(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】パイロット動作式圧力リリーフ弁ノズル
(51)【国際特許分類】
F16K 27/02 20060101AFI20240228BHJP
【FI】
F16K27/02
(21)【出願番号】P 2022558218
(86)(22)【出願日】2021-03-18
(86)【国際出願番号】 US2021022983
(87)【国際公開番号】W WO2021194845
(87)【国際公開日】2021-09-30
【審査請求日】2022-10-17
(32)【優先日】2020-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502122473
【氏名又は名称】ドレッサ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Dresser,LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】クリマス、リチャード ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】クリティヴァサン、ラジェッシュ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ドーラン、オリエ ウッドマン
(72)【発明者】
【氏名】ワリ、ヴィニェシュワール シャリワン
【審査官】佐々木 淳
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04462420(US,A)
【文献】中国特許出願公開第107300027(CN,A)
【文献】特表2012-505027(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 27/00-27/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイロット動作式圧力リリーフ弁ノズルアセンブリであって、
主弁に固定されるように構成された本体であって、前記本体の第1の端部から前記本体の第2の端部まで長手方向軸に沿って延在する細長いシャフトを有し、前記細長いシャフトが、前記細長いシャフトを通って延在する内側管腔及び前記第2の端部においてフランジを有し、前記フランジが、前記フランジに形成された環状ノッチ、及び前記環状ノッチに形成された環状溝を有し、前記フランジが、前記内側管腔から前記
環状溝まで前記フランジを通って延在する第1のボアを有する、本体と、
前記環状ノッチ
に結合された環状リングであって、前記環状リングが、内側環状リング表面、前記内側環状リング表面から径方向外向きの外側環状リング表面、及び前記内側環状リング表面と前記外側環状リング表面との間の前記環状リングを通って延在する第2のボアを有し、
前記主弁の入口からの流体を通すように、前記第2のボアが、前記環状ノッチ
の前記環状溝を介して前記第1のボアと流体連通している、環状リングと、
を備え
、
前記環状リングが前記主弁とは異なる部材であり、前記フランジにおいて前記環状ノッチは前記主弁とは反対側に配置されるように構成されている、パイロット動作式圧力リリーフ弁ノズルアセンブリ。
【請求項2】
前記
環状溝が、前記
環状溝と前記内側環状リング表面との間に流体経路を画定する、請求項1に記載のパイロット動作式圧力リリーフ弁ノズルアセンブリ。
【請求項3】
前記環状ノッチが、第1の表面、及び前記第1の表面に直交して配向された第2の表面を有する、請求項1
又は2に記載のパイロット動作式圧力リリーフ弁ノズルアセンブリ。
【請求項4】
前記第1の表面が、前記長手方向軸に対して平行に延在し、前記
環状溝が、前記第1の表面に形成されている、請求項3に記載のパイロット動作式圧力リリーフ弁ノズルアセンブリ。
【請求項5】
前記第2のボアが、前記第1のボアから径方向にオフセットされている、請求項1
から4のいずれか1項に記載のパイロット動作式圧力リリーフ弁ノズルアセンブリ。
【請求項6】
前記内側管腔が、前記第1の端部において形成された第1の開口部と、前記第2の端部において形成された第2の開口部との間に延在する、請求項1
から5のいずれか1項に記載のパイロット動作式圧力リリーフ弁ノズルアセンブリ。
【請求項7】
前記第2のボアが、前記外側環状リング表面に近接し、かつパイロット弁
の感知線の第1の端部接続部を収容するように構成されたポートを含む、請求項
6に記載のパイロット動作式圧力リリーフ弁ノズルアセンブリ。
【請求項8】
前記環状リングが、前記
環状ノッチ内で所望の角度に配向される
ように構成されている、請求項1
から7のいずれか1項に記載のパイロット動作式圧力リリーフ弁ノズルアセンブリ。
【請求項9】
前記第1のボアが、
前記感知線に結合された感知管を受容するように構成されており、前記感知管が、前記感知管の中心線軸に対して垂直に配向され、かつ前記細長いシャフトの前記長手方向軸に対して平行に配向された感知穴を有し、前記感知穴が、前記第2の開口部に面する、請求項
7に記載のパイロット動作式圧力リリーフ弁ノズルアセンブリ。
【請求項10】
前記感知管は、入口圧力が感知されるように、前記内側管腔内に延在する、請求項9に記載のパイロット動作式圧力リリーフ弁ノズルアセンブリ。
【請求項11】
前記環状溝と前記第1のボアと前記第2のボアとが前記長手方向軸に垂直な一つの平面上で流体連通するように、前記
環状溝が前記第1のボア及び前記第2のボアと軸方向に位置合わせされている
、請求項1から10のいずれか1項に記載のパイロット動作式圧力リリーフ弁ノズルアセンブリ。
【請求項12】
前記第1のボアの軸と前記第2のボアの軸は、前記流体が前記環状溝を通して連通するように、互いに対してずれている、
請求項1から11のいずれか1項に記載のパイロット動作式圧力リリーフ弁ノズルアセンブリ。
【請求項13】
システムであって、
加圧流体システムのシステム圧力を調節するように構成されたパイロット動作式圧力リリーフ弁であって、前記パイロット動作式圧力リリーフ弁が、前記加圧流体システムと流体連通する入口を有する主弁、前記主弁と流体連通するパイロット弁、及び前記加圧流体システムの入口圧力を測定するように構成された感知線を含む、パイロット動作式圧力リリーフ弁と、
請求項1から12のいずれか1項記載のパイロット動作式圧力リリーフ弁ノズル
アセンブリと、を備える、システム。
【請求項14】
前記第1のボアは、入口圧力が感知されるように、前記内側管腔内に延在する感知管を受容する、請求項
13に記載のシステム。
【請求項15】
前記第2のボアが、前記感知線に結合された感知管を受容する、請求項
13又は14に記載のシステム。
【請求項16】
前記第2のボアが、前記感知線の第1の端部接続部を収容する外側環状リング表面に近接するポートを含み、前記感知線が、前記パイロット弁と流体連通する、請求項1
3から15のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項17】
請求項13から16のいずれか1項に記載のシステムを用いて加圧流体システムのシステム圧力を調節するための方法であって、
パイロット弁において、主弁の入口において流体の第1の入口圧力を受容する
ステップであって、前記第1の入口圧力が、前記パイロット弁を前記入口内に配設されたノズルに結合する感知線から受容され、前記流体が、前記ノズルのフランジの第1のボア及び前記ノズルの環状リングの第2のボア内に配設された感知管を通して流れ、前記第1のボア及び前記第2のボアが、前記フランジに形成された環状溝を介して、互いに連通する、受容する
ステップを含み、
前記第1の入口圧力が所定の閾値圧力を超えるとき、前記パイロット弁が開放され、前記パイロット弁の前記開放に応答して、前記主弁が前記第1の入口圧力を、前記所定の閾値圧力よりも低い第2の入口圧力に低減させる、方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
圧力リリーフ弁は、生産環境の安全限界を超える加圧流体の圧力の増加を防止するための過圧防護デバイスとして、発電、精製、油及びガス生成環境内で一般的に使用される機械デバイスである。圧力リリーフ弁はまた、これらの生産環境内の加圧貯蔵容器及び加圧流体システムに一般的にも結合される。圧力リリーフ弁は、容器又はパイプラインが故障し、それにより、潜在的に壊滅的な損傷を引き起こす可能性がある圧力閾値を、かかる容器及び容器を接続するパイプラインが超過することを防止する。
【0002】
圧力リリーフ弁の2つの主要な形態、直接ばね動作式及びパイロット動作式が存在する。直接ばね動作式圧力リリーフ弁は、ばねを使用して、弁を閉鎖した状態に保つのに必要な力を伝達する。加圧流体システム圧力のリリーフは、システム圧力によって生成された力が弁内のばねによって生成された力に打ち勝つときに発生し得る。対照的に、パイロット動作式圧力リリーフ弁は、加圧システム圧力を使用して、主圧力リリーフ弁を閉鎖した状態に保つのに必要な力を生成する。パイロット動作式圧力リリーフ弁は、流体連通する主弁及びパイロット弁を有する。パイロット動作式圧力リリーフ弁内の主弁は、システム圧力を開放及び緩和することによって過圧防護を提供し、パイロット弁は、加圧システム圧力における変化に応答して、主弁の開放及び閉鎖を制御する。直接ばね動作式圧力リリーフ弁と同様に、パイロット弁及び主弁と流体連通する加圧システム圧力は、パイロット弁内のばねによって付与されたばね力に打ち勝ち、主圧力リリーフ弁内に対向する力を提供する圧力から、加圧されたシステム圧力を分離する。その後、主弁を閉鎖した状態に保つために貯蔵された圧力は、主圧力リリーフ弁が開放され、加圧されたシステム圧力のリリーフを開始することを可能にするために、低圧力システムに解放される。
【0003】
経済的又は機能的理由で、顧客は、例えば、直接ばね動作式圧力リリーフ弁からパイロット動作式圧力リリーフ弁に変換することによって、圧力リリーフ弁のタイプを特定の設置場所で変換することを選択する場合がある。2つのタイプの圧力リリーフ弁間の前述の動作差に起因して、直接ばね動作式圧力リリーフ弁をパイロット動作式圧力リリーフ弁に順調に変換するため、弁アセンブリ全体が交換され得るか、又は代替的に、両方のタイプの圧力リリーフ弁間の同様の構成要素が持ち出され、かつ主圧力リリーフ弁及びパイロット弁の入口におけるシステム圧力間の流体接続を確立するために必要な配管などのパイロット動作式弁タイプに固有の部品と組み合わせることができる。従来、これは、主弁に供給する嵌合管と主弁内に位置決めされた貫通ノズルの隆起面との間に取り付けられる感知リングの使用を必要とする。これは、感知リングが、弁に追加的な高さを追加し、かつ弁が下流の配管ともはや嵌合しないことをもたらすため、現在の配管構成を維持することを望む顧客には理想的ではない。代替的に、顧客は、パイロット動作式圧力リリーフ弁の設置場所の上流のシステム圧力を移送することを選択してもよいが、そのために追加のコストを負担する可能性がある。
【0004】
したがって、コスト及び加圧流体システムの段取り換え/再配管の低減を伴う直接ばね動作式圧力リリーフ弁の交換を可能にする改善された弁構成要素に対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0005】
概して、パイロット動作式圧力リリーフ弁ノズル並びに関連するシステム及び方法が提供される。
【0006】
一態様では、パイロット動作式圧力リリーフ弁ノズルアセンブリが提供され、本体の第1の端部から本体の第2の端部まで長手方向軸に沿って延在する細長いシャフトを有する本体を含むことができる。細長いシャフトは、細長いシャフトを通って延在する内側管腔、及び第2の端部におけるフランジを含むことができる。いくつかの実施形態では、内側管腔は、第1の端部において形成された第1の開口部と第2の端部において形成された第2の開口部との間に延在することができる。フランジは、フランジに形成された環状ノッチ、及び環状のノッチに形成された環状の溝を含むことができる。いくつかの実施形態では、環状ノッチは、第1の表面及び第1の表面に直交して配向された第2の表面を含むことができる。かかる実施形態では、第1の表面は、長手方向軸に対して平行に延在し得、環状溝は、第1の表面に形成され得る。フランジはまた、内側管腔から環状溝までフランジを通って延在する第1のボアを含むことができる。いくつかの実施形態では、第1のボアは、感知管を受容するように構成することができ、感知管は、感知管の中心線軸に対して垂直に配向され、かつ細長いシャフトの長手方向軸に対して平行に配向された感知穴を有し、感知穴は、第2の開口部に面することができる。かかる実施形態では、感知管は、入口圧力を感知することができるように、内側管腔内に延在することができる。パイロット動作式圧力リリーフ弁ノズルアセンブリは、環状ノッチ内に載置された環状リングを更に含むことができる。いくつかの実施形態では、環状リングは、本体に対して独立して配向され得る。環状リングは、内側環状リング表面、内側環状リング表面から径方向外向きの外側環状リング表面、及び内側環状リング表面と外側環状リング表面との間の環状リングを通って延在する第2のボアを含むことができる。いくつかの実施形態では、環状溝は、環状溝と内側環状リング表面との間に流体経路を画定することができる。第2のボアは、環状ノッチを介して第1のボアと流体連通することができる。いくつかの実施形態では、第2のボアは、第1のボアから径方向にオフセットされ得る。いくつかの実施形態では、第2のボアは、パイロット弁感知線の第1の端部接続部を収容するように構成され得る、外側環状リング表面に近接するポートを含むことができる。
【0007】
別の態様では、システムが提供され、加圧流体システムのシステム圧力を調節するように構成されたパイロット動作式圧力リリーフ弁を含む。パイロット動作式圧力リリーフ弁は、加圧流体システムと流体連通する入口を有する主弁、主弁と流体連通するパイロット弁、及び加圧流体システムの入口圧力を測定するように構成された感知線を含むことができる。システムはまた、入口内に配設された細長いシャフト及び入口に近接して配設されたフランジを有する本体を有するパイロット動作式圧力リリーフ弁ノズルを含むことができる。細長いシャフトは、細長いシャフトを通って延在し、主弁の入口と流体連通する内側管腔を有することができる。フランジは、環状リングを載置させる環状ノッチを有することができ、フランジは、環状ノッチに形成された環状溝を有することができ、そのため、内側管腔から環状ノッチまでフランジを通って延在する第1のボアは、環状溝を介して環状リングを通って延在する第2のボアと流体連通し、それゆえ内側管腔と感知線との間の流体連通を可能にする。いくつかの実施形態では、溝は、第1のボア及び第2のボアと軸方向に位置合わせされ得る。他の実施形態では、第1のボアは、入口圧力が感知されるように、内側管腔内に延在する感知管を受容することができる。更に他の実施形態では、第2のボアは、感知線に結合された感知管を受容することができる。いくつかの実施形態では、第2のボアは、感知線の第1の端部接続部を収容する、外側環状リング表面に近接するポートを含むことができ、感知線は、パイロット弁と流体連通する。他の実施形態では、第1のボア及び第2のボアは、互いに径方向にオフセットされ得る。
【0008】
別の態様では、加圧流体システムのシステム圧力を調節するための方法が提供され、パイロット弁において、主弁の入口における流体の第1の入口圧力を受容することを含む。第1の入口圧力は、パイロット弁を入口内に配設されたノズルに結合する感知線から受容することができる。流体は、ノズルのフランジの第1のボア内に配設された感知管及びノズルの環状リングの第2のボアを通して流れることができ、第1のボア及び第2のボアは、フランジに形成された環状溝を介して互いに連通する。第1の入口圧力が所定の閾値圧力を超えるとき、パイロット弁が開放され得る。主弁は、パイロット弁の開放に応答して、所定の閾値圧力よりも低い第2の入口圧力まで第1の入口圧力を低減させることができる。いくつかの実施形態では、第1のボア及び第2のボアは、流体が環状溝を通して連通するように、互いに対して軸方向にずれる可能性がある。他の実施形態では、環状リングは、ノズルのフランジに形成された環状ノッチ内に載置され得る。更に他の実施形態では、第2のボアは、感知線に結合された感知管を受容することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
これらの特徴及び他の特徴は、添付図面と併せて講じられる以下の発明を実施するための形態からより容易に理解されるであろう。
【
図1】パイロット動作式圧力リリーフ弁ノズルの1つの例示的な実施形態の斜視図である。
【
図2】
図1のパイロット動作式圧力リリーフ弁ノズルの側面図である。
【
図3】
図1のパイロット動作式圧力リリーフ弁ノズルの上面図である。
【
図4】
図1のパイロット動作式圧力リリーフ弁ノズルの底面図である。
【
図5】
図4に示すように、線5-5に沿って取得された、
図1のパイロット動作式圧力リリーフ弁ノズルの断面図である。
【
図6】
図1のパイロット動作式圧力リリーフ弁ノズルの分解斜視図である。
【
図7】パイロット動作式圧力リリーフ弁ノズルの追加の例示的な実施形態の斜視図である。
【
図8】
図7のパイロット動作式圧力リリーフ弁ノズルの入口の拡大斜視図である。
【
図9】
図7に示すように、線16-16に沿って取得された、
図7のパイロット動作式圧力リリーフ弁ノズルの断面図である。
【
図10】
図7のパイロット動作式圧力リリーフ弁ノズルの底面図である。
【
図11】
図10に示すように、線18-18に沿って取得された、
図7のパイロット動作式圧力リリーフ弁ノズルの断面図である。
【
図12A】パイロット動作式圧力リリーフ弁、
図1のパイロット動作式圧力リリーフ弁ノズル、及びパイロット動作式圧力リリーフ弁ノズルに挿入された感知線を含むシステムの1つの例示的な実施形態の斜視図である。
【
図12B】
図12Aのシステムに示されるような、
図1のパイロット動作式圧力リリーフ弁ノズルの入口の拡大斜視図である。
【
図13】
図12Aのシステムに示されるような、
図1のパイロット動作式圧力リリーフ弁ノズルに挿入された感知線を示す断面図である。
【
図14】加圧流体システムのシステム圧力を調節するための方法の1つの例示的な実施形態を示すフロー図である。
【0010】
図面は必ずしも縮尺どおりではないことに留意されたい。図面は、本明細書に開示される主題の典型的な態様のみを描写することを意図しており、したがって、本開示の範囲を限定するものとみなされるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0011】
パイロット動作式圧力リリーフ弁ノズル並びに関連するシステム及び方法が提供される。一般に、ノズルは、中を通って延在する内側管腔を有する細長いシャフト、及びその1つの端部におけるフランジを有する本体を含むことができる。フランジは、環状リングを載置させるように構成された環状ノッチを有することができる。環状ノッチは、本体の内側管腔から環状ノッチまで延在する第1のボアが、環状リングを通って延在し、かつパイロット弁に接続された流体感知線に結合するように構成された第2のボアと連通することを可能にする、環状ノッチに形成された環状溝を有する。溝は、第1のボア及び第2のボアが互いに同軸位置合わせされる必要性を排除し、それにより、主弁に対する流体感知線及びパイロット弁の設置における改善された柔軟性を可能にする。
【0012】
本明細書のシステム、デバイス、及び方法は、多くの追加の利点及び/又は技術的効果を生成する。例えば、かかる利点は、圧力リリーフ弁システムの付近で加圧された流体システムを実質的に再配管又は段取り換えする必要性を負担することのない、直接ばね動作式圧力リリーフ弁システムのパイロット動作式圧力リリーフ弁システムへの再嵌合を含むことができる。本明細書で説明されたパイロット動作式圧力リリーフ弁ノズルは、様々な取り付け構成又は結合構成を可能にすることができ、そのため圧力リリーフ弁オペレータは、圧力リリーフ弁アセンブリの交換又は既存の直接ばね動作式圧力リリーフ弁の代わりに、パイロット動作式圧力リリーフ弁の追加を考慮するときに、それらの特定の用途又は使用要件に対して所望されるように、改善された設計柔軟性を有する。
【0013】
パイロット動作式圧力リリーフ弁ノズル、並びにオイル及びガス生成環境における使用に対応するシステム及び方法の実施形態が、本明細書で考察される。しかしながら、本開示の実施形態は、制限なく他のタイプの環境において用いることができる。
【0014】
図1~
図6は、ノズル本体102及び環状リング132を含む、パイロット動作式圧力リリーフ弁ノズルアセンブリ100の1つの例示的な実施形態のいくつかの図を示す。
図1~
図6に示されるように、ノズル本体102は、ノズル本体102の第1の端部106から、長手方向軸Aに沿って、ノズル本体102の第2の端部108まで延在する長さを有する細長いシャフト104を含む。細長いシャフト104は、中を通って延在する内側管腔110を有することができ、管腔110は、流体が管腔110を通って、パイロット動作式圧力リリーフ弁(図示せず)の主弁の主チャンバ内へ通過することを可能にするように構成されている。いくつかの実施形態では、流体は、液体、ガス、及び/又は蒸気であり得るが、他のタイプの流体も可能である。
【0015】
内側管腔110は、細長いシャフト104の長さ全体を通して変化し得るか、又は細長いシャフト104の長さ全体を通して実質的に一定のままであり得る直径を有することができる。内側管腔110は、ノズル本体102の第1の端部106において配設された第1の開口部112と、ノズル本体102の第2の端部108において配設された第2の開口部114との間に延在することができる。
【0016】
細長いシャフト104は、パイロット動作式圧力リリーフ弁の主弁の入口に挿入されるように構成することができる。細長いシャフト104は、その上に配設されたねじ山(図示せず)などの嵌合特徴部を有する外側表面104oを有することができ、嵌合特徴部は、細長シャフトが主弁に挿入されたときに、主弁の入口の内側表面上にねじ山などの対応する嵌合特徴部と接合し、それにより、ノズルアセンブリ100を主弁内に固定するように構成される。しかしながら、主弁の入口においてノズルを固定するための主弁の入口と接合することができる様々な嵌合技術が使用される可能性がある。
【0017】
図1~
図6に更に示されるように、ノズル本体102は、ノズル本体102の第2の端部108において位置付けられるフランジ116を有する。いくつかの実施形態では、フランジ116は、ノズル本体102と一体的に形成され得る。他の実施形態では、フランジ116は、ノズル本体102上に配設されるか、又は結合され得る。
図5に示されるように、フランジは、フランジ116の径方向最外表面120内に、かつノズル本体102の第2の端部108に近接して形成された環状ノッチ118を有する。最外表面120は、
図1~
図6に示されるように円筒形であり得るが、いくつかの実施形態では、最外表面120は、アセンブリのために最外表面120に形成された平坦部を有してもよい。他の実施形態では、最外表面120は、六角形形状であり得るか、又は容易な組み立てを促進する他の形状を有してもよい。最外表面120はまた、スパナレンチなどのレンチを伴う組み立てを促進するために、表面に対して垂直に形成された穴を特徴とし得る。示されるように、環状ノッチ118は、第1の表面122及び第1の表面122に直交して配向される第2の表面124を有する。第1の表面122及び第2の表面124は、以下で更に詳細に考察される、ノズルアセンブリ100の環状リング132と接合するように構成される。第1の表面122及び第2の表面124は、環状リング132の構成に応じて、互いに対して様々な角度で配向することができる。例えば、表面122、124は、互いに対して90度、互いに対して90度未満、又は互いに対して90度超である可能性がある。環状ノッチ118は、様々な他の構成を有することができ、環状ノッチ118が環状リング132を載置させることを可能にする任意の形状を有することができる。いくつかの実施形態では、第1の表面122は、長手方向軸Aに対して平行に延在することができる。
【0018】
図1~
図6に更に示されるように、環状ノッチ118は、第1の表面122において形成され、その周囲で円周方向に延在する環状チャネル又は溝126を含むことができる。溝126は、第1の表面122の径方向内向きに配設された内側表面128を含むことができる。環状ノッチ118はまた、内側管腔110から、ノズル本体102を通して、溝126の内側表面128まで径方向外向きに延在することができる第1のボア130を含むことができる。
【0019】
上記で参照され、かつ
図1~
図6に示されるように、ノズルアセンブリ100は、環状ノッチ118内に少なくとも部分的に載置される環状リング132を含むことができる。
図5に示されるように、環状リング132は、フランジ116の第1の表面122と接触している内側環状リング表面134を有する。環状リング132は、内側環状リング表面134から径方向外向きに配向される外側環状リング表面136を有する。環状リング132はまた、フランジ116と環状リング132との間に気密封止部を提供するためのガスケット142を受容するように構成されたガスケット溝140を有する前側表面138を含むことができる。いくつかの実施形態では、
図1~
図4及び
図6に示されるように、環状リング132は、環状リング132を所定の位置及び主弁の入口に固定並びに配向するためのハードウェア(例えば、締結具、図示せず)を受容するように各々構成される、複数の環状リング締結ボア144a~dを含むことができる。いくつかの実装形態では、ハードウェア及び環状リング締結ボア144a~dによって提供される入口に対する固定は、フランジ116と環状リング132との間に気密封止部を維持するように、ガスケット142上に十分な圧力を提供することができる。示されるように、環状リングは、4つの環状リング締結ボアを含む、しかしながら、締結ボアの量及び位置は、それらが主弁の入口上の対応するボアと位置合わせすることができるように修正され得る。
【0020】
図1~
図6に示されるように、第2のボア146は、環状リング132に形成され得、内側環状リング表面134と外側環状リング表面136との間で径方向に延在し得る。第2のボア146は、流体感知線の第2の端部接続部において配設された、パイロット動作式圧力リリーフ弁(下記で更に説明されるように、
図12A内に示されるパイロット弁204など)のパイロット弁と流体連通している、流体感知線(下記で更に説明されるように、
図12A及び
図13において示される流体感知線210など)の第1の端部接続部に結合するように構成され得る。第2のボア146は、外側環状リング表面136に近接するポート148を有することができる。いくつかの実施形態では、ポート148は、流体感知線の第1の端部接続部の一部分を収容するように構成されている。かかる実施形態では、ポート148は、第2のボア146よりも大きい直径を有し得る。
【0021】
図5に示されるように、環状ノッチ118の第1の表面122の溝126はまた、溝126及び内側環状リング表面134によって封入された流体経路150を画定することができる。流体経路150が第1及び第2のボア130、146の各々と流体連通しているため、流体感知線の第1の端部接続部と内側管腔110との間の流体連通が維持され得、これが、管腔110で測定された際、加圧システムの圧力レベルのパイロット弁による判定を可能にすることができる。
【0022】
図1~
図6に示されるように、第2のボア146は、第1のボア130と軸方向に位置合わせされる。しかしながら、
図7~
図11に示されるノズル100’などのいくつかの実施形態では、環状リングは、ノズル本体に対して回転可能に調整することができ、そのため、第1及び第2のボアが軸方向にオフセットされ得るが、依然として、ノズル本体の内側管腔の中心と流体感知線の第1の端部接続部との間の流体連通を維持するように構成され、それにより、流体感知線をノズルに対して位置決めすることにおける柔軟性の増加を可能にする。
図7~
図9に示されるように、ノズル100’は、
図1~
図6のノズル100と同一であり、かつ同一の構成要素を有し、それゆえ、同様の参照番号が対応する部品を示すために使用される。例示された実施形態では、ノズル100’はまた、ノズル100’のノズル本体102’の内側管腔110’内に延在する遠位端部152d’、及び第1のボア130’内に配設された近位端部152p’を有する、ノズル感知管152’を加えて含む。示されるように、ノズル感知管152’は、円筒形状であるが、ノズル感知管152’は、様々な形状及び/又は幾何学的形状を有し得る。
【0023】
ノズル感知管152’はまた、近位端部152p’から、ノズル感知管152’の中心線軸CLに沿って、遠位端部152d’のすぐ近位の領域に延在する管腔154’を含むことができる。そのため、ノズル感知管152’の遠位端部152d’は閉鎖され、ノズル感知管152’の近位端部152p’は開放される。しかしながら、いくつかの実施形態では、管腔154’は、遠位端部152d’まで延在することができ、そのため遠位端部152d’が開放される。
【0024】
ノズル感知管152’は、ノズル感知管152’の側壁に形成され、ノズル感知管152’の中心線軸CLに対して垂直に、かつノズル本体102’の長手方向軸A’に対して平行に配向される遠位端部152d’に近接するノズル感知穴156’を含むことができる。そのため、ノズル感知穴156’は、第2の開口部114’に面する加圧システムに向かって配向されて、管腔110において測定される、加圧システムの圧力レベルの判定を促進することができる。いくつかの実施形態では、ノズル感知管152’は、内側管腔110’の中心まで延在し得、そのため、内側管腔110’の中心における加圧システムの圧力レベルが検出され得、それによって、加圧システムの流体フロー中に存在し得る、任意の境界層効果に起因するいずれの不正確な判定も回避することができる。
【0025】
図1~
図6の溝126と同様に、環状ノッチ118’の第1の表面122’の溝126’は、溝126’及び内側環状リング表面134’によって封入される流体経路150’を部分的に画定することができる。ノズル感知穴156’は、管腔154’と加圧システムとの間に流体連通を確立することを可能にする。近位端部152p’が開放されると、流体連通が、管腔154’と流体経路150’との間に確立され、これは、第2のボア146’と流体連通する。そのため、流体感知線の第1の端部接続部と内側管腔110’との間の流体連通を維持することができる。そのため、溝126’及び内側環状リング表面134’によって形成された流体経路150’は、流体感知線の反対側の端部に結合されたパイロット弁が、内側管腔110’において測定される際、ノズル本体102’を介して、主弁の入口に入る流体の圧力を感知することを可能にする。
【0026】
上で示されるように、ノズル本体102及び環状リング132からなるノズルアセンブリ100は、パイロット動作式圧力リリーフ弁を更に含む、システムの一部として提供され得る。
図12A~
図13は、ノズルアセンブリ100を組み込むシステム200の1つの例示的な実施形態を示す。示されるように、システム200は、パイロット弁204、及びパイロット弁204と流体連通する主弁206を有するパイロット動作式圧力リリーフ弁202を含む。加えて、
図12A及び
図13に示されるように、システム200は、ノズルアセンブリ100のポートに結合された第1の端部接続部212、及びパイロット弁204に結合された第2の端部接続部214を特徴とする流体感知線210を含む。流体感知線210は、ねじ山で、又は圧縮嵌合、若しくは他の方法によって、第1のボア130に組み立てることができる。
図13に示されるように、流体感知線210は、第2のボア146を通してノズル本体102の内側管腔110内に延在する遠位端部を有する、内部に配設された感知管216を有することができる。感知管216は、
図12B内に示されるように、その遠位端部に近接する感知管の中心線軸に対して垂直に配設された、感知穴218を有することができる。感知穴218は、本体の長手方向軸に対して平行に、かつ第2の開口部114に面する加圧システムの方向において配向され得る。いくつかの実施形態では、感知管216は、内側管腔110の中心まで延在し得、そのため、感知穴218は、内側管腔110の中心に近接して位置決めされる。この構成及び上で考察されたノズルアセンブリ100の構成の結果として、パイロット弁204は、ノズルアセンブリ100の内側管腔110と流体連通し、パイロット弁204は、加圧流体システムの圧力レベルを感知することができる。
【0027】
システム200を組み立てるために、ノズル本体102の細長いシャフト104を、パイロット動作式圧力リリーフ弁202の主弁206の入口208に挿入することができる。細長いシャフト104は、上で説明された様式で入口208内に固定することができる。環状リング132は、細長いシャフト104の入口への挿入とは無関係に、所望の配向でノズル本体102上に固定することができる。流体感知線210の第1の端部接続部212は、ノズルアセンブリ100の環状リング132のポートに挿入することができ、流体感知線210の第2の端部接続部214は、パイロット弁204と結合されて、ノズルアセンブリ100の内側管腔110とパイロット弁204との間の流体連通を確立することができる。流体感知線210はまた、第2のボア146によって受容され得る、内部に配設された感知プローブを含むことができる。感知プローブは、ノズルアセンブリ100のノズル本体102の内側管腔110における流体の圧力を測定するように構成され得る。
【0028】
図14は、加圧流体システムのシステム圧力を調節するための方法1000の1つの例示的な実施形態を示す。方法1000は、
図1~
図6のノズルアセンブリ100及び
図12A~
図13のシステム200の文脈内で説明されているが、方法1000は、かかる構成要素に限定されず、本明細書に記載のパイロット動作式圧力リリーフ弁を使用して他のシステムを調節するために実施することができる。
【0029】
工程1010では、主弁206の入口208における流体の第1の入口圧力は、パイロット弁204を入口208内に配設されたノズルアセンブリ100に結合する、流体感知線210からパイロット弁204で受容することができる。第1のボア及び第2のボアが、フランジに形成された環状溝を介して互いに流体連通しているため、流体は、ノズルのフランジの第1のボア、及びノズルの環状リングの第2のボアを通して流れることができる。第1の入口圧力が所定の閾値圧力を超えるとき、パイロット弁が開放される。主弁は、パイロット弁の開放に応答して、入口圧力が所定の閾値圧力よりも低い第2の入口圧力に達する時間まで、システム圧力を緩和するために開放される。システム圧力と依然として連通するパイロット弁が閉鎖し、それによって、主弁を閉鎖する。
【0030】
本明細書に開示されるシステム、デバイス、及び方法の構造、機能、製造、及び使用の原理の全体的な理解を提供するために、特定の例示的な実施形態を記載してきた。これらの実施形態の1つ以上の例が添付の図面に示されている。当業者は、本明細書に明確に記載され、添付の図面に例示されるシステム、デバイス、及び方法が、非限定的な例示的な実施形態であること、及び本発明の範囲が特許請求の範囲によってのみ定義されることを理解するであろう。1つの例示的な実施形態に関連して図示又は記載される特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わされてもよい。かかる修正及び変形は、本発明の範囲内に含まれることが意図される。更に、本開示では、実施形態の類似する名称の構成要素は、概して類似の特徴を有しており、ゆえに、特定の実施形態内で各類似する名称の構成要素の各特徴は、必ずしも完全には詳述していない。
【0031】
本明細書及び特許請求の範囲全体を通して本明細書で使用するとき、近似言語は、それが関連する基本機能の変化をもたらすことなく、許容可能に変化し得る、任意の定量的表現を修正するために適用されてもよい。したがって、「約」、「およそ」、及び「実質的に」など、1つ又は複数の用語によって修飾された値は、指定された正確な値に限定されるものではない。少なくともいくつかの例において、近似言語は、値を測定するための器具の精度に対応し得る。本明細書において、本明細書及び特許請求の範囲全体を通して、範囲制限の組み合わせ及び/又は交換が行われてもよく、かかる範囲は識別され、文脈又は言語が別段の指示をしていない限り、そこに含まれるすべての部分範囲を含む。
【0032】
当業者は、上述の実施形態に基づいて本発明の更なる特徴及び利点を理解するであろう。したがって、本出願は、添付の特許請求の範囲によって示されるものを除き、特に示され説明されてきたものによって限定されるものではない。本明細書に引用されるすべての刊行物及び参考文献は、それらの全体が参照により明示的に組み込まれる。