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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】印刷装置及びメディア設置方法
(51)【国際特許分類】
   B65H 23/192 20060101AFI20240228BHJP
   B41J 15/16 20060101ALI20240228BHJP
   B41J 15/04 20060101ALI20240228BHJP
【FI】
B65H23/192
B41J15/16
B41J15/04
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020026352
(22)【出願日】2020-02-19
(65)【公開番号】P2021130542
(43)【公開日】2021-09-09
【審査請求日】2022-11-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000137823
【氏名又は名称】株式会社ミマキエンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 恒平
【審査官】杉山 豊博
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-043294(JP,A)
【文献】特開平01-105766(JP,A)
【文献】特開2019-162764(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 23/192
B41J 15/16
B41J 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール状のメディアを繰り出して搬送する繰り出しローラと、
前記繰り出しローラから繰り出される前記メディアを支持するメディア支持部と、
前記メディア支持部に支持された前記メディアを加工するための加工部と、
前記繰り出しローラから繰り出された前記メディアの前記メディア支持部上での姿勢を矯正するため前記メディアが搬送方向に引っ張られる姿勢矯正が行われる際、前記メディアが引っ張られる力に抗する負荷を付与する負荷付与部と
前記姿勢矯正において前記メディアが引っ張られるのに連動して回転する前記繰り出しローラの回転を検出する回転検出部と
を備え
前記負荷付与部は、前記回転検出部によって回転が検出された直後に前記負荷を付与する
印刷装置。
【請求項2】
ロール状のメディアを繰り出して搬送する繰り出しローラと、
前記繰り出しローラから繰り出される前記メディアを支持するメディア支持部と、
前記メディア支持部に支持された前記メディアを加工するための加工部と、
前記繰り出しローラから繰り出された前記メディアの前記メディア支持部上での姿勢を矯正するため前記メディアが搬送方向に引っ張られる姿勢矯正が行われる際、前記メディアが引っ張られる力に抗する負荷を付与する負荷付与部と、
前記姿勢矯正において前記メディアが引っ張られるのに連動して回転する前記繰り出しローラの回転を検出する回転検出部と
を備え
前記負荷付与部は、前記姿勢矯正において前記メディアが繰り出される際、前記回転検出部の検出結果に基づいて、前記繰り出しローラが前記メディアの繰り出し方向に回転した分だけ、前記繰り出しローラを前記繰り出し方向とは反対の巻き取り方向に回転させる
印刷装置。
【請求項3】
前記負荷付与部は、前記姿勢矯正が行われる際、前記メディアの前記搬送方向への移動に連動して負荷を付与する
請求項1又は請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記負荷付与部は、前記姿勢矯正において前記メディアが引っ張られる力により前記メディアにかかる張力が、前記姿勢矯正の前に前記メディアにかかる張力よりも大きくなるように負荷を付与する
請求項に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記負荷付与部は、前記メディアの繰り出し方向とは反対の巻き取り方向に前記繰り出しローラを回転させることで前記メディアに対して負荷を付与する
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記負荷付与部は、前記回転検出部により前記繰り出しローラが前記メディアの繰り出し方向に回転したことが検出された場合に、前記繰り出しローラを前記繰り出し方向とは反対の巻き取り方向に回転させる
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記繰り出しローラを回転させる回転駆動部を更に備え、
前記負荷付与部は、前記回転駆動部を含む
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項8】
ロール状のメディアを繰り出しローラから繰り出し、
前記繰り出しローラから繰り出される前記メディアを、当該メディアを加工するための加工部に対応して配置されるメディア支持部により支持し、
前記繰り出しローラから繰り出された前記メディアの前記メディア支持部上での姿勢を矯正するため前記メディアが搬送方向に引っ張られる姿勢矯正が行われる際、前記メディアが引っ張られる力に抗する負荷を付与するものであり、
前記負荷を付与する場合には、前記姿勢矯正において前記メディアが引っ張られるのに連動して回転する前記繰り出しローラの回転を検出する回転検出部によって回転が検出された直後に前記負荷を付与する
メディア設置方法。
【請求項9】
ロール状のメディアを繰り出しローラから繰り出し、
前記繰り出しローラから繰り出される前記メディアを、当該メディアを加工するための加工部に対応して配置されるメディア支持部により支持し、
前記繰り出しローラから繰り出された前記メディアの前記メディア支持部上での姿勢を矯正するため前記メディアが搬送方向に引っ張られる姿勢矯正が行われる際、前記メディアが引っ張られる力に抗する負荷を付与するものであり、
前記負荷を付与する場合には、前記姿勢矯正において前記メディアが繰り出される際、前記メディアが引っ張られるのに連動して回転する前記繰り出しローラの回転を検出する回転検出部の検出結果に基づいて、前記繰り出しローラが前記メディアの繰り出し方向に回転した分だけ、前記繰り出しローラを前記繰り出し方向とは反対の巻き取り方向に回転させることで前記負荷を付与する
メディア設置方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置及びメディア設置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ロール状に巻かれた紙等のメディアを繰り出して画像等を形成する印刷装置では、繰り出しローラから繰り出されるメディアを、ヘッドに対向して配置されるメディア支持部に支持されるように設置する必要がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第3858680号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
メディアをメディア支持部に設置する際、メディアにシワが無い状態で設置する必要がある。しかしながら、特許文献1等の従来の印刷装置では、メディア支持部に設置したメディアにシワが形成される場合、シワを取り除く作業が煩雑であり、確実にシワを取り除くことが困難であった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、メディアのシワを容易かつ確実に取り除いた状態で設置することが可能な印刷装置及びメディア設置方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る印刷装置は、ロール状のメディアを繰り出して搬送する繰り出しローラと、前記繰り出しローラから繰り出される前記メディアを支持するメディア支持部と、前記メディア支持部に支持された前記メディアを加工するための加工部と、前記繰り出しローラから繰り出された前記メディアの前記メディア支持部上での姿勢を矯正するため前記メディアが搬送方向に引っ張られる姿勢矯正が行われる際、前記メディアが引っ張られる力に抗する負荷を付与する負荷付与部とを備える。
【0007】
この構成によれば、メディアの姿勢矯正が行われる際に、メディアが引っ張られる力に抗する負荷が当該メディアに付与されるため、メディアに張力が付与される。これにより、メディアに張力が付与された状態でメディアをメディア支持部に設置することができるため、メディアのシワを容易かつ確実に取り除いた状態で設置することが可能となる。
【0008】
上記の印刷装置において、前記負荷付与部は、前記姿勢矯正が行われる際、前記メディアの前記搬送方向への移動に連動して負荷を付与してもよい。
【0009】
この構成によれば、姿勢矯正が行われる際、メディアの搬送方向への移動に連動して、つまりメディアの搬送方向への移動がトリガとなって負荷が付与されるため、作業者が1人で作業することができる。
【0010】
上記の印刷装置において、前記負荷付与部は、前記姿勢矯正において前記メディアが引っ張られる力により前記メディアにかかる張力が、前記姿勢矯正の前に前記メディアにかかる張力よりも大きくなるように負荷を付与してもよい。
【0011】
この構成によれば、姿勢矯正の際、メディアにかかる張力がそれまでの張力に比べて大きくなるため、姿勢を矯正しやすくすることができる。
【0012】
上記の印刷装置において、前記負荷付与部は、前記メディアの繰り出し方向とは反対の巻き取り方向に前記繰り出しローラを回転させることで前記メディアに対して負荷を付与してもよい。
【0013】
この構成によれば、メディアに対して容易かつ確実に搬送方向とは反対方向の負荷を付与することができる。
【0014】
上記の印刷装置は、前記姿勢矯正において前記メディアが引っ張られる際、前記メディアの前記搬送方向への移動を検出する検出部を更に備え、前記負荷付与部は、前記姿勢矯正における前記メディアの前記搬送方向への移動が前記検出部によって検出された場合に前記負荷を付与してもよい。
【0015】
この構成によれば、作業者が姿勢矯正においてメディアを引っ張る際、メディアの移動をトリガとして自動的に負荷付与部が負荷を付与するため、シワを除去する作業を容易に行うことができる。
【0016】
上記の印刷装置において、前記検出部は、前記姿勢矯正において前記メディアが引っ張られるのに連動して回転する前記繰り出しローラの回転を検出する回転検出部を有し、前記負荷付与部は、前記回転検出部の検出結果に基づいて、前記負荷を付与してもよい。
【0017】
この構成によれば、作業者が姿勢矯正においてメディアを引っ張る際、繰り出しローラの回転をトリガとして自動的に負荷付与部が負荷を付与するため、シワを除去する作業を容易に行うことができる。
【0018】
上記の印刷装置において、前記負荷付与部は、前記回転検出部によって回転が検出された直後に前記負荷を付与してもよい。
【0019】
この構成によれば、レスポンスよく負荷を付与することができるため、姿勢矯正の際のメディアの繰り出し量を抑制できる。
【0020】
上記の印刷装置において、前記負荷付与部は、前記回転検出部により前記繰り出しローラが前記メディアの繰り出し方向に回転したことが検出された場合に、前記繰り出しローラを前記繰り出し方向とは反対の巻き取り方向に回転させてもよい。
【0021】
この構成によれば、作業者がメディアを引っ張る動作に対して自動的に負荷付与部が繰り出しローラを巻き取り方向に回転させるため、シワを除去する作業を容易に行うことができる。
【0022】
上記の印刷装置において、前記負荷付与部は、前記姿勢矯正において前記メディアが繰り出される際、前記繰り出しローラが前記メディアの繰り出し方向に回転した分だけ、前記繰り出しローラを前記繰り出し方向とは反対の巻き取り方向に回転さてもよい。
【0023】
この構成によれば、姿勢矯正において引っ張られたメディアを戻すことができるため、メディアの無駄遣いを抑制できる。
【0024】
上記の印刷装置は、前記繰り出しローラを回転させる回転駆動部を更に備え、前記負荷付与部は、前記回転駆動部を含んでもよい。
【0025】
この構成によれば、メディアに対して容易かつ確実に搬送方向とは反対方向の負荷を付与することができる。
【0026】
本発明に係るメディア設置方法は、ロール状のメディアを繰り出しローラから繰り出し、前記繰り出しローラから繰り出される前記メディアを、当該メディアを加工するための加工部に対応して配置されるメディア支持部により支持し、前記繰り出しローラから繰り出された前記メディアの前記メディア支持部上での姿勢を矯正するため前記メディアが搬送方向に引っ張られる姿勢矯正が行われる際、前記メディアが引っ張られる力に抗する負荷を付与する。
【0027】
この構成によれば、メディアの姿勢矯正が行われる際に、メディアが引っ張られる力に抗する負荷が当該メディアに付与されるため、メディアに張力が付与される。これにより、メディアに張力が付与された状態でメディアをメディア支持部に設置することができるため、メディアのシワを容易かつ確実に取り除いた状態で設置することが可能となる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、メディアのシワを容易かつ確実に取り除いた状態で設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1図1は、本実施形態に係る印刷装置の一例を示す図である。
図2図2は、制御装置の一例を示す外観図である。
図3図3は、制御装置の一例を示す機能ブロック図である。
図4図4は、支持作業の一例を示す図である。
図5図5は、メディアの設置状態の一例を示す図である。
図6図6は、メディアの設置状態の一例を示す図である。
図7図7は、メディア設置モード、負荷付与モード及び印刷モードにおける表示部の表示例を示す図である。
図8図8は、印刷装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明に係る印刷装置及びメディア設置方法の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0031】
図1は、本実施形態に係る印刷装置100の一例を示す図である。図1に示すように、印刷装置100は、繰り出し装置10と、本体装置20と、巻き取り装置30と、制御装置40とを有する。
【0032】
繰り出し装置10は、繰り出しローラ11と、回転駆動部(負荷付与部)12と、回転検出部13と、ガイドローラ14とを有する。
【0033】
繰り出しローラ11は、ロール状のメディアMを装着可能である。繰り出しローラ11は、装着されたロール状のメディアMを繰り出して搬送する。
【0034】
回転駆動部12は、例えばモータ等の駆動源と、駆動源によって回転する出力軸とを有する。出力軸は、負荷側が不図示の伝達機構を介して繰り出しローラ11に連結される。出力軸の回転が伝達機構を介して繰り出しローラ11に伝達されることにより、繰り出しローラ11が回転する。
【0035】
回転検出部13は、繰り出しローラ11の回転を検出する。回転検出部13としては、例えばモータの反負荷側に取り付けられ、出力軸の回転を検出可能なエンコーダ等が挙げられる。回転検出部13は、繰り出しローラ11に設けられてもよい。回転検出部13は、検出結果を制御装置40に送信可能である。
【0036】
本体装置20は、脚部フレーム21と、本体ハウジング22と、テンションバー23と、ガイドローラ24と、ピンチローラ25と、メディア支持部26と、クランプレバー27、28と、ヘッド29とを有する。
【0037】
脚部フレーム21は、本体ハウジング22を支持する。本体ハウジング22は、後述するヘッド29を収容する。テンションバー23は、メディアMの搬送経路に配置され、メディアMに付与される張力を調整する。テンションバー23は、上下方向に移動可能である。テンションバー23は、不図示のストッパを装着することにより、可動範囲内の所望の箇所で上下方向の位置を固定することができる。ガイドローラ24は、メディアMを案内する。ピンチローラ25は、ヘッド29に対してメディアMの搬送方向の上流側に配置される。ピンチローラ25は、メディアMを表裏の両面側から挟んだ状態で指示する。
【0038】
メディア支持部26は、ヘッド29に対向して配置される。メディア支持部26は、繰り出しローラ11から繰り出されるメディアMを支持する。メディア支持部26は、ヘッド29に対向する部分において、ヘッド29の吐出面29aに沿った平面状の支持面26aを有する。また、メディア支持部26は、支持面26aに対してメディアMの搬送方向の下流側の部分において、下方に向けて湾曲した曲面状の支持面26bを有する。
【0039】
クランプレバー27、28は、本体ハウジング22の正面側及び背面側にそれぞれ配置される。クランプレバー27、28は、例えば上下方向に連動して移動させることが可能である。クランプレバー27、28を下方位置に移動させた場合、メディアMがクランプされ、メディアMの搬送方向への移動が規制された状態となる。また、クランプレバー27、28を上方位置に移動させた場合、メディアMのクランプが解除され、メディアMが移動方向に移動可能となる。クランプレバー27、28の位置を下方位置と上方位置とで切り替えることにより、メディアMをクランプした状態と、メディアMのクランプを解除した状態とを切り替え可能である。また、クランプレバー27、28が本体ハウジング22の正面側及び背面側にそれぞれ配置されることで、作業者が本体ハウジング22の正面側及び背面側のそれぞれにおいて作業する場合に、クランプレバー27、28の操作が可能となる。
【0040】
ヘッド29は、メディアMに対して液滴を吐出する。ヘッド29は、例えば不図示のキャリッジに保持されており、メディアMの搬送方向に交差する走査方向に往復移動可能に設けられる。ヘッド29は、例えば平面状の吐出面29aを有する。ヘッド29は、吐出面29aに設けられる不図示のノズルからメディアMに対して画像形成用の液滴を噴射する。ヘッド29は、メディアMに液滴を吐出することで、メディアMに画像を形成する。
【0041】
巻き取り装置30は、巻き取りローラ31を有する。巻き取り装置30は、例えば脚部フレーム21に支持される。巻き取りローラ31は、本体装置20から送られた画像形成後のメディアMを巻き取る。巻き取り装置30は、不図示のガイドローラ、テンションバー等を有してもよい。
【0042】
制御装置40は、本体装置20の本体ハウジング22に設けられる。図2及び図3は、制御装置40の一例を示す図である。図2は外観図、図3は機能ブロック図である。図2及び図3に示すように、制御装置40は、入力部41と、表示部42と、通信部43と、処理部44と、記憶部45とを有する。これら入力部41、表示部42、通信部43、処理部44及び記憶部45は、バス46(図3参照)により接続される。
【0043】
入力部41は、各種情報が入力される。入力部41は、例えば複数のボタン41a等の操作装置による操作内容が入力される。なお、複数のボタン41aに限定されず、例えばスイッチ、タッチパネル等の他の操作装置による操作内容が入力されてもよい。また、入力部41には、回転検出部13による検出結果が入力される。
【0044】
表示部42は、各種情報を表示可能である。表示部42としては、例えば液晶ディスプレイ等の表示パネルが用いられる。表示部42は、印刷装置100の動作モードを表示可能である。動作モードとしては、例えばメディア設置モード、負荷付与モード、印刷モード等が挙げられる。メディア設置モードは、例えば印刷装置100の起動時にメディアMが設置されていない場合において、メディアMを設置するメディア設置作業を行うための動作モードである。負荷付与モードは、繰り出しローラ11から繰り出されたメディアMのメディア支持部26上での姿勢を矯正するためメディアMが搬送方向に引っ張られる姿勢矯正が行われる際、メディアMにシワが形成されないようにするためメディアMに対して負荷を付与する動作モードである。印刷モードは、メディアMを繰り出しつつ、メディアMに対してヘッド29から液滴を吐出して、メディアMに画像を形成する動作モードである。負荷付与モード及び当該負荷付与モードにおける各動作は、メディア設置モードの途中で実行可能である。メディア設置モード及び負荷付与モードは、印刷モードとは別個に行われる。
【0045】
通信部43は、外部機器等との間で情報の送受信が可能である。例えば、外部機器等から印刷データを受信可能である。また、外部機器等に対して、印刷装置100の状態等の情報を送信可能である。
【0046】
処理部44は、各種処理を行う。処理部44は、CPU(Central Processing Unit)等の処理装置と、RAM(Random Access Memory)又はROM(Read Only Memory)等の記憶装置を有する。処理部44は、表示制御部51と、モード切替部52と、負荷付与制御部(負荷付与部)53と、印刷制御部54とを有する。
【0047】
表示制御部51は、表示部42による表示動作を制御する。モード切替部52は、印刷装置100の動作モードを、例えばメディア設置モードと、負荷付与モードと、印刷モードとの間で切り替え可能である。
【0048】
負荷付与制御部53は、負荷付与モードにおける回転駆動部12の動作を制御する。本実施形態において、負荷付与制御部53は、上記した回転駆動部12と共に負荷付与部を構成する。負荷付与制御部53は、ヘッド29による印刷動作の非実行時においてメディアMをメディア支持部26に設置する際に、メディアMが引っ張られる力に抗する負荷を付与する。本実施形態において、負荷付与制御部53は、メディアMに対してメディアMの搬送方向とは反対方向の負荷(いわゆるバックテンション)を付与する。具体的には、負荷付与制御部53は、負荷付与モードにおいて、メディアMに対してメディアMの搬送方向とは反対方向の負荷が付与されるように回転駆動部12を制御する。
【0049】
負荷付与制御部53は、姿勢矯正が行われる際、メディアMの搬送方向への移動に連動して負荷を付与する。つまり、負荷付与制御部53は、メディアMの搬送方向への移動をトリガとして負荷を付与する。このような構成としては、例えば繰り出しローラ11の軸に不図示のゼンマイ等の構成を連結させ、ゼンマイを巻いた状態でロックしておき、メディア搬送に伴ってロックを解除することでゼンマイの開放によりバックテンションを発生させる構成や、後述するように、回転検出部13等の検出部を設けて、検出結果に基づいて負荷を付与する構成等が挙げられる。また、負荷付与制御部53は、姿勢矯正においてメディアMが引っ張られる力によりメディアMにかかる張力が、姿勢矯正の前にメディアMにかかる張力よりも大きくなるように負荷を付与する。つまり、負荷付与制御部53は、メディアMの搬送方向への移動をトリガとして、メディアMにかかる張力が大きくなるように当該メディアMに負荷を付与する。したがって、姿勢矯正時にメディアMにかかる張力は、例えばテンションバー23により姿勢矯正前にメディアMにかかる張力よりも大きくなる。負荷付与制御部53は、例えばロール状のメディアMが繰り出しローラ11に装着された状態で、繰り出しローラ11を繰り出し方向とは反対の巻き取り方向に回転させることにより、メディアMに対して搬送方向とは反対方向の負荷を付与することができる。
【0050】
負荷付与制御部53は、例えば回転検出部13により繰り出しローラ11が繰り出し方向に回転したことが検出された場合に、回転検出部13によって回転が検出された直後に負荷を付与する。この場合、負荷付与制御部53は、繰り出し方向とは反対の巻き取り方向に繰り出しローラ11が回転するように回転駆動部12を制御することができる。例えば、作業者がメディアMのシワを除去しようとしてメディアMを搬送方向に沿って引っ張ると、メディアMが繰り出され、繰り出しローラ11が繰り出し方向に回転する。この繰り出しローラ11の回転は、回転検出部13により検出される。このような場合、負荷付与制御部53は、回転検出部13により繰り出しローラ11が繰り出し方向に回転することをトリガとして、メディアMに負荷が付与されるように回転駆動部12を制御することができる。
【0051】
また、負荷付与制御部53は、回転検出部13の検出結果に基づいて、メディアMが繰り出される際に繰り出しローラ11が繰り出し方向に回転した分だけ、当該繰り出しローラ11が巻き取り方向に回転するように回転駆動部12を制御する。また、負荷付与制御部53は、繰り出しローラ11が繰り出し方向に回転した後、繰り出し方向に回転した分だけ巻き取り方向に回転した場合に、当該回転駆動部12への制御を終了する。繰り出しローラ11が繰り出し方向に回転した分だけ巻き取り方向に回転することにより、繰り出しローラ11の回転位置は、繰り出し方向に回転する前の位置に戻る。つまり、負荷付与制御部53は、繰り出しローラ11が繰り出し方向に回転した後、当該繰り出しローラ11の回転方向の位置が繰り出し方向に回転する前の位置まで戻った場合に、メディアMに対する負荷の付与を解除することができる。
【0052】
印刷制御部54は、印刷モードにおける印刷装置100の動作を制御する。印刷モードにおいて、印刷制御部54は、例えばヘッド29から液滴を吐出させる。また、印刷制御部54は、液滴の吐出動作の進行状況に応じて、繰り出しローラ11がメディアMの繰り出し方向に回転するように回転駆動部12を制御する。
【0053】
記憶部45は、各種情報を記憶する。記憶部45は、例えば回転検出部13の検出結果を記憶することができる。記憶部45は、例えばハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等のストレージを有している。なお、記憶部45として、リムーバブルディスク等の外部記憶媒体が用いられてもよい。
【0054】
次に、上記の印刷装置100の動作について説明する。本実施形態では、印刷装置100にメディアMが設置されていない状態からの動作を中心に説明する。印刷装置100にメディアMが設置されていない場合、モード切替部52は、印刷装置100の動作モードをメディア設置モードとする。メディア設置モードでは、繰り出しローラ11がメディアMの繰り出し方向及びメディアMの巻き取り方向に回転可能となる。このため、例えば作業者がメディアMの繰り出し及び巻き取りを自由に行うことが可能である。
【0055】
メディア設置モードにおいて、作業者は、印刷装置100にメディアMを設置する設置作業を行う。設置作業において、作業者は、まず、ロール状のメディアMを繰り出しローラ11に装着する。メディアMの装着後、テンションバー23の位置を可動範囲内の上側の位置に固定した状態で繰り出しローラ11からメディアMを繰り出し、繰り出したメディアMをガイドローラ14、テンションバー23及びガイドローラ24に順に巻き掛ける。作業者は、本体装置20の背面側においてこれらの設置作業を行う。
【0056】
作業者は、ガイドローラ24にメディアMを巻き掛けた後、背面側のクランプレバー27を下げてメディアMを仮押さえする。これにより、作業者がメディアMから手を離した場合でも、メディアMの移動が抑制される。なお、背面側のクランプレバー27を下げることにより、正面側のクランプレバー28も連動して下がる。作業者は、背面側のクランプレバー27を下げてメディアMを仮押さえした後、本体装置20の正面側に移動する。したがって、メディアMの設置状態を維持しつつ、作業者が本体装置20の正面側に移動可能となる。
【0057】
作業者は、本体装置20の正面側に移動した後、正面側のクランプレバー28を上げて仮押さえの状態を解消する。正面側のクランプレバー28を上げることにより、背面側のクランプレバー27も連動して上がる。仮押さえを解消した後、作業者は、メディアMをメディア支持部26に支持させる支持作業を行う。図4は、支持作業の一例を示す図である。支持作業において、作業者は、図4に示すように、本体装置20から搬送方向の前方にはみ出した状態のメディアMの前側端部を把持し、シワ及び偏りが無い状態でメディアMの全面がメディア支持部26に支持されるようにメディアMを設置する。
【0058】
図5及び図6は、メディアMの配置状態の一例を示す図である。図5及び図6では、メディアMの搬送経路上の構成が示されており、他の構成については省略されている。支持作業を行う際、例えば図5に示す設置状態ST1のように、メディアMにシワ等が形成される場合がある。本実施形態では、このようなメディアMのシワを取り除くため、負荷付与モードを行うことができる。モード切替部52は、例えば制御装置40の入力部41等を介して負荷付与モードを実行するための操作が入力されたことをトリガとして、印刷装置100の動作モードをメディア設置モードから負荷付与モードに切り替えることができる。
【0059】
負荷付与モードにおいて、負荷付与制御部53は、回転検出部13により繰り出しローラ11が繰り出し方向に回転したことが検出された場合に、繰り出し方向とは反対の巻き取り方向に繰り出しローラ11が回転するように回転駆動部12を制御する。例えば、作業者がメディアMのシワを取り除く作業を行うためにメディアMを引き出す場合、図6の設置状態ST2に示すように、作業者がメディアMを引っ張る力により繰り出しローラ11が繰り出し方向に回転する。この回転が回転駆動部12によって検出された場合、負荷付与制御部53は、図6の設置状態ST3に示すように、繰り出しローラ11が巻き取り方向に回転するように回転駆動部12を制御する。回転駆動部12の駆動により、繰り出しローラ11を介してメディアMに対して搬送方向とは反対方向の負荷が付与される。この場合、作業者と繰り出しローラ11とでメディアMを互いに反対方向に引っ張り合った状態となり、メディアMに張力が付与される。作業者は、張力が付与された状態のメディアMをメディア支持部26に支持させることにより、メディアMが伸張した状態で、つまり、シワが形成されない状態でメディアMを設置することができる。
【0060】
負荷付与モードにおいて、上記のように繰り出しローラ11を巻き取り方向に回転させる際、負荷付与制御部53は、繰り出しローラ11が作業者によって繰り出し方向に回転した分だけ、当該繰り出しローラ11を巻き取り方向に回転させるように回転駆動部12を制御する。この制御を行う場合、負荷付与制御部53は、回転検出部13の検出結果に基づいて、繰り出しローラ11の回転位置を検知することができる。負荷付与制御部53は、繰り出しローラ11の回転位置が、当該繰り出しローラ11が作業者によって繰り出し方向に回転する前の回転位置、つまり、負荷付与モードが開始された時点における回転位置に戻るまで、繰り出しローラ11を巻き取り方向に回転させる。この制御により、図6に示す設置状態ST4のように、作業者が繰り出しローラ11との間でメディアMを引っ張り合いながらメディアMを巻き取り方向に戻すように移動させることができる。作業者は、繰り出しローラ11が巻き取り方向に回転するように制御が行われている間、例えばメディアMに作用する張力を調整しつつメディアMを上下方向に移動させる等の動作を行うことにより、メディアMのシワを除去することができる。負荷付与制御部53は、メディアMが繰り出される際に繰り出しローラ11が繰り出し方向に回転した分だけ繰り出しローラ11が繰り出し方向とは反対の方向に回転した場合、当該回転駆動部12への制御を終了する。モード切替部52は、回転駆動部12に対する負荷付与制御部53の制御が終了した場合、印刷装置100の動作モードを負荷付与モードからメディア設置モードに切り替える。本実施形態において、メディア設置モード及び負荷付与モードは、印刷モードとは別個に行われる。したがって、本実施形態において、上記の負荷付与モード及び当該負荷付与モードにおける各動作は、印刷モード中(印刷動作の実行時)に行われることは無く、印刷動作の非実行時において行われる。
【0061】
その後、例えば外部装置から印刷動作を行う指示があった場合、モード切替部52は、印刷装置100の動作モードをメディア設置モードから印刷モードに切り替える。印刷モードにおいて、印刷制御部54は、例えばヘッド29から液滴を吐出させる。また、印刷制御部54は、液滴の吐出動作の進行状況に応じて、繰り出しローラ11がメディアMの繰り出し方向に回転するように回転駆動部12を制御する。ヘッド29の吐出動作と繰り出しローラ11の回転とを連動させることにより、メディアMを搬送方向に搬送しつつ液滴の吐出動作を行い、メディアMに画像を形成することができる。
【0062】
図7は、メディア設置モード、負荷付与モード及び印刷モードにおける表示部42の表示例を示す図である。メディア設置モードにおいて、表示制御部51は、図7に示す表示状態M1のように、印刷装置100の動作モードがメディア設置モードである旨を表示部42に表示させる。作業者は、表示部42を見ることにより、印刷装置100の動作モードがメディア設置モードであることを認識できる。
【0063】
負荷付与モードにおいて、表示制御部51は、図7に示す表示状態M2のように、印刷装置100の動作モードが負荷付与モードである旨を作業者に通知する情報を表示部42に表示させる。例えば、表示制御部51は、図7に示す表示状態M21のように、負荷付与モードを実行中である場合、負荷付与モードを実行中である旨を作業者に通知する情報を表示部42に表示させることができる。また、負荷付与モードが終了する場合、表示制御部51は、図7に示す表示状態M22のように、負荷付与モードが終了する旨を表示部42に表示させる。作業者は、表示部42を見ることにより、印刷装置100の動作モードが負荷付与モード(実行中、終了)であることを認識できる。
【0064】
印刷モードにおいて、表示制御部51は、図7に示す表示状態M3のように、印刷装置100の動作モードが印刷モードである旨を表示部42に表示させる。作業者は、表示部42を見ることにより、印刷装置100の動作モードが印刷モードであることを認識できる。
【0065】
図8は、印刷装置100の動作の一例を示すフローチャートである。印刷装置100にメディアMが設置されていない場合、図7に示すように、モード切替部52は、印刷装置100の動作モードをメディア設置モードとする(ステップS10)。ステップS10において、表示制御部51は、印刷装置100の動作モードがメディア設置モードである旨を表示部42に表示させる。
【0066】
メディア設置モードにおいて、負荷付与モードを開始させるためのトリガが入力された場合(ステップS20のYes)、モード切替部52は、印刷装置100の動作モードを負荷付与モードに切り替える(ステップS30)。負荷付与モードにおいて、負荷付与制御部53は、メディアMに対してメディアMの搬送方向とは反対方向の負荷が付与されるように回転駆動部12を制御する。表示制御部51は、負荷付与モードである旨の表示を表示部42に表示させる。なお、モード切替部52は、負荷付与モードを開始させるためのトリガが入力されない場合(ステップS20のNo)、ステップS30からステップS50までの処理を省略し、ステップS60に進む。
【0067】
負荷付与モードにおいて、負荷付与モードを終了させるためのトリガが入力された場合(ステップS40のYes)、モード切替部52は、負荷付与モードを終了させ、メディア設置モードに切り替える(ステップS50)。本実施形態において、例えば、繰り出しローラ11が繰り出し方向に回転した分だけ巻き取り方向に回転したことを検出した場合、当該検出信号がトリガとなる。なお、ステップS40において、負荷付与モードを終了させるためのトリガが入力されない場合(ステップS40のNo)、モード切替部52は、ステップS40の判定を繰り返し行う。
【0068】
その後、メディア設置モードにおいて、印刷モードを開始させるためのトリガが入力された場合(ステップS60のYes)、モード切替部52は、印刷装置100の動作モードを印刷モードに切り替える(ステップS70)。なお、ステップS60において、印刷モードを開始させるためのトリガが入力されない場合(ステップS60のNo)、モード切替部52は、ステップS20以降の処理を繰り返し行う。
【0069】
以上のように、本実施形態に係る印刷装置100は、ロール状のメディアMを繰り出して搬送する繰り出しローラ11と、繰り出しローラ11から繰り出されるメディアMを支持するメディア支持部26と、メディア支持部26に支持されたメディアMに液滴を吐出することでメディアMを加工するヘッド29と、繰り出しローラ11から繰り出されたメディアMのメディア支持部26上での姿勢を矯正するためメディアMが搬送方向に引っ張られる姿勢矯正が行われる際、メディアMが引っ張られる力に抗する負荷を付与する回転駆動部12とを備える。
【0070】
また、本実施形態に係るメディアMの設置方法は、ロール状のメディアMを繰り出しローラ11から繰り出し、繰り出しローラ11から繰り出されるメディアMを、ヘッド29に対応して配置されるメディア支持部26により支持し、繰り出しローラ11から繰り出されたメディアMのメディア支持部26上での姿勢を矯正するためメディアMが搬送方向に引っ張られる姿勢矯正が行われる際、メディアMが引っ張られる力に抗する負荷を付与する。
【0071】
これらの構成によれば、メディアMをメディア支持部26に設置する際、メディアMに対して搬送方向とは反対方向の負荷が付与されるため、作業者がメディアMを搬送方向に引っ張ることにより、メディアMに張力が付与される。これにより、メディアMに張力が付与された状態でメディアMをメディア支持部26に設置することができるため、メディアMのシワを容易かつ確実に取り除いた状態で設置することが可能となる。
【0072】
本実施形態に係る印刷装置100において、回転駆動部12は、姿勢矯正が行われる際、メディアMの搬送方向への移動に連動して負荷を付与する。この構成によれば、姿勢矯正が行われる際、メディアMの搬送方向への移動に連動して、つまりメディアの搬送方向への移動がトリガとなって負荷が付与されるため、作業者が1人で作業することができる。
【0073】
本実施形態に係る印刷装置100において、回転駆動部12は、姿勢矯正においてメディアMが引っ張られる力によりメディアMにかかる張力が、姿勢矯正の前にメディアMにかかる張力よりも大きくなるように負荷を付与する。この構成によれば、姿勢矯正の際、メディアにかかる張力がそれまでの張力に比べて大きくなるため、姿勢を矯正しやすくすることができる。
【0074】
本実施形態に係る印刷装置100において、回転駆動部12は、メディアMの繰り出し方向とは反対の方向に繰り出しローラ11を回転させることでメディアMに対して負荷を付与してもよい。この構成によれば、メディアMに対して容易かつ確実に搬送方向とは反対方向の負荷を付与することができる。
【0075】
本実施形態に係る印刷装置100は、繰り出しローラ11の回転を検出する回転検出部13を更に備え、回転駆動部12は、回転検出部13の検出結果に基づいて、メディアMが繰り出される際に繰り出しローラ11が繰り出し方向に回転した分だけ、繰り出しローラ11を繰り出し方向とは反対の方向に回転させてもよい。この構成によれば、シワを除去した後、メディアMの位置を容易に元の状態に戻すことができる。
【0076】
本実施形態に係る印刷装置100において、検出部は、姿勢矯正においてメディアMが引っ張られるのに連動して回転する繰り出しローラ11の回転を検出する回転検出部13を有し、回転駆動部12は、回転検出部13の検出結果に基づいて、負荷を付与する。この構成によれば、作業者が姿勢矯正においてメディアMを引っ張る際、繰り出しローラ11の回転をトリガとして自動的に回転駆動部12が負荷を付与するため、シワを除去する作業を容易に行うことができる。
【0077】
本実施形態に係る印刷装置100において、回転駆動部12は、回転検出部13によって回転が検出された直後に負荷を付与する。この構成によれば、レスポンスよく負荷を付与することができるため、姿勢矯正の際のメディアMの繰り出し量を抑制できる。
【0078】
本実施形態に係る印刷装置100において、回転駆動部12は、回転検出部13により繰り出しローラ11が繰り出し方向に回転したことが検出された場合に、繰り出し方向とは反対の巻き取り方向に繰り出しローラ11を回転させてもよい。この構成によれば、作業者がメディアMを引っ張る動作に対して自動的に回転駆動部12が繰り出しローラ11を巻き取り方向に回転させるため、シワを除去する作業を容易に行うことができる。
【0079】
本実施形態に係る印刷装置100において、回転駆動部12は、姿勢矯正においてメディアMが繰り出される際、繰り出しローラ11が繰り出し方向に回転した分だけ、繰り出しローラ11を巻き取り方向に回転させてもよい。この構成によれば、姿勢矯正において引っ張られたメディアMを戻すことができるため、メディアMの無駄遣いを抑制できる。
【0080】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。例えば、上記実施形態では、繰り出しローラ11を巻き取り方向に回転させることでメディアMに対して搬送方向とは反対方向の負荷を付与する構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、作業者がメディアMを搬送方向に引っ張って繰り出そうとする際、繰り出しローラ11の回転にブレーキを掛けることで、メディアMに対して搬送方向とは反対方向の負荷を付与する構成としてもよい。このようなブレーキの構成としては、例えば回転駆動部12のステータの磁極とロータの磁極とを互いに引き合うように制御することで、ロータの回転を規制する態様が挙げられるが、これに限定されない。
【0081】
また、上記実施形態では、メディア支持部26に支持されたメディアMを加工するための加工部として、メディアMに液滴を吐出するヘッド29を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、加工部としては、例えばメディアMを切断することで当該メディアを加工するカッティングヘッド等、メディアMに対して他の加工を行う構成であってもよい。
【0082】
また、上記実施形態では、姿勢矯正においてメディアMが引っ張られる際、メディアMの搬送方向への移動を検出する検出部として、繰り出しローラ11の回転を検出する回転検出部13を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、ガイドローラ14等の回転を検出する構成であってもよいし、広がった状態のメディアMの移動を検出する構成であってもよい。この構成によれば、作業者が姿勢矯正においてメディアMを引っ張る際、各種の構成でメディアMの移動を検出し、当該メディアMの移動をトリガとして自動的に回転駆動部12が負荷を付与するため、シワを除去する作業を容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0083】
M…メディア、M1,M2,M21,M3,M22…表示状態、ST1,ST2,ST3,ST4…設置状態、10…繰り出し装置、11…繰り出しローラ、12…回転駆動部、13…回転検出部、14,24…ガイドローラ、20…本体装置、21…脚部フレーム、22…本体ハウジング、23…テンションバー、25…ピンチローラ、26…メディア支持部、26a,26b…支持面、27,28…クランプレバー、29…ヘッド、29a…吐出面、30…巻き取り装置、31…巻き取りローラ、40…制御装置、41…入力部、41a…ボタン、42…表示部、43…通信部、44…処理部、45…記憶部、46…バス、51…表示制御部、52…モード切替部、53…負荷付与制御部、54…印刷制御部、100…印刷装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8