IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニック株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-タイムスイッチ 図1
  • 特許-タイムスイッチ 図2
  • 特許-タイムスイッチ 図3
  • 特許-タイムスイッチ 図4
  • 特許-タイムスイッチ 図5
  • 特許-タイムスイッチ 図6
  • 特許-タイムスイッチ 図7
  • 特許-タイムスイッチ 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】タイムスイッチ
(51)【国際特許分類】
   G04G 15/00 20060101AFI20240228BHJP
   G04G 21/00 20100101ALI20240228BHJP
【FI】
G04G15/00 B
G04G15/00 P
G04G15/00 Z
G04G21/00 304T
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020139180
(22)【出願日】2020-08-20
(65)【公開番号】P2022035092
(43)【公開日】2022-03-04
【審査請求日】2023-04-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】西部 隆
(72)【発明者】
【氏名】中村 隆司
(72)【発明者】
【氏名】山岸 正洋
【審査官】榮永 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-190290(JP,A)
【文献】特開昭62-170879(JP,A)
【文献】特開平9-152932(JP,A)
【文献】特開昭62-274291(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04G 3/00 - 99/00
G06F 3/02 - 3/027
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷及び電源が接続される端子部と、
前記端子部に接続された負荷及び電源の電気的な接続をオン及びオフするスイッチ部と、
前記スイッチ部がオンするオン時刻、及び、前記スイッチ部がオフするオフ時刻を設定するための操作をユーザから受け付ける操作受付部と、
前記操作受付部への操作を検知する制御部と
前記端子部に電源が接続されているか否かを検出する検出部とを備え、
前記制御部は、
前記検出部の検出結果を取得し、取得した前記検出結果に基づいて、前記端子部に前記電源が接続されているか否かを判定し、
前記端子部に前記電源が接続されているときには、前記操作受付部への操作に対して第一周期の検知を行い、
前記端子部に前記電源が接続されていないときには、(a)前記操作受付部への操作に対して、前記第一周期の検知と前記第一周期よりも長い第二周期の検知とを併用する、または、(b)前記操作受付部への操作に対して前記第一周期の検知を行う
タイムスイッチ。
【請求項2】
前記制御部は、
前記端子部に前記電源が接続されていないときに、第一モードの動作及び第二モードの動作を選択的に行い、
前記第一モードの動作において前記操作受付部への操作に対して前記第一周期の検知を行い、かつ、前記第二モードの動作において前記操作受付部への操作に対して前記第二周期の検知を行うことにより、前記第一周期の検知と前記第二周期の検知とを併用する
請求項1に記載のタイムスイッチ。
【請求項3】
前記制御部は、前記第一モードの動作中の前記第一周期の検知により、(a)前記第一モードから第二モードへの遷移を指示する操作が行われたと判定した場合、及び、(b)一定期間の間、前記操作受付部への操作が行われなかったと判定した場合に、前記第二モードへ遷移する
請求項2に記載のタイムスイッチ。
【請求項4】
前記操作受付部は、キーマトリクス回路を含み、
前記制御部は、前記端子部に前記電源が接続されていないときに、前記キーマトリクス回路が出力する信号のエッジを検出したことを契機に、前記操作受付部への操作に対して前記第一周期の検知を行う
請求項1に記載のタイムスイッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザによって設定されたタイムスケジュールにしたがって負荷をオン及びオフするタイムスイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
タイムスイッチは、ユーザによって設定されたタイムスケジュールにしたがって負荷をオン及びオフする装置である。このようなタイムスイッチとして、特許文献1には、日の出時刻及び日の入時刻のデータを内蔵することで、日の入時刻に負荷をオンし、日の出時刻に負荷をオフすることが可能なソーラタイムスイッチが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平09-269387号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
タイムスイッチのユーザは、ハードウェアキーなどによって実現される操作受付部へ操作を行うことで設定を行うことができる。
【0005】
本発明は、操作受付部へのユーザの操作に対する反応を向上することができるタイムスイッチを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るタイムスイッチは、負荷及び電源が接続される端子部と、前記端子部に接続された負荷及び電源の電気的な接続をオン及びオフするスイッチ部と、前記スイッチ部がオンするオン時刻、及び、前記スイッチ部がオフするオフ時刻を設定するための操作をユーザから受け付ける操作受付部と、前記操作受付部への操作を検知する制御部とを備え、前記制御部は、前記端子部に前記電源が接続されているときには、前記操作受付部への操作に対して第一周期の検知を行い、前記端子部に前記電源が接続されていないときには、(a)前記操作受付部への操作に対して、前記第一周期の検知と前記第一周期よりも長い第二周期の検知とを併用する、または、(b)前記操作受付部への操作に対して前記第一周期の検知を行う。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様に係るタイムスイッチは、操作受付部へのユーザの操作に対する反応を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施の形態に係るタイムスイッチの外観斜視図である。
図2図2は、実施の形態に係るタイムスイッチの機能構成を示すブロック図である。
図3図3は、実施の形態に係るタイムスイッチの基本動作のフローチャートである。
図4図4は、キーマトリクス回路の回路構成を示す図である。
図5図5は、ローレベルとなるタイミングが互いに異なる検知信号を示す図である。
図6図6は、実施の形態に係るタイムスイッチの動作例1のフローチャートである。
図7図7は、実施の形態に係るタイムスイッチの動作例2のフローチャートである。
図8図8は、実施の形態に係るタイムスイッチの待機モードへの遷移動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0010】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0011】
(実施の形態)
[構成]
まず、実施の形態に係るタイムスイッチの構成について説明する。図1は、実施の形態に係るタイムスイッチの外観斜視図である。図2は、実施の形態に係るタイムスイッチの機能構成を示すブロック図である。
【0012】
タイムスイッチ10は、操作受付部13への操作を通じて設定されたタイムスケジュールにしたがって、端子部11に接続された負荷(図示せず)及び電源(図示せず)の電気的な接続をオン及びオフする(以下、単に「負荷をオン(オフ)する」とも記載される)装置である。タイムスイッチ10は、具体的には、端子部11と、スイッチ部12と、操作受付部13と、表示部14と、記憶部15と、制御部16と、計時部17と、電池部18と、検出部19とを備える。
【0013】
端子部11には、負荷及び電源が接続される。負荷は、例えば、街路灯、照明、及び、看板などである。端子部11は、例えば、ネジによって負荷及び電源を固定する構造を有する。端子部11の回路構成については特に限定されない。端子部11の回路構成は、負荷が接続される端子間に電源の電圧が印加される有電圧出力構成であってもよいし、負荷が接続される端子間に電源の電圧が印加されない無電圧出力構成であってもよい。端子部11には、複数の負荷が取り付けられる場合もある。
【0014】
スイッチ部12は、端子部に接続された負荷及び電源の電気的な接続をオン及びオフする。スイッチ部12は、例えば、リレー素子、及び、リレー素子の駆動回路によって実現されるが、パワートランジスタ、及び、パワートランジスタの駆動回路によって実現されてもよい。スイッチ部12の接点構成は、特に限定されない。スイッチ部12は、c接点構成(つまり、単極双投)であってもよいし、a接点構成(つまり、単極単投)であってもよい。なお、端子部11に複数の負荷が取り付けられる場合、タイムスイッチ10は、複数の負荷に対応して複数のスイッチ部12を備える場合がある。
【0015】
操作受付部13は、タイムスイッチ10に関連する各種操作を受け付けるユーザインターフェースである。操作受付部13は、具体的には、スイッチ部12がオンするオン時刻の設定操作、及び、スイッチ部12がオフするオフ時刻の設定操作などを受け付ける。操作受付部13は、例えば、ハードウェアキー(ハードウェアボタン)、及び、スライドスイッチなどによって実現される。
【0016】
表示部14は、ユーザが設定内容などを確認するための情報を表示する表示パネルである。表示部14は、例えば、液晶パネルによって実現されるが、有機ELパネルなどのその他の表示パネルによって実現されてもよい。
【0017】
記憶部15は、操作受付部13によって受け付けられた操作に基づく各種設定が設定情報として記憶される記憶装置である。記憶部15は、例えば、半導体メモリによって実現される。
【0018】
制御部16は、スイッチ部12のオン及びオフ(つまり、負荷及び電源の電気的な接続のオン及びオフ)を制御する制御装置である。制御部16は、具体的には、記憶部15に記憶された設定情報に基づいてスイッチ部12に制御信号を送信する。制御部16は、例えば、マイクロコンピュータまたはプロセッサなどによって実現される。なお、記憶部15は、制御部16に内蔵されてもよい。
【0019】
計時部17は、現在の日時を計測するタイマ装置である。計時部17は、例えば、リアルタイムクロックによって実現される。
【0020】
電池部18は、電池と、当該電池を収容する電池収容部(電池が収容される凹部)によって構成され、タイムスイッチ10が備える各構成要素(制御部16等)に電力を供給する。電池は、乾電池であってもよいし、蓄電池(充電が可能な電池)であってもよい。
【0021】
検出部19は、端子部11に電源が接続されているか否かを検出する。検出部19は、例えば、電源が接続される2つの端子間の電圧を監視する回路であるが、上記2つの端子間に流れる微弱電流を検出する回路であってもよい。
【0022】
[基本動作]
次に、タイムスイッチ10の基本動作について説明する。図3は、タイムスイッチ10の基本動作のフローチャートである。
【0023】
まず、操作受付部13は、初期設定操作をユーザから受け付ける(S11)。初期設定操作には、現在時刻の設定操作、及び、タイムスイッチ10の使用地域の設定操作などが含まれる。
【0024】
次に、操作受付部13は、スイッチ部12がオンするオン時刻の設定操作をユーザから受け付ける(S12)。操作受付部13によってオン時刻の設定操作が受け付けられると、オン時刻の設定情報が記憶部15に記憶される。
【0025】
オン時刻の設定の選択肢には、日の入設定、日の出設定、及び、定時設定の3つが含まれる。日の入設定は、日の入時刻にスイッチ部12がオンする設定である。日の出設定は、日の出時刻にスイッチ部12がオンする設定である。定時設定は、ユーザが指定する時刻にスイッチ部12がオンする設定である。
【0026】
次に、操作受付部13は、スイッチ部12がオフするオフ時刻の設定操作を受け付ける(S13)。操作受付部13によってオフ時刻の設定操作が受け付けられると、オフ時刻の設定情報が記憶部15に記憶される。
【0027】
オフ時刻の設定の選択肢には、日の入設定、日の出設定、及び、定時設定の3つが含まれる。日の入設定は、日の入時刻にスイッチ部12がオフする設定である。日の出設定は、日の出時刻にスイッチ部12がオフする設定である。定時設定は、ユーザ指定の時刻にスイッチ部12がオフする設定である。
【0028】
次に、制御部16は、記憶部15に記憶された設定情報に基づいてスイッチ部12のオン及びオフを制御する(S14)。制御部16は、具体的には、計時部17によって計測される現在の時刻がステップS12において設定されたオン時刻になると、スイッチ部12をオンする。また、制御部16は、計時部17によって計測される現在の時刻がステップS13において設定されたオフ時刻になると、スイッチ部12をオフする。つまり、オン時刻からオフ時刻までの間、スイッチ部12はオン状態となる。
【0029】
[キーマトリクス回路]
操作受付部13は、キーマトリクス回路を含み、制御部16は、操作受付部13(ハードウェアキー)へのユーザの操作を、キーマトリクス回路から出力される信号に基づいて検知する。ここで、キーマトリクス回路について説明する。図4は、キーマトリクス回路の回路構成を示す図である。図4は、一例として、ハードウェアキーを16個有するキーマトリクス回路13aを示しており、ハードウェアキーは、SW1~SW16と記載される。
【0030】
制御部16は、IN1~IN4の4つの入力端子と、OUT1~OUT4の4つの出力端子とを備える。キーマトリクス回路13aにより、OUT1は、SW1を介してIN1に接続され、SW5を介してIN2に接続され、SW9を介してIN3に接続され、SW13を介してIN4に接続されている。また、キーマトリクス回路13aにより、OUT2は、SW2を介してIN1に接続され、SW6を介してIN2に接続され、SW10を介してIN3に接続され、SW14を介してIN4に接続されている。
【0031】
同様に、キーマトリクス回路13aにより、OUT3は、SW3を介してIN1に接続され、SW7を介してIN2に接続され、SW11を介してIN3に接続され、SW15を介してIN4に接続されている。キーマトリクス回路13aにより、OUT4は、SW4を介してIN1に接続され、SW8を介してIN2に接続され、SW12を介してIN3に接続され、SW16を介してIN4に接続されている。
【0032】
IN1~IN4の4つの入力端子は、プルアップ抵抗に接続されており、通常はハイレベルとなっている。制御部16は、OUT1~OUT4のそれぞれから、ローレベルとなるタイミングが互いに異なる検知信号を検知周期Tで出力する。図5は、ローレベルとなるタイミングが互いに異なる検知信号を示す図である。例えば、ユーザによってSW1が押されている間は、OUT1から出力されている検知信号がIN1に入力される。制御部16は、IN1に入力される信号が、OUT1から出力される検知信号と同期して連続n回(例えば、n=4)ローレベルになったことを検知すると、SW1が押されたと判定する。制御部16は、SW2~SW16についても同様の判定を行うことができる。このように、制御部16は、キーマトリクス回路13aから出力される信号に基づいて、SW1~SW16のいずれが操作(押下)されたかを判定することができる。
【0033】
なお、図4に示されるような回路構成は一例である。例えば、IN1~IN4の4つの入力端子は、プルダウン抵抗に接続されており、制御部16は、OUT1~OUT4のそれぞれから、ハイレベルとなるタイミングが互いに異なる検知信号を検知周期Tで出力してもよい。
【0034】
[動作例1]
一般的なタイムスイッチにおいては、電源が端子部11に接続されている間は、検知周期T=T1(例えば、15.625ms)で検知が行われ、電源が端子部11に接続されていない間は、検知周期T=T2(例えば、500ms)で検知が行われる。第二周期T2は、第一周期T1よりも長い周期である。これにより、電源が端子部11に接続されていない間は、消費電流が抑制される利点があるが、操作受付部13(ハードウェアキー)が押されたことがT2×n秒後に確定するため、ユーザの操作に対する反応は悪くなる。つまり、一般的なタイムスイッチにおいては、電源が端子部11に接続されていないときのユーザの操作に対する反応が悪いことが課題である。
【0035】
このような課題に対し、タイムスイッチ10では、電源が端子部11に接続されていないときにおいてもユーザの操作が行われる可能性が高い場合には、第一周期T1で検知を行う。図6は、このようなタイムスイッチ10の動作例1のフローチャートである。
【0036】
まず、制御部16は、端子部11に電源が接続されているか否かを判定する(S21)。制御部16は、具体的には、検出部19の検出結果を取得し、取得した検出結果に基づいて、端子部11に電源が接続されているか否かを判定する。
【0037】
制御部16は、端子部11に電源が接続されていると判定した場合(S21でYes)、操作受付部13へのユーザの操作(ハードウェアキーの押下)に対して第一周期T1(例えば、15.625ms)の検知を行う(S22)。制御部16は、具体的には、OUT1~OUT4のそれぞれから、ローレベルとなるタイミングが互いに異なる検知信号を第二周期T2で出力する。
【0038】
一方、制御部16は、端子部11に電源が接続されていないと判定した場合(S21でNo)、待機モードの動作中であるか否かを判定する(S23)。待機モードにおいて、制御部16は、表示部14に現在時刻を表示させる処理などを行う。待機モードは、ユーザが操作受付部13に対して頻繁に操作を行わないと考えられるモードである。
【0039】
制御部16は、待機モードの動作中であると判定した場合(S23でYes)、操作受付部13へのユーザの操作に対して第二周期T2(例えば、500ms)の検知を行う(S24)。制御部16は、具体的には、OUT1~OUT4のそれぞれから、ローレベルとなるタイミングが互いに異なる検知信号を第一周期T1で出力する。
【0040】
一方、制御部16は、待機モードと異なる他のモードの動作中であると判定した場合(S23でNo)、操作受付部13へのユーザの操作に対して第一周期T1(15.625ms)の検知を行う(S22)。他のモードは、待機モードよりもユーザが操作受付部13に対して頻繁に操作を行うと考えられるモードである。他のモードは、例えば、ユーザがオン時刻及びオフ時刻の設定を行う設定モードなどであるが、特に限定されない。
【0041】
このように、タイムスイッチ10は、電源が端子部11に接続されていないときに、第一周期T1の検知と第一周期T1よりも長い第二周期T2の検知とを併用する。タイムスイッチ10は、具体的には、電源が端子部11に接続されていないときであっても、待機モードと異なるモード(例えば、操作の頻度が高いモード)で動作しているときには、第二周期T2よりも短い第一周期T1で検知を行う。このようなタイムスイッチ10は、電源が端子部11に接続されていないときのユーザの操作に対する反応を向上させることができる。
【0042】
[動作例2]
動作例1では、待機モードにおいて第二周期T2の検知を行ったが、待機モードにおいては、第二周期T2の検知に代えて、キー入力の割り込み処理(信号のエッジ検出)を行ってもよい。図7は、このようなタイムスイッチ10の動作例2のフローチャートである。なお、図7のフローチャートは、端子部11に電源が接続されていないときの動作を示している。図7では図示されないが、動作例2においても、制御部16は、端子部11に電源が接続されているときには、第一周期T1の検知を行う。
【0043】
制御部16は、待機モードに遷移すると(S31)、周期的な検知(つまり、OUT1~OUT4からの検知信号の出力)を行わず、OUT1~OUT4からローレベルの信号を出力する(S32)。これにより、操作受付部13に何らかの操作(具体的には、SW1~SW16のいずれかの押下)が行われると、キーマトリクス回路13aからIN1~IN4に入力される信号のいずれかがハイレベルからローレベルに変化する。つまり、IN1~IN4に信号の立下りエッジが発生する。
【0044】
制御部16は、IN1~IN4に信号の立下りエッジが発生したか否かを判定する(S33)。ステップS32におけるローレベルの信号の出力と、ステップS32における判定とは、立下りエッジが発生するまで繰り返される(S33でNo)。制御部16は、立下りエッジが発生したと判定すると(S33でYes)、これを契機に第一周期T1の検知を開始する(S34)。制御部16は、具体的には、OUT1~OUT4のそれぞれから、ローレベルとなるタイミングが互いに異なる検知信号を第一周期T1で出力する。
【0045】
次に、制御部16は、第一周期T1の検知に基づいて操作受付部13へ何らかの操作が行われたか否かを判定する(S35)。制御部16は、何らかの操作が行われたと判定すると(S35でYes)、操作に応じた処理を行う(S36)。この場合、待機モードに戻るまでの間、第一周期T1の検知が継続される。
【0046】
一方、制御部16は、何も操作が行われなかった(例えば、第一周期T1の検知を開始してから一定期間、いずれのハードウェアキーも押されなかった)と判定すると(S35でNo)、第一周期T1の検知を中止してOUT1~OUT4からローレベルの信号を出力する(S32)。
【0047】
このように、タイムスイッチ10は、電源が端子部11に接続されていないときであっても、第二周期T2よりも短い第一周期T1で検知を行う。このようなタイムスイッチ10は、電源が端子部11に接続されていないときのユーザの操作に対する反応を向上させることができる。
【0048】
[待機モードへの遷移]
上述のように、制御部16は、端子部11に電源が接続されていないときには、待機モード以外の他のモード(例えば、設定を受け付ける設定モードなど。第一モードの一例)の動作及び待機モード(第二モードの一例)の動作を選択的に行う。ここで、他のモードから待機モードへ遷移する場合の動作について説明する。図8は、待機モードへの遷移動作のフローチャートである。
【0049】
制御部16は、他のモードの動作中に(S41)、第一周期T1の検知を行う(S42)。制御部16は、第一周期T1の検知により、他のモードから待機モードへの遷移を指示する操作が行われたか否かを判定する(S43)。制御部16は、他のモードから待機モードへの遷移を指示する操作が行われたと判定すると(S43でYes)、待機モードに遷移する(S44)。
【0050】
一方、制御部16は、他のモードから待機モードへの遷移を指示する操作が行われなかったと判定すると(S43でNo)、一定期間の間に、操作受付部13へ、待機モードへの遷移を指示する操作以外の何らかの操作が行われたか否かを判定する(S45)。制御部16は、一定期間の間に操作受付部13へ何らかの操作が行われたと判定すると(S45でYes)、他のモードの動作を維持する(S41)。なお、ステップS45において待機モード以外のモードへの遷移を指示する操作が行われたと判定した場合には、指示されたモードへ遷移する処理が行われる。
【0051】
一方、制御部16は、一定期間の間に操作受付部13へ何の操作も行われてないと判定すると(S45でNo)、待機モードへ遷移する(S44)。
【0052】
以上説明したように、制御部16は、他のモードの動作中の第一周期の検知により、他のモードから待機モードへの遷移を指示する操作が行われたと判定した場合、及び、一定期間の間、操作受付部13への操作が行われなかったと判定した場合に、待機モードへ遷移する。
【0053】
[効果等]
以上説明したように、タイムスイッチ10は、負荷及び電源が接続される端子部11と、端子部11に接続された負荷及び電源の電気的な接続をオン及びオフするスイッチ部12と、スイッチ部12がオンするオン時刻、及び、スイッチ部12がオフするオフ時刻を設定するための操作をユーザから受け付ける操作受付部13と、操作受付部13への操作を検知する制御部16とを備える。制御部16は、端子部11に電源が接続されているときには、操作受付部13への操作に対して第一周期の検知を行い、端子部11に電源が接続されていないときに、(a)操作受付部13への操作に対して、第一周期T1の検知と第一周期T1よりも長い第二周期T2の検知とを併用する、または、(b)操作受付部13への操作に対して第一周期T1の検知を行う。
【0054】
このようなタイムスイッチ10は、端子部11に電源が接続されていないときも端子部11に電源が接続されているときと同じ周期で操作に対する検知を行う。このため、タイムスイッチ10は、端子部11に電源が接続されていないときに検知の周期を長くする一般的なタイムスイッチよりも、操作受付部13への操作に対する反応を向上することができる。
【0055】
また、例えば、制御部16は、端子部11に電源が接続されていないときに、第一モードの動作及び第二モードの動作を選択的に行う。制御部16は、第一モードの動作において操作受付部13への操作に対して第一周期T1の検知を行い、かつ、第二モードの動作において操作受付部13への操作に対して第二周期T2の検知を行うことにより、第一周期T1の検知と第二周期T2の検知とを併用する。第一モードは、上記実施の形態では他のモードであり、第二モードは、上記実施の形態では待機モードである。
【0056】
このようなタイムスイッチ10は、第二モードの動作中に消費電力の抑制を優先し、かつ、第一モードの動作中に操作受付部13への操作に対する反応の向上を優先することができる。第一モードとしてユーザの操作が行われる頻度が少ないと考えられるモードが採用されれば、操作受付部13への操作に対する反応が効率的に向上される。
【0057】
また、例えば、制御部16は、第一モードの動作中の第一周期T1の検知により、(a)第一モードから第二モードへの遷移を指示する操作が行われたと判定した場合、及び、(b)一定期間の間、操作受付部13への操作が行われなかったと判定した場合に、第二モードへ遷移する。
【0058】
このようなタイムスイッチ10は、第一モードとして待機モード(一定期間操作が行われなかった場合に遷移するモード)を採用することができる。
【0059】
また、例えば、操作受付部13は、キーマトリクス回路13aを含む。制御部16は、端子部11に電源が接続されていないときに、キーマトリクス回路13aが出力する信号のエッジを検出したことを契機に、操作受付部13への操作に対して第一周期T1の検知を行う。
【0060】
このようなタイムスイッチ10は、端子部11に電源が接続されていないときに、OUT1~OUT4から検知信号を出力するのではなくエッジ検出用のローレベルの信号を出力することで消費電力の抑制しつつ、操作受付部13への操作に対する反応の向上を優先することができる。
【0061】
また、例えば、タイムスイッチ10は、さらに、端子部11に電源が接続されているか否かを検出する検出部19を備える。
【0062】
このようなタイムスイッチ10は、端子部11に電源が接続されているか否かを検出することができる。
【0063】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0064】
例えば、上記実施の形態に係るタイムスイッチは、ソーラ機能を有していると説明されたが、タイムスイッチはソーラ機能を有していなくてもよい。つまり、タイムスイッチは、日の入設定、及び、日の出設定が不可能なタイムスイッチであってもよい。
【0065】
また、例えば、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。
【0066】
また、上記実施の形態のフローチャートで説明された処理の順序は、一例である。複数の処理の順序は変更されてもよいし、複数の処理は並行して実行されてもよい。
【0067】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0068】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0069】
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0070】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0071】
10 タイムスイッチ
11 端子部
12 スイッチ部
13 操作受付部
13a キーマトリクス回路
16 制御部
19 検出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8