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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-28
(45)【発行日】2024-03-07
(54)【発明の名称】冷凍装置及び冷凍装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   F25D 21/06 20060101AFI20240229BHJP
【FI】
F25D21/06 C
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021108356
(22)【出願日】2021-06-30
(65)【公開番号】P2023006001
(43)【公開日】2023-01-18
【審査請求日】2022-09-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】倉本 翔平
(72)【発明者】
【氏名】東矢 俊介
(72)【発明者】
【氏名】松江 亮児
(72)【発明者】
【氏名】瀧澤 健太
(72)【発明者】
【氏名】冨田 千晴
(72)【発明者】
【氏名】寺岡 佑起
【審査官】森山 拓哉
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-071830(JP,A)
【文献】特開2013-200083(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 21/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象空間の空気を冷却する熱交換器(11)、前記熱交換器に前記対象空間の空気流を発生させるファン(13)、及び前記ファンを加熱するヒータ(14)を有する利用ユニット(2)と、
前記熱交換器との間で熱の授受を行う熱源ユニット(3)と、
前記熱交換器を放熱器として機能させる前記利用ユニットのデフロスト運転と前記ヒータのオンオフを制御する制御部(4)と、
前記デフロスト運転の終了後の期間に前記ヒータがオン状態になるように前記ヒータのオン状態を維持する期間を設定できる設定部(30)と
を備え、
前記制御部は、前記デフロスト運転の終了後の期間に、前記ヒータがオン状態になるように前記ヒータを制御可能である、冷凍装置(1)。
【請求項2】
前記制御部は、タイマー(41)を含み、
前記タイマーは、前記設定部で設定される前記ヒータのオン状態を維持する期間の計時を行う、
請求項1に記載の冷凍装置(1)。
【請求項3】
前記制御部が、前記デフロスト運転の終了の期間における前記ファンの着霜の融け残り状態を判断し、融け残りがあると判断したときには前記ヒータがオン状態になるように前記ヒータを制御する、
請求項1に記載の冷凍装置(1)。
【請求項4】
前記制御部は、前記デフロスト運転が行われている期間に前記ヒータがオン状態となるように前記ヒータを制御する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の冷凍装置(1)。
【請求項5】
前記制御部は、前記デフロスト運転が行われている期間に前記ファンが停止するように前記ファンを制御する、
請求項4に記載の冷凍装置(1)。
【請求項6】
前記制御部は、前記デフロスト運転の終了後の期間に前記ヒータがオン状態となるように前記ヒータを制御する場合、前記ヒータがオフしてから前記熱交換器を蒸発器として機能させるように前記利用ユニットの冷却運転を制御する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の冷凍装置(1)。
【請求項7】
前記利用ユニットは、前記ファンの発生する気流を前記対象空間に吹出す吹出口(16b)と、前記吹出口に設けられ前記ファンを保護するファンガード(16c)とを有し、
前記ヒータは、前記ファンガード近傍に取り付けられているファンガードヒータである、
請求項1から6のいずれか一項に記載の冷凍装置(1)。
【請求項8】
熱交換器を蒸発器として機能させる冷却運転により、対象空間の空気を冷却するステップと、
前記熱交換器を放熱器として機能させるデフロスト運転を行うステップと、
前記デフロスト運転の終了後の期間にヒータがオン状態になるように、前記ヒータのオンを維持する期間を設定部により設定するステップと、
前記熱交換器に前記対象空間の空気流を発生させるファンを、前記デフロスト運転の終了後の前記設定部により設定された期間に、前記ヒータにより加熱するステップと
を備える、冷凍装置(1)の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
デフロスト運転を行う冷凍装置及び冷凍装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
冷凍装置が設置されている例えば冷凍庫の庫内の熱交換器には、霜が着くことがある。このような冷凍庫内の熱交換器のデフロストに、例えば、特許文献1(特開平6-331241号公報)に記載されている逆サイクルデフロストを用いることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に記載されている冷凍装置は、熱交換器に冷凍庫内の空気の気流を発生させるためのファンを備えている。冷凍装置においては、熱交換器だけでなく、条件次第でファンにも霜が着く。冷凍装置のファンに着いた霜は、熱交換器のために実施される逆サイクルデフロスト運転だけでは取り切れない場合がある。逆サイクルデフロスト運転後に残ったファンの霜は、騒音の発生原因になるため、デフロスト運転でファンの霜をできるだけ取り除くのが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1観点の冷凍装置は、利用ユニットと熱源ユニットと制御部とを備える。利用ユニットは、対象空間の空気を冷却する熱交換器、熱交換器に対象空間の空気流を発生させるファン、及びファンを加熱するヒータを有する。熱源ユニットは、熱交換器との間で熱の授受を行う。制御部は、熱交換器を放熱器として機能させる利用ユニットのデフロスト運転とヒータのオンオフを制御する。制御部は、デフロスト運転の終了後の期間に、ヒータがオン状態になるようにヒータを制御可能である。
【0005】
第1観点の冷凍装置では、デフロスト運転で融け残ったファンの霜を、デフロスト運転の終了後の期間に、ヒータで融かすことができる。
【0006】
第2観点の冷凍装置は、第1観点の冷凍装置であって、デフロスト運転の終了後の期間にヒータがオン状態になるようにヒータのオン状態を維持する期間を設定できる設定部をさらに備える。
【0007】
第2観点の冷凍装置では、設定部により、デフロスト運転の終了後の期間にヒータがオン状態となるようにヒータのオン状態を維持する期間を設定し、デフロスト運転で融け残ったファンの霜をヒータで融かせるような設定にすることができる。
【0008】
第3観点の冷凍装置は、第2観点の冷凍装置であって、制御部は、タイマーを含み、タイマーは、設定部で設定されるヒータのオン状態を維持する期間の計時を行う。
【0009】
第3観点の冷凍装置では、簡単な構成で、デフロスト運転の終了後の期間にヒータをオン状態にするという制御を実現することができる。
【0010】
第4観点の冷凍装置は、第1観点の冷凍装置であって、制御部が、デフロスト運転の終了の期間におけるファンの着霜の融け残り状態を判断し、融け残りがあると判断したときにはヒータがオン状態になるようにヒータを制御する。
【0011】
第4観点の冷凍装置では、制御部が、デフロスト運転でのファンの着霜の融け残り状態を判断し、融け残りがあると判断したときにはヒータをオフしないように制御することで、デフロスト運転で融け残ったファンの霜をヒータで融かすことができる。
【0012】
第5観点の冷凍装置は、第1観点から第4観点のいずれかの冷凍装置であって、制御部は、デフロスト運転が行われている期間にヒータがオン状態となるようにヒータを制御する。
【0013】
第5観点の冷凍装置では、デフロスト運転とヒータによるデフロストとの協働により、デフロスト運転だけの場合に比べて、ファンのデフロストの時間を短縮することができる。
【0014】
第6観点の冷凍装置は、第5観点の冷凍装置であって、制御部は、デフロスト運転が行われている期間にファンが停止するようにファンを制御する。
【0015】
第6観点の冷凍装置では、ファンを停止させることにより、ファンが回転している場合に比べて、ヒータからファンに伝わる熱がファンの回転によって空気中に逃げるのを防ぐことができる。
【0016】
第7観点の冷凍装置は、第1観点から第6観点のいずれかの冷凍装置であって、制御部は、デフロスト運転の終了後の期間にヒータがオン状態となるようにヒータを制御する場合、ヒータがオフしてから熱交換器を蒸発器として機能させるように利用ユニットの冷却運転を制御する。
【0017】
第7観点の冷凍装置では、ヒータがオフしてから冷却運転を行うように制御がされるため、ヒータによってファンの霜を取っている時に冷却運転をする場合と比較すると、冷却運転よりファンが冷やされることがないので、デフロスト時間が長引くのを防げる。
【0018】
第8観点の冷凍装置は、第1観点から第7観点のいずれかの冷凍装置であって、利用ユニットは、ファンの発生する気流を対象空間に吹出す吹出口と、吹出口に設けられファンを保護するファンガードとを有する。ヒータは、ファンガード近傍に取り付けられているファンガードヒータである。
【0019】
第9観点の冷凍装置の制御方法は、熱交換器を蒸発器として機能させる冷却運転により、対象空間の空気を冷却するステップと、熱交換器を放熱器として機能させるデフロスト運転を行うステップと、熱交換器に対象空間の空気流を発生させるファンを、デフロスト運転の終了後の期間に、ヒータにより加熱するステップとを備える。
【0020】
第9観点の冷凍装置の制御方法では、デフロスト運転で融け残ったファンの霜をヒータで融かすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】第1実施形態と第2実施形態の冷凍装置1の構成の概要を示す回路図である。
図2】利用ユニットの部分拡大側面図である。
図3】利用ユニットの部分拡大正面図である。
図4】利用ユニットの斜視図である。
図5図4の一部を拡大した拡大図である。
図6】庫内ファンとヒータの部分拡大正面図である。
図7】庫内ファンの羽根とヒータの部分拡大側面図である。
図8】第1設定時の冷凍装置の動作を示すタイミングチャートである。
図9】第1設定時の冷凍装置の動作を示すフローチャートである。
図10】第2設定時の冷凍装置の動作を示すタイミングチャートである。
図11】第2設定時の冷凍装置の動作を示すフローチャートである。
図12】第3設定時の冷凍装置の動作を示すタイミングチャートである。
図13】第3設定時の冷凍装置の動作を示すフローチャートである。
図14】第3実施形態の冷凍装置の動作を示すフローチャートである。
図15】第3実施形態の冷凍装置1の構成の概要を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<第1実施形態>
(1)冷凍装置の概要
(1-1)冷凍装置の全体構成
図1には、冷凍装置1の構成例の概要が示されている。冷凍装置1は、利用ユニット2と熱源ユニット3と制御部4とを備えている。利用ユニット2は、庫内熱交換器11、膨張弁12、庫内ファン13、ヒータ14及び温度センサ15を備えている。制御部4は、利用ユニット2と熱源ユニット3の制御を行う。利用ユニット2は、冷凍装置1によって冷却される対象空間100の中に設置される。対象空間100は、例えば、建物の部屋の中の空間、庫内の空間、コンテナの中の空間または装置の中の空間である。
【0023】
利用ユニット2の庫内熱交換器11は、対象空間100の空気を冷却する熱交換器である。利用ユニット2の庫内ファン13は、庫内熱交換器11に対象空間100の空気流を発生させるファンである。
【0024】
温度センサ15は庫内熱交換器11の温度を計測する。対象空間100の温度は、冷凍装置1によって、例えば、氷点下に維持される。対象空間100の温度は、例えば、マイナス30℃~マイナス10℃の範囲内の冷凍装置1に対して設定されている温度に維持される。対象空間100の中には、例えば人200が対象空間100に通じる扉110を開けて立ち入る。扉110が開くことで、0℃よりも高い温度の空気が扉110を通じて対象空間100に流れ込む。例えば、扉110が開いている間に、10℃~30℃の空気が対象空間100に流れ込む。このとき対象空間100に流れ込む空気の湿度は、例えば相対湿度で50%以上、さらには80%以上になる場合がある。扉110が開いている時間は、例えば数分から数十分であり、人200が立ち入る目的によって区々である。扉110を開く頻度も人200が立ち入る目的によって区々である。このように対象空間100に外から流れ込む空気中の水分によって、庫内ファン13に着霜する。扉110から直接外気が流入するような構成の場合には、扉110の外が建物の中の空間である場合に比べて、庫内ファン13への着霜が多くなる傾向がある。
【0025】
利用ユニット2のヒータ14は、庫内ファン13を加熱するためのヒータである。利用ユニット2のヒータ14は、庫内ファン13のデフロストに用いられる。
【0026】
熱源ユニット3は、庫内熱交換器11との間で熱の授受を行う装置である。そのために、熱源ユニット3は、圧縮機21、四方弁22、室外熱交換器23及び室外ファン24を備えている。
【0027】
圧縮機21、四方弁22、室外熱交換器23、膨張弁12及び庫内熱交換器11は、連絡管51によって接続されて、冷媒回路50を形成している。冷媒回路50では、冷媒が循環して、蒸気圧縮冷凍サイクルが繰り返される。言い換えると、冷媒は、減圧膨張と放熱凝縮とを交互に行いながら冷媒回路50の中を循環する。蒸気圧縮冷凍サイクルが実施される冷媒回路50で使用される冷媒としては、例えば、ハイドロフルオロカーボン(HFC)系冷媒、ハイドロフルオロオレフィン(HFO)、不飽和HFC系冷媒または自然冷媒がある。HFC系冷媒としては、例えば、R32、R410A、R407CまたはR134aがある。
【0028】
(1-2)冷凍装置の制御の概要
制御部4は、圧縮機21,四方弁22、室外ファン24のモータ(図示せず)、膨張弁12、庫内ファン13のモータ13m及びヒータ14に通信可能に接続されており、これらのアクチュエータを制御する。また、制御部4は、温度センサ15と通信可能に接続されおり、庫内熱交換器11の温度の情報を取得できる。制御部4は、利用ユニット2の冷却運転だけでなく、利用ユニット2のデフロスト運転とヒータ14のオンオフを制御する機能を有している。
【0029】
制御部4は、冷媒回路50の中を流れる冷媒の流路を、四方弁22によって切り換える。制御部4は、四方弁22により流路を切り換えて、冷凍装置1の冷却運転とデフロスト運転の切り換えを行うことができる。冷却運転のとき、制御部4は、圧縮機21、四方弁22、室外熱交換器23、膨張弁12、庫内熱交換器11、四方弁22、そして圧縮機21の順に冷媒を流す。デフロスト運転のとき、制御部4は、圧縮機21、四方弁22、庫内熱交換器11、膨張弁12、室外熱交換器23、四方弁22、そして圧縮機21の順に冷媒を流す。このように、冷却運転の冷媒の循環方向に対して冷媒の循環方向が逆向きになるデフロスト運転は、いわゆる逆サイクルデフロスト運転である。制御部4が前述の制御を行うことにより、冷却運転時には、室外熱交換器23が放熱器として機能し、庫内熱交換器11が蒸発器として機能する。デフロスト運転時には、室外熱交換器23が蒸発器として機能し、庫内熱交換器11が放熱器として機能する。
【0030】
制御部4は、デフロスト運転の終了後の期間に、ヒータ14がオン状態になるようにヒータ14を制御することができる。デフロスト運転の終了後の期間にオン状態となっているヒータ14は、デフロスト運転後に庫内ファン13に融け残った霜を融かすことができる。
【0031】
(2)詳細構成
(2-1)庫内ファンとヒータ
図2から図7には、庫内ファン13及びヒータ14並びにその周辺の利用ユニット2の構造が示されている。庫内ファン13は、羽根13aを有するプロペラファンであり、モータ13mにより回転駆動される。利用ユニット2は、庫内熱交換器11、膨張弁12、庫内ファン13及びヒータ14を収納するケーシング16を有している。図2にはケーシング16の側面の一部が拡大して示されている。ケーシング16には、Lアングル16aが設けられている。ケーシング16は、Lアングル16aにより例えば対象空間100の天井に取り付けられる。
【0032】
ケーシング16には、円形の吹出口16bが形成されている(図3参照)。吹出口16bを覆うように金属線を組み合わせてなるファンガード16cが取り付けられている。吹出口16bには、庫内ファン13の羽根13aが配置されている。ケーシング16において、ファンガード16c、庫内ファン13の羽根13a、庫内熱交換器11の順に並んでいる。庫内ファン13は、庫内熱交換器11からファンガード16cに向かう気流を発生させる。対象空間100の空気(庫内の空気)は、庫内熱交換器11から庫内ファン13の羽根13aを経由して吹出口16bから吹き出される。吹出口16bを囲むようにベルマウス16dが形成されている。
【0033】
図4図5及び図6に示されているヒータ14は、ケーシング16の中に設けられ、庫内ファン13の羽根13aの外周の外側を取り巻くリング状のシーズヒータである。このヒータ14は、ファンガード16cの除霜のため、ファンガード16cの近傍に取り付けられているファンガードヒータである。羽根13aの回転軸の延びる方向に直交する方向から見て、羽根13aと重なる位置にヒータ14が配置されている(図7参照)。ヒータ14は、羽根13aから離れて配置されており、輻射熱によって羽根13aを加熱する。前述のように配置されているヒータ14は、羽根13aが回転軸と直交する平面に対して傾いているので、羽根13aの面に輻射熱を照射することができる。また、ヒータ14の輻射熱は、庫内熱交換器11にも与えられる。従って、ヒータ14が発生する熱は、ファンガード16c及びベルマウス16dにも与えられ、庫内ファン13の羽根13aの除霜だけでなく、ファンガード16c及びベルマウス16dの除霜にも役立つ。言い換えると、ヒータ14は、ファンガード16c及びベルマウス16dに着いた霜が羽根13aに接触するまで成長するのを防止している。
【0034】
(2-2)設定部と制御部
冷凍装置1は、設定部30を備えている。設定部30は、制御部4と通信可能に接続されている。設置者またはサービスマンは、設定部30を使って、デフロスト運転の終了後の期間にヒータ14がオン状態になるように、ヒータ14のオンを維持する期間を設定することができる。設定部30は、例えば、リモートコントローラ(図示せず)である。
【0035】
例えば、工場から冷凍装置1が出荷されるときの初期設定として、デフロスト運転の終了時点とヒータ14をオフするタイミングが一致するように設定することができる(第1設定)。このような第1設定がなされている場合に、設置者またはサービスマンは、設定部30によって、デフロスト運転の終了後の期間にヒータ14がオン状態になるように、制御部4の設定を変更することができる。デフロスト運転の終了と同時にヒータ14がオフすると羽根13aの霜の融け残りが発生する場合には、羽根13aの霜が融け残らないように制御部4の設定を設定部30によって変更し、第2設定にする。
【0036】
上述の説明では、初期設定として第1設定が用いられる場合について説明した。しかし、初期設定を第2設定として、デフロスト運転だけで羽根13aの霜が融け残らないときは、第1設定に変更し、デフロスト運転の終了時点でヒータ14をオフするようにしてもよい。ヒータ14をオン状態としていると電力消費があるため、設置者またはサービスマンは、必要に応じて第1設定を用いることで、余分な消費電力が増加するのを防ぐことができる。
【0037】
また、上述の説明では、第1設定がデフロスト運転の終了時点でヒータ14をオフする場合について説明した。しかし、第1設定は、デフロスト運転の終了前に、ヒータ14がオフしても羽根13aの霜の融け残りが発生しない場合には、第1設定をデフロスト運転の終了前にオフする設定としてもよい。
【0038】
制御部4は、例えばコンピュータにより実現されるものである。制御部4を実現するコンピュータは、例えば制御演算装置と記憶装置とを備えている。制御演算装置には、CPU又はGPUといったプロセッサを使用できる。制御演算装置は、記憶装置に記憶されているプログラムを読み出し、このプログラムに従って所定の画像処理や演算処理を行う。さらに、制御演算装置は、プログラムに従って、演算結果を記憶装置に書き込んだり、記憶装置に記憶されている情報を読み出したりすることができる。図1の制御部4は、制御演算装置により実現される機能ブロックを示している。設定部30により設定された期間、第1設定及び第2設定は、例えば、この記憶装置に記憶されてもよい。
【0039】
制御部4は、タイマー41を有している。タイマー41は、各種の時間を計る。タイマー41は、ヒータ14がオンしてからの経過時間を計ることができる。このタイマー41は、ヒータのオン状態の継続時間を計ることが可能である。
【0040】
(2-3)具体的な制御
制御部4によるデフロスト運転の第1設定ついて図8及び図9を用いて説明し、第2設定について図10及び図11を用いて説明する。図8及び図10のタイミングチャートにおいて、矢印が描かれている箇所が運転状態またはオン状態に対応している。ただし、図10において、冷却運転のチャートに破線で示されている矢印の箇所は、デフロスト運転から冷却運転に切り替わっているが、冷却運転が停止している状態であることを示している。また、図8及び図10において、庫内ファン13のチャートに破線で示されている箇所は、冷却運転の開始に起因して庫内ファン13をオンするタイミングを遅らせている状態を示している。
【0041】
(2-3-1)第1設定の制御
第1設定では、図8の時刻t1において、制御部4は、従来と同様に、デフロスト運転開始の条件を満たす場合に、庫内熱交換器11のデフロスト運転を開始する。デフロスト運転開始の条件は、複数存在する。例えば、制御部4が周期的にデフロスト運転を行ったり、リモートコントローラからの指示で強制的にデフロスト運転を行ったりする。そのため、デフロスト運転開始のタイミングは区々になる。制御部4は、図9に示されているように、庫内熱交換器11のデフロスト運転が開始されたか否かを判定する(ステップS1)。制御部4は、庫内熱交換器11のデフロスト運転の開始に合わせて、時刻t1にヒータ14をオンする(ステップS2)。この場合、デフロスト運転の開始と、ヒータ14のオンの処理は同一タイミングで行われる。また、制御部4は、デフロスト運転の開始時点(時刻t1)から、庫内ファン13を停止させる(ステップS3)。デフロスト運転が開始されるまでの冷却運転の期間中、制御部4は、庫内ファン13を駆動させている。
【0042】
制御部4は、デフロスト運転が開始されてから、例えば温度センサ15から得られる庫内熱交換器11の温度の情報を使ってデフロスト運転の終了を判断する。庫内熱交換器11の霜が融けてなくなるまでは、0℃近傍の温度が維持される。庫内熱交換器11の霜が融けてなくなると庫内熱交換器11の温度が0℃を超えて上昇する。従って、制御部4は、デフロスト運転を開始してから予め設定されている温度まで庫内熱交換器11の温度が上昇すると、庫内熱交換器11の霜が融けたと判断して、デフロスト運転を終了する(図10の時刻t2)(デフロスト終了処理)。
【0043】
制御部4は、デフロスト運転の終了を監視してデフロスト運転が終了したか否かを判定する(ステップS4)。制御部4は、デフロスト運転が終了したかどうかを判定し、デフロスト運転が終了したと判定すると(ステップS4でYES)、ヒータ14をオフし(ステップS5)、冷却運転を開始する(ステップS6)。冷却運転を開始しても一定の期間PEFだけ庫内ファン13の運転開始を遅延させる。そのため、制御部4は、時刻t2に冷却運転が開始されてから、一定の期間PEFが経過したか否かを判断する(ステップS7)。時刻t2から一定の期間PEFが経過されたと判断すると(ステップS7のYES)、制御部4は、庫内ファン13の運転を開始する(ステップS8)。その後、冷凍装置1は、ステップS1からステップS8の制御を繰り返す。
【0044】
(2-3-2)第2設定の制御
第2設定では、図10の時刻t11において、制御部4は、従来と同様に、デフロスト運転開始の条件を満たす場合に、庫内熱交換器11のデフロスト運転を開始する。制御部4は、図11に示されているように、庫内熱交換器11のデフロスト運転が開始されたか否かを判定する(ステップS11のYES)。制御部4は、庫内熱交換器11のデフロスト運転の開始に合わせて、時刻t11にヒータ14をオンする(ステップS12)、同時にタイマー41によるヒータ14のオン状態の継続時間の計時が開始される。この場合、デフロスト運転の開始と、ヒータ14のオンの処理は同一タイミングで行われる。また、制御部4は、デフロスト運転の開始時点(時刻t11)から、庫内ファン13を停止させる(ステップS13)。制御部4は、デフロスト運転が開始されてから、例えば第1設定のデフロスト終了処理と同様の方法で、デフロスト運転を終了する。
【0045】
設置者またはサービスマンは、時刻t11にヒータ14をオンしてから次にオフするまでの期間を設定部30により予め設定しておく。設定部30により設定される期間は、デフロスト運転に要する期間である第1期間PE1(時刻t11から時刻t12までの期間)よりも長い期間である。デフロスト運転に要する第1期間PE1は、実機による実験の結果から或いはシミュレーションの結果から決定できる。設置者またはサービスマンは、決定された第1期間よりも長い期間(第1期間PE1+第2期間PE2)の間、ヒータ14がオン状態を維持するように設定部30により設定を行う。ヒータ14を時刻t11にオンしてから次にオフするまでの期間と第1期間PE1との差が第2期間PE2になる。例えば、デフロスト運転に要する時間が40分程度であれば、それよりも10分程度長い50分間だけ、デフロスト運転の開始時点(時刻t11)からヒータ14がオン状態を維持できるように設定する。設定部30により制御部4の制御内容(例えばプログラムの内容またはプログラム中のパラメータ)を書き換えられるように構成したことによって、例えばデフロスト運転の終了時にヒータ14をオフする制御からデフロスト運転の終了後の期間(第2期間PE2)もヒータ14がオン状態を維持するように制御部4の制御を変更することができる。図10は、ヒータ14を時刻t11にオンしてから次にオフするまでの期間を第1期間PE1よりも長く設定している場合の動作を示すタイミングチャートである。
【0046】
制御部4は、デフロスト運転の終了を監視してデフロスト運転が終了したか否かを判定する(ステップS14)。制御部4は、デフロスト運転が終了したと判定すると(ステップS14でYES)、デフロスト運転の停止時点から(時刻t12から)、ヒータ14がオン状態にある期間(PE2)だけ冷却運転を停止する(ステップS15)。このように冷却運転を停止する理由は、冷却運転によって庫内ファン13の羽根13aが冷やされると、羽根13aの除霜時間が長くなるからである。
【0047】
制御部4は、タイマー41の計時からヒータ14のオン状態を維持させるために設定された期間(第1期間PE1+第2期間PE2)が経過したか否かを判断する(ステップS16)。制御部4は、設定部30で設定されたヒータ14のオン状態維持の期間(第1期間PE1+第2期間PE2)が経過したと判断すると(ステップS16でYES)、ヒータ14をオフする(ステップS17)。制御部4がヒータ14をオフする時刻t13で、冷却運転の停止を解除する(ステップS18)。冷却運転の停止を解除してから一定の期間PEFだけ庫内ファン13の運転開始を遅延させる。そのため、制御部4は、時刻t13に冷却運転が開始されてから、一定の期間PEFが経過したか否かを判断する(ステップS19)。時刻t13から一定の期間PEFが経過されたと判断すると(ステップS19のYES)、制御部4は、庫内ファン13の運転を開始する(ステップS20)。
【0048】
なお、ここでは、設定部30で、時刻t11からヒータ14のオン状態を維持させる期間(第1期間PE1+第2期間PE2)を設定するように構成しているが、ヒータ14のオン状態を維持させる期間の設定方法はこれだけには限られない。例えば、デフロスト運転の終了時点からのヒータ14にオン状態を続けさせる期間(第2期間PE2)のみを、設定部30により設定できるように構成してもよい。このように設定する場合は、第1期間PE1においては、制御部4は、デフロスト運転の実施に基づいてヒータ14をオンさせる。
【0049】
なお、上記説明では、制御部4はデフロスト運転の開始と同時にヒータ14をオンしているが、ヒータ14をオンするタイミングは必ずしもこれに限られず、例えばデフロスト運転が開始から所定時間が経過した後にヒータ14をオンしてもよい。
【0050】
<第2実施形態>
(3)冷凍装置の制御の概要
上記第1実施形態では、設定部30により、ヒータ14にオン状態を維持させる期間を設定することによって、デフロスト運転の終了後の期間にヒータ14がオン状態となるように、制御部4にヒータ14の制御を行わせた。それに対して、第2実施形態の冷凍装置1では(図1参照)、設定部30によって、制御部4にデフロスト運転中だけでなく、デフロスト運転に入る前の冷却運転の期間もヒータ14をオンさせる制御に、制御部4の制御を切り換えさせる。以下の説明では、設定部30によるこのような制御の設定を第3設定と呼ぶ。
【0051】
図12は、設定部30によって第3設定に設定されている冷凍装置1の動作を示すタイミングチャートである。図13は、第3設定に設定されている冷凍装置1の動作を示すフローチャートである。第2実施形態の冷凍装置1は、すくなくとも、第1設定と第3設定とを、設定部30により変更可能に構成されている。なお、冷凍装置1は、第1設定と第2設定と第3設定を変更可能に構成されてもよい。第1設定については第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0052】
第3設定において、設置者またはサービスマンは、第2実施形態と異なり、設定部30により、予め第3設定を選択しておけばよい。制御部4は、図13に示されているように、冷却運転が開始されたと判定した段階で(ステップS21のYes)、ヒータ14をオンする(ステップS22)。従って、冷凍装置1は、図12の時刻t21において、庫内熱交換器11のデフロスト運転を開始したときには、既にヒータ14がオン状態になっている。
【0053】
制御部4は、デフロスト運転開始の条件を満たす場合に、庫内熱交換器11のデフロスト運転を開始する。制御部4は、庫内熱交換器11のデフロスト運転が開始したと判定する(ステップS23のYES)。制御部4は、デフロスト運転の開始時点(時刻t21)から、庫内ファン13を停止させる(ステップS24)。制御部4は、デフロスト運転が開始されてから、第1設定のデフロスト終了処理と同様の方法でデフロスト運転を終了する(ステップS25)。
【0054】
制御部4は、デフロスト運転の終了を監視してデフロスト運転が終了したか否かを判定する(ステップS25)。
【0055】
制御部4は、デフロスト運転の終了を認知すると(ステップS25でYES)、デフロスト運転の停止時点から(時刻t22から)、所定の期間(PEC)だけ冷却運転を停止する(ステップS26)。
【0056】
制御部4は、タイマー41の計時から冷却運転の停止期間PECが経過したか否かを判断する(ステップS27)。制御部4は、冷却運転の停止期間PECが経過したと判断すると(ステップS27でYES)、時刻t23で、冷却運転の停止を解除する(ステップS28)。
【0057】
冷却運転の停止を解除してから一定の期間PEFだけ庫内ファン13の運転開始を遅延させる。そのため、制御部4は、時刻t23に冷却運転が開始されてから、一定の期間PEFが経過したか否かを判断する(ステップS29)。時刻t23から一定の期間PEFが経過されたと判断すると(ステップS29のYES)、制御部4は、庫内ファン13の運転を開始する(ステップS30)。その後、冷凍装置1は、ステップS21からステップS30の制御を繰り返す。
【0058】
なお、上記説明では、制御部4は冷却運転の開始と同時にヒータ14をオンしているが、ヒータ14をオンするタイミングは必ずしもこれに限られず、冷却運転が開始から所定時間が経過した後にヒータ14をオンしてもよい。
【0059】
<第3実施形態>
(4)冷凍装置の制御の概要
上記第1実施形態及び第2実施形態の冷凍装置1は、設定部30によって設定を変更することにより、制御部4が、デフロスト運転の終了後の期間に、ヒータ14がオン状態になるようにヒータ14を制御する。それらの装置に対し、第3実施形態の冷凍装置1は、制御部4が、デフロスト運転の終了の時点における庫内ファン13の着霜の融け残りの有無を判断する。第3実施形態の制御部4は、図14に示されているように、融け残りがあると判断したときにはヒータ14がオン状態になるようにヒータ14を制御するよう構成されている。
【0060】
制御部4は、デフロスト運転の終了を待っている(ステップS31のNO)。制御部4は、デフロスト運転の終了時点で、庫内ファン13に霜の融け残りがあるか否かを判断する(ステップS32)。制御部4は、庫内ファン13に霜の融け残りがあると判断した場合には(ステップS32のYES)、デフロスト運転の終了後の期間においてもヒータ14のON状態を維持する(ステップS33)。また、制御部4は、冷却運転の停止を維持する。そして、庫内ファン13の霜の融け残りが無くなるまでヒータ14のON状態を維持する。
【0061】
制御部4は、庫内ファン13の霜の融け残りの有無を判断し(ステップS32)、庫内ファン13の霜の融け残りが無くなったと判断したときには(ステップS32のYES)、ヒータ14をオフし(ステップS35)、冷却運転を開始する(ステップS35)。
【0062】
冷却運転の停止を解除してから一定の期間PEFだけ庫内ファン13の運転開始を遅延させる。そのため、制御部4は、冷却運転が開始されてから、一定の期間PEFが経過したか否かを判断する(ステップS36)。冷却運転の開始から一定の期間PEFが経過されたと判断すると(ステップS36のYES)、制御部4は、庫内ファン13の運転を開始する(ステップS37)。その後、冷凍装置1は、ステップS31からステップS37の制御を繰り返す。
【0063】
(5)霜の融け残りの判断
以下においては、制御部4における庫内ファン13の霜の融け残りの判断について複数の例を挙げて説明する。
【0064】
図15に示されているように、庫内ファン13の羽根13aの温度を検出する非接触温度センサ61をファンガード16cに取り付けてもよい。この場合、制御部4は、例えば、非接触温度センサ61で検出される羽根13aの温度が所定温度(例えば、3℃)以上になったらヒータ14をオフする。しかし、制御部4は、デフロスト運転の終了時点で羽根13aの温度が所定温度未満であれば、ヒータ14のオン状態を、デフロスト運転の終了後の期間においても維持する。
【0065】
また、図15に示されているように、庫内ファン13が留め具(図示せず)に生じる応力を測定する応力センサ62を設けてもよい。この場合、制御部4は、デフロスト運転の終了時点で、応力センサ62が検出する応力が、着霜により所定値未満になっていれば、ヒータ14をオフする。しかし、制御部4は、デフロスト運転の終了時点で応力センサ62が検出する応力が所定値以上になっていれば、付着した霜によって庫内ファン13の重量が増加していると判断して、ヒータ14のオン状態を、デフロスト運転の終了の期間においても維持する。
【0066】
また、図15に示されているように、対象空間100に温湿度センサ63を設けてもよい。制御部4は、デフロスト運転の終了時点で、温湿度センサ63で検出される対象空間100の温湿度条件が、予め設定されている所定条件を満たしたらヒータ14のオン状態を、デフロスト運転の終了の期間においても維持する。この所定条件は、庫内ファン13への着霜が予想される条件である。
【0067】
また、図15に示されているように、庫内ファン13のファンモータ13mの電流値を検出する電流計64を設けてもよい。制御部4は、デフロスト運転の終了時点で、ファンモータ13mの電流の振れ幅が一定値以上の場合にヒータ14のオン状態を、デフロスト運転の終了の期間においても維持する。羽根13aに着霜することで、羽根13aの重量または重心が変わると、ファンモータ13mを流れる電流の振れ幅が大きくなる。
【0068】
(6)特徴
(6-1)
第1乃至第3実施形態の冷凍装置1では、デフロスト運転で融け残った庫内ファン13の霜を、デフロスト運転の終了後の期間に、ヒータ14で融かすことができる。その結果、庫内ファン13の羽根13aに着霜することで、異音が発生するのを防止することができる。
【0069】
(6-2)
第1乃至第3実施形態の冷凍装置1では、設定部30により、デフロスト運転の終了後の期間にヒータ14がオン状態となるようにヒータ14のオン状態を維持する期間を設定することができる。その結果、冷凍装置1は、デフロスト運転で融け残った庫内ファン13の霜をヒータ14で融かせるような設定にすることができる。
【0070】
(6-3)
第1実施形態の冷凍装置1の制御部4は、タイマー41を含んでいる。タイマー41は、設定部30で設定されるヒータ14のオン状態を維持する期間の計時を行う。このように、第1実施形態の冷凍装置1では、簡単な構成で、デフロスト運転の終了後の期間にヒータ14をオン状態にするという制御を実現することができる。
【0071】
(6-4)
第3実施形態の冷凍装置1では、制御部4が、デフロスト運転の終了の期間における庫内ファン13の着霜の融け残り状態を判断し、融け残りがあると判断したときにはヒータがオン状態になるようにヒータを制御する。このように、庫内ファン13の着霜の融け残りがあると判断したときにはヒータ14をオフしないように制御することで、デフロスト運転で融け残った庫内ファン13の霜をヒータ14で融かすことができる。
【0072】
(6-5)
第1乃至第3実施形態の冷凍装置1において、制御部4は、デフロスト運転が行われている期間にヒータ14がオン状態となるようにヒータ14を制御する。このような制御部4の制御により、デフロスト運転とヒータ14によるデフロストとの協働により、デフロスト運転だけの場合に比べて、庫内ファン13のデフロストの時間を短縮することができる。
【0073】
(6-6)
第1乃至第3実施形態の冷凍装置1では、制御部4が、デフロスト運転が行われている期間に庫内ファン13を停止させる。庫内ファン13を停止させることにより、庫内ファン13が回転している場合に比べて、ヒータ14から庫内ファン13に伝わる熱が庫内ファン13の回転によって空気中に逃げるのを防ぐことができる。
【0074】
(6-7)
第1乃至第3実施形態の冷凍装置1では、制御部は、デフロスト運転の終了後の期間にヒータ14がオン状態となるようにヒータ14を制御する場合、ヒータ14がオフしてから庫内熱交換器11を蒸発器として機能させるように利用ユニット2の冷却運転を制御する。このような制御部4の制御では、ヒータ14によって庫内ファン13の霜を取っている時に冷却運転をする場合と比較すると、冷却運転より庫内ファン13が冷やされることがないので、デフロスト時間が長引くのを防ぐことができる。
【0075】
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0076】
1 冷凍装置
2 利用ユニット
3 熱源ユニット
4 制御部
11 庫内熱交換器
13 庫内ファン
14 ヒータ
16 ケーシング
16b 吹出口
16c ファンガード
30 設定部
41 タイマー
【先行技術文献】
【特許文献】
【0077】
【文献】特開平6-331241号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
図12
図13
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図15