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特許7444553液圧式の車両ブレーキ装置のブレーキ圧制御システムの液圧装置のための液圧ブロック
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  • 特許-液圧式の車両ブレーキ装置のブレーキ圧制御システムの液圧装置のための液圧ブロック 図1
  • 特許-液圧式の車両ブレーキ装置のブレーキ圧制御システムの液圧装置のための液圧ブロック 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】液圧式の車両ブレーキ装置のブレーキ圧制御システムの液圧装置のための液圧ブロック
(51)【国際特許分類】
   B60T 8/34 20060101AFI20240228BHJP
   B29C 45/14 20060101ALI20240228BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20240228BHJP
   B22F 3/105 20060101ALI20240228BHJP
   B22F 3/16 20060101ALI20240228BHJP
   B22F 3/02 20060101ALI20240228BHJP
【FI】
B60T8/34
B29C45/14
B33Y10/00
B22F3/105
B22F3/16
B22F3/02 S
【請求項の数】 7
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019113380
(22)【出願日】2019-06-19
(65)【公開番号】P2020037383
(43)【公開日】2020-03-12
【審査請求日】2022-05-31
(31)【優先権主張番号】10 2018 211 435.8
(32)【優先日】2018-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 始
(74)【代理人】
【識別番号】100182626
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 剛
(72)【発明者】
【氏名】ツァンダー,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ルッツ,ベルント
(72)【発明者】
【氏名】レフラー,ミヒャエル
【審査官】羽鳥 公一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2005/0104442(US,A1)
【文献】特開2002-193086(JP,A)
【文献】特開平05-080937(JP,A)
【文献】実開平04-106072(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22F 1/00-8/00
B22F 10/00-12/90
B29C 45/00-45/24
B29C 45/46-45/63
B29C 45/70-45/72
B29C 45/74-45/84
B29C 64/00-64/40
B29C 67/00-67/08
B29C 67/24-69/02
B29C 73/00-73/34
B29D 1/00-29/10
B29D 33/00
B29D 99/00
B33Y 10/00-99/00
B60T 7/12-8/1769
B60T 8/32-8/96
C22C 1/04-1/05
C22C 33/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブレーキ管路接続部(4,5)、弁受け部(6,7)、ポンプ受け部(8)および接続管路(9)を有する、液圧式の車両ブレーキ装置のブレーキ圧制御システムの液圧装置のための液圧ブロックにおいて、
前記液圧ブロック(1)が、前記ブレーキ管路接続部(4,5)と、前記弁受け部(6,7)と、前記ポンプ受け部(8)と、前記接続管路(9)とを有する金属部分(2)を備えた金属複合体部分であり、前記金属部分(2)が別の部分(3)内に埋め込まれており
前記ブレーキ管路接続部(4,5)、前記弁受け部(6,7)および前記ポンプ受け部(8)の壁部は、前記接続管路(9)の半径よりも厚くないことを特徴とする、液圧式の車両ブレーキ装置のブレーキ圧制御システムの液圧装置のための液圧ブロック。
【請求項2】
前記金属部分(2)の前記ブレーキ管路接続部(4,5)、前記弁受け部(6,7)および/または前記ポンプ受け部(8)がスリーブ状であって、かつ/または前記金属部分(2)の前記接続管路(9)が管であることを特徴とする、請求項1記載の液圧ブロック。
【請求項3】
前記金属部分(2)が薄壁状であることを特徴とする、請求項1または2記載の液圧ブロック。
【請求項4】
前記金属部分(2)が、予成形、鋳金、精密鋳造、金属射出成形または3D金属プリントにより製造されていることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の液圧ブロック。
【請求項5】
前記別の部分(3)がプラスチックより成っていることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の液圧ブロック。
【請求項6】
前記別の部分(3)が前記金属部分(2)を包囲して、予成形、鋳造または射出成形されていることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の液圧ブロック。
【請求項7】
前記液圧ブロック(1)が直方体であることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の液圧ブロック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部の特徴を有する液圧式の車両ブレーキ装置のブレーキ圧制御システムの液圧装置のための液圧ブロックに関する。
【0002】
「ブレーキ圧制御システム」とは、例えば動力ブレーキ装置および/またはスリップ制御システムにおける液圧によるブレーキ圧の制御システムである。スリップ制御システムは、例えばアンチロック制御、トラクションスリップコントロールおよびビークルダイナミックコントロールであり、この場合、ビークルダイナミックコントロールは、エレクトロニックスタビリティプログラムとしても、また俗語的にしばしば超過速度防止制御とも呼ばれる。これらのスリップ制御システムのために、略語ABS,ASR,FDRおよびESPが一般的に使用されている。このようなブレーキ圧制御システムは公知であり、ここでは詳しく説明しない。
【0003】
液圧ブロックは、ブレーキ圧制御システムの構成要素の機械的な固定および液圧的な接続回路のために用いられる。接続回路とは、ブレーキ圧制御システムの液圧回路図に従った構成要素の液圧的な接続部のことである。このような構成要素は、特に電磁弁、液圧ポンプ、逆止弁、減衰室、液圧ポンプ、圧力センサ、液圧ポンプを駆動するための電動機、構成要素を制御するための若しくはブレーキ圧制御のための電子コントロールユニットである。電動機および電子コントロールユニットは、一般的に液圧ブロックの外側に配置される。一般的に、ブレーキ圧制御システムのための液圧ブロックは、ブレーキ管路接続部、弁受け部、ポンプ受け部、およびブレーキ圧制御システムのその他の構成要素のための受け部、並びに接続管路を有しており、これらの接続管路は、ブレーキ管路接続部および受け部を、ブレーキ圧制御システムの液圧回路図に従って接続する。受け部は、一般的に直径が段付けされた盲孔であって、この盲孔内に構成要素が配置される。ブレーキ管路接続部は、一般的にやはり、マスタブレーキシリンダから発し、かつ/または液圧式のホイールブレーキに通じるブレーキ管路を接続するための盲孔であって、例えばねじニップルまたは圧入ニップルを備えている。構成要素は、例えば液圧ポンプのように液圧ブロックの受け部内に完全に埋め込まれて配置されていてよいか、または部分的に液圧ブロック内に埋め込まれていてよく、その他の点では、例えば液圧的な部分が一般的な形式で弁受け部内に配置されていて電気機械的な部分が液圧ブロックから突き出している電磁弁のように、液圧ブロックから突き出していてよい。本来的な意味で、電気機械式の部分、特に可動子および電磁コイルによって操作される、電磁弁の液圧的な部分は、弁を形成する。
【0004】
ブレーキ圧制御システムの、これらの構成要素を装着することにより、このような液圧ブロックは液圧装置と解釈され得る。
【背景技術】
【0005】
特許文献1は、ブレーキ管路接続部、弁受け部、ポンプ受け部、液圧蓄圧器のための受け部、減衰室および圧力センサのための受け部を備えた液圧式の車両ブレーキ装置のブレーキ圧制御システムの液圧装置のための直方体状の液圧ブロックを開示する。
【0006】
一般的な形式で、このような液圧ブロックは、押し出し成形によって金属つまりアルミニウム合金より製造された、矩形横断面を有するロッドから分離され、切削加工される。この場合、液圧ブロックの表面はフライス切削され、ブレーキ管路接続部、ブレーキ圧制御システムの構成要素のための受け部および接続管路が穿孔される。接続管路は液圧ブロックの外側で気密に閉鎖されなければならないが、これはしばしば球を圧入することによって行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】ドイツ連邦共和国特許公開第102006059924号明細書
【発明の概要】
【0008】
請求項1の特徴を有する本発明による液圧ブロックは、別の部分に埋め込まれた金属部分を有する金属複合部分である。別の部分は、好適な形式でプラスチックより成っていて、特に金属部分を包囲して“Urformen(予成形)”、例えば流し込み成形または射出成形されており、従って金属部分は別の部分内に埋め込まれている。
【0009】
金属部分は、ブレーキ管路接続部、弁受け部、ポンプ受け部および接続管路を有している。金属部分は、液圧ブロックの接続管路、ポンプ受け部、弁受け部、ブレーキ管路接続部のすべてまたは一部だけを有していてよい。金属部分は、ブレーキ圧制御システムのその他の構成要素のための受け部を有していてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の利点は、切削加工が完全にまたは十分になくなる、という点にある。例えば、表面は、切削(後)加工されてよい。このような表面は、例えばブレーキ管路接続部の内周面、弁受け部、ポンプ受け部および、ブレーキ圧制御システムのその他の構成要素のための受け部である。液圧ブロックの外側面も、電動機および/または電子コントロールユニットの取り付けのために切削加工されてよい。
【0011】
本発明のその他の利点は、複雑な管路ガイドの可能性にあり、これは、接続管路が、穿孔による製造時とは異なり、直線である必要はなく、湾曲状におよび/または曲がって延びていてよい、ということである。接続管路は、特に液圧ブロック内で終わっていて、液圧ブロックの表面で閉鎖される必要はない。
【0012】
従属請求項は、独立請求項に記載した本発明の変化実施例および好適な実施態様を有している。
【0013】
明細書および図面に開示されたすべての特徴は、個別でも、基本的に任意の組み合わせでも本発明の実施例において実現され得る。1つの請求項のすべてではなく、1つだけのまたは複数の特徴を有する本発明の実施例が基本的に可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明による液圧ブロックの斜視図である。
図2図1に示した液圧ブロックの金属部分を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明を以下に、図面に示した実施例を用いて詳しく説明する。
【0016】
図1に示した本発明による液圧ブロック1は、液圧式の車両ブレーキ装置のブレーキ圧制御システムの構成要素を機械的に固定するために、かつ液圧式の接続回路のために用いられる。ブレーキ圧制御システムは、動力ブレーキ操作時における液圧式のブレーキ圧の発生を含む液圧式のブレーキ圧制御システムおよび/またはスリップ制御システムであってよく、この場合、スリップ制御のために、ホイールブレーキ圧が好適には液圧式のホイールブレーキ内で個別に制御される。スリップ制御システムは、例えばアンチロック制御、トラクションスリップコントロールおよびビークルダイナミックコントロールであって、ビークルダイナミックコントロールは、エレクトロニックスタビリティプログラムおよび俗語的に超過速度防止制御とも呼ばれる。これらのコントロールシステムのために、略語ABS,ASRおよびFDR若しくはESPが一般的に使用されている。このようなブレーキ圧制御システムは公知であり、ここでは説明しない。
【0017】
ブレーキ圧制御システムの液圧構成要素は、特に電磁弁、逆止弁、液圧ポンプ、液圧蓄圧器、減衰室および圧力センサである。この列挙は、必ずしも完全ではない。液圧ポンプは、大抵はポンプ要素とも呼ばれるピストンポンプであって、もちろんその他の液圧ポンプ、例えば(内接型)歯車ポンプも使用可能である。液圧ポンプを駆動するために、一般的に電動機が用いられ、この電動機は液圧ブロックの外側に配置される。さらに、しばしば、スリップ制御システムの構成要素を制御するためのおよびブレーキ圧制御のための電子コントロールユニットは、同様に液圧ブロックの外側に配置される。
【0018】
「液圧式の接続回路」とは、ブレーキ圧制御システムの液圧回路図に従った構成要素の液圧接続部のことである。ブレーキ圧制御システムのこれらの構成要素を装着することにより、液圧ブロック1は、ブレーキ圧制御システムの液圧装置を形成する。
【0019】
液圧ブロック1は、プラスチック部分3内に埋め込まれた金属部分2を備えた金属プラスチック複合部分である。金属部分2の詳細は図2に示されている。プラスチック部分3は、一般的に別の部分とも解釈されてよい。プラスチック部分3若しくは液圧ブロック1は、全体的に直方体状であって、この場合、別の形状も可能である。
【0020】
金属部分2は、予成形によって、例えば金属射出成形、3D金属プリントまたは精密鋳造によって製造されている。金属部分2は、6つのブレーキ管路接続部4,5と、8つの弁受け部6,7と、2つのポンプ受け部8とを有している。ブレーキ管路接続部4,5、弁受け部6,7およびポンプ受け部8は、様々な大きさおよび形状を有するスリーブ状であって、部分的に直径段部を有している。ブレーキ管路接続部4,5、弁受け部6,7およびポンプ受け部8は、接続管路9としての管によって接続されており、この接続管路9は、ブレーキ管路接続部4,5、弁受け部6,7およびポンプ受け部8を互いに機械的に接続し、かつブレーキ圧制御システムの液圧回路図に従って液圧式に接続する。
【0021】
プラスチック部分3内に埋め込まれた金属部分2は薄壁状であって、つまりスリーブ状のブレーキ管路接続部4,5、弁受け部6,7、ポンプ受け部8および接続管路9の壁部は、ブレーキ管路接続部4,5、弁受け部6,7、ポンプ受け部8および接続管路9の直径または半径よりも厚くない。図示され、説明された実施例では、ブレーキ管路接続部4,5、弁受け部6,7およびポンプ受け部8の壁部は、接続管路9の半径よりも厚くない。
【0022】
4つのブレーキ管路接続部4は、図示されていない液圧式のホイールブレーキの接続のために、また2つのブレーキ管路接続部5は、液圧ブロック1を図示されていないマスタブレーキシリンダに接続するために設けられている。ホイールブレーキおよびマスタブレーキシリンダは、ブレーキ管路によって、ねじニップルまたは圧入ニップルに接続される(図示せず)。ホイールブレーキのための4つのブレーキ管路接続部4は、完成された液圧ブロック1において液圧ブロック1の横方向側でプラスチック部分3内に埋め込まれて位置するように、金属部分2に一直線で互いに相並んで配置されている。従って、液圧ブロック1の横方向側は、接続側10と呼ばれる。横方向側は、図示され説明された実施例では、液圧ブロック1の長手方向側よりも長い。
【0023】
マスタブレーキシリンダのための2つのブレーキ管路接続部5は、ホイールブレーキのためのブレーキ管路接続部4の列に対してずらされて、同様に液圧ブロック1の接続側10に配置されている。ブレーキ管路接続部4,5の開口部は、液圧ブロック1の接続側10と面一である。
【0024】
同様にスリーブ状の弁受け部6,7は、完成された液圧ブロック1の、接続側10に隣接する、互いに向き合う2つの大きい側のうちの一方に位置するように、金属部分2に配置されている。ここでは、弁受け部6,7を有する側は、液圧ブロック1の弁側11と呼ばれる。弁受け部6,7の開口部は、弁側11と面一である。全部で8つの弁受け部6は、液圧ブロック1内でそれぞれ4つの弁受け部6,7を有する、接続側10に対して平行な2つの列に配置されており、この場合、ブレーキ圧制御システムの吸入バルブのための4つの弁受け部6は、接続側10の近傍で第1の列に配置され、ブレーキ圧制御システムの吐出バルブのための4つの弁受け部7は、液圧ブロック1の弁側11の吸入バルブのための弁受け部6の、接続側10とは反対側の第2の列に配置されている。
【0025】
弁受け部6,7は、図示していない電磁弁、つまりブレーキ圧制御システムの4つの吸入バルブおよび4つの吐出バルブを受けるために設けられている。この場合、電磁弁の液圧部分は弁受け部6,7内に配置されていて、バルブドームが液圧ブロック1の弁側11から突き出す。電磁弁の液圧部分は、遮断体および電磁弁のバルブシートを有していて、本来の弁を形成し、バルブドームは弁を操作するための可動子を有している。環状のマグネットコイルはバルブドームに取り付けられ、同様に液圧ブロック1の弁側11の外側に位置している。
【0026】
直径の段付けされたスリーブ状の2つのポンプ受け部8は、完成された液圧ブロック1において、直方体状の液圧ブロック1の横方向側および大きい側およびひいては接続側10および弁側11に対して平行に配置されるように、互いに同軸的に向き合って金属部分2に配置されている。2つのポンプ受け部8の開口部は、液圧ブロック1の長手方向側と面一であり、この長手方向側は、図示されかつ説明された本発明の実施例では、横方向側よりも短いが、もちろんこれは本発明のために強制されるものではない。液圧ブロック1の長手方向側は、ここではポンプ側12と呼ばれる。
【0027】
2つのポンプ受け部8は、ポンプ要素とも解釈され、ブレーキ圧制御システムの液圧ポンプを形成する、図示していない2つのピストンポンプを受けるために用いられる。2つのピストンポンプ若しくは液圧ポンプは、これら2つのポンプ間に配置された、電動機で駆動可能な偏心体によって駆動される。図面には示されていない偏心体は、液圧ブロック1のプラスチック部分3の、同様に図示されていない偏心体室内に位置している。偏心体室は、弁側11内の円筒形の凹部であるか、または、図示されかつ説明された本発明の実施例におけるように、液圧ブロック1の、接続側10とは反対側のモータ側にある。2つのポンプ受け部8は、偏心体室内に半径方向に開口している。図示されていない電動機は、偏心体室の開口部に、つまりプラスチック部分3において液圧ブロック1のモータ側または弁側11に配置される。
【0028】
接続管路9を形成する、金属部分2の管は、ブレーキ管路接続部4,5、弁受け部6,7およびポンプ受け部8を、互いに機械的にかつ、ブレーキ圧制御システムの液圧回路図に従って液圧的に接続する。
【0029】
金属部分2の製造後に、予成形によって金属部分2はプラスチック部分3内に埋め込まれ、この場合、プラスチック部分3は同様に予成形され、つまり金属部分2は、プラスチック部分3を形成するプラスチックで射出成形により包囲され、それによって直方体状の液圧ブロック1が得られる。ブレーキ圧制御システムの構成要素、つまり電磁弁、液圧ポンプおよびその他の図示していない構成要素、例えば逆止弁、液圧蓄圧器、減衰室および圧力センサを装着することにより、液圧ブロック1は、ブレーキ圧制御システムのための液圧装置を形成する。「装着する」とは、ブレーキ圧制御システムの構成要素を、このために設けられた、液圧ブロック1の外側または内側の箇所に配置するかまたは取り付けることを意味する。金属部分2が埋め込まれているプラスチック部分3は、ブレーキ管路接続部4,5、弁受け部6,7およびポンプ受け部8を支持し、それによって金属部分2は、構成要素に作用する機械的負荷および構成要素によって加えられる機械的負荷を金属部分だけで受ける必要はない。
【0030】
金属部分2は、液圧ポンプおよび/またはマスタブレーキシリンダによるブレーキ圧発生を含むブレーキ圧制御システムにおいて、ブレーキ圧(高圧)で負荷され得るすべての受け部および要素を含んでいる。つまり、ブレーキ管路接続部4,5、弁受け部6,7、ポンプ受け部8および接続管路9である。同様に、金属部分2は、ブレーキ圧で負荷され得る限りは、逆止弁、減衰室および圧力センサのための受け部を有している。ブレーキ圧制御システムの、ブレーキ圧によって負荷されない構成要素、例えば液圧蓄圧器のための受け部は、同様に金属部分2にまたはプラスチック部分3内に設けられてよい(図示されていない)。
【符号の説明】
【0031】
1 液圧ブロック
2 金属部分
3 別の部分、プラスチック部分
4,5 ブレーキ管路接続部
6,7 弁受け部
8 ポンプ受け部
9 接続管路
10 接続側
11 弁側
12 ポンプ側
図1
図2