(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】紫外線吸収性ポリエステルフィルム及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
C08J 11/10 20060101AFI20240228BHJP
B29B 17/04 20060101ALI20240228BHJP
C08G 63/78 20060101ALI20240228BHJP
C08L 67/02 20060101ALI20240228BHJP
【FI】
C08J11/10
B29B17/04 ZAB
C08G63/78
C08L67/02
(21)【出願番号】P 2021067650
(22)【出願日】2021-04-13
【審査請求日】2021-04-13
【審判番号】
【審判請求日】2022-10-20
(32)【優先日】2020-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】501296612
【氏名又は名称】南亞塑膠工業股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】NAN YA PLASTICS CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】楊 文政
(72)【発明者】
【氏名】廖 ▲徳▼超
(72)【発明者】
【氏名】蕭 嘉▲彦▼
(72)【発明者】
【氏名】王 誌鋒
【合議体】
【審判長】里村 利光
【審判官】廣田 健介
【審判官】井口 猶二
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-256328(JP,A)
【文献】特開2005-187761(JP,A)
【文献】特開平10-60135(JP,A)
【文献】特表2009-525358(JP,A)
【文献】特開2013-60584(JP,A)
【文献】国際公開第2019/188922(WO,A1)
【文献】特開2003-176400(JP,A)
【文献】特開2019-44155(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29B7/00-17/04
B29C48/00-48/96
C08J5/00-5/22
C08J11/00-11/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回収ポリエステル材料を回収再利用する紫外線吸収性ポリエステルフィルムの製造方法であって、
一部分の前記回収ポリエステル材料を物理的再生するとともに造粒し、複数の物理的回収ポリエステルチップを得るステップと、
他部分の前記回収ポリエステル材料を化学的再生するとともに造粒し、複数の化学的回収ポリエステルチップを得るステップと、
複数の前記物理的回収ポリエステルチップ及び複数の前記化学的回収ポリエステルチップを互いに溶融混練するとともに押出し、前記紫外線吸収性ポリエステルフィルムを形成するステップと、を含み、
複数の前記化学的回収ポリエステルチップは、化学的回収静電気密着ポリエステルマスターバッチを更に含み、前記化学的回収静電気密着ポリエステルマスターバッチは、少なくとも一種の静電気密着添加剤を含み、前記静電気密着添加剤は金属塩であり、
前記紫外線吸収性ポリエステルフィルムの総重量を100wt%としたときに、複数の前記化学的回収ポリエステルチップにおける前記化学的回収静電気密着ポリエステルマスターバッチの使用量は5wt%~35wt%であり、
前記紫外線吸収性ポリエステルフィルムの製造方法は、前記物理的再生する及び/又は前記化学的再生するステップにおいて、前記回収ポリエステル材料に紫外線吸収剤を添加し、それによって最終的に形成される前記紫外線吸収性ポリエステルフィルムに前記紫外線吸収剤を含ませるステップを更に含み、前記紫外線吸収剤は、紫外線吸収官能基を有するモノマー、又は紫外線吸収化合物であり、
前記他部分の前記回収ポリエステル材料を化学的再生するステップは、前記回収ポリエステル材料を解重合し、原料混合物を得るステップと、前記原料混合物を再重合するとともに造粒し、複数の前記化学的回収ポリエステルチップを得るステップと、を更に含み、
前記原料混合物を再重合するステップは、一部の前記原料混合物に前記静電気密着添加剤を添加し、次いで、前記静電気密着添加剤が添加された前記原料混合物を再重合するとともに造粒し、前記化学的回収静電気密着ポリエステルマスターバッチを得るステップを更に含む、ことを特徴とする紫外線吸収性ポリエステルフィルムの製造方法。
【請求項2】
前記紫外線吸収性ポリエステルフィルムにおいて、複数の前記物理的回収ポリエステルチップは物理的回収ポリエステル樹脂に形成され、複数の前記化学的回収ポリエステルチップは前記物理的回収ポリエステル樹脂と混合された化学的回収ポリエステル樹脂に形成され、
前記紫外線吸収性ポリエステルフィルムの総重量を100wt%としたときに、複数の前記物理的回収ポリエステルチップの使用量は50wt%~95wt%であり、複数の前記化学的回収ポリエステルチップの使用量は1wt%~40wt%であり、複数の前記物理的回収ポリエステルチップ及び複数の前記化学的回収ポリエステルチップの使用量の合計は55wt%~100wt%である、請求項1に記載の紫外線吸収性ポリエステルフィルムの製造方法。
【請求項3】
前記静電気密着添加剤の前記化学的回収静電気密着ポリエステルマスターバッチにおける含有量は0.01wt%~0.3wt%であり、それによって前記静電気密着添加剤の前記ポリエステルフィルムにおける含有量を0.005wt%~0.1wt%にする、請求項1に記載の紫外線吸収性ポリエステルフィルムの製造方法。
【請求項4】
前記原料混合物を再重合するステップは、一部の前記原料混合物に滑剤を添加し、次いで、前記滑剤が添加された前記原料混合物を再重合するとともに造粒し、化学的回収滑剤ポリエステルマスターバッチを得るステップを更に含み、前記滑剤は、二酸化ケイ素粒子、炭酸カルシウム粒子、硫酸バリウム粒子、ポリスチレン粒子、シリコーン粒子、及びアクリル粒子からなる群から選ばれる少なくとも一種であり、
前記紫外線吸収性ポリエステルフィルムの総重量を100wt%としたときに、前記化学的回収滑剤ポリエステルマスターバッチの使用量は5wt%~10wt%である、請求項1に記載の紫外線吸収性ポリエステルフィルムの製造方法。
【請求項5】
前記滑剤の粒子寸法は2μm未満であり、前記滑剤の前記化学的回収滑剤ポリエステルマスターバッチにおける含有量は0.1wt%~20wt%であり、それによって前記滑剤の前記ポリエステルフィルムにおける含有量を0.01wt%~2wt%にするとともに、前記ポリエステルフィルムの透明度を85%以上にする、請求項4に記載の紫外線吸収性ポリエステルフィルムの製造方法。
【請求項6】
前記原料混合物を再重合するステップは、前記紫外線吸収官能基を有するモノマーを一部の前記原料混合物に添加し、次いで、前記紫外線吸収官能基を有するモノマーが添加された前記原料混合物を再重合するとともに造粒し、化学的回収紫外線吸収ポリエステルマスターバッチを得るステップを更に含む、請求項1に記載の紫外線吸収性ポリエステルフィルムの製造方法。
【請求項7】
前記一部の前記回収ポリエステル材料を物理的再生するステップは、前記回収ポリエステル材料を物理機械的に粉砕し、次いで、粉砕された前記回収ポリエステル材料に前記紫外線吸収化合物を添加するとともに造粒し、物理的回収紫外線吸収ポリエステルマスターバッチを得るステップを更に含む、請求項1に記載の紫外線吸収性ポリエステルフィルムの製造方法。
【請求項8】
前記回収ポリエステル材料のポリエステル成分はイソフタル酸をジカルボン酸ユニットとして含み、それによって最終的に形成される前記紫外線吸収性ポリエステルフィルムも前記イソフタル酸を含み、前記紫外線吸収性ポリエステルフィルムの全ジカルボン酸モノマーを100モル%濃度としたときに、前記イソフタル酸の前記紫外線吸収性ポリエステルフィルムにおける含有量は0.5モル%濃度~5モル%濃度である、請求項1に記載の紫外線吸収性ポリエステルフィルムの製造方法。
【請求項9】
前記回収ポリエステル材料のポリエステル成分は、バイオマスから誘導されてなるエチレングリコールをジオールユニットとして含み、それによって最終的に形成される前記紫外線吸収性ポリエステルフィルムも前記バイオマスから誘導されてなるエチレングリコールを含み、前記紫外線吸収性ポリエステルフィルムの総重量を100wt%としたときに、前記バイオマスから誘導されてなるエチレングリコールの前記紫外線吸収性ポリエステルフィルムにおける含有量は1wt%~25wt%であり、前記紫外線吸収性ポリエステルフィルム中の全炭素に対して、前記紫外線吸収性ポリエステルフィルム中の放射性炭素(C
14)測定によるバイオマス由来の炭素の含有量が5%未満である、請求項1に記載の紫外線吸収性ポリエステルフィルムの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は紫外線吸収性ポリエステルフィルム及びその製造方法に関し、特に物理的回収ポリエステル樹脂及び化学的回収ポリエステル樹脂を同時に使用する紫外線吸収性ポリエステルフィルム及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プラスチックの使用量が大幅に増加したため、大量のプラスチックごみが発生している。プラスチックは分解が難しいため、回収及び回収後の処理がより一層重要である。
【0003】
回収プラスチックにおいて、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PET)が多く、PET回収プラスチックの総量は全回収プラスチックの52.4%を占め、そのため、PET回収プラスチックを次に説明する。このような大量のPET回収プラスチックに対し、当業者はPET回収プラスチックの処理方法の開発に注力しなければならない。
【0004】
従来技術において、最もよく見られるPET回収方法は、物理(機械)的方法によってPETを回収する。まず、洗浄されたPET回収プラスチックをフレークに裁断し高温で溶かし、次いで押出機によって押出し、PET回収ペレット(又はr-PETと称される)を得る。
【0005】
環境を配慮しながら、PET製品に回収PETペレットを多く含ませるためには、品質の高い回収PETペレットを大量に使用する必要がある。業界では、今は、物理的方法によってPETを回収することが多いが、作製される回収ペレットには、製造過程において滑剤、静電気密着剤などの機能的成分を添加することができない。そのため、他の非回収PETバージンペレットを使用し、前記機能的成分を添加しなければならない。
【0006】
しかし、それでは、PET製品におけるPET回収ペレットの使用率は低下する。すなわち、従来技術ではPET回収ペレットのみで新しいPET製品を製造することができない。PET回収ペレットの使用率が低下すると、環境ラベルの使用基準に合わず、環境ラベルを得られる恐れがある。また、PET製品の製造過程において使用されるPETバージンペレットは、使用後は処理する必要があるため、回収再利用の問題が再度発生する。
【0007】
このことから、本発明者は上述した欠陥が改善可能なものであると考え、鋭意に研究し学理をも運用し、最終的に設計が合理的で且つ上述した問題を効果的に改善する本発明を提出した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする技術的問題は、従来技術に対し、紫外線吸収性ポリエステルフィルム及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の技術的問題を解決するために、本発明が採用する技術的手段は、回収ポリエステル材料を回収再利用するための紫外線吸収性ポリエステルフィルムの製造方法を提供することである。前記紫外線吸収性ポリエステルフィルムの製造方法は、一部分の前記回収ポリエステル材料を物理的再生するとともに造粒し、複数の物理的回収ポリエステルチップを得るステップと、他部分の前記回収ポリエステル材料を化学的再生するとともに造粒し、複数の化学的回収ポリエステルチップを得るステップと、複数の前記物理的回収ポリエステルチップ及び複数の前記化学的回収ポリエステルチップを互いに溶融混練するとともに押出し、前記紫外線吸収性ポリエステルフィルムを形成するステップと、を含み、複数の前記化学的回収ポリエステルチップは、化学的回収静電気密着ポリエステルマスターバッチを更に含み、なかでも、前記化学的回収静電気密着ポリエステルマスターバッチは、少なくとも一種の静電気密着添加剤(pinning additives)を含み、前記静電気密着添加剤は金属塩であり、なかでも、全ての前記ポリエステルチップ(物理的回収ポリエステルチップ及び化学的回収ポリエステルチップを含む)の使用量を100wt%としたときに、複数の前記化学的回収ポリエステルチップにおける前記化学的回収静電気密着ポリエステルマスターバッチの使用量は5wt%~35wt%であり、なかでも、前記紫外線吸収性ポリエステルフィルムの製造方法は、前記物理的再生する及び/又は前記化学的再生するステップにおいて、前記回収ポリエステル材料に紫外線吸収剤を添加し、それによって最終的に形成される前記紫外線吸収性ポリエステルフィルムに前記紫外線吸収剤を含ませるステップを更に含み、前記紫外線吸収剤は、紫外線吸収官能基を有するモノマー、又は紫外線吸収化合物である。
【0010】
好ましくは、前記紫外線吸収性ポリエステルフィルムにおいて、複数の前記物理的回収ポリエステルチップは物理的回収ポリエステル樹脂に形成され、複数の前記化学的回収ポリエステルチップは前記物理的回収ポリエステル樹脂と混合された化学的回収ポリエステル樹脂に形成され、なかでも、全ての前記ポリエステルチップの使用量を100wt%としたときに、複数の前記物理的回収ポリエステルチップの使用量は50wt%~95wt%であり、複数の前記化学的回収ポリエステルチップの使用量は1wt%~40wt%であり、複数の前記物理的回収ポリエステルチップ及び複数の前記化学的回収ポリエステルチップの使用量の合計は55wt%~100wt%である。
【0011】
好ましくは、他部分の前記回収ポリエステル材料を化学的再生する前記ステップは、前記回収ポリエステル材料を解重合し、原料混合物を得るステップと、前記原料混合物を再重合するとともに造粒し、複数の前記化学的回収ポリエステルチップを得るステップと、を更に含む。
【0012】
好ましくは、原料混合物を再重合する前記ステップは、一部の前記原料混合物に前記静電気密着添加剤(pinning additives)を添加し、次いで、前記静電気密着添加剤が添加された前記原料混合物を再重合するとともに造粒し、前記化学的回収静電気密着ポリエステルマスターバッチを得るステップを更に含む。
【0013】
好ましくは、前記静電気密着添加剤の前記化学的回収静電気密着ポリエステルマスターバッチにおける含有量は0.01wt%~0.3wt%であり、それによって前記静電気密着添加剤の前記ポリエステルフィルムにおける含有量を0.005wt%~0.1wt%にする。
【0014】
好ましくは、前記原料混合物を再重合するステップは、一部の前記原料混合物に滑剤(slipping agent)を添加し、次いで、前記滑剤が添加された前記原料混合物を再重合するとともに造粒し、化学的回収滑剤ポリエステルマスターバッチを得るステップを更に含み、なかでも、前記滑剤は、二酸化ケイ素粒子、炭酸カルシウム粒子、硫酸バリウム粒子、ポリスチレン粒子、シリコーン粒子、及びアクリル粒子からなる群から選ばれる少なくとも一種であり、なかでも、全ての前記ポリエステルチップの使用量を100wt%としたときに、前記化学的回収滑剤ポリエステルマスターバッチの使用量は5wt%~10wt%である。
【0015】
好ましくは、前記滑剤の粒子寸法は2μm未満であり、前記滑剤の前記化学的回収滑剤ポリエステルマスターバッチにおける含有量は0.1wt%~20wt%であり、それによって前記滑剤の前記ポリエステルフィルムにおける含有量を0.01wt%~2wt%にするとともに、前記ポリエステルフィルムの透明度を85%以上にする。
【0016】
好ましくは、前記前記原料混合物を再重合するステップは、前記紫外線吸収官能基を有するモノマーを一部の前記原料混合物に添加し、次いで、前記紫外線吸収官能基を有するモノマーが添加された前記原料混合物を再重合するとともに造粒し、化学的回収紫外線吸収ポリエステルマスターバッチを得るステップを更に含む。
【0017】
好ましくは、前記紫外線吸収剤は反応型であり、前記反応型紫外線吸収剤の化学構造に少なくとも二つの反応官能基を備える必要があり、前記反応官能基はヒドロキシル基(-OH)、カルボキシル基(-COOH)又はエステル基(-COOR)であってもよい。
【0018】
好ましくは、前記一部の前記回収ポリエステル材料を物理的再生するステップは、前記回収ポリエステル材料を物理機械的に粉砕し、次いで、粉砕された前記回収ポリエステル材料に前記紫外線吸収化合物を添加するとともに造粒し、物理的回収紫外線吸収ポリエステルマスターバッチを得るステップを更に含む。
【0019】
好ましくは、前記反応型紫外線吸収剤は前記化学的再生するステップにおいて配置され、その化学構造中の前記ヒドロキシル基、前記カルボキシル基又は前記エステル基と、前記原料混合物とが共重合反応(copolymerization reaction)を行い、それによって、前記原料混合物を再重合する過程において、ポリエステル分子構造の主鎖及び/又は側鎖に形成される。
【0020】
好ましくは、前記一部の前記回収ポリエステル材料を物理的再生するステップは、前記回収ポリエステル材料を物理機械的に粉砕し、次いで、粉砕された前記回収ポリエステル材料に前記紫外線吸収化合物を添加するとともに造粒し、物理的回収紫外線吸収ポリエステルマスターバッチを得るステップを更に含む。
【0021】
好ましくは、前記回収ペットボトルチップのポリエステル成分はイソフタル酸(IPA)をジカルボン酸ユニットとして含み、それによって最終的に形成される前記紫外線吸収性ポリエステルフィルムも前記イソフタル酸を含み、なかでも、前記紫外線吸収性ポリエステルフィルムの全ジカルボン酸モノマーを100モル%濃度としたときに、前記イソフタル酸の前記紫外線吸収性ポリエステルフィルムにおける含有量は0.5モル%濃度(mol%)~5モル%濃度である。
【0022】
好ましくは、前記回収ペットボトルチップのポリエステル成分は、バイオマスから誘導されてなるエチレングリコールをジオールユニットとして含み、それによって最終的に形成される前記紫外線吸収性ポリエステルフィルムも前記バイオマスから誘導されてなるエチレングリコールを含み、なかでも、前記紫外線吸収性ポリエステルフィルムの総重量を100wt%としたときに、前記バイオマスから誘導されてなるエチレングリコールの前記紫外線吸収性ポリエステルフィルムにおける含有量は1wt%~25wt%であり、また、前記紫外線吸収性ポリエステルフィルム中の全炭素に対して、前記紫外線吸収性ポリエステルフィルム中の放射性炭素(C14)測定によるバイオマス由来の炭素の含有量が5%未満である。
【0023】
上記の技術的問題を解決するために、本発明が採用する別の技術的手段は、紫外線吸収性ポリエステルフィルムを提供することである。前記紫外線吸収性ポリエステルフィルムは、複数の物理的回収ポリエステルチップからなる物理的回収ポリエステル樹脂と、複数の化学的回収ポリエステルチップからなり、前記物理的回収ポリエステル樹脂と混合された化学的回収ポリエステル樹脂と、を含み、なかでも、前記化学的回収ポリエステルチップは、化学的回収静電気密着ポリエステルマスターバッチを更に含み、なかでも、前記化学的回収静電気密着ポリエステルマスターバッチは少なくとも一種の静電気密着添加剤(pinning additives)を更に含み、前記静電気密着添加剤は金属塩であり、なかでも、前記ポリエステルフィルムの総重量を100wt%としたときに、前記静電気密着添加剤の前記ポリエステルフィルムにおける含有量は0.005wt%~0.1wt%であり、なかでも、前記紫外線吸収性ポリエステルフィルムは紫外線吸収剤を更に含み、前記紫外線吸収剤は前記物理的回収ポリエステル樹脂及び/又は前記化学的回収ポリエステル樹脂に分散しており、前記紫外線吸収剤は、紫外線吸収官能基を有するモノマー、又は紫外線吸収化合物である。
【0024】
好ましくは、前記紫外線吸収性ポリエステルフィルムにおける前記紫外線吸収剤の含有量は10ppm~5000ppmであり、前記紫外線吸収性ポリエステルフィルムは良好な耐候性を有し、QUV-313、QUV-340ランプを使用し、標準試験条件において、200~4000時間照射後、老化・脆化せず、色相変化(△E)は10未満である。
【0025】
好ましくは、前記ポリエステルフィルムの総重量を100wt%としたときに、前記物理的回収ポリエステル樹脂の含有量は50wt%~95wt%であり、前記化学的回収ポリエステル樹脂の含有量は1wt%~40%濃度であり、前記物理的回収ポリエステル樹脂及び前記化学的回収ポリエステル樹脂の含有量の合計は55wt%~100wt%である。
【0026】
好ましくは、前記紫外線吸収性ポリエステルフィルムは透明フィルムであり、前記紫外線吸収性ポリエステルフィルムは更に滑剤を含み、前記滑剤は前記物理的回収ポリエステル樹脂及び/又は前記化学的回収ポリエステル樹脂に分散しており、前記滑剤は二酸化ケイ素粒子、炭酸カルシウム粒子、硫酸バリウム粒子、ポリスチレン粒子、シリコーン粒子、及びアクリル粒子からなる材料群から選ばれる少なくとも一種であり、前記紫外線吸収性ポリエステルフィルムの総重量を100wt%としたときに、前記滑剤の添加量は5~10wt%である。
【0027】
好ましくは、前記紫外線吸収性ポリエステルフィルムは艶消しフィルムであり、前記紫外線吸収性ポリエステルフィルムは艶消し添加剤を更に含み、前記艶消し添加剤は、二酸化ケイ素粒子、炭酸カルシウム粒子、酸化アルミニウム粒子及びタルク粉末からなる群から選ばれ、前記紫外線吸収性ポリエステルフィルムの総重量を100wt%としたときに、前記艶消し添加剤の添加量は0.5~10wt%である。
【0028】
好ましくは、前記紫外線吸収性ポリエステルフィルムは白色フィルムであり、前記紫外線吸収性ポリエステルフィルムは白色添加物を更に含み、前記白色添加物は二酸化チタン、硫酸バリウム及び炭酸カルシウムからなる群から選ばれ、前記紫外線吸収性ポリエステルフィルムの総重量を100wt%としたときに、前記白色添加物の添加量は5~40wt%である。
【0029】
好ましくは、前記紫外線吸収性ポリエステルフィルムは黒色フィルムであり、前記紫外線吸収性ポリエステルフィルムは黒色添加物を更に含み、前記黒色添加物はカーボンブラック及び黒色染料からなる群から選ばれ、前記紫外線吸収性ポリエステルフィルムの総重量を100wt%としたときに、前記黒色添加物の添加量は5~40wt%である。
【発明の効果】
【0030】
本発明の一つの有利な効果として、本発明が提供する紫外線吸収性ポリエステルフィルム及びその製造方法は、「複数の前記化学的回収ポリエステルチップは、化学的回収静電気密着ポリエステルマスターバッチを更に含み、なかでも、前記化学的回収静電気密着ポリエステルマスターバッチは静電気密着添加剤(pinning additives)を含み、前記静電気密着添加剤は金属塩である」、及び「全ての前記ポリエステルチップの使用量を100wt%としたときに、前記化学的回収ポリエステルチップにおける前記化学的回収静電気密着ポリエステルマスターバッチの使用量は5wt%~35wt%である」といった技術的手段によって、前記紫外線吸収性ポリエステルフィルムは高比率の回収ポリエステル材料で作製されることができ、他のバージンポリエステル樹脂(virgin polyester resin)を添加する必要がない、又は少量添加すればよく、それによって、バージンポリエステル樹脂の使用量を大幅に低減させるとともに、環境保護の需要に符合する。
【0031】
更に、本発明が提供する紫外線吸収性ポリエステルフィルム及びその製造方法は、「前記物理的再生する及び/又は前記化学的再生するステップにおいて、前記回収ポリエステル材料に紫外線吸収剤を添加する」という技術的手段によって、前記紫外線吸収性ポリエステルフィルムは一定の紫外線吸収効果を有するため、特定の製品(例えば、建築材料、電子製品、携帯電話の遮光テープ、ノートパソコンのキーボードカバーなど)に使用されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本発明の紫外線吸収性ポリエステルフィルムの製造方法を示す流れ模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、所定の具体的な実施態様によって本発明に係る実施形態を説明し、当業者は、本明細書に開示された内容に基づいて本発明の利点と効果を理解することができる。本発明は、他の異なる具体的な実施態様によって実行又は適用でき、本明細書における各細部についても、異なる観点と用途に基づいて、本発明の構想から逸脱しない限り、各種の修正と変更を行うことができる。また、事前に説明するように、本発明の添付図面は、簡単な模式的説明であり、実際の寸法に基づいて描かれたものではない。以下の実施形態に基づいて本発明に係る技術内容を更に詳細に説明するが、開示される内容は本発明の保護範囲を制限するためのものではない。
【0034】
理解すべきことは、本文に使用される「又は」という用語は、実際の状況に応じて、関連して挙げられる項目におけるいずれか1つ又は複数の組み合わせを含む可能性がある。
【0035】
大量の回収プラスチック、特に回収ポリエステル材料(recycled polyester material)を処理するために、本発明の実施形態は、回収ポリエステル材料から作製される紫外線吸収性ポリエステルフィルム、及びその製造方法を提供する。
【0036】
本実施形態に係る紫外線吸収性ポリエステルフィルム及びその製造方法は、物理的再生によって得られる物理的回収ポリエステル樹脂、及び化学的再生によって得られる化学的回収ポリエステル樹脂を同時に使用し、それによって、回収ポリエステル材料の紫外線吸収性ポリエステルフィルムにおける使用量を増加させる。
【0037】
更に言えば、本実施形態に係る紫外線吸収性ポリエステルフィルムは、高比例の回収ポリエステル材料によって作製されることができ、他のバージンポリエステル樹脂(virgin polyester resin)を添加しなくてもよく、又は少量添加すればよい。
[回収ポリエステル材料]
【0038】
まず、再利用可能な回収ポリエステル材料を得るために、ポリエステル樹脂を回収する。ポリエステル樹脂を回収する方法は、各種タイプの廃棄ポリエステル樹脂材料を収集するステップと、該廃棄ポリエステル樹脂材料を種類、色、用途に応じて分別するステップと、該廃棄ポリエステル樹脂材料を圧縮梱包し、廃棄物処理工場に運送するステップと、を含む。本実施形態において、該廃棄ポリエステル樹脂材料は回収ペットボトル(recycled PET bottles)であるが、本発明はこれに制限されない。
【0039】
次いで、該廃棄ポリエステル樹脂材料における付属品(例えば、ギャップ、ラベル、及びバインダー)を取り除く。該廃棄ポリエステル樹脂材料における付属品が分離した後、該廃棄ポリエステル樹脂材料を破砕し、比重分離によって、異なる材質のボトルネック、パッド、及びボトル本体を分離させる。そして、破碎された廃棄ポリエステル樹脂材料を乾燥させれば、処理済みの回収ポリエステル材料、例えば、回収ペットボトル(r-PET)チップを得ることができ、後のポリエステルフィルムの製造プロセスに使用できる。
【0040】
特筆に値することは、本発明の他の実施形態において、前記回収ポリエステル材料は、例えば、処理済みの回収ポリエステル材料を直接購買し、後のポリエステルフィルムの製造プロセスに使用してもよい。
【0041】
次いで、本発明の実施形態に係る紫外線吸収性ポリエステルフィルムの製造方法は、一部分の回収ポリエステル材料(例えば、ペットボトルチップ)を物理的再生するとともに造粒し、複数の物理的回収ポリエステルチップを得るステップと、他部分の回収ポリエステル材料を化学的再生するとともに造粒し、複数の化学的回収ポリエステルチップを得るステップと、を含む。
【0042】
説明しておきたいことは、本文に使用される用語「ポリエステル」、「ポリエステル材料」、「ポリエステル樹脂」などは任意類型のポリエステル、特に芳香族ポリエステルを指し、ここでは、特にテレフタル酸及びエチレングリコール由来のポリエステル、すなわち、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PET)を指す。
【0043】
更に、前記ポリエステルは、例えば、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタラート、ポリエチレンナフタレートであってもよい。本実施形態において、前記ポリエステルは、好ましくは、ポリエチレンテレフタレート、及びポリトリメチレンテレフタレートである。また、共重合物を使用してもよく、前記共重合物は、特に二種類以上のジカルボン酸及び/又は二種類以上のジオール成分によって得られる共重合物のことを指す。
[物理的再生]
【0044】
物理的再生では、回収ポリエステル材料(例えば、ペットボトルチップ)を裁断し、それによって該回収ポリエステル材料を溶融するための時間及びエネルギー消費を減少させる。次いで、裁断後の回収ポリエステル材料を溶融混練し、単軸押出機又は二軸押出機によって造粒し、複数の物理的回収ポリエステルチップ(physical recycled polyester chips)を得る。すなわち、回収ポリエステル材料は順番に裁断、溶融及び押出などのステップを経て再成形され、もともとの回収ポリエステル材料中のポリエステル分子が再配列され、それによって、複数の前記物理的回収ポリエステルチップが作製される。
【0045】
更に言えば、本実施形態において、複数の前記物理的回収ポリエステルチップは、物理的回収レギュラーポリエステルチップ(regular polyester chips)と、物理的回収滑剤ポリエステルマスターバッチ(slipping polyester masterbatches)と、に更に区分されることができる。
【0046】
なかでも、前記物理的回収レギュラーポリエステルチップは、物理的再生の過程において、他の添加剤(例えば、静電気密着添加剤、滑剤、染料)が添加されていない物理的回収ポリエステルチップである。
【0047】
更に、前記物理的回収滑剤ポリエステルマスターバッチは物理的再生の過程において(特にポリエステル溶融の過程において)、滑剤(slipping agent)が更に添加される物理的回収ポリエステルマスターバッチである。
【0048】
すなわち、前記物理的回収滑剤ポリエステルマスターバッチは滑剤を含み、前記滑剤は二酸化ケイ素粒子、炭酸カルシウム粒子、硫酸バリウム粒子、ポリスチレン粒子、シリコーン粒子及びアクリル粒子からなる材料群から選ばれる少なくとも一種である。
【0049】
説明しておきたいことは、本実施形態において、滑剤は、物理的回収ポリエステルマスターバッチに添加されることができるが、選択的に化学的回収ポリエステルマスターバッチに添加されることもできる。
【0050】
また、特筆に値することは、物理的再生の過程において、ポリエステル分子は再配列されるが、再構成されない。そのため、もともと回収ポリエステル材料に存在する成分(例えば、ポリエステル時を合成する際に使用する金属触媒、滑剤、抗酸化剤、又は添加剤)は物理的回収ポリエステル材料に依然として存在し、それによって、最終的に形成されるポリエステルフィルムもそういった成分を含む。それと同時に、ペットボトル用ポリエステル樹脂が有する諸特性(例えば、環状オリゴマー濃度が低い)も物理的回収ポリエステルチップにキープされる。
[化学的再生]
【0051】
化学的再生では、まず、回収ポリエステル材料(例えば、ペットボトルチップ)を裁断し、該回収ポリエステル材料を解重合するための時間及びエネルギー消費を減少させる。次いで、裁断後の回収ポリエステル材料を化学解重合液に入れ、回収ポリエステル材料中のポリエステルの分子鎖切断を行うことによって、回収ポリエステル材料の解重合効果を果たすとともに、分子鎖がより短いポリエステル組成、及び一つのジカルボン酸ユニットと2つのジオールユニットとからなるエステル系モノマー(例えば、ビス-(2-ヒドロキシエチル)テレフタレート(BHET))を得ることができる。
【0052】
本実施形態において、前記化学解重合液は、例えば、水、メタノール、エタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール又はそれらを組み合わせてなるものの溶液であってもよいが、本発明はこれに制限されない。例えば、水は加水分解に使用され、メタノール、エタノール、エチレングリコール、又はジエチレングリコールは加アルコール分解に使用される。
【0053】
次いで、前記原料混合物を濾過し、前記原料混合物中の非ポリエステル類不純物の濃度を下げる。さらに、特定の反応条件において、前記原料混合物中のモノマー及び/又はオリゴマーを再重合するとともに造粒し、複数の化学的回収ポリエステルチップ(chemical recycled polyester chips)を得る。
【0054】
すなわち、物理的再生とは異なり、化学的再生は「回収ポリエステル材料中のポリエステル分子の解重合及び再重合」に関連し、それによって、ポリエステル分子は分子量がより低い分子に解重合され、さらに新しいポリエステル樹脂に再重合されることができる。
【0055】
本発明の他の実施形態において、化学的回収ポリエステルチップの作製方法は上述した実施形態に制限されず、加水分解法又は超臨界流体法によって作製されてもよい。前記加水分解法は、回収されたポリエステル材料をアルカリ性溶液に入れて行われ、一定の温度及び圧力を設定し、マイクロウェーブを照射することによって、ポリエステル分子を完全にモノマーに熱分解させる。前記超臨界流体法は、回収されたポリエステル材料を超臨界流体状態のメタノールにおいて少量のモノマー及びオリゴマーに分解させる。なかでも、モノマー及びオリゴマーの収率は反応温度及び反応時間によって影響される。
【0056】
更に言えば、本実施形態において、複数の前記化学的回収ポリエステルチップは、化学的レギュラーポリエステルチップ(regular polyester chips)と、化学的滑剤ポリエステルマスターバッチ(slipping polyester masterbatches)と、化学的静電気密着ポリエステルマスターバッチ(pinning polyester masterbatches)とに区分されてもよい。
【0057】
なかでも、前記化学的レギュラーポリエステルチップは、化学的再生において、他の添加剤(例えば、静電気密着添加剤、滑剤、染料)が添加されていない化学的回収ポリエステルチップである。
【0058】
更に、上述した化学的滑剤ポリエステルマスターバッチ及び化学的静電気密着ポリエステルマスターバッチの作製方法は、例えば、ポリエステル分子が再重合される過程において、他の添加物(例えば、滑剤、静電気密着添加剤など)を、モノマー(例えば、2つのジオールユニットと、一つのジカルボン酸ユニットとが反応することによって生成されるエステル類モノマー、例えば、BHET)及び/又はオリゴマーを有する原料混合物に添加し、該添加物を均一に原料混合物と混合することによって、化学的回収ポリエステル樹脂の特性(例えば、滑性、静電気密着性など)を調整する。
【0059】
本実施形態において、前記原料混合物を再重合するステップは、滑剤(slipping agent)を一部の原料混合物に添加するとともにそれらを均一に混合し、次いで、前記滑剤が添加された原料混合物を再重合するとともに造粒し、前記化学的回収滑剤ポリエステルマスターバッチを得るステップを更に含む。なかでも、前記滑剤は二酸化ケイ素粒子、炭酸カルシウム粒子、硫酸バリウム粒子、ポリスチレン粒子、シリコーン粒子、及びアクリル粒子からなる材料群から選ばれる少なくとも一種である。
【0060】
また、前述のように、前記滑剤は選択的に物理的回収ポリエステルマスターバッチ及び/又は化学的回収ポリエステルマスターバッチに添加されてもよい。
【0061】
更に言えば、本実施形態において、前記原料混合物を再重合するステップは、静電気密着添加剤(pinning additives)を一部の原料混合物に添加し、次いで、前記静電気密着添加剤が添加された原料混合物を再重合するとともに造粒し、化学的回収静電気密着ポリエステルマスターバッチを得るステップを更に含む。
【0062】
説明しておきたいことは、本文中に使用される用語「静電気密着」は、導電率を増加させる又は抵抗を減少させる物質の用途のことを指す。本文中に使用される用語「静電気密着添加剤」は導電率を増加させる又は抵抗を減少させる物質のことを指す。
【0063】
本発明実施形態に係る静電気密着効果を有する好ましい化合物を以下に説明するが、本発明はこれに制限されない。従来技術における他の既知物質を選択使用してもよく、すなわち、従来技術におけるポリエステルの導電率を増加させる又は抵抗を減少させる化合物又は成分を使用してもよい。
【0064】
もっと具体的言えば、本実施形態に係る静電気密着添加剤は金属塩である。好ましくは、前記金属塩は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含有する、及び脂肪族カルボン酸を含有する金属塩である。
【0065】
なかでも、前記脂肪族カルボン酸を含有する金属塩において、前記脂肪族カルボン酸は分子構造に2~30個の炭素原子を有する。例えば、前記脂肪族カルボン酸(金属塩の形態において)はカルボン酸及びジカルボン酸を含み、例えば、酢酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、又はセバシン酸であってもよい。
【0066】
更に言えば、前記金属塩の金属成分は、例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属であってもよい。また、前記金属塩は、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、又はマグネシウム塩であってもよい。
【0067】
本実施形態において、前記金属塩は、好ましくはマグネシウム塩又はリチウム塩である。なかでも、マグネシウム塩は、例えば、酢酸マグネシウム(Mg(CH3COO)2)であってもよく、リチウム塩は、例えば、酢酸リチウム(CH3COOLi)であってもよいが、本発明はこれに制限されない。
【0068】
特筆に値することは、従来の紫外線吸収性ポリエステルフィルムの製造方法において、紫外線吸収性ポリエステルフィルムの生産速度を上げるために、ポリエステルメルトを静電気的に密着する方法を採用することが多い。該方法において、製品の品質を高くするためには、ポリエステルメルトはなるべく低い抵抗を有する必要がある。通常、静電気密着添加剤をポリエステルメルトに加えることによって実現させる。
【0069】
従来技術では、静電気密着添加剤は、通常、バージンポリエステル樹脂(virgin polyester masterbatches)に添加される。そのため、回収ポリエステル材料でポリエステルフィルムを製造しても、大量のバージンポリエステル樹脂を依然として使用しなければならない。それでは、回収ポリエステル材料の使用率を効果的に上げることができない。
【0070】
従来技術と比較して、本実施形態に係る紫外線吸収性ポリエステルフィルムの製造方法は、ポリエステル分子が再重合する過程において、静電気密着添加剤をモノマー(例えば、BHET)及び/又はオリゴマーを有する原料混合物に添加することによって、前記静電気密着添加剤とモノマー及び/又はオリゴマーとを均一に混合する。次いで、前記原料混合物中のモノマー及び/又はオリゴマーが再重合されることによって、前記静電気密着添加剤はもっと均一にポリエステル樹脂と混合される。
【0071】
それによって、本実施形態に係る化学的回収静電気密着ポリエステルマスターバッチによれば、バージンポリエステル樹脂に静電気密着添加剤を添加する従来の技術的手段を代替することができ、それによってバージンポリエステル樹脂の使用量を効果的に減少させ、回収ポリエステル材料の使用率を大幅に増加させる。
【0072】
説明しておきたいことは、本実施形態に係る静電気密着添加剤は、化学的再生のみによって、静電気密着添加剤がポリエステル成分と均一に混合される。
【0073】
相対的に、物理的再生の過程において、物理的再生では、大量にポリエステル分子がモノマー及び/又はオリゴマーに分解されないため、静電気密着添加剤は均一にポリエステル樹脂と混合されることができず、所望の効果(例えば、静電気密着性)を発揮できない。
【0074】
更に言えば、本実施形態に係る化学的回収静電気密着ポリエステルマスターバッチを加えれば、ポリエステル樹脂の導電率を効果的に上げることができ、静電装置により高品質のポリエステルフィルムを作製できる。
【0075】
ポリエステルフィルムを作製する際、本実施形態に係る化学的回収静電気密着ポリエステルマスターバッチを使用する場合、ポリエステルフィルム製造設備の第1のロール(射出ロール/冷却ロール)の速度を顕著に上げても、順調にポリエステルフィルムを製造でき、例えば、速度を最高120m/minに上げても、ポリエステルフィルムはロール面に密着することができる。また、このような高速において、もっと薄いフィルム(例えば、厚さが最低9μmの薄フィルム)を作製することができる。特に、本実施形態に係る化学的回収静電気密着ポリエステルマスターバッチは効果的に導電率や抵抗を調整できる。
【0076】
それによって、上記の各添加物により、複数の異なる特性を有する化学的回収ポリエステルマスターバッチを作製できる。更に、上述した物理的再生及び化学的再生の二種類のプロセスにより、性質の異なる物理的回収ポリエステルチップ及び化学的回収ポリエステルチップを作製できる。それによって、特定種類の化学的回収ポリエステルチップを使用し、物理的回収ポリエステルチップ及び化学的回収ポリエステルチップの使用量比例を調整すれば、異なるポリエステル製品(例えば、紫外線吸収性ポリエステルフィルム)の製造に寄与する。
【0077】
特筆に値することは、本実施形態に係るポリエステルフィルムの製造方法は物理的再生及び化学的再生において、環状オリゴマー(cyclic oligomers)が形成される可能性がある。なかでも、物理的再生の過程において形成される環状オリゴマーの濃度は、化学的再生において形成される環状オリゴマーの濃度よりも遥かに低い。
【0078】
また、特筆に値することは、本発明の一実施形態において、前記他部分の前記回収ポリエステル材料を化学的再生するステップは、エチレングリコール(ethylene glycol)解重合液によって前記回収ポリエステル材料を解重合し、前記原料混合物を得、次いで、複数の前記物理的回収ポリエステルチップを複数の前記化学的回収ポリエステルチップと混合することにより、ポリエステルフィルム製品におけるジエチレングリコールの濃度を減少させるステップを更に含む。もっと具体的言えば、前記回収ポリエステル材料を解重合する際、大量のエチレングリコール解重合液を加える必要があるため、後続する重合プロセス中の産物である化学的回収ポリエステル樹脂におけるジエチレングリコール(diethylene glycol)の組成比率が高くなる。また、ジエチレングリコールにポリエステル材料の耐熱性を下げるエステル基(ether group)を有する。それによって、本発明は複数の前記物理的回収ポリエステルチップを複数の前記化学的回収ポリエステルチップと混合し、それによってポリエステルフィルム中のジエチレングリコール全体の濃度を下げ、それによって上述した耐熱性低下の問題を解決する。
[ポリエステルフィルムの作製]
【0079】
物理的再生する及び化学的再生するステップの後に、本実施形態に係る紫外線吸収性ポリエステルフィルムの製造方法は、複数の前記物理的回収ポリエステルチップ及び複数の前記化学的回収ポリエステルチップ溶融混練するとともに押出し、紫外線吸収性ポリエステルフィルムステップを形成するステップを更に含む。
【0080】
前記紫外線吸収性ポリエステルフィルムにおいて、複数の前記物理的回収ポリエステルチップは物理的回収ポリエステル樹脂に形成され、複数の前記化学的回収ポリエステルチップは化学的回収ポリエステル樹脂に形成され、また、前記物理的回収ポリエステル樹脂と、化学的回収ポリエステル樹脂とが互いに均一に混合される。
【0081】
回収ポリエステル材料の使用率を向上させるために、上述した各種の回収ポリエステルチップは、適切な使用量を有する。
【0082】
具体的に言えば、全てのポリエステルチップの使用量を100wt%としたときに、複数の前記物理的回収ポリエステルチップの使用量は、好ましくは50wt%~95wt%であり、特に好ましくは60wt%~80wt%である。複数の前記化学的回収ポリエステルチップの使用量は、好ましくは1wt%~40wt%であり、特に好ましくは20wt%~30wt%である。更に、複数の前記物理的回収ポリエステルチップ及び複数の前記化学的回収ポリエステルチップの使用量の合計は、好ましくは55wt%~100wt%であり、特に好ましくは70wt%~100wt%である。
【0083】
言い換えれば、前記紫外線吸収性ポリエステルフィルムの総重量を100wt%としたときに、前記物理的回収ポリエステル樹脂の含有量は、好ましくは50wt%~95wt%であり、特に好ましくは60wt%~80wt%である。前記化学的回収ポリエステル樹脂の含有量は、好ましくは1wt%~40%濃度であり、特に好ましくは20wt%~30%濃度である。更に、前記物理的回収ポリエステル樹脂及び前記化学的回収ポリエステル樹脂の含有量の合計は、好ましくは、55wt%~100wt%であり、特に好ましくは70wt%~100wt%である。
【0084】
注意すべきことは、本文に言及される「%」は、別に指示しない限り、いずれもwt%である。
【0085】
上述した構成により、本実施形態に係る紫外線吸収性ポリエステルフィルムの製造方法によれば、紫外線吸収性ポリエステルフィルムは高比例の回収ポリエステル材料によって作製されることができ、他のバージンポリエステル樹脂(virgin polyester masterbatch)を添加しなくてもよく、又は少量添加すればよい。例えば、本発明の一実施形態において、前記バージンポリエステル樹脂の使用量は、通常、50wt%以下であり、好ましくは30wt%以下であり、特に好ましくは10wt%以下である。
【0086】
更に言えば、滑剤について、全ての前記ポリエステルチップの使用量を100wt%としたときに、全ての前記ポリエステルチップの使用量に対して、前記物理的回収滑剤ポリエステルマスターバッチ及び/又は前記化学的回収滑剤ポリエステルマスターバッチの使用量は5wt%~10wt%である。
【0087】
更に言えば、前記滑剤の粒子寸法は2μm未満であり、また、前記物理的回収滑剤ポリエステルマスターバッチ及び/又は前記化学的回収滑剤ポリエステルマスターバッチにおいて、前記滑剤の上述した回収滑剤ポリエステルマスターバッチにおける含有量は0.2wt%~20wt%であり、それによって前記滑剤の前記ポリエステルフィルムにおける含有量は0.01wt%~2wt%である。
【0088】
また、静電気密着添加剤について、全ての前記ポリエステルチップの使用量を100wt%としたときに、複数の前記化学的回収ポリエステルチップにおける前記化学的回収静電気密着ポリエステルマスターバッチの使用量は5wt%~35wt%である。
【0089】
また、前記静電気密着添加剤の化学的回収静電気密着ポリエステルマスターバッチにおける含有量は0.01wt%~0.3wt%であり、それによって前記静電気密着添加剤のポリエステルフィルムにおける含有量は0.005wt%~0.1wt%である。
【0090】
特筆に値することは、紫外線吸収性ポリエステルフィルムに紫外線遮断の効果を持たせるために、本実施形態において、前記紫外線吸収性ポリエステルフィルムの製造方法は、前記物理的再生する及び/又は前記化学的再生するステップにおいて、前記回収ポリエステル材料に紫外線吸収剤を添加し、それによって最終的に形成される前記紫外線吸収性ポリエステルフィルムに前記紫外線吸収剤を含ませるステップを更に含む。前記紫外線吸収剤は、紫外線吸収官能基を有するモノマー、又は紫外線吸収化合物である。
【0091】
例えて言えば、前記紫外線吸収剤は、例えば、化学的再生によって添加されてもよい。前記原料混合物を再重合するステップは、前記紫外線吸収官能基を有するモノマーを一部の前記原料混合物に添加し、次いで、前記紫外線吸収官能基を有するモノマーが添加された前記原料混合物を再重合するとともに造粒し、化学的回収紫外線吸収ポリエステルマスターバッチを得るステップを更に含む。
【0092】
更に、前記紫外線吸収剤は、例えば、物理的再生によって添加されてもよい。具体的に言えば、前記一部の前記回収ポリエステル材料を物理的再生するステップは、前記回収ポリエステル材料を物理機械的に粉砕し、次いで、粉砕された前記回収ポリエステル材料に前記紫外線吸収化合物を添加するとともに、単軸押出機又は二軸押出機によって造粒し、物理的回収紫外線吸収ポリエステルマスターバッチを得るステップを更に含む。
【0093】
それによって、最終的に形成される前記ポリエステルフィルムは紫外線吸収剤を更に含むことができ、前記紫外線吸収剤は前記化学的回収ポリエステル樹脂及び/又は前記物理的回収ポリエステル樹脂に均一に分散する。
【0094】
紫外線吸収剤は、BASF社製の商品:Uvinul(登録商標)又はTinuvin(登録商標)シリーズの紫外線吸収剤、CHITEC社製の商品:Chiguard(登録商標)シリーズの紫外線吸収剤、SOLVAY社製の商品:CYASORB(登録商標)シリーズの紫外線吸収剤又はそれらを組み合わせてなるものであってもよく。例えば、紫外線吸収剤は表1に示す紫外線吸収官能基を有するモノマー、又は表2に示す紫外線吸収化合物であってもよい。
【0095】
紫外線吸収剤は、BASF社製の商品:Uvinul(登録商標)又はTinuvin(登録商標)シリーズの紫外線吸収剤、CHITEC社製の商品:Chiguard(登録商標)シリーズの紫外線吸収剤、SOLVAY社製の商品:CYASORB(登録商標)シリーズの紫外線吸収剤又はそれらを組み合わせてなるものであってもよく。例えば、紫外線吸収剤は表1に示す紫外線吸収官能基を有するモノマー、又は表2に示す紫外線吸収化合物であってもよい。
【0096】
【0097】
【0098】
紫外線吸収剤を添加することにより、本実施形態に係る紫外線吸収性ポリエステルフィルムのカットできる波長は400nm以下の紫外光であり、その紫外線吸収率は95%を超える。また、紫外線吸収フィルム1は良好な耐候性を有し、QUV-313、QUV-340ランプを使用し、標準試験条件において、200~4000時間照射後、老化・脆化せず、色相変化(△E)は10未満である。
【0099】
更に、本実施形態に係る紫外線吸収性ポリエステルフィルムは一定の紫外光吸収効果を有することができるため、特定の製品(例えば、建築材料、電子製品、携帯電話の遮光テープ、ノートパソコンのキーボードカバーなど)に適用されることができる。
【0100】
特筆に値することは、本実施形態の紫外線吸収性ポリエステルフィルムは製品のニーズによって選択的に顔料又は染料を添加してもよく、それによって、特定の色(例えば、黒色、白色、又は黒と白が交互に現れる色)を呈する。
【0101】
製膜の過程において、溶融混合物に異なる機能性添加剤(例えば、滑剤、艶消し添加剤、及び色添加物)を添加してもよく、それによって、順番に、物理的再生滑剤ポリエステルマスターバッチ、物理的再生艶消しポリエステルマスターバッチ、及び物理的再生色ポリエステルマスターバッチを作製することができる。注意すべきことは、物理的再生滑剤ポリエステルマスターバッチ、物理的再生艶消しポリエステルマスターバッチ、及び物理的再生色ポリエステルマスターバッチは、それぞれ、再生ポリエチレンテレフタレートを主成分として作製されている。
【0102】
具体的言えば、滑剤は、二酸化ケイ素、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、シリコーン、アクリル又はそれらを組み合わせてなるものであってもよいが、これに制限されない。ポリエステル組成物の総重量を100wt%としたときに、滑剤の添加量は5~10wt%である。好ましい一実施形態において、滑剤の添加により、紫外線吸収性ポリエステルフィルムの透明度は85%以上である。
【0103】
具体的言えば、艶消し添加剤は、二酸化ケイ素粒子、炭酸カルシウム粒子、酸化アルミニウム粒子、タルク粉末又はそれらを組み合わせてなるものであってもよいが、これに制限されない。ポリエステル組成物の総重量を100wt%とした場合、艶消し添加剤の添加量は0.5~10wt%である。好ましい一実施形態において、艶消し添加剤の添加により、紫外線吸収性ポリエステルフィルムのヘイズ度は5%~95%である。
【0104】
具体的に言えば、色添加物は何色の添加物(例えば、白色添加物又は黒色添加物)であってもよい。白色添加物は、二酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム又はそれらを組み合わせてなるものであってもよく、黒色添加物は、カーボンブラック、黒色染料又はそれらを組み合わせてなるものであってもよい。一部の実施形態において、紫外線吸収性ポリエステルフィルムの総重量を100wt%としたときに、白色添加物の添加量は5~40wt%であり、それによって、紫外線吸収性ポリエステルフィルムは白色を呈するとともに、1.2以上の光学密度(optical density、OD)を有する。一部の実施形態において、紫外線吸収性ポリエステルフィルムの総重量を100wt%としたときに、黒色添加物の添加量は5~40wt%であり、それによって、紫外線吸収性ポリエステルフィルムは黒色を呈するとともに、1.5以上の光学密度を有する。
【0105】
また、特筆に値することは、上述した複数の物理的回収ポリエステルチップ及び複数の化学的回収ポリエステルチップは全て、前記回収ポリエステル材料を回収再利用し、且つ前記回収ポリエステル材料を造粒することによって得られたものである。なかでも、前記回収ポリエステル材料は回収ペットボトル(r-PET)チップである。
【0106】
本発明の一実施形態において、前記回収ペットボトルチップのポリエステル成分はイソフタル酸(IPA)をジカルボン酸ユニットとして含み、それによって最終的に形成される前記紫外線吸収性ポリエステルフィルムも前記イソフタル酸を含む。なかでも、前記ポリエステルフィルムの総重量を100モル%濃度としたときに、前記イソフタル酸の前記紫外線吸収性ポリエステルフィルムにおける含有量は0.5モル%濃度(mol%)~5モル%濃度である。
【0107】
本発明の一実施形態において、前記回収ペットボトルチップのポリエステル成分は、バイオマスから誘導されてなるエチレングリコールをジオールユニットとして含み、それによって最終的に形成される前記ポリエステルフィルムも前記バイオマスから誘導されてなるエチレングリコールを含む。なかでも、前記紫外線吸収性ポリエステルフィルムの総重量を100wt%としたときに、前記バイオマスから誘導されてなるエチレングリコールの前記ポリエステルフィルムにおける含有量は1wt%~25wt%である。また、前記ポリエステルフィルム中の全炭素に対して、前記紫外線吸収性ポリエステルフィルム中の放射性炭素(C14)測定によるバイオマス由来の炭素の含有量が5%未満である。
【0108】
本発明の一つの有利な効果として、本発明が提供する紫外線吸収性ポリエステルフィルム及びその製造方法は、「複数の前記化学的回収ポリエステルマスターバッチは、化学的回収静電気密着ポリエステルマスターバッチを更に含み、なかでも、前記化学的回収静電気密着ポリエステルマスターバッチは少なくとも一種の静電気密着添加剤を含み、前記静電気密着添加剤は金属塩である」、及び「全ての前記ポリエステルチップの使用量を100wt%としたときに、前記化学的回収ポリエステルチップにおける前記化学的回収静電気密着ポリエステルマスターバッチの使用量は5wt%~35wt%である」といった技術的手段によって、前記紫外線吸収性ポリエステルフィルムは高比率の回収ポリエステル材料で作製されることができ、他のバージンポリエステル樹脂を添加する必要がない、又は少量添加すればよく、それによって、バージンポリエステル樹脂の使用量を大幅に低減させるとともに、環境保護の需要に符合する。
【0109】
更に、本発明が提供する紫外線吸収性ポリエステルフィルム及びその製造方法は、「前記物理的再生する及び/又は前記化学的再生するステップにおいて、前記回収ポリエステル材料に紫外線吸収剤を添加する」という技術的手段によって、前記紫外線吸収性ポリエステルフィルムは一定の紫外線吸収効果を有するため、特定の製品(例えば、建築材料、電子製品、携帯電話の遮光テープ、ノートパソコンのキーボードカバーなど)に使用されることができる。
【0110】
以上に開示される内容は、好ましい本発明の実施形態に過ぎず、発明の範囲を限定することを意図していない。そのため、本発明の明細書及び図面でなされた均等的な技術の変形は、全て本発明の請求の範囲に含まれるものである。