IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 南亞塑膠工業股▲分▼有限公司の特許一覧

<>
  • 特許-ポリエステル織物の脱色方法 図1
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】ポリエステル織物の脱色方法
(51)【国際特許分類】
   D06L 4/30 20170101AFI20240228BHJP
   D03D 15/283 20210101ALI20240228BHJP
【FI】
D06L4/30
D03D15/283
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022080932
(22)【出願日】2022-05-17
(65)【公開番号】P2023041605
(43)【公開日】2023-03-24
【審査請求日】2022-05-17
(31)【優先権主張番号】110133937
(32)【優先日】2021-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】501296612
【氏名又は名称】南亞塑膠工業股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】NAN YA PLASTICS CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】廖 ▲徳▼超
(72)【発明者】
【氏名】▲荘▼ 榮仁
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 章鑑
(72)【発明者】
【氏名】▲ライ▼ ▲ユン▼▲トン▼
【審査官】中西 聡
(56)【参考文献】
【文献】特表2002-538268(JP,A)
【文献】特開2019-183294(JP,A)
【文献】国際公開第2021/058023(WO,A1)
【文献】特開2009-068127(JP,A)
【文献】特開昭54-112265(JP,A)
【文献】米国特許第05356437(US,A)
【文献】米国特許第05711764(US,A)
【文献】特開2001-329471(JP,A)
【文献】特開平09-296360(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06L、D03D
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス転移温度(glass transition temperature,Tg)及び第1のL値を有し且つ染料を含むことにより染色されたポリエステル織物を提供することと、
還元剤を含む第1の脱色液、及び酸化剤を含む第2の脱色液を提供することと、
前記第1の脱色液及び前記第2の脱色液のうちの一方で前記染料の一部の脱色を行い、且つ前記第1の脱色液及び前記第2の脱色液のうちの他方で前記染料の他の一部の脱色を行うことにより前記染料の色を除去することによって、前記ポリエステル織物を白色にし、且つ前記ポリエステル織物に第1のL値を超える第2のL値を与える、脱色処理を行うことと、
を含み、
前記第1の脱色液は、前記還元剤を含む水溶液であり、前記第1の脱色液において、前記還元剤の含有量は、0.05wt%~5.00wt%であり、且つ前記第1の脱色液は、前記染料の一部の脱色において135℃~180℃で液相となるように維持され、
前記脱色処理において、前記第1の脱色液が第1の脱色温度に加熱されることにより、前記ポリエステル織物に対して洗濯及び脱色が行われ、前記第1の脱色温度は、135℃~180℃であり、
前記第1の脱色液の前記第1の脱色温度が前記ポリエステル織物の前記ガラス転移温度より高く、前記第1の脱色液が、前記染料の一部の脱色において液相となるように維持されることを特徴とする、ポリエステル織物の脱色方法。
【請求項2】
前記第2の脱色液は、前記酸化剤を含む水溶液であり、
前記脱色処理において、前記第1の脱色液は、前記染料の一部に対して還元反応を行い、前記第2の脱色液は、前記染料の他の一部に対して酸化反応を行い、
前記第1の脱色液及び前記第2の脱色液を用いて異なる脱色ステップで交互に脱色を行うことによって、前記染料の色が完全に除去される、請求項1に記載のポリエステル織物の脱色方法。
【請求項3】
前記第1の脱色液における前記還元剤は、チオ硫酸ナトリウム、亜ジチオン酸ナトリウム、ロンガリット、二酸化チオ尿素、次亜リン酸ナトリウム、水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウム、塩化スズ(II)、及びヒドラジンからなる群から選択される少なくとも1つであり、
前記第2の脱色液における前記酸化剤は、過酸化水素、オゾン、硝酸、硝酸塩、過マンガン酸カリウム、塩素酸ナトリウム、塩素酸カルシウム、塩素酸塩、過塩素酸塩、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸塩、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸塩、重クロム酸ナトリウム及び重クロム酸塩からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項2に記載のポリエステル織物の脱色方法。
【請求項4】
前記第2の脱色液において、前記酸化剤の含有量は、0.05wt%~5.00wt%であり、且つ前記第2の脱色液は、前記染料の一部の脱色において80℃~180℃で液相となるように維持される、請求項2に記載のポリエステル織物の脱色方法。
【請求項5】
前記第2の脱色液が第2の脱色温度に加熱されることにより前記ポリエステル織物に対して洗濯及び脱色が行われ、前記第2の脱色温度は、80℃~180℃であり、
前記第2の脱色液の前記第2の脱色温度が前記ポリエステル織物の前記ガラス転移温度より高く、前記第2の脱色液が、前記染料の一部の脱色において液相となるように維持され、
前記ポリエステル織物の前記ガラス転移温度は、90℃未満である、請求項4に記載のポリエステル織物の脱色方法。
【請求項6】
前記脱色処理において、前記ポリエステル織物に含まれる前記染料の一部は、前記第1の脱色液及び前記第2の脱色液に溶解されることによって前記ポリエステル織物から除去され、且つ、前記染料が前記酸化反応及び前記還元反応を受けることにより前記染料の分子構造が安定となり、それによって前記染料の色が除去されて無色となる、請求項5に記載のポリエステル織物の脱色方法。
【請求項7】
前記第1の脱色液は、水溶液であり有機溶剤を含有しないか、若しくは10wt%以下の有機溶剤を含有し、
前記第2の脱色液は、水溶液であり有機溶剤を含有しないか、若しくは10wt%以下の有機溶剤を含有し、
前記脱色処理において、前記ポリエステル織物の固有粘度が低下するが、低下幅は10%未満である、請求項2に記載のポリエステル織物の脱色方法。
【請求項8】
前記脱色処理において、前記第1の脱色液又は前記第2の脱色液の重量は、前記ポリエステル織物の重量の5倍~100倍であり、且つ前記第1の脱色液又は前記第2の脱色液の前記ポリエステル織物に対する洗濯時間は、0.2時間~6.0時間である、請求項2に記載のポリエステル織物の脱色方法。
【請求項9】
染色された前記ポリエステル織物の前記第1のL値は、40以下であり、且つ前記ポリエステル織物は、前記脱色処理を行った後に、70以上の前記第2のL値を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載のポリエステル織物の脱色方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱色方法に関し、特に、ポリエステル織物の脱色方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、ポリエステル織物の材料自体は白色である。ポリエステル織物に他の色(例えば、赤色、黄色、青色、緑色及び黒色)を与えることによって、製品の販売可能性を高めるため、ポリエステル織物には例えば、染色・仕上げで染料を含ませることにより、他の色が付与される。
【0003】
使用済みのポリエステル織物が廃棄された後、ポリエステル織物に含まれている染料は、除去・脱色される必要があり、それによって、ポリエステル織物の回収・再利用が可能になる。
【0004】
従来の技術において、ポリエステル織物に含まれている染料を除去する方法として、有機溶剤を用いて高温で染料を抽出することによって、染料をポリエステル織物から除去する方法が利用されている。しかしながら、上述した有機溶剤を用いて染料を除去する方法は、ポリエステル織物の固有粘度(intrinsic viscosity,IV値)が大幅に低減するので、ポリエステル織物の品質が低下し、回収・再利用にとって不利となる。
【0005】
なお、染料を抽出するための有機溶剤は、使用された後に精製・回収される必要があるため、有機溶剤の回収コストが増加する。更に説明すると、前記有機溶剤は通常、可燃性や爆発などの危険性を有するため、有機溶剤を用いる装置及び環境は、防爆グレードを達する必要がある。このように、安全装置と環境を構築するコスト、及び回収作業にかかるエネルギーが増大することとなる。
【0006】
米国特許公告第7,959,807号には、染色されたポリエステル織物から有用成分を回収する方法が開示されている。この有用成分の回収方法は、高い染料除去効率を有し、回収されたポリエステル織物が白色を呈するが、この方法では、使用済の有機溶剤を回収する必要があり、且つポリエステル織物のIV値が大幅に低下するので、ポリエステル織物の回収品質及びコストに影響する。
【0007】
台湾特許第I481762号には、染色されたポリエステル織物の脱色方法が開示されている。この脱色方法では、溶剤の蒸発ガスで染料を抽出するが、エネルギー消費量が高い。また、この方法を採用する場合、ポリエステル織物のIV値も大幅に低下するので、ポリエステル織物の回収品質が劣化する問題を有する。
【0008】
そこで、本発明者は、上述した問題が改善可能であることに鑑みて、鋭意研究を行い学理を併せて運用した結果、設計が合理的で且つ前記問題を効果的に改善することができる方法として本発明に至った。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】米国特許公告第7,959,807号
【文献】台湾特許第I481762号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明が解決しようとする技術の課題は、従来技術の不足に対し、ポリエステル織物の脱色方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の技術的課題を解決するために採用する一つの技術的手段として、本発明は、ポリエステル織物の脱色方法を提供する。ポリエステル織物の脱色方法は、第1のL値を有し且つ染料を含むことで染色されたポリエステル織物を提供することと、還元剤を含む第1の脱色液、及び酸化剤を含む第2の脱色液を提供することと、前記第1の脱色液及び前記第2の脱色液のうちの一方で前記染料の一部の脱色を行い、且つ前記第1の脱色液及び前記第2の脱色液のうちの他方で前記染料の他の一部の脱色を行うことにより前記染料の色を除去することによって、前記ポリエステル織物を白色にし、且つ前記ポリエステル織物に第1のL値を超える第2のL値を与える、脱色処理を行うことと、を含む。
【0012】
好ましくは、前記第1の脱色液は、前記還元剤を含む水溶液であり、且つ前記第2の脱色液は、前記酸化剤を含む水溶液であり、なかでも、前記脱色処理において、前記第1の脱色液は、前記染料の一部に対して還元反応を行い、前記第2の脱色液は、前記染料の他の一部に対して酸化反応を行い、なかでも、前記第1の脱色液及び前記第2の脱色液を用いて異なる脱色ステップで交互に脱色を行うことによって、前記染料の色が完全に除去される。
【0013】
好ましくは、前記第1の脱色液における前記還元剤は、チオ硫酸ナトリウム、亜ジチオン酸ナトリウム、ロンガリット、二酸化チオ尿素、次亜リン酸ナトリウム、水素、水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウム、塩化スズ(II)、亜鉛、一酸化炭素、及びヒドラジンからなる群から選択される少なくとも1つである。なかでも、前記第2の脱色液における前記酸化剤は、過酸化水素、オゾン、硝酸、硝酸塩、過マンガン酸カリウム、塩素酸ナトリウム、塩素酸カルシウム、塩素酸塩、過塩素酸塩、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸塩、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸塩、重クロム酸ナトリウム及び重クロム酸塩からなる群から選択される少なくとも1つである。
【0014】
好ましくは、前記第1の脱色液において、前記還元剤の含有量は、0.05wt%~5.00wt%であり、且つ前記第1の脱色液は、80℃~180℃で前記ポリエステル織物に脱色を行い、なかでも、前記第2の脱色液において、前記酸化剤の含有量は、0.05wt%~5.00wt%であり、且つ前記第2の脱色液は、80℃~180℃で前記ポリエステル織物に脱色を行う。
【0015】
好ましくは、前記ポリエステル織物は、ガラス転移温度(glass transition temperature,Tg)を有し、なかでも、前記脱色処理において、前記第1の脱色液が第1の脱色温度に加熱されることにより前記ポリエステル織物に対して洗濯及び脱色が行われ、前記第1の脱色温度は、80℃~180℃であり、前記第1の脱色液の前記第1の脱色温度が前記ポリエステル織物の前記ガラス転移温度より高いことにより、脱色効果が加速される。
【0016】
好ましくは、前記第2の脱色液が第2の脱色温度に加熱されることにより前記ポリエステル織物に対して洗濯及び脱色が行われ、前記第2の脱色温度は、80℃~180℃であり、前記第2の脱色液の前記第2の脱色温度が前記ポリエステル織物の前記ガラス転移温度より高く、前記第2の脱色液は、80℃~180℃の前記第2の脱色温度で前記ポリエステル織物に脱色を行う。
【0017】
好ましくは、前記脱色処理において、前記ポリエステル織物に含まれている前記染料の一部は、前記第1の脱色液及び前記第2の脱色液に溶解されることによって前記ポリエステル織物から除去され、且つ前記染料の他の一部は、前記第1の脱色液及び/又は前記第2の脱色液により染料の発色団が除去されることによって、脱色効果が達成される。
【0018】
好ましくは、前記第1の脱色液は、有機溶剤を含有しないか、若しくは微量の有機溶剤のみ含有し、且つ前記第2の脱色液は、有機溶剤を含有しないか、若しくは微量の有機溶剤のみ含有し、なかでも、前記脱色処理において、前記ポリエステル織物の固有粘度が低下するが低下幅は10%未満であり、なかでも、前記第1の脱色液に含まれる有機溶剤の濃度は、10wt%以下である。
【0019】
好ましくは、前記脱色処理において、前記第1の脱色液又は前記第2の脱色液の重量は、前記ポリエステル織物の重量の5~100倍であり、且つ前記第1の脱色液又は前記第2の脱色液の前記ポリエステル織物に対する洗濯時間は、0.2時間~6.0時間である。
【0020】
好ましくは、染色された前記ポリエステル織物の前記第1のL値は、40以下であり、且つ前記ポリエステル織物は、前記脱色処理を行った後に、70以上の前記第2のL値を有する。
【発明の効果】
【0021】
本発明の有利な効果として、本発明に係るポリエステル織物の脱色方法は、「第1のL値を有し且つ染料を含むことで染色されたポリエステル織物を提供する」、「還元剤を含む第1の脱色液及び酸化剤を含む第2の脱色液を提供する」及び「前記第1の脱色液及び前記第2の脱色液のうちの一方で前記染料の一部の脱色を行い、且つ前記第1の脱色液及び前記第2の脱色液のうちの他方で染料の他の一部の脱色を行うことにより前記染料の色を除去することによって、前記ポリエステル織物を白色にし且つ前記ポリエステル織物に第1のL値を超える第2のL値を与える、脱色処理」といった技術特徴により、ポリエステル織物が脱色された後でも品質が維持され、回収及び再利用にとって有利である。
【0022】
また、本発明に係るポリエステル織物の脱色方法は、水溶液系で脱色を行うため、有機溶剤を回収する必要がない。なお、本発明に係るポリエステル織物の脱色方法は、安全性が高く、且つエネルギーのコストが低い、との利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施形態に係るポリエステル織物の脱色方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の特徴及び技術内容がより一層分かるように、以下の本発明に関する詳細な説明と添付図面を参照されたい。しかし、提供される添付図面は参考と説明のために提供するものに過ぎず、本発明の請求の範囲を制限するためのものではない。
【0025】
以下、所定の具体的な実施態様を説明する。当業者は、本明細書に開示された内容に基づいて本発明の利点と効果を理解することができる。本発明は、他の異なる具体的な実施態様によって実行または適用でき、本明細書における各細部についても、異なる観点と用途に基づいて、本発明の構想から逸脱しない限り、各種の修正と変更を行うことができる。また、事前に説明するように、本発明の添付図面は、簡単な模式的説明であり、実際のサイズに基づいて描かれたものではない。以下の実施形態に基づいて本発明に係る技術内容を更に詳細に説明するが、開示される内容によって本発明の保護範囲が制限されることはない。
【0026】
理解すべきことは、本明細書では、「第1」、「第2」、「第3」といった用語を用いて各種の素子又は信号を叙述することがあるが、これらの素子又は信号は、これらの用語によって制限されるものではない。これらの用語は主に、1つの素子と他の1つの素子、又は1つの信号と他の1つの信号を区別するためのものである。また、本明細書において使用される「または」という用語は、実際の状況に応じて、関連して挙げられる項目におけるいずれか1つ又は複数の組み合わせを含むことがある。
【0027】
[ポリエステル織物の脱色方法]
説明すべきことは、通常、ポリエステル織物の材料自体は白色である。ポリエステル織物に他の色(例えば、赤色、黄色、青色、緑色及び黒色)を与えることによって、製品の販売可能性が増大する。ポリエステル織物は例えば、染色・仕上げで染料が含められることにより、他の色が付与される。
【0028】
使用済みのポリエステル織物が廃棄された後、ポリエステル織物に含まれている染料は、除去・脱色される必要があり、それによって、ポリエステル織物は、回収・再利用可能になる。
【0029】
従来の技術において、ポリエステル織物に含まれている染料を除去する方法として、有機溶剤を用いて高温で染料を抽出することにより、染料をポリエステル織物から除去する方法が利用されている。しかしながら、上述した有機溶剤を用いて染料を除去する方法は、ポリエステル織物の固有粘度(intrinsic viscosity,IV値)を大幅に低減し且つ品質を劣化させるため、ポリエステル織物の品質が低下し、回収・再利用に不利になる。
【0030】
なお、染料を抽出するための有機溶剤は、使用された後に精製・回収される必要があるため、有機溶剤の回収コストが増加する。更に説明すると、前記有機溶剤は通常、可燃性や爆発などの危険性を有するため、有機溶剤を用いる装置及び環境は、防爆グレードを達する必要がある。このように、安全装置と環境を構築するコスト、及び回収作業にかかるエネルギーが増大することとなる。
【0031】
上記の技術的課題を解決するために、図1に示すように、本発明に係る実施形態において、ポリエステル織物の脱色方法を提供する。前記ポリエステル織物の脱色方法によって、ポリエステル織物に対して効果的に脱色を施して、ポリエステル織物を白色にすることができる。前記ポリエステル織物の脱色方法は、工程S110、工程S120、工程S130、工程S140及び工程S150を含む。説明すべきことは、本実施形態に記載された各工程の順及び実際的な操作方法は、必要に応じて調整することができ、本発明は本実施形態に制限されるものではない。
【0032】
全体として、前記ポリエステル織物に含まれている前記染料の一部は、前記第1の脱色液及び前記第2の脱色液に溶解されることによって、前記ポリエステル織物から除去される。そして、通常、染料の分子構造は不安定な構造であることによって、染料が色を有する。本発明の実施形態に係るポリエステル織物の脱色方法は、前記染料の一部を前記第1の脱色液及び前記第2の脱色液に溶解させり、且つ染料に酸化反応及び還元反応を受けさせて、染料の分子構造が安定化されることで、染料の色が除去され無色となる。なお、ポリエステル織物を浸漬・洗濯する温度は、ポリエステル織物のガラス転移温度より高く、還元剤を含む水溶液及び酸化剤を含む水溶液により、交互に浸漬・洗濯を行うことによって、染料が脱色される。
【0033】
なお、浸漬・洗濯の過程において、浸漬・洗濯の温度は、ポリエステル織物のガラス転移温度を超えるため、ポリエステル織物に付いた染料が、水溶液に溶解されることによって、染料が除去される。なお、本発明の実施形態において、脱色に用いる液体は水溶液であるため、ポリエステル織物の固有粘度の低下幅が少なく(例えば、10%未満である)、品質の劣化程度も少なくなる。更に説明すると、前記水溶液における還元剤の濃度は、5wt%未満であり、且つ前記水溶液の酸化剤の濃度は、5wt%未満であることから、コストが低いとの利点を有する。
【0034】
従来の有機溶剤でポリエステル織物に含まれている染料を抽出する技術と比較して、本発明の実施形態で得たポリエステル織物は、高品質、高安全性、及び低コストなどの利点を有することから、再生ポリエステル織物の応用分野が広がり得る。以下にて、本発明の実施形態に係るポリエステル織物の脱色方法における各工程を説明する。
【0035】
前記工程S110は、ポリエステル織物を提供することを含む。なかでも、前記ポリエステル織物は、回収され且つ染色されたポリエステル織物であり、且つ前記ポリエステル織物に染料(dye)が含まれていることによって、第1のL値を有する。
【0036】
より具体的に説明すると、例えば、前記ポリエステル織物の表面には、染料による染色によって、色(例えば、赤色、黄色、青色、緑色及び黒色など)が与えられている。また、前記染料は主に、ポリエステル織物の繊維構造(特に、繊維構造のアモルファス領域)に含まれている。前記染料は例えば、天然染料及び合成染料の少なくとも1つであってもよく、若しくは、前記染料は例えば、物理染料及び化学染料の少なくとも1つであってもよい。本発明の一つの実施形態において、前記ポリエステル織物は例えば、撥水剤の処理によって撥水性を備えているが、本発明はこれに制限されるものではない。
【0037】
本発明の一つの実施形態において、染色されたポリエステル織物は、0超え40以下の前記第1のL値を有する。即ち、前記染色されたポリエステル織物は、比較的に深い色を有するが、本発明はこれに制限されるものではない。説明すべきことは、前記L値は、Lab色空間(Lab color space)における明度(若しくは色の白色度)を示すパラメータである。
【0038】
ポリエステル織物に含まれている染料を効果的に脱色するために、本実施形態に係るポリエステル織物の脱色方法は、以下の工程により実現される。
【0039】
前記工程S120は、第1の脱色液及び第2の脱色液を提供することを含む。なかでも、前記第1の脱色液は、還元剤(reducing agent)を含むと共に、前記第2の脱色液は、酸化剤(oxidizing agent)を含む。
【0040】
脱色のプロセスにおける安全性及びポリエステル織物の品質を維持するために、本発明の一つの実施形態において、前記第1の脱色液は、前記還元剤を含む水溶液(aqueous solution containing the reducing agent)であり、且つ前記第2の脱色液は、前記酸化剤を含む水溶液(aqueous solution containing the oxidizing agent)である。
【0041】
なお、前記第1の脱色液は水溶液であり、且つ前記第2の脱色液も水溶液である。即ち、前記第1の脱色液及び第2の脱色液はいずれも、純粋な水溶液系であるが、本発明はこれに制限されるものではない。それによって、ポリエステル織物の脱色過程において、可燃性や爆発などの安全性問題を起こしにくいと共に、ポリエステルの固有粘度が大幅に低下することはない。
【0042】
前記第1の脱色液における前記還元剤は、チオ硫酸ナトリウム(sodium thiosulfate)、亜ジチオン酸ナトリウム(sodium dithionite)、ロンガリット(sodium hydroxy-methane-sulfinate)、二酸化チオ尿素、次亜リン酸ナトリウム、水素、水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウム、塩化スズ(II)(Tin(II) chloride)、亜鉛、一酸化炭素、及びヒドラジンからなる群から選択される少なくとも1つであるが、本発明はこれに制限されるものではない。前記還元剤は、染料を還元反応させて脱色させることができれば、本願に係る還元剤の範囲に含まれ、本発明の保護の範囲に含まれる。
【0043】
前記第2の脱色液における前記酸化剤は、過酸化水素(hydrogen peroxide)、オゾン、硝酸、硝酸塩、過マンガン酸カリウム(potassium permanganate)、塩素酸ナトリウム(sodium chlorate)、塩素酸カルシウム、塩素酸塩、過塩素酸塩、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸塩、過ホウ酸ナトリウム(sodium perborate)、過ホウ酸ナトリウム塩、重クロム酸ナトリウム(sodium dichromate)及び重クロム酸塩からなる群から選択される少なくとも1つであるが、本発明はこれに制限されるものではない。前記酸化剤は、染料を酸化反応させて脱色させることができれば、本願に係る酸化剤の範囲に含まれ、本発明の保護の範囲に含まれる。
【0044】
特筆すべきことは、通常、ポリエステル織物に含まれている染料は、酸化剤のみ又は還元剤のみでは完全に脱色され得ない。このように、本発明の実施形態に係るポリエステル織物の脱色方法は、還元剤を含む第1の脱色液及び酸化剤を含む第2の脱色液の両方を用いて、染料に対して脱色をそれぞれ行うことで、ポリエステル織物に含まれている染料が完全に脱色され得る。
【0045】
前記第1の脱色液において、前記還元剤の含有量は、0.05wt%~5.00wt%であり、好ましくは0.10wt%~2.00wt%である。また、前記第2の脱色液において、前記還元剤の含有量は、0.05wt%~5.00wt%であり、好ましくは0.10wt%~2.00wt%であるが、本発明はこれに制限されるものではない。
【0046】
特筆すべきことは、還元剤及び酸化剤の含有量が、前記含有量の範囲に含まれていると、第1の脱色液及び第2の脱色液はそれぞれ、染料を効果的に脱色させることができる。還元剤又は酸化剤の含有量が、前記含有量の下限値未満(例えば、0.05wt%未満)であると、第1の脱色液又は第2の脱色液は、染料を効果的に脱色することができない。還元剤又は酸化剤の含有量が、前記含有量の上限値を超える(例えば、5.00wt%を超える)と、材料の無駄や添加剤の溶解不良の原因になる。
【0047】
前記第1の脱色液の温度は、80℃~180℃となるように制御され、好ましくは、90℃~160℃となるように制御される。前記第2の脱色液の温度は、80℃~180℃となるように制御され、好ましくは、90℃~160℃となるように制御される。
【0048】
特筆すべきことは、前記第1の脱色液又は前記第2の脱色液がいずれも、液相で脱色されることによって、前記第1の脱色液又は前記第2の脱色液が、高温且つ液体の形式で染料の脱色を行うことにより、染料の脱色効率が高められる。
【0049】
前記第1脱色液又は第2の脱色液は、液相中で脱色を行うことができ、水溶液は、還元剤及び酸化剤などの物質を含む。若しくは、本発明の一つの実施形態において、前記第1脱色液又は第2の脱色液は、高圧環境(例えば、1~11bar)で操作されることにより、水溶液が液相になるように維持される。
【0050】
前記工程S130は、前記第1の脱色液及び前記第2の脱色液のうちの一方で前記染料の一部の脱色を行い、且つ前記第1の脱色液及び前記第2の脱色液のうちの他方で染料の他の一部の脱色を行うことにより前記染料の色を完全に除去することによって、前記ポリエステル織物を白色にし、且つ前記ポリエステル織物に第1のL値を超える第2のL値を与える、脱色処理(color removal operation)を行うことを含む。
【0051】
本発明の一つの実施形態において、脱色処理を行った後に、前記ポリエステル織物の前記第2のL値は、70以上であり、75以上であることが好ましく、80以上であることが特に好ましい。
【0052】
更に説明すると、前記第1の脱色液は還元剤を含み、且つ前記第2の脱色液は酸化剤を含む。前記脱色処理において、前記第1の脱色液は、前記染料の一部に還元反応を受けさせ、且つ前記第2の脱色液は、前記染料の他の一部に酸化反応を受けさせる。
【0053】
特筆すべきことは、還元剤と酸化剤とを混合する場合には、放熱反応を起こすため、危険性を有し、且つ染料の脱色効果が不良となる。このように、本発明の一つの好ましい実施形態において、前記第1の脱色液及び前記第2の脱色液をそれぞれ、異なる脱色ステップで前記染料に対して脱色を行わせることによって、前記染料の色が完全に除去される。
【0054】
また、前記脱色処理は、第1脱色液を用いる染料に対する脱色ステップと、第2脱色液を用いる染料に対する脱色ステップとの間に、ポリエステル織物に残留する還元剤又は酸化剤を洗うための水洗ステップを更に含んでもよく、それによって、後の脱色ステップの進行に有利となるが、本発明はこれに制限されるものではない。
【0055】
更に説明すると、前記ポリエステル織物は、ガラス転移温度(glass transition temperature,Tg)を有する。
【0056】
前記脱色処理において、前記第1の脱色液を、第1の脱色温度(若しくは、還元洗濯温度とも称す)に加熱して、前記ポリエステル織物の洗濯及び脱色を行う。なかでも、前記第1の脱色液の第1の脱色温度は、80℃~180℃であり、好ましくは、90℃~160℃である。なお、前記第1の脱色液の第1の脱色温度は、前記ポリエステル織物のガラス転移温度を超え、且つ前記第1の脱色液は液相となるように構成される。それによって、前記第1脱色液の、ポリエステル織物に含まれる染料に対する脱色効率は、効果的に向上する。
【0057】
更に説明すると、前記第2脱色液を、第2の脱色温度(若しくは、酸化洗濯温度とも称す)に加熱して、前記ポリエステル織物の洗濯及び脱色を行う。なかでも、前記第2の脱色液の第2の脱色温度は、80℃~180℃であり、好ましくは、90℃~160℃である。なお、前記第2脱色液の第2の脱色温度は、前記ポリエステル織物のガラス転移温度を超え、且つ前記第2の脱色液は、液相となるように維持される。それによって、前記第2の脱色液の、ポリエステル織物に含まれる染料に対する脱色効率は、効果的に向上する。
【0058】
本発明の一つの実施形態において、前記ポリエステル織物のガラス転移温度は、70℃~95℃である(例えば、75℃)。
【0059】
前記第1の脱色液及び第2の脱色液を、いずれも、ポリエステル織物のガラス転移温度より高く且つ液体の沸点未満の温度に加熱した上で脱色処理を行うため、ポリエステル織物に含まれる染料の一部は、第1の脱色液及び第2の脱色液に溶解されることによって前記ポリエステル織物から除去される。
【0060】
特筆すべきことは、前記第1の脱色液及び第2の脱色液はいずれも、水溶液且つ有機溶剤を含まないため、前記ポリエステル織物の固有粘度は、脱色処理において大幅に低下することはない。本発明の一つの実施形態において、前記ポリエステル織物は、前記脱色処理での固有粘度の低下幅は、20%以下であることが好ましく、10%以下であることが特に好ましい。
【0061】
更に説明すると、本発明の一つの実施形態において、前記第1の脱色液又は前記第2の脱色液の重量は、前記ポリエステル織物の重量の5~100倍であり、好ましくは、10~50倍である。本発明の一つの実施形態において、前記第1の脱色液又は前記第2の脱色液の、前記ポリエステル織物に対する洗濯時間は、0.2~6.0時間であり、0.5~4時間であることは好ましい。本発明の一つの実施形態において、前記第1の脱色液又は前記第2の脱色液の前記ポリエステル織物に対する脱色回数は、1~6回であり、好ましくは、2~5回である。特筆すべきことは、毎回の脱色処理では、真新しく且つ使用されなかった脱色液を用いて染料の脱色を行うが、本発明はこれに制限されるものではない。
【0062】
上述した構成により、本発明の実施形態に係るポリエステル織物の脱色方法では、脱色の過程において、ポリエステル織物の固有粘度が大幅に低下することがない。このように、脱色されたポリエステル織物の品質が維持されることによって、回収・再利用に有利となる。
【0063】
なお、本発明に係るポリエステル織物の脱色方法は、水溶液系で脱色を行うため、有機溶剤を回収する必要がない。なお、本発明に係るポリエステル織物の脱色方法は、安全性が高く、且つエネルギーのコストが低い、との利点を有する。
【0064】
前記工程S140は、フィルターで脱色液及びポリエステル織物に対するろ過を行うことによって、前記脱色液とポリエステル織物とを分離する、ろ過処理(filtering operation)を含む。
【0065】
なかでも、前記ろ過処理において、前記フィルターの孔径は通常は、3cm以下であり、2cm以下であることが好ましく、1cm以下であることが特に好ましい。それによって、前記脱色液(第1の脱色液又は第2の脱色液)とポリエステル織物とを、効果的に分離することができる。
【0066】
前記工程S150は、前記ポリエステル織物を乾燥することによって、前記ポリエステル織物に残留する脱色液(第1の脱色液又は第2の脱色液)を更に除去する、乾燥処理(drying operation)を行うことを含む。
【0067】
なかでも、前記乾燥処理は例えば、ポリエステル織物をオーブンで乾燥させるか、もしくは、ポリエステル織物を乾燥環境において自然乾燥させてもよい。
【0068】
上述した構成により、脱色された前記ポリエステル織物のL値は、70以上であり、75以上であることが好ましく、80以上であることが特に好ましい。なお、脱色された前記ポリエステル織物のa値は、-5~5であり、脱色された前記ポリエステル織物のb値は、-10~10である。
【0069】
説明すべきことは、Lab色空間(Lab color space)は補色空間の一種で、明度(色の白色度とも称す)を意味する次元Lと補色次元のa及びbを持ち、CIE XYZ色空間の座標を非線形に圧縮したものに基づいている。
【実施例
【0070】
[実験データ及び測定結果]
本発明に係るポリエステル織物の脱色方法は、無色且つ固有粘度の低下幅が20%以下である、との技術効果を達することを証明するため、以下にて、実施例1~3と比較例1~3との比較により説明する。
【0071】
実施例1:
PET織物10g(L値=35%、固有粘度=0.610)を1L耐圧反応槽に投入し、水500mL、チオ硫酸ナトリウム3gを添加して、135℃の温度で1hr撹拌した後に、60℃に冷却して、水溶液を排出した。その後、水500mL、過酸化水素3gを添加して、135℃の温度で1hr撹拌した後に、60℃に冷却して、水溶液を排出した。水300mLでPET織物を洗濯した後に、遠心分離で水を除去し、且つ乾燥することによって、L=71%、固有粘度=0.604のPET織物を得た。
【0072】
実施例2:
実施例1において、チオ硫酸ナトリウムの使用量(重量)を5gに、過酸化水素の使用量(重量)を5gに変更した以外は、実施例1と同様にする。得たPET織物のL=75%、固有粘度=0.597。
【0073】
実施例3:
実施例1において、温度を145℃に変更した以外は、実施例1と同様にする。得たPET織物のL=73%、固有粘度=0.593。
【0074】
比較例1:
PET織物10g(L値=35%、固有粘度=0.610)を1L耐圧反応槽に投入し、トルエン(Toluene)500mLを添加して、105℃の温度、1barの圧力で2hr撹拌させた後に、30℃に冷却させて、トルエン溶液を排出した。その後、アセトン500mLでPET織物を洗濯した後に、水50000mLでPET織物を洗濯した後に、遠心分離で水を除去し、且つ乾燥することによって、L=73%、固有粘度=0.544のPET織物を得た。
【0075】
比較例2:
比較例1において、トルエンの代わりに、キシレンを用いたと共に、温度を105℃から125℃に変更した以外は、比較例1と同様にする。得たPET織物のL=75%、固有粘度=0.532。
【0076】
比較例3:
比較例1において、トルエンの代わりに、エチレングリコールを用いたと共に、温度を105℃から145℃に変更した以外は、比較例1と同様にする。得たPET織物のL=74%、固有粘度=0.516。
【0077】
[実施形態による有利な効果]
本発明の有利な効果として、本発明に係るポリエステル織物の脱色方法は、「第1のL値を有し且つ染料を含むことで染色されたポリエステル織物を提供する」、「還元剤を含む第1の脱色液及び酸化剤を含む第2の脱色液を提供する」及び「前記第1の脱色液及び前記第2の脱色液のうちの一方で前記染料の一部の脱色を行い、且つ前記第1の脱色液及び前記第2の脱色液のうちの他方で染料の他の一部の脱色を行うことにより前記染料の色を除去することによって、前記ポリエステル織物を白色にし且つ前記ポリエステル織物に第1のL値を超える第2のL値を与える、脱色処理」といった技術特徴により、ポリエステル織物が脱色された後でも品質が維持され、回収及び再利用にとって有利となる。また、本発明に係るポリエステル織物の脱色方法は、水溶液系で脱色を行うため、有機溶剤を回収する必要がない。なお、本発明に係るポリエステル織物の脱色方法は、安全性が高く、且つエネルギーのコストが低い、との利点を有する。
【0078】
以上に開示された内容は、ただ本発明の好ましい実行可能な実施態様であり、本発明の請求の範囲はこれに制限されない。そのため、本発明の明細書及び図面内容を利用して成される全ての等価な技術変更は、いずれも本発明の請求の範囲に含まれる。
図1