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特許7445008光スイッチング装置、方向転換方法、及び再構成可能な光アドドロップマルチプレクサ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】光スイッチング装置、方向転換方法、及び再構成可能な光アドドロップマルチプレクサ
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/31 20060101AFI20240228BHJP
   G02B 6/26 20060101ALI20240228BHJP
   G02B 6/293 20060101ALI20240228BHJP
   G02B 6/32 20060101ALI20240228BHJP
   G02B 6/35 20060101ALI20240228BHJP
【FI】
G02F1/31
G02B6/26 301
G02B6/293
G02B6/32
G02B6/35
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2022549796
(86)(22)【出願日】2020-12-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-12
(86)【国際出願番号】 CN2020137478
(87)【国際公開番号】W WO2021164406
(87)【国際公開日】2021-08-26
【審査請求日】2022-09-21
(31)【優先権主張番号】202010108090.1
(32)【優先日】2020-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ジィア,ウエイ
【審査官】大西 孝宣
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/123921(WO,A1)
【文献】特開2014-067004(JP,A)
【文献】特開2015-156015(JP,A)
【文献】国際公開第2019/243809(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/191862(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0288504(US,A1)
【文献】国際公開第2014/087673(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0031104(US,A1)
【文献】米国特許第09913008(US,B1)
【文献】米国特許第07034979(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/00 - 1/125
G02F 1/21 - 7/00
G02B 6/26 - 6/35
G02B 6/42 - 6/43
G02B 26/00 - 26/08
H04B 10/00 - 10/90
H04J 14/00 - 14/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力ポート、分光アセンブリ、第1レンズアセンブリ、方向転換アセンブリ、及び出力ポートを有する光スイッチング装置であって、
前記入力ポートは、第1ビームを第1方向において第1入射角で前記分光アセンブリに入力するよう構成され、前記入力ポートは更に、第2ビームを前記第1方向において第2入射角で前記分光アセンブリに入力するよう構成され、前記第1入射角及び前記第2入射角の絶対値の間の差はゼロではなく、
前記分光アセンブリは、複数の第1サブビームを形成するように前記第1ビームを分散させるよう構成され、前記分光アセンブリは更に、複数の第2サブビームを形成するように前記第2ビームを分散させるよう構成され、
前記第1レンズアセンブリは、前記複数の第1サブビーム及び前記複数の第2サブビームの焦点を前記方向転換アセンブリに合わせるよう構成され、前記複数の第1サブビームは、前記複数の第1サブビームが、各々の波長に応じて前記方向転換アセンブリの第1領域内で第2方向に沿って順次配置された複数の第1光スポットを形成するように、前記方向転換アセンブリの前記第1領域に入射し、前記複数の第2サブビームは、前記複数の第2サブビームが、各々の波長に応じて前記方向転換アセンブリの第2領域内で前記第2方向に沿って順次配置された複数の第2光スポットを形成するように、前記方向転換アセンブリの前記第2領域に入射し、前記複数の第1光スポットは、前記方向転換アセンブリにおいて、前記第1方向において前記複数の第2光スポットと一対一の対応にあり、前記第1入射角及び前記第2入射角の絶対値の間の前記差は、前記第1領域及び前記第2領域が前記第1方向において互いから分離されることを可能にし、かつ、前記第1領域及び前記第2領域が前記第2方向において少なくとも部分的に重なり合うことを可能にし、前記第1方向は前記第2方向に垂直であり、前記第1方向及び前記第2方向は両方とも前記第1ビームの伝播方向に垂直であり、
前記出力ポートは、前記方向転換アセンブリによって方向転換されている前記複数の第1サブビーム及び前記複数の第2サブビームを出力するよう構成される、
光スイッチング装置。
【請求項2】
前記入力ポートは、前記第1ビームを前記第2方向において第3入射角で前記分光アセンブリに入力するよう構成され、前記入力ポートは更に、前記第2ビームを前記第2方向において第4入射角で前記分光アセンブリに入力するよう構成され、前記第3入射角と前記第4入射角との間の差は、前もってセットされた範囲内にある、
請求項に記載の光スイッチング装置。
【請求項3】
第2レンズアセンブリが、前記入力ポートと前記分光アセンブリとの間に含まれ、
前記第2レンズアセンブリは、前記第1ビーム及び前記第2ビームを前記分光アセンブリへ結合するよう構成される、
請求項1又は2に記載の光スイッチング装置。
【請求項4】
第3レンズアセンブリが、前記入力ポートと前記分光アセンブリとの間に含まれ、
前記第1入射角及び/又は前記第2入射角は、前記第3レンズアセンブリの位置に依存する、
請求項1乃至のうちいずれか一項に記載の光スイッチング装置。
【請求項5】
前記第1入射角及び/又は前記第2入射角は、前記入力ポートと前記第3レンズアセンブリの主光学軸との間の距離に依存する、
請求項に記載の光スイッチング装置。
【請求項6】
前記分光アセンブリは、前記複数の第1サブビームを前記第2方向において第1射出角で放射するよう構成され、更には、前記複数の第2サブビームを前記第2方向において第2射出角で放射するよう構成され、前記第1射出角と前記第2射出角との間の差は、前もってセットされた範囲内にある、
請求項1乃至のうちいずれか一項に記載の光スイッチング装置。
【請求項7】
前記第1レンズアセンブリの焦点距離の値は、ターゲット距離の値に関係があり、該ターゲット距離は、前記第1方向において一対一の対応にある2つの光スポットの間の距離である、
請求項1乃至6のうちいずれか一項に記載の光スイッチング装置。
【請求項8】
前記第1レンズアセンブリと前記方向転換アセンブリとの間の距離は、前記第1レンズアセンブリの焦点距離に等しく、前記第1レンズアセンブリと前記分光アセンブリとの間の距離は、前記第1レンズアセンブリの前記焦点距離に等しい、
請求項1乃至のうちいずれか一項に記載の光スイッチング装置。
【請求項9】
前記第1ビーム及び前記第2ビームは、少なくとも1つの異なる波長値を有する、
請求項1乃至のうちいずれか一項に記載の光スイッチング装置。
【請求項10】
当該光スイッチング装置はフィルタを更に有し、該フィルタが前記入力ポートを有し、前記フィルタは、光ファイバから光信号を受けるよう構成され、前記フィルタは更に、前記光信号を前記第1ビームと前記第2ビームとに分けるよう構成される、
請求項1乃至のうちいずれか一項に記載の光スイッチング装置。
【請求項11】
前記入力ポートは、第1入力ポート及び第2入力ポートを有し、前記第1入力ポートは、前記第1ビームを入力するよう構成され、前記第2入力ポートは、前記第2ビームを入力するよう構成され、前記第2方向における前記第1入力ポート及び前記第2入力ポートの位置は、少なくとも部分的に重なり合う、
請求項1乃至10のうちいずれか一項に記載の光スイッチング装置。
【請求項12】
前記第1ビームはCバンドビームであり、前記第2ビームはLバンドビームである、
請求項1乃至11のうちいずれか一項に記載の光スイッチング装置。
【請求項13】
光スイッチング装置に適用される方向転換方法であって、
前記光スイッチング装置は、入力ポート、分光アセンブリ、第1レンズアセンブリ、方向転換アセンブリ、及び出力ポートを有する、前記方向転換方法において、
第1ビームを前記入力ポートにより第1方向において第1入射角で前記分光アセンブリに入力することと、
第2ビームを前記入力ポートにより前記第1方向において第2入射角で前記分光アセンブリに入力することであり、前記第1入射角及び前記第2入射角の絶対値の間の差はゼロではない、ことと、
複数の第1サブビームを形成するように、前記分光アセンブリを使用することによって前記第1ビームを分散させることと、
複数の第2サブビームを形成するように、前記分光アセンブリを使用することによって前記第2ビームを分散させることと、
前記第1レンズアセンブリを使用することによって前記複数の第1サブビーム及び前記複数の第2サブビームの焦点を前記方向転換アセンブリに合わせることであり、前記複数の第1サブビームは、前記複数の第1サブビームが、各々の波長に応じて前記方向転換アセンブリの第1領域内で第2方向に沿って順次配置された複数の第1光スポットを形成するように、前記方向転換アセンブリの前記第1領域に入射し、前記複数の第2サブビームは、前記複数の第2サブビームが、各々の波長に応じて前記方向転換アセンブリの第2領域内で前記第2方向に沿って順次配置された複数の第2光スポットを形成するように、前記方向転換アセンブリの前記第2領域に入射し、前記複数の第1光スポットは、前記方向転換アセンブリにおいて、前記第1方向において前記複数の第2光スポットと一対一の対応にあり、前記第1入射角及び前記第2入射角の絶対値の間の前記差は、前記第1領域及び前記第2領域が前記第1方向において互いから分離されることを可能にし、かつ、前記第1領域及び前記第2領域が前記第2方向において少なくとも部分的に重なり合うことを可能にし、前記第1方向は前記第2方向に垂直であり、前記第1方向及び前記第2方向は両方とも前記第1ビームの伝播方向に垂直である、ことと、
前記方向転換アセンブリによって方向転換されている前記複数の第1サブビーム及び前記複数の第2サブビームを前記出力ポートにより出力することと
を有する方向転換方法。
【請求項14】
当該方向転換方法は、
前記第1ビームを前記入力ポートにより前記第2方向において第3入射角で前記分光アセンブリに入力することと、
前記第2ビームを前記入力ポートにより前記第2方向において第4入射角で前記分光アセンブリに入力することと
を更に有し、
前記第3入射角と前記第4入射角との間の差は、前もってセットされた範囲内にある、
請求項13に記載の方向転換方法。
【請求項15】
第2レンズアセンブリが、前記入力ポートと前記分光アセンブリとの間に含まれ、
当該方向転換方法は、前記第2レンズアセンブリを使用することによって前記第1ビーム及び前記第2ビームを前記分光アセンブリへ結合することを更に有する、
請求項13又は14に記載の方向転換方法。
【請求項16】
第3レンズアセンブリが、前記入力ポートと前記分光アセンブリとの間に含まれ、
当該方向転換方法は、前記第3レンズアセンブリを使用することによって前記第1入射角及び/又は前記第2入射角を調整することを更に有し、
前記第1入射角及び/又は前記第2入射角は、前記第3レンズアセンブリの位置に依存する、
請求項13乃至15のうちいずれか一項に記載の方向転換方法。
【請求項17】
前記第1入射角及び/又は前記第2入射角は、前記入力ポートと前記第3レンズアセンブリの主光学軸との間の距離に依存する、
請求項16に記載の方向転換方法。
【請求項18】
当該方向転換方法は、
前記分光アセンブリを使用することによって前記複数の第1サブビームを前記第2方向において第1射出角で放射することと、
前記分光アセンブリを使用することによって前記複数の第2サブビームを前記第2方向において第2射出角で放射することと
を更に有し、
前記第1射出角と前記第2射出角との間の差は、前もってセットされた範囲内にある、
請求項13乃至17のうちいずれか一項に記載の方向転換方法。
【請求項19】
当該方向転換方法は、前記第1レンズアセンブリを使用することによってターゲット距離を調整することを更に有し、
前記第1レンズアセンブリの焦点距離の値は、ターゲット距離の値に関係があり、該ターゲット距離は、前記第1方向において一対一の対応にある2つの光スポットの間の距離である、
請求項13乃至18のうちいずれか一項に記載の方向転換方法。
【請求項20】
前記光スイッチング装置はフィルタを更に有し、該フィルタが前記入力ポートを有し、
当該方向転換方法は、
前記フィルタを使用することによって光ファイバから光信号を受けることと、
前記フィルタを使用することによって前記光信号を前記第1ビームと前記第2ビームとに分けることと
を更に有する、
請求項13乃至19のうちいずれか一項に記載の方向転換方法。
【請求項21】
前記入力ポートは、第1入力ポート及び第2入力ポートを有し、
当該方向転換方法は、
前記第1入力ポートにより前記第1ビームを入力することと、
前記第2入力ポートにより前記第2ビームを入力することと
を更に有し、
前記第2方向における前記第1入力ポート及び前記第2入力ポートの位置は、少なくとも部分的に重なり合う、
請求項13乃至19のうちいずれか一項に記載の方向転換方法。
【請求項22】
請求項1乃至12のうちいずれか一項に記載の光スイッチング装置を複数有し、
前記複数の光スイッチング装置は、各々の光スイッチング装置によって方向転換された光信号を当該光スイッチング装置の出力ポートから他の光スイッチング装置の入力ポートへ伝える光ファイバを使用することによって互いに接続される、
再構成可能な光アドドロップマルチプレクサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、光ファイバ通信の分野に、特に、光スイッチング装置、方向転換方法、及び再構成可能な光アドドロップマルチプレクサに関係がある。
【背景技術】
【0002】
光ネットワークサービスの急速な発展及びスイッチング容量の増大に伴って、再構成可能な光アドドロップマルチプレクサ(reconfigurable optical add drop multiplexer,ROADM)によって処理される必要がある信号バンド範囲も増大している。波長選択スイッチ(wavelength selective switch,WSS)は、ROADMを形成する重要なアセンブリである。
【0003】
従来技術で示されているWSSが図1に示される。Cバンドビーム及びLバンドビームが入力ポート101に入力され、アレイ導波路回折格子(arrayed waveguide gating,AWG)102及び103は分光方向Xにおいて平行に配置されている。AWG102及びAWG103の使用により、分光方向Xにおいて、Cバンドビーム及びLバンドビームがレンズ104を通過した後に格子105に入射する角度は異なり、また、スイッチングエンジン106でのCバンドビームの光スポット及びLバンドビームの光スポットの位置が図2に示されるように、分光方向において、Cバンドビーム及びLバンドビームが格子105から出る角度は同じである。スイッチングエンジン106で、Cバンドビームは複数のCバンド光スポットを生成し、Lバンドビームは複数のLバンド光スポットを生成することが分かる。Cバンド光スポット201及びLバンド光スポット202を例とする。Cバンド光スポット201及びLバンド光スポット202は、ポート方向Yにおいて分離され、分光方向Xにおいて重なり合い、それにより、フィルタリングバンド幅は有効に改善され得る。
【0004】
しかし、AWGがWSSに配置される場合に、AWG及び空間の光結合の挿入損失は増大する。Cバンドビーム及びLバンドビームが格子105に入射する角度が異なることにより、分光方向Xでのレンズ104などのコンポーネントの幅は増大する。
【発明の概要】
【0005】
本願は、フィルタリングバンド幅を改善しかつ挿入損失を有効に低減するために、光スイッチング装置、方向転換方法、及び再構成可能な光アドドロップマルチプレクサを提供する。
【0006】
本願の第1の態様は、入力ポート、分光アセンブリ、第1レンズアセンブリ、方向転換アセンブリ、及び出力ポートを含む光スイッチング装置を提供する。入力ポートは、第1ビームを第1方向において第1入射角で分光アセンブリに入力するよう構成され、入力ポートは更に、第2ビームを第1方向において第2入射角で分光アセンブリに入力するよう構成され、第1入射角及び第2入射角の絶対値の間の差はゼロではない。分光アセンブリは、複数の第1サブビームを形成するように第1ビームを分散させるよう構成され、分光アセンブリは更に、複数の第2サブビームを形成するように第2ビームを分散させるよう構成される。第1レンズアセンブリは、複数の第1サブビーム及び複数の第2サブビームの焦点を方向転換アセンブリに合わせるよう構成され、複数の第1サブビームは、方向転換アセンブリの第1領域に入射し、複数の第2サブビームは、方向転換アセンブリの第2領域に入射し、第1入射角及び第2入射角の絶対値の間の差は、第1領域及び第2領域が第1方向において互いから分離されることを可能にし、かつ、第1領域及び第2領域が第2方向において少なくとも部分的に重なり合うことを可能にする。第1方向は第2方向に垂直であり、第1方向及び第2方向は両方とも第1ビームの伝播方向に垂直である。出力ポートは、方向転換アセンブリによって方向転換されている複数の第1サブビーム及び複数の第2サブビームを出力するよう構成される。
【0007】
この態様で示される光スイッチング装置では、ビームが第1方向において分光アセンブリに入射する角度の値が調整され、それにより、第1ビームが第2方向において分光アセンブリから出る角度は、第2ビームが第2方向において分光アセンブリから出る角度に等しいか又は略等しいことが有効に確かにされ得る。このようにして、挿入損失は可能な限り低減され、一方で、光スイッチング装置のフィルタリングバンド幅は有効に改善され、また、更には、第1ビームが第2方向で分光アセンブリに入射する角度の値は、第2ビームが第2方向において分光アセンブリに入射する角度に等しいか又は略等しく、それにより、第2方向での光スイッチング装置の構造はよりコンパクトである。
【0008】
本願の第1の態様を参照して、任意の実施において、第1領域及び第2領域が第2方向において少なくとも部分的に重なり合うことは:
第1領域は、複数の第1サブビームが第1光スポットを生成する位置であり、第2領域は、複数の第2サブビームが第2光スポットを生成する位置であり、第1光スポット及び第2光スポットは第2方向において少なくとも部分的に重なり合う、
ことを含む。
【0009】
本願の第1の態様を参照して、任意の実施において、第1光スポットに含まれる複数の光スポットは、第2光スポットに含まれる複数の光スポットと一対一の対応にある。
【0010】
この態様で示される光スイッチング装置では、第1光スポットに含まれる複数の光スポットと第2光スポットに含まれる複数の光スポットとが一対一の対応にあるので、第1光スポット及び第2光スポットの中で、同じ列に配置されている光スポットは、第2方向において少なくとも部分的に重なり合い、第2方向において互いから分離され、それにより、光スイッチング装置のフィルタリングバンド幅は有効に改善される。
【0011】
本願の第1の態様を参照して、任意の実施において、入力ポートは、第1ビームを第2方向において第3入射角で分光アセンブリに入力するよう構成され、入力ポートは更に、第2ビームを第2方向において第4入射角で分光アセンブリに入力するよう構成され、第3入射角と第4入射角との間の差は、前もってセットされた範囲内にある。
【0012】
この態様で示される光スイッチング装置では、第3入射角と第4入射角との間の差が前もってセットされた範囲内にあるとき、第1ビームが第2方向において分光アセンブリから出る角度が、第2ビームが第2方向において分光アセンブリから出る角度に等しいか又は略等しいことを確かにするために、第3入射角及び第4入射角を調整する必要なしに、第1入射角及び第2入射角のみが調整されさえすればよい。このようにして、光スイッチング装置のフィルタリングバンド幅は有効に改善される。
【0013】
本願の第1の態様を参照して、任意の実施において、第2レンズアセンブリが入力ポートと分光アセンブリとの間に含まれ、第2レンズアセンブリは、第1ビーム及び第2ビームを分光アセンブリへ結合するよう構成される。
【0014】
本願の第1の態様を参照して、任意の実施において、第3レンズアセンブリが入力ポートと分光アセンブリとの間に含まれ、第1入射角及び/又は第2入射角は第3レンズアセンブリの位置に依存する。
【0015】
本願の第1の態様を参照して、任意の実施において、第1入射角及び/又は第2入射角は、入力ポートと第3レンズアセンブリの主光学軸との間の距離に依存する。
【0016】
この態様で示される光スイッチング装置では、第3レンズアセンブリは、第1ビームが第1方向において分光アセンブリに入射する第1入射角の値を調整し、また、第2ビームが第1方向において分光アセンブリに入射する第2入射角の値を調整し、それにより、第1ビームが第2方向において分光アセンブリから出る角度は、第2ビームが第2方向において分光アセンブリから出る角度に等しいか又は略等しいことが有効に確かにされ得る。このようにして、挿入損失は可能な限り低減され、一方、光スイッチング装置のフィルタリングバンド幅は改善され、また、更には、第1ビームが第2方向において分光アセンブリに入射する角度は、第2ビームが第2方向において分光アセンブリに入射する角度に等しいか又は略等しく、それにより、第2方向での光スイッチング装置の構造はよりコンパクトである。
【0017】
本願の第1の態様を参照して、任意の実施において、分光アセンブリは、複数の第1サブビームを第2方向において第1射出角で放射するよう構成され、更には、複数の第2サブビームを第2方向において第2射出角で放射するよう構成され、第1射出角と第2射出角との間の差は、前もってセットされた範囲内にある。
【0018】
この態様で示される光スイッチング装置では、第1射出角と第2射出角との間の差が前もってセットされた範囲内にあるので、第1領域及び第2領域は第2方向において少なくとも部分的に重なり合い、更には、第1領域及び第2領域は第1方向において少なくとも部分的に分離され、それにより、光スイッチング装置のフィルタリングバンド幅は改善される。
【0019】
本願の第1の態様を参照して、任意の実施において、第1レンズアセンブリの焦点距離の値は、ターゲット距離の値に関係があり、ターゲット距離は、第1方向において一対一の対応にある2つの光スポットの間の距離である。
【0020】
本願の第1の態様を参照して、任意の実施において、第1レンズアセンブリと方向転換アセンブリとの間の距離は、第1レンズアセンブリの焦点距離に等しく、第1レンズアセンブリと分光アセンブリとの間の距離は、第1レンズアセンブリの焦点距離に等しい。
【0021】
本願の第1の態様を参照して、任意の実施において、光スイッチング装置は、入力ポート第2レンズアセンブリとの間に位置するコリメーティングレンズを更に含み、コリメーティングレンズは、第1ビーム及び第2ビームをコリメートするよう構成される。入力ポートは、コリメーティングレンズのフロントフォーカスに位置する。
【0022】
本願の第1の態様を参照して、任意の実施において、方向転換アセンブリは、各第1サブビームの伝播方向及び各第2サブビームの伝播方向を偏向させるよう構成され、第1レンズアセンブリは、第1サブビーム及び第2サブビームの焦点を別々に分光アセンブリに合わせるよう構成され、分光アセンブリは、第1出力ビームを生成するように複数の第1サブビームを結合するよう構成され、分光アセンブリは、第2出力ビームを生成するように複数の第2サブビームを結合するよう構成され、第3レンズアセンブリは、分光アセンブリからの第1出力ビーム及び第2出力ビームを第2レンズアセンブリへ結合するよう構成され、第2レンズアセンブリは、第1出力ビーム及び第2出力ビームをコリメーティングレンズへ伝播するように第1出力ビームの光伝播経路及び第2出力ビームの光伝播経路を調整するよう構成され、コリメーティングレンズによってコリメートされている第1出力ビーム及び第2出力ビームが出力ポートにより出力される。
【0023】
本願の第1の態様を参照して、任意の実施において、第1ビーム及び第2ビームは、少なくとも1つの異なる波長値を有する。
【0024】
本願の第1の態様を参照して、任意の実施において、光スイッチング装置はフィルタを更に含み、フィルタが入力ポートを含み、フィルタは、光ファイバから光信号を受けるよう構成され、フィルタは更に、光信号を第1ビームと第2ビームとに分けるよう構成される。
【0025】
この態様で示される光スイッチング装置では、入力ポートの数及び出力ポートの数は、フィルタを使用することによって有効に減らすことができる。
【0026】
本願の第1の態様を参照して、任意の実施において、入力ポートは第1入力ポート及び第2入力ポートを含み、第1入力ポートは第1ビームを入力するよう構成され、第2入力ポートは第2ビームを入力するよう構成され、第2方向における第1入力ポート及び第2入力ポートの位置は少なくとも部分的に重なり合う。
【0027】
本願の第1の態様を参照して、任意の実施において、第1ビームはCバンドビームであり、第2ビームはLバンドビームである。
【0028】
本願の第2の態様は方向転換方法を提供する。方向転換方法は光スイッチング装置に適用され、光スイッチング装置は、入力ポート、分光アセンブリ、第1レンズアセンブリ、方向転換アセンブリ、及び出力ポートを含む。方法は、第1ビームを入力ポートにより第1方向において第1入射角で分光アセンブリに入力することと、第2ビームを入力ポートにより第1方向において第2入射角で分光アセンブリに入力することであり、第1入射角及び第2入射角の絶対値の間の差はゼロではない、ことと、複数の第1サブビームを形成するように、分光アセンブリを使用することによって第1ビームを分散させることと、複数の第2サブビームを形成するように、分光アセンブリを使用することによって第2ビームを分散させることと、第1レンズアセンブリを使用することによって複数の第1サブビーム及び複数の第2サブビームの焦点を方向転換アセンブリに合わせることであり、複数の第1サブビームは方向転換アセンブリの第1領域に入射し、複数の第2サブビームは方向転換アセンブリの第2領域に入射し、第1入射角及び第2入射角の絶対値の間の差は、第1領域及び第2領域が第1方向において互いから分離されることを可能にし、かつ、第1領域及び第2領域が第2方向において少なくとも部分的に重なり合うことを可能にし、第1方向は第2方向に垂直であり、第1方向及び第2方向は両方とも第1ビームの伝播方向に垂直である、ことと、方向転換アセンブリによって方向転換されている複数の第1サブビーム及び複数の第2サブビームを出力ポートにより出力することとを含む。
【0029】
この態様で示される方向転換方法の具体的な実行プロセス及び有利な効果の記載については、第1の態様を参照されたい。詳細は再び記載されない。
【0030】
本願の第2の態様を参照して、任意の実施において、第1領域及び第2領域が第2方向において少なくとも部分的に重なり合うことは:
第1領域は、複数の第1サブビームが第1光スポットを生成する位置であり、第2領域は、複数の第2サブビームが第2光スポットを生成する位置であり、第1光スポット及び第2光スポットは、第2方向において少なくとも部分的に重なり合う
ことを含む。
【0031】
本願の第2の態様を参照して、任意の実施において、第1光スポットに含まれる複数の光スポットは、第2光スポットに含まれる複数の光スポットと一対一の対応にある。
【0032】
本願の第2の態様を参照して、任意の実施において、方法は、第1ビームを入力ポートにより第2方向において第3入射角で分光アセンブリに入力することと、第2ビームを入力ポートにより第2方向において第4入射角で分光アセンブリに入力することとを更に含み、第3入射角と第4入射角との間の差は、前もってセットされた範囲内にある。
【0033】
本願の第2の態様を参照して、任意の実施において、第2レンズアセンブリが入力ポートと分光アセンブリとの間に含まれ、方法は、第2レンズアセンブリを使用することによって第1ビーム及び第2ビームを分光アセンブリへ結合することを更に含む。
【0034】
本願の第2の態様を参照して、任意の実施において、第3レンズアセンブリが入力ポートと分光アセンブリとの間に含まれ、方法は、第3レンズアセンブリを使用することによって第1入射角及び/又は第2入射角を調整することを更に含み、第1入射角及び/又は第2入射角は第3レンズアセンブリの位置に依存する。
【0035】
本願の第2の態様を参照して、任意の実施において、第1入射角及び/又は第2入射角は、入力ポートと第3レンズアセンブリの主光学軸との間の距離に依存する。
【0036】
本願の第2の態様を参照して、任意の実施において、方法は、分光アセンブリを使用することによって複数の第1サブビームを第2方向において第1射出角で放射することと、分光アセンブリを使用することによって複数の第2サブビームを第2方向において第2射出角で放射することとを更に含み、第1射出角と第2射出角との間の差は、前もってセットされた範囲内にある。
【0037】
本願の第2の態様を参照して、任意の実施において、方法は、第1レンズアセンブリを使用することによってターゲット距離を調整することを更に含み、第1レンズアセンブリの焦点距離の値はターゲット距離の値に関係があり、ターゲット距離は、第1方向において一対一の対応にある2つの光スポットの間の距離である。
【0038】
本願の第2の態様を参照して、任意の実施において、光スイッチング装置はフィルタを更に含み、フィルタが入力ポートを含み、方法は、フィルタを使用することによって光ファイバから光信号を受けることと、フィルタを使用することによって光信号を第1ビームと第2ビームとに分けることとを更に含む。
【0039】
本願の第2の態様を参照して、任意の実施において、入力ポートは第1入力ポート及び第2入力ポートを含み、方法は、第1入力ポートにより第1ビームを入力することと、第2入力ポートにより第2ビームを入力することとを更に含み、第2方向における第1入力ポート及び第2入力ポートの位置は、少なくとも部分的に重なり合う。
【0040】
本願の第3の態様は、複数の光スイッチング装置を含む再構成可能な光アドドロップマルチプレクサを提供する。異なるスイッチング装置は、光ファイバを使用することによって互いに接続され、光スイッチング装置は第1の態様で示されており、再び説明されない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】従来技術に従う波長選択スイッチの構造の概略図である。
図2】従来技術に従うスイッチングエンジンでの光スポットの配置の概略図である。
図3】本願に従う再構成可能な光アドドロップマルチプレクサの構造の概略図である。
図4】本願に従う第2方向での光スイッチング装置の構造の概略図である。
図5】本願に従う第1方向での光スイッチング装置の構造の概略図である。
図6】本願に従う分光アセンブリによるビームの分散の概略図である。
図7】本願に従う分光アセンブリの構造の概略図である。
図8】本願に従う方向転換アセンブリでの光スポットの配置の概略図である。
図9】本願に従う分光アセンブリによるビームの分散の他の概略図である。
図10】本願に従う分光アセンブリによるビームの分散の他の概略図である。
図11】本願に従う第1方向での光スイッチング装置の他の構造の概略図である。
図12】本願に従う第2方向での光スイッチング装置の他の構造の概略図である。
図13】本願に従う第1方向での光スイッチング装置の他の構造の概略図である。
図14】本願に従う方向転換アセンブリでの光スポットの配置の他の概略図である。
図15】本願に従う第2方向での光スイッチング装置の他の構造の概略図である。
図16】本願に従う第1方向での光スイッチング装置の他の構造の概略図である。
図17】本願に従う方向転換方法のステップフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下は、本発明の実施形態での添付の図面を参照して、本発明の実施形態での技術的解決法について明りょうにかつ完全に説明する。記載されている実施形態が本発明の全ての実施形態ではなく一部にすぎないことは明らかである。創造的な努力無しで本発明の実施形態に基づき当業者によって取得される全ての他の実施形態は、本発明の保護範囲内に入るべきである。
【0043】
最初に、本願で提供されるROADMの構造が図3を参照して説明される。図3は、本願に従うROADMの構造の概略図である。
【0044】
ROADMの具体的なネットワーク構造は、この実施形態で制限されない。例えば、ROADMは、チェーン、リング、及びメッシュネットワークなどのネットワーク構造を使用してよい。図3に示されるように、説明のための例として、ROADMはメッシュネットワークのネットワーク構造を使用する。
【0045】
この実施形態では、例えば、ROADMは8つのWSS(つまり、WSS1及びWSS2乃至WSS8)を含む。8つのWSSは異なる位置に置かれている。ROADMに含まれるWSSの数及び各WSSの位置は、この実施形態で制限されない。異なる位置にあるWSSは、光信号を柔軟にスケジューリングするように、光信号を交換するよう構成される。この実施形態で示される異なる位置は、N個の次元における異なる方向を示してよく、Nは、1以上の正の整数である。
【0046】
WSS1が例として使用される。WSS1は、ROADMに含まれており光ファイバを使用することによってWSS1へ接続されているいずれかのWSSへ光信号を伝播して、異なる次元における方向において光信号を切り替えることができる。例えば、この実施形態で示されるROADMでは、WSS4、WSS6、及びWSS8が光ファイバを使用することによってWSS1へ接続され、WSS1は、WSS4、WSS6、及びWSS8のうちのいずれか1つへ光信号を伝播し得る。この実施形態では、説明のための例として、WSS1は、光ファイバを使用することによってWSS4、WSS6、及びWSS8へ接続されており、これは制限されない。他の例では、WSS1は、代替的に、光ファイバを使用することによって、ROADMに含まれるWSS2、WSS3、WSS5、及びWSS7のうちのいずれか1つへ接続されてもよい。
【0047】
WSS1及びWSS4が、光信号のスイッチングについて説明するための例として依然として使用される。
【0048】
光信号の伝播方向を第1方向301から第2方向302へ切り替えるために、第1方向301において伝播される光信号は、WSS1の入力ポートを通じてWSS1に入力され、光信号はWSS1によって方向転換され、光信号は、光ファイバを使用することによってWSSの出力ポートを通じてWSS4へ伝播され、WSS4の出力ポートから出力された光信号は第2方向302において伝播される。
【0049】
本願で提供される光スイッチング装置の構造は、種々の実施形態を参照して説明される。
【実施例1】
【0050】
以下は、図4及び図5を参照して、本願で提供される光スイッチング装置の具体的な構造について説明する。図4は、第2方向に沿った光スイッチング装置の構造の概略図であり、図5は、第1方向に沿った光スイッチング装置の構造の概略図である。この実施形態では、光スイッチング装置がWSSである例が使用される。図3を参照して、光スイッチング装置が具体的にWSS1である例が使用される。
【0051】
この実施形態で示される光スイッチング装置は、入力ポート、分光アセンブリ506、第1レンズアセンブリ507、方向転換アセンブリ508、及び出力ポートを含む。入力ポートの具体的な数及び出力ポートの具体的な数は、この実施形態で制限されない。
【0052】
以下は最初に、本願での第1方向及び第2方向について説明する。この実施形態での第1方向は、スイッチング方向又はポート方向とも呼ばれる場合があり、第2方向は、波長方向又は分光方向とも呼ばれる場合がある。光スイッチング装置に含まれる異なるコンポーネントを参照して、第1方向及び第2方向の定義は異なる。具体的な定義は次の通りである。
【0053】
定義1
図6に示される分光アセンブリ506を参照して、分光アセンブリ506は、異なる波長を有する複数のサブビームを形成するように、例えば、波長λを有するサブビーム、波長λを有するサブビーム、など、乃至波長λを有するサブビームを形成するように、分光アセンブリ506に入射したビーム601を分散させるよう構成される。λ、λ乃至λが互いに異なるという条件で、Nの具体的な値はこの例で制限されない。分光アセンブリ506は、波長λを有するサブビーム、波長λを有するサブビーム、乃至波長λを有するサブビームが伝播のために異なる射出角で放射されることを可能にすることができ、第2方向Yは、放射ビームが散乱される方向、つまり、分光アセンブリ506により複数のサブビームが分散することができる方向である。ビーム601の伝播方向は、図6に示される方向Zであり、第1方向Xは、第2方向Y及びビーム601の伝播方向Zの両方に垂直な方向である。
【0054】
定義2
依然として分光アセンブリ506を参照されたい。図7を参照して、この例は、分光アセンブリ506が格子である例を使用することによって説明される。この例では、第1方向Xは、格子スケール701に平行な方向であり、第2方向Yは、格子スケール701に垂直な方向である。第1方向Xは第2方向Yに垂直であることが分かる。
【0055】
定義3
この定義は、第1ビーム及び第2ビームが入力ポートに入力される例を使用することによって説明され、方向転換アセンブリ508が基準として使用される。図8に示されるように、方向転換アセンブリ508は第1領域801及び第2領域802を形成する。第1領域801は、第1ビームによって生成された複数のスポットを含み、第2領域802は、第2ビームによって生成された複数のスポットを含む。第1ビーム及び第2ビームは両方とも特定のバンド範囲を有し、第1ビームのバンド範囲は、第2ビームのバンド範囲とは異なる。例えば、第1ビームはCバンドビームであり、第2ビームはLバンドビームである。第2方向Yは、同じ領域内の複数のスポットの配置方向である。例えば、第2方向Yは、第1領域801に含まれる複数のスポットの配置方向である。他の例として、第2方向Yは、第2領域802に含まれる複数のスポットの配置方向である。任意に、方向転換アセンブリ508がエルコス(liquid crystal on silicon,LCOS)チップである場合に、第1方向Xは、方向転換アセンブリ508が回折光を生成するために位相格子を搭載する方向である。更に任意に、方向転換アセンブリ508が液晶(liquid crystal)アレイチップ又は微小電気機械システム(micro-electro-mechanical system,MEMS)である場合に、第1方向は、偏向されたビームの伝播方向である。第1方向Xはまた、第1領域801及び第2領域802の配置方向でもあり、つまり、第2方向Yは、同じバンド範囲内の複数のスポットの配置方向であり、第1方向Xは、異なるバンド範囲内のスポットの配置方向である。第1方向Xは第2方向Yに垂直であり、第1方向X及び第2方向Yは両方とも、第1ビームの伝播方向Z及び第2ビームの伝播方向Zに垂直であることが分かる。
【0056】
定義4
図5に示される入力ポート及び出力ポートを参照されたい。具体的に、光スイッチング装置は2つの入力ポート、つまり、入力ポート410及び入力ポート420を含み、光スイッチング装置は更に4つの出力ポート、つまり、出力ポート411、412、421、及び422を含む。留意すべきは、図5に示される入力ポート及び出力ポートの数の記載は任意の例であり、これは制限されない点である。図5で、第1方向Xは、複数の入力ポート及び複数の出力ポートの配置方向である。第1方向Xに沿って、複数の入力ポート及び複数の出力ポートの位置は離されていることが分かる。図4に示されるように、第2方向Yに沿って、複数の入力ポート及び複数の出力ポートは、完全に又は部分的に重なり合ってよい。第1方向Xはまた、方向転換アセンブリ508が、偏向角度を生成するよう、入力ポート410を通る第1ビーム510及び入力ポート420を通る第2ビーム502を偏向する方向でもある。第2方向Yは第1方向Xに垂直であり、第1方向X及び第2方向Yは両方とも、第1ビーム501の伝播方向Z及び第2ビーム502の伝播方向Zに垂直である。
【0057】
この実施形態では、説明のための例として、光スイッチング装置は、第1ビーム501及び第2ビーム502に対して光スイッチングを実行するよう構成される。他の例では、光スイッチング装置は、代替的に、2よりも多いビームに対して光スイッチングを実行してもよい。光スイッチングが具体的に実行されるビームの数は、この実施形態で制限されない。この実施形態での第1ビーム501及び第2ビーム502は、異なる波長範囲を有する。第1ビーム501及び第2ビーム502が異なる波長を有することは、具体例を参照して以下の例を使用することによって説明される。
【0058】
例えば、この実施形態での第1ビーム501はCバンド(C band)ビームであり、第2ビーム502はLバンド(L band)ビームである。この実施形態での第1ビーム501及び第2ビーム502の具体的なバンドの説明は例であり、制限されない。第1ビーム501及び第2ビーム502が異なるバンドであるという条件で、例えば、第1ビーム501は、代替的に、Eバンド(E band)ビームであってよく、第2ビーム502は、代替的に、Oバンド(O band)ビームであってよい。具体的に、例えば、第1ビーム501はN個の波長値λc-1、λc-2、・・・及びλc-Nを有し、第2ビーム502もN個の波長値λL-1、λL-2、・・・及びλL-Nを有してよい。Nの値はこの実施形態で制限されない。第1ビーム501の波長値の数及び第2ビーム502の波長値の数は、代替的に、異なってもよい。第1ビーム501及び第2ビーム502が異なる波長範囲を有することは、具体的に、λc-1、λc-2、・・・及びλc-N並びにλL-1、λL-2、・・・及びλL-Nの中の波長値が異なることを意味し得る。第1ビーム501及び第2ビーム502が異なる波長範囲を有することは、代替的に、λc-1、λc-2、・・・及びλc-N並びにλL-1、λL-2、・・・及びλL-Nの中に1つ以上の異なる波長値があることを意味する。言い換えると、λc-1、λc-2、・・・及びλc-N並びにλL-1、λL-2、・・・及びλL-Nの中で、一部の波長値は同じであり、一部の波長値は異なる。
【0059】
光スイッチング装置のコンポーネントは以下で説明される。
【0060】
例えば、図5に示されるように、光スイッチング装置に含まれる入力ポート410は、第1ビーム501を入力するよう構成され、入力ポート420は、第2ビーム502を入力するよう構成される。入力ポート410及び入力ポート420の位置は以下で説明される。
【0061】
図4に示されるように、第2方向Yにおいて、入力ポート410及び入力ポート420の位置は少なくとも部分的に重なり合う。具体的に、例えば、入力ポート410及び入力ポート420は完全に重なり合い、他の例として、入力ポート410及び入力ポート420は部分的に重なり合う。図5に示されるように、第1方向Xにおいて、入力ポート410の位置及び入力ポート420の位置は離され、入力ポート410及び入力ポート420は第1方向Xにおいて平行に配置される。この実施形態では、入力ポート410及び入力ポート420の位置が第1方向Xにおいて離される距離は制限されない。
【0062】
例えば、図4及び図9を参照して、入力ポート410は、第1ビーム501を第2方向Yにおいて第3入射角αで分光アセンブリ506に入力するよう構成され、入力ポート420は、第2ビーム502を第2方向Yにおいて第4入射角αで分光アセンブリ506に入力するよう更に構成される。
【0063】
第2方向での入力ポート410及び入力ポート420の位置が少なくとも部分的に重なり合う場合に、第3入射角αと第4入射角αとの間の差は、前もってセットされた範囲内にある。前もってセットされた範囲の値は、第3入射角αが第4入射角αに等しいか又は略等しいという条件で、この実施形態で制限されない。例えば、第2方向での入力ポート410及び入力ポート420の位置が完全に重なり合う場合に、第3入射角αは第4入射角αに等しい。
【0064】
任意に、図5に示されるように、第1方向X又は第2方向Yにおいて、コリメーティングレンズアレイ(すなわち、コリメーティングレンズ413、コリメーティングレンズ414、及びコリメーティングレンズ415)が、第1ビーム501を伝播するよう構成される各ポート(つまり、入力ポート410、出力ポート411、及び出力ポート412)と分光アセンブリ506との間に更に含まれる。入力ポート410は、コリメーティングレンズ414のフロントフォーカスに位置し、出力ポート411は、コリメーティングレンズ413のフロントフォーカスに位置し、出力ポート412は、コリメーティングレンズ415のフロントフォーカスに位置する。コリメーティングレンズ414は、入力ポート410からの第1ビーム501をコリメートするよう構成される。
【0065】
第1方向X又は第2方向Yにおいて、コリメーティングレンズアレイ(すなわち、コリメーティングレンズ423、コリメーティングレンズ424、及びコリメーティングレンズ425)が、第2ビームを伝播するよう構成される各ポート(つまり、入力ポート420、出力ポート421、及び出力ポート422)と分光アセンブリ506との間に更に含まれる。入力ポート420は、コリメーティングレンズ424のフロントフォーカスに位置し、出力ポート421は、コリメーティングレンズ423のフロントフォーカスに位置し、出力ポート422は、コリメーティングレンズ425のフロントフォーカスに位置する。コリメーティングレンズ424は、入力ポート420からの第2ビーム502をコリメートするよう構成される。
【0066】
任意に、依然として図4及び図5を参照して、第1方向X又は第2方向Yにおいて、第2レンズアセンブリがコリメーティングレンズアセンブリと分光アセンブリ506との間に含まれる。この実施形態で示される第2レンズアセンブリは複数のレンズを含み、第2レンズアセンブリに含まれるレンズの数は、光スイッチング装置へ伝播されるビームの数に等しい。具体的に、第1ビーム501及び第2ビーム502が光スイッチング装置に入力される場合に、第2レンズアセンブリは第1レンズ503及び第2レンズ504を含む。第1レンズ503はコリメーティングレンズアレイ(つまり、コリメーティングレンズ413、414、及び415)と分光アセンブリ506との間に位置し、第2レンズ504は、コリメーティングレンズアレイ(つまり、コリメーティングレンズ423、424、及び425)と分光アセンブリ506との間に位置する。例えば、第1方向X又は第2方向Yにおいて、コリメーティングレンズ414のバックフォーカスは、第1レンズ503のフロントフォーカスと重なり合い、言い換えると、コリメーティングレンズ414と第1レンズ503との間の距離は、コリメーティングレンズ414の焦点距離と第1レンズ503の焦点距離との和に等しい。コリメーティングレンズ424のバックフォーカスは、第2レンズ504のフロントフォーカスと重なり合い、言い換えると、コリメーティングレンズ424と第2レンズ504との間の距離は、コリメーティングレンズ424の焦点距離と第2レンズ504の焦点距離との和に等しい。
【0067】
第1レンズ503は、コリメーティングレンズ414からの第1ビーム501を第3レンズアセンブリ505へ結合するよう構成され、第2レンズ504は、コリメーティングレンズ424からの第2ビーム502を第3レンズアセンブリ505へ結合するよう構成される。この実施形態で示される結合は、光ファイバ通信の分野において光信号が1つの光学コンポーネントから他の光学コンポーネントへ伝播されるプロセスである。任意に、他の例では、代替的に、光スイッチング装置は第2レンズアセンブリを含まなくてもよく、第1ビーム501及び第2ビーム502は、代替的に、第2レンズアセンブリを使用せずに第3レンズアセンブリ505へ結合されてよい。
【0068】
第3レンズアセンブリ505は第2レンズアセンブリと分光アセンブリ506との間に位置し、第3レンズアセンブリ505は1つ以上のレンズを含む。この実施形態では、説明のための例として、第3レンズアセンブリ505は1つのレンズを含む。分光アセンブリ506は、第3レンズアセンブリ505のバックフォーカスに位置し、第3レンズアセンブリ505と第1レンズ503との間の距離は、第3レンズアセンブリ505の焦点距離と第1レンズ503の焦点距離との和に等しい。第3レンズアセンブリ505と第2レンズ504との間の距離は、第3レンズアセンブリ505の焦点距離と第2レンズ504の焦点距離との和に等しい。
【0069】
第3レンズアセンブリ505は、第1レンズ503からの第1ビーム501を分光アセンブリ506へ結合するよう構成され、第3レンズアセンブリ505は更に、第2レンズ504からの第2ビーム502を分光アセンブリ506へ結合するよう構成される。図4に示されるように、分光アセンブリ506は、複数の第1サブビーム5011(すなわち、分光アセンブリ506から放射される実線部分)を形成するように第1ビーム501を分散させるよう構成され、分光アセンブリ506は更に、複数の第2サブビーム5012(すなわち、分光アセンブリ506から放射される破線部分)を形成するように第2ビーム502を分散させるよう構成される。第1サブビーム5011の具体的な数及び第2サブビーム5012の具体的な数はこの実施形態で制限されない。複数の第1サブビーム5011は相互に異なる波長値を有し、複数の第2サブビーム5012は相互に異なる波長値を有し、複数の第1サブビーム5011の複数の波長値及び複数の第2サブビーム5012の複数の波長値には少なくとも1つの異なる波長値がある。例えば、複数の第1サブビーム5011の複数の波長値と複数の第2サブビーム5012の複数の波長値とが異なるか、あるいは、複数の第1サブビーム5011の一部の波長値と複数の第2サブビーム5012の一部の波長値とが異なる。
【0070】
第1レンズアセンブリ507は、分光アセンブリ506と方向転換アセンブリ508との間に配置される。この実施形態で示される第1レンズアセンブリ507は1つ以上のレンズを含んでよい。この実施形態では、説明のための例として、第1レンズアセンブリ507は1つのレンズを含む。分光アセンブリ506は、第1レンズアセンブリ507のフロントフォーカスに位置する。分光アセンブリ506と第1レンズアセンブリ507との間の距離は、第1レンズアセンブリ507の焦点距離に等しいことが分かる。方向転換アセンブリ508は、第1レンズアセンブリ507のバックフォーカスに位置する。方向転換アセンブリ508と第1レンズアセンブリ507との間の距離は、第1レンズアセンブリ507の焦点距離に等しいことが分かる。
【0071】
図4及び図5に示されるように、第1レンズアセンブリ507は、複数の第1サブビーム5011及び複数の第2サブビーム5012の焦点を方向転換アセンブリ508に合わせるよう構成される。複数の第1サブビーム5011が方向転換アセンブリ508に入射された後に生成される光スポット、及び複数の第2サブビーム5012が方向転換アセンブリ508に入射した後に生成される光スポットは、方向転換アセンブリ508の異なる位置に位置する。複数の第1サブビーム5011が方向転換アセンブリ508に入射した後に生成される光スポットの位置、及び複数の第2サブビーム5012が方向転換アセンブリ508に入射した後に生成される光スポットの位置は、以下で説明される。
【0072】
依然として図8を参照して、第1サブビーム5011の光スポットは、図8に示される第1領域801に配置され、第2サブビーム5012の光スポットは、図8に示される第2領域802に配置される。更に、この実施形態で示される第1領域801及び第2領域802は、第2方向Yにおいて少なくとも部分的に重なり合い(完全に重なり合う場合が図示される)、第1領域801及び第2領域802は、第1方向Xにおいて少なくとも部分的に離される(完全に分離されている場合が図示される)。
【0073】
具体的に、第1ビーム501によって生成された第1光スポット及び第2ビーム502によって生成された第2光スポットが説明のための例として使用される。第1光スポットは、第1ビーム501によって生成された複数の光スポットであり、第2光スポットは、第2ビーム502によって生成された複数の光スポットであり、第1光スポットは第1領域801に配置され、第2光スポットは第2領域802に配置される。
【0074】
この実施形態で示されている、第1光スポットに含まれる複数の光スポット及び第2光スポットに含まれる複数の光スポットは、一対一の対応にある。具体的に、第1光スポットの中の一対一の対応での2つの光スポットの配置順序は、第2光スポットの中の配置順序と同じである。一対一の対応での2つの光スポットについては、具体的に以下で説明される。
【0075】
複数の第1サブビームの波長は、別々にλc-1、λc-2、・・・及びλc-Nであり、λc-1、λc-2、・・・及びλc-Nの波長値は相互に異なり、複数のサブビームの波長は、別々にλL-1、λL-2、・・・及びλL-Nであり、λL-1、λL-2、・・・及びλL-Nの波長値は相互に異なる。
【0076】
例えば、第1光スポットに含まれる光スポットは、波長がλc-1である第1サブビームが方向転換アセンブリ508に入射した後で生成される光スポットであり、第2光スポットに含まれる光スポットは、波長がλL-1である第2サブビームが方向転換アセンブリ508に入射した後で生成される光スポットである。波長λc-1を有する光スポットは、第1光スポットの中で最初に順位付けられ、波長λL-1を有する光スポットは、第2光スポットの中で最初に順位付けられる。これら2つの光スポットは一対一の対応にある2つの光スポットであることが分かる。例えば、第1光スポットに含まれる光スポットは、波長がλc-Nである第1サブビームが方向転換アセンブリ508に入射した後で生成される光スポットであり、第2光スポットに含まれる光スポットは、波長がλL-Nである第2サブビームが方向転換アセンブリ508に入射した後で生成される光スポットである。波長λc-Nを有する光スポットは、第1光スポットの中でN番目に順位付けられ、波長λL-Nを有する光スポットは、第2光スポットの中でN番目の順位付けられる。Nの具体的な値は、Nが1以上の正の整数であるという条件で、この実施形態で制限されない。
【0077】
第1方向Xにおいて、一対一の対応にある2つの光スポットは、離れた位置に配置され、一対一の対応にある2つの光スポットの間のターゲット距離は、第1レンズアセンブリ507の焦点距離の値に関係がある。具体的に、第1レンズアセンブリ507の焦点距離が長いほど、ターゲット距離は長くなり、第1レンズアセンブリ507の焦点距離が短いほど、ターゲット距離は短くなる。
【0078】
第2方向Yにおいて、一対一の対応にある2つの光スポットは、少なくとも部分的に重なり合う。この実施形態では、説明のための例として、一対一の対応にある2つの光スポットは、第2方向Yにおいて少なくとも部分的に重なり合う。
【0079】
第1ビーム501及び第2ビーム502によって生成された光スポットが図8に示される様態で配置される場合に、Cバンドのフィルタリングバンド幅及びLバンドのフィルタリングバンド幅は有効に改善され得る。
【0080】
方向転換アセンブリ508は、各第1サブビーム5011の伝播方向を偏向するよう構成され、各第1サブビーム5011の伝播方向が方向転換アセンブリ508によって偏向された後で、第1サブビーム5011は第1レンズアセンブリ507へ伝播される。各第2サブビーム5012の伝播方向が方向転換アセンブリ508によって偏向された後で、第2サブビーム5012は第1レンズアセンブリ507へ伝播される。この実施形態では、各サブビームが第1方向において方向転換アセンブリ508から出る角度は制限されない。例えば、図5に示されるように、第1サブビーム5011の伝播方向は方向転換アセンブリ508によって偏向され、第1サブビーム5011は2つの射出角で放射される(すなわち、第1ビームの伝播方向が方向転換アセンブリ508によって偏向された後で第1サブビームが放射される2つの破線部分によって示される)。他の例では、第1サブビーム5011の伝播方向が方向転換アセンブリ508によって偏向された後で、第1サブビーム5011は特定の射出角で放射されてよく、あるいは、2つ以上の射出角で放射されてよい。
【0081】
第1レンズアセンブリ507は、第1サブビーム5011及び第2サブビーム5012の焦点を別々に分光アセンブリ506に合わせるよう構成される。分光アセンブリ506は、第1出力ビームを生成するように複数の第1サブビーム5011を結合するよう構成される。図5に示されるように、分光アセンブリ506は、複数の第1サブビーム5011に基づき2つの出力ビーム、つまり、第1出力ビーム511及び第1出力ビーム512を生成する。分光アセンブリ506は更に、第2出力ビームを生成するように複数の第2サブビーム5012を結合するよう構成される。図5が依然として例として使用される。分光アセンブリ506は、複数の第2サブビーム5012に基づき2つの第2出力ビーム、つまり、第2出力ビーム513及び第2出力ビーム514を生成する。
【0082】
第3レンズアセンブリ505は、分光アセンブリ506からの第1出力ビーム511及び第1出力ビーム512を、第2レンズアセンブリに含まれる第1レンズ503へ結合するよう構成され、第3レンズアセンブリ505は更に、分光アセンブリ506からの第2出力ビーム513及び第2出力ビーム514を、第2レンズアセンブリに含まれる第2レンズ504へ結合するよう構成される。
【0083】
第1レンズ503は、第1出力ビーム511をコリメーティングレンズ415へ伝播するように第1出力ビーム511の光伝播経路を調整するよう構成され、コリメーティングレンズ415によってコリメートされた第1出力ビームは、出力ポート412を通じて出力される。第1レンズ503は更に、第1出力ビーム512をコリメーティングレンズ413へ伝播するように第1出力ビーム512の光伝播経路を調整するよう構成され、コリメーティングレンズ413によってコリメートされた第1出力ビーム512は、出力ポート411を通じて出力される。第2出力ビーム513及び第2出力ビーム514の伝送プロセスの説明については、第1出力ビーム511及び第1出力ビーム512の伝送プロセスの説明を参照されたい。詳細は再び記載されない。
【0084】
第1ビーム及び第2ビームの光スイッチングを実装するように、図3に示されるように、WSS1の出力ポート411及び412から出力された第1出力ビームは、光ファイバを使用することによってWSS4へ伝播されてよく、WSS1の出力ポート421及び422から出力された第2出力ビームも、光ファイバを使用することによってWSS4へ伝播されてよい。この実施形態で示されるように、各出力ポートによって出力されるサブビームの数は制限されない。例えば、出力ポート421は、光ファイバを使用することによってWSS4へ1つ以上の第1サブビームを伝播してよい。
【0085】
この実施形態では、説明のための例として、光スイッチング装置は、2つの出力ポート(つまり、出力ポート411及び412)を通じて第1出力ビームを出力する。これは制限されない。他の例では、光スイッチング装置は、代替的に、他の数の出力ポートを含んでもよい。
【0086】
この実施形態では、フィルタリングバンド幅を有効に改善するために、各第1サブビーム5011及び各第2サブビーム5012の光スポットの配置が図8に示されているように、第2方向Yにおいて、各第1サブビームが分光アセンブリ506から出る第1射出角βと、各第2サブビームが分光アセンブリ506から出る第2射出角βとの間の差が、前もってセットされた範囲内にある必要がある。前もってセットされた範囲のサイズは、βがβに等しいか又は略等しいという条件で、この実施形態で制限されない。この実施形態では、説明のための例として、βはβに等しい。
【0087】
β及びβを等しいように調整する方法については、以下で説明される。
【0088】
調整方法1:
具体的に、βは、次の式1を使用することによって調整されてよく、βは、次の式2を使用することによって調整されてよく、式1及び式2は、β及びβが等しいことを可能にするように調整される。
【0089】
式1は、dcosθ(sinα+sinβ)=mλであり、式2は、dcosθ(sinα+sinβ)=mλである。
【0090】
具体的に、式1及び式2のパラメータdは、分光アセンブリ506での2つの格子溝の間の距離であり、mは、格子の回折次数であり、一定である。式1のα及びβの具体的な説明及び式2のα及びβの具体的な説明については、上記の説明を参照されたい。詳細は再び記載されない。式1のλは、1つの第1サブビームの波長であり、式2のλは、1つの第2サブビームの波長である。
【0091】
β=βを可能にするために、式3は、式1及び式2に基づき導出され、式3は、次の通りに示される:
【数1】
【0092】
上記の説明から、λ及びλβの値は異なることが分かる。第2方向Yでの入力ポート410及び入力ポート420の位置は少なくとも部分的に重なり合うので、αはαに等しいか又は略等しい。この例では、αはαに等しい。式3から、β=βは、θ及びθの値を調整することによって実装されることが分かる。θ及びθについては、以下で説明される。
【0093】
図5及び図10に示されるように、第1方向Xにおいて、第1ビーム501は、第1入射角θで分光アセンブリ506に入射し、第2ビーム502は、第2入射角θで分光アセンブリ506に入射する。この実施形態で、第1入射角θ及び第2入射角θの絶対値の間の差はゼロではない。
【0094】
この実施形態では、β及びβは、第1方向において、第1ビーム501が分光アセンブリ506に入射する第1入射角θと、第2ビーム502が分光アセンブリ506に入射する第2入射角θとを調整することによって、第2方向において等しくされることが分かる。
【0095】
調整方法2:
調整方法1では、例えば、第2方向Yでの入力ポート410及び入力ポート420の位置が重なり合う場合に、αはαに等しい。この調整方法では、α及びαが等しくならないようにするために第2方向Yでの入力ポート410及び入力ポート420の位置が重なり合わない場合に、β及びβが等しくなる方法を使用することによって、説明が展開される。
【0096】
この調整方法については、式3を更に参照されたい。言い換えると、β=βは、式3のα、α、θ、及びθを調整することによって実装される。θ及びθの説明については、調整方法1を参照されたい。詳細は再び記載されない。
【0097】
第1入射角θ及び第2入射角θを調整する方法については、以下で説明される。
【0098】
この実施形態で示される第1入射角θ及び/又は第2入射角θは、第3レンズアセンブリの位置に依存する。
【0099】
第1方向Xにおいて、入力ポート410と第3レンズアセンブリ505の主光学軸との間の距離が広いほど、第1入射角θは大きくなり、入力ポート410と第3レンズアセンブリ505の主光学軸との間の距離が狭いほど、第1入射角θは小さくなる。
【0100】
同様に、第1方向Xにおいて、入力ポート420と第3レンズアセンブリ505の主光学軸との間の距離が広いほど、第2入射角θは大きくなり、入力ポート420と第3レンズアセンブリ505の主光学軸との間の距離が狭いほど、第2入射角θは小さくなる。
【0101】
この実施形態で示される光スイッチング装置が使用された後で達成される有利な効果は、次の通りである:ビームが第2方向において分光アセンブリに入射する角度は、光学コンポーネント(例えば、AWG)を追加する必要なしに調整されるが、ビームが第1方向において分光アセンブリに入射する角度の値は、第1ビームが第2方向において分光アセンブリから出る角度が、第2ビームが第2方向において分光アセンブリから出る角度に等しいか又は略等しいことを有効に確かにするために、調整される。このようにして、光学コンポーネント(例えば、AWG)に追加によって引き起こされる挿入損失は、可能な限り低減される一方で、光スイッチング装置のフィルタリングバンド幅は有効に改善され、更には、第1ビームが分光アセンブリに入射する角度は、第2ビームが分光アセンブリに入射する角度に等しいか又は略等しく、それにより、第2方向での光スイッチング装置の構造はよりコンパクトである。
【実施例2】
【0102】
実施例1では、異なるバンドのビームが、異なる入力ポートを通じて光スイッチング装置に入力される。実施例2では、異なるバンドのビームが同じ光ファイバで伝播される場合に、この実施形態で示される光スイッチング装置がどのように光スイッチングを実装するが説明される。
【0103】
この実施形態で示される光スイッチング装置は、図11に示されている。第1方向Xにおいて、光スイッチング装置は1つ以上のフィルタと、WSSとを含み、フィルタ及びWSSは、光ファイバを使用することによって接続される。この実施形態では、説明のための例として、光スイッチング装置は、第1ビーム(Cバンド)及び第2ビーム(Lバンド)に対して光スイッチングを実行するよう構成される。第1ビーム及び第2ビームの具体的な説明については、実施例1を参照されたい。詳細は再び記載されない。
【0104】
この実施形態では、説明のための例として、3つのフィルタ(すなわち、フィルタ1101、フィルタ1102、及びフィルタ1103)が含まれている。フィルタ1102は、第1ビーム及び第2ビームを生成するように光ファイバ1104からの光信号を分離するよう構成される。フィルタ1102は更に、光ファイバ1105を使用することによって第1ビームをWSS1100へ伝播し、かつ、光ファイバ1106を使用することによって第2ビームをWSS1100へ伝播するよう構成される。WSS1100の具体的な構造の説明と、第1ビーム及び第2ビームに対して光スイッチングを実行することの具体的な説明とについては、実施例1を参照されたい。詳細は再び記載されない。
【0105】
WSS1100によって生成された2つの第1出力ビームは、夫々、光ファイバ1107及び光ファイバ1108を使用することによってフィルタ1101及びフィルタ1103へ伝播される。WSS1100によって生成された2つの第2出力ビームは、夫々、光ファイバ1109及び光ファイバ1110を使用することによってフィルタ1101及びフィルタ1103へ伝播される。第1出力ビーム及び第2出力ビームの説明については、実施例1を参照されたい。詳細は再び記載されない。
【0106】
図3を参照して、この実施形態で示されるWSS1100が図3に示されるWSS1である場合に、光信号の光スイッチングを実装するために、フィルタ1101は、2つの第1出力ビームを結合し、結合された光信号を、光ファイバを使用することによってWSS4へ伝播してよく、あるいは、フィルタ1103は、2つの第2出力ビームを結合し、結合された光信号を、光ファイバを使用することによってWSS4へ伝播してよい。
【0107】
この実施形態に示されるフィルタ、及びフィルタと接続関係にある光ファイバは、代替的に、空間光学アセンブリ、フィルム被覆アセンブリ、などで置換されてもよい。
【0108】
この実施形態で示される光スイッチング装置が使用された後で達成される有利な効果については、実施例1を参照されたい。詳細は再び記載されない。更に、この実施形態で示される光スイッチング装置では、入力ポートの数及び出力ポートの数は、フィルタを使用することによって有効に削減され得る。
【実施例3】
【0109】
実施例1では、説明のための例として、光スイッチング装置はWSSである。この実施形態では、説明のための例として、光スイッチング装置は2つ以上のWSSを含む。この実施形態では、光スイッチング装置に含まれるWSSの数は制限されない。光スイッチング装置が2つのWSSを含むことは、以下で説明のための例として使用される。この実施形態で示される光スイッチング装置に含まれる2つのWSSは、図3に示されるWSS1及びWSS2であってよい。具体的な構造は、次の通りに説明される。
【0110】
図12は、第2方向での光スイッチング装置の構造の概略図である。図13は、第1方向での光スイッチング装置の構造の概略図である。第1方向及び第2方向の説明については、実施例1を参照されたい。詳細は再び記載されない。
【0111】
この実施形態では、WSS1は、第1ビーム1301及び第2ビーム1302に対して光スイッチングを実行するよう構成され、WSS2は、第1ビーム1303及び第2ビーム1304に対して光スイッチングを実行するよう構成される。第1ビーム1301及び第1ビーム1303は両方ともCバンドビームであり、第2ビーム1302及び第2ビーム1304は両方ともLバンドビームである。この実施形態で示されるWSS1及びWSS2に含まれている入力ポート、出力ポート、コリメーティングレンズアレイ、及び第2レンズアセンブリの説明については、実施例1を参照されたい。詳細は、この実施形態で再び説明されない。
【0112】
WSS1の入力ポート1310は、第1ビーム1301を入力するよう構成され、入力ポート1311は、第2ビーム1302を入力するよう構成され、WSS2の入力ポート1312は、第1ビーム1303を入力するよう構成され、入力ポート1313は、第2ビーム1304を入力するよう構成される。
【0113】
図12に示されるように、第2方向Yにおいて、WSSの入力ポート1310及び1311並びにWSS2の入力ポート1312及び1313は、少なくとも部分的に重なり合う。図12は、入力ポート1310及び入力ポート1312が完全に重なり合い、入力ポート1311及び入力ポート1313が完全に重なり合う例を示す。図13に示されるように、第1方向Xにおいて、入力ポート1310、入力ポート1311、入力ポート1312、及び入力ポート1313は、離れた位置に置かれ、入力ポート1310、入力ポート1311、入力ポート1312、及び入力ポート1313は、第1方向Xにおいて平行に配置される。他の例では、第2方向Yにおいて、WSS1の入力ポート1310及び1311と、WSS2の入力ポート1312及び1313とは、完全に分離された位置に置かれてもよい。
【0114】
入力ポート1310は、第1ビーム1301を第2方向Yにおいて第3入射角αc1で分光アセンブリ506に入力するよう構成され、入力ポート1311は、第2ビーム1302を第2方向Yにおいて第4入射角αL1で分光アセンブリ506に入力するよう更に構成される。分光アセンブリ506の説明については、実施例1を参照されたい。詳細は再び記載されない。入力ポート1312は、第1ビーム1303を第2方向Yにおいて第3入射角αc2で分光アセンブリ506に入力するよう構成され、入力ポート1313は、第2ビーム1304を第2方向Yにおいて第4入射角αL2で分光アセンブリ506に入力するよう構成される。
【0115】
第2方向での入力ポート1310、入力ポート1311、入力ポート1312、及び入力ポート1313の位置が少なくとも部分的に重なり合う場合に、第3入射角αc1、第4入射角αL1、第3入射角αc2、及び第4入射角αL2のうちのいずれか2つの角度の間の差は、前もってセットされた範囲内にあり、それにより、4つの角度(αc1、αL1、αc2、及びαL2)は等しいか又は略等しい。具体的な説明については、実施例1での第3入射角α及び第4入射角αの説明を参照されたい。詳細は再び記載されない。
【0116】
この実施形態で示されるように、WSS1及びWSS2は、いくつかの光学コンポーネントを共有する。図12及び図13に示されるように、WSS1及びWSS2によって共有される光学コンポーネントは、第3レンズアセンブリ505、分光アセンブリ506、第1レンズアセンブリ507、及び方向転換アセンブリ508である。第3レンズアセンブリ505、分光アセンブリ506、第1レンズアセンブリ507、及び方向転換アセンブリ508の具体的な説明については、実施例1を参照されたい。詳細は再び記載されない。
【0117】
この実施形態では、方向転換アセンブリ508での第1ビーム1301、第2ビーム1302、第1ビーム1303、及び第2ビーム1304によって生成された光スポットの配置は、図14に示される。第1ビーム1301によって生成された複数の光スポットは、第1領域1401に配置され、第2ビーム1302によって生成された複数の光スポットは、第2領域1402に配置され、第1ビーム1303によって生成された複数の光スポットは、第3領域1403に配置され、第2ビーム1304によって生成された複数の光スポットは、第4領域1404に配置される。
【0118】
この実施形態で示される第1領域1401、第2領域1402、第3領域1403、及び第4領域1404は、第2方向Yにおいて少なくとも部分的に重なり合い、図14に示されるように、第1領域1401、第2領域1402、第3領域1403、及び第4領域1404は、第2方向Yにおいて完全に重なり合う。第1領域1401、第2領域1402、第3領域1403、及び第4領域1404は、第1方向Xにおいて少なくとも部分的に離され、図14では、第1領域1401、第2領域1402、第3領域1403、及び第4領域1404は、第1方向Xにおいて完全に分離されている。具体的な説明については、図8を参照されたい。詳細は再び記載されない。第1ビーム1301、第2ビーム1302、第1ビーム1303、及び第2ビーム1304によって生成された光スポットの配置が図14に示される場合に、Cバンドのフィルタリングバンド幅及びLバンドのフィルタリングバンド幅は有効に改善され得る。
【0119】
WSS1の出力ポート及びWSS2の出力ポートは、出力ビームを受けるよう構成される。具体的な説明については、実施例1を参照されたい。詳細は再び記載されない。
【0120】
この実施形態では、フィルタリングバンド幅を有効に改善するために、第2方向Yにおいて、第1ビーム1301の各サブビームが分光アセンブリ506から出る第1射出角βc1、第2ビーム1302の各サブビームが分光アセンブリ506から出る第2射出角βL1、第1ビーム1303の各サブビームが分光アセンブリ506から出る第3射出角βc2、及び第2ビーム1304の各サブビームが分光アセンブリ506から出る第4射出角βL2のうちのいずれか2つの角度の間の差は、前もってセットされた範囲内にあり、それにより、4つの角度βc1、βL1、βc2、及びβL2は等しいか又は略等しい。この実施形態では、説明のための例として、βc1、βL1、βc2、及びβL2は等しい。βc1、βL1、βc2、及びβL2を等しいよう調整する方法については、以下で説明される。
【0121】
具体的に、βc1、βL1、βc2、及びβL2が等しいように、βc1は、式4を使用することによって調整されてよく、βL1は、式5を使用することによって調整されてよく、βc2は、式6を使用することによって調整されてよく、βL2は、式7を使用することによって調整されてよい。
【0122】
式4は、dcosθc1(sinαc1+sinβc1)=mλc1であり、式5は、dcosθL1(sinαL1+sinβL1)=mλL1であり、式6は、dcosθc2(sinαc2+sinβc2)=mλc2であり、式4は、dcosθL2(sinαL2+sinβL2)=mλL2である。
【0123】
式のパラメータd及びmの具体的な説明については、実施例1を参照されたい。αc1、αL1、αc2、及びαL2の具体的な説明並びにβc1、βL1、βc2、及びβL2の具体的な説明については、上記の説明を参照されたい。詳細は再び記載されない。λc1は、第1ビーム1301の1つのサブビームの波長であり、λL1は、第2ビーム1302の1つのサブビームの波長であり、λc2は、第1ビーム1303の1つのサブビームの波長であり、λL2は、第2ビーム1304の1つのサブビームの波長である。
【0124】
βc1、βL1、βc2、及びβL2が等しいことを可能にするために、式8が式4から式6に基づき導出され、式8は次の通りに示される:
【数2】
【0125】
上記の説明から、λc1はλc2に等しく、λL1はλL2に等しく、λc1はλL1に等しくなく、λc2はλL2に等しくないことが分かる。この例で、αc1、αL1、αc2、及びαL2は等しい。式8から、βc1、βL1、βc2、及びβL2は、θc1、θL1、θc2、及びθL2の値を調整することによって、等しくなり得る。αc1、αL1、αc2、及びαL2が他の例で等しない場合には、βc1、βL1、βc2、及びβL2は、αc1、αL1、αc2、αL2、θc1、θL1、θc2、及びθL2の値を調整することによって、等しくなり得る。θc1、θL1、θc2、及びθL2については、以下で説明される。
【0126】
図12及び図13に示されるように、第1方向Xにおいて、第1ビーム1301は、第1入射角θc1で分光アセンブリ506に入射し、第2ビーム1302は、第2入射角θL1で分光アセンブリ506に入射し、第1ビーム1301は、第1入射角θc2で分光アセンブリ506に入射し、第2ビーム1304は、第2入射角θL2で分光アセンブリ506に入射する。θc1及びθL1の絶対値の間の差はゼロではなく、θc1及びθL2の絶対値の間の差はゼロではない。
【0127】
この実施形態では、θc1、θL1、θc2、及びθL2の値を調整する方法の具体的な説明については、実施例1でのθ及びθを調整する方法を参照されたい。詳細は再び記載されない。
【0128】
任意に、λc1及びλc2が等しいか又は略等しい場合に、方向転換アセンブリ508での第1ビーム1301の光スポット及び第1ビーム1303の光スポットの位置が第1方向Xで重なり合う場合を回避するために、つまり、図14に示される第1領域1401及び第3領域1403が第1方向Xで重なり合う場合を回避するために、第1入射角θc1及び第1入射角θc2は、θc1=-θc2かつ|θc1|=|θc1|であるように、主光学軸1300に関して対称である。主光学軸1300は、第3レンズアセンブリ505の主光学軸であってよく、あるいは、第1レンズアセンブリ507の主光学軸であってもよい。
【0129】
式7を参照して、θc1及びθc2が主光学軸1300に関して対称である場合に、θc1及びθc2の絶対値は等しいか又は略等しく、cosθc1はcos(-θc1)に等しい。このようにして、βc1及びβc2が等しいことは、有効に確かにされる。
【0130】
λL1及びλL2が等しいか又は略等しい場合に、方向転換アセンブリ508での第2ビーム1302の光スポット及び第2ビーム1304の光スポットの位置が第1方向Xで重なり合う場合を回避するために、つまり、図14に示される第2領域1402及び第4領域1404が第1方向Xで重なり合う場合を回避するために、第2入射角θL1及び第2入射角θL2は主光学軸1300に関して対称である。
【0131】
式7を参照して、θL1及びθL2が主光学軸1300に関して対称である場合に、θL1及びθL2は等しいか又は略等しく、cosθL1はcos(-θL1)に等しい。このようにして、βL1及びβL2が等しいことは、有効に確かにされる。
【0132】
この実施形態で示される光スイッチング装置が使用された後で達成される有利な効果については、実施例1を参照されたい。詳細は再び記載されない。更に、この実施形態で示される光スイッチング装置は複数のWSSを含み、それにより、より大きいスイッチング容量が有効に実装される。
【実施例4】
【0133】
上記の実施形態では、第1ビームを伝播するよう構成される関連ポート(図5に示される入力ポート410、出力ポート411、及び出力ポート412)は隣接位置に配置され、第2ビームを伝播する構成される関連ポート(図5に示される入力ポート420、出力ポート421、及び出力ポート422)は隣接位置に配置され、第1ビームを伝播するよう構成される関連ポート及び第2ビームを伝播するよう構成される関連ポートの位置は、分離された位置に配置される。この実施形態では、第1ビームを伝播するよう構成される関連ポートの位置は間隔をあけられ、第2ビームを伝播するよう構成される関連ポートの位置も間隔をあけられる。詳細については、図15及び図16を参照されたい。図15は、第2方向での光スイッチング装置の構造の概略図である。図16は、第1方向での光スイッチング装置の構造の概略図である。第1方向及び第2方向の説明については、実施例1を参照されたい。詳細は再び記載されない。
【0134】
この実施形態では、説明のための例として、光スイッチング装置は、第1ビーム1601及び第2ビーム1602に対して光スイッチングを実行するよう構成される。第1ビーム1601及び第2ビーム1602の具体的な説明については、実施例1を参照されたい。詳細は再び記載されない。光スイッチング装置のコンポーネントについては、以下で説明される。
【0135】
光スイッチング装置に含まれる入力ポート1610は、第1ビーム1601を入力するよう構成され、入力ポート1611は、第2ビーム1602を入力するよう構成され、この実施形態で示される入力ポート1610及び入力ポート1611は、互いに隣接して配置される。
【0136】
この実施形態は、第1ビーム1601及び第2ビーム1602に対する光スイッチングを示し、光スイッチング装置は、コリメーティングレンズアレイ1620、第2レンズアセンブリ1630、分光アセンブリ1640、第1レンズアセンブリ1650、及び方向転換アセンブリ1660を含む。コンポーネントの具体的な説明については、実施例1を参照されたい。詳細は再び記載されない。
【0137】
この実施形態で、第1射出角β及び第2射出角β は、第1ビーム1601が第1方向Xにおいて分光アセンブリ1640に入射する第1入射角θと、第2ビーム1602が第1方向Xにおいて分光アセンブリ1640に入射する第2入射角θとを調整することによって、第2方向において等しくなる。具体的な調整プロセスについては、実施例1を参照されたい。詳細は再び記載されない。第1ビーム1601及び第2ビーム1602によって生成された光スポットの方向転換アセンブリ1660での配置位置については、実施例1を参照されたい。詳細は再び記載されない。
【0138】
図16に示されるように、第1出力ビーム1603を出力するよう構成される出力ポート1612の位置と、第2出力ビーム1604を出力するよう構成される出力ポート1613の位置とは、互いに隣接し、第1出力ビーム1605を出力するよう構成される出力ポート1614の位置と、第2出力ビーム1606を出力するよう構成される出力ポート1615の位置とは、互いに隣接し、第1出力ビーム1603を出力するよう構成される出力ポート1612及び第1出力ビーム1605を出力するよう構成される出力ポート1614は間隔をあけられ、第2出力ビーム1604を出力するよう構成される出力ポート1613及び第2出力ビーム1606を出力するよう構成される出力ポート1615は間隔をあけられる。第1出力ビーム及び第2出力ビームの説明については、実施例1を参照されたい。詳細は再び記載されない。
【0139】
この実施形態で示される光スイッチング装置が使用された後で達成される有利な効果については、実施例1を参照されたい。詳細は再び記載されない。更には、実施例1と比較して、この実施形態で示される光スイッチング装置では、レンズアセンブリの数が有効に削減され得る。
【実施例5】
【0140】
実施例1から実施例4での光スイッチング装置の説明に基づいて、方向転換方法の実行プロセスが実施例5を参照して以下で説明される。
【0141】
具体的に、図17に示されるように、この実施形態で示される方向転換方法は、具体的に、次のステップを含む。
【0142】
ステップ1701:光スイッチング装置が、フィルタを使用することによって、第1ビーム及び第2ビームを取得する。
【0143】
具体的なプロセスについては、実施例3を参照されたい。詳細は再び記載されない。この実施形態で示されるステップ1701は、任意のステップである。フィルタが光スイッチング装置に配置されない場合には、ステップ1702が直接に実行されてよい。
【0144】
ステップ1702:光スイッチング装置が、第1ビームを、入力ポートを通じて第1方向において第1入射角で分光アセンブリに入力する。
【0145】
ステップ1703:光スイッチング装置が、第2ビームを、入力ポートを通じて第1方向において第2入射角で分光アセンブリに入力する。
【0146】
具体的に、第2レンズアセンブリ及び第3レンズアセンブリが更に、入力ポートと分光アセンブリとの間に含まれ、第1ビーム及び第2ビームは、順番に第2レンズアセンブリ及び第3レンズアセンブリを通って分光アセンブリに入射する。具体的なプロセスの説明については、実施例1を参照されたい。詳細は再び記載されない。
【0147】
ステップ1704:光スイッチング装置が、複数の第1サブビームを形成するように、分光アセンブリを使用することによって第1ビームを分散させる。
【0148】
ステップ1705:光スイッチング装置が、複数の第2サブビームを形成するように、分光アセンブリを使用することによって第2ビームを分散させる。
【0149】
具体的に、光スイッチング装置は、分光アセンブリを使用することにおいて第2方向において第1射出角で複数の第1サブビームを放射し、光スイッチング装置は、分光アセンブリを使用することによって第2方向において第2射出角で複数の第2サブビームを放射し、第1射出角と第2射出角との間の差は、前もってセットされた範囲内にある。具体的な実行プロセスの説明については、実施例1での分光アセンブリの説明を参照されたい。詳細は再び記載されない。
【0150】
ステップ1706:光スイッチング装置は、第1レンズアセンブリを使用することによって、複数の第1サブビーム及び複数の第2サブビームの焦点を方向転換アセンブリに合わせる。
【0151】
具体的な実行プロセスの説明については、実施例1での第1レンズアセンブリの説明を参照されたい。詳細は再び記載されない。
【0152】
ステップ1707:光スイッチング装置は、方向転換アセンブリを使用することによって、各第1サブビームの伝播方向及び各第2サブビームの伝播方向を偏向する。
【0153】
ステップ1708:光スイッチング装置は、第1レンズアセンブリを使用することによって、第1サブビーム及び第2サブビームの焦点を別々に分光アセンブリに合わせる。
【0154】
ステップ1709:光スイッチング装置は、第1出力ビームを生成するように、分光アセンブリを使用することによって複数の第1サブビームを結合する。
【0155】
ステップ1710:光スイッチング装置は、第2出力ビームを生成するように、分光アセンブリを使用することによって複数の第2サブビームを結合する。
【0156】
ステップ1711:光スイッチング装置は、第3レンズアセンブリを使用することによって、分光アセンブリからの第1出力ビーム及び第2出力ビームを第2レンズアセンブリへ結合する。
【0157】
ステップ1712:光スイッチング装置は、第2レンズアセンブリを使用することによって、第1出力ビーム及び第2出力ビームを出力ポートへ結合する。
【0158】
この実施形態で示されるステップ1707からステップ1712の具体的な実行プロセスについては、実施例1を参照されたい。詳細は再び記載されない。
【0159】
上記の実施形態は、本発明の技術的解決法について説明することを目的としているにすぎず、本発明を限定する意図はない。本発明は上記の実施形態を参照して詳細に説明されるが、当業者には当然ながら、彼らは、本発明の実施形態の技術的解決法の精神及び範囲から逸脱せずに、上記の実施形態で説明される技術的解決法を更に変更しても、あるいは、そのいくつかの技術的特徴を置換してもよい。
【0160】
本願は、2020年2月21日付けで「OPTICAL SWITCHING APPARATUS, REDIRECTION METHOD, AND RECONFIGURABLE OPTICAL ADD-DROP MULTIPLEXER」との発明の名称で中国国家知識産権局に出願された中国特許出願第202010108090.1号の優先権を主張する。上記の中国特許出願は、その全文を参照により本願に援用される。
図1
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