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特許7444966情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20230101AFI20240228BHJP
【FI】
G06Q10/06
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022504838
(86)(22)【出願日】2020-03-04
(86)【国際出願番号】 JP2020009129
(87)【国際公開番号】W WO2021176591
(87)【国際公開日】2021-09-10
【審査請求日】2022-07-29
(73)【特許権者】
【識別番号】513040384
【氏名又は名称】株式会社マネーフォワード
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】北岸 郁雄
(72)【発明者】
【氏名】菅藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 大輔
【審査官】庄司 琴美
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-008691(JP,A)
【文献】特開2000-222027(JP,A)
【文献】特開2014-229219(JP,A)
【文献】特開2019-128870(JP,A)
【文献】特開2007-323680(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置であって、
取得部と、出力制御部と、を有し、
前記取得部は、経営資源情報を取得し、
前記経営資源情報が出力条件を満たした場合、前記出力制御部は、出力条件を満たした前記経営資源情報と、価値観情報と、に基づいて、前記経営資源情報に関するコメントの出力態様を決定し、決定した出力態様で前記コメントを出力可能に構成され、
前記価値観情報は、組織の価値観を表す情報であり、且つ、定性的な情報、又は、組織の価値観の変化に伴い新たに生成された情報である、
情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、
設定部を有し、
前記設定部は、前記価値観情報を設定する、
報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置において、
前記設定部は、複数の価値観情報の中から選択された一又は複数の価値観情報を設定する、
情報処理装置。
【請求項4】
請求項1~請求項3までの何れか1項に記載の情報処理装置において、
前記出力制御部は、出力条件を満たした前記経営資源情報と、前記価値観情報と、に基づいて、出力態様として、前記コメントを音声で出力することを決定する、
情報処理装置。
【請求項5】
請求項1~請求項4までの何れか1項に記載の情報処理装置において、
前記出力制御部は、出力条件を満たした前記経営資源情報と、価値観情報と、に基づいて、出力態様として、コメントを出力する音声の声色を決定する、
情報処理装置。
【請求項6】
請求項1~請求項5までの何れか1項に記載の情報処理装置において、
前記出力制御部は、出力条件を満たした前記経営資源情報と、価値観情報と、に基づいて、出力態様として、コメントを出力する音声の音量を決定する、
情報処理装置。
【請求項7】
請求項1~請求項3までの何れか1項に記載の情報処理装置において、
前記出力制御部は、出力条件を満たした前記経営資源情報と、価値観情報と、に基づいて、出力態様として、前記コメントをメール又はチャットへのテキストで出力することを決定する、
情報処理装置。
【請求項8】
請求項1~請求項7までの何れか1項に記載の情報処理装置において、
検知部を有し、
前記検知部は、前記経営資源情報が出力条件を満たしたことを検知し、
前記検知部によって前記経営資源情報が出力条件を満たしたことが検知された場合、前記出力制御部は、出力条件を満たした前記経営資源情報と、価値観情報と、に基づいて、出力態様を決定する、
情報処理装置。
【請求項9】
請求項1~請求項8までの何れか1項に記載の情報処理装置において、
前記経営資源情報は、会計情報又は財務情報を含む、
情報処理装置。
【請求項10】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
第1の工程と、第2の工程と、を含み、
前記第1の工程では、経営資源情報を取得し、
前記経営資源情報が出力条件を満たした場合、前記第2の工程では、出力条件を満たした前記経営資源情報と、価値観情報と、に基づいて、前記経営資源情報に関するコメントの出力態様を決定し、決定した出力態様で前記コメントを出力可能に構成され、
前記価値観情報は、組織の価値観を表す情報であり、且つ、定性的な情報、又は、組織の価値観の変化に伴い新たに生成された情報である、
情報処理方法。
【請求項11】
プログラムであって、コンピュータを、請求項1~請求項9までの何れか1項に記載の情報処理装置の各部として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
財務分析に基づき企業の経営を判断することが行われている。特許文献1には、財務分析を行うシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-227601号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、企業等の組織には、組織ごとの価値観が存在する。従来の技術では、組織の価値観を考慮したコメントは行われていなかった。
【0005】
本発明は、かかる事情を鑑みてなされたものであり、価値観情報に基づいた出力態様でコメントを出力する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、情報処理装置であって、取得部と、出力制御部と、を有し、前記取得部は、経営資源情報を取得し、前記経営資源情報が出力条件を満たした場合、前記出力制御部は、出力条件を満たした前記経営資源情報と、価値観情報と、に基づいて、前記経営資源情報に関するコメントの出力態様を決定し、決定した出力態様で前記コメントを出力可能に構成され、前記価値観情報は、組織の価値観を表す情報である、情報処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一つによれば、価値観情報に基づいた出力態様でコメントを出力する技術を提供することができるという有利な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】サーバ装置100を含むシステム1000の概略図である。
図2】サーバ装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】サーバ装置100の機能構成の一例を示す図である。
図4】サーバ装置100における情報処理の一例を示すアクティビティ図である。
図5】変形例2のサーバ装置100の機能構成の一例を示す図である。
図6】変形例2のサーバ装置100における情報処理の一例を示すアクティビティ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
本明細書において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、0又は1で構成される2進数のビット集合体として信号値の高低によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0011】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0012】
<実施形態1>
1.システムの概要
図1は、情報処理システム1000の一例を示す図である。図1に示されるように、情報処理システム1000は、サーバ装置100と、ユーザ端末120と、を含む。ユーザ端末120の例としては、スマートフォン120aであったり、スマートスピーカー120bであったりする。サーバ装置100と、ユーザ端末120とは、ネットワーク(NW)を介して通信可能に接続されている。なお、ユーザ端末120の他の例として、PC(Personal Computer)、タブレット型端末、ウェアラブルデバイス等であってもよい。
【0013】
2.ハードウェア構成
図2は、サーバ装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。図2に示されるように、サーバ装置100は、ハードウェア構成として、制御部101と、記憶部102と、入力部103と、出力制御部104と、通信部105と、を含む。制御部101は、CPU等であって、サーバ装置100の全体を制御する。記憶部102は、HDD、ROM、RAM等であって、プログラム、制御部101がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶する。制御部101が、記憶部102に記憶されているプログラムに基づき、処理を実行することによって、サーバ装置100の機能が実現される。入力部103は、マウス及びキーボード等であって、ユーザ操作を制御部101に入力する。出力制御部104は、ディスプレイ及びマイク等であって、制御部101の処理の結果等を表示したり、音声として出力したりする。通信部105は、NIC等であって、サーバ装置100をネットワークに接続し、サーバ装置100及びユーザ端末120との通信を司る。
【0014】
なお、ユーザ端末120のハードウェア構成もサーバ装置100のハードウェア構成と同様であり、ユーザ端末120の制御部がユーザ端末120の記憶部に記憶されているプログラムに基づき処理を実行することによりユーザ端末120の機能等が実現される。
【0015】
3.機能構成
図3は、サーバ装置100の機能構成の一例を示す図である。図3に示されるように、機能構成として、取得部201と、検知部202と、出力制御部203と、を含む。
【0016】
(取得部201)
取得部201は、例えば、記憶部102の所定の領域に記憶されている経営資源情報を所定の領域から取得する。ここで、経営資源情報とは、例えば、サーバ装置100が設置されている会社の会計情報又は財務情報を含む情報である。但し、このことは本実施の形態を制限するものではなく、経営資源情報として、労働力の情報、知的財産の情報、会社の土地、建物等の不動産の情報等を含んでもよい。また、経営資源情報は、会計情報、財務情報、労働力の情報等を分析した結果の分析情報であってもよい。また、経営資源情報は、会計情報及び財務情報であってもよい。すなわち、経営資源情報とは、会社等の経営において資源となる情報であればどのような情報であってもよい。但し、以下では、説明の簡略化のため、経営資源情報として、会計情報を例に説明を行う。
【0017】
(検知部202)
検知部202は、会計情報が出力条件を満たしたことを検知する。
出力条件としては、例えば、
・所定期間における売上金額が設定値を下回る
・所定期間における支払金額が設定値を上回る
等がある。なお、出力条件は複数設定することができる。但し、以下では説明の簡略化のため、特に言及しない限り、出力条件を1つとして説明を行う。
【0018】
(出力制御部203)
会計情報が出力条件を満たした場合、出力制御部203は、出力条件を満たした会計情報に関する情報と、価値観情報と、に基づいて、出力態様を決定し、決定した出力態様でコメントを出力可能に構成されている。より具体的に説明すると、検知部202によって会計情報が出力条件を満たしたことが検知された場合、出力制御部203は、出力条件を満たした会計情報に関する情報に基づいて、出力するコメントを決定する。ここで、出力条件を満たした会計情報に関する情報とは、出力条件と、その出力条件を満たした会計情報との情報である。出力条件が上述した「売上金額が設定値を下回る」であった場合、出力制御部203は、「売上金額が設定値を下回る」という情報と、実際の「売上金額」と、に基づいて、例えば、出力するコメントとして、「先月の売上金額は1000万円です。目標値である1500万円を500万円下回っています!」等と決定する。
【0019】
また、他の例として、出力条件が、
・手持ちの現金が設定値以下
であるなど、検知部202によって会計情報が出力条件を満たしたことが検知された場合には、出力制御部203は、「手持ちの現金が設定値以下」という条件と、実際の「手持ちの現金」と、に基づいて、「融資を受けた方がいいです!」等とコメントする。その際、出力制御部203は、そのようなコメントを出力する理由を含めて出力してもよい。上記の例の場合、理由は、「手持ちの現金は○○○万円で、設定値の○○○○万円以下になっています。」等がある。すなわち、この場合は、事実に基づいたコメントに限られず、システムによる予測に基づいたコメントであってもよい。ここで、手持ちの現金とは、例えば、口座残高、社内の金庫に保管している現金、小口現金が挙げられる。
【0020】
また、出力制御部203は、出力条件を満たした会計情報に関する情報と、価値観情報と、に基づいて、コメントの出力態様を決定し、決定した出力態様でコメントを出力する。ここで、価値観情報は、何に価値を置いた経営を行うか等の組織の価値観を表す情報である。価値観情報は、月ごとに設定されてもよいし、年ごとに設定されてもよい。また、価値観情報に日時情報が付加されて設定されてもよい。価値観情報として日時情報が付加されている場合、出力制御部203は、出力態様を決定する際の日時に対応する日時情報が付加されている価値観情報を使用する。
【0021】
コメントの出力態様の一例としては、コメントの出力手段がある。例えば、出力制御部203は、「売上金額が設定値を下回る」ことが価値観情報に基づき重要であると判断した場合は、コメントを音声で出力すると共に、メール又はチャットへのテキストで出力することを決定する。これは、例えば、売上を増やすことが重要である、という価値観に基づくものである。また、例えば、出力制御部203は、「売上金額が設定値を下回る」ことが価値観情報基づき普通であると判断した場合は、コメントを音声で出力することを決定する。これは、例えば、売上を増やすことも重要であるものの、従業員の働きやすさとのバランスが重要である、という価値観に基づくものである。また、例えば、出力制御部203は、「売上金額が設定値を下回る」ことが価値観情報基づき重要でないと判断した場合は、コメントをメール又はチャットへのテキストで出力することを決定する。これは、例えば、売上を増やすことよりも、従業員の働きやすさが重要である、という価値観に基づくものである。
【0022】
すなわち、価値観情報に基づいて決定された重要度が高いほど、ユーザに対して伝わりやすいコミュニケーション手段を採用することが好ましい。また、ユーザの属性(例:役職、役割、性格、資質)を考慮して、最適なコミュニケーション手段を採用することがさらに好ましい。
【0023】
4.情報処理
図4は、サーバ装置100における情報処理の一例を示すアクティビティ図である。
A301において、取得部201は、会計情報を取得する。
A302において、検知部202は、A301において取得された会計情報が出力条件を満たしているか否かを判定する。検知部202は、会計情報が出力条件を満たしことを検知した場合、会計情報が出力条件を満たしたと判定し、処理をA303に進める。一方、検知部202は、会計情報が出力条件を満たしことを検知していない場合、会計情報が出力条件を満たしていないと判定し、A301に処理を戻す。
【0024】
A303において、出力制御部203は、出力条件を満たした会計情報に関する情報と、価値観情報と、に基づいて、出力態様を決定する。
A303において、出力制御部203は、出力条件を満たした会計情報に関する情報に基づいて、出力するコメントを決定し、A303で決定した出力態様で、コメントを出力する。上述したように、出力制御部203は、コメントを音声で出力したり、予め設定された管理者等のメールアドレス宛にメールで出力したりする。なお、出力先は、サーバ装置100の出力部104であってもよいし、ユーザ端末120の出力部等であってもよい。
【0025】
実施形態1によれば、価値観情報に基づいた出力態様でコメントを出力することができる。例えば、サーバ装置100は、価値観情報に基づいて、通知する内容として重要であると判断した場合は、コメントを、音声で出力すると共に、メール等のテキストで出力する。また、サーバ装置100は、価値観情報に基づいて、通知する内容として普通であると判断した場合、コメントを音声で出力する。また、サーバ装置100は、価値観情報に基づいて、通知する内容として重要ではないと判断した場合は、コメントをメール等のテキストで出力する。このように、価値観情報に基づいた出力態様を切り替えることによって、ある組織における価値観に基づいて、重要なコメントは分かりやすい形(例:音声で出力すると共にメール等のテキストでも出力する)で管理者等に伝えることができると共に、その組織においてあまり重要でないコメントは取り敢えず伝える形(例:メール等のテキストだけで出力する)で、管理者等に伝えることができる。
【0026】
なお、サーバ装置100を情報処理装置の一例とした場合、サーバ装置100の出力制御部203により出力されたコメント出力命令がユーザ端末120に送信され、ユーザ端末120からコメントが出力されてもよいし、サーバ装置100の出力部104から出力されてもよい。サーバ装置100の出力部104から出力される場合、サーバ装置100は、ユーザ(例えば、社長等)の部屋に設置されているものとする。また、ユーザ端末120(例えば、プログラムをプリインストールしたスマートスピーカー)を情報処理装置の一例とした場合、サーバ装置100の機能の全て又は一部はユーザ端末120に入っていてもよい。以下の実施形態においても同様である。
【0027】
(変形例1)
変形例1を説明する。
実施形態1ではコメントの出力態様の一例として、コメントの出力手段を例に説明を行った。しかし、コメントの出力態様の他の例として、コメントの出力方法を使い分けてもよい。変形例1では、コメントの出力手段として音声を例に説明を行う。
即ち、出力制御部203は、出力条件を満たした会計情報に関する情報と、価値観情報と、に基づいて、出力態様として、コメントを出力する音声の声色を決定するようにしてもよい。また、出力制御部203は、出力条件を満たした会計情報に関する情報と、価値観情報と、に基づいて、出力態様として、コメントを出力する音声の音量を決定するようにしてもよい。
【0028】
例えば、出力制御部203は、「売上金額が設定値を下回る」ことが価値観情報基づき、重要であると判断した場合は、音の声色及び音声の音量を決定し、通常より大きな、怒った感じで、コメントを出力するようにする。また、例えば、出力制御部203は、「売上金額が設定値を下回る」ことが価値観情報基づき、普通であると判断した場合は、音の声色及び音声の音量を決定し、通常の大きさで、普通の話し声で、コメントを出力するようにする。また、例えば、出力制御部203は、「売上金額が設定値を下回る」ことが価値観情報基づき、重要でないと判断した場合は、音の声色及び音声の音量を決定し、通常より小さく、明るい感じで、コメントを出力するようにする。ここで、本実施形態では、価値観情報と出力態様を対応付けて記憶部102に記憶している。
【0029】
なお、上述した例は、一例であって、出力制御部203は、出力条件を満たした会計情報に関する情報と、価値観情報と、に基づいて、申し訳無さそうな感じ、怒った感じ、無表情な感じ、悲しそうな感じで、コメントを音声で出力するようにしてもよい。出力制御部203は、これらの感じは、声色(波長、振幅、振動数、話のスピード、抑揚、間合い等)、音量等を代えて表現してもよい。
【0030】
また、予め、申し訳無さそうな感じ、怒った感じ、無表情な感じ、悲しそうな感じの音声モードの音声がサーバ装置100に記憶されており、出力制御部203は、出力条件を満たした会計情報に関する情報と、価値観情報と、に基づいて、音声モードを選択し、選択した音声モードでコメントを出力するようにしてもよい。
【0031】
また、出力制御部203は、複数のコメントを続けて出力する場合で、ポジティブな内容と、ネガティブな内容とが混在していた場合、どちらかの音声モードに合わせてコメントを出力するようにしてもよい。例えば、先月に比べて売上金額は増加していたが、営業利益が減少していた場合、出力制御部203は、売上金額の増加も悲しそうな感じでコメントを音声で出力すると共に、営業利益の減少についても悲しそうな感じでコメントを音声で出力する。
【0032】
また、出力制御部203は、出力条件を満たした会計情報に関する情報に基づき、支出が増加していると判断した場合であっても、価値観情報に基づき、必要な支出だと判断した場合は、別の部分での節約を申し訳無さそうに、提案するコメントを出力するようにしてもよい。
【0033】
変形例1によっても価値観情報に基づいた出力態様でコメントを出力することができる。例えば、変形例1によれば、出力条件を満たした会計情報に関する情報と、価値観情報と、に基づいて、例えば、申し訳無さそうな感じ、怒った感じ、無表情な感じ、悲しそうな感じで、コメントを音声で出力することができる。
また、サーバ装置100は、実施形態1と変形例1を組み合わせて実施してもよい。
【0034】
(変形例2)
変形例2を説明する。
図5は、変形例2のサーバ装置100の機能構成の一例を示す図である。図5に示されるように、変形例2のサーバ装置100は、機能構成として、実施形態1のサーバ装置100の機能構成に比べて、設定部401を更に含む。
設定部401は、価値観情報を設定する。より具体的説明すると、設定部401は、入力部103等を介したユーザ操作に基づいて、価値観情報を設定してもよいし、過去の価値観情報、入力された教師データとしての価値観情報に基づいて、価値観情報を機械学習し、新たな価値観情報を設定してもよい。価値観情報は、予め定められた情報、又は、組織の価値観の変化に伴い新たに生成された情報である。具体的には、システム1000の提供者により予め定められた情報、ユーザが任意に設定した情報に加え、組織の価値観の変化に伴い、システムが自動的に生成した情報が含まれる。会計情報が出力条件を満たした場合、出力制御部203は、出力条件を満たした会計情報に関する情報と、設定部によって設定された価値観情報と、に基づいて、出力態様を決定し、決定した出力態様でコメントを出力する。また、設定部401は、入力部103等を介したユーザ操作に基づいて、複数の価値観情報の中から一又は複数の価値観情報を選択し、設定するようにしてもよい。ここで、複数の価値観情報を選択する場合には、それぞれの価値観情報における優先順位に基づいて、具体的なコメントを決定することができる。
【0035】
図6は、変形例2のサーバ装置100における情報処理の一例を示すアクティビティ図である。変形例2のサーバ装置100における情報処理は、実施形態1のサーバ装置100における情報処理に比べてA501を更に含む。
A501において、設定部401は、価値観情報を設定する。ここで、価値観情報は、会社全体に1つであってもよいし、部ごとに異なる価値観情報があってもよい。その場合、組織の上位の価値観情報が優先されるものとする。即ち、ある部の価値観情報と、会社全体の価値観情報とは、会社全体の価値観情報が優先されるものとする。なお、会社全体の価値観情報、部ごとの価値観情報がある場合、これらに対応する、会社全体の出力条件、部ごとの出力条件があってもよい。
例えば、A303において、出力制御部203は、会社全体の出力条件を満たした会計情報に関する情報と、会社全体の価値観情報とに基づいて、第1の出力態様を決定すると共に、ある部の出力条件を満たした会計情報に関する情報と、ある部の価値観情報とに基づいて、第2の出力態様を決定する。
そして、A304において、出力制御部203は、A303で決定された第1の出力態様で会社全体のコメントを出力し、A303で決定された第2の出力態様である部のコメントを出力する。
このような構成とすることによって、例えば、出力制御部203は、会社全体の報告をする際には、元気に力強く、目標が達成されたことをコメントする一方、ある部の報告をする際には、元気なく残念な感じで、目標が達成されなかったことをコメントすることができる。
【0036】
変形例2によれば、価値観情報を設定することができる。また、部ごと、及び会社全体等に価値観情報を設定することもできる。このようにすることによって、更に、バリエーションに富んだ出力態様でコメントを出力することもできる。
【0037】
(変形例3)
変形例3を説明する。出力制御部203は、ユーザの入力情報に基づいて、コメントの出力態様を変更するようにしてもよい。例えば、ユーザ端末120において、コメントが音声で出力された場合に、ユーザによって、「もっと詳しく」と音声入力がされたとする。ユーザ端末120を介して、音声が入力された場合、出力制御部203は、音声を解析し、もっと詳しい情報の要求であると判定すると、例えば、音声のみならず、メール等のテキストでコメントも更に出力するよう制御してもよい。その際、そのテキストには音声で出力された情報より更に詳細な情報を記載するようにしてもよい。詳細な情報とは、例えば、音声で出力したコメントの根拠となるデータ、コメントに関する資料のリンク情報等が含まれる情報である。
【0038】
また、もっと詳しい情報の要求であると判定した場合、出力制御部203は、出力手段を変える、又は追加するのではなく、同じ出力手段であってもその方法を変えるよう制御してもよい。例えば、前回も音声によるコメントの出力であったとしても、もっと詳しい情報の要求であると判定した場合、出力制御部203は、出力するコメントのスピードを先程よりゆっくりと出力するよう制御するようにしてもよい。特に、出力制御部203は、他の部分より重要であると判断できる箇所、例えば、コメントにおける結論等は、他の箇所よりはっきりとした音声で、ゆっくりと出力するよう制御してもよい。
【0039】
また、ユーザ端末120を介して、音声が入力された場合、出力制御部203は、音声を解析し、「ん?」、「えっ?」等の聞き返しの要求であると判定すると、出力するコメントのスピードを先程よりゆっくりと、大きな音声で出力するよう制御してもよい。また、聞き返しの要求があったと判定すると、出力制御部203は、重要である箇所の音声を出力するよう制御してもよい。
即ち、出力制御部203は、状況に応じて、話すスピード、声の大きさ等、抑揚を付けてコメントを出力するよう制御してもよい。
【0040】
(変形例4)
以下、変形例4を説明する。
変形例4では、出力制御部203は、コメントを伝える対象のユーザの属性、又は性質等に基づいて、出力態様を変更するようにしてもよい。ユーザの属性、又は性質は、予め設定されていてもよいし、出力制御部203等が学習し、学習結果を記憶部102等に記憶してもよい。例えば、何回も聞き直すことが続いた場合、出力制御部203は、対象とするユーザは、雑音が多い環境で仕事をしているユーザであると学習し、学習結果を記憶部120等に記憶する。雑音が多い環境で仕事をしているユーザに対してコメントを音声で出力する場合、出力制御部203は、コメントの音声を大きくしたり、滑舌よくコメントを出力するよう制御する。
【0041】
(付記)
本発明は、次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記情報処理装置において、設定部を有し、前記設定部は、前記価値観情報を設定し、前記価値観情報は、予め定められた情報、又は、組織の価値観の変化に伴い新たに生成された情報である、情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記設定部は、複数の価値観情報の中から選択された一又は複数の価値観情報を設定する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記出力制御部は、出力条件を満たした前記経営資源情報と、前記価値観情報と、に基づいて、出力態様として、前記コメントを音声で出力することを決定する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記出力制御部は、出力条件を満たした前記経営資源情報と、価値観情報と、に基づいて、出力態様として、コメントを出力する音声の声色を決定する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記出力制御部は、出力条件を満たした前記経営資源情報と、価値観情報と、に基づいて、出力態様として、コメントを出力する音声の音量を決定する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記出力制御部は、出力条件を満たした前記経営資源情報と、価値観情報と、に基づいて、出力態様として、前記コメントをメール又はチャットへのテキストで出力することを決定する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、検知部を有し、前記検知部は、前記経営資源情報が出力条件を満たしたことを検知し、前記検知部によって前記経営資源情報が出力条件を満たしたことが検知された場合、前記出力制御部は、出力条件を満たした前記経営資源情報と、価値観情報と、に基づいて、出力態様を決定する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記経営資源情報は、会計情報又は財務情報を含む、情報処理装置。
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、第1の工程と、第2の工程と、を含み、前記第1の工程では、経営資源情報を取得し、前記経営資源情報が出力条件を満たした場合、前記第2の工程では、出力条件を満たした前記経営資源情報と、価値観情報と、に基づいて、前記経営資源情報に関するコメントの出力態様を決定し、決定した出力態様で前記コメントを出力可能に構成され、前記価値観情報は、組織の価値観を表す情報である、情報処理方法。
プログラムであって、コンピュータを、前記情報処理装置の各部として機能させるためのプログラム。
もちろん、この限りではない。
【0042】
例えば、上述のプログラムを記憶する、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体として提供してもよい。
また、上述した実施形態及び変形例を任意に組み合わせて実施するようにしてもよい。
また、出力制御部203は、音声、又はコメント以外に、振動、光等でも情報を出力するようにしてもよい。
【0043】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0044】
100 :サーバ装置
120 :ユーザ端末
101 :制御部
102 :記憶部
103 :入力部
104 :出力制御部
105 :通信部
120 :ユーザ端末
201 :取得部
202 :検知部
203 :出力制御部
401 :設定部
図1
図2
図3
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図5
図6