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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】シート状ヒータ
(51)【国際特許分類】
   H05B 3/20 20060101AFI20240228BHJP
   H05B 3/12 20060101ALI20240228BHJP
【FI】
H05B3/20 364
H05B3/12 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023017737
(22)【出願日】2023-02-08
(62)【分割の表示】P 2021501878の分割
【原出願日】2020-02-10
(65)【公開番号】P2023053041
(43)【公開日】2023-04-12
【審査請求日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】P 2019028075
(32)【優先日】2019-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000153591
【氏名又は名称】株式会社巴川コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100137589
【弁理士】
【氏名又は名称】右田 俊介
(74)【代理人】
【識別番号】100160864
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 政治
(72)【発明者】
【氏名】小久井(山路) 舞香
(72)【発明者】
【氏名】菅原 陽輔
(72)【発明者】
【氏名】蔵原 卓
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第206602672(CN,U)
【文献】登録実用新案第3122226(JP,U)
【文献】特開2016-044908(JP,A)
【文献】特開2005-120675(JP,A)
【文献】特開平11-317284(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 3/20
H05B 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
層状構造を備えるシート状ヒータであって、
第1樹脂剤からなる第1樹脂層と、
前記第1樹脂層とつながっていて、前記第1樹脂剤および金属繊維の混合物からなる混合層Aと、
前記混合層Aとつながっていて、前記金属繊維のみからなり、内部に空気を含み、前記金属繊維同士が接点において融着している金属繊維層と、
前記金属繊維層とつながっていて、前記金属繊維および第2樹脂剤の混合物からなる混合層Bと、
前記混合層Bとつながっていて、前記第2樹脂剤からなる第2樹脂層と、
を備えるシート状ヒータ。
【請求項2】
さらに、前記第2樹脂層に一方の主面が付いている絶縁層を備える、請求項1に記載のシート状ヒータ。
【請求項3】
さらに、
前記絶縁層の他方の主面に付いていて、第3接着剤からなる第3接着層と、
前記第3接着層に一方の主面が付いている熱拡散層と、
前記熱拡散層の他方の主面に付いていて、第4接着剤からなる第4接着層と、
を備える、請求項2に記載のシート状ヒータ。
【請求項4】
前記熱拡散層の面方向の熱伝導率が、前記金属繊維層の面方向の熱伝導率よりも高い、請求項3に記載のシート状ヒータ。
【請求項5】
前記金属繊維層がSUS繊維シートからなり、
前記熱拡散層がカーボンフィルムからなる、請求項3または4に記載のシート状ヒータ。
【請求項6】
前記金属繊維層を通電した場合に、電気の入側から出側まで幅が100mm以下の帯状の電気流路内を通電するように構成されている請求項1~5のいずれかに記載のシート状ヒータ。
【請求項7】
前記電気流路の少なくとも一部に、通電方向に沿うスリットが形成されている、請求項6に記載のシート状ヒータ。
【請求項8】
前記電気流路の少なくとも曲部に前記スリットが形成されている、請求項7に記載のシート状ヒータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシート状ヒータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、いくつかのシート状ヒータが提案されている。
例えば特許文献1には、不織布構成基材と導電性繊維とからなるシート状導電性不織布を用いてなるシート状発熱体であって、該導電性不織布には電極が設けられ、該導電性不織布は可撓性の熱可塑性樹脂製フィルムによりラミネート加工されていることを特徴とする、シート状発熱体が記載されている。すなわち、可撓性に優れた発熱体として和紙基材と炭素繊維からなる導電性不織布からなるシート状発熱体が提案されている。そして、このようなシート状発熱体は簡易な方法により得ることができるとともに、利用形態に合わせた加工技術が容易、施工技術が容易であるため、各種建築物、各種構造物、道路・鉄道、車両などでの融雪や凍結防止用途に、幅広く用いることができる他、施設園芸等での育苗用保温ヒーターや、ゴキブリ捕獲機等の用途にも用いることができると記載されている。
【0003】
また、例えば特許文献2には、金属繊維等の耐熱・良熱伝導性繊維よりなる可撓性を備えた高伝熱性シートと、前記高伝熱性シートの一方の面に対して近接又は接触した状態に配されるヒータ線とよりなり、前記高伝熱性シートの他方の面を加熱対象物に向けて用いる可撓性ヒータが記載されている。すなわち、高伝熱性シートとヒータ線からなる可撓性ヒータが提案されている。そして、このようなヒータによれば、軽量、低コストで、取扱性が良く、加熱対象物を非常に幅広い温度領域内の所定の温度以上に安定的にかつ効率良く加熱することができ、ヒータ線の過昇温による溶融や断線を防止することができ、例えば成形金型や押出機、樹脂流路等の加熱に好適に使用できる可撓性ヒータを提供することができると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-93076号公報
【文献】特開2015-122180号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のシート状発熱体は、例えば和紙と炭素繊維が混抄された発熱体が用いられており、非/低導電性物質が介在するために速暖性や均熱性が劣っていた。
また、特許文献2に記載の可撓性ヒータは均熱性が低く、また、断線のリスクが高かった。
【0006】
本発明は上記のような課題を解決することを目的とする。すなわち、本発明は速暖性および均熱性に優れ、断線し難いシート状ヒータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は上記課題を解決するため鋭意検討し、本発明を完成させた。
本発明は以下の(1)~(9)である。
(1)層状構造を備えるシート状ヒータであって、
シート状基材と、
前記シート状基材の主面に付いていて、第1樹脂剤からなる第1樹脂層と、
前記第1樹脂層とつながっていて、前記第1樹脂剤および金属繊維の混合物からなる混合層Aと、
前記混合層Aとつながっていて、前記金属繊維のみからなり、内部に空気を含む金属繊維層と、
前記金属繊維層とつながっていて、前記金属繊維および第2樹脂剤の混合物からなる混合層Bと、
前記混合層Bとつながっていて、前記第2樹脂剤からなる第2樹脂層と、
を備えるシート状ヒータ。
(2)さらに、前記第2樹脂層に一方の主面が付いている絶縁層を備える、上記(1)に記載のシート状ヒータ。
(3)さらに、
前記絶縁層の他方の主面に付いていて、第3接着剤からなる第3接着層と、
前記第3接着層に一方の主面が付いている熱拡散層と、
前記熱拡散層の他方の主面に付いていて、第4接着剤からなる第4接着層と、
を備える、上記(2)に記載のシート状ヒータ。
(4)前記シート状基材が、
絶縁性および/または断熱性を備える、上記(1)~(3)のいずれかに記載のシート状ヒータ。
(5)前記熱拡散層の面方向の熱伝導率が、前記金属繊維層の面方向の熱伝導率よりも高い、上記(3)または(4)に記載のシート状ヒータ。
(6)前記金属繊維層がSUS繊維シートからなり、
前記熱拡散層がカーボンフィルムからなる、上記(3)~(5)のいずれかに記載のシート状ヒータ。
(7)前記金属繊維層を通電した場合に、電気の入側から出側まで幅が100mm以下の帯状の電気流路内を通電するように構成されている上記(1)~(6)のいずれかに記載のシート状ヒータ。
(8)前記電気流路の少なくとも一部に、通電方向に沿うスリットが形成されている、上記(7)に記載のシート状ヒータ。
(9)前記電気流路の少なくとも曲部に前記スリットが形成されている、上記(8)に記載のシート状ヒータ。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、速暖性および均熱性に優れ、断線し難いシート状ヒータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明のシート状ヒータの好適態様の主面に垂直な方向における断面図(概略図)である。
図2】本発明のシート状ヒータの別の好適態様の主面に垂直な方向における断面図(概略図)である。
図3】第1樹脂層、混合層A、金属繊維層、混合層Bおよび第2樹脂層の形成方法の好適例を示す概略断面図である。
図4】金属繊維層の主面の好適態様を示す図(概略図)である。
図5】金属繊維層の主面の別の好適態様を示す図(概略図)である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のシート状ヒータは通電することで発熱するので、例えば電気自動車の室内の暖房用ヒータとして用いることができる。電気自動車ではエンジンの排熱を利用できないため暖房のために利用される電力消費が大きいが、本発明のシート状ヒータは電力燃費効率が高いので、電気自動車の室内の暖房用ヒータとして好ましく用いることができる。
また、電気自動車の室内の暖房用ヒータには速暖性および均熱性が求められるが、本発明のシート状ヒータは速暖性および均熱性を備える。例えば電気自動車の室内の暖房用ヒータの場合、ヒータ表面の温度が40℃程度にまで、迅速に高まることが好ましい。また、シート全面における温度差が数℃以内に収まる程度の均熱性を備えることが好ましい。
【0011】
また、本発明のシート状ヒータを曲面上に貼りつける場合、本発明のシート状ヒータを構成する各層、特にシート状基材および金属繊維層は、柔軟性を備える材質からなることが求められる。また、本発明のシート状ヒータがさらに絶縁層および熱拡散層を備える場合は、これらの層についても、柔軟性を備える材質からなることが求められる。例えば、本発明のシート状ヒータを電気自動車の室内の壁へ貼り付けて使用する場合、自動車の室内の壁は曲面であるならば、その曲面に追従する柔軟性が、本発明のシート状ヒータに求められる。
【0012】
また、本発明のシート状ヒータは、配管加熱用ヒータとして好ましく用いることができる。従来、配管加熱用ヒータは発熱体に線材を用いていることから、繰り返しの脱着による断線や、通電加熱による断線のリスクがあるため、線材を一定程度に太くする必要があった。その結果、配管加熱用ヒータは厚くならざるを得ないため、加熱効率が低く、かつ、被加熱体との密着性が低かった。
本発明のシート状ヒータは、電流が流れる経路が無数にあり、かつ、金属繊維同士が多数の点で繋がっているために、例えば繰り返しヒータを脱着しても断線し難い。また、厚さが薄いため、被加熱体との密着性が高く、加熱効率に優れる。
【0013】
本発明のシート状ヒータの好適態様について、図1を用いて説明する説明する。
本発明のシート状ヒータは、層状構造を備えるシート状ヒータであって、シート状基材と、前記シート状基材の主面に付いていて、第1樹脂剤からなる第1樹脂層と、前記第1樹脂層とつながっていて、前記第1樹脂剤および金属繊維の混合物からなる混合層Aと、前記混合層Aとつながっていて、前記金属繊維のみからなり、内部に空気を含む金属繊維層と、前記金属繊維層とつながっていて、前記金属繊維および第2樹脂剤の混合物からなる混合層Bと、前記混合層Bとつながっていて、前記第2樹脂剤からなる第2樹脂層と、を備えるシート状ヒータであるが、さらに、前記第2樹脂層に一方の主面が付いている絶縁層を備えるシート状ヒータであることが好ましい。
【0014】
図1は、このような好適態様のシート状ヒータの主面に垂直な方向における断面図(概略図)である。
【0015】
図1において好適態様である本発明のシート状ヒータ(1)は、層状構造を備えるシート状ヒータであって、シート状基材(3)と、シート状基材(3)の主面(31)に付いていて、第1樹脂剤からなる第1樹脂層(10)と、第1樹脂層(10)とつながっていて、第1樹脂剤および金属繊維の混合物からなる混合層A(52)と、混合層A(52)とつながっていて、金属繊維のみからなり、内部に空気を含む金属繊維層(5)と、金属繊維層(5)とつながっていて、金属繊維および第2樹脂剤の混合物からなる混合層B(54)と、混合層B(54)とつながっていて、第2樹脂剤からなる第2樹脂層(12)と、第2樹脂層(12)に一方の主面(71)が付いている絶縁層(7)を備えるシート状ヒータである。
このような本発明のシート状ヒータは、配管加熱用ヒータとして好ましく用いることができる。
【0016】
また、本発明のシート状ヒータの別の好適態様について、図2を用いて説明する説明する。
本発明のシート状ヒータは、層状構造を備えるシート状ヒータであって、シート状基材と、前記シート状基材の主面に付いていて、第1樹脂剤からなる第1樹脂層と、前記第1樹脂層とつながっていて、前記第1樹脂剤および金属繊維の混合物からなる混合層Aと、前記混合層Aとつながっていて、前記金属繊維のみからなり、内部に空気を含む金属繊維層と、前記金属繊維層とつながっていて、前記金属繊維および第2樹脂剤の混合物からなる混合層Bと、前記混合層Bとつながっていて、前記第2樹脂剤からなる第2樹脂層と、を備えるシート状ヒータであるが、さらに、前記第2樹脂層に一方の主面が付いている絶縁層と、前記絶縁層の他方の主面に付いていて、第3接着剤からなる第3接着層と、前記第3接着層に一方の主面が付いている熱拡散層と、前記熱拡散層の他方の主面に付いていて、第4接着剤からなる第4接着層と、を備えるシート状ヒータであることが好ましい。
【0017】
図2は、このような好適態様のシート状ヒータの主面に垂直な方向における断面図(概略図)である。
【0018】
図2において好適態様である本発明のシート状ヒータ(1)は、層状構造を備えるシート状ヒータであって、シート状基材(3)と、シート状基材(3)の主面(31)に付いていて、第1樹脂剤からなる第1樹脂層(10)と、第1樹脂層(10)とつながっていて、第1樹脂剤および金属繊維の混合物からなる混合層A(52)と、混合層A(52)とつながっていて、金属繊維のみからなり、内部に空気を含む金属繊維層(5)と、金属繊維層(5)とつながっていて、金属繊維および第2樹脂剤の混合物からなる混合層B(54)と、混合層B(54)とつながっていて、第2樹脂剤からなる第2樹脂層(12)と、第2樹脂層(12)に一方の主面(71)が付いている絶縁層(7)と、絶縁層(7)の他方の主面(72)に付いていて、第3接着剤からなる第3接着層(14)と、第3接着層(14)に一方の主面(91)が付いている熱拡散層(9)と、熱拡散層(9)の他方の主面(92)に付いていて、第4接着剤からなる第4接着層(16)と、を備えるシート状ヒータである。
このような本発明のシート状ヒータは、電気自動車の室内の暖房用ヒータとして好ましく用いることができる。
【0019】
<シート状基材>
シート状基材(3)について説明する。
本発明のシート状ヒータを電気自動車の室内の暖房用ヒータとして用いる場合、シート状基材が暖房対象空間でない側となるように設置する。
【0020】
本発明のシート状ヒータ(1)においてシート状基材(3)は、本発明のシート状ヒータ(1)を保護する役割を備える。したがって強度が高い材質からなることが好ましい。
【0021】
また、シート状基材(3)が絶縁性および/または断熱性を備えることが好ましい。具体的にはシート状基材(3)が絶縁性および断熱性の両方を備える材料からなる場合が挙げられる。また、シート状基材が絶縁層と断熱層との2層からなる場合が挙げられる。この場合、温めたい方向に熱を効率的に供給すると共に均熱性にも寄与する(均熱性向上)。
【0022】
シート状基材(3)の材質として、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)、PI(ポリイミド)、PP(ポリプロピレン),PE(ポリエチレン)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、TAC(トリアセチルセルロース)等、絶縁性と可撓性を有した材質であることが好ましい。
【0023】
シート状基材の厚さは特に限定されないが、15~100μmであることが好ましく、30~75μmであることがより好ましく、50μm程度であることがさらに好ましい。
【0024】
ここでシート状基材の厚さは、次のように求めるものとする。
本発明のシート状ヒータの主面に垂直な方向における断面(図1または図2のような断面)の拡大写真(200倍)を得た後、その断面の拡大写真においてシート状基材(3)の厚さを無作為に選択した100か所にて測定し、それらの単純平均値を求める。そして、得られた平均値をそのシート状基材の厚さとする。
【0025】
<第1樹脂層、混合層A、金属繊維層、混合層B、第2樹脂層>
第1樹脂層(10)、混合層A(52)、金属繊維層(5)、混合層B(54)および第2樹脂層(12)について説明する。
【0026】
初めに、金属繊維層(5)を構成する金属繊維について説明する。
金属繊維は、断面の等面積円相当径が2~100μm(好ましくは5~20μm)、長さが2~20mmの金属製の繊維であることが好ましい。そして、金属繊維層(5)は、このような金属性の繊維が無数に複雑に絡み合ってシート状に構成されたもの(金属繊維シート)の一部であることが好ましい。ここで、金属繊維層(5)は通電するので、通電する程度に金属繊維同士は接している。金属繊維同士は接点においてつながっていることが好ましい。例えば高温にて焼結することで金属繊維の一部が溶けた後、凝固した履歴を有することで、金属繊維同士が接点において融着していることが好ましい。
金属繊維シートは耐熱性や耐薬品性が高いことからSUS繊維シートであることが好ましい。SUS繊維シートとして、ステンレス繊維シート(トミーファイレックSS、巴川製紙所社製)が挙げられる。
【0027】
金属繊維シートは坪量が25g/m2以上であることが好ましく、50g/m2以上であることが好ましい。また、1000g/m2以下であることが好ましく、200g/m2以下であることがより好ましい。
【0028】
金属繊維シートの厚さは10~600μmであることが好ましく、20~150μmであることがより好ましく、可撓性や強度の観点から30μm程度であることが好ましい。
【0029】
金属繊維シートの密度は1.0~5.0g/cm3であることが好ましく、1.4~2.0g/cm3であることがより好ましく、1.7g/cm3程度であることが好ましい。
【0030】
金属繊維シートは、乾式不織布の製造方法によっても、湿式抄造法によっても製造することができる。湿式抄造法によって製造する場合には、断面の等面積円相当径が2~100μm、長さが2~20mmの無数の金属性の繊維を分散媒(水や有機溶媒等)内で撹拌した後、有機系の凝集剤等を加え、角形手漉き装置(東洋精機社製)を用いてシート化し、フェロタイプの乾燥装置を用いて坪量が50~1100g/m2の乾燥シートを得る。その後、400~1300℃で焼成すると金属繊維シートが得らえる。なお、原則として、金属繊維シート内に有機系の凝集剤は残存しない。
【0031】
金属繊維の材質は、通電することで発熱するものであれば特に限定されず、ステンレスであることが好ましいが、Cu(銅)、Al(アルミニウム)、Ni(ニッケル)、ニクロムであってもよい。
【0032】
第1樹脂層(10)、混合層A(52)、金属繊維層(5)、混合層B(54)および第2樹脂層(12)の形成方法の好適例について、図3を用いて説明する。
【0033】
図3は第1樹脂剤からなる粘着シート(62)と、上記のシート状に構成された金属繊維(金属繊維シート(60))と、第2樹脂剤からなる粘着シート(64)とを示している。
【0034】
ここで第1樹脂層(10)、第2樹脂層(12)はヒートショック耐性および耐湿性等が求められる。また、第1樹脂層(10)はシート状基材(3)に強固に付くことが求められる。さらに、第2樹脂層(12)は絶縁層(7)に強固に付くことが求められる。
したがって、第1樹脂層(10)および第2樹脂層(12)は、このような性能を有する第1樹脂剤、第2樹脂剤からなることが必要となる。第1樹脂剤、第2樹脂剤として、例えばアクリル系粘着、シリコーン系粘着、NBRなどのゴム系エラストマー等、混合層を形成し得るものであれば熱硬化性タイプ、熱可塑性タイプ等、いずれのものも使用することができる。
【0035】
図3に示すように、第1樹脂剤からなる粘着シート(62)を金属繊維シート(60)の一方の主面(601)へ貼りつけて、一定の圧力を加えると、粘着シート(62)を構成する第1樹脂剤の少なくとも一部が金属繊維シート(60)の内部へ入り込む(ここで、その程度が小さくても良い。例えば、第1樹脂剤が金属繊維シート(60)の内部へわずかに食い込む程度の場合もある)。また、第2樹脂剤からなる粘着シート(64)を金属繊維シート(60)の他方の主面(603)へ貼りつけて、一定の圧力を加えると、粘着シート(64)を構成する第2樹脂剤の少なくとも一部が金属繊維シート(60)の内部へ入り込み(ここで、その程度が小さくても良い。例えば、第2樹脂剤が金属繊維シート(60)の内部へわずかに食い込む程度の場合もある)、粘着シート(62)および粘着シート(64)と金属繊維シート(60)の間に隙間が無くなる。
ここで、粘着シート(62)を構成する第1樹脂剤の一部が金属繊維シート(60)の内部へ入り込んだ部分が混合層A(52)となる(図1図2)。したがって第1樹脂層(10)と混合層A(52)とは同じ第1樹脂剤を含み、これらの層はつながっている。
また、粘着シート(64)を構成する第2樹脂剤の一部が金属繊維シート(60)の内部へ入り込んだ部分が混合層B(54)となる(図1図2)。したがって第2樹脂層(12)と混合層B(54)とは同じ第2樹脂剤を含み、これらの層はつながっている。
【0036】
そして、金属繊維シート(60)における第1樹脂剤も第2樹脂剤も入り込んでいない部分、すなわち、混合層A(52)と混合層B(54)とに挟まれている、金属繊維のみからなる部分が金属繊維層(5)となる。したがって混合層A(52)と混合層B(54)と金属繊維層(5)とは同じ金属繊維を含み、これらの層はつながっている。
【0037】
この場合、金属繊維層(5)は内部に空気を含む。また、その空気は金属繊維層(5)内から排出され難い状態となっている。金属繊維に通電して発熱させることで、金属繊維層(5)内の空気が温められ、その空気は金属繊維層(5)内に長時間留まることができるため、本発明のシート状ヒータは、均熱性が高く、電力燃費効率も高くなると推定される。
【0038】
また、金属繊維層(5)は金属繊維のみからなり、原則として、その他のものを含まない。その他のものを含まない方が、通電しやすいからである。ただし、製造工程にて混入し得るもの、例えば有機系凝集剤の残存物等が微量に含まれる場合は有り得る。このような場合であっても、金属繊維層(5)は金属繊維のみからなるものとする。
【0039】
第1樹脂層(10)、混合層A(52)、金属繊維層(5)、混合層B(54)および第2樹脂層(12)の形成方法において、上記に挙げた好適例では粘着シート(62、64)を用いたが、例えば液状の第1樹脂剤をシート状基材(3)または金属繊維シート(60)へ塗布し、塗布した第1樹脂剤からなる層をシート状基材(3)および金属繊維シート(60)によって挟み、一定の圧力を加えることで混合層A(52)および第1樹脂層(10)を形成することもできる。例えば液状の第2樹脂剤を絶縁層(7)または金属繊維シート(60)へ塗布し、塗布した第2樹脂剤からなる層を絶縁層(7)および金属繊維シート(60)によって挟み、一定の圧力を加えることで混合層B(54)および第2樹脂層(12)を形成することもできる。
【0040】
第1樹脂層(10)の厚さは特に限定されないが、5~100μmであることが好ましく、10~50μmであることがより好ましい。
【0041】
混合層A(52)の厚さは特に限定されないが、0.5~70μmであることが好ましく、1~50μmであることがより好ましい。
【0042】
金属繊維層(5)の厚さは特に限定されないが、9~590μmであることが好ましく、8~500μmであることがより好ましい。
【0043】
混合層B(54)の厚さは特に限定されないが、0.5~70μmであることが好ましく、1~50μmであることがより好ましい。
【0044】
第2樹脂層(12)の厚さは特に限定されないが、5~100μmであることが好ましく、10~50μmであることがより好ましい。
【0045】
ここで第1樹脂層(10)、混合層A(52)、金属繊維層(5)、混合層B(54)および第2樹脂層(12)の各々の厚さは、次のように求めるものとする。
本発明のシート状ヒータの主面に垂直な方向における断面の拡大写真(200倍)を得た後、その拡大写真において、各々の層の厚さを無作為に選択した100か所にて測定し、それらの単純平均値を求める。そして、得られた平均値をその層の厚さとする。
【0046】
<絶縁層>
絶縁層(7)について説明する。本発明のシート状ヒータは絶縁層(7)を備えることが好ましい。
絶縁層(7)は、その一方の主面(71)が第2樹脂層(12)に付いている。
本発明のシート状ヒータ(1)が熱拡散層(9)を備える場合において絶縁層(7)は、金属繊維層(5)と熱拡散層(9)等とを電気的に絶縁する役割を備える。したがって絶縁性が高い材質からなることが好ましい。
また、本発明のシート状ヒータ(1)が熱拡散層(9)を備えない場合、絶縁層(7)は絶縁性に加え、熱伝導を備えることが好ましい。
【0047】
絶縁層(7)の材質として、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)、PI(ポリイミド)、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、TAC(トリアセチルセルロース)、セラミック等が挙げられる。
【0048】
絶縁層(7)の厚さは特に限定されないが、15~100μmであることが好ましく、30~75mmであることがより好ましく、50μm程度であることがさらに好ましい。
【0049】
ここで絶縁層の厚さは、次のように求めるものとする。
本発明のシート状ヒータの主面に垂直な方向における断面の拡大写真(200倍)を得た後、その断面の拡大写真において絶縁層(7)の厚さを無作為に選択した100か所にて測定し、それらの単純平均値を求める。そして、得られた平均値をその絶縁層(7)の厚さとする。
【0050】
本発明のシート状ヒータ(1)が、図1に示されるような、シート状基材(3)、第1樹脂層(10)、混合層A(52)、金属繊維層(5)、混合層B(54)、第2樹脂層(12)および絶縁層(7)を備えるシート状ヒータである場合、その厚さは100~500μmであることが好ましく、150~400μmであることがより好ましい。このような厚さの場合、本発明のシート状ヒータを配管加熱用ヒータとして、より好ましく用いることができる。本発明のシート状ヒータ(1)が、図2に示されるような、シート状基材(3)、第1樹脂層(10)、混合層A(52)、金属繊維層(5)、混合層B(54)、第2樹脂層(12)、絶縁層(7)、第3接着層(14)、熱拡散層(9)および第4接着層(16)を備えるシート状ヒータである場合、その厚さは100~700μmであることが好ましく、150~600μmであることがより好ましい。このような厚さの場合、本発明のシート状ヒータを電気自動車室内用暖房ヒータとして、より好ましく用いることができる。
【0051】
本発明のシート状ヒータ(1)が、図1に示されるような、シート状基材(3)、第1樹脂層(10)、混合層A(52)、金属繊維層(5)、混合層B(54)、第2樹脂層(12)および絶縁層(7)を備えるシート状ヒータである場合、その厚さは、次のように求めるものとする。
本発明のシート状ヒータの主面に垂直な方向における断面の拡大写真(200倍)を得た後、その断面の拡大写真において本発明のシート状ヒータ(1)の厚さを無作為に選択した100か所にて測定し、それらの単純平均値を求める。そして、得られた平均値をその本発明のシート状ヒータ(1)の厚さとする。
【0052】
<第3接着層>
第3接着層(14)について説明する。本発明のシート状ヒータは第3接着層(14)を備えることが好ましい。
第3接着層(14)は、絶縁層(7)の他方の主面(72)に付いている。
本発明のシート状ヒータ(1)において第3接着層(14)は、絶縁層(7)と熱拡散層(9)を接着する役割を備える。
【0053】
第3接着層(14)の材質は、前述の第1樹脂層(10)や第2樹脂層(12)と同様であってよい。すなわち、第3接着層(14)を構成する第3接着剤は、第1樹脂剤、第2樹脂剤と同じであってよい。
【0054】
第3接着層(14)として、粘着シートを用いることができる。
【0055】
第3接着層(14)の厚さは特に限定されないが、5~100μmであることが好ましく、10~50μmであることがより好ましい。
【0056】
ここで第3接着層の厚さは、次のように求めるものとする。
本発明のシート状ヒータの主面に垂直な方向における断面の拡大写真(200倍)を得た後、その断面の拡大写真において第3接着層(14)の厚さを無作為に選択した100か所にて測定し、それらの単純平均値を求める。そして、得られた平均値をその第3接着層(14)の厚さとする。
【0057】
<熱拡散層>
熱拡散層(9)について説明する。本発明のシート状ヒータは熱拡散層(9)を備えることが好ましい。
熱拡散層(9)は、その一方の主面(91)が第3接着層(14)に付いている。
本発明のシート状ヒータ(1)において熱拡散層(9)は、金属繊維層(5)に通電することで生じた熱を拡散させる役割を備える。これによって本発明のシート状ヒータはより均熱性を備えることとなる。
【0058】
熱拡散層(9)は、その面方向の熱伝導率が、金属繊維層(5)の面方向の熱伝導率よりも高いことが好ましい。金属繊維層(5)に通電することで生じた熱を拡散させる性能がより高まるからである。
ここで熱拡散層の熱伝導率は、レーザーフラッシュ法熱拡散率測定(例えば、NETZSCH社製LFAシリーズ)、光交流法熱拡散率測定(例えば、アドバンス理工社製LaserPitシリーズ)など既知の測定方法にて常温で測定される。
【0059】
熱拡散層(9)の材質として、例えばカーボン、アルミ、銅、亜鉛、鉛、金、銀等の金属、アルミナ、窒化アルミニウム等セラミック等が挙げられる。
【0060】
前記熱拡散層がカーボンフィルムからなることが好ましい。理由は可撓性に優れ、延在方向の熱伝導率も高いからである。
【0061】
また、前記熱拡散層がカーボンフィルムからなり、金属繊維層がSUS繊維シートからなることが好ましい。長期間使用時にしばしば見られる、金属間で発現する電蝕の影響を回避できるからである。
【0062】
熱拡散層(9)の厚さは特に限定されないが、5~300μmであることが好ましく、15~200μmであることがより好ましく、200μm程度であることがさらに好ましい。
【0063】
ここで熱拡散層の厚さは、次のように求めるものとする。
本発明のシート状ヒータの主面に垂直な方向における断面の拡大写真(200倍)を得た後、その断面の拡大写真において熱拡散層(9)の厚さを無作為に選択した100か所にて測定し、それらの単純平均値を求める。そして、得られた平均値をその熱拡散層(9)の厚さとする。
【0064】
<第4接着層>
第4接着層(16)について説明する。本発明のシート状ヒータは第4接着層(16)を備えることが好ましい。
第4接着層(16)は、熱拡散層(9)の他方の主面(92)に付いている。
本発明のシート状ヒータ(1)において第4接着層(16)は、本発明のシート状ヒータ(1)を所望の箇所、例えば電気自動車の所望の箇所に接着する役割を備える。
【0065】
第4接着層(16)の材質は、前述の第1樹脂層(10)、第2樹脂層(12)または第3接着層(14)と同様であってよい。すなわち、第4接着層(16)を構成する第4接着剤は、第1樹脂剤、第2樹脂剤または第3接着剤と同じであってよい。
また、第4接着層(16)として、粘着シートを用いることができる。
【0066】
第4接着層(16)の厚さは特に限定されないが、5~100μmであることが好ましく、10~50μmであることがより好ましい。
【0067】
ここで第4接着層の厚さは、次のように求めるものとする。
本発明のシート状ヒータの主面に垂直な方向における断面の拡大写真(200倍)を得た後、その断面の拡大写真において第4接着層(16)の厚さを無作為に選択した100か所にて測定し、それらの単純平均値を求める。そして、得られた平均値をその第4接着層(16)の厚さとする。
【0068】
本発明のシート状ヒータ(1)は、第4接着層(16)における熱拡散層(9)が付いていない側の主面に、保護層を有してもよい。この場合、本発明のシート状ヒータ(1)がハンドリングしやすくなる。
例えば本発明のシート状ヒータを電気自動車の室内の暖房用ヒータと用いるために電気自動車の壁に貼りつけるときに、保護層を第4接着層(16)から剥離して第4接着層(16)を露出させる。
保護層はシート状基材(3)または絶縁層(7)と同様の材質、厚さ等のものであってよい。また、保護層は離形処理されたものであることが好ましい。
【0069】
<金属繊維層の好適態様>
金属繊維層の好適態様について、図4を用いて説明する。
図4は金属繊維層(5)の主面の好適態様を示す図(概略図)である。
なお、図1図2の金属繊維層(5)の主面の態様は、図3の金属繊維シート(60)の主面の態様と同様となる。したがって、図4は金属繊維シート(60)の主面の好適態様を示す図(概略図)と考えることもできる。
【0070】
金属繊維層(5)は、図4に示すように、通電した場合に、電気の入側(801)から出側(802)まで、幅Xが100mm以下(好ましくは50mm以下)の帯状の電気流路(80)内を通電するように、金属繊維層(5)がパターニングされていることが好ましい。幅方向の電流密度が適切な範囲内となり、その結果、適切な程度に均等に発熱できるからである。幅Xが100mmを超える場合、均熱性が高まり難いことを本願発明者は見出した。また、本願発明者は、幅Xが100mmを超える場合には、電気の入側および出側の電極を幅方向に広げることにより幅方向に掛かる電圧を一定化することで、均熱化できる幅を広げることが出来ることも見出した。
なお、帯状の電気流路(80)の幅は直線部または滑らかな曲線部の幅を意味するものとする。図4に示すように、パターニングの方法によっては、帯状の電気流路の一部の幅(電気流路が直角に曲がるような曲部の幅X'等)は100mm超となり得る。しかし、この場合であっても、帯状の電気流路の直線部の幅Xは100mm以下であるので、図4に示す金属繊維層(5)は、通電した場合に、電気の入側(81)から出側(82)まで、幅Xが100mm以下の帯状の電気流路内を通電するように金属繊維層(5)がパターニングされているものに該当するものとする。
【0071】
また、電気流路80の少なくとも一部に、通電方向(図4内の矢印の方向)に沿うスリット(803、805)が形成されていることが好ましい。さらに、電気流路の曲部に、そのスリット(805)が形成されていることが好ましい。
曲部において発現する曲部内側への電流密度の集中に対し、幅方向の電流経路を抑制することで電流密度の集中を抑え、結果として均熱性が高まるからである。
ここでスリットは孔であり、スリットの幅方向には通電しない。逆に言えば、スリットの幅は、通電しない程度であることが必要となる。
【0072】
図4に示すような金属繊維層(5)は、金属繊維シート(60)をパターニングすることで得ることができる。具体的にはファイバーレーザー、CO2レーザー、トムソン刃のような物理的切断によりパターニングすることができる。
【0073】
次に、金属繊維層の別の好適態様について、図5を用いて説明する。
図5は金属繊維層(5)の主面の好適態様を示す図(概略図)である。前述の図4の場合と同様に、図5は金属繊維シート(60)の主面の好適態様を示す図(概略図)と考えることもできる。
【0074】
図5は、帯状の金属繊維層(5)が並列に配置されている態様を示している。また、図5では帯状の金属繊維層(5)が3つ示されているが、この数は特に限定されない。
電極(804)を介して通電した場合に、電気の入側(801)から出側(802)まで、各々の帯状の電気流路(80)内を通電する。
帯状の金属繊維層(5)の幅Xは100mm以下であることが好ましく、50mm以下であることがより好ましい。幅Xが100mm以下であると均熱性が高まり易いことを本願発明者は見出した。また、本願発明者は、幅Xが100mmを超える場合には、電気の入側および出側の電極を幅方向に広げることにより幅方向に掛かる電圧を一定化することで、均熱化できる幅を広げることが出来ることも見出した。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明のシート状ヒータは電気自動車の室内の暖房用ヒータとして用いることができる。その他の用途として、フロアリングヒーターや便座ヒーター等の家庭用ヒーター、塗料やガスの配管ヒーター(配管加熱用ヒータ)等の産業用ヒーター等が挙げられる。
【符号の説明】
【0076】
1 シート状ヒータ
3 シート状基材
31 シート状基材の主面
10 第1樹脂層
5 金属繊維層
52 混合層A
54 混合層B
12 第2樹脂層
7 絶縁層
71 絶縁層の一方の主面
72 絶縁層の他方の主面
14 第3接着層
9 熱拡散層
91 熱拡散層の一方の主面
92 熱拡散層の他方の主面
16 第4接着層
60 金属繊維シート
601 金属繊維シートの一方の主面
603 金属繊維シートの他方の主面
62 粘着シート
64 粘着シート
80 帯状の電気流路
801 電気流路の入側
802 電気流路の出側
803 スリット(直線部)
804 電極
805 スリット(曲部)
X 帯状の電気流の幅
図1
図2
図3
図4
図5