(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】シャープペンシルに使用される芯
(51)【国際特許分類】
B43K 19/02 20060101AFI20240228BHJP
B43K 21/00 20060101ALI20240228BHJP
B43K 21/16 20060101ALI20240228BHJP
C09D 13/00 20060101ALI20240228BHJP
【FI】
B43K19/02 J
B43K21/00 F
B43K21/16 S
C09D13/00
(21)【出願番号】P 2023039097
(22)【出願日】2023-02-22
【審査請求日】2023-02-22
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523089379
【氏名又は名称】山下 雄太
(72)【発明者】
【氏名】山下 雄太
【審査官】藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】実公昭50-001950(JP,Y1)
【文献】特開2003-112496(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B43K 21/00-21/26
B43K 24/00-24/18
C09D 11/00-13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯の両端面に鉤型の係合部を形成することで一方の前記芯と他方の前記芯が互いに係合して相互に連結して外観視一本の芯となることを特徴とするシャープペンシル
に使用される芯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チャックの位置に関係なく、芯が短くなっても使用できるシャープペンシルに用いる芯に関する。
【背景技術】
【0002】
シャープペンシルは、芯が10~15mmくらいまで短くなると芯を固定できなくなる構造なので、短くなって書き難くなった芯を取り除いて新しい芯を出すことになり、一般的な芯の長さは6cmくらいなので、約2割が無駄になっている。
【0003】
具体的には、シャープペンシルは、芯を掴んだり送り出したりする装置(以下、チャック)とチャックが送り出した芯を受け止める装置(以下、戻り止め)を備えており、一般的なチャックの構造は、先端の開口部が3つに分かれていて、ノックをする度に開口部が開いて芯を送り出し、その時以外は、開口部は閉じて芯を固定している。
【0004】
この2つの装置(チャックと戻り止め)は離さざるをえないので、芯が短くなると、チャックで掴むことができなくなり、芯は、戻り止めだけで支えられた状態になる。
【0005】
このように、一般的なシャープペンシルでは、芯はチャックが掴むことでしっかりと固定され、更に、チャックが動いて送り出した芯を先端側の戻り止めが受け止めて支えている。
【0006】
そして、後端側をノックすることでチャックが動き、芯を送り出すが、チャックが掴めないほど短くなった芯は、チャックによって固定されず、しかし、チャックには次の芯がしっかりと固定されているので、次の芯によって押されるようになる。
【0007】
このような状態でも文字等を書けなくはないが、芯がクルクル回転したり飛び出したりして書き難いので、この短くなった芯を取り除き、次の芯を出すことになるため、取り除いた短くなった芯は、活用されず無駄になる。
【0008】
更に、チャックと戻り止めが離れているため、両装置の間にスペースができ、そのスペースで短くなった芯を次の芯が押すので、お互いの先端だけで接した状態になり、短くなった芯を使い続けたとしても、お互いの軸がぴったりと合っていなければ、力が一点に集中しないため、このスペースで芯が折れることもある。
【0009】
そこで、この短くなった芯を有効に使えるようにできたら、芯の無駄が減りエコにつながると考えられる技術が先行技術として開示されている。
【0010】
例えば、残芯の長短は、チャックと戻り止めの距離に起因するため、チャックの位置やチャックが動くためのスペースといったシャープペンシルの構造に関する技術として特許文献1に記載のように、チャックをシャープペンシルの筆先により近づける構造が開示されている。
【0011】
また、特許文献2には、残芯を減らすための芯の構造に関する技術として接着剤を使用したものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】特開2002-301894号公報
【文献】実全昭59-041580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、特許文献1に係る技術は、無駄な残芯の長さを短くできる点では優れているが、チャックが筆先付近により近づくため、構造が複雑になり、故障の原因になりかねず、しかも、筆先近くにチャックがあることで、筆先が太くなってしまうという問題を有している。
【0014】
また、特許文献2に係る技術は、接着剤を使用するものであり、現実的な解決策とは言い難いものである。
【0015】
なお、一般的な芯は、単に細長い円柱状の形をしているので、短くなった芯は、チャックによって固定されなくなり、書こうとしてもクルクル回って書き難くなるという問題も有している。
【0016】
このように、現状ではシャープペンシルや芯の構造において、芯が短くなっても使用できるような容易な構造がない。
【0017】
本発明は、チャックの位置に関係なく、芯が短くなっても使用できるシャープペンシルに用いる芯を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
以上のような目的を達成するために、本発明は以下の技術を提供する。
【0022】
請求項1に係る発明では、芯の両端面に鉤型の係合部を形成することで一方の前記芯と他方の前記芯が互いに係合して相互に連結して外観視一本の芯となることを特徴とするシャープペンシルに使用される芯を提供する。
【発明の効果】
【0027】
請求項1記載の発明によれば、芯の両端面に鉤型の係合部を形成することで一方の芯と他方の芯が互いに係合して相互に連結して外観視一本の芯となることより、後方の芯はチャックによって固定されているので、短くなった前方の芯を回転できなくすることができるばかりでなく、飛び出し防止にも対応できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の実施形態のシャープペンシルの断面図である。
【
図2】本発明の実施形態のシャープペンシルの連続パイプに芯が挿通された様子を示す断面図である。
【
図3】
図2に示した芯を繰り出す様子を示した断面図である。
【
図4】本発明の実施形態のシャープペンシルの連続パイプに芯が挿通された様子を示す断面図である。
【
図5】本発明の実施形態のシャープペンシルの連続パイプに芯が挿通された様子を示す断面図である。
【
図6】本発明の実施形態のシャープペンシルの連続パイプを示す斜視図である。
【
図7】本発明の実施形態のシャープペンシルのチャックを示す斜視図である。
【
図8】連続パイプの外側にチャックを囲繞して把持開口に把持突起が挿通された様子を示す斜視図である。
【
図10】凹凸芯どうしが嵌合した様子を示す斜視図である。
【
図11】本発明の実施形態の凹凸鉤型芯の斜視図である。
【
図12】凹凸鉤型芯どうしが係合した様子を示す斜視図である。
【
図13】凹凸鉤型芯の係合部の長さを示す側面図である。
【
図14】凹凸鉤型芯の係合部の端面に形成した湾曲部を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明に係るシャープペンシルの要旨は、本体の後方に芯タンクを備え、内部において軸心方向への前後動作に連動したチャックが芯の把持と解除を行なうことで前方から芯を繰り出すシャープペンシルであって、芯が挿通される筒状で両端開口の連続パイプを軸心方向に沿って本体の先端近傍から少なくともチャックまでの間において本体の内部に固設し、連続パイプは、中途部の側面に開口からなる把持開口を複数形成し、チャックは、連続パイプをスライド自在に囲繞すると共に先端側の内側壁には把持開口に伸延して芯と当接可能な把持突起を形成したことを特徴とする。すなわち、芯が短くなり、チャックによって掴めなくなっても、芯は連続パイプの中にしっかりと納まっているので、次の芯の押す力をブレることなく確実に短くなった芯に伝えることができるシャープペンシル、及び当該シャープペンシルに使用することで更に大きな効果を奏することができる芯の提供を図ろうとするものである。
【0031】
以下、本発明に係るシャープペンシル1と芯3の一実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本説明中の「軸心方向」とは、シャープペンシル1の長手方向の中心を通る軸線の方向である。
【0032】
本発明の実施形態に係るシャープペンシル1は、
図1~
図5(全て後端側を割愛した断面図であり、チャック5に形成された把持突起7が芯3を把持することが理解し易いように把持突起7の部分のみ角度を変えて便宜上の断面として表現している。)に示すように、本体1aの後方に芯タンク13を備え、内部において軸心方向への前後動作に連動したチャック5が芯3の把持と解除を行なうことで前方から芯3を繰り出すシャープペンシル1であって、芯3が挿通される筒状で両端開口の連続パイプ4を軸心方向に沿って本体1aの先端近傍から少なくともチャック5までの間において本体1aの内部に固設し、連続パイプ4は、中途部の側面に開口からなる把持開口6を複数形成し、チャック5は、連続パイプ4をスライド自在に囲繞すると共に先端側の内側壁には把持開口6に伸延して芯3と当接可能な把持突起7を形成している。
【0033】
また、連続パイプ4の把持開口6は、チャック5が芯3の把持と解除を可能とする程度の長さで軸心方向に沿って穿設すると共に、軸心周りに各々均等な角度で三箇所配設し、チャック5は、軸心方向と直交方向から均等な角度で三方向から連続パイプ4を囲繞する三つのチャック片5aからなると共に、各チャック片5aには把持突起7を形成している。
【0034】
更に、連続パイプ4の後端側の開口は、芯タンク13と連通して形成している。
【0035】
なお、連続パイプ4の筆先側には従来のシャープペンシルが備える戻り止め2を形成している。
【0036】
このような構成により、芯3が短くなり、チャック5によって掴めなくなっても、芯3は連続パイプ4の中にしっかりと納まっているので、次の芯3‘の押す力をブレることなく確実に短くなった芯3に伝えることができるのである。
【0037】
以下、図面を参照しながら具体的に詳述するが、
図1~
図5に示した断面図は、バネ11(とチャック5の一部)を除きシャープペンシル1の軸心周りに回転させることで各々の部位の外形が出現するものである。
【0038】
本実施形態に係るシャープペンシル1の本体1aは、
図1に示すように先端に戻り止め2を配設した先端先鋭の略円柱状に形成し、後端には図示しないノックボタンを備え、ノックボタンは、本体1aの内部に配設された押込み部12と係合して押込み部12の前後動作を操作自在に形成している。
【0039】
戻り止め2は、芯3の直径に略合致した内径の挿通孔を形成した円筒状で、本体1aの内部において軸心方向に固設された連続パイプ4の先端に連通連接している。
【0040】
なお、戻り止め2の位置は必ずしも本体1aの先端に配設する必要はないが、連続パイプ4の先端に配設することが望ましい。
【0041】
連続パイプ4は、芯3がスムーズに挿通される程度の内径を有する長尺で両端開口の円筒状で中途部の側面に開口からなる把持開口6を複数形成している。
【0042】
具体的には、
図6に示すように、連続パイプ4の把持開口6は、チャック5が芯3の把持と解除を可能とする程度の長さで軸心方向に沿って穿設すると共に、軸心周りに各々均等な角度で三箇所形成している。
【0043】
なお、連続パイプ4の材質は軽量化のために合成樹脂材料が望ましいが、金属製であっても構わない。
【0044】
内部に固設した連続パイプ4の周縁には、摺動室14となる複数の空間を有し、本体1aの先端側には、動作室15と規制室16を形成し、規制室16の後方にはスライド室17と付勢室18を形成している。
【0045】
動作室15は、軸心周りに円柱状の空間で連続パイプ4の把持開口6が内部で露出し、規制室16は、動作室15の内径よりも大径で、軸心周りに円柱状の空間で連続パイプ4の把持開口6の後端側が前方で露出している。
【0046】
また、規制室16には、連続パイプ4をスライド自在に囲繞するチャック5の先端側と、そのチャック5を囲繞するチャックリング10を配設している。
【0047】
チャック5は、
図1、
図7、
図8に示すように、軸心方向と直交方向から均等な角度で三方向から連続パイプ4を囲繞する三つのチャック片5aからなり、先端側の外形は外側に傾斜して拡開しつつ内側壁には把持開口6に伸延して芯3と当接可能な把持突起7を形成している
【0048】
また、三つのチャック片5aで構成したチャック5の拡開した先端側は、動作室15に進出可能な外径に形成すると共に、各チャック片5aは外側に開くような付勢力が生じるよう形成している。
【0049】
なお、チャック5の材質は軽量化のために合成樹脂材料が望ましいが、金属製であっても構わない。
【0050】
チャックリング10は、有底円筒状で底部には規制室16の連続パイプ4を囲繞するチャック5が挿通する挿通孔を形成すると共に、チャック5の拡開する先端側の箇所が前方の開口と当接して各チャック片5aが外側に開こうとする動きを規制している。
【0051】
また、チャックリング10は、規制室16において若干の前後動作を可能とするよう形成しており、具体的には、チャックリング10の外径を規制室16の内径よりも若干だけ小さく形成すると共に、チャックリング10の高さを規制室16の高さよりも若干だけ低く形成し、更にチャックリング10の前方の開口端が規制室16と動作室15の段差部分と当接するよう形成している。
【0052】
なお、チャックリング10の材質は軽量化のために合成樹脂材料が望ましいが、金属製であっても構わない。
【0053】
このように、摺動室14(動作室15と規制室16)と連続パイプ4、チャック5、及びチャックリング10を形成することで、本体1aの後端側の芯タンク13から連続パイプ4内に挿通された芯3は、
図2に示すように、連続パイプ4の把持開口6に外方から挿通されるチャック片5aの把持突起7が芯3を均等な三方向から把持することができる。
【0054】
更に、
図3に示すように、図示しない後端側のノックボタンを押すことでノックボタンと係合した後述する押込み部12が把持開口6の範囲内でチャック5を動作室15に前進させ、芯3を把持したチャック5が芯3を前方に繰り出しつつチャック片5aが動作室15の内壁に向かって開き、芯3の把持が解除される。
【0055】
このような動作を繰り返すことで芯3を前方に繰り出すことが可能となるが、これは、以下の構成による。
【0056】
規制室16の後方には、
図1に示すように、摺動室14を構成する別途のスライド室17と付勢室18を有しており、スライド室17は、チャック5の後端側を囲繞して係合する押込み部12の先端側の外径よりも若干だけ大きな内径の円柱状の空間で、付勢室18は、その後方に連通し、押込み部12の中途部に遊挿されるバネ11の外径よりも若干だけ大きな内径の円柱状の空間に形成している。
【0057】
すなわち、スライド室17の内径は付勢室18の内径よりも小さく形成されている。
【0058】
押込み部12は、円筒状の前半部と、前半部よりも大きな外径の円筒状の後半部で構成し、後半部には芯タンク13を形成している。
【0059】
なお、押込み部12の材質は軽量化のために合成樹脂材料が望ましいが、金属製であっても構わない。
【0060】
また、前半部の前方の内周壁でチャック5の後端側を囲繞して係合し、その後方の内周壁で連続パイプ4の後端側をスライド自在に囲繞するよう前半部の内周壁に段差を形成している。
【0061】
そして、前半部をなす押込み部12の中途部に遊挿されるバネ11は、スライド室17と付勢室18が連通する箇所の段差にバネ11の前方が当接し、前半部と後半部の連接する箇所(芯タンク13)にバネ11の後方が当接することでバネ11を付勢室18内に留めることができる。
【0062】
以上のような構成により、
図3に示すように、ノックボタンを押すことでノックボタンと係合する押込み部12がバネ11の付勢力に抗してチャック5を動作室15に前進させ、芯3を把持したチャック5が芯3を前方に繰り出しつつ各チャック片5aが動作室15の内壁に向かって開き、芯3の把持が解除される。
【0063】
そして、バネ11の付勢力でチャック5と係合する押込み部12が後方に戻り、同時に各チャック片5aも規制室16に戻ることで一回の繰り出し操作が完了する。
【0064】
このような動作を繰り返すことで、
図4に示すように、本体1aの前方の戻り止め2から突出した使用可能な芯3の後端部と、チャック5で把持された予備の芯3‘の前端部が連続パイプ4の内部で当接して仮想的に一本の芯の如く作用し、芯同士がブレることなく筆記することができる。
【0065】
これは、
図5に示すように、前方の芯3が短くなった場合でも、後方の予備の芯3‘がしっかりとチャック5によって把持されていることから力強く筆記することを可能とする。
【0066】
次に、本発明の実施形態に係る芯は、
図9~
図14に示すように、芯の両端面に凹凸形状の係合部8を形成することで一方の芯と他方の芯が互いに嵌合、又は係合して外観視一本の芯となるよう形成した凹凸芯3aと凹凸鉤型芯3bである。
【0067】
具体的には、
図9に示した凹凸芯3aは、半円の切り込み段差(凹凸部8a)からなる係合部8を形成したもので、
図10は、凹凸芯3a,3a‘どうしが篏合した様子を示している。
【0068】
このように構成することで、凹凸芯3aが短くなってチャック5に掴まれなくなってもチャック5で把持され固定された後方の凹凸芯3a‘と篏合する前方の短い凹凸芯3aは回転せず安定して筆記することができる。
【0069】
また、
図11に示した凹凸鉤型芯3bは、更に半円の切り込み段差(凹凸部8a)に加え、凹凸鉤型芯3bどうしが一旦係合したら外れないように引っ掛け(凹凸鉤型部8b)となる係合部8を鉤型に形成することで、
図12に示すように、一方の凹凸鉤型芯3bと他方の凹凸鉤型芯3b‘が互いに係合して相互に連結するよう構成している。
【0070】
このように構成することで、回転ばかりか、凹凸鉤型芯3bと凹凸鉤型芯3b‘がしっかりと噛み合うことによって、略固定できるようになる。
【0071】
従って、本発明に係るシャープペンシル1や芯3,(3a,3b)により、芯3,(3a,3b)がチャック5に掴まれないほど短くなっても書き続けることができる。
【0072】
なお、
図13に示す長さtは、凹凸鉤型芯3bの両端に切り込み段差からなる係合部8(8b)を形成するために必要となる長さであり、2mm程度あれば充分である。
【0073】
また、
図14は、凹凸鉤型芯3bどうしがスムーズに係合できるように、凹凸鉤型芯3bの両端面に丸みからなる湾曲部9を形成したものである。
【0074】
なお、本実施形態に係る凹凸芯3a、凹凸鉤型芯3bは、本実施形態に係るシャープペンシル1に使用することで更なる十分な効果を発揮するが、他のシャープペンシルに使用することも可能であることは言うまでもない。
【0075】
以上、説明したように本実施形態に係るシャープペンシル1は本体1aの後方に芯タンク13を備え、内部において軸心方向への前後動作に連動したチャック5が芯3の把持と解除を行なうことで前方から芯3を繰り出すシャープペンシル1であって、芯3が挿通される筒状で両端開口の連続パイプ4を軸心方向に沿って本体1aの先端近傍から少なくともチャック5までの間において本体1aの内部に固設し、連続パイプ4は、中途部の側面に開口からなる把持開口6を複数形成し、チャック5は、連続パイプ4をスライド自在に囲繞すると共に先端側の内側壁には把持開口6に伸延して芯3と当接可能な把持突起7を形成したことより、短くなった芯3と次の芯3‘の軸をブレさせないように出来るため、芯3が短くなり、チャック5によって掴めなくなっても、芯3は連続パイプ4の中にしっかりと納まっているので、次の芯3‘の押す力をブレることなく確実に短くなった芯3に伝えることができる。
【0076】
また、連続パイプ4の把持開口6は、チャック5が芯3の把持と解除を可能とする程度の長さで軸心方向に沿って穿設すると共に、軸心周りに各々均等な角度で三箇所配設し、チャック5は、軸心方向と直交方向から均等な角度で三方向から連続パイプ4を囲繞する三つのチャック片5aからなると共に、各チャック片5aには把持突起7を形成したことより、芯3が挿通された連続パイプ4の把持開口6にチャック5に形成された把持突起7が芯を三方向から把持して芯3を固定することができる。
【0077】
また、連続パイプ4の後端側の開口は、芯タンク13と連通していることより、連続パイプ4内の前方の芯3が繰出されることで芯タンク13にストックされた予備の芯3‘をスムーズに連続パイプ4内に導出させることができる。
【0078】
また、本実施形態に係る凹凸芯3a、芯の両端面に凹凸形状の係合部8(8a)を形成することで一方の凹凸芯3aと他方の凹凸芯3a‘が互いに嵌合して外観視一本の芯となることより、後方の凹凸芯3a’はチャック5によって固定されているので、短くなった前方の凹凸芯3aを回転できなくすることができる。
【0079】
しかも、係合部8(8b)を鉤型に形成することで一方の凹凸鉤型芯3bと他方の凹凸鉤型芯3b‘が互いに係合して相互に連結することより、短くなった凹凸鉤型芯3bの回転防止ばかりでなく、飛び出し防止にも対応できるようになる。
【0080】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0081】
1 シャープペンシル
1a 本体
2 戻り止め
3 芯
3‘ 予備の芯
3a 凹凸芯
3b 凹凸鉤型芯
4 連続パイプ
5 チャック
6 把持開口
7 把持突起
8 係合部
8a 凹凸部
8b 凹凸鉤型部
9 湾曲部
10 チャックリング
11 バネ
12 押込み部
13 芯タンク
14 摺動室
15 動作室
16 規制室
17 スライド室
18 付勢室
【要約】
【課題】
芯が短くなっても使用できるシャープペンシル
に用いる芯を提供する。
【解決手段】本発明に係るシャープペンシル
に使用される芯3bは、芯3bの両端面に鉤型の係合部8bを形成することで一方の芯と他方の芯が互いに係合して相互に連結して外観視一本の芯となることを特徴とする。
【選択図】
図11