(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】作業現場の管理システム及び作業現場の管理方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20240228BHJP
E02F 9/20 20060101ALI20240228BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20240228BHJP
G08G 1/13 20060101ALI20240228BHJP
【FI】
G08G1/00 X
E02F9/20 N
G08G1/09 F
G08G1/13
(21)【出願番号】P 2019071672
(22)【出願日】2019-04-03
【審査請求日】2022-03-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平中 貴士
(72)【発明者】
【氏名】徳 勲
【審査官】西畑 智道
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-153987(JP,A)
【文献】特開2016-218576(JP,A)
【文献】国際公開第2016/051524(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/151291(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G01C 21/00-21/36
G01C 23/00-25/00
E02F 9/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人
運搬車両と有人
運搬車両とが混在して稼働する作業現場の管理システムであって、
前記有人
運搬車両が作業現場
の作業場のうち前記作業場に設定された作業点及び前記作業点に対する進入指令の取得を待機する待機位置とは異なる所定エリアに存在しているか否かを判定する判定部と、
判定結果に基づいて、
前記作業点に前記無人
運搬車両又は前記有人
運搬車両を
進入させる
進入指令を出力する指令部と、
前記判定結果に基づいて、前記作業点に前記無人運搬車両又は前記所定エリアに存在する前記有人運搬車両を割り振る割振指令を出力する割振実行部と、を備え、
前記割振指令の取得を待機する進入待機位置に前記無人運搬車両又は前記有人運搬車両が待機している場合、前記割振実行部は、前記進入待機位置に待機している前記無人運搬車両又は前記有人運搬車両よりも前記所定エリアに存在する有人運搬車両を優先して前記作業点に割り振る、
作業現場の管理システム。
【請求項2】
前記判定部は、前記有人
運搬車両の位置に基づいて、前記所定エリアに存在しているか否かを判定する、
請求項1に記載の作業現場の管理システム。
【請求項3】
前記指令部は、割り振り結果に基づいて、割振指令を出力する、
請求項1又は請求項2に記載の作業現場の管理システム。
【請求項4】
前記割振実行部は、前記作業場の入口において待機する複数の無人
運搬車両又は有人
運搬車両のうち先頭の無人
運搬車両又は有人
運搬車両を割り振る、
請求項3に記載の作業現場の管理システム。
【請求項5】
前記割振実行部は、前記所定エリアに存在する複数の有人
運搬車両のうち前記作業点に近い有人
運搬車両を割り振る、
請求項3に記載の作業現場の管理システム。
【請求項6】
前記割振実行部は、前記所定エリアに存在する複数の有人
運搬車両のうち待機時間が長い有人
運搬車両を割り振る、
請求項3に記載の作業現場の管理システム。
【請求項7】
前記有人
運搬車両に設けられ、
前記有人運搬車両を前記作業点に進入させる前記進入指令を通知する進入案内データを通知する通知装置を備える、
請求項1から請求項
6のいずれか一項に記載の作業現場の管理システム。
【請求項8】
無人
運搬車両と有人
運搬車両とが混在して稼働する作業現場の管理方法であって、
コンピュータシステムが、
前記有人
運搬車両が作業現場
の作業場のうち前記作業場に設定された作業点及び前記作業点に対する進入指令の取得を待機する待機位置とは異なる所定エリアに存在しているか否かを判定することと、
判定結果に基づいて、
前記作業点に前記無人
運搬車両又は前記有人
運搬車両を
進入させる
進入指令を出力することと、
前記判定結果に基づいて、前記作業点に前記無人運搬車両又は前記所定エリアに存在する前記有人運搬車両を割り振る割振指令を出力することと、を
実行し、
前記割振指令の取得を待機する進入待機位置に前記無人運搬車両又は前記有人運搬車両が待機している場合、前記進入待機位置に待機している前記無人運搬車両又は前記有人運搬車両よりも前記所定エリアに存在する有人運搬車両を優先して前記作業点に割り振る、
作業現場の管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、作業現場の管理システム及び作業現場の管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鉱山のような広域の作業現場において、無人車両が稼働する場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
作業現場において、無人車両と有人車両とが混在して稼働する場合がある。無人車両及び有人車両のそれぞれが運搬車両である場合、運搬車両は、積込場及び排土場のような作業場において積込作業及び排土作業を実施する。作業効率の低下を抑制するためには、無人車両及び有人車両の稼働率を低下させることなく無人車両及び有人車両を運用する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の態様に従えば、無人車両と有人車両とが混在して稼働する作業現場の管理システムであって、前記有人車両が作業現場の所定エリアに存在しているか否かを判定する判定部と、判定結果に基づいて、作業場に設定された作業点に前記無人車両又は前記有人車両を走行させる作業指令を出力する指令部と、を備える、作業現場の管理システムが提供される。
【発明の効果】
【0006】
本発明の態様によれば、作業効率の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る管理システム、無人車両、及び有人車両の一例を模式的に示す図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係る作業現場の一例を模式的に示す図である。
【
図3】
図3は、本実施形態に係る管理システムの一例を示す機能ブロック図である。
【
図4】
図4は、本実施形態に係る積込場の一例を模式的に示す図である。
【
図5】
図5は、本実施形態に係る通知装置の一例を模式的に示す図である。
【
図6】
図6は、本実施形態に係る通知装置の一例を模式的に示す図である。
【
図7】
図7は、本実施形態に係る管理方法の一例を示す模式図である。
【
図8】
図8は、本実施形態に係る管理方法の一例を示す模式図である。
【
図9】
図9は、本実施形態に係る管理方法の一例を示す模式図である。
【
図10】
図10は、本実施形態に係る管理方法の一例を示す模式図である。
【
図11】
図11は、本実施形態に係る管理方法の一例を示す模式図である。
【
図12】
図12は、本実施形態に係る管理方法の一例を示す模式図である。
【
図13】
図13は、本実施形態に係る管理方法の一例を示す模式図である。
【
図14】
図14は、本実施形態に係る管理方法の一例を示すフローチャートである。
【
図15】
図15は、本実施形態に係る管理方法の一例を示す模式図である。
【
図16】
図16は、本実施形態に係る管理方法の一例を示す模式図である。
【
図17】
図17は、本実施形態に係る管理方法の一例を示す模式図である。
【
図18】
図18は、本実施形態に係る管理方法の一例を示す模式図である。
【
図19】
図19は、コンピュータシステムの一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0009】
<管理システム>
図1は、本実施形態に係る管理システム1、無人車両2、有人車両9、及び積込機7の一例を模式的に示す図である。無人車両2、有人車両9、及び積込機7のそれぞれは、作業現場において稼働する。実施形態において、作業現場は、鉱山又は採石場である。鉱山とは、鉱物を採掘する場所又は事業所をいう。
【0010】
無人車両2とは、運転者による運転操作によらずに無人で稼動する車両をいう。有人車両9とは、運転者の運転操作により稼働する車両をいう。積込機7とは、無人車両2及び有人車両9に積荷を積み込む作業機械をいう。
【0011】
無人車両2及び有人車両9は、作業現場を走行して積荷を運搬する運搬車両の一種であるダンプトラックである。積込機7は、例えばバケットを含む作業機を有する油圧ショベルである。無人車両2及び有人車両9に運搬される積荷として、鉱山又は採石場において掘削された鉱石又は土砂が例示される。なお、積込機7は、例えばバケットを含む作業機を有するロープショベル又はホイールローダでもよい。
【0012】
なお、作業現場は、鉱山又は採石場に限定されない。作業現場は、運搬車両が積荷を運搬する作業現場であればよい。
【0013】
管理システム1は、管理装置3と、通信システム4と、無人車両2と、有人車両9と、積込機7とを備える。管理装置3は、コンピュータシステムを含み、例えば作業現場の管制施設5に設置される。通信システム4は、管理装置3と無人車両2と有人車両9と積込機7との間で通信を実施する。管理装置3に無線通信機6が接続される。通信システム4は、無線通信機6を含む。管理装置3と無人車両2と有人車両9と積込機7とは、通信システム4を介して無線通信する。
【0014】
<無人車両>
無人車両2は、例えば管理装置3から送信された走行コースデータに基づいて、作業現場を走行する。無人車両2は、走行装置21と、走行装置21に支持される車両本体22と、車両本体22に支持されるダンプボディ23と、制御装置30とを備える。
【0015】
走行装置21は、走行装置21を駆動する駆動装置24と、走行装置21を制動するブレーキ装置25と、走行方向を調整する操舵装置26と、車輪27とを有する。
【0016】
車輪27が回転することにより、無人車両2は自走する。車輪27は、前輪27Fと後輪27Rとを含む。車輪27にタイヤが装着される。
【0017】
駆動装置24は、無人車両2を加速させるための駆動力を発生する。駆動装置24は、ディーゼルエンジンのような内燃機関を含む。なお、駆動装置24は、電動機を含んでもよい。駆動装置24で発生した動力が後輪27Rに伝達される。ブレーキ装置25は、無人車両2を減速又は停止させるための制動力を発生する。操舵装置26は、無人車両2の走行方向を調整可能である。無人車両2の走行方向は、車両本体22の前部の向きを含む。操舵装置26は、前輪27Fを操舵することによって、無人車両2の走行方向を調整する。
【0018】
制御装置30は、無人車両2の外部に存在する管理装置3と通信可能である。制御装置30は、駆動装置24を作動するためのアクセル指令、ブレーキ装置25を作動するためのブレーキ指令、及び操舵装置26を作動するためのステアリング指令を出力する。駆動装置24は、制御装置30から出力されたアクセル指令に基づいて、無人車両2を加速させるための駆動力を発生する。駆動装置24の出力が調整されることにより、無人車両2の走行速度が調整される。ブレーキ装置25は、制御装置30から出力されたブレーキ指令に基づいて、無人車両2を減速させるための制動力を発生する。操舵装置26は、制御装置30から出力されたステアリング指令に基づいて、無人車両2を直進又は旋回させるために前輪27Fの向きを変えるための力を発生する。
【0019】
また、無人車両2は、無人車両2の位置を検出する位置検出装置28を備える。無人車両2の位置が、全地球航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)を利用して検出される。全地球航法衛星システムは、全地球測位システム(GPS:Global Positioning System)を含む。全地球航法衛星システムは、緯度、経度、及び高度の座標データで規定される無人車両2の絶対位置を検出する。全地球航法衛星システムにより、グローバル座標系において規定される無人車両2の位置が検出される。グローバル座標系とは、地球に固定された座標系をいう。位置検出装置28は、GNSS受信機を含み、無人車両2の絶対位置(座標)を検出する。
【0020】
また、無人車両2は、無線通信機29を備える。通信システム4は、無線通信機29を含む。無線通信機29は、管理装置3と無線通信可能である。
【0021】
<有人車両>
有人車両9は、有人車両9の運転室に搭乗した運転者の運転操作に基づいて、作業現場を走行する。有人車両9は、走行装置21と、車両本体22と、ダンプボディ23と、駆動装置24と、ブレーキ装置25と、操舵装置26と、前輪27F及び後輪27Rを含む車輪27と、位置検出装置28と、無線通信機29と、制御装置40と、通知装置50とを備える。
【0022】
有人車両9の位置検出装置28は、有人車両9の位置を検出する。有人車両9の無線通信機29は、管理装置3と無線通信可能である。
【0023】
制御装置40は、有人車両9の外部に存在する管理装置3と通信可能である。駆動装置24を作動するためのアクセルペダル、ブレーキ装置25を作動するためのブレーキペダル、及び操舵装置26を作動するためのステアリングホイールが運転室に配置される。アクセルペダル、ブレーキペダル、及びステアリングホイールは、運転者に操作される。駆動装置24は、アクセルペダルの操作量に基づいて、有人車両9を加速させるための駆動力を発生する。駆動装置24の出力が調整されることにより、有人車両9の走行速度が調整される。ブレーキ装置25は、ブレーキペダルの操作量に基づいて、有人車両9を減速させるための制動力を発生する。操舵装置26は、ステアリングホイールの操作量に基づいて、有人車両9を直進又は旋回させるために前輪27Fの向きを変えるための力を発生する。
【0024】
通知装置50は、運転室に配置される。通知装置50は、管理装置3から送信された通知データに基づいて作動する。本実施形態において、通知装置50は、後述する作業指令を通知する。通知装置50として、表示データを表示する表示装置及び音声を出力する音声出力装置が例示される。表示装置として、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display:LCD)又は有機ELディスプレイ(Organic Electroluminescence Display:OELD)のようなフラットパネルディスプレイが例示される。
【0025】
<積込機>
積込機7は、積込機7の操作室に搭乗した操作者の操作に基づいて、積込作業を実施する。積込機7は、作業機70と、走行体71と、旋回体72と、位置検出装置28と、無線通信機29と、制御装置60と、入力装置80とを有する。作業機70は、ブーム、アーム、及びバケットを含む。
【0026】
制御装置60は、積込機7の外部に存在する管理装置3と通信可能である。作業機70を作動するための作業レバー、走行体71を作動するための走行レバー、及び旋回体72を旋回するための旋回レバーが操作室に配置される。作業レバー、走行レバー、及び旋回レバーは、操作者に操作される。作業機70は、作業レバーの操作量に基づいて、掘削動作及びダンプ動作を実施する。走行体71は、走行レバーの操作量に基づいて、走行及び停止する。旋回体72は、旋回レバーの操作量に基づいて、旋回軸を中心に旋回する。
【0027】
入力装置80は、例えば操作室に配置される。入力装置80は、操作者に操作されることにより、入力データを生成する。入力装置80として、ボタン、スイッチ、及びタッチパネルが例示される。
【0028】
<作業現場>
図2は、本実施形態に係る作業現場の一例を模式的に示す図である。無人車両2及び有人車両9は、鉱山の作業場PA及び作業場PAに通じる走行路HLの少なくとも一部を走行する。作業場PAは、積込場LPA及び排土場DPAの少なくとも一方を含む。走行路HLは、例えば交差点ISを含む。
【0029】
積込場LPAとは、無人車両2及び有人車両9に積荷を積載する積込作業が実施されるエリアをいう。積込場LPAにおいて、積込機7が稼働する。排土場DPAとは、無人車両2及び有人車両9から積荷が排出される排土作業が実施されるエリアをいう。排土場DPAには、例えば破砕機8が設けられる。破砕機8とは、無人車両2及び有人車両9から排出された積荷を破砕する作業機械をいう。
【0030】
無人車両2は、無人車両2の走行条件を示す走行コースデータに基づいて、作業現場を走行する。
図2に示すように、走行コースデータは、間隔をあけて設定された複数のコース点CPを含む。コース点CPは、無人車両2の目標位置を規定する。複数のコース点CPのそれぞれに、無人車両2の目標走行速度及び目標走行方位が設定される。また、走行コースデータは、無人車両2の目標走行経路を示す走行コースCRを含む。走行コースCRは、複数のコース点CPを結ぶ線によって規定される。
【0031】
走行コースCRは、走行路HL及び作業場PAに設定される。無人車両2は、走行コースCRに従って、走行路HLを走行する。
【0032】
走行コースデータは、管理装置3において生成される。管理装置3は、生成した走行コースデータを、通信システム4を介して無人車両2の制御装置30に送信する。制御装置30は、走行コースデータに基づいて、無人車両2が走行コースCRに従って走行し、複数のコース点CPのそれぞれに設定されている目標走行速度及び目標走行方位に従って走行するように、走行装置21を制御する。
【0033】
本実施形態においては、走行路HL及び作業場PAにおいて、無人車両2と有人車両9とが混在して稼働する。例えば作業場である積込場LPAにおいて無人車両2と有人車両9とが混在して稼働する。
【0034】
<管理装置及び制御装置>
図3は、本実施形態に係る管理システム1の一例を示す機能ブロック図である。管理システム1は、管理装置3と、制御装置30と、制御装置40と、制御装置60とを含む。
【0035】
管理装置3は、走行コースデータ生成部3Aと、稼働状況取得部3Bと、第1判定部3Cと、割振実行部3Dと、第2判定部3Eと、特定部3Fと、指令部3Gとを有する。
【0036】
走行コースデータ生成部3Aは、走行コースCRを含む走行コースデータを生成する。走行コースデータ生成部3Aにより生成された走行コースデータは、無人車両2の制御装置30に送信される。
【0037】
稼働状況取得部3Bは、通信システム4を介して、作業現場で稼働する無人車両2及び有人車両9の稼働状況を取得する。
【0038】
無人車両2及び有人車両9の稼働状況は、無人車両2の位置及び有人車両9の位置を含む。無人車両2の位置及び有人車両9の位置は、位置検出装置28により検出される。稼働状況取得部3Bは、位置検出装置28の検出データを受信することにより、無人車両2の位置及び有人車両9の位置を取得することができる。
【0039】
第1判定部3Cは、有人車両9が作業現場の所定エリアに存在しているか否かを判定する。第1判定部3Cは、有人車両9の位置に基づいて、有人車両9が所定エリアに存在しているか否かを判定する。
【0040】
本実施形態において、第1判定部3Cは、積込場LPAで稼動する無人車両2及び有人車両9の稼働状況に基づいて、積込場LPAに設定された積込点LPに対する進入指令の取得を待機する無人車両2及び有人車両9が作業現場の所定エリアに存在しているか否かを判定する。作業現場の所定エリアは、例えば積込場LPAの所定エリアである。一例として、所定エリアとは、
図17及び
図18の有人車両9(a)、有人車両9(b)、及び有人車両9(c)のように、積込場LPAの待機位置WP及び積込点LPとは異なるエリアをいう。第1判定部3Cは、有人車両9の位置の座標と所定エリアの位置の座標とを対比させることにより、有人車両9が所定エリアに存在しているか否かを判定する。なお、有人車両9が所定エリアに存在しているか否かを判定は、有人車両9の位置の座標と積込場LPAの待機位置WPの座標及び積込点LPの座標を対比するようにしてもよい。積込点LPは、積込場LPAに少なくとも1つ設定される。本実施形態において、積込点LPは、2つ設定される。積込点LPは、積込機7による積込作業が実施される作業点である。第1判定部3Cは、待機位置WPに進入指令の取得を待機している有人車両9が存在するか否かを判定する。なお、有人車両9が待機位置WPに存在しているか否かの判定は、有人車両9の位置の座標と積込場LPAの待機位置WPの座標とを対比するようにしてもよい。第1判定部3Cは、積込点LPAに対する進入指令の取得を待機している有人車両9の存否を含む。同様に、第1判定部3Cは、無人車両2の位置の座標と所定エリアの位置の座標とを対比させることにより、無人車両2が所定エリアに存在しているか否かを判定する。
【0041】
割振実行部3Dは、第1判定部3Cの判定結果に基づいて、積込場LPAに設定された少なくとも1つの積込点LPに無人車両2又は所定エリアに存在する有人車両9を積込点LPAに割り振る。また、割振実行部3Dは、積込場LPAに設定された待機位置WPに進入指令の取得を待機している無人車両2又は有人車両9が存在しないときに、積込場LPAの入口において待機している無人車両2又は有人車両9に対して積込点LPAを割り振る。割振実行部3Dは、所定エリアに存在する有人車両9を積込場LPAの入口において待機する無人車両2又は有人車両9よりも優先して積込点LPを割り振る。
【0042】
第2判定部3Eは、通信システム4を介して、積込機7に設けられた入力装置80の入力データを受信する。積込機7の操作者は、入力装置80を操作して、無人車両2又は有人車両9を積込点LPに進入させる入力データ、及び無人車両2又は有人車両9を積込点LPから退去させる入力データを生成する。第2判定部3Eは、入力装置80の入力データ及び割り振り結果に基づいて、積込点LPに無人車両2又は有人車両9を進入させるか否かを判定する。第2判定部3Eは、入力装置80の入力データ及び割り振り結果に基づいて、積込点LPから無人車両2又は有人車両9を退去させるか否かを判定する。
【0043】
特定部3Fは、作業現場の運搬車両が無人車両2又は有人車両9のいずれかを特定する。特定部3Fは、無人車両2又は有人車両9の車両データに基づいて、運搬車両が無人車両2又は有人車両9のいずれかを特定する。無人車両2又は有人車両9の各車両には、車両データとして無人車両2か有人車両9かを判別できる情報が含まれる。例えば、有人車両又は無人車両の号機の情報に対応付けて、A号機は有人車両、B号機は無人車両、等と予め登録されている。特定部3Fは、無人車両2か有人車両9かを判別できる情報に基づいて、運搬車両が無人車両2又は有人車両9のいずれかを特定する。なお、車両を特定する情報と、無人車両2か有人車両9かを特定できる情報とを対応付けたものであれば他の方法でもよい。
【0044】
指令部3Gは、第1判定部3Cの判定結果に基づいて、積込場LPAに設定された積込点LP又は待機位置WPに無人車両2又は有人車両9を走行させる作業指令を出力する。また、指令部3Gは、積込機7の入力装置80からの入力データに基づいて、無人車両2又は有人車両9に作業指令を出力する。指令部3Gは、第2判定部3Eの判定結果に基づいて、無人車両2又は有人車両9に作業指令を出力する。また、指令部3Gは、割振実行部3Dの割り振り結果に基づいて、無人車両2又は有人車両9に割振指令を出力する。指令部3Gは、特定部3Fの特定結果に基づいて、無人車両2又は有人車両9を所定の停車位置である作業点に走行させる作業指令を出力する。停車位置である作業点は、例えば積込点LPである。
【0045】
無人車両2に出力される作業指令は、無人車両2を走行させる指令を含む。有人車両9に出力される作業指令は、有人車両9の通知装置50に出力させる案内データを含む。
【0046】
無人車両2を走行させる指令は、例えば、無人車両2を積込点LPに進入させる進入指令、無人車両2を待機位置WPに進入させる進入指令、又は無人車両2を積込点LPから退去させる退去指令等である。
【0047】
無人車両2に出力される割振指令は、例えば、無人車両2を積込点LPに進入させる進入指令、無人車両2を待機位置WPに進入させる進入指令、又は無人車両2を積込点LPから退去させる退去指令等である。
【0048】
有人車両9の通知装置50に出力させる案内データは、例えば、有人車両9を積込点LPに進入させる進入指令を通知する進入案内データ、有人車両9を待機位置WPに進入させる進入案内データ、又は有人車両9を積込点LPから退去させる退去指令を通知する退去案内データ等である。
【0049】
有人車両9に出力される割振指令は、割振指令を通知する割振案内データを含む。割振案内データは、例えば、有人車両を運転する運転者が進入すべき積込点LP又は待機位置WPである作業点を認識することができるデータ等である。
【0050】
指令部3Gは、通信システム4を介して、作業指令を無人車両2及び有人車両9に送信する。指令部3Gは、通信システム4を介して、割振指令を無人車両2及び有人車両9に送信する。
【0051】
制御装置30は、走行コースデータ生成部3Aから送信された無人車両2の走行コースデータを取得して、無人車両2の走行を制御する。制御装置30は、走行コースデータに従って走行するように無人車両2の走行装置21を制御する。また、制御装置30は、指令部3Gから送信された作業指令に基づいて、無人車両2の走行を制御する。
【0052】
制御装置40は、指令部3Gから送信された割振指令又は作業指令に基づいて、通知装置50を制御する。通知装置50は、指令部3Gから出力された割振指令又は作業指令に基づいて作動する。上述のように、有人車両9に出力される割振指令は、割振指令を通知する割振案内データを含む。有人車両9に出力される作業指令は、有人車両9を積込点LPに進入させる進入案内データ、有人車両9を待機位置WPに進入させる進入案内データ、又は有人車両9を積込点LPから退去させる退去案内データ等である。制御装置40は、通知装置50から割振案内データ、進入案内データ、及び退去案内データが出力されるように、通知装置50を制御する。通知装置50は、割振案内データ、進入案内データ、及び退去案内データを通知する。
【0053】
制御装置60は、入力装置80が操作されることにより生成された入力データを管理装置3に送信する。
【0054】
<積込場における動作>
図4は、本実施形態に係る積込場LPAの一例を模式的に示す図である。
図4に示すように、積込場LPAにおいて積込機7が稼働する。積込機7による積込作業が実施される積込点LPが積込場LPAに設定される。本実施形態において、積込点LPは、第1作業点である第1積込点LP1及び第2作業点である第2積込点LP2を含む。第1積込点LP1は、積込機7の一方側に設定される。第2積込点LP2は、積込機7の他方側に設定される。積込機7は、第1積込点LP1に存在する無人車両2又は有人車両9に対する第1積込作業が終了した後、第2積込点LP2に存在する無人車両2又は有人車両9に対する第2積込作業を実行する。第2積込点LP2に存在する無人車両2又は有人車両9に対する第2積込作業が終了した後、上述の第1積込作業が終了した後に第1積込点LP1に進入した無人車両2又は有人車両9に対する第1積込作業を実行する。すなわち、積込機7は、第1積込作業及び第2積込作業の一方の積込作業が終了した後、他方の積込作業を実行し、それら第1積込作業と第2積込作業とを繰り返す、所謂、両側積込作業を実行する。
【0055】
また、進入指令の取得を待機する待機位置WPが積込場LPAに設定される。本実施形態において、待機位置WPは、第1待機位置WP1及び第2待機位置WP2を含む。第1積込点LP1には第1待機位置WP1が対応付けられ、第2積込点LP2には第2待機位置WP2が対応付けられる。割振指令が出力された無人車両2又は有人車両9は、待機位置WPで待機する。無人車両2又は有人車両9は、待機位置WPにおいて、進入指令の取得を待機する。
【0056】
また、割振指令の取得を待機する進入待機位置ASが積込場LPAの入口に設定される。進入待機位置ASは、走行路HLの一部に設定される。なお、進入待機位置ASは積込場LPAの内側に設定されてもよい。無人車両2又は有人車両9は、進入待機位置ASにおいて、割振指令の取得を待機する。
【0057】
進入待機位置ASにおいて割振指令の取得を待機している無人車両2又は有人車両9に対して、割振実行部3Dは、第1積込点LP1及び第2積込点LP2のうち進入すべき積込点LPを割り振る割振処理を実行する。
【0058】
第1判定部3Cは、進入指令の取得を待機している無人車両2又は有人車両9が待機位置WPに存在するか否かを判定する。待機位置WPにおいて進入指令の取得を待機している無人車両2又は有人車両9が存在しないと判定された場合、割振実行部3Dは、割振処理を実行する。進入待機位置ASに無人車両2又は有人車両9が待機している場合、割振実行部は、第1作業点LP1又は第2作業点LP2に無人車両2又は有人車両9を割り振る。一例として、第2作業点LP2に他車両(無人車両2又は有人車両9)が存在し、進入待機位置ASに有人車両9が待機している場合、割振実行部3Dは、第1作業点LP1に有人車両9を割り振る。割振処理が実行されると、指令部3Gは、割振処理の結果に基づいて、割振指令を有人車両9に出力する。
【0059】
有人車両9に割振指令が出力された場合、有人車両9の制御装置40は、指令部3Gから送信された割振指令に基づいて、通知装置50を制御する。制御装置40は、割振指令を通知する割振案内データが出力されるように、通知装置50を制御する。
【0060】
図5は、本実施形態に係る通知装置50の一例を模式的に示す図である。
図5は、有人車両9を第1作業点LP1に走行させる割振指令が出力された例を示す。通知装置50が表示装置を含む場合、有人車両9を第1作業点LP1に進入させる割振案内データが表示データとして表示装置に表示される。
図5に示す例では、第1待機位置WP1を示すアイコン51Aが表示され、第1待機位置WP1に走行させる文字データ51Bが表示される。なお、
図5は一例である。有人車両9が第1作業点LP1に走行すべきことを有人車両9の運転者に通知できれば他の表示方法でもよい。通知装置50が音声出力装置を含む場合、音声により通知されてもよい。
【0061】
なお、
図5に示す例において、割振案内データの表示データは、積込機7を表すシンボル、積込点LPに無人車両2又は有人車両9が存在することを示すシンボル、待機位置WPが2カ所に存在することが分かるマークである破線、及び無人車両2又は有人車両9が進むべき待機位置WPを示すマークである2重破線を含む。無人車両2又は有人車両9が進むべき待機位置WPを示すマークは、他方の待機位置WPとは異なる表示形態となっている、なお、表示データにおいて、待機位置WPを示すマークは、無人車両2又は有人車両9の前後方向が分かるようなマークでもよい。
【0062】
待機位置WPにおいて進入指令の取得を待機している無人車両2又は有人車両9に対して、第2判定部3Eは、第1積込点LP1及び第2積込点LP2のうち割り振られた積込点LPに進入させるか否かを判定する進入判定処理を実行する。
【0063】
一例として、第1作業点LP1が割り振られた有人車両9が待機位置WPに待機している場合、第2判定部3Eは、入力装置80の入力データに基づいて、有人車両9を第1作業点LP1に進入させるか否かを判定する。例えば、入力装置80の入力データに基づいて、第1作業点LP1において積込作業を実施していた他車両が第1作業点LP1から退去したと判定した場合、第2判定部3Eは、有人車両9を第1作業点LP1に進入させることを決定する。指令部3Gは、第2判定部3Eによる進入判定処理の結果に基づいて、進入指令を有人車両9に出力する。
【0064】
有人車両9に進入指令が出力された場合、有人車両9の制御装置40は、指令部3Gから送信された進入指令に基づいて、通知装置50を制御する。制御装置40は、有人車両9を割り振られた積込点LPに進入させる進入案内データが出力されるように、通知装置50を制御する。
【0065】
図6は、本実施形態に係る通知装置50の一例を模式的に示す図である。
図6は、有人車両9に第1積込点LP1に進入させる進入指令が出力された例を示す。通知装置50が表示装置を含む場合、有人車両9を第1積込点LP1に進入させる進入案内データが表示データとして表示装置に表示される。
図6に示す例では、第1積込点LP1を示すアイコン52Aが表示され、第1積込点LP1に進入させる文字データ52Bが表示される。なお、
図6は一例である。有人車両9が第1積込点LP1に進入すべきことを有人車両9の運転者に通知できれば他の表示方法でもよい。通知装置50が音声出力装置を含む場合、音声により通知されてもよい。
【0066】
なお、
図5及び
図6に示す例において、表示装置には、積込機7を表す表示形態であるシンボル、積込点LPに無人車両2又は有人車両9が存在することを示す表示形態であるシンボル、待機位置WPを示す表示形態である破線、無人車両2又は有人車両9が進むべき積込点LPを示す表示形態である2重破線等が、ガイダンスとして機能する文字データ51B及び文字データ52Bとともに表示されている。なお、待機位置WPを示す表示形態は、無人車両2又は有人車両9の前後方向が分かるような表示形態でもよい。
【0067】
通知装置50が表示装置を含む場合、有人車両9を第2積込点LP2から退去させる退去案内データが表示データとして表示装置に表示される。通知装置50が音声出力装置を含む場合、音声により通知されてもよい。通知装置50がランプ等の発光装置を含む場合、光により通知されてもよい。
【0068】
<管理方法>
図7から
図13は、本実施形態に係る管理方法の一例を示す模式図である。
図14は、本実施形態に係る管理方法の一例を示すフローチャートである。
【0069】
図7に示すように、第1積込点LP1において無人車両2の積込作業が実行され、進入待機位置ASにおいて有人車両9が待機していることとする。進入待機位置ASにて待機している車両が有人車両であることは特定部3Fにより特定される。
【0070】
第1判定部3Cは、進入指令の取得を待機する無人車両2又は有人車両9が待機位置WPに存在するか否かを判定する(ステップS1)。
【0071】
ステップS1において、全ての待機位置WPにて進入指令の取得を待機する無人車両2又は有人車両9が存在すると判定された場合(ステップS1:Yes)、割振処理は実行されない。
【0072】
ステップS1において、進入指令の取得を少なくとも1つの待機位置WPにおいて待機する無人車両2又は有人車両9が存在しないと判定された場合(ステップS1:No)、割振実行部3Dは、進入待機位置ASに待機している有人車両9について割振処理を実行する(ステップS2)。
【0073】
割振実行部3Dは、積込点に運搬車両が存在していない第2積込点LP2に有人車両9を割り振る。指令部3Gは、進入待機位置ASに待機している有人車両9に割振指令を出力する(ステップS3)。割振指令が出力されることにより、有人車両9の通知装置50は、
図5を参照して説明したような割振案内データを出力する。
【0074】
図8に示すように、有人車両9の運転者は、割振指令により移動すべき待機位置WPを把握し、有人車両9を第2待機位置WP2に移動させる。
図9に示すように、有人車両9は、第2待機位置WP2で待機する。
【0075】
積込機7の運転者は、第2待機位置WP2で待機している有人車両9を第2積込点LP2に進入させるために入力装置80を操作する。入力装置80として、例えば、ボタン、スイッチ、及びタッチパネルが例示される。運転者は、有人車両9を第2積込点LP2に進入させるために、ボタン、スイッチ、及びタッチパネルの少なくとも一つを操作する。
【0076】
積込機7の運転者は、第1積込点LP1に存在する無人車両2を第1積込点LP1から退去させる前に、有人車両9を第2積込点LP2に進入させることができる。
【0077】
第2判定部3Eは、入力装置80の入力データに基づいて、有人車両9を第2積込点LP2に進入させるか否かを判定する(ステップS4)。
【0078】
この場合、積込機7の運転者は、例えばダンプボディ23に積荷が存在しないこと、及び進入する有人車両9の前に障害物が存在していないこと等を確認した後、進入させることができる。
【0079】
ステップS4において、有人車両9を第2積込点LP2に進入させないと判定された場合(ステップS4:No),進入指令は出力されない。
【0080】
ステップS4において、有人車両9を第2積込点LP2に進入させると判定された場合(ステップS4:Yes),指令部3Gは、第2待機位置WP2で待機している有人車両9に進入指令を出力する(ステップS5)。
【0081】
第2待機位置WP2で待機している有人車両9は、第2積込点LP2を割り振られている。進入指令が出力されることにより、有人車両9の通知装置50は、
図6を参照して説明したような、第2積込点LP2に進入すべきことを示す進入案内データを出力する。
【0082】
図10に示すように、有人車両9の運転者は、有人車両9を第2積込点LP2に進入させる。
図11に示すように、有人車両9は、第1積込点LP1の無人車両2に対する積込作業が終了する前に、第2積込点LP2に進入する。第1積込点LP1の運搬車両に対する積込作業の実行中に、第2積込点LP2に運搬車両が配置されることにより、第1積込点LP1の運搬車両に対する積込作業の終了後、第2積込点LP2の運搬車両に対する積込作業が直ちに実行される。これにより、作業現場の生産性の低下が抑制される。
【0083】
第1積込点LP1の無人車両2に対する積込作業が終了した後、積込機7の運転者は、第1積込点LP1から無人車両2を退去させるために入力装置80を操作する。
【0084】
第2判定部3Eは、入力装置80の入力データに基づいて、無人車両2を第1積込点LP1から退去させるか否かを判定する(ステップS6)。
【0085】
この場合、積込機7の運転者は、例えばダンプボディ23に積荷が積まれたこと、及び退去する無人車両2の前に障害物が存在していないこと等を確認した後、退去させることができる。
【0086】
ステップS6において、無人車両2を第1積込点LP1から退去させないと判定された場合(ステップS6:No),退去指令は出力されない。
【0087】
ステップS6において、無人車両2を第1積込点LP1から退去させると判定された場合(ステップS6:Yes),指令部3Gは、無人車両2に退去指令を出力する(ステップS7)。これにより、
図12に示すように、無人車両2は第1積込点LP1から退去する。
【0088】
図13に示すように、次の有人車両9が進入待機位置ASに到着する。第1判定部3Cは、進入指令の取得を待機する無人車両2又は有人車両9が存在するか否かを判定する(ステップS1)。進入指令の取得を待機する無人車両2又は有人車両9が存在しない場合、割振実行部3Dは、進入待機位置ASに待機している有人車両9について割振処理を実行する(ステップS2)。
【0089】
以下、上述の処理が繰り返される。
【0090】
なお、進入待機位置ASに無人車両2が待機している場合、無人車両2は、割振指令と指令部3Gからの作業指令とに基づいて、待機位置WPに移動する。待機位置WPに待機している無人車両2に進入指令が出力された場合、待機位置WPに待機している無人車両2は、進入指令に基づいて、割り振りされた積込位置LPに進入し、進入待機位置ASに新たな無人車両2が待機している場合には割振指令と作業指令とに基づいて、割り振られた待機位置WPに移動する。
【0091】
なお、例えば第2積込点LP2に存在する有人車両9に対する積込作業が終了した場合、積込機7の運転者は、第2積込点LP2から有人車両9を退去させるために入力装置80を操作する。指令部3Gは、有人車両9に退去指令を出力する。これにより、有人車両9の通知装置50は、退去案内データを出力する。
【0092】
<割り振りが保留されるケース>
図15は、実施形態に係る管理方法の一例を示す模式図である。上述の実施形態において、
図15に示すように、全ての待機位置WPにて第1積込点LP1又は第2積込点LP2に対する進入指令の取得を待機している無人車両2又は有人車両9が存在する場合、割振実行部3Dは、割振処理を保留する。割振処理を保留されている無人車両2又は有人車両9は、積込場LPAの外側で待機する。
【0093】
図15に示す例の場合、どちらの積込点LPでの積込作業を先に実施するのか不明であり、割振実行部3Dは、割振処理を実行しない。
【0094】
<割り振り順序>
図16から
図18は、実施形態に係る管理方法の一例を示す模式図である。
図16に示すように、積込場LPAの入口において待機する複数の無人車両2又は有人車両9が存在する場合、割振実行部3Dは、積込場LPAの入口において待機する複数の無人車両2又は有人車両9のうち先頭の無人車両2又は有人車両9を積込点LPに割り振ることができる。
【0095】
図17及び
図18は、有人車両9が積込場の所定エリアに進入した際の管理方法の一例を示す模式図である。有人車両9においては、有人車両9の運転者の判断により、
図16のような積込場LPAの入口で待機するのではなく、積込場LPAに進入して待機することが想定される。
【0096】
図17に示すように、積込場LPAに設定される待機位置WPとは異なる所定エリアに複数の有人車両9が存在する場合、割振実行部3Dは、積込場LPAの所定エリアに存在する複数の有人車両9のうち所定の有人車両9を積込点LPに割り振ることができる。割振実行部3Dは、所定エリアに存在する複数の有人車両9のうち、例えば積込点LPに近い有人車両9を積込点LPに割り振ることができる。このため、積込点LPに近い有人車両9は、割り振られた積込点LPに対応する待機位置WPに進入することができる。
【0097】
図18に示すように、積込場LPAに複数の有人車両9が存在する場合、割振実行部3Dは、複数の有人車両9のうち所定の有人車両9を積込点LPに割り振ることができる。割振実行部3Dは、所定エリアに存在する複数の有人車両9のうち、例えば積込場LPAに先に進入した有人車両9を積込点LPに割り振ることができる。先に進入した有人車両9とは、待機時間が長い有人車両9をいう。このため、積込場LPAに先に進入した有人車両9は、割り振られた積込点に対応する待機位置WPに進入することができる。
【0098】
なお、積込点LPに割り振る有人車両は、積込点LPに近い有人車両、又は積込場LPAに先に進入した有人車両に限定されず、所定の条件において選択された有人車両9が割り振られればよい。
【0099】
また、
図17及び
図18の例において、例えば、進入待機位置ASに車両が待機している場合、割振実行部3Dは、進入待機位置ASに待機している車両よりも積込場LPAの所定エリアに存在する車両を優先して積込点を割り振るようにするのが好ましい。また、所定エリアに存在する有人車両9は1台であってもよい。
【0100】
<コンピュータシステム>
図19は、コンピュータシステム1000の一例を示すブロック図である。上述の管理装置3、制御装置30、制御装置40、及び制御装置60のそれぞれは、コンピュータシステム1000を含む。コンピュータシステム1000は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサ1001と、ROM(Read Only Memory)のような不揮発性メモリ及びRAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリを含むメインメモリ1002と、ストレージ1003と、入出力回路を含むインターフェース1004とを有する。上述の管理装置3、制御装置30、制御装置40、及び制御装置60のそれぞれの機能は、プログラムとしてストレージ1003に記憶されている。プロセッサ1001は、プログラムをストレージ1003から読み出してメインメモリ1002に展開し、プログラムに従って上述の処理を実行する。なお、プログラムは、ネットワークを介してコンピュータシステム1000に配信されてもよい。
【0101】
プログラムは、上述の実施形態に従って、コンピュータシステム1000に、有人車両9が作業現場の所定エリアに存在しているか否かを判定することと、判定結果に基づいて、作業場に設定された作業点に無人車両2又は有人車両9を走行させる作業指令を出力することと、を実行することができる。
【0102】
<効果>
以上説明したように、本実施形態によれば、有人車両9が作業現場の所定エリアに存在しているか否かの判定結果に基づいて、作業場に設定された作業点である積込点に無人車両2又は有人車両9を走行させる作業指令が出力される。これにより、無人車両2と有人車両9とが混在して稼働する状況において、有人車両9が作業場の所定エリアに進入した場合においても、効率よく無人車両2及び有人車両9を割り振ることができる。所定エリアに有人車両9が所定エリアに存在する場合においても、無人車両2と有人車両9とを同様に運用することができる。したがって、積込作業の作業効率の低下が抑制される。
【0103】
また、本実施形態によれば、作業現場の運搬車両が無人車両2又は有人車両9のいずれかを特定する特定部3Fと、特定結果に基づいて、無人車両2又は有人車両9を所定の停車位置に走行させる作業指令を出力する指令部3Gとが設けられる。これにより、無人車両2と有人車両9とが混在して稼働する状況においても、無人車両2と有人車両9とを同様に運用することができる。したがって、積込作業の作業効率の低下が抑制される。
【0104】
<その他の実施形態>
上述の実施形態において、制御装置30の機能、制御装置40の機能、及び制御装置60の機能の少なくとも一部が管理装置3に設けられてもよいし、管理装置3の機能の少なくとも一部が、制御装置30、制御装置40、及び制御装置60に設けられてもよい。
【0105】
上述の実施形態においては、走行コースデータが管理装置3において生成され、無人車両2は管理装置3から送信された走行コースデータに従って走行することとした。無人車両2の制御装置30が走行コースデータを生成してもよい。すなわち、制御装置30が走行コースデータ生成部3Aを有してもよい。また、管理装置3及び制御装置30のそれぞれが走行コースデータ生成部3Aを有してもよい。
【0106】
上述の実施形態において、制御装置60は、入力装置80が操作されることにより生成された入力データを管理装置3に送信することとした。制御装置60は、管理装置3を経由せずに、無人車両2及び有人車両9に入力データを送信してもよい。すなわち、車々間通信により、積込機7から無人車両2及び有人車両9に入力データが送信されてもよい。
【0107】
上述の実施形態においては、無人車両2が運搬車両の一種であるダンプトラックであることとした。無人車両2は、例えば油圧ショベル又はブルドーザのような作業機を備える作業機械でもよい。
【0108】
上述の実施形態においては、積込機7は、積込機7の操作室に搭乗した操作者の操作に基づいて積込作業を実施することとした。積込機7は、遠隔操作されてもよい。積込機7が遠隔操作される場合、積込機7の操作室に操作者は搭乗しなくてもよい。
【0109】
上述の実施形態においては、積込機7の両側に積込点LPが設定される両側積込作業において、作業指令等が出力されることとした。積込機7の片側に積込点LPが設定される片側積込作業において、作業指令等が出力されてもよい。
【0110】
なお、片側積込作業においては、積込点LPは1つしかなく、積込点LPの割り振りは不要となる。そのため、片側積込作業においては、割振実行部3Dは省略されてもよい。
【0111】
上述の実施形態においては、ステップS4及びステップS6が実行されることとしたが、ステップS4及びステップS6の一方又は両方は必要に応じて実行されなくてもよい。この場合、例えば積込機7の運転者による入力装置80の操作により生成された入力データに基づいて、進入指令又は退去指令が無人車両2又は有人車両9に出力されるようにすればよい。
【0112】
上述の実施形態においては、割振実行部3Dは第1作業点として第1積込点LP1を割り振り、第2作業点として第2積込点LP2を割り振るようにしたが、第1作業点として第1待機位置WP1を割り振り、第2作業点として第2待機位置WP2を割り振るようにしてもよい。この場合、割振実行部3Dは、待機位置WPへの割振指令と積込点LPへの割振指令とを別々に出力してもよい。
【0113】
上述の実施形態においては、積込機7が油圧ショベルであることとした。積込機7は、例えばロープショベル又はホイールローダでもよい。
【0114】
上述の実施形態においては、作業点が積込場LPAに設定される積込点LPであることとした。作業点は排土場DPAに設定される排土点でもよい。排土点は、破砕機8に対する排土作業が実施される作業点である。作業点は積込点LP、排土点以外にも積込場LPAに設定される待機位置WPでもよく、予め設定された位置であればよい。
【0115】
上述の実施形態において、指令部3Gは、積込機7の操作者に操作された入力装置80の入力データに基づいて、無人車両2及び有人車両9に作業指令を出力することとした。排土場に入力装置が設けられている場合、指令部3Gは、排土場の入力装置の入力データに基づいて、無人車両2及び有人車両9に作業指令を出力してもよい。
【符号の説明】
【0116】
1…管理システム、2…無人車両、3…管理装置、3A…走行コースデータ生成部、3B…稼働状況取得部、3C…第1判定部、3D…割振実行部、3E…第2判定部、3F…特定部、3G…指令部、4…通信システム、5…管制施設、6…無線通信機、7…積込機、8…破砕機、9…有人車両、21…走行装置、22…車両本体、23…ダンプボディ、24…駆動装置、25…ブレーキ装置、26…操舵装置、27…車輪、27F…前輪、27R…後輪、28…位置検出装置、29…無線通信機、30…制御装置、40…制御装置、50…通知装置、60…制御装置、70…作業機、71…走行体、72…旋回体、80…入力装置、AS…進入待機位置、CP…コース点、CR…走行コース、PA…作業場、DPA…排土場、LP…積込点、LP1…第1積込点、LP2…第2積込点、LPA…積込場、HL…走行路、IS…交差点、WP…待機位置、WP1…第1待機位置、WP2…第2待機位置。