(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
F21V 31/00 20060101AFI20240228BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20240228BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240228BHJP
【FI】
F21V31/00 100
F21S2/00 230
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2022579264
(86)(22)【出願日】2021-02-05
(86)【国際出願番号】 JP2021004334
(87)【国際公開番号】W WO2022168266
(87)【国際公開日】2022-08-11
【審査請求日】2023-05-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000195029
【氏名又は名称】星和電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】菱田 徹
(72)【発明者】
【氏名】津山 享平
(72)【発明者】
【氏名】河野 慶
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-216060(JP,A)
【文献】特開2017-120796(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 31/00
F21S 2/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランプユニットと、
前記ランプユニットを収容する筐体とを備え、
前記筐体は、透明な円筒管と、前記円筒管の両端部にそれぞれ設けられる端部部材とを含み、
前記端部部材は、Oリングを介して前記円筒管の端部を支持するように構成されており、前記ランプユニットが取り付けられる本体部と、前記本体部に取り付けられる環状部材とを含み、
前記本体
部には、
前記円筒管の端部が配置される環状溝が形成されるとともに、前記Oリング
が配置される環状凹部が形成され
、
前記環状凹部は、前記環状溝と隣接するように前記環状溝に対して径方向外側に配置され、前記環状溝と径方向で繋がるように設けられ、
前記環状部
材には、前記環状凹部に嵌め合わされる環状凸部が形成され、
前記環状凸部には、前記Oリングを前記円筒管および前記本体部に押し付けるためのテーパ面が形成され
、
前記円筒管の端面と前記本体部との間にはクリアランスが設定されていることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
請求項
1に記載の照明装置において、
前記円筒管および前記端部部材は、樹脂で形成されていることを特徴とする照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、防爆型の照明装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
このような照明装置は、ランプユニットと、ランプユニットを収容する筐体とを備えている。筐体は、ガラス管と、ガラス管の両端部にそれぞれ設けられる端部部材とを含んでいる。そして、ガラス管および端部部材が接着剤を用いて固定されることにより、シール性が確保されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような照明装置では、シール性を確保することが可能であるが、接着剤を硬化させる工程が必要であることから、生産性が低いという問題点がある。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、生産性の向上を図ることが可能な照明装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による照明装置は、ランプユニットと、ランプユニットを収容する筐体とを備える。筐体は、透明な円筒管と、円筒管の両端部にそれぞれ設けられる端部部材とを含む。端部部材は、Oリングを介して円筒管の端部を支持するように構成されており、ランプユニットが取り付けられる本体部と、本体部に取り付けられる環状部材とを含む。本体部には、円筒管の端部が配置される環状溝が形成されるとともに、Oリングが配置される環状凹部が形成されている。環状凹部は、環状溝と隣接するように環状溝に対して径方向外側に配置され、環状溝と径方向で繋がるように設けられている。環状部材には、環状凹部に嵌め合わされる環状凸部が形成されている。環状凸部には、Oリングを円筒管および本体部に押し付けるためのテーパ面が形成されている。円筒管の端面と本体部との間にはクリアランスが設定されている。
【0008】
このように構成することによって、テーパ面によりOリングが円筒管および本体部に押し付けられるので、接着剤を用いることなくシール性を確保することができる。これにより、接着剤を硬化させる工程が不要になるので、生産性の向上を図ることができる。
【0011】
上記照明装置において、円筒管および端部部材は、樹脂で形成されていてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の照明装置によれば、生産性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本実施形態による照明装置を示した斜視図である。
【
図5】
図4の端部部材の筒体を示した斜視図である。
【
図6】
図4の端部部材の環状部材を示した斜視図である。
【
図8】
図7の端部部材の仕切体を示した斜視図である。
【
図9】
図7の端部部材の環状部材を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態を説明する。
【0015】
まず、
図1~
図3を参照して、本発明の一実施形態による照明装置100の全体構成について説明する。なお、各図において、照明装置100の長さ方向がX1およびX2方向であり、照明装置100の幅方向がY1およびY2方向であり、照明装置100の高さ方向がZ1およびZ2方向である。
【0016】
照明装置100は、防爆型であり、たとえば工場などの第二種危険場所で使用されるものである。第二種危険場所とは、通常の状態において、爆発性雰囲気を生成するおそれが少なく、爆発性雰囲気が生成されても短時間しか持続しない場所である。照明装置100は、
図1に示すように、長尺状のランプユニット1および筐体2を備えている。
【0017】
ランプユニット1は、光を照らして周囲を明るくするように構成されており、長手方向(X1およびX2方向)に延びる支持体11と、支持体11に取り付けられるLED基板12とを含んでいる。
【0018】
支持体11は、たとえば、アルミニウム合金などの金属製であり、押出成形によって形成されている。このため、支持体11は、長手方向と直交する断面の形状が長手方向において同じである。この支持体11は、
図3に示すように、傾斜面11aおよび11bと連結面11cとを有する。
【0019】
傾斜面11aおよび11bは、下端部(Z2方向の端部)で連結され、ほぼV字状になるように設けられている。傾斜面11aは、幅方向の一方側(Y1方向側)に配置され、幅方向において一方端部が他方端部よりも上方に配置されるように傾斜されている。傾斜面11bは、幅方向の他方側(Y2方向側)に配置され、幅方向において他方端部が一方端部よりも上方に配置されるように傾斜されている。連結面11cは、幅方向に延びるように形成され、傾斜面11aおよび11bを上面側で連結している。
【0020】
LED基板12は、支持体11の傾斜面11aおよび11bの下面に取り付けられている。本実施形態では、傾斜面11aに2つのLED基板12が長手方向に連なるように設けられ、傾斜面11bに2つのLED基板12が長手方向に連なるように設けられている。LED基板12には複数のLEDチップ12aが実装され、複数のLEDチップ12aは長手方向に所定の間隔を隔てて配置されている。LEDチップ12aは、光を発する光源である。
【0021】
筐体2は、中空円柱状に形成され、内部にランプユニット1を収容するように構成されている。この筐体2は、
図2に示すように、円筒状に形成された円筒管21と、円筒管21の両端部にそれぞれ設けられる端部部材22および23とを含んでいる。
【0022】
円筒管21の内部には、ランプユニット1が配置されている。円筒管21は、透明であり、LEDチップ12aから出射された光が透過されるように構成されている。この円筒管21は、たとえばポリカーボネートなどの樹脂で形成されている。
【0023】
端部部材22は、円筒管21の長手方向の一方端部(X1方向側の端部)に配置され、その一方端部を閉塞するように構成されている。端部部材23は、円筒管21の長手方向の他方端部(X2方向側の端部)に配置され、その他方端部を閉塞するように構成されている。端部部材22は、ランプユニット1と接続される配線(図示省略)を引き込みおよび引き出し可能に構成されている。端部部材23には、ランプユニット1の電源(図示省略)が収容されている。なお、端部部材23に収容される電源は、たとえば樹脂でモールドされている。たとえば、端部部材22および23は不透明である。
【0024】
-端部部材22-
次に、
図4~
図6を参照して、本実施形態による照明装置100の端部部材22の構成について説明する。
【0025】
端部部材22は、ランプユニット1の一方端部(X1方向側の端部)を支持するとともに、円筒管21の一方端部(X1方向側の端部)を支持するように構成されている。この端部部材22は、
図4に示すように、本体部221と、本体部221に取り付けられる環状部材222とを備えている。
【0026】
本体部221は、円筒状に形成された筒体223と、筒体223の一方端部(X1方向側の端部)を塞ぐ蓋体224(
図2参照)とを含んでいる。本体部221は、筒体223および蓋体224によって有底筒状に形成され、開放端側(X2方向側)に円筒管21が組み付けられている。筒体223および蓋体224は、たとえばポリカーボネートなどの樹脂で形成されている。
【0027】
本体部221の筒体223は、
図5に示すように、取付部223aと、連結部223bと、挿通孔223cと、取付片223dと、連結部223eと、環状溝223fと、環状凹部223gとを有する。
【0028】
取付部223aは、筒体223の内部に配置されるとともに、他方端部側(X2方向側)に配置されている。この取付部223aには、
図4に示すように、ランプユニット1の支持体11の一方端部(X1方向側の端部)が取り付けられている。具体的には、3本のボルト225(
図3参照)により、支持体11の下端部と幅方向の両端部とが取付部223aに取り付けられている。
【0029】
連結部223b(
図5参照)は、筒体223の外周面から径方向外側に突出するように形成され、周方向に所定の間隔を隔てて複数設けられている。連結部223bは、一方端部側(X1方向側)に配置され、ボルト226(
図2参照)によって蓋体224が連結されている。
【0030】
挿通孔223cは、配線を引き込みおよび引き出すために設けられている。挿通孔223cは、筒体223の周面を貫通するように形成され、幅方向の両端にそれぞれ設けられている。挿通孔223cに挿通された配線は、たとえばケーブルグランド(図示省略)によってシール性を確保した状態で固定される。なお、挿通孔223cに配線が挿通されない場合には、その挿通孔223cに栓部材(図示省略)が取り付けられることによって挿通孔223cが塞がれるようになっている。
【0031】
取付片223dは、取付金具(図示省略)を介して設置対象(たとえば天井)に取り付けられるように構成されている。取付片223dは、筒体223から上方(Z1方向)に突出するように形成されている。
【0032】
連結部223eは、筒体223の外周面から径方向外側に突出するように形成され、周方向に所定の間隔を隔てて複数設けられている。連結部223eは、他方端部側(X2方向側)に配置され、ボルト227によって環状部材222が連結されている。具体的には、6本のボルト227により、環状部材222が本体部221に対して内側(X2方向側)に取り付けられている。
【0033】
環状溝223fは、円筒管21の一方端部が配置されるように構成されている。この環状溝223fは、筒体223の他方端部側(X2方向側)に設けられ、開放端が円筒管21側(X2方向側)を向くように配置されている。すなわち、環状溝223fは、長手方向一方側(X1方向側)に窪むように形成されるとともに、筒体223の周方向に延びて円環状に形成されている。環状溝223fの径方向内側には、取付部223aが配置されている。ここで、円筒管21の一方端面(X1方向側の端面)と本体部221との間にはクリアランスが設定されている。すなわち、円筒管21の一方端面は、環状溝223fの底面(X1方向側の面)と離間されている。
【0034】
環状凹部223gは、Oリング228が配置されるように構成されている。環状凹部223gは、筒体223の他方端部側(X2方向側)に設けられ、円筒管21の一方端部の周囲に配置されている。この環状凹部223gは、環状溝223fと隣接するように、環状溝223fに対して径方向外側に設けられている。すなわち、環状凹部223gは、長手方向一方側(X1方向側)に窪むように形成されるとともに、筒体223の周方向に延びて円環状に形成されている。なお、環状凹部223gは環状溝223fと径方向で繋がるように設けられ、環状凹部223gの底面(X1方向側の面)が環状溝223fの底面(X1方向側の面)よりも長手方向他方側(X2方向側)に配置されている。
【0035】
環状部材222は、Oリング228を円筒管21および本体部221に押し付けるように構成されている。このため、端部部材22は、Oリング228を介して円筒管21の一方端部を支持するように構成されている。環状部材222は、たとえばポリカーボネートなどの樹脂で形成されている。この環状部材222は、
図6に示すように、円環状に形成されており、内側に円筒管21が配置されるようになっている。環状部材222は、連結部222aおよび環状凸部222bを有する。
【0036】
連結部222aは、環状部材222の外周面から径方向外側に突出するように形成され、周方向に所定の間隔を隔てて複数設けられている。連結部222aは、ボルト227によって本体部221に取り付けられている。
【0037】
環状凸部222bは、本体部221と対向する面(X1方向側の面)に設けられ、環状凹部223gに嵌め合わされるように構成されている。環状凸部222bは、長手方向一方側(X1方向側)に突出するように形成されるとともに、環状部材222の周方向に延びて円環状に形成されている。この環状凸部222bは、Oリング228を円筒管21および本体部221に押し付けるためのテーパ面222cを有する。
【0038】
テーパ面222cは、環状凸部222bの内周側に設けられている。テーパ面222cは、
図4に示すように、突出方向と反対方向(X2方向)に進むにつれて開口面積が小さくなるように構成されている。このテーパ面222cは、直線的に傾斜されており、軸方向(X1およびX2方向)に対して径方向側にたとえば45度傾斜されている。このため、テーパ面222cによってOリング228が、突出方向(X1方向)に押されるとともに、径方向内側に押されるようになっている。
【0039】
Oリング228は、端部部材22の本体部221と円筒管21との間の隙間を埋めてシール性を確保するために設けられている。Oリング228は、円筒管21の外周面と、本体部221の環状凹部223gの底面と、環状部材222のテーパ面222cとに接触されている。このOリング228を介して円筒管21が支持されるため、本体部221および環状部材222に対して円筒管21が離間されている。
【0040】
-端部部材23-
次に、
図7~
図9を参照して、本実施形態による照明装置100の端部部材23の構成について説明する。
【0041】
端部部材23は、ランプユニット1の他方端部(X2方向側の端部)を支持するとともに、円筒管21の他方端部(X2方向側の端部)を支持するように構成されている。この端部部材23は、
図7に示すように、本体部231と、本体部231に取り付けられる環状部材232とを備えている。
【0042】
本体部231は、円板状の仕切体233と、電源が収容される有底筒状体234とを含んでいる。本体部231では、有底筒状体234の内部空間が仕切体233によって円筒管21の内部空間と仕切られるようになっている。仕切体233および有底筒状体234は、たとえばポリカーボネートなどの樹脂で形成されている。
【0043】
本体部231の仕切体233は、
図8に示すように、取付部233aと、連結部233bと、取付片233cと、環状溝233dと、環状凹部233eとを有する。なお、仕切体233の中央には、ランプユニット1と電源とを接続する配線が挿通される挿通孔が形成されている。
【0044】
取付部233aには、
図7に示すように、ランプユニット1の支持体11の他方端部(X2方向側の端部)が取り付けられている。具体的には、3本のボルト235により、支持体11の下端部と幅方向の両端部とが取付部233aに取り付けられている。
【0045】
連結部233bは、仕切体233の外周面から径方向外側に突出するように形成され、周方向に所定の間隔を隔てて複数設けられている。連結部233bには、ボルト236によって有底筒状体234および環状部材232が連結されている。
【0046】
取付片233cは、取付金具(図示省略)を介して設置対象(たとえば天井)に取り付けられるように構成されている。取付片233cは、仕切体233から上方(Z1方向)に突出するように形成されている。
【0047】
環状溝233dは、円筒管21の他方端部が配置されるように構成されている。この環状溝233dは、仕切体233の一方側(X1方向側)に設けられ、開放端が円筒管21側(X1方向側)を向くように配置されている。すなわち、環状溝233dは、長手方向他方側(X2方向側)に窪むように形成されるとともに、仕切体233の周方向に延びて円環状に形成されている。環状溝233dの径方向内側には、取付部233aが配置されている。ここで、円筒管21の他方端面(X2方向側の端面)と本体部231との間にはクリアランスが設定されている。すなわち、円筒管21の他方端面は、環状溝233dの底面(X2方向側の面)と離間されている。
【0048】
環状凹部233eは、Oリング237が配置されるように構成されている。環状凹部233eは、仕切体233の一方側(X1方向側)に設けられ、円筒管21の他方端部の周囲に配置されている。この環状凹部233eは、環状溝233dと隣接するように、環状溝233dに対して径方向外側に設けられている。すなわち、環状凹部233eは、長手方向他方側(X2方向側)に窪むように形成されるとともに、仕切体233の周方向に延びて円環状に形成されている。なお、環状凹部233eは環状溝233dと径方向で繋がるように設けられ、環状凹部233eの底面(X2方向側の面)が環状溝233dの底面(X2方向側の面)よりも長手方向一方側(X1方向側)に配置されている。
【0049】
有底筒状体234は、電源を収容する内部空間を有し、仕切体233に対して長手方向他方側(X2方向側)に配置されている。有底筒状体234は、連結部234aを有する。連結部234aは、開放端側(X1方向側)の外周面から径方向外側に突出するように形成され、周方向に所定の間隔を隔てて複数設けられている。連結部234aは、ボルト236によって仕切体233に取り付けられている。
【0050】
環状部材232は、Oリング237を円筒管21および本体部231に押し付けるように構成されている。このため、端部部材23は、Oリング237を介して円筒管21の他方端部を支持するように構成されている。環状部材232は、たとえばポリカーボネートなどの樹脂で形成されている。この環状部材232は、
図9に示すように、円環状に形成されており、内側に円筒管21が配置されるようになっている。環状部材232は、連結部232aおよび環状凸部232bを有する。
【0051】
連結部232aは、環状部材232の外周面から径方向外側に突出するように形成され、周方向に所定の間隔を隔てて複数設けられている。連結部232aは、ボルト236によって仕切体233に取り付けられている。具体的には、6本のボルト236により、環状部材232が本体部231に対して内側(X1方向側)に取り付けられている。
【0052】
環状凸部232bは、本体部231と対向する面(X2方向側の面)に設けられ、環状凹部233eに嵌め合わされるように構成されている。環状凸部232bは、長手方向他方側(X2方向側)に突出するように形成されるとともに、環状部材232の周方向に延びて円環状に形成されている。この環状凸部232bは、Oリング237を円筒管21および本体部231に押し付けるためのテーパ面232cを有する。
【0053】
テーパ面232cは、環状凸部232bの内周側に設けられている。テーパ面232cは、
図7に示すように、突出方向と反対方向(X1方向)に進むにつれて開口面積が小さくなるように構成されている。このテーパ面232cは、直線的に傾斜されており、軸方向(X1およびX2方向)に対して径方向側にたとえば45度傾斜されている。このため、テーパ面232cによってOリング237が、突出方向(X2方向)に押されるとともに、径方向内側に押されるようになっている。
【0054】
Oリング237は、端部部材23の本体部231と円筒管21との間の隙間を埋めてシール性を確保するために設けられている。Oリング237は、円筒管21の外周面と、本体部231の環状凹部233eの底面と、環状部材232のテーパ面232cとに接触されている。このOリング237を介して円筒管21が支持されるため、本体部231および環状部材232に対して円筒管21が離間されている。
【0055】
-効果-
本実施形態では、上記のように、環状部材222のテーパ面222cによりOリング228が円筒管21および本体部221に押し付けられることによって、接着剤を用いることなくシール性を確保することができる。また、環状部材232のテーパ面232cによりOリング237が円筒管21および本体部231に押し付けられることによって、接着剤を用いることなくシール性を確保することができる。これにより、接着剤を硬化させる工程が不要になるので、照明装置100の生産性の向上を図ることができる。
【0056】
また、本実施形態では、円筒管21の一方端面と本体部221との間にクリアランスが設定されることによって、円筒管21が熱膨張しても本体部221と干渉するのを抑制することができる。また、円筒管21の他方端面と本体部231との間にクリアランスが設定されることによって、円筒管21が熱膨張しても本体部231と干渉するのを抑制することができる。
【0057】
また、本実施形態では、円筒管21と端部部材22および23とが樹脂で形成されることによって、照明装置100の軽量化を図ることができる。
【0058】
-他の実施形態-
なお、今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0059】
たとえば、上記実施形態では、環状部材222の環状凸部222bにテーパ面222cが形成される例を示したが、これに限らず、本体部の環状凹部にテーパ面が形成されていてもよい。なお、端部部材23についても同様である。
【0060】
また、上記実施形態では、本体部221に環状凹部223gが形成され、環状部材222に環状凸部222bが形成される例を示したが、これに限らず、環状部材に環状凹部が形成され、本体部に環状凸部が形成されるようにしてもよい。この場合、本体部の環状凸部にテーパ面が形成されていてもよいし、環状部材の環状凹部にテーパ面が形成されていてもよい。なお、端部部材23についても同様である。
【0061】
また、上記実施形態では、本体部221および環状部材222に対して円筒管21が離間される例を示したが、これに限らず、本体部および環状部材の少なくとも一方と円筒管が接触されていてもよい。なお、端部部材23についても同様である。
【0062】
また、上記実施形態では、円筒管21が樹脂で形成される例を示したが、これに限らず、円筒管がガラスなどで形成されていてもよい。
【0063】
また、上記実施形態では、端部部材22および23が樹脂で形成される例を示したが、これに限らず、端部部材が金属などで形成されていてもよい。
【0064】
また、上記実施形態では、テーパ面222cおよび232cの傾斜角度が45度である例を示したが、これに限らず、テーパ面の傾斜角度が45度以外であってもよい。
【0065】
また、上記実施形態では、ランプユニット1に光源としてLEDチップ12aが設けられる例を示したが、これに限らず、ランプユニットにLEDチップ以外の光源が設けられていてもよい。
【0066】
また、上記実施形態では、本体部221および231が二部材で構成される例を示したが、これに限らず、本体部が一部材で構成されていてもよいし、本体部が三部材以上で構成されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、ランプユニットと、ランプユニットを収容する筐体とを備える照明装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0068】
1 ランプユニット
2 筐体
21 円筒管
22、23 端部部材
100 照明装置
221、231 本体部
222、232 環状部材
222b、232b 環状凸部
222c、232c テーパ面
223f、233d 環状溝
223g、233e 環状凹部
228、237 Oリング