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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-28
(45)【発行日】2024-03-07
(54)【発明の名称】浴槽洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   A47K 3/00 20060101AFI20240229BHJP
   F24H 9/16 20220101ALI20240229BHJP
   F24H 15/196 20220101ALI20240229BHJP
【FI】
A47K3/00 Q
F24H9/16 F
F24H15/196
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020142361
(22)【出願日】2020-08-26
(65)【公開番号】P2022038072
(43)【公開日】2022-03-10
【審査請求日】2023-07-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】100089004
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】久保 隆志
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-057501(JP,A)
【文献】特開2018-105607(JP,A)
【文献】特開2020-159620(JP,A)
【文献】特開2017-219255(JP,A)
【文献】特開2005-172292(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 3/00
F24H 9/16
F24H 15/196
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽の排水栓を開閉操作するための開閉操作手段と、浴槽に洗浄液と湯水を散布して洗浄運転を行う洗浄ノズルと、前記開閉操作手段の開閉操作に対応させて前記排水栓の開閉を制御すると共に前記洗浄運転を制御する制御手段を備えた浴槽洗浄装置において、
前記制御手段は、前記洗浄運転の終了時に前記排水栓を開状態又は閉状態に設定された待機状態になるように制御し、前記開閉操作手段の操作によって所定条件が成立した場合に、前記待機状態を変更することを特徴とする浴槽洗浄装置。
【請求項2】
前記所定条件は、予め設定された基準時間内における予め設定された基準回数の前記開閉操作手段の操作であることを特徴とする請求項1に記載の浴槽洗浄装置。
【請求項3】
浴槽の排水栓を開閉操作するための開閉操作手段と、浴槽に洗浄液と湯水を散布して洗浄運転を行う洗浄ノズルと、前記開閉操作手段の開閉操作に対応させて前記排水栓の開閉を制御すると共に前記洗浄運転を制御する制御手段を備えた浴槽洗浄装置において、
前記制御手段は、前記洗浄運転の終了時に前記排水栓を開状態又は閉状態に設定された待機状態になるように制御し、前記開閉操作手段の操作によって所定条件が成立した場合に、前記待機状態を変更可能な変更モードに移行することを特徴とする浴槽洗浄装置。
【請求項4】
前記所定条件は、予め設定された基準時間内における予め設定された基準回数の前記開閉操作手段の操作であることを特徴とする請求項3に記載の浴槽洗浄装置。
【請求項5】
前記変更モードに移行した場合には、前記制御手段は、前記変更モードにおける前記開閉操作手段の最後の操作から所定時間経過したときに、前記開閉操作手段の最後の操作に対応する前記排水栓の状態を前記待機状態として設定することを特徴とする請求項3又は4に記載の浴槽洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽を自動的に洗浄する浴槽洗浄装置に関し、特に浴槽の排水栓を開閉する機能を備えた浴槽洗浄装置に関する。
【0002】
従来から、浴槽を自動的に洗浄する浴槽洗浄装置が知られている。浴槽洗浄装置は、浴槽内に洗浄液を散布して汚れを浮かせ、湯水を散布して洗い流すことにより浴槽洗浄を行っている。散布した洗浄液や湯水を浴槽の排水栓から排水するために、浴槽洗浄装置は浴槽の排水栓を開閉する機能を備えている。
【0003】
例えば特許文献1の浴槽洗浄装置は、浴槽洗浄工程が開始される前に浴槽の排水栓を閉栓し、浴槽洗浄工程が終了すると排水栓を開栓することが記載されている。また、例えば特許文献2には、浴槽洗浄装置ではないが、浴槽の水位を水圧によって検知し、浴槽の排水栓が完全には閉栓されていないため湯水がたまらない場合に、排水栓の開閉制御を繰り返す給湯装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-57501号公報
【文献】特許第6020225号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ユーザの利便性向上のために、浴槽洗浄装置による洗浄運転後には、浴槽の排水栓を閉栓した閉状態にすることが好ましい場合と、浴槽の排水栓を開栓した開状態にすることが好ましい場合がある。例えば洗浄運転後の浴槽の排水栓の待機状態を閉状態にしておけば、ユーザが閉栓操作をすることなく浴槽に湯張り可能である。
【0006】
一方、特許文献1のように洗浄運転後の浴槽の排水栓の待機状態を開状態にしておけば、冬季に凍結防止のために給湯装置内の湯水を浴槽に排水する凍結防止動作が行われた場合に、浴槽に湯水がたまらないので、ユーザが排水栓を開栓して排水する必要がない。それ故、浴槽洗浄装置は、給湯装置の操作リモコンや浴槽洗浄装置の操作リモコンから洗浄運転後の待機状態として開状態又は閉状態を予め選択して設定することが可能なように構成されている。
【0007】
ところで、所謂相手先ブランド製造(OEM)において、浴槽洗浄装置を相手先ブランド(他社)の浴槽洗浄装置として完全な通信互換性がない他社の給湯装置と組み合わせる場合がある。この場合、通信変換ユニットを介して他社の給湯装置から洗浄運転の実行指令を受けるように構成され、浴槽洗浄装置の操作リモコンが省略されることがある。
【0008】
組み合わせる給湯装置の種類が膨大であると共に指令の種類等も膨大であるため、通信変換ユニット側でそれら給湯装置の全てに対応することは現実的ではない。また、他社の給湯装置の操作リモコンから洗浄運転の設定変更可能にすることは、表示や操作方法の違いを通信変換ユニット側で解消することが困難なため、ユーザが洗浄運転後の排水栓の状態の設定を変更することも困難である。
【0009】
このように浴槽洗浄装置を他社の給湯装置と組み合わせたときに、洗浄運転後の排水栓の状態の設定を変更することが困難なため、洗浄運転後に浴槽の排水栓を開状態にする設定の場合には、ユーザが排水栓を閉栓せずに湯張り運転を開始してしまい、湯張りに失敗する虞があった。また、洗浄運転後に閉状態にする設定の場合には、冬季の凍結防止動作によって浴槽に少量の湯水がたまり、ユーザに違和感を与える虞があった。
【0010】
本発明の目的は、他社の給湯装置と組み合わせる場合でも、ユーザが洗浄運転後の排水栓の待機状態を容易に変更することができる浴槽洗浄装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の発明の浴槽洗浄装置は、浴槽の排水栓を開閉操作するための開閉操作手段と、浴槽に洗浄液と湯水を散布して洗浄運転を行う洗浄ノズルと、前記開閉操作手段の開閉操作に対応させて前記排水栓の開閉を制御すると共に前記洗浄運転を制御する制御手段を備えた浴槽洗浄装置において、前記制御手段は、前記洗浄運転の終了時に前記排水栓を開状態又は閉状態に設定された待機状態になるように制御し、前記開閉操作手段の操作によって所定条件が成立した場合に、前記待機状態を変更することを特徴としている。
【0012】
上記構成によれば、開閉操作手段の操作によって所定条件が成立したときに、現在の待機状態が閉状態の場合には開状態に変更でき、現在の待機状態が開状態の場合には閉状態に変更することができる。従って、給湯装置との組み合わせに関係なく排水栓の待機状態を容易に変更することができる。
【0013】
請求項2の発明の浴槽洗浄装置は、請求項1発明において、前記所定条件は、予め設定された基準時間内における予め設定された基準回数の前記開閉操作手段の操作であることを特徴としている。
上記構成によれば、簡単な操作で排水栓の待機状態を変更することと、誤操作によって排水栓の待機状態が意図せず変更される事態を防ぐことを両立させることができる。
【0014】
請求項3の発明の浴槽洗浄装置は、浴槽の排水栓を開閉操作するための開閉操作手段と、浴槽に洗浄液と湯水を散布して洗浄運転を行う洗浄ノズルと、前記開閉操作手段の開閉操作に対応させて前記排水栓の開閉を制御すると共に前記洗浄運転を制御する制御手段を備えた浴槽洗浄装置において、前記制御手段は、前記洗浄運転の終了時に前記排水栓を開状態又は閉状態に設定された待機状態になるように制御し、前記開閉操作手段の操作によって所定条件が成立した場合に、前記待機状態を変更可能な変更モードに移行することを特徴としている。
【0015】
上記構成によれば、開閉操作手段の操作によって所定条件が成立したときに、現在の待機状態を変更可能な変更モードに移行して、所望の待機状態に変更することができる。従って、給湯装置との組み合わせに関係なく排水栓の待機状態を容易に変更することができる。
【0016】
請求項4の発明の浴槽洗浄装置は、請求項3の発明において、前記所定条件は、予め設定された基準時間内における予め設定された基準回数の前記開閉操作手段の操作であることを特徴としている。
上記構成によれば、簡単な操作で排水栓の待機状態を変更する変更モードに移行することと、誤操作によって意図せず変更モードに移行して排水栓の待機状態が変更される事態を防ぐことを両立させることができる。
【0017】
請求項5の発明の浴槽洗浄装置は、請求項3又は4の発明において、前記変更モードに移行した場合には、前記制御手段は、前記変更モードにおける前記開閉操作手段の最後の操作から所定時間経過したときに、前記開閉操作手段の最後の操作に対応する前記排水栓の状態を前記待機状態として設定することを特徴としている。
上記構成によれば、最後の操作に対応する排水栓の状態を視認して待機状態を設定することができ、待機状態の確認が容易である。
【発明の効果】
【0018】
本発明の浴槽洗浄装置によれば、他社の給湯装置と組み合わせる場合でも、ユーザが洗浄運転後の排水栓の待機状態を容易に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施例1,2に係る浴槽洗浄装置と周辺機器の構成図である。
図2】実施例1,2に係る洗浄運転の工程ブロック図である。
図3】実施例1に係る排水スイッチ操作制御のフローチャートである。
図4】実施例2に係る排水スイッチ操作制御のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための形態について実施例1,2に基づいて説明する。
【実施例1】
【0021】
最初に、本発明の浴槽洗浄装置10Aの周辺機器を含めた全体構成について、図1に基づいて説明する。浴槽1には、浴槽1の湯張りや追焚きのための給湯装置2が湯張り追焚き通路3と循環アダプタ1aを介して接続されている。また、浴槽1の底部には、矢印Dで示すように湯水を排水するための例えば電動式の排水栓4と、湯水や洗浄液を散布して浴槽1を洗浄するための洗浄ノズル5が配設されている。
【0022】
浴槽1の近傍には、洗浄ノズル5に湯水や洗浄液を供給する供給ユニット6と、洗剤をためておく洗剤タンク7と、排水栓4の開栓操作、閉栓操作を行うための例えばプッシュ式の排水スイッチ8(開閉操作手段)が配設されている。浴槽洗浄装置10Aは、排水栓4、洗浄ノズル5、供給ユニット6、洗剤タンク7、排水スイッチ8等によって構成されている。
【0023】
供給ユニット6には、給湯装置2から湯水を供給するための給湯通路2aが接続されている。また、例えば浴室の天井に配設された電源通信ユニット9と供給ユニット6とが、電力供給可能且つ通信可能に接続されている。電源通信ユニット9は浴槽洗浄装置10Aの洗浄運転を制御する制御部20(制御手段)を備えている。
【0024】
給湯装置2は、矢印Wで示す上水を例えば燃料の燃焼熱を利用して加熱した湯水を給湯する燃焼式給湯装置であるが、ヒートポンプ式熱源機等他の熱源機を有する給湯装置等であってもよい。給湯装置2には、湯張り運転や追焚き運転の開始操作、給湯設定温度の設定操作等を行うための浴室リモコン11、台所リモコン12が通信可能に接続されている。
【0025】
また、給湯装置2と電源通信ユニット9とが、通信変換ユニット13を介して通信可能に接続され、給湯装置2を操作するための台所リモコン12及び浴室リモコン11から浴槽洗浄装置10Aの操作が可能である。通信変換ユニット13は、給湯装置2と浴槽洗浄装置10Aの間で通信互換性がないため直接通信できない場合に、受けた通信内容を相手方の通信方法に合わせて変換して送信することによって通信可能にする。給湯装置2を操作するための台所リモコン12及び浴室リモコン11から浴槽洗浄装置10Aを操作できるので、浴槽洗浄装置10Aを直接操作するための洗浄リモコンは省略されている。
【0026】
次に、浴槽洗浄装置10Aについて説明する。
浴槽洗浄装置10Aの供給ユニット6は、洗浄ノズル5に湯水を供給するための湯水通路14と、洗浄ノズル5に供給する湯水に洗剤を混合するためのベンチュリ15(洗剤混合部)等を備えている。
【0027】
給湯装置2から湯水を供給する給湯通路2aは、フィルタ14aを備えた湯水通路14に接続される。湯水通路14は、フィルタ14aとベンチュリ15の間に、温度センサ16aを備えた流量調整弁16、流量センサ14b、電磁開閉弁17、大気開放弁(排水弁)18a,18b、逆止弁19a,19bを備えている。また、ベンチュリ15には、洗剤タンク7から洗剤を供給するための洗剤通路7aが接続されている。洗剤通路7aは、この洗剤通路7aを開閉するための洗剤電磁弁7bを備えている。
【0028】
制御部20は、流量調整弁16の開度調整や、電磁開閉弁17と洗剤電磁弁7bの開閉が可能なように接続され、排水スイッチ8の操作に応じて排水栓4の開栓、閉栓が可能なように接続されている。また、制御部20は、洗剤タンク7の洗剤残量を例えばフロートスイッチ7cによって検知可能なように接続されている。
【0029】
制御部20は、例えば演算装置と記憶装置と入出力装置と計時機能等を備えたコンピュータであり、記憶装置に格納された制御プログラム等に基づいて、浴槽1を洗浄する洗浄運転や排水栓4の開閉等を制御する。この制御部20は、洗浄運転では、排水栓4を開栓し、電磁開閉弁17、洗剤電磁弁7b等の開閉を制御すると共に、流量センサ14bの検知流量が所定流量となるように流量調整弁16の開度を制御する。
【0030】
次に、洗浄運転について説明する。
台所リモコン12等の操作端末の操作によって浴槽洗浄装置10Aによる浴槽洗浄の開始操作が行われると、洗浄運転が開始される。例えば図2の洗浄運転の工程ブロック図に示すように、洗浄運転は準備工程、洗浄工程、終了工程の順に行われる。準備工程では、洗浄前の準備動作として、排水栓4が閉じている場合には排水栓4を開栓し、浴槽1に湯水が残っている場合に浴槽1が空になるまで待機する。
【0031】
洗浄工程では、洗浄動作として洗浄ノズル5から浴槽1内に湯水や洗浄液の散布を行う。例えば、予備洗浄として電磁開閉弁17を開けて湯水を散布し、浴槽1に付着した汚れに水分を含ませる。その後、洗剤電磁弁7bも開けて、ベンチュリ15を流通する湯水に洗剤通路7aから洗剤を供給し、ベンチュリ15で湯水と洗剤が混合された洗浄液を洗浄ノズル5から散布した後、一定時間待機する。この洗浄液散布と一定時間待機を交互に繰り返して、浴槽1に付着した汚れを浮かせる。
【0032】
洗浄液の散布と待機を所定回数繰り返した後は、すすぎとして湯水を散布して汚れ及び洗浄液を洗い流し、排水栓4から排水する。そして終了工程において、終了動作として排水栓4を予め開状態又は閉状態に設定された待機状態になるように制御して、洗浄運転を終了する。
【0033】
次に、排水栓4の待機状態の設定について説明する。
通信互換性がない給湯装置2の浴室リモコン11や台所リモコン12から通信変換ユニット13を介して浴槽洗浄装置10Aの設定変更を行うことは、通信変換ユニット13によって表示や操作方法等の違いまでも解消することは現実的ではなく困難である。それ故、浴槽洗浄装置10Aによる洗浄運転の終了時の排水栓4の待機状態の設定変更を、通信変換ユニット13を介さずに、排水スイッチ8の操作によって行う。
【0034】
図3は、浴槽洗浄装置10Aの制御部20が常時実行している排水スイッチ操作制御のフローチャートの一例であり、排水スイッチ8の操作によって排水栓4の待機状態の現在の設定を変更する例を示している。図中のSi(i=1,2,・・・)はステップを表す。
【0035】
S1において、排水スイッチ8の操作の有無を判定する。排水スイッチ8が操作されてS1の判定がYesの場合には、S2に進む。排水スイッチ8の操作が無く、S1の判定がNoの場合には、S1の判定を繰り返す。
【0036】
S2において、排水スイッチ8が操作されてからの経過時間t1の計時を開始してS3に進む。そしてS3において排水栓4を駆動させ、排水栓4の状態を切り替えてS4に進む。例えば排水栓4の現在の状態が開栓した開状態であれば閉栓した閉状態に切り替え、排水栓4の現在の状態が閉状態であれば開状態に切り替える。
【0037】
S4において、排水スイッチ8の操作回数Nを1増加させてS5に進む。操作回数Nの初期値はゼロである。次にS5において、経過時間t1が基準時間(例えば5秒)以上になったか否か判定する。S5の判定がYesの場合にはS6に進み、S6において経過時間t1をゼロにリセットしてS7に進む。そしてS7において、排水スイッチ8の操作回数Nをゼロにリセットしてリターンする。ここまでのS1~S7が、排水スイッチ8の開閉操作に対応させて排水栓4を開閉する制御に相当する。
【0038】
一方、S5の判定がNoの場合にはS8に進み、S8において排水スイッチ8の操作の有無を判定する。排水スイッチ8が操作されてS8の判定がYesの場合には、S9に進む。排水スイッチ8の操作が無く、S8の判定がNoの場合には、S5に戻る。
【0039】
S9において排水栓4を駆動させ、排水栓4の状態を切り替えてS10に進む。そしてS10において、排水スイッチ8の操作回数Nを1増加させてS11に進む。
【0040】
S11において、排水スイッチ8の操作回数Nが基準回数(例えば5回)以上となったか否か判定する。S11の判定がNoの場合はS5に戻る。一方、S11の判定がYesの場合はS12に進み、S12において排水栓4の現在設定されている待機状態と異なる状態を洗浄運転終了時の排水栓4の待機状態として設定してS6に進む。例えば排水栓4の現在の待機状態が開状態に設定されていれば待機状態として閉状態を設定し、現在の待機状態が閉状態に設定されていれば待機状態として開状態を設定する。S6以降は上記と同じなので説明を省略する。
【0041】
以上のように、排水スイッチ8の最初の操作から基準時間内に最初の操作を含めて基準回数の操作がされた場合(所定条件が成立した場合)には、洗浄運転終了時の排水栓4の待機状態の変更操作が行われたものとして待機状態を変更設定する。従って、通信変換ユニット13を介さずに、洗浄運転終了時の排水栓4の待機状態の変更設定を排水スイッチ8の操作によって容易に行うことができる。尚、基準時間や基準回数は誤操作防止や操作性を考慮して適宜設定することができる。
【実施例2】
【0042】
上記実施例1を部分的に変更した浴槽洗浄装置10Bについて説明する。浴槽洗浄装置10B及びその周辺機器の構成は実施例1の図1と同等なので、対応する部分には同じ符号を付して説明を省略する。また、浴槽洗浄装置10Bによる洗浄運転も実施例1と同等なので説明を省略する。
【0043】
図4は、浴槽洗浄装置10Bの制御部20が常時実行している排水スイッチ操作制御のフローチャートの一例である。ここでは、排水スイッチ8の開閉操作に対応させて排水栓4を開閉する通常モードから、排水スイッチ8の操作によって排水栓4の待機状態の現在の設定を変更可能な変更モードに移行する例を示している。
【0044】
S1において、排水スイッチ8の操作の有無を判定する。排水スイッチ8が操作されてS1の判定がYesの場合には、S2に進む。排水スイッチ8の操作が無く、S1の判定がNoの場合には、S1の判定を繰り返す。
【0045】
S2において、排水スイッチ8が操作されてからの経過時間t1の計時を開始してS3に進む。そしてS3において排水栓4を駆動させ、排水栓4の状態を切り替えてS4に進む。次にS4において、排水スイッチ8の操作回数Nを1増加させてS5に進む。操作回数Nの初期値はゼロである。
【0046】
S5において、経過時間t1が基準時間(例えば5秒)以上になったか否か判定する。S5の判定がYesの場合にはS6に進み、S6において経過時間t1をゼロにリセットしてS7に進む。そしてS7において、排水スイッチ8の操作回数Nをゼロにリセットしてリターンする。ここまでのS1~S7が、排水スイッチ8の開閉操作に対応させて排水栓4を開閉する制御に相当する。
【0047】
一方、S5の判定がNoの場合にはS8に進み、S8において排水スイッチ8の操作の有無を判定する。排水スイッチ8が操作されてS8の判定がYesの場合には、S9に進む。排水スイッチ8の操作が無く、S8の判定がNoの場合には、S5に戻る。
【0048】
S9において、排水栓4を駆動させて、排水栓4の状態を切り替えてS10に進む。そしてS10において、排水スイッチ8の操作回数Nを1増加させてS11に進む。
【0049】
S11において、排水スイッチ8の操作回数Nが基準回数(例えば5回)以上となったか否か判定する。S11の判定がNoの場合はS5に戻る。一方、S11の判定がYesの場合はS20に進み、S20において排水栓4の待機状態の現在の設定を変更可能な変更モードに移行してS21に進む。
【0050】
S21において、変更モードに移行してからの経過時間(第2経過時間t2)の計時を開始してS22に進む。そしてS22において、第2経過時間t2が所定時間として第2基準時間(例えば5秒)以上となったか否か判定する。S22の判定がNoの場合にはS23に進み、S23において排水スイッチ8の操作の有無を判定する。排水スイッチ8の操作が無く、S23の判定がNoの場合には、S22に戻る。排水スイッチ8が操作されてS23の判定がYesの場合にはS24に進み、S24において排水栓4を駆動させて、排水栓4の状態を切り替えてS25に進む。そしてS25において、第2経過時間t2をゼロにリセットしてS21に戻る。
【0051】
一方、第2経過時間t2が第2基準時間以上になってS22の判定がYesの場合にはS26に進み、S26において現在の排水栓4の状態(排水スイッチ8の最後の操作が反映された排水栓4の状態)を、洗浄運転終了時の排水栓4の待機状態として設定してS27に進む。
【0052】
S27において、第2経過時間t2をゼロにリセットしてS28に進み、S28において変更モードに移行する前と同じ通常モードに移行(変更モードを終了)してS6に進む。S6以降は上記と同じなので説明を省略する。
【0053】
以上のように、排水スイッチ8の最初の操作から基準時間内に最初の操作を含めて基準回数の操作がされた場合(所定条件が成立した場合)には、浴槽洗浄装置10Bの洗浄運転終了時の排水栓4の待機状態を変更可能な変更モードへの移行操作が行われたものとして、通常モードから変更モードに移行する。そして、変更モードにおいて所定時間として第2基準時間が経過した場合に、排水スイッチ8の最後の操作に対応する排水栓4の状態を待機状態に設定する。従って、通信変換ユニット13を介さずに、洗浄運転終了時の排水栓4の待機状態の変更設定を排水スイッチ8の操作によって容易に行うことができる。また、排水スイッチ8の最後の操作に対応する排水栓4の状態を確認しながら待機状態に設定することができるので、誤設定を防ぐことができる。尚、基準時間や基準回数、第2基準時間は誤操作防止や操作性を考慮して適宜設定することができる。
【0054】
上記浴槽洗浄装置10A,10Bの作用、効果について説明する。
浴槽洗浄装置10Aは、洗浄運転の終了時に、浴槽1の排水栓4を開状態又は閉状態に設定された待機状態にする。この待機状態は、排水スイッチ8(開閉操作手段)の操作によって所定条件が成立した場合に、現在の待機状態と異なる状態に変更することができる。例えば、現在の待機状態が閉状態の場合には開状態に変更でき、現在の待機状態が開状態の場合には閉状態に変更することができる。従って、給湯装置2との組み合わせに関係なく排水栓4の待機状態を容易に変更することができる。
【0055】
また、所定条件の成立として、予め設定された基準時間内における予め設定された基準回数の排水スイッチ8の操作という簡単な操作によって、排水栓4の待機状態を変更することと、誤操作によって排水栓4の待機状態が意図せず変更される事態を防ぐことを両立させることができる。
【0056】
浴槽洗浄装置10Bは、洗浄運転の終了時に、浴槽1の排水栓4を開状態又は閉状態に設定された待機状態にする。そして、排水スイッチ8(開閉操作手段)の操作によって所定条件が成立した場合に、排水栓4の待機状態を変更可能な変更モードに移行するので、所望の待機状態に変更することができる。従って、給湯装置2との組み合わせに関係なく排水栓4の待機状態を容易に変更することができる。
【0057】
また、所定条件の成立として、予め設定された基準時間内における予め設定された基準回数の排水スイッチ8の操作という簡単な操作によって、排水栓4の待機状態を変更することができる変更モードに移行することと、誤操作によって意図せず変更モードに移行して排水栓の待機状態が変更される事態を防ぐことを両立させることができる。
【0058】
浴槽洗浄装置10Bは、変更モードに移行した場合には、変更モードにおける排水スイッチ8の最後の操作から所定時間として第2基準時間が経過したときに、排水スイッチ8の最後の操作に対応する排水栓4の状態を待機状態として設定する。これにより、最後の操作に対応する排水栓4の状態を視認しながら待機状態を設定することができるので、待機状態の確認が容易である。
【0059】
浴槽洗浄装置10A,10Bに組み合わせる給湯装置2は、通信変換ユニット13がなくても相互に通信可能な、例えば浴槽洗浄装置10A,10Bと同一メーカの給湯装置であってもよい。この場合、浴室リモコン11や洗浄リモコン等の操作手段から排水栓4の待機状態の変更を行うことも可能であるが、本発明における排水スイッチ8の簡単な操作による排水栓4の待機状態の変更の効果を損なうものではない。
【0060】
その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、上記実施形態に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態を包含するものである。
【符号の説明】
【0061】
1 :浴槽
1a :循環アダプタ
2 :給湯装置
2a :給湯通路
3 :湯張り追焚き通路
4 :排水栓
5 :洗浄ノズル
6 :供給ユニット
7 :洗剤タンク
7a :洗剤通路
7b :洗剤電磁弁
7c :フロートスイッチ
8 :排水スイッチ(開閉操作手段)
9 :電源通信ユニット
10A,10B :浴槽洗浄装置
11 :浴室リモコン
12 :台所リモコン
13 :通信変換ユニット
14 :湯水通路
14a:フィルタ
14b:流量センサ
15 :ベンチュリ(洗剤混合部)
16 :流量調整弁
16a:温度センサ
17 :電磁開閉弁
18a,18b:排水弁
19a,19b:逆止弁
20 :制御部(制御手段)
図1
図2
図3
図4