(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】再構成可能な巻き付け機構
(51)【国際特許分類】
A24C 5/18 20060101AFI20240228BHJP
A24C 5/01 20200101ALI20240228BHJP
【FI】
A24C5/18
A24C5/01
(21)【出願番号】P 2021503092
(86)(22)【出願日】2019-07-31
(86)【国際出願番号】 EP2019070626
(87)【国際公開番号】W WO2020025671
(87)【国際公開日】2020-02-06
【審査請求日】2022-07-28
(32)【優先日】2018-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】シラーニ フォルナシーニ マウロ
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-219930(JP,A)
【文献】国際公開第2017/060484(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0013872(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第03320788(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24C 5/18
A24C 5/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コアをウェブ材料内に巻くことによって円筒状の巻かれた要素を形成するための再構成可能な巻き付け機構であって、前記ウェブ材料を乗せるための細長い形成チャネルの長さに沿って延びる搬送ベルトを支持するための前記細長い形成チャネルを有する再構成可能なガルニチュールベッドを備え、前記細長い形成チャネルが細長い開放側を有し、前記ガルニチュールベッドが複数のガルニチュールベッドサブ部材を含み、
前記細長い形成チャネルの長さと直角を成す前記細長い形成チャネルの表面の周りに延びる方向で、各ガルニチュールベッドサブ部材が前記細長い形成チャネルの表面の一部分を提供し、
前記ガルニチュールベッドサブ部材のうちの少なくとも一つが、前記細長い形成チャネルの長さに対して横断方向の移動のために構成されており、
前記
ガルニチュールベッドサブ部材また
は複数の前記ガルニチュールベッドサブ部材の隣接した縁が相互嵌合されており
前記細長い形成チャネルがその長さに沿って延びる中心軸を有し、前記ガルニチュールベッドサブ部材が前記中心軸に対して半径方向の移動のために構成されている、巻き付け機構。
【請求項2】
各ガルニチュールベッドサブ部材が、
基部サブ部材と、
それぞれの基部サブ部材に着脱可能に接続された交換可能な形成チャネルライナーサブ部材と、を含む、請求項1に記載の巻き付け機構。
【請求項3】
前記
ガルニチュールベッドサブ部材また
は複数の前記ガルニチュールベッドサブ部材が、対称な移動のために構成されている、請求項1又は2に記載の巻き付け機構。
【請求項4】
前記巻かれた要素、コア、およびウェブ材料のうちの少なくとも一つに摺動可能に接触するために、前記細長い形成チャネルの前記細長い開放側に隣接して提供された、かつこれに沿って延びる細長いシューを備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の巻き付け機構。
【請求項5】
請求項4に記載の巻き付け機構であって、
前記細長いシューが、前記細長い形成チャネルの長さに対して横断方向の前記ガルニチュールベッドに向かう移動のために構成されていることと、
前記ガルニチュールベッドが、前記細長い形成チャネルの長さに対して横断方向の前記細長いシューに向かう移動のために構成されていることと、
のうちの一方または両方を含む、巻き付け機構。
【請求項6】
前記ウェブ材料を乗せるための前記細長い形成チャネルの長さに沿って延びる搬送ベルトを備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の巻き付け機構。
【請求項7】
前記細長い形成チャネルの長さに沿って搬送ベルトを駆動するための駆動機構を備える、請求項1~6のいずれか一項に記載の巻き付け機構。
【請求項8】
コアをウェブ材料内に巻くことによって円筒状の巻かれた要素を形成するための巻き付け機構の中のガルニチュールベッドを再構成する方法であって、前記巻き付け機構が、前記ウェブ材料を乗せるための細長い形成チャネルの長さに沿って延びる搬送ベルトを支持するための前記細長い形成チャネルを有する再構成可能なガルニチュールベッドを備え、
かつ前記細長い形成チャネルが細長い開放側を有し、
前記ガルニチュールベッドが複数のガルニチュールベッドサブ部材を含み、前記細長い形成チャネルの長さと直角を成す前記細長い形成チャネルの表面の周りに延びる方向で、 各ガルニチュールベッドサブ部材が前記細長い形成チャネルの表面の一部分を提供し、前記ガルニチュールベッドサブ部材のうちの少なくとも一つが、前記細長い形成チャネルの長さに対して横断方向の移動のために構成されていて、前記方法が、前記細長い形成チャネルのサイズを調整するために、前記細長い形成チャネルの長さに対して横断方向の前記ガルニチュールベッドサブ部材の相対移動を含み、
前記
ガルニチュールベッドサブ部材また
は複数の
前記ガルニチュールベッドサブ部材の隣接した縁が相互嵌合されていて、前記方法が、相互嵌合の度合いを増大または減少させるために前記ガルニチュールベッドサブ部材の相対移動を含み、
前記細長い形成チャネルが、その長さおよび前記ガルニチュールベッドサブ部材に沿って延びる中心軸を有し、前記方法が、前記中心軸に対して半径方向に前記ガルニチュールベッドサブ部材を移動することを含む、方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、各ガルニチュールベッドサブ部材が、
基部サブ部材と、
それぞれの基部サブ部材に着脱可能に接続された交換可能な形成チャネルライナーサブ部材と、を含み、
前記方法が形成チャネルライナーサブ部材を取り外すこと、および交換することを含む、方法。
【請求項10】
前記
ガルニチュールベッドサブ部材また
は複数の前記ガルニチュールベッドサブ部材が、対称な移動のために構成されている、請求項8又は請求項9に記載の方法。
【請求項11】
請求項8~10のいずれか一項に記載の方法であって、前記巻き付け機構が、
前記巻かれた要素、コア、およびウェブ材料のうちの少なくとも一つに摺動可能に接触するために、前記細長い形成チャネルの前記細長い開口側に隣接して提供された、かつこれに沿って延びる細長いシュー、を備え、
前記方法が、
前記細長いシューが、前記細長い形成チャネルの長さに対して横断方向の前記ガルニチュールベッドに向かう移動のために構成されていることと、
前記ガルニチュールベッドが、前記細長い形成チャネルの長さに対して横断方向の前記細長いシューに向かう移動のために構成されていることと、
のうちの一方または両方を含む、方法。
【請求項12】
前記方法が、より狭い形成チャネルを提供するためのガルニチュールベッドの再構成を含む、請求項8~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記巻き付け機構が、前記ウェブ材料を乗せるための前記細長い形成チャネルの長さに沿って延びる搬送ベルトを備え、
前記方法が、より幅広の形成チャネルを提供するようにガルニチュールベッドを再構成することを含み、かつ前記方法が前記搬送ベルトの交換をさらに含む、請求項8~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
巻き付け機構を用いて円筒状の巻かれた要素を製造する方法であって、前記巻き付け機構が、
ウェブ材料を乗せるための細長い形成チャネルの長さに沿って延びる搬送ベルトを支持するための前記細長い形成チャネルを有する再構成可能なガルニチュールベッドであって、前記細長い形成チャネルが細長い開放側を有し、前記ガルニチュールベッドが複数のガルニチュールベッドサブ部材を含み、
前記細長い形成チャネルの長さと直角を成す前記細長い形成チャネルの表面の周りに延びる方向で、各ガルニチュールベッドサブ部材が前記細長い形成チャネルの表面の一部分を提供し、
前記ガルニチュールベッドサブ部材のうちの少なくとも一つが、前記細長い形成チャネルの長さに対して横断方向の移動のために構成されている、再構成可能なガルニチュールベッドと、
前記細長い形成チャネルの長さに沿って延びる搬送ベルトと、
前記細長い形成チャネルの長さに沿って前記搬送ベルトを駆動するための駆動機構と、を備え、
前記方法が、
前記駆動機構を用いて、前記細長い形成チャネルに沿って前記搬送ベルトおよび乗せられたウェブ材料を駆動することと、
前記乗せられたウェブ材料上にコアを受容することと、
前記コアをウェブ材料内に巻くことと、を含み、
前記
ガルニチュールベッドサブ部材また
は複数の
前記ガルニチュールベッドサブ部材の隣接した縁が相互嵌合されていて、前記方法が、相互嵌合の度合いを増大または減少させるために前記ガルニチュールベッドサブ部材の相対移動を含み、
前記細長い形成チャネルが、その長さおよび前記ガルニチュールベッドサブ部材に沿って延びる中心軸を有し、前記方法が、前記中心軸に対して半径方向に前記ガルニチュールベッドサブ部材を移動することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再構成可能な巻き付け機構、巻き付け機構の再構成の方法、および再構成可能な巻き付け機構の使用方法に関し、より具体的には、エアロゾル発生物品用のロッドの製造に関する。
【0002】
本明細書は、エアロゾル発生装置の発熱体によって加熱された時に吸入可能なエアロゾルを発生するためのエアロゾル形成基体を含みうるエアロゾル発生物品の製造のための機器に関する。本明細書はまた、エアロゾル発生物品の製造のための機器の使用方法および再構成の方法にも関する。
【背景技術】
【0003】
巻かれたロッドは、例えばエアロゾル形成基体、支持要素、エアロゾル冷却要素、およびマウスピースのうちのいずれかである、エアロゾル発生物品の製造において形成される。
【0004】
巻かれたロッドは、巻き付け材料のウェブおよびコアを「ガルニチュール」として知られる組立品を通過させることによって形成されてもよく、ここでウェブはコアの周りに巻かれ、かつ密封される。ガルニチュール組立品は、その長さに沿って延びる開放側を有する細長い形成チャネルと、また形成チャネルの凹状表面に沿って、開放側の少なくとも一部に近接して位置付けられたシューと、形成チャネルを通して駆動されるベルトとを有する。ウェブは、ベルト上に乗せられ、またコアがベルト上に位置付けられた状態で形成チャネルを通して引き出される。形成チャネルおよびシューは、コアの周りにウェブを巻くために協働し、ガルニチュールの少なくとも一部は、シューとベルトと形成チャネルとの間に概して円筒状のチャネルを形成する。発熱体は、巻かれたウェブの重複部分の間の接着剤を熱硬化させるために、シューの一部に提供されてもよい。
【0005】
使用時に、ベルトおよび形成チャネルは各々、摩耗した状態になり、これは製造される巻かれたロッドのサイズを不必要に増大する。製造品質を維持するためには、摩耗したベルトおよび摩耗した形成チャネル組立品を交換する必要があり、製造プロセスに追加コストをもたらし、製造効率を低下させる。
【発明の概要】
【0006】
第一の態様によると、コアをウェブ材料内に巻くことによって実質的に円筒状の巻かれた要素を形成するための再構成可能な巻き付け機構が提供されていて、ウェブ材料を乗せるための細長い形成チャネルの長さに沿って延びる搬送ベルトを支持するための細長い形成チャネルを有する再構成可能なガルニチュールベッドを備え、また細長い形成チャネルは細長い開放側を有する。
【0007】
第二の態様によると、コアをウェブ材料内に巻くことによって実質的に円筒状の巻かれた要素を形成するための巻き付け機構の中のガルニチュールベッドを再構成する方法が提供されていて、巻き付け機構は、ウェブ材料を乗せるための細長い形成チャネルの長さに沿って延びる搬送ベルトを支持するための細長い形成チャネルを有する再構成可能なガルニチュールベッドを備え、細長い形成チャネルは細長い開放側を有し、
ガルニチュールベッドは複数のガルニチュールベッドサブ部材を含み、細長い形成チャネルの長さと直角を成す細長い形成チャネルの表面の周りに延びる方向で、各ガルニチュールベッドサブ部材は細長い形成チャネルの表面の一部分を提供し、ガルニチュールベッドサブ部材のうちの少なくとも一つは、細長い形成チャネルの長さに対して横断方向の移動のために構成されていて、方法は、細長い形成チャネルのサイズを調整するために、細長い形成チャネルの長さに対して横断方向のガルニチュールベッドサブ部材の相対移動を含む。
【0008】
第三の態様によると、実質的に円筒状の巻かれた要素を製造する方法が提供されていて、巻き付け機構は、
ウェブ材料を乗せるための細長い形成チャネルの長さに沿って延びる搬送ベルトを支持するための細長い形成チャネルを有する再構成可能なガルニチュールベッドであって、細長い形成チャネルが細長い開放側を有する、再構成可能なガルニチュールベッドと、
細長い形成チャネルの長さに沿って延びる搬送ベルトと、
細長い形成チャネルの長さに沿って搬送ベルトを駆動するための駆動機構と、を備え、
方法は、
駆動機構を用いて、細長い形成チャネルに沿って搬送ベルトおよび乗せられたウェブ材料を駆動することと、
前記乗せられたウェブ材料上にコアを受容することと、
コアをウェブ材料内に巻くことと、を含む。
ガルニチュールベッドは、複数のガルニチュールベッドサブ部材を含んでもよく、
細長い形成チャネルの長さと直角を成す細長い形成チャネルの表面の周りに延びる方向で、各ガルニチュールベッドサブ部材が細長い形成チャネルの表面の一部分を提供し、
ガルニチュールベッドサブ部材のうちの少なくとも一つが、細長い形成チャネルの長さに対して横断方向の移動のために構成されている。
各ガルニチュールベッドサブ部材は、
基部サブ部材と、
それぞれの基部サブ部材に着脱可能に接続された交換可能な形成チャネルライナーサブ部材と、を含む。
前記または任意の複数のガルニチュールベッドサブ部材の隣接した縁は、相互嵌合されてもよい。
前記または任意の複数のガルニチュールベッドサブ部材は、実質的に対称な移動のために構成されてもよい。
細長い形成チャネルは、その長さに沿って延びる中心軸を有してもよく、ガルニチュールベッドサブ部材は、中心軸に対して実質的に半径方向の移動のために構成されてもよい。
巻き付け機構は、巻かれたコア、コア、およびウェブ材料のうちの少なくとも一つと摺動可能に接触するために、細長い形成チャネルの細長い開放側に隣接して提供された、かつそれに沿って延びる細長いシューを備えてもよい。
巻き付け機構は、
細長いシューが、細長い形成チャネルの長さに対して横断方向のガルニチュールベッドに向かう移動のために構成されていることと、
ガルニチュールベッドが、細長い形成チャネルの長さに対して横断方向の細長いシューに向かう移動のために構成されていることと、
のうちの一つまたは両方を含んでもよい。
巻き付け機構は、ウェブ材料を乗せるために細長い形成チャネルの長さに沿って延びる搬送ベルトを備えてもよい。
巻き付け機構は、細長い形成チャネルの長さに沿って搬送ベルトを駆動するための駆動機構を備えてもよい。
各ガルニチュールベッドサブ部材は、
基部サブ部材と、
それぞれの基部サブ部材に着脱可能に接続された交換可能な形成チャネルライナーサブ部材と、を含み、
方法は形成チャネルライナーサブ部材を取り外すこと、および交換することを含む。
前記または任意の複数のガルニチュールベッドサブ部材の隣接した縁は相互嵌合されてもよく、方法は、相互嵌合の度合いを増大または減少するためのガルニチュールベッドサブ部材の相対移動を含みうる。
前記または任意の複数のガルニチュールベッドサブ部材は、実質的に対称な移動のために構成されてもよい。
細長い形成チャネルは、その長さおよびガルニチュールベッドサブ部材に沿って延びる中心軸を有してもよく、方法はガルニチュールベッドサブ部材を中心軸に対して実質的に半径方向に移動することを含みうる。
巻き付け機構は、
巻かれたコア、コア、およびウェブ材料のうちの少なくとも一つに摺動可能に接触するために、細長い形成チャネルの細長い開放側に隣接して提供された、かつそれに沿って延びる細長いシューを備え、
方法は、
細長いシューが、細長い形成チャネルの長さに対して横断方向のガルニチュールベッドに向かう移動のために構成されていることと、
ガルニチュールベッドが、細長い形成チャネルの長さに対して横断方向の細長いシューに向かう移動のために構成されていることと、
のうちの一つまたは両方を含む。
方法は、より狭い形成チャネルを提供するための、ガルニチュールベッドの再構成を含んでもよい。
巻き付け機構は、ウェブ材料を乗せるための細長い形成チャネルの長さに沿って延びる搬送ベルトを備えてもよく、また方法は、より幅広の形成チャネルを提供するためのガルニチュールベッドの再構成を含んでもよく、かつ方法は搬送ベルトの交換をさらに含んでもよい。
【0009】
本明細書で使用される「エアロゾル発生装置」という用語は、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体と相互作用してエアロゾルを発生する装置を記述するために使用される。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体と相互作用して、ユーザーの口を通してユーザーの肺の中に直接吸入可能なエアロゾルを発生する喫煙装置であることが好ましい。エアロゾル発生装置は、喫煙物品のためのホルダーであってもよい。
【0010】
エアロゾル発生物品は、ユーザーの口を通してユーザーの肺の中に直接吸入可能なエアロゾルを発生する喫煙物品であることが好ましい。エアロゾル発生物品は、ユーザーの口を通してユーザーの肺の中に直接吸入可能なニコチン含有エアロゾルを発生する喫煙物品であることがより好ましい。
【0011】
本明細書で使用される「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を加熱に伴い放出することができる基体を記述するために使用される。本明細書に記載のエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体から発生したエアロゾルは、可視または不可視であってもよく、またベイパー(蒸気)(例えば、室温では通常、液体または固体である物質の、気体状態にある物質の微粒子)ならびに気体および凝縮されたベイパーの液滴を含んでもよい。
【0012】
エアロゾル形成基体は、折り畳まれたウェブ(ひだのあるウェブとも呼ばれる)として形成されてもよい。折り畳まれたウェブは、均質化したたばこ材料、例えばTCL(たばこキャストリーフ)であってもよいがこれに限定されず、またラッピングペーパー内に巻かれている。
【0013】
本明細書で使用される「エアロゾル冷却要素」という用語は、大きい表面積および低い引き出し抵抗を有する要素を記述するために使用される。使用時に、エアロゾル形成基体から放出された揮発性化合物によって形成されたエアロゾルは、ユーザーによって吸入される前にエアロゾル冷却要素を通り過ぎ、かつエアロゾル冷却要素によって冷却される。引き出し抵抗が高いフィルターおよびその他のマウスピースとは対照的に、エアロゾル冷却要素は低い引き出し抵抗を有する。エアロゾル発生物品内のチャンバーおよび空洞はまた、エアロゾル冷却要素であるとは見なされない。
【0014】
本明細書で使用される「エアロゾル発生装置」という用語は、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体と相互作用してエアロゾルを発生する装置を記述するために使用される。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体と相互作用して、ユーザーの口を通してユーザーの肺の中に直接吸入可能なエアロゾルを発生する喫煙装置であることが好ましい。エアロゾル発生装置は、喫煙物品のためのホルダーであってもよい。
【0015】
ラッパーはフィルターペーパーのラッパーであってもよい。外側ラッパーはシガレットペーパーであることが好ましい。しかしながら、これは必須ではなく、またエアロゾル発生物品の要素は、他の外側ラッパーによって囲まれてもよい。
【0016】
本明細書で使用される「形成チャネル」という用語は、ウェブ材料およびコアがチャネルに沿って通るにつれて、コアの周りにウェブ材料を巻くためのチャネルを記述するために使用される。ウェブ材料がコアの周りに徐々に巻かれる形成チャネルの少なくとも入口部分は使用時に、下流端に向かって減少する曲率半径を有する。上流端にて、使用時にチャネルは実質的に平坦であってもよく、または大きい曲率半径を有してもよく、ここで巻かれていない材料が形成チャネルの中に導入される。形成チャネルの少なくとも出口部分は下流端に向かって開き、例えば下流端に向かって増大する曲率半径を有し、また下流端にて平坦になってもよい。
【0017】
本明細書で使用される「再構成可能なガルニチュールベッド」という用語は、形成チャネルまたは形成チャネルの長さの一部分を提供する複合構造を記述するために使用され、これは摩耗、他の部品の交換、またはその両方を補うために修正される場合がある。複合構造の部品のうちの一つは、形成チャネルの長さと直角を成す、形成チャネルの全表面を提供しうる。別の方法として、複数の部品は各々、形成チャネルの長さと直角を成す、形成チャネルの全表面の一部を提供してもよい。
【0018】
本明細書で使用される「再構成」は、迅速に実施されうる修正を記述するために使用される。
【0019】
ガルニチュールベッドの再構成は、形成チャネルのサイズを変更すること、例えばより狭いまたはより幅広の形成チャネルを提供するためにガルニチュールベッドを変更することを含んでもよい。
【0020】
ガルニチュールベッドの再構成のための、複数の交換可能な形成チャネルライナーサブ部材、または各交換可能な形成チャネルライナーサブ部材の取り外しは、2本以下の固定ねじまたは固定ボルトの取り外しを必要とする場合がある。
【0021】
複数の交換可能な形成チャネルライナーサブ部材は、完全なガルニチュールベッドよりも実質的により小さい。形成チャネルの長さと直角を成し、かつ形成チャネルの断面積が最も小さい(または形成チャネルの曲率半径が最も小さい)形成チャネルの長さに沿った場所にて、複数の交換可能な形成チャネルライナーサブ部材の断面積は、少なくとも10:1、少なくとも5:1、または少なくとも2:1の比率だけガルニチュールベッドの断面積より小さくてもよい。
【0022】
本明細書で使用される「ガルニチュールベッドサブ部材」という用語は、形成チャネルの長さと直角を成す、形成チャネルの全表面の一部、または形成チャネルの長さの一部分の一部を提供する要素を記述するために使用される。ガルニチュールベッドサブ部材のそれぞれは、使用時に搬送ベルトに接触しうる(例えば、搬送ベルトは使用時にガルニチュールベッドサブ部材のそれぞれを横切って摺動しうる)。ガルニチュールベッドサブ部材は、使用時に近接して間隙を介していてもよい(例えば、形成チャネルの最も狭い幅の20%未満だけ間隙を介していてもよい、または形成チャネルの最も狭い幅の10%未満だけ間隙を介していてもよい、または形成チャネルの最も狭い幅の5%未満だけ間隙を介していてもよい)。近接して間隙を介していることは、形成チャネルに沿った、またガルニチュールベッドサブ部材および隣接したガルニチュールベッドサブ部材間のすべての介在する隙間を横切った、駆動搬送ベルトの滑らかな流れを容易にする。ガルニチュールベッドサブ部材は、相対移動を提供するための機構と機械的に相互接続されてもよい(例えば、側方ガルニチュールベッドサブ部材は、中央ガルニチュールベッドサブ部材に直接接続されてもよい)。
【0023】
本明細書で使用される「形成チャネルライナーサブ部材」という用語は、形成チャネルの長さと直角を成す、形成チャネルの全表面の一部または形成チャネルの長さの一部分の一部を提供し、形成チャネルライナーサブ部材が交換される時、保持されている基部サブ部材に取り外し可能に接続されている交換可能な要素を説明するために使用される。
【0024】
本明細書で使用される用語「搬送ベルト」は、形成チャネルの長さに沿って置かれている材料の一片であって、かつ使用時に形成チャネルに沿って駆動されて、ラッピング材料のウェブおよびコアを乗せる。搬送ベルトはまた、ガルニチュールベルトまたはガルニチュールとして知られている。本明細書で使用される用語「駆動機構」は、形成チャネルに沿って搬送ベルトを駆動するための電動機構である。搬送ベルトはエンドレスループであってもよい。
【0025】
本明細書で使用される「シュー」という用語は、使用時にコア材料の周りにラッピング材料を巻くために形成チャネルと協働するために、ガルニチュールベッドの形成チャネルに対する相補的な表面を提供する部材を記述するために使用される。
【0026】
形成チャネルの長さと直角を成す断面において、複数の交換可能な形成チャネルライナーサブ部材は複数の基部サブ部材よりも小さく、これはガルニチュールベッドの残りの部分(これは少なくとも複数の基部サブ部材を含む)から搬送ベルトを取り外すことなく、複数の交換可能な形成チャネルライナーサブ部材を交換することを可能にする場合がある。
【0027】
使用時に、搬送ベルトは、ベルト張力機構、例えばテンションプーリー(これは、付勢されたアーム上に回転可能に据え付けられたプーリーであってもよい)によって張力下に保持されてもよい。ガルニチュールベッドを交換するために、張力機構を解除して搬送ベルトを弛緩させ、搬送ベルトを形成チャネルから持ち上げることを可能にする一方で、ガルニチュールベッドは再構成され、その後、搬送ベルトは形成チャネルの中に再配置され、またベルト張力機構を再係合することによって張力が再びかけられる。
【0028】
有利なことに、ガルニチュールベッドは、ガルニチュールベッド、搬送ベルト、およびシュー(存在する場合)のうちの一つ以上の完全な取り外しを必要とすることなく、再構成されうる。ガルニチュールベッド、搬送ベルト、およびシューのうちの一つ以上の完全な取り外しのない、ガルニチュールベッドの再構成は、そうでない場合よりも、巻き付け機構の定期的な保守点検をはるかに迅速に実施することを可能にし、巻き付け機構のダウンタイムを低減し、かつ製造効率を高める。有利なことに、ガルニチュールベッドまたはシューの完全な取り外しのない、巻き付け機構の再構成は、熟練した再組立および再整列の必要性を回避または低減する場合がある。
【0029】
一般に、搬送ベルトは、周知のガルニチュールベッドよりも頻繁に交換される。周知の形成チャネルの摩耗を低減させるために、耐摩耗性材料、例えばステンレス鋼でガルニチュールベッドを形成することが知られていて、これには硬化被膜(例えば、ダイヤモンド様炭素被覆)が追加的に提供されてもよい。交換可能な形成チャネルライナーサブ部材の交換によって、ガルニチュールベッドの好都合な再構成を可能にすることは、形成チャネルを、耐摩耗性のより低い材料(例えば、プラスチック材料)で提供し、ガルニチュールベッドへの摩耗の増大をガルニチュールベッドの再構成によって補うことを可能にする場合がある。有利なことに、耐摩耗性がより低い材料の形成チャネルを提供することは、搬送ベルトの摩耗を低減する場合があり、定期的な保守点検の頻度を低減することを可能にし、かつ巻き付け機構の全体的なダウンタイムを低減する。
【0030】
有利なことに、ガルニチュールベッドの再構成は、搬送ベルトおよびガルニチュールベッドのうちの一方または両方が摩耗した時でさえも、一方または両方の継続的な使用を可能にし、これは、搬送ベルトを交換することが必要になる前に、巻き付け機構が稼働しうる時間を増大させる場合がある。部品の稼働時間の延長は、運用効率を高め、運用コストを低減させる場合がある。
【0031】
有利なことに、ガルニチュールベッドの再構成により、巻かれたコアの実質的に円筒状の形状と断面積の両方は、より狭い公差内に維持されうる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1A】
図1Aは、第一の再構成可能な巻き付け機構の斜視図を示す。
【
図1B】
図1Bは、摩耗していない状態の第一の再構成可能な巻き付け機構を通した断面図を示す。
【
図1C】
図1Cは、摩耗を補うための再構成後の、第一の再構成可能な巻き付け機構を通した断面図を示す。
【
図2】
図2は、摩耗していない状態の第二の再構成可能な巻き付け機構を通した断面図を示す。
【
図3A】
図3Aは、摩耗していない状態の第三の再構成可能な巻き付け機構を通した断面図を示す。
【
図3B】
図3Bは、
図3Aの第三の再構成可能な巻き付け機構のガルニチュールベッドの平面図を示す。
【
図4】
図4は、第四の再構成可能な巻き付け機構のガルニチュールベッドの平面図を示す。
【
図5】
図5は、摩耗していない状態の第五の再構成可能な巻き付け機構を通した断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
実施例を、以下の添付図面を参照しながら、さらに説明する。
【0034】
同様の参照番号は、全体を通して同様の要素を指す。記載した実施例において、同様の特徴は同様の数字で識別されているが、一部の場合において、100の整数倍数の増分のうちの一つ以上を有する。例えば、異なる図において、再構成可能な巻き付け機構を示すために100、200、300および500が使用されている。
【0035】
図1Aは、第一の再構成可能な巻き付け機構100の斜視図を示す。
図1Bは、摩耗していない状態の搬送ベルト120およびガルニチュールベッド110を有する第一の再構成可能な巻き付け機構100を通した断面図を示す。
図1Cは、搬送ベルト120’およびガルニチュールベッド110’の摩耗を補うための再構成後の第一の再構成可能な巻き付け機構100’を示す。
【0036】
再構成可能な巻き付け機構100は、その長さに沿って延びる形成チャネル112を有するガルニチュールベッド110を有する。搬送ベルト120は形成チャネル112の表面に沿って延び、両方とも形成チャネルの長さに沿って開放していて、開放側は細長いシュー150の方を向いている。
【0037】
図示したガルニチュールベッド110において、形成チャネル112は、入口セクション112A、中央セクション112B、および出口セクション112Cを有する。中央セクション112Bは、その長さに沿って一定の曲率半径を有する。入口セクション112Aは、形成チャネル112の入口から離れ、かつ中央セクション112Bに向かって狭くなる。出口セクション112Cは、出口に向かって、かつ中央セクション112Cから離れて広くなる。
【0038】
搬送ベルト120はエンドレスベルトであってもよく、また搬送ベルトの一部のみが
図1Aに図示されていて、これは形成チャネル112の中央セクション112B内の部分である。搬送ベルト120を搬送方向Tで形成チャネル112に沿って駆動するベルト駆動機構(図示せず)が提供されている。シュー150は、形成チャネル112の開放側の方を向く形成チャネル112の長さと直角を成す断面において、凹面152を有する。形成チャネル112、搬送ベルト120、およびシュー150の凹面152は、ラッピングペーパー162内に巻かれた実質的に円筒状の部材(例えば、概して円筒状のコア160)を受容するために配設されていて、かつ相補的に形作られている。細長いシュー150は
図1Aの巻き付け機構100に存在するが、随意であり、(例えば、
図5に示す通り)省略されてもよい。
【0039】
ガルニチュールベッド110は、形成チャネル112のサイズ変更によって再構成可能である。
【0040】
ガルニチュールベッド110は、移動可能なガルニチュールベッドサブ部材110-1、110-2および110-3を有する複合構造のガルニチュールベッドであり、これらの移動可能なガルニチュールベッドサブ部材はそれぞれ、形成チャネル212の一部を提供する。ガルニチュールベッドサブ部材110-1、110-2および110-3は、共通の支持体(図示せず)に接続しうる。搬送ベルト120は、ガルニチュールベッドサブ部材110-1、110-2および110-3と接触していて、使用時にそれらに沿って摺動する。
【0041】
図2に示す通り、ガルニチュールベッドサブ部材110-1、110-2および110-3はそれぞれ、相補的な基部サブ部材に着脱可能に接続されている交換可能な形成チャネルライナーサブ部材(
図1A~1Cに図示せず)を有してもよく、細長い形成チャネルがライナーサブ部材に提供されている。
【0042】
形成チャネル112、搬送ベルト120、およびシュー150の凹面152(存在する場合)は、搬送ベルト上に乗せられた実質的に円筒状の部材(例えば、ラッピングペーパー162内に巻かれた概して円筒状のコア160)を形成および搬送するために配設されていて、かつ相補的に形作られている。使用時に、ベルト駆動機構は、搬送ベルト120を搬送方向T(
図1Aに示す)で形成チャネル112に沿って駆動し、ラッピングペーパー162は搬送ベルト120上に受容されていて、かつ搬送ベルト120に沿って延び、コア160はラッピングペーパー上に受容されていて、ラッピングペーパーはコアの周りに巻かれている。搬送ベルト120が、ラッピングペーパー162およびコア160を、形成チャネル112の入口セクション112Aおよび中央セクション112Bに沿って引き出すにつれて、ラッピングペーパーは、巻かれたコアが出口セクション112Cに沿って形成チャネルを出る前に、コアの周りに徐々に巻かれる。(例えば、中央セクション112Bにおいて)形成チャネル112に沿って通る間に、ラッピングペーパー162はコア160の周りで密封されている。
【0043】
図示した再構成可能な巻き付け組立品100において、図示したシュー150は、その長さに沿って一定の断面形状を有し、かつ形成チャネル112の中央セクション112Bに沿って延びる。しかしながら、巻き付け性能を高めるために、シュー150は、形成チャネル112の長さに沿って変化する形状を有してもよい。しかしながら、シュー150は、入口セクション112Aの長さの一部もしくはすべて、または中央セクション112Bの長さの一部もしくはすべて、または出口セクション112Cの長さの一部もしくはすべてに沿って延びてもよく、または形成チャネル112の隣接するセクション112A、112B、112Cの組み合わせの一部もしくはすべてに沿って延びてもよい。
【0044】
製造中に、ラッピングペーパー162がコア160の周りに巻かれた時、二重層領域162Dは、シュー150の凹面152に沿って通ってもよい(または同様に、
図5に示す通り、二重層領域562Bは形成チャネル512の凹面に沿って通ってもよい)。
【0045】
接触接着剤が二重層領域162Dの層と層の間に提供されてもよく、接着は、二重層領域と搬送ベルト120および形成チャネル112のうちの一方または両方との間の接触によって容易にされてもよい。別の方法として、または追加的に、熱硬化性接着剤が二重層領域162Dの層と層の間に提供されてもよい。シュー150の凹面152(または
図5の配設において、形成チャネル512の表面)の少なくとも一部には、二重層領域162Dを加熱して層と層の間の接着剤を乾燥または溶融する加熱領域(図示せず)が提供されてもよく、またシュー150の凹面152(または
図5の配設において、形成チャネル512の表面)にはまた、接着剤を冷却するための冷却領域(図示せず)が随意に提供されてもよい。
【0046】
連続使用で、搬送ベルト120は摩耗してより薄くなる場合があり、例えば120Wで示される破線まで摩耗して後退する場合がある。別の方法として、または追加的に、形成チャネル112の表面は、搬送ベルト120によって摩滅する場合があり、例えば110Wによって示される破線まで摩耗して後退する。
【0047】
ユーザーまたは自動監視機構(図示せず)が、摩耗したガルニチュールベッド110’および摩耗した搬送ベルト120’(それぞれがそれぞれの摩耗許容範囲内でのみ摩耗している)のうちの一方または両方を検出する時、形成チャネル112’を再構成して摩耗を補うために、ガルニチュールベッドサブ部材110-1’、110-2’および110-3’は内向き(または外向き)に移動M-1、M-2、M-3されうる。シュー150はまた、摩耗をさらに補うために内向きに移動Hしてもよい。ガルニチュールベッドサブ部材110-1’、110-2’および110-3’ならびにシュー150は、コア160に沿って延びる中心軸に対して半径方向に移動しうる。
【0048】
搬送ベルト120、またはガルニチュールベッドサブ部材110-1、110-2および110-3、または搬送ベルトとガルニチュールベッドセクションの両方の摩耗が検出され、搬送ベルトがさらに使用されうる場合、ガルニチュールベッドサブ部材110-1、110-2および110-3は、摩耗した搬送ベルトを補うために内向きに移動M-1、M-2、M-3されてもよく、例えば内向きに移動して中央セクション112Bにおいて、より小さい直径を提供する。
【0049】
搬送ベルト120の摩耗が検知され、搬送ベルトが交換された場合、ガルニチュールベッドサブ部材110-1 110-2および110-3は、摩耗した搬送ベルトの交換を補うために、外向きに移動M-1、M-2、M-3されてもよく、例えば外向きに移動して中央セクション112Bにおいて、より大きい直径を提供しうる。追加的に、(例えば、中央セクション112Bにおける)形成チャネル112の基部の上方にあるシュー150(存在する場合)の高さは、ガルニチュールベッド110の再構成に対応して、および搬送ベルト120の摩耗に対応して、調整されてもよい(H)。
【0050】
ガルニチュールベッドの再構成は、搬送ベルトおよびガルニチュールベッドのうちの一方または両方を、一方または両方が摩耗した時でさえも、継続して使用することを可能にすることができ、これは、搬送ベルトまたは形成チャネルを交換することが必要になる前に、巻き付け機構が稼働しうる時間を増大させる場合がある。部品の稼働時間の延長は、運用効率を高め、運用コストを低減させる場合がある。
【0051】
ガルニチュールベッド基部セクションの一つ以上の移動によって、巻かれたコアの実質的に円筒状の形状と断面積の両方は、より狭い公差内に維持されうる。
【0052】
図2は、摩耗していない状態にある第二の再構成可能な巻き付け機構200を通した断面図を示し、これは
図1Aの第一の再構成可能な巻き付け機構100に概して類似している。
【0053】
第二の再構成可能な巻き付け機構200は、ガルニチュールベッド210の移動可能なガルニチュールベッドサブ部材がそれぞれ複合構造であり、基本サブ部材210A-1、210A-2および210A-2ならびに交換可能な形成チャネルライナーサブ部材210B-1、210B-2および210B-3を有し、これらがそれぞれ、それぞれの基部サブセクションに着脱可能に接続されていて、細長い形成チャネル212が形成チャネルライナーサブ部材の組立品によって提供されていることによって、第一の再構成可能な巻き付け機構100と異なる。
【0054】
形成チャネル212、搬送ベルト220およびシュー250の凹面252は、実質的に円筒状の部材、例えば
図1A~1Cに示した第一の再構成可能な巻き付け機構100と類似した方法で、ラッピングペーパー262内に巻かれた概して円筒状のコア260を形成および搬送するために配設されていて、かつ相補的に形作られている。
【0055】
連続使用で、搬送ベルト220は摩耗してより薄くなる場合があり、例えば220Wで示される破線まで摩耗して後退する場合がある。別の方法として、または追加的に、形成チャネル212の表面は、搬送ベルト220によって摩滅する場合があり、例えば形成チャネルライナーサブ部材210B-1、210B-2および210B-2は210Wによって示される破線まで摩耗して後退する。
【0056】
ユーザーまたは自動監視機構(図示せず)がガルニチュールベッド210および搬送ベルト220のうちの一方または両方の摩耗を検出する時、ガルニチュールベッド基部サブ部材210A-1、210A-2および210A-3は、形成チャネル212を再構成して摩耗を補うために内向きに移動されうる。シュー250はまた、摩耗をさらに補うために内向きに移動Hしてもよい。
【0057】
ガルニチュールベッドの再構成は、搬送ベルトおよびガルニチュールベッドのうちの一方または両方を、一方または両方が摩耗した時でさえも、継続して使用することを可能にすることができ、これは、搬送ベルトまたは形成チャネルを交換することが必要になる前に、巻き付け機構が稼働しうる時間を増大させる場合がある。部品の稼働時間の延長は、運用効率を高め、運用コストを低減させる場合がある。
【0058】
ガルニチュールベッド基部サブ部材の一つ以上の移動によって、巻かれたコアの実質的に円筒状の形状と断面積の両方は、より狭い公差内に維持されうる。
【0059】
交換可能な形成チャネルライナーサブ部材(複数可)の一つ以上の交換によって、巻かれたコアの実質的に円筒状の形状と断面積の両方は、より狭い公差内に維持されうる。
【0060】
図3Aは、摩耗していない状態の第三の再構成可能な巻き付け機構300を通した断面図を示し、
図3Bは
図3Aのガルニチュールベッド310の平面図を示す。
【0061】
巻き付け機構300は、その長さに沿って延びる形成チャネル312を有するガルニチュールベッド310を有する。搬送ベルト320は形成チャネル312の表面に沿って延び、両方とも形成チャネルの長さに沿って開放していて、開放側は細長いシュー350の方を向いている。搬送ベルト320はエンドレスベルトであってもよい。搬送ベルト320を搬送方向Tで形成チャネル312に沿って駆動するベルト駆動機構(図示せず)が提供されている。
【0062】
シュー350は、形成チャネル312の長さと直角を成す断面に凹面352を有し、これは形成チャネル312の開放側の方を向く。形成チャネル312、搬送ベルト320、およびシュー350の凹面352は、実質的に円筒形状の巻かれたロッド(例えば、ラッピングペーパー362内に巻かれた概して円筒状のコア360)を形成するために配設されていて、かつ相補的に形作られている。
【0063】
ガルニチュールベッド310は、移動可能なサブ部材310-1および310-2を有する複合構造のガルニチュールベッドであり、これらの移動可能なサブ部材はそれぞれ、形成チャネル312の一部を提供する。ガルニチュールベッドサブ部材310-1および310-2は、共通の支持体(図示せず)に接続しうる。サブ部材310-1および310-2はそれぞれ、相補的な基部サブ部材に着脱可能に接続されている交換可能な形成チャネルライナーサブ部材(図示せず)を有してもよく、細長い形成チャネルが形成チャネルライナーサブ部材に提供されている。
【0064】
形成チャネル312、搬送ベルト320およびシュー350の凹面352は、実質的に円筒状の部材、例えば
図1A~1Cに示した第一の再構成可能な巻き付け機構100と類似した方法で、ラッピングペーパー362内に巻かれた概して円筒状のコア360を形成および搬送するために配設されていて、かつ相補的に形作られている。
【0065】
連続使用で、搬送ベルト320は摩耗してより薄くなる場合があり、例えば320Wで示される破線まで摩耗して後退する場合がある。別の方法として、または追加的に、形成チャネル312の表面は、搬送ベルト320によって摩滅する場合があり、例えば310Wによって示される破線まで摩耗して後退する。
【0066】
ユーザーまたは自動監視機構(図示せず)が、摩耗したガルニチュールベッド310および搬送ベルト420のうちの一方または両方を検出する時、ガルニチュールベッド基部サブ部材310-1および310-2は、形成チャネル312を再構成して摩耗を補うために内向きに移動M-1、M-2されうる。シュー450はまた、摩耗をさらに補うために内向きに移動Hしてもよい。
【0067】
図示した第三の再構成可能な巻き付け機構300において、移動可能なサブ部材310-1および310-2は、内向き(または外向き)かつ相互に平行に、シュー350の移動hに直角を成して移動するように構成されている(例えば、ガルニチュールベッドセクション310-1および310-2のそれぞれ、ならびにシュー350は、コア360に沿って延びる中心軸に対して半径方向に移動しうる)。しかしながら、巻き付け機構の移動可能な部分は別の方法として、異なる角度で内向きに(例えば、対称な配設で)移動するように構成されてもよい。
【0068】
ガルニチュールベッドの再構成は、搬送ベルトおよびガルニチュールベッドのうちの一方または両方を、一方または両方が摩耗した時でさえも、継続して使用することを可能にすることができ、これは、搬送ベルトまたは形成チャネルを交換することが必要になる前に、巻き付け機構が稼働しうる時間を増大させる場合がある。部品の稼働時間の延長は、運用効率を高め、運用コストを低減させる場合がある。
【0069】
ガルニチュールベッド基部サブ部材の一つ以上の移動によって、巻かれたコアの実質的に円筒状の形状と断面積の両方は、より狭い公差内に維持されうる。
【0070】
形成チャネルライナーサブセクション(複数可)の一つ以上の交換によって、巻かれたコアの実質的に円筒状の形状と断面積の両方は、より狭い公差内に維持されうる。
【0071】
図3Bに示す通り、形成チャネル表面312にて、ガルニチュールベッドサブ部材310-1および310-2(または、それぞれが基部サブ部材および形成チャネルライナーサブ部材を有する複合ガルニチュールベッドサブ部材)の向かい合う縁314-1および314-2は、歯の相互嵌合配設を有してもよく、これはガルニチュールベッドサブ部材が内向き(または外向き)に移動することを許容する。向かい合う縁314-1および314-2に沿った歯は、相互嵌合いされたままであり、搬送ベルト320、ウェブ材料およびコアのための強化された支持を提供する。向かい合う縁は、相補的なジグザグ形状の縁を有してもよい。
【0072】
他の再構成可能な巻き付け機構100および200の移動可能なセクション110-1、110-2、110-3、210-1および210-2には、形成チャネル表面112、212にて、それらの向かい合う縁に沿った歯の相互嵌合配設が追加的に提供されうる。
【0073】
図4は、
図3Aおよび
図3Bの複合ガルニチュールベッド310に概して類似しているガルニチュールベッドセクション410-1および410-2を有する第四の複合ガルニチュールベッド410を示す。
【0074】
図4のガルニチュールベッド410は、相補的な城郭風の形状を有する相互嵌合された向かい合う縁414-1および414-2によって、
図3Aおよび
図3Bのガルニチュールベッド310と異なる。
【0075】
図1A~
図4の形成チャネル組立品100、200、300、および400は、一つ、二つ、または三つのセクションを有し、これらセクションはそれぞれ、形成チャネル表面の一部を提供する。別の方法として、ガルニチュールベッドは、より多数のセクションを有してもよく、これらセクションはそれぞれ、形成チャネル表面の一部を提供する。
【0076】
図1A~3Aに図示した再構成可能な巻き付け機構100、200、および300はそれぞれ、細長いシュー150、250、および350を備える。しかしながら、別の方法として、細長いシューは、再構成可能な巻き付け機構から省略されてもよい。
【0077】
図5は、摩耗していない状態の第五の再構成可能な巻き付け機構600を通した断面図を示し、これは
図1A~1Cの第一の再構成可能な巻き付け機構100に概して類似している。
【0078】
第五の再構成可能な巻き付け機構500は、細長いシュー150を省略している点で第一の再構成可能な巻き付け機構100と異なる。
【0079】
形成チャネル512および搬送ベルト520は、搬送ベルト上に乗せられた、実質的に円筒状の部材、例えばラッピングペーパー562内に巻かれた概して円筒状のコア560を形成および搬送するために形作られている。使用時に、ベルト駆動機構は、搬送ベルト520を(例えば、
図1Aに示す通り、搬送方向Tで)形成チャネル512に沿って駆動し、ラッピングペーパー562は搬送ベルト520上に受容されていて、かつ搬送ベルト520に沿って延び、コア560はラッピングペーパー上に受容されていて、ラッピングペーパーはコアの周りに巻かれている。
【0080】
製造中に、ラッピングペーパー562がコア560の周りに巻かれた時、二重層領域562Dは、形成チャネル512の凹面に沿って通る場合がある。接触接着剤が二重層領域562Dの層と層の間に提供されてもよく、接着は、二重層領域と搬送ベルト520および形成チャネル512のうちの一方または両方との間の接触によって容易にされてもよい。別の方法として、または追加的に、熱硬化性接着剤が二重層領域562Dの層と層の間に提供されてもよい。形成チャネル512の凹面の少なくとも一部には、二重層領域562Dを加熱して接着剤を乾燥または溶融するために加熱領域(図示せず)が提供されてもよく、また形成チャネル512にはまた、二重層領域を冷却するための冷却領域(図示せず)が随意に提供されてもよい。
【0081】
連続使用で、搬送ベルト520は摩耗してより薄くなる場合があり、例えば520Wで示される破線まで摩耗して後退する場合がある。別の方法として、または追加的に、交換可能な形成チャネルライナー510Bは、搬送ベルト520によって摩滅する場合があり、例えば510Wによって示される破線まで摩耗して後退する。
【0082】
ユーザーまたは自動監視機構(図示せず)が、摩耗したガルニチュールベッド510および摩耗した搬送ベルト520(それぞれがそれぞれの摩耗許容範囲内でのみ摩耗している)のうちの一方または両方を検出する時、形成チャネル512を再構成して摩耗を補うために、ガルニチュールベッドサブ部材510-1、510-2および510-3は内向き(または外向き)に移動M-1、M-2、M-3されうる。ガルニチュールベッドサブ部材510-1、510-2および510-3は、コア560に沿って延びる中心軸に対して半径方向に移動しうる。
【0083】
搬送ベルト520、またはガルニチュールベッドサブ部材510-1、510-2および510-3、または搬送ベルトとガルニチュールベッドセクションの両方の摩耗が検出され、搬送ベルトがさらに使用されうる場合、ガルニチュールベッドサブ部材510-1、510-2および510-3は、摩耗した搬送ベルトを補うために内向きに移動M-1、M-2、M-3されてもよく、例えば内向きに移動して中央セクション512Bにおいて、より小さい直径を提供する。
【0084】
搬送ベルト520の摩耗が検出され、搬送ベルトが交換された場合、ガルニチュールベッドサブ部材510-1、510-2および510-3は、摩耗した搬送ベルトの交換を補うために外向きに移動M-1、M-2、M-3されてもよく、例えば外向きに移動して中央セクション512Bにおいて、より大きい直径を提供する。
【0085】
ガルニチュールベッドの再構成は、ベルトおよびガルニチュールベッドのうちの一方または両方を、一方または両方が摩耗した時でさえも、継続して使用することを可能にすることができ、これは、ベルトまたは形成チャネルを交換することが必要になる前に、巻き付け機構が稼働しうる時間を増大させる場合がある。部品の稼働時間の延長は、運用効率を高め、運用コストを低減させる場合がある。
【0086】
再構成によって、実質的に円筒状の形状と巻かれたコアの断面積の両方は、より狭い公差内に維持されうる。
【0087】
本明細書に提供された図は概略的なものであり、正確な縮尺ではない。
【0088】
本明細書の記述および特許請求の範囲全体を通して、「備える」および「含む」ならびにそれらの変形は、「含むが、それに限定されない」を意味し、その他の部分、追加、構成要素、整数、または工程を除外することを意図しない(かつ除外しない)ことを意味する。本明細書の記述および特許請求の範囲全体を通して、単数形は複数形を包含するが、そうでないことを文脈が要求する場合はその限りではない。特に、不定冠詞が使用される場合、本明細書は、単数だけでなく複数も企図するとして理解されるべきであるが、そうでないことを文脈が要求する場合はその限りではない。
【0089】
本発明の特定の態様、実施形態または実施例と併せて記述された機能、整数、特徴、化合物、化学的部分、または基は、それらと矛盾しない限り、本明細書に記載の任意の他の態様、実施形態、または実施例に適用可能であることが理解される。本明細書に開示された特徴のすべて(付随する請求項、要約および図面を含む)、および/または開示された任意の方法またはプロセスのすべての工程は、こうした特徴および/または工程の少なくとも一部が相互に排他的である組み合わせを除き、任意の組み合わせで組み合わせられてもよい。本発明は、いかなる前述の実施形態の詳細にも制限されない。本発明は、本明細書(あらゆる添付の請求項、要約、および図面を含む)に開示された特徴の任意の新規の特徴もしくは任意の組み合わせ、または開示された任意の方法もしくはプロセスの工程の任意の新規の工程もしくは任意の新規の組み合わせに及ぶ。
【0090】
読者の注意は、本出願に関連して本明細書と同時にまたはそれ以前に提出されている、および本明細書とともに公開されているすべての論文および文書に向けられ、こうした論文および文書すべての内容は参照により本明細書に組み込まれる。