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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】天板付き什器
(51)【国際特許分類】
   A47B 13/02 20060101AFI20240228BHJP
   A47B 13/00 20060101ALI20240228BHJP
   F16B 12/44 20060101ALI20240228BHJP
【FI】
A47B13/02
A47B13/00 Z
F16B12/44 D
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019165497
(22)【出願日】2019-09-11
(65)【公開番号】P2021040966
(43)【公開日】2021-03-18
【審査請求日】2022-07-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 祥子
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-116128(JP,A)
【文献】特開2008-279212(JP,A)
【文献】特開2014-068918(JP,A)
【文献】特開2005-334585(JP,A)
【文献】国際公開第2007/079738(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 13/00-13/02
A47B 13/08-13/10
A47B 7/00
F16B 12/44
A47B 1/08
A47B 1/02
A47B 1/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板と、
前記天板を支持する支持構造体とを備え、
前記支持構造体は、
床面に支持される複数の脚と、
第一方向に延び前記第一方向に交差する第二方向に対をなして配されて前記天板を支持する一対の支持部材を有する複数の支持ユニットと、
前記支持ユニット同士を前記第一方向に連結する連結部材と、を備え、
前記複数の支持ユニットは、前記一対の支持部材間の距離が異なり、
前記複数の支持ユニットは、前記連結部材に着脱可能に取り付けられ
前記複数の脚は、前記複数の支持ユニットに固定される天板付き什器。
【請求項2】
天板と、
前記天板を支持する支持構造体とを備え、
前記支持構造体は、
床面に支持される複数の脚と、
第一方向に延び前記第一方向に交差する第二方向に対をなして配されて前記天板を支持する一対の支持部材を有する複数の支持ユニットと、
前記支持ユニット同士を前記第一方向に連結する連結部材と、を備え、
前記複数の支持ユニットは、前記一対の支持部材間の距離が異なり、
前記複数の支持ユニットは、前記連結部材に着脱可能に取り付けられ、
前記脚は前記連結部材に固定される天板付き什器。
【請求項3】
前記天板は、前記第二方向の寸法が異なる第一領域及び第二領域を有し、
前記支持構造体は、
前記第一領域の寸法に対応する第一支持ユニットが前記第一領域の下面に取り付けられ、
前記第二領域の寸法に対応する第二支持ユニットが前記第二領域の下面に取り付けられ、
前記第一支持ユニットと前記第二支持ユニットとが前記連結部材で連結されている
請求項1または請求項に記載の天板付き什器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天板付き什器に関する。
【背景技術】
【0002】
会議、作業、飲食等で用いられるテーブルは、複数人が使用可能な大きさの天板と、天板を支持する脚部とを備えている。このようなテーブルは、テーブルが設置されるスペース等に応じて各種形状ならびに寸法の天板が用いられている。
【0003】
近年、遠隔地間で画像及び音声により通話を行うビデオ会議システムが多用されている。このようなビデオ会議システムでは、各地に複数人が集まり、一つのモニタを複数人で見ながら通話する場合や、通話相手に対し、会議出席者の顔が見えるようにビデオカメラで会議出席者全員を撮影する場合がある。そのため、ビデオ会議システムが用いられる会議用のテーブルが長方形等の矩形であると、会議出席者全員の顔がビデオカメラに映り難く、また、会議出席者がモニタを見難い。これに対し、ビデオ会議システム用のテーブルとして、異形の天板を有するテーブルに対するニーズがある。例えば、特許文献1には、平面視台形の天板を有するテーブルが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6474234号公報
【文献】特許第4929475号公報
【文献】特開2017-488号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ビデオ会議システムで用いられるテーブルでは、特許文献1の台形のテーブルの他、天板の大きさや形状に多様なニーズがある。このようなニーズに対し、大きさや形状が異なる複数種類の天板に対応可能な脚部を組み合わせた天板付き什器が検討されている(例えば、特許文献2、特許文献3)。
【0006】
しかし、特許文献2の什器の場合、脚部は平面視一方向の長さが異なる複数種類の天板に対応可能であるが、平面視二方向の長さが異なる天板には対応出来ない点が課題となっていた。特許文献3の場合、部品点数が多く、テーブルの組み立て施工に手間を要していた。
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、各種形状の天板に対してフレキシブルに対応可能な支持構造体を有する天板付き什器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る天板付き什器は、天板と、前記天板を支持する支持構造体とを備え、前記支持構造体は、床面に支持される複数の脚と、第一方向に延び前記第一方向に交差する第二方向に対をなして配されて前記天板を支持する一対の支持部材を有する複数の支持ユニットと、前記支持ユニット同士を前記第一方向に連結する連結部材と、を備え、前記複数の支持ユニットは、前記一対の支持部材間の距離が異なり、前記複数の支持ユニットは、前記連結部材に着脱可能に取り付けられ、前記複数の脚は、前記複数の支持ユニットに固定される
【0009】
このような天板付き什器によれば、一対の支持部材間の距離が異なる複数の支持ユニットを連結部材で連結し、これと脚とを備える支持構造体により天板を支持するため、天板の平面視形状が異なる各種天板に対して、複数の支持ユニットを組み合わせてフレキシブルに対応できる。
また、複数の支持ユニットが連結部材に着脱可能に取り付けられるため、天板付き什器の組み立て作業が容易に行える。
また、複数の脚が支持ユニットに固定されているため、天板に対する脚の取付位置の位置決めが容易となる。また、複数の脚を天板に取り付ける作業が容易に行える。
【0014】
本実施形態に係る天板付き什器では、天板と、前記天板を支持する支持構造体とを備え、前記支持構造体は、床面に支持される複数の脚と、第一方向に延び前記第一方向に交差する第二方向に対をなして配されて前記天板を支持する一対の支持部材を有する複数の支持ユニットと、前記支持ユニット同士を前記第一方向に連結する連結部材と、を備え、前記複数の支持ユニットは、前記一対の支持部材間の距離が異なり、前記複数の支持ユニットは、前記連結部材に着脱可能に取り付けられ、前記脚は前記連結部材に固定されていてもよい。
【0015】
このような天板付き什器によれば、例えば、第一方向の寸法が長い天板の場合に、連結部材に脚が取り付けることにより、天板の中間部分を安定支持できる。このように天板の中間部分を支持する脚を容易に取り付けることができる。
【0016】
本実施形態に係る天板付き什器では、前記天板は、前記第二方向の寸法が異なる第一領域及び第二領域を有し、前記支持構造体は、前記第一領域の寸法に対応する第一支持ユニットが前記第一領域の下面に取り付けられ、前記第二領域の寸法に対応する第二支持ユニットが前記第二領域の下面に取り付けられ、前記第一支持ユニットと前記第二支持ユニットとが前記連結部材で連結されていてもよい。
【0017】
このような天板付き什器によれば、寸法が異なる第一領域および第二領域にそれぞれ対応する第一支持ユニットと第二支持ユニットとを連結部材により接続できる。したがって、天板の平面視形状が異なる各種天板に対して、複数の支持ユニットを組み合わせてフレキシブルに対応できる。
【発明の効果】
【0018】
上記天板付き什器によれば、各種形状の天板に対してフレキシブルに対応可能な支持構造体を有する天板付き什器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第一実施形態に係る天板付き什器を上方から見た図である。
図2】本発明の第一実施形態に係る天板付き什器を示す側面図である。
図3】本発明の第一実施形態に係る天板付き什器を示す側面図である。
図4】本発明の第一実施形態の連結部材と縦枠との取付態様を模式的に示す分解斜視図である。
図5】本発明の第二実施形態に係る天板付き什器を上方から見た図である。
図6】本発明の第二実施形態に係る天板付き什器を示す側面図である。
図7】本発明の第三実施形態に係る天板付き什器を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[第一実施形態]
本発明の第一実施形態に係る天板付き什器について、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る天板付き什器1を上方から見た図である。図1では、天板2の支持構造を示すために天板2を仮想線で示している。図2は、天板付き什器を幅方向から見た側面図である。図3は天板付き什器1を前後方向から見た側面図である。本実施形態では、天板付き什器1が、例えばオフィスや公共施設の会議室等に設置され会議用テーブルである例を示す。
【0021】
天板付き什器1は、天板2と、支持構造体7とを備える。天板付き什器1は、床面F上に配置された支持構造体7により天板2が支持される。以下の説明において、床面Fに直交する方向を上下方向(図1に示す矢印Z方向。矢印Uが上側、矢印Dが下側)と称し、上下方向に直交する2方向をそれぞれ第一方向(図1に示す矢印X方向)及び第二方向(図1に示す矢印Y方向)と称する。
【0022】
以下の説明において、図1に示す第一方向Xの矢印FR側の天板2の端部を前端部22と称し、反対側の矢印RR側の端部を後端部23と称する。後端部23から前端部22側を見て、天板2の第二方向Yの右側(図1に示す矢印R側)の端部を右端部24と称し、第二方向Yの反対側の左側(図1に示す矢印L側)の端部を左端部25と称する。
【0023】
天板2は、図1に示すように、前端部22の第二方向Yに沿う幅寸法W22が後端部23の幅寸法W23よりも小さく、前端部22から後端部23に向かって左右端部24,25間の幅が次第に大きくなる平面視略台形状を有する。天板2は、角部が曲線状に形成されている。
【0024】
天板2は、1枚の板材により構成されていてもよく、複数枚以上の板材が突き合わされて構成されていてもよい。また、天板2の材料は特に限定されず、公知の材料を使用できる。
【0025】
支持構造体7は、複数の脚3と、複数の支持ユニット5と、連結部材4と、を備える。
【0026】
図1から図3に示すように、脚3は、前端部22及び後端部23の近傍の天板2の下面21に、それぞれ2本ずつ設けられている。各脚3は、平面視略長方形状で、第一方向Xおよび第二方向Yに対して傾斜して配置されている。各脚3は、上端よりも下端が外方に位置するように、上下方向Zに対して傾斜して配置されている。脚3の上端部には、略水平面を有する脚固定板33を備えている。
【0027】
支持ユニット5は、天板2の下面に固定される部材である。支持ユニット5は、天板2に脚3を取り付けるための中間部材としての機能と、天板付き什器1の強度を保つ機能とを有する。複数の支持ユニット5は、天板2の下面21に第一方向Xに並んで取り付けられる。本実施形態では、支持ユニット5として、前端部22側に配置される第一支持ユニット51および後端部23側に配置される第二支持ユニット52が設けられている。
【0028】
第一支持ユニット51および第二支持ユニット52は同様の構造を有する。第一支持ユニット51および第二支持ユニット52は、平面視略U字形状を有する金属製型材である。第一支持ユニット51及び第二支持ユニット52は、第二方向Yに沿って延びる横枠58と、横枠58の左右端から第一方向Xに沿って延びる一対の縦枠54(支持部材)とを有する。第一支持ユニット51及び第二支持ユニット52は、横枠58と縦枠54とが接続する一対のコーナー部55に、脚3を固定する脚固定部56を有する。
【0029】
縦枠54のコーナー部55とは反対側の端部に接続片57が設けられている。図4は、連結部材4と縦枠54との取付態様を模式的に示す分解斜視図である。説明の為、図4では、一方の縦枠54は連結部材4に取り付けられた状態を示し、一方の縦枠54は、分解斜視図で示している。図4に示すように、接続片57は、第二方向Yに沿う方向、すなわち縦枠54と直交する方向に延びる当接面572と、第一方向Xに貫通する係止凹部571とが設けられている。
【0030】
本実施形態では、第一支持ユニット51及び第二支持ユニット52は、横枠58と、縦枠54とが一体に形成されている例を示すが、横枠と縦枠を別体の部材で構成し、横枠と縦枠とをコーナー部用の部材にそれぞれ連結する構成であってもよい。各支持ユニット51,52は、少なくとも一対の縦枠54を備えていればよく、横枠58は必須の構成ではない。支持ユニットは、図1に示す平面視U字形状の他、例えば、横枠が縦枠の長手方向中間部(第一方向Xの中間部)に配置された平面視H字形状、2つの横枠58で一対の縦枠54が連結される平面視矩形状、一対の縦枠間に横枠が交差して配置された構成であってもよい。
【0031】
第一支持ユニット51と第二支持ユニット52とは第二方向Yの一対の縦枠54間の距離(支持部材間の距離)、すなわち、幅寸法が異なる。本実施形態では、天板2は前端部22の幅寸法W22が後端部23の幅寸法W23より小さい略台形状であるため、第一支持ユニット51の幅寸法W51が第二支持ユニット52の幅寸法W52より短い。
【0032】
連結部材4は、支持ユニット同士を前記第一方向に連結する部材である。第一支持ユニット51と第二支持ユニット52とは連結部材4により連結される。連結部材4は、例えば、金属製の型材である。本実施形態の連結部材4は平面視矩形である。連結部材4は、支持ユニット51,52のうち、幅寸法が大きい方の支持ユニットの幅寸法と同等以上であり、天板2の幅寸法よりも小さい長さを有する。本実施形態では、連結部材4は、第二支持ユニット52の幅寸法W52よりも長い。
【0033】
天板付き什器1の支持構造について説明する。第一支持ユニット51の横枠58が天板2の前端部22近傍の下面21に固定され、第二支持ユニット52の横枠58が天板2の後端部23近傍の下面21に固定され、第一支持ユニット51および第二支持ユニット52の縦枠54が各横枠58よりも第一方向Xの内側に位置するようにそれぞれ配置されている。各支持ユニット51,52の各コーナー部55に脚3がそれぞれ固定されている。脚3の上端部の脚固定板33が天板2の下面21に固定されている。
【0034】
脚3の下端部は、平面視において、天板2の縁部よりも外方に突出しない位置に配置されている。具体的には、平面視において、脚3の下端部が、天板2の縁部よりも200mm以上内側に位置するように配置されている。脚3をこのような位置に取り付けると、天板付き什器1の使用時、およびユーザが天板付き什器1の周囲を移動する際、ユーザの動線を妨げない。
【0035】
脚3の位置に応じて、第二方向Yにおける一対の縦枠54の距離、および縦枠54の第一方向Xの長さが決まる。
【0036】
連結部材4は、第一支持ユニット51と第二支持ユニット52との間に第二方向Yに沿って配置されている。連結部材4の上面が天板の下面に固定されている。連結部材4の第二方向Yに沿う前面41に第一支持ユニット51の接続片57の当接面が当接し、ビス90が係止凹部571に挿入されて第一支持ユニット51が連結部材4に連結される。連結部材4の後面42に第二支持ユニット52の接続片57の当接面が当接し、不図示のビスが係止凹部571に挿入されて第一支持ユニット51が連結部材4に連結されている。連結部材4は、第二方向Yの両端部が天板2の左右端部24,25よりも内側に位置する。
【0037】
天板2の平面視形状に応じて、寸法が異なる第一支持ユニット51および第二支持ユニット52が取り付けられる。支持ユニット5は、異なる寸法を有する複数種類の支持ユニットが予め用意されており、天板2の形状および第一方向Xならびに第二方向Yの寸法に応じて、異なる寸法の第一支持ユニット51および第二支持ユニット52が取り付けられる。第一支持ユニット51および第二支持ユニット52は、例えば、平面視矩形の天板用の支持ユニットと部品を共用できる。平面視矩形の天板の場合、同じ寸法の支持ユニットを取り付ける。一方、本実施形態の天板付き什器1のように、異形の天板2の場合、天板の形状および寸法に応じて、複数の支持ユニットを組み合わせて使用する。寸法の異なる各支持ユニット51,52間に連結部材4を配置して、連結部材4を介して支持ユニット51,52同士を連結する。連結部材4は、第二方向Yの寸法が異なる複数種類の連結部材4を予め用意してもよいし、支持ユニット51,52の寸法に応じて、長尺な連結部材を切断し、切断部をカバーで覆う構成であってもよい。
【0038】
本実施形態に係る天板付き什器1によれば、任意の形状の天板2に対して、寸法が異なる複数種類の支持ユニット5を組み合わせ、連結部材4で接続することにより、天板2を支持できる。したがって、任意の形状の天板に対して専用の支持構造部品を用意する必要が無く、効率的に支持構造体7を用意できる。したがって、ユーザのニーズにフレキシブルに対応可能な天板付き什器1を提供できる。
【0039】
上記実施形態に係る天板付き什器1によれば、平面視寸法が異なる第一支持ユニット51および第二支持ユニット52を連結部材4により連結し、これに脚3を取り付けた支持構造体7により天板2を支持するため、天板2の平面視形状が異なる各種天板に対して、共用部品を用いてフレキシブルに対応できる。
【0040】
本実施形態に係る天板付き什器1によれば、第二方向Yにおける平面視寸法が異なる第一支持ユニット51と第二支持ユニット52とを連結部材4により接続できる。したがって、第二方向Yの平面視寸法が異なる領域を備える天板2の各寸法に応じた第一支持ユニット51、及び第二支持ユニット52を用意でき、異形の天板2を有する天板付き什器1の支持構造体7を容易に構築できる。
【0041】
本実施形態に係る天板付き什器1によれば、各支持ユニット51,52が連結部材4に対して着脱可能に取り付けられているため、支持構造体7の取付作業が容易に行える。
【0042】
本実施形態に係る天板付き什器1によれば、複数の脚3が支持ユニット51,52に固定されているため、脚3と支持ユニット51,52とにより強固な支持構造が得られ、天板2を安定支持できる。また、天板2に対する脚3の位置決めが容易となり、複数の脚3を天板2に取り付ける作業が容易に行える。
【0043】
[第二実施形態]
次に、図5及び図6を参照して第二実施形態に係る天板付き什器1Aを説明する。図5は、本実施形態に係る天板付き什器1Aを上方から見た図である。図5では、天板2Aの支持構造を示すために天板2Aを仮想線で示している。図6は、天板付き什器1Aを第二方向Yから見た側面図である。以下の説明において、上記実施形態と共通する構成については図中に同符号を付してその説明を省略する。
【0044】
本実施形態では、天板2Aの形状および寸法ならびに支持構造体の構成が第一実施形態と異なる。天板2Aは、第一方向Xの長さが第一実施形態に係る天板付き什器1に比べて長い。そのため、支持構造体は、支持ユニット、連結部材、および脚の数が第一実施形態に比べて多い。
【0045】
天板2Aは、第一方向Xに並んだ複数(例えば、5枚)の天板片26が突き合わされて形成されている。隣接する天板片26同士は、各天板片26の下面に設けられた連結具27により連結されている。連結具27は、天板2Aの左右端部24,25近傍に第二方向Yに並んで設けられている。連結具27は、各天板片26が付き合わされる端部間の下面に架設されて、隣接する各天板片26にネジ固定され、天板片26同士が固定されている。
【0046】
天板2Aには、天板2A上に載置される電子機器の配線を天板2Aの下方に通す配線挿通孔28が形成されている。配線挿通孔28は、配線カバー29によって開閉可能に構成されている。配線挿通孔28および配線カバー29は、第一方向Xに沿って複数設けられている。本実施形態では、配線挿通孔28および配線カバー29が3か所に設けられている例を示す。なお、天板2Aの下方において、配線挿通孔28を下方から覆う配線ダクト290等が設けられていてもよい。
【0047】
支持ユニット5は、第一支持ユニット51、第二支持ユニット52、および第三支持ユニット53を備え、それぞれ天板2Aの下面21に固定されている。第一支持ユニット51は天板2Aの前端部22の近傍に配置され、第二支持ユニット52は、天板2Aの後端部23の近傍に配置されている。第三支持ユニット53は、第一支持ユニット51と第二支持ユニット52との間に配置されている。
【0048】
第三支持ユニット53は、一対の縦枠54Aからなる。各縦枠54Aは、一つの天板片26の第一方向Xの長さに略等しい棒状部材である。縦枠54Aの第一方向X(長手方向)の両端部に、第一支持ユニット51及び第二支持ユニット52と同様の構成の接続片57を備える。
【0049】
第一支持ユニット51および第二支持ユニット52は、それぞれ2つの天板片26に架設されている。第三支持ユニット53は、一枚の天板片26に設けられている。天板2Aは、前端部22から後端部23に向かって次第に幅寸法が大きくなる平面視台形状であるため、第一支持ユニット51の幅寸法W51が最も小さく、第三支持ユニット53の幅寸法W53、第二支持ユニット52の幅寸法W52の順に幅寸法が大きい。
【0050】
連結部材4は、第一支持ユニット51と第三支持ユニット53との間、および第二支持ユニット52と第三支持ユニット53との間に設けられている。各連結部材401,402は、天板片26の境界の接合部分を覆い、第二方向Yに並ぶ接続片57間に設けられている。各連結部材4は、取り付けられる支持ユニットの幅寸法に応じた寸法を有する。本実施形態では、第一支持ユニット51と第三支持ユニット53とを連結する連結部材401は、第二支持ユニット52と第三支持ユニット53とを連結する連結部材402よりも第二方向Yの長さが短い。
【0051】
連結部材401に第一支持ユニット51と第三支持ユニット53とが連結され、連結部材402に第二支持ユニット52と第三支持ユニット53とが、第一実施形態と同様の構成により連結されることにより、複数の支持ユニット51,52,53が第一方向Xに沿って並んで連結される。
【0052】
本実施形態に係る天板付き什器1Aによれば、第一方向Xの寸法が長い天板に対して、複数の支持ユニット51,52,53を取り付けた支持構造を容易に構築できる。
【0053】
本実施形態では、第一支持ユニット51および第二支持ユニット52の各コーナー部55に設けられる4本の脚3に加えて、8本の中間脚34が設けられている。中間脚34は、隣接する天板片26の境界部分に設けられている。中間脚34は、各連結部材401,401の第二方向Yの両端部の4箇所、第一支持ユニット51の縦枠54の第二方向Yの中間部に2箇所、および第二支持ユニット52の縦枠54の第二方向Yの中間部に2箇所に設けられている。中間脚34は、天板2Aの下面21に直接固定してもよいし、接続片57に固定してもよい。
【0054】
本実施形態に係る天板付き什器1Aによれば、第一実施形態と同様に、任意の形状の天板に対して、寸法が異なる複数種類の支持ユニットを組み合わせ、連結部材で接続することにより、天板2を支持できる。したがって、任意の形状の天板に対応する専用の支持構造部品を用意する必要が無く、複数種類の支持ユニットおよび連結部材を用いて効率的に支持構造体を用意できる。したがって、ユーザのニーズにフレキシブルに対応可能な天板付き什器1Aを提供できる。
【0055】
本実施形態に係る天板付き什器1Aによれば、第一方向Xの寸法が長い天板2Aの場合に、連結部材401,402に中間脚34が取り付けられることにより、天板2Aの中間部分を安定支持できる。また、中間脚34を容易に位置決めできる。
【0056】
本実施形態では、第三支持ユニット53は一対の縦枠54Aからなる例を示したが、第三支持ユニットの構成はこれに限定されない。例えば、縦枠および横枠を備える平面視矩形の枠体であり、横枠または縦枠の第一方向Xの両端部を連結部材4に連結する構成であってもよい。
【0057】
本実施形態では、各連結部材401,402の第二方向Yの長さが異なる例を示したが、同じ長さの2つの連結部材401,402を用意し、各支持ユニット51,52,53を連結部材401,402の任意の位置に取り付ける構成であってもよい。
【0058】
[第三実施形態]
図7を参照して第三実施形態に係る天板付き什器1Bを説明する。図7は、本実施形態に係る天板付き什器1Bを上方から見た図である。図7では、天板2Bの支持構造を示すために天板2を仮想線で示している。図7では、支持構造体7を模式的に示している。本実施形態に係る天板付き什器1Bは、天板2Bの平面視形状および支持構造体7の構成が上記各実施形態と異なる。以下の説明において、上記実施形態と共通する構成については図中に同符号を付してその説明を省略する。
【0059】
天板2Bは、前後端部22,23の幅寸法W22,W23が等しく、第一方向Xの中間部の幅寸法が最大となる形状を有する。左右端部24,25はそれぞれ外方に向かって突出する湾曲形状を有する。
【0060】
複数の支持ユニットは、前後端部22,23の近傍にそれぞれ配置される第一支持ユニット51と、2つの第一支持ユニット51間に配置される第二支持ユニット52とを備える。2つの第一支持ユニット51の形状および寸法は等しい。第二支持ユニット52の幅寸法W52は、第一支持ユニット51の幅寸法W51よりも大きい。第二支持ユニット52は、平面視矩形の枠で構成されており、第一方向Xの両端部が各連結部材4に固定されている。2つの連結部材4は、幅寸法が等しい同一形状の部材である。
【0061】
すなわち、天板2Bの幅寸法が異なる第一領域R1および第二領域R2にそれぞれ対応する第一支持ユニット51と第二支持ユニット52とを連結部材4により連結できる。したがって、第二方向Yの平面視寸法が異なる各領域R1,R2を備える天板2Bの各寸法に応じた第一支持ユニット51、及び第二支持ユニット52を有する支持構造体7を容易に構築できる。
【0062】
各連結部材4の第二方向Yの両端部には中間脚34が取り付けられている。したがって、天板2Bには、4本の脚3および4本の中間脚34が取り付けられている。
【0063】
本実施形態に係る天板付き什器1Bによれば、上記実施形態と同様に、任意の形状の天板に対して、寸法が異なる複数種類の支持ユニットを組み合わせ、連結部材で接続することにより、天板2Bを支持できる。したがって、任意の形状の天板に対応する専用の支持構造部品を用意する必要が無く、複数種類の支持ユニットおよび連結部材を用いて効率的に支持構造体を用意できる。したがって、ユーザのニーズにフレキシブルに対応可能な天板付き什器1Bを提供できる。
【0064】
第二実施形態および第三実施形態に係る天板付き什器1A,1Bでは3つの支持ユニットを備える例を示したが、支持ユニットの数はこれに限定されず、2以上の支持ユニットが設けられていればよい。
【0065】
本実施形態に係る天板付き什器1Bによれば、第一方向Xの寸法が長い天板2Bの場合に、連結部材4に中間脚34が取り付けられることにより、天板2Bの中間部分を安定支持できる。また、中間脚34を容易に位置決めできる。
【0066】
天板付き什器において、配線挿通孔、配線カバー、ならびに配線ボックスは必須の構成ではない。例えば、第二実施形態の天板付き什器1Aにおいて、天板2に配線ボックスを設けない構成であってもよい。また、第一実施形態の天板2に配線ボックスを備えてもよい。
【0067】
上記各実施形態で示した天板の平面視形状は一例であり、天板の寸法や平面視形状等は、天板付き什器の用途、設置場所等に応じて適宜変更が可能である。天板は、1枚の天板により構成されていてもよく、2枚以上の天板片で構成されていてもよい。この他、例えば、天板の左右端が平行に延びる平行領域を備え、平行領域の前後方向の一方または両方に平行領域よりも左右方向の寸法が大きいまたは小さい領域(第一領域、第二領域)を備えてもよい。平行領域の前後方向の一方のみに、左右方向の寸法が平行領域と異なる第一領域が形成された場合、平行領域が第二領域となる。
【0068】
第一実施形態では、前後方向の両端部に4本の脚3のみを設け、第二実施形態及び第三実施形態のような中間脚を設けない例を示したが、天板の前後方向の寸法に応じて、適宜中間脚を設けてもよい。中間脚は、天板の支持強度を確保するために、天板の寸法に応じて取り付ければよい。また、中間脚の取付位置は、連結部材に限定されない。例えば、中間脚を天板の下面のみに取り付ける態様や、複数の中間脚を連結部材ならびに天板の下面に取り付ける態様であってもよい。
【0069】
上記実施形態では、第一支持ユニット51と第二支持ユニット52との幅寸法が異なる例を示したが、幅寸法に加えて、第一方向Xの寸法が互いに異なる支持ユニットを組み合わせてもよい。
【0070】
上記実施形態では、支持ユニットの接続片57と連結部材4,401,402とをネジにより着脱可能に取り付ける例を示したが、支持ユニットと連結部材との取付構造はこれに限定されない。例えば、支持ユニットと連結部材とを溶接、接着等の手段により連結してもよい。
【0071】
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0072】
1,1A,1B 天板付き什器
2,2A,2B 天板
3 脚
4,401,402 連結部材
5 支持ユニット
21 下面
34 中間脚
51 第一支持ユニット
52 第二支持ユニット
53 第三支持ユニット(支持ユニット)
R1 第一領域
R2 第二領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7