(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】席案内装置、席案内システム、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/12 20120101AFI20240228BHJP
G07G 1/12 20060101ALI20240228BHJP
【FI】
G06Q50/12
G07G1/12 361C
(21)【出願番号】P 2019205001
(22)【出願日】2019-11-12
【審査請求日】2022-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柿沼 伸也
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 真紀
(72)【発明者】
【氏名】茂木 常浩
(72)【発明者】
【氏名】益田 拓郎
(72)【発明者】
【氏名】角田 真結子
(72)【発明者】
【氏名】木元 祐子
(72)【発明者】
【氏名】中江田 真行
(72)【発明者】
【氏名】曹永 紗世
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 繁
(72)【発明者】
【氏名】星野 直樹
【審査官】加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-038823(JP,A)
【文献】特開2019-003361(JP,A)
【文献】特開2014-002652(JP,A)
【文献】特開2017-220173(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0039450(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G07G 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の情報端末から当該情報端末を特定する特定情報および利用者が利用を希望する席の利用希望情報を受付ける受付部と、
前記席の利用状況に関する情報が入力される入力部と、
前記入力部に入力された情報に基づいて、前記受付部が受け付けた利用希望情報に合致する空席が存在すると判断される場合、当該利用希望情報とともに受け付けた特定情報で特定される情報端末に対して空席の存在を示す情報を出力する出力部と、
前記利用者を案内する空席に設けられた表示装置に対して、前記受付部に情報を送信するための二次元コードを出力し前記表示装置に表示させる確認情報出力部と、
前記出力部が出力した情報端末の特定情報と、前記表示装置に表示される前記二次元コードを読み取った情報端末から前記受付部に送信される特定情報とが一致した場合に、前記利用者を案内した空席を利用中に更新し、一致しない場合に、前記受付部が前記特定情報を受け付けた前記情報端末に対して、誤って着席したことを知らせる通知を出力する利用状況データ更新部と、
を備えたことを特徴とする席案内装置。
【請求項2】
前記利用状況に関する情報は、前記特定情報が入力され前記席が複数設けられる席エリアへの入退を受け付ける受付装置から出力される入退情報と、前記席エリアを撮像するカメラから入力される撮像情報である
ことを特徴とする請求項1に記載の席案内装置。
【請求項3】
前記受付装置から前記席エリアへの利用者の入場を示す情報が入力されると、前記席エリアにおける空席を示すマップ情報を出力するマップ情報出力部
を備えたことを特徴とする請求項2に記載の席案内装置。
【請求項4】
前記受付装置から利用者の入場を示す情報が前記特定情報とともに入力されると、当該特定情報で特定される情報端末からの注文を受け付け可能とする注文受付部
を備えたことを特徴とする請求項2または3に記載の席案内装置。
【請求項5】
利用者が利用可能な席の利用状況を検出する検出装置と、情報端末から前記席の利用希望情報を受付けるとともに前記検出装置からの前記席の利用状況に関する情報に基づいて当該情報端末に情報を出力する席案内装置と、を備えた席案内システムであって、
前記席案内装置は、
利用者の情報端末から当該情報端末を特定する特定情報および利用者が利用を希望する席の利用希望情報を受付ける受付部と、
前記席の利用状況に関する情報が入力される入力部と、
前記入力部に入力された情報に基づいて、前記受付部が受け付けた利用希望情報に合致する空席が存在すると判断される場合、当該利用希望情報とともに受け付けた特定情報で特定される情報端末に対して空席の存在を示す情報を出力する出力部と、
前記利用者を案内する空席に設けられた表示装置に対して、前記受付部に情報を送信するための二次元コードを出力し前記表示装置に表示させる確認情報出力部と、
前記出力部が出力した情報端末の特定情報と、前記表示装置に表示される前記二次元コードを読み取った情報端末から前記受付部に送信される特定情報とが一致した場合に、前記利用者を案内した空席を利用中に更新し、一致しない場合に、前記受付部が前記特定情報を受け付けた前記情報端末に対して、誤って着席したことを知らせる通知を出力する利用状況データ更新部と、
を備えたことを特徴とする席案内システム。
【請求項6】
席案内装置をコンピュータによって制御するためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
利用者の情報端末から当該情報端末を特定する特定情報および利用者が利用を希望する席の利用希望情報を受付ける受付部と、
前記席の利用状況に関する情報が入力される入力部と、
前記入力部に入力された情報に基づいて、前記受付部が受け付けた利用希望情報に合致する空席が存在すると判断される場合、当該利用希望情報とともに受け付けた特定情報で特定される情報端末に対して空席の存在を示す情報を出力する出力部と、
前記利用者を案内する空席に設けられた表示装置に対して、前記受付部に情報を送信するための二次元コードを出力し前記表示装置に表示させる確認情報出力部と、
前記出力部が出力した情報端末の特定情報と、前記表示装置に表示される前記二次元コードを読み取った情報端末から前記受付部に送信される特定情報とが一致した場合に、前記利用者を案内した空席を利用中に更新し、一致しない場合に、前記受付部が前記特定情報を受け付けた前記情報端末に対して、誤って着席したことを知らせる通知を出力する利用状況データ更新部と、
して機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、席案内装置、席案内システム、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ショッピングセンターに設けられるフードコート内の店舗やファーストフード店など、いわゆるセルフサービスの店舗が多く存在している。この種のセルフサービスの店舗は、利用者自身が席を探して確保し、利用者自身が購入した商品を席まで運ぶスタイルである。
【0003】
上記したセルフサービスの店舗においては、混雑時に、席を確保する前に商品を購入し、購入した商品を持ったまま席を探す利用者を目にすることが多い。このような点を防止するためのものとして、テーブルに備え付けた端末から注文するようにしたものが知られている(特許文献1)。これによれば、席を確保してから注文することになるので、利用者が購入した商品を持ったまま歩き回って席を探すことを防止する。
【0004】
特許文献1に記載のものは、席が確保されたことを前提とする改善策であって、利用者が席の確保を容易にできるようにしたものではない。このため、利用者による席の確保を容易にすることが望まれている。この点は、上述したセルフサービスの店舗に限らず、通常の店舗でも同様である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、店舗やフードコート等において、利用者による席の確保を容易化することが可能な席案内装置、席案内システム、及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の席案内装置は、利用者の情報端末から当該情報端末を特定する特定情報および利用者が利用を希望する席の利用希望情報を受付ける受付部と、前記席の利用状況に関する情報が入力される入力部と、前記入力部に入力された情報に基づいて、前記受付部が受け付けた利用希望情報に合致する空席が存在すると判断される場合、当該利用希望情報とともに受け付けた特定情報で特定される情報端末に対して空席の存在を示す情報を出力する出力部と、前記利用者を案内する空席に設けられた表示装置に対して、前記受付部に情報を送信するための二次元コードを出力し前記表示装置に表示させる確認情報出力部と、前記出力部が出力した情報端末の特定情報と、前記表示装置に表示される前記二次元コードを読み取った情報端末から前記受付部に送信される特定情報とが一致した場合に、前記利用者を案内した空席を利用中に更新し、一致しない場合に、前記受付部が前記特定情報を受け付けた前記情報端末に対して、誤って着席したことを知らせる通知を出力する利用状況データ更新部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態の情報端末と席案内システムとを示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態の席案内システムが適用される一例を示したフードコートの概略を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態の受付装置の外観を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態の席とテーブルの外観を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態の席案内装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、実施形態の席案内装置に記憶される内容を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態の席案内装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図8】
図8は、実施形態の席案内システムの動作の流れを示すシーケンスチャートである。
【
図9】
図9は、実施形態の席案内装置における受付処理を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、実施形態の席案内装置における空席チェック処理を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、実施形態の席案内装置における利用者の席エリアへの入場時の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態と席案内システムについて、図面に基づき説明する。
図1は、情報端末1と席案内システム2とを示している。情報端末1は、利用者が所有するスマートフォンなどの機器である。情報端末1は、インターネットなどの公衆回線網であるネットワークN1を介して席案内システム2に接続される。
【0009】
本実施形態の席案内システム2は、例えば、ショッピングセンターのいわゆるフードコートに適用される。席案内システム2は、席案内装置であるサーバ3、受付装置4、カメラ5、複数の店舗サーバ6、複数の電子席札7を含む。サーバ3と、受付装置4、カメラ5、各店舗サーバ6、各電子席札7とは、LAN(Local Area Network)等のネットワークN2で接続されている。
【0010】
図2は、フードコートのレイアウトを示す。フードコートは、複数の飲食店が集合し、席を共用しているセルフサービス形式の飲食スペースである。フードコートは、店舗エリアAと、一般エリアBと、会員エリアC(席エリア)とを備える。
【0011】
店舗エリアAには、複数の飲食店(以下、店舗)Sが設けられている。一般エリアBは、ショッピングセンターを利用する全ての利用者が自由に利用できるエリアで、椅子とテーブルのセット(以下、席)Tが複数設けられている。なお、本実施形態では、椅子とテーブルのセットを席としているが、席としては、椅子だけであってもよく、テーブルだけでもよい。
【0012】
会員エリアCは、仕切られたエリアであって、席案内システム2の会員として登録した会員のみが利用可能となっている。会員エリアCの出入口Eの両側それぞれには、受付装置4が設けられている。また、会員エリアCには、この会員エリアC内の席Tを撮像可能なカメラ5が複数設けられている。詳細は後述するが、受付装置4及びカメラ5は席Tの利用状況を検出する検出装置として機能する。本実施形態の席案内システム2は、会員エリアCに適用される。
【0013】
図3は、受付装置4の一例を示す外観図である。受付装置4は、支持部4A、平面部4B、表示部4Cを備える。支持部4Aは、受付装置4全体を支持する。平面部4Bには、情報端末1に表示されたQRコード(登録商標)などを読み取る読取装置(図示せず)が設けられている。表示部4Cは、サーバ3からの指示に基づいて、各種ガイドなどの必要情報を利用者に対して表示する。
【0014】
図4は、席Tの一例を示す外観図である。席Tは、一対の椅子9とテーブル10とを備える2人用である。会員エリアCには、その他4人または6人用の席も用意されている。テーブル10の端部には、電子席札7が設けられている。電子席札7は、サーバ3からの指示に基づいて、各種情報を表示する。
【0015】
次に、
図5に基づいて、席案内装置を構成するサーバ3のハードウェア構成について説明する。サーバ3は、制御部20、メモリ部30、通信I/F(Interface)40、41、42、43、44等を備えている。制御部20、メモリ部30、通信I/F40、41、42、43、44はバス45を介して互いに接続されている。
【0016】
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23を備えている。CPU21、ROM22、RAM23は、互いにバス45を介して接続されている。CPU21は、制御部20の制御主体となる。ROM22は、各種プログラムを記憶する。RAM23は、利用希望情報データが記憶されるエリアである利用希望情報データ部231、利用状況データが記録されるエリアである利用状況データ部232を備える。RAM23は、ROM22、RAM23、メモリ部30に記憶された各種プログラムや各種データを展開する。制御部20は、CPU21がROM22や制御プログラム部301に記憶されRAM23に展開された制御プログラムに従って動作することによって、サーバ3の各種制御処理を実行する。
【0017】
メモリ部30は、各種制御プログラムが記憶されたエリアである制御プログラム部301、席データベースが記憶されるエリアである席DB部302を備える。通信I/F40は、ネットワークN1を介して情報端末1と接続される。通信I/F41は、ネットワークN2を介して受付装置4と接続されている。同様に、通信I/F42、43、44は、ネットワークN2を介して、カメラ5、店舗サーバ6、電子席札7とそれぞれ接続されている。これにより、制御部20は、情報端末1、受付装置4、カメラ5、店舗サーバ6、電子席札7と各種情報を送受信することができる。通信I/Fを複数設けたが、一つにまとめてもよい。
【0018】
図6は、利用希望情報データ部231、利用状況データ部232、席DB部302に記憶される内容を示した図である。利用希望情報データ部231に記憶される利用希望情報データは、情報端末1から受け付けた内容等である。利用希望情報データは、受け付けた順序231a、情報端末を特定するための特定情報である会員ID231b、氏名231c、利用人数231d、会員エリアCへの入場有無231eから構成される。入場有無231eは、受付装置4やカメラ5からの情報に基づいて書き換えがなされる。
【0019】
利用状況データ部232に記憶される利用状況データは、席DB部302のデータや受付装置4及びカメラ5から入力された情報に基づいて記憶される。利用状況データは、席No232a、入退情報232b、利用者(会員ID)232c、ステータス232d、会員エリアCへの入場時刻232e、空席か否か空席情報232f等である。入退情報232b、ステータス232d、空席情報232fは、各種装置からサーバ3に入力される情報に基づいて、随時書き換えがなされる。
【0020】
席DB部302に記憶される席データベースは、席No302a、利用可能人数302b、位置情報302c等である。サーバ3は、席データベースに基づいて各席の位置を示すマップ情報(地図情報、席No)を出力可能となっている。
【0021】
次に、制御部20の機能構成について、
図7を参照して説明する。制御部20は、CPU21がROM22やメモリ部30に記憶された制御プログラムにしたがって動作することで、受付部201、検索部202、利用希望情報データ更新部203、入力部204、判定部205、利用状況データ更新部206、出力部207、マップ情報出力部208、注文受付部209、注文出力部210、確認情報出力部211、として機能する。
【0022】
上記制御プログラムは、CD-ROM等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。また、本実施形態の情報処理装置で実行される制御プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良く、さらには、インターネット等のネットワーク経由で提供するように構成しても良い。
【0023】
受付部201は、情報端末1からこの情報端末1を特定するための特定情報及び会員エリアCにおける席Tの利用希望情報を受付ける。具体的には、受付部201は、利用者の情報端末1から、特定情報である会員IDの他、氏名、利用人数等の情報を受け付ける。また、受付部201は、席Tに着いた利用者が電子席札7に表示されたQRコードを読み取った情報端末1から送信される会員IDを受け付ける。検索部202は、受付部201が情報端末1から利用希望情報を受付けると、利用状況データを参照して、利用希望情報に合致する席の有無を検索する。本実施形態においては、利用希望情報に合致する空席とは、入力された利用人数の利用が可能な空席をいう。また、検索部202は、利用状況データが更新されて空席が発生すると、利用希望情報データを参照して、発生した空席に合致する利用希望情報の有無を検索する。
【0024】
利用希望情報データ更新部203は、受付部201が受け付けた利用希望情報に基づいて、利用希望情報データを更新する。また、利用希望情報データ更新部203は、利用者が席案内システム2で案内されて空席に着いたことが確認されると、入場有無231eを「済」に書き換える。入力部204は、席Tの利用状況を検出する検出装置から空席を判断するための情報が入力される。具体的には、入力部204は、受付装置4から利用者の会員エリアCへの入退情報が、会員エリアCを撮像するカメラ5から撮像情報が、それぞれ入力される。
【0025】
判定部205は、入力部204に入力された入退情報、撮像情報等に基づいて、各席Tが空席か否かを判定する。利用状況データ更新部206は、判定部205によって空席でなかった席Tが新たに空席と判定された場合、あるいは、受付部201が席に着いた利用者の情報端末1から会員IDを受け付けた場合、利用状況データを更新する。出力部207は、入力部204に入力された情報に基づいて、受付部201が受け付けた利用希望情報に合致する空席が存在すると判断される場合、利用希望情報とともに受け付けた特定情報で特定される情報端末に対して空席の存在を示す情報を出力する。具体的には、出力部207は、受付部201が利用希望情報を受付けた際に、空席の有無を情報端末1に出力する。
【0026】
また、出力部207は、新たに空席が発生し、この発生した空席が所定の条件を満たす場合、空席の存在を示す情報を情報端末1に出力する。ここで所定の条件を満たすとは、発生した空席が、記憶されている利用希望情報データに含まれる利用希望情報に合致することである。すなわち、検索部202によって、利用希望情報データベースから発生した空席に対応する利用希望情報が検索されると、出力部207は、空席の存在を示す情報を情報端末1に出力する。出力部207は、情報端末1に空席を示す情報を出力するときに併せてQRコードも出力する。このQRコードは、会員エリアCへの入場を受け付ける際に、受付装置4に設けられた読取装置に読み取らせるためのもので、会員IDや席No等の情報が含まれている。マップ情報出力部208は、受付装置4から席エリアへの利用者の入場を示す情報が入力されると、席エリアにおける空席を示すマップ情報を出力する。具体的には、マップ情報出力部208は、空席を通知した情報端末1の会員IDが受付装置4から入力部204に入力されると、会員エリアC内の空席を案内するためのマップ情報を受付装置4に出力する。
【0027】
注文受付部209は、受付装置4から利用者の入場を示す情報が特定情報とともに入力されると、特定情報で特定される情報端末1からの注文を受け付け可能とする。本実施形態においては、空席を通知した情報端末1の会員IDが受付装置4から入力部204に入力されることに加えて、受付部201が席Tに着いた利用者から会員IDを受け付けた場合、注文受付部209は、情報端末1からの注文を受け付け可能とする。この状態では、情報端末1は、店舗エリアA内の全ての店舗に対しての注文が可能となる。注文出力部210は、注文受付部209が受け付けた注文を各店舗の店舗サーバ6に出力する。なお、サーバ3は、各店舗サーバ6に注文を出力する前に決済処理を行う。利用者は情報端末1を用いるいわゆるQR決済や、別途会員エリアCに設置されるクレジット端末、現金支払機などの決済端末で支払を行うことができる。サーバ3は、これら決済端末から支払情報を受けて、情報端末1に支払確認済の通知を行うなどの決済処理を行う。
【0028】
確認情報出力部211は、空席を通知された利用者が正しい席に着いたことを確認するための確認情報を電子席札7に出力する。具体的には、確認情報出力部211は、利用者を案内する空席の電子席札7に対して、受付部201に情報を送信するためのQRコードを出力する。利用者は、電子席札7に表示されたQRコードを情報端末1で読み取ると、情報端末1に必要な操作の内容が示されるので、その内容に沿って会員ID等を入力する。これにより、情報端末1は、受付部201に対して、会員IDを出力する。
【0029】
次に、席案内システム全体の流れについて、
図8のシーケンスチャートを用いて説明する。なお、
図8の流れは、受付部201が情報端末1から利用希望情報を受付けたときに、空席がない場合を示している。
【0030】
まず、利用希望情報の受付時の流れについて説明する。会員エリアCの席の利用を希望する利用者は、情報端末1にインストールされた席案内システム用のアプリケーションソフトウェアを起動させ、会員ID、氏名、利用人数などの利用希望情報を入力する。情報端末1に入力した情報は、サーバ3に出力される(S51)。なお、会員ID、氏名、利用人数などの利用希望情報を入力するためのアプリケーションの起動は、例えば会員エリアC内のネットワーク等、特定の無線ネットワークに情報端末1が接続した場合に制限してもよい。サーバ3は、受け付けた利用希望情報に合致する空席があるか否か検索する(S52)。例えば、受け付けた利用希望情報の利用人数が5名である場合、6人用の席が空いているか否か検索する。
【0031】
検索結果で空席がない場合、サーバ3は、情報端末1に対して空席がないことを示す情報として空席無し通知を出力する(S53)。続いてサーバ3は、利用希望情報データに受け付けた利用希望情報を追加することで、利用希望情報データを更新する(S54)。追加された利用希望情報について、入場有無231eは未が設定される。利用希望情報を入力した利用者は、フードコートで席が空くのを待つ必要はなく、サーバ3から空席の存在を示す情報(空席情報)を受けるまで買い物をするなどして待つことができる。
【0032】
続いて、空席を待っている利用者に対して空席情報を通知するまでの流れについて説明する。サーバ3は、カメラ5から常時各席の画像データが入力される(S61)。また、サーバ3は、受付装置4から会員IDを含む退場(チェックアウト)情報が入力される(S62)。会員エリアCを利用した利用者がチェックアウトする際には、受付装置4に会員IDを入力してチェックアウト処理を行なう。この会員IDの入力は後述するチェックイン処理時と同様に、空席通知とともにサーバ3から情報端末1に送付されるQRコードを用いてもよい。サーバ3は、このチェックアウト処理の情報が入力される。
【0033】
サーバ3は、画像データとチェックアウト情報に基づいて、新たに空席が発生したか否か判定する(S63)。本実施形態では、席Tの画像データで人がいなくなったと判断され、かつ、当該席Tを利用していた利用者の会員IDがチェックアウト情報とともにサーバ3に入力された場合、新たに空席が発生したと判定する。しかし、この空席の判定方法はこれに限らず、各種方法が採用可能である。例えば、カメラ5からの画像データに基づいて、席Tに人がいない状態が所定時間以上続いたと認定した場合に空席と判断するなどしてもよい。また、カメラ5からの画像データと、利用状況データのステータス232dや入場時刻232e等とを組み合わせて判定することもできる。
【0034】
サーバ3は、会員エリアCに新たな空席が発生したと判定すると、利用状況データを更新する(S64)。具体的には、空席になった席Tを利用していた利用者の会員IDで特定される利用状況データを削除する。その後、サーバ3は、空席となった席Tに合致する利用希望情報を入力した情報端末1に対して、空席情報を出力する(S65)。これにより、利用者は、会員エリアCに自分が利用可能な空席が発生したことを知ることができる。
【0035】
次に、空席情報を受信した利用者が会員エリアCに入場(チェックイン)してから店舗に注文を行うまでの流れについて説明する。空席情報を受信した利用者は、サーバ3から空席通知とともに送られるQRコードを受付装置4の読取部に読み取らせてチェックイン処理を行う。受付装置4は、QRコードを読み取ることで会員IDを取得し、この会員IDを含むチェックイン情報をサーバ3に対して出力する(S71)。サーバ3は、空席情報を通知した会員IDと、チェックイン処理を行った会員IDとが一致することを確認した後、マップ情報を受付装置4に出力する(S72)。マップ情報は、チェックインした利用者が利用できる空席の位置を示したもので、受付装置4の表示部4Cに示されて、当該利用者の空席への案内を行う。マップ情報は、会員エリアC内の地図情報と、席Noとを含み、表示部4Cは、地図情報とともに席Noも表示する。本実施形態では、マップ情報は、地図情報と席Noとしているが、いずれか一方でもよく、また、別の形式であっても利用者に空席を案内できる情報であればよい。なお、本実施形態では、サーバ3は、マップ情報を受付装置4に出力しているが、情報端末1に出力してもよい。
【0036】
着席した利用者は、電子席札7に表示されたQRコードを情報端末1で読み取る(S73)。この読取により情報端末1に操作すべき内容が示され、利用者は、その内容に沿って会員IDを入力するなどの操作を行う。これにより、情報端末1は、サーバ3に対して、着席した席Noと会員IDを出力する(S74)。サーバ3は、入力された席Noと会員IDとに基づき、空席情報を通知した利用者が正しい場所に着席したことをチェックする(S75)。
【0037】
その後、サーバ3は、利用状況データを更新する(S76)。具体的には、サーバ3は、利用者が着席したテーブル番号に関するデータを書き換えて、当該席Tを在席状態とする。なお、この時点では、利用者はチェックインしたが商品の注文前であるので、ステータス232dは、注文前と設定される。また、サーバ3は、利用希望情報データを更新する(S77)。具体的には、サーバ3は、着席した会員IDに関する入場有無231eを済に書き換える。続いて、サーバ3は、情報端末1に対して注文可能通知を出力する(S78)。すなわち、サーバ3は、空席情報を通知した利用者が正しい席Tに着いたことが確認できると、利用者に対して商品の注文が可能になったことを知らせる。
【0038】
注文可能通知を受けた利用者は、情報端末1からサーバ3に対して商品の注文を出力する(S79)。サーバ3は、受けた注文に対して支払が済んだことを確認すると、各店舗の店舗サーバ6に転送する(S80)。上述したとおり、支払は、現金、クレジットカード他各種の方法によって可能となっており、支払が完了すると、別途設置される各種決済端末からサーバ3に支払済の通知がなされるようになっている。以上により、空席情報の通知を受けた利用者は、会員エリアCにチェックインして商品を注文することができる。
【0039】
次に、サーバ3の制御部20の具体的処理についてフローチャートを用いて説明する。
図9は、利用希望情報の受付時の処理を示す。制御部20は、受付部201が情報端末1から利用希望情報を受付けたか否か判断し(S1)、受け付けた場合、検索部202は、利用状況データを参照して受け付けた利用希望情報と合致する空席を検索する(S2)。S1で、利用希望情報の入力がない場合、制御部20は、S1に戻って待機する。
【0040】
制御部20は、検索部202の検索結果に基づいて、空席があるか否かを判断し(S3)、空席がある場合、出力部207は、情報端末1に対して、空席があることを示す情報を出力する(S4)。続いて、利用希望情報データ更新部203は、受け付けた利用希望情報に基づき、利用希望情報データを更新する(S5)。S3で、空席がない場合、出力部207は、情報端末1に対して、空席情報を出力する(S6)。以上の処理によって、利用希望情報を入力した利用者に対して、入力時点での空席に関する情報を通知する。
【0041】
図10は、会員エリアCの空席を待っている利用者に対して空席情報を通知するための制御部20の処理を示す。制御部20は、カメラ5から常時送信される画像データで席の人数が変化して利用者がいなくなった席があるか否かを判断し(S11)、利用者がいなくなった席がある場合、入力部204は、受付装置4からチェックアウト処理した利用者がいることを示す退場情報を取り込む(S12)。S11で、利用者がいなくなった席がない場合、制御部20は、S11に戻る。その後、判定部205は、画像データと退場情報とに基づいて、新たに空席が生じたか否かを判定する(S13)。
【0042】
制御部20は、判定部205の判定結果に基づいて空席があるか否か判断し(S14)、空席がある場合、利用状況データ更新部206は、利用状況データを更新する(S15)。S14で、空席がない場合、制御部20は、S11に戻る。S15に続いて、検索部202は、利用希望情報データを参照し(S16)、新たに生じた席に合致する利用希望情報があるか否か判断する(S17)。合致する利用希望情報がある場合、出力部207は、情報端末1に空席情報を出力する(S18)。
【0043】
次に、空席有り通知を受信した利用者が入場してから店舗Sに注文するまでの制御部20の処理について説明する。制御部20は、チェックイン処理した利用者がいることを示す入場情報が受付装置4から入力部204に入力されたか否かを判断し(S21)、入場情報が入力された場合、マップ情報出力部208は、利用者に対して案内すべき空席を示すマップ情報を受付装置4に出力する(S22)。S21で、入場情報が入力されない場合、制御部20は、出力部207が情報端末1に空席有り通知を出力してから所定時間経過したか否かを判断する(S23)。S23で、所定時間経過している場合、出力部207は情報端末1に対して無効通知を出力して(S24)、処理を終了し、所定時間経過していない場合、S21に戻る。
【0044】
S22でマップ情報出力部208がマップ情報を出力した後、確認情報出力部211は、利用者を案内する席に設けられる電子席札7に確認情報を出力する(S25)。続いて、制御部20は、確認情報出力部211が出力した確認情報を受けて利用者の情報端末1から着席情報(本実施形態では会員ID)を受付部201が受け付けたか否かを判断し(S26)、着席情報を受け付けた場合、制御部20は、正しい希望者か否か、すなわち受付部201が受け付けた会員IDが席を案内した希望者の会員IDであるか否か判断する(S27)。S26で、受付部201が会員IDを受け付けていない場合、制御部20は、S26の処理に戻る。
【0045】
S27で、正しい希望者が着席した場合、利用状況データ更新部206は、利用状況データを更新し(S28)、正しい希望者でない場合、受付部201が会員IDを受け付けた情報端末1に対して、誤って着席したことを知らせる誤席情報通知を出力する(S29)。S28に引き続いて、利用希望情報データ更新部203は、利用希望情報データを更新し(S29)、出力部207は、情報端末1に対して注文することが可能になった旨の通知を出力する(S30)。続いて、制御部20は、注文受付部209が情報端末1から注文を受け付けたか否か判断し(S31)、注文を受け付けている場合、決済処理を行ない(S32)、その後、注文出力部210は、各店舗サーバ6に対して注文情報を送信し(S33)、制御部20は、処理を終える。S31で、注文を受け付けていない場合、制御部20は、判定部205が対象の席を空席と判定したか否かを判断し(S34)、空席であればS32、S33をスキップして処理を終える。S34で、空席でなければ、制御部20は、S31の処理に戻る。
【0046】
以上説明したとおり、本実施形態の席案内装置によれば、受付部201が受け付けた利用希望情報に合致する空席が存在すると判断される場合、利用希望情報とともに受け付けた会員IDで特定される情報端末1に対して空席の存在を示す情報を出力する。このため、利用者は空席が発生するまで店舗で待つ必要がない。また、本実施形態の席案内装置を、店員によって席に案内されないフードコートやファーストフード等に採用すれば、利用者自身で空席を探す必要がなくなるので、席の確保が容易となり、より効果的である。しかも、本実施形態の席案内装置は、席の利用状況を検出する検出装置からの情報に基づいて、空席の有無を判定し、情報端末1に対して空席情報を出力する。このため、利用者ばかりでなく、店員も空席を探す必要がなく、店舗の負担を低減することができる。
【0047】
また、入力部204に入力される席の利用状況を検出する検出装置からの情報は、受付装置4からの入退情報と、席エリアを撮像するカメラ5からの撮像情報であるので、空席の判定の精度を向上させることができる。さらに、本実施形態の席案内装置は、受付装置4から会員エリアCへの入場を示す情報が入力されると、席エリアにおける空席を示すマップ情報を出力する。このため、利用者が着席すべき席のマップ情報を受付装置4に表示することができ、利用者に対するサービスが向上する。マップ情報出力部208は、情報端末1にマップ情報を出力してもよいが、上記のとおり、利用者が受付装置4で受け付けたことを条件としてマップ情報を出力することで、利用者によるチェックイン処理が確実に行われ、空席の管理の精度向上につながるという利点がある。
【0048】
本実施形態の席案内装置によれば、受付装置4から利用者の入場を示す情報が会員IDとともに入力されると、当該会員IDで特定される情報端末1からの注文を受け付け可能とする。このため、利用者は着席してから注文することになるので、商品を持って席を探すことの発生を抑制する。
【0049】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0050】
1 情報端末
2 席案内システム
3 サーバ(席案内装置)
4 受付装置
5 カメラ
201 受付部
207 出力部
208 マップ情報出力部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0051】