(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
F21S 41/50 20180101AFI20240228BHJP
F21S 41/24 20180101ALI20240228BHJP
F21W 102/10 20180101ALN20240228BHJP
【FI】
F21S41/50
F21S41/24
F21W102:10
(21)【出願番号】P 2020027114
(22)【出願日】2020-02-20
【審査請求日】2022-04-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【氏名又は名称】三上 敬史
(74)【代理人】
【識別番号】100148013
【氏名又は名称】中山 浩光
(74)【代理人】
【識別番号】100162640
【氏名又は名称】柳 康樹
(72)【発明者】
【氏名】三橋 孝好
(72)【発明者】
【氏名】扇谷 一慶
(72)【発明者】
【氏名】村木 和史
【審査官】五閑 統一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-181644(JP,A)
【文献】特開2006-066176(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 41/00 ー 45/00
B60Q 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光非透過部と、長手方向に延びる光透過部とを有するインナレンズを備える車両用灯具であって、
前記インナレンズにおいて前記光非透過部から前記光透過部へ切り替わる部分には
、アウタ側
に段差部が形成され、
前記光透過部が前記光非透過部よりもアウタ側に位置し、
前記段差部は、前記光透過部のアウタ側の面よりインナ側に配置される前記光非透過部の第1の面と、前記第1の面から前記アウタ側に立ち上がる第2の面と、を有し、
前記光透過部の前記長手方向における先端部側には、前記インナレンズとは別体の別部材が設けられ、
前記別部材の端部は前記段差部の前記第2の面に突き合せられ、
前記段差部の前記第1の面は前記別部材に覆われ、
前記別部材は、前記光非透過部のうちの少なくとも前記段差部と同じ色である、車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来における車両用灯具としては、例えば特許文献1に記載されている技術が知られている。特許文献1に記載の車両用灯具は、光透過部を有するインナレンズを有しており、当該インナレンズの光透過部から光を透過させることによって各種ランプを構成している。このインナレンズには、別部材としてエクステンションが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のように、インナレンズに対して、エクステンションなどのような別部材が設けられる場合がある。ここで、長手方向に延びる光透過部を有するインナレンズにおいて、光透過部の長手方向の先端部側に別部材を設ける場合がある。このような場合、別部材の位置によっては、別部材が目立ってしまうことなどにより、車両用灯具の見栄えが悪化してしまう可能性がある。
【0005】
本発明の一側面は、インナレンズに対して別部材を設ける場合に、見栄えを向上することができる車両用灯具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係る車両用灯具は、光非透過部と、長手方向に延びる光透過部とを有するインナレンズを備える車両用灯具であって、インナレンズにおいて光非透過部から光透過部へ切り替わる部分には、アウタ側に段差部が形成され、光透過部の長手方向における先端部側には、インナレンズとは別体の別部材が設けられ、別部材の端部は、光透過部の先端部における段差部に対して配置される。
【0007】
本発明の一側面に係る車両用灯具において、インナレンズは、長手方向に延びる光透過部を有する。インナレンズの光透過部の長手方向における先端部側には、インナレンズとは別体の別部材が設けられる。ここで、インナレンズにおいて光非透過部から光透過部へ切り替わる部分には、アウタ側に段差部が形成される。この段差部は、光透過部を形成する際に用いられる治具を配置するために用いられる。別部材の端部は、光透過部の先端部における段差部に対して配置される。これにより、別部材は、光透過部を覆わないような構成となるため、ランプの発光領域を狭くすることなく、目立たない位置に配置することができる。以上により、インナレンズに対して別部材を設ける場合に、見栄えを向上することができる。
【0008】
段差部は、光透過部のアウタ側の面よりインナ側に配置される第1の面と、第1の面からアウタ側に立ち上がる第2の面と、を有し、別部材の端部は段差部の第2の面に突き合せられ、段差部の第1の面は別部材に覆われてよい。この場合、段差部の第2の面と別部材の端部とを近接させることで、別部材とインナレンズとの見切り部付近に段差ができることを抑制することができるため、見栄えを向上することができる。
【0009】
別部材は、光非透過部のうちの少なくとも段差部と同じ色であってよい。この場合、別部材とインナレンズとの見切り部付近の構成を目立たないようにすることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一側面によれば、インナレンズに対して別部材を設ける場合に、見栄えを向上することができる車両用灯具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態に係る車両用灯具が設けられた車両を示す斜視図である。
【
図2】車両用灯具の下段ランプ及び上段ランプの長手方向における前側の先端部付近の構成を示す概略側面図である。
【
図3】
図2に示すIII―III線に沿った断面図である。
【
図4】
図2に示すIV-IV線に沿った断面図である。
【
図6】
図6(a)は、本発明の実施形態に係る車両用灯具の段差部付近の構成の拡大断面図であり、
図6(b)は、変形例に係る車両用灯具の段差部付近の構成の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0013】
図1は、本発明の実施形態に係る車両用灯具1が設けられた車両100を示す斜視図である。
図1に示すように、車両用灯具1は、車両100の前側に設けられて前方を照らす一対のヘッドライトとして構成されている。車両用灯具1は、複数のランプを備えている。具体的に、車両用灯具1は、下段ランプ2Aと、当該下段ランプ2Aの上側に形成される上段ランプ2Bと、を少なくとも備えている。下段ランプ2A及び上段ランプ2Bは、水平方向を長手方向として延びており、後端側で上方に延びている。以降、右側の車両用灯具1において、下段ランプ2A及び上段ランプ2Bの長手方向における前側の先端部付近の構成について詳細に説明する。なお、
図1~
図5には、右側の車両用灯具1の構成の位置関係を明確にするために、「FR」「OS」「UP」の矢印が示されている。「FR」は、車両前側を示す。「OS」は車幅方向の外側(右側)を示す。「UP」は、上側を示す。なお、本明細書における「前」「後」とは、車両100の前後を意味するものとする。
【0014】
図2は、車両用灯具1の下段ランプ2A及び上段ランプ2Bの長手方向における前側の先端部付近の構成を示す概略側面図である。
図2は、車両用灯具1を車幅方向の右側から見た図である。
図3は、
図2に示すIII―III線に沿った断面図である。
図4は、
図2に示すIV-IV線に沿った断面図である。
図5は、
図2に示すV-V線に沿った断面図である。
図2~
図5に示すように、車両用灯具1は、インナレンズ10と、エクステンション20(別部材)と、アウタレンズ30と、を少なくとも備えている。なお、
図2ではアウタレンズ30が省略されている。その他、各図において、車両用灯具1の部材が適宜省略されている。また、以降の説明において、「アウタ」とは、車両100の外側へ向かう方向を意味し、「インナ」とは、車両100の内側へ向かう方向を意味する。また、単に「長手方向D1」と言った場合は、ランプ2A,2Bの長手方向を意味するものとする。長手方向D1は、上側から見たときに、後方へ向かうに従って車幅方向の外側へ配置されるように、車両前後方向に対して傾斜する方向となっている(
図3及び
図4参照)。
【0015】
インナレンズ10は、図示されない光源からの光を透過させることで、アウタレンズ30側へ光を照射する部材である。インナレンズ10は、インナ側からの光を透過させる光透過部15A,15Bと、インナ側からの光を透過させずに遮蔽する光非透過部16と、を有する。光透過部15Aは、下段ランプ2Aの形状に形成されており、当該下段ランプ2Aの発光領域を構成する。光透過部15Bは、上段ランプ2Bの形状に形成されており、当該上段ランプ2Bの発光領域を構成する。
図2においては、光透過部15A,15Bにハッチングが付されている。また、
図3~
図5においては、光透過部15A,15Bのアウタ側の面が太線で示されている。インナレンズ10のうち、当該光透過部15A,15B以外の領域は、全て光非透過部16として構成されている。光透過部15Bは、光透過部15Aの上段側に配置される。光透過部15A,15Bは、長手方向D1に沿って延びている。
【0016】
インナレンズ10は、光透過性の材料によって構成されている。光非透過部16は、インナレンズ10の材料のアウタ側の面を塗装することによって構成される。一方、光透過部15A、15Bは、インナレンズ10の材料のアウタ側の面に塗料を塗ることなく未塗装部とすることによって構成される。
【0017】
インナレンズ10の形状について説明する。インナレンズ10は、下段ランプ2Aが形成された下段構造11Aと、上段ランプ2Bが形成された上段構造11Bと、を有する。上段構造11Bは、下段構造11Aの上側に配置されている。下段構造11A及び上段構造11Bは、主面11aと、上面11bと、下面11cと、をアウタ側に有する。主面11aは、アウタ側の位置で上下方向に広がると共に、長手方向D1に沿って延びる面である。上面11bは、主面11aの上側で、長手方向D1に沿って延びる面である。下面11cは、主面11aの下側で、長手方向D1に沿って延びる面である。
【0018】
これらの面のうち、下段構造11Aの主面11aが、光透過部15A(すなわち下段ランプ2A)のアウタ側の面を構成し、上段構造11Bの主面11aが、光透過部15B(すなわち上段ランプ2B)のアウタ側の面を構成する。下段構造11A及び上段構造11Bの上面11b及び下面11cは、光非透過部16となる。
【0019】
インナレンズ10において光非透過部16から光透過部15Aへ切り替わる部分には、アウタ側に段差部12A,13A,14Aが形成される。インナレンズ10において光非透過部16から光透過部15Bへ切り替わる部分には、アウタ側に段差部12B,13B,14Bが形成される。段差部12A,12Bは、光非透過部16から光透過部15A,15Bの上側の縁部へ切り替わる部分に形成される。従って、段差部12A,12Bは、主面11aの上側の縁部と上面11bとの間の部分に形成される。段差部13A,13Bは、光非透過部16から光透過部15A,15Bの下側の縁部へ切り替わる部分に形成される。従って、段差部13A,13Bは、主面11aの下側の縁部と下面11cとの間の部分に形成される。段差部14A,14Bは、光非透過部16から光透過部15A,15Bの長手方向D1の前側の縁部へ切り替わる部分に形成される。従って、段差部14A,14Bは、主面11aの長手方向D1の前側の縁部よりも前方の部分に形成される。以上より、光透過部15A,15Bの全周を取り囲むように段差部が形成される。
【0020】
ここで、
図6(a)を参照して、段差部14Aの構成について更に詳細に説明する。
図6(a)は、段差部14A付近の構成の拡大断面図である。なお、
図6(a)は、内容の理解を容易とするために、ポイントを強調して示すと共に、板厚や角度などをデフォルメして示している。なお、
図6(a)は、光透過部15Aの長手方向D1における前側の先端部15aの段差部14A付近の構造を示している。ただし、他の段差部も同様の構成を有するため、説明を省略する。
図6(a)に示すように、段差部14Aは、第1の面14aと、第2の面14bと、を有する。第1の面14aは、光透過部15Aのアウタ側の主面11aよりインナ側に配置される。第1の面14aは、主面11aが広がる平面方向に面するように広がる。ただし、第1の面14aは、主面11aに対して多少傾斜していてもよい。第2の面14bは、第1の面14aからアウタ側に立ち上がる。第2の面14bは、主面11aと交差する方向に広がる。ただし、第2の面14bは、主面11aに対して垂直でなくともよく、多少傾斜していてもよい。段差部14Aは、塗装時において、主面11aに塗料が塗られないようにするための治具を取り付ける際に用いられる。段差部14Aは、いわゆる塗装の切替棚として用いられる。段差部14Aの寸法は、治具を取り付けるために必要な寸法として、1.5mm以上であればよい。段差部14Aの寸法は、
図6(a)に示す断面視における、第1の面14aの長さ寸法(紙面左右方向の寸法)と、第2の面14bの長さ寸法(紙面上下方向の寸法)と、の合計の寸法である。
【0021】
図2~
図4に示すように、エクステンション20は、インナレンズ10とは別体の別部材として、光透過部15A,15Bの長手方向D1における先端部15a,15a側に設けられる。エクステンション20は、インナレンズ10から前側へ向かって長手方向D1に沿って延びる側壁部23と、当該側壁部23の前端部から車幅方向の内側へ延びる側壁部24と、を有する。また、
図2及び
図3に示すように、エクステンション20は、下段の光透過部15Aを透過する光の一部を長手方向D1の前側へ案内するガイド部21を有する。ガイド部21は、長手方向D1に沿って延びる内部空間を有しており、前側の端部で開口する光導出部22を有している。光導出部22は、下段ランプ2Aが主に光L1を発する方向とは交差する方向に光L2を発する(
図3参照)。すなわち、下段ランプ2Aが、車幅方向の外側へ向かうように斜め前方へ主に光L1を発するのに対し、光導出部22は、車幅方向の内側へ向かうように斜め前方へ光L2を発する。なお、ガイド部21の内部空間において、光導出部22は、光軸の全周を取り囲むような壁部22aを有する。これにより、光L2が内部空間で他の部位へ漏れることを抑制できる。
【0022】
図2~
図4に示すように、エクステンション20の後側の端部20aは、光透過部15A,15Bの先端部15a,15aにおける段差部14A,14Bに対して配置される。すなわち、エクステンション20の端部20aは、段差部14A,14Bと近接する位置に配置されており、光透過部15A,15Bを覆わないように配置されている。段差部14A,14B付近では、エクステンション20のキャラクタ線26の位置に関わらず、端部20aが段差部14A,14Bと近接するように配置されている。ただし、端部20aのうち、段差部14A,14Bに突き合わせられない箇所については、キャラクタ線に対応する位置に配置したり、その他の配置上の都合などに合わせて配置してよい。
【0023】
ここで、
図6(a)を参照して、段差部14A付近におけるエクステンション20の配置について、詳細に説明する。なお、段差部14B付近についても同様の構成を有するため、説明を省略する。
図6(a)に示すように、エクステンション20の端部20aは段差部14Aの第2の面14bに突き合せられる。この状態では、端部20aは、第2の面14bと僅かな空間を空けて、当該第2の面14bに近接する。端部20aは、少なくとも第1の面14aの後端付近の位置に配置される。これにより、段差部14Aの第1の面14aはエクステンション20に覆われる。すなわち、エクステンション20の端部20a付近において、エクステンション20のインナ側の側面20bが、第1の面14aと対向する。そして、アウタ側から見た時に、第1の面14aが、エクステンション20のアウタ側の側面20cに隠れた状態となる。アウタ側の側面20cは、第1の面14aよりも、厚み方向において主面11aと近い位置に配置される。従って、主面11aとアウタ側の側面20cとの間に形成される段差が小さくなり、見切り部70が目立たなくなる。
【0024】
上述の様に、段差部14Aは光非透過部16であるため、第1の面14a及び第2の面14bには塗料61が塗られている。エクステンション20のアウタ側の側面20cにも塗料62が塗られている。エクステンション20は、光非透過部16のうちの少なくとも段差部14Aと同じ色である。ここで、同じ色とは、完全に同一の色である必要はなく、視認した場合に同じ色と認識され得る程度に似た色であればよい。例えば、両者を黒系の色または白系の色のように、無彩色とした場合、明度が多少異なっていてもよい。また、両者を赤系、青系、緑系などの有彩色とした場合、色相が区別しにくい程度に同系統であればよく、彩度や明度が多少異なっていてもよい。なお、両者の表面の光沢感などの質感も、類似させることが好ましい。
【0025】
図3~
図5に示すように、アウタレンズ30は、インナレンズ10及びエクステンション20をアウタ側から覆うように配置される。ランプ2A,2Bからの光は、アウタレンズ30を介して車両用灯具1の外部へ出射される。
図5に示すように、インナレンズ10の光透過部15A,15Bのインナ側には、光を長手方向D1へ導く導光部材50A,50Bが設けられている。導光部材50A,50Bは、インナ側の支持部材40の支持部41A,41Bで支持される。
【0026】
次に、本実施形態に係る車両用灯具1の作用・効果について説明する。
【0027】
インナレンズ10は、長手方向D1に延びる光透過部15A,15Bを有する。ここで、光導出部22(
図3参照)のように、異なる方向へ光を出射する場合、インナレンズ10の長手方向D1における先端部15a側には、別部材としてのエクステンション20を設ける必要がある。インナレンズ10の一体成形で光導出部22を形成することは、製造上の制約などにより困難であるためである。
【0028】
このような場合、例えば、エクステンション20で光透過部15A,15Bの先端部15a付近を覆ってしまうような構成とした場合、ランプ2A,2Bの発光範囲が狭くなったり、エクステンション20が目立ってしまうことなどにより、車両用灯具1の見栄えが悪化してしまう可能性がある。
【0029】
これに対し、本実施形態に係る車両用灯具1では、エクステンション20の端部20aは、光透過部15A,15Bの先端部15aにおける段差部14A,14Bに対して配置される。これにより、エクステンション20は、光透過部15A,15Bを覆わないような構成となるため、ランプ2A,2Bの発光領域を狭くすることなく、目立たない位置に配置することができる。以上により、インナレンズ10に対してエクステンション20のような別部材を設ける場合に、見栄えを向上することができる。
【0030】
ここで、
図6(b)を参照して、変形例に係る車両用灯具1の段差部14A付近の構成について説明する。当該車両用灯具1では、エクステンション20の端部20aは、インナレンズ10の前側の端部10aと対向するように突き合わせられている。この場合、見切り部70の近くに、段差部14Aによる段差ができる。従って、当該段差が目立ってしまう。例えば、キャラクタ線の位置に見切り部70を形成したとしても、段差部14Aによる段差が目立ってしまい、キャラクタ線が目立ちにくくなる可能性がある。
【0031】
これに対し、
図6(a)に示すように、本実施形態に係る車両用灯具1では、段差部14Aは、光透過部15Aのアウタ側の主面11aよりインナ側に配置される第1の面14aと、第1の面14aからアウタ側に立ち上がる第2の面14bと、を有する。また、エクステンション20の端部20aは段差部14Aの第2の面14bに突き合せられ、段差部14Aの第1の面14aはエクステンション20に覆われる。この場合、段差部14Aの第2の面14bとエクステンション20の端部20aとを近接させることで、見切り部70付近に段差ができることを抑制することができるため、見栄えを向上することができる。また、見切り部70付近が目立たなくなるため、キャラクタ線26(
図4参照)を目立たせることができる。また、エクステンション20に段差部14Aの第1の面14aをもぐり込ませることができる分、光透過部15A(すなわち発光領域)を広くすることができる。
【0032】
また、エクステンション20は、光非透過部16のうちの少なくとも段差部14A,14Bと同じ色であってよい。この場合、エクステンション20とインナレンズ10との見切り部70付近の構成を目立たないようにすることができる。
【0033】
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。
【0034】
エクステンション20の端部20aの配置は、段差部14A,14Bに対して近接する位置に配置されていればよく、必ずしも上述の実施形態のような配置に限定されない。例えば、端部20aと第2の面14bとの間の隙間が多少大きくなってもよい。また、
図6(b)に示すような構成を採用してもよい。エクステンション20の端部20aが、段差部14Aに対して配置される状態とは、アウタ側から見た時に、端部20aが段差部14Aの第1の面14aと重なる状態であり、重ならない場合であっても、端部20aと段差部14A(インナレンズ10の端部10a)との間の隙間が、目立たない程度の寸法(例えば、第1の面14aの寸法以下)に抑えられている状態である。
【0035】
また、ランプの数は限定されず、一本であってもよく、三本以上であってもよい。また、ランプの形状は特に限定されずランプの長手方向がどのような向きに向いていてもよい。
【0036】
また、エクステンション20の色とインナレンズ10との色は互いに異なっていてもよい。
【符号の説明】
【0037】
1…車両用灯具、10…インナレンズ、11a…主面(アウタ側の面)、12A,12B,13A、13B,14A,14B…段差部、14a…第1の面、14b…第2の面、15A,15B…光透過部、16…光非透過部、20…エクステンション(別部材)、20a…端部。