(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】軸重計測システム、軸重計測システムの制御方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
G01G 19/03 20060101AFI20240228BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20240228BHJP
H02J 50/10 20160101ALI20240228BHJP
H02J 50/80 20160101ALI20240228BHJP
【FI】
G01G19/03
H02J7/00 P
H02J7/00 301D
H02J50/10
H02J50/80
(21)【出願番号】P 2021058180
(22)【出願日】2021-03-30
【審査請求日】2023-02-17
(73)【特許権者】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工機械システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】高橋 勤
(72)【発明者】
【氏名】大▲崎▼ 輝久
(72)【発明者】
【氏名】尾関 真二
【審査官】公文代 康祐
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0127090(US,A1)
【文献】特開昭52-129466(JP,A)
【文献】特開2008-058263(JP,A)
【文献】特開平03-189523(JP,A)
【文献】特開2005-092555(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G 19/00-19/64
H02J 7/00
H02J 50/00-50/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車線幅方向に並び、車線を走行する車両の車輪に踏まれたときの荷重に関連する荷重情報を取得する複数の計測部と、
前記複数の計測部のそれぞれにワイヤレスで給電可能なワイヤレス給電部と、
前記荷重情報を受信するデータ受信部と、を備え、
前記複数の計測部は、それぞれで取得された前記荷重情報を、ワイヤレスで送信するワイヤレス送信部を備え
、
前記ワイヤレス送信部は、前記複数の計測部のそれぞれに備えられ、
前記複数の計測部のそれぞれは、前記ワイヤレス給電部からの給電を受ける受電器を備え、
前記ワイヤレス給電部は、
前記複数の計測部のそれぞれの前記受電器に間隔をあけて対向して配置され、前記受電器に対してワイヤレスで給電可能な複数の給電器と、
前記複数の計測部の並ぶ方向に沿って延びるように配置され、電源側から前記複数の給電器に電気を供給する供給配線と、
前記複数の計測部のそれぞれの前記ワイヤレス送信部から送信された前記荷重情報を受信する複数のワイヤレス受信器と、
前記供給配線に沿って配置され、前記複数のワイヤレス受信器で受信した前記荷重情報を前記データ受信部に転送するデータ送信ケーブルと、を備える
軸重計測システム。
【請求項2】
前記複数の計測部のそれぞれは、
前記車線の路面の一部を形成するように設置された踏板と、
前記踏板が前記車輪に踏まれたときに作用する荷重を計測する荷重センサと、
前記荷重センサで取得された荷重に基づいて前記荷重情報を取得する荷重情報取得部と、
前記荷重情報取得部で取得された前記荷重情報を、前記ワイヤレス送信部から送信させるデータ送信制御部と、を備える
請求項
1に記載の軸重計測システム。
【請求項3】
車線幅方向に並
び、車線を走行する車両の車輪に踏まれたときの荷重に関連する荷重情報を取得する複数の計測部
と、前記複数の計測部のそれぞれにワイヤレスで給電可能なワイヤレス給電部と、前記荷重情報を受信するデータ受信部と、を備えた軸重計測システムの前記複数の計測部のそれぞれを、
前記ワイヤレス給電部からワイヤレス給電により得られた電気により作動させるステップと、
前記複数の計測部のうち、
前記車輪に踏まれた前記計測部で、前
記荷重情報を取得するステップと、
ワイヤレス送信部で、取得された前記荷重情報をワイヤレスで送信するステップと、含
み、
前記ワイヤレス送信部は、前記複数の計測部のそれぞれに備えられ、
前記複数の計測部のそれぞれは、前記ワイヤレス給電部からの給電を受ける受電器を備え、
前記ワイヤレス給電部は、
前記複数の計測部のそれぞれの前記受電器に間隔をあけて対向して配置され、前記受電器に対してワイヤレスで給電可能な複数の給電器と、
前記複数の計測部の並ぶ方向に沿って延びるように配置され、電源側から前記複数の給電器に電気を供給する供給配線と、
前記複数の計測部のそれぞれの前記ワイヤレス送信部から送信された前記荷重情報を受信する複数のワイヤレス受信器と、
前記供給配線に沿って配置され、前記複数のワイヤレス受信器で受信した前記荷重情報を前記データ受信部に転送するデータ送信ケーブルと、を備える
軸重計測システムの制御方法。
【請求項4】
車線幅方向に並び、車線を走行する車両の車輪に踏まれたときの荷重に関連する荷重情報を取得する複数の計測部
と、前記複数の計測部のそれぞれにワイヤレスで給電可能なワイヤレス給電部と、前記荷重情報を受信するデータ受信部と、を備えた軸重計測システムのコンピュータに、
前記複数の計測部のそれぞれを、
前記ワイヤレス給電部からワイヤレス給電により得られた電気により作動させるステップと、
前記複数の計測部のうち、
前記車輪に踏まれた前記計測部で、前記荷重情報を取得するステップと、
ワイヤレス送信部で、取得された前記荷重情報をワイヤレスで送信するステップと、
を実行させ
、
前記ワイヤレス送信部は、前記複数の計測部のそれぞれに備えられ、
前記複数の計測部のそれぞれは、前記ワイヤレス給電部からの給電を受ける受電器を備え、
前記ワイヤレス給電部は、
前記複数の計測部のそれぞれの前記受電器に間隔をあけて対向して配置され、前記受電器に対してワイヤレスで給電可能な複数の給電器と、
前記複数の計測部の並ぶ方向に沿って延びるように配置され、電源側から前記複数の給電器に電気を供給する供給配線と、
前記複数の計測部のそれぞれの前記ワイヤレス送信部から送信された前記荷重情報を受信する複数のワイヤレス受信器と、
前記供給配線に沿って配置され、前記複数のワイヤレス受信器で受信した前記荷重情報を前記データ受信部に転送するデータ送信ケーブルと、を備える
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、軸重計測システム、軸重計測システムの制御方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
高速道路や有料道路等の通路には、通行する車両に関する情報を取得するための各種装置が設けられている。例えば、特許文献1には、車両の軸重を計測するため、車線幅方向に並んで車線上に配置され、車線を走行する車両のタイヤによる押圧の荷重を計測する複数の計測部(荷重計)を有する構成が開示されている。
【0003】
ところで、軸重を計測する軸重計測システムにおいては、複数の計測部のそれぞれに、計測部を動作させるための電気を供給する必要がある。また、複数の計測部で計測した荷重のデータを、制御装置に送信する必要がある。制御装置は、車線の外部、例えば車線の車線幅方向側方に配置される。このため、計測部と制御装置とを、電気供給、およびデータ送信を行うことができるケーブルで接続している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記したような軸重計測システムにおいて、複数の計測部を車線幅方向に並べて設け、各計測部に備えたケーブルを直列状に接続する場合、互いに隣り合う計測部の間で、ケーブル同士をコネクタで接続する。これらの計測部は、屋外の車両の走行路面に設けられる。このため、互いに隣り合う計測部同士の隙間には、水、砂やホコリ、融雪剤(塩分)が侵入することがある。そこで、ケーブル同士を接続するコネクタには、侵入した水、砂やホコリ、融雪剤(塩分)の影響、水分の凍結、温度変化等に耐えうる、特殊なものを用いる必要がある。
各計測部は、数十kgにも及ぶ重量物であり、設置の際の取り扱いは容易ではない。設置作業時に、計測部をコネクタの上に誤って置いたり落としたりしてしまうと、特殊なコネクタが損傷してしまうことがある。したがって、特殊なコネクタを損傷しないように、重量物である各計測部の設置を、慎重に行わなければならず、設置作業に手間が掛かるという問題がある。
【0006】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであって、複数の計測部を備えた構成において、設置作業を容易に行うことができる軸重計測システム、軸重計測システムの制御方法、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示に係る軸重計測システムは、車線幅方向に並び、車線を走行する車両の車輪に踏まれたときの荷重に関連する荷重情報を取得する複数の計測部と、前記複数の計測部のそれぞれにワイヤレスで給電可能なワイヤレス給電部と、前記荷重情報を受信するデータ受信部と、を備え、前記複数の計測部は、それぞれで取得された前記荷重情報を、ワイヤレスで送信するワイヤレス送信部を備える。
【0008】
本開示に係る軸重計測システムの制御方法は、車線幅方向に並ぶ複数の計測部のそれぞれを、外部からワイヤレス給電により得られた電気により作動させるステップと、前記複数の計測部のうち、車線を走行する車両の車輪に踏まれた前記計測部で、前記車輪による荷重に関連する荷重情報を取得するステップと、取得された前記荷重情報をワイヤレスで送信するステップと、含む。
【0009】
本開示に係るプログラムは、車線幅方向に並び、車線を走行する車両の車輪に踏まれたときの荷重に関連する荷重情報を取得する複数の計測部を備えた軸重計測システムのコンピュータに、前記複数の計測部のそれぞれを、外部からワイヤレス給電により得られた電気により作動させるステップと、前記複数の計測部のうち、車線を走行する車両の車輪に踏まれた前記計測部で、前記荷重情報を取得するステップと、取得された前記荷重情報をワイヤレスで送信するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示の軸重計測システム、軸重計測システムの制御方法、プログラムによれば、複数の計測部を備えた構成において、設置作業を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の実施形態に係る軸重計測システムを備えた料金収受システムの概略斜視図である。
【
図2】本開示の実施形態に係る軸重計測システムの機能ブロック図である。
【
図3】本開示の実施形態に係る軸重計測システムに備えた複数の計測部を示す断面図である。
【
図4】本開示の実施形態に係る各計測部の荷重情報処理部の機能ブロック図である。
【
図5】本開示の実施形態に係る軸重計測システムの制御方法の手順を示すフローチャートである。
【
図6】本開示の実施形態の変形例に係る軸重計測システムに備えた複数の計測部を示す断面図である。
【
図7】本開示の実施形態に係る軸重計測システムが備えるコンピュータのハードウェア構成の例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施形態について、図面を用いて説明する。すべての図面において同一または相当する構成には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
【0013】
(料金収受システムの全体構成)
本実施形態の料金収受システム1は、有料道路である高速道路の入口料金所(料金形式によっては出口料金所)に設けられ、高速道路の利用者から、当該利用者が乗車する車両Aに関連した額の料金の収受を行うためのシステムである。
【0014】
例えば、車両Aは、入口料金所を介して一般道路側から高速道路側へと通じる車線Lを走行している。車線Lの両側にはアイランドIが敷設されており、料金収受システム1を構成する各種装置の少なくとも一部が設置されている。
【0015】
以下、車線Lが延びる方向(
図1における±X方向)を「車線方向」と記載し、また、車線Lの車線方向における高速道路側(
図1における+X方向側)を「下流側」と記載する。また、車線Lの車線方向における一般道路側(
図1における-X方向側)を「上流側」と記載する。
さらに、車線Lの幅方向を車線幅方向(
図1における±Y方向)と称し、車両Aの車高方向を上下方向(
図1における±Z方向)と称する。
【0016】
本実施形態では、料金収受システム1では、無線通信システムによる課金処理が行われる。
料金収受システム1は、入口料金所を通過しようとする車両Aとの間で無線による通信処理(以下、単に「無線通信」と表記)を行い、車両Aの車種に関連した課金処理を行う装置である。
例えば、料金収受システム1は、電子式料金収受システム(ETC:Electronic Toll Collection System(登録商標)、「自動料金収受システム」ともいう)を構築するシステムの一部である。
【0017】
図1に示すように、料金収受システム1は、車両検知器5と、通信アンテナ6と、車種判別装置7と、軸重計測システム2と、を備える。
例えば、料金収受システム1は、一連の課金処理を司る図示しない課金処理部をさらに備え、取得した情報や決定した課金額の情報等を、通信回線を介して、遠隔地に設置された図示しない中央決済処理装置(上位装置)に出力してもよい。
【0018】
(車両検知器の構成)
車両検知器5は、アイランドI上に設置されている。
車両検知器5は、後述する軸重計測システム2の軸重計本体4の設置位置において車両Aを検知可能に設置されている。
例えば、車両検知器5は、車線Lにおける車両検知器5が設置される位置に進入したことを検知してもよい。
例えば、車両検知器5は、車線Lにおける車両検知器5が設置される位置を、車両Aが通過し終えたことを検知してもよい。
車両検知器5は、車両検知信号RAを、例えば、制御装置3に出力する。
車両検知器5は、車両検知信号RAを、例えば、車種判別装置7に出力する。
【0019】
(通信アンテナの構成)
通信アンテナ6は、車両Aの車載器αとの間で無線による通信処理(以下、単に「無線通信」と表記)を行う。具体的には、通信アンテナ6は、所定周波数(例えば、5.8GHz程度)の電磁波を送受可能に形成されており、当該電磁波を介することで到来した車両Aが搭載する車載器αとの無線通信を行う。
【0020】
(車種判別装置の構成)
車種判別装置7は、アイランドI上に設置されている。
例えば、車種判別装置7は、料金収受システム1の各種センサにより検出される車線Lに進入した車両Aの車長、車高、軸数(車軸数)、軸重、ナンバープレート情報等を取得してもよい。
車種判別装置7は、各種センサを通じて得られる種々の情報(車長、車高、軸数、ナンバープレート情報等)に基づいて、車線Lに進入した車両Aの車種区分を特定する。
例えば、車種区分は、“軽自動車/二輪車”、“普通車”、“中型車”、“大型車”及び“特大車”の5分類とされる。
例えば、料金収受システム1は、車種判別装置7が特定した車種区分から、車両Aの車種区分に応じた料金を課金してもよい。
【0021】
(軸重計測システムの構成)
軸重計測システム2は、複数の計測部と、ワイヤレス給電部と、データ受信部と、を備える。
例えば、軸重計測システム2は、データ受信部を備える制御装置3と、複数の計測部とワイヤレス給電部とを備える軸重計本体4と、を備えてもよい。
【0022】
(制御装置の構成)
図2に示すように、制御装置3は、アンテナ30と、Central Processing Unit(以下、「CPU」という。)31と、メモリ32と、を備える。
【0023】
アンテナ30は、後述する軸重計本体4のワイヤレス送信部45との間で、ワイヤレスでのデータ通信を行う。
アンテナ30は、無線LAN(ローカルエリアネットワーク)、Bluetooth等のワイヤレス通信手段により、ワイヤレス送信部45との間で、ワイヤレスでのデータ通信を行う。
アンテナ30を含む制御装置3は、車線Lに対して車線幅方向側方に位置するアイランドI上に配置されている。
【0024】
CPU31は、データ受信部310と、前後進情報取得部311と、前後進判定部312と、トリガー信号出力部313と、軸重データ取得部315と、車両検知信号取得部316と、軸数特定部317と、軸重データ特定部318と、を機能的に備える。
すなわち、CPU31は、所定のプログラムに基づいて動作することで、データ受信部310、前後進情報取得部311、前後進判定部312、トリガー信号出力部313、軸重データ取得部315、車両検知信号取得部316、軸数特定部317、及び軸重データ特定部318としての機能を発揮する。
メモリ32は、制御装置3が取得する各種データを格納する。
【0025】
データ受信部310は、アンテナ30でワイヤレス送信部45との間でデータ通信を行うことによって取得したデータを受信する。
データ受信部310は、ワイヤレス送信部45から送信される荷重情報を受信する。
アンテナ30は、車線Lを走行する車両Aの車輪に踏まれたときの荷重に関連する荷重情報を受信する。
本実施形態では、例えば、アンテナ30は、荷重情報として、車両Aの前後進情報IMと、車両Aの車輪から作用する軸重データDAと、を受信する。
【0026】
前後進情報取得部311は、データ受信部310から前後進情報IMを取得する。
例えば、前後進情報取得部311は、取得した前後進情報IMをメモリ32に取得順に順次格納してもよい。
【0027】
前後進判定部312は、前後進情報取得部311で取得した前後進情報IMに基づき、車両Aが前進しているか否かを判定する。
【0028】
トリガー信号出力部313は、前後進判定部312における判定結果に基づいて、通信アンテナ6に対し、到来した車両Aが搭載する車載器αとの無線通信を開始させるためのトリガー信号STを出力する。
例えば、トリガー信号出力部313は、取得した前後進情報IMに基づいて、車両Aが前進していると判定された場合、通信アンテナ6に対し、車両Aが搭載する車載器αとの無線通信を開始させるためのトリガー信号を出力するようにしてもよい。
【0029】
軸重データ取得部315は、軸重計本体4から軸重データDAを取得する。
軸重データ取得部315は、データ受信部310で受信した軸重データDAを取得する。
例えば、軸重データ取得部315は、取得した軸重データDAをメモリ32に取得順に順次格納してもよい。
【0030】
車両検知信号取得部316は、車両検知器5から車両検知信号RAを取得する。
【0031】
軸数特定部317は、軸重計本体4から軸重データDAを取得する。
軸数特定部317は、データ受信部310で受信した軸重データDAを取得する。
軸数特定部317は、車両Aが車両検知器5へ進入したことを検知してから車両Aが車両検知器5から退出したことを検知するまでの間に、検知される軸重データDAの数から、車両Aの軸数を特定する。
この場合、軸数特定部317は、車両Aが車両検知器5へ進入したことを検知してから車両Aが車両検知器5から退出したことを検知するまでの間に、検知される軸重データDAの数を計数し、計数された数を車両Aの軸数として特定する。
すなわち、軸数特定部317は、車両Aが車両検知器5を遮光し始めてから、遮光が終わり透光状態となるまでの間に取得される軸重データDAの数を計数し、計数された数を車両Aの軸数として特定する。
【0032】
軸重データ特定部318は、軸数特定部317で特定される車両Aの軸数に応じた軸重データDAを車両Aに関連付ける。
例えば、軸重データ特定部318は、軸数特定部317で特定される車両Aの軸数分の軸重データDAを車両Aに関連付ける。
【0033】
軸重データ特定部318において、車両Aに関連付けられた軸重データDAは、例えば、メモリ32に格納され、制御装置3の各種インタフェースに出力されてもよい。
また、軸重データ特定部318において、車両Aに関連付けられた軸重データDAはどのような用途に利用されてもよい。
例えば、車両Aに関連付けられた軸重データDAは、車両Aの各車軸の軸重超過の監視に用いられてもよい。
例えば、車両Aに関連付けられた軸重データDAは、車両Aの総重量の算出、総重量超過の監視に用いられてもよい。
【0034】
(軸重計本体の構成)
図1に示すように、軸重計本体4は、車線L上に設置されている。
軸重計本体4は、X方向について、設置位置Pに設置されている。
図3に示すように、軸重計本体4は、複数の計測部40(40A~40E)と、ワイヤレス給電部80と、を備える。
【0035】
(計測部の構成)
複数の計測部40は、車線幅方向に並んで設けられる。
複数の計測部40は、車線Lを走行する車両Aの車輪に踏まれたときの荷重に関連する荷重情報を取得する。
複数の計測部40は、荷重に関連する荷重情報として、車両Aの前後進情報IMと、車両Aの車輪から作用する軸重データDAと、を取得する。
例えば、複数の計測部40は、前後進情報IM、および軸重データDAを制御装置3に出力してもよい。
各計測部40は、踏板41と、荷重センサ42と、荷重情報処理部43と、受電器44と、ワイヤレス送信部45と、を備える。
【0036】
踏板41は、車線Lの路面に沿って設けられる。
踏板41は、車線Lの路面の一部を形成する。
踏板41は、例えば金属板からなる。
複数の計測部40の踏板41は、車線幅方向に複数設けられる。
踏板41は、車線幅方向に3以上並べて配置されている。
例えば、踏板41は、車線幅方向に5組設けられる。
複数の計測部40の踏板41は、車線方向に並べて複数設けられていてもよい。
【0037】
図3に示すように、荷重センサ42は、踏板41の下側に配置されている。
荷重センサ42は、各踏板41の下側に、車線方向に複数設けられていてもよい。
荷重センサ42は、車線Lの路面に埋設されている。
荷重センサ42は、各踏板41上を通過する車両Aの車輪に踏まれたときの荷重を計測する。
荷重センサ42は、車両Aの前後進情報IMを検出するようにしてもよい。
荷重センサ42は、各踏板41上を通過する車両Aの進行方向を特定するための情報を取得するようにしてもよい。
例えば、踏板41の下側に、車線方向に複数の荷重センサ42が設けられている場合、各荷重センサ42は、踏板41上を通過する車両Aの車輪に踏まれて荷重を計測したときの時刻情報を記録する。
【0038】
例えば、荷重センサ42は、計測した荷重を軸重データDAとして、制御装置3に出力してもよい。
例えば、荷重センサ42は、荷重を計測した時刻を、時刻情報DTとして、制御装置3に出力してもよい。
例えば、荷重センサ42は、車両Aが荷重センサ42を踏み終えた後、車両Aの軸重データDAを制御装置3に出力してもよい。
例えば、荷重センサ42は、車両Aが荷重センサ42を踏み終えた後、車両Aの軸重データDAを、車種判別装置7にも出力してもよい。
【0039】
図4に示すように、荷重情報処理部43は、コンピュータであり、CPU48と、メモリ49とを備える。
【0040】
CPU48は、荷重情報取得部481と、データ送信制御部482と、を機能的に備える。
すなわち、CPU48は、所定のプログラムに基づいて動作することで、荷重情報取得部481、およびデータ送信制御部482としての機能を発揮する。
メモリ49は、荷重情報処理部43が取得する各種データを格納する。
【0041】
荷重情報取得部481は、荷重センサ42で取得された荷重に基づいて、荷重情報を取得する。
荷重情報取得部481は、荷重情報として、軸重データDAを取得する。
荷重情報取得部481は、荷重情報として、前後進情報IMを取得する。
荷重情報取得部481は、前後進情報IMを取得するため、車線方向に設けられた複数の荷重センサ42における、荷重の計測が行われた時刻情報DTから、車両Aの進行方向が、前進であるか、後進であるかを判定する。
荷重情報取得部481は、車両Aの進行方向の判定結果を、前後進情報IMとして取得する。
【0042】
データ送信制御部482は、荷重情報取得部481で取得された荷重情報を、ワイヤレス送信部45からワイヤレスで送信させる。
データ送信制御部482は、荷重情報として、軸重データDA、および前後進情報IMを、ワイヤレス送信部45からワイヤレスで送信させる。
データ送信制御部482は、軸重データDAと、前後進情報IMとを、同時に送信してもよい。
データ送信制御部482は、軸重データDAと、前後進情報IMとを、異なるタイミングで送信してもよい。
例えば、データ送信制御部482は、軸重データDAを先に送信し、前後進情報IMを痕から送信してもよい。
【0043】
図3に示すように、受電器44は、ワイヤレス給電部80からのワイヤレス給電を受ける。
受電器44は、ワイヤレス給電部80からのワイヤレス給電を受けるためのコイル、ワイヤレス給電された電気を蓄える蓄電部等を備える。
受電器44は、ワイヤレス給電部80から給電した電気を、荷重センサ42、荷重情報処理部43、ワイヤレス送信部45に供給する。
荷重センサ42、荷重情報処理部43、ワイヤレス送信部45は、受電器44から供給される電気によって作動する。
【0044】
ワイヤレス送信部45は、複数の計測部40のそれぞれで取得された荷重情報を、ワイヤレスで送信する。
ワイヤレス送信部45は、荷重情報として、軸重データDA、および前後進情報IMを、ワイヤレスで送信させる。
例えば、ワイヤレス送信部45は、制御装置3のアンテナ30に荷重情報をワイヤレス送信可能であってもよい。
ワイヤレス送信部45は、無線LAN、Bluetooth等のワイヤレス通信手段により、荷重情報を送信する。
ワイヤレス送信部45は、荷重情報を送信するための送信アンテナである。
ワイヤレス送信部45は、各踏板41の下側に設けられている。
【0045】
(ワイヤレス給電部の構成)
ワイヤレス給電部80は、複数の計測部40のそれぞれにワイヤレスで給電可能である。
ワイヤレス給電部80は、給電器81と、供給配線83と、を備える。
【0046】
給電器81は、複数の計測部40のそれぞれの受電器44に対し、間隔をあけて対向して配置されている。
給電器81は、各計測部40の受電器44に対し、下方に間隔をあけて配置されている。
給電器81は、各計測部40の受電器44に対し、水平方向に間隔をあけて配置してもよい。
給電器81は、対向する受電器44に対し、ワイヤレス給電を行う。
給電器81は、ワイヤレス給電を行うためのコイル等を備える。
【0047】
供給配線83は、複数の給電器81に対して、電源側から電気を供給する。
供給配線83は、複数の計測部40の並ぶ方向に沿って車線幅方向に延びるように配置されている。
供給配線83は、複数の踏板41の下方に埋設されている。
供給配線83は、複数の給電器81に接続されている。
供給配線83は、例えば制御装置3に接続され、制御装置3から電気が供給されてもよい。
供給配線83は、制御装置3以外の電源、例えば商用電源側から電気が直接供給されるようにしてもよい。
【0048】
(動作)
軸重計測システム2の動作について説明する。
軸重計測システム2の動作は、本実施形態の軸重計測システム2の制御方法に相当する。
軸重計測システム2の動作は、各計測部40で個別に実行される。
【0049】
図5に示すように、軸重計測システム2の制御方法は、ワイヤレス給電により荷重センサを作動させるステップST01と、荷重センサで荷重を計測するステップST02と、荷重情報を取得するステップST03と、荷重情報をワイヤレスで送信するステップST04と、を含む。
【0050】
ワイヤレス給電により荷重センサを作動させるステップST01では、複数の計測部40のそれぞれを、外部からワイヤレス給電により得られた電気により作動させる。これには、ワイヤレス給電部80の供給配線83を通して、各給電器81に電気を供給する。各給電器81は、間隔をあけて配置された各計測部40の受電器44にワイヤレス給電を行う。各計測部40において、受電器44で受電した電気は、蓄電部に蓄電される。受電器44で受電した電気により、各計測部40の荷重センサ42が作動し、待機状態となる。
【0051】
荷重センサで荷重を計測するステップST02では、車両Aの車輪に踏板41が踏まれることによって、踏板41を介して荷重センサ42に作用した車輪からの荷重が計測される。荷重センサ42は、荷重を計測するとともに、荷重を計測した時刻情報を記録する。荷重センサ42は、計測した荷重、および時刻情報DTを、荷重情報取得部481に出力する。
このとき、複数の計測部40のうち、車線Lを走行する車両Aの車輪に踏板41が踏まれた計測部40のみから、計測した荷重、および時刻情報の出力が行われる。
【0052】
荷重情報を取得するステップST03では、荷重情報取得部481が、荷重センサ42で取得された荷重に基づいて、荷重情報を取得する。荷重情報取得部481は、荷重情報として、軸重データDAと、前後進情報IMを取得する。
荷重情報取得部481は、車線方向に設けられた複数の荷重センサ42における、荷重の計測が行われた時刻情報DTから、車両Aの進行方向が、前進であるか後進であるかを判定し、前後進情報IMとして取得する。
【0053】
荷重情報をワイヤレスで送信するステップST04では、データ送信制御部482が、取得された荷重情報をワイヤレスで送信する。データ送信制御部482は、荷重情報として、軸重データDA、および前後進情報IMを、ワイヤレス送信部45からワイヤレスで送信させる。
【0054】
例えば、ステップST04では、ワイヤレス送信部45からワイヤレスで送信された軸重データDA、および前後進情報IMは、アンテナ30で受信されてもよい。さらに、アンテナ30で受信された軸重データDA、および前後進情報IMは、データ受信部310に転送されてもよい。
その際、データ受信部310は、ワイヤレス送信部45から送信される荷重情報を受信する。
例えば、ステップST04では、データ送信制御部482が、取得された荷重情報をワイヤレスで制御装置3のデータ受信部310に送信してもよい。
その際、制御装置3は、データ受信部310で受信した荷重情報に基づいて、車両Aに対する課金処理等、所定の処理を実行する。
【0055】
(作用効果)
本実施形態では、軸重計測システム2は、車線幅方向に並ぶ複数の計測部40に対し、ワイヤレス給電部80によりワイヤレス給電を行う。また、複数の計測部40のそれぞれで取得された荷重情報は、ワイヤレス送信部45により、データ受信部310に対してワイヤレスで送信される。したがって、給電、およびデータ送信のためのケーブルを複数の計測部40のそれぞれに設ける必要が無い。したがって、計測部40を設置する際に、複数の計測部40のケーブル同士を接続するコネクタを損傷してしまうこともない。したがって、複数の計測部40を備えた構成の軸重計測システム2の設置作業を容易に行うことができる。
【0056】
上記実施形態では、複数の計測部40に沿って延びる供給配線83から給電を受ける複数の給電器81と、複数の計測部40のそれぞれに設けた受電器44と、を備えることによって、複数の計測部40のそれぞれにワイヤレス給電を行うことができる。
【0057】
上記実施形態では、複数の計測部40のそれぞれで取得された荷重情報を、ワイヤレス送信部45から、制御装置3にワイヤレスで直接送信することができる。
【0058】
上記実施形態では、車両Aの車輪が踏板41を踏んだときの荷重を荷重センサ42が計測する。計測された荷重に基づいて、荷重情報取得部481が、荷重に関連する荷重情報を取得する。取得された荷重情報は、データ送信制御部482により、ワイヤレス送信部45からアンテナ30にワイヤレス送信される。このようにして、各計測部40で計測した荷重情報を、ワイヤレス送信することができる。
【0059】
上記実施形態では、ワイヤレス給電によって得られた電気により作動する複数の計測部40のうちの一部の計測部40で、荷重に関連する荷重情報が取得される。取得された荷重情報は、ワイヤレスで計測部40から送信される。したがって、給電、およびデータ送信のためのケーブルを複数の計測部40のそれぞれに設ける必要が無い。その結果、複数の計測部40を備えた構成の軸重計測システム2の設置作業を容易に行うことができる。
【0060】
<変形例>
以上、本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、開示の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、開示の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲とその均等の範囲に含まれるものとする。
例えば、上記実施形態では、複数の計測部40のそれぞれで取得された荷重情報を、複数の計測部40に備えたワイヤレス送信部45から、データ受信部310にワイヤレス送信するようにしたが、これに限られない。
例えば、
図6に示すように、ワイヤレス給電部80Bは、給電器81と、供給配線83と、複数のワイヤレス受信器85と、データ送信ケーブル87と、を備えていてもよい。
【0061】
各ワイヤレス受信器85は、複数の計測部40のそれぞれに備えられている。
各ワイヤレス受信器85は、例えば、複数の計測部40の各給電器81に備えられていてもよい。
各ワイヤレス受信器85は、各給電器81とは別に、独立して備えられていてもよい。
各ワイヤレス受信器85は、各計測部40のワイヤレス送信部45からワイヤレスで送信された荷重情報を受信する。
【0062】
データ送信ケーブル87は、複数のワイヤレス受信器85で受信した荷重情報を、データ受信部310に転送する。
データ送信ケーブル87は、受信した荷重情報を、有線によるデータ通信で、データ受信部310に転送する。
データ送信ケーブル87は、供給配線83に沿わせて設けられている。
【0063】
上記実施形態の変形例では、ワイヤレス送信部45から送信された荷重情報は、ワイヤレス受信器85で受信される。受信された荷重情報は、データ送信ケーブル87を通してデータ受信部310に転送される。データ受信部310では、荷重情報を受信する。
なお、本実施形態の変形例では、データ送信ケーブル87が、供給配線83と個別に設けられているが、荷重情報をデータ受信部310に転送できるならどのように構成されてもよい。例えば、供給配線83がデータ送信ケーブル87としても利用され、供給配線83がデータ送信ケーブル87を共有するように構成されてもよい。
【0064】
上記の軸重計測システムの制御方法の手順は適宜順番を入れ替えることが可能である。
【0065】
上述の実施形態では、軸重計測システム2は、制御装置3、車両検知器5、及び車種判別装置7を備えるが、どのような制御装置3、車両検知器5、及び車種判別装置7を利用してもよい。
【0066】
上述の実施形態では、軸重計測システム2は、電子式料金収受システムに設けられているが、どのようなシステムに設けられてもよい。
変形例として、軸重計測システム2は、料金自動収受機を備えるシステムに設けられてもよい。
他の変形例として、軸重計測システム2は、収受員により料金を収受する有人の料金所に設けられてもよい。
さらに他の変形例として、また、軸重計測システム2は、単独のシステムであってもよい。
【0067】
上述の実施形態では、軸重計測システム2は、アイランドIに敷設されるセパレートレーン方式の料金収受システム1に適用されているが、変形例として、フリーフロー方式の料金収受システムに適用されてもよい。
【0068】
なお、上述の実施形態においては、荷重情報処理部43の荷重情報取得部481、データ送信制御部482の各種機能を実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをマイコンといったコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各種処理を行うものとしている。ここで、コンピュータシステムのCPUの各種処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって上記各種処理が行われる。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
【0069】
上述の実施形態において、荷重情報処理部43の各種機能を実現するためのプログラムを実行させるコンピュータのハードウェア構成の例について説明する。
【0070】
図7に示すように、荷重情報処理部43が備えるコンピュータは、CPU48と、メモリ49と、記憶/再生装置50と、Input Output Interface(以下、「IO I/F」という。)51と、通信Interface(以下、「通信I/F」という。)52と、を備える。
【0071】
メモリ49は、荷重情報処理部43で実行されるプログラムで使用されるデータ等を一時的に記憶するRandom Access Memory(以下、「RAM」という。)等の媒体である。
記憶/再生装置50は、CD-ROM、DVD、フラッシュメモリ等の外部メディアへデータ等を記憶したり、外部メディアのデータ等を再生したりするための装置である。
IO I/F51は、荷重情報処理部43と他の装置との間で情報等の入出力を行うためのインタフェースである。
通信I/F52は、インターネット、専用通信回線等の通信回線を介して、他の装置との間で通信を行うインタフェースである。
【0072】
<付記>
実施形態に記載の軸重計測システム2、軸重計測システム2の制御方法、プログラムは、例えば以下のように把握される。
【0073】
(1)第1の態様に係る軸重計測システム2は、車線幅方向に並び、車線Lを走行する車両Aの車輪に踏まれたときの荷重に関連する荷重情報を取得する複数の計測部40と、前記複数の計測部40のそれぞれにワイヤレスで給電可能なワイヤレス給電部80と、前記荷重情報を受信するデータ受信部310と、を備え、前記複数の計測部40は、それぞれで取得された前記荷重情報を、ワイヤレスで送信するワイヤレス送信部45を備える。
荷重に関連する荷重情報の例としては、軸重や、車両の前後進情報が挙げられる。
【0074】
この軸重計測システム2は、車線幅方向に並ぶ複数の計測部40に対し、ワイヤレス給電部80によりワイヤレス給電を行う。また、複数の計測部40のそれぞれで取得された荷重情報は、ワイヤレス送信部45により、データ受信部310に対してワイヤレスで送信される。したがって、給電、およびデータ送信のためのケーブルを複数の計測部40のそれぞれに設ける必要が無い。このため、計測部40を設置する際に、複数の計測部40のケーブル同士を接続するコネクタを損傷してしまうこともない。その結果、複数の計測部40を備えた構成の軸重計測システム2の設置作業を容易に行うことができる。
【0075】
(2)第2の態様に係る軸重計測システム2は、(1)の軸重計測システム2であって、前記複数の計測部40のそれぞれは、前記ワイヤレス給電部80からの給電を受ける受電器44を備え、前記ワイヤレス給電部80は、前記複数の計測部40のそれぞれの前記受電器44に間隔をあけて対向して配置され、前記受電器44に対してワイヤレスで給電可能な複数の給電器81と、前記複数の計測部40の並ぶ方向に沿って延びるように配置され、電源側から前記複数の給電器81に電気を供給する供給配線83と、を備える。
【0076】
これにより、複数の計測部40に沿って延びる供給配線83から給電を受ける複数の給電器81と、複数の計測部40のそれぞれに設けた受電器44と、を備えることによって、複数の計測部40のそれぞれにワイヤレス給電を行うことができる。
【0077】
(3)第3の態様に係る軸重計測システム2は、(1)又は(2)の軸重計測システム2であって、前記ワイヤレス送信部45は、前記複数の計測部40のそれぞれに備えられ、制御装置3のアンテナ30に前記荷重情報をワイヤレス送信可能である。
【0078】
これにより、軸重計測システム2は、複数の計測部40のそれぞれで取得された荷重情報を、ワイヤレス送信部45から、制御装置3にワイヤレスで直接送信することができる。
【0079】
(4)第4の態様に係る軸重計測システム2は、(2)の軸重計測システム2であって、前記ワイヤレス送信部45は、前記複数の計測部40のそれぞれに備えられ、前記複数の計測部40のそれぞれの前記ワイヤレス送信部45から送信された前記荷重情報を受信する複数のワイヤレス受信器85と、前記供給配線83に沿って配置され、前記複数のワイヤレス受信器85で受信した前記荷重情報を前記データ受信部310に転送するデータ送信ケーブル87と、を備える。
【0080】
これにより、ワイヤレス送信部45から送信された荷重情報は、ワイヤレス受信器85で受信された後、データ送信ケーブル87を通してデータ受信部310に転送する。これにより、データ受信部310で、荷重情報を受信することができる。
【0081】
(5)第5の態様に係る軸重計測システム2は、(1)から(4)の何れか一つの軸重計測システム2であって、前記複数の計測部40のそれぞれは、前記車線Lの路面の一部を形成するように設置された踏板41と、前記踏板41が前記車輪に踏まれたときに作用する荷重を計測する荷重センサ42と、前記荷重センサ42で取得された荷重に基づいて前記荷重情報を取得する荷重情報取得部481と、前記荷重情報取得部481で取得された前記荷重情報を、前記ワイヤレス送信部45から送信させるデータ送信制御部482と、を備える。
【0082】
これにより、車両Aの車輪が踏板41を踏んだときの荷重を荷重センサ42が計測する。計測された荷重に基づいて、荷重情報取得部481が、荷重に関連する荷重情報を取得する。取得された前記荷重情報は、データ送信制御部482により、ワイヤレス送信部45からデータ受信部310にワイヤレス送信される。このようにして、各計測部40で計測した荷重情報を、ワイヤレス送信することができる。
【0083】
(6)第6の態様に係る軸重計測システム2の制御方法は、車線幅方向に並ぶ複数の計測部40のそれぞれを、外部からワイヤレス給電により得られた電気により作動させるステップST01と、前記複数の計測部40のうち、車線Lを走行する車両Aの車輪に踏まれた前記計測部40で、前記車輪による荷重に関連する荷重情報を取得するステップST03と、取得された前記荷重情報をワイヤレスで送信するステップST04と、含む。
【0084】
これにより、ワイヤレス給電によって得られた電気により作動する複数の計測部40のうちの一部の計測部40で、荷重に関連する荷重情報が取得される。取得された前記荷重情報は、ワイヤレスで計測部40から送信される。したがって、給電、およびデータ送信のためのケーブルを複数の計測部40のそれぞれに設ける必要が無い。その結果、複数の計測部40を備えた構成の軸重計測システム2の設置作業を容易に行うことができる。
【0085】
(7)第7の態様に係るプログラムは、車線幅方向に並び、車線Lを走行する車両Aの車輪に踏まれたときの荷重に関連する荷重情報を取得する複数の計測部40を備えた軸重計測システム2のコンピュータに、前記複数の計測部40のそれぞれを、外部からワイヤレス給電により得られた電気により作動させるステップST01と、前記複数の計測部40のうち、車線Lを走行する車両Aの車輪に踏まれた前記計測部40で、前記荷重情報を取得するステップST03と、取得された前記荷重情報をワイヤレスで送信するステップST04と、を実行させる。
【0086】
このようなプログラムをコンピュータに実行させることによって、ワイヤレス給電によって得られた電気により作動する複数の計測部40のうちの一部の計測部40で、荷重に関連する荷重情報が取得される。取得された前記荷重情報は、ワイヤレスで計測部40から送信される。したがって、給電、およびデータ送信のためのケーブルを複数の計測部40のそれぞれに設ける必要が無い。その結果、複数の計測部40を備えた構成の軸重計測システム2の設置作業を容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0087】
1…料金収受システム
2…軸重計測システム
3…制御装置
4…軸重計本体
5…車両検知器
6…通信アンテナ
7…車種判別装置
30…アンテナ
31…CPU
32…メモリ
40…計測部
41…踏板
42…荷重センサ
43…荷重情報処理部
44…受電器
45…ワイヤレス送信部
48…CPU
49…メモリ
50…記憶/再生装置
51…IO I/F
52…通信I/F
80、80B…ワイヤレス給電部
81…給電器
83…供給配線
85…ワイヤレス受信器
87…データ送信ケーブル
310…データ受信部
311…前後進情報取得部
312…前後進判定部
313…トリガー信号出力部
315…軸重データ取得部
316…車両検知信号取得部
317…軸数特定部
318…軸重データ特定部
481…荷重情報取得部
482…データ送信制御部
A…車両
DA…軸重データ
DT…時刻情報
I…アイランド
IM…前後進情報
L…車線
P…設置位置
RA…車両検知信号
ST01…ワイヤレス給電により荷重センサを作動させるステップ
ST02…荷重センサで荷重を計測するステップ
ST03…荷重情報を取得するステップ
ST04…荷重情報をワイヤレスで送信するステップ
α…車載器