(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】紙容器の製造装置、紙容器の製造方法及び紙容器
(51)【国際特許分類】
B31B 50/59 20170101AFI20240228BHJP
【FI】
B31B50/59
(21)【出願番号】P 2022025185
(22)【出願日】2022-02-22
(62)【分割の表示】P 2017114021の分割
【原出願日】2017-06-09
【審査請求日】2022-03-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000222141
【氏名又は名称】東洋アルミエコープロダクツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101409
【氏名又は名称】葛西 泰二
(74)【代理人】
【氏名又は名称】葛西 さやか
(72)【発明者】
【氏名】篠原 隆昌
(72)【発明者】
【氏名】筒木 歩
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-212882(JP,A)
【文献】特開平07-315356(JP,A)
【文献】特開平08-011246(JP,A)
【文献】特開2001-239601(JP,A)
【文献】特開2001-225404(JP,A)
【文献】特開2006-051996(JP,A)
【文献】特開2005-271281(JP,A)
【文献】特開2015-182299(JP,A)
【文献】米国特許第05904643(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B31B 50/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも加熱工程及びこれに続く成形工程によって成形される紙容器の製造装置であって、
被プレス対象物の対応する位置に、成形時の皺を吸収するための罫線を形成する罫線形成手段と、
前記罫線が形成された被プレス対象物に対して前記加熱工程を実施するための第1の加熱手段と、
前記第1の加熱手段で処理された被プレス対象物を移送する移送手段と、
前記移送された被プレス対象物に対して前記成形工程を実施するための成形手段とを備え、
前記第1の加熱手段は、前記成形手段の作動時間帯の少なくとも一部を含む時間帯において作動し、前記被プレス対象物の全体を加熱し、
前記成形手段は、前記被プレス対象物を打ち抜く打抜手段と、前記打ち抜かれた被プレス対象物を
その位置でプレス加工するプレス手段とを含むと共に、前記第1の加熱手段とは異なる第2の加熱手段が設けら
れ、
前記罫線形成手段は、第1金型よりなり、
前記打抜手段及び前記プレス手段は、第2金型よりなり、
前記第1金型と前記第2金型とが取り付けられる一対の上下移動装置を更に備え、
前記第1の加熱手段は、前記第1金型と前記第2金型との間に配置される、紙容器の製造装置。
【請求項2】
プレス成形による紙容器の製造装置であって、
原紙の対応する位置に、成形時の皺を吸収するための罫線を形成する罫線形成手段と、
前記罫線が形成された所望の形状のブランクシートの全体を含む原紙を加熱することができる第1の加熱手段と、
前記加熱された原紙を移送する移送手段と、
前記移送された原紙から、前記ブランクシートを打ち抜くブランクシート打抜手段と、
前記打ち抜かれたブランクシートを、
その位置でプレス加工するプレス手段とを備え、
前記第1の加熱手段は、前記ブランクシート打抜手段及び前記プレス手段の作動時間帯の少なくとも一部を含む時間帯において作動し、
前記プレス手段は、前記第1の加熱手段とは異なる第2の加熱手段が設けら
れ、
前記罫線形成手段は、第1金型よりなり、
前記ブランクシート打抜手段及び前記プレス手段は、第2金型よりなり、
前記第1金型と前記第2金型とが取り付けられる一対の上下移動装置を更に備え、
前記第1の加熱手段は、前記第1金型と前記第2金型との間に配置される、紙容器の製造装置。
【請求項3】
少なくとも加熱工程及びこれに続く成形工程によって、第1の紙容器の後に第2の紙容器を連続的に成形することができる紙容器の製造装置であって、
被プレス対象物の対応する位置に、成形時の皺を吸収するための罫線を形成する罫線形成手段と、
前記罫線が形成された被プレス対象物に対して前記加熱工程を実施するための第1の加熱手段と、
前記第1の加熱手段で処理された被プレス対象物を移送する移送手段と、
前記移送された被プレス対象物に対して
その位置で前記成形工程を実施するための成形手段とを備え、
前記成形手段は、第2の加熱手段が設けられ、
前記第1の紙容器の前記成形手段の作動時間内において、前記第2の紙容器の前記第1の加熱手段が作動し、前記被プレス対象物の全体を加熱
し、
前記罫線形成手段は、第1金型よりなり、
前記成形手段は、第2金型よりなり、
前記第1金型と前記第2金型とが取り付けられる一対の上下移動装置を更に備え、
前記第1の加熱手段は、前記第1金型と前記第2金型との間に配置される、紙容器の製造装置。
【請求項4】
第1の紙容器の後に第2の紙容器を連続的にプレス成形することができる紙容器の製造装置であって、
原紙の対応する位置に、成形時の皺を吸収するための罫線を形成する罫線形成手段と、
前記罫線が形成された所望の形状のブランクシートの全体を含む原紙を加熱することができる第1の加熱手段と、
前記加熱された原紙を移送する移送手段と、
前記移送された原紙から、前記ブランクシートを取得するブランクシート取得手段と、
前記取得されたブランクシートを、
その位置でプレス加工するプレス手段とを備え、
前記プレス手段は、第2の加熱手段が設けられ、
前記第1の紙容器の前記ブランクシート取得手段及び前記プレス手段の作動時間内において、前記第2の紙容器の前記第1の加熱手段が作動
し、
前記罫線形成手段は、第1金型よりなり、
前記ブランクシート取得手段及び前記プレス手段は、第2金型よりなり、
前記第1金型と前記第2金型とが取り付けられる一対の上下移動装置を更に備え、
前記第1の加熱手段は、前記第1金型と前記第2金型との間に配置される、紙容器の製造装置。
【請求項5】
プレス成形による紙容器の製造装置であって、
原紙の対応する位置に、成形時の皺を吸収するための罫線を形成する罫線形成手段と、
前記罫線が形成された所望の形状のブランクシートの全体を含む原紙を加熱することができる第1の加熱手段と、
前記加熱された原紙を移送する移送手段と、
前記移送された原紙から、前記ブランクシートを取得するブランクシート取得手段と、
前記取得されたブランクシートを、
その位置でプレス加工するプレス手段とを備え、
前記プレス手段は、前記第1の加熱手段とは異なる第2の加熱手段が設けられ、
前記第1の加熱手段は、前記ブランクシート取得手段及び前記プレス手段の作動時間帯の少なくとも一部を含む時間帯において作動
し、
前記罫線形成手段は、第1金型よりなり、
前記ブランクシート取得手段及び前記プレス手段は、第2金型よりなり、
前記第1金型と前記第2金型とが取り付けられる一対の上下移動装置を更に備え、
前記第1の加熱手段は、前記第1金型と前記第2金型との間に配置される、紙容器の製造装置。
【請求項6】
前記第2の紙容器の前記第1の加熱手段の作動時間は、前記第1の紙容器の前記成形手段の作動時間と同一である、請求項3記載の紙容器の製造装置。
【請求項7】
前記第2の紙容器の前記第1の加熱手段の作動時間は、前記第1の紙容器の前記ブランクシート取得手段及び前記プレス手段の作動時間と同一である、請求項4記載の紙容器の製造装置。
【請求項8】
前記第1の加熱手段は、前記ブランクシート取得手段及び前記プレス手段の作動時間内において作動する、請求項5記載の紙容器の製造装置。
【請求項9】
前記第1の加熱手段は、前記ブランクシート打抜手段及び前記プレス手段の作動時間内において作動する、請求項2記載の紙容器の製造装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれかに記載の紙容器の製造装置を用いて紙容器を製造する、紙容器の製造方法。
【請求項11】
少なくとも加熱工程及びこれに続く成形工程によって成形される紙容器の製造方法であって、
被プレス対象物の対応する位置に、成形時の皺を吸収するための罫線を形成する罫線形成工程と、
前記罫線が形成された被プレス対象物に第1の加熱を行う加熱工程と、
前記加熱された被プレス対象物を移送する移送工程と、
前記移送された被プレス対象物に対して成形する成形工程とを備え、
前記加熱工程は、前記成形工程の処理に必要な時間の少なくとも一部の時間帯において、前記被プレス対象物の全体を加熱し、
前記成形工程は、前記移送された被プレス対象物に第2の加熱を行うと共に、前記移送された被プレス対象物を打ち抜く打抜工程と、前記打ち抜かれた被プレス対象物を
その位置でプレス加工するプレス工程とを含
み、
前記罫線形成工程は、第1金型を用いて行われ、
前記打抜工程及び前記プレス工程は、第2金型を用いて行われ、
前記第1金型と前記第2金型とは、一対の上下移動装置に取り付けられており、
前記加熱工程は、前記第1金型と前記第2金型との間に配置される、紙容器の製造方法。
【請求項12】
プレス成形による紙容器の製造方法であって、
原紙の対応する位置に、成形時の皺を吸収するための罫線を形成する罫線形成工程と、
前記罫線が形成された所望の形状のブランクシートの全体を含む原紙に第1の加熱を行う加熱工程と、
前記加熱された原紙を移送する移送工程と、
前記移送された原紙から、前記ブランクシートを打ち抜くブランクシート打抜工程と、
前記打ち抜かれたブランクシートを、
その位置でプレス加工するプレス工程とを備え、
前記加熱工程は、前記ブランクシート打抜工程及び
前記プレス工程の処理に必要な時間帯の少なくとも一部を含む時間帯において行われ、
前記プレス工程は、前記打ち抜かれたブランクシートに第2の加熱を行
い、
前記罫線形成工程は、第1金型を用いて行われ、
前記ブランクシート打抜工程及び前記プレス工程は、第2金型を用いて行われ、
前記第1金型と前記第2金型とは、一対の上下移動装置に取り付けられており、
前記加熱工程は、前記第1金型と前記第2金型との間に配置される、紙容器の製造方法。
【請求項13】
少なくとも加熱工程及びこれに続く成形工程によって、第1の紙容器の後に第2の紙容器を連続的に成形する紙容器の製造方法であって、
前記加熱工程の前に、被プレス対象物の対応する位置に、成形時の皺を吸収するための罫線を形成する罫線形成工程と、
前記加熱工程で加熱された被プレス対象物を前記成形工程が行われる位置まで移送する移送工程を更に備え、
前記成形工程は、加熱しながら行われ、
前記第2の紙容器の前記加熱工程は、前記第1の紙容器の前記成形工程の処理に必要な時間内において行われ
、
前記罫線形成工程は、第1金型を用いて行われ、
前記成形工程は、第2金型を用いて行われ、
前記第1金型と前記第2金型とは、一対の上下移動装置に取り付けられており、
前記加熱工程は、前記第1金型と前記第2金型との間に配置される、紙容器の製造方法。
【請求項14】
第1の紙容器の後に第2の紙容器を連続的にプレス成形する紙容器の製造方法であって、
原紙の対応する位置に、成形時の皺を吸収するための罫線を形成する罫線形成工程と、
前記罫線が形成された所望の形状のブランクシートの全体を含む原紙を加熱する加熱工程と、
前記加熱された原紙を移送する移送工程と、
前記移送された原紙から、前記ブランクシートを取得するブランクシート取得工程と、
前記取得されたブランクシートを、
その位置でプレス加工するプレス工程とを備え、
前記プレス工程は、加熱しながら行われ、
前記第2の紙容器の前記加熱工程は、前記第1の紙容器の前記
プレス工程の処理に必要な時間内において行われ
、
前記罫線形成工程は、第1金型を用いて行われ、
前記ブランクシート取得工程及び前記プレス工程は、第2金型を用いて行われ、
前記第1金型と前記第2金型とは、一対の上下移動装置に取り付けられており、
前記加熱工程は、前記第1金型と前記第2金型との間に配置される、紙容器の製造方法。
【請求項15】
プレス成形による紙容器の製造方法であって、
原紙の対応する位置に、成形時の皺を吸収するための罫線を形成する罫線形成工程と、
前記罫線が形成された所望の形状のブランクシートの全体を含む原紙に第1の加熱を行う加熱工程と、
前記加熱された原紙を移送する移送工程と、
前記移送された原紙から、前記ブランクシートを取得するブランクシート取得工程と、
前記取得されたブランクシートを、
その位置でプレス加工するプレス工程とを備え、
前記プレス工程は、前記取得されたブランクシートに第2の加熱を行い、
前記加熱工程は、前記ブランクシート取得工程及び前記プレス工程の処理に必要な時間帯の少なくとも一部を含む時間帯において行われ
、
前記罫線形成工程は、第1金型を用いて行われ、
前記ブランクシート取得工程及び前記プレス工程は、第2金型を用いて行われ、
前記第1金型と前記第2金型とは、一対の上下移動装置に取り付けられており、
前記加熱工程は、前記第1金型と前記第2金型との間に配置される、紙容器の製造方法。
【請求項16】
請求項1から請求項9のいずれかに記載の紙容器の製造装置により得られる、紙容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は紙容器の製造装置に関し、特に、少なくとも加熱工程及びこれに続く成形工程によって成形される紙容器の製造装置、この紙容器の製造装置を用いた紙容器の製造方法、及びこの紙容器の製造装置によって得られる紙容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図11は、従来の紙容器の外観形状を示す斜視図である。
【0003】
図を参照して、紙容器70は、正方形状の底部71と、底部71の外縁から上方に延びる側壁部72と、側壁部72同士を接続するコーナー部74と、側壁部72及びコーナー部74の外縁に形成された縁巻73とから構成されている。そして、紙容器70は、1枚のブランクシートをプレス成形することによって形成されている。
【0004】
このような、プレス成形された紙容器は、軽量且つコスト的に有利となるため、主に食品の収納を目的として使用されている。そして、このような紙容器を製造するためのプレス成形による製造装置は、種々提案されている(例えば、特許文献1)。
【0005】
図12は、従来の紙容器の製造装置を示す概略図であり、
図13は、
図12で示した紙容器の製造装置における原紙の加工工程を示す模式図であって、(1)は原紙供給位置(B1)直後の状態を示すものであり、(2)は罫線形成位置(B2)直後の状態を示すものであり、(3)は打抜・プレス加工位置(B3)直後の状態を示すものである。
【0006】
図12を参照して、従来の紙容器の製造装置80は、その上流側に帯状の原紙77を供給する供給装置81を備えている。又、供給装置81の下流側には、成型装置83が配置され、成型装置83は、一対の上下移動装置84を備え、その上流側に一対の第1金型91a、91bと、一対の第2金型92a、92bとを備えている。各金型の具体的な用途については後述する。
【0007】
図13を併せて参照して、従来の紙容器70の製造工程について上流側から簡略的に説明する。
【0008】
まず、原紙供給位置B1に配置されたロール状に巻回された帯状の原紙77は、供給装置81から罫線形成位置B2へ連続的に供給される。
【0009】
次に、供給された原紙77は、罫線形成位置B2で、成型装置83の第1金型91a、91bによって、
図13の(2)で示すように成形時の皺を吸収するための罫線75が所定の位置に形成される。罫線75が形成された原紙77は、次に打抜・プレス加工位置B3まで移送される。
【0010】
更に、移送された原紙77は、打抜・プレス加工位置B3で、成型装置83の第2金型92a、92bによって、
図13の(3)に示すように、まずブランクシートが略正方形形状等の所望の形状に打ち抜かれる。次に、そのままの位置で、第2金型92a、92bによって、ブランクシートが容器形状にプレス成形される。このような流れで、紙容器70は成形される。
【0011】
尚、このような従来の紙容器の製造装置80では、容器形状にプレス成形する前のブランクシートの一部を軟化等させて、プレス成形時の成形精度を向上させるために、第2金型92a、92bに加熱手段を組み込むことが従来から行われている。
【0012】
図14は、
図12で示した紙容器の製造装置の第2金型を含む部分の概略断面図である。
【0013】
図を参照して、第2金型91a、91bは、相互に対向する上型部材93と下型部材94とをそれぞれ備えている。上型部材93の外周側には昇降部材96が配置され、その内部には加熱用ヒーター等からなる加熱部材97が埋め込まれている。下型部材94の外周側にはカーリング部材98が配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
上記のような、加熱部材97を備えた第2金型91a、91bの成形時における動作は次のようになる。
【0016】
図15は、
図12で示した紙容器の製造装置の第2金型を含む部分の概略断面図であって、加熱工程中の状態を示す図であり、
図16は、
図12で示した紙容器の製造装置の第2金型を含む部分の概略断面図であって、成形工程完了時の状態を示す図である。
【0017】
まず
図15を参照して、第2金型92a全体が降下し、第2金型92aの昇降部材96の下端面とカーリング部材98の上端面とが移送された原紙77を挟持し、一定時間停止する。この時、昇降部材96は加熱部材97で加熱されているため、原紙77の昇降部材96の下端面とカーリング部材98の上端面とに挟持された部分が加熱される。この加熱される部分は、
図12(2)で示した、罫線75の一部が含まれる。
【0018】
次に
図16を参照して、この昇降部材96は、その後カーリング部材98を押し下げるように更に降下し、図示しない刃部によって、原紙77からブランクシートを打ち抜く。その後、そのままの位置で第2金型92aが更に降下し、打ち抜かれたブランクシートは、上型部材93の加圧端面と下型部材94の加圧端面によって容器形状にプレス成形される。その後、更に、そのままの位置で、第2金型92aが上昇すると、プレスされたブランクシートの端部に、昇降部材96とカーリング部材98とによって形成されたカール溝99によって縁巻73が形成される。
【0019】
図17は、上記のような従来の紙容器の製造装置での製造工程における、加熱手段の作動時間と成形手段の作動時間との関係を示す模式図である。
【0020】
図を参照して、上述したように紙容器の成形の際に、加熱工程と打抜・プレス工程(以下「成形工程」と称す)とは、一つの金型内で行われるため、必ず加熱工程が完了してブランクシートが所定温度に昇温した後に成形工程に進むことになる。すると、1つの紙容器を製造する際には、加熱手段の作動時間αと打抜・プレス手段(以下「成形手段」と称す)の作動時間βとを加えた時間が必ずかかることになる。
【0021】
又、複数の容器を連続的に成形する場合も、先の紙容器(容器1)の成形工程が完了した後に、後の紙容器(容器2)の加熱工程が開始されることから、紙容器1つにつき、加熱手段の作動時間αと成形手段の作動時間βとが必ずかかることになる。そのため、n個の紙容器を製造する際には、加熱手段の作動時間αと成形手段の作動時間βとの合計に、紙容器の個数nを乗じた時間Tが必ずかかるものと言える。
【0022】
ここで、より多くの紙容器を短時間で成形したい場合には、例えば、加熱手段の作動時間αや成形手段の作動時間βを短くすることが考えられる。しかしながら、被プレス対象の素材や加工を行う金型の構成により、一定の品質の紙容器を製造するために最低限必要な時間は自ずと決まってしまう。もし、適切な時間をかけて加熱工程や成形工程を行わなければ、成形時の成形精度が低下し易くなり、結果として不良品が製造される可能性が高くなる。
【0023】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、紙容器をより短時間で安定的に量産できる、紙容器の製造装置、紙容器の製造方法及び紙容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0024】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、少なくとも加熱工程及びこれに続く成形工程によって成形される紙容器の製造装置であって、被プレス対象物の対応する位置に、成形時の皺を吸収するための罫線を形成する罫線形成手段と、罫線が形成された被プレス対象物に対して加熱工程を実施するための第1の加熱手段と、第1の加熱手段で処理された被プレス対象物を移送する移送手段と、移送された被プレス対象物に対して成形工程を実施するための成形手段とを備え、第1の加熱手段は、成形手段の作動時間帯の少なくとも一部を含む時間帯において作動し、被プレス対象物の全体を加熱し、成形手段は、被プレス対象物を打ち抜く打抜手段と、打ち抜かれた被プレス対象物をその位置でプレス加工するプレス手段とを含むと共に、第1の加熱手段とは異なる第2の加熱手段が設けられ、罫線形成手段は、第1金型よりなり、打抜手段及びプレス手段は、第2金型よりなり、第1金型と第2金型とが取り付けられる一対の上下移動装置を更に備え、第1の加熱手段は、第1金型と第2金型との間に配置されるものである。
【0025】
このように構成すると、第1の加熱手段の作動時間帯と成形手段の作動時間帯との少なくとも一部が重複する。
【0026】
請求項2記載の発明は、プレス成形による紙容器の製造装置であって、原紙の対応する位置に、成形時の皺を吸収するための罫線を形成する罫線形成手段と、罫線が形成された所望の形状のブランクシートの全体を含む原紙を加熱することができる第1の加熱手段と、加熱された原紙を移送する移送手段と、移送された原紙から、ブランクシートを打ち抜くブランクシート打抜手段と、打ち抜かれたブランクシートを、その位置でプレス加工するプレス手段とを備え、第1の加熱手段は、ブランクシート打抜手段及びプレス手段の作動時間帯の少なくとも一部を含む時間帯において作動し、プレス手段は、第1の加熱手段とは異なる第2の加熱手段が設けられ、罫線形成手段は、第1金型よりなり、ブランクシート打抜手段及びプレス手段は、第2金型よりなり、第1金型と第2金型とが取り付けられる一対の上下移動装置を更に備え、第1の加熱手段は、第1金型と第2金型との間に配置されるものである。
【0027】
このように構成すると、第1の加熱手段の作動時間帯とブランクシート打抜手段及びプレス手段の作動時間帯との少なくとも一部が重複する。
請求項3記載の発明は、少なくとも加熱工程及びこれに続く成形工程によって、第1の紙容器の後に第2の紙容器を連続的に成形することができる紙容器の製造装置であって、被プレス対象物の対応する位置に、成形時の皺を吸収するための罫線を形成する罫線形成手段と、罫線が形成された被プレス対象物に対して加熱工程を実施するための第1の加熱手段と、第1の加熱手段で処理された被プレス対象物を移送する移送手段と、移送された被プレス対象物に対してその位置で成形工程を実施するための成形手段とを備え、成形手段は、第2の加熱手段が設けられ、第1の紙容器の成形手段の作動時間内において、第2の紙容器の第1の加熱手段が作動し、被プレス対象物の全体を加熱し、罫線形成手段は、第1金型よりなり、成形手段は、第2金型よりなり、第1金型と第2金型とが取り付けられる一対の上下移動装置を更に備え、第1の加熱手段は、第1金型と第2金型との間に配置されるものである。
このように構成すると、第2の紙容器の第1の加熱手段の作動時間は、第1の紙容器の成形手段の作動時間に影響を与えない。
請求項4記載の発明は、第1の紙容器の後に第2の紙容器を連続的にプレス成形することができる紙容器の製造装置であって、原紙の対応する位置に、成形時の皺を吸収するための罫線を形成する罫線形成手段と、罫線が形成された所望の形状のブランクシートの全体を含む原紙を加熱することができる第1の加熱手段と、加熱された原紙を移送する移送手段と、移送された原紙から、ブランクシートを取得するブランクシート取得手段と、取得されたブランクシートを、その位置でプレス加工するプレス手段とを備え、プレス手段は、第2の加熱手段が設けられ、第1の紙容器のブランクシート取得手段及びプレス手段の作動時間内において、第2の紙容器の第1の加熱手段が作動し、罫線形成手段は、第1金型よりなり、ブランクシート取得手段及びプレス手段は、第2金型よりなり、第1金型と第2金型とが取り付けられる一対の上下移動装置を更に備え、第1の加熱手段は、第1金型と第2金型との間に配置されるものである。
このように構成すると、第2の紙容器の第1の加熱手段の作動に用いられる時間は、第1の紙容器のブランクシート取得手段及びプレス手段による紙容器の製造時間に影響を与えない。
請求項5記載の発明は、プレス成形による紙容器の製造装置であって、原紙の対応する位置に、成形時の皺を吸収するための罫線を形成する罫線形成手段と、罫線が形成された所望の形状のブランクシートの全体を含む原紙を加熱することができる第1の加熱手段と、加熱された原紙を移送する移送手段と、移送された原紙から、ブランクシートを取得するブランクシート取得手段と、取得されたブランクシートを、その位置でプレス加工するプレス手段とを備え、プレス手段は、第1の加熱手段とは異なる第2の加熱手段が設けられ、第1の加熱手段は、ブランクシート取得手段及びプレス手段の作動時間帯の少なくとも一部を含む時間帯において作動し、罫線形成手段は、第1金型よりなり、ブランクシート取得手段及びプレス手段は、第2金型よりなり、第1金型と第2金型とが取り付けられる一対の上下移動装置を更に備え、第1の加熱手段は、第1金型と第2金型との間に配置されるものである。
このように構成すると、第1の加熱手段の作動時間帯とブランクシート取得手段及びプレス手段の作動時間帯との少なくとも一部が重複する。
請求項6記載の発明は、請求項3記載の発明の構成において、第2の紙容器の第1の加熱手段の作動時間は、第1の紙容器の成形手段の作動時間と同一であるものである。
このように構成すると、第2の紙容器の第1の加熱手段の作動時間は、第1の紙容器の成形手段の作動時間に影響を与えない。
請求項7記載の発明は、請求項4記載の発明の構成において、第2の紙容器の第1の加熱手段の作動時間は、第1の紙容器のブランクシート取得手段及びプレス手段の作動時間と同一であるものである。
このように構成すると、第2の紙容器の第1の加熱手段の作動に用いられる時間は、第1の紙容器のブランクシート取得手段及びプレス手段による紙容器の製造時間に影響を与えない。
【0028】
請求項8記載の発明は、請求項5記載の発明の構成において、第1の加熱手段は、ブランクシート取得手段及びプレス手段の作動時間内において作動するものである。
【0029】
このように構成すると、第1の加熱手段の作動に用いられる時間は、ブランクシート取得手段及びプレス手段による紙容器の製造時間に影響を与えない。
請求項9記載の発明は、請求項2記載の発明の構成において、第1の加熱手段は、ブランクシート打抜手段及びプレス手段の作動時間内において作動するものである。
このように構成すると、第1の加熱手段の作動に用いられる時間は、ブランクシート打抜手段及びプレス手段による紙容器の製造時間に影響を与えない。
【0032】
請求項10記載の発明は、紙容器の製造方法であって、請求項1から請求項9のいずれかに記載の紙容器の製造装置を用いて紙容器を製造するものである。
【0033】
このように構成すると、第1の加熱手段の作動時間帯と成形手段の作動時間帯との少なくとも一部が重複する。
請求項11記載の発明は、少なくとも加熱工程及びこれに続く成形工程によって成形される紙容器の製造方法であって、被プレス対象物の対応する位置に、成形時の皺を吸収するための罫線を形成する罫線形成工程と、罫線が形成された被プレス対象物に第1の加熱を行う加熱工程と、加熱された被プレス対象物を移送する移送工程と、移送された被プレス対象物に対して成形する成形工程とを備え、加熱工程は、成形工程の処理に必要な時間の少なくとも一部の時間帯において、被プレス対象物の全体を加熱し、成形工程は、移送された被プレス対象物に第2の加熱を行うと共に、移送された被プレス対象物を打ち抜く打抜工程と、打ち抜かれた被プレス対象物をその位置でプレス加工するプレス工程とを含み、罫線形成工程は、第1金型を用いて行われ、打抜工程及びプレス工程は、第2金型を用いて行われ、第1金型と第2金型とは、一対の上下移動装置に取り付けられており、加熱工程は、第1金型と第2金型との間に配置されるものである。
このように構成すると、第1の加熱手段の作動時間帯と成形手段の作動時間帯との少なくとも一部が重複する。
請求項12記載の発明は、プレス成形による紙容器の製造方法であって、原紙の対応する位置に、成形時の皺を吸収するための罫線を形成する罫線形成工程と、罫線が形成された所望の形状のブランクシートの全体を含む原紙に第1の加熱を行う加熱工程と、加熱された原紙を移送する移送工程と、移送された原紙から、ブランクシートを打ち抜くブランクシート打抜工程と、打ち抜かれたブランクシートを、その位置でプレス加工するプレス工程とを備え、加熱工程は、ブランクシート打抜工程及びプレス工程の処理に必要な時間帯の少なくとも一部を含む時間帯において行われ、プレス工程は、打ち抜かれたブランクシートに第2の加熱を行い、罫線形成工程は、第1金型を用いて行われ、ブランクシート打抜工程及びプレス工程は、第2金型を用いて行われ、第1金型と第2金型とは、一対の上下移動装置に取り付けられており、加熱工程は、第1金型と第2金型との間に配置されるものである。
このように構成すると、第1の加熱手段の作動時間帯とブランクシート打抜手段及びプレス手段の作動時間帯との少なくとも一部が重複する。
請求項13記載の発明は、少なくとも加熱工程及びこれに続く成形工程によって、第1の紙容器の後に第2の紙容器を連続的に成形する紙容器の製造方法であって、加熱工程の前に、被プレス対象物の対応する位置に、成形時の皺を吸収するための罫線を形成する罫線形成工程と、加熱工程で加熱された被プレス対象物を成形工程が行われる位置まで移送する移送工程を更に備え、成形工程は、加熱しながら行われ、第2の紙容器の加熱工程は、第1の紙容器の成形工程の処理に必要な時間内において行われ、罫線形成工程は、第1金型を用いて行われ、成形工程は、第2金型を用いて行われ、第1金型と第2金型とは、一対の上下移動装置に取り付けられており、加熱工程は、第1金型と第2金型との間に配置されるものである。
このように構成すると、第2の紙容器の第1の加熱手段の作動時間は、第1の紙容器の成形手段の作動時間に影響を与えない。
請求項14記載の発明は、第1の紙容器の後に第2の紙容器を連続的にプレス成形する紙容器の製造方法であって、原紙の対応する位置に、成形時の皺を吸収するための罫線を形成する罫線形成工程と、罫線が形成された所望の形状のブランクシートの全体を含む原紙を加熱する加熱工程と、加熱された原紙を移送する移送工程と、移送された原紙から、ブランクシートを取得するブランクシート取得工程と、取得されたブランクシートを、その位置でプレス加工するプレス工程とを備え、プレス工程は、加熱しながら行われ、第2の紙容器の加熱工程は、第1の紙容器のプレス工程の処理に必要な時間内において行われ、罫線形成工程は、第1金型を用いて行われ、ブランクシート取得工程及びプレス工程は、第2金型を用いて行われ、第1金型と第2金型とは、一対の上下移動装置に取り付けられており、加熱工程は、第1金型と第2金型との間に配置されるものである。
このように構成すると、第2の紙容器の第1の加熱手段の作動に用いられる時間は、第1の紙容器のブランクシート取得手段及びプレス手段による紙容器の製造時間に影響を与えない。
請求項15記載の発明は、プレス成形による紙容器の製造方法であって、原紙の対応する位置に、成形時の皺を吸収するための罫線を形成する罫線形成工程と、罫線が形成された所望の形状のブランクシートの全体を含む原紙に第1の加熱を行う加熱工程と、加熱された原紙を移送する移送工程と、移送された原紙から、ブランクシートを取得するブランクシート取得工程と、取得されたブランクシートを、その位置でプレス加工するプレス工程とを備え、プレス工程は、取得されたブランクシートに第2の加熱を行い、加熱工程は、ブランクシート取得工程及びプレス工程の処理に必要な時間帯の少なくとも一部を含む時間帯において行われ、罫線形成工程は、第1金型を用いて行われ、ブランクシート取得工程及びプレス工程は、第2金型を用いて行われ、第1金型と第2金型とは、一対の上下移動装置に取り付けられており、加熱工程は、第1金型と第2金型との間に配置されるものである。
このように構成すると、第1の加熱手段の作動時間帯とブランクシート取得手段及びプレス手段の作動時間帯との少なくとも一部が重複する。
【0034】
請求項16記載の発明は、紙容器であって、請求項1から請求項9のいずれかに記載の紙容器の製造装置により得られるものである。
【0035】
このように構成すると、第1の加熱手段の作動時間帯と成形手段の作動時間帯との少なくとも一部が重複する。
【発明の効果】
【0036】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、第1の加熱手段の作動時間帯と成形手段の作動時間帯との少なくとも一部が重複するため、紙容器の製造時間が実質的に短縮化され、生産効率が向上する。
【0037】
請求項2記載の発明は、第1の加熱手段の作動時間帯とブランクシート打抜手段及びプレス手段の作動時間帯との少なくとも一部が重複するため、紙容器の製造時間が実質的に短縮化され、生産効率が向上する。
請求項3記載の発明は、第2の紙容器の第1の加熱手段の作動時間は、第1の紙容器の成形手段の作動時間に影響を与えないため、紙容器の製造時間が実質的に短縮化され、生産効率が向上する。
請求項4記載の発明は、第2の紙容器の第1の加熱手段の作動に用いられる時間は、第1の紙容器のブランクシート取得手段及びプレス手段による紙容器の製造時間に影響を与えないため、紙容器の製造時間が実質的に短縮化され、生産効率が向上する。
請求項5記載の発明は、第1の加熱手段の作動時間帯とブランクシート取得手段及びプレス手段の作動時間帯との少なくとも一部が重複するため、紙容器の製造時間が実質的に短縮化され、生産効率が向上する。
請求項6記載の発明は、第2の紙容器の第1の加熱手段の作動時間は、第1の紙容器の成形手段の作動時間に影響を与えないため、紙容器の製造時間が実質的に短縮化され、より生産効率が向上する。
請求項7記載の発明は、第2の紙容器の第1の加熱手段の作動に用いられる時間は、第1の紙容器のブランクシート取得手段及びプレス手段による紙容器の製造時間に影響を与えないため、紙容器の製造時間が実質的に短縮化され、より生産効率が向上する。
【0038】
請求項8記載の発明は、請求項5記載の発明の効果に加えて、第1の加熱手段の作動に用いられる時間は、ブランクシート取得手段及びプレス手段による紙容器の製造時間に影響を与えないため、より生産効率が向上する。
請求項9記載の発明は、請求項2記載の発明の効果に加えて、第1の加熱手段の作動に用いられる時間は、ブランクシート打抜手段及びプレス手段による紙容器の製造時間に影響を与えないため、より生産効率が向上する。
【0040】
請求項10記載の発明は、加熱手段の作動時間帯と成形手段の作動時間帯との少なくとも一部が重複するため、紙容器の製造時間が実質的に短縮化され、生産効率が向上した紙容器を製造できる。
請求項11記載の発明は、第1の加熱手段の作動時間帯と成形手段の作動時間帯との少なくとも一部が重複するため、紙容器の製造時間が実質的に短縮化され、生産効率が向上する。
請求項12記載の発明は、第1の加熱手段の作動時間帯とブランクシート打抜手段及びプレス手段の作動時間帯との少なくとも一部が重複するため、紙容器の製造時間が実質的に短縮化され、生産効率が向上する。
請求項13記載の発明は、第2の紙容器の第1の加熱手段の作動時間は、第1の紙容器の成形手段の作動時間に影響を与えないため、紙容器の製造時間が実質的に短縮化され、生産効率が向上する。
請求項14記載の発明は、第2の紙容器の第1の加熱手段の作動に用いられる時間は、第1の紙容器のブランクシート取得手段及びプレス手段による紙容器の製造時間に影響を与えないため、紙容器の製造時間が実質的に短縮化され、生産効率が向上する。
請求項15記載の発明は、第1の加熱手段の作動時間帯とブランクシート取得手段及びプレス手段の作動時間帯との少なくとも一部が重複するため、紙容器の製造時間が実質的に短縮化され、生産効率が向上する。
【0041】
請求項16記載の発明は、加熱手段の作動時間帯と成形手段の作動時間帯との少なくとも一部が重複するため、紙容器の製造時間が実質的に短縮化され、生産効率が向上した紙容器となる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】この発明の第1の実施の形態による紙容器の製造装置を示す概略図である。
【
図2】
図1で示した紙容器の製造装置であって、プレス加工中の状態を示す概略図である。
【
図3】
図1で示した紙容器の製造装置における原紙の加工工程を示す模式図である。
【
図4】
図1で示した紙容器の製造装置の第2金型を含む部分の概略断面図である。
【
図5】
図1で示した紙容器の製造装置の第2金型を含む部分の概略断面図であって、打抜工程中の状態を示す図である。
【
図6】
図1で示した紙容器の製造装置の第2金型を含む部分の概略断面図であって、成形完了時の状態を示す図である。
【
図7】この発明の第1の実施の形態による紙容器の製造装置での製造工程における、罫線形成手段の作動時間と加熱手段の作動時間と成形手段の作動時間との関係を示す模式図である。
【
図8】この発明の第1の実施の形態による紙容器の製造装置での製造工程における、加熱手段の作動時間と成形手段の作動時間との関係を示す模式図である。
【
図9】この発明の第2の実施の形態による紙容器の製造装置での製造工程における、加熱手段の作動時間と成形手段の作動時間との関係を示す模式図である。
【
図10】この発明の第3の実施の形態による紙容器の製造装置での製造工程における、加熱手段の作動時間と成形手段の作動時間との関係を示す模式図である。
【
図11】従来の紙容器の外観形状を示す斜視図である。
【
図12】従来の紙容器の製造装置を示す概略図である。
【
図13】
図12で示した紙容器の製造装置における原紙の加工工程を示す模式図である。
【
図14】
図12で示した紙容器の製造装置の第2金型を含む部分の概略断面図である。
【
図15】
図12で示した紙容器の製造装置の第2金型を含む部分の概略断面図であって、加熱工程中の状態を示す図である。
【
図16】
図12で示した紙容器の製造装置の第2金型を含む部分の概略断面図であって、成形完了時の状態を示す図である。
【
図17】従来の紙容器の製造装置での製造工程における、加熱手段の作動時間と成形手段の作動時間との関係を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1は、この発明の第1の実施の形態による紙容器の製造装置を示す概略図である。
【0044】
図を参照して、まず、この実施の形態による紙容器の製造装置10によって製造される紙容器50は、
図11で示した従来の紙容器70と同様の構成である。
【0045】
又、この実施の形態による紙容器の製造装置10は、上流側には原紙供給手段である従来のものと同様の原紙57の供給装置11を備えており、下流側には成型装置13を備えている。成型装置13は一対の上下移動装置14を備え、その上流側には原紙57への罫線形成手段である一対の第1金型21a、21bが、又、下流側には原紙57のブランクシート打抜手段及びプレス手段である一対の第2金型22a、22bが、それぞれ取り付けられている。
【0046】
又、第1金型21a、21bと第2金型22a、22bとの間には、原紙57の加熱手段であるヒーター等からなる一対の加熱部材23a、23bが配置されている。
【0047】
この実施の形態の紙容器の製造装置10の動作について、上流側から順に説明する。
【0048】
図2は、
図1で示した紙容器の製造装置であって、プレス加工中の状態を示す概略図である。又、
図3は、
図1で示した紙容器の製造装置における原紙の加工工程を示す模式図であって、(1)は原紙供給位置(A1)直後の状態を示すものであり、(2)は罫線形成位置(A2)から打抜・プレス加工位置(A3)までの各状態を示すものであり、(3)は打抜・プレス加工位置(A3)直後の状態を示すものである。
【0049】
これらの図を参照して、まず原紙供給位置A1に配置されたロール状に巻回された帯状の原紙57は、供給装置11によって表面のコーティング処理等がされた後、供給装置11の下流側の成型装置13へ連続的に供給される。
【0050】
次に、供給された原紙57は、成型装置13の罫線形成位置A2で、第1金型21a、21bによって、
図3の(2)のA2で示すように成形時の皺を吸収するための罫線55が所定の位置に形成される。罫線55が形成された原紙57は、次に加熱加工位置Hまで図示しない第1移送手段によって移送される。
【0051】
更に、移送された原紙57は、加熱加工位置Hで、加熱部材23a、23bによって挟持される。これにより、
図3の(2)のHにおいて、二点鎖線で示すような罫線55を含む略正方形形状の部分のほぼ全体が加熱される。こうすることで、従来の加熱工程よりもより広範囲が加熱されることにより、後の打抜・プレス加工時の成形精度の向上につながる。加熱された原紙57は、次に打抜・プレス加工位置A3まで図示しない第2移送手段によって移送される。
【0052】
更に、移送された原紙57は、打抜・プレス加工位置A3で、第2金型22a、22bによって、
図3の(2)のA3及び(3)に示すように、まず加熱されたブランクシート58が破線で示すような罫線の少なくとも一部を含む略正方形形状等の所望の形状に打ち抜かれる。次に、そのままの位置で、第2金型22a、22bによって、打ち抜かれたブランクシート58が容器形状にプレス加工され、紙容器50は成形される。
【0053】
この時、罫線形成手段である第1金型21a、21b及び加熱手段である加熱部材23a、23bの各々において処理に必要な時間は、ブランクシート打抜手段及びプレス手段である第2金型22a、22bにおいて処理に必要な時間と同一である。
【0054】
尚、上記のように、罫線形成手段、加熱手段及び打抜・プレス手段は、それぞれ独立した位置で作動する。しかしながら、第1金型21a、21b及び第2金型22a、22bは一対の上下移動装置14に取り付けられると共に、加熱部材23a、23bは、第1金型21a、21bと第2金型22a、22bとの間に配置されており、各手段は同期して作動するものである。又、第1移送手段と第2移送手段を含む全体の移送手段についてもそれぞれ同期して作動するものである。そして、紙容器の製造装置10全体としては、同期した罫線形成、加熱及び打抜・プレスによる各加工工程と同期した各移送工程とが交互に作動するものである。
【0055】
ここで、この実施の形態における紙容器の製造装置10の打抜・プレス加工位置A3における第2金型22a、22bの具体的な動作を従来のものと比較すると次のようになる。
【0056】
図4は、
図1で示した紙容器の製造装置の第2金型を含む部分の概略断面図である。
【0057】
図を参照して、この実施の形態による第2金型22a、22bは、
図13で示した従来の第2金型92a、92bから加熱部材97を除いた構成であり、その他の部材は従来の第2金型92a、92bと共通しているのでここでの説明は繰り返さない。
【0058】
図5は、
図1で示した紙容器の製造装置の第2金型を含む部分の概略断面図であって、打抜工程中の状態を示す図である。
【0059】
図を参照して、
図4の状態から従来と同様に第2金型22aが降下する。その際、移送された原紙57は既に加熱部材23a、23bによって加熱されている。そのため、原紙57を挟持した第2金型22a、22bの昇降部材36とカーリング部材38とは、原紙57の加熱のために従来のように一定時間停止する必要はなく、そのまま降下を続け、原紙57からブランクシート58を打ち抜く。
【0060】
図6は、
図1で示した紙容器の製造装置の第2金型を含む部分の概略断面図であって、成形完了時の状態を示す図である。
【0061】
図を参照して、ブランクシート58を打ち抜いた位置から第2金型22aが更に降下し、打ち抜かれたブランクシート58は、第2金型22aの上型部材33の加圧端面と第2金型22bの下型部材34の加圧端面によって容器形状にプレス成形される。その後、更に、そのままの位置で、第2金型22aが上昇すると、プレスされたブランクシート58の端部に、第2金型22a、22bの昇降部材36とカーリング部材38とによって形成されたカール溝39によって縁巻53が形成される。
【0062】
図7は、この発明の第1の実施の形態による紙容器の製造装置での製造工程における、罫線形成手段の作動時間と加熱手段の作動時間と成形手段の作動時間との関係を示す模式図である。
【0063】
尚、この
図7では、第1移送手段及び第2移送手段の作動時間については記載を省略している。
【0064】
図を参照して、上述したように、罫線形成手段において処理に必要な時間から導き出される罫線形成手段の作動時間γと、加熱手段において処理に必要な時間から導き出される加熱手段の作動時間αとは、ブランクシート打抜手段及びプレス手段(以下、「成形手段」と称す)において処理に必要な時間である成形手段の作動時間βと同一である。又、罫線形成工程、加熱工程、打抜・プレス工程(以下「成形工程」と称す)とはそれぞれ同期して作動する。
【0065】
すなわち、原紙の先の紙容器(容器1)に係る部分が、罫線形成工程及び加熱工程を経て、成形工程を開始する際に、原紙の後の紙容器(容器2)に係る部分が加熱工程を開始することになる。又、原紙の更に後の紙容器(容器3)に係る部分が罫線形成工程を開始することになる。すると、1つ目の紙容器を製造する際には、罫線形成手段の作動時間γと、加熱手段の作動時間αと、成形手段の作動時間βとを加えた時間が必ずかかることになるが、複数の紙容器を連続的に成形する場合には、容器1の成形工程中に容器2の加熱工程及び容器3の罫線形成工程が行われ、容器1の成形工程が完了した後に容器2の成形工程及び容器3の加熱工程が開始される。これにより、2つ目以降の紙容器を製造する際には、実質的には成形手段の作動時間βのみがかかることになる。そのため、n個の紙容器を製造する際には、1つ目の容器の罫線形成手段の作動時間γと、加熱手段の作動時間αと、成形手段の作動時間βとを加えたものに、成形手段の作動時間βに2つ目以降の紙容器の個数(n-1)を乗じた時間を更に合わせたT1がかかるものと言える。
【0066】
このように、全体的な製造時間において、罫線形成手段の作動時間γ及び加熱手段の作動時間αは、成形手段の作動時間βに影響を与えないため、紙容器の品質及び生産効率が向上するものとなる。
【0067】
尚、従来の製造装置との比較のために、加熱手段の作動時間α及び成形手段の作動時間βのみを抜き出して更に説明する。
【0068】
図8は、この発明の第1の実施の形態による紙容器の製造装置での製造工程における、加熱手段の作動時間と成形手段の作動時間との関係を示す模式図である。
【0069】
図を参照して、原紙の先の紙容器(容器1)に係る部分が、加熱工程を経て、成形工程を開始する際に、原紙の後の紙容器(容器2)に係る部分が加熱工程を開始することになる。すると、1つ目の紙容器を製造する際には、加熱手段の作動時間αと、成形手段の作動時間βとを加えた時間が必ずかかることになるが、複数の紙容器を連続的に成形する場合には、容器1の成形工程中に容器2の加熱工程が行われ、容器1の成形工程が完了した後に容器2の成形工程及び容器3の加熱工程が開始される。これにより、2つ目以降の紙容器を製造する際には、実質的には成形手段の作動時間βのみがかかることになる。そのため、n個の紙容器を製造する際に要する時間T2は、1つ目の容器の加熱手段の作動時間αと、成形手段の作動時間βとを加えたものに、成形手段の作動時間βに2つ目以降の紙容器の個数(n-1)を乗じた時間を更に加えた時間がかかるものと言える。
【0070】
すなわち、n個の紙容器を製造する際に要する時間T2は、
T2=(α+β)+β(n-1)=α+βnとなる。
【0071】
一方、従来の
図17に示した時間Tは、
T=n(α+β)=αn+βnとなる。
【0072】
よって、
T2-T=(α+βn)-(αn+βn)=-α(n-1)となり、そこから
T2=T-α(n-1)という関係が導き出される。
【0073】
これは従来の製造装置と比較すると、2つ目以降の紙容器の加熱工程にかかる時間が実質的に不要とされることを意味し、結果として製造全体に係る時間も短縮されると言える。
【0074】
このように、加熱手段及び成形手段のみを考慮した場合でも、全体的な製造時間において、加熱手段の作動時間αは、成形手段の作動時間βに影響を与えないため、より生産効率が向上するものとなる。
【0075】
図9は、この発明の第2の実施の形態による紙容器の製造装置での製造工程における、加熱手段の作動時間と成形手段の作動時間との関係を示す模式図である。
【0076】
尚、この第2の実施の形態による紙容器の製造装置の構成は、基本的には第1の実施の形態と同様であるため、ここでの説明は繰り返さず、その相違点を中心に説明する。
【0077】
図を参照して、この第2の実施の形態による加熱手段の作動時間αは、成形手段の作動時間βよりも長く設定されているものである。このような設定にすると、全体的に時間をかけて加熱することで原紙がまんべんなく温まり、より成形に適切な柔らかさや水分を保持した状態となるため、更に紙容器の成形精度が向上する。
【0078】
尚、従来の製造装置との比較のために、罫線形成手段の作動時間についての記載は省略し、加熱手段及び成形手段の関係について説明する。
【0079】
まず、原紙の先の紙容器(容器1)に係る部分が、加熱工程を経て成形工程を開始する際に、原紙の後の紙容器(容器2)に係る部分が、加熱工程を開始することは第1の実施の形態と同様である。そして、1つ目の紙容器を製造する際には、加熱手段の作動時間αと、成形手段の作動時間βとを加えた時間が必ずかかることも第1の実施の形態と同様である。
【0080】
次に、複数の紙容器を連続的に成形する場合には、容器1の成形工程中に容器2の加熱工程が開始されるが、加熱手段の作動時間αが成形手段の作動時間βよりも長いため、容器1の成形工程が完了した後にすぐに容器2の成形工程が始めるのではなく、容器2の加熱工程が完了するのを待ってから、容器2の成形工程及び容器3の加熱工程が開始される。そのため、成形工程の後には待機時間xが発生し、加熱手段は、成形手段の作動時間帯の少なくとも一部を含む時間において作動することになる。
【0081】
尚、この成形手段の作動時間βに待機時間xを加えた時間は、加熱手段の作動時間αと同一になる。
【0082】
これにより、2つ目以降の紙容器を製造する際には、成形手段の作動時間βに待機時間xを加えた時間が実質的にかかることになる。そのため、n個の紙容器を製造する際に要する時間T3は、1つ目の容器の加熱手段の作動時間αと成形手段の作動時間βとを加えたものに、成形手段の作動時間βと待機時間xとを合わせた時間に2つ目以降の紙容器の個数(n-1)を乗じた時間とを更に加えた時間がかかるものと言える。
【0083】
すなわち、n個の紙容器を製造する際に要する時間T3は、
T3=(α+β)+(β+x)(n-1)=(α+β)+α(n-1)=αn+βとなる。
【0084】
一方、従来の
図17に示した時間Tは、第1の実施の形態と同様、
T=n(α+β)=αn+βnとなる。
【0085】
よって、
T3-T=(αn+β)-(αn+βn)=-β(n-1)となり、そこから
T3=T-β(n-1)という関係が導き出される。
【0086】
これは、従来の製造装置と比較すると、2つ目以降の紙容器の加熱工程の内、成形工程に対応する時間が実質的に不要とされることを意味し、結果として製造全体に係る時間も従来のものよりは実質的に短縮されると言える。
【0087】
このように、加熱手段の作動時間αと成形手段の作動時間βとの少なくとも一部が重複するため、紙容器の製造時間が実質的に短縮化され、生産効率が向上するものとなる。
【0088】
図10は、この発明の第3の実施の形態による紙容器の製造装置での製造工程における、加熱手段の作動時間と成形手段の作動時間との関係を示す模式図である。
【0089】
尚、この第3の実施の形態による紙容器の製造装置の構成は、基本的には第1の実施の形態と同様であるため、ここでの説明は繰り返さず、その相違点を中心に説明する。
【0090】
図を参照して、この第3の実施の形態による加熱手段の作動時間αは、成形手段の作動時間βよりも短く設定されているものである。大容量のヒーター等では原紙が素早く温まる傾向にあるため、より成形に適切な柔らかさや水分保有量とするために、このような時間調整を行うことがある。
【0091】
尚、従来の製造装置との比較のために、罫線形成手段の作動時間についての記載は省略し、加熱手段及び成形手段の関係について説明する。
【0092】
まず、原紙の先の紙容器(容器1)に係る部分に、加熱工程を経て成形工程が行われる際に、原紙の後の紙容器(容器2)に係る部分に、加熱工程が行われることは第1の実施の形態と同様である。そして、1つ目の紙容器を製造する際には、加熱手段の作動時間αと、成形手段の作動時間βとを加えた時間が必ずかかることも第1の実施の形態と同様である。
【0093】
次に、複数の紙容器を連続的に成形する場合には、容器1の成形工程中に容器2の加熱工程が開始されるが、加熱手段の作動時間αが成形手段の作動時間βよりも短いため、容器1の成形工程の途中から成形工程の完了時に合わせて、容器2の加熱工程が行われる、同様に、容器2の成形工程の途中から容器3の加熱工程が開始される。そのため、加熱手段は、成形手段の作動時間内において作動することになる。
【0094】
これにより、2つ目以降の紙容器を製造する際には、加熱手段の作動時間αと比較して長い成形手段の作動時間βが実質的にかかることになる。そのため、n個の紙容器を製造する際に要する時間T4は、1つ目の容器の加熱手段の作動時間αと、成形手段の作動時間βとを加えたものに、成形手段の作動時間βに2つ目以降の紙容器の個数(n-1)を乗じた時間を更に加えた時間がかかるものと言える。
【0095】
すなわち、n個の紙容器を製造する際に要する時間T4は、
T4=(α+β)+β(n-1)=α+βnとなる。
【0096】
一方、従来の
図17に示した時間Tは、第1の実施の形態と同様、
T=n(α+β)=αn+βnとなる。
【0097】
よって、
T4-T=(α+βn)-(αn+βn)=-α(n-1)となり、そこから
T4=T-α(n-1)という関係が導き出される。
【0098】
これは従来の製造装置と比較すると、第1の実施の形態と同様に、2つ目以降の紙容器の加熱工程にかかる時間が実質的に不要とされることを意味し、結果として製造全体に係る時間も短縮されると言える。
【0099】
このように、加熱手段の作動時間αと成形手段の作動時間βとの少なくとも一部が重複するため、紙容器の製造時間が実質的に短縮化され、生産効率が向上するものとなる。又、全体的な製造時間において、加熱手段の作動時間αは、成形手段の作動時間βに影響を与えないため、より生産効率が向上する。
【0100】
尚、上記の各実施の形態では、被プレス対象物は、帯状の原紙をブランクシートに打ち抜いて成形加工する構成であったが、紙容器を製造できるものであれば、被プレス対象物の取得手段はそれに限らず、他の方法であってもよい。
【0101】
又、上記の各実施の形態では、帯状の原紙からブランクシートを打ち抜く構成であったが、これに限らず、初めから所望の形状に形成されたブランクシートを準備する構成等、別の方法からなるブランクシート取得手段を備えた構成であってもよい。
【0102】
更に、上記の各実施の形態では、成形手段はブランクシート打抜手段とプレス手段とから構成されていたが、これに限らない。上記のようなブランクシート取得手段とプレス手段とから構成されるものであってもよいし、加熱した素材を加工して紙容器を成形するものであれば、別の手段によるものであってもよい。
【0103】
更に、上記の各実施の形態では、加熱前の成形に対しては加熱手段を独立して設ける構成であるため、成形手段には加熱手段を設けない構成であった。一方、成形後の保形性の向上を目的として加熱工程を追加するためには、加熱部材を成形手段にも補助的に設ける構成としてもよい。
【0104】
更に、上記の各実施の形態では、加熱工程と成形工程とが続けて行われる構成であったが、これに限らず、加熱手段を罫線形成手段の前に配置する構成としてもよい。又、加熱手段を罫線形成手段の中に組み込む構成としてもよい。
【0105】
更に、上記の各実施の形態では、加熱部分は略正方形形状の全体に行うものであったが、これに限らず、特定の一部分のみを加熱するようにしてもよい。
【0106】
更に、上記の第3の実施の形態では、成形工程の途中から成形工程の完了に合わせる時間帯で加熱工程を開始する構成であったが、これに限らない。成形工程と加熱工程を同時に開始し、一定時間加熱したら成形工程を開始するまで待機する構成としてもよい。
【0107】
更に、上記の各実施の形態では、罫線形成手段である第1金型と、成形手段である第2金型とが一対の上下移動装置に取り付けられ、その間に配置された加熱手段である加熱部材は独立した構成であったが、これに限らない。加熱部材も併せて上下移動装置に取り付ける構成としてもよいし、逆に各手段をそれぞれ独立した移動装置に取り付ける構成としてもよい。
【0108】
更に、上記の各実施の形態は、紙容器の製造装置に関するものであったが、上記の各実施の形態の紙容器の製造装置を用いて紙容器を製造する方法についての実施の形態としても同様に適用できる。
【0109】
更に、上記の各実施の形態は、紙容器の製造装置に関するものであったが、上記の各実施の形態の紙容器の製造装置により得られる紙容器についての実施の形態としても同様に適用できる。
【符号の説明】
【0110】
10…紙容器の製造装置
11…供給装置
21a、21b…第1金型
22a、22b…第2金型
23a、23b…加熱部材
50…紙容器
55…罫線
57…原紙
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。