(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/38 20120101AFI20240228BHJP
【FI】
G06Q20/38 310
(21)【出願番号】P 2022131097
(22)【出願日】2022-08-19
(62)【分割の表示】P 2022058026の分割
【原出願日】2022-03-31
【審査請求日】2022-08-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】松村 敏幸
(72)【発明者】
【氏名】下平 正人
(72)【発明者】
【氏名】江田 哲平
【審査官】木村 大吾
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-2365689(KR,B1)
【文献】特開2018-195177(JP,A)
【文献】特開2018-192238(JP,A)
【文献】特開2018-125003(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の体験ユーザが仮想現実空間上で第1のコンテンツを体験した時の仮想現実空間の環境を再現する追体験コンテンツを、第2のユーザのユーザデバイスへ配信する制御部を備え、
前記追体験コンテンツに関する第1の非代替性トークンがブロックチェーン上に記録され、
前記追体験コンテンツが前記第2のユーザのユーザデバイスへ配信される場合に、前記ブロックチェーン上において前記第1の非代替性トークンを前記第2のユーザに関連付けさせる、
情報処理装置。
【請求項2】
前記追体験コンテンツが再現する仮想現実空間の環境は、前記第1のコンテンツを体験する前記第1の体験ユーザが前記第1の体験ユーザのユーザデバイスを使用して行った仮想現実空間に関する操作によって制御された環境の変化の内容を含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記追体験コンテンツが再現する仮想現実空間の環境は、仮想現実空間上への前記第1の体験ユーザのアバターの表示及び前記第1の体験ユーザの前記操作によって制御された前記第1の体験ユーザのアバターの動作を含む、
請求項
2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記追体験コンテンツが再現する仮想現実空間の環境は、前記第1の体験ユーザのアバターが仮想現実空間上に表示されない場合に、前記第1の体験ユーザが前記第1の体験ユーザのユーザデバイスで前記第1のコンテンツを体験した時の前記第1の体験ユーザの見え方を含む、
請求項
2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記追体験コンテンツに対して仮想現実空間上に前記第2のユーザのアバターを表示させる、
請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記追体験コンテンツに対して、前記第2のユーザが前記第2のユーザのユーザデバイスを使用して行った仮想現実空間に関する操作によって制御された環境の変化を反映させる、
請求項
1又は
5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記追体験コンテンツは、前記第1の体験ユーザの前記第1のコンテンツの体験時の反応を再現するユーザ反応再現データを含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記ユーザ反応再現データは、前記第1の体験ユーザが前記第1のコンテンツを体験した時に前記第1の体験ユーザが発生した音声を再現するデータである、
請求項
7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
第1の体験ユーザが仮想現実空間上で第1のコンテンツを体験した時の仮想現実空間の環境を再現する追体験コンテンツを生成する生成部と、
前記追体験コンテンツに関する第1の非代替性トークンを前記第1の体験ユーザに関連付けてブロックチェーン上に記録させる制御部と、を備え、
前記追体験コンテンツに対して、第2の体験ユーザが仮想現実空間上で前記第1のコンテンツ及び前記追体験コンテンツによって再現される仮想現実空間の環境を体験している時に、前記第2の体験ユーザが前記第2の体験ユーザのユーザデバイスを使用して行った仮想現実空間に関する操作によって制御された環境の変化を反映させる、
情報処理装置。
【請求項10】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
第1の体験ユーザが仮想現実空間上で第1のコンテンツを体験した時の仮想現実空間の環境を再現する追体験コンテンツを、第2のユーザのユーザデバイスへ配信するステップを含み、
前記追体験コンテンツに関する第1の非代替性トークンがブロックチェーン上に記録され、
前記追体験コンテンツが前記第2のユーザのユーザデバイスへ配信される場合に、前記ブロックチェーン上において前記第1の非代替性トークンを前記第2のユーザに関連付けさせる、
情報処理方法。
【請求項11】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
第1の体験ユーザが仮想現実空間上で第1のコンテンツを体験した時の仮想現実空間の環境を再現する追体験コンテンツを生成するステップと、
前記追体験コンテンツに関する第1の非代替性トークンを前記第1の体験ユーザに関連付けてブロックチェーン上に記録させるステップと、
を含み、
前記追体験コンテンツに対して、第2の体験ユーザが仮想現実空間上で前記第1のコンテンツ及び前記追体験コンテンツによって再現される仮想現実空間の環境を体験している時に、前記第2の体験ユーザが前記第2の体験ユーザのユーザデバイスを使用して行った仮想現実空間に関する操作によって制御された環境の変化を反映させる、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ユーザに対して仮想現実(Virtual Reality:VR)の空間(仮想現実空間)のサービス(仮想現実空間サービス)を提供するためのサービスシステムが知られている(例えば、非特許文献1参照)。非特許文献1に記載された技術は、ユーザが保有者になっているNFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)に対応するデジタルコンテンツを仮想現実空間上に展示し、仮想現実空間上に展示されているデジタルコンテンツに対応するNFTを売買するための取引をユーザ間で行うことができるサービスシステムを提供する。
【0003】
NFTは、例えばデジタルアートやゲームアイテムやトレーディングカード等のデジタルコンテンツに対して唯一性や保有者を証明することができるものである。そのNFTを扱うマーケットプレイス(NFTマーケットプレイス)では、NFTを購入したり販売したりすることができるようになっている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】「次世代型NFTマーケットプレイスXANALIA(ザナリア)が日本マーケティングリサーチ機構の調査で3冠を獲得しました!」、株式会社日本マーケティングリサーチ機構、2021年5月14日、インターネット<URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000822.000033417.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、仮想空間上でのユーザの視聴体験は当該ユーザに固有のものであり、他のユーザが同一の体験を共有することはできなかった。もしユーザが仮想空間上での他のユーザの視聴体験を追体験することができれば、仮想現実空間サービスに対するユーザの満足度の向上に寄与することができると考えられる。
【0006】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、ユーザが仮想空間上での他のユーザの視聴体験を追体験することを図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、第1の体験ユーザが仮想現実空間上で第1のコンテンツを体験した時の仮想現実空間の環境を再現する追体験コンテンツを生成する生成部と、前記追体験コンテンツに関する第1の非代替性トークンを前記第1の体験ユーザに関連付けてブロックチェーン上に記録させる制御部と、を備える、情報処理装置である。
本発明の一態様は、第1の体験ユーザが仮想現実空間上で第1のコンテンツを体験した時の仮想現実空間の環境を再現する追体験コンテンツを、第2のユーザのユーザデバイスへ配信する制御部を備え、前記追体験コンテンツに関する第1の非代替性トークンがブロックチェーン上に記録され、前記追体験コンテンツが前記第2のユーザのユーザデバイスへ配信される場合に、前記ブロックチェーン上において前記第1の非代替性トークンを前記第2のユーザに関連付けさせる、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記追体験コンテンツが再現する仮想現実空間の環境は、前記第1のコンテンツを体験する前記第1の体験ユーザが前記第1の体験ユーザのユーザデバイスを使用して行った仮想現実空間に関する操作によって制御された環境の変化の内容を含む、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記追体験コンテンツが再現する仮想現実空間の環境は、仮想現実空間上への前記第1の体験ユーザのアバターの表示及び前記第1の体験ユーザの前記操作によって制御された前記第1の体験ユーザのアバターの動作を含む、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記追体験コンテンツが再現する仮想現実空間の環境は、前記第1の体験ユーザのアバターが仮想現実空間上に表示されない場合に、前記第1の体験ユーザが前記第1の体験ユーザのユーザデバイスで前記第1のコンテンツを体験した時の前記第1の体験ユーザの見え方を含む、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記追体験コンテンツに対して仮想現実空間上に前記第2のユーザのアバターを表示させる、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記追体験コンテンツに対して、前記第2のユーザが前記第2のユーザのユーザデバイスを使用して行った仮想現実空間に関する操作によって制御された環境の変化を反映させる、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記追体験コンテンツは、前記第1の体験ユーザの前記第1のコンテンツの体験時の反応を再現するユーザ反応再現データを含む、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記ユーザ反応再現データは、前記第1の体験ユーザが前記第1のコンテンツを体験した時に前記第1の体験ユーザが発生した音声を再現するデータである、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記追体験コンテンツに対して、第2の体験ユーザが仮想現実空間上で前記第1のコンテンツ及び前記追体験コンテンツによって再現される仮想現実空間の環境を体験している時に、前記第2の体験ユーザが前記第2の体験ユーザのユーザデバイスを使用して行った仮想現実空間に関する操作によって制御された環境の変化を反映させる、情報処理装置である。
【0008】
本発明の一態様は、情報処理装置が実行する情報処理方法であって、第1の体験ユーザが仮想現実空間上で第1のコンテンツを体験した時の仮想現実空間の環境を再現する追体験コンテンツを生成するステップと、前記追体験コンテンツに関する第1の非代替性トークンを前記第1ユーザに関連付けてブロックチェーン上に記録させるステップと、を含む情報処理方法である。
本発明の一態様は、情報処理装置が実行する情報処理方法であって、第1の体験ユーザが仮想現実空間上で第1のコンテンツを体験した時の仮想現実空間の環境を再現する追体験コンテンツを、第2のユーザのユーザデバイスへ配信するステップを含み、前記追体験コンテンツに関する第1の非代替性トークンがブロックチェーン上に記録され、前記追体験コンテンツが前記第2のユーザのユーザデバイスへ配信される場合に、前記ブロックチェーン上において前記第1の非代替性トークンを前記第2のユーザに関連付けさせる、情報処理方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザが仮想空間上での他のユーザの視聴体験を追体験することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】一実施形態に係る仮想現実空間サービスシステムの構成例を示すブロック図である。
【
図2】一実施形態に係る仮想現実空間サーバ(情報処理装置)の構成例を示すブロック図である。
【
図3】一実施形態に係るユーザ管理テーブルの構成例を示す図である。
【
図4】一実施形態に係る仮想現実履歴データベースの構成例を示す図である。
【
図5】一実施形態に係る情報処理方法の手順の例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1は、一実施形態に係る仮想現実空間サービスシステムの構成例を示すブロック図である。
図1において、仮想現実空間サーバ(情報処理装置)1は、仮想現実空間サービスを提供するための情報処理を実行する。本実施形態では、仮想現実空間サービスとして、ユーザのユーザ識別情報(ユーザID)に関連付けられたオブジェクト(物体)を仮想現実空間上に表示させるサービスを提供する。ユーザIDに関連付けられたオブジェクトは、例えばユーザの分身として仮想現実空間上に表示されるキャラクター(一般に「アバター」と称される)等である。また、仮想現実空間サービスにより、ユーザは、仮想現実空間上の自分のアバターを移動させたり向きを変えたり等の所定の操作を行うことができる。
【0012】
仮想現実空間サーバ1は、インターネット等の通信ネットワークNWを介して、ユーザが使用するデバイス(ユーザデバイス)2(2a,2b)との間でデータを送受する。ユーザデバイス2は、例えばヘッドマウントディスプレー(HMD)である。ヘッドマウントディスプレーは、装着者に対して、コンピューターグラフィックス(CG)により作られた仮想現実空間を、リアルな空間(実空間)のように見せることができる。また、ヘッドマウントディスプレーが備える各種センサーによって動きや傾きなどが検出され、装着者が仮想現実空間上を移動しているように見せたり、仮想現実空間上のオブジェクトを見る方向を変えたりすることができる。ユーザは、ヘッドマウントディスプレーが備える操作部を使用して、仮想現実空間上の自分のアバターを移動させたり向きを変えたり等の所定の操作を行うことができる。ヘッドマウントディスプレーが備える操作部は、例えば、ヘッドマウントディスプレー本体とは別個の装置として構成されるものであって、ヘッドマウントディスプレー本体との間で近距離無線通信を行う。
【0013】
仮想現実空間サーバ1は、通信ネットワークNWを介して、仮想現実履歴データベース7との間でデータを送受する。仮想現実履歴データベース7は、ユーザがユーザデバイス2で視聴した仮想現実空間の履歴のデータ(仮想現実履歴データ)を格納するデータベースである。
仮想現実履歴データは、ユーザがユーザデバイス2で仮想現実空間を視聴した時の仮想現実空間の環境を再現することができるデータである。仮想現実空間の環境は、仮想現実空間上に存在するオブジェクト、仮想現実空間上で上映される動画コンテンツ、及び当該動画コンテンツを視聴するユーザがユーザデバイス2を使用して行う仮想現実空間に関する操作によって制御される環境の変化の内容を含む。当該環境の変化の内容は、例えば、動画コンテンツを視聴するユーザの視点や見る角度等の見え方や、ユーザのアバターの表示の有無や当該アバターの移動や向き等の動作などである。
【0014】
仮想現実空間サーバ1は、通信ネットワークNWを介して、NFT管理システム4との間でデータを送受する。NFT管理システム4は、NFT(非代替性トークン)を管理するための情報処理システムである。NFT管理システム4が管理するNFTは、ブロックチェーン5上で保有者が管理される。ブロックチェーン5には、NFT管理システム4が管理するNFTの来歴が記録されている。このブロックチェーン5によって、NFT管理システム4が管理するNFTの保有者が証明される。
【0015】
ブロックチェーン5には、NFTに関するメタデータが記録される。NFTに関するメタデータは、当該NFTについての、識別子や作成日時や保有者を特定する保有者アドレス(保有者識別情報(保有者ID))や対象物URL等の情報を有する。対象物URLは、NFTが保有者を証明する対象物であるデジタルコンテンツの所在を示すURL(Uniform Resource Locator)である。NFTが保有者を証明する対象物であるデジタルコンテンツは、例えばデジタルアートやゲームアイテムやトレーディングカードやデジタル写真やデジタル音声やデジタルテキストなど、様々である。
【0016】
なお、NFT管理システム4は、NFTマーケットプレイスの機能を有してもよい。NFTマーケットプレイスの機能は、NFTの発行や購入や販売等の流通に関する機能として、例えばNFTの販売情報の提示やNFTの購入依頼及び売却依頼の受付やNFTの代金の決済等である。
【0017】
図2は、本実施形態に係る仮想現実空間サーバ(情報処理装置)の構成例を示すブロック図である。
図2において、仮想現実空間サーバ1は、仮想現実空間処理部10と、制御部11と、NFT取得部12と、記憶部20と、を備える。
【0018】
仮想現実空間サーバ1の各機能は、仮想現実空間サーバ1がCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)及びメモリ等のコンピュータハードウェアを備え、CPUがメモリに格納されたコンピュータプログラムを実行することにより実現される。なお、仮想現実空間サーバ1として、汎用のコンピュータ装置を使用して構成してもよく、又は、専用のハードウェア装置として構成してもよい。例えば、仮想現実空間サーバ1は、インターネット等の通信ネットワークに接続されるサーバコンピュータを使用して構成されてもよい。また、仮想現実空間サーバ1の各機能はクラウドコンピューティングにより実現されてもよい。また、仮想現実空間サーバ1は、単独のコンピュータにより実現するものであってもよく、又は仮想現実空間サーバ1の機能を複数のコンピュータに分散させて実現するものであってもよい。また、仮想現実空間サーバ1として、例えばWWWシステム等を利用してウェブサイトを開設するように構成してもよい。
【0019】
仮想現実空間処理部10は、ユーザに対して仮想現実空間を見せるための仮想現実空間データをコンピューターグラフィックスにより生成する仮想現実空間処理を実行する。仮想現実空間データは、例えばヘッドマウントディスプレーで表示されることにより、コンピューターグラフィックスにより作られた仮想現実空間を装着者に対して実空間のように見せることができるデータである。仮想現実空間データは、仮想現実空間サーバ1からユーザのヘッドマウントディスプレー等のユーザデバイス2へ送信される。
【0020】
なお、仮想現実空間データを生成する情報処理装置(図示せず)を仮想現実空間サーバ1とは別個に設け、仮想現実空間処理部10は、仮想現実空間サーバ1とは別個に設けられた当該情報処理装置から仮想現実空間データを取得してもよい。
【0021】
本実施形態に係る仮想現実空間上には、ユーザのユーザIDに関連付けられたオブジェクトとして例えばアバターが表示される。
【0022】
また本実施形態に係る仮想現実空間上では、動画コンテンツを上映することができる。例えば、スポーツの試合や音楽のコンサートや演劇やお笑いの舞台等の現実の空間(実空間)で行われる現実の催しがライブ配信される場合に、当該ライブ配信されるライブ配信映像(動画コンテンツ)が仮想現実空間上で上映される。例えば、多数のユーザを集めてライブ配信映像を上映するイベント(ライブビューイング)が仮想現実空間上で開催されてもよい。なお、動画コンテンツは、ライブ配信映像に限定されず、例えば映画等の既存の映像であってもよい。
【0023】
ユーザは、ユーザデバイス2を使用して、例えば仮想現実空間上のライブビューイングに参加し、仮想現実空間上で上映されるライブ配信映像を視聴することができる。また、ユーザは、ユーザデバイス2を使用して、仮想現実空間上の自分のアバターを移動させたり向きを変えたり、動画コンテンツを視聴するときの仮想現実空間上の視点を変えたり等の所定の操作(仮想現実空間操作)を行うことができる。
【0024】
制御部11は、動画コンテンツの配信制御や追体験制御等の各種の制御を行う。
【0025】
制御部11は、動画コンテンツの配信制御において、第1ユーザからの動画コンテンツ配信要求に応じて、第1ユーザから指定された第1動画コンテンツを当該第1ユーザのユーザデバイス2aへ配信する。これにより、第1ユーザは、ユーザデバイス2aを使用して、仮想現実空間上で上映される第1動画コンテンツを視聴することができる。
【0026】
制御部11は、追体験制御において、第1ユーザが仮想現実空間上で第1動画コンテンツを視聴したことを第1ユーザとは異なる第2ユーザへ広報する(第1ユーザ視聴広報)。制御部11は、第2ユーザからの第1ユーザ追体験要求(第1動画コンテンツ)に応じて、当該第2ユーザのユーザデバイス2bへ追体験コンテンツを配信する。追体験コンテンツは、第1ユーザのユーザIDに関連付けられた仮想現実履歴データに基づいて第1ユーザの第1動画コンテンツの視聴時の仮想現実空間の環境を再現する動画コンテンツである。これにより、第2ユーザは、ユーザデバイス2bを使用して追体験コンテンツを視聴することにより、第1ユーザが仮想現実空間上で視聴した同じ第1動画コンテンツを第1ユーザが視聴した同じ仮想現実空間の環境において視聴するという追体験を行うことができる。
【0027】
このとき、仮想現実空間処理部10は、第2ユーザのユーザデバイス2bから送信される仮想現実空間操作データ(第2ユーザによる仮想現実空間操作を示すデータ)に基づいて、第2ユーザが追体験コンテンツを視聴する仮想現実空間上の環境を制御する。これにより、第2ユーザが体験コンテンツを視聴する仮想現実空間上の環境が第2ユーザのユーザデバイス2bから送信される仮想現実空間操作データ(第2ユーザによる仮想現実空間操作を示すデータ)に基づいて制御される仮想現実空間データが取得される。当該環境は、例えば、仮想現実空間において第2ユーザが追体験コンテンツを視聴するときの仮想現実空間上の視点、仮想現実空間上の第2ユーザのアバターの位置や向きなどである。
【0028】
制御部11は、第1ユーザが仮想現実空間上で動画コンテンツを視聴したことを第2ユーザに広報したこと(第1ユーザ視聴広報)に応じて追体験コンテンツが仮想現実空間上で第2ユーザに視聴された場合に、所定の対価付与先へ対価を付与するための対価付与処理を実行する。対価付与先は、例えば、当該動画コンテンツの配信権利者又は第1ユーザである。動画コンテンツの配信権利者は、動画コンテンツを配信する権利を持つ者であって、例えば動画コンテンツの作成者、動画コンテンツの作成者から当該権利が譲渡された者などである。
なお、対価付与先は、動画コンテンツに関するNFTの保有者としてブロックチェーン5に記録されてもよい。
【0029】
NFT取得部12は、NFTを取得するためのNFT取得処理を実行する。NFT取得部12は、NFT取得処理において、NFT管理システム4に対して、デジタルコンテンツを指定し、指定したデジタルコンテンツを対象にしたNFTの取得を要求する。また、NFT取得部12は、取得されたNFTを示すNFTデータをNFT管理システム4から取得する。NFTデータは、NFTに関するデータであって、ブロックチェーン5上のメタデータを含むデータである。
【0030】
本実施形態では、NFT取得部12は、NFT管理システム4に対して、第1ユーザのユーザIDに関連付けられた仮想現実履歴データを対象にしたNFT(第1NFT)を第1のユーザに関連付けてブロックチェーン5上に記録するNFT取得要求を行う。これにより、当該仮想現実履歴データを対象にしたNFTが当該第1ユーザに関連付けてブロックチェーン5上に記録される。
また、NFT取得部12は、NFT管理システム4に対して、追体験コンテンツが第2ユーザのユーザデバイス2bへ配信された後に、第2ユーザが追体験コンテンツを視聴したことを示す視聴履歴を対象にしたNFT(第2NFT)を第2ユーザに関連付けてブロックチェーン5上に記録するNFT取得要求を行う。これにより、当該視聴履歴を対象にしたNFTが当該第2ユーザに関連付けてブロックチェーン5上に記録される。
また、NFT取得部12は、NFT管理システム4に対して、追体験コンテンツが第2ユーザのユーザデバイス2bへ配信された後に、ブロックチェーン5上での第1NFTの関連付けを第1ユーザから第2ユーザに変更するNFT取得要求を行う。これにより、ブロックチェーン5上での当該第1NFTの関連付けが第1ユーザから第2ユーザに変更される。
なお、ブロックチェーン5上での第1NFTの関連付けが第1ユーザから第2ユーザに変更された後に、第3のユーザが追体験コンテンツを視聴した場合には、同様に、ブロックチェーン5上での当該第1NFTの関連付けが第2ユーザから第3ユーザに変更される。これにより、追体験コンテンツの視聴に伴う対価の対価付与先が第1ユーザから第2ユーザに変更されてもよい。
【0031】
記憶部20は、ユーザ管理テーブル201等の各種のデータを記憶する。
【0032】
ユーザ管理テーブル201は、仮想現実空間サービスに登録されたユーザを管理するためのテーブルである。
図3は、本実施形態に係るユーザ管理テーブル201の構成例を示す図である。
図3の例では、ユーザ毎に、ユーザID、ユーザ属性情報、ユーザデバイス2のデバイス識別情報(デバイスID)、視聴日時、コンテンツの識別情報(コンテンツID)、仮想現実履歴データURL、NFTデータ、第1ユーザ視聴広報による他ユーザの視聴回数、及び対価の履歴がユーザ管理テーブル201に格納される。
【0033】
ユーザ管理テーブル201において、ユーザIDは、仮想現実空間サービスに登録されたユーザのユーザIDである。ユーザ属性情報は、ユーザに関するプロフィール等の情報である。デバイスIDは、ユーザが使用するユーザデバイス2のデバイスIDである。視聴日時は、ユーザが動画コンテンツを視聴した日時(例えば、視聴が開始された日時)である。コンテンツIDは、ユーザが仮想現実空間上で視聴した動画コンテンツのコンテンツIDである。仮想現実履歴データURLは、仮想現実履歴データベース7における仮想現実履歴データの所在を示すURLである。当該仮想現実履歴データは、動画コンテンツがユーザのユーザデバイス2に配信された期間の仮想現実履歴データである。NFTデータは、仮想現実履歴データを対象にしたNFTに関するNFTデータである。ユーザ視聴広報による他ユーザの視聴回数は、ユーザが仮想現実空間上で動画コンテンツを視聴したことを他のユーザに広報したことに応じて追体験コンテンツが仮想現実空間上で他のユーザに視聴された回数である。対価の履歴は、ユーザが仮想現実空間上で動画コンテンツを視聴したことを他のユーザに広報したことに応じて追体験コンテンツが仮想現実空間上で他のユーザに視聴されたことによって、所定の対価付与先へ付与された対価の履歴である。なお、追体験コンテンツの視聴履歴(視聴回数や視聴者であるユーザの記録)を対象にしたNFTがブロックチェーン5に記録されてもよい。
【0034】
図4は、本実施形態に係る仮想現実履歴データベース7の構成例を示す図である。
図4の例では、各ユーザについて、ユーザID、視聴日時、コンテンツID、仮想現実履歴データが仮想現実履歴データベース7に格納される。仮想現実履歴データは、ユーザが視聴日時に仮想現実空間上で視聴した動画コンテンツが仮想現実空間サーバ1から当該ユーザのユーザデバイス2に配信された期間の仮想現実履歴データである。この仮想現実履歴データは、当該ユーザがユーザデバイス2で当該視聴日時に当該動画コンテンツを視聴した時の仮想現実空間空間の環境を再現することができるデータである。
【0035】
次に
図5を参照して本実施形態に係る情報処理方法について説明する。
図5は、本実施形態に係る情報処理方法の手順の例を示すシーケンス図である。
【0036】
(ステップS101) 第1ユーザは、ユーザデバイス2aを使用して、仮想現実空間上で視聴される第1動画コンテンツの配信要求(第1動画コンテンツ配信要求)を仮想現実空間サーバ1に行う。ユーザデバイス2aは、第1ユーザによる第1動画コンテンツ配信要求の操作に応じて、第1動画コンテンツ配信要求データを仮想現実空間サーバ1へ送信する。第1動画コンテンツ配信要求データは、第1ユーザのユーザID、第1動画コンテンツのコンテンツIDなどを含むデータである。仮想現実空間サーバ1において制御部11は、ユーザデバイス2aから送信された第1動画コンテンツ配信要求データを受信する。
【0037】
(ステップS102) 仮想現実空間サーバ1において制御部11は、第1ユーザからの第1動画コンテンツ配信要求に応じて、第1ユーザから指定された第1動画コンテンツを当該第1ユーザのユーザデバイス2aへ配信する。
【0038】
第1ユーザは、ユーザデバイス2aを使用して、仮想現実空間サーバ1から配信される第1動画コンテンツを仮想現実空間上で視聴する。このとき、第1ユーザは、ユーザデバイス2aを使用して、第1動画コンテンツを視聴するときの仮想現実空間上の視点を変えたり、仮想現実空間上の自分のアバターを移動させたり向きを変えたり等の所定の仮想現実空間操作を行うことができる。第1ユーザによる仮想現実空間操作を示す仮想現実空間操作データは、ユーザデバイス2aから仮想現実空間サーバ1に送信される。仮想現実空間サーバ1において仮想現実空間処理部10は、ユーザデバイス2aから受信した仮想現実空間操作データに基づいて、第1ユーザのユーザデバイス2aに表示される仮想現実空間において第1ユーザが第1動画コンテンツを視聴する仮想現実空間上の環境を制御する。これにより、第1ユーザによる仮想現実空間操作に応じて、仮想現実空間において第1ユーザが第1動画コンテンツを視聴するときの仮想現実空間上の視点、仮想現実空間上の第1ユーザのアバターの位置や向きなどが変わる。仮想現実空間処理部10は、第1動画コンテンツが第1ユーザのユーザデバイス2aに配信されている期間の仮想現実履歴データを、第1ユーザのユーザID、視聴日時及び第1動画コンテンツのコンテンツIDに関連付けて記憶部20に記録する。
【0039】
(ステップS103) 仮想現実空間サーバ1において制御部11は、第1ユーザのユーザデバイス2aへの第1動画コンテンツの配信が終了すると、記憶部20に記録された仮想現実履歴データを格納する要求(仮想現実履歴データ格納要求)を仮想現実履歴データベース7に行う。当該仮想現実履歴データ格納要求では、第1ユーザのユーザID、視聴日時、第1動画コンテンツのコンテンツID及び仮想現実履歴データが仮想現実空間サーバ1から仮想現実履歴データベース7へ送信される。当該仮想現実履歴データは、第1動画コンテンツが第1ユーザのユーザデバイス2aに配信された期間の仮想現実履歴データである。
【0040】
(ステップS104) 仮想現実履歴データベース7は、仮想現実空間サーバ1からの仮想現実履歴データ格納要求に応じて、
図4に例示されるように、第1ユーザのユーザID、視聴日時、第1動画コンテンツのコンテンツID及び仮想現実履歴データを関連付けて格納する。仮想現実履歴データベース7は、仮想現実履歴データ格納応答を仮想現実履歴データベース7に行う。当該仮想現実履歴データ格納応答では、仮想現実空間サーバ1からの仮想現実履歴データ格納要求の対象の仮想現実履歴データについて、仮想現実履歴データベース7における所在を示すURL(仮想現実履歴データURL)が仮想現実履歴データベース7から仮想現実空間サーバ1へ通知される。
【0041】
仮想現実空間サーバ1において制御部11は、仮想現実履歴データベース7からの仮想現実履歴データ格納応答で通知された仮想現実履歴データURLを、
図3に例示されるように、第1ユーザのユーザID、視聴日時及び第1動画コンテンツのコンテンツIDに関連付けてユーザ管理テーブル201に格納する。
【0042】
(ステップS105) 仮想現実空間サーバ1においてNFT取得部12は、NFT管理システム4に対して、第1ユーザのユーザIDに関連付けられた仮想現実履歴データを対象にしたNFT(第1NFT)を第1のユーザに関連付けてブロックチェーン5上に記録するNFT取得要求を送信する。当該NFT取得要求において、NFT取得部12は、NFTの保有者になる第1ユーザのユーザID(保有者ID)と、仮想現実履歴データの仮想現実履歴データURL(対象物URL)とをNFT管理システム4へ通知する。
【0043】
(ステップS106) NFT管理システム4は、仮想現実空間サーバ1からのNFT取得要求に応じて、仮想現実履歴データを対象にしたNFT(取得対象NFT)を新規に発行する処理を実行する。これにより、ブロックチェーン5上には、取得対象NFTが新規に記録されるとともに、取得対象NFTに関するメタデータが記録される。取得対象NFTに関するメタデータは、取得対象NFTについての、識別子や作成日時や保有者ID(第1ユーザのユーザID)や対象物URL(仮想現実履歴データURL)等の情報を有する。
【0044】
(ステップS107) NFT管理システム4は、仮想現実空間サーバ1に対して、取得対象NFTに関するNFTデータを応答する(NFT取得応答)。取得対象NFTに関するNFTデータは、取得対象NFTに関するデータであって、ブロックチェーン5上のメタデータを含むデータである。仮想現実空間サーバ1においてNFT取得部12は、NFT管理システム4からのNFT取得応答により取得対象NFTに関するNFTデータを受信する。
【0045】
(ステップS108) 仮想現実空間サーバ1においてNFT取得部12は、NFT管理システム4からのNFT取得応答により受信した取得対象NFTに関するNFTデータを、
図3に例示されるように、NFT取得要求の対象の第1ユーザのユーザID及び仮想現実履歴データURLに関連付けてユーザ管理テーブル201に格納する。
【0046】
(ステップS109) 仮想現実空間サーバ1において制御部11は、第1ユーザが仮想現実空間上で第1動画コンテンツを視聴したことを示す第1ユーザ視聴広報データを当該第1ユーザとは異なる第2のユーザのユーザデバイス2bへ送信する。第1ユーザ視聴広報データは、第1ユーザのユーザIDやユーザ属性情報(第1ユーザのプロフィール等)、第1動画コンテンツのコンテンツIDやコンテンツ属性情報(第1動画コンテンツの紹介等)、第1ユーザの視聴日時、第1ユーザ視聴広報による他ユーザの視聴回数などの情報を含む。
【0047】
第2ユーザは、ユーザデバイス2bを使用して、第1ユーザ視聴広報データにより、第1ユーザが仮想現実空間上で第1動画コンテンツを視聴したこと、第1ユーザのプロフィール、第1動画コンテンツの紹介、第1ユーザの視聴日時、第1ユーザ視聴広報による他ユーザの視聴回数などを認識する。例えば、第1ユーザのプロフィールによって、第1ユーザが芸能人等の有名人であることを認識する。これにより、第2ユーザが仮想現実空間上で第1ユーザと同じ体験をしたいと所望することが考えられる。
【0048】
なお、第2ユーザが第1ユーザ視聴広報を希望する第1ユーザや第1動画コンテンツを指定する視聴広報対象指定情報を仮想現実空間サーバ1に予め登録してもよい。この場合、仮想現実空間サーバ1の制御部11は、第2ユーザの視聴広報対象指定情報に合致する第1ユーザや第1動画コンテンツに関する第1ユーザ視聴広報データのみを、当該第2ユーザのユーザデバイス2bへ送信する。これにより、第2ユーザは自分が好きな芸能人やスポーツ中継などに関する第1ユーザ視聴広報のみを受け取ることができる。
【0049】
また、第1ユーザ視聴広報の対象になる第1ユーザは、仮想現実空間サーバ1に予め登録されたユーザのみに限定してもよい。第1ユーザ視聴広報の対象になる第1ユーザは、例えば、芸能人等の有名人のみに限定してもよい。また、第1ユーザ視聴広報の対象になる第1動画コンテンツは、仮想現実空間サーバ1に予め登録された動画コンテンツのみに限定してもよい。
【0050】
(ステップS110) 第2ユーザは、ユーザデバイス2bを使用して、第1ユーザ追体験要求(第1動画コンテンツ)を仮想現実空間サーバ1に行う。ユーザデバイス2bは、第2ユーザによる第1ユーザ追体験要求(第1動画コンテンツ)の操作に応じて、第1ユーザ追体験要求データを仮想現実空間サーバ1へ送信する。第1ユーザ追体験要求データは、第2ユーザのユーザID、第1ユーザのユーザID、第1動画コンテンツのコンテンツID、第1ユーザの視聴日時などを含むデータである。仮想現実空間サーバ1において制御部11は、ユーザデバイス2bから送信された第1ユーザ追体験要求データを受信する。
【0051】
(ステップS111) 仮想現実空間サーバ1において制御部11は、第2ユーザからの第1ユーザ追体験要求(第1動画コンテンツ)に応じて、当該第2ユーザのユーザデバイス2bへ追体験コンテンツを配信する。これにより、第2ユーザは、ユーザデバイス2bを使用して追体験コンテンツを視聴することにより、第1ユーザが仮想現実空間上で視聴した同じ第1動画コンテンツを第1ユーザが視聴した同じ仮想現実空間の環境において視聴するという追体験を行うことができる。
【0052】
第1ユーザが視聴した同じ仮想現実空間の環境は、仮想現実空間上に存在したオブジェクト、仮想現実空間上で上映された第1動画コンテンツ、及び当該第1動画コンテンツを視聴する第1ユーザがユーザデバイス2aを使用して行った仮想現実空間に関する操作によって制御された環境の変化の内容を含んでいる。当該環境の変化の内容は、例えば、第1動画コンテンツを視聴するユーザの視点や見る角度等の見え方や、第1ユーザのアバターの表示の有無や当該アバターの移動や向き等の動作などである。さらには、第1ユーザの第1動画コンテンツの視聴時の反応(例えば第1ユーザが発生した音声)が仮想現実履歴データに記録された場合には、その反応が再現される。
【0053】
このとき、仮想現実空間処理部10は、第2ユーザのユーザデバイス2bから受信する仮想現実空間操作データに基づいて、第2ユーザが追体験コンテンツを視聴する仮想現実空間上の環境を制御する。例えば、仮想現実空間処理部10は、第2ユーザのユーザデバイス2bから受信する仮想現実空間操作データに基づいて、第2ユーザが追体験コンテンツを視聴するときの仮想現実空間上の視点、仮想現実空間上の第2ユーザのアバターの位置や向きなどを制御する。
【0054】
例えば、第2ユーザのユーザデバイス2bに表示される仮想現実空間上に第1ユーザのアバター及び当該アバターの動作などが再現表示されることによって、第2ユーザは仮想現実空間上で第1ユーザと一緒に第1動画コンテンツを視聴しているという疑似体験を行うことができる。また、第2ユーザのユーザデバイス2bに表示される仮想現実空間上に、第1ユーザのアバター及び当該アバターの動作などが再現表示されるとともに第2ユーザのアバターも表示されることによって、第2ユーザは、仮想現実空間上で第1ユーザと一緒に第1動画コンテンツを視聴しているという疑似体験とともに、第1ユーザと同じ空間を共有しているという一体感を感じることができる。
【0055】
(ステップS112) 仮想現実空間サーバ1において制御部11は、ユーザ管理テーブル201において、当該第1ユーザ視聴広報に該当の「第1ユーザ視聴広報による他ユーザの視聴回数」に1加算した値を上書きして更新する。
【0056】
(ステップS113) 仮想現実空間サーバ1において制御部11は、対価付与処理を実行する。この対価付与処理では、第1ユーザ視聴広報に応じて追体験コンテンツが仮想現実空間上で第2ユーザに視聴されたことに対する所定の対価が、所定の対価付与先へ付与される。制御部11は、当該対価の付与を示す対価履歴データを、ユーザ管理テーブル201の当該第1ユーザ視聴広報に該当の領域に格納する。
【0057】
(ステップS114) 仮想現実空間サーバ1においてNFT取得部12は、NFT管理システム4に対して、追体験コンテンツが第2ユーザのユーザデバイス2bへ配信された後に、第2ユーザが追体験コンテンツを視聴したことを示す視聴履歴を対象にしたNFT(第2NFT)を第2ユーザに関連付けてブロックチェーン5上に記録するNFT取得要求を行う。これにより、当該視聴履歴を対象にしたNFTが当該第2ユーザに関連付けてブロックチェーン5上に記録される。また、NFT取得部12は、NFT管理システム4に対して、追体験コンテンツが第2ユーザのユーザデバイス2bへ配信された後に、ブロックチェーン5上での第1NFTの関連付けを第1ユーザから第2ユーザに変更するNFT取得要求を行う。これにより、ブロックチェーン5上での当該第1NFTの関連付けが第1ユーザから第2ユーザに変更される。
【0058】
上述した実施形態によれば、ユーザが仮想空間上での他のユーザの視聴体験を追体験することができるという効果が得られる。これにより、仮想現実空間サービスに対するユーザの満足度の向上に寄与することができる。
【0059】
なお、これにより、例えば仮想現実空間サービスを提供するシステムにおける総合的なサービス品質の向上を実現することができることから、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「レジリエントなインフラを整備し、持続可能な産業化を推進するとともに、イノベーションの拡大を図る」に貢献することが可能となる。
【0060】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0061】
また、上述した各装置の機能を実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0062】
1…仮想現実空間サーバ(情報処理装置)、2a,2b…ユーザデバイス、4…NFT管理システム、5…ブロックチェーン、7…仮想現実履歴データベース、10…仮想現実空間処理部、11…制御部、12…NFT取得部、20…記憶部、201…ユーザ管理テーブル、NW…通信ネットワーク