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特許7444878スクリュー型分離装置、ケージング、排水処理システム及びスクリュー型分離装置の洗浄方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】スクリュー型分離装置、ケージング、排水処理システム及びスクリュー型分離装置の洗浄方法
(51)【国際特許分類】
   C02F 11/121 20190101AFI20240228BHJP
   C02F 3/12 20230101ALI20240228BHJP
   B30B 9/14 20060101ALI20240228BHJP
【FI】
C02F11/121
C02F3/12 S
B30B9/14 B
B30B9/14 Z
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021526892
(86)(22)【出願日】2020-06-18
(86)【国際出願番号】 JP2020024045
(87)【国際公開番号】W WO2020262207
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2023-02-07
(31)【優先権主張番号】P 2019122388
(32)【優先日】2019-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】507214083
【氏名又は名称】メタウォーター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 聡
(72)【発明者】
【氏名】橋本 好貴
(72)【発明者】
【氏名】安藤 嘉規
(72)【発明者】
【氏名】吉田 卓哉
【審査官】石岡 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-122149(JP,A)
【文献】国際公開第2015/186612(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/179569(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F11/00-11/20
C02F3/00-3/34
B30B9/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の端部側に設けられ脱水した対象物を排出する対象物排出口、及び、他方の端部側に設けられ脱水により前記対象物から分離された分離液を排出する分離液排出口が設けられるケージングと、
前記ケージングの内部に設けられて前記一方の端部から前記他方の端部への方向である延在方向に沿って延在するスクリュー軸と、
前記スクリュー軸の外周面に螺旋状に延在する第1スクリュー羽根と、
前記第1スクリュー羽根に対して前記延在方向に沿って所定間隔を隔てるように前記スクリュー軸の外周面に螺旋状に延在する第2スクリュー羽根と、を備え、
前記ケージングは、内周面に溝が形成され
前記溝は、前記延在方向に沿って延在し、前記ケージングの内周面に開口する入口部の幅が、前記入口部よりも径方向外側の空間の幅より小さい、
スクリュー型分離装置。
【請求項2】
前記溝は、前記入口部から径方向外側に向かうに従って、幅が大きくなる、請求項に記載のスクリュー型分離装置。
【請求項3】
前記溝は、前記延在方向から見た場合に、径方向内側に向かうに従って、前記スクリュー軸の回転方向側に傾斜している、請求項1又は請求項2に記載のスクリュー型分離装置。
【請求項4】
前記溝は、前記分離液排出口側の端部において前記ケージングの内周面に開口する入口部の開口面積が、前記端部よりも前記対象物排出口側における前記入口部の開口面積よりも、大きい、請求項から請求項のいずれか1項に記載のスクリュー型分離装置。
【請求項5】
前記ケージングは、第1ケージングと、前記第1ケージングの内部に挿入されて内周面に前記溝が形成される第2ケージングと、を含む、請求項1から請求項のいずれか1項に記載のスクリュー型分離装置。
【請求項6】
前記ケージングは、少なくとも前記溝が形成される部分が、樹脂製である、請求項1から請求項のいずれか1項に記載のスクリュー型分離装置。
【請求項7】
一方の端部から他方の端部への方向である延在方向に沿って延在するスクリュー軸と、前記スクリュー軸の外周面に螺旋状に延在する第1スクリュー羽根と、前記第1スクリュー羽根に対して前記延在方向に沿って所定間隔を隔てるように前記スクリュー軸の外周面に螺旋状に延在する第2スクリュー羽根と、を含むスクリューを収納して、内周面に溝が形成されている、スクリュー型分離装置用のケージングであって、
前記溝は、前記延在方向に沿って延在し、前記ケージングの内周面に開口する入口部の幅が、前記入口部よりも径方向外側の空間の幅より小さい、スクリュー型分離装置用のケージング。
【請求項8】
有機性排水から汚泥を分離させる固液分離槽と、請求項1から請求項のいずれか1項に記載のスクリュー型分離装置と、を備えた排水処理システムであって、
前記スクリュー型分離装置が、前記固液分離槽から排出された汚泥を濃縮し、前記汚泥の濃縮時において生じる前記分離液を前記固液分離槽に返送可能に構成されている、排水処理システム。
【請求項9】
前記スクリュー型分離装置が前記固液分離槽内に設けられている、請求項に記載の排水処理システム。
【請求項10】
有機性排水に対して生物処理を行う反応槽と、前記有機性排水から汚泥を分離させる固液分離槽と、請求項1から請求項のいずれか1項に記載のスクリュー型分離装置と、を備えた排水処理システムであって、
前記スクリュー型分離装置が、前記反応槽から汚泥を引き抜いて濃縮し、前記濃縮された汚泥を前記反応槽に返送するとともに、前記汚泥の濃縮時において生じる前記分離液を前記固液分離槽に供給可能に構成されている、排水処理システム。
【請求項11】
一方の端部側に設けられ脱水した対象物を排出する対象物排出口、及び、他方の端部側に設けられ脱水により前記対象物から分離された分離液を排出する分離液排出口が設けられるケージングと、
前記ケージングの内部に設けられて前記一方の端部から前記他方の端部への方向である延在方向に沿って延在するスクリュー軸と、
前記スクリュー軸の外周面に螺旋状に延在する第1スクリュー羽根と、
前記第1スクリュー羽根に対して前記延在方向に沿って所定間隔を隔てるように前記スクリュー軸の外周面に螺旋状に延在する第2スクリュー羽根と、を備え、
前記ケージングは、内周面に溝が形成される、スクリュー型分離装置の洗浄方法であって、
前記対象物排出口を閉じる閉ステップと、
前記対象物排出口を閉じた状態で前記ケージング内に洗浄液を供給することで、前記ケージング内及び前記溝内に前記洗浄液を貯留させる貯留ステップと、
前記貯留ステップの後に、前記対象物排出口を開くことで、前記ケージング内及び前記溝内に貯留された前記洗浄液を、前記対象物排出口から排出する排出ステップと、
を含む、スクリュー型分離装置の洗浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリュー型分離装置、ケージング、排水処理システム及びスクリュー型分離装置の洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、濃縮機や脱水機などのいわゆる分離装置に採用されている方法として、遠心法、浮上濃縮法、およびスクリーン濃縮脱水法などを挙げることができる。また、対象物としての含水率が高い下水や工場排水等の汚泥を、円筒形状のケージング内に投入し、このケージング内に設けたスクリューを回転させることにより、対象物を搬送しつつ圧搾脱水するスクリュー型分離装置が利用されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、2つのスクリュー羽根を設けたスクリューを回転させて、汚泥を搬送しつつ圧搾する装置が記載されている。この装置は、側面に汚泥投入口が設けられたケージングの内部に、2つのスクリュー羽根に挟まれた第1領域と第2領域を形成する。この装置は、第1領域で、汚泥を圧搾することにより脱水しつつ搬送し、脱水した汚泥を排出する。また、この装置は、脱水により生じた分離液を第2領域で搬送して、分離液を排出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2015/186612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、このような装置においては、汚泥がスクリュー羽根の表面を滑らずにスクリュー羽根と共回りして、スクリュー羽根上に留まってしまうおそれがある。このような場合、汚泥が汚泥排出口まで搬送され難くなるため、汚泥の排出効率が低下するおそれがある。従って、汚泥など脱水する対象物の排出効率の低下を抑制することが求められている。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、対象物の排出効率の低下を抑制するスクリュー型分離装置、ケージング、排水処理システム及びスクリュー型分離装置の洗浄方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示のスクリュー型分離装置は、一方の端部側に設けられ脱水した対象物を排出する対象物排出口、及び、他方の端部側に設けられ脱水により前記対象物から分離された分離液を排出する分離液排出口が設けられるケージングと、前記ケージングの内部に設けられて前記一方の端部から前記他方の端部への方向である延在方向に沿って延在するスクリュー軸と、前記スクリュー軸の外周面に螺旋状に延在する第1スクリュー羽根と、前記第1スクリュー羽根に対して前記延在方向に沿って所定間隔を隔てるように前記スクリュー軸の外周面に螺旋状に延在する第2スクリュー羽根と、を備え、前記ケージングは、内周面に溝が形成される。
【0008】
前記溝は、前記延在方向に沿って延在することが好ましい。
【0009】
前記溝は、前記ケージングの内周面に開口する入口部の幅が、前記入口部よりも径方向外側の空間の幅より小さいことが好ましい。
【0010】
前記溝は、前記入口部から径方向外側に向かうに従って、幅が大きくなることが好ましい。
【0011】
前記溝は、前記延在方向から見た場合に、径方向内側に向かうに従って、前記スクリュー軸の回転方向側に傾斜していることが好ましい。
【0012】
前記溝は、前記分離液排出口側の端部において前記ケージングの内周面に開口する入口部の開口面積が、前記端部よりも前記対象物排出口側における前記入口部の開口面積よりも、大きいことが好ましい。
【0013】
前記ケージングは、第1ケージングと、前記第1ケージングの内部に挿入されて内周面に前記溝が形成される第2ケージングと、を含むことが好ましい。
【0014】
前記ケージングは、少なくとも前記溝が形成される部分が、樹脂製であることが好ましい。
【0015】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示の排水処理システムは、有機性排水から汚泥を分離させる固液分離槽と、前記スクリュー型分離装置と、を備えた排水処理システムであって、前記スクリュー型分離装置が、前記固液分離槽から排出された汚泥を濃縮し、前記汚泥の濃縮時において生じる前記分離液を前記固液分離槽に返送可能に構成されている。
【0016】
前記スクリュー型分離装置が前記固液分離槽内に設けられていることが好ましい。
【0017】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示のケージングは、スクリュー型分離装置用のケージングであり、一方の端部から他方の端部への方向である延在方向に沿って延在するスクリュー軸と、前記スクリュー軸の外周面に螺旋状に延在する第1スクリュー羽根と、前記第1スクリュー羽根に対して前記延在方向に沿って所定間隔を隔てるように前記スクリュー軸の外周面に螺旋状に延在する第2スクリュー羽根と、を含むスクリューを収納して、内周面に溝が形成されている。
【0018】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示の排水処理システムは、有機性排水に対して生物処理を行う反応槽と、前記有機性排水から汚泥を分離させる固液分離槽と、前記スクリュー型分離装置と、を備えた排水処理システムであって、前記スクリュー型分離装置が、前記反応槽から汚泥を引き抜いて濃縮し、前記濃縮された汚泥を前記反応槽に返送するとともに、前記汚泥の濃縮時において生じる前記分離液を前記固液分離槽に供給可能に構成されている。
【0019】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示のスクリュー型分離装置の洗浄方法は、前記分離液排出口を閉じる閉ステップと、前記分離液排出口を閉じた状態で前記ケージング内に洗浄液を供給することで、前記ケージング内及び前記溝内に前記洗浄液を貯留させる貯留ステップと、前記貯留ステップの後に、前記分離液排出口を開くことで、前記ケージング内及び前記溝内に貯留された前記洗浄液を、前記分離液排出口から排出する排出ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、汚泥の排出効率の低下を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、本実施形態に係るスクリュー型分離装置の一部断面図である。
図2図2は、本実施形態に係るスクリュー型分離装置の断面図である。
図3図3は、本実施形態に係る溝の他の例を示す模式図である。
図4図4は、本実施形態に係る溝を示す模式図である。
図5A図5Aは、本実施形態に係る溝を示す模式図である。
図5B図5Bは、本実施形態に係る溝を示す模式図である。
図6図6は、本実施形態に係るスクリュー型分離装置の動作を説明するための模式図である。
図7図7は、本実施形態の他の例に係るスクリュー型分離装置の一部断面図である。
図8図8は、本実施形態の他の例に係るスクリューの模式図である。
図9図9は、本実施形態の他の例に係るスクリューの模式図である。
図10図10は、本実施形態に係るスクリュー型分離装置の洗浄方法を説明するフローチャートである。
図11図11は、第1の実施例による排水処理システムの一部を示す構成図である。
図12図12は、第1の実施例の変形例を説明するための沈殿池を示す略線図である。
図13図13は、第2の実施例による排水処理システムの一部を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0023】
(スクリュー型分離装置の構成)
図1は、本実施形態に係るスクリュー型分離装置の一部断面図である。図1に示すように、本実施形態に係るスクリュー型分離装置1は、第1ケージング30及び第2ケージング32を備えるケージング10と、スクリュー軸12と、第1スクリュー羽根14と、第2スクリュー羽根16と、第1隔壁部18と、第2隔壁部20と、カバー部22と、投入部24と、排出ポンプ26と、傾斜調整部28と、制御部29と、を有している。なお、スクリュー軸12、第1スクリュー羽根14、及び第2スクリュー羽根16を備えるユニットを、スクリュー11と呼んでよい。スクリュー型分離装置1は、後述する対象物投入口31Aからケージング10内に投入された前対象物A0を脱水して、脱水した後の対象物Aを、後述する対象物排出口31Bから排出する。そして、スクリュー型分離装置1は、脱水により前対象物A0から分離された分離液Cを、後述する分離液排出口31Cから排出する。この前対象物A0は、含水率が高い下水や工場排水等の汚泥である。前対象物A0は、スクリュー型分離装置1に脱水される前の対象物であり、本実施形態では、含水率が高い下水や工場排水等の汚泥である。さらに言えば、前対象物A0は、凝集剤が添加された汚泥であり、フロック化された固形成分と水分とを含有する汚泥である。本実施形態においては、スクリュー型分離装置1の前段に設けられた装置により、例えば凝集剤を添加することで、固形物成分をフロック化して、固形物に液体成分が含まれた前対象物A0を生成する。ただし、前対象物A0の性状は任意であり、例えば、凝集剤が添加されずにフロック化されていない汚泥であってもよい。
【0024】
以下、地表Gに平行な方向、すなわち水平方向を、方向Xとする。そして、方向Xのうちの一方の方向を、方向X1とし、方向Xのうちの他方の方向、すなわちX1方向と反対の方向を、X2方向とする。また、方向Xに直交する方向であって、地表Gにも直交する方向、すなわち鉛直方向を、方向Zとする。そして、方向Zのうちの一方の方向を、Z1方向とし、方向Zのうちの他方の方向、すなわちZ1方向と反対の方向を、Z2方向とする。Z1方向は、鉛直方向の上方に向かう方向、すなわち地表Gと離れる方向であり、Z2方向は、鉛直方向の下方に向かう方向、すなわち地表G側に向かう方向である。
【0025】
ケージング10の第1ケージング30は、延在方向Eに沿って一方の端部30Bから他方の端部30Cまで延在し、内部に空間が設けられる筒状の部材である。図1の例では、第1ケージング30は、端部30B側が縮径されているが、縮径されていることに限られず、例えば、端部30Bから端部30Cまで径が一定の円筒状であってよい。第1ケージング30は、縮径されていない箇所の直径が例えば20cm以上50cm以下程度であるが、その大きさは任意である。延在方向Eは、第1ケージング30の軸方向である。延在方向Eは、端部30B側から端部30C側(X2方向側)に向かう方向であり、端部30B側から端部30C側に向かうに従って、X2方向に対してZ1方向側に傾斜している。すなわち、第1ケージング30は、延在方向Eに沿った中心軸AXが、端部30C(方向X2側)に向かうに従って、Z1方向側に移動する(位置する)向きで、傾斜している。従って、第1ケージング30は、端部30Bが、端部30Cよりも、Z2方向側に位置している。第1ケージング30は、傾斜角度θが、20°以上90°以下であることが好ましく、60°以上90°以下であることがより好ましい。傾斜角度θは、中心軸AXの、水平方向X(地表G)に対する傾斜角度である。
【0026】
第1ケージング30は、本実施形態では、金属製(例えばステンレス製)の部材であるが、その材料は金属製に限られず任意であり、例えば樹脂製であってもよい。
【0027】
第1ケージング30は、端部30Bに対象物排出口31Bが開口しており、端部30Cに分離液排出口31Cが開口している。分離液排出口31Cは、スクリュー軸12が通る穴とは別の開口であり、スクリュー軸12よりも方向Z1側に設けられている。ただし、分離液排出口31Cは、スクリュー軸12よりも方向Z1側に設けられることに限られず、例えば端部30Cにおけるスクリュー軸12よりも方向Z2側に設けられていてもよく、スクリュー軸12と同じ位置に設けられて内部にスクリュー軸12を貫通可能になっていてもよい。また、分離液排出口31Cは、後述する分離液搬送区間K3におけるケージング10の外周面(側面)に設けられていてもよい。対象物排出口31Bは、分離液排出口31Cよりも、Z2方向側に位置している。本実施形態において、対象物排出口31Bは、スクリュー軸12が内部を貫通可能になっているが、スクリュー軸12が貫通しない構成であってもよい。また、対象物排出口31Bは、後述する対象物搬送区間K2におけるケージング10の外周面(側面)に設けられていてもよい。すなわち、第1ケージング30は、対象物排出口31Bよりも端部30C側に分離液排出口31Cが位置し、分離液排出口31Cよりも端部30B側に対象物排出口31Bが位置していればよい。
【0028】
第1ケージング30は、中間部30Aに、対象物投入口31Aが開口している。中間部30Aは、第1ケージング30の延在方向Eに沿った端部30Bと端部30Cとの間の箇所であり、言い換えれば、延在方向Eに沿った対象物排出口31Bと分離液排出口31Cとの間の箇所である。中間部30Aは、延在方向Eに沿った第1ケージング30の中央に位置しているが、延在方向Eに沿った端部30Bと端部30Cとの間の任意の位置にあてよい。例えば、第1ケージング30は、端部30Bから中間部30Aまでの延在方向Eに沿った長さが、延在方向Eに沿った第1ケージング30の全長に対し、30%以上90%以下であることが好ましい。対象物投入口31Aは、中間部30Aの位置における第1ケージング30の外周面(側面)に開口している。
【0029】
第2ケージング32は、第1ケージング30内に挿入される筒状の部材である。第2ケージング32は、第1ケージング30と同軸となるよう第1ケージング30に挿入されて、外周面が第1ケージング30の内周面30aに接触した状態で、第1ケージング30内に固定されている。第2ケージング32は、延在方向Eに沿って、一方の端部32Bから他方の端部32Cまで延在する。第2ケージング32は、端部32Bが、延在方向Eにおいて第1ケージング30の端部30Bとほぼ同位置となり、端部32Cが、延在方向Eにおいて第1ケージング30の端部30Cとほぼ同位置となっている。第2ケージング32は、第1ケージング30と同軸であるため、第2ケージング32の中心軸も、中心軸AXとなる。
【0030】
第2ケージング32は、本実施形態では、樹脂製の部材であり、例えば3Dプリンタ(三次元積層装置)で製造される。ただし、第2ケージング32の材料は任意であり、例えば金属製(ステンレスなど)であってもよいし、第2ケージング32の製造方法も任意である。
【0031】
第2ケージング32は、第1ケージング30の対象物投入口31Aに重なる位置の外周面(側面)に、開口部33Aが開口している。開口部33Aは、対象物投入口31Aと連通している。また、第2ケージング32の開口している端部32Bは、第1ケージング30の対象物排出口31Bに連通しており、第2ケージング32の開口している端部32Cは、第1ケージング30の分離液排出口31Cに連通している。なお、第2ケージング32は、内周面32aに溝34が形成されているが、溝34については後述する。
【0032】
このように、本実施形態においては、ケージング10は、第1ケージング30と第2ケージング32とが、別部材となっている。ただし、ケージング10は、一体の部材で形成されていてもよい。ケージング10は、一体の部材及び複数の部材のいずれの場合であっても、中心軸AXを中心に延在方向Eに沿って延在し、方向X1側の端部30B側に対象物排出口31Bが設けられ、方向X2側の端部30C側に分離液排出口31Cが設けられ、中間部30Aに対象物投入口31Aが設けられ、内周面32aに溝34が形成される構成であるといえる。なお、ケージング10は、一体の部材である場合、全体が樹脂製であることが好ましい。
【0033】
スクリュー軸12は、円柱形状であり、ケージング10の内部に設けられて延在方向Eに沿って延在している。スクリュー軸12は、ケージング10の内部において、延在方向Eに沿ってケージング10を貫通するように設けられている。すなわち、スクリュー軸12の一方の端部12Bは、ケージング10の端部30B側に位置しており、ケージング10の端部30Bから、ケージング10の外側に突出している。同様に、スクリュー軸12の他方の端部12Cは、ケージング10の端部30C側に位置しており、ケージング10の端部30Cから、ケージング10の外側に突出している。スクリュー軸12は、端部12B又は端部12Cの少なくともいずれかが、軸受けによって軸支持されたモータ(いずれも図示せず)に連結されている。スクリュー軸12は、このモータが制御部29によって駆動されることにより、延在方向Eを軸中心として、回転方向Rに回転される。本実施形態では、回転方向Rは、端部12C側から見て、反時計回りの方向であるが、それに限られない。なお、スクリュー軸12は、本実施形態では、金属製(例えばステンレス製)の部材であるが、その材料は金属製に限られず任意であり、例えば樹脂製であってもよい。
【0034】
第1スクリュー羽根14は、一方の端部14Bから他方の端部14Cまで、ケージング10の内部を、スクリュー軸12の外周面に螺旋状に延在するよう設けられている。端部14Bは、第1スクリュー羽根14の巻回が開始される位置であり、ケージング10の対象物排出口31B(端部30B)側の端部である。端部14Bは、対象物投入口31A(中間部30A)よりも対象物排出口31B(端部30C)側に位置している。また、端部14Cは、第1スクリュー羽根14の巻回が終わる位置であり、ケージング10の分離液排出口31C(端部30C)側の端部である。端部14Cは、対象物投入口31A(中間部30A)よりも分離液排出口31C(端部30C)側に位置している。第1スクリュー羽根14は、端部14Bから、中心軸AXを中心とした径方向から見た場合に対象物投入口31Aと重なる箇所を経て、端部14Cまで延在する。
【0035】
第1スクリュー羽根14は、端部14Cから端部14Bに向かって、スクリュー軸12の回転方向Rと反対方向に巻回されている。すなわち、スクリュー軸12の回転方向Rが、端部12C側から見て反時計回りの場合は、第1スクリュー羽根14は、いわゆるZ巻き(右手)の螺旋状(スパイラル状)に設けられる。反対に、スクリュー軸12の回転方向Rが、端部12C側から見て時計回りの場合は、第1スクリュー羽根14は、いわゆるS巻き(左手)の螺旋状に設けられる。第1スクリュー羽根14は、スクリュー軸12の回転に伴い、回転する。
【0036】
第1スクリュー羽根14は、外周部14cが、ケージング10の内周面32aとの間に、間隙Hが生じるように構成されている。すなわち、第1スクリュー羽根14の外周部14cは、ケージング10の内周面32aとは接触せず、間隙Hを隔てて離れている。この間隙Hは、微小な隙間であり、対象物Aの少なくとも一部の通過を抑制する(せき止める)程度の大きさとなっている。また、間隙Hは、分離液Cなどの液体成分が通過可能な大きさである。間隙Hは、例えば、1mm以上2mm以下程度の隙間である。
【0037】
第2スクリュー羽根16は、ケージング10の内部において、延在方向Eに沿ってスクリュー軸12の外周面に螺旋状に延在する。第2スクリュー羽根16は、第1スクリュー羽根14に対して、延在方向Eに沿って所定間隔を隔ててずれた位置に設けられており、第1スクリュー羽根14と同じ巻回方向で巻回されている。第2スクリュー羽根16も、スクリュー軸12の回転に伴い、回転する。第2スクリュー羽根16は、一方の端部16Bから他方の端部16Cまで、螺旋状に延在する。端部16Bは、第2スクリュー羽根16の巻回が開始される位置であり、延在方向Eにおいて、第1スクリュー羽根14の端部14Bと、対象物投入口31Aとの間に位置している。端部16Cは、第2スクリュー羽根16の巻回が終わる位置であり、延在方向Eにおいて、第1スクリュー羽根14の端部14Cと、対象物投入口31Aとの間に位置している。従って、第2スクリュー羽根16は、端部16Bから、中心軸AXを中心とした径方向から見た場合に対象物投入口31Aと重なる箇所を経て、端部16Cまで延在する。なお、第2スクリュー羽根16の端部16B及び端部16Cは、以上説明した位置にあることに限られない。例えば、第2スクリュー羽根16の端部16Bは、延在方向Eにおいて、第1スクリュー羽根14の端部14Bと同じ位置にあってもよいし、第2スクリュー羽根16の端部16Cは、延在方向Eにおいて、第1スクリュー羽根14の端部14Cと同じ位置にあってもよい。
【0038】
第2スクリュー羽根16は、外周部16cが、ケージング10の内周面32aとの間に、間隙Hが生じるように構成されている。すなわち、第2スクリュー羽根16の外周部16cは、ケージング10の内周面32aとは接触せず、間隙Hを隔てて離れている。なお、第1スクリュー羽根14及び第2スクリュー羽根16は、本実施形態では、樹脂製であり、例えば3Dプリンタで製造される。ただし、第1スクリュー羽根14と第2スクリュー羽根16の材料は樹脂製に限られず任意であり、例えば金属製(ステンレスなど)であってもよく、製造方法も任意であってよい。
【0039】
第1スクリュー羽根14と第2スクリュー羽根16とは以上のような位置に設けられているため、第2スクリュー羽根16の端部16Bから端部16Cまでの区間(以下、この区間を搬送促進区間K1とする)では、第1スクリュー羽根14と第2スクリュー羽根16との両方が設けられている。また、第2スクリュー羽根16の端部16Bから第1スクリュー羽根14の端部14Bまでの区間(以下、この区間を対象物搬送区間K2とする)では、第1スクリュー羽根14が設けられて第2スクリュー羽根16が設けられていない。また、第2スクリュー羽根16の端部16Cから第1スクリュー羽根14の端部14Cまでの区間(以下、この区間を分離液搬送区間K3とする)でも、第1スクリュー羽根14が設けられて第2スクリュー羽根16が設けられていない。
【0040】
搬送促進区間K1は、第1スクリュー羽根14と第2スクリュー羽根16とが設けられるダブルスクリュー区間である。搬送促進区間K1は、延在方向Eにおいて、対象物搬送区間K2と分離液搬送区間K3との間の区間である。搬送促進区間K1は、中心軸AXを中心とした径方向から見て、少なくとも一部の区間において、対象物投入口31Aに重なるように設定されている。言い換えれば、搬送促進区間K1は、少なくとも一部の区間が、延在方向Eにおいて、対象物投入口31Aと同じ位置となっている。延在方向Eに沿った搬送促進区間K1の長さは、ケージング10の延在方向に沿った全長の20%以上60%以下であることが好ましい。
【0041】
搬送促進区間K1においては、対象物Aが搬送される第1空間S1と、分離液Cが搬送される第2空間S2とが形成される。第1空間S1は、第2スクリュー羽根16の一方の面16aと、一方の面16aに対向する第1スクリュー羽根14の他方の面14bとの間に形成される。第2空間S2は、第2スクリュー羽根16の他方の面16bと、他方の面16bに対向する第1スクリュー羽根14の一方の面14aとの間に形成される。なお、図1では、第1スクリュー羽根14の端部14B側の面を一方の面14aとし、端部14C側の面を他方の面14bとしているが、それには限られず、端部14C側の面を一方の面14aとし、端部14B側の面を他方の面14bとしてもよい。同様に、図1では、第2スクリュー羽根16の端部16B側の面を一方の面16aとし、端部16C側の面を他方の面16bとしているが、それには限られず、端部16C側の面を一方の面16aとし、端部16B側の面を他方の面16bとしてもよい。
【0042】
対象物搬送区間K2は、搬送促進区間K1よりも、ケージング10の端部30B側、すなわち対象物排出口31B側の区間である。対象物搬送区間K2内の空間S3は、対象物排出口31Bに連通する。また、空間S3は、搬送促進区間K1の第1空間S1に連通して、第1空間S1から対象物Aが流入する。空間S3は、後述する第1隔壁部18に遮られることで、間隙H以外の領域においては、搬送促進区間K1の第2空間S2から遮断されている。なお、対象物搬送区間K2は、本実施形態では、第1スクリュー羽根14が設けられて第2スクリュー羽根16が設けられないシングルスクリュー区間であるが、第1スクリュー羽根14の端部14Bと第2スクリュー羽根16の端部16Bとが同じ位置にある場合は、第1スクリュー羽根14及び第2スクリュー羽根16の両方が設けられない区間となる。
【0043】
分離液搬送区間K3は、搬送促進区間K1よりも、ケージング10の端部30C側、すなわち分離液排出口31C側の区間である。分離液搬送区間K3内の空間S4は、分離液排出口31Cに連通する。また、空間S4は、搬送促進区間K1の第2空間S2に連通して、第2空間S2から分離液Cが流入する。空間S4は、後述する第2隔壁部20に遮られることで、間隙H以外の領域においては、搬送促進区間K1の第1空間S1とは遮断されている。なお、分離液搬送区間K3は、本実施形態では、第1スクリュー羽根14が設けられて第2スクリュー羽根16が設けられないシングルスクリュー区間であるが、第1スクリュー羽根14の端部14Bと第2スクリュー羽根16の端部16Bとが同じ位置にある場合は、第1スクリュー羽根14及び第2スクリュー羽根16の両方が設けられない区間となる。
【0044】
搬送促進区間K1における第2ケージング32の内周面32aには、溝34が形成される。溝34は、第2ケージング32の内周面32aにおいて、端部34Bから端部34Cまで、延在方向Eに沿って延在している。端部34Bは、溝34の対象物排出口31B側の端部であり、延在方向Eにおいて、対象物排出口31Bと対象物投入口31Aとの間に位置している。さらに言えば、端部34Bは、延在方向Eにおいて、第2スクリュー羽根16の端部16Bと同じ位置、すなわち搬送促進区間K1の対象物搬送区間K2との境界位置に設けられることが好ましい。また、端部34Cは、溝34の分離液排出口31C側の端部であり、延在方向Eにおいて、分離液排出口31Cと対象物投入口31Aとの間に位置している。さらに言えば、端部34Cは、延在方向Eにおいて、第2スクリュー羽根16の端部16Cと同じ位置(搬送促進区間K1の分離液搬送区間K3との境界位置)よりも分離液搬送区間K3側(すなわち、分離液搬送区間K3内)に設けられることが好ましい。
【0045】
このように、溝34は、搬送促進区間K1内を延在しており、端部34C側において分離液搬送区間K3内まで延在している。ただし、溝34は、搬送促進区間K1内及び分離液搬送区間K3内のみを延在することに限られず、対象物搬送区間K2までにわたって設けられてもよい。
【0046】
図2は、本実施形態に係るスクリュー型分離装置の断面図である。図2は、図1のF-F断面図であり、スクリュー型分離装置1を延在方向Eに向けて見た場合の断面図である。以下において、特に断りがない場合、周方向及び径方向とは、中心軸AXを中心とした場合の周方向及び径方向を指す。図2に示すように、溝34は、第2ケージング32の内周面32aにおいて、周方向に沿って複数設けられている。図2の例では、溝34は、12個設けられているが、12個に限られず任意の個数であってよい。溝34は、径方向内側(中心軸AXに近づく側)の端部である入口部34a1が、内周面32aに開口している。すなわち、入口部34a1は、溝34の開口部分である。溝34は、入口部34a1から、入口部34a1より径方向外側の中間部34a2までにおいて、径方向外側(中心軸AXから遠ざかる側)に向かうに従って、幅が長くなってゆく。ここでの幅とは、周方向における長さを指す。溝34は、中間部34a2から、径方向外側における溝34の底部34a3までにおいて、径方向外側に向かうに従って、幅が小さくなってゆく。溝34は、入口部34a1から中間部34a2までは、径方向外側に向かうに従って幅が直線状に大きくなり、中間部34a2から底部34a3までは、径方向外側に向かうに従って幅が曲線状に狭くなる。言い換えれば、溝34は、延在方向Eに向けて見た場合に、入口部34a1から中間部34a2までは、径方向外側に向けて幅が広がる台形状であり、中間部34a2から底部34a3までは、半円形状となっている。ただし、溝34は、入口部34a1から中間部34a2までにおいて直線状に幅が広がり、中間部34a2から底部34a3までにおいて曲線状に幅が広がる形状に限られない。例えば、溝34は、入口部34a1から中間部34a2までにおいて、少なくとも一部の区間で曲線状に幅が広がってもよいし、中間部34a2から底部34a3までにおいて、少なくとも一部の区間で直線状に幅が狭くなってもよい。
【0047】
このように、溝34は、入口部34a1から径方向外側に向かうに従って、幅(周方向の長さ)が大きくなるため、入口部34a1における幅が、入口部34a1よりも径方向外側の空間の幅より、小さい。従って、溝34は、径方向から見た場合に、入口部34a1の面積が、入口部34a1よりも径方向外側の空間の面積よりも小さくなり、入口部34a1から径方向外側に向かうに従って、面積が大きくなる。
【0048】
延在方向Eから見た場合に、溝34は、径方向内側に向かうに従って、スクリュー軸12の回転方向R側に傾斜している。言い換えれば、溝34は、中間部34a2から入口部34a1に向かうに従って、径方向に対して、回転方向R側に傾斜している。さらに言い換えれば、延在方向Eから見て、中心軸AXと中間部34a2の中点とを結ぶ直線(径方向に沿った直線)を直線L1とし、中間部34a2の中点と入口部34a1の中点とを結ぶ直線を直線L2とした場合に、直線L2は、径方向内側(入口部34a1の中点側)に向かうに従って、直線L1に対し、回転方向R側に傾斜している。
【0049】
溝34は、入口部34a1における周方向の長さが、間隙Hの径方向における長さと同じ長さであることが好ましく、例えば1mm以上2mm以下程度であることが好ましい。また、溝34は、中間部34a2の周方向における長さ(すなわち溝34の最大幅)は、間隙Hの径方向における長さよりも大きいことが好ましい。
【0050】
図3は、本実施形態に係る溝の他の例を示す模式図である。溝34は、図2で説明したような、入口部34a1から径方向外側に向かうに従って幅が大きくなる形状に限られない。例えば図3に示すように、溝34は、入口部34a1から中間部34a4まで、径方向において一定の幅であり、中間部34a4から径方向外側の中間部34a2までにおいて、径方向外側に向かうに従って幅が大きくなるものであってよい。また、中間部34a4において幅が広くなり、中間部34a4から底部34a3まで、幅が一定となっていてもよい。この場合であっても、入口部34a1の幅は、入口部34a1よりも径方向外側の中間部34a2の幅(最大幅)よりも、小さいことが好ましい。
【0051】
図4は、本実施形態に係る溝を示す模式図である。図4は、中心軸AXから径方向外側に向けて、ケージング10の内周面32aを見た場合の、対象物投入口31Aの近傍における溝34の形状を示している(図1のF1で示した部分)。図4に示すように、溝34は、内周面32a上において、対象物投入口31A(開口部33A)に連通していない。より詳しくは、複数の溝34のうち、周方向において対象物投入口31Aに近い位置にある溝34Fは、延在方向Eにおいて、端部34Bから端部34C(図1参照)まで連続して設けられておらず、対象物投入口31Aの近傍において途切れている。対象物投入口31Aよりも端部34B側にある溝34Fは、延在方向Eに向けて、端部34Bから端部34F1まで延在している。端部34F1は、対象物投入口31Aに連通しておらず、対象物投入口31Aよりも端部34B側に位置している。対象物投入口31Aよりも端部34C側にある溝34Fは、延在方向Eに向けて、端部34F2から端部34Cまで延在している。端部34F2は、対象物投入口31Aに連通しておらず、対象物投入口31A(開口部33A)よりも端部34C側に位置している。
【0052】
対象物投入口31Aよりも端部34B側にある溝34Fと、対象物投入口31Aよりも端部34C側にある溝34Fとは、内周面32aに形成される接続溝36で接続されている。接続溝36は、内周面32aの、対象物投入口31A(開口部33A)が設けられている箇所の周囲に形成されている。接続溝36は、内周面32a上において、対象物投入口31Aに連通せず、複数の溝34Fに連通して溝34F同士を接続する。本実施形態では、接続溝36は、全ての溝34Fに接続されることで、全ての溝34F同士を接続している。本実施形態において、接続溝36は、径方向から見て、対象物投入口31Aを囲うように形成される輪状の溝であるが、形状は輪状に限られず任意である。このように溝34を対象物投入口31Aと非接続としつつ接続溝36に接続することにより、後述するように溝34を流れる分離液Cが、対象物投入口31Aからケージング10内に戻ることを抑えつつ、溝34を流れる分離液Cを、接続溝36を介して分離液排出口31C側に流すことができる。
【0053】
図5A及び図5Bは、本実施形態に係る溝を示す模式図である。図5Aは、中心軸AXから径方向外側に向けて、ケージング10の内周面32aを見た場合の、端部34Cの近傍における溝34の形状を示している(図1のF2で示した部分)。図5Bは、端部34Cの近傍における溝34の断面図であり、図2におけるF3-F3断面図である。図5Aに示すように、溝34は、端部34Cにおける入口部34a1の幅(周方向における長さ)が、端部34Cより端部34B側における入口部34a1の幅よりも、大きい。従って、溝34は、端部34Cにおける入口部34a1の開口面積が、端部34Cより端部34B側(対象物排出口31B側)における入口部34a1の開口面積よりも、大きい。より具体的には、溝34は、箇所34C1から、端部34Cに向かうに従って、入口部34a1の幅が大きくなる。また、図5Bに示すように、溝34は、箇所34C1から、端部34Cに向かうに従って、深さ(径方向における長さ)が浅くなる。なお、箇所34C1は、延在方向Eにおいて端部34Cよりも端部34B側であって、端部34Cの近傍の箇所である。
【0054】
図1に戻り、第1隔壁部18は、第1スクリュー羽根14から、その第1スクリュー羽根14に対して延在方向Eにおいて隣り合う第2スクリュー羽根16までにわたって設けられる壁状の部材である。第1隔壁部18は、搬送促進区間K1内の第2空間S2に設けられており、第2空間S2を、対象物搬送区間K2の空間S3から遮蔽する。さらに言えば、第1隔壁部18は、対象物排出口31Bと対象物投入口31Aとの間、ここでは第2スクリュー羽根16の端部16Bに、設けられている。すなわち、第1隔壁部18は、第2空間S2と空間S3とを区切るように設けられており、第2空間S2と空間S3との境界位置に設けられていると言える。
【0055】
第2隔壁部20は、第1スクリュー羽根14から、その第1スクリュー羽根14に対して延在方向Eにおいて隣り合う第2スクリュー羽根16までにわたって設けられる壁状の部材である。第2隔壁部20は、搬送促進区間K1内の第1空間S1に設けられており、第1空間S1を、分離液搬送区間K3の空間S4から遮蔽する。さらに言えば、第2隔壁部20は、分離液排出口31Cと対象物投入口31Aとの間、ここでは第2スクリュー羽根16の端部16Cに、設けられている。すなわち、第2隔壁部20は、第1空間S1と空間S4とを区切るように設けられており、第1空間S1と空間S4との境界位置に設けられていると言える。ただし、第2隔壁部20は、必須の構成でない。第2隔壁部20は、空間S4の分離液Cの第1空間S1への流入を抑制するものであるが、第2隔壁部20が設けられていない場合であっても、例えば、第1空間S1に堆積した対象物Aに遮られて、空間S4の分離液Cの第1空間S1への流入が抑制される。また、第1空間S1に分離液Cが流入したとしても、第1空間S1で再度対象物Aから分離されて、空間S4に戻すこともできる。
【0056】
カバー部22は、搬送促進区間K1内の第2空間S2を形成する第1スクリュー羽根14と第2スクリュー羽根16との間における、対象物投入口31Aと重なる領域に設けられている。このカバー部22は、対象物投入口31Aと重なる区間における第2空間S2の外周を覆うことで、対象物投入口31Aからの前対象物A0が、第2空間S2に投入されることを抑制することができる。ただし、カバー部22は必須の構成ではない。例えば、第2空間S2に重畳しない位置に対象物投入口31Aを設ければ、前対象物A0が、第2空間S2に投入されることが抑制できるため、カバー部22が不要となる。
【0057】
投入部24は、対象物投入口31Aに接続されており、ケージング10内への前対象物A0の投入量を制御する装置である。投入部24は、例えば開閉弁であり、開くことで前対象物A0をケージング10内に投入し、閉じることで前対象物A0のケージング10内への投入を停止する。また、投入部24は、開度を調整することで、前対象物A0の投入量を調整することも可能である。投入部24は、制御部29の制御により、前対象物A0のケージング10内への投入量を制御する。ただし、投入部24は、前対象物A0のケージング10内への投入量を制御するものであれば、開閉弁に限られず、例えば汚泥を搬送するポンプであってもよい。
【0058】
排出ポンプ26は、排出管26Aを介して、ケージング10の対象物排出口31Bに接続されている。排出管26Aは、対象物排出口31Bに接続されている管である。排出管26Aは、対象物排出口31Bからの対象物Aが導入される。排出ポンプ26は、排出管26Aに設けられるポンプである。排出ポンプ26は、停止時には、ケージング10の端部30Bまで移動してきた対象物Aをせき止める。また、排出ポンプ26は、駆動時には、排出管26Aを吸引することにより、ケージング10内の対象物Aを、対象物排出口31Bから強制的に排出することができる。排出ポンプ26は、制御部29の制御により、ケージング10内の対象物Aの排出量を調整することが可能となっている。ただし、排出ポンプ26は必須の構成でなく、例えば、排出ポンプ26により対象物Aを強制的に排出せずに重力により排出させてもよい。
【0059】
傾斜調整部28は、ケージング10に取付けられている。傾斜調整部28は、制御部29の制御により、ケージング10の傾斜角度θを変化させる。ただし、傾斜調整部28は必須の構成でなく、傾斜角度θは一定であってもよい。
【0060】
制御部29は、スクリュー型分離装置1の動作を制御する制御装置である。制御部29は、モータによるスクリュー軸12の回転と、投入部24による前対象物A0の投入量と、排出ポンプ26の動作、すなわちケージング10内の対象物Aの排出量と、傾斜調整部28による傾斜角度θと、の少なくとも1つを制御する。制御部29は、例えば、演算装置、すなわちCPU(Central Processing Unit)を有するコンピュータであり、CPUの演算により、スクリュー型分離装置1の動作を制御する。
【0061】
(スクリュー型分離装置の動作)
次に、上述のように構成されたスクリュー型分離装置1の動作および対象物の挙動について説明する。図6は、本実施形態に係るスクリュー型分離装置の動作を説明するための模式図である。
【0062】
図6に示すように、制御部29は、投入部24を制御して、対象物投入口31Aから、ケージング10内に前対象物A0を投入して、スクリュー軸12を回転させる。対象物投入口31Aの位置は搬送促進区間K1に重なるため、対象物投入口31Aからの前対象物A0は、搬送促進区間K1の第1空間S1内に投入される。第1空間S1内に投入された前対象物A0は、重力と、搬送促進区間K1内の第1スクリュー羽根14及び第2スクリュー羽根16の表面上を滑ることとにより、液体成分が分離されつつ、対象物排出口31B側に移動する。なお、第1空間S1内の前対象物A0の固形成分は、微小な間隙Hを通り難いため、第2空間S2への侵入が抑えられる。また、第1空間S1内の前対象物A0の固形成分は、第1空間S1と空間S4とを遮断する第2隔壁部20により、空間S4への侵入がせき止められる。
【0063】
スクリュー型分離装置1は、前対象物A0を、第1スクリュー羽根14及び第2スクリュー羽根16の表面(以下、適宜、スクリュー羽根の表面と記載する)上で滑らせることで、対象物排出口31B側に搬送する。しかし、前対象物A0がスクリュー羽根の表面上を滑らない場合、前対象物A0は、スクリュー羽根と共回りして、スクリュー羽根の表面上の同じ位置に留まってしまい、対象物排出口31B側へ移動し難くなる。それに対し、本実施形態においては、ケージング10の内周面32aに溝34を形成することで、内周面32aの表面荒さを大きくして、内周面32aの摩擦係数を大きくする。これにより、内周面32aから前対象物A0に作用する摩擦力に対する、スクリュー羽根の表面から前対象物A0に作用する摩擦力の比率を小さくして、前対象物A0をスクリュー羽根の表面上で滑りやすくする。すなわち、溝34が形成された内周面32aを抵抗として、前対象物A0をスクリュー羽根の表面上で滑りやすくする。このように、スクリュー型分離装置1は、溝34によって前対象物A0をスクリュー羽根の表面上で滑りやすくすることで、前対象物A0を、対象物排出口31B側に適切に搬送することができる。なお、スクリュー型分離装置1は、内周面32aから前対象物A0へ作用する摩擦力(内周面32aの摩擦係数)を、スクリュー羽根の表面から前対象物A0への摩擦力(スクリュー羽根の表面の摩擦係数)よりも、大きくすることが好ましい。
【0064】
搬送促進区間K1の第1空間S1内を搬送される前対象物A0は、第1空間S1に連通する対象物搬送区間K2の空間S3に流入する。空間S3内に流入した前対象物A0は、液体成分が分離された対象物Aとして、対象物排出口31Bを通って、ケージング10の外部に排出される。空間S3に流入した対象物Aは、制御部29に駆動された排出ポンプ26により、対象物排出口31Bを通って、ケージング10の外部に強制的に排出される。
【0065】
一方、前対象物A0から分離された液体成分は、分離液Cとして、第1空間S1から、間隙Hを通って第2空間S2内に流入する。分離液Cは、第2空間S2への流入量の増加に伴い第2空間S2内での液位が上昇してゆく。分離液Cは、液位の上昇に伴い、図6の流路C1に示すように、第2空間S2内を分離液排出口31C側に螺旋状に移動して、分離液搬送区間K3の空間S4内に導入される。また、分離液Cは、図6の流路C2に示すように、複数の間隙Hを通り抜けて、分離液搬送区間K3の空間S4内に導入される。また、分離液Cは、図6の流路C3に示すように、間隙Hから溝34内に流入する。溝34内に流入した分離液Cは、溝34内での液位上昇に伴い溝34内を分離液排出口31C側に流れて、端部34Cにおける入口部34a1から、第2空間S2内や空間S4内に導入される。このように流路C1、C2、C3を通って空間S4に導入された分離液Cは、分離液排出口31Cから外部に排出される。
【0066】
このように、本実施形態においては、第2空間S2を通る流路C1及び間隙Hを通る流路C2に加え、溝34を通る流路C3を、分離液Cの空間S4への流路とすることができる。このように分離液Cの流路を増やすことで、ケージング10内における分離液Cの流路の圧損を小さくすることができ、分離液Cを適切に排出することが可能となる。なお、溝34は、入口部34a1の幅が、例えば間隙Hと同程度に小さく形成されているため、分離液Cの侵入を許容しつつ、前対象物A0の固形成分の侵入を抑えることができる。さらに、溝34は、スクリュー軸12の回転方向R側に傾斜しているため、固形成分が入口部34a1から侵入することを、さらに好適に抑えることができる。また、本実施形態においては、第1スクリュー羽根14と第2スクリュー羽根16と第2ケージング32との少なくとも1つを樹脂製とすることが好ましい。これらの少なくとも1つを樹脂製とすることで、形状精度を高くすることが可能となって、間隙Hを小さく設計することができ、固形成分が間隙Hを通ることを抑制できる。
【0067】
以上説明したように、本実施形態に係るスクリュー型分離装置1は、ケージング10と、スクリュー軸12と、第1スクリュー羽根14と、第2スクリュー羽根16とを備える。ケージング10は、一方の端部30B側に、脱水した対象物Aを排出する対象物排出口31Bが設けられ、他方の端部30C側に、脱水により前対象物A0から分離された分離液Cを排出する分離液排出口31Cが設けられる。スクリュー軸12は、ケージング10の内部に設けられて、端部30Bから他方の端部30Cへの方向である延在方向Eに沿って延在する。第1スクリュー羽根14は、スクリュー軸12の外周面に螺旋状に延在する。第2スクリュー羽根16は、第1スクリュー羽根14に対して延在方向Eに沿って所定間隔を隔てるように、スクリュー軸12の外周面に螺旋状に延在する。ケージング10は、内周面32aに、溝34が形成される。
【0068】
本実施形態に係るスクリュー型分離装置1は、ケージング10の内周面32aに溝34が形成されるため、内周面32aから対象物Aに作用する摩擦力に対する、スクリュー羽根の表面から対象物Aに作用する摩擦力の比率を、小さくして、対象物Aをスクリュー羽根の表面上で滑りやすくする。そのため、本実施形態に係るスクリュー型分離装置1によると、対象物Aを対象物排出口31Bまで適切に搬送して、対象物Aの排出効率の低下を抑制することができる。また、スクリュー型分離装置1は、溝34に分離液Cを流すことが可能となるため、分離液排出口31Cまでの分離液Cの流路を増やすことができる。そのため、スクリュー型分離装置1によると、ケージング10内における分離液Cの流路の圧損を小さくすることが可能となり、分離液Cを適切に排出することができる。
【0069】
また、溝34は、延在方向Eに沿って延在する。スクリュー型分離装置1は、溝34を延在方向Eに延在する構成とすることで、溝34を、分離液排出口31Cまでの分離液Cの流路とすることが可能となり、ケージング10内における分離液Cの流路の圧損を小さくして、分離液Cを適切に排出することができる。
【0070】
また、溝34は、ケージング10の内周面32aに開口する入口部34a1の幅が、入口部34a1よりも径方向外側の空間(中間部34a2)の幅より小さい。スクリュー型分離装置1は、溝34の入口部34a1の幅を小さくすることで、固形物である対象物Aの溝34への侵入を抑制して溝34の閉塞を抑えると共に、入口部34a1よりも径方向外側の空間の幅を大きくすることで、分離液Cを流す流路面積を大きくすることができる。そのため、このスクリュー型分離装置1によると、溝34により分離液Cを適切に排出することができる。
【0071】
また、溝34は、入口部34a1から径方向外側に向かうに従って、幅が大きくなる。スクリュー型分離装置1は、溝34の幅を徐々に大きくする形状とすることで、溝34内の圧損を抑えて分離液Cを適切に流すことが可能となる。
【0072】
また、溝34は、延在方向Eから見た場合に、径方向内側に向かうに従って、スクリュー軸12の回転方向R側に傾斜している。このスクリュー型分離装置1は、溝34を、回転方向R側に傾斜させることで、固形物である対象物Aの溝34への侵入を抑制して、溝34の閉塞を抑制することができる。
【0073】
また、溝34は、分離液排出口31C側の端部34Cにおける入口部34a1の開口面積が、端部34Cよりも対象物排出口31B側における入口部34a1の開口面積よりも、大きい。このスクリュー型分離装置1は、溝34を流れる分離液Cの出口である端部34Cの開口面積を大きくすることで、圧損を抑えて、分離液Cを適切に排出することが可能となる。
【0074】
ケージング10は、第1ケージング30と、第1ケージング30の内部に挿入されて内周面32aに溝34が形成される第2ケージング32と、を含む。このようにケージング10を別部材とすることで、例えば溝34を形成する第2ケージング32の形状精度を高くすることが可能となり、間隙Hを小さく設計することが可能となる。そのため、このスクリュー型分離装置1によると、間隙Hを小さくすることで、前対象物A0の固形成分が間隙Hを通ることを好適に抑制することが可能となり、対象物Aの排出効率及び分離液Cの清浄度を高くすることができる。
【0075】
ケージング10は、少なくとも溝34が形成される部分が、樹脂製である。溝34が形成される部分(本実施形態では第2ケージング32)を樹脂製とすることで、形状精度を高くすることが可能となるため、間隙Hを小さく設計することが可能となる。また、樹脂製とすることで、製造コストを低減することができる。
【0076】
また、本実施形態に係るケージング10は、スクリュー型分離装置1用のケージングであって、内部にスクリュー11(スクリュー軸12、第1スクリュー羽根14、及び第2スクリュー羽根16を備えるユニット)を収納する。ケージング10は、内周面32aに溝34が形成される。このように、スクリュー11を収納するケージング10の内周面32aに溝34を形成することで、対象物Aの排出効率の低下を抑制することができる。
【0077】
次に、第1隔壁部及び第2隔壁部の他の例について説明する。上述の説明では、第1隔壁部18及び第2隔壁部20は、第1スクリュー羽根14と第2スクリュー羽根16との間に設けられていたが、図7から図9に示すように、第1スクリュー羽根14の端部と第2スクリュー羽根16の端部とで、第1隔壁部18aと第2隔壁部20aとを形成してもよい。図7は、本実施形態の他の例に係るスクリュー型分離装置の一部断面図である。図8及び図9は、本実施形態の他の例に係るスクリューの模式図である。図8は、対象物排出口31B側の第1スクリュー羽根14及び第2スクリュー羽根16の端部を示しており、図9は、分離液排出口31C側の第1スクリュー羽根14及び第2スクリュー羽根16の端部を示している。
【0078】
図7及び図8に示すように、この例においては、第1スクリュー羽根14の対象物排出口31B側の端部14Baと、第2スクリュー羽根16の対象物排出口31B側の端部16Baとは、延在方向Eにおいて同じ位置となっている。また、第1スクリュー羽根14と第2スクリュー羽根16とのピッチ(延在方向Eにおいて隣り合う第1スクリュー羽根14の表面と第2スクリュー羽根16の表面との間の長さ)は、端部14Ba(端部16Ba)よりも延在方向E側(分離液排出口31C側)においては一定であるが、端部14Ba(端部16Ba)の近傍においては、端部14Ba(端部16Ba)側に向かうに従って短くなってゆき、端部14Baと端部16Baとが、接触する。そのため、第1スクリュー羽根14と第2スクリュー羽根16との間の第2空間S2は、端部14Ba(端部16Ba)に向かうに従って狭くなってゆき、端部14Baと端部16Baとの接触箇所で閉じて、空間S3に対し区切られる。すなわち、この例においては、端部14Baと端部16Baとが、第2空間S2と空間S3とを区切る第1隔壁部18aを構成している。
【0079】
同様に、図7及び図9に示すように、第1スクリュー羽根14の分離液排出口31C側の端部14Caと、第2スクリュー羽根16の分離液排出口31C側の端部16Caとは、延在方向Eにおいて同じ位置となっている。また、第1スクリュー羽根14と第2スクリュー羽根16とのピッチは、端部14Ca(端部16Ca)よりも延在方向Eと反対側(対象物排出口31B側)においては、一定であるが、端部14Ca(端部16Ca)の近傍においては、端部14Ca(端部16Ca)側に向かうに従って短くなってゆき、端部14Caと端部16Caとが、接触する。そのため、第1スクリュー羽根14と第2スクリュー羽根16との間の第1空間S1は、端部14Ca(端部16Ca)に向かうに従って狭くなってゆき、端部14Caと端部16Caとの接触箇所で閉じて、空間S4に対し区切られる。すなわち、この例においては、端部14Caと端部16Caとが、第1空間S1と空間S4とを区切る第2隔壁部20aを構成している。
【0080】
図10は、本実施形態に係るスクリュー型分離装置の洗浄方法を説明するフローチャートである。スクリュー型分離装置1を洗浄する場合は、前対象物A0の供給を停止して、排出ポンプ26から、可能な程度、対象物Aを排出しておく。そして、図10に示すように、スクリュー型分離装置1の対象物排出口31Bを閉じる(ステップS10;閉ステップ)。本実施形態では、排出ポンプ26を停止することで対象物排出口31Bを閉じるが、対象物排出口31Bを閉じる方法は任意である。例えば、対象物排出口31Bに開閉弁が設けられている場合は、開閉弁を閉じることで、対象物排出口31Bを閉じてもよい。また、対象物排出口31Bと共に、分離液排出口31Cも閉じてよい。
【0081】
そして、対象物排出口31Bを閉じた状態で、対象物投入口31Aから、ケージング10内に、洗浄液を供給する(ステップS12;貯留ステップ)。ステップS12においては、対象物排出口31Bを閉じているため、ケージング10内に洗浄液が貯留される。洗浄液は、例えば水である。ケージング10に供給された洗浄液は、溝34にも侵入して、溝34内に貯留される。さらに言えば、ケージング10内は、洗浄液によって比較的高圧状態となるため、溝34が固形成分で詰まっていた場合にも、洗浄液が固形物を押し出して溝34内に流入可能である。なお、ステップS12で洗浄液を供給してから、スクリュー軸12を回転させてもよい。スクリュー軸12の回転により、洗浄液をケージング内で流動させて、溝34の固形成分をより適切に除去できる。
【0082】
その後、分離液排出口31Cを開く(ステップS14;排出ステップ)。これにより、ケージング10内及び溝34内に貯留された洗浄液は、固形物と共に、分離液排出口31Cから排出される。
【0083】
このように、スクリュー型分離装置1の洗浄方法は、閉ステップと、貯留ステップと、排出ステップとを含むことが好ましい。閉ステップにおいては、対象物排出口31Bを閉じる。貯留ステップにおいては、対象物排出口31Bを閉じた状態でケージング10内に洗浄液を供給することで、ケージング10内及び溝34内に洗浄液を貯留させる。開ステップにおいては、貯留ステップの後に対象物排出口31Bを開くことで、ケージング10内及び溝34内に貯留された洗浄液を、対象物排出口31Bから排出する。スクリュー型分離装置1は、上述した溝34の形状とすることで、溝34に固形物が詰まり難い形状となっているが、もし溝34に固形物が詰まった場合においても、このように洗浄することで、固形物を溝34から好適に除去することができる。
【0084】
(第1の実施例)
次に、上述したスクリュー型分離装置1を備えた第1の実施例としての排水処理システムについて説明する。図11は、第1の実施例による排水処理システムの一部を示す構成図である。
【0085】
図11に示すように、この第1の実施例による排水処理システム100は、沈殿池101、沈殿池101の前段に配設された前段設備102、沈殿池101の後段に配設された後段設備103、引き抜きポンプ104、およびスクリュー型分離装置1を備える。沈殿池101は、前段設備102から供給された被処理水を、分離液と汚泥とに沈降分離する固液分離槽である。前段設備102は、例えば下水などの有機性排水を処理する、反応槽などの種々の処理槽を有して構成される設備である。後段設備103は、例えば焼却炉等を備え、スクリュー型分離装置1から排出された汚泥(濃縮汚泥)に対して、焼却処理や廃棄処理を行う設備である。引き抜きポンプ104は、沈殿池101から汚泥を引き抜いてスクリュー型分離装置1に供給するための汚泥引き抜き手段である。スクリュー型分離装置1は、沈殿池101よりも鉛直方向の上方(地表から離れる方向)に設けられている。
【0086】
この排水処理システム100においては、前段設備102から排出された被処理水の少なくとも一部は、沈殿池101に供給される。沈殿池101においては、供給された被処理水を分離液と汚泥とに沈降分離させる。そして、分離された汚泥は、引き抜きポンプ104によって沈殿池101の下部から引き抜かれて、スクリュー型分離装置1に供給される。引き抜かれた汚泥は、対象物投入口31A(図1参照)を通じて、前対象物A0としてスクリュー型分離装置1の内部に搬入される。
【0087】
スクリュー型分離装置1においては、上述した実施形態と同様にして分離液Cを分離させる。分離された分離液Cは、沈殿池101に返送される。分離された後(脱水された後)の対象物Aは、濃縮汚泥として後段設備103に搬送され、焼却処理や廃棄処理が行われる。以上により、この第1の実施例による排水処理が実行される。
【0088】
以上説明した第1の実施例によれば、上述した実施形態によるスクリュー型分離装置1を用いて、沈殿池101から引き抜いた前対象物A0を濃縮し、分離液Cを沈殿池101に返送している。これにより、対象物Aの濃縮濃度を改善できるとともに、沈殿池101の維持管理性を大幅に改善できる。すなわち、沈殿池101内において多くの場合、中間水が存在する。このような中間水が存在すると、汚泥(前対象物A0)の引き抜き時に汚泥(前対象物A0)よりも水分の方が優先的に引き抜かれてしまう。そのため、汚泥(前対象物A0)を圧縮しても濃縮濃度が増加しないという問題がある。この問題に対して上述した第1の実施例によれば、沈殿池101の後段にスクリュー型分離装置1を配設していることにより、引き抜いた汚泥(前対象物A0)から中間水だけを分離して沈殿池101に返送できる。そのため、汚泥(前対象物A0)の濃縮濃度を向上させることができるので、従来のように沈殿池101内において中間水が含まれた状態であっても汚泥(前対象物A0)の濃縮濃度を向上できる。その上、上述したスクリュー型分離装置1は低コストで製造できるので、排水処理システム100も低コストで実現できる。さらに、汚泥(前対象物A0)がケージング10内において目詰まりした場合であっても、スクリュー軸12を回転方向Rに対して逆回転させれば、目詰まりを容易に除去することができる。
【0089】
(第1の実施例の第1変形例)
次に、上述した第1の実施例の変形例について説明する。図12は、第1の実施例の変形例を説明するための沈殿池を示す略線図である。図12に示すように第1変形例においては、沈殿池101の下部に一実施形態によるスクリュー型分離装置1を設ける。そして、沈殿池101の下部に沈降した汚泥を、漏斗などの汚泥回収装置(図示せず)を用いて、対象物投入口31A(図1参照)を通じてスクリュー型分離装置1の内部に、前対象物A0として供給する。スクリュー型分離装置1は、濃縮した汚泥(対象物A)を外部に排出し、分離した分離液Cを配管(図示せず)などによって内部または外部を通じて、沈殿池101内に返送する。なお、分離液Cを外部に排出することも可能である。その他の構成は、上述した第1の実施例と同様である。
【0090】
(第1の実施例の第2変形例)
また、第2変形例として、スクリュー型分離装置1の前段に沈殿池101などの重力沈降槽を設けた場合、沈殿池101内に、汚泥を掻き寄せるレーキの上辺に直立させた棒状部材からなる、ピケットフェンス(図示せず)を設けることも可能である。ピケットフェンスを設けることにより、沈殿池101内において汚泥の沈降を促進でき、いわゆる凝集が促進される。したがって、スクリュー型分離装置1による対象物Aと分離液Cとの分離をより一層効率化でき、固液分離性を大きく改善できる。
【0091】
(第2の実施例)
次に、上述した一実施形態によるスクリュー型分離装置1を備えた第2の実施例としての排水処理システムについて説明する。図13は、第2の実施例による排水処理システムの一部を示す構成図である。
【0092】
図13に示すように、この第2の実施例による排水処理システム200は、反応槽201、反応槽201の前段に配設された前段設備202、反応槽201の後段に配設された沈殿池204、引き抜きポンプ203a,203b、およびスクリュー型分離装置1を備える。スクリュー型分離装置1は、反応槽201及び沈殿池204よりも鉛直方向の上方(地表から離れる方向)に設けられている。
【0093】
反応槽201は、例えば複数の生物反応槽から構成される。反応槽201を構成する生物反応槽は、例えば嫌気槽、無酸素槽、および好気槽などの種々の生物反応槽である。前段設備202は、例えば下水などの有機性排水を処理する、沈砂池や傾斜板沈殿池などを有して構成される設備である。引き抜きポンプ203aは、反応槽201から活性汚泥などの汚泥を引き抜いて、前対象物A0としてスクリュー型分離装置1に供給するための汚泥引き抜き手段である。同様に引き抜きポンプ203bは、反応槽201から汚泥を引き抜いて、後段の沈殿池204に供給するための汚泥引き抜き手段である。沈殿池204は、反応槽201やスクリュー型分離装置1からそれぞれ供給される被処理水や分離液Cを、分離液Cと汚泥(対象物A)とに沈降分離する固液分離槽である。
【0094】
この第2の実施例による排水処理システム200においては、前段設備202から排出された被処理水の少なくとも一部は、反応槽201に供給される。反応槽201においては、被処理水に対して硝化処理や脱窒処理などの生物処理を行う。反応槽201内の活性汚泥は、引き抜きポンプ203a,203bにより引き抜かれる。引き抜きポンプ203aにより引き抜かれた汚泥は、前対象物A0としてスクリュー型分離装置1に供給され、対象物投入口31A(図1参照)を通じて内部に搬入される。
【0095】
スクリュー型分離装置1においては、搬入された汚泥(前対象物A0)が濃縮されて分離液Cが分離される。分離された分離液Cは、後段の沈殿池204に供給される。一方、反応槽201から引き抜きポンプ203bにより引き抜かれた汚泥および被処理水は、沈殿池204に供給される。沈殿池204においては、第1の実施例と同様に重力沈降による固液分離処理が実行される。以上により、この第2の実施例による排水処理が実行される。
【0096】
以上説明した第2の実施例によれば、スクリュー型分離装置1を用いて、反応槽201から汚泥(前対象物A0)を引き抜いて圧縮濃縮し、圧縮濃縮した汚泥(対象物A)を反応槽201に返送するとともに、分離液Cを固液分離槽としての沈殿池204に供給している。これにより、次のような問題点を解決することができる。
【0097】
すなわち、従来、沈殿池204から反応槽201に向けて汚泥(対象物A)を返送するための返送ポンプ(図示せず)の稼働に使用する電力は極めて大きかった。これに対し、この第2の実施例によれば、スクリュー型分離装置1を用いて圧縮濃縮した汚泥(対象物A)を反応槽201に返送できるので、汚泥(対象物A)の返送に要する電力を大幅に低減できる。さらに、このスクリュー型分離装置1を用いることによって、十分に固液分離を行うことができる。これにより、沈殿池204における汚泥の引き抜きの頻度を低減することができるので、排水処理システム200において電力を削減して省エネルギー化を図ることができる。
【0098】
また、従来、反応槽201内に分離膜を設ける構成の場合、初期コストおよび設備のメンテナンスに要する負担が大きいという問題があった。これに対し、分離膜に代えて、低コストのスクリュー型分離装置1を導入することができるので、初期のコストを低減できる。また、スクリュー型分離装置1の維持管理が容易であることから、メンテナンスの負担を低減できるので、メンテナンスコストを低減できる。
【0099】
さらに、この第2の実施例によれば、反応槽201を高MLSS化することができるので、沈殿池204における負荷を低減でき、反応槽201からの汚泥の引き抜きに使用する引き抜きポンプ203a,203bの消費電力を低減することができる。したがって、排水処理システム200において省エネルギー化を図ることができる。
【0100】
また、各実施例において、スクリュー型分離装置1に投入される汚泥(前対象物A0)は、凝集剤が添加されたものでなくてよい。すなわち、沈殿池101の汚泥には、凝集剤が添加されておらず、反応槽201の汚泥にも、凝集剤が添加されていなくてよい。このスクリュー型分離装置1は、重力によっても分離を行うため、凝集剤を含有しない汚泥に対しても、分離効率の低下を抑制することができる。
【0101】
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。例えば、上述の実施形態において挙げた数値はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる数値を用いてもよい。
【0102】
上述の実施形態においては、スクリュー軸12を円柱状の軸から構成しているが、必ずしもこの形状に限定されるものではない。例えば、スクリュー軸12を、ケージング10の端部30Cから端部30B側に向けて径が徐々に大きくなる、いわゆる拡径形状にすることも可能である。
【0103】
また、上述の実施形態においては、汚泥を固形分と水分とに分離する固液分離装置を例にしているが、必ずしも汚泥の固液分離に限定されるものではなく、固体と液体とを分離する種々の方法に適用することも可能である。
【0104】
また、上述の実施形態において、分離液排出口31Cの位置は種々変更可能な構成にすることも可能である。
【0105】
また、上述の実施形態においては、分離液Cの移動は間隙Hを通じて行われているが、例えば、第1スクリュー羽根14や第2スクリュー羽根16の少なくとも一部に、メッシュ状や多数の微小孔を有するろ過手段を併せて設け、分離液Cを移動可能に構成してもよい。
【0106】
また、上述した実施形態によるスクリュー型分離装置1を、脱水機の前濃縮機、民需用簡易濃縮機、および合流改善スクリーンなどとして利用することも可能である。
【0107】
上述の一実施形態における第1の実施例においては、引き抜きポンプ104により引き抜かれる汚泥を、沈殿池101内に沈降した汚泥としているが、必ずしも沈降した汚泥に限定されない。例えば、夏季などに沈殿池101内では浮上汚泥が発生しやすくなるが、この浮上汚泥を引き抜きポンプ104によって引き抜いて、スクリュー型分離装置1に供給することも可能である。
【0108】
また、上述の第1の実施例においては、一実施形態によるスクリュー型分離装置1を沈殿池101と組み合わせた例について説明したが、必ずしもこの形態に限定されない。具体的に例えば、ろ過濃縮装置とスクリュー型分離装置1とを組み合わせることも可能である。この場合、ろ過濃縮装置における汚泥を引き抜くラインやろ過濃縮装置の底部に、上述したスクリュー型分離装置1を設置することが可能である。ここで、ろ過濃縮装置においては、運転が間欠運転であるため、濃縮された汚泥はろ過濃縮装置内に一時的に貯留され、汚泥の引き抜きは下部から行われる。そのため、この一時的に貯留された時に汚泥の上部に貯留される上澄み液が濃縮された汚泥とともに引き抜かれる。これにより、上述した第1の実施例における問題と同様の問題が存在するが、この一実施形態によるスクリュー型分離装置1を用いることにより、汚泥を引き抜く際に、上澄み液(上澄み水)を分離することができるので、濃縮された汚泥の濃縮濃度を安定的に高濃度化することが可能になる。
【0109】
以上、本発明の実施形態、実施例及び変形例を説明したが、これら実施形態等の内容により実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態等の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0110】
1 スクリュー型分離装置
10 ケージング
12 スクリュー軸
14 第1スクリュー羽根
16 第2スクリュー羽根
18 第1隔壁部
20 第2隔壁部
30 第1ケージング
30B、30C 端部
31A 対象物投入口
31B 対象物排出口
31C 分離液排出口
32 第2ケージング
32a 内周面
34 溝
34a1 入口部
K1 搬送促進区間
K2 対象物搬送区間
K3 分離液搬送区間
S1 第1空間
S2 第2空間
S3、S4 空間
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13