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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】製袋充填機の縦シール装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 51/10 20060101AFI20240228BHJP
   B65B 51/14 20060101ALI20240228BHJP
【FI】
B65B51/10 M
B65B51/14
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020045715
(22)【出願日】2020-03-16
(65)【公開番号】P2021147059
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2023-01-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000151461
【氏名又は名称】株式会社東京自働機械製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】清水 晴樹
【審査官】西塚 祐斗
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第107284762(CN,A)
【文献】特開2014-118163(JP,A)
【文献】特開2018-135149(JP,A)
【文献】特開2010-275004(JP,A)
【文献】特開2016-137923(JP,A)
【文献】実開昭61-093408(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 51/10
B65B 51/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製袋チューブを囲うフィルムの両側縁部を加熱シールする製袋充填機の縦シール装置において、
開閉作動することで前記フィルムの両側縁部を加熱シールする一対のヒータブロックと、
前記ヒータブロックをそれぞれ支持する一対のヒータ保持部と、
前記一対のヒータ保持部をスライド可能に支持するガイド部材と、
前記一対のヒータ保持部に連結されていて作動時に前記一対のヒータブロックの間隔を伸縮作動させるアクチュエータと、
前記一対のヒータ保持部にそれぞれ連結された一対の係合部材と、
前記一対の係合部材のいずれか一方または両方に係合させることで、前記一対のヒータブロックの開閉作動パターンを決定する開閉規定部材と、を備え、前記一対のヒータブロックの開閉作動パターンは、前記一対のヒータブロックのうち一方のみを動作させるパターンと、前記一対のヒータブロックの両方を動作させるパターンと、が選択可能となっている
ことを特徴とする製袋充填機の縦シール装置。
【請求項2】
前記開閉規定部材は、ホルダと、前記ホルダに設けられていて一方の前記係合部材に選択的に係合可能な固定部材と、を備えた請求項1に記載された製袋充填機の縦シール装置。
【請求項3】
前記開閉規定部材は、ホルダと、前記ホルダに対して揺動可能に支持された揺動部材と、前記揺動部材の両側に設けられていて前記一対の係合部材にそれぞれ係合可能な連動部材と、を備えた請求項1に記載された製袋充填機の縦シール装置。
【請求項4】
前記開閉規定部材は、位置調整可能な調整部材を有する請求項1から3のいずれか1項に記載された製袋充填機の縦シール装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製袋充填機の縦シール装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、製袋充填機として、フィルム(包材)をフォーマから製袋チューブの周囲に筒状に成形し、筒状フィルムの両側縁部を一対のヒータブロックで挟み込んで加熱シールして縦シール部を製作する縦シール装置が知られている。
筒状フィルムの両側縁部を加熱シールした後、縦シール部を右倒れ、または左倒れする場合がある。縦シール部を加熱シールする際、フィルムの両側縁部に対して一方のヒータブロックを当接させて固定し、他方のヒータブロックを接近移動させて挟んで加熱シールするケースと、他方のヒータブロックを両側縁部に当接させて固定し、一方のヒータブロックを接近移動させて挟んで加熱シールするケースとがある。
【0003】
例えば特許文献1に記載された縦シール装置では、一対のヒータブロックを有するヒータマウントをそれぞれエアシリンダによって進退させてフィルムの両側縁部を挟み込んで加熱シールし縦シール部を形成する。縦シール部を左右いずれかの方向に倒す場合、一方のエアシリンダとヒータマウントの間にストッパーを装着して固定のヒータブロックとし、他方のヒータブロックを可動としている。
しかも、可動のヒータブロックの加熱温度を固定のヒータブロックの加熱温度よりも高くし、可動のヒータブロック側に倒れ癖を付与する。筒状フィルムが縦シール装置の下方に抜け出た後、折り込みガイドによって縦シール部の折り込みを確実にしている。可動のヒータブロック側のシリンダを作動させている間は固定側のヒータブロックのシリンダを休止させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-137923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の特許文献1に記載された製袋充填機の縦シール装置は、縦シール時に固定側のヒータブロックを常に加熱しているため包材によっては袋の仕上がりを損なうおそれがあった。これを改善するためにストッパーを除いて、2つのシリンダによって両側のヒータブロックを作動させて挟み込むことも考えられる。しかし、この場合、2つのヒータブロックの閉じ位置が2つのシリンダの押し合いによって決定されるため、ヒータブロックの閉じ位置がずれやすく安定しなかった。
【0006】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたもので、単一のアクチュエータによってヒータブロックを精度良く開閉作動できる製袋充填機の縦シール装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による製袋充填機の縦シール装置は、製袋チューブを囲うフィルムの両側縁部を加熱シールする製袋充填機の縦シール装置において、開閉作動することでフィルムの両側縁部を加熱シールする一対のヒータブロックと、ヒータブロックをそれぞれ支持する一対のヒータ保持部と、一対のヒータ保持部をスライド可能に支持するガイド部材と、一対のヒータ保持部に連結されていて作動時に一対のヒータブロックの間隔を伸縮作動させるアクチュエータと、一対のヒータ保持部にそれぞれ連結された一対の係合部材と、一対の係合部材のいずれか一方または両方に係合させることで一対のヒータブロックの開閉作動パターンを決定する開閉規定部材と、を備えたことを特徴とする。
本発明による製袋充填機の縦シール装置は、複数種類の開閉規定部材のいずれかを選択して一対の係合部材の少なくとも一方に係合させることができる。これによって、アクチュエータを作動した際に開閉規定部材によってヒータ保持部を選択的に接近離間作動させることで、連動する一対のヒータブロックを開閉作動させてフィルムの両側縁部を加熱シールすることができる。
【0008】
また、開閉規定部材は、ホルダと、ホルダに設けられていて一方の係合部材に選択的に係合可能な固定部材と、を備えていることが好ましい。
この開閉規定部材を選択した場合、一方の係合部材に固定部材を選択的に係合させることで一方のヒータ保持部及びヒータブロックを固定する。アクチュエータを作動させると他方の係合部材を含むヒータ保持部及びヒータブロックを連動させることによって、固定されたヒータブロックとの間でフィルムの両側縁部を加熱シールすることができる。
【0009】
また、開閉規定部材は、ホルダと、ホルダに対して揺動可能に支持された揺動部材と、揺動部材の両側に設けられていて一対の係合部材にそれぞれ係合可能な連動部材と、を備えていることが好ましい。
この開閉規定部材を選択した場合、一対の係合部材に連動部材を係合させることで、アクチュエータを作動させると一対の係合部材を含むヒータ保持部及びヒータブロックを連動させることによって、両側のヒータブロックを接近作動させてフィルムの両側縁部を挟んで加熱シールすることができる。
【0010】
また、開閉規定部材は、位置調整可能な調整部材を有することが好ましい。
選択された開閉規定部材の固定位置を調整部材によって位置調整することで、固定部材や連動部材を確実に一方または両方の係合部材に係合させることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明による製袋充填機の縦シール装置によれば、いずれかの開閉規定部材を選択して係合部材に係合させることで、1つのアクチュエータによって一対のヒータブロックの一方のみを開閉作動するか、一対のヒータブロックの両方を開閉作動させて、しかも加熱シール位置を精度良く設定できるので、縦シール装置の汎用性が向上した。しかも、1つのアクチュエータを用いてフィルムの両側縁部を加熱シールできるため、縦シール装置の製造コストを低廉にできる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態による製袋充填機の概略構成を示す要部説明図である。
図2】製袋充填機における縦シール装置を有する開閉機構を備えた要部斜視図である。
図3】縦シール装置の要部平面図である。
図4図3に示す縦シール装置のA-A線断面図である。
図5】第一開閉規定部材を示すもので、(a)は正面図、(b)は側面図である。
図6】第二開閉規定部材を示すもので、(a)は正面図、(b)は側面図である。
図7】第三開閉規定部材を示すもので、(a)は正面図、(b)は側面図である。
図8】縦シール装置の支持基板に装着される第一開閉規定部材及び第二開閉規定部材を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態による製袋充填機1の縦シール装置10について添付図面により説明する。
図1に示す実施形態による製袋充填機1は、供給されるフィルムfを製袋して内容物を充填した袋Fを製造する例えば縦型製袋充填機2と、縦型製袋充填機2にフィルムfを供給するフィルム供給装置3とを備えている。縦型製袋充填機2は、内容物を製袋チューブ6に投入するホッパ4を備えると共に供給されるフィルムfを成形するフォーマ5と、筒状のフィルムfを搬送する製袋チューブ6と、フィルムfを送り出す繰り出しベルト8と、を有している。製袋チューブ6の側部にはフィルムfの側縁部同士を重ね合わせた状態で縦シール部faを形成する縦シール装置10が設置され、製袋チューブ6の下側にはフィルムfを横シールして袋Fを形成する横シーラ11が設置されている。
【0014】
フィルム供給装置3は、シート状のフィルムfを繰り出すフィルムリール13と、複数のガイドローラ14と、フォーマ5へフィルムを供給するタンジェントローラ15と、を備えている。タンジェントローラ15は、袋Fのサイズに応じて変更されるフォーマ5の大きさに応じてフォーマ5との間の距離を調整可能とされている。
【0015】
図2乃至図8は縦型製袋充填機2における縦シール装置10の部分の要部構成を示すものである。
図2において、縦シール装置10は製袋チューブ6に対して接近離間可能な開閉機構18に設けられている。縦シール装置10の開閉機構18には互いに連結された上部支持プレート19と下部支持プレート20が上下二段に設けられている。上部支持プレート19及び下部支持プレート20の一方の端部には、縦シール装置10を製袋チューブ6に対してR方向に回動させて接近及び離間させる回転軸21が配設されている。
【0016】
回転軸21は開閉機構18の上部支持プレート19及び下部支持プレート20を開閉可能に支持している。回転軸21はその上下の受け部22a、22bを介して連結板22に回転可能に支持されている。連結板22にはシリンダ17が連結されており、シリンダ17を駆動することで縦シール装置10及び開閉機構18を製袋チューブ6から離間するようY軸方向に直線移動可能としている。
下部支持プレート20の下側には、縦シール装置10で縦シールした縦シール部faを左右いずれかの方向に倒して折り曲げる折り込みガイド24が設けられている。上部支持プレート19及び下部支持プレート20の製袋チューブ6側には縦シール装置10を装着した支持基板23が連結されている。
【0017】
次に、縦シール装置10について、図3から図8により説明する。
図3及び図4に示す縦シール装置10において、支持基板23は平面視略コの字状に形成されており、支持基板23の左右方向両端部23a、23aにはその上下位置に上部シャフト25と下部シャフト26がガイド部材として連結されている。上部シャフト25及び下部シャフト26の水平方向中央部には開閉可能な一対のヒータブロック28a、28bが間隔を開けて上下方向に平行に配設されている。
【0018】
対向するヒータブロック28a、28bの外側側部には、ヒータ保持部としてそれぞれ作動板29、30が連結されている。各作動板29、30にはその上下に2つの貫通孔がそれぞれ形成され、これらの貫通孔には筒状のスライダブロック31、32がそれぞれ装着されている。各スライダブロック31、32には上部シャフト25及び下部シャフト26が挿通されている。スライダブロック31、32は例えばリニアブッシュによって形成され、高精度に移動可能である。そのため、ヒータブロック28a、28b及び作動板29、30は上部シャフト25及び下部シャフト26に沿って左右方向にスライド移動可能で開閉作動する。
また、一方の作動板29には、その内側に第一係合部材34が水平方向に突出して固定され、その内部には垂直方向に延びた略長円筒状の嵌合孔34aが形成されている。他方の作動板30には、その内側に第二係合部材35が水平方向に突出して固定され、その内部には垂直方向に延びた略長円筒状の嵌合孔35aが形成されている。第一係合部材34と第二係合部材35は上下に位置ずれして逆方向に突出している。
【0019】
また、一方の作動板29の外側にはヒータブロック28aを開閉作動させるアクチュエータとしてシリンダ36のシリンダチューブ38が連結されている。シリンダ36はシリンダチューブ38とピストンロッド37とを備えている。シリンダチューブ38の中央には作動板29及び作動板30を貫通して延びるピストンロッド37が設けられている。ピストンロッド37は第一係合部材34及び第二係合部材35の間で水平方向に延びている。しかも、ピストンロッド37の先端部は他方の作動板30に連結されている。
シリンダ36を収縮させた場合、左右両側の作動板29、30を互いに接近移動させることが可能である。また、後述のように、第一係合部材34、第二係合部材35のいずれか一方が固定されていると他方のみが作動板29または作動板30と一体に移動可能であり、作動板29または作動板30に連結されたヒータブロック28aまたはヒータブロック28bも一体に移動可能である。
【0020】
次に、第一係合部材34及び第二係合部材35との関係で、一対のヒータブロック28a、28bの開閉作動パターンを選択できる開閉規定部材について図5乃至図7により説明する。
図5(a)、(b)は第一開閉規定部材40Aを示すものであり、ホルダ41は略長方形の上部に突部を有する板状部材であり、突部に形成された長穴41aに対して円柱状のローラ42を固定したものである。ローラ42は図4に示す第一係合部材34の嵌合孔34a内に嵌合可能な固定部材である。しかも、ホルダ41は、図3及び図8に示すように、支持基板23の中央に形成された窓枠23bの両側部にボルト44等で固定することができる。ローラ42は支持基板23の窓枠23bを通して第一係合部材34の嵌合孔34aに係合可能である。ローラ42を長穴41aを通してボルト43でホルダ41に取り付けることで、ローラ42の位置を調整可能である。
【0021】
第一開閉規定部材40のローラ42を上側の第一係合部材34の嵌合孔34aに嵌合させることで、一方の作動板29は支持基板23に固定される。作動板29に連結された一方のヒータブロック28aも固定状態に保持される。この状態でシリンダ36を収縮させると他方の作動板30及び他方のヒータブロック28bが接近移動して、一方のヒータブロック28aとの間で挟んでフィルムfの両側縁部を加熱シールすることができる。
【0022】
次に図6(a)、(b)は第二開閉規定部材46を示すものである。ホルダ47は略長方形に形成した板状部材であり、その裏面側にホルダ47に交差して配設された長板状の揺動レバー48が揺動部材として配設されている。揺動レバー48は図示しない軸受け、軸49を介してホルダ47の中央部に揺動可能に支持されている。揺動レバー48の両端部にはそれぞれカムフォロア50が支持されている。これらのカムフォロア50は第一係合部材34及び第二係合部材35の各嵌合孔34a、35a内に嵌合可能な連動部材である。
【0023】
ホルダ47の軸49の両側には長穴54がそれぞれ形成され、図8に示すように、長穴54に挿通させたボルト44によって支持基板23における窓枠23bの両側に固定可能である。長穴54にボルト44を挿通させることで、第二開閉規定部材46の取り付け位置を調整可能である。
【0024】
そのため、第二開閉規定部材46を支持基板23に固定した状態で揺動レバー48のカムフォロア50が第一係合部材34及び第二係合部材35の各嵌合孔34a、35a内に嵌合される。この状態でシリンダ36を収縮させると、左右の作動板29、30が接近してヒータブロック28a、28bが互いに当接してフィルムfの両側縁部を加熱シール可能である。作動板29の接近移動時にシリンダ36も一体に移動する。
左右の作動板29、30は揺動レバー48の揺動によって揺動レバー48の揺動中心を中心として等距離接離移動するため、ヒータブロック28a、28bの接近移動距離が揺動レバー48の揺動中心を中心として等しく、閉じ位置は同一位置に制御される。なお揺動レバー48の揺動に合わせてカムフォロア50が各嵌合穴34a、35aを上下方向に移動できるように各嵌合孔34a、35aは上下方向に延びた溝になっている。
【0025】
次に図7(a)、(b)に示す第三開閉規定部材40Bは第一開閉規定部材40Aを上下反転させたものである。ホルダ41に設けられたローラ42は下側の第二係合部材35の嵌合孔35aに嵌合させることで、他方の作動板30は支持基板23に固定される。作動板30に連結された他方のヒータブロック28bも固定状態に保持される。この状態でシリンダ36を収縮させると一方の作動板29が移動し、一方のヒータブロック28aが移動して固定したヒータブロック28bとの間でフィルムfの両側縁部を加熱シールすることができる。
【0026】
本実施形態による縦シール装置10において、製袋チューブ6を挿通するフィルムfの合掌する両側縁部を加熱シールする際、いずれか一方のヒータブロック28a、28bを固定し、他方のヒータブロック28b、28aを接近移動する場合には、第一開閉規定部材40A、第三開閉規定部材40Bのいずれかのローラ42を第一係合部材34または第二係合部材35の嵌合孔34a、35a内に嵌合させる。また、両方のヒータブロック28a、28bを互いに等しく接近させて加熱シールする場合には、第二開閉規定部材46の一対のカムフォロア50を第一係合部材34及び第二係合部材35の嵌合孔34a、35a内にそれぞれ嵌合させる。
そのため、図8において、第一開閉規定部材40A、第二開閉規定部材46、第三開閉規定部材40Bのいずれかを選択的に支持基板23に装着することができる。
【0027】
本実施形態による製袋充填機1の縦シール装置10は上述の構成を有しており、次にその使用方法について説明する。
図1に示す製袋充填機1では、フィルム供給装置3のフィルムリール13から繰り出されるフィルムfを、タンジェントローラ15を介して縦型製袋充填機2に供給して製袋しながら内容物を充填して袋Fを順次製造する。縦型製袋充填機2において、フォーマ5から製袋チューブ6に供給されるフィルムfは筒状に成形され、製袋チューブ6上のフィルムfは繰り出しベルト8によって下方に間欠搬送される。
また、製袋チューブ6で円筒状に成形されたフィルムfは、停止状態で両側縁部を縦シール装置10によって押圧され加熱シールされる。その後、製袋チューブ6の下側で横シーラ11によって袋Fの上端部及び次の袋Fの下端部が横シールされ、カッタによる切断が行われて袋Fが製造される。
【0028】
このような製袋充填機1におけるフィルムfの縦シール装置10の使用方法について説明する。
袋Fの縦シール部faの折り込み方向を例えば右側にする場合、図5に示す第一開閉規定部材40Aを選択して縦シール装置10における支持基板23の窓枠23bの両側にボルト44で装着し、ローラ42を第一係合部材34の嵌合孔34aに挿入する。そして、縦型製袋充填機2の製袋チューブ6にフィルムfを供給して送ることで両側縁部を合掌状態に成形する。そしてフィルムfを間欠搬送することで両側縁部を縦シール装置10のヒータブロック28a、28bの間に挿入する。
【0029】
第一係合部材34の嵌合孔34aに第一開閉規定部材40Aのローラ42が嵌合されているので一方のヒータブロック28a及び作動板29は固定状態に保持されている。この状態でシリンダ36が収縮すると他方の作動板30が一方の作動板29に向けて接近移動する。
これによって、他方(可動)のヒータブロック28bが接近移動して一方(固定)のヒータブロック28aとの間でフィルムfの両側縁部を挟んで加熱シールし、その後離間する。加熱シールの際、他方のヒータブロック28bの加熱温度は一方のヒータブロックより高温に設定されている。そのため、他方のヒータブロック28bが離間すると両側縁部の縦シール部faに右向きの倒れ癖を付与する。その後、筒状のフィルムfがヒータブロック28a、28bの下側へ移動すると折り込みガイド24によって縦シール部faが右側に折り込まれる。
【0030】
また、袋Fの縦シール部faの折り込み方向を例えば左側にする場合、図7に示す第三開閉規定部材40Bを選択して縦シール装置10における支持基板23の窓枠23bの両側にボルト44で装着し、ローラ42を第二係合部材35の嵌合孔35aに挿入する。この状態でシリンダ36を駆動しても、第二係合部材35の嵌合孔35aにローラ42が嵌合しているのでピストンロッド37は移動しない。他方のヒータブロック28b及び作動板30は固定状態に保持されている。
【0031】
一方、シリンダ36の収縮によって一方の作動板29がシリンダ36のシリンダチューブ38と一体に他方の作動板30に向けて接近移動する。これによって、一方(可動)のヒータブロック28aが他方(固定)のヒータブロック28bとの間でフィルムfの両側縁部を挟んで加熱シールし、その後離間する。加熱シールの際、一方(可動)のヒータブロック28aの加熱温度は他方(固定)のヒータブロック28bより高温に設定されている。そのため、一方のヒータブロック28aが離間すると両側縁部の縦シール部faに左向きの倒れ癖を付与する。その後、筒状のフィルムfがヒータブロック28a、28bの下側へ移動すると折り込みガイド24によって縦シール部faが左側に折り込まれる。
【0032】
これらの場合、固定側のヒータブロック28a、28bでフィルムfの両側縁部を常に加熱することでフィルムfによっては袋Fの仕上がりを損なうことがある。この場合には、筒状のフィルムrの両側縁部を両開きのヒータブロック28a、28bで加熱シールする。即ち、図6に示す第二開閉規定部材46を選択して縦シール装置10における支持基板23の窓枠23bの両側にボルト44で装着し、カムフォロア50を第一係合部材34及び第二係合部材35の嵌合孔34a、35aに挿入する。
【0033】
この状態でシリンダ36が収縮すると、一方の作動板29及び他方の作動板30が互いに接近方向に移動する。一方の作動板29は第一係合部材34とカムフォロア50を介して揺動レバー48に係合し、他方の作動板30も第二係合部材35カムフォロア50を介して揺動レバー48に係合しているので、一方の作動板29及び他方の作動板30の接近方向への移動は揺動レバー48を時計方向に揺動させる。そして一方の作動板29と他方の作動板が互いに接近方向に移動する際の移動距離は、揺動レバー48の揺動中心に対して水平方向に等距離である。よって、一方の作動板29に連結したヒータブロック28aと他方の作動板30に連結したヒータブロック28bは揺動レバー48の揺動中心を中心として等距離移動して筒状フィルムfの両側縁部を両側から挟み込んで加熱シールする。なお、第一係合部材34の嵌合孔34a、第二係合部材35の嵌合孔35aは、ヒータブロック28a、28bの開閉方向に対して直交する方向の長穴なので、揺動時のカムフォロア50の移動が可能になっている。ヒータブロック28a、28bが開閉移動する場合でも、縦シール部faを倒す側のヒータブロック28a、28bを他方より高温にするものとする。その後、シリンダ36を伸長すると、一方の作動板29と他方の作動板30は揺動レバー48を反時計方向に揺動させながら互いに離間する方向に移動し、ヒータブロック28a、28bを離間させる。
しかも、第二開閉規定部材46のホルダ47は長穴54、54を有し、ホルダ47の位置を変えることにより軸49の位置を移動できるので、両開きで作動するヒータブロック28a、28bの閉じ位置を所定の位置に設定できる。
【0034】
上述したように本実施形態による製袋充填機1の縦シール装置10によれば、第一開閉規定部材40A、第二開閉規定部材46、第三開閉規定部材40Bのいずれかを選択的に支持基板23に装着することで、ヒータブロック28a、28bの開閉作動パターンを変更することができる。
第一開閉規定部材40A及び第三開閉規定部材40Bを選択した場合にはヒータブロック28a、28bの一方を固定するため、縦シール部faの倒れ方向を容易に変更できる。また、第二開閉規定部材46を選択した場合には両開き方式に変更できるため、固定側のヒータブロック28a、28bによってフィルムfを常に加熱すると仕上がりを損ねる場合には特に有効である。しかも、縦シール部faの閉じ位置が変動することなく所定の位置に設定できる。
【0035】
また、第一開閉規定部材40A、第二開閉規定部材46、第三開閉規定部材40Bの支持基板23への装着位置をホルダ41、47の長穴41a、54によって調整できるため縦シール位置を容易に変更できて、汎用性が高い。
しかも、1つのシリンダ36によって一対のヒータブロック28a、28bの加熱シール位置を精度良く設定できるため、縦シール装置10の製造コストを低廉にできる。
【0036】
以上、本発明の実施形態による製袋充填機1の縦シール装置10について詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜の変更や置換等が可能であり、これらはいずれも本発明に含まれる。
以下に、本発明の変形例等について説明するが、上述した実施形態と同一または同様な部分、部材には同一の符号を用いて説明を省略する。
【0037】
上述した実施形態において、第一係合部材34及び第二係合部材35にそれぞれ嵌合孔34a、35aを形成し、第一開閉規定部材40A及び第三開閉規定部材40Bにローラ42、第二開閉規定部材46にカムフォロア50を設けて係合させている。しかし、この構成に代えて、第一係合部材34及び第二係合部材35にローラ42、カムフォロア50等の係合凸部を設け、第一開閉規定部材40A、第二開閉規定部材46、第三開閉規定部材40Bに嵌合孔34a、35a等の係合凹部を設けて互いに係合可能としてもよい。
また、第一開閉規定部材40A、第三開閉規定部材40Bにおけるローラ42は固定部材に含まれ、第二開閉規定部材46におけるカムフォロア50は連動部材に含まれる。
【0038】
また、上述した実施形態において、ホルダ41、47の長穴41a、54は調整部材に含まれる。
上述した実施形態では、製袋充填機1の縦型製袋充填機2における縦シール装置10について説明したが、本発明は横型製袋充填機にも採用することもできる。この場合、縦シール装置10は横シール装置とすることができ、これらは縦シール装置に含まれる。
【符号の説明】
【0039】
1 製袋充填機
2 縦型製袋充填機
6 製袋チューブ
10 縦シール装置
18 開閉機構
24 折り込みガイド
23 支持基板
25 上部シャフト
26 下部シャフト
28a、28b ヒータブロック
29,30 作動板
31、32 スライダブロック
34 第一係合部材
34a、35a 嵌合孔
35 第二係合部材
36 シリンダ
37 ピストンロッド
40A 第一開閉規定部材
40B 第三開閉規定部材
41、47 ホルダ
42 ローラ
50 カムフォロア
46 第二開閉規定部材
48 揺動レバー
49 軸
f フィルム
fa 縦シール部
F 袋

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8