(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】電池セル、電池、電力消費装置、製造方法及び製造設備
(51)【国際特許分類】
H01M 50/342 20210101AFI20240228BHJP
H01M 50/103 20210101ALI20240228BHJP
H01M 50/133 20210101ALI20240228BHJP
H01M 50/15 20210101ALI20240228BHJP
【FI】
H01M50/342 101
H01M50/103
H01M50/133
H01M50/15
(21)【出願番号】P 2022545097
(86)(22)【出願日】2021-03-26
(86)【国際出願番号】 CN2021083193
(87)【国際公開番号】W WO2022198622
(87)【国際公開日】2022-09-29
【審査請求日】2022-07-25
(73)【特許権者】
【識別番号】522021826
【氏名又は名称】江▲蘇▼▲時▼代新能源科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】JIANGSU CONTEMPORARY AMPEREX TECHNOLOGY LIMITED
【住所又は居所原語表記】No.1000 Chengbei Road, Kunlun Street, Liyang City, Changzhou, Jiangsu 213300, China
(74)【代理人】
【識別番号】100167689
【氏名又は名称】松本 征二
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼▲劍▼雄
(72)【発明者】
【氏名】黄思▲應▼
(72)【発明者】
【氏名】郭志君
【審査官】佐溝 茂良
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第205582984(CN,U)
【文献】中国実用新案第212136565(CN,U)
【文献】特開2003-346762(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103035863(CN,A)
【文献】特開2017-073195(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/30-50/392
H01M 50/10-50/198
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池セルであって、
壁部を有するハウジングと、
前記壁部に設けられ、本体部と前記本体部に接続された弱い部を含む圧力解放機構と、
を含み、
前記本体部は前記壁部を接続し、前記圧力解放機構は前記電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達した時、前記弱い部が破壊されて圧力を解放し、
前記圧力解放機構は、前記本体部自身の厚さ方向に設けられた補強部をさらに含み、前記補強部は前記本体部の変形を小さく
し、
前記弱い部は前記圧力解放機構に凹溝を設置することによって形成され、前記弱い部の厚さは前記本体部の厚さより小さく、
前記凹溝で囲まれた領域は軸線を有し、前記補強部は2つの端部領域を有し、前記端部領域から前記軸線への方向に沿って、前記端部領域の厚さが徐々に減少する、
ことを特徴とする電池セル。
【請求項2】
前記補強部は前記厚さ方向に沿って前記本体部の表面から外へ突出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電池セル。
【請求項3】
前記補強部は前記本体部に設置された中実の突起ブロックである、
ことを特徴とする請求項2に記載の電池セル。
【請求項4】
前記凹溝は環状を呈し、前記本体部は第1の接続部と第2の接続部を含み、前記第1の接続部と前記第2の接続部はそれぞれ前記凹溝自身の幅方向に沿った両側に位置し、前記第1の接続部は前記壁部を接続し、前記第2の接続部は前記凹溝で囲まれた領域内に位置し、前記補強部は前記第2の接続部に設けられている、
ことを特徴とする請求項
1に記載の電池セル。
【請求項5】
前記補強部は2つの端部領域を有し、前記端部領域の最小厚さはHであり、前記端部領域と前記凹溝との間の最小ピッチはLであり、ここで、0.1<H/L<0.45である、
ことを特徴とする請求項
4に記載の電池セル。
【請求項6】
前記補強部は2つの端部領域を有し、2つの前記端部領域と前記凹溝との間の最小ピッチは等しい、
ことを特徴とする請求項
4又は
5に記載の電池セル。
【請求項7】
2つの前記補強部は交差するように設置される、
ことを特徴とする請求項
1~
6のいずれか1項に記載の電池セル。
【請求項8】
前記補強部は長尺状構造であり、2つの前記補強部は互いに垂直である、
ことを特徴とする請求項
7に記載の電池セル。
【請求項9】
前記厚さ方向に沿って、2つの前記補強部の正投影面積はS1であり、前記凹溝で囲まれた領域の正投影面積はS2であり、ここで、0.2<S1/S2<0.3である、
ことを特徴とする請求項
7又は
8に記載の電池セル。
【請求項10】
前記壁部は貫通孔を有し、前記本体部は前記貫通孔を覆い、前記補強部は前記貫通孔内に位置し、前記補強部は前記ハウジングの内部から外部に指向する方向に沿って前記壁部の外面を超えない、
ことを特徴とする請求項1~
9のいずれか1項に記載の電池セル。
【請求項11】
前記電池セルは、前記壁部の外面に付着し、前記圧力解放機構を覆う保護シートをさらに含む、
ことを特徴とする請求項
10に記載の電池セル。
【請求項12】
前記ハウジングは、端部カバーとケースを含み、前記ケースには開口が設けられ、前記端部カバーは前記開口を覆い、
前記ケースは側壁と底壁を含み、前記側壁は前記端部カバーを接続し、前記底壁と前記開口は前記厚さ方向に沿って対応的に設置され、前記側壁の厚さ、前記底壁の厚さはいずれも前記端部カバーの厚さより小さく、前記壁部は前記側壁又は前記底壁である、
ことを特徴とする請求項1~
11のいずれか1項に記載の電池セル。
【請求項13】
電池であって、
請求項1~
12のいずれか1項に記載の電池セルを含む、
ことを特徴とする電池。
【請求項14】
電力消費装置であって、
請求項
13に記載の電気エネルギーを提供する電池を含む、
ことを特徴とする電力消費装置。
【請求項15】
電池セルの製造方法であって、
端部カバーとケースを提供することと、
前記ケースに収容された電極組立体を提供することと、
前記端部カバーと前記ケースを組立てることと、
を含み、
前記ケースには開口が設けられ、前記端部カバーは前記開口を覆い、前記ケースは、前記端部カバーを接続する側壁と、前記厚さ方向に沿って前記開口と対向するように設置された底壁と、を含み、前記側壁の厚さ、前記底壁の厚さはいずれも前記端部カバーの厚さより小さく、前記側壁又は前記底壁には貫通孔と、本体部と前記本体部に接続された弱い部を含む圧力解放機構とが設けられ、前記本体部は前記側壁又は前記底壁を接続し、前記圧力解放機構は前記電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達した時に前記弱い部が破壊されて前記圧力を解放し、前記圧力解放機構は、前記本体部の自身の厚さ方向に設けられた補強部をさらに含み、前記補強部は前記本体部の変形を減少し、
前記弱い部は前記圧力解放機構に凹溝を設置することによって形成され、前記弱い部の厚さは前記本体部の厚さより小さく、前記凹溝で囲まれた領域は軸線を有し、前記補強部は2つの端部領域を有し、前記端部領域から前記軸線への方向に沿って、前記端部領域の厚さが徐々に減少し、
前記端部カバーは前記側壁に接続され前記開口を覆う
ことを特徴とする電池セルの製造方法。
【請求項16】
電池セルの製造設備であって、
端部カバーと、ケースとを提供する第1の提供モジュールと、
前記ケースに収容された電極組立体を提供する第2の提供モジュールと、
前記端部カバーと前記ケースを組立てる組立モジュールと、
を含み、
前記ケースには開口が設けられ、前記端部カバーは前記開口を覆い、前記ケースは、前記端部カバーを接続する側壁と、前記厚さ方向に沿って前記開口と対向するように設置された底壁と、を含み、前記側壁の厚さ、前記底壁の厚さはいずれも前記端部カバーの厚さより小さく、前記側壁又は前記底壁には貫通孔と、本体部と前記本体部に接続された弱い部を含む圧力解放機構とが設けられ、前記本体部は前記側壁又は前記底壁を接続し、前記圧力解放機構は前記電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達した時に前記弱い部が破壊されて前記圧力を解放し、前記圧力解放機構は、前記本体部の自身の厚さ方向に設けられた補強部をさらに含み、前記補強部は前記本体部の変形を減少し、
前記弱い部は前記圧力解放機構に凹溝を設置することによって形成され、前記弱い部の厚さは前記本体部の厚さより小さく、前記凹溝で囲まれた領域は軸線を有し、前記補強部は2つの端部領域を有し、前記端部領域から前記軸線への方向に沿って、前記端部領域の厚さが徐々に減少し、
前記端部カバーは前記側壁に接続され前記開口を覆う
ことを特徴とする電池セルの製造設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は電池技術分野に関し、特に電池セル、電池、電力消費装置、製造方法及び製造設備に関する。
【背景技術】
【0002】
充放電可能な電池はエネルギー密度が高く、電力密度が高く、サイクル使用回数が多く及び貯蔵時間が長い等の利点があるため、電気自動車、モバイル機器又は電動工具に広く応用されている。電池は、複数の直列、並列又は直並列する電池セルを含む。電池使用過程において、電池セルに熱暴走が発生していない場合は爆破が発生して圧力を解放する場合があるため、電池の正常な使用に影響を与える。
【発明の概要】
【0003】
本願は、電池セルに熱暴走が発生していない場合に爆破が発生して圧力を解放する問題を解決することを目的とし、電池セル、電池、電力消費装置、製造方法及び製造設備を提供する。
【0004】
一つの態様では、本願は、以下を含む電池セルを提供する。
【0005】
ハウジングは壁部を有する。
【0006】
圧力解放機構は、壁部に設けられ、圧力解放機構は本体部と本体部に接続された弱い部を含み、本体部は壁部を接続するのに用いられ、圧力解放機構は電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達した時に弱い部が破壊されて圧力を解放するのに用いられる。
【0007】
圧力解放機構は、本体部の自身の厚さ方向に設けられた補強部をさらに含み、補強部は本体部の変形を小さくするのに用いられる。
【0008】
本願により提供される電池セルによれば、圧力解放機構の補強部は本体部の変形を小さくすることができ、それにより、補強部が設置された圧力解放機構は、その本体部の対応する領域の隆起や凹みの変形程度が低下し、さらに、本体部に接続する弱い部に担持される交番応力を小さくすることに有利であり、電池セルが正常に使用されている場合、本体部に接続された弱い部に交番疲労老化又は破断が発生して圧力解放機構に繰り上げて爆破して圧力を解放する可能性を低減し、電池の使用安全性と安定性を向上させることに有利である。
【0009】
本願の一つの実施例によれば、補強部は厚さ方向に沿って本体部の表面から外へ突出する。
【0010】
補強部は電池セルの内部空間を占有することがなく、電解液が補強部を腐食して補強部が損傷し、自身の強度が弱まる可能性を低減することもできる。
【0011】
本願の一つの実施例によれば、補強部は本体部に設置された中実の突起ブロックである。
【0012】
補強部が中実の突起ブロックである場合、補強部自身の強度が大きく、優れた耐衝撃変形の能力を有する。補強部に外部の付勢力が作用する時、補強部が凹み、崩れて変形しにくくなる。
【0013】
本願の一つの実施例によれば、弱い部は圧力解放機構に凹溝を設置することによって形成され、弱い部の厚さは本体部の厚さよりも小さい。
【0014】
本願の一つの実施例によれば、凹溝は環状を呈し、本体部は第1の接続部と第2の接続部を含み、第1の接続部と第2の接続部はそれぞれ凹溝の自身の幅方向に沿った両側に位置し、第1の接続部は壁部を接続するのに用いられ、第2の接続部は凹溝で囲まれた領域内に位置し、補強部は第2の接続部に設けられている。
【0015】
補強部は、凹溝で囲まれた領域に位置し、それによって補強部は、凹溝で囲まれた領域の強度を高めることができ、凹溝で囲まれた領域の変形程度の低減に有利であり、さらに、本体部に接続された弱い部に担持される交番応力を低減することができる。
【0016】
本願の一つの実施例によれば、補強部は2つの端部領域を有し、端部領域の最小厚さはHであり、端部領域と凹溝との間の最小ピッチはLであり、ここで、0.1<H/L<0.45である。
【0017】
0.1≧H/Lの場合、補強部の端部領域の最小厚さが薄く、又は、端部領域と凹溝との間の最小ピッチが大きくなり、この場合、補強部が本体部の凹溝に近接する領域に対する補強作用が明らかでなく、又は補強作用がないため、本体部の凹溝に近接する領域は同じ圧力作用に耐えても変形量が大きくなり、本体部に接続された弱い部に担持される交番応力が依然として大きい。
【0018】
H/L≧0.45の場合、補強部の端部領域の最小厚さが厚く、又は、端部領域と凹溝との間の最小ピッチが小さくなり、この場合、補強部が本体部の凹溝に近接する領域に対する補強程度が大きくなり、本体部の凹溝に近接する領域が同じの圧力作用に耐える時に変形量が小さくなり、本体部に接続された弱い部は、電池セルの内部圧力が所定値に達しても破断が発生しない可能性があり、圧力解放機構の正常な爆破と圧力の解放に影響を与える。
【0019】
本願の一つの実施例によれば、補強部は2つの端部領域を有し、2つの端部領域と凹溝との間の最小ピッチは等しい。
【0020】
補強部の2つの端部領域の各自は、本体部の凹溝に近接する領域の補強程度に対して一致を保持し、本体部における2つの端部領域に対応する領域の変形程度に差異が存在する可能性を低減し、さらに、本体部に接続された弱い部が破断した時に耐えられる圧力値の一致性を保証するのに有利である。
【0021】
本願の一つの実施例によれば、凹溝で囲まれた領域は軸線を有し、補強部は2つの端部領域を有し、端部領域から軸線への方向に沿って、端部領域の厚さが徐々に減少する。
【0022】
厚さが徐々に変わる補強部を設置することにより、本体部に接続された弱い部が繰り上げて破断する可能性を低減することができるとともに、補強部が設置されることにより、本体部に接続された弱い部に担持される厚さ方向に沿ったせん断力が小さくなり、破断が正確に即時に発生しにくくなる可能性を低減することができる。
【0023】
本願の一つの実施例によれば、2つの補強部は交差するように設置される。
【0024】
2つの補強部は異なる方向に延在することができる。各補強部は、異なる方向に本体部に対して補強作用を発揮し、補強部の本体部全体に対する補強作用の一致性を向上させることに有利であり、さらに、本体部に接続された弱い部が異なる位置で破断した時に耐えられる圧力値の一致性を向上させることに有利である。
【0025】
本願の一つの実施例によれば、補強部は長尺状構造であり、2つの補強部は互いに垂直である。
【0026】
2つの補強部は2つの互いに垂直である方向において本体部の異なる領域に対して補強を行うことができ、本体部全体の強度をさらに向上させることに有利である。
【0027】
本願の一つの実施例によれば、厚さ方向に沿って、2つの補強部の正投影面積はS1であり、凹溝で囲まれた領域の正投影面積はS2であり、ここで、0.2<S1/S2<0.3である。
【0028】
0.2≧S1/S2の場合、2つの補強部の正投影面積が小さく、即ち、2つの補強部の被覆面積が小さいため、本体部の一部の領域が補強部の補強作用を得られない場合があり、さらに本体部の凹溝に対応する一部の領域が依然として交番応力を担持し、当該領域に交番疲労老化又は破断が発生し、圧力解放機構が繰り上げて爆破して圧力を解放する可能性がある。S1/S2≧0.3の場合、2つの補強部の正投影面積が大きく、即ち、2つの補強部の被覆面積が大きく、補強部の本体部全体の強度に対する補強程度が高くなり、本体部全体の変形が難しくなり、さらに、本体部に接続された弱い部が所定圧力値に耐える時に破断しにくくなる可能性がある。
【0029】
本願の一つの実施例によれば、壁部は貫通孔を有し、本体部は貫通孔を覆い、補強部は貫通孔内に位置し、補強部はハウジング内部から外部に指向する方向に沿って壁部の外面を超えない。
【0030】
電池セルの外側において、貫通孔に対応する位置に他の構造部材が設置されている場合、補強部と構造部材との間に活動空間が確保され、本体部に接続された弱い部が所定圧力値に耐える時に即時に破断されることを保証するために、本体部を正常に隆起して変形させることができ、補強部と構造部材が接触状態にあることによって本体部の隆起の変形が困難になり、本体部に接続された弱い部が所定圧力値に耐える時に即時に破断しにくい可能性を低減する。
【0031】
本願の一つの実施例によれば、電池セルは、壁部の外面に付着し、圧力解放機構を覆う保護シートをさらに含む。
【0032】
保護シートは圧力解放機構に対して保護を形成することができ、外部物体が不意に本体部に衝突したり擦ったりして本体部がねじれ変形したり凹みを形成したりすることを低減し、さらに本体部に接続された弱い部が正常に破断して爆破が発生する可能性に影響を与える。
【0033】
本願の一つの実施例によれば、ハウジングは、開口を覆うための端部カバーと、開口が設けられるケースと、を含み、ケースは端部カバーを接続するための側壁と、厚さ方向に沿って開口と対向するように設置される底壁と、を含み、側壁の厚さ、底壁の厚さはいずれも端部カバーの厚さより小さく、壁部は側壁又は底壁である。
【0034】
ケースの厚さは端部カバーの厚さより小さく、それによって端部カバーの剛性はケースの剛性より大きくなる。同じ圧力の作用において、端部カバーの変形程度はケースの変形程度より小さい。電池セルは、輸送、温度変化又は充放電の過程において、電池セルの内部圧力が高低交互に変化する場合があるため、圧力解放機構は、端部カバーがキャビンに面している場合、圧力解放機構作動時に高温高圧排出物がキャビンに排出されにくくなり、人員の安全を直接脅かすことがないように、端部カバーに設置されることでなく、ケースの側壁及び/又は底壁に設置される。
【0035】
また、ケースの側壁又は底壁の厚さは端部カバーの厚さよりも小さいため、ケースの側壁又は底壁は内部圧力の作用で端部カバーよりも変形程度が大きく、それにより圧力解放機構に大きな影響を与え、本体部の変形程度が大きくなる。この時、補強部は、本体部の変形を小さくするために、本体部の強度を強化する必要があり、それにより、弱い部に担持される交番応力を低減するのに有利である。
【0036】
別の一つの態様では、本願は上記実施例のような電池セルを含む電池を提供する。
【0037】
さらなる一つの態様では、本願は、電気エネルギーを提供するための上記実施例のような電池を含む電力消費装置を提供する。
【0038】
また一つの態様では、本願は、以下を含む電池セルの製造方法を提供する。
【0039】
開口を覆うための端部カバーと、開口が設けられるケースとを提供し、ケースは、端部カバーを接続するための側壁と、開口と対向するように設置された底壁と、を含み、側壁の厚さ、底壁の厚さはいずれも端部カバーの厚さより小さく、側壁又は底壁には貫通孔と、本体部と本体部に接続された弱い部を含む圧力解放機構とが設けられ、本体部は側壁又は底壁を接続するのに用いられ、圧力解放機構は電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達した時に弱い部が破壊されて圧力を解放するのに用いられ、圧力解放機構は、本体部の自身の厚さ方向に設けられた補強部をさらに含み、補強部は本体部の変形を減少するのに用いられる。
【0040】
ケースに収容された電極組立体を提供する。
【0041】
側壁に接続されて開口を覆う端部カバーとケースを組立てる。
【0042】
本願の実施例にかかる電池セルの製造方法により製造された電池セルでは、圧力解放機構の補強部は本体部の強度を強化し、本体部の変形を小さくすることができ、それにより、補強部が設置された圧力解放機構は、電池セルの内部圧力が高低交互に変化する場合、圧力解放機構の本体部の隆起又は凹みの変形程度が低下し、さらに、本体部に接続する弱い部に担持される交番応力を小さくすることに有利であり、電池セルが正常に使用される場合、本体部に接続された弱い部に交番疲労老化又は破断が発生して圧力解放機構に繰り上げて爆破して圧力を解放する可能性を低減し、電池の使用安全性と安定性を向上させることに有利である。
【0043】
また一つの態様では、本願は、以下を含む電池セルの製造設備を提供する。
【0044】
第1の提供モジュールは、開口を覆うための端部カバーと、開口が設けられるケースとを提供し、ケースは、端部カバーを接続するための側壁と、開口と対向するように設置された底壁と、を含み、側壁の厚さ、底壁の厚さはいずれも端部カバーの厚さより小さく、側壁又は底壁には貫通孔と、本体部と本体部に接続された弱い部を含む圧力解放機構とが設けられ、本体部は側壁又は底壁を接続するのに用いられ、圧力解放機構は電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達した時に弱い部が破壊されて圧力を解放するのに用いられ、圧力解放機構は、本体部の自身の厚さ方向に設けられた補強部をさらに含み、補強部は本体部の変形を減少するのに用いられる。
【0045】
第2の提供モジュールは、ケースに収容された電極組立体を提供する。
【0046】
組立モジュールは、側壁に接続されて開口を覆う端部カバーとケースを組立てる。
【0047】
本願の実施例にかかる電池セルの製造設備により製造された電池セルでは、圧力解放機構の補強部は本体部の強度を強化し、本体部の変形を小さくすることができ、それにより、補強部が設置された圧力解放機構は、電池セルの内部圧力が高低交互に変化する場合、圧力解放機構の本体部の隆起又は凹みの変形程度が低下し、さらに、本体部に接続する弱い部に担持される交番応力を小さくすることに有利であり、電池セルが正常に使用される場合、本体部に接続された弱い部に交番疲労老化又は破断が発生して圧力解放機構に繰り上げて爆破して圧力を解放する可能性を低減し、電池の使用安全性と安定性を向上させることに有利である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
本願の実施例の技術案をより明瞭に説明するために、以下は本願の実施例に必要な図面に対して簡単に説明し、明らかに、以下の記述の図面はただ本願のいくつかの実施例であり、当業者であれば、創造的労働を付しない前提でも、図面に基づいて他の図面を取得することもできる。図面において、図面は実際の比例に従って描くことではない。
【
図1】本願の一つの実施例による車両の局所構造図である。
【
図2】本願の一つの実施例による電池グループの分解構造図である。
【
図3】本願の一つの実施例による電池モジュールの局所構造図である。
【
図4】本願の一つの実施例による電池セルの分解構造図である。
【
図5】
図4に示した実施例による電池セルの局所断面構造図である。
【
図6】本願の一つの実施例による電池セルの局所分解構造図である。
【
図7】本願の一つの実施例による圧力解放機構の構造図である。
【
図8】本願の別の一つの実施例による圧力解放機構の上面構造図である。
【
図9】
図8におけるAーA方向に沿った断面図である。
【
図11】本願のさらなる一つの実施例による圧力解放機構の構造図である。
【
図12】本願のまた一つの実施例による圧力解放機構の構造図である。
【
図13】本願の一つの実施例による電池セルの上面構造図である。
【
図16】本願の一つの実施例による電池セルの製造方法のフローチャートである。
【
図17】本願の一つの実施例による電池セルの製造設備の構造図である。
【符号の説明】
【0049】
1 車両
1a モータ
1b コントローラ
10 電池
11 底部ケース
12 頂部ケース
20 電池モジュール
30 電池セル
40 ハウジング
41 端部カバー
42 ケース
42a 側壁
42b 底壁
421 開口
422 貫通孔
50 電極組立体
60 電極端子
70 移転部材
80 圧力解放機構
80a 外面
80b 内面
80c 凹溝
81 本体部
811 第1の接続部
812 第2の接続部
82 補強部
821 端部領域
83 弱い部
90 保護シート
100 軸線
1000 製造設備
1001 第1の提供モジュール
1002 第2の提供モジュール
1003 組立モジュール
X 厚さ方向
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下は図面と実施例に合わせて本願の実施形態に対してさらに詳細に記述する。以下の実施例の詳細な記述と図面は、本願の原理を例示的に説明するのに用いられるが、本願の範囲を制限できず、即ち、本願は記述された実施例に限定されない。
【0051】
本願の記述において、説明すべきことは、他の説明がない限り、「複数」の意味は2つ以上であり、用語「上」、「下」、「左」、「右」、「内」、「外」等が指示した方向又は位置関係は、指示した装置又は要素が特定の方向を有し、特定の方向で構成され又は操作されなければならないことを指示し又は暗示するではなく、ただ本願を記述しやすく、又は記述を簡略化するためであり、よって本願に対する限定と理解できない。尚、「第1」、「第2」及び「第3」という用語は、説明の目的だけであり、相対的な重要性を指示し又は暗示すると理解できない。「垂直」は厳密な意味での垂直ではなく、誤差許容の範囲内であってもよい。「平行」は厳密な意味での平行ではなく、誤差許容の範囲内であってもよい。
【0052】
以下の説明に現れる方向用語は、いずれも図面に示した方向であり、本願の具体的な構造を限定するものではない。本願の説明において、さらに説明すべきことは、明確な規定や限定がない限り、「取付」、「連結」、「接続」という用語は、広く理解されるべきであり、例えば、固定するように接続されてもよく、着脱可能に接続されてもよく、又は一体的に接続されてもよく、直接接続されてもよく、中間媒体を介して間接的に接続されてもよい。当業者であれば、具体的な状況によって上記用語の本願における具体的な意味を理解することができる。
【0053】
本願において、電池セルは、リチウムイオン二次電池、リチウムイオン一次電池、リチウム硫黄電池、ナトリウムリチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池又はマグネシウムイオン電池等を含むことができ、本願の実施例はこれに限定されない。電池セルは、円柱体、扁平体、直方体又は他の形状等を呈することができ、本願の実施例もこれに限定されない。電池セルは一般的にパッケージ化された方式で、円筒形電池セル、角形電池セル及びポーチ電池セルの3種類に分けられ、本出願の実施例もこれに限定されない。
【0054】
本願の実施例に記載された電池とは、より高い電圧と容量を提供するために1つ以上の電池セルを含む単一の物理的モジュールを指す。例えば、本願に記載された電池は電池モジュール又は電池パック等を含んでもよい。電池は一般的に、1つ以上の電池セルをパッケージ化するための筐体を含む。筐体は液体又は他の異物が電池セルの充電又は放電に影響を与えることを避けることができる。
【0055】
電池セルは電極組立体と電解液を含み、電極組立体は正極片、負極片及びセパレータにより構成される。電池セルは主に金属イオンが正極片と負極片の間に移動することによって動作する。正極片は正極集電体と正極活物質層を含み、正極活物質層は正極集電体の表面に塗布され、正極活物質層が塗布されていない集電体は正極活物質層が塗布された集電体に突出し、正極活物質層が塗布されていない集電体は積層された後に正極タブとする。リチウムイオン電池を例として、正極集電体の材料はアルミニウムであってもよく、正極活物質はコバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元リチウム又はマンガン酸リチウム等であってもよい。負極片は負極集電体と負極活物質層を含み、負極活物質層は負極集電体の表面に塗布され、負極活物質層が塗布されていない集電体は負極活物質層が塗布された集電体に突出し、負極活物質層が塗布されていない集電体は積層された後に負極タブとする。負極集電体の材料は銅であってもよく、負極活物質は炭素又はシリコン等であってもよい。セパレータの材質はPP又はPE等であってもよい。尚、電極組立体は巻回式構造であってもよく、積層シート式構造であってもよく、本願の実施例はこれに限定されない。
【0056】
電池技術の発展は多方面の設計要素、例えば、エネルギー密度、サイクル寿命、放電容量、充放電倍率等の性能パラメータを同時に考慮しなければならず、また、電池の安全性も考慮する必要がある。
【0057】
電池セルにおける圧力解放機構は電池の安全性に重要な影響を与える。例えば、短絡、過充電等の現象が発生する時、電池セルの内部が熱暴走して圧力又は温度が急に上昇する可能性がある。この場合、電池セルの爆発、発火を防止するために、圧力解放機構の作動によって内部の圧力と温度を外部に解放することができる。
【0058】
圧力解放機構とは、電池セルの内部圧力又は温度が所定の閾値に達した時に作動して内部圧力又は温度を解放する素子又は部材を指す。当該閾値は設計の需要によって異なる。上記閾値は、電池セルにおける正極片、負極片、電解液及びセパレータのうちの1つ又は複数の材料により決められる。圧力解放機構は、防爆弁、ガス弁、圧力解放弁又は安全弁等のような形式を採用することができ、具体的には、圧力敏感又は温度敏感の素子又は構造を採用することができ、即ち、電池セルの内部圧力又は温度が所定の閾値に達する時、圧力解放機構が動作し、又は圧力解放機構に設けられた弱い構造が破壊され、これによって内部圧力又は温度が解放可能な開口又は通路を形成する。
【0059】
本願に記載の「作動」とは、圧力解放機構が動作したり、一定の状態に活性化されたりすることで、電池セルの内部圧力と温度が解放されることを指す。圧力解放機構によって生成される動作には、圧力解放機構のうちの少なくとも一部が破裂、破砕、引き裂かれ又は開けられる等が含まれるが、これらに限定されない。圧力解放機構作動時、電池セルの内部の高温高圧物質が排出物として作動する部位から外に排出される。このような方式で、圧力又は温度を制御可能な場合に電池セルに圧力解放と温度解放を発生させ、それによって潜在的なより深刻な事故の発生を回避することができる。
【0060】
本願に記載の電池セルからの排出物には、電解液、溶解され又は分裂された正負極片、セパレータの破片、反応によって生成された高温高圧ガス、火炎等が含まれるが、これらに限定されない。
【0061】
出願人は、電池セルが循環過程において、電池セルが熱暴走の所定の条件に達していない時に爆破して圧力を解放する問題が発生したことを発見した後、電池セルの構造と使用環境について分析と研究を行った。出願人は、電池セルの圧力解放機構が繰り上げて疲労老化する場合があり、それによって圧力解放機構の閾値が低下し、電池セルの内部圧力が元の所定圧力値に達していない場合、圧力解放機構が繰り上げて爆破することを発見した。さらに検討したところ、電池セルの輸送、温度変化又は充放電の過程中、電池セルの内部圧力が高低交互に変化する場合があり、それによって圧力解放機構が往復反転する場合があることを発見した。圧力解放機構が長期間に往復反転する時、局所領域に疲労老化が発生し、それによって圧力解放機構の開閾値が低下する。
【0062】
出願人が発見した上記問題に基づいて、出願人は電池セルの構造を改良し、本願の実施例に説明した技術案は電池セル、電池セルを含む電池及び電池を使用する電力消費装置に適用される。
【0063】
電力消費装置は、車両、携帯電話、ポータブルデバイス、ノートパソコン、汽船、宇宙機、電動玩具及び電動工具等であってもよい。車両は燃料自動車、ガス自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は純粋な電気自動車、ハイブリッド自動車又はレンジエクステンダー式自動車等であってもよく、宇宙機には飛行機、ロケット、スペースシャトル及び宇宙船等が含まれ、電動玩具には、ゲーム機、電気自動車玩具、電動汽船玩具及び電動航空機玩具等の固定式又は移動式の電動玩具が含まれ、電動工具には、金属切削電動工具、研磨電動工具、組立電動工具及び鉄道用電動工具、例えば、電気ドリル、電動砥石機、電動スパナ、電動ドライバ、電気ハンマー、衝撃電気ドリル、コンクリート振動子及び電気カンナ等が含まれる。本願の実施例は上記電気使用設備に対して特に限定されない。
【0064】
以下の実施例は説明を便利に行うために、電力消費装置が車両であることを例として説明する。
【0065】
図1に示すように、車両1の内部には電池10が設置される。電池10は、車両1の底部、頭部又は尾部に設置することができる。電池10は、車両1の電力供給に使用することができ、例えば、電池10は、車両1の操作電源とすることができる。
【0066】
車両1はコントローラ1bとモータ1aをさらに含むことができる。コントローラ1bは電池10がモータ1aに電力供給することを制御し、例えば、車両1の起動、ナビゲーション及び走行時の動作電力需要に用いられる。
【0067】
本願のいくつかの実施例において、電池10は、車両1の操作電源とするだけでなく、車両1の駆動電源としてもよく、燃料又は天然ガスの代わりに又は一部の代わりに車両1に駆動動力を提供することができる。
【0068】
図2と
図3に示すように、電池10は電池セル30を含む(
図2未図示)。電池10は電池セル30を収容するための筐体をさらに含むことができる。
【0069】
筐体は電池セル30を収容するのに用いられ、筐体は複数の構造形式であってもよい。
【0070】
いくつかの実施例において、筐体は底部ケース11と頂部ケース12を含むことができる。底部ケース11と頂部ケース12は互いに覆う。底部ケース11と頂部ケース12は共に電池セル30を収容するための収容空間を画定する。底部ケース11と頂部ケース12はいずれも片側開口の中空構造であってもよい。底部ケース11の開口側は頂部ケース12の開口側を覆い、収容空間を有する筐体を形成する。底部ケース11と頂部ケース12とを密封するように接続することを実現するために、底部ケース11と頂部ケース12との間には密閉部材がさらに設置される。
【0071】
実際使用中、底部ケース11は頂部ケース12の頂部を覆うことができる。底部ケース11は上部筐体と称してもよく、頂部ケース12は下部筐体と称してもよい。
【0072】
底部ケース11と頂部ケース12は、例えば、円筒体、直方体等の複数の形状であってもよい。
図2において、例示的に、底部ケース11と頂部ケース12はいずれも直方体構造である。
【0073】
電池10において、電池セル30は1つであってもよく、複数であってもよい。電池セル30が複数である場合、複数の電池セル30の間は直列、並列又は直並列することができる。直並列とは複数の電池セル30に直列もあり、並列もあることを指す。複数の電池セル30の間は、直接直列、並列又は直並列し、複数の電池セル30により構成された全体を筐体内に収容してもよく、複数の電池セル30が先に直列、並列又は直並列して電池モジュール20を構成してもよい。複数の電池モジュール20はまた直列、並列又は直並列して1つの全体を形成し、筐体内に収容する。
【0074】
いくつかの実施例において、
図3に示すように、電池10において、電池セル30は複数である。複数の電池セル30は先に直列、並列又は直並列して電池モジュール20を構成する。複数の電池モジュール20はまた直列、並列又は直並列して1つの全体を形成し、筐体内に収容する。
【0075】
いくつかの実施例において、電池モジュール20における複数の電池セル30の並列、直列又は直並列を実現するために、電池モジュール20における複数の電池セル30の間はバス部材を介して電気的な接続を実現することができる。
【0076】
図4に示すように、電池セル30はケース42、電極組立体50、端部カバー組立体及び移転部材70を含む。ケース42は開口421を有する。電極組立体50はケース42内に収容する。電極組立体50はタブを含む。端部カバー組立体は端部カバー41、電極端子60及び絶縁部材を含む。端部カバー41は開口421を覆うのに用いられる。電極端子60は端部カバー41に取り付ける。絶縁部材は端部カバー41が電極組立体50に向ける側に位置する。タブと電極端子60とが電気的に接続されるために、移転部材70は電極端子60とタブを接続するのに用いられる。ここで、ハウジング40は端部カバー41とケース42を含む。
【0077】
ここで、ケース42は、例えば、円筒体、直方体等の複数の形状であってもよい。ケース42の形状は電極組立体50の具体的な形状によって決められる。例えば、電極組立体50が円筒体構造であれば、ケース42は円筒体構造を選定することができる。電極組立体50が直方体構造であれば、ケース42は直方体構造を選定することができる。
図4において、例示的に、ケース42と電極組立体50はいずれも直方体構造である。
【0078】
ケース42の材質は例えば、銅、鉄、アルミニウム、ステンレス、アルミニウム合金等のような複数であってもよく、本願の実施例はこれに特に限定されない。
【0079】
ケース42内に収容される電極組立体50は1つであってもよく、複数であってもよい。
図4において、ケース42内に収容される電極組立体50は2つである。
【0080】
いくつかの実施例において、電極組立体50は正極片、負極片及びセパレータをさらに含む。電極組立体50は正極片、セパレータ及び負極片が巻回されて形成された巻回式構造であってもよい。電極組立体50は正極片、セパレータ及び負極片が積層するように配置されて形成された積層式構造であってもよい。
【0081】
正極片は正極集電体と正極活物質層を含むことができる。正極活物質層は正極集電体の表面に塗布される。負極片は負極集電体と負極活物質層を含むことができる。負極活物質層は負極集電体の表面に塗布される。セパレータは正極片と負極片との間にあり、正極片と負極片との間に短絡が発生するリスクを低減するために、正極片と負極片とを分離するのに用いられる。
【0082】
ここで、セパレータの材質はPP(polypropylene、ポリプロピレン)又はPE(polyethylene、ポリエチレン)等であってもよい。
【0083】
電極組立体50におけるタブは正極タブと負極タブに分ける。正極タブは正極集電体に正極活物質層が塗布されていない部分であってもよい。負極タブは負極集電体に負極活物質層が塗布されていない部分であってもよい。
【0084】
本願の実施例において、
図4と
図5に示すように、電池セル30を収容するための密閉空間を形成するように、端部カバー組立体の端部カバー41はケース42の開口421を覆うのに用いられ、密閉空間はさらに、例えば、電解液のような電解質を収容するのに用いられる。端部カバー組立体の電極端子60は電池セル30の電気エネルギーを出力するための出力部材であり、端部カバー組立体における電極端子60は1つであってもよく、2つであってもよい。
【0085】
ケース42の開口421は1つであってもよく、2つであってもよい。ケース42の開口421が1つであれば、端部カバー組立体は1つであってもよい。ケース42の開口421が2つであれば、端部カバー組立体は2つであってもよい。2つの端部カバー組立体における端部カバー41は2つの開口421にそれぞれ覆われる。
【0086】
いくつかの実施例において、
図4に示すように、ケース42の開口421は1つであり、端部カバー組立体も1つである。端部カバー組立体には2つの電極端子60を設置することができる。端部カバー組立体における1つの電極端子60は1つの移転部材70を介して電極組立体50の1つのタブ(正極タブ)に電気的に接続される。端部カバー組立体におけるもう1つの電極端子60はもう1つの移転部材70を介して電極組立体50のもう1つのタブ(負極タブ)に電気的に接続される。
【0087】
他のいくつかの実施例において、ケース42の開口421は2つである。2つの開口421はケース42の対向する両側に設置される。端部カバー組立体は2つである。2つの端部カバー組立体はケース42の2つの開口421にそれぞれ覆われる。この場合、端部カバー組立体における電極端子60は1つであってもよい。1つの端部カバー組立体における電極端子60は1つの移転部材70を介して電極組立体50の1つのタブ(正極タブ)に電気的に接続され、もう1つの端部カバー組立体の電極端子60はもう1つの移転部材70を介して電極組立体50のもう1つのタブ(負極タブ)に電気的に接続される。
【0088】
いくつかの実施例において、電池セル30は圧力解放機構80をさらに含むことができる。圧力解放機構80はハウジング40に取り付けられる。圧力解放機構80は、電池セル30の内部圧力又は温度が閾値に達した時に電池セル30の内部圧力を解放するのに用いられる。
【0089】
例示的に、圧力解放機構80は防爆弁、防爆シート、ガス弁、圧力解放弁又は安全弁等であってもよい。
【0090】
本願の実施例において、圧力解放機構80が繰り上げて爆破して圧力が解放することを防止するために、
図6~
図8に示すように、本願の実施例にかかるハウジング40は壁部を有する。本願の実施例にかかる電池セル30は圧力解放機構80をさらに含む。圧力解放機構80は壁部に設けられる。圧力解放機構80は本体部81と本体部81に接続された弱い部83を含む。本体部81は壁部を接続するのに用いられる。圧力解放機構80は、電池セル30の内部圧力又は温度が閾値に達した時、弱い部83が破壊されて圧力を解放するのに用いられる。圧力解放機構80は本体部81の自身の厚さ方向Xに設けられた補強部82をさらに含む。補強部82は本体部81の変形を減少するのに用いられる。
【0091】
電池セル30の輸送、温度変化又は充放電の過程において、電池セル30の内部圧力には高低交互に変化する場合があり、それによって圧力解放機構80の本体部81には、電極組立体50から離れる方向に隆起したり、電極組立体50に近接する方向に凹んだりする変形状況が存在する。本体部81は、自身の中心領域に近づくほど、隆起や凹みの変形程度が明らかになる。圧力解放機構80の本体部81は、隆起と凹みの変形が交互に現れる時、本体部81に接続される弱い部83は交番応力を担持して交番疲労が老化し又は破断し、それによって本体部81に接続する弱い部83の強度が低下し、さらに電池セル30の内部圧力が所定の圧力値に達していない時、弱い部83が破裂して電池セル30の内部圧力を解放しやすくなり、圧力解放機構80が繰り上げて爆破して圧力を解放することになる。
【0092】
本願の実施例にかかる圧力解放機構80の補強部82は本体部81の変形を小さくすることができ、それにより、補強部82が設置された圧力解放機構80は、その本体部81の対応する領域の隆起や凹みの変形程度が低下し、さらに、本体部81に接続する弱い部83に担持される交番応力を小さくすることに有利であり、電池セル30が正常に使用される場合、本体部81に接続された弱い部83に交番疲労老化又は破断が発生して圧力解放機構80に繰り上げて爆破して圧力を解放する可能性を低減し、電池の使用安全性と安定性を向上させることに有利である。
【0093】
説明すべきことは、本願の実施例にかかる圧力解放機構80は壁部に設けられ、ハウジング40と圧力解放機構80は別体構造であってもよく、即ち、両者がそれぞれ独立して加工製造され、その後、機械的な接続方式によって組み立てられることが理解できる。ハウジング40と圧力解放機構80は一体に成形された構造であってもよい。ハウジング40の壁部の所定領域に対して、圧力解放機構80を形成するために、薄化処理を行う。
【0094】
本願の実施例にかかる弱い部83とは、圧力解放機構80の本体部81に対する強度が弱く、破裂、破砕、引き裂かれ又は開きやすい部分を指す。弱い部83は本体部81に設置され、弱い部83を形成するために、圧力解放機構80の所定領域に対して、薄化処理を行い、又は、弱い部83を形成するために、圧力解放機構80の所定領域に対して、材料処理又は熱処理を行うことが理解できる。
【0095】
本願の実施例にかかる弱い部83は直線状であってもよく、曲線状又は環形であってもよい。
【0096】
本願の実施例にかかる圧力解放機構80は本体部81の自身の厚さ方向Xに設けられた補強部82をさらに含む。本体部81は自身の厚さ方向Xに沿って両側における少なくとも一側に対して補強部82を設置してもよいことが理解できる。
【0097】
本願の実施例において、補強部82と本体部81は一体に成形された構造であってもよく、例えば、鋳造又は鍛造により加工製造される。又は、補強部82と本体部81は各自の独立した構造部材であってもよい。両者はそれぞれ独立して加工製造され、その後、溶接又はファスナー接続方式で組み立てられる。
【0098】
本願の実施例にかかる圧力解放機構80は自身の厚さ方向Xに沿って対向する外面80aと内面80bを有する。圧力解放機構80の外面80aは外部環境に面し、内面80bはハウジング40の内部空間に面する。外面80aと内面80bのうちの少なくとも1つには補強部82が設置されることができる。
【0099】
本願の実施例において、補強部82は中実構造であってもよく、中空構造であってもよい。補強部82が中実構造であることは、補強部82が本体部81に突出している部分が一体的なブロック構造であることを意味する。補強部82が中空構造であることは、補強部82が本体部81に突出している部分が空間を有し、隆起したアーチ構造であることを意味する。
【0100】
本願の実施例にかかる補強部82は長尺状、曲線状又は環形であってもよい。補強部82が突出した厚さは等厚であってもよく、非等厚であってもよい。
【0101】
本願の実施例にかかる補強部82の数は2つ以上である。2つ以上の補強部82は互いに一つの方向に沿って間隔を空けて設置されてもよく、交差するように設置されてもよい。
【0102】
補強部82は、本体部81の変形を小さくするのに用いられ、補強部82が設置されていない本体部81に対して、本体部81が同じ大きさの厚さ方向Xに沿う作用力を担持する時、補強部82は本体部81の隆起又は凹みの変形を効果的に制限することができ、本体部81の隆起又は凹みの変形幅を効果的に減少することが理解できる。
【0103】
いくつかの実施例において、
図6と
図7に示すように、補強部82は厚さ方向Xに沿って外へ本体部81の表面から突出する。
【0104】
補強部82は外面80aに設置され、補強部82は電池セル30の内部空間を占有することがなく、電解液が補強部82を腐食して補強部82が損傷し、自身の強度が弱まる可能性を低減することもできる。
【0105】
いくつかの実施例において、補強部82は本体部81に設置された中実の突起ブロックである。補強部82は、本体部81の対応する領域を強化する役割を果たすために、本体部81の表面に突出している。
【0106】
補強部82が中実の突起ブロックである場合、補強部82の自身の強度が大きく、優れた耐衝撃変形の能力を有する。補強部に外部の付勢力が作用する時、補強部82が凹み、崩れて変形しにくくなる。
【0107】
いくつかの実施例において、補強部82と本体部81とは一体に成形された構造であり、補強部82と本体部81との接続強度を向上させることに有利である。
【0108】
いくつかの実施例において、弱い部83は圧力解放機構80に凹溝80cを設置することによって形成される。弱い部83の厚さは本体部81の厚さより小さく、それによって弱い部83の強度は本体部81の強度より小さい。
【0109】
例示的に、圧力解放機構80で材料を除去して凹溝80cを形成する機械加工方式を採用することができ、加工コストと加工難易度の低減に有利である。厚さ方向Xに沿って、弱い部83と凹溝80cは対応的に設置される。
【0110】
いくつかの例において、
図7に示すように、圧力解放機構80の外面80aには凹溝80cが設置される。
【0111】
いくつかの実施例において、
図7に示すように、圧力解放機構80の凹溝80cは環形を呈する。凹溝80cに対応する弱い部83も環形を呈する。本体部81は第1の接続部811と第2の接続部812を含む。第1の接続部811と第2の接続部812はそれぞれ凹溝80cの自身の幅方向に沿う両側に位置する。第1の接続部811はハウジング40の壁部を接続するのに用いられる。第2の接続部812は凹溝80cで囲まれた領域内に位置する。補強部82は第2の接続部812に設けられる。
【0112】
電池セル30の内部圧力に高低交互の変化が存在する場合、凹溝80cの外周の領域に対して、凹溝80cで囲まれた領域の隆起又は凹みの変形程度がより明らかになり、凹溝80cで囲まれた領域の変形幅が相対的に大きくなる。
【0113】
いくつかの例において、凹溝80cで囲まれた領域はランウェイ形であってもよい。凹溝80cで囲まれた領域は円形、矩形又は楕円形の形状であってもよい。
【0114】
補強部82は、凹溝80cで囲まれた領域に位置しているので、補強部82は、凹溝80cで囲まれた領域の強度を高めることができ、凹溝80cで囲まれた領域の変形程度を低減し、さらに本体部81に接続された弱い部83に担持される交番応力を低減することに有利である。
【0115】
いくつかの実施例において、
図7~
図10に示すように、補強部82は2つの端部領域821を有する。補強部82の端部領域821の最小厚さはHである。端部領域821と凹溝80cとの間の最小ピッチはLであり、ここで、0.1<H/L<0.45である。
【0116】
0.1≧H/Lの場合、補強部82の端部領域821の最小厚さが薄く、又は、端部領域821と凹溝80cとの間の最小ピッチが大きくなり、この場合、補強部82が本体部81の凹溝80cに近接する領域に対する補強作用が明らかでなく、又は補強作用がないため、本体部81の凹溝80cに近接する領域は同じ圧力作用に耐えても変形量が大きくなり、本体部81に接続された弱い部83に担持される交番応力が依然として大きい。
【0117】
H/L≧0.45の場合、補強部82の端部領域821の最小厚さが厚くなり、又は、端部領域821と凹溝80cとの間の最小ピッチが小さくなり、この場合、補強部82が本体部81の凹溝80cに近接する領域に対する補強程度が大きくなり、本体部81の凹溝80cに近接する領域が同じの圧力作用に耐える時に変形量が小さくなり、本体部81に接続された弱い部83は、電池セル30の内部圧力が所定値に達しても破断が発生しない可能性があり、圧力解放機構80の正常な爆破と圧力の解放に影響を与える。
【0118】
説明すべきことは、端部領域821と凹溝80cとの間の最小ピッチの測定方式は、軸線100と垂直な方向に沿って、補強部82の端部領域821の根元から凹溝80cまでの補強部82の縁辺に近接して測定した値である。
【0119】
いくつかの例において、補強部82の端部領域821の厚さの値の範囲は、0.2ミリメートル(mm)~0.45ミリメートルであってもよい。
【0120】
いくつかの例において、端部領域821と凹溝80cとの間の最小ピッチの値の範囲は、1ミリメートル~2ミリメートルである。
【0121】
いくつかの実施例において、補強部82の2つの端部領域821は、それぞれ凹溝80cとの間の最小ピッチが等しい。補強部82の2つの端部領域821は、それぞれ本体部81の凹溝80cに近接する領域の補強程度に対して一致を保持し、本体部81における2つの端部領域821に対応する領域の変形程度に差異が存在する可能性を低減し、さらに、本体部81に接続された弱い部83が破断した時に耐えられる圧力値の一致性を保証するのに有利である。
【0122】
いくつかの実施例において、
図7~
図10に示すように、凹溝80cで囲まれた領域は軸線100を有する。補強部82は2つの端部領域821を有する。補強部82の端部領域821から凹溝80cで囲まれた領域の軸線100の方向に沿って、補強部82の端部領域821の厚さは徐々に減少する。
【0123】
補強部82の厚さが厚いほど、本体部81に対する補強作用が明らかになり、本体部81が同じ圧力に耐える時の変形量が小さくなる。補強部82の端部領域821の厚さが徐々に減少するため、補強部82が凹溝80cに近接する領域ほど本体部81に対する補強作用が明らかになり、本体部81の凹溝80cに近接する領域ほどその変形程度が小さくなり、凹溝80cから離れる領域ほど変形程度が大きくなる。本体部81の凹溝80cから離れた領域ほど隆起の変形程度が大きくなる場合、本体部81に接続された弱い部83に担持される厚さ方向Xに沿ったせん断力が大きくなり、それによって、電池セル30の内部圧力が所定の圧力値に達する場合、本体部81に接続された弱い部83は、爆破して圧力を解放するように、即時に破断することを保証することができる。
【0124】
厚さが徐々に変わる補強部82を設置することにより、本体部81に接続された弱い部83が繰り上げて破断する可能性を低減することができるとともに、補強部82が設置されることにより、本体部81に接続された弱い部83に担持される厚さ方向Xに沿ったせん断力が小さくなり、破断が正確に、即時に発生しにくくなる可能性を低減することができる。
【0125】
説明すべきことは、端部領域821から凹溝80cまで囲まれた領域の軸線100の方向とは、軸線100と垂直である方向を指す。補強部82の端部領域821の厚さの測定方式は、軸線100が延在する方向に沿って、本体部81の表面から端部領域821にかけて本体部81の表面から離れた最高点で数値を測定することである。
【0126】
いくつかの例において、補強部82の端部領域821から補強部82の自身の中心領域までは、補強部82全体の厚さが徐々に減少し、補強部82の本体部81に背を向ける表面をV形に呈させる。
【0127】
いくつかの実施例において、補強部82の数は2つである。2つの補強部82は交差するように設置される。2つの補強部は異なる方向に延在することができる。各補強部82は、異なる方向に本体部81に対して補強作用を発揮し、補強部82の本体部81全体に対する補強作用の一致性を向上させることに有利であり、さらに、本体部81に接続された弱い部83が異なる位置で破断した時に耐えられる圧力値の一致性を向上させることに有利である。
【0128】
いくつかの実施例において、補強部82は長尺状構造である。2つの補強部82は互いに垂直であり、それによって、2つの互いに垂直である方向において本体部81の異なる領域に対して補強を行うことができ、本体部81の全体強度をさらに向上させることに有利である。
【0129】
いくつかの実施例において、凹溝80cは環形を呈する。厚さ方向Xに沿って、2つの補強部82の正投影面積はS1であり、凹溝80cで囲まれた領域の正投影面積はS2であり、ここで、0.2<S1/S2<0.3であり、それにより、補強部82が本体部81に対して補強作用を果たすことを保証するために、補強部82の被覆面積を十分に大きくすることができる。0.2≧S1/S2の場合、2つの補強部82の正投影面積が小さく、即ち、2つの補強部82の被覆面積が小さいため、本体部81の一部の領域が補強部82の補強作用を得られない場合があり、さらに本体部81の凹溝80cに対応する一部の領域が依然として交番応力を担持し、当該領域に交番疲労老化や破断が発生し、圧力解放機構80が繰り上げて爆破して圧力を解放する可能性がある。S1/S2≧0.3の場合、2つの補強部82の正投影面積が大きく、即ち、2つの補強部82の被覆面積が大きくなり、補強部82の本体部81全体の強度に対する補強程度が高くなり、本体部81全体の変形が難しくなり、さらに、本体部81に接続された弱い部83が所定圧力値に耐える時に即時に破断しにくくなる可能性がある。
【0130】
いくつかの実施例において、
図11に示すように、補強部82は中空構造である。補強部82は、本体部81の内面80bに対して隆起したリブ(未図示)であり、本体部81にはリブの位置に対応する凹み領域が形成されている。凹み領域は、本体部81の外面80aから本体部81の内面80bに向けて凹む領域である。他のいくつかの例において、補強部82は、本体部81の外面80aに対して隆起したリブであり、本体部81にはリブの位置に対応する凹み領域が形成されている。凹み領域は、本体部81の内面80bから本体部81の外面80aに向けて凹む領域である。例示的に、本体部81と補強部82はプレス加工又はロールプレス方式で一体に成形されることができる。
【0131】
いくつかの実施例において、
図12に示すように、凹溝80cは環形を呈する。補強部82は凹溝80cの外周領域に位置する。凹溝80cの外周領域はハウジング40の壁部を接続するのに用いられる。複数の補強部82は凹溝80cを取り囲んで間隔を空けて設置される。例示的に、複数の補強部82は凹溝80cを取り囲んで均一に配置される。
【0132】
いくつかの実施例において、
図13~
図15に示すように、ハウジング40cの壁部は貫通孔422を有する。本体部81は貫通孔422を覆う。補強部82は貫通孔422内に位置する。補強部82はハウジング40の内部から外部に指向する方向に沿って壁部の外面を超えない。ハウジング40の内部から外部に指向する方向は、貫通孔422の軸方向と同じであってもよい。
【0133】
電池セル30の外側において、貫通孔422に対応する位置に他の構造部材が設置されている場合、補強部82と構造部材との間に活動空間が確保され、本体部81に接続された弱い部83が所定の圧力値に耐える時に即時に破断されることを保証するために、本体部81を正常に隆起して変形させ、補強部82と構造部材が接触状態にあることによって本体部81の隆起変形が困難になり、本体部81に接続された弱い部83が所定の圧力値に耐える時に即時に破断しにくい可能性を低減する。
【0134】
いくつかの実施例において、
図15に示すように、電池セル30は保護シート90をさらに含む。保護シート90はハウジング40の壁部の外面に付着し、圧力解放機構80を覆う。
【0135】
保護シート90は圧力解放機構80に対して保護を形成することができ、外部物体が不意に本体部81に衝突したり擦ったりして本体部81がねじれ変形したり凹みを形成したりすることを低減し、さらに本体部81に接続された弱い部83が正常に破断して爆破が発生する可能性に影響を与える。
【0136】
いくつかの例において、保護シート90は貫通孔422内に位置し、保護シート90の圧力解放機構80に背を向ける表面はハウジング40の外面と平らになる。保護シート90の材料は、ポリエチレン又はポリプロピレン等のプラスチックであってもよい。
【0137】
いくつかの実施例において、
図13~
図15に示すように、ハウジング40は端部カバー41とケース42を含む。ケース42には開口421が設けられる。端部カバー41は開口421を覆うのに用いられる。ケース42は側壁42aと底壁42bを含む。側壁42aは端部カバー41を接続するのに用いられる。底壁42bとケース42の開口421は厚さ方向Xに沿って対向的に設置される。側壁42aの厚さと底壁42bの厚さはいずれも端部カバー41の厚さより小さい。壁部は側壁42a又は底壁42bである。
【0138】
端部カバー41とケース42は別体構造である。両者は密閉するように接続された後にハウジング40を形成する。圧力解放機構80は側壁42a及び/又は底壁42bに設置することができる。
【0139】
ケース42の厚さは端部カバー41の厚さより小さく、これによって端部カバー41の剛性はケース42の剛性より大きくなる。同じ圧力の作用下、端部カバー41の変形程度はケース42の変形程度より小さい。電池セル30は、輸送、温度変化又は充放電の過程において、電池セル30の内部圧力が高低交互に変化する場合があるため、圧力解放機構80は、端部カバー41がキャビンに面している場合、圧力解放機構80の作動時に高温高圧排出物がキャビンに排出されにくくなり、人員の安全を直接脅かすことがないように、端部カバー41に設置されることでなく、ケース42の側壁42a及び/又は底壁42bに設置される。
【0140】
また、ケース42の側壁42a又は底壁42bの厚さは端部カバー41の厚さよりも小さいため、ケース42の側壁42a又は底壁42bは内部圧力の作用で端部カバー41よりも変形程度が大きく、それにより圧力解放機構80に大きな影響を与え、本体部81の変形程度が大きくなる。この時、補強部82は、本体部81の変形を小さくするために、本体部81の強度をより強化する必要があり、それにより、弱い部83に担持される交番応力を減少するのに有利である。
【0141】
いくつかの例において、
図14と
図15に示すように、ケース42の底壁42bには貫通孔422が設けられる。電極組立体50はケース42の底壁42bと端部カバー41との間に位置する。電池セル30が車両、船舶又は航空機等の電力消費装置に応用される場合、電池セル30の端部カバー41は垂直方向に上向きに設置され、ケース42の底壁42bは下向きに設置され、それによって電池セル30の端部カバー41はケース42の底壁42bに対して乗員により近接する。そのため、圧力解放機構80がケース42の底壁42bに設置された場合、圧力解放機構80が爆破して圧力を解放する場合、電池セル30が排出した高温高圧排出物は直接人員の安全を脅かしにくく、電池セル30の使用安全性を向上させる。
【0142】
図16に示すように、本願の実施例により、以下を含む電池セル30の製造方法を提供する。
【0143】
開口421を覆うための端部カバー41と、開口421が設けられるケース42とを提供し、ケース42は、端部カバー41を接続するための側壁42aと、開口421と対向するように設置された底壁42bと、を含み、側壁42aの厚さ、底壁42bの厚さはいずれも端部カバー41の厚さより小さく、側壁42a又は底壁42bには貫通孔422と、本体部81と本体部81に接続された弱い部83を含む圧力解放機構80とが設けられ、本体部81は側壁42a又は底壁42bを接続するのに用いられ、圧力解放機構80は電池セル30の内部圧力又は温度が閾値に達した時に弱い部83が破壊されて圧力を解放するのに用いられ、圧力解放機構80は、本体部81の自身の厚さ方向Xに設けられた補強部82をさらに含み、補強部82は本体部81の変形を減少するのに用いられる。
【0144】
ケース42に収容された電極組立体50を提供する。
【0145】
側壁42aに接続されて開口421を覆う端部カバー41とケース42を組立てる。
【0146】
本願の実施例にかかる電池セル30の製造方法により製造された電池セル30では、圧力解放機構80の補強部82は本体部81の強度を強化し、本体部81の変形を小さくすることができ、それにより、補強部82が設置された圧力解放機構80は、電池セル30の内部圧力が高低交互に変化する場合、圧力解放機構80の本体部81の隆起又は凹みの変形程度が低下し、さらに、本体部81に接続する弱い部83に担持される交番応力を小さくすることに有利であり、電池セル30が正常に使用される場合、本体部81に接続された弱い部83に交番疲労老化又は破断が発生して圧力解放機構80に繰り上げて爆破して圧力を解放する可能性を低減し、電池の使用安全性と安定性を向上させることに有利である。
【0147】
本願の実施例にかかる電池セル30の製造方法は上記実施例の電池セル30を製造することができる。
【0148】
図17に示すように、本願の実施例により、以下を含む電池セル30の製造設備1000を提供する。
【0149】
第1の提供モジュール1001は開口421を覆うための端部カバー41と、開口421が設けられるケース42とを提供し、ケース42は、端部カバー41を接続するための側壁42aと、開口421と対向するように設置された底壁42bと、を含み、側壁42aの厚さ、底壁42bの厚さはいずれも端部カバー41の厚さより小さく、側壁42a又は底壁42bには貫通孔422と、本体部81と本体部81に接続された弱い部83を含む圧力解放機構80とが設けられ、本体部81は側壁42a又は底壁42bを接続するのに用いられ、圧力解放機構80は電池セル30の内部圧力又は温度が閾値に達した時に弱い部83が破壊されて圧力を解放するのに用いられ、圧力解放機構80は、本体部81の自身の厚さ方向Xに設けられた補強部82をさらに含み、補強部82は本体部81の変形を減少するのに用いられる。
【0150】
第2の提供モジュール1002はケース42に収容された電極組立体50を提供する。
【0151】
組立モジュール1003は側壁42aに接続されて開口421を覆う端部カバー41とケース42を組立てる。
【0152】
本願の実施例にかかる電池セル30の製造設備1000により製造された電池セル30では、圧力解放機構80の補強部82は本体部81の強度を強化し、本体部81の変形を小さくすることができ、それにより、補強部82が設置された圧力解放機構80は、電池セル30の内部圧力が高低交互に変化する場合、圧力解放機構80の本体部81の隆起又は凹みの変形程度が低下し、さらに、本体部81に接続する弱い部83に担持される交番応力を小さくすることに有利であり、電池セル30が正常に使用される場合、本体部81に接続された弱い部83に交番疲労老化又は破断が発生して圧力解放機構80に繰り上げて爆破して圧力を解放する可能性を低減し、電池の使用安全性と安定性を向上させることに有利である。
【0153】
本願の実施例にかかる電池セル30の製造方法は上記実施例の電池セル30の製造方法を実行することができる。
【0154】
好ましい実施例を参照して本願に説明したが、本願の範囲を逸脱しない状況において、様々な改良を行うことができ、その中の部材を等価物で置き換えることができる。特に、構造の衝突がない限り、各実施例に記載されている各技術的特徴は何れも任意の方式で組み合わせることができる。本願は、本明細書に開示された特定の実施例に限定されず、特許請求の範囲内に含まれる全ての技術案を含む。