(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 23/02 20060101AFI20240228BHJP
【FI】
F25D23/02 306G
(21)【出願番号】P 2022504592
(86)(22)【出願日】2020-01-15
(86)【国際出願番号】 CN2020072244
(87)【国際公開番号】W WO2021012654
(87)【国際公開日】2021-01-28
【審査請求日】2022-01-21
(31)【優先権主張番号】201910667056.5
(32)【優先日】2019-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】522029969
【氏名又は名称】チンダオ ハイアール レフリジレーター カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER REFRIGERATOR CO., LTD
【住所又は居所原語表記】Haier Industry Park, Haier Road No. 1 Laoshan District Qingdao,Shandong 266101, China
(73)【特許権者】
【識別番号】521161200
【氏名又は名称】ハイアール スマート ホーム カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】シァ エンピン
(72)【発明者】
【氏名】ヂャン ハオ
(72)【発明者】
【氏名】ヂュ シァォビン
【審査官】五十嵐 公輔
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第03065498(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0186183(US,A1)
【文献】米国特許第03083403(US,A)
【文献】特開2009-250602(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 23/02
E05D 7/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
庫本体と、前記庫本体を開閉するための扉と、前記庫本体と前記扉とを接続するためのヒンジ部品とを含み、前記庫本体は、対向して配置された後壁および開口を含み、前記後壁の前記開口に向かう方向は第1の方向であり、前記庫本体は、収容室、および、前記ヒンジ部品に接続された枢動側をさらに含み、前記扉が開く過程において、前記ヒンジ部品は、前記扉を前記第1の方向に沿って前記庫本体から離れて移動させるように駆動すると同時に、前記扉を前記枢動側から前記収容室に向かって移動させるように駆動
し、前記ヒンジ部品は、互いに嵌合された第1の軸本体および第1の溝本体と、互いに嵌合された第2の軸本体および第2の溝本体とを含み、前記第1の軸本体は前記庫本体および前記扉の一方に配置され、前記第1の溝本体は前記庫本体および前記扉の他方に配置され、前記第2の軸本体は前記庫本体および前記扉の一方に配置され、前記第2の溝本体は前記庫本体および前記扉の他方に配置され、前記第1の溝本体は初期位置および枢動位置を有し、前記扉が開く過程において、前記第1の軸本体が前記初期位置から前記枢動位置に移動し、前記扉は、前記庫本体から離れた前壁、および、前記前壁と前記庫本体との間に介在する側壁を含み、前記第1の溝本体が前記扉に配置される場合、前記初期位置と前記前壁との間の距離が前記枢動位置と前記前壁との間の距離よりも小さく、前記初期位置と前記側壁との間の距離が前記枢動位置と前記側壁との間の距離よりも大きく、前記第1の溝本体が前記庫本体に配置され、前記扉が閉状態である場合、前記初期位置と前記前壁との間の距離が前記枢動位置と前記前壁との間の距離よりも大きく、前記初期位置と前記側壁との間の距離が前記枢動位置と前記側壁との間の距離よりも小さい、ことを特徴とする冷蔵庫。
【請求項2】
前記庫本体は、前記ヒンジ部品に隣接して前記扉の回転経路の延伸部分に設けられた外側面、および、前記開口を取り囲んで設けられた前端面をさらに含み、前記扉は、接続された扉本体およびドアシールを含み、前記ドアシールは前記外側面に近いサイドドアシールを含み、前記扉が閉状態である場合、前記ドアシールと前記前端面とが相互に接触し、前記扉が開く過程において、前記サイドドアシールと前記前端面との間のピッチが増加する、ことを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記第1の軸本体および前記第2の軸本体は前記庫本体に配置され、前記第1の溝本体および前記第2の溝本体は前記扉に配置される、ことを特徴とする請求項
1に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記第1の溝本体は初期位置および枢動位置を有し、前記第2の溝本体は、対向して配置された第1の端および第2の端と、前記第1の端と前記第2の端との間に配置されて接続された第1のセクションおよび第2のセクションとを含み、前記扉が閉状態である場合、前記第1の軸本体が前記初期位置にあり、前記第2の軸本体が前記第1の端にあり、前記扉が閉状態から第1の開角度まで開く過程において、前記第2の軸本体が前記第1のセクション内を移動して前記第1の軸本体を前記初期位置から前記枢動位置に移動させ、前記扉が前記第1の方向に沿って前記庫本体から離れて移動し、前記扉が前記第1の開角度から最大開角度まで開く過程において、前記第1の軸本体が前記枢動位置に保持され、前記第2の軸本体が前記第1の軸本体を中心として前記第2のセクション内を移動する、ことを特徴とする請求項
3に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記第1の溝本体は初期位置および枢動位置を有し、前記第2の溝本体は、対向して配置された第1の端および第2の端と、前記第1の端と前記第2の端との間に配置されて接続された第1のセクション、第2のセクションおよび第3のセクションとを含み、前記扉が閉状態である場合、前記第1の軸本体が前記初期位置にあり、前記第2の軸本体が前記第1の端にあり、前記扉が閉状態から第1の開角度まで開く過程において、前記第1の軸本体が前記初期位置に保持され、前記第2の軸本体が前記第1の軸本体を中心として前記第1のセクション内を移動し、前記扉が前記第1の開角度から継続的に第2の開角度まで開く過程において、前記第2の軸本体が前記第2のセクション内を移動して前記第1の軸本体を前記初期位置から前記枢動位置に移動させ、前記扉が前記第1の方向に沿って前記庫本体から離れて移動し、前記扉が前記第2の開角度から最大開角度まで開く過程において、前記第1の軸本体が前記枢動位置に保持され、前記第2の軸本体が前記第1の軸本体を中心として前記第3のセクション内を移動する、ことを特徴とする請求項
3に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記扉に第1の嵌合部が設けられ、前記庫本体に第2の嵌合部が設けられ、前記扉が閉状態である場合、前記第1の嵌合部と前記第2の嵌合部とが互いに係合され、前記扉が閉状態から前記第1の開角度まで開く過程において、前記第2の軸本体が前記第1の軸本体を中心として前記第1のセクション内を移動して前記第1の嵌合部を前記第2の嵌合部から分離させるように駆動する、ことを特徴とする請求項
5に記載の冷蔵庫。
【請求項7】
前記扉は、前記庫本体に枢動接続され水平方向に沿って配列された第1の扉および第2の扉を含み、前記冷蔵庫は、前記第1の扉の前記第2の扉に近い側に可動接続された垂直梁をさらに含み、前記第1の嵌合部は前記垂直梁に配置され、前記扉が閉状態である場合、前記垂直梁が前記第2の扉まで延伸し、前記扉が閉状態から前記第1の開角度まで開く過程において、前記垂直梁が前記庫本体に近い側に回転し、前記第1の扉と前記垂直梁とが第1の折畳角度をなし、前記扉が前記第1の開角度から最大開角度まで開く過程において、前記垂直梁と前記第1の扉とは相対的に静止している、ことを特徴とする請求項
6に記載の冷蔵庫。
【請求項8】
庫本体と、前記庫本体を開閉するための扉と、前記庫本体と前記扉とを接続するためのヒンジ部品とを含み、前記庫本体は対向して配置された後壁および開口を含み、前記後壁の前記開口に向かう方向は第1の方向であり、前記庫本体は、収容室、および、前記ヒンジ部品に接続された枢動側をさらに含み、前記ヒンジ部品は、互いに嵌合された第1の軸本体および第1の溝本体と、互いに嵌合された第2の軸本体および第2の溝本体とを含み、前記第1の溝本体は初期位置および枢動位置を有し、前記第2の溝本体は、対向して配置された第1の端および第2の端と、前記第1の端と前記第2の端との間に配置されて接続された第1のセクションおよび第2のセクションとを含み、前記扉が閉状態である場合、前記第1の軸本体が前記初期位置にあり、前記第2の軸本体が前記第1の端にあり、前記扉が閉状態から第1の開角度まで開く過程において、前記第2の軸本体が前記第1のセクション内を移動して前記第1の軸本体を前記初期位置から前記枢動位置に移動させ、前記扉が前記第1の方向に沿って前記庫本体から離れて移動すると同時に、前記扉が前記枢動側から前記収容室に向かって移動し、前記扉が前記第1の開角度から最大開角度まで開く過程において、前記第1の軸本体が前記枢動位置に保持され、前記第2の軸本体が前記第1の軸本体を中心として前記第2のセクション内を移動
し、前記扉は、前記庫本体から離れた前壁、および、前記前壁と前記庫本体との間に介在する側壁を含み、前記第1の溝本体が前記扉に配置される場合、前記初期位置と前記前壁との間の距離が前記枢動位置と前記前壁との間の距離よりも小さく、前記初期位置と前記側壁との間の距離が前記枢動位置と前記側壁との間の距離よりも大きく、前記第1の溝本体が前記庫本体に配置され、前記扉が閉状態である場合、前記初期位置と前記前壁との間の距離が前記枢動位置と前記前壁との間の距離よりも大きく、前記初期位置と前記側壁との間の距離が前記枢動位置と前記側壁との間の距離よりも小さい、ことを特徴とする冷蔵庫。
【請求項9】
前記庫本体は、前記ヒンジ部品に隣接して前記扉の回転経路の延伸部分に設けられた外側面、および、前記開口を取り囲んで設けられた前端面を含み、前記扉は接続された扉本体およびドアシールを含み、前記ドアシールは前記外側面に近いサイドドアシールを含み、前記扉が閉状態である場合、前記ドアシールと前記前端面とが相互に接触し、前記扉が閉状態から前記第1の開角度まで開く過程において、前記サイドドアシールと前記前端面との間のピッチが増加する、ことを特徴とする請求項
8に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、2019年07月23日に出願された、出願番号201910667056.5、発明名称「冷蔵庫」という中国特許出願の優先権を主張し、そのすべての内容は参照により本出願に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、家電の技術分野に属し、特に冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、冷蔵庫は単軸のヒンジ部品を使用しており、扉がヒンジ部品の固定軸を中心として円を描くように動き、扉の開閉を実現するが、実際の操作中、扉シールや他の構造により扉がスムーズに開けない場合がある。
【0004】
これに鑑み、上記の問題を解決するために、既存の冷蔵庫を改良する必要がある。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、扉の開閉平滑度を効果的に改善することができる冷蔵庫を提供することである。
【0006】
本発明の上記の目的の1つを達成するために、本発明の一実施形態は、庫本体と、前記庫本体を開閉するための扉と、前記庫本体と前記扉とを接続するためのヒンジ部品とを含み、前記庫本体は、対向して配置された後壁および開口を含み、前記後壁の前記開口に向かう方向は第1の方向であり、前記扉が開く過程において、前記ヒンジ部品は、前記扉を前記第1の方向に沿って前記庫本体から離れて移動させるように駆動する。
【0007】
本発明の一実施形態のさらなる改善として、前記庫本体は、収容室、および、前記ヒンジ部品に接続された枢動側をさらに含み、前記扉が開く過程において、前記ヒンジ部品は、前記扉を前記第1の方向に沿って前記庫本体から離れて移動させるように駆動すると同時に、前記扉を前記枢動側から前記収容室に移動させるように駆動する。
【0008】
本発明の一実施形態のさらなる改善として、前記庫本体は、前記ヒンジ部品に隣接して前記扉の回転経路の延伸部分に設けられた外側面、および、前記開口を取り囲んで設けられた前端面をさらに含み、前記扉は、接続された扉本体およびドアシールを含み、前記ドアシールは前記外側面に近いサイドドアシールを含み、前記扉が閉状態である場合、前記ドアシールと前記前端面とが相互に接触し、前記扉が開く過程において、前記サイドドアシールと前記前端面との間のピッチが増加する。
【0009】
本発明の一実施形態のさらなる改善として、前記ヒンジ部品は、互いに嵌合された第1の軸本体および第1の溝本体と、互いに嵌合された第2の軸本体および第2の溝本体とを含み、前記第1の軸本体は前記庫本体および前記扉の一方に配置され、前記第1の溝本体は前記庫本体および前記扉の他方に配置され、前記第2の軸本体は前記庫本体および前記扉の一方に配置され、前記第2の溝本体は前記庫本体および前記扉の他方に配置される。
【0010】
本発明の一実施形態のさらなる改善として、前記第1の軸本体および前記第2の軸本体は前記庫本体に配置され、前記第1の溝本体および前記第2の溝本体は前記扉に配置される。
【0011】
本発明の一実施形態のさらなる改善として、前記第1の溝本体は初期位置および枢動位置を有し、前記第2の溝本体は、対向して配置された第1の端および第2の端と、前記第1の端と前記第2の端との間に配置されて接続された第1のセクションおよび第2のセクションとを含み、前記扉が閉状態である場合、前記第1の軸本体が前記初期位置にあり、前記第2の軸本体が前記第1の端にあり、前記扉が閉状態から第1の開角度まで開く過程において、前記第2の軸本体が前記第1のセクション内を移動して前記第1の軸本体を前記初期位置から前記枢動位置に移動させ、前記扉が前記第1の方向に沿って前記庫本体から離れて移動し、前記扉が前記第1の開角度から最大開角度まで開く過程において、前記第1の軸本体が前記枢動位置に保持され、前記第2の軸本体が前記第1の軸本体を中心として前記第2のセクション内を移動する。
【0012】
本発明の一実施形態のさらなる改善として、前記第1の溝本体は初期位置および枢動位置を有し、前記第2の溝本体は、対向して配置された第1の端および第2の端と、前記第1の端と前記第2の端との間に配置されて接続された第1のセクション、第2のセクションおよび第3のセクションとを含み、前記扉が閉状態である場合、前記第1の軸本体が前記初期位置にあり、前記第2の軸本体が前記第1の端にあり、前記扉が閉状態から第1の開角度まで開く過程において、前記第1の軸本体が前記初期位置に保持され、前記第2の軸本体が前記第1の軸本体を中心として前記第1のセクション内を移動し、前記扉が前記第1の開角度から継続的に第2の開角度まで開く過程において、前記第2の軸本体が前記第2のセクション内を移動して前記第1の軸本体を前記初期位置から前記枢動位置に移動させ、前記扉が前記第1の方向に沿って前記庫本体から離れて移動し、前記扉が前記第2の開角度から最大開角度まで開く過程において、前記第1の軸本体が前記枢動位置に保持され、前記第2の軸本体が前記第1の軸本体を中心として前記第3のセクション内を移動する。
【0013】
本発明の一実施形態のさらなる改善として、前記扉に第1の嵌合部が設けられ、前記庫本体に第2の嵌合部が設けられ、前記扉が閉状態である場合、前記第1の嵌合部と前記第2の嵌合部とが互いに係合され、前記扉が閉状態から前記第1の開角度まで開く過程において、前記第2の軸本体が前記第1の軸本体を中心として前記第1のセクション内を移動して、前記第1の嵌合部を前記第2の嵌合部から分離させる。
【0014】
本発明の一実施形態のさらなる改善として、前記扉は、前記庫本体から離れた前壁、および、前記前壁と前記庫本体との間に介在する側壁を含み、前記初期位置と前記前壁との間の距離が前記枢動位置と前記前壁との間の距離よりも小さく、前記初期位置と前記側壁との間の距離が前記枢動位置と前記側壁との間の距離よりも大きい。
【0015】
本発明の一実施形態のさらなる改善として、前記扉は、前記庫本体に枢動接続され水平方向に沿って配列された第1の扉および第2の扉を含み、前記冷蔵庫は、前記第1の扉の前記第2の扉に近い側に可動接続された垂直梁をさらに含み、前記第1の嵌合部は前記垂直梁に配置され、前記扉が閉状態である場合、前記垂直梁が前記第2の扉まで延伸し、前記扉が閉状態から前記第1の開角度まで開く過程において、前記垂直梁が前記庫本体に近い側に回転し、前記第1の扉と前記垂直梁とが第1の折畳角度をなし、前記扉が前記第1の開角度から最大開角度まで開く過程において、前記垂直梁と前記第1の扉とは相対的に静止している。
【0016】
本発明の上記の目的の1つを達成するために、本発明の一実施形態は、庫本体と、前記庫本体を開閉するための扉と、前記庫本体と前記扉とを接続するためのヒンジ部品とを含み、前記庫本体は、対向して配置された後壁および開口を含み、前記後壁の前記開口に向かう方向は第1の方向であり、前記ヒンジ部品は、互いに嵌合された第1の軸本体および第1の溝本体と、互いに嵌合された第2の軸本体および第2の溝本体とを含み、前記第1の溝本体は初期位置および枢動位置を有し、前記第2の溝本体は、対向して配置された第1の端および第2の端と、前記第1の端と前記第2の端との間に配置されて接続された第1のセクションおよび第2のセクションとを含み、前記扉が閉状態である場合、前記第1の軸本体が前記初期位置にあり、前記第2の軸本体が前記第1の端にあり、前記扉が閉状態から第1の開角度まで開く過程において、前記第2の軸本体が前記第1のセクション内を移動して前記第1の軸本体を前記初期位置から前記枢動位置に移動させ、前記扉が前記第1の方向に沿って前記庫本体から離れて移動し、前記扉が前記第1の開角度から最大開角度まで開く過程において、前記第1の軸本体が前記枢動位置に保持され、前記第2の軸本体が前記第1の軸本体を中心として前記第2のセクション内を移動する、冷蔵庫を提供する。
【0017】
本発明の一実施形態のさらなる改善として、前記庫本体は、前記ヒンジ部品に隣接して前記扉の回転経路の延伸部分に設けられた外側面、および、前記開口を取り囲んで設けられた前端面をさらに含み、前記扉は、接続された扉本体およびドアシールを含み、前記ドアシールは前記外側面に近いサイドドアシールを含み、前記扉が閉状態である場合、前記ドアシールと前記前端面とが相互に接触し、前記扉が閉状態から前記第1の開角度まで開く過程において、前記サイドドアシールと前記前端面との間のピッチが増加する。
【発明の効果】
【0018】
従来技術と比較すると、本発明は以下の有益な効果を有する。本発明によれば、ヒンジ部品の作用により、扉と庫本体の相互分離を補助して、扉の開き平滑度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施形態の冷蔵庫の斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態の冷蔵庫の扉本体が省略された場合の概略図である。
【
図4】本発明の一実施形態のヒンジ部品の概略図である。
【
図5】本発明の一実施形態のヒンジ部品の分解図である。
【
図6】本発明の第1の具体例の冷蔵庫の閉状態の上面図である。
【
図8】本発明の第1の具体例の冷蔵庫が第1の開角度まで開く場合の上面図である。
【
図10】本発明の第1の具体例の冷蔵庫が第2の開角度まで開く場合の上面図である。
【
図12】本発明の第2の具体例の冷蔵庫の閉状態の上面図である。
【
図14】本発明の第2の具体例の冷蔵庫が第1の開角度まで開く場合の上面図である。
【
図16】本発明の第2の具体例の冷蔵庫が第2の開角度まで開く場合の上面図である。
【
図18】本発明の第2の具体例の冷蔵庫が第3の開角度まで開く場合の上面図である。
【
図20】本発明の第3の具体例の冷蔵庫の閉状態の斜視図である。
【
図21】本発明の第3の具体例の冷蔵庫が第1の開角度まで開く場合の斜視図である。
【
図22】本発明の第3の具体例の冷蔵庫の背面図である(一部の構成要素を省略している)。
【
図23】本発明の第3の具体例の第1の嵌合部、第2の嵌合部の分解図である。
【
図24】本発明の他の具体例の冷蔵庫の全体概略図である。
【
図25】本発明の他の具体例の冷蔵庫の一部構造が省略された場合の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面に示す具体的な実施形態を参照して本発明を詳しく説明するが、これらの実施形態は本発明を限定するものではなく、当業者は、これらの実施形態に基づき加えられた構造、方法、または機能上の変更は、すべて本発明の保護範囲に含まれるべきである。
【0021】
本発明の各図面では、図示の便宜上、ある構造または部分の寸法が他の構造または部分に比べて誇張されるため、本発明の主題の基本的な構造を示すためにのみ使用される。
【0022】
さらに、本明細書で使用される「上」、「上方」、「下」、「下方」、「左」、「右」などの相対的な空間位置を示す用語は、図面に示されるあるユニットまたは特徴と別のユニットまたは特徴の関係の説明を容易にするためにのみ使用される。相対的な空間位置の用語は、使用中または動作中のデバイスの図示方位以外の様々な方位を含むことを意図することができる。例えば、図中のデバイスを裏返すと、別のユニットまたは特徴の「下方」または「の下」に配置されるあるユニットは、別のユニットまたは特徴の「上方」になる。したがって、「下」という例示的な用語は、上方と下方の両方を包含することができる。デバイスは他の方法で方法付けられ得る(90度または他の方向で回転)、対応して本明細書で使用される空間に関する用語を説明する。
【0023】
図1~
図3は、本発明の第1の実施形態の冷蔵庫100の概略図である。
【0024】
冷蔵庫100は、庫本体10と、庫本体10を開閉するための扉20と、庫本体10と扉20とを接続するためのヒンジ部品30とを含む。
【0025】
庫本体10は、対向して配置された後壁11および開口12を含む。後壁11の開口12に向かう方向が、第1の方向Xである。
【0026】
ここで、第1の方向Xは冷蔵庫100の後から前に向かう方向である。
【0027】
扉20が開く過程において、ヒンジ部品30が扉20を第1の方向Xに沿って庫本体10から離れて移動させるように駆動する。
【0028】
ここで、扉20が開く過程において、扉20が第1の方向Xに沿って庫本体10から離れて移動する。つまり、扉20が庫本体10の前端から離れた方向に移動する。これにより、ヒンジ部品30の作用により、扉20と庫本体10との相互分離を補助して、扉の開き平滑度を向上させることができる。
【0029】
本実施形態では、庫本体10は、ヒンジ部品30に隣接して扉20の回転経路の延伸部分に設けられた外側面13、および、開口12の周りに設けられた前端面14をさらに含む。
【0030】
ここで、外側面13は庫本体10の左側面または右側面であり、異なるヒンジ部品30に応じて、異なる外側面13に対応し、前端面14は庫本体10の扉20に近い端面である。
【0031】
扉20は、接続された扉本体21およびドアシール22を含み、ドアシール22は外側面13に近いサイドドアシール221を含む。
【0032】
ここで、ドアシール22は扉本体21の庫本体10に近い側面に環状に設けられ、サイドドアシール221はヒンジ部品30に最も近く垂直方向に沿って設けられたドアシールである。
【0033】
扉20が閉状態である場合、ドアシール22が前端面14に接触する。
【0034】
ここで、ドアシール22と前端面14との接触により、扉20と庫本体10との間の封止フィットを達成し、一般に、ドアシール22の圧迫や磁気引力などの作用によって封止効果を向上させる。
【0035】
扉20が開く過程において、サイドドアシール221と前端面14との間のピッチが増加する。
【0036】
ここで、扉20が開く過程において、扉20が第1の方向Xに沿って庫本体10から離れて移動し、サイドドアシール221と前端面14との間のピッチが増加する。つまり、ヒンジ部品30は、ドアシール22を庫本体10の前端面14から分離させることを補助する。このようにして、ドアシール22により(例えばドアシール22の過度な圧迫、強すぎる磁気引力作用力などで)扉20が庫本体10からスムーズに分離できない状況を回避し、ユーザが容易に扉20を開くことができる。
【0037】
なお、本実施形態の冷蔵庫100は、ドアシール22の阻害を回避することに用いられ、他の構造、例えば庫本体10と扉20との間の霜などにより扉20が開けない状況を回避することに用いられる。
【0038】
本実施形態では、庫本体10は、収容室S、および、ヒンジ部品30に接続された枢動側Pをさらに含む。
【0039】
ここで、「枢動側P」とは、扉20が庫本体10に対して回転する領域、つまり、ヒンジ部品30が配置される領域として定義される。枢動側Pから収容室Sに向かう方向は第2の方向Yとして定義される。
【0040】
扉20が開く過程において、ヒンジ部品30は、扉20を第1の方向Xに沿って庫本体10から離れて移動させるように駆動すると同時に、扉20を枢動側Pから収容室Sに向かって移動させるように駆動する。
【0041】
ここで、扉20が開く過程において、扉20は収容室Sの一側に移動する。つまり、このとき扉20が庫本体10に対して回転するとともに庫本体10に対して第2の方向Yに沿って変位することで、扉20が回転する過程で収容室Sから離れた側へ庫本体10から突出する距離が大幅に減少する。つまり、第2の方向Yに沿った扉20の変位により扉20が回転する過程で庫本体10から突出する部分を相殺し、扉20が開く過程で周囲のキャビネットや壁などと干渉することを回避し、ビルトインキャビネットや冷蔵庫100の収容空間が小さい状況に適している。
【0042】
なお、本実施形態では、扉20が開く過程において、扉20が第1の方向Xおよび第2の方向Yに向かって同時に移動し、扉20がスムーズに開かれるとともに、扉20が周囲のキャビネットや壁などと干渉しない。
【0043】
図4および
図5を参照すると、本実施形態では、ヒンジ部品30は、互いに嵌合された第1の軸本体311および第1の溝本体321と、互いに嵌合された第2の軸本体312および第2の溝本体322とを含む。第1の軸本体311は庫本体10および扉20の一方に配置され、第1の溝本体321は庫本体10および扉20の他方に配置される。第2の軸本体312は庫本体10および扉20の一方に配置され、第2の溝本体322は庫本体10および扉20の他方に配置される。
【0044】
つまり、ヒンジ部品30は様々な形態で分布され得る。第1例では、第1の軸本体311および第2の軸本体312は庫本体10に配置され、第1の溝本体321および第2の溝本体322は扉20に配置される。第2例では、第1の軸本体311および第2の軸本体312は扉20に配置され、第1の溝本体321および第2の溝本体322は庫本体10に配置される。第3例では、第1の軸本体311および第2の溝本体322は庫本体10に配置され、第1の溝本体321および第2の軸本体312は扉20に配置される。第4例では、第1の軸本体311および第2の溝本体322は扉20に配置され、第1の溝本体321および第2の軸本体312は庫本体10に配置される。
【0045】
ここで、第1例を例にすると、第1の軸本体311および第2の軸本体312は庫本体10に配置され、第1の溝本体321および第2の溝本体322は扉20に配置される。
【0046】
具体的に、ヒンジ部品30は、互いに嵌合された第1のヒンジ金具32および第2のヒンジ金具31を含む。第1のヒンジ金具32は扉20に配置され、第2のヒンジ金具31は庫本体10に配置される。
【0047】
第1のヒンジ金具32は、第1のヒンジ金具本体323と、第1のヒンジ金具本体323に窪んだ第1の溝本体321および第2の溝本体322とを含む。
【0048】
第2のヒンジ金具31は、第2のヒンジ金具本体313と、第2のヒンジ金具本体313から突出した第1の軸本体311および第2の軸本体312とを含む。第2のヒンジ金具本体313は庫本体10に固定される。
【0049】
<第1の具体例>
第1の具体例では、
図6~
図11を参照すると、第1の溝本体321は、初期位置A1および枢動位置A2を有する。第2の溝本体322は、対向して配置された第1の端3221および第2の端3222と、第1の端3221と第2の端3222との間に配置されて接続された第1のセクションL1および第2のセクションL2とを含む。
【0050】
図6および
図7を参照すると、扉20が閉状態である場合、第1の軸本体311が初期位置A1にあり、第2の軸本体312が第1の端3221にあり、ドアシール22と庫本体10の前端面14とが相互に接触して封止される。
【0051】
図8および
図9を参照すると、扉20が閉状態から第1の開角度α1まで開く過程において、第2の軸本体312は第1のセクションL1内を移動して第1の軸本体311を初期位置A1から枢動位置A2まで移動させるように駆動し、扉20が第1の方向Xに沿って庫本体10から離れて移動し、サイドドアシール221と前端面14との間のピッチが増加すると同時に、扉20が枢動側Pから収容室Sに移動する。
【0052】
従来技術では、単軸のヒンジ部品であるため、扉が庫本体に対して常にその場で回転し、実際の操作中にドアシールにより扉が開く過程が阻害されないように、ドアシールの厚さ、扉の厚さなどの要素を考慮してヒンジ部品の軸中心位置を設計する必要がある。この場合、軸中心位置の設計過程が複雑であり、取付精度などの要素により、軸中心位置が所定の位置に保持されない場合がある。
【0053】
本具体例では、二軸(第1の軸本体311および第2の軸本体312)および二溝(第1の溝本体321および第2の溝本体322)により、扉20が庫本体10の前端から離れた方向に移動し、ドアシール22による扉20が開く過程への阻害を効果的に解決し、高い取付精度を必要せず、設計コストや取付難度を大幅に削減することができる。
【0054】
なお、扉20が開かれる瞬間、ヒンジ部品30は、扉20を庫本体10の前端から離れた方向に移動させるように駆動することにより、扉20の開きを効果的に補助する。これとともに、ヒンジ部品30は、扉20を枢動側Pから収容室Sに向かって移動させるように駆動することにより、扉20が庫本体10から突出するのを回避する。
【0055】
図10および
図11を参照すると、扉20が第1の開角度α1から継続的に最大開角度α2まで開く過程において、第1の軸本体311は枢動位置A2に保持され、第2の軸本体312は第1の軸本体311を中心として第2のセクションL2内を移動する。
【0056】
ここで、最大開角度α2は90°よりも大きい。
【0057】
なお、本例の冷蔵庫100はシングルドア冷蔵庫などであってよい。
【0058】
本具体例では、扉20は、庫本体10から離れた前壁23、および、前壁23と庫本体10との間に介在する側壁24を含む。
【0059】
ここで、前壁23は扉20の前面であり、側壁24は扉20の側面である。
【0060】
初期位置A1と前壁23との距離が枢動位置A2と前壁23との距離よりも小さく、初期位置A1と側壁24との距離が枢動位置A2と側壁24との距離よりも大きい。
【0061】
具体的に、第1の軸本体311が初期位置A1にあるときの中心と前壁23との間の距離は、第1の軸本体311が枢動位置A2にあるときの中心と前壁23との間の距離よりも小さい。
【0062】
第1の軸本体311が初期位置A1にあるときの中心と側壁24との間の距離は、第1の軸本体311が枢動位置A2にあるときの中心と側壁24との間の距離よりも大きい。
【0063】
第1の軸本体311の中心と前壁23との間の距離は第1のピッチであり、第1の軸本体311の中心と側壁24との間の距離は第2のピッチである。扉20が開く過程において、第1のピッチおよび第2のピッチが変化する。
【0064】
扉20が閉状態から第1の開角度α1まで開く過程において、第1のピッチが増加し、第2のピッチが減少する傾向がある。扉20が第1の開角度α1から継続的に最大開角度α2まで開く過程において、第1のピッチおよび第2のピッチは両方とも変化しない。
【0065】
ここで、扉20が閉状態から第1の開角度α1まで開く過程において、第1のピッチが増加する傾向がある。つまり、扉20が第1の方向Xに移動することに対応し、第2のピッチが減少する傾向がある。つまり、扉20が第2の方向Yに移動することに対応する。
【0066】
<第2の具体例>
図12~
図19は、本発明の第2の具体例の概略図である。理解を容易にするために、同様の構造には同様の符号を付加する。
【0067】
第2の具体例では、第1の溝本体321’は初期位置A1’および枢動位置A2’を有し、第2の溝本体322’は、対向して配置された第1の端3221’および第2の端3222’と、第1の端3221と第2の端3222’との間に配置されて接続された第1のセクションL1’、第2のセクションL2’および第3のセクションL3’とを含む。
【0068】
図12および
図13を参照すると、扉20’が閉状態である場合、第1の軸本体311’が初期位置A1’にあり、第2の軸本体312’が第1の端3221’にあり、ドアシール22’と庫本体10’の前端面14’とが相互に接触して封止される。
【0069】
図14および
図15を参照すると、扉20’が閉状態から第1の開角度α1まで開く過程において、第1の軸本体311’が初期位置A1’に保持され、第2の軸本体312’が第1の軸本体311’を中心として第1のセクションL1’内を移動する。
【0070】
図16および
図17を参照すると、扉20’が第1の開角度α1から継続的に第2の開角度α2まで開く過程において、第2の軸本体312’が第2のセクションL2’内を移動して第1の軸本体311’が初期位置A1’から枢動位置A2’まで移動させるように駆動し、扉20’が第1の方向Xに沿って庫本体10’から離れて移動し、サイドドアシール221’と前端面14’との間のピッチが増加すると同時に、扉20’が枢動側Pから収容室Sに移動する。
【0071】
従来技術では、単軸のヒンジ部品であるため、扉が庫本体に対して常にその場で回転し、実際の操作中にドアシールにより扉が開く過程が阻害されないように、ドアシールの厚さ、扉の厚さなどの要素を考慮してヒンジ部品の軸中心位置を設計する必要がある。この場合、軸中心位置の設計過程が複雑であり、取付精度などの要素により、軸中心位置が所定の位置に保持されない場合がある。
【0072】
本具体例では、二軸(第1の軸本体311’および第2の軸本体312’)および二溝(第1の溝本体321’および第2の溝本体322’)により、扉20’が庫本体10’の前端から離れた方向に移動し、ドアシール22’による扉20’が開く過程へ阻害を効果的に解決し、高い取付精度を必要せず、設計コストや取付難度を大幅に削減することができる。
【0073】
なお、扉20’が開く過程において、ヒンジ部品30’は扉20’を庫本体10’の前端から離れた方向に移動させるように駆動し、扉20’の開きを効果的に補助する。これとともに、ヒンジ部品30’は扉20’を枢動側Pから収容室Sに向かって移動させるように駆動し、扉20’が庫本体10’から突出するのを回避する。
【0074】
図18および
図19を参照すると、扉20’が第2の開角度α2から継続的に最大開角度α3まで開く過程において、第1の軸本体311’が枢動位置A2’に保持され、第2の軸本体312’が第1の軸本体311’を中心として第3のセクションL3’内を移動する。
【0075】
ここで、最大開角度α3は90°よりも大きい。
【0076】
本具体例では、扉20’は、庫本体10’から離れた前壁23’と、前壁23’と庫本体10’との間に介在する側壁24’とを含む。
【0077】
ここで、前壁23’は扉20’の前面であり、側壁24’は扉20’の側面である。
【0078】
初期位置A1’と前壁23’との距離が枢動位置A2’と前壁23’との距離よりも小さく、初期位置A1’と側壁24’との距離が枢動位置A2’と側壁24’との距離よりも大きい。
【0079】
具体的に、第1の軸本体311’が初期位置A1’にあるときの中心と前壁23’との間の距離は、第1の軸本体311’が枢動位置A2’にあるときの中心と前壁23’との間の距離よりも小さい。
【0080】
第1の軸本体311’が初期位置A1’にあるときの中心と側壁24’との間の距離は、第1の軸本体311’が枢動位置A2’にあるときの中心と側壁24’との間の距離よりも大きい。
【0081】
第1の軸本体311’の中心と前壁23’との間の距離は第1のピッチであり、第1の軸本体311’の中心と側壁24’との間の距離は第2のピッチである。扉20’が開く過程において、第1のピッチおよび第2のピッチは変化する。
【0082】
扉20’が閉状態から第1の開角度α1まで開く過程において、第1のピッチが増加し、第2のピッチが減少する傾向がある。扉20’が第1の開角度α1から継続的に最大開角度α2まで開く過程において、第1のピッチおよび第2のピッチは両方とも変化しない。
【0083】
<第3の具体例>
第3の具体例では、第2の具体例の説明および
図20~
図23を併せて、扉20’に第1の嵌合部25’がさらに設けられ、庫本体10’に第2の嵌合部15’がさらに設けられる。
【0084】
図20を参照すると、扉20’が閉状態である場合、第1の嵌合部25’と第2の嵌合部15’とが互いに係合される。
【0085】
ここで、第1の嵌合部25’と第2の嵌合部15’との係合により、扉20’と庫本体10’との閉鎖を実現する。第1の嵌合部25’および第2の嵌合部15’の具体的な形態は実際の状況に応じて異なる。
【0086】
図21を参照すると、扉20’が閉状態から第1の開角度α1まで開く過程において、第2の軸本体312’が第1の軸本体311’を中心として第1のセクションL1’内を移動して、第1の嵌合部25’を第2の嵌合部15’から分離させるように駆動する。
【0087】
ここで、扉20’が閉状態から第1の開角度α1まで開く過程において、扉20’が庫本体10’に対してその場で回転する。つまり、扉20’が他の方向に変位せずに回転し、扉20’のある方向への変位により、第1の嵌合部25’が第2の嵌合部15’から分離できないという現象を効果的に回避する。
【0088】
図22および
図23を参照すると、本具体例では、扉20’は、庫本体10’に枢動接続され水平方向に沿って配列された第1の扉201’および第2の扉202’を含む。
【0089】
冷蔵庫100’は、第1の扉201’の第2の扉202’に近い側に可動接続された垂直梁40’をさらに含み、第1の嵌合部25’は垂直梁40’に設けられる。
【0090】
ここで、垂直梁40’は第1の扉201’の右側に可動接続され、垂直梁40’と第1の扉201’とが戻りばね41’を介して接続され、垂直梁40’が垂直方向の軸線を中心として第1の扉201’に対して回転する。言い換えれば、垂直梁40’は戻りばね41’の作用により第1の扉201’に回転して所定の位置に保持される。
【0091】
第1の嵌合部25’は垂直梁40’から上方に突出する突起25’である。
【0092】
第2の嵌合部15’は庫本体10’に固定され、例えば、第2の嵌合部15’はベース101’上の溝15’である。ベース101’は庫本体10’の頂部に固定され、溝15’の一端が切欠151’を有する。切欠151’の開口方向は前方である。突起25’および溝15’は両方とも円弧状である。突起25’が切欠151’を介して溝15’に対して進出することにより、突起25’と溝15’との相互制限および相互分離を実現する。
【0093】
もちろん、第1の嵌合部25’および第2の嵌合部15’の具体的な構造は、上記の説明に限定されない。つまり、第1の嵌合部25’は垂直梁40’の突起25’に限定されず、第2の嵌合部15’も突起25’と嵌合された溝15’に限定されない。第1の嵌合部25’および第2の嵌合部15’は、冷蔵庫100’の他の領域に互いに嵌合された構造であってもよい。
【0094】
本例では、扉20’は、庫本体10’に枢動接続され水平方向に沿って配列された第3の扉203’および第4の扉204’をさらに含む。第3の扉203’は第1の扉201’の下方にあり、第4の扉204’は第2の扉202’の下方にある。冷蔵庫100’は、第3の扉203’および第4の扉204’の下方にある引出し50’をさらに含む。
【0095】
ここで、第1の扉201’および第2の扉202’に対応するチャンバーは冷蔵室である。つまり、冷蔵室はサイドバイサイド構造であり、第3の扉203’および第4の扉204’はそれぞれ独立した2つの温度可変室に対応し、引出し50’は冷凍引出しである。
【0096】
なお、冷蔵庫100’は、庫本体10’内部に固定され2つの温度可変室を仕切るための固定梁を含む。第3の扉203’および第4の扉204’は固定梁と協力して封止される。つまり、このとき第3の扉203’および第4の扉204’に垂直梁を設ける必要がなくなる。
【0097】
本具体例中の冷蔵庫100’は、第1の嵌合部25’および第2の嵌合部15’を含むシングルドア冷蔵庫、第1の嵌合部25’および第2の嵌合部15’を含むサイドバイサイド冷蔵庫、マルチドア冷蔵庫などであってよい。
【0098】
他の具体例では、冷蔵庫100’は第1の嵌合部25’および第2の嵌合部15’を含まなくてもよい。
図24および
図25を参照すると、冷蔵庫100’はサイドバイサイド冷蔵庫100’’であり、冷蔵庫100’’は間隔を空けて分布される2つのチャンバーを含む。2つのチャンバーは固定梁200’’を介して仕切られ、冷蔵庫100’’は2つのチャンバーにそれぞれ対応する第1の扉201’’および第2の扉202’’をさらに含む。第1の扉201’’および第2の扉202’’は隣接して設けられ、冷蔵庫100’’が閉状態である場合、第1の扉201’’および第2の扉202’’が両方とも固定梁200’’に接触して封止され、第1の扉201’’および/または第2の扉202’’が閉状態から第1の開角度α1まで開く過程において、第1の扉201’’および/または第2の扉202’’は庫本体10’’に対してその場で回転する。
【0099】
ここで、第1の扉201’’が開かれるときに水平方向に変位すると、第1の扉201’’と第2の扉202’’とが干渉して第1の扉201’’、第2の扉202’’を正常に開くことができない。しかしながら、本例では、冷蔵庫100’’が開かれるときに第1の扉201’’、第2の扉202’’がその場で回転するため、隣接する第1の扉201’’と第2の扉202’’との間の相互干渉を効果的に回避することができる。
【0100】
もちろん、冷蔵庫100の形態は、上記の具体例に限定されず、実際の状況に応じて異なってよい。
【0101】
本発明の別の実施形態では、
図1~
図25を参照すると、冷蔵庫100は、庫本体10と、庫本体10を開閉するための扉20と、庫本体10と扉20とを接続するためのヒンジ部品30とを含む。
【0102】
庫本体10は、対向して配置された後壁11および開口12を含む。後壁11の開口12に向かう方向は第1の方向Xである。
【0103】
ヒンジ部品30は、互いに嵌合された第1の軸本体311および第1の溝本体321と、互いに嵌合された第2の軸本体312および第2の溝本体322とを含む。
【0104】
第1の溝本体321は、初期位置A1および枢動位置A2を有する。第2の溝本体322は、対向して配置された第1の端3221および第2の端3222と、第1の端3221と第2の端3222との間に配置されて接続された第1のセクションL1および第2のセクションL2とを含む。
【0105】
図6および
図7を参照すると、扉20が閉状態である場合、第1の軸本体311が初期位置A1にあり、第2の軸本体312が第1の端3221にあり、ドアシール22と庫本体10の前端面14とが相互に接触して封止される。
【0106】
図8および
図9を参照すると、扉20が閉状態から第1の開角度α1まで開く過程において、第2の軸本体312が第1のセクションL1内を移動して第1の軸本体311を初期位置A1から枢動位置A2まで移動させるように駆動し、扉20が第1の方向Xに沿って庫本体10から離れて移動する。
【0107】
図10および
図11を参照すると、扉20が第1の開角度α1から継続的に最大開角度α2まで開く過程において、第1の軸本体311が枢動位置A2に保持され、第2の軸本体312が第1の軸本体311を中心として第2のセクションL2内を移動する。
【0108】
ここで、扉20が開く過程において、扉20が第1の方向Xに沿って庫本体10から離れて移動する。つまり、扉20が庫本体10の前端から離れた方向に移動する。このようにして、ヒンジ部品30の作用により、扉20と庫本体10との相互分離を補助し、扉の開き平滑度を向上させることができる。
【0109】
本実施形態では、庫本体10は、ヒンジ部品30に隣接して扉20の回転経路の延伸部分に設けられた外側面13、および、開口12の周りに設けられた前端面14を含む。
【0110】
扉20は、接続された扉本体21およびドアシール22を含む。ドアシール22は、外側面13に近いサイドドアシール221を含む。
【0111】
扉20が閉状態である場合、ドアシール22と前端面14とが相互に接触する。
【0112】
扉20が開く過程において、サイドドアシール221と前端面14との間のピッチが増加する。
【0113】
ここで、扉20が開く過程において、扉20が第1の方向Xに沿って庫本体10から離れて移動し、サイドドアシール221と前端面14との間のピッチが増加する。つまり、ヒンジ部品30は、ドアシール22を庫本体10の前端面14から分離させることを補助する。このようにして、ドアシール22により(例えばドアシール22の過度な圧迫、強すぎる磁気引力作用力などで)扉20が庫本体10からスムーズに分離できない状況のを回避し、ユーザが容易に扉20を開くことができる。
【0114】
本実施形態の他の説明は、上述の説明を参照すればよく、ここでは詳細な説明を省略する。
【0115】
以上のように、本発明は、第1の軸本体311、第1の溝本体321、第2の軸本体312、第2の溝本体322のような二軸二溝の嵌合構造により、扉20が開く過程において、扉20が第1の方向Xに沿って庫本体10から離れて移動し、サイドドアシール221と前端面14との間のピッチが増加する。このようにして、ドアシール22により扉20が庫本体10からスムーズに分離できない状況を回避し、ユーザが容易に扉20を開くことができる。
【0116】
以上の実施例は、本発明の技術的解決策を説明するためにのみ使用され、制限するものではなく、好ましい実施例を参照して本発明を詳しく説明したが、例えば異なる実施例の技術を組み合わせて同様の効果を達成できれば、その解決策も本発明の保護範囲に含まれる。当業者にとって、本発明の技術的解決策の精神および範囲を逸脱しない限り、本発明の技術的解決策に修正や同等置換を加えることができる。