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特許7445069太陽光発電モジュール及びその製造プロセス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】太陽光発電モジュール及びその製造プロセス
(51)【国際特許分類】
   H02S 40/34 20140101AFI20240228BHJP
   B23K 26/03 20060101ALI20240228BHJP
   B23K 26/21 20140101ALI20240228BHJP
   H01R 4/02 20060101ALI20240228BHJP
   H01R 43/02 20060101ALI20240228BHJP
【FI】
H02S40/34
B23K26/03
B23K26/21 L
H01R4/02 C
H01R43/02 B
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2023144691
(22)【出願日】2023-09-06
(62)【分割の表示】P 2022189426の分割
【原出願日】2022-11-28
【審査請求日】2023-09-07
(31)【優先権主張番号】202211320245.3
(32)【優先日】2022-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521376620
【氏名又は名称】上海晶科緑能企業管理有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】519095522
【氏名又は名称】ジョジアン ジンコ ソーラー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100104134
【弁理士】
【氏名又は名称】住友 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100156225
【弁理士】
【氏名又は名称】浦 重剛
(74)【代理人】
【識別番号】100168549
【弁理士】
【氏名又は名称】苗村 潤
(74)【代理人】
【識別番号】100200403
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 幸信
(72)【発明者】
【氏名】ジーチウ グオ
(72)【発明者】
【氏名】イードン フー
(72)【発明者】
【氏名】イーチャオ ヤオ
【審査官】桂城 厚
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第114039260(CN,A)
【文献】特開平8-118012(JP,A)
【文献】特開2010-153784(JP,A)
【文献】特開2015-35436(JP,A)
【文献】中国実用新案第210839471(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第104485884(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第102646741(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02S 40/34
H01L 31/04-31/078
H01L 31/18-31/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バスバー(116)を有する積層体(110)と、前記積層体(110)の表面に設けられ、パッド(121)を有する接続箱(120)とを含む太陽光発電モジュール(10)であって、
前記バスバー(116)と前記パッド(121)は、溶接により接続され、
前記バスバー(116)と前記パッド(121)は、同じ材質を採用し、
前記パッド(121)は、第1領域及び第2領域を有し、前記パッド(121)における前記バスバー(116)により覆われた領域は、前記第1領域であり、前記パッド(121)における前記バスバー(116)により覆われない領域は、前記第2領域であり、
溶接により形成された溶接ビードは、第1溶接ビード(101)及び第2溶接ビード(102)を含み、前記第1溶接ビード(101)は、前記第1領域に位置し、前記第1溶接ビード(101)は、前記積層体(110)の厚さ方向に沿って、前記バスバー(116)を貫通して前記パッド(121)の内部に延在し、前記第2溶接ビード(102)は、前記第2領域に位置し、前記第2溶接ビード(102)は、前記積層体(110)の厚さ方向に沿って、前記パッド(121)の内部に直接的に延在する、ことを特徴とする太陽光発電モジュール。
【請求項2】
前記溶接ビードは、第3溶接ビードをさらに含み、前記第3溶接ビードは、一部が前記第1領域に位置し、他の一部が前記第2領域に位置し、
前記積層体(110)の厚さ方向に沿って、前記第3溶接ビードは、前記第1領域に位置する部分が前記バスバー(116)を貫通して前記パッド(121)の内部に延在し、前記第2領域に位置する部分が前記パッド(121)の内部に直接的に延在する、ことを特徴とする請求項1に記載の太陽光発電モジュール。
【請求項3】
前記パッド(121)には少なくとも6本の前記溶接ビードを有する、ことを特徴とする請求項2に記載の太陽光発電モジュール。
【請求項4】
前記第1溶接ビード(101)の数と前記第3溶接ビードの数との和は、3本以上である、ことを特徴とする請求項2に記載の太陽光発電モジュール。
【請求項5】
前記積層体(110)の厚さ方向に沿って、前記第3溶接ビードの前記第1領域に位置する部分の前記パッド(121)内における延在深さと前記パッド(121)の厚さとの比n1は、5%≦n1≦60%を満たし、及び/又は、前記第3溶接ビードの前記第2領域に位置する部分の前記パッド(121)内における延在深さと前記パッド(121)の厚さとの比n2は、40%≦n2≦80%を満たす、ことを特徴とする請求項2に記載の太陽光発電モジュール。
【請求項6】
前記積層体(110)の厚さ方向に沿って、前記第1溶接ビード(101)の前記パッド(121)内における延在深さと前記パッド(121)の厚さとの比n1は、5%≦n1≦60%を満たし、及び/又は、
前記第2溶接ビード(102)の前記パッド(121)内における延在深さと前記パッド(121)の厚さとの比n2は、40%≦n2≦80%を満たす、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の太陽光発電モジュール。
【請求項7】
前記バスバー(116)の幅をL1とし、前記パッド(121)の幅をL2としたとき、0.2≦L1/L2≦0.8を満たす、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の太陽光発電モジュール。
【請求項8】
太陽光発電モジュールの製造プロセスであって、
太陽光発電モジュール(10)は、バスバー(116)を有する積層体(110)と、パッド(121)を有する接続箱(120)とを含み、
前記バスバー(116)と前記パッド(121)は、同じ材質を採用し、
前記太陽光発電モジュールの製造プロセスは、
前記積層体(110)を提供するステップと、
前記接続箱(120)を前記積層体(110)に設けて、前記積層体(110)の前記バスバー(116)を前記接続箱(120)内に挿入させるステップと
前記バスバー(116)を前記接続箱(120)内の前記パッド(121)に押し付けるステップと、
レーザヘッド(40)を用いて前記バスバー(116)と前記パッド(121)とをレーザ溶接し、かつ溶接後に形成された第1溶接ビード(101)が前記バスバー(116)を貫通して前記パッド(121)の内部に延在し、第2溶接ビード(102)が前記パッド(121)の内部に直接的に延在するステップと、を含む、ことを特徴とする太陽光発電モジュールの製造プロセス。
【請求項9】
前記バスバー(116)を前記接続箱(120)内の前記パッド(121)に押し付ける前に、前記パッド(121)の位置を取得するステップを含む、ことを特徴とする請求項8に記載の太陽光発電モジュールの製造プロセス。
【請求項10】
前記パッド(121)の位置を取得するステップは、
前記接続箱(120)を撮影することと、
撮影結果に基づいて前記パッド(121)の位置を取得することとを含む、ことを特徴とする請求項9に記載の太陽光発電モジュールの製造プロセス。
【請求項11】
レーザヘッド(40)を用いて前記バスバー(116)と前記パッド(121)とをレーザ溶接した後、前記第1溶接ビード(101)を視覚的に検出するステップを含む、ことを特徴とする請求項8に記載の太陽光発電モジュールの製造プロセス。
【請求項12】
前記パッド(121)は、第1領域及び第2領域を有し、前記パッド(121)における前記バスバー(116)により覆われた領域は、前記第1領域であり、前記パッド(121)における前記バスバー(116)により覆われない領域は、前記第2領域であり、
ステップでレーザヘッド(40)を用いて前記バスバー(116)と前記パッド(121)とをレーザ溶接するとき、前記レーザヘッド(40)は、前記第1領域と前記第2領域にレーザ光を放射する、ことを特徴とする請求項8に記載の太陽光発電モジュールの製造プロセス。
【請求項13】
ステップでレーザヘッド(40)を用いて前記バスバー(116)と前記パッド(121)とをレーザ溶接するとき、前記レーザヘッド(40)から発射されたレーザ光のパワーPは、550W≦P≦750Wを満たし、前記レーザヘッド(40)の溶接速度vは、60mm/s≦v≦100mm/sを満たす、ことを特徴とする請求項8に記載の太陽光発電モジュールの製造プロセス。
【請求項14】
前記第1溶接ビード(101)を視覚的に検出するステップは、
前記バスバー(116)を撮影することと、
前記バスバー(116)における溶接ビードの幅dが0.3mm≦d≦0.4mmを満たすか否かを検出することとを含む、ことを特徴とする請求項11に記載の太陽光発電モジュールの製造プロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、太陽光発電製品の技術分野に関し、特に太陽光発電モジュール及びその製造プロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
接続箱は、太陽光発電モジュールが外部に電圧出力を行うための重要な接続装置である。実際の応用において、バスバーにより積層体の電極を接続箱内のパッドに電気的に接続する必要がある。従来の技術において、バスバーは、一般的に、例えば熱圧着などの溶接の態様を採用して接続箱内のパッドに固定接続される。一方では、溶接は、半田を準備して半田を溶融する必要があり、加工操作が複雑であり、他方では、半田の融点は、バスバーやパッドの融点と異なるため、冷熱衝撃後に半田剥離が発生しやすく、バスバーとパッドの接続信頼性が低い。
【0003】
バスバーとパッドは、さらにレーザ溶接により固定接続されてもよく、レーザ溶接は、パッドとバスバーを直接溶融して溶接ビードを形成することができるため、半田を設ける必要がなくなり、かつ接続が確実であるが、レーザ溶接においても例えば溶接効率が低いという問題が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願は、太陽光発電モジュール及びその製造プロセスを提供し、当該太陽光発電モジュールは、溶接前の位置決めの難易度を低下させることにより、製造効率を向上させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の実施例は、太陽光発電モジュールを提供し、前記太陽光発電モジュールは、積層体と、接続箱とを含み、
前記積層体は、バスバーを有し、
前記接続箱は、前記積層体の表面に設けられ、前記接続箱は、パッドを有し、前記バスバーと前記パッドは、レーザ溶接により接続され、
前記パッドは、第1領域及び第2領域を有し、前記パッドにおける前記バスバーにより覆われた領域は、前記第1領域であり、前記パッドにおける前記バスバーによる覆われない領域は、前記第2領域であり、
レーザ溶接により形成された溶接ビードは、第1溶接ビード及び第2溶接ビードを含み、前記第1溶接ビードは、前記第1領域に位置し、前記第1溶接ビードは、前記積層体の厚さ方向に沿って、前記バスバーを貫通して前記パッドの内部に延在し、前記第2溶接ビードは、前記第2領域に位置し、前記第2溶接ビードは、前記積層体の厚さ方向に沿って、前記パッドの内部に直接的に延在する。
【0006】
可能な実施例において、レーザ溶接により形成された前記溶接ビードは、さらに第3溶接ビードを含み、前記第3溶接ビードは、一部が前記第1領域に位置し、他の一部が前記第2領域に位置し、
前記積層体の厚さ方向に沿って、前記第3溶接ビードは、前記第1領域に位置する部分が前記バスバーを貫通して前記パッドの内部に延在し、前記第2領域に位置する部分が前記パッドの内部に直接的に延在する。
【0007】
可能な実施例において、前記パッドには、少なくとも6本の前記溶接ビードを有する。
【0008】
可能な実施例において、前記第1溶接ビードの数と前記第3溶接ビードの数との和は、3本以上である。
【0009】
可能な設計において、前記積層体の厚さ方向に沿って、前記第3溶接ビードの前記第1領域に位置する部分の前記パッド内における延在深さと前記パッドの厚さとの比n1は、5%≦n1≦60%を満たし、及び/又は、前記第3溶接ビードの前記第2領域に位置する部分の前記パッド内における延在深さと前記パッドの厚さとの比n2は、40%≦n2≦80%を満たす。
【0010】
可能な実施例において、前記積層体の厚さ方向に沿って、前記第1溶接ビードの前記パッド内における延在深さと前記パッドの厚さとの比n1は、5%≦n1≦60%を満たし、及び/又は、
前記第2溶接ビードの前記パッド内における延在深さと前記パッドの厚さとの比n2は、40%≦n2≦80%を満たす。
【0011】
可能な実施例において、前記バスバーの幅をL1とし、前記パッドの幅をL2としたとき、0.2≦L1/L2≦0.8を満たす。
【0012】
本願の実施例は、さらに太陽光発電モジュールの製造プロセスを提供し、太陽光発電モジュールは、バスバーを有する積層体と、パッドを有する接続箱とを含み、
前記太陽光発電モジュールの製造プロセスは、
前記積層体を提供するステップと、
前記接続箱を前記積層体に設けて、前記積層体の前記バスバーを前記接続箱に挿入させるステップと、
前記パッドの位置を取得するステップと、
前記バスバーを前記接続箱内の前記パッドに押し付けるステップと、
レーザヘッドを用いて前記バスバーと前記パッドをレーザ溶接し、かつ溶接後に形成された第1溶接ビードが前記バスバーを貫通して前記パッドの内部に延在し、第2溶接ビードが前記パッドの内部に直接的に延在するステップと、
前記第1溶接ビードを視覚的に検出するステップと、を含む。
【0013】
可能な実施例において、前記パッドの位置を取得するステップは、
前記接続箱を撮影することと、
撮影結果に基づいて前記パッドの位置を取得することと、を含む。
【0014】
可能な実施例において、前記パッドは、第1領域及び第2領域を有し、前記パッドにおける前記バスバーにより覆われた領域は、前記第1領域であり、前記パッドにおける前記バスバーにより覆われない領域は、前記第2領域であり、
ステップでレーザヘッドを用いて前記バスバーと前記パッドとをレーザ溶接するときに、前記レーザヘッドは、前記第1領域及び前記第2領域へレーザ光を放射する。
【0015】
可能な実施例において、ステップでレーザヘッドを用いて前記バスバーと前記パッドとをレーザ溶接するときに、前記レーザヘッドから発射されたレーザ光のパワーPは、550W≦P≦750Wを満たし、前記レーザヘッドの溶接速度vは、60mm/s≦v≦100mm/sを満たす。
【0016】
可能な実施例において、前記第1溶接ビードを視覚的に検出するステップは、
前記バスバーを撮影することと、
前記バスバーにおける溶接ビードの幅dが、0.3mm≦d≦0.4mmを満たすか否かを検出することと、を含む。
【発明の効果】
【0017】
本願において、第1領域及び第2領域のそれぞれには溶接ビードが形成され、すなわち、バスバーとパッドとをレーザ溶接するときに、溶接領域が第1領域及び第2領域を含むため、レーザ溶接する前にバスバーの位置を正確に位置決めする必要がなく、パッドの位置のみを位置決めしてパッドにおける第1領域と第2領域をレーザ溶接すればよいので、溶接前の位置決めの難易度を低下させ、生産効率を向上させ、生産ラインの速いタクトタイムに合わせることができる。
【0018】
パッドにおける第1領域及び第2領域をレーザ溶接する際に、第1領域には、必然的に第1溶接ビードが形成され、第1溶接ビードは、バスバーを貫通してパッド121の内部へ延在することにより、バスバーとパッドの強固な接続が図られる。
【0019】
以上の一般的な説明及び後段の詳細な説明は、単に例示的なものであり、本願を限定するものではないと理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
ここでの図面は、明細書に組み込まれて本明細書の一部を構成し、本願に適合する実施例を示し、かつ明細書と共に本願の原理を説明するために用いられる。
図1】本願に提供される太陽光発電モジュールの具体的な実施例における概略構造図である。
図2】本願に提供される太陽光発電モジュールの別の具体的な実施例における概略構造図である。
図3図1における接続箱内のバスバーとパッドとの接続の概略構造図である。
図4図3における第1溶接ビード及び第2溶接ビードの概略構造図である。
図5】本願に提供される太陽光発電モジュールの構成の概略構造図である。
図6】本願における太陽光発電モジュールの製造装置の概略構造図である。
図7】本願に提供される太陽光発電モジュールの製造プロセスのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本願の技術態様をより良く理解するために、以下に図面を参照しながら本願の実施例を詳細に説明する。
【0022】
明らかなように、説明される実施例は、本願の一部の実施例だけであり、全ての実施例ではない。本願における実施例に基づいて、当業者が創造的な労力を要さずに想到し得る他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0023】
本願の実施例において使用される用語は、特定の実施例を説明することだけの目的に用いられるものであり、本願を限定することを意図するものではない。本願の実施例及び添付の特許請求の範囲に使用される単数形の「一つ」、「前記」及び「当該」は、文脈上別に解すべき場合を除き、複数形をも含むことを目的とするものである。
【0024】
本明細書で使用される用語「及び/又は」は、関連対象を説明するための関連関係だけであり、3種類の関係があり得ることを示すことが理解されるべきであり、例えば、A及び/又はBは、Aが単独で存在すること、同時にA及びBが存在すること、Bが単独で存在することという3種類の状況を示すことができる。また、本明細書における文字「/」は、一般的に前後関連対象が「又は」の関係にあることを示す。
【0025】
なお、本願の実施例に記述される「上」、「下」、「左」、「右」などの方位語は、図面に示された角度で記述されるものであり、本願の実施例を限定するものではないと理解されるべきである。また、コンテキストにおいて、一つの素子が他の素子「上」又は「下」に接続されることを言及する場合、それは他の素子「上」又は「下」に直接接続されるだけでなく、中間素子により他の素子「上」又は「下」に間接的に接続されてもよいことは理解されるべきである。
【0026】
本願の実施例は、太陽光発電モジュール10を提供し、図1及び図3に示すように、太陽光発電モジュール10は、積層体110及び接続箱120を含み、積層体110は、バスバー116を有し、接続箱120は、積層体110の表面に設けられ、接続箱120は、パッド121を有し、バスバー116とパッド121は、アーク溶接、アルゴンアーク溶接、二酸化炭素保護溶接、レーザ溶接及びエレクトロスラグ圧力溶接などを含む溶接態様により接続され、本願は、レーザ溶接による接続の態様を用いる。
【0027】
具体的には、積層体110は、太陽光の照射で電流を生成することができ、生成された電流は、バスバー116により集約されて接続箱120に輸送され、接続箱120は、まずケーブルにより他の部品に直列接続され、次に外部電気制御装置に電気的に接続され、それにより太陽光発電モジュール10から外部電気制御装置への給電が図られる。
【0028】
図5に示すように、積層体110は、順に重なるように設けられたカバープレート111、第1封止接着フィルム112、電池ストリング群113、第2封止接着フィルム114及びバックプレート115で積層して形成され、電池ストリング群113は、複数の電池セル1131を含み、バスバー116は、電池ストリング群113に電気的に接続されており、バックプレート115から通り抜けることにより、電池ストリング群113における電池セル1131の電気エネルギーを導出する。
【0029】
接続箱120は、一般的に、積層体110の背面、すなわちバックプレート115に近接する位置に設けられ、接続箱120の遮蔽により積層体110の光電変換効率が影響されることを防止する。図2に示すように、積層体110には、一つ又は複数の接続箱120を設けることができ、例えば、積層体110に設けられる接続箱120の数は、2~6個であってもよく、3個であることが好ましい。接続箱120は、積層体110の縁又は積層体110の中心に近接する内側に位置することができる。さらに、接続箱120は、積層体110の中心に近接する内側に設けられる場合、積層体110の中心線に設けられることが好ましく、さらに、積層体110の長辺の中心線に設けられることがより好ましい。
【0030】
バスバー116とパッド121とは、レーザ溶接される。レーザ溶接の過程において、レーザビームのエネルギーにより高温を生成し、バスバー116とパッド121の金属材質が溶融し、バスバー116とパッド121の金属材質を融合させ、冷却凝固した後に一体構造を形成し、それによってバスバー116とパッド121の接続が図られ、かつ接続が確実である。好ましくは、バスバー116とパッド121は、同じ材質を採用し、例えば銅金属である場合、両者間の同じ金属の間の融合性は、バスバー116とパッド121との間の接続強度をさらに向上させることができ、溶接剥離が発生しにくい。また、レーザ溶接の過程において、バスバー116とパッド121は、いずれも自身の溶融した金属により溶接ビードを生成するため、半田を設ける必要がなく、加工が容易である。
【0031】
図3に示すように、パッド121は、第1領域及び第2領域を有し、パッド121におけるバスバー116により覆われた領域は、第1領域であり、パッド121におけるバスバー116により覆われない領域は、第2領域である。レーザ溶接により形成された溶接ビードは、第1溶接ビード101及び第2溶接ビード102を含み、第1溶接ビード101は、第1領域に位置し、第1溶接ビード101は、積層体110の厚さ方向に沿って、バスバー116を貫通してパッド121の内部に延在し、第2溶接ビード102は、第2領域に位置し、第2溶接ビード102は、積層体110の厚さ方向に沿って、パッド121の内部に直接的に延在する。第2領域は、第1領域の一側にあってもよく、第2領域の両側に存在してもよい。
【0032】
本実施形態において、図3に示すように、第1領域及び第2領域にいずれも溶接ビードが形成され、すなわち、バスバー116及びパッド121をレーザ溶接するとき、溶接領域が第1領域及び第2領域を含むため、レーザ溶接する前にバスバー116の位置を正確に位置決めする必要がなく、パッド121の位置を位置決めしてパッド121における第1領域及び第2領域をレーザ溶接すればよいので、溶接前の位置決めの難易度を低下させ、生産効率を向上させ、生産ラインの速いタクトタイムに合わせることができる。
【0033】
図3及び図4に示すように、パッド121における第1領域及び第2領域をレーザ溶接する場合、第1領域には、必然的に第1溶接ビード101が形成され、第1溶接ビード101は、バスバー116を貫通してパッド121の内部に延在することにより、バスバー116とパッド121との強固な接続が図られる。
【0034】
具体的な実施形態において、レーザ溶接により形成された溶接ビードは、さらに第3溶接ビードを含み、第3溶接ビードは、一部が第1領域に位置し、他の一部が第2領域に位置する。積層体110の厚さ方向に沿って、第3溶接ビードは、第1領域に位置する部分がバスバー116を貫通してパッド121の内部に延在し、第2領域に位置する部分がパッド121の内部に直接的に延在する。
【0035】
本実施形態において、溶接ビードは、一般的にパッド121の長さ方向又は幅方向に沿って延在する。レーザ溶接の過程において、パッド121における第1領域と第2領域をいずれもレーザ溶接するため、パッド121の上方のバスバー116の延在方向は溶接ビードの延在方向と平行になる必要がなく、一部の溶接ビードはバスバー116に形成することができ、すなわち、パッド121の上方のバスバー116の延在方向は、溶接ビードの延在方向に対して傾斜することができ、それによりバスバー116をパッド121に押し潰して平坦化する難易度を低下させ、製造効率をさらに向上させることができる。具体的には、バスバー116がパッド121の長さ方向又は幅方向に対して傾斜しつつ、溶接ビードの延在方向がパッド121の幅方向又は長さ方向に対して平行である場合、溶接ビードの延在方向もバスバー116に対して傾斜し、このときにレーザ溶接によって第3溶接ビードを形成することになり、第3溶接ビードの一部が第1領域に位置し、他の部分が第2領域に位置し、すなわち、積層体110の厚さ方向に垂直な方向に沿って、第3溶接ビードがバスバー116からパッド121に延在(又はパッド121からバスバー116に延在)し、それによってバスバー116がパッド121からより一層分離しにくく、バスバー116とパッド121との接続がより確実になる。
【0036】
理解されるように、バスバー116がパッド121の長さ方向又は幅方向に対して平行であり、溶接ビードの延在方向がパッド121の幅方向又は長さ方向に対して傾斜する場合に、溶接ビードの延在方向もバスバー116に対して傾斜し、このときにレーザ溶接によって第3溶接ビードも形成される。
【0037】
また、溶接ビードの形状は、直線状をなすだけでなく、曲線状又は波線状をなすこともできる。溶接ビードの形状が曲線状又は波線状をなす場合、溶接ビード全体の延在方向は、パッド121の幅方向又は長さ方向に対して斜め又は平行になってもよい。以下、いずれも溶接ビードの形状が直線状であるものとして説明する。
【0038】
具体的な実施形態において、図3に示すように、パッド121には、少なくとも6本の溶接ビードを有する。例えば、溶接ビードの数は、具体的には、6本、7本、8本などであってもよい。
【0039】
本実施形態において、図3に示すように、パッド121における溶接ビードの数は、少なすぎないものとすべきであり、溶接ビードの数が少なすぎる(例えば6本よりも少ない)と、第1領域に入る第1溶接ビード101の数がその分少ないため、バスバー116とパッド121との接続信頼性が低くなる。したがって、パッド121において少なくとも6本の溶接ビードをレーザ溶接するとき、第1領域に入る第1溶接ビード101が多く、それによりバスバー116とパッド121との接続が確実であることを保証する。
【0040】
具体的な実施形態において、第1溶接ビード101と第3溶接ビードの数の和は、3本以上である。例えば、第1溶接ビード101と第3溶接ビードの数の和は、具体的には、3本、4本などであってもよい。
【0041】
本実施形態において、第1溶接ビード101と第3溶接ビードの数の和は、少なすぎないものとすべきであり、第1溶接ビード101と第3溶接ビードの数の和が少なすぎる(例えば3本よりも少ない)と、バスバー116とパッド121の接続信頼性が低くなる。したがって、第1溶接ビード101と第3溶接ビードの数の和が3本以上である場合、バスバー116とパッド121との接続が確実であることを保証することができる。
【0042】
具体的な実施形態において、図4に示すように、積層体110の厚さ方向に沿って、第1溶接ビード101のパッド121内における延在深さとパッド121の厚さとの比n1は、5%≦n1≦60%を満たし、及び/又は、第2溶接ビード102のパッド121内における延在深さとパッド121の厚さとの比n2は、40%≦n2≦80%を満たす。例えば、比n1は、具体的には、5%、10%、20%、40%、60%などであってもよく、比n2は、具体的には、40%、50%、60%、70%、80%などであってもよい。
【0043】
なお、溶接ビードのパッド121内における延在深さは、レーザ光の照射パワー及び照射時間に関連し、レーザ溶接ときにレーザ光の照射パワー及び照射時間が一般的に一定であるため、第2溶接ビード102のパッド121内における延在深さは、必然的に第1溶接ビード101のパッド121内における延在深さよりも大きく、かつ第2溶接ビード102のパッド121内における延在深さは、第1溶接ビード101のパッド121内における延在深さの増加に伴って増加することとなる。
【0044】
本実施形態において、図4に示すように、積層体110の厚さ方向に沿って、第1溶接ビード101のパッド121内における延在深さとパッド121の厚さとの比n1は、小さすぎず大きすぎないものとすべきであり、及び/又は、第2溶接ビード102のパッド121内における延在深さとパッド121の厚さとの比n2は、小さすぎず大きすぎないものとすべきである。比n1が小さすぎる(例えば5%よりも小さい)と、第1溶接ビード101のパッド121内における延在深さが小さすぎてしまい、バスバー116とパッド121との間に接触不良が発生しやすく、太陽光発電モジュール10の外部電気制御装置への給電に影響を与える。比n1が大きすぎる(例えば60%よりも大きい)と、比n2も大きすぎる(例えば80%よりも大きい)ことにより、第2溶接ビード102がパッド121を貫通して接続箱120の底部に接触してしまい、さらに積層体110を損傷する恐れがある。
【0045】
したがって、積層体110の厚さ方向に沿って、第1溶接ビード101のパッド121内における延在深さとパッド121の厚さとの比n1は、5%≦n1≦60%を満たし、及び/又は、第2溶接ビード102のパッド121内における延在深さとパッド121の厚さとの比n2は、40%≦n2≦80%を満たす場合、バスバー116とパッド121との接続信頼性を保証するとともに、第2溶接ビード102がパッド121を貫通して積層体110を損傷することを防止することができる。
【0046】
具体的な実施形態において、積層体110の厚さ方向に沿って、第3溶接ビードの第1領域に位置する部分のパッド121内における延在深さとパッド121の厚さとの比は、5%≦n1≦60%を満たし、及び/又は、第3溶接ビードの第2領域に位置する部分のパッド121内における延在深さとパッド121の厚さとの比は、40%≦n2≦80%を満たす。
【0047】
本実施形態において、第3溶接ビードの第1領域に位置する部分はバスバー116を貫通してパッド121の内部に延在するため、第3溶接ビードの第1領域に位置する部分のパッド121内における延在状況は、第1溶接ビード101のパッド121内における延在状況と類似する。第3溶接ビードの第2領域に位置する部分はパッド121の内部に直接的に延在するため、第3溶接ビードの第2領域に位置する部分のパッド121内における延在状況は、第2溶接ビード102のパッド121内における延在状況と類似する。
【0048】
また、太陽光発電モジュール10の製造装置の誤差又は製造プロセスの誤差によって、第1領域での隣接する第1溶接ビード101のパッド121内における延在深さに大きな差異が生じる可能性があるか又は第2領域での隣接する第2溶接ビード102のパッド121内における延在深さに大きな差異が生じる可能性がある。実際の製造において、隣接する第1溶接ビード101又は第2溶接ビード102のパッド121内部における延在深さの差異とパッド121の厚さとの比は、最大20%に達することができ、したがって、本願は、第1溶接ビード101、第2溶接ビード102及び第3溶接ビードのパッド121内における延在深さを大きな範囲にすることにより、太陽光発電モジュール10の製造装置及び製造プロセスに対する精度要求を低下させることができる。
【0049】
具体的な実施形態において、図3に示すように、バスバー116の幅をL1とし、パッド121の幅をL2としたとき、0.2≦L1/L2≦0.8を満たす。例えば、L1/L2は、具体的には、0.2、0.4、0.6、0.8などである。
【0050】
本実施形態において、図3に示すように、バスバー116の幅L1も第1領域の幅であり、パッド121の幅L2も第1領域及び第2領域の幅である。バスバー116の幅L1とパッド121の幅L2との比L1/L2は、大きすぎず小さすぎないものとすべきであり、比L1/L2が大きすぎる(例えば0.8よりも大きい)と、パッド121の幅が小さすぎてしまい、溶接前にパッド121に対する位置決めの難易度及び位置決めに必要な時間を増加させ、太陽光発電モジュール10の加工効率を低下させる。比L1/L2が小さすぎる(例えば0.2よりも小さい)と、パッド121の幅が大きすぎてしまい、バスバー116を貫通してパッド121へ延在する溶接ビードがないまたはとても少量であることにより、バスバー116とパッド121との接続が信頼できないか又は接続されないことをもたらす。したがって、バスバー116の幅L1とパッド121の幅L2との比L1/L2が0.2≦L1/L2≦0.8を満たす場合には、バスバー116とパッド121との接続信頼性及び加工効率を保証することができる。
【0051】
図5に示すように、太陽光発電モジュール10の製造装置は、載置機構20と、押し付け機構30と、レーザヘッド40と、第1検出器50と、第2検出器60とを含み、載置機構20は、太陽光発電モジュール10を載置して太陽光発電モジュール10を駆動移動させるために用いられ、押し付け機構30は、バスバー116をパッド121に押し付けることができ、レーザヘッド40は、バスバー116とパッド121とをレーザ溶接することができ、第1検出器50は、パッド121の位置を位置決めすることができ、第2検出器60は、溶接ビードを検出することができる。
【0052】
本願は、さらに太陽光発電モジュールの製造プロセスを提供し、図6及び図7に示すように、太陽光発電モジュールの製造プロセスは、以下のステップを含む。
S1であって、積層体110を提供する。
当該ステップにおいて、積層体110を載置機構20に載置する。
【0053】
S2であって、接続箱120を積層体110に設けて、積層体110のバスバー116を接続箱120内に挿入させる。
当該ステップにおいて、接続箱120にはバスバー116が貫通可能な開口を有し、接続箱120をバスバー116に対応して配置することにより、バスバー116が開口を貫通するようにする。
【0054】
S3であって、パッド121の位置を取得する。
当該ステップにおいて、第1検出器50は、パッド121の位置を検出することができる。第1検出器50は、CCD視覚検出系などであってもよい。
【0055】
S4であって、バスバー116を接続箱120内のパッド121に押し付ける。
当該ステップにおいて、押し付け機構30は、載置機構20に対して移動することができ、それによりバスバー116と接触してバスバー116をパッド121に押し付ける。
具体的には、接続箱120内には、さらにダイオード122が設けられており、ダイオード122は、バスバー116に電気的に接続することができ、太陽光発電モジュール10に対して異常保護作用を果たすために用いられる。接続箱120内のパッド121は、ダイオード122の導電端子部分で形成することができ、すなわち、バスバー116との接続を実現するために、ダイオード122の導電端子部分を一定の面積を有する平面状に延在させる。接続箱120内のパッド121は、単独のパッド部材を採用してもよく、すなわち、単独のパッド部材をアンカーなどの締結部材により接続箱120内に固定し、単独のパッド部材をダイオード122の導電端子に接続する。
【0056】
S5であって、レーザヘッド40を用いてバスバー116とパッド121とをレーザ溶接し、かつ溶接後に形成された第1溶接ビード101がバスバー116を貫通してパッド121の内部に延在し、第2溶接ビード102がパッド121の内部に直接的に延在する。
当該ステップにおいて、レーザヘッド40は、所定パワーのレーザ光を発射して、バスバー116及びパッド121に対する溶接を実現することができる。
具体的には、レーザヘッド40から射出されたレーザ光が第1領域に照射される場合、レーザ光がバスバー116及びパッド121を溶融させ、レーザヘッド40の移動に伴い、レーザ光が通過する経路に第1溶接ビード101を形成することになる。レーザヘッド40から射出されたレーザ光が第2領域に照射される場合、レーザ光がパッド121を溶融させ、レーザヘッド40の移動に伴い、レーザ光が通過する経路に第2溶接ビード102を形成することになる。レーザヘッド40から射出されたレーザ光の経路が第1領域及び第2領域に跨る場合、レーザ光が通過する経路に第3溶接ビードを形成することになる。
【0057】
S6であって、第1溶接ビード101を視覚的に検出する。
当該ステップにおいて、レーザ溶接後の溶接ビードを視覚的に検出することにより、溶接後に形成された溶接ビードが要件を満たすか否かを判断することができ、それにより太陽光発電モジュール10の製造歩留まりを保証する。
【0058】
具体的な実施形態において、ステップS3では、パッド121の位置を取得することは、以下のステップを含む。
S31であって、接続箱120を撮影する。
S32であって、撮影結果に基づいてパッド121の位置を取得する。
【0059】
本実施形態において、第1検出器50は、接続箱120を撮影することができ、それによって、撮影された画像に基づいてパッド121の位置を取得することにより、バスバー116をパッド121に溶接する。
【0060】
具体的な実施形態において、ステップS5では、レーザヘッド40を用いてバスバー116とパッド121とをレーザ溶接するとき、レーザヘッド40は、第1領域及び第2領域にレーザ光を放射する。
【0061】
本実施形態において、図6及び図7に示すように、第1領域と第2領域をいずれもレーザ溶接することにより、バスバー116を位置決めする難易度を低下させ、太陽光発電モジュール10の加工効率を向上させ、それにより生産ラインの速いタクトタイムに合わせることができる。
【0062】
具体的な実施形態において、ステップS5では、レーザヘッド40を用いてバスバー116とパッド121とをレーザ溶接するとき、レーザヘッド40から発射されたレーザ光のパワーPは、550W≦P≦750Wを満たし、レーザヘッド40の溶接速度vは、60mm/s≦v≦100mm/sを満たす。例えば、パワーPは、具体的には、550W、600W、650W、700W、750Wなどであってもよく、溶接速度vは、具体的には、60mm/s、70mm/s、80mm/s、90mm/s、100mm/sなどであってもよい。
【0063】
本実施形態において、レーザヘッド40の溶接パワーPを制御することにより、レーザヘッド40から発射されたレーザ光がバスバー116の表面に到達するときのエネルギー強度を制御することができ、それにより溶接過程においてバスバー116の表面に到達するレーザ光のエネルギー強度が合理的な範囲内にあるように制御する。レーザ光のエネルギー強度が低い(例えば溶接パワーPが550Wよりも小さい)ことで溶接深さが浅いことにより、バスバー116とパッド121との接続が信頼できないことを回避し得るとともに、レーザ光のエネルギーが高い(例えば溶接パワーPが750Wよりも大きい)ことによってパッド121が溶け落ちるという問題も回避することができる。
【0064】
同時に、レーザヘッド40の溶接速度vを制御することにより、溶接ビードの幅を制御することができ、最終的に形成された溶接ビードが品質要求に合致することを可能にする。溶接速度vが小さすぎ(例えば溶接速度vが60mm/sよりも小さい)、溶接領域におけるレーザ光の滞留時間が長いことで、溶接ビードが広すぎることを回避し得るとともに、溶接速度vが大きすぎる(例えば溶接速度vが100mm/sよりも大きい)ことで溶接ビードが狭すぎることも回避することができる。
【0065】
具体的な実施形態において、ステップS6では、第1溶接ビード101を視覚的に検出することは、以下のステップを含む。
S61であって、バスバー116を撮影する。
S62であって、バスバー116における溶接ビードの幅dが0.3mm≦d≦0.4mmを満たすか否かを検出する。例えば、溶接ビードの幅dは、具体的には、0.3mm、0.32m、0.35mm、0.38mm、0.4mmなどであってもよい。
【0066】
本実施形態において、載置機構20は、溶接が完了した後の太陽光発電モジュール10を第2検出器の下方に移動することができ、第2検出器60は、パッド121におけるバスバー116を撮影して、バスバー116における溶接ビードの幅を検出することができる。溶接ビードの幅dは、ある程度溶接品質を反映することができるため、太陽光発電モジュール10の製造歩留まりを保証するために、バスバー116の表面の溶接ビードの幅dを検出することにより、溶接品質が要求に合致するか否かを判断することができる。
【0067】
具体的には、第1溶接ビード101の幅dが小さすぎる(例えば0.3mmよりも小さい)か、又は第1溶接ビード101の幅dが大きすぎる(例えば0.4mmより大きい)ことは、いずれも溶接品質が要求に合致しないと考えられ、第1溶接ビード101の幅dが0.3mm≦d≦0.4mmを満たす場合には、溶接品質が要求に合致すると考えられる。
【0068】
上述したのは、本願の好ましい実施例に過ぎず、本願を限定するものではなく、当業者にとって、本願は、種々の変形または変更が可能である。本願の要旨を逸脱しない範囲において行われるいかなる変更、同等置換、改善などは、いずれも本願の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0069】
10-太陽光発電モジュール
101-第1溶接ビード
102-第2溶接ビード
110-積層体
111-カバープレート
112-第1封止接着フィルム
113-電池ストリング群
1131-電池セル
114-第2封止接着フィルム
115-バックプレート
116-バスバー
120-接続箱
121-パッド
122-ダイオード
20-載置機構
30-押し付け機構
40-レーザヘッド
50-第1検出器
60-第2検出器
【要約】
【課題】本願は、太陽光発電モジュール及びその製造プロセスに関する。
【解決手段】太陽光発電モジュールは、バスバーを有する積層体と、積層体の表面に設けられ、パッドを有する接続箱とを含み、バスバーとパッドは、レーザ溶接により接続され、パッドは、第1領域及び第2領域を有し、パッドにおけるバスバーにより覆われた領域は第1領域であり、パッドにおけるバスバーによる覆われない領域は第2領域であり、レーザ溶接により形成された溶接ビードは、第1溶接ビード及び第2溶接ビードを含み、第1溶接ビードは第1領域に位置し、第1溶接ビードは、積層体の厚さ方向に沿って、バスバーを貫通してパッドの内部に延在し、第2溶接ビードは第2領域に位置し、第2溶接ビードは、積層体の厚さ方向に沿って、パッドの内部に直接的に延在する。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7