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特許7445062単体で動力と発電を同時に行う機能を持つ電動モータ
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  • 特許-単体で動力と発電を同時に行う機能を持つ電動モータ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】単体で動力と発電を同時に行う機能を持つ電動モータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 21/14 20060101AFI20240228BHJP
   H02P 25/16 20060101ALI20240228BHJP
   H02K 47/04 20060101ALN20240228BHJP
   H02K 47/20 20060101ALN20240228BHJP
【FI】
H02K21/14 M
H02P25/16
H02K47/04
H02K47/20
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2023105491
(22)【出願日】2023-06-08
【審査請求日】2023-06-08
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513035520
【氏名又は名称】齋藤 正成
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 正成
【審査官】稲葉 礼子
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-073467(JP,A)
【文献】特開2011-109855(JP,A)
【文献】特開2001-173652(JP,A)
【文献】特開2008-259303(JP,A)
【文献】国際公開第2022/113405(WO,A1)
【文献】特開平07-079553(JP,A)
【文献】国際公開第2016/103740(WO,A1)
【文献】特開2020-162350(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 21/14
H02P 25/16
H02K 47/04
H02K 47/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータに永久磁石、ステータに有芯コイルを持つ電動モータにあって,前記ステータの同心円上に等間隔で同形の前記有芯コイルを複数配列し、その有芯コイルごとにグループを分け、そのグループごとに外部端子を設け、その端子ごとに、動力、または発電を行い、動力のグループの数と発電のグループの数の比率を変えて、動力だけ、動力と発電を同時、または発電だけと制御する機能を持つことを特徴とする電動モータ。
【請求項2】
前記ロータの前記永久磁石と、前記ステータの前記有芯コイルとが,近接して対峙する方向で発生する引力の抵抗を抑えるために、前記ロータ側とステータ側とに、同極が、向き合い斥力を生むように配置する斥力装置を有することを特徴とする、請求項1に記載の電動モータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単体で、動力と発電を同時に行う機能を持つ電動モータに関する分野。
【背景技術】
【0002】
電動モータの最大出力は、起動時や加速時に多く発生するが、それ以外で最大出力を出す機会は少なく、また減速時やブレーキ時に回生エネルギーを作るもの、或いは複数の電動モータを連ねるものや、動力と発電を交互に切り替える省電力対策の提案はある。
【先行技術文献】
【0003】
ところで、特許文献1には、単体で電動モータの特性を生かした回生エネルギーの利用が提案され、斥力による省電力対策が提案されている。
【特許文献】
【0004】
【文献】特開 2008-44409 公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電動モータの最大出力は、起動時や加速時に多く利用されるが、最も長い負荷変動幅が小さく安定時の省電力対策に、単体で動力と発電を交互に行う装置はあるが、効果は小さい。
【発明を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するために、下記の電動モータを提案する。
(1)ロータに永久磁石、ステータに有芯コイルを持つ電動モータにあって、前記ステータの同心円上に等間隔で同形の前記有芯コイルを複数配列し、その有芯コイルごとに分け、そのグループごとに外部端子を設け、その外部端子ごとに、動力または発電を行い、動力のグループの数と発電のグループの数を変えて、動力だけ、動力と発電を同時、または発電だけと制御する機能を持つことを特徴とする電動モータ。
(2)前記ロータの前記永久磁石と前記ステータの前記有芯コイルとが、近接して対峙する方向で発生する引力の抵抗を抑えるために、前記ロータ側とス前記テータ側とに斥力用磁石の同極が向き合うように、それぞれ配置する斥力装置を有することを特徴とする(1)電動モータ。
【発明の効果】
【0007】
本発明の電動モータは、単体で動力と発電を同時に行い、未活用領域のエネルギーを利用する省電力を提案する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一般的インナーロータ型電動モータの模式立断面図です。
図2図1に、斥力装置を組み込んだ立断面図です。
図3図1のインナーロータ型モータのステータの展開図です。
図4】アキシャル型モータのステータの展開図です。
図5】電動モータの負荷の変化と、活用、未活用領域を表わす図です。
図6】本発明と比較例を単純化した比較表です。
図7】各点での発電用と、動力用の数の変化を表す図です。
図8図3のモータのステータに斥力装置を付け加えた展開図です。
図9図2のステータの展開図です。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照に説明する。
【0010】
図1は一般的インナーロータ型電動モータを模式化した立断面図で、回転軸1に、円盤型ロータ4に配置する永久磁石5を、ベアリング2を介して回転させ、ステータ3の有芯コイル6に磁力線を作用させ、動力を働かすか、電気を作るか、または動力と発電を同時に得るための電動モータで、図2図1のインナーロータ型の例に斥力用磁石7を追加した図で、ステータ3の磁石7とロータの磁石7とは斥力を作るために同極が向き合うようになっています。
【0011】
図3はインナーロータ型電動モータのステータに、簡略的配線9を記し、均衡に配慮の上配置した有芯コイル6a3個を1組のグループとし、その他3グループb,c,dもaと同様に組み込んだ計4組のグループを外部端子8で制御し、動力または発電、あるいは、単体で動力と発電を同時に行うための電動モータの、模式展開図で、図4はアキシャル型電動モータの有芯コイルを、均衡を配慮の上e,f,gの3組のグループに分け、図3と同じ働きをする電動モータのステータの模式展開図です。
【0012】
図5の曲線図は車や自転車などの行動を時系列で表す図で、モータの、負荷変動に対応する仕事量を簡略的に表したもので、最大出力を初期のA区間で10pとし、次にB区間で3.7pまで減速し5.0pとなり平常運転をし、最後のC区間で停止するまでを表す模式図で、通常利用される下部の井形の波線部分のエネルギー活用領域と、本発明が利用する上部の未活用領域を波線の斜線で表した図で、稼働時間軸上にある間隔の異なる短線は、A区間C区間では時間を拡大し、B区間では短縮し時間の流れが均一でないことを確認し、x,y,zについては図6で説明します。
【0013】
図6図5の引用文献1の比較例を参考に、速度の変化点を直線で結びその概算運動量を、電動自転車等の、負荷トルクに伴う出力の変化を時系列で表現すもので、
【0014】
有芯コイルを4組のグループとし、x点の必要動力は5.0p以上7.5p以下なので有芯コイルグループの4分の3の3組のグループを動力用とし、残りの4分の1の1組を発電用とし、y点では最大出力10pの半分の5.0pを、2組の有芯コイルを用いて動力を賄い、残りの2組のグループは発電用に、z点のトルクは2.5pなので、4分の1の1組を動力用とし、残り3組のグループは発電用とし、
最後に各変化点の概算運動量を合計した表です。
【0015】
以上のことから、各ポイントの数字を引用文献1の比較例は、合計が±0であるのに対し、本発明は+35pとなり、又通常では一瞬に起こるC区間の回生エネルギーや、動力と発電を交互に繰り返す従来形式より、稼働時間の長いB区間で、動力と発電を同時に行う本発明の方が省電力効果が高い。
【0017】
図7図6の比較例を、有芯コイルグループの組数がトルクの変化で用途を変える状況を表すもので、4組のグループの装置では、A区間の最大トルクを必要とする場合4組のグループ全てを動力用とし、x点は、3組のグループを動力用とし、残り1組を発電用に、y点では2組のグループを動力用とし残りの2組のグループは発電用にし、z点では1組のグループを動力用に残り3組は発電用に、C区間では、全てで回生エネルギーを作る発電用とすることを○印を1グループとして表すもので、3グループの欄は参考例です。
【0018】
図8図1及び図3のインナーロータ型の電動モータの模式図の中に,特許文献2の斥力用磁石を組み込んだステータの展開図で、鉄心がなく引力の抵抗がないコアレスモータの長所を保持しながら、その短所を補完し、コアレスモータの不得意な分野に利用でき、ポテンシャルが低く利用価値が小さい、人力や中小河川のエネルギー利用の見直しや、外部電力への依存が減り効率の良い点で好ましい。
【符合の説明】
【0019】
1 … 回転軸
2 … ベアリング
3 … ステータ
4 … ロータ
5 … 永久磁石
6 … 有芯コイル
6a… 有芯コイル
6b,6c,6d,6e,6f,6g,6h,6i,6j … 有芯コイル
7 … 斥力用磁石
8 … 端子
9 … 配線経路
【要約】
【課題】電力モータの基本特性は、単体で動力と発電を同時に行うことはできず、同時に行う場合は、動力用発電用を別々に備える必要があるが、効果は希薄で実用用化は進まず、更に、電動モータの省電力に対する利用方法は回生エネルギー以外は見当たらず、本来電動モータの持つ、省電力の能力は充分生かされていない。
【解決手段】 電動モータ内部の有芯コイルを複数のグループに分け、そのグループを必要に応じて制御し、電動用と発電用に使い分け、既利用の回生エネルギーと未利用領域を利用する発電をし省電力の向上を推進する。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9