67(A)~(D)、
図68に示す流れで演出が実行される場合や、
図66、
図67(A)~(D)、
図69に示す流れで演出が実行される場合において、キャラ集合演出のターゲット保留に基づく変動演出が開始されたときには、
図66(F)に示した演出状況下で、
図64(B)~(D)に示すルーレット演出(熱)が行われることがある。このように、キャラ演出(キャラ集合演出、キャラ予告演出)とルーレット演出(熱)とが複合的に行われ得ることによっても、本形態のパチンコ遊技機PZ3の興趣が向上されている。また、
図66(F)に示した演出状況下では、
図58(B)~(D)に示すルーレット演出(×)や
図58(B)(C)(E)に示すルーレット演出(〇)が行われることもある(
図65参照)。よって、
図66(F)に示した演出状況下であるからといってルーレット演出で最終的に停止表示される図柄が「熱」であることが確定するわけではない。そのため、ルーレット演出が終わるまで「熱」の図柄が停止表示されることへの期待感を持続することができ、ルーレット演出の興趣を維持することが可能である。また、
図66(F)に示した演出状況下でも、ルーレット演出(〇)が行われる余地があることから、電チュー12Dへの入賞発生の機会を逃し難くすることが可能である。
【0465】
9-2.第3実施形態の効果
以上詳細に説明したように、第3実施形態のパチンコ遊技機PZ3によれば、先読み判定の結果に基づくキャラ集合演出で表示され得る各キャラクタK(第1キャラKa~第5キャラKe)が、特図変動に伴う変動演出におけるSPリーチの導入部分の演出(導入演出)中に、キャラ予告演出としてバンド演奏をしたり、リレーをしたり、トライアスロンをするといった具合に様々な表示態様で表示される(
図61、
図62、
図66、
図67参照)。そして、キャラクタKがいずれの表示態様をとったか次第で、SPリーチの導入部分の演出(導入演出)の後に、第1SPリーチ(通常展開演出)がなされるのか、それよりも当選期待度が高い第2SPリーチや第3SPリーチ(特別展開演出)がなされるのかが異なっている(
図62参照)。よって、先読み判定の結果に基づくキャラ集合演出におけるキャラクタKの表示と、ターゲット保留に基づく変動演出中のキャラ予告演出におけるキャラクタKの表示に関連性を持たせつつ(
図66、
図67)、そのキャラクタKの表示態様で導入演出に続く演出を予測させることができ、このような一連の演出の繋がりによって遊技興趣を向上可能である。
【0466】
また第3実施形態のパチンコ遊技機PZ3によれば、低確非時短状態における電チュー12Dのロング開放に係る普図変動パターンFHP001(
図57(C)参照)の情報を含む普図変動開始コマンドを受信した場合、演出制御用マイコン121は、原則、「ルーレット演出(〇)」(
図58(B)(C)(E))を実行するところ、SPリーチ(第1SPリーチ、第2SPリーチ、第3SPリーチ)を行う予定の特図保留(SP保留)が発生していたり、SPリーチの実行中である場合には、上記の普図変動開始コマンドを受信してもルーレット演出(〇)を実行しない(
図65)。よって、演出が煩雑になるのが防止され、演出が複雑に実行されることによる遊技興趣の低下を抑制可能である。また、「ルーレット演出(×)」(
図58(B)(C)(D))の実行についても、同じ条件で制限されているため、これによっても演出が煩雑になるのが防止されている。
【0467】
9-3.第3実施形態の変更例
以下、第3実施形態のパチンコ遊技機PZ3の変更例について説明する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成しても良い。また、上記形態および下記変更例中の技術的特徴は、上述した第1実施形態のパチンコ遊技機PZ1やその変更例の構成とも、遊技に支障をきたさない範囲で適宜組み合わせることが可能であり、また上述した第2実施形態のパチンコ遊技機PZ2やその変更例の構成とも、遊技に支障をきたさない範囲で適宜組み合わせることが可能である。なお、上記形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0468】
上述した第3実施形態では、第1SPリーチ(一人バレーリーチ、
図70)よりも大当たり期待度が高い演出として、第2SPリーチ(協力バレーリーチ、
図69)と第3SPリーチ(バレエダンスリーチ、
図68)とを実行可能な構成としたが、第2SPリーチ及び第3SPリーチのうち何れか一方だけを実行可能な構成としてもよい。また、第1SPリーチよりも大当たり当選期待度が高い演出として、3種類以上のSPリーチを実行可能な構成としてもよい。
【0469】
また第3実施形態では、キャラ集合演出における最終的な集合キャラクタ数に応じて、当該キャラ集合演出から繋がるキャラ予告演出の内容が3種類(バンド演奏、リレー、トライアスロン)の何れかに決定される構成としたが、キャラ予告演出の内容は2種類(例えば、バンド演奏とトライアスロンだけ)や、4種類以上としてもよい。但しキャラ予告演出の内容を何種類にした場合であっても、キャラ集合演出の最終的な集合キャラクタ数が多い方が、少ないよりも、第2SPリーチや第3SPリーチ(相対的に大当たり期待度が高いSPリーチ)が実行され易い構成とするとよい。
【0470】
また第3実施形態では、キャラ集合演出における最終的な集合キャラクタ数に応じて、当該キャラ集合演出から繋がるキャラ予告演出の内容(バンド演奏、リレー、トライアスロン)が変わる構成としたが、キャラ集合演出における最終的な集合キャラクタ数が何人であっても、その後のキャラ予告演出の内容が変わらない(例えばキャラ予告演出としては必ずトライアスロンに挑むものが行われる構成)としてもよい。但しこのような構成とした場合でも、キャラ集合演出の最終的な集合キャラクタ数に応じて、キャラ予告演出に用いられるキャラクタの数が変わるとともに、キャラ予告演出の成功確率も変わることが望ましい。なおこのような構成とした場合、例えば、キャラ集合演出で集合させた3人のキャラクタが所定の挑戦(トライアスロン)に挑むキャラ予告演出が、「キャラクタを第1の表示態様で表示する第1演出」の一例となり、キャラ集合演出で集合させた5人のキャラクタが所定の挑戦(トライアスロン)に挑むキャラ予告演出が、「キャラクタを第2の表示態様で表示する第2演出」の一例となる。
【0471】
また第3実施形態では、キャラ予告演出がバンド演奏、リレー、トライアスロンのいずれを行うものであっても、失敗した場合にはその後に第1SPリーチが行われ、成功した場合にはその後に第2SPリーチ及び第3SPリーチの何れかが行われる構成とした(
図62)。これに対して、キャラ予告演出が失敗の場合には、第1の確率で第1SPリーチが行われ、第1の確率よりも低い第2の確率で第2SPリーチ及び第3SPリーチの何れかが行われる一方で、キャラ予告演出が成功の場合には、第3の確率で第2SPリーチ及び第3SPリーチの何れかが行われ、第3の確率よりも低い第4の確率で第1SPリーチが行われる構成としてもよい。なお、第4の確率は第1の確率よりも低く、第2の確率は第3の確率よりも低いものとする。
【0472】
また第3実施形態では、第1SPリーチ(通常展開演出)の実行中であっても、第2SPリーチ(特別展開演出)や第3SPリーチ(特別展開演出)の実行中であっても、ルーレット演出(〇)やルーレット演出(×)を実行しない構成とした(
図65参照)。言い換えれば、SPリーチが行われるSP変動ではSPリーチの実行前でなければルーレット演出(〇)やルーレット演出(×)が行われることがない構成とした。これに対して、第1SPリーチを実行していてもルーレット演出(〇)やルーレット演出(×)を実行可能であるが、第2SPリーチあるいは第3SPリーチ(第1SPリーチよりも期待度の高いSPリーチ)を実行していればルーレット演出(〇)やルーレット演出(×)を実行しない構成としてもよい。このような構成とすれば、相対的に期待度の高いSPリーチではそのSPリーチに遊技者を集中させることができる一方で、相対的に期待度の低いSPリーチ中はルーレット演出(〇)やルーレット演出(×)の実行が担保されることで電チュー12Dへの入賞という別のチャンスを意識させることができ、遊技興趣の向上が見込める。
【0473】
また第3実施形態では、ルーレット演出(×)についても、ルーレット演出(〇)と同様、2つの禁則条件を設けたが(
図65)、ルーレット演出(×)については禁則条件を設けなくてもよい。また第3実施形態では、ルーレット演出(熱)について2つの禁則条件を設けるとともに、ルーレット演出(〇・×)について2つの禁則条件を設けたが、ルーレット演出(熱)についてだけ禁則条件を設ける構成としたり、ルーレット演出(〇・×)についてだけ禁則条件を設ける構成としたりしてもよい。また、演出が煩雑になることによる興趣低下を防止することを考慮しなければ、ルーレット演出(熱)についてもルーレット演出(〇・×)についても禁則条件を設けない構成としてもよい。また、ルーレット演出(熱)についての禁則条件を第1禁則条件及び第2禁則条件のうちの何れか1つとしてもよい。また、ルーレット演出(〇・×)についての禁則条件を第1禁則条件及び第2禁則条件のうちの何れか1つとしてもよい。また、ルーレット演出(〇・×)の実行を、大当たり当選に基づくSPリーチの実行中であれば禁止するが、ハズレに基づくSPリーチの実行中であれば可能とする構成としたり、ルーレット演出(〇・×)の実行を、大当たり当選に基づくSPリーチの実行中であれば可能とするが、ハズレに基づくSPリーチの実行中であれば禁止する構成としたりしてもよい。
【0474】
10.各実施形態に共通する変更例
上記形態(第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態)において、各演出の演出内容や抽選確率は、その演出の機能を阻害しない範囲で適宜変更可能である。また、特図抽選の結果として停止表示される特別図柄の種類(大当たり図柄、ハズレ図柄等)とその特典、抽選確率は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜変更可能である。
【0475】
また上記形態では、本発明をパチンコ遊技機に適用したが、アレンジボール機、雀球遊技機等の他の弾球遊技機などに適用することも可能である。また、本発明をパチンコ遊技機に適用する場合、遊技機のゲーム性は遊技に支障をきたさない範囲で適宜変更可能である。すなわち本発明は、遊技に支障をきたさなければ、いわゆる図柄確変機(当選した図柄の種類に基づいて高確率状態への移行が決定される遊技機)、いわゆるV確機(大入賞口内の特定領域(V領域)の通過に基づいて高確率状態に制御する遊技機)、いわゆる確変ループタイプの遊技機(一旦高確率状態に制御されると次の大当たり遊技の開始まで高確率状態への制御が続く遊技機)、いわゆるST機(確変の回数切りの遊技機)、いわゆる1種2種混合機やハネモノタイプの遊技機などに、適宜採用することが可能である。また本発明を、下皿35等の構成を有さず遊技機内に封入された遊技球が循環するタイプの遊技機(所謂封入式遊技機、循環式遊技機、管理遊技機、スマートパチンコ)に適用してもよい。
【0476】
また上記形態では、特図可変表示に略同調して小図柄KZ1,KZ2,KZ3の可変表示が行われるが、小図柄KZ1,KZ2,KZ3のように3つの図柄で構成させるのではなく、2つなど3つ以外の図柄で構成させてもよい。例えば、特
図1と特
図2とで分けた2つの図柄を設けても良い。また、特
図1と特
図2とで共通の1つの図柄を設けても良い。そして、これらの場合、画像表示装置50の表示部50aで表示し、サブ制御基板120にその制御を行わせても良い。また、遊技盤1の遊技領域6以外の領域において、図柄を表示するLED装置を設けても良い。この場合、そのLED装置の制御を主制御基板100またはサブ制御基板120に行わせても良い。
【0477】
また上記形態では、遊技の進行に係る基本的な制御を主制御基板100が行い、遊技の進行(遊技の制御)に応じた演出の進行に係る基本的な制御をサブ制御基板120が行うというように、遊技の制御と演出の制御とを異なる基板で行っているが、一つの基板で行うよう構成しても良い。この場合、画像制御基板140を、その一つの基板に含めても良く、また、その一つの基板とは別に設けても良い。
【0478】
なお、「遊技者に有利な状態(有利遊技状態、有利状態、又は、特別遊技状態)」と言う場合、全ての大当たり遊技状態がこれに該当する構成でなくてもよい。例えば、その後に高確率状態に制御される予定の大当たり遊技状態が「遊技者に有利な状態」に該当する構成としたり、実質10R等の相対的に多くの賞球を獲得可能な大当たり遊技状態が「遊技者に有利な状態」に該当する構成としたりしてもよい。また、「遊技者に有利な状態」は、大当たり遊技状態のことではなく、小当たり遊技状態(小当たり遊技を実行している状態)のことであってもよく、また、高確率状態や高ベース状態(時短状態)のことであってもよい。2種大当たりを搭載している遊技機では、小当たり遊技状態と当該小当たり遊技状態における特定領域16への遊技球の通過に基づく大当たり遊技状態との一連の遊技状態を、遊技者に有利な状態としてもよい。また、「遊技者に有利な状態」を高確率状態や高ベース状態(時短状態)のこととする場合には、「遊技者に有利な状態」になることに期待させる種々の演出は、特別図柄の変動表示中の演出に限らず、大当たり遊技中の演出など、他のタイミングで行われる演出であってもよい。
【0479】
11.各実施形態及びその変更例に示されている発明
上記した各実施形態及びその変更例には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施形態等における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。なお、手段Aは、以下の手段A1~A3の総称である。また手段Bは、以下の手段B1~B3の総称である。また手段Cは、以下の手段C1~C3の総称である。
【0480】
手段A1:
所定の態様(リーチ)で装飾図柄(演出図柄EZ1,EZ2,EZ3)を表示する第1演出(変動演出におけるリーチ形成までの演出)を行った後で、特定結果(確変大当たり当選)又は非特定結果(通常大当たり当選)を導出可能な第2演出(変動演出におけるリーチ成立以降の演出)を行う特定演出(バトルリーチに発展する変動演出)を実行可能であり、
前記装飾図柄には、前記非特定結果(通常大当たり)が導出され易いことを示唆する特定装飾図柄(強敵キャラクタが描かれた台座部DGKを含む強敵図柄)を含む複数の種類があり(
図32参照)、
前記装飾図柄に所定数(1つ)の前記特定装飾図柄を含んでいる特定演出モード(第1確変演出モード、
図33参照)と、前記装飾図柄に前記所定数よりも多い数(3つ)の前記特定装飾図柄を含んでいる非特定演出モード(第2確変演出モード、
図34参照)とに設定可能であり、
前記特定演出モードにおいて前記特定演出が実行されるときと、前記非特定演出モードにおいて前記特定演出が実行されるときとがあることを特徴とする遊技機(第1実施形態に係るパチンコ遊技機PZ1)。
【0481】
この構成の遊技機によれば、装飾図柄の種類には非特定結果が導出され易い特定装飾図柄が含まれており、非特定演出モードに設定された場合には特定演出モードに設定された場合よりも装飾図柄に含まれる特定装飾図柄の数が多くなる。よって、非特定演出モードに設定された場合には、特定演出の結果として特定結果よりも非特定結果が導出され易い感じを遊技者に抱かせることができ、遊技者心理を刺激して、遊技興趣を向上することが可能である。
【0482】
手段A2:
手段A1に記載の遊技機であって、
前記特定演出が終了したときに遊技者にとって有利な有利状態(大当たり遊技状態)に制御し、所定条件(確変大当たり当選)が成立したときに前記有利状態の後で特典状態(高確率状態)に制御することが可能であり、
前記特定演出として、前記有利状態に制御されるときに前記所定条件が成立する割合が高い高成立演出(例えば、通常敵図柄をリーチ図柄とする変動演出)を実行する場合と、前記有利状態に制御されるときに前記所定条件が成立する割合が低い低成立演出(強敵図柄をリーチ図柄とする変動演出)を実行する場合とがあることを特徴とする遊技機。
【0483】
この構成の遊技機によれば、所定条件が成立したときには有利状態の後で特典状態に制御されるところ、特定演出として、所定条件が成立する割合が高い高成立演出が実行されるときと、所定条件が成立する割合が低い低成立演出が実行される場合とがあるため、高成立演出と低成立演出の何れが行われるかに対する関心を高めて、遊技興趣を向上可能である。
【0484】
手段A3:
手段A2に記載の遊技機であって、
前記有利状態に制御するかの当否判定よりも前に、前記有利状態になるかと前記所定条件が成立するかの先読み判定を行い(
図36参照)、当該先読み判定の結果に基づいて、前記有利状態になることに期待させる所定の先読み演出(チャンスゾーン演出、
図37参照)を実行することが可能であり、
前記有利状態になる旨の前記先読み判定がなされた場合であって、当該先読み判定に対応する前記特定演出として前記低成立演出(強敵図柄をリーチ図柄とする変動演出)を実行するときは、当該先読み判定に基づく前記所定の先読み演出の実行を制限する(チャンスゾーン演出を実行しない)ことを特徴とする遊技機。
【0485】
この構成の遊技機によれば、特定演出として、所定条件が成立して特典状態に制御される割合が相対的に低い低成立演出が実行される場合には、この低成立演出に対応する先読み判定の結果に基づく先読み演出の実行が制限される。よって、先読み演出によって遊技者に期待を持たせたにもかかわらず低成立演出が実行されて遊技者を落胆させてしまう事態の発生を防止可能である。
【0486】
ところで従来より、遊技機の一例であるパチンコ遊技機として、例えば特許第7054189号公報に記載されているように、左中右の演出図柄(装飾図柄)を変動表示させた後、大当たりか否かの判定の結果を示す態様で停止表示する変動演出において、中演出図柄を、その後の演出展開(例えば発展先であるバトルリーチにおける敵キャラクタの種類)を示唆する特殊な演出図柄で一旦停止することがある遊技機が知られている。しかしながら、特許第7054189号公報に記載されているような特殊な演出図柄を停止することでその後に行われる演出展開を示唆する演出手法は、現在ではよく見かけるものとなっており、演出図柄を用いた演出によって遊技者に興趣を提供するためには、未だ改良の余地がある。
【0487】
上記した手段Aは、特許第7054189号公報に記載の遊技機に対して、「装飾図柄には、非特定結果が導出され易いことを示唆する特定装飾図柄を含む複数の種類があり、装飾図柄に所定数の特定装飾図柄を含んでいる特定演出モードと、装飾図柄に所定数よりも多い数の特定装飾図柄を含んでいる非特定演出モードとに設定可能であり、特定演出モードにおいて特定演出が実行されるときと、非特定演出モードにおいて特定演出が実行されるときとがある」という点で相違している。この相違点により、手段Aの発明は、「演出を通じて遊技の興趣を向上させる」という課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
【0488】
手段B1:
遊技者が操作可能な操作部(通常ボタン40)を備え、
遊技者に有利な有利状態(大当たり遊技状態)にするかの判定結果を報知する報知演出(変動演出)を実行することと、
前記報知演出において、演出図柄(演出図柄EZ1,EZ2,EZ3)がリーチ状態をとるリーチ演出(
図50(A)に示すリーチの成立)を実行することと、
前記報知演出において前記リーチ演出を実行する前あるいは後の前記操作部の操作に応じて当該操作部の態様を変化させる変化演出(通常ボタン40を振動させるボタン振動演出)を実行することと、が可能であり、
前記リーチ演出の実行前の前記操作部の操作に応じて前記変化演出を実行する割合と、前記リーチ演出の実行後の前記操作部の操作に応じて前記変化演出を実行する割合とが異なる(
図48参照)ことを特徴とする遊技機。
【0489】
この構成の遊技機によれば、操作部の操作に応じて当該操作部の態様が変化する割合が、演出図柄がリーチ状態となる前と後とで異なっているため、演出図柄がリーチ状態となる前と後とで操作部を操作する楽しみに違いが生じ、興趣向上が見込める。
【0490】
手段B2:
手段B1に記載の遊技機であって、
1又は複数の第1特定演出(敵キャラXとの変身バトルのバトル演出(
図54参照)、敵キャラYとの変身バトルのバトル演出(
図55参照))、及び、当該第1特定演出よりも前記有利状態に制御される期待度が低い1又は複数の第2特定演出(敵キャラAとの非変身バトルのバトル演出(
図52参照)、敵キャラBとの非変身バトルのバトル演出(
図53参照))を含む複数の演出の中から選択された特定演出(バトル演出)を前記報知演出(変動演出)において実行することが可能であり、
前記有利状態に制御されることに期待させる演出であって、前記変化演出(ボタン振動演出)を含む好機演出(リーチ成立チャレンジ演出)を実行可能であり(
図48~
図50参照)、
前記報知演出において前記特定演出と前記好機演出とを実行する場合、当該特定演出が前記第2特定演出から選択されることを特徴とする遊技機。
【0491】
この構成の遊技機によれば、操作部の操作に応じて当該操作部の態様を変化させる変化演出が、有利状態への制御に期待させる好機演出に含まれており、この好機演出が実行される場合には、第1特定演出ではなくて、第1特定演出よりも有利状態への制御期待度が低い第2特定演出が実行されるようになっている。よって、第1特定演出ではなくてそれよりも有利状態への制御期待度が低い第2特定演出が実行されるときでも、好機演出が実行されていることで落胆の程度が緩和され、興趣低下を防止可能である。
【0492】
手段B3:
手段B2に記載の遊技機であって、
前記報知演出が前記好機演出と前記第2特定演出とを含む場合の方が、前記報知演出が前記好機演出を含まず前記第2特定演出を含む場合よりも、前記有利状態に制御される期待度が高い(
図48参照)ことを特徴とする遊技機。
【0493】
この構成の遊技機によれば、好機演出と第2特定演出とが行われた場合は、好機演出が行われず第2特定演出が行われる場合よりも有利状態への制御期待度が高くなっているため、特定演出の中では有利状態への制御期待度が低い第2特定演出が行われたときでも好機演出が行われていることで有利状態に制御されることに十分に期待させることが可能となり、興趣向上が見込める。
【0494】
ところで従来より、遊技機の一例であるパチンコ遊技機として、例えば特開2020-099773号公報に記載されているように、操作手段の操作に応じて、操作された操作手段や、操作された操作手段とは別の操作手段を振動させる演出を実行可能な遊技機が知られている。しかしながら、特開2020-099773号公報に記載されているような操作手段の操作に応じて操作手段の態様を振動している態様に変化させる演出は、現在ではよく見かけるものとなっており、操作手段(操作部)を用いた演出によって遊技者に興趣を提供するためには、未だ改良の余地がある。
【0495】
上記した手段Bは、特開2020-099773号公報に記載の遊技機に対して、「遊技者に有利な有利状態にするかの判定結果を報知する報知演出において、演出図柄がリーチ状態をとるリーチ演出を実行する前あるいは後の操作部の操作に応じて当該操作部の態様を変化させる変化演出を実行することが可能であり、リーチ演出の実行前の操作部の操作に応じて変化演出を実行する割合と、リーチ演出の実行後の操作部の操作に応じて変化演出を実行する割合とが異なる」という点で相違している。この相違点により、手段Bの発明は、「演出を通じて遊技の興趣を向上させる」という課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
【0496】
手段C1:
遊技の進行を制御する遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)と、
前記遊技制御手段からのコマンドに基づいて演出を実行可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)と、を備え、
前記遊技制御手段は、当否判定の結果に基づいて、所定の図柄(特別図柄)を変動表示したあと当該当否判定の結果を示す態様で停止表示する図柄変動(特図変動)を行うことが可能であり、
前記演出制御手段は、
前記当否判定よりも前に行われる先読み判定の結果に基づいて、所定のキャラクタ(キャラクタK)を表示する示唆演出(キャラ集合演出、
図66参照)を行うことと、
前記図柄変動に伴って、所定の導入演出(SPリーチの導入部分の演出、
図67(B)~(E)参照)を行ったあとで、通常展開演出(
図70に示す第1SPリーチ)又は前記通常展開演出よりも当選期待度が高い特別展開演出(
図68に示す第3SPリーチ、
図69に示す第2SPリーチ)を行うことと、
前記導入演出において、前記示唆演出にて表示されるキャラクタを第1の表示態様(バンド演奏の態様)で表示する第1演出(例えばバンド演奏のキャラ予告演出)、又は、前記示唆演出にて表示されるキャラクタを第2の表示態様(例えばトライアスロンの態様)で表示する第2演出(トライアスロンのキャラ予告演出、
図67(B)~(E)参照)を行うことと、が可能であり(
図62参照)、
前記第1演出が実行された場合よりも前記第2演出が実行された場合の方が前記導入演出の実行後に前記特別展開演出が実行され易いことを特徴とする遊技機(第3実施形態のパチンコ遊技機PZ3)。
【0497】
この構成の遊技機によれば、先読み判定の結果に基づく示唆演出で表示される所定のキャラクタが、図柄変動に伴う導入演出において第1の表示態様で表示されたり、第2の表示態様で表示されたりし、その表示態様次第で、導入演出の後に通常展開演出がなされるのか、それよりも当選期待度が高い特別展開演出がなされるのかが異なっている。よって、先読み判定の結果に基づくキャラクタの表示と、図柄変動に伴う導入演出中のキャラクタの表示に関連性を持たせつつ、そのキャラクタの表示態様で導入演出に続く演出を予測させることができ、このような一連の演出の繋がりによって遊技興趣を向上可能である。
【0498】
手段C2:
手段C1に記載の遊技機であって、
前記演出制御手段は、
可変入球装置(電チュー12D)が入球し易い状態(開状態)に制御されることを示す特定のコマンド(普図変動パターンFHP001の情報を含む普図変動開始コマンド、
図57(C)参照)を受信したことに基づいて所定の演出(「ルーレット演出(〇)」、
図58(B)(C)(E)参照)を実行可能であり、
所定状態(SPリーチを実行している状態)に制御する契機となる図柄変動が保留されている場合(SPリーチを実行予定の特図保留がある場合)および図柄変動が開始されてから所定期間経過している場合(SPリーチの実行中である場合)、前記特定のコマンドを受信しても前記所定の演出を実行しない(
図65参照)ことを特徴とする遊技機。
【0499】
この構成の遊技機によれば、所定状態に制御する契機となる図柄変動が保留されている場合や、図柄変動の開始から所定期間経過している場合には、可変入球装置が入球し易い状態に制御されることを示す特定のコマンドを演出制御手段が受信しても所定の演出を実行しないため、演出が煩雑になるのが防止され、演出が複雑に実行されることによる遊技興趣の低下を抑制可能である。
【0500】
手段C3:
手段C2に記載の遊技機であって、
前記演出制御手段は、前記通常展開演出(第1SPリーチ)又は前記特別展開演出(第3SPリーチ、第2SPリーチ)を実行している場合は、前記特定のコマンドを受信しても前記所定の演出(「ルーレット演出(〇)」)を実行しないことが可能である(
図65参照)ことを特徴とする遊技機。
【0501】
この構成の遊技機によれば、図柄変動に伴う導入演出の後の通常展開演出や特別展開演出を実行している場合には、可変入球装置が入球し易い状態に制御されることを示す特定のコマンドを演出制御手段が受信しても所定の演出を実行しないため、遊技者の意識を通常展開演出や特別展開演出に向けることができ、演出が煩雑になるのが防止され、演出が複雑に実行されることによる遊技興趣の低下を抑制可能である。
【0502】
ところで従来より、遊技機の一例であるパチンコ遊技機として、例えば特開2020-014923号公報に記載されているように、1回の変動演出において、複数のキャラクタの何れかがセリフを発する予告演出が行われた後に、複数のキャラクタの何れかが登場するキャラリーチの演出に発展する遊技機が知られている。しかしながら、特開2020-014923号公報に記載されている遊技機では、予告演出として複数のキャラクタの何れかがセリフを発し、その後のキャラリーチとして複数のキャラクタの何れかが登場するだけであり、演出同士の関連性を感じさせるものではなかった。よって、演出による興趣を向上させるためには未だ改良の余地がある。
【0503】
上記した手段Cは、特開2020-014923号公報に記載の遊技機に対して、「当否判定よりも前に行われる先読み判定の結果に基づいて所定のキャラクタを表示する示唆演出を行うことと、当否判定の結果に基づく図柄変動に伴って、所定の導入演出を行ったあとで通常展開演出又は通常展開演出よりも当選期待度が高い特別展開演出を行うことと、導入演出において、示唆演出にて表示されるキャラクタを第1の表示態様で表示する第1演出又は第2の表示態様で表示する第2演出を行うこととが可能であり、第1演出が実行された場合よりも第2演出が実行された場合の方が導入演出の実行後に特別展開演出が実行され易い」という点で相違している。この相違点により、手段Cの発明は、「演出を通じて遊技の興趣を向上させる」という課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
【符号の説明】
【0504】
PZ1…パチンコ遊技機
PZ2…パチンコ遊技機
PZ3…パチンコ遊技機
12D…電チュー(可変入球装置)
40…通常ボタン(操作部)
50…画像表示装置
50a…表示部
101…遊技制御用マイコン
121…演出制御用マイコン
EZ1…左演出図柄
EZ2…中演出図柄
EZ3…右演出図柄
SG…数字部
DG…台座部
K…キャラクタ
Ka…第1キャラ
Kb…第2キャラ
Kc…第3キャラ
Kd…第4キャラ
Ke…第5キャラ
G91…ルーレット画像