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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】シート化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/02 20060101AFI20240228BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20240228BHJP
   A61K 8/33 20060101ALI20240228BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20240228BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20240228BHJP
   A61K 8/25 20060101ALI20240228BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20240228BHJP
【FI】
A61K8/02
A61K8/37
A61K8/33
A61K8/73
A61K8/34
A61K8/25
A61Q19/00
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019207014
(22)【出願日】2019-11-15
(65)【公開番号】P2021080185
(43)【公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-09-13
(73)【特許権者】
【識別番号】390011442
【氏名又は名称】株式会社マンダム
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡本 学
【審査官】駒木 亮一
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-345980(JP,A)
【文献】特許第2518854(JP,B2)
【文献】特開2013-121922(JP,A)
【文献】特開2000-281526(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
Japio-GPG/FX
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不織布と、前記不織布に含浸された化粧料組成物とを含むシート化粧料であって、
前記不織布が、厚さが600~1200μmであり、セルロース繊維の含有量が95~100質量%である不織布であり、
前記化粧料組成物が、下記成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)、および成分(E)を含有するシート化粧料。
成分(A):HLB値が13~15のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、HLB値が14~15のポリオキシエチレンセチルエーテル、およびHLB値が13のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤
成分(B):平均粒子径が10~50μmのセルロース粉末
成分(C):炭素数1~4のアルコール
成分(D):水
成分(E):吸油量が100mL/100g以上のシリカ
【請求項2】
前記化粧料組成物中の、前記成分(A)の含有量が0.005~1.0質量%であり、前記成分(B)の含有量が0.1~2.0質量%であり、前記成分(C)の含有量が5.0~45.0質量%である、請求項1記載のシート化粧料。
【請求項3】
不織布と、前記不織布に含浸された化粧料組成物とを含むシート化粧料であって、
前記不織布が、厚さが600~1200μmであり、セルロース繊維の含有量が95~100質量%である不織布であり、
前記化粧料組成物が、下記成分(A)、成分(B2)、成分(C)、および成分(D)を含有するシート化粧料。
成分(A):HLB値が13~15のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、HLB値が14~15のポリオキシエチレンセチルエーテル、およびHLB値が13のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤
成分(B2):平均粒子径が5~50μmの非結晶セルロース粉末
成分(C):炭素数1~4のアルコール
成分(D):水
【請求項4】
前記化粧料組成物が、さらに下記成分(E)を含有する、請求項記載のシート化粧料。
成分(E):吸油量が100mL/100g以上のシリカ
【請求項5】
前記化粧料組成物中の、前記成分(E)の含有量が0.1~2.0質量%である、請求項1、2または4に記載のシート化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
シート化粧料は、肌を拭き取ることで、汗、皮脂、埃等の汚れをシート側に吸着し、かつ、化粧料組成物の効果により、さっぱり感、さらさら感等を付与することができる。一方で、肌を拭き取る行為が肌ストレスを与えるため、場合によっては、肌トラブルを起こす可能性があり、シート化粧料を使用できない肌質のユーザーが存在する。
【0003】
皮脂によるべたつき感を抑え、肌により効果的なさらさら感を付与する技術(特許文献1)や、シート化粧料の使用により肌に付与したさらさら感の持続性を向上させる技術(特許文献2)が提案されている。しかし、これらの技術は拭き取ることを前提とした技術であり、肌に押し当てる使用方法では、満足できる皮脂汚れの除去効果や、さらさら感の付与効果を得ることは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-345980号公報
【文献】特開2013-116868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、肌に押し当てるだけで、肌上の皮脂汚れを充分に除去することができ、さらさら感の付与効果および粉浮き抑制に優れたシート化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、鋭意検討した結果、所定の化粧料組成物が所定の不織布に含浸されてなるシート化粧料とすることで、肌に押し当てるだけで、肌上の皮脂汚れを充分に除去することができ、かつさらさら感の付与効果および粉浮き抑制に優れたシート化粧料が得られることを見出し、本発明を完成させた。
【0007】
すなわち、本発明は
〔1〕不織布と、前記不織布に含浸された化粧料組成物とを含むシート化粧料であって、前記不織布が、厚さが600~1200μmであり、セルロース繊維の含有量が95~100質量%である不織布であり、前記化粧料組成物が、下記成分(A)、成分(B)、成分(C)、および成分(D)を含有するシート化粧料、
成分(A):HLB値が13~15のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、HLB値が14~15のポリオキシエチレンセチルエーテル、およびHLB値が13のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤
成分(B):平均粒子径が5~50μmのセルロース粉末
成分(C):炭素数1~4のアルコール
成分(D):水
〔2〕前記化粧料組成物中の、前記成分(A)の含有量が0.005~1.0質量%であり、前記成分(B)の含有量が0.1~2.0質量%であり、前記成分(C)の含有量が5.0~45.0質量%である、〔1〕記載のシート化粧料、
〔3〕前記化粧料組成物が、さらに下記成分(E)を含有する、〔1〕または〔2〕記載のシート化粧料、
成分(E):吸油量が100mL/100g以上のシリカ
〔4〕前記化粧料組成物中の、前記成分(E)の含有量が0.1~2.0質量%である、〔3〕記載のシート化粧料、に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、肌に押し当てるだけで、肌上の皮脂汚れを充分に除去することができ、かつさらさら感の付与効果および粉浮き抑制に優れたシート化粧料が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本実施形態に係るシート化粧料は、不織布と、該不織布に含浸された化粧料組成物とを含む。なお、本明細書において、「~」を用いて数値範囲を示す場合、その両端の数値を含むものとする。
【0010】
<不織布>
本実施形態に係る不織布は、本実施形態に係る化粧料組成物が含浸可能なシート状の支持体であり、本実施形態に係るシート化粧料において、いわゆるシート基材の役割を担う。
【0011】
不織布としては、特に限定されないが、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、サーマルボンド不織布、ニードルパンチ不織布、スティッチボンド不織布等が挙げられる。中でも、スパンレース不織布が好ましい。
【0012】
本実施形態に係る不織布は、セルロース繊維を必須成分として含む。上記セルロース繊維とは、セルロースを主成分とした繊維を示し、例えば、綿、パルプ、麻、リンター、カポック等の植物繊維を原料とする天然セルロース繊維;レーヨン、アセテート等の植物のセルロースを用いて調製した半天然セルロース繊維等が挙げられる。中でも、天然セルロース繊維が好ましく、特に好ましくはパルプである。上記セルロース繊維は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、2種以上の上記セルロース繊維からなる混紡繊維を用いてもよい。
【0013】
不織布100質量%中の、セルロース繊維の含有量は、95~100質量%であり、より好ましくは98~100質量%、さらに好ましくは100質量%である。セルロース繊維の含有量が95~100質量%であることにより、肌あたりが柔らかく、使用感に優れる。
【0014】
本実施形態に係る不織布には、上記セルロース繊維以外の繊維(その他の繊維)を含んでいてもよい。その他の繊維としては、例えば、シルク等の天然セルロース繊維以外の天然繊維;ナイロン繊維、ポリエステル繊維(例えば、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維等)、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維(例えば、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維等)等の合成繊維などが挙げられる。上記その他の繊維は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、2種以上の上記その他の繊維からなる混紡繊維を用いてもよい。ただし、合成繊維は硬いため、合成繊維を含む不織布は肌あたりが悪く使用感に劣るという理由から、本実施形態に係る不織布には含有しないことが好ましい。
【0015】
本実施形態に係る不織布には、凹凸や柄を付与してもよい。凹凸および柄を付与する方法としてはエンボス加工処理、水圧による方法等が挙げられる。上記エンボス加工処理としては、特に限定されず、例えば、裏面を押し上げて浮かす(したがって裏面は凹む)方式や、表面に特殊なインクを付着することで凸部を形成する(裏面は凹まない)方式等が挙げられる。
【0016】
本実施形態に係る不織布は、特定の厚さを有することで、肌に押し当てる使用方法であっても、肌に多くの化粧料組成物を供給することができる。不織布の厚さは、押し当てることで供給される化粧料組成物が少なくなり、汚れ除去効果が低下することを防止する観点から、600μm以上であり、650μm以上が好ましく、700μm以上がより好ましい。また、使用時にたれ落ちが発生する等使用感が低下することを防止する観点からは、1200μm以下であり、1100μm以下が好ましく、1050μm以下がより好ましい。なお、本明細書において、不織布の厚さは、JIS L 1913に記載の測定方法に準拠して測定される値である。
【0017】
不織布の目付は、使用時にたれ落ちが発生する等使用感が低下することを防止する観点から、60g/m2以上が好ましく、65g/m2以上がより好ましく、70g/m2以上がさらに好ましい。一方、押し当てることで供給される化粧料組成物が少なくなり、汚れ除去効果が低下することを防止する観点からは、120g/m2以下が好ましく、110g/m2以下がより好ましく、105g/m2以下がさらに好ましい。
【0018】
本実施形態に係る不織布は、公知慣用の製造方法により製造することができる。また、本実施形態に係る不織布は市販品を用いることもできる。市販品としては、例えば、フタムラ化学(株)製のTCF(登録商標)シリーズ、(株)クラレ製のクラフレックス(登録商標)シリーズ、ユニチカ(株)製のコットエース(登録商標)等が挙げられる。
【0019】
<化粧料組成物>
本実施形態に係る化粧料組成物は、HLB値が13~15のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、HLB値が14~15のポリオキシエチレンセチルエーテル、およびHLB値が13のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤;セルロース粉末;炭素数1~4のアルコール;および水を必須の成分として含有する。また、シリカを任意成分として含むことが好ましい。
【0020】
なお、本明細書においては、上記HLB値が13~15のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、HLB値が14~15のポリオキシエチレンセチルエーテル、およびHLB値が13のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤を「成分(A)」;上記セルロース粉末を「成分(B)」;上記炭素数1~4のアルコールを「成分(C)」;上記水を「成分(D)」;上記シリカを「成分(E)」と称する場合がある。
【0021】
本実施形態に係る化粧料組成物に含有される上記各成分の含有量は、それぞれ、化粧料組成物中の合計の含有量が100質量%以下となるように、記載の範囲内から適宜選択することができる。
【0022】
[成分(A):HLB値が13~15のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、HLB値が14~15のポリオキシエチレンセチルエーテル、およびHLB値が13のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤]
本実施形態に係る化粧料組成物は、HLB値が13~15のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、HLB値が14~15のポリオキシエチレンセチルエーテル、およびHLB値が13のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤を含有する。かかる特定のノニオン性界面活性剤を用いることで、化粧料組成物中への汗、埃汚れ、皮脂等の分散性を向上させ、シート化粧料の皮脂除去効果を向上させることができる。
【0023】
化粧料組成物中の成分100質量%中の(A)の含有量は、特に限定されないが、皮脂分散効果が充分となり、汚れ除去効果が一層発揮されるという理由から、0.005質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、0.05質量%以上がさらに好ましい。また、べたつきを抑制し使用感の低下を防止する観点からは、1.0質量%以下が好ましく、0.8質量%以下がより好ましく、0.6質量%以下がさらに好ましい。なお、成分(A)の含有量は、本実施形態に係る化粧料組成物に含まれる全ての成分(A)の合計含有量である。
【0024】
[成分(B):セルロース粉末]
本実施形態に係る化粧料組成物は、さらさら感の持続力を付与する観点から、セルロース粉末を含有する。本実施形態において使用可能なセルロース粉末としては、結晶セルロース粉末(以下「成分(B1)」と称する場合がある)、および成分(B1)以外のセルロース粉末(非結晶セルロース粉末)(以下「成分(B2)」と称する場合がある)が挙げられる。なお、本明細書において、「結晶セルロース」とは、結晶形態である通常のセルロースを意味し、繊維性植物からパルプとして得たα-セルロースを酸で部分的に解重合し、精製したもの等が挙げられる。これら成分(B1)および成分(B2)は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0025】
上記成分(B1)は市販品を用いることができる。市販品としては、例えば、旭化成(株)製のセオラス(登録商標)シリーズ等が挙げられる。
【0026】
上記成分(B)の平均粒子径は、特に限定されないが、さらさら感付与効果を向上する観点から、5μm以上であり、10μm以上が好ましく、15μm以上がより好ましい。また、粉浮きを抑制する観点からは、50μm以下であり、40μm以下が好ましく、30μm以上がより好ましい。なお、本明細書において、成分(B)の平均粒子径は、レーザー回折法により測定される値である。
【0027】
化粧料組成物100質量%中の成分(B)の含有量は、特に限定されないが、充分なさらさら感を付与する観点から、0.1質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、0.3質量%以上がさらに好ましい。また、粉浮きを抑制する観点からは、2.0質量%以下が好ましく、1.5質量%以下がより好ましく、1.0質量%以下がさらに好ましい。なお、成分(B)の含有量は、本実施形態に係る化粧料組成物に含まれる全ての成分(B)(成分(B1)および成分(B2))の合計含有量である。
【0028】
[成分(C):炭素数1~4のアルコール]
本実施形態に係る化粧料組成物は、不織布への皮脂の移行を促進させ、汚れ除去効果を向上する目的で、炭素数1~4のアルコールを含有する。
【0029】
上記炭素数1~4のアルコールとしては、例えば、炭素数1~4の直鎖状は分枝状の脂肪族アルコールが挙げられ、具体的には、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等が挙げられる。中でも、エタノールが好ましい。
【0030】
化粧料組成物100質量%中の成分(C)の含有量は、特に限定されないが、成分(A)に起因するべたつきを抑制する観点から、5.0質量%以上が好ましく、10.0質量%以上がより好ましい。また、不織布への皮脂の移行を促進させ、汚れ除去効果を向上する観点からは、45.0質量%以下が好ましく、40.0質量%以下がより好ましい。
【0031】
[成分(D):水]
本実施形態に係る化粧料組成物は、水を含有する。本実施形態において使用する水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、超純水等が挙げられる。
【0032】
化粧料組成物100質量%中の成分(D)の含有量は、特に制限されず、成分(A)、(B)、(C)、(E)およびその他の成分を除いた残部を、その含有量とすることができる。本実施形態に係る化粧料組成物中の成分(D)の含有量は、水溶性成分の溶解性を担保する観点、みずみずしい使用感を付与する観点から、54.0質量%以上が好ましく、59.0質量%以上がより好ましい。また、一層優れた皮脂除去効果、速乾性および使用感の向上の観点からは、94.0質量%以下が好ましく、89.0質量%以下がより好ましい。
【0033】
[成分(E):シリカ]
上記成分(E)であるシリカとしては、特に限定されず、化粧料組成物に一般的に用いられているシリカを使用することができる。シリカを用いることにより、肌を擦る際に肌の摩擦が低い感触(さらさら感)を付与することができる。肌に優れたさらさら感を付与するという点からは、肌への摩擦抵抗の低減に優れる球状シリカを用いることが好ましく、真球状シリカを用いることがより好ましい。
【0034】
上記成分(E)の吸油量は、特に限定されないが、さらさら感付与効果を向上する観点から、100mL/100g以上が好ましく、120mL/100g以上がより好ましい。また、上記成分(E)の吸油量は、500mL/100g以下が好ましく、450mL/100g以下がより好ましい。なお、本明細書において、成分(E)の吸油量は、JIS K 5101に記載の測定方法に準拠して測定される値である。
【0035】
上記成分(E)の平均粒子径は、特に限定されないが、さらさら感付与効果を向上する観点から、5μm以上が好ましく、8μm以上がより好ましく、10μm以上がさらに好ましい。また、粉浮きを抑制する観点からは、50μm以下が好ましく、40μm以下がより好ましく、30μm以下がさらに好ましい。なお、本明細書において、成分(E)の平均粒子径は、レーザー回折法により測定される値である。
【0036】
上記成分(E)を含有する場合の化粧料組成物100質量%中の含有量は、特に限定されないが、さらさら感付与効果を向上する観点から、0.1質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、0.3質量%以上がさらに好ましい。また、粉浮きを抑制する観点からは、2.0質量%以下が好ましく、1.5質量%以下がより好ましく、1.0質量%以下がさらに好ましい。
【0037】
[その他の成分]
本実施形態に係る化粧料組成物は、上記成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)、および成分(E)以外の成分(その他の成分)を含有していてもよい。その他の成分としては、特に限定されないが、例えば、上記成分(B)および成分(E)以外の粉体、上記成分(A)以外のノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、多価アルコール、高級脂肪酸、紫外線吸収剤、粉体、酸化防止剤、防腐剤、香料、着色剤、キレート剤、清涼剤、増粘剤、植物抽出液、ビタミン類、中和剤、アミノ酸、pH調整剤、収斂剤、美白剤、抗炎症剤、殺菌剤、制汗剤、消臭剤、動植物抽出物、金属イオン封鎖剤等の添加剤等が挙げられる。上記その他の成分は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なお、上記その他の成分からは、成分(A)~(E)に含まれるものは除かれるものとする。
【0038】
上記成分(B)および成分(E)以外の粉体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機粉体や有機粉体が挙げられる。また、粉体は、天然物、造粒物、複合粉体等いずれの由来であってもよい。粉体の形状は、特に限定されず、例えば、球状、燐片状、板状、粉末状等が挙げられる。
【0039】
上記成分(B)および成分(E)以外の粉体の具体例としては、例えば、ナイロン、ポリスチレン、ポリウレタン、シリコーン、セルロース、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、シルセスキオキサン等の有機粉体;タルク、ヒドロキシアパタイト、酸化亜鉛、酸化チタン等の無機粉体が挙げられる。上記の中でも無機粉体が好ましく、肌に貼り付いて肌の凹凸をカバーし、滑らかな感触を付与する観点からタルクがより好ましい。これらの粉体は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0040】
上記成分(B)および成分(E)以外の粉体を含有する場合の化粧料組成物100質量%中の含有量は、特に限定されないが、0.5~15.0質量%が好ましく、1.0~12.0質量%が好ましい。
【0041】
上記成分(A)以外のノニオン性界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンヒマシ油、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド等が挙げられる。
【0042】
上記成分(A)以外のノニオン性界面活性剤を含有する場合の化粧料組成物100質量%中の含有量は、特に限定されないが、0.2質量%未満(例えば、0質量%以上0.2質量%未満)が好ましく、0.1質量%未満がより好ましい。
【0043】
上記アニオン性界面活性剤としては、高級脂肪酸石鹸、アルキル硫酸エステル塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシルメチルタウリン塩、N-アシル-N-メチル-β-アラニン塩、N-アシルグリシン塩、N-アシルグルタミン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルカルボン酸塩、アルキルフェニルエーテルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸およびその塩、N-アシルサルコシンおよびその塩、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド硫酸塩等が挙げられる。
【0044】
上記カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、脂肪酸アミドアミン塩、エステル含有3級アミン塩等のアミン塩;モノアルキル型4級アンモニウム塩、ジアルキル型4級アンモニウム塩、トリアルキル型4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム型4級アンモニウム塩等のアルキル4級アンモニウム塩;アルキルピリジニウム塩等の環式4級アンモニウム塩;塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
【0045】
上記両性界面活性剤としては、アルキルグリシン塩、カルボキシメチルグリシン塩、N-アシルアミノエチル-N-2-ヒドロキシエチルグリシン塩等のグリシン型両性界面活性剤;アルキルアミノプロピオン酸塩、アルキルイミノジプロピオン酸塩等のアミノプロピオン酸型両性界面活性剤、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアミノ酢酸ベタイン型両性界面活性剤;アルキルヒドロキシスルホベタイン等のスルホベタイン型両性界面活性剤等が挙げられる。
【0046】
上記多価アルコールとしては、例えば、グリコール類、グリセリン類、糖アルコール等が挙げられ、グリコール類およびグリセリン類が好ましく、グリコール類がより好ましい。上記多価アルコールとしては、としては、例えば、1,3-ブチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、イソプレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、グリセリン、ジグリセリン等が挙げられる。これらの多価アルコールは、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0047】
多価アルコールを含有する場合の化粧料組成物100質量%中の含有量は、特に限定されないが、シート化粧料を使用した後の肌の保湿感が向上するという理由から、0.5質量%以上が好ましく、1.0質量%以上がより好ましく、2.0質量%以上がさらに好ましい。また、塗布時および塗布後の肌のべたつきがより一層低減し、シート化粧料の使用感がより一層向上という理由からは、20.0質量%以下が好ましく、15.0質量%以下がより好ましく、10.0質量%以下がさらに好ましい。
【0048】
上記高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸等が挙げられる。
【0049】
上記清涼剤としては、例えば、メントール、1,8-シネオール等が挙げられ、メントールが好ましい。
【0050】
清涼剤を含有する場合の化粧料組成物100質量%中の含有量は、特に限定されないが、0.005~2.0質量%が好ましく、0.05~1.0質量%がより好ましい。
【0051】
本実施形態に係る化粧料組成物は、常法により製造することができる。例えば、上記各成分を混合し、公知の方法、具体的には、パドルミキサー等で攪拌する方法等で、各成分を均一化する方法が挙げられる。
【0052】
<シート化粧料>
本実施形態に係るシート化粧料は、上記の不織布と、該不織布に含浸された上記の化粧料組成物を必須の構成成分として含む。本実施形態に係るシート化粧料は、本実施形態に係る不織布および本実施形態に係る化粧料組成物以外の構成成分を含んでいてもよい。
【0053】
本実施形態に係るシート化粧料における、上記不織布に対する含浸された上記化粧料組成物の質量割合は、特に限定されないが、シート化粧料を押し当てることで皮膚に供給される化粧料組成物を確保し、汚れ除去効果を発揮する観点から、上記不織布100質量部に対して、300質量部以上が好ましく、350質量部以上がより好ましい。また、使用時にたれ落ちが発生する等使用感が低下することを防止する観点からは、600質量部以下が好ましく、550質量部以下が好ましい。
【0054】
本実施形態に係るシート化粧料の形状はシート状である。これにより、肌を拭く使用形態での使用性に優れ、携帯性にも優れる。シートの平面形状は、特に限定されないが、例えば、四角形(例えば、正方形、長方形等)、三角形等の多角形;円形;楕円形;半円形;三日月形;樽形;鼓形;キャラクターの形状等が挙げられる。中でも、生産性、使用性や梱包性の観点からは四角形が好ましい。本実施形態に係るシート化粧料には、切れ込み部、くり抜き部、凹凸部等の成型が施されていてもよい。本実施形態に係るシート化粧料のシートの片面の表面積は、特に限定されないが、使用性、携帯性、包装性等の観点から50~500cm2が好ましい。
【0055】
本実施形態に係るシート化粧料は、乾燥防止、外出時の携帯性、使用時の取り扱い性等の観点から、包装容器に収納されることが好ましい。本実施形態に係るシート化粧料は1枚ごとに個別包装されていてもよいし、生産コスト、生産効率等の観点から、複数枚の本実施形態に係るシート化粧料が同一包装容器内に収納されていてもよい。1つの包装容器に収納される本実施形態に係るシート化粧料の枚数は、特に限定されないが、2~50枚(/1包装容器)が好ましい。特に、シート化粧料は複数枚積層し保存した後に使用する際に上下間で使用感の差異が小さいため、10枚(/1包装容器)以上(特に、25枚(/1包装容器)以上)であってもよい。本実施形態に係るシート化粧料は、二つ折り、三つ折り、四つ折り等に折り畳んで包装容器に収納されていることが好ましい。
【0056】
上記包装容器としては、例えば、袋体(包装袋)、箱状容器等が挙げられる。上記包装容器は、上記化粧料組成物の揮発を抑制できるものが好ましい。上記包装容器の材質としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の樹脂;アルミニウム等の金属等が挙げられる。上記包装容器としては、軽量であり優れた揮発防止効果を有する観点から、表面に金属層が積層または蒸着された樹脂製の包装容器(特に、包装袋)が好ましく、より好ましくは表面にアルミニウム蒸着された樹脂製の包装袋である。
【0057】
本実施形態に係るシート化粧料は、上記の不織布に上記の化粧料組成物を含浸させることにより製造することができる。不織布に化粧料組成物を含浸させる方法は、特に限定されず、例えば、折りたたまれた状態の不織布に化粧料組成物を注入し含浸させる方法、不織布に化粧料組成物をスプレーする方法、印刷法を用いて不織布に化粧料組成物を含浸させる方法、化粧料組成物中に不織布を浸す方法等が挙げられる。
【0058】
本実施形態に係るシート化粧料は、肌に押し当てるだけで、肌上の皮脂汚れを充分に除去することができ、かつさらさら感の付与効果および粉浮きの抑制効果に優れる。本実施形態に係るシート化粧料を肌に押し当てた後、不織布を肌から離す時に、上記の化粧料組成物を再吸収することで、汗、皮脂、埃等の汚れをシート側に吸着することで除去し、さらさら感を付与することができる。本実施形態に係るシート化粧料の使用方法は特に制限されず、肌に押し当てるだけでもよく、肌を拭き取るために用いてもよい。拭き取る部位としては、特に限定されず、例えば、顔面(例えば、額、目元、目じり、頬、口元等)や、腕、肘、手の甲、指先、足、膝、かかと、首、脇、背中等が挙げられる。
【0059】
本実施形態に係るシート化粧料としては、例えば、シート洗顔料(洗顔シート)、ボディ用拭き取りシート、ウェットティッシュ、使い捨ておしぼり、お尻拭きシート、メイク落としシート等が挙げられる。中でも、本実施形態に係るシート化粧料は、粉浮きが少なく、使用後の肌にさらさら感を付与できるため、ボディ拭き取り用に特に好ましく用いられる。なお、本実施形態に係るシート化粧料は、例えば、化粧品、医薬部外品、医薬品、雑貨のいずれであってもよい。
【実施例
【0060】
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
【0061】
以下、実施例および比較例において用いた各種材料をまとめて示す。括弧内のE.O.は酸化エチレンの平均付加モル数を表す。
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油1:日本エマルジョン(株)製の「EMALEX HC-50」(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(50E.O.)、HLB値:13)
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油2:日本エマルジョン(株)製の「EMALEX HC-60」(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.)、HLB値:14)
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油3:日本エマルジョン(株)製の「EMALEX HC-100」(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(100E.O.)、HLB値:15)
ポリオキシエチレンセチルエーテル1:日光ケミカルズ(株)製の「NIKKOL BC-20」(ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.)、HLB値:14)
ポリオキシエチレンセチルエーテル2:日光ケミカルズ(株)製の「NIKKOL BC-25」(ポリオキシエチレンセチルエーテル(25E.O.)、HLB値:15)
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル:日本エマルジョン(株)製の「EMALEX ET-8020」(ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(20E.O.)、HLB値:13)
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油4:日本エマルジョン(株)製の「EMALEX HC-40」(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40E.O.)、HLB値:12)
ポリオキシエチレンセチルエーテル3:日光ケミカルズ(株)製の「NIKKOL BC-15」(ポリオキシエチレンセチルエーテル(15E.O.)、HLB値:13)
ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル1:日本エマルジョン(株)製の「EMALEX 1820」(ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル(20E.O.)、HLB値:13)
ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル2:日本エマルジョン(株)製の「EMALEX 1825」(ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル(25E.O.)、HLB値:14)
結晶セルロース粉末:旭化成(株)製の「CEOLUS PH-F20JP」(平均粒子径20μm)
非結晶セルロース粉末:レッテンマイヤー社製の「VITACEL CS 20FC」(平均粒子径:20μm)
シリカ:AGCエスアイテック(株)製の「サンスフェア H-122」(平均粒子径:12μm、吸油量:300mL/100g)
【0062】
(実施例および比較例)
表1に記した組成に従い、実施例および比較例の各化粧料組成物を常法により調製した。さらに、上記化粧料組成物を、各不織布(セルロース繊維含有量:100質量%、スパンレース不織布、厚さ:表1に記載、目付:表1に記載)に、不織布100質量部に対して化粧料組成物を表1に記した質量割合で含浸させ、実施例および比較例の各シート化粧料(シートサイズ:10cm×15cm、長方形)を作製した。用いた各成分(A)および得られた各試験用シート化粧料について、下記評価を行った。
【0063】
<エステル油分散性(皮脂除去効果)>
内径約5cmの100mLビーカーに100mLずつ分注された各成分(A)の液面に、着色エステル油(Oil Red O色素を0.1%添加し赤く着色した2-エチルヘキサン酸トリグリセライド)を0.2mL滴下し、1分後に色素の広がりを観察し、下記の評価基準により分散性を評価した。着色エステル油の広がりの直径が大きいほど、用いた成分(A)による皮脂分散性が高く、当該成分(A)を含有する化粧料組成物が皮脂除去効果に優れることが示唆される。
A(優れる):着色エステル油の広がりの直径が10mm以上
B(良好):着色エステル油の広がりの直径が5mm以上10mm未満
C(不良):着色エステル油の広がりの直径が5mm未満
【0064】
<エステル油の不織布への移行性(皮脂除去効果)>
前腕内側部に、前記<エステル油分散性>の評価で用いた着色エステル油を0.2mL滴下し、滴下した着色エステル油を覆うように実施例および比較例で得られた各シート化粧料1枚を複数回押し付け、肌上の着色エステル油を充分に除去できるまでに要した押し付け回数を計測し、下記の基準で評価した。着色したエステル油を充分に除去できるまでに要した押し付け回数が少ないほど、エステル油の不織布への移行性に優れ、肌上の皮脂除去効果に優れることを示す。
A(優れる):2回以下で着色したエステル油を充分に除去できた
B(良好):3~4回で着色したエステル油を充分に除去できた
C(不良):5回でも着色したエステル油を充分に除去できなかった
【0065】
<実使用評価>
実施例および比較例で得られた各シート化粧料1枚で、片方の前腕および片側の首回りをそれぞれ2回押し付け、押し付けた肌上の化粧料組成物が乾燥した後に、使用後のべたつきのなさ、さらさら感の持続力、粉浮きのなさについて、下記の評価基準により評価した。上記評価は、専門評価員3名により、25℃、湿度50%RHの恒温恒湿の条件下で実施した。
【0066】
(1)使用後のべたつきのなさ
A(優れる):べたつきが全く感じられない。
B(良好):べたつきがほとんど感じられない。
C(不良):明らかにべたつきが感じられる。
【0067】
(2)さらさら感の持続力
A(優れる):使用後の肌に十分にさらさら感を感じる。
B(良好):Aと比較すると劣るが、使用後の肌にさらさら感を感じる。
C(不良):使用後の肌にさらさら感を感じない。または、かさつきを感じる。
【0068】
(3)粉浮きのなさ
A(優れる):使用後の肌に粉浮きがない。
B(良好):使用後の肌にわずかな粉浮きを生じるが、使用可能。
C(不良):使用後の肌に粉浮きが顕著に生じる。
【0069】
【表1】
【0070】
表1の結果より、所定の界面活性剤、セルロース粉末、アルコール、および水を含有する化粧料組成物が所定の不織布に含浸された本発明のシート化粧料は、肌に押し当てるだけで、肌上の皮脂汚れを充分に除去することができ、かつさらさら感の付与効果および粉浮き抑制も良好であることがわかる。
【0071】
処方例1
不織布(厚さ:850μm、セルロース繊維含有量:100質量%、目付:85g/m2)100質量部に下記組成からなる化粧料組成物450質量部を含浸させて、シート化粧料とした。
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(50E.O.)(HLB値:13)
0.10質量%
ポリグリセリル-4ラウリルエーテル 0.05質量%
結晶セルロース粉末 0.30質量%
非結晶セルロース粉末 0.30質量%
シリカ 0.30質量%
エタノール 20.00質量%
香料 0.05質量%
精製水 残部
合計 100.00質量%
【0072】
処方例2
不織布(厚さ:1000μm、セルロース繊維含有量:100質量%、目付:100g/m2)100質量部に下記組成からなる化粧料組成物400質量部を含浸させて、シート化粧料とした。
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(50E.O.)(HLB値:13)
0.10質量%
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(20E.O.)(HLB値:13)
0.10質量%
ジオレス-8-リン酸ナトリウム 0.05質量%
結晶セルロース粉末 0.50質量%
シリカ 0.30質量%
エタノール 25.00質量%
香料 0.05質量%
精製水 残部
合計 100.00質量%
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明のシート化粧料は、肌に押し当てるだけで、肌上の皮脂汚れを充分に除去することができ、かつさらさら感の付与効果および粉浮き抑制が良好なシート化粧料として有用である。