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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20230101AFI20240228BHJP
【FI】
G06Q10/06
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021098911
(22)【出願日】2021-06-14
(65)【公開番号】P2022190540
(43)【公開日】2022-12-26
【審査請求日】2021-06-14
【審判番号】
【審判請求日】2023-05-30
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(73)【特許権者】
【識別番号】521260097
【氏名又は名称】三井 宏一
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤田 隆之
(72)【発明者】
【氏名】水野 好則
(72)【発明者】
【氏名】三井 宏一
【合議体】
【審判長】佐藤 智康
【審判官】松尾 俊介
【審判官】木方 庸輔
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-062322(JP,A)
【文献】特開2019-139521(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、メモリと、通信装置とを備え、
前記プロセッサは、前記メモリにおけるデータの読み出し及び書き込みと、前記通信装置による通信とを制御することにより、
就職又は転職を希望している各々の第1のユーザが現時点において経験している又は有している属性情報である現在情報、及び、当該第1のユーザが未来において希望、願望又は理想としている情報である未来情報を少なくとも含むユーザ属性情報を、前記第1のユーザが利用する第1のユーザ端末から取得し、
ユーザの抽出、選別、分類又は評価の少なくともいずれか1つを行うための解析条件を、前記第1のユーザとは異なるユーザであって、就職又は転職の募集を行う第2のユーザが利用する第2のユーザ端末から取得し、
取得された前記ユーザ属性情報に含まれる前記現在情報及び前記未来情報の差分を少なくとも用いて、各々の前記第1のユーザのプロファイルを生成し、
前記ユーザ属性情報を用いて生成された前記第1のユーザのプロファイルと、当該ユーザ属性情報に対応する前記第1のユーザについて取得された前記解析条件とを比較し、当該第1のユーザのプロファイルと当該解析条件との適合度に基づいて、当該第1のユーザの抽出、選別、分類又は評価の少なくともいずれか1つの解析を行って当該解析の結果に応じた情報を前記第1のユーザ端末及び前記第2のユーザ端末に出力し、
さらに、
前記プロセッサは、前記プロファイルを生成する場合に、
(1)取得された前記現在情報と前記未来情報が共通の評価基準で評価されている場合には、当該評価の差を前記現在情報と未来情報との差分として求めて前記第1のユーザのプロファイルを生成し、又は、
(2)取得された前記現在情報と前記未来情報に自然言語の意味解析を行った結果をベクトル空間モデルに展開したときのベクトルの差を、前記現在情報と前記未来情報との差分として求めて前記第1のユーザのプロファイルを生成し、又は、
(3)前記現在情報と前記未来情報の差分を説明変数とし、前記プロファイルを目的変数とした機械学習モデルに、取得された前記現在情報と前記未来情報を用いて前記(1)又は(2)において求めた前記差分を入力して前記第1のユーザのプロファイルを生成し、
前記プロセッサは、前記適合度を求める場合に、
予め用意されたユーザのプロファイルと、ユーザの抽出、選別、分類又は評価の少なくともいずれか1つを行うための解析条件を説明変数とし、予め用意された適合度を目的変数とした機械学習モデルに対し、生成された前記第1のユーザのプロファイルと取得された前記解析条件を入力して前記適合度を得る
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
記プロセッサは、前記メモリにおけるデータの読み出し及び書き込みと、前記通信装置による通信とを制御することにより、
前記第2のユーザが現時点において経験している又は有している属性情報である現在情報、及び、当該第2のユーザが未来において希望、願望又は理想としている情報である未来情報を少なくとも含むユーザ属性情報を、前記第2のユーザ端末から取得し、
取得された前記第2のユーザの前記ユーザ属性情報に含まれる前記現在情報及び前記未来情報の差分を少なくとも用いて、各々の前記第2のユーザのプロファイルを生成し、
第1のユーザによって指定され、ユーザの抽出、選別、分類又は評価の少なくともいずれか1つを行うための解析条件を、前記前記第1のユーザ端末から取得し、
前記第2のユーザの前記ユーザ属性情報を用いて生成された前記第2のユーザのプロファイルと前記第1のユーザによって指定された前記解析条件とを比較し、当該プロファイルと当該解析条件との適合度に基づいて、当該第2のユーザの抽出、選別、分類又は評価の少なくともいずれか1つの解析を行って当該解析の結果に応じた情報を前記第1のユーザ端末及び前記第2のユーザ端末に出力し、
さらに、
前記プロセッサは、前記第2のユーザのプロファイルを生成する場合に、
(4)取得された前記現在情報と前記未来情報が共通の評価基準で評価されている場合には、当該評価の差を前記現在情報と未来情報との差分として求めて前記第2のユーザのプロファイルを生成し、又は、
(5)取得された前記現在情報と前記未来情報に自然言語の意味解析を行った結果をベクトル空間モデルに展開したときのベクトルの差を、前記現在情報と前記未来情報との差分として求めて前記第2のユーザのプロファイルを生成し、又は、
(6)前記現在情報と前記未来情報の差分を説明変数とし、前記プロファイルを目的変数とした機械学習モデルに、取得された前記現在情報と前記未来情報を用いて前記(4)又は(5)において求めた前記差分を入力して前記第2のユーザのプロファイルを生成し、
前記プロセッサは、前記適合度を求める場合に、
予め用意された前記プロファイルと、ユーザの抽出、選別、分類又は評価の少なくともいずれか1つを行うための解析条件を説明変数とし、予め用意された適合度を目的変数とした機械学習モデルに対し、生成された前記第2のユーザのプロファイルと取得された前記解析条件を入力して前記適合度を得る
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
記プロセッサは、前記メモリにおけるデータの読み出し及び書き込みと、前記通信装置による通信とを制御することにより、
メモリに記憶されている、前記解析条件と、前記第1のユーザに対して入力する入力情報の内容を提案する提案内容との対応関係から、取得された前記解析条件に対応する提案内容を出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
記プロセッサは、前記メモリにおけるデータの読み出し及び書き込みと、前記通信装置による通信とを制御することにより、
前記第2のユーザによって指定された解析条件を前記第1のユーザの前記第1のユーザ端末に出力し、前記第1のユーザによって指定された解析条件を前記第2のユーザの前記第2のユーザ端末に出力する
ことを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
記プロセッサは、前記メモリにおけるデータの読み出し及び書き込みと、前記通信装置による通信とを制御することにより、
前記第1のユーザのライフイベントが発生した場合に、前記第1のユーザの前記ユーザ属性情報を取得して、前記第1のユーザのプロファイルを生成し、ユーザの抽出、選別、分類又は評価の少なくともいずれか1つを行う
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの現在及び未来に関する情報を用いてそのユーザを解析するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、対象者に関する情報(投稿、コメント、買い物履歴等)から対象者の興味対象を推測し、対象者のライフスタイルを時系列に可視化する仕組みが開示されている。この仕組みにおいては、現状についての質問および将来について対象者に質問がなされるようになっており、現状についての質問には、対象者の現時点における欲求や消費につながる質問が含まれ、将来についての質問には、対象者の将来における欲求や消費につながる質問が含まれている。このようにして対象者のライフスタイルを推定することにより、確度の高いマーケティング分析を行うことができ、対象者が求めている商品やサービスを確度高く提案することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-113023号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、各々のユーザが望む未来とそのユーザの現在との差に注目し、その差を考慮して、そのユーザに対する解析を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を達成するため、本発明は、プロセッサと、メモリと、通信装置とを備え、前記プロセッサは、前記メモリにおけるデータの読み出し及び書き込みと、前記通信装置による通信とを制御することにより、就職又は転職を希望している各々の第1のユーザが現時点において経験している又は有している属性情報である現在情報、及び、当該第1のユーザが未来において希望、願望又は理想としている情報である未来情報を少なくとも含むユーザ属性情報を、前記第1のユーザが利用する第1のユーザ端末から取得し、ユーザの抽出、選別、分類又は評価の少なくともいずれか1つを行うための解析条件を、前記第1のユーザとは異なるユーザであって、就職又は転職の募集を行う第2のユーザが利用する第2のユーザ端末から取得し、取得された前記ユーザ属性情報に含まれる前記現在情報及び前記未来情報の差分を少なくとも用いて、各々の前記第1のユーザのプロファイルを生成し、前記ユーザ属性情報を用いて生成された前記第1のユーザのプロファイルと、当該ユーザ属性情報に対応する前記第1のユーザについて取得された前記解析条件とを比較し、当該第1のユーザのプロファイルと当該解析条件との適合度に基づいて、当該第1のユーザの抽出、選別、分類又は評価の少なくともいずれか1つの解析を行って当該解析の結果に応じた情報を前記第1のユーザ端末及び前記第2のユーザ端末に出力し、さらに、前記プロセッサは、前記プロファイルを生成する場合に、(1)取得された前記現在情報と前記未来情報が共通の評価基準で評価されている場合には、当該評価の差を前記現在情報と未来情報との差分として求めて前記第1のユーザのプロファイルを生成し、又は、(2)取得された前記現在情報と前記未来情報に自然言語の意味解析を行った結果をベクトル空間モデルに展開したときのベクトルの差を、前記現在情報と前記未来情報との差分として求めて前記第1のユーザのプロファイルを生成し、又は、(3)前記現在情報と前記未来情報の差分を説明変数とし、前記プロファイルを目的変数とした機械学習モデルに、取得された前記現在情報と前記未来情報を用いて前記(1)又は(2)において求めた前記差分を入力して前記第1のユーザのプロファイルを生成し、前記プロセッサは、前記適合度を求める場合に、予め用意されたユーザのプロファイルと、ユーザの抽出、選別、分類又は評価の少なくともいずれか1つを行うための解析条件を説明変数とし、予め用意された適合度を目的変数とした機械学習モデルに対し、生成された前記第1のユーザのプロファイルと取得された前記解析条件を入力して前記適合度を得ることを特徴とする情報処理装置を提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、各々のユーザが望む未来とそのユーザの現在との差を考慮して、そのユーザに対する解析を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の第1実施形態に係る情報処理システム1の全体構成の一例を示すブロック図である。
図2】第1実施形態に係るサーバ装置30のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3】第1実施形態に係るサーバ装置30の機能構成の一例を示すブロック図である。
図4】第1実施形態に係るサーバ装置30の動作の一例を示すフローチャートである。
図5】第1実施形態に係る応募ユーザの現在情報及び未来情報を例示する図である。
図6】第1実施形態に係る募集ユーザが指定した解析条件を例示する図である。
図7】第1実施形態において応募ユーザについて生成されるプロファイルを例示する図である。
図8】第1実施形態において応募ユーザについて解析された結果を例示する図である。
図9】第2実施形態に係る募集ユーザ(第2のユーザ)の現在情報及び未来情報を例示する図である。
図10】第2実施形態に係る応募ユーザ(第1のユーザ)が指定した解析条件を例示する図である。
図11】変形例に係るサーバ装置30の機能構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態の情報処理システム1の一例を示す図である。情報処理システム1は、複数のユーザ端末(図1では2つのユーザ端末10及びユーザ端末20)と、本発明に係る情報処理装置として機能するサーバ装置30と、無線通信網又は有線通信網を含む通信網2とを備えている。ユーザ端末10,20は、例えばスマートフォン、ウェアラブル端末又はタブレット端末などのユーザが携帯可能なコンピュータであってもよいし、例えばパーソナルコンピュータ等の固定型のコンピュータであってもよい。本実施形態では、ユーザ端末10を、通信網2に対して有線通信を行うパーソナルコンピュータとし、ユーザ端末20を、通信網2に対して無線通信を行うタブレットとするが、この例に限定されるわけではない。
【0009】
本実施形態において、情報処理システム1は、就職を希望するユーザ(応募ユーザという)と、その募集を行うユーザ(募集ユーザという)とを仲介する。情報処理システム1によれば、応募ユーザに対しては、そのユーザの生きがいや特性又は特技、人生観や望郷の念など、様々な価値観に合った職を見出すことができる一方、募集ユーザに対しては、真に望む人材を確保することができるというメリットを提供する。情報処理システム1は、このような応募ユーザ及び募集ユーザの仲介を行う際に、応募ユーザの現在に関する現在情報及び応募ユーザの未来に関する未来情報の差分を少なくとも用いることを特徴の1つとする。なお、図1においては、募集ユーザがユーザ端末10を利用し、応募ユーザがユーザ端末20を利用するものとする。
【0010】
図2は、サーバ装置30のハードウェア構成を示す図である。サーバ装置30は、物理的には、プロセッサ3001、メモリ3002、ストレージ3003、通信装置3004、入力装置3005、出力装置3006及びこれらを接続するバスなどを含むコンピュータ装置として構成されている。これらの各装置は図示せぬ電池から供給される電力によって動作する。なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。サーバ装置30のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。また、それぞれ筐体が異なる複数の装置が通信接続されて、サーバ装置30を構成してもよい。
【0011】
サーバ装置30における各機能は、プロセッサ3001、メモリ3002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ3001が演算を行い、通信装置3004による通信を制御したり、メモリ3002及びストレージ3003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0012】
プロセッサ3001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ3001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。また、例えばベースバンド信号処理部や呼処理部などがプロセッサ3001によって実現されてもよい。
【0013】
プロセッサ3001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ3003及び通信装置3004の少なくとも一方からメモリ3002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、後述する動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。サーバ装置30の機能ブロックは、メモリ3002に格納され、プロセッサ3001において動作する制御プログラムによって実現されてもよい。各種の処理は、1つのプロセッサ3001によって実行されてもよいが、2以上のプロセッサ3001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ3001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してサーバ装置30に送信されてもよい。
【0014】
メモリ3002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ3002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ3002は、本実施形態に係る方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0015】
ストレージ3003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ3003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。
【0016】
通信装置3004は、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどであり、通信網2を介した通信を行う。
【0017】
入力装置3005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キー、マイクロフォン、スイッチ、ボタンなど)である。出力装置3006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置3005及び出力装置3006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0018】
プロセッサ3001、メモリ3002などの各装置は、情報を通信するためのバスによって接続される。バスは、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0019】
サーバ装置30は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、そのハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ3001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0020】
ユーザ端末10,20は、物理的には、プロセッサ、メモリ、ストレージ、通信装置、入力装置、出力装置、及びこれらを接続するバスなどを含むコンピュータ装置として構成されている。ユーザ端末20における各機能は、プロセッサ、メモリなどのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサが演算を行い、通信装置による通信を制御したり、メモリ及びストレージにおけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。プロセッサ、メモリ、ストレージ、通信装置、入力装置、出力装置、及びこれらを接続するバスは、サーバ装置30について説明したプロセッサ3001、メモリ3002、ストレージ3003、通信装置3004、入力装置3005、出力装置3006及びこれらを接続するバスと、ハードウェアとしては同様である。
【0021】
なお、ユーザ端末10,20が無線通信を行う場合には、その通信装置は、例えばLTE(Long Time Evolution)や5G(第5世代移動通信システム)等の通信規格に従って通信網2を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)である。具体的には、ユーザ端末10,20の通信装置は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。例えば、送受信アンテナ、アンプ部、送受信部、伝送路インターフェースなどは、通信装置によって実現されてもよい。送受信部は、送信部と受信部とで、物理的に、または論理的に分離された実装がなされてもよい。
【0022】
図3は、サーバ装置30の機能構成の一例を示す図である。サーバ装置30によって実現される各機能は、プロセッサ3001、メモリ3002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ3001が演算を行い、通信装置3004を制御したり、メモリ3002及びストレージ3003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。具体的には、サーバ装置30において、ユーザ属性情報取得部31、プロファイル生成部32、解析条件取得部33、解析部34、及び出力部35という機能が実現される。
【0023】
ユーザ属性情報取得部31は、応募ユーザが利用するユーザ端末20等から通信網2経由で、各々の応募ユーザの現在に関する現在情報及びその応募ユーザの未来に関する未来情報を少なくとも含むユーザ属性情報を取得する。現在情報は、応募ユーザの現在における定量的又は定性的な属性であり、例えば応募ユーザの現在の職業、通学している学校、所属している組織、現在行っている活動又は行動、現在の趣味、現在の住所、現在の家族構成、現在の資産等に関する情報である。なお、応募ユーザの過去に関する上記情報は、現在の応募ユーザという人間を形成しているという観点から、現在情報に含めてもよい。つまり、応募ユーザの現在とは、現時点の瞬間という意味ではなく、現時点から過去にわたって或る時間幅を持った概念であり、応募ユーザの現在情報とは、その応募ユーザが現時点において経験している又は有している属性情報である。従って、現在情報は、応募ユーザの位置や行動に関する履歴(例えば、応募ユーザが訪問したことがある地域や店舗等に関する情報、コンテンツの閲覧履歴、又は、商品若しくはサービスの購買履歴、利用履歴等を含む。)を含んでいてもよい。未来情報は、応募ユーザが未来において希望、願望又は理想としている情報であり、例えば応募ユーザが希望する職種や業務に関する情報などである。
【0024】
これらの現在情報及び未来情報は、応募ユーザによりユーザ端末20に入力されてサーバ装置30に送信されたものであってもよい。また、現在情報及び未来情報は、通信網2に接続された図示せぬユーザデータベースに応募ユーザの承諾の下に予め登録されており、そのユーザデータベースから通信網2経由でサーバ装置30に送信されたものであってもよい。また、現在情報及び未来情報は、人間の操作により作成されて入力されたものであってもよいし、ユーザの行動等を自動的に記録する記録装置によって生成されたものであってもよい。これらの現在情報及び未来情報は、プライバシーに関する情報であるため、例えば暗号化、匿名化又は非個人情報化などの処理が施された状態でサーバ装置30に提供されることが望ましい。
【0025】
プロファイル生成部32は、ユーザ属性情報取得部31により取得されたユーザ属性情報に含まれる現在情報及び未来情報の差分を少なくとも用いて、各々の応募ユーザのプロファイルを生成する。現在情報及び未来情報の差分とは、例えば応募ユーザが現在、○○に通学しているとか、○○の部長として××という活動をしているという現在情報と、未来は△△という仕事に携わりたいという未来情報とがどの程度乖離しているかという、現在情報と未来情報との間の乖離幅又は距離を意味する概念である。
【0026】
このような現在情報及び未来情報の差分は、これら現在情報及び未来情報が共通の評価基準で評価された結果で表されている場合は、その評価結果の差として特定することができる。例えば、現在情報が或る試験の点数p1であり、未来情報がその試験の点数p2である場合、プロファイル生成部32は、これらの差であるp2-p1を差分情報として用い、例えば応募ユーザは未来の目標としている点数に対してp2-p1という実績である、といったプロファイルを生成する。
【0027】
また、現在情報及び未来情報の差分は、プロファイル生成部32が例えばこれらの現在情報及び未来情報に対して自然言語の意味解析を行い、さらにその解析した意味を所定のベクトル空間モデルに展開したときに、両者のベクトルの差として特定することができる。そして、例えばその差分が或る閾値よりも小さい場合には、例えば応募ユーザは未来の希望に向かって積極的にチャレンジしているとか、応募ユーザは努力家である、といったプロファイルが生成されることになるし、その差分が閾値よりも大きい場合には、例えば応募ユーザは未来の希望に向かって本気になっているかどうかまだ明確でない、といったプロファイルが生成されることになる。
【0028】
また、プロファイル生成部32は、予め用意された現在情報及び未来情報の差分(説明変数)とプロファイル(目的変数)との多数の組を教師データとして、いわゆる教師あり機械学習を行って学習モデルを生成しておき、或る応募ユーザについてユーザ属性情報取得部31により取得されたユーザ属性情報に含まれる現在情報及び未来情報の差分をこの学習モデルに説明変数として入力し、目的変数に相当するプロファイルを得るようにしてもよい。
【0029】
さらに、プロファイル生成部32は、現在情報及び未来情報の差分に加えて、その現在情報及び未来情報そのものを用いて、応募ユーザのプロファイルを生成するようにしてもよい。これについても、プロファイル生成部32は、予め用意された現在情報及び未来情報とプロファイルとの多数の組を教師データとして機械学習して生成された学習モデルに対し、ユーザ属性情報取得部31により取得されたユーザ属性情報に含まれる現在情報及び未来情報を入力して、プロファイルを得るようにしてもよい。
【0030】
解析条件取得部33は、募集ユーザが利用するユーザ端末10から通信網2経由で、応募ユーザを解析するための解析条件を取得する。本実施形態において、この解析条件は、募集ユーザが募集する人材の属性を表現したものである。例えばこの解析条件として、○○の業務を希望している人、××に興味がある人、努力家タイプ、未来に向かって行動を開始している人、好奇心旺盛、他人とのコミュニケーションが得意、楽観的、友人が多い、などといった例が考えられる。
【0031】
解析部34は、各々の応募ユーザについて生成されたプロファイルと、その応募ユーザについて募集ユーザから取得された解析条件とを比較して、応募ユーザに対する解析を行う。ここでいう解析とは、ユーザの抽出、選別、分類又は評価の少なくともいずれか1つを含む。具体的には、解析部34は、上述したプロファイル及び解析条件が適合している度合い乃至割合(以下、これを評点という)を算出し、多数の応募ユーザから、その評点が高い順から所定数の応募ユーザを抽出したり、その評点が閾値以上の応募ユーザを選別したり、或いは、その評点が同程度の応募ユーザごとに分類したりする。解析部34が評点を算出する方法としては、解析部34が例えば予め用意されたプロファイル及び解析条件(説明変数)と評点(目的変数)との多数の組を教師データとして教師あり機械学習を行って学習モデルを生成しておき、対象となる応募ユーザのプロファイル及び対象となる募集ユーザの解析条件を説明変数としてその学習モデルに入力し、目的変数としての評点を得るという方法が考えられる。
【0032】
出力部35は、解析部34による解析結果に応じた情報を通信網2経由でユーザ端末10,20に出力する。この解析部34による解析結果に応じた情報は、プライバシーに関する情報であるため、例えば暗号化、匿名化又は非個人情報化などの処理が施された状態で出力されることが望ましい。なお、この解析部34による解析結果に応じた情報の出力先は、ユーザ端末10,20のみに限定されない。
【0033】
次に、第1実施形態の動作について説明する。なお、以下の説明において、例えばサーバ装置30を処理の主体として記載する場合には、具体的にはプロセッサ3001、メモリ3002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ3001が演算を行い、通信装置3004による通信や、メモリ3002及びストレージ3003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することにより、処理が実行されることを意味する。ユーザ端末10,20についても同様である。
【0034】
図4において、まず、サーバ装置30のユーザ属性情報取得部31は、応募ユーザが利用するユーザ端末20等から通信網2経由で、応募ユーザの現在情報及び未来情報を少なくとも含むユーザ属性情報を取得する(ステップS11)。また、解析条件取得部33は、募集ユーザが利用するユーザ端末10から通信網2経由で、応募ユーザを解析するための解析条件を取得する(ステップS11)。このユーザ属性情報の取得と解析条件の取得はどちらが先に行われてもよい。
【0035】
ここで、図5は、雑誌の編集に興味を持っている大学生の応募ユーザのユーザ属性情報を例示する図である。図5の例では、現在情報が定量情報及び定性情報に大別されているが、これに限らず、未来情報も定量情報及び定性情報に大別されていてもよいし、両者ともに定量情報及び定性情報に大別されていなくてもよい。どのようなユーザ属性情報を入力するかは応募ユーザ(ここでは上記大学生)によって任意に決められる。また、図6は、出版業界の或る企業が人材を募集する場合を想定した解析条件を例示する図である。どのような解析条件を指定するかは募集ユーザ(ここでは出版業界の企業)によって任意に決められる。例えば、募集ユーザが企業である場合には、その企業の従業員に対するアンケート結果に基づいて、この解析条件が定められてもよい。なお、前述したように、特にユーザ属性情報については、暗号化、匿名化又は非個人情報化などの処理が施された状態でサーバ装置30に提供されることが望ましい。
【0036】
次に、図4において、サーバ装置30のプロファイル生成部32は、ユーザ属性情報取得部31により取得されたユーザ属性情報に含まれる現在情報及び未来情報の差分を少なくとも用いて、各々の応募ユーザのプロファイルを生成する(ステップS12)。プロファイルの生成方法は前述したとおりである。
【0037】
ここで、図7は、図5に例示したユーザ属性情報に基づいて生成されたプロファイルを例示する図である。このプロファイルには、現在情報及び未来情報の差分に基づいて生成された内容(例えば図7の「未来に対するチャレンジ精神旺盛」「努力家タイプ」)のほか、現在情報及び未来情報そのものに基づいて(つまり両者の差分を用いることなく)生成された内容(例えば図7の「いろいろなものに興味を持つ」)を含んでいてもよい。
【0038】
次に、図4において、サーバ装置30の解析部34は、各々の応募ユーザについて生成されたプロファイルと、その応募ユーザについて募集ユーザから取得された解析条件とを比較して、応募ユーザに対する解析を行う(ステップS13)。どの応募ユーザに対してどの募集ユーザの解析条件を適用するかについては、例えば応募ユーザが募集ユーザを指定する方法が考えられる。例えば図5~7の例では、雑誌の編集に興味を持っている大学生の応募ユーザが出版業界の或る企業を募集ユーザとして指定するとか、雑誌の編集に興味を持っている大学生の応募ユーザが出版業界に属する企業をすべて募集ユーザとして指定するといった方法(方法1)が考えられる。また、解析部34が、ユーザのプロファイルからそのプロファイルへの適合度が高い解析条件を判別するという方法(方法2)も考えられる。さらには、或る応募ユーザに対して、全ての募集ユーザの解析条件をそれぞれ適用するという方法(方法3)も考えられる。特に方法2,3によれば、応募ユーザが就職先として想定していなかった募集ユーザとのマッチングを期待することができる。
【0039】
そして、図4において、サーバ装置30の出力部35は、解析部34による解析結果に応じた情報を通信網2経由でユーザ端末10,20に出力する(ステップS14)。ここで、図8は、この解析結果の一例を示している。図8に例示したような情報が、募集ユーザが利用するユーザ端末10に表示される。この例では、ユーザ端末10の表示画面において、「現在情報」「未来情報」「プロファイル」「解析条件」の欄をクリックすると、或る応募ユーザAについてのそれぞれの詳細な内容が表示されるようになっている。この例では、この応募ユーザAに対しては評点として「50点」が算出されている。つまり、応募ユーザのプロファイルと募集ユーザが指定した解析条件との適合度は、100点満点中50点ということになる。募集ユーザはこの評点等を参考にして、応募ユーザに対する採用の有無を判断することができる。図8に例示したものと同様、又はその一部を省いた情報が、募集ユーザが利用するユーザ端末20に表示されてもよい。応募ユーザはこれらの情報を参考にして、募集ユーザに対する自身の属性との適合度を判断することができる。
【0040】
なお、ユーザ端末10,20における解析結果の表示は、図8の例示に限定されない。例えば複数の募集ユーザ又は応募ユーザについてリスト形式で表示したり、評点が高い順に優先的に表示したりといったように、表示形式は任意に決められる。
【0041】
以上説明したように、第1実施形態においては、ユーザ属性情報取得部31は、応募ユーザ(第1のユーザという)についてユーザ属性情報を取得し、プロファイル生成部32は、応募ユーザ(第1のユーザ)のプロファイルを生成し、解析条件取得部33は、募集ユーザ(第2のユーザという)によって指定された解析条件を取得し、解析部34は、応募ユーザ(第1のユーザ)について生成されたプロファイルと募集ユーザ(第2のユーザ)によって指定された解析条件とを比較して、応募ユーザ(第1のユーザ)に対する解析を行う。この第1実施形態によれば、各々のユーザが望む未来とそのユーザの現在との差を考慮して、そのユーザに対する解析を行うことが可能となる。これにより、応募ユーザは、自身の属性と相性が良い募集ユーザを知ることができ、また、募集ユーザが望む人材の方向性を知ることが可能となる。また、応募ユーザが就職先として想定していなかった募集ユーザの存在を知ることも可能となる。即ち、応募ユーザにとっては、自身が持っていたが自身が気づいていなかった潜在的な能力を評価してくれる対象を知ることが可能となる。
【0042】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。上述した第1実施形態では、就職を希望する応募ユーザのユーザ属性情報に基づいてプロファイルを生成し、そのプロファイルと募集ユーザの解析条件とを比較して応募ユーザを解析するものであった。これに対し、第2実施形態では、例えば転職を希望する応募ユーザのユーザ属性情報に基づいてプロファイルを生成し、そのプロファイルと、転職者を募集する募集ユーザの解析条件とを比較して応募ユーザを解析するとともに、その募集ユーザのユーザ属性情報に基づいてプロファイルを生成し、そのプロファイルと、応募ユーザの解析条件とを比較して募集ユーザを解析する。つまり、第1実施形態が応募ユーザと募集ユーザとの間の一方向の処理であったの対し、第2実施形態は応募ユーザと募集ユーザとの間の双方向の処理となる。
【0043】
第2実施形態に係るシステム構成及び装置構成は、第1実施形態のシステム構成(図1)及び装置構成(図2)と同様であるので、その説明を省略する。また、第2実施形態に係る機能構成は、第1実施形態の機能構成(図3)において、各部が募集ユーザと応募ユーザの双方について同様の機能を発揮する点を除いて、同じである。
【0044】
この第2実施形態においては、応募ユーザが本発明における「第1のユーザ」に相当し、募集ユーザが本発明における「第2のユーザ」に相当する。
【0045】
第2実施形態の動作は、第1実施形態の動作(図4)において募集ユーザと応募ユーザの双方について同様の処理を行う点を除いて、同じである。即ち、第2実施形態では、サーバ装置30のユーザ属性情報取得部31は、図4のステップS11において、募集ユーザ(第2のユーザ)及び応募ユーザ(第1のユーザ)についてユーザ属性情報を取得する。また、解析条件取得部33は、図4のステップS11において、募集ユーザ(第2のユーザ)によって指定された解析条件及び応募ユーザ(第1のユーザ)によって指定された解析条件を取得する。
【0046】
ここで、図9は、第2実施形態に係る募集ユーザ(第2のユーザ)の現在情報及び未来情報を例示する図である。どのような現在情報及び未来情報を指定するかは募集ユーザ(第2のユーザ)によって任意に決められる。例えば、募集ユーザ(第2のユーザ)が企業である場合には、その企業の従業員に対するアンケート結果に基づいて、この現在情報及び未来情報が定められてもよい。
【0047】
また、図10は、第2実施形態に係る応募ユーザ(第1のユーザ)が指定した解析条件を例示する図である。どのような解析条件を指定するかは応募ユーザ(第1のユーザ)によって任意に決められる。
【0048】
次に、サーバ装置30のプロファイル生成部32は、図4のステップS12において、募集ユーザ(第2のユーザ)のプロファイル及び応募ユーザ(第1のユーザ)のプロファイルを生成する。このプロファイルの生成方法としては、第1実施形態で用いた方法を利用し得る。
【0049】
次に、サーバ装置30の解析部34は、図4のステップS13において、募集ユーザ(第2のユーザ)について生成されたプロファイルと応募ユーザ(第1のユーザ)によって指定された解析条件とを比較して、募集ユーザ(第2のユーザ)に対する解析を行う。また、解析部34は、応募ユーザ(第1のユーザ)について生成されたプロファイルと募集ユーザ(第2のユーザ)によって指定された解析条件とを比較して、応募ユーザ(第1のユーザ)に対する解析を行う。これにより、募集ユーザ(第2のユーザ)及び応募ユーザ(第1のユーザ)の双方に対する解析結果が得られる。つまり、募集ユーザ(第2のユーザ)に対して応募ユーザ(第1のユーザ)の解析条件に応じた評点が算出されるとともに、応募ユーザ(第1のユーザ)に対しても募集ユーザ(第2のユーザ)の解析条件に応じた評点が算出される。この解析方法としては、第1実施形態で用いた方法を利用し得る。
【0050】
そして、図4のステップS14において、サーバ装置30の出力部35は、解析部34による解析結果に応じた相手方の情報を、通信網2経由で、ユーザ端末10,20に出力する(ステップS14)。これにより、募集ユーザ(第2のユーザ)及び応募ユーザ(第1のユーザ)はお互いの評点などについて知ることができる。つまり、応募ユーザ(第1のユーザ)は、第1実施形態と同様に、自身の評点等を参考にして、募集ユーザ(第2のユーザ)に対する自身の属性との適合度を判断することができる。さらに、募集ユーザ(第2のユーザ)は、自身の評点等を参考にして、応募ユーザ(第1のユーザ)に対する自身の属性との適合度を判断することができる。
【0051】
以上説明した第2実施形態によれば、募集ユーザ(第2のユーザ)及び応募ユーザ(第1のユーザ)がそれぞれ望む未来と各ユーザの現在との差を考慮して、各ユーザに対する解析を行うことが可能となる。これにより、応募ユーザ(第1のユーザ)は、自身の属性と相性が良い募集ユーザ(第2のユーザ)を知ることができ、また、募集ユーザ(第2のユーザ)が望む人材の方向性を事前に知ることが可能となる。さらに、募集ユーザ(第2のユーザ)は、自身の属性と相性が良い応募ユーザ(第1のユーザ)を知ることができ、また、応募ユーザ(第1のユーザ)が望む企業の方向性を知ることが可能となる。
【0052】
[変形例]
本発明は、上述した実施形態に限定されない。上述した実施形態を以下のように変形してもよい。また、以下の2つ以上の変形例を組み合わせて実施してもよい。
[変形例1]
例えば第1実施形態において、応募ユーザは、募集ユーザに対する特別なアピールポイントになりそうな情報(以下、入力情報という)を入力するようにしてもよい。この入力情報は、現在情報及び未来情報に含まれる情報の中から任意のものを応募ユーザが指定したものであってもよいし、現在情報及び未来情報とは別に応募ユーザが入力してもよい。サーバ装置30は、この入力情報を用いて応募ユーザに対する解析を行う。具体的には、サーバ装置30は図11に例示するように、ユーザが入力した入力情報を取得する入力情報取得部36を備え、解析部34は、各々のユーザについてプロファイル生成部32により生成されたプロファイル及び入力情報取得部36により取得された入力情報と、解析条件取得部33により取得された解析条件とを比較して、解析を行う。この解析においては、例えば入力情報取得部36により取得された入力情報と解析条件とを比較する際に、入力情報をプロファイルに比べて重みをつけて評価するという方法が考えられる。解析部34は、例えば入力情報と解析条件との適合度が或る値である場合に、プロファイルと解析条件との適合度が同じく或る値である場合に比べて、より高く評価する(つまり適合度がより高いとみなす)などすればよい。これにより、応募ユーザは自らの最大限のアピールポイントを示すことが可能となり、そのアピールポイントに特に適合する募集ユーザを知ることが可能となる。なお、本変形例1は、第2実施形態の例に適用することも可能である。
【0053】
[変形例2]
さらに、第1実施形態において、応募ユーザに対し、募集ユーザによって指定された解析条件に適合する度合いが高いと想定されるユーザ属性情報の入力を促すようにしてもよい。具体的には、サーバ装置30は図11に例示するように、応募ユーザのユーザ属性情報と、募集ユーザによって指定された解析条件とを比較して、応募ユーザに対し、入力する入力情報の内容を提案する入力内容提案部37を備えるようにしてもよい。例えば、解析条件として「編集を希望する人」というものがある場合、「編集に関する業務に興味があればそのことをアピールするとよいです。」という提案を行う例が考えられる。このような解析条件と提案内容との対応関係は、これらの多数の組み合わせが予めデータベース化されて入力内容提案部37に記憶されている。これにより、応募ユーザは募集ユーザが指定する解析条件に合致する可能性が高い自らの最大限のアピールポイントを示すことが可能となし、さらに、そのアピールポイントに適合する募集ユーザを知ることが可能となる。なお、本変形例2は、第2実施形態の例に適用することも可能である。
【0054】
[変形例3]
第2実施形態において、募集ユーザ及び応募ユーザのお互いの解析条件を相手に提示するようにしてもよい。この場合、出力部35は、第2のユーザによって指定された解析条件を第1のユーザに出力し、第1のユーザによって指定された解析条件を第2のユーザに出力することになる。このようにすればお互いの解析条件を知ることが可能となる。
【0055】
[変形例4]
ユーザの現在情報又は未来情報は、例えば入学、留学、卒業、試験合格、就職、退職、結婚、出産、創業、上場等の様々なライフイベントが起こったときに大きく変わり得る。そこで、ユーザにおいて所定のライフイベントが発生した場合に、ユーザ属性情報取得部31は、ユーザのユーザ属性情報を取得し、プロファイル生成部32は、ユーザのプロファイルを生成し、解析部34は、ユーザに対する解析を行うようにしてもよい。ユーザのライフイベントが発生したタイミングは、そのユーザがこの情報処理システム1乃至サーバ装置30に入力する等の方法で特定され得る。これにより、ユーザの現在情報又は未来情報が大きく変わり得るタイミングで、評点等を含む解析結果が更新されることになる。本変形例4は、第1及び第2実施形態の例に適用することも可能である。
【0056】
[変形例5]
第1実施形態及び第2実施形態では、募集ユーザ(第2のユーザ)と応募ユーザ(第1のユーザ)という、何らかの募集を行うユーザと、その募集に対して応募を行うユーザとの関係において上述したような解析を行っていたが、本発明における第1のユーザ及び第2のユーザはこのような応募ユーザと募集ユーザに限定されない。例えば何らかの商品又はサービスを供給する供給ユーザとその商品またはサービスを需要する需要ユーザとの関係において上述したような解析を行ってもよい。
【0057】
従って、本発明が適用される利用シーンは、第1実施形態で例示した就職のシーンや第2実施形態で例示した転職のシーンに限定されない。第1実施形態に好適な利用シーンは、例えば買い物を希望しているユーザに対する商品やサービスのオファー、知らないアイテムや友人探し、サークル活動の募集、ユーザに合った教育機関や塾の提案、好みの飲食店の発見、好みの金融商品や旅行商品の提案、ライフスタイルや趣味の提案、婚約や結婚前後のお役立ち情報の提供、妊娠や出産時のお役立ち商品やサービス情報の提供、条件にあった引っ越し先エリアの候補選定などが考えられるが、これらに限定されない。また、第2実施形態に好適な利用シーンは、結婚や恋愛のパートナー探し、入学先の候補選択、こだわりを持つ人と相性のいい人のマッチング、後継者に悩む経営者のヘッドハンティング、得意技を活かした副業依頼、労働者不足業界に合った人材の再発掘などが考えられるが、これらに限定されない。
【0058】
[変形例6]
上記第1及び第2実施形態において、プロファイル生成部32は、ユーザ属性情報に含まれる現在情報及び未来情報の差分を少なくとも用いて、各々のユーザのプロファイルを生成し、解析部34は、生成されたプロファイルと、取得された解析条件とを比較して、当該ユーザに対する解析を行っていた。ただし、プロファイルの生成は必ずしも必須ではなく、解析部34は、ユーザ属性情報に含まれる現在情報及び未来情報の差分と、当該ユーザ属性情報に対応するユーザについて取得された解析条件とを比較して、当該ユーザに対する解析を行ってもよい。具体的には、解析部34は、ユーザ属性情報に含まれる現在情報及び未来情報の差分及び解析条件が適合している度合い乃至割合である評点を算出し、多数の応募ユーザから、その評点が高い順から所定数の応募ユーザを抽出したり、その評点が閾値以上の応募ユーザを選別したり、或いは、その評点が同程度の応募ユーザごとに分類したりする。解析部34が評点を算出する方法としては、解析部34が例えば予め用意された現在情報及び未来情報の差分(説明変数)と解析条件(説明変数)と評点(目的変数)との多数の組を教師データとして教師あり機械学習を行って学習モデルを生成しておき、対象となる応募ユーザのユーザ属性情報に含まれる現在情報及び未来情報の差分及び対象となる募集ユーザの解析条件を説明変数としてその学習モデルに入力し、目的変数としての評点を得るという方法が考えられる。
【0059】
[その他の変形例]
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0060】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信制御部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0061】
例えば、本開示の一実施の形態におけるサーバ装置などは、本開示の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。
【0062】
本開示において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、NR(new Radio)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい。
【0063】
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0064】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0065】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0066】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0067】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0068】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。
【0069】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。
【0070】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0071】
本開示において使用する「第1」、「第2」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみが採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0072】
上記の各装置の構成における「部」を、「手段」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
【0073】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0074】
本開示において、例えば、英語でのa,an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【符号の説明】
【0075】
1…情報処理システム、2…通信網、10…ユーザ端末、20…ユーザ端末、30…サーバ装置、31…ユーザ属性情報取得部、32…プロファイル生成部、33…解析条件取得部、34…解析部、35…出力部、3001…プロセッサ、3002…メモリ、3003…ストレージ、3004…通信装置、3005…入力装置、3006…出力装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
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図11