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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】充電ポリシー設定方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20240228BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20240228BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20240228BHJP
【FI】
H02J7/00 B
H01M10/44 Z
H01M10/48 P
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021572919
(86)(22)【出願日】2021-04-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-25
(86)【国際出願番号】 CN2021091192
(87)【国際公開番号】W WO2022226946
(87)【国際公開日】2022-11-03
【審査請求日】2021-12-08
(73)【特許権者】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100159329
【弁理士】
【氏名又は名称】三縄 隆
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲海▼力
【審査官】佐藤 卓馬
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第110828924(CN,A)
【文献】国際公開第2021/045387(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第112366375(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
H01M 10/44
H01M 10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電ポリシー設定方法であって、
目標充電条件下で、前記目標充電条件に対応する目標充電レートで目標セルを充電するときに複数の異なるセル動作パラメータを取得するステップと、
前記複数の異なる前記セル動作パラメータに基づき、前記目標充電条件下での各充電時間に対応する最大充電レートを決定するステップと、
前記目標充電条件下での各充電時間、及び前記各充電時間に対応する最大充電レートに基づき、前記目標充電条件下での充電ポリシーを設定するステップと、
を含み、
前記最大充電レートで前記目標セルを充電する場合、前記目標セルの陽極電位は予め設定されたカットオフ陽極電位以上である充電ポリシー設定方法。
【請求項2】
前記目標充電条件は目標SOC区間を含み、前記複数の異なる前記セル動作パラメータは、予め設定されたカットオフ陽極電位、前記目標SOC区間の下限値のときの前記目標セルの陽極電位、前記目標SOC区間の下限値のときに前記目標セルを流れる電流、前記目標SOC区間の電流切断領域における前記目標セルの陽極電位の変化速度、及び前記目標SOC区間に対応する電流安定領域における前記目標セルの陽極電位の充電時間に伴う変化勾配を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の異なる前記セル動作パラメータに基づき、前記目標充電条件下での各充電時間に対応する最大充電レートを決定する前記ステップは、
式I=(Q-kt-V[x,y]A)/B+I
(式中、Qは予め設定されたカットオフ陽極電位であり、kは目標SOC区間に対応する電流安定領域における前記目標セルの陽極電位の充電時間に伴う変化勾配であり、tは充電時間であり、V[x,y]Aは目標SOC区間の下限値のときの前記目標セルの陽極電位であり、Bは目標SOC区間の電流切断領域における前記目標セルの陽極電位の変化速度であり、Iは目標SOC区間の下限値のときに前記目標セルを流れる電流であり、Iは最大充電レートである。)に基づき、前記目標充電条件下での各充電時間に対応する最大充電レートを決定するステップを含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
目標充電条件下で、前記目標充電条件に対応する目標充電レートで目標セルを充電するときに複数の異なるセル動作パラメータを取得する前記ステップの前に、
目標充電条件下で、それぞれ複数の異なる予め設定された充電レートで目標セルを充電するときに陽極電位を取得するステップと、
複数の異なる予め設定された充電レート、及び前記予め設定された充電レートに1対1で対応する陽極電位に基づき、前記目標充電条件下で前記陽極電位が前記予め設定された充電レートに伴って変化する関数関係を決定するステップと、
前記陽極電位が予め設定された充電レートに伴って変化する関数関係に基づき、設定された陽極電位の臨界値に対応する充電レートを前記目標充電レートとして決定するステップと、
をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記目標充電レートは予め設定されている請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記目標充電条件下での各充電時間、及び前記各充電時間に対応する最大充電レートに基づき、前記目標充電条件下での充電ポリシーを設定する前記ステップの後に、
前記充電ポリシーに基づき、前記目標充電条件下での前記目標セルを充電するステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
充電方法であって、
目標セルが充電状態にある場合、前記目標セルの目標充電条件を決定するステップと、
前記目標充電条件に基づいて充電ポリシーを決定するステップであって、前記充電ポリシーは、目標充電条件下での各充電時間、及び前記各充電時間に対応する最大充電レートを含むステップと、
前記充電ポリシーに基づいて前記目標セルを充電するステップであって、前記最大充電レートで前記目標セルを充電する場合、前記目標セルの陽極電位は予め設定されたカットオフ陽極電位以上であるステップと、
を含む充電方法。
【請求項8】
充電ポリシー設定装置であって、
目標SOC区間を含む目標充電条件下で、前記目標充電条件に対応する目標充電レートで目標セルを充電するときに複数の異なるセル動作パラメータを取得するためのパラメータ取得手段と、
前記複数の異なる前記セル動作パラメータに基づき、前記目標充電条件下での各充電時間に対応する最大充電レートを決定するためのレート決定手段であって、前記最大充電レートで前記目標セルを充電する場合、前記目標セルの陽極電位が予め設定されたカットオフ陽極電位以上であるレート決定手段と、
前記目標充電条件下での各充電時間、及び前記各充電時間に対応する最大充電レートに基づき、前記目標充電条件下での充電ポリシーを設定するためのポリシー設定手段であって、前記最大充電レートで前記目標セルを充電する場合、前記目標セルの陽極電位は予め設定されたカットオフ陽極電位以上であるポリシー設定手段と、
を備える充電ポリシー設定装置。
【請求項9】
充電装置であって、
目標セルが充電状態にある場合、前記目標セルの目標充電条件を決定するための条件決定手段と、
前記目標充電条件に基づいて充電ポリシーを決定するためのポリシー決定手段であって、前記充電ポリシーは、目標充電条件下での各充電時間、及び前記各充電時間に対応する最大充電レートを含むポリシー決定手段と、
前記充電ポリシーに基づいて前記目標セルを充電するための充電手段であって、前記最大充電レートで前記目標セルを充電する場合、前記目標セルの陽極電位は予め設定されたカットオフ陽極電位以上である充電手段と、
を備える充電装置。
【請求項10】
電子機器であって、プロセッサと、メモリとを備え、前記メモリはコンピュータ可読命令を記憶し、前記コンピュータ可読命令が前記プロセッサにより実行されると、請求項1~のいずれか1項に記載の方法を実行する電子機器。
【請求項11】
コンピュータプログラムが記憶される記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムがプロセッサにより実行されると、請求項1~のいずれか1項に記載の方法を実行する記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願はバッテリーの分野に関し、具体的には、充電ポリシー設定方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、充電式バッテリーは、様々な分野の電子機器(例えば、電気自動車、携帯電話、ハンドヘルドコンピュータなど)に幅広く適用されており、電子機器の給電電源として機能する。充電式バッテリーに蓄積されている電気エネルギーが使い果たされるとき、ユーザーは充電式バッテリーを充電して、電子機器を長持ちさせることができる。充電式バッテリーの充電速度が速いほど、ユーザーの時間が節約され、ユーザー体験も向上する。しかしながら、充電式バッテリーの充電速度が速すぎると、リチウムバッテリーのリチウム析出などの充電式バッテリーを損傷する可能性がある。従って、如何にして充電式バッテリーを損傷することなく、充電式バッテリーの充電速度をできるだけ上げるかは、解決すべき問題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本願の実施例は、充電式バッテリーの充電速度を上げるための充電ポリシー設定方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1態様では、本願の実施例は充電ポリシー設定方法を提供し、
目標充電条件下で、目標充電条件に対応する目標充電レートで目標セルを充電するときに複数の異なるセル動作パラメータを取得するステップと、
複数の異なるセル動作パラメータに基づき、目標充電条件下での各充電時間に対応する最大充電レートを決定するステップと、
目標充電条件下での各充電時間、及び各充電時間に対応する最大充電レートに基づき、目標充電条件下での充電ポリシーを設定するステップと、
を含む。
【0005】
該充電ポリシー設定方法は、先ず、目標充電条件下で、目標充電条件に対応する目標充電レートで目標セルを充電するときに複数の異なるセル動作パラメータを取得する。次に、複数の異なるセル動作パラメータに基づき、目標充電条件下での各充電時間に対応する最大充電レートを決定し、目標充電条件下での各充電時間、及び各充電時間に対応する最大充電レートに基づき、目標充電条件下での充電ポリシーを設定する。目標充電条件下で、設定された充電ポリシーに応じて目標セルを充電する場合、目標充電条件下での各充電時間に、いずれも充電時間に対応する最大充電レートで目標セルを充電する。すなわち、目標充電条件に対応する各充電時間において、目標セルの陽極電位が予め設定されたカットオフ陽極電位以上であることを満たす条件下で、最大充電レートで目標セルを充電する。これにより、充電速度が速くなり、充電効率が高くなる。
【0006】
可能な設計形態では、目標充電条件は目標SOC区間を含み、複数の異なるセル動作パラメータは、予め設定されたカットオフ陽極電位、目標SOC区間の下限値のときの目標セルの陽極電位、目標SOC区間の下限値のときに目標セルを流れる電流、目標SOC区間の電流切断領域における目標セルの陽極電位の変化速度、及び目標SOC区間に対応する電流安定領域における目標セルの陽極電位の充電時間に伴う変化勾配を含んでもよい。
【0007】
さらに、複数の異なるセル動作パラメータに基づき、目標充電条件下での各充電時間に対応する最大充電レートを決定するステップは、式I=(Q-kt-V[x,y]A)/B+I(式中、Qは予め設定されたカットオフ陽極電位であり、kは目標SOC区間に対応する電流安定領域における目標セルの陽極電位の充電時間に伴う変化勾配であり、tは充電時間であり、V[x,y]Aは目標SOC区間の下限値のときの目標セルの陽極電位であり、Bは目標SOC区間の電流切断領域における目標セルの陽極電位の変化速度であり、Iは目標SOC区間の下限値のときに目標セルを流れる電流であり、Iは最大充電レートである。)に基づき、目標充電条件下での各充電時間に対応する最大充電レートを決定するステップを含んでもよい。
【0008】
可能な設計形態では、目標充電条件下で、目標充電条件に対応する目標充電レートで目標セルを充電するときに複数の異なるセル動作パラメータを取得するステップの前に、方法は、目標充電条件下で、それぞれ複数の異なる予め設定された充電レートで目標セルを充電するときに陽極電位を取得するステップと、複数の異なる予め設定された充電レート、及び予め設定された充電レートに1対1で対応する陽極電位に基づき、目標充電条件下で陽極電位が予め設定された充電レートに伴って変化する関数関係を決定するステップと、陽極電位が予め設定された充電レートに伴って変化する関数関係に基づき、設定された陽極電位の臨界値に対応する充電レートを目標充電レートとして決定するステップと、をさらに含む。
【0009】
取得する必要があるパラメータは、目標充電条件下での各充電時間に対応する最大充電レートを決定することであり、従って、目標充電条件下での陽極電位の臨界値に対応する充電レート(すなわち、目標充電条件下での最大充電レート)で取得された複数の異なるセル動作パラメータを使用して、目標充電条件下での各充電時間に対応する最大充電レートを決定する信頼性が高くなる。
【0010】
又は、別の可能な設計形態では、目標充電レートは予め設定されている。
【0011】
可能な設計形態では、目標充電条件下での各充電時間、及び各充電時間に対応する最大充電レートに基づき、目標充電条件下での充電ポリシーを設定するステップの後に、前記方法は、充電ポリシーに基づき、目標充電条件下での目標セルを充電するステップをさらに含む。
【0012】
第2態様では、本願の実施例は充電方法をさらに提供し、
目標セルが充電状態にある場合、目標セルの目標充電条件を決定するステップと、
目標充電条件に基づいて充電ポリシーを決定するステップであって、充電ポリシーは、目標充電条件下での各充電時間、及び各充電時間に対応する最大充電レートを含むステップと、
充電ポリシーに基づいて目標セルを充電するステップと、
を含む。
【0013】
第3態様では、本願は充電ポリシー設定装置をさらに提供し、
目標SOC区間を含む目標充電条件下で、目標充電条件に対応する目標充電レートで目標セルを充電するときに複数の異なるセル動作パラメータを取得するためのパラメータ取得手段と、
複数の異なるセル動作パラメータに基づき、目標充電条件下での各充電時間に対応する最大充電レートを決定するためのレート決定手段であって、最大充電レートで目標セルを充電する場合、目標セルの陽極電位が予め設定されたカットオフ陽極電位以上であるレート決定手段と、
目標充電条件下での各充電時間、及び各充電時間に対応する最大充電レートに基づき、目標充電条件下での充電ポリシーを設定するためのポリシー設定手段と、
を備える。
【0014】
第4態様では、本願は充電装置をさらに提供し、
目標セルが充電状態にある場合、目標セルの目標充電条件を決定するための条件決定手段と、
目標充電条件に基づいて充電ポリシーを決定するためのポリシー決定手段であって、充電ポリシーは、目標充電条件下での各充電時間、及び各充電時間に対応する最大充電レートを含むポリシー決定手段と、
充電ポリシーに基づいて目標セルを充電するための充電手段と、
を備える。
【0015】
第5態様では、本願の実施例は電子機器を提供し、プロセッサと、メモリとを備え、前記メモリはコンピュータ可読命令を記憶し、コンピュータ可読命令がプロセッサにより実行されると、上記第1態様に係る前記方法のステップを実行する。
【0016】
第6態様では、本願の実施例は可読記憶媒体を提供し、コンピュータプログラムが記憶され、前記コンピュータプログラムがプロセッサにより実行されると、上記第1態様に係る前記方法のステップを実行する。
【0017】
本願の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下、本願の実施例で使用される図面を簡単に説明し、理解されるように、以下の図面は本願のいくつかの実施例を示すものに過ぎず、範囲を限定するものとしてみなされず、当業者が、創造的労働を必要とせずに、これらの図面に基づいて他の関連する図面を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本願の実施例に係る充電ポリシー設定方法を示す第1フローチャートである。
図2】本願の実施例に係る充電ポリシー設定方法を示す第2フローチャートである。
図3】本願の実施例に係る充電方法のフローチャートである。
図4】本願の実施例に係る充電ポリシー設定装置の機能モジュールのブロック図である。
図5】本願の実施例に係る充電装置の機能モジュールのブロック図である。
図6】本願の実施例に係る電子機器の構造ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[専門用語の説明]
SOCは、荷電状態SOC(SOC:state of charge、)であり、一定期間使用後又は長期不使用後の蓄電池の残量と完全充電状態の容量との比率である。その値の範囲は0~1であり、SOC=0の場合、バッテリーが完全に放電されることが示され、SOC=1の場合、バッテリーが完全に充電されることが示される。
【0020】
以下、本願の実施例の図面を参照しながら、本願の実施例の技術案を明確、かつ完全に説明する。
現在、充電式バッテリーの急速充電方式は、バッテリーの複数のSOC区間の各SOC区間のカットオフ陽極電位を決定し、各SOC区間に対応するカットオフ陽極電位に基づき、充電レートを決定し、さらに、各SOC区間に対応する充電レートに基づいて充電式バッテリーを充電することである。しかしながら、上記充電式バッテリーの充電速度は依然として低い。
【0021】
本願の実施例は充電ポリシー設定方法を提供し、目標セルを使用して給電する電子機器に適用される。目標セルは、リン酸鉄リチウムセル、マンガン酸ニッケルコバルトリチウムセルなどの充電式セルであってもよいが、これらに限定されない。具体的には、電子機器はバッテリー管理システム(BMS:Battery Management System)を備え、上記目標セルの表示SOCの決定はBMSにより実現され得る。電子機器は、スマートフォン、タブレットPC、電気自動車などバッテリーパックを使用して給電する電子機器であってもよいが、これらに限定されない。図1に示すように、該充電ポリシー設定方法は、
S21、目標充電条件下で、目標充電条件に対応する目標充電レートで目標セルを充電するときに複数の異なるセル動作パラメータを取得する。
【0022】
目標充電条件は目標SOC区間を含む。また、いくつかの実例では、目標充電条件は環境温度区間、バッテリー温度区間などを含んでもよく、ここでは限定しない。
【0023】
いくつかの実施例では、複数のセル動作パラメータは、目標SOC区間に対応する電流安定領域における目標セルの陽極電位の充電時間に伴う変化勾配、充電時間、目標SOC区間の下限値のときの目標セルの陽極電位、目標SOC区間の電流切断領域における目標セルの陽極電位の変化速度、及び目標SOC区間の下限値のときに目標セルを流れる電流を含むがこれらに限定されない。
【0024】
上記複数のセル動作パラメータは以下の方式により取得できる。
【0025】
目標SOC区間に対応する電流安定領域における陽極電位の充電時間に伴う変化勾配については、電圧収集モジュールによって収集された目標SOC区間に対応する電流安定領域における陽極電位を取得し、及びタイマーによって記録された目標SOC区間での充電時間を取得し、目標SOC区間に対応する電流安定領域における陽極電位及び目標SOC区間での充電時間に基づき、目標SOC区間に対応する電流安定領域における陽極電位の充電時間に伴う変化勾配を計算するように取得できる。
【0026】
目標SOC区間に対応する電流安定領域における目標セルの陽極電位の充電時間に伴う変化勾配については、現在のSOCが目標SOC区間の下限値であるときに目標セルの陽極電位が目標SOC区間の下限値まで充電される場合、電圧収集モジュールによって収集された目標セルの陽極電位を取得するように取得できる。
【0027】
目標SOC区間の電流切断領域における目標セルの陽極電位の変化速度については、電流収集モジュールによって収集された電流を取得し、電流が電流切断領域にあるか否かを検出し、YESであれば、電圧収集モジュールによって収集された目標セルの陽極電位を取得し、充電時間及び陽極電位に基づき、目標SOC区間の電流切断領域における目標セルの陽極電位の変化速度を計算するように取得できる。
【0028】
目標SOC区間の下限値のときに目標セルを流れる電流については、現在のSOCが目標SOC区間の下限値にある場合、電流収集モジュールによって収集された目標セルを流れる電流を取得できるように取得できる。
【0029】
いくつかの実施例では、異なる目標充電条件下で、複数の異なるセル動作パラメータの値は異なる。目標充電条件が異なるSOC区間及び異なる環境温度区間を含むと仮定すると、異なるSOC区間及び異なる環境温度区間で、目標SOC区間の下限値のときの目標セルの陽極電位、目標SOC区間に対応する電流安定領域における目標セルの陽極電位の充電時間に伴う変化勾配及び目標SOC区間の電流切断領域における目標セルの陽極電位の変化速度の値は、それぞれ以下の表1~表3に示されている。
【0030】
【表1】
【0031】
理解できるように、表1では、Tは環境温度であり、Vは目標SOC区間の下限値のときの目標セルの陽極電位である。
【0032】
【表2】
【0033】
理解できるように、表2では、Tは環境温度であり、Kは目標SOC区間に対応する電流安定領域における目標セルの陽極電位の充電時間に伴う変化勾配である。
【0034】
【表3】
【0035】
理解できるように、表3では、Tは環境温度であり、Bは目標SOC区間の電流切断領域における目標セルの陽極電位の変化速度である。
【0036】
S22、複数の異なるセル動作パラメータに基づき、目標充電条件下での各充電時間に対応する最大充電レートを決定する。
【0037】
上記複数の異なるセル動作パラメータは、目標充電条件に対応する目標充電レートで充電するときに決定されるため、複数の異なるセル動作パラメータを、目標充電条件下での各充電時間に対応する最大充電レートを決定する参照係数として使用することができる。
【0038】
理解できるように、目標充電条件下で複数の充電時間が含まれる場合、複数の充電時間に1対1で対応する複数の最大充電レートを決定することができる。例えば、目標充電条件が目標SOC区間[SOC1,SOC2]、目標温度区間[T1,T2]を含む場合、目標温度区間[T1,T2]、SOC区間[SOC1,SOC2]での複数の充電時間は時刻t1~時刻t10を含む。これにより、時刻t1において、最大充電レートM1を決定し、時刻t2において、最大充電レートM2などを決定することができ、ここではこれを限定しない。さらに例えば、目標充電条件が目標SOC区間[SOC2,SOC3]、目標温度区間[T1,T2]を含む場合、目標温度区間[T1,T2]、SOC区間[SOC2,SOC3]での複数の充電時間は時刻t11~時刻t20を含む。これにより、時刻t11において、最大充電レートM11を決定し、時刻t12において、最大充電レートM12などを決定することができ、ここではこれを限定しない。
【0039】
最大充電レートで目標セルを充電する場合、各充電時間での目標セルの陽極電位は予め設定されたカットオフ陽極電位以上である。理解できるように、目標セルの陽極電位が予め設定されたカットオフ陽極電位未満である場合、目標セル(目標セルがリチウムバッテリーのセルである場合、セルのリチウム析出をもたらすなど)を損傷する可能性がある。従って、充電過程において、目標セルの陽極電位が予め設定されたカットオフ陽極電位の充電レートの上限値以上になり、すなわち最大充電レートになる。
【0040】
必要がある説明するように、上記目標充電レートは目標充電条件に対応する最大充電レートであってもよい。目標充電条件に対応する最大充電レートで目標セルを充電する場合、目標充電条件に対応する各充電時間に、目標セルの陽極電位は予め設定されたカットオフ陽極電位以上である必要がある。
【0041】
S23、目標充電条件下での各充電時間、及び各充電時間に対応する最大充電レートに基づき、目標充電条件下での充電ポリシーを設定する。
【0042】
上記S22の例に基づき、目標充電条件下での充電ポリシーの設定は、目標充電条件が目標SOC区間[SOC1,SOC2]、目標温度区間[T1,T2]を含む場合、時刻t1において、最大充電レートM1で充電し、時刻t2において、最大充電レートM2で充電し、…、時刻t10において、最大充電レートM10で充電するように設定し、目標充電条件が目標SOC区間[SOC2,SOC3]、目標温度区間[T1,T2]を含む場合、時刻t11において、最大充電レートM11で充電し、時刻t12において、最大充電レートM12で充電し、…、時刻t20において、最大充電レートM20で充電するように設定することである。
【0043】
充電ポリシーを決定した後、決定された充電ポリシーに応じて目標充電条件下での目標セルを直ちに充電でき、充電ポリシーをリアルタイムに決定し、リアルタイムに充電することを実現できる。
【0044】
該充電ポリシー設定方法は、先ず、目標充電条件下で、目標充電条件に対応する目標充電レートで目標セルを充電するときに複数の異なるセル動作パラメータを取得する。次に、複数の異なるセル動作パラメータに基づき、目標充電条件下での各充電時間に対応する最大充電レートを決定し、目標充電条件下での各充電時間、及び各充電時間に対応する最大充電レートに基づき、目標充電条件下での充電ポリシーを設定する。目標充電条件下で、設定された充電ポリシーに応じて目標セルを充電する場合、目標充電条件下での各充電時間に、いずれも充電時間に対応する最大充電レートで目標セルを充電する。すなわち、目標充電条件に対応する各充電時間において、目標セルの陽極電位が予め設定されたカットオフ陽極電位以上であることを満たす条件下で、最大充電レートで目標セルを充電する。これにより、充電速度が速くなり、充電効率が高くなる。
【0045】
いくつかの実例では、複数のセル動作パラメータが、目標SOC区間に対応する電流安定領域における目標セルの陽極電位の充電時間に伴う変化勾配、充電時間、目標SOC区間の下限値のときの目標セルの陽極電位、目標SOC区間の電流切断領域における目標セルの陽極電位の変化速度、目標SOC区間の下限値のときに目標セルを流れる電流及び最大充電レートを含む場合、上記S22は、具体的には、式I=(Q-kt-V[x,y]A)/B+Iに基づき、目標充電条件下での各充電時間に対応する最大充電レートを決定するように実現できる。
【0046】
ここでは、Qは予め設定されたカットオフ陽極電位であり、kは目標SOC区間に対応する電流安定領域における目標セルの陽極電位の充電時間に伴う変化勾配であり、tは充電時間であり、V[x,y]Aは目標SOC区間の下限値のときの目標セルの陽極電位であり、Bは目標SOC区間の電流切断領域における目標セルの陽極電位の変化速度であり、IXは目標SOC区間の下限値のときに目標セルを流れる電流であり、IZは最大充電レートである。
【0047】
いくつかの実例では、目標充電レートを決定する方式は、以下の2種を含むがこれらに限定されない。
【0048】
第1種類としては、図2に示すように、S21の前に、以下のステップを使用して目標充電レートを決定することができる。
【0049】
S31、目標充電条件下で、それぞれ複数の異なる予め設定された充電レートで目標セルを充電するときに陽極電位を取得する。
【0050】
理解できるように、異なる値の予め設定された充電レートは、異なる値の陽極電位に対応する。複数の異なる予め設定された充電レートがC[1,1]、C[1,2]、C[1,n-1]を含むと仮定すると、予め設定された充電レートC[1,1]で目標セルを充電して、陽極電位A[1,1]を得て、予め設定された充電レートC[1,2]で目標セルを充電して、陽極電位A[1,2]を得て、予め設定された充電レートC[1,n-1]で目標セルを充電して、陽極電位A[1,n-1]などを得る。C[1,1]とA[1,1]には対応関係が存在し、C[1,2]とA[1,2]には対応関係が存在し、C[1,n-1]とA[1,n-1]には対応関係が存在することが分かる。
【0051】
以下の表4に示すように、表4では、異なる目標充電条件下で、予め設定された充電レートの値と陽極電位の値との対応関係が示されている。
【0052】
【表4】
【0053】
S32、複数の異なる予め設定された充電レート、及び予め設定された充電レートに1対1で対応する陽極電位に基づき、目標充電条件下で陽極電位が予め設定された充電レートに伴って変化する関数関係を決定する。
【0054】
目標充電条件が目標SOC区間[SOC1,SOC2]、目標温度区間[T1,T2]を含む場合、S31で示すように、C[1,1]とA[1,1]には対応関係が存在し、C[1,2]とA[1,2]には対応関係が存在し、C[1,n-1]とA[1,n-1]には対応関係が存在する。さらに、{C[1,1]、A[1,1]}、{C[1,2]、A[1,2]}、{C[1,n-1]、A[1,n-1]}をフィッティングしてフィッティング直線を取得することができ、フィッティング直線は、目標充電条件下で陽極電位が予め設定された充電レートに伴って変化する関数関係を表すことができる。
【0055】
S33、陽極電位が予め設定された充電レートに伴って変化する関数関係に基づき、設定された陽極電位の臨界値に対応する充電レートを目標充電レートとして決定する。
【0056】
設定された陽極電位の臨界値は、目標充電条件下で、目標セルを損傷しない最低陽極電位である。設定された陽極電位を、目標充電条件下で陽極電位が予め設定された充電レートに伴って変化する関数関係に代入して目標充電レートを得ることができる。理解できるように、このときに決定された目標充電レートは、目標充電条件下で、目標セルを損傷しない最大充電レートである。
【0057】
理解できるように、本願の実施例では、最終的に取得する必要があるパラメータは、目標充電条件下での各充電時間に対応する最大充電レートを決定することであり、従って、目標充電条件下での陽極電位の臨界値に対応する充電レート(すなわち、目標充電条件下での最大充電レート)で取得された複数の異なるセル動作パラメータを使用して、目標充電条件下での各充電時間に対応する最大充電レートを決定する信頼性が高くなる。
【0058】
他のいくつかの実例では、目標充電レートはメーカーが実際の必要に応じて予め設定されたものであってもよい。例えば、設定された目標充電レートは目標充電条件下での最大充電レート未満であり、且つ設定された目標充電レートと最大充電レートとの差は予め設定された閾値未満である。理解できるように、設定された目標充電レートが目標充電条件下での最大充電レート未満であることにより、目標セルを充電するときに損傷する確率が低くなる。さらに、設定された目標充電レートと最大充電レートとの差が予め設定された閾値未満であることにより、取得された複数の異なるセル動作パラメータを使用して、目標充電条件下での各充電時間に対応する最大充電レートを決定する信頼性が高くなる。
【0059】
図3に参照されるように、本願の実施例は充電方法をさらに提供し、目標セルを使用して給電する電子機器にも適用される。電子機器は、スマートフォン、タブレットPC、電気自動車などバッテリーパックを使用して給電する電子機器であってもよいが、これらに限定されない。電子機器が動作状態にある場合、電子機器の表示インタフェースが点灯され、表示インタフェースは、表示SOCを示すためのアイコンを含む。図に示すように、前記方法は以下を含む。
【0060】
S41、目標セルが充電状態にある場合、目標セルの目標充電条件を決定する。
【0061】
例えば、目標充電条件が異なるSOC区間及び異なる環境温度区間を含む場合、目標セル周辺の環境温度及び目標セルのSOCを検出する。さらに、目標セルの目標充電条件を決定する。具体的には、温度センサによって目標セル周辺の環境温度を収集し、及び目標セルの現在の温度、動作条件、及び使用可能な残量区間などのパラメータを収集し、目標セルの温度、動作条件、及び使用可能な残量区間に基づき、目標セルのSOCを計算することができる。
【0062】
S42、目標充電条件に基づいて充電ポリシーを決定する。
【0063】
具体的には、目標充電条件が充電ポリシーに1対1で対応する関係が予め記憶されている。目標セルの目標充電条件を決定した後、目標充電条件に基づいて充電ポリシーを検索することができる。
【0064】
充電ポリシーは、目標充電条件下での各充電時間、及び各充電時間に対応する最大充電レートを含む。目標充電条件下での各充電時間に対応する最大充電レートは、複数の異なるセル動作パラメータに基づいて決定される。具体的な決定方式について、上記実施例におけるS21~S22の説明を参照すればよく、ここでは詳細な説明を省略する。
【0065】
S43、充電ポリシーに基づいて目標セルを充電する。
【0066】
具体的な充電方式としては、目標充電条件下での各充電時間に、いずれも充電時間に対応する最大充電レートで目標セルを充電することであってもよい。すなわち、目標充電条件に対応する各充電時間において、目標セルの陽極電位が予め設定されたカットオフ陽極電位以上であることを満たす条件下で、最大充電レートで目標セルを充電する。これにより、充電速度が速くなり、充電効率が高くなる。
【0067】
図4に参照されるように、本願は充電ポリシー設定装置50をさらに提供し、目標セルを使用して給電する電子機器に適用される。具体的には、電子機器はバッテリー管理システムBMSを備え、上記バッテリーパックの表示SOCの決定方法は具体的にはBMSに適用され得る。電子機器は、スマートフォン、タブレットPC、電気自動車などバッテリーパックを使用して給電する電子機器であってもよいが、これらに限定されない。必要がある説明するように、本願の実施例に係るバッテリーパックの充電ポリシー設定装置50の基本的な原理及びその技術的効果は上記実施例と同じであり、簡潔に説明するために、本実施例で言及されていない部分は、上記実施例の対応する内容を参照すればよい。前記装置50は、パラメータ取得手段51と、レート決定手段52と、及びポリシー設定手段53とを備え、
【0068】
パラメータ取得手段51は、目標SOC区間を含む目標充電条件下で、目標充電条件に対応する目標充電レートで目標セルを充電するときに複数の異なるセル動作パラメータを取得することに用いられる。
【0069】
複数の異なるセル動作パラメータは、予め設定されたカットオフ陽極電位、目標SOC区間の下限値のときの目標セルの陽極電位、目標SOC区間の下限値のときに目標セルを流れる電流、目標SOC区間の電流切断領域における目標セルの陽極電位の変化速度、及び目標SOC区間に対応する電流安定領域における目標セルの陽極電位の充電時間に伴う変化勾配を含んでもよいがこれらに限定されない。
【0070】
レート決定手段52は、複数の異なるセル動作パラメータに基づき、目標充電条件下での各充電時間に対応する最大充電レートを決定することに用いられ、最大充電レートで目標セルを充電する場合、目標セルの陽極電位は予め設定されたカットオフ陽極電位以上である。
【0071】
選択可能な実施形態では、レート決定手段52は、具体的には、式I=(Q-kt-V[x,y]A)/B+Iに基づき、目標充電条件下での各充電時間に対応する最大充電レートを決定することに用いられてもよい。ここでは、Qは予め設定されたカットオフ陽極電位であり、kは目標SOC区間に対応する電流安定領域における目標セルの陽極電位の充電時間に伴う変化勾配であり、tは充電時間であり、V[x,y]Aは目標SOC区間の下限値のときの目標セルの陽極電位であり、Bは目標SOC区間の電流切断領域における目標セルの陽極電位の変化速度であり、IXは目標SOC区間の下限値のときに目標セルを流れる電流であり、IZは最大充電レートである。
【0072】
ポリシー設定手段53は、目標充電条件下での各充電時間、及び各充電時間に対応する最大充電レートに基づき、目標充電条件下での充電ポリシーを設定することに用いられる。
【0073】
いくつかの実施例では、目標充電レートの決定は、以下の手段により実現され得る。
【0074】
パラメータ取得手段51はさらに、目標充電条件下で、それぞれ複数の異なる予め設定された充電レートで目標セルを充電するときに陽極電位を取得することに用いられる。
【0075】
前記装置50は、複数の異なる予め設定された充電レート、及び予め設定された充電レートに1対1で対応する陽極電位に基づき、目標充電条件下で陽極電位が予め設定された充電レートに伴って変化する関数関係を決定するための関数関係決定手段をさらに備えてもよい。
【0076】
レート決定手段52はさらに、陽極電位が予め設定された充電レートに伴って変化する関数関係に基づき、設定された陽極電位の臨界値に対応する充電レートを目標充電レートとして決定することに用いられる。
【0077】
他のいくつかの実施例では、目標充電レートは予め設定されている。
【0078】
いくつかの実施例では、前記装置50は、
充電ポリシーに基づき、目標充電条件下での目標セルを充電するための充電手段をさらに備えてもよい。
【0079】
図5に参照されるように、本願は充電装置60をさらに提供し、目標セルを使用して給電する電子機器に適用される。具体的には、電子機器はバッテリー管理システムBMSを備え、上記バッテリーパックの表示SOCの決定方法は具体的にはBMSに適用され得る。電子機器は、スマートフォン、タブレットPC、電気自動車などバッテリーパックを使用して給電する電子機器であってもよいが、これらに限定されない。前記装置60は、条件決定手段61と、ポリシー決定手段62と、充電手段63とを備え、条件決定手段61は、目標セルが充電状態にある場合、目標セルの目標充電条件を決定することに用いられる。
【0080】
ポリシー決定手段62は、目標充電条件に基づいて充電ポリシーを決定することに用いられる。
【0081】
充電ポリシーは、目標充電条件下での各充電時間、及び各充電時間に対応する最大充電レートを含む。
【0082】
充電手段63は、充電ポリシーに基づいて目標セルを充電することに用いられる。
【0083】
上記従来技術の技術案に存在する欠陥は、いずれも発明者の実践及び注意深い研究による結果であり、従って、上記問題の発見過程、及び以下の本発明の実施例で上記問題に対して提案される技術案は、いずれも発明者が本発明の過程中に本発明に貢献するものであるべきである。
【0084】
図6に参照されるように、図6は本願の実施例に係る充電ポリシー設定方法又は充電方法を実行するための電子機器の構造模式図である。電子機器は、CPUなどの少なくとも1つのプロセッサ110と、少なくとも1つの通信インタフェース120と、少なくとも1つのメモリ130と、少なくとも1つの通信バス140とを備えてもよい。通信バス140は、これらの構成要素の直接接続及び通信を実現することに用いられる。本願の実施例における機器の通信インタフェース120は、他のノード機器とのシグナリング又はデータ通信を行うことに用いられる。メモリ130は、高速RAMメモリであってもよく、少なくとも1つの磁気ディスクメモリなどの不揮発性メモリ(non-volatile memory)であってもよい。メモリ130は、選択肢として、上記プロセッサから離れる少なくとも1つの記憶装置であってもよい。メモリ130にはコンピュータ可読命令が記憶され、前記コンピュータ可読命令が前記プロセッサ110により実行されると、電子機器は上記図2図4に示す方法の過程を実行する。
【0085】
理解できるように、図6に示す構造は例示的なものであり、前記電子機器は、図6に示す構成要素よりも多い又は少ない構成要素をさらに備えてもよく、又は図6に示すものとは異なる構成を有してもよい。図6に示す各構成要素は、ハードウェア、ソフトウェア又はそれらの組み合わせを用いて実現されてもよい。
【0086】
該装置は電子機器のモジュール、プログラムセグメント又はコードであってもよい。理解されるように、該装置は上記図2図4の方法実施例に対応し、図2図4における方法実施例に係る各ステップを実行することができ、該装置の具体的な機能は上記説明を参照すればよく、繰り返しを回避するために、ここでは詳細な説明を適切に省略する。
【0087】
必要がある説明するように、当業者であれば、説明の便宜及び簡潔さのために、上記説明されたシステム及び装置の具体的な動作過程は、上記方法実施例の対応する過程を参照すればよく、ここでは繰り返し説明しないことを明確に理解できる。
【0088】
本願の実施例は可読記憶媒体を提供し、コンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムがプロセッサにより実行されると、図2図4に示す方法実施例の電子機器によって実行される方法の過程を実行する。
【0089】
本実施例はコンピュータプログラム製品を開示し、前記コンピュータプログラム製品は非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に記憶されたコンピュータプログラムを含み、前記コンピュータプログラムはプログラム命令を含み、プログラム命令がコンピュータにより実行されると、コンピュータは上記各方法実施例に係る方法を実行することができる。例えば、目標SOC区間を含む目標充電条件下で、目標充電条件に対応する目標充電レートで目標セルを充電するときに複数の異なるセル動作パラメータを取得するステップと、複数の異なるセル動作パラメータに基づき、目標充電条件下での各充電時間に対応する最大充電レートを決定するステップであって、最大充電レートで目標セルを充電する場合、目標セルの陽極電位が予め設定されたカットオフ陽極電位以上であるステップと、目標充電条件下での各充電時間、及び各充電時間に対応する最大充電レートに基づき、目標充電条件下での充電ポリシーを設定するステップと、を実行することができる。
【0090】
本願に係る実施例では、理解されるように、開示されている装置及び方法は、他の形態により実現することができる。上記説明される装置実施例は例示的なものに過ぎず、例えば、前記ユニットの分割は、論理機能の分割に過ぎず、実際に実現するときに他の分割方式がある可能性があり、さらに例えば、複数のユニット又は構成要素は組み合わせられてもよく又は別のシステムに集積されてもよく、又はいくつかの特徴を無視し、又は実行しなくてもよい。また、表示又は検討されている相互間の結合又は直接結合又は通信接続は、いくつかの通信インタフェース、装置又はユニットを介した間接的結合又は通信接続であってもよく、電気的、機械的又は他の形態であってもよい。
【0091】
また、分離部材として説明されたユニットは、物理的に分離してもよく、物理的に分離しなくてもよく、ユニットとして示される部材は、物理ユニットであってもよく、物理ユニットでなくてもよく、すなわち、1つの場所に位置してもよく、又は複数のネットワークユニットに分布してもよい。実際の必要に応じてその一部又は全部のユニットを選択して本実施例の技術案の目的を実現することができる。
【0092】
さらに、本願の各実施例における各機能モジュールは集積されて1つの独立した部分を形成してもよく、各モジュールは単独で存在してもよく、2つ以上のモジュールは集積されて1つの独立した部分を形成してもよい。
【0093】
本明細書では、第1、第2などの関係用語は、1つのエンティティ又は操作を別のエンティティ又は操作から区別することのみに用いられ、これらのエンティティ又は操作の間にこのような任意の実際の関係や順序を必ずしも要求又は暗示するものではない。
【0094】
以上は本願の実施例に過ぎず、本願の保護範囲を限定するためのものではなく、当業者であれば、本願に対して様々な変化や置換を行うことができる。本願の精神及び原則内で行った任意の修正、等価置換、改良などは、いずれも本願の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0095】
50 充電ポリシー設定装置
51 パラメータ取得手段
52 レート決定手段
53 ポリシー設定手段
60 充電装置
61 条件決定手段
62 ポリシー決定手段
63 充電手段
110 プロセッサ
120 通信インタフェース
130 メモリ
140 通信バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6