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特許7444823フットコントローラおよび医療用診療装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】フットコントローラおよび医療用診療装置
(51)【国際特許分類】
   A61C 1/04 20060101AFI20240228BHJP
   A61C 19/00 20060101ALI20240228BHJP
【FI】
A61C1/04
A61C19/00 B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021141154
(22)【出願日】2021-08-31
(62)【分割の表示】P 2016195729の分割
【原出願日】2016-10-03
(65)【公開番号】P2021191438
(43)【公開日】2021-12-16
【審査請求日】2021-09-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000138185
【氏名又は名称】株式会社モリタ製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】廣田 政之
【審査官】胡谷 佳津志
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0248008(US,A1)
【文献】特開2015-091384(JP,A)
【文献】特開2012-073462(JP,A)
【文献】意匠登録第1529905(JP,S)
【文献】米国特許第04950187(US,A)
【文献】実開平05-023373(JP,U)
【文献】特開2002-245899(JP,A)
【文献】特開2013-223556(JP,A)
【文献】米国特許第02986953(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 1/04
A61C 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部を有する本体部と、
前記本体部に対して前記底部と反対側に位置し、かつ一方端と他方端とを有し前記一方端から前記他方端に向かって前記底部からの距離が長くなるように配置された踏面と、前記踏面から前記底部と反対側に突出する凸状部とを有するペダルと、
前記他方端から前記底部までの距離が可変するように前記本体部に対して前記ペダルを回転可能に支持する回転軸とを備え、
前記凸状部は、前記踏面に設けられており、前記踏面に対して不動であり、かつ前記回転軸または前記回転軸の近傍の上のみに設けられており、
前記回転軸は、前記踏面の前記一方端に配置されており、
前記凸状部は、前記踏面に直交する方向に前記回転軸と重なるように配置されている、フットコントローラ。
【請求項2】
底部を有する本体部と、
前記本体部に対して前記底部と反対側に位置し、かつ一方端と他方端とを有し前記一方端から前記他方端に向かって前記底部からの距離が長くなるように配置された踏面と、前記踏面から前記底部と反対側に突出する凸状部とを有するペダルと、
前記他方端から前記底部までの距離が長くなるように前記本体部に対して前記ペダルを付勢するバネと、
前記他方端から前記底部までの距離が可変するように前記本体部に対して前記ペダルを回転可能に支持する回転軸とを備え、
前記バネの弾性力に前記一方端と前記他方端とが対向する方向における前記バネから前記回転軸までの距離を乗じた第1モーメントは、前記凸状部に作用する力に前記一方端と前記他方端とが対向する方向における前記凸状部から前記回転軸までの距離を乗じた第2モーメントよりも大きく、
前記凸状部は、前記踏面に設けられており、前記踏面に対して不動であり、かつ前記回転軸または前記回転軸の近傍の上のみに設けられており、
前記回転軸は、前記踏面の前記一方端に配置されており、
前記凸状部は、前記踏面に直交する方向に前記回転軸と重なるように配置されている、フットコントローラ。
【請求項3】
前記凸状部が前記一方端近傍の中央に設けられている、請求項1または2に記載のフットコントローラ。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のフットコントローラと、
前記フットコントローラにより制御される診療装置とを備えた、医療用診療装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フットコントローラおよび医療用診療装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
医療用診療装置の一例としての歯科用診療装置においては、術者が足でフットコントローラのペダルを踏み込むことにより、診療椅子および診療器具などの診療装置が操作される。このようなフットコントローラは、たとえば実公平7-22249号公報(特許文献1)に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実公平7-22249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなフットコントローラでは、診療中に術者が足でペダルを踏み込む必要があるため、術者の足に負担がかかる。そのため、術者がペダルを踏み込む必要のないときには術者の足を休めることが求められる。また、診療中に術者は頻繁にペダルを踏み込んだり踏み込まなかったり踏み込む量を調節することで診療装置を操作する。そのため、常にペダルに術者の足を載せておくことが求められる。
【0005】
しかしながら、上記のようなフットコントローラでは、ペダルに術者の足が載せられると、ペダルが踏み込まれて診療装置が操作される。そのため、ペダルに術者の足が載せられた状態で術者の足を休めることができない。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ペダルに術者の足が載せられた状態で術者の足を休めることができるフットコントローラおよび医療用診療装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のフットコントローラは、本体部と、ペダルと、回転軸とを備えている。本体部は底部を有する。ペダルは、踏面と、凸状部とを有する。踏面は、本体部に対して底部と反対側に位置し、かつ一方端と他方端とを有し一方端から他方端に向かって底部からの距離が長くなるように配置されている。凸状部は踏面から底部と反対側に突出する。回転軸は他方端から底部までの距離が可変するように本体部に対してペダルを回転可能に支持する。凸状部は、踏面に設けられており、踏面に対して不動であり、かつ回転軸または回転軸の近傍の上のみに設けられている。回転軸は、踏面の一方端に配置されている。凸状部は、踏面に直交する方向に回転軸と重なるように配置されている。
【0008】
本発明の他のフットコントローラは、本体部と、ペダルと、バネと、回転軸とを備えている。本体部は底部を有する。ペダルは、踏面と、凸状部とを有する。踏面は、本体部に対して底部と反対側に位置し、かつ一方端と他方端とを有し一方端から他方端に向かって底部からの距離が長くなるように配置されている。凸状部は踏面から底部と反対側に突出する。バネは、他方端から底部までの距離が長くなるように本体部に対してペダルを付勢する。回転軸は、他方端から底部までの距離が可変するように本体部に対してペダルを回転可能に支持する。バネの弾性力に一方端と他方端とが対向する方向におけるバネから回転軸までの距離を乗じた第1モーメントは、凸状部に作用する力に一方端と他方端とが対向する方向における凸状部から回転軸までの距離を乗じた第2モーメントよりも大きい。凸状部は、踏面に設けられており、踏面に対して不動であり、かつ回転軸または回転軸の近傍の上のみに設けられている。回転軸は、踏面の一方端に配置されている。凸状部は、踏面に直交する方向に回転軸と重なるように配置されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明のフットコントローラによれば、凸状部は踏面に設けられており、踏面に対して不動であり、かつ回転軸または回転軸の近傍の上のみに設けられているため、凸状部に術者の足が載せられたときに、ペダルの回転を抑制することができる。したがって、凸状部に術者の足が載せられたときに、ペダルが踏み込まれることを抑制することができる。これにより、ペダルに術者の足が載せられた状態で術者の足を休めることができる。従って、操作者である術者に対しては、診療装置の操作による疲労の蓄積を軽減することができる。
【0010】
本発明の他のフットコントローラによれば、バネの弾性力に踏面の一方端と他方端とが対向する方向におけるバネから回転軸までの距離を乗じた第1モーメントは、凸状部に作用する力に踏面の一方端と他方端とが対向する方向における凸状部から回転軸までの距離を乗じた第2モーメントよりも大きい。したがって、凸状部に術者の足が載せられたときに、ペダルが踏み込まれることを抑制することができる。これにより、ペダルに術者の足が載せられた状態で術者の足を休めることができる。従って、操作者である術者に対しては、診療装置の操作による疲労の蓄積を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施の形態における医療用診療装置の構成を概略的に示す斜視図である。
図2】本発明の一実施の形態における医療用診療装置のブロック図である。
図3】本発明の一実施の形態におけるフットコントローラの構成を概略的に示す斜視図である。
図4図3のIV-IV線に沿う分解部分断面斜視図である。
図5図3のV-V線に沿う部分断面図である。
図6】本発明の一実施の形態におけるフットコントローラが操作される様子を示す上面図である。
図7】本発明の一実施の形態におけるフットコントローラが操作される様子を示す図5に対応する断面位置における部分断面図である。
図8】本発明の一実施の形態におけるフットコントローラが操作される様子を示す側面図である。
図9】本発明の一実施の形態におけるフットコントローラの変形例の構成を概略的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
本実施の形態においては、本発明に係る医療用診療装置の1つの例示的形態として、歯科診療に用いることが可能なチェアユニットの様態の医療用診療装置について説明する。なお、本発明に係る医療用診療装置は、歯科に限らず、眼科、耳鼻咽喉科、放射線科、および獣医科など、あらゆる医科の診療にも適用することが可能である。また、本発明に係る医療用診療装置は、歯科用であっても、チェアユニットの様態に限らず、訪問診療に携帯する可搬式歯科用ユニットのような様態、あるいは口腔内カメラ、スケーラ、根管治療用モータなど、単体での駆動が可能な各種の様態でもよい。また、診療には、診断および治療が含まれる。
【0013】
図1は、医療用診療装置10の外観の構成を示す概略図である。図2は、医療用診療装置10の内部の構成を概略的に示すブロック図である。
【0014】
図1に示すように、医療用診療装置10は、診療椅子1と、ベースンユニット2と、トレーテーブル3と、診療器具4と、フットコントローラ5と、モニタ6と、照明装置7と、操作パネル8と、制御装置9とを備える。
【0015】
また、図2に示すように、医療用診療装置10は、所定の機能を発揮する機能部として、シート駆動部11と、パネル制御部13と、診療器具駆動部14と、モニタ制御部15と、ベースン制御部16と、照明制御部17とを備える。これら各機能部は、後述する操作パネル8における操作者のタッチ操作に基づき機能を発揮する機能部としての役割を有する。なお、これら各機能部は、基板上に実装されたCPU(Central Processing Unit)およびメモリ(ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)(図示は省略)などを備えたコンピュータによって構成される。
【0016】
診療椅子1は、医師から診療を受ける際に患者が座る椅子であり、患者の頭を支えるヘッドレスト1aと、患者の背中を支える背もたれ1bと、患者の尾尻を支える座面シート1cと、患者の足を支える足置き台1dとを備えている。ヘッドレスト1a、背もたれ1b、座面シート1c、および足置き台1dは、シート駆動部11に接続されている。シート駆動部11は、ヘッドレスト1a、背もたれ1b、座面シート1c、および足置き台1dを駆動する。
【0017】
たとえば、シート駆動部11の制御に基づき、座面シート1cを上昇させることができ(診療椅子1を上昇させるともいう)、これにより診療椅子1に座った患者を上昇させることができる。一方、シート駆動部11の制御に基づき、座面シート1cを下降させることもでき(診療椅子1を下降させるともいう)、これにより診療椅子1に座った患者を下降させることができる。また、シート駆動部11の制御に基づき、ヘッドレスト1a、背もたれ1b、および足置き台1dを、座面シート1cに対して垂直方向に移動させることができ(診療椅子1を起立させるともいう)、これにより診療椅子1に座った患者を座位姿勢にさせることができる。一方、シート駆動部11の制御に基づき、ヘッドレスト1a、背もたれ1b、および足置き台1dを、座面シート1cに対して水平方向に移動させることもでき(診療椅子1を傾斜させるともいう)、これにより診療椅子1に座った患者を仰向け姿勢にさせることができる。
【0018】
このように、シート駆動部11は、ヘッドレスト1a、背もたれ1b、座面シート1c、および足置き台1dを駆動することによって、診療椅子1を上昇、下降、起立、および傾斜させる機能を有する。
【0019】
フットコントローラ5は、医師などの足踏操作によって、診療椅子1を駆動させるための操作を受け付けるとともに、後述する診療器具4を駆動させるための操作を受け付ける。
【0020】
たとえば、フットコントローラ5に設けられた診療椅子駆動用のスイッチを足踏操作することにより、フットコントローラ5が備える操作部12からシート駆動部11に対して制御信号が出力され、シート駆動部11の制御によって診療椅子1が駆動する。また、フットコントローラ5に設けられた診療器具駆動用のスイッチを足踏操作することにより、操作部12から診療器具駆動部14に対して制御信号が出力され、診療器具駆動部14の制御によって診療器具4が駆動する。
【0021】
このように、操作部12は、診療椅子1および診療器具4を駆動させるための操作を受け付ける機能を有する。
【0022】
トレーテーブル3は、診療時の物置台として用いられる。トレーテーブル3は、診療椅子1または床から延びるアーム(図示は省略)に接続されており、診療椅子1に対して手動で回動、水平移動、および垂直移動することができる。
【0023】
トレーテーブル3の底面には、制御装置9が設けられている。制御装置9には、複数の診療器具4と、操作パネル8と、モニタ6とが接続されている。制御装置9は、これら各構成を駆動させるための制御部である。
【0024】
診療器具4は、たとえば、エアータ-ビンハンドピース(ハイスピードハンドピース)、マイクロモータハンドピース(ロースピードハンドピース)、スケーラ、スリーウェイシリンジ、バキュームシリンジ、サラエバエジェクター(排唾管)など、診療に用いるインスツルメントである。なお、診療器具4は、これらに限らず、口腔内カメラ、光重合用照射器、根管長測定器、および根管拡大器などであってもよいし、鏡や注射器など、駆動しない器具であってもよい。また、エアータービンハンドピース、マイクロモータハンドピース、スリーウェイシリンジやバキュームシリンジ等の診療器具は、図1に示されるように、トレーテーブル3に配設されていてもよいし、診療椅子1の背もたれ1bに配設されていてもよいし、ベースンユニット2に配設されていてもよい。
【0025】
本実施の形態においては、診療器具4a~4eの5種類が用いられる。診療器具4aおよび診療器具4bとしては、ハイスピードハンドピース(HS(HS1、HS2)ともいう)が用いられ、診療器具4cおよび診療器具4dとしては、ロースピードハンドピース(LS(LS1、LS2)ともいう)が用いられ、診療器具4eとしては、スケーラ(SCともいう)が用いられる。
【0026】
各診療器具4は、制御装置9が備える診療器具駆動部14に接続されている。診療器具駆動部14は、操作部12によって受け付けられた操作者の操作に基づき各診療器具4を駆動する。たとえば、診療器具駆動部14の制御に基づき、HS1やHS2のヘッド部に保持される切削工具が回転し、歯科治療に用いることができる。
【0027】
このように、診療器具駆動部14は、操作者の操作に基づき診療器具4を駆動する機能を有する。
【0028】
操作パネル8は、各機能を発揮させるためにタッチ操作される各スイッチを特定可能な表示(画像表示)を表す。画像表示は、たとえば、文字画像やアイコン画像などである。操作パネル8に表れた画像表示に対して医師などの操作者がタッチ操作すると、スイッチをタッチ操作することができる。
【0029】
操作パネル8は、制御装置9が備えるパネル制御部13に接続されている。パネル制御部13は、機能を発揮できる機能部に対応する画像表示のみを表すとともに、表した画像表示に対応するスイッチのタッチ操作を検出すると、タッチ操作されたスイッチに対応する機能部に対して、機能を発揮させるための制御信号を出力する。
【0030】
このように、パネル制御部13は、機能を発揮できるか否かに応じて操作パネル8上の画像表示を表すとともに、タッチ操作されたスイッチに対応する機能を機能部に発揮させる機能を有する。あるいは、前記パネル制御部13は、機能を発揮できるかどうかを問わず操作パネル8上の画像表示を表す仕様であってもよい。すなわち、操作パネル8上で操作する可能性のある備える全ての機能の画像表示を常時表す構成であってもよい。この仕様においては、操作できない環境にある機能の画像表示を操作者がタッチ操作しても、その画像表示のスイッチが反応しない構成であることが望ましい。
【0031】
モニタ6は、液晶ディスプレイなどで構成され、制御装置9が備えるモニタ制御部15の制御に基づき、所定の画像を表示する。たとえば、モニタ制御部15の制御に基づき、使用されている診療器具4や、操作パネル8のスイッチがタッチ操作されて被選択状態とされている診療器具4の駆動情報を示す画像、根管内での切削工具の先端の位置を示す画像、および口腔内カメラによって撮影された口腔内の画像などを、モニタ6に表示することができる。
【0032】
このように、モニタ制御部15は、モニタ6の画面上に所定の画像を表示させる機能を有する。
【0033】
ベースンユニット2は、診療椅子1の側部に備え付けられており、排水口が形成された鉢2aと、コップが載置されるコップ台2bと、コップに給水するための給水栓2cとを備える。ベースンユニット2は、給水栓2cからコップに給水された水を用いて患者がうがいをするための台である。また、ベースンユニット2は、ベースン制御部16を備えており、ベースン制御部16の制御に基づき医療用診療装置10で用いられる水の流れを制御する。
【0034】
このように、ベースン制御部16は、医療用診療装置10で用いられる水の流れを制御する機能を有する。
【0035】
さらに、ベースンユニット2は、照明制御部17を備えており、照明制御部17の制御に基づき照明装置7の照明および消灯を制御する。
【0036】
このように、照明制御部17は、照明装置7の照明および消灯を制御する機能(照明制御機能ともいう)を有する。
【0037】
なお、医療用診療装置10は、図1に示す構成以外の構成、および図2に示す機能部以外の機能部を備えていてもよい。
【0038】
続いて、図3図5を参照して、本実施の形態におけるフットコントローラ5の構成について詳しく説明する。フットコントローラ5は、本体部5a、ペダル5b、スイッチ5c1~5c5、回転軸5d、バネ5e、駆動部5f、従動部5g、ポテンショメータ5hを備えている。
【0039】
フットコントローラ5は、本体部5aに支持されたペダル5bおよびスイッチ5c1~5c5を操作することにより、診療椅子1および診療器具4などの診療装置を操作するためのものである。ペダル5bを操作することにより、たとえば、診療器具4としてのエアータービンハンドピースのタービンの回転数を増減させることが可能となる。
【0040】
ペダル5bは本体部5aの上部に配置されている。スイッチ5c1~5c5は本体部5aの側部および上部に配置されている。本体部5aの内部に、回転軸5d、バネ5e、駆動部5f、従動部5g、ポテンショメータ5hが収容されている。
【0041】
本体部5aは、底部5a1と、ケース5a2とを備えている。本実施の形態では、底部5a1は底板により構成されている。底部5a1は本体部5aの下面を構成している。ケース5a2は底部5a1に取り付けられている。
【0042】
ケース5a2は本体部5aの側部および上部を構成している。底部5a1はケース5a2の外側に張り出すように設けられた張出部5a3を有している。底部5a1と張出部5a3とは、別体でも一体でもよく、フットコントローラ5の底面を構成するものであればよい。なお、張出部5a3は、フットコントローラ5が診療椅子1や操作者の着座するスツール(不図示)の脚などに不用意に接触した際に、スイッチ5c1~5c4が意図せず操作される事態を防止する。フットコントローラ5が周囲の物体に近接する場合、張出部5a3が物体に当接するため、スイッチ5c1~5c4への不用意な接触は起こらない構成であり、具備されることが望ましいが、必須ではない。底部5a1の下面(設置面)には滑り止めのための溝が形成されている。底部5a1に形成された溝は、フットコントローラ5の操作中に、フットコントローラ5の設置位置が変わってしまうという、操作者にとって望ましくない状況を軽減することができる構成である。
【0043】
ケース5a2は、ケース5a2の幅方向(スイッチ5c1とスイッチ5c3とを繋ぐ線方向)の両端部に配置された一対の支持部5a4を備えている。図3に示すように、ケース5a2の幅方向は左右方向である。一対の支持部5a4の各々の前端部にそれぞれ貫通孔5a5が形成されている。
【0044】
ペダル5bは、術者がペダル5bを踏み込んだときに、下方(フットコントローラ5の設置面方向)に押し下げ可能に構成されている。ペダル5bは、踏板(ペダルゴム)5b1と、ペダルベース5b6と、ビス5b12とを備えている。なお、本実施例ではペダル5bは複数の部材(踏板5b1,ペダルベース5b6)とで構成されているが、ペダル5bは、これに限定されず、単一の部材によって1枚の板状に構成されていてもよい。
【0045】
踏板5b1は、踏面5b2と、凸状部5b3と、隆起部5b4とを備えている。踏面5b2は踏板5b1の上面を構成している。踏面5b2は、本体部5aに対して底部5a1と反対側に位置している。踏面5b2は、一方端E1と他方端E2とを有している。フットコントローラ5の操作者から見て、一方端E1は踏面5b2の前側に位置しており、他方端E2は踏面5b2の後側に位置している。踏面5b2は一方端E1から他方端E2に向かって底部5a1からの距離が長くなるように配置されている。つまり、踏面5b2は、他方端E2の高さ位置が一方端E1の高さ位置よりも高くなるように傾斜している。
【0046】
踏面5b2に凸状部5b3が設けられている。凸状部5b3は踏面5b2から底部5a1と反対側に突出している。踏面5b2に対して直交する方向から凸状部5b3を見たときに、凸状部5b3は略円形に形成されている。凸状部5b3の上端部は球面を有している。凸状部5b3の上端部が球面を有しているため、術者の足を凸状部5b3に載せることが容易である。凸状部5b3は少なくとも1つ設けられていればよい。凸状部5b3の形状は、本実施例では前述のようなドーム型に構成されているが、これに限らず、円柱型、角柱型、円錐型、角錐型等の形成バリエーションが考えられる。また、凸状部5b3の高さは、たとえば8mm以上28mm以下が好ましい。
【0047】
本実施の形態では一対の凸状部5b3が設けられている。一対の凸状部5b3は、踏面5b2の一方端E1側の端部に配置されている。一対の凸状部5b3は、踏面5b2の一方端E1と他方端E2とが対向する方向に交差する方向において踏面5b2の両端部にそれぞれ配置されている。つまり、一対の凸状部5b3はフットコントローラ5の幅方向(左右方向)において両端部にそれぞれ配置されている。したがって、一対の凸状部5b3同士の間において踏面5b2に術者の足を載せることが可能となる。また、術者の左足または右足のいずれでも凸状部5b3に載せることが容易となる。なお、凸状部5b3はフットコントローラ5の幅方向(左右方向)において両端部のいずれか一方にのみ配置されていてもよい。
【0048】
隆起部5b4は踏面5b2から底部5a1と反対側に隆起している。隆起部5b4は、踏面5b2の一方端E1と他方端E2とが対向する方向において、他方端E2と凸状部5b3との間に配置されている。隆起部5b4は踏面5b2の中央部に配置されている。踏面5b2に対して直交する方向から隆起部5b4を見たときに、隆起部5b4はフットコントローラ5の幅方向(左右方向)を長手方向とする略楕円形に形成されている。隆起部5b4の上面は中央から外縁に向かって高さが低くなる曲面を有している。隆起部5b4の上面が中央から外縁に向かって高さが低くなる曲面を有しているため、術者の足で隆起部5b4を踏み込むことが容易である。隆起部5b4の高さは、凸状部5b3の高さよりも低くなっている。このため、術者の足が凸状部5b3に載せられたときに、隆起部5b4を意図せず踏み込むことを抑制し易くすることが可能となる。なお、隆起部5b4の高さが凸状部5b3の高さよりも低くなる構成は設計事項であり本発明にとって必須ではない。隆起部の高さが凸状部の高さよりも高くなる構成であっても本発明の凸状部5b3による術者の足を休める効果は発揮できる。また、隆起部5b4の高さは、たとえば5mm以上48mm以下が好ましい。隆起部5b4の高さが凸状部5b3の高さよりも低い場合においては、凸状部5b3の高さと隆起部5b4の高さとの差(凸状部5b3の高さ-隆起部5b4の高さ)は、たとえば3mm以下が好ましい。他方、隆起部5b4の高さが凸状部5b3の高さよりも高い場合においては、隆起部5b4の高さと凸状部5b3の高さとの差(隆起部5b4の高さ-凸状部5b3の高さ)は、たとえば20mm以下が好ましい。
【0049】
踏板5b1の下面には一対のビス孔5b5が形成されている。一対のビス孔5b5は、踏面5b2に対して隆起部5b4が設けられた面とは反対側の面に配置されている。
【0050】
踏板5b1の下方(後述するペダルベース5b6の下面)には一対のバネ5eが配置されている。バネ5eは、踏板5b1の下面から上面に向かう方向に踏板5b1を付勢するように構成されている。具体的には、バネ5eは踏面5b2の他方端E2から底部5a1までの距離が長くなるように本体部5aに対してペダル5bを付勢する。
【0051】
ペダルベース5b6は、天板5b7と、一対の側板5b9と、軸5b11とを備えている。天板5b7は踏板5b1の下面に沿うように構成されている。天板5b7の中央部に一対の貫通孔5b8が形成されている。一対のビス5b12の各々は一対の貫通孔5b8にそれぞれ挿入された状態で一対のビス孔5b5にそれぞれ螺合されている。これにより、踏板5b1とペダルベース5b6とが互いに固定されている。踏板とペダルベースの固定方法は、実施例のような螺合に限らず、例えば伸縮性のある素材を用いた踏板をペダルベースに被覆させたり、あるいは嵌合であったり、少なくとも使用時に互いが分離せず一体的に使用できる方法であればよい。
【0052】
天板5b7の幅方向(左右方向)の両端部に一対の側板5b9が接続されている。一対の側板5b9は天板5b7の幅方向に直交する前後方向に天板5b7から突出している。一対の側板5b9の各々の前端部にそれぞれ貫通孔5b10が形成されている。
【0053】
一対の側板5b9は一対の支持部5a4の外側の各面を挟むように配置されている。一対の側板5b9の各々の貫通孔5b10に一対の支持部5a4の各々の貫通孔5a5が連通して一対の連通した貫通孔(不図示)を構成している。一対の側板5b9の各々の貫通孔5b10および一対の支持部5a4の各々の貫通孔5a5に回転軸5dが回転可能に挿入されている。回転軸5dは円柱形状を有している。回転軸5dの軸線は、踏面5b2の一方端E1と他方端E2とが対向する方向に交差する方向に配置されている。回転軸5dを中心にペダルベース5b6が回転することによりペダルベース5b6に固定された踏板5b1が回転可能となる。このようにして、回転軸5dは本体部5aに対してペダル5bを回転可能に支持している。
【0054】
具体的には、回転軸5dは、踏面5b2の他方端E2から底部5a1までの距離が可変するように本体部5aに対してペダル5bを回転可能に支持する。つまり、回転軸5dは、踏面5b2の他方端E2から底部5a1までの距離を変えることができるようにペダル5bを回転させることが可能である。さらに具体的には、回転軸5dは、踏面5b2の他方端E2から底部5a1までの距離が短くなるようにペダル5bを回転させることが可能であるとともに踏面5b2の他方端E2から底部5a1までの距離が長くなるようにペダル5bを回転させることが可能である。
【0055】
凸状部5b3は、踏面5b2に直交する方向に回転軸5dと重なるように配置されている。なお、凸状部5b3は、踏面5b2に直交する方向に回転軸5dの少なくとも一部と重なるように配置されていればよい。凸状部5b3は、フットコントローラ5を水平面に載置したときに、回転軸5dと鉛直方向に重なるように配置されていてもよい。
【0056】
ケース5a2の支持部5a4の後端部に凹部5a6が形成されている。凹部5a6は、支持部5a4を貫通しており、かつ上方に向かって開口している。ペダルベース5b6の一対の側板5b9のいずれか一方の後端部に軸5b11が取り付けられている。
【0057】
駆動部5fは、一方面5f1と、他方面5f2と、軸5f3と、駆動歯車5f4とを備えている。一方面5f1は他方面5f2と反対側に位置している。軸5f3は駆動部5fの前端部に配置されている。軸5f3は一方面5f1に配置されている。軸5f3は一方面5f1から他方面5f2と反対側に突出している。
【0058】
駆動歯車5f4は駆動部5fの後端部に配置されている。駆動歯車5f4は他方面5f2に配置されている。駆動歯車5f4は他方面5f2に沿って上下方向に延在している。駆動歯車5f4の各歯は後側(他方端E2側)から前側(一方端E1側)に突出している。
【0059】
駆動部5fの後端部に貫通孔5f5が形成されている。貫通孔5f5は駆動部5fの上部に配置されている。貫通孔5f5は一方面5f1と他方面5f2とを貫通している。貫通孔5f5は略楕円形に形成されている。
【0060】
一つの支持部5a4に形成された凹部5a6に駆動部5fの軸5f3が回転可能に挿入されている。駆動部5fに形成された貫通孔5f5にペダルベース5b6の軸5b11が摺動可能に挿入されている。すなわち、ペダルベース5b6の一対の側板5b9の間に駆動部5fは配置される。
【0061】
また、ケース5a2は収容部5a7を備えている。収容部5a7の駆動部5fと向かい合う側面に貫通孔5a8が形成されている。貫通孔5a8に従動部5gおよびポテンショメータ5hが取り付けられている。従動部5gは、従動歯車5g1と、ベアリング5g2とを備えている。従動歯車5g1はベアリング5g2に摺動可能に取り付けられている。従動歯車5g1は駆動歯車5f4と噛み合うように構成されている。従動歯車5g1にポテンショメータ5hが接続されている。
【0062】
ペダル5bが回転軸5dを中心に回転することにより、駆動部5fが軸5f3を中心に回転する。これにより、駆動部5fの駆動歯車5f4が従動歯車5g1と噛み合って回転する。
【0063】
従動歯車5g1が回転すると、ポテンショメータ5hにより従動歯車5g1の回転角度が検出され、電気信号が制御装置9に送られる。制御装置9により、ペダル5bの操作量が検出され、ペダル5bの操作量に応じて診療器具4などの診療装置が制御される。
【0064】
次に、図6図8を参照して本実施の形態におけるフットコントローラ5が操作される様子について説明する。図6図8では、術者が左足でフットコントローラ5を操作する様子が示されている。
【0065】
図6では、術者の左足はペダル5bの凸状部5b3に載せられている。この状態では、ペダル5bは術者の左足により踏み込まれていない。したがって、診療装置は操作されていない。術者はペダル5b上に左足を載せたまま左足を休めている(レスト状態)。レスト状態とは、ペダル5bに術者の足が載せられ、または術者が足でペダル5bを踏み込んだときに、診療装置の操作がされない状態である。すなわち、レスト状態においては、ペダル5bがわずかに踏み込まれたときに、診療装置を操作しないことが可能である。
【0066】
図7に示すように、レスト状態では、バネ5eの弾性力によりペダル5bは底部5a1と反対側にペダル5bの上方側へ向かって付勢されている。バネ5eの力点/作用点は、バネ5eが接触する踏板5b1の下面に位置している。このバネ5eの力点/作用点には、踏板5b1の下面から上面に向かう方向にバネ5eの弾性力による力F1が作用している。
【0067】
また、レスト時には術者の左足により凸状部5b3に力F2が作用する。レスト時の力点/作用点は、凸状部5b3に位置している。このレスト時の力点/作用点には踏板5b1の上面から下面に向かう方向に術者の左足による力F2が作用している。
【0068】
レスト時には、バネ5eの弾性力(力F1)による回転軸5dまわりの第1モーメントは、術者の左足により凸状部5b3に作用する力(力F2)による回転軸5dまわりの第2モーメントよりも大きくなる。第1モーメントは、バネ5eの弾性力(力F1)に踏面5b2の一方端E1と他方端E2とが対向する方向におけるバネ5eから回転軸5dまでの距離L1を乗じたものである。第2モーメントは、凸状部5b3に作用する力(力F2)に踏面5b2の一方端E1と他方端E2とが対向する方向における凸状部5b3から回転軸5dまでの距離L2を乗じたものである。
【0069】
ペダル5bの踏込時には、術者の左足により踏面5b2に力F3が作用する。図7ではペダル5bの踏込時の力点/作用点は、隆起部5b4に位置している。このペダル5bの踏込時の力点/作用点には踏板5b1の上面から下面に向かう方向に術者の左足による力F3が作用している。
【0070】
ペダル5bの踏込時には、バネ5eの弾性力(力F1)による回転軸5dまわりの第1モーメントは、術者の左足により隆起部5b4に作用する力(力F3)による回転軸5dまわりの第3モーメントよりも小さくなる。第3モーメントは、隆起部5b4に作用する力(力F3)に踏面5b2の一方端E1と他方端E2とが対向する方向における隆起部5b4から回転軸5dまでの距離L3を乗じたものである。
【0071】
図8を参照して、ペダル5bが踏み込まれるときの状態を説明する。ペダル5bの踏込時には、バネ5eの弾性力(力F1)による回転軸5dまわりの第1モーメントは、術者の左足により隆起部5b4に作用する力(力F3)による回転軸5dまわりの第3モーメントよりも小さくなるため、ペダル5bは回転軸5dを中心に底部5a1に向かって回転する。
【0072】
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
本実施の形態のフットコントローラ5によれば、ペダル5bの凸状部5b3は踏面5b2に直交する方向に回転軸5dと重なるように配置されているため、凸状部5b3に術者の足が載せられたときに、ペダル5bの回転を抑制することができる。したがって、凸状部5b3に術者の足が載せられたときに、ペダル5bが踏み込まれることを抑制することができる。これにより、ペダル5bに術者の足が載せられた状態で術者の足を休めることができる。よって長時間に亘る診療であっても、従来型のフットコントローラの使用時と比べ術者の疲れを軽減することができる。また、この構成により、凸状部5b3の上に術者の足の一部が載せられた状態でペダル5bを操作することも可能になる。従って、術者がレスト状態を得たい場合には、フットコントローラ5から足を離脱させることなくレストすることが可能であるため、術者が足を大きく動かしてレストポジションを確保するという煩雑さを解消することができる。凸状部5b3が術者の足の一部を支えることによりペダル5bを操作する術者の足の安定性も向上し踏み込みの操作が容易になるとともに、ペダル5bの踏み込む量の微調整もし易くなる。従って、例えば歯科用マイクロモータのように駆動時にペダル操作の微細な調整を要する診療器具4を用いた診療では、本発明は望ましい構成である。
【0073】
一対の凸状部5b3は、踏面5b2の一方端E1と他方端E2とが対向する方向に交差する方向において踏面5b2の両端部にそれぞれ配置されている。したがって、術者がフットコントローラ5の設置面(床)に踵を着けてペダル5bを踏み込む場合では、一対の凸状部5b3同士の間において、術者の足が凸状部5b3に踏面5b2への円滑なアクセスを妨げられることなく、踏面5b2に術者の足を載せてペダル5bを踏み込むことができる。また、フットコントローラ5を操作する術者の足は、術者の利き足に応じて左右いずれの足でもよい。本実施例では、いずれの足で操作する場合にもレストし易い構成となっているので好ましい。なお、本実施例では、一対の凸状部5b3を設けた形態であるが、これに限らず、術者が操作する足に合わせて左右いずれか一方に、あるいは一方端E1近傍の中央に、凸状部を設ける構成であってもよい。
【0074】
また、本実施の形態のフットコントローラ5によれば、バネ5eの弾性力に踏面5b2の一方端E1と他方端E2とが対向する方向におけるバネ5eから回転軸5dまでの距離L1を乗じた第1モーメントは、術者の左足により凸状部5b3に作用する力に踏面5b2の一方端E1と他方端E2とが対向する方向における凸状部5b3から回転軸5dまでの距離L2を乗じた第2モーメントよりも大きい。したがって、凸状部5b3に術者の足が載せられたときに、ペダル5bが踏み込まれることを抑制することができる。これにより、ペダル5bに術者の足が載せられた状態で術者の足を休めることができる。よって長時間に亘る診療であっても、従来型のフットコントローラの使用時と比べ術者の疲れを軽減することができる。また、この構成により、凸状部5b3の上に術者の足の一部が載せられた状態でペダル5bを操作することも可能になる。従って、術者がレスト状態を得たい場合には、フットコントローラ5から足を離脱させることなくレストすることが可能であるため、術者が足を大きく動かしてレストポジションを確保するという煩雑さを解消することができる。凸状部5b3が術者の足の一部を支えることによりペダル5bを操作する術者の足の安定性も向上し踏み込みの操作が容易になるとともに、ペダル5bの踏み込む量の微調整もし易くなる。従って、例えば歯科用マイクロモータのように駆動時にペダル操作の微細な調整を要する診療器具4を用いた診療では、本発明は望ましい構成である。
【0075】
また、本実施の形態のフットコントローラ5によれば、ペダル5bは、1枚の板状に構成されていてもよい。これにより、ペダル5bの構造が簡易となる。
【0076】
また、本実施の形態のフットコントローラ5によれば、ペダル5bの隆起部5b4は、踏面5b2から底部5a1と反対側に隆起し、踏面5b2の一方端E1と他方端E2とが対向する方向において他方端E2と凸状部5b3との間に配置されている。このため、術者が踵を地面につけてペダル5bを踏み込む際に、隆起部5b4は踏み込みを補助して操作を容易にすることができる。したがって、隆起部5b4を踏み込むことにより踏面5b2を踏み込む場合よりも小さい力でペダル5bを踏み込むことができるので、踏み込み操作が楽にできるようになる。
【0077】
本実施の形態の医療用診療装置は、上記のフットコントローラ5と、フットコントローラ5により制御される診療装置とを備えている。これにより、ペダル5bに術者の足が載せられた状態で術者の足を休めることができるフットコントローラ5を備えた医療用診療装置を提供することができる。
【0078】
次に、図9を参照して、本実施の形態におけるフットコントローラ5の変形例について説明する。なお、本実施の形態におけるフットコントローラ5の変形例は、特に言及しない限り、上記の本実施の形態と同じ構成を有しており、同じ構成については同じ符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0079】
本実施の形態におけるフットコントローラ5の変形例では、ペダル5bは、第1ペダル部5baおよび第2ペダル部5bbを含んでいる。第1ペダル部5baと第2ペダル部5bbとは、踏面5b2の一方端E1と他方端E2とが対向する方向に交差する方向に並んで配置されている。また、本体部5aは仕切り板5a10を備えている。仕切り板5a10は、第1ペダル部5baと第2ペダル部5bbとの間に配置されている。
【0080】
また、本実施の形態のフットコントローラ5の変形例によれば、ペダル5bは、第1ペダル部5baおよび第2ペダル部5bbを含んでいる。このため、第1ペダル部5baおよび第2ペダル部5bbにより互いに異なる操作をすることができる。例えば、第1ペダル部5baでマイクロモータハンドピース(ロースピードハンドピースLS)を操作し、第2ペダル部5bbでエアータ-ビンハンドピース(ハイスピードハンドピースHS)を操作する、という構成にすることができる。
【0081】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0082】
1 診療椅子、2 ベースンユニット、3 トレーテーブル、4 診療器具、5 フットコントローラ、5a 本体部、5a1 底部、5a2 ケース、5b ペダル、5b1 踏板、5b2 踏面、5b3 凸状部、5b4 隆起部、5ba 第1ペダル部、5bb 第2ペダル部、5c1~5c5 スイッチ、5d 回転軸、5e バネ、5f 駆動部、5g 従動部、5h ポテンショメータ、6 モニタ、7 照明装置、8 操作パネル、9 制御装置、10 医療用診療装置、11 シート駆動部、12 操作部、13 パネル制御部、14 診療器具駆動部、15 モニタ制御部、16 ベースン制御部、17 照明制御部、E1 一方端、E2 他方端。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9