(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】複数の物質を混合するためのカプセル、装置、および方法
(51)【国際特許分類】
B01F 35/71 20220101AFI20240228BHJP
A61J 3/00 20060101ALI20240228BHJP
B01F 23/30 20220101ALI20240228BHJP
B01F 23/50 20220101ALI20240228BHJP
B01F 23/60 20220101ALI20240228BHJP
B01F 27/90 20220101ALI20240228BHJP
B01F 35/75 20220101ALI20240228BHJP
B01F 35/90 20220101ALI20240228BHJP
【FI】
B01F35/71
A61J3/00 310C
B01F23/30
B01F23/50
B01F23/60
B01F27/90
B01F35/75
B01F35/90
(21)【出願番号】P 2021528886
(86)(22)【出願日】2019-11-22
(86)【国際出願番号】 IL2019051276
(87)【国際公開番号】W WO2020105053
(87)【国際公開日】2020-05-28
【審査請求日】2022-11-22
(32)【優先日】2018-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521218825
【氏名又は名称】キャプスラブ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Capsulab Ltd
【住所又は居所原語表記】16 Abba Hillel Street, Ramat Gan, Israel
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ザール ガル
(72)【発明者】
【氏名】メイアゾン ドヴ
【審査官】横山 敏志
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04889432(US,A)
【文献】特開2000-313487(JP,A)
【文献】米国特許第06293693(US,B1)
【文献】特表2015-505259(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0000852(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0207595(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01F 27/00 - 27/96
A61J 1/00 - 19/06
B01F 35/00 - 35/95
Japio-GPG/FX
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の物質を混合するための装置に保持されるように適合されたカプセルであって、
メインチャンバ底部およびメインチャンバ上部開口部を有するメインチャンバと、
少なくとも2つのリポジトリ管状チャンバであって、それぞれが、(1)
前記メインチャンバで混合可能な物質を含むように適合され、(2)前記メインチャンバに平行に配置され、前記メインチャンバの外壁を周回して配置され、(3)リポジトリ管状チャンバ上部開口部を有する、少なくとも2つのリポジトリ管状チャンバと、
少なくとも2つの通路であって、それぞれが、前記少なくとも2つのリポジトリ管状チャンバの1つを前記メインチャンバに流体接続する、少なくとも2つの通路
であって、前記少なくとも2つのリポジトリ管状チャンバの1つから前記メインチャンバに前記少なくとも2つの通路の1つを介して前記物質が流れる、少なくとも2つの通路と、
前記メインチャンバに装着されるメインピストンと、
それぞれが前記装置の複数のプッシュロッドの1つによって押されるように適合された、少なくとも2つの
リポジトリ管状ピストンと、
遠位端に配置されたミキサエレメント、および、近位端に配置されたトルクアダプタを有するミキサロッドと、を備え、
前記トルクアダプタは、前記ミキサエレメントに前記装置の少なくとも1つのモータからトルクを伝達するためのアクチュエータに取り外し可能かつ機械的に接続されるように適合され、前記ミキサロッドは、前記メインピストンが外側の位置にあるときに、前記ミキサエレメントが前記メインチャンバ底部および前記メインピストンの遠位端の間で前記メインチャンバ内に搭載されるように、前記メインピストンに沿って通るように装着されている、ミキサロッドと、
を備える、カプセル。
【請求項2】
前記カプセルの少なくともいくつかが前記装置の開口部を介して通されるときに、前記開口部の周りにかつ上に搭載されるようなサイズおよび形状を有するリムをさらに備える、請求項1に記載のカプセル。
【請求項3】
前記少なくとも2つのリポジトリ管状チャンバは、前記メインチャンバの前記外壁の周りに周回して配置された前記メインチャンバの周辺にある、請求項1に記載のカプセル。
【請求項4】
調合前の成分を外部から見るために前記リポジトリ管状チャンバに配置された窓をさらに備えた、請求項1に記載のカプセル。
【請求項5】
前記窓は、透明な材料から作られた、請求項4に記載のカプセル。
【請求項6】
前記メインチャンバ底部に含まれるメインチャンバ底部開口部を封止する底部ピストンが、下方に押され、前記底部ピストンの周囲に前記メインチャンバ底部開口部の複数の底部チャネルを形成する、請求項5に記載のカプセル。
【請求項7】
前記少なくとも2つのリポジトリ管状チャンバのそれぞれが、前記少なくとも2つのリポジトリ管状ピストンの1つによって封止されている外側開口部を有する、請求項1に記載のカプセル。
【請求項8】
前記少なくとも2つのリポジトリ管状ピストンのそれぞれが、少なくとも2つのプッシュロッドの1つによって下方に押される上面を有し、前記少なくとも2つのリポジトリ管状チャンバのそれぞれ1つから、前記少なくとも2つの通路のそれぞれ1つを介して前記メインチャンバに物質を取り出す、請求項7に記載のカプセル。
【請求項9】
前記少なくとも2つのリポジトリ管状チャンバのそれぞれ1つが、前記少なくとも2つのリポジトリ管状ピストンのそれぞれの1つを下方に押し、前記少なくとも2つのリポジトリ管状チャンバの1つから前記少なくとも2つの通路のそれぞれの1つを介して前記メインチャンバに物質を取り出す、ばねを備える、請求項7に記載のカプセル。
【請求項10】
前記ばねは、前記少なくとも2つのリポジトリ管状ピストンのそれぞれ1つを下方の位置に保持し、物質が前記メインチャンバから前記少なくとも2つのリポジトリ管状チャンバの前記1つに入るのを防ぐ、請求項9に記載のカプセル。
【請求項11】
前記少なくとも2つのリポジトリ管状ピストンのそれぞれ1つは、前記少なくとも2つのリポジトリ管状ピストンの1つが下方の位置にあるときに、前記少なくとも2つのリポジトリ管状チャンバのそれぞれ1つのノッチに挿入されて、前記メインチャンバから前記少なくとも2つのリポジトリ管状チャンバの前記それぞれ1つに物質が入るのを防ぐ、少なくとも1つのロック歯を備える、請求項7に記載のカプセル。
【請求項12】
前記少なくとも2つのリポジトリ管状ピストンのうちの少なくとも1つは、回転可能である、請求項7に記載のカプセル。
【請求項13】
前記少なくとも2つのリポジトリ管状ピストンのうちの前記少なくとも1つは、前記少なくとも2つの通路のそれぞれを介して粉体を押し出すためのプロペラ部と、前記粉体が上方に移動するのを防ぐための中空ディスク部と、を含む、請求項12に記載のカプセル。
【請求項14】
前記少なくとも2つのリポジトリ管状ピストンのうちの少なくとも1つは、前記少なくとも2つのリポジトリ管状チャンバのそれぞれの少なくとも1つの内部に配置された物質バッグを貫通するための少なくとも1つの鋭利な先端部を含む、請求項7に記載のカプセル。
【請求項15】
前記少なくとも2つのリポジトリ管状チャンバのうちの少なくとも1つは、前記少なくとも2つのリポジトリ管状チャンバのうちの少なくとも1つの内部に配置された物質バッグを貫通するための少なくとも1つの鋭利な先端部を含む、請求項1に記載のカプセル。
【請求項16】
前記トルクアダプタは、前記ミキサロッドを上方に引っ張るアクチュエータに接続され、前記ミキサエレメントは、メインピストンを上方に押し、前記少なくとも2つの通路を開放する、請求項1に記載のカプセル。
【請求項17】
前記ミキサエレメントのブレードが、前記メインチャンバ内の物質を加熱する加熱面を含む、請求項1に記載のカプセル。
【請求項18】
前記メインチャンバ底部は、前記トルクアダプタを装置から解放するために前記ミキサエレメントをロックするための少なくとも1つの底部スロットを含む、請求項1に記載のカプセル。
【請求項19】
カプセル内で複数の物質を混合するための装置であって、
カプセルであって、
近位端に配置されたミキサエレメントと遠位端に配置されたトルクアダプタとを有するミキサロッドに沿ったメインチャンバと、
少なくとも2つのリポジトリ管状チャンバであって、それぞれが、
(1)
前記メインチャンバで混合可能な物質を含むように適合され、
(2)前記メインチャンバに平行に配置され、前記メインチャンバの外壁を周回して配置された、
少なくとも2つのリポジトリ管状チャンバと、
それぞれが、前記2つのリポジトリ管状チャンバの1つに押されるように適合された、少なくとも2つの
リポジトリ管状ピストンと、
を有するカプセルを保持するための固定具と、
前記ミキサロッドの軸に沿って前記ミキサロッドを回転したり押したりするように前記トルクアダプタに機械的にかつ取り外し可能に接続されるように適合されたアクチュエータを有する、トルクエレメントと、
前記カプセルが前記固定具に保持されるときに、それぞれが前記少なくとも2つの
リポジトリ管状ピストンの1つを押すように適合された、少なくとも2つのプッシュロッドと、
混合および送出セッション中に前記トルクエレメントおよび前記少なくとも2つのプッシュロッドの移動を制御するように適合されるコントローラと、
を備える、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本出願は、2018年11月22日に出願された米国仮特許出願第62/770,775号からの優先権の利益を主張するものであり、その内容は参照により全体が本明細書に組み込まれている。
【0002】
[発明の分野と背景]
本発明は、そのいくつかの実施形態において、複数の物質を混合するためのカプセル、装置、および方法に関し、より詳細には、排他的ではないが、消費者による物質の選択、混合、および調合に関するものである。
【0003】
近年、トイレタリ、パーソナルケア、食品添加物、栄養補助食品、医薬品などの消費者は、カスタムメイドされた、パーソナライズされた、モジュール化された、および/または自分で行う、成分を調合することへのニーズを高めている。
【0004】
既存の解決策では、主に専門家が使用するための、成分を選択し、混合し、および/または調合して調合するための装置やサービスが提供されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、複数の物質を混合するためのカプセルが提供され、メインチャンバ底部およびメインチャンバ上部開口部を有するメインチャンバと、少なくとも2つのリポジトリ管状チャンバであって、それぞれが、(1)物質を含むように適合され、(2)メインチャンバに機械的に接続され、(3)リポジトリ管状チャンバ上部開口部を有する、少なくとも2つのリポジトリ管状チャンバと、少なくとも2つの通路であって、それぞれが、少なくとも2つのリポジトリ管状チャンバの1つをメインチャンバに流体接続する、少なくとも2つの通路と、メインチャンバに装着されるメインピストンと、遠位端に配置されたミキサエレメント、および、近位端に配置され、ミキサエレメントにトルクを伝達するためのトルクアダプタを有するミキサロッドであって、ミキサロッドは、メインピストンが外側の位置にあるときに、ミキサエレメントがメインチャンバ底部およびメインピストンの遠位端の間でメインチャンバ内に搭載されるように、メインピストンに沿って通るように装着されている、ミキサロッドと、を備えることを特徴とする。
【0006】
任意選択で、メインピストンは、内側の位置で少なくとも2つの通路を封止し、メインチャンバに沿って外側の位置に移動したときに少なくとも2つの通路を開放する。
【0007】
任意選択で、少なくとも2つのリポジトリ管状チャンバは、メインチャンバの周辺にある。
【0008】
任意選択で、メインチャンバ底部は、膜によって密閉されたメインチャンバ底部開口部を含み、ミキサロッドは、膜を穿刺するために遠位端に鋭利な先端部を含む。
【0009】
任意選択で、メインチャンバ底部は、底部ピストンによって封止されたメインチャンバ底部開口部を含み、ミキサロッドの遠位端は、底部ピストンを下方に押して、メインチャンバ底部開口部を部分的に開くように適合されている。
【0010】
さらに任意選択で、底部ピストンが下方に押し下げられ、底部ピストンの周囲にメインチャンバ底部開口部の複数の底部チャネルを形成する。
【0011】
任意選択で、少なくとも2つのリポジトリ管状外側開口部のそれぞれは、リポジトリ管状ピストンによって封止される。
【0012】
さらに任意選択で、少なくとも2つのリポジトリ管状ピストンのそれぞれは、少なくとも2つのプッシュロッドの1つによって下方に押される上面を有しており、少なくとも2つの通路のそれぞれの1つを介して少なくとも2つのリポジトリ管状チャンバのそれぞれの1つからメインチャンバに物質を取り出す。
【0013】
さらに任意選択で、少なくとも2つのリポジトリ管状チャンバのそれぞれの1つは、少なくとも2つのリポジトリ管状ピストンのそれぞれの1つを下方に押して、少なくとも2つのリポジトリ管状チャンバの1つから少なくとも2つの通路のそれぞれの1つを介してメインチャンバに物質を取り出す、ばねを備える。
【0014】
さらに任意選択で、ばねは、少なくとも2つのリポジトリ管状ピストンのそれぞれの1つを下方の位置に保持し、メインチャンバから少なくとも2つのリポジトリ管状チャンバの1つに物質が入るのを防ぐ。
【0015】
さらに任意選択で、少なくとも2つのリポジトリ管状ピストンのそれぞれの1つは、少なくとも2つのリポジトリ管状ピストンの1つが下方の位置にあるときに、少なくとも2つのリポジトリ管状チャンバのそれぞれの1つのノッチに挿入され、メインチャンバから少なくとも2つのリポジトリ管状チャンバのそれぞれの1つに物質が入るのを防ぐ、少なくとも1つのロック歯を備えている。
【0016】
さらに任意選択で、少なくとも2つのリポジトリ管状ピストンのうち、少なくとも1つが回転可能である。
【0017】
さらに任意選択で、少なくとも2つのリポジトリ管状ピストンのうちの少なくとも1つは、少なくとも2つの通路のそれぞれに粉体を押し通すためのプロペラ部と、粉体が上方に移動するのを防ぐための中空ディスク部とを含む。
【0018】
より任意選択で、少なくとも2つのリポジトリ管状ピストンのうちの少なくとも1つは、少なくとも2つのリポジトリ管状チャンバのうちのそれぞれの少なくとも1つの内部に位置する物質バッグを貫通するための少なくとも1つの鋭利な先端部を含む。
【0019】
任意選択で、少なくとも2つのリポジトリ管状チャンバのうちの少なくとも1つは、少なくとも2つのリポジトリ管状チャンバのうちの少なくとも1つの内部に位置する物質バッグを貫通するための少なくとも1つの鋭利な先端部を含む。
【0020】
任意選択で、トルクアダプタは、ミキサロッドを上方に引っ張るアクチュエータに接続され、ミキサエレメントがメインピストンを上方に押し上げ、少なくとも2つの通路を開放することができる。
【0021】
任意選択で、ミキサエレメントのブレードには、メインチャンバ内の物質を加熱する加熱面が含まれている。
【0022】
任意選択で、メインチャンバ底部には、トルクアダプタを装置から解放するためにミキサエレメントをロックするための少なくとも1つの底部スロットがある。
【0023】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、カプセル内で複数の物質を混合するための装置が提供され、単一のカプセルのための固定具と、少なくとも2つのプッシュロッドであって、それぞれがリポジトリ管状ピストンを単一のカプセルのリポジトリ管状チャンバ内に押し込み、カプセルのメインチャンバ内に物質を取り出すように適合される、少なくとも2つのプッシュロッドと、カプセルのミキサロッドを保持するためのトルクエレメントであって、ミキサロッドを回転させたり、ミキサロッドの軸に沿ってミキサロッドを引っ張ったり押したりするように適合されるトルクエレメントと、固定具内のカプセルを識別し、1回の混合および送出セッション中にプッシュロッドおよびトルクアームの移動を順次制御するように適合されるコントローラと、を備える。
【0024】
任意選択で、装置は、プッシュロッドとトルクエレメントとを動作させる少なくとも1つのモータをさらに備えている。
【0025】
任意選択で、トルクエレメントは、ミキサロッドを保持するためのクランプを有するトルクアームである。
【0026】
さらに任意選択で、クランプは、ミキサロッドの近位端に配置されたトルクアダプタを掴んだり放したりするために適合されている。
【0027】
任意選択で、トルクエレメントは、ミキサロッドのチューブ部分に挿入されるトルクピストンを含み、ミキサロッドのスロットに挿入されるトルクピストンに含まれる少なくとも1つのピンによってミキサロッドをロックすることができる。
【0028】
任意選択で、複数のプッシュロッドはコントローラによって個別に制御される。
【0029】
任意選択で、この装置は、メインピストンをメインチャンバ底部に向かって押すための少なくとも1つのメインプッシュロッドをさらに備えている。
【0030】
任意選択で、固定具は、カプセルが挿入される開位置とカプセルが固定される閉位置とを有するトレイである。
【0031】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、カプセル内で複数の物質を混合する方法が提供され、カプセルをミキサ装置に固定することであって、カプセルは、メインチャンバと、少なくとも2つのリポジトリ管状チャンバと、少なくとも2つの通路とを備え、少なくとも2つの通路のそれぞれは、少なくとも2つのリポジトリ管状チャンバの1つをメインチャンバに流体接続する、固定することと、カプセルのミキサロッドを引っ張ることであって、ミキサロッドは、内側の位置で少なくとも2つの通路を封止するようにメインチャンバに装着されたメインピストンに沿って通るように装着されており、メインピストンをメインチャンバに沿って外側の位置に移動させて、少なくとも2つの通路を開放する、引っ張ることと、ミキサロッドを回転させて、ミキサロッドの遠位端に搭載され内部チャンバ内に位置するミキサエレメントを動作させることと、を備える。
【0032】
任意選択で、方法は、引っ張ることの後に、少なくとも2つのリポジトリ管状チャンバに装着された少なくとも2つのリポジトリ管状ピストンを押して、少なくとも2つの通路のそれぞれの1つを介して、少なくとも2つのリポジトリ管状チャンバから、メインピストンによって封止されたメインチャンバの内部チャンバに物質を取り出すことをさらに備える。
【0033】
任意選択で、少なくとも2つの管状のリポジトリチャンバのそれぞれからの物質が、少なくとも2つの通路を介してメインピストンの移動によってメインチャンバに引き込まれる。
【0034】
任意選択で、方法は、ミキサロッドを回転させながら、ミキサロッドを引いたり押したりして、ミキサエレメントを内部チャンバ内に移動させることをさらに備える。
【0035】
任意選択で、方法は、ミキサロッドの遠位端に配置された鋭い先端部を介して、メインチャンバ底部内のメインチャンバ底部開口部を封止する膜を穿刺することをさらに備える。
【0036】
任意選択で、方法は、メインチャンバ底部内のメインチャンバ底部開口部を封止する底部ピストンを、ミキサロッドの遠位端を介して押して、メインチャンバ底部開口部を部分的に開くことをさらに備える。
【0037】
任意選択で、方法は、メインピストンをメインチャンバ底部に向けて押して、メインチャンバ底部内のメインチャンバ底部開口部から混合された物質を取り出すことをさらに備える。
【0038】
別様に定義されていない限り、本明細書で使用されているすべての技術的および/または科学的な用語は、本発明が関連する技術分野の通常の技術者によって一般的に理解されているのと同じ意味を有する。本明細書に記載されたものと同様または同等の方法および材料を、本発明の実施または試験に使用することができるが、例示的な方法および/または材料を以下に記載する。矛盾がある場合は、定義を含む特許明細書が優先される。また、材料、方法、および例は例示に過ぎず、必ずしも限定的であることを意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0039】
本発明のいくつかの実施形態は、添付の図面を参照して、例示としてのみ説明される。ここで図面を詳細に参照すると、示された特定事項は例示であり、本発明の実施形態の説明を目的としたものであることが強調される。これに関連して、図面を用いた説明は、本発明の実施形態がどのように実施され得るかを当業者に明らかにするものである。
【0040】
【
図1】
図1は、本発明のいくつかの実施形態による、複数の物質を混合するためのカプセルの説明図である。
【
図2】
図2は、本発明のいくつかの実施形態による、
図1のカプセルの断面図である。
【
図3】
図3は、本発明のいくつかの実施形態による、リポジトリ管状ピストンを備える
図1のカプセルの、断面図の図面である。
【
図4】
図4は、本発明のいくつかの実施形態による、リポジトリ管状ピストンを備える
図1のカプセルの、側面図の図面である。
【
図5A】
図5Aは、本発明のいくつかの実施形態による、カプセル内で複数の物質を混合するための装置の正面図の図面である。
【
図5B】
図5Bは、本発明のいくつかの実施形態による、カプセル内で複数の物質を混合するための装置の断面図の図面である。
【
図6A】
図6Aは、本発明のいくつかの実施形態による、
図1のカプセルを備えた
図5Aの装置を異なる視点から見た図面である。
【
図6B】
図6Bは、本発明のいくつかの実施形態による、
図1のカプセルを備えた
図5Aの装置を異なる視点から見た図面である。
【
図7A】
図7Aは、本発明のいくつかの実施形態による、開いた位置にあるカプセルおよびトレイを備える装置の図面である。
【
図7B】
図7Bは、本発明のいくつかの実施形態による、閉じた位置にあるカプセルおよびトレイを備える装置の図面である。
【
図8】
図8は、本発明のいくつかの実施形態による、複数の物質をカプセル内で混合する方法を模式的に表したフローチャートである。
【
図9A】
図9Aは、本発明のいくつかの実施形態による、
図8の方法の異なる段階における、
図7Aの装置の断面図である。
【
図9B】
図9Bは、本発明のいくつかの実施形態による、
図8の方法の異なる段階における、
図7Aの装置の断面図である。
【
図9C】
図9Cは、本発明のいくつかの実施形態による、
図8の方法の異なる段階における、
図7Aの装置の断面図である。
【
図9D】
図9Dは、本発明のいくつかの実施形態による、
図8の方法の異なる段階における、
図7Aの装置の断面図である。
【
図9E】
図9Eは、本発明のいくつかの実施形態による、
図8の方法の異なる段階における、
図7Aの装置の断面図である。
【
図9F】
図9Fは、本発明のいくつかの実施形態による、
図8の方法の異なる段階における、
図7Aの装置の断面図である。
【
図9G】
図9Gは、本発明のいくつかの実施形態による、
図8の方法の異なる段階における、
図7Aの装置の断面図である。
【
図9H】
図9Hは、本発明のいくつかの実施形態による、
図8の方法の異なる段階における、
図7Aの装置の断面図である。
【
図9I】
図9Iは、本発明のいくつかの実施形態による、
図8の方法の異なる段階における、
図7Aの装置の断面図である。
【
図10A】
図10Aは、本発明のいくつかの実施形態による、カプセルの例示的なサイズの断面図である。
【
図10B】
図10Bは、本発明のいくつかの実施形態による、カプセルの例示的なサイズの断面図である。
【
図10C】
図10Cは、本発明のいくつかの実施形態による、カプセルの例示的なサイズの断面図である。
【
図11A】
図11Aは、本発明のいくつかの実施形態による、異なる数のリポジトリ管状チャンバおよび/または異なる直径の開口部を有する例示的なカプセルの上面図である。
【
図11B】
図11Bは、本発明のいくつかの実施形態による、異なる数のリポジトリ管状チャンバおよび/または異なる直径の開口部を有する例示的なカプセルの上面図である。
【
図11C】
図11Cは、本発明のいくつかの実施形態による、異なる数のリポジトリ管状チャンバおよび/または異なる直径の開口部を有する例示的なカプセルの上面図である。
【
図12A】
図12Aは、本発明のいくつかの実施形態による、異なる初期充填状態を有する例示的なカプセルの断面図である。
【
図12B】
図12Bは、本発明のいくつかの実施形態による、異なる初期充填状態を有する例示的なカプセルの断面図である。
【
図12C】
図12Cは、本発明のいくつかの実施形態による、異なる初期充填状態を有する例示的なカプセルの断面図である。
【
図14A】
図14Aは、本発明のいくつかの実施形態による、装置のトルクピストンの拡大断面図の図面である。
【
図14B】
図14Bは、本発明のいくつかの実施形態による、ミキサロッドに挿入されたトルクピストンの図面である。
【
図15】
図15は、本発明のいくつかの実施形態による、
図5Aの装置のクランプの断面の拡大図である。
【
図16】
図16は、本発明のいくつかの実施形態による、リポジトリ管状チャンバの内部に鋭利な先端部を有するカプセルの断面図である。
【
図17A】
図17Aは、本発明のいくつかの実施形態による、摩擦によって位置を保持されたリポジトリ管状ピストンを有するカプセルの断面図である。
【
図17B】
図17Bは、本発明のいくつかの実施形態による、摩擦によって位置を保持されたリポジトリ管状ピストンを有するカプセルの断面図の拡大図である。
【
図18A】
図18Aは、本発明のいくつかの実施形態による、ばねによって所定の位置に保持されたリポジトリ管状ピストンを有するカプセルの断面図である。
【
図18B】
図18Bは、本発明のいくつかの実施形態による、ばねによって所定の位置に保持されたリポジトリ管状ピストンを有するカプセルの断面図の拡大図である。
【
図19A】
図19Aは、本発明のいくつかの実施形態による、ロック歯によって所定の位置に保持されたリポジトリ管状ピストンを有するカプセルの断面図である。
【
図19B】
図19Bは、本発明のいくつかの実施形態による、ロック歯によって所定の位置に保持されたリポジトリ管状ピストンを有するカプセルの断面図の拡大図である。
【
図20A】
図20Aは、本発明のいくつかの実施形態による、ミキサエレメントの異なる形状の図面である。
【
図20B】
図20Bは、本発明のいくつかの実施形態による、ミキサエレメントの異なる形状の図面である。
【
図20C】
図20Cは、本発明のいくつかの実施形態による、ミキサエレメントの異なる形状の図面である。
【
図21A】
図21Aは、本発明のいくつかの実施形態による、異なる視点および配向のミキサエレメントの図面である。
【
図21B】
図21Bは、本発明のいくつかの実施形態による、異なる視点および配向のミキサエレメントの図面である。
【
図21C】
図21Cは、本発明のいくつかの実施形態による、異なる視点および配向のミキサエレメントの図面である。
【
図21D】
図21Dは、本発明のいくつかの実施形態による、異なる視点および配向のミキサエレメントの図面である。
【
図22】
図22は、本発明のいくつかの実施形態による、上部の鋭利な先端部を有するミキサエレメントの図面である。
【
図23A】
図23Aは、本発明のいくつかの実施形態による、底部ピストン用フレームの底面図を示す概略図である。
【
図23B】
図23Bは、本発明のいくつかの実施形態による、底部ピストン用フレームの側面図を示す概略図である。
【
図23C】
図23Cは、本発明のいくつかの実施形態による、底部ピストン用フレームの断面図を示す概略図である。
【
図23D】
図23Dは、本発明のいくつかの実施形態による、底部ピストン用フレームおよび2つの位置にある底部ピストンの断面図の模式図である。
【
図23E】
図23Eは、本発明のいくつかの実施形態による、底部ピストン用フレームおよび2つの位置にある底部ピストンの断面図の模式図である。
【
図24A】
図24Aは、本発明のいくつかの実施形態による、底部ピストンを有するカプセルの下部の断面図である。
【
図24B】
図24Bは、本発明のいくつかの実施形態による、底部ピストンを有するカプセルの下部の断面図である。
【
図24C】
図24Cは、本発明のいくつかの実施形態による、底部ピストンを有するカプセルの下部の断面図である。
【
図25A】
図25Aは、本発明のいくつかの実施形態による、強制逆放出のための底部スロットを有するカプセルの断面図である。
【
図25B】
図25Bは、本発明のいくつかの実施形態による、強制逆放出の異なる段階にあるカプセルを備えた装置の断面図である。
【
図25C】
図25Cは、本発明のいくつかの実施形態による、強制逆放出の異なる段階にあるカプセルを備えた装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明は、そのいくつかの実施形態において、複数の物質を混合するためのカプセル、装置、および方法に関し、より詳細には、排他的ではないが、消費者による物質の選択、混合、および調合に関するものである。
【0042】
本発明のいくつかの実施形態によれば、複数の物質を混合するためのカプセルが提供される。カプセルは、メインチャンバと、それぞれが物質を含み、リポジトリ管状ピストンによって封止されたリポジトリ管状チャンバ(チューブ)とを含む。通路は、各リポジトリ管状チャンバをメインチャンバに流体接続している。これらの通路は、任意選択で、メインチャンバに装着されたメインピストンによって封止される。また、カプセルは、遠位端に配置されたミキサエレメントを有するミキサロッドと、近位端に配置されたトルクアダプタとを含む。トルクアダプタは、ミキサエレメントにトルクを伝達するものである。ミキサロッドは、メインピストンに沿って通るように装着されており、ミキサエレメントは、メインピストンによって封止されたメインチャンバの内部チャンバに搭載されている。
【0043】
このカプセルは混合装置に固定されている。ミキサロッドを保持するためのクランプを有する装置のトルクアームが、ミキサロッドを引っ張ることで、メインチャンバに沿ってメインピストンを外側に動かし、通路を開放する。次いで、物質がリポジトリ管状チャンバからメインチャンバに取り出されてもよく、これは、装置のプッシュロッドを用いてリポジトリ管状ピストンを押すことによって、および/または、メインピストンを上方に移動させることによってメインチャンバ内に生じる低圧によって行われてもよい。
【0044】
その後、トルクアームがミキサロッドを回転させ、ミキサエレメントを動作させ、メインチャンバ内の物質を混合する。混合が完了したら、例えばメインチャンバ底部開口部を介して、カプセルから混合物を取り出すことができる。
【0045】
装置の動作はコントローラによって制御され、1回の混合および送出セッションの間、プッシュロッドとトルクアームの動作を順次制御する。押出し棒とトルクアームの動作は、カプセルの種類、選択された成分と量、ユーザの指示、およびその他のパラメータに応じて決定されてもよい。任意選択で、(例えば、ユーザの携帯電話にインストールされている)ユーザが操作するアプリケーションが、装置のコントローラに指示を与える。
【0046】
あらゆる種類の調合および/またはカスタマイズされた混合物のパーソナライズは、ユーザの好みによって(手動または診断により自動的に)設定されてもよく、または統合診断ツールの推奨によって設定されてもよい。例えば、カプセルには、別々に密閉保存された9種類の原材料が入っていてもよい(例えば、8つの物質はリポジトリ管状チャンバに保存され、1つの物質は大容量の封止された基本成分を含んでもよいメインチャンバに保存される)。製造される最終製品は、同じカプセルから作られる何千もの異なる最終処方組成のいずれか1つであってもよい。
【0047】
カプセルは、封止されたチューブにより成分間の密閉保存および完全分離(使用前および使用の間の酸素または光への露出防止)を提供するため、不安定であり(機能性を失い実質的に価値がないので)調合に通常使用できない多くの種類の成分を、カプセルの新鮮な調合で効果的に使用することができる。ユーザは、対応可能なあらゆる混合可能な原材料(粉体、液体、および気体)の混合比率をパーソナライズおよび決定することができる。
【0048】
正確な比率が公開されない事前に調合された混合物、例えばブロック化された成分などとは異なり、処方は、顧客に対して透明性があり、(該当する場合は)カプセルやプラットフォームアプリケーションで閲覧することができる。
【0049】
カプセルの設計は、広範な原材料や成分、液体、半固体(ゲル)、気体、固体(粉体)に対応するが、それらの中には、潜在的に不安定である、または相容れないものもある。例えば、これらの成分は、酸化(空気)や光(感光性)に影響を受けやすい、または互いに反応する、および/または溶解性を変化させることもある。
【0050】
このカプセルは、同じカプセルの機械的構造およびインターフェースによって、各チューブ内の原材料の量を変えることができる。また、事前に少量の成分を管内に部分的に充填することも可能である。カプセルと装置の設計は、(スケールアップやスケールダウンを考慮しなくても)柔軟に変更可能な供給管の寸法に対応している。本装置は、ユーザの定義に従って各成分の一部のみを毎回混合することにより、少量の新鮮なバッチを(連続的に)調合することができ、および/または、成分の一部のみを選択的に使用することにより、異なる調合の種類を作成することができる。また、カプセル当たり1回限りの調合または複数の調合を行うことができる。正確な注入量を制御するカプセルのメインチャンバとメインピストンにより、この設計は、非常に正確に計量された調合吐出量に対応する。調合吐出は、事前に設定することができ、注入の途中でユーザによって止めることもできる。
【0051】
カプセルは、チューブの中にすべての成分を含むので、ユーザが成分を別々に管理したり、特定の任意選択の処方のために供給を平準化したりする必要がない。カプセルの中には統合ミキサが内蔵されており、カプセルが機械の外にあるため、装置のメンテナンスや清掃が不要である。本装置は、ユーザによる設定を必要としなくてもよい。この装置は、非常に短い時間で仕上がった調合を提供することができる。ほとんどの種類の混合は、装置の電源を入れてから30~60秒以内に仕上がる。
【0052】
本装置を用いて製造することができる調合には、例えば、石鹸、シャンプー、デオドラント、香水といった、不快なにおいを洗浄および防止するためのトイレタリ-個人用衛生用品、美容使用のためのパーソナルケア(スキンケア、ヘアケア、化粧品)、および/または、皮膚科学のための調合(ダーマ化粧品)、風味を維持する、または味や見た目などの品質を向上させるために食品に添加される物質のような食品添加物、例えば、経口的に摂取され、通常は1つ以上の栄養成分(ビタミン、ミネラル、ハーブ、アミノ酸、酵素など)を含む栄養補助食品、薬品または薬剤、ホメオパシ、口腔ケア、歯科用調合といった医薬品、および、異なるアルコールや非アルコールの液体から作られるカクテルなどの飲料が含まれる。
【0053】
例えば、本装置は、特別に選択された色および/または色合いで作られた染毛剤を作成するために使用されてもよい。染毛剤カプセルは、カプセルの管状チャンバ内に封入された異なる色の成分を含んでもよい。選択された色に応じて、特定の量の各成分がメインチャンバに挿入され、所望の色が作成される。本装置は、エンドユーザによって自宅で使用されて、ユーザの選択に従って異なる色の染毛剤を作成してもよいし、例えばヘアサロンで使用されて、各消費者に異なる色の染毛剤を提供してもよい。
【0054】
別の例では、本装置を使って、患者のための個別の薬品を作成することができる。薬品カプセルには、複数の医薬品有効成分(API)および/またはサプリメントが含まれてもよく、それぞれがカプセルのリポジトリ管状チャンバの1つの内部に格納される。例えば、特定の医師の処方や患者の医療データのリアルタイムの測定値に基づいて、薬品および/または薬品の混合物が患者のために調合されてもよい。特定の時間に特定の患者のために、薬剤の適切な量と組み合わせが調合され、各管状チャンバからメインチャンバに取り出される量を調整することによって、適宜、最適化および/または修正されてもよい。これにより、パーソナライズされ、正確なオンデマンドの薬、および/または、複数の別々の薬よりも服用しやすく、患者のアドヒアランスを向上させ得る薬品混合物が提供される。
【0055】
別の例として、本装置は、事前配合された成分から調合(クリームなど)を作成するために使用してもよい。カプセルのリポジトリ管状チャンバは、それぞれ、1つの純粋な成分を含んでもよく、成分および/または添加物の混合物を含んでもよいが、これらは、原材料に過ぎず、それ自体は、調合でない。メインチャンバで組み合わせて混合すると、成分は調合になる。例えば、水性の成分と油性の成分を混合してクリームを作成することができる。これにより、モジュール性やパーソナライズに加え、化粧品などのように成分が調剤とみなされないので、要求される規制要件が軽減され、コスト削減につながる可能性がある。
【0056】
本装置を使用することで、消費者のいくつかのニーズに応えることができる。例えば、使用直前に成分を混合することで調合の鮮度を保ち、酸化やその他の不安定な反応を防ぐために空気/光と接触しない封止されたチューブに保存しなければならない保存料や影響を受けやすい活性原材料(酸化防止剤やビタミンなど)の使用を最小限に抑えるために、ユーザは、リアルタイムに自分で調合した製品を持ちたいかもしれない。このカプセルは、分子レベルでの不安定さ(分子変化)を防ぐことで化学的な鮮度を、(油と水といった)相分離を防ぐことで物理的な鮮度を、有効成分の活性低下を防ぐことで生物学的な鮮度を、そして製品の汚染や微生物の繁殖を防ぐことで微生物学的な鮮度(ヴィーガン成分や保存料の節制)を保つ。例えば、(動物性食品を含まない、または動物実験を行った製品を含まない)ヴィーガンおよび/または(認定された認証機関で認証された)オーガニックなど、特定の特徴を持つ成分を選びたいかもしれない。ユーザは、製品のライフサイクルが「グリーン」な(使い捨てでない)製品を使用したいかもしれない。ユーザは、自分のために特別に作られたカスタムメイドおよび/またはパーソナライズされた製品を望むかもしれない。ユーザは、色、匂いのレベル、有効成分の比率、日焼け止めの添加(およびその他のパーソナルケア製品)、および/または、任意に自分で決定した所望の比率の原材料を制御したいかもしれない。また、ユーザは、利用可能な処方の中から選択したい、自分で使用するための新しい処方を定義したい、ソーシャルネットワークやインターネットを利用して処方をダウンロードしたい、ユーザの特別なニーズに応じて推奨される処方をサポートするインターフェースを備える(カメラスキャンによる肌分析などの)診断ツールを利用したい、および/または、より深いレベルの処方の推奨やユーザのニーズに関するより深い洞察を提供し得る人工知能(AI)を利用したいかもしれない。
【0057】
本アプリケーションは、ソーシャルメディアやウェブベースのコミュニティを通じて大規模に共有されている他のユーザのデータ、洞察、処方の推奨、および治療の結果を利用する、および/または、接続してデータを交換する能力をユーザに提供することができ、他のユーザに対して物理的な世界を直接的に統合する機会を創出し、効率の向上と経済的な利益をもたらす。
【0058】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その適用において、以下の説明に記載された、並びに/或いは図面および/または実施例に示された、構造の詳細および構成要素の配置および/または方法に必ずしも限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態、または様々な方法で実施または実行することが可能である。
【0059】
以下、図面を参照すると、
図1は、本発明のいくつかの実施形態による、複数の物質を混合するためのカプセルの説明図である。また、本発明のいくつかの実施形態による、
図1のカプセルの断面図である
図2も参照する。
【0060】
カプセル100は、メインチャンバ底部111とメインチャンバ上部開口部112とを有するメインチャンバ101を備える。
【0061】
カプセル100はまた、メインチャンバ101に機械的に接続され、それぞれがリポジトリ管状チャンバ上部開口部121を有する、少なくとも2つのリポジトリ管状チャンバ102を備える。任意選択で、リポジトリ管状チャンバ102は、メインチャンバ101の周辺にある。
【0062】
リポジトリ管状チャンバ102のそれぞれは、物質を含むように適合されている。
【0063】
物質は、調合に用いられる任意の種類の材料であってよい。物質は、クリーム、ゲル、シロップなどの液体であってもよく、油性であっても水性であってもよく、安定剤や濃縮液であってもよく、フレーバーや顔料を含んでいてもよい。物質は粉体であってもよく、例えば、液体調合やガス吸入器の混合物と混合する前に乾燥保存する必要がある固体成分などがある。また、物質は気体であってもよい。物質は、植物やハーブなどの生物学的物質(例えば、大麻由来の物質)または非生物学的化学物質であってもよい。
【0064】
任意選択で、リポジトリ管状外側開口部121の各々は、リポジトリ管状ピストン103によって封止される。次に、本発明のいくつかの実施形態による、リポジトリ管状ピストンを備えた
図1のカプセルの断面図および側面図をそれぞれ示す図面である
図3および
図4を参照する。リポジトリ管状ピストンは、
図4では引っ張られている。リポジトリ管状ピストン103は、例えば、リポジトリ管状チャンバ内の物質が液体または気体である場合に使用することができる。液体や気体は注入が容易であるため、リポジトリ管状ピストン103は、簡素であり、高い封止性能を有する円筒型の通常のピストンに類似する。
【0065】
任意選択で、リポジトリ管状チャンバ内の物質が粉体である場合、回転可能な粉体リポジトリ管状ピストン132を使用してもよい。粉体は、通路104のような狭い穴から注入するのが容易ではない。計量された量の粉体をリポジトリ管状ピストン132からメインチャンバ101に供給するために、プロペラベースの機構が必要になる場合がある。粉体リポジトリ管状ピストン132は、同じく回転するプッシュロッド204によって回転してもよい。粉体リポジトリ管状ピストン132は、プラス(+)の形をした、通路を通る粉体を脇に押し出す主回転プロペラ部133と、プロペラと一緒に自由に回転し、粉体が上方に漏れるのを防ぐピストンとして機能する中空ディスク部134と、を含む。
【0066】
リポジトリ管状チャンバ102は、それぞれ、通路104によってメインチャンバ101に流体接続されており、そこから物質がリポジトリ管状チャンバ102からメインチャンバ101に流れてもよい。
【0067】
メインピストン105は、メインチャンバ101に装着され、任意選択でメインチャンバ101を封止する。任意選択で、内側の位置では、メインピストン105は通路104を封止する。メインピストン105がメインチャンバ101に沿って外側の位置に移動すると、通路104が開き、物質がリポジトリ管状チャンバ102からメインチャンバ101に流れ得る。
【0068】
メインピストン105に沿って通るように、ミキサロッド106が装着されている。ミキサロッド106は、遠位端に配置されたミキサエレメント107と、近位端に配置されたトルクアダプタ108と、を備える。トルクアダプタ108は、ミキサエレメント107にトルクを伝達するために使用される。ミキサエレメント107は、メインチャンバ101内で、メインチャンバ底部111とメインピストン105の遠位端との間に搭載されている。
【0069】
カプセル100は、例えば、アクリルガラス(メチルメタクリレート)、ポリエチレンテレフタレートグリコール、ポリプロピレン、アクリロニトリルスチレン(アクリレート)、ポリスチレン、アルミニウム、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリエチレン、テレフタレート、ガラス、その他の材料など、任意の材料で作られてもよい。異なる調合および異なる原料成分は、酸や塩基に対する耐薬品性のある材料、医療用および/または栄養補助食品用の生体安全性の高い材料、並びに/或いは安定性を保つために酸素バリアを必要とする酸化防止剤やビタミン剤といった異なる格納材料を必要とする。また、混合および調合のプロセスでは、特定の材料特性、例えば耐熱性などが必要になる場合がある。カプセル100の内部(ユーザに露出していない部分、すなわちメインチャンバ101およびリポジトリ管状チャンバ102の内部)は、成分の仕様および保存および/または混合の要件に応じて、様々な材料から製造することができる。(具体的にはメインチャンバ101および/またはリポジトリ管状チャンバ102を備える)カプセル100の構造は、例えば物質の粘度が高い場合や、例えば冷蔵中に粘度が上昇した場合などに、変形することなく内部の力に耐えるように設計されてもよい。
【0070】
カプセル100は、カプセル100を保持し、物質の混合を容易にする装置200に装着されるように適合している。
【0071】
次に、本発明のいくつかの実施形態による、カプセル内で複数の物質を混合するための装置の、それぞれ正面図および断面図である、
図5Aおよび
図5Bを参照する。また、
図6Aおよび
図6Bも参照されたい。本発明のいくつかの実施形態による、
図1のカプセルを備えた
図5Aの装置を異なる視点から見た図面である
図6Aおよび
図6Bも参照する。
【0072】
装置200は、単一のカプセル100用の固定具201を含む。装置200および/またはカプセル100は、例えば、物質および/または最終混合製品の必要量に応じて、任意のサイズにすることができる。
【0073】
装置200はまた、ミキサロッド106を保持するためのクランプ203を有するトルクアーム202を含む。トルクアーム202は、トルクアダプタ108を保持することにより、ミキサロッド106の軸に沿ってミキサロッド106を回転させたり、引っ張ったり、押したりするように適合されている。任意選択で、クランプ203は、トルクアダプタ108を掴んだり離したりするように適合される。任意選択で、トルクアーム202は、ミキサロッド106を引っ張ったり押したりするためのアクチュエータ、および/または、ミキサロッド106を回転させるためのロータを含む。
【0074】
任意選択で、装置200は、少なくとも2つの押し出しロッド204を含み、それぞれが、リポジトリ管状ピストン103をリポジトリ管状チャンバ102内に押し出して、メインチャンバ101に物質を取り出すように適合されている。
【0075】
任意選択で、装置200は、プッシュロッド204およびトルクアーム202を動作させる少なくとも1つのモータ205を含む。任意選択で、プッシュロッド204およびトルクアーム202は、別々のモータによって動作され、例えば、別々のモータがプッシュロッド204のそれぞれを動作させ、別のモータがトルクアーム202を動作させる。
【0076】
装置200はまた、1回の混合および送出セッションの間に、固定具201内のカプセル100を識別し、トルクアーム202および任意選択でプッシュロッド204の移動を順次制御するように適合されるコントローラ206を含む。任意選択で、プッシュロッド204はコントローラ206によって別々に制御されるので、プッシュロッド204は同時には動かされない。このようにして、リポジトリ管状チャンバ102に格納された物質は、調合プロセスの異なる段階でメインチャンバ101に移動してもよく、および/またはリポジトリ管状チャンバ102に格納された物質の選択された物質および/または量のみがメインチャンバ101に移動してもよい。
【0077】
コントローラ206は、本発明のいくつかの実施形態による方法を実行するための命令を含むソフトウェアを実行するプロセッサを含んでもよい。プロセッサは、クラスタなどの並列処理のために配置された1つまたは複数のプロセッサ、および/または1つまたは複数のマルチコアプロセッサとしてのプロセッサ、および/または任意の他の処理ハードウェアを含んでもよい。コントローラ206は、通信モジュールを含んでいてもよく、この通信モジュールは、ネットワークを介して、携帯電話など、ユーザが操作するコンピューティング装置に接続してもよい。ユーザは、例えば携帯電話にインストールされたソフトウェアアプリケーションによって、コンピューティング装置のユーザインタフェースを介してコントローラ206に指示を与えることができる。ユーザは、所望の混合物の特性を選択し、アプリケーションおよび/またはコントローラ206は、所望の混合物を作成するために、トルクアーム202および/またはプッシュロッド204の正しい移動を計算することができる。
【0078】
本発明のいくつかの実施形態による、それぞれ、開位置および閉位置にあるカプセル300およびトレイを備える装置400の図面である、
図7Aおよび
図7Bも参照する。装置400は、カプセル300、カプセル100および/または他のカプセルを保持するための、トレイ401を含む。トレイ401は、カプセル300を挿入することができる開位置と、カプセルが装置400内に固定される閉位置とを有する。トレイ401は、ユーザによって電子的または手動で開閉されてもよい。トレイ401は、カプセル300が挿入される開口部411を含む。開口部411は、カプセル300の本体を収容するのに十分な大きさであるが、カプセル300のリム350を収容するのに十分な大きさではなく、したがって、カプセル300は、リム160を介してトレイ401に保持される。任意選択で、開口部411は、異なるサイズおよび/または形状を有する1つまたは複数の種類のカプセルを収容するためのサイズおよび形状である。任意選択で、トレイ401は、開口部411にカプセル300を挿入する向きを指示するために、リム160および/または異なるサイズおよび形状のリムを収容するようにサイズおよび形状が決められた上部凹部を含む。トレイ401は、カプセル300を装置400内に配置するために、
図7Bに示すように、閉じてもよい。トレイ401は、例えば、レール412を用いて閉じてもよい。
【0079】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による、複数の物質をカプセル内で混合する方法を模式的に表すフローチャートである
図8を参照する。
【0080】
【0081】
まず、501および
図9Aに示すように、トレイ401によって、カプセル300が装置400に固定される。他のカプセル固定具は、例えば、カプセルのリムが摺動する装置のレール、ねじ込み動作でカプセルを取り付けるためのねじ込み開口部、および/または、例えばクリップによってカプセルをロックするクイックリリース機構を含むことができる。
【0082】
任意選択で、トレイ401に固定されたカプセルは、例えば、クイックレスポンス(QR)コードなど、カプセルに印刷されたバーコードをスキャンすることにより、コントローラ406によって識別される。これは、例えば、装置400に含まれる撮像センサによって行われてもよい。任意選択でまたは代替的に、トレイ401に固定されたカプセルは、カプセルに含まれる無線周波数識別(RFID)チップ、および装置400に含まれるRFIDリーダを用いて、装置400によって識別される。
【0083】
任意選択で、装置400は、例えば、長さ、物理的構造、材料、ミキサエレメントの形状および/または他の特徴によって互いに異なるカプセルを固定するように適合されている。
【0084】
任意選択で、装置400は、異なるサイズのカプセルを固定するように適合される。ここで、本発明のいくつかの実施形態による、例示的なサイズのカプセルの断面図である、
図10A、
図10B、および
図10Cを参照する。
図10Aは、小さなメインチャンバと小さなリポジトリ管状チャンバとを有するカプセルを示す。
図10Bは、より大きなメインチャンバを有するカプセルを示し、
図10Cは、より大きなリポジトリ管状チャンバを有するカプセルを示す。リポジトリ管状チャンバの長い方の(または短い方の)長さおよびメインチャンバの長い方の(または短い方の)長さは、カプセルの全体的な体積を決定し、例えば、5ミリリットル(ml)の体積から65mlの体積の間である。
【0085】
任意選択で、装置400(および/または装置200)は、異なる数のリポジトリ管状チャンバおよび/または異なる直径の開口部を有するカプセルを固定するように適合される。ここで、本発明のいくつかの実施形態による、異なる数のリポジトリ管状チャンバおよび/または異なる開口部の直径を有する例示的なカプセルの上面図である、
図11A、
図11B、および
図11Cを参照する。
図11Aは、6つのリポジトリ管状チャンバを有するカプセルを示し、
図11Bは、8つのリポジトリ管状チャンバを有するカプセルを示し、
図11Cは、メインチャンバ上部開口部の直径がより小さく、リポジトリ管状チャンバ上部開口部の直径がより大きいカプセルを示す。リポジトリ管状チャンバの直径がより大きい場合、メインチャンバの直径がより小さくなることがある。
【0086】
任意選択で、カプセルは異なる初期充填状態を有していてもよい。ここで、本発明のいくつかの実施形態による、異なる初期充填状態を有する例示的なカプセルの断面図である、
図12A、
図12B、および
図12Cを参照する。
図12Aは、物質が充填されたリポジトリ管状チャンバを有するカプセルを示す。任意選択で、各リポジトリ管状チャンバは、異なる物質で充填される。この場合、成分はリポジトリ管状チャンバ内にのみ配置され、カプセルの最初の使用前にメインチャンバ内に成分の格納は(液体も粉体も)ない。
図12Bは、物質が充填されたリポジトリ管状チャンバと、異なる物質が部分的に充填されたメインチャンバと、を有するカプセルを示す。この場合、メインチャンバは、例えば、事前に液体またはベースクリームで満たされている。例えば、冷蔵すると結晶化して通路を通れなくなる物質(ワセリンなど)がメインチャンバに充填されているが、リポジトリ管状チャンバからの物質がメインチャンバに加えられると結晶化が覆される。別の例として、メインチャンバにはあらかじめ粉体と任意選択で空気とが(例えば、活性物質や食品添加物が)充填されている。メインチャンバの一部だけが粉体で満たされ、残りの部分が自由空間(空気)である場合、後述するように、サブプレッシャー抵抗によるクランプは発生しない。
図12Cは、物質が充填された1つまたは複数のリポジトリ管状チャンバと、同じ物質で部分的に充填されたメインチャンバと、物質が充填された他の1つまたは複数のリポジトリ管状チャンバと、を有するカプセルを示す。任意選択で、通路の1つまたは複数は、例えば、サブプレッシャー抵抗によるクランプを防ぐために、メインピストンによって封止されていない。
【0087】
任意選択で、カプセルは、窓110を含む。窓110は、調合前の成分を外部から見るためにリポジトリ管状チャンバ102に配置されてもよく、および/または、混合プロセスを外部から見るためにメインチャンバ101に配置されてもよい。窓110は、透明または導光性のある内部パーツ材料で作られていてもよい。光露出または直射日光の存在に影響を受けやすいいくつかの原材料およびビタミンについては、リポジトリ管状チャンバ102が(より安価な)光封止材料で作製され、この場合、カプセルカバーは、窓を有さない。
【0088】
任意選択で、カプセルには、混合プロセスの状態に応じて動作する照明要素が含まれており、ユーザに指示を与えることができる。ユーザ体験にとって、異なる色や点滅タイプのカプセルの照明は、ユーザにとって強力な表示機能であり、機械または調合プロセスの動作状態を示す。次に、本発明のいくつかの実施形態による、装置200のカプセルおよび照明要素の図面である、
図13Aおよび
図13Bを参照する。照明要素は、発光ダイオード(LED)207であってもよい。LED207は、それぞれ別の回路基板208上に配置されてもよいし、1つの基板の照明インターフェース上に配置されてもよい。任意選択で、内部カプセル本体は、光を内部に拡散させ、窓110を通して見ることができる導光材で作製される。
【0089】
そして、任意選択で、カプセル300が装置400に固定された後、トルクエレメント402(トルクアーム202に相当)が下に移動して、トルクピストン403がミキサロッド306に取り付けられる。ここで、本発明のいくつかの実施形態による装置400のトルクピストン403の拡大断面図である
図14Aを参照する。ここで、本発明のいくつかの実施形態による、ミキサロッド306に挿入されたトルクピストン403の図面である
図14Bを参照する。ミキサロッド306は、管部を含むので、トルクエレメント402が下に移動すると、トルクピストン403がミキサロッド306に挿入される。トルクピストン403は、ミキサロッド306のスロット308を含むトルクアダプタに挿入される1つまたは複数のピン413を含む。ピン413は、トルクピストン403がトルクエレメント402によって回転されるときにロックされる。
【0090】
任意選択でまたは代替的に、装置200に対して、トルクアーム202が下に移動して、クランプ203がトルクアダプタ108に取り付けられている。ここで、本発明のいくつかの実施形態による、装置200のクランプ203の断面を拡大した断面図である
図15を参照する。この例では、クランプ203は、トルクアダプタ108のピン(例えばプラス型に配置された2本または4本のピン)が嵌め込まれる溝を含む。トルクアーム202を下に移動させると、トルクアダプタ108のピンがクランプ203の溝に挿入され、クランプ203を回転(例えば1/8回転)させると内側に嵌め込まれ、トルクアダプタ108は、クランプ203の内側に係止される。トルクアダプタ108によるミキサロッド106の回転は同一方向であるため、カプセルが解放されるまでトルクアダプタ108はクランプ203の内部に係止される。これは、クランプ203を逆方向(例えば1/8回転)に回転させることによって行われ、トルクアダプタ108のピンがクランプ203の溝から移動し、トルクアダプタ108がクランプ203から外れる。
【0091】
次に、502および
図9Bに示すように、ミキサロッド306が引っ張られ、メインピストン105がメインチャンバ101に沿って内側の位置から外側の位置へと移動する。この移動によって、メインピストン105によって封止されているときに、通路104が解放される。任意選択で、ミキサロッド306が引っ張られると、ミキサエレメント107がメインピストン105を上方に押す。
【0092】
次に、任意に、503、
図9Cおよび
図9Dに示すように、リポジトリ管状ピストン103を下方に押して、リポジトリ管状チャンバ102から通路104を介して、メインピストン105によって封止されたメインチャンバ101の内部チャンバ109に物質を取り出す。任意選択で、リポジトリ管状ピストン103はそれぞれ、プッシュロッド404によって下方に押される上面131を含む。リポジトリ管状ピストン103は、同時に押されてもよく、あるいは、例えばユーザによって定義されたような所望の物質に応じて個別に押されてもよい。
【0093】
任意選択でかつ代替的に、リポジトリ管状チャンバ102のそれぞれからの物質は、メインピストン105の移動によって通路104を介してメインチャンバ101に引き込まれる。メインチャンバ101内に低圧が生じ、これにより、リポジトリ管状チャンバ102の各々からの物質がメインチャンバ101内に引き込まれる。
【0094】
任意選択で、リポジトリ管状チャンバ102および/またはリポジトリ管状ピストン103は、リポジトリ管状チャンバ102の内部に配置された物質バッグを貫通するための鋭利な先端部を含む。ここで、本発明のいくつかの実施形態による、リポジトリ管状チャンバの内部に鋭利な先端部を有するカプセルの断面図である
図16を参照する。リポジトリ管状ピストン103が押されると、リポジトリ管状チャンバ102の鋭利な先端部162およびリポジトリ管状ピストン103の鋭利な先端部163は、リポジトリ管状チャンバ102の内部に位置する物質バッグ161に穴を作成する。物質バッグ161は、例えば、格納中にカプセルの材料と相互作用するのを防ぐために、活性物質をよりよく隔離することができる。物質バッグ161は、リポジトリ管状チャンバ102の内部に装着されるように管状の形状であってもよく、例えば、フォイル、プラスチック、ナイロンおよび/または物質バッグ161の内部に格納された物質と相互作用しない任意の他の材料から作られてもよい。
【0095】
任意選択で、リポジトリ管状ピストン103は、メインチャンバ101からの物質がリポジトリ管状チャンバ102に戻るのを防ぐために、リポジトリ管状チャンバ102の内部の位置に保持される。
【0096】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による、摩擦によって所定の位置に保持されたリポジトリ管状ピストンを有するカプセルの、それぞれ、断面図および断面図の拡大図である、
図17Aおよび
図17Bを参照する。
【0097】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による、ばねによって所定の位置に保持されたリポジトリ管状ピストンを有するカプセルの、それぞれ、断面図および断面図の拡大図である、
図18Aおよび
図18Bを参照する。この機構は、リポジトリ管状チャンバ102の1つまたは複数に含まれてもよい。任意選択で、ばね146がリポジトリ管状ピストン103を下方に押して、リポジトリ管状チャンバ102から物質を取り出す。任意選択で、ばね146はまた、リポジトリ管状ピストン103を下方に押してリポジトリ管状ピストン103を所定の位置に保持し、任意選択で通路104を封鎖して物質がリポジトリ管状チャンバ102に戻るのを防ぐ。
【0098】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による、ロック歯によって所定の位置に保持されたリポジトリ管状ピストンを有するカプセルの、それぞれ、断面図および断面図の拡大図である
図19Aおよび
図19Bを参照する。この機構は、リポジトリ管状チャンバ102の1つまたは複数に含まれてもよい。任意選択で、リポジトリ管状ピストン103は、1つまたは複数のロック歯144を含み、リポジトリ管状チャンバ102は、1つまたは複数の対応するノッチ145を含む。歯144は、リポジトリ管状ピストン103が下方の位置にあるときにノッチ145に挿入され、リポジトリ管状ピストン103を所定の位置に保持する。任意選択で、リポジトリ管状チャンバ102は、リポジトリ管状チャンバ102に沿った異なる位置に複数のノッチ145を含み、例えば、リポジトリ管状チャンバ102からの物質の一部のみがメインチャンバ101に取り出される場合に、ロック歯144がリポジトリ管状ピストン103をリポジトリ管状チャンバ102に沿った異なる位置に保持することを可能にする。
【0099】
次に、504および
図9Eに示すように、(メインピストンが外側の位置にあるとき)ミキサロッド306を回転させて、ミキサエレメント107を動作させる。ミキサロッド306は、ピストン403を介してトルクエレメント402によって回転される。トルクエレメント402は、(
図7Aに示す)エンジン405によって操作されるトルクロッド414によって回転される。トルクロッド414は、トルクエレメント402(および任意選択でピストン403)に挿入されるので、トルクエレメント402(および任意選択でピストン403)は、上方および下方に移動することができる。
【0100】
任意選択で、505および
図9Fに示すように、ミキサロッド306を回転させる間、ミキサロッド306を引っ張ったり押したりして、ミキサエレメント107を内部チャンバ109内に移動させる。
【0101】
ミキサエレメント107は、任意の形状または種類のものであってもよい。次に、本発明のいくつかの実施形態による、ミキサエレメントの異なる形状の図面である、
図20A、
図20B、および
図20Cを参照する。メインチャンバ内で混合される(液体または液体と粉体とで作られる)異なる調合の種類は、異なる粘度挙動および粘着性レベルを有する。例えば、ヘアカラー調合は、その成分がより高い粘度レベルを持つ多くの種類のクリームよりも、効果的に混合するのがはるかに容易である。同じことが、栄養補助食品および/または食品添加物のシロップにも当てはまり、それらの成分の一部は、より接着性の高い成分を使用しているため、比較的粘着性がある。ミキサエレメントの種類とブレードの幅は、効果的なプロセス(均質な調合および迅速な混合)を達成するために、調合成分の種類に影響される。
【0102】
【0103】
任意選択で、ミキサエレメント107のブレードは加熱面141を含み、これは混合中にメインチャンバ101内の調合混合物を加熱している。いくつかの調合(例えば、原材料から作られた特別なクリーム)は、混合物が高温であるときに、よりよく調合される。加熱は、混合物の種類および要件に応じて、例えば、50℃~80℃までとすることができる。任意選択で、加熱面141は、トルクアダプタ108を介して、およびミキサロッド106を介して装置200から提供される電気によって給電される。
【0104】
次に、任意選択で、506に示すように、メインチャンバ底部111のメインチャンバ底部開口部113を開いて、混合物を内部チャンバ109から排出させる。
【0105】
任意選択で、メインチャンバ底部111は、メインチャンバ底部開口部113を封止する膜を含む。任意選択で、ミキサロッド106は、遠位端に鋭利な先端部142を含む。任意選択で、
図9Gに示すように、ミキサロッド306は、膜が鋭利な先端部142によって穿刺されるように、下方に押される。
【0106】
任意選択で、ミキサエレメント107は、可撓性部分143を含む可撓性のブレードを含む。メインチャンバ底部111は、混合物を吐出する前に押圧力によって鋭利な先端部142によって貫通される可能性があるので、柔軟なブレードは、混合されていない原材料が固着する可能性のある鋭利な先端部142の周りのメインチャンバ101内の「デッドゾーン」を防ぐことができる。可撓性部分143は、可撓性部分143をブレードの剛性部分に接続している折り畳み可能な機械的接続部を有する。ミキサロッド106を上から下に押すと、2つの部分が同じ表面レベルに合体する。任意選択でかつ代替的に、メインチャンバ底部開口部113は、底部ピストンによって封止される。任意選択で、ミキサロッド106は、下方に押され、ミキサロッド106の遠位端によって底部ピストンを下方に押し、メインチャンバ底部開口部113を部分的に開く。
【0107】
任意選択で、ミキサエレメント107は、メインチャンバ101内に位置する物質バッグを貫通するための、上部の鋭利な先端部164を含む。ここで、本発明のいくつかの実施形態による、上部の鋭利な先端部を有するミキサエレメントの図面である
図22を参照する。物質バッグは、上述したように、活性物質のより良い分離を可能にする。物質バッグは、メインピストン105とミキサエレメント107との間に配置されてもよく、ミキサロッド306(または106)の周りにドーナツ形状を有してもよい。ミキサロッド106、306が引っ張られると、上部の鋭利な先端部164が物質バッグを貫通してもよく、ミキサエレメント107は物質バッグを押し、次にメインピストン105を上方に押す。
【0108】
次に、本発明のいくつかの実施形態による底部ピストン用フレームの、それぞれ、底面図、側面図および断面図をそれぞれ示す概略図である、
図23A、
図23B、および
図23Cを参照する。フレームは、カプセルの本体の2つの部分、上部部分601および底部部分602とから作られており、底部ピストンのための円形の空間を作成する。フレームは、円形の開口部の周りに配置された底部部分602の底部開口部603を含む。
【0109】
また、本発明のいくつかの実施形態による、底部ピストン用フレームおよび2つの位置にある底部ピストンの断面図の模式図である、
図23Dおよび
図23Eを参照する。
図23Dは、上部部分601に隣り合う、封止位置にある底部ピストン604を示す。この状態では、底部ピストン604は、メインチャンバ101を封止している。
図23Eに示すように、底部ピストン604がカプセルのミキサロッドによって下方に押されると、底部ピストン604は、底部部分602に隣り合う。この状態では、底部開口部603によって底部ピストン604の周囲に底部流路が作成され、これを介してカプセルのメインチャンバから物質を取り出すことができる。
【0110】
本発明のいくつかの実施形態による、底部ピストン機構を有するカプセルの下部の断面図である、
図24A、
図24B、および
図24Cも参照する。本発明のいくつかの実施形態による、
図24Aの底部ピストンの図面である
図24Dも参照する。底部ピストン151は、
図24Aに示すように、メインチャンバ底部開口部113を封止している。任意選択で、メインチャンバ底部開口部113は、
図24Bに示すように、鋭利な先端部142によって穿刺される膜で封止される。次に、
図24Cに示すように、底部ピストン151は、ミキサロッド106の遠位端によって押される。任意選択で、底部ピストン151は、ばね152に対して下方に押される。この状態で、底部ピストン151の底部チャネル153が開かれ、それを介してメインチャンバ101から物質を取り出すことができる。物質は、底部チャネル153を通過し、次に底部ピストン151の中間底部チャネル154を通る。
【0111】
次に、任意選択で、507および
図9Hおよび
図9Iに示すように、メインピストン105をメインチャンバ底部111に向かって押して、メインチャンバ底部開口部113を介して内部チャンバ109からユーザが使用する混合物(混合物質)を取り出す。任意選択で、メインピストン105は、1つまたは複数のメインプッシュロッド410(または装置200のメインプッシュロッド210)によって押される。
【0112】
最後に、任意選択で、508に示すように、メインピストン105が初期位置に戻り、通路104を封止するので、成分は清浄なままで、空気や他の成分にさらされない。これにより、リポジトリ管状チャンバ102に残っている成分を使用して、別の混合プロセスを開始することができる。
【0113】
任意選択で、メインチャンバ底部開口部113が底部ピストン151によって最初に封止されたとき、ユーザは底部ピストン151を上方に押すことによってチャンバ底部開口部113を再封止することができる。任意選択で、ミキサロッド106(または306)を上方に移動させると、ばね152が底部ピストン151を上方に押して、チャンバ底部開口部113を再封止する。
【0114】
任意選択で、ミキサロッド306は、モータによるトルクエレメント402の(混合のための回転方向と比較して)逆の回転によって、トルクエレメント402から解放され、これにより、ピン413をミキサロッド306のスロット308から移動させる。
【0115】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による、強制逆放出のための底部スロットを有するカプセルの断面図である
図25Aを参照する。本発明のいくつかの実施形態による、強制逆放出の異なる段階におけるカプセルを有する装置の断面図である、
図25Bおよび25Cも参照する。ピン413がスロット308から移動するのを妨げる装置内の誤動作または障害の場合、ミキサロッド306をトルクエレメント402から強制的に解放する機構が提案され、カプセルを取り外すことができる。カプセル300は、(
図9Bにも示す)メインチャンバ底部111に位置する1つ以上の底部スロット165を含む。必要に応じて、ミキサロッド306を下方に移動させ、ミキサエレメント107を(混合のための回転方向と比較して)逆方向に回転させ、(
図25Bに示すように)可撓性部分143(ブレード、および/またはミキサエレメント107の任意の他の部分)が底部スロット165内にロックされるようにする。次に、ミキサロッド306が逆方向に回転し続けると、ピン413に力が加わり、スロット308から引き出される。ミキサロッド306は、その後、
図25Cに示すように、トルクエレメント402から解放される。
【0116】
本発明の様々な実施形態の説明は、説明のために提示されたものであるが、開示された実施形態を網羅する、または開示された実施形態に限定することを意図したものではない。多くの修正および変形が、説明された実施形態の範囲および精神から逸脱することなく、当業者に明らかになるであろう。本明細書で使用されている用語は、実施形態の原理、市場で見られる技術に対する実際の用途または技術的な改善を最もよく説明するため、または当業者が本明細書で開示されている実施形態を理解できるように選択されたものである。
【0117】
本出願から開始する特許の存続期間中に、多くの関連するカプセルが開発されることが予想され、カプセルという用語の範囲は、そのような新しい技術をすべて先験的に含むことを意図している。
【0118】
「備える」、「備えている」、「含む」、「含んでいる」、「有する」およびそれらの活用形は、「含んでいるがそれに限定されない」ことを意味する。この用語は、「…からなる」および「本質的に…からなる」という用語を包含する。
【0119】
「本質的に…からなる」という表現は、組成物または方法が追加の成分および/またはステップを含んでいてもよいが、追加の成分および/またはステップが特許請求の範囲に記載の組成物または方法の基本的かつ新規な特性を実質的に変更しない場合に限られることを意味する。
【0120】
本明細書では、単数形の「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかに別様に記述しない限り、複数の参照を含む。例えば、「a compound」または「at least one compound」という用語は、それらの混合物を含む複数の化合物を含むことがある。
【0121】
本明細書では、「例示的」という言葉は、「例、事例、または説明として役立つ」という意味で使用されている。「例示的」であるとして説明された任意の実施形態は、必ずしも他の実施形態よりも好ましいまたは有利であると解釈されるものではなく、また、他の実施形態からの特徴の組み込みを除外すると解釈されるものでもない。
【0122】
本明細書では、「任意選択で」という言葉は、「ある実施形態では提供され、他の実施形態では提供されない」という意味で使用されている。本発明の任意の特定の実施形態は、そのような特徴が衝突しない限り、複数の「任意選択の」特徴を含むことができる。
【0123】
本願を通して、本発明の様々な実施形態が範囲の形式で示されることがある。範囲の形式での説明は、単に便宜上のおよび簡潔にするためのものであり、本発明の範囲を柔軟性なく制限するものと解釈されるべきではないことを理解すべきである。従って、ある範囲の記述は、その範囲内の個々の数値だけでなく、可能なすべての部分的範囲を具体的に開示していると考えるべきである。例えば、「1から6」という範囲の記述は、「1から3」、「1から4」、「1から5」、「2から4」、「2から6」、「3から6」といった部分的範囲と、その範囲内の個々の数値、例えば「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、および「6」と、が具体的に開示されていると考えるべきである。これは、範囲の広さに関係なく適用される。
【0124】
本明細書で数値範囲が示されている場合、それは示された範囲内の任意の引用された数字(小数または整数)を含むことを意味する。第1の指示番号と第2の指示番号との間に「亘っている/亘る」、および第1の指示番号「から」第2の指示番号「まで」に「亘っている/亘る」という表現は、本明細書では互換的に使用され、第1および第2の指示番号、およびその間のすべての小数および整数の数字を含むことを意味する。
【0125】
明確にするために別々の実施形態の文脈で説明されている本発明の特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて提供することもできることを理解されたい。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で説明されている本発明の様々な特徴も、別個に、または任意の適切な部分的組み合わせで、または本発明の他の説明された実施形態で適切に提供されてもよい。様々な実施形態の文脈で説明された特定の特徴は、それらの要素がないと実施形態が動作しない場合を除き、それらの実施形態の必須の特徴とは見なされない。
【0126】
本発明をその具体的な実施形態に関連して説明してきたが、多くの代替例、修正例、および変形例が当業者に明らかになることは明らかである。したがって、添付の特許請求の範囲の精神と広い範囲内に入る、すべてのそのような代替例、修正例、および変形例を包含することが意図されている。
【0127】
本明細書中で言及されているすべての出版物、特許および特許出願は、個々の出版物、特許または特許出願が参照により本明細書中に組み込まれることが具体的かつ個別に示されている場合と同じ程度に、参照によりその全体が本明細書中に組み込まれる。また、本願における文献の引用または特定は、当該文献が本発明の先行技術として利用可能であることを自認するものと解釈してはならない。節の見出しが使用されている限りにおいて、それらは必ずしも限定的であると解釈されるべきではない。
【0128】
また、本出願の優先権書類は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。