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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-28
(45)【発行日】2024-03-07
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21V 19/00 20060101AFI20240229BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20240229BHJP
   F21S 8/04 20060101ALI20240229BHJP
   F21V 23/06 20060101ALI20240229BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240229BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20240229BHJP
   F21Y 103/10 20160101ALN20240229BHJP
【FI】
F21V19/00 450
F21S2/00 230
F21S8/04 110
F21S8/04 130
F21V23/06
F21Y115:10 500
F21Y115:15
F21Y103:10
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020163811
(22)【出願日】2020-09-29
(65)【公開番号】P2022056035
(43)【公開日】2022-04-08
【審査請求日】2023-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄
(72)【発明者】
【氏名】山田 太一
(72)【発明者】
【氏名】酒井 誠
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 則雅
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 勝也
(72)【発明者】
【氏名】清水 圭一
(72)【発明者】
【氏名】室伏 和人
(72)【発明者】
【氏名】圷 慎太郎
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-133810(JP,A)
【文献】特開2019-129094(JP,A)
【文献】特開2020-140904(JP,A)
【文献】特開2018-133148(JP,A)
【文献】米国特許第10253956(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 19/00
F21S 2/00
F21S 8/04
F21V 23/06
F21Y 115/10
F21Y 115/15
F21Y 103/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1光源基板と;
第2光源基板と;
前記第1光源基板と前記第2光源基板とが所定の並設方向に並んで配置されるシャーシと;
前記第1光源基板と前記第2光源基板の互いの端部間を接続する接続部と;
前記シャーシ上に立ち上がる第1立上部と、この第1立上部の先端側から前記並設方向に沿って突出するとともに前記シャーシ上に前記第1光源基板が前記並設方向に移動可能な間隙を介して対向する第1突出部を有し、前記並設方向に移動された前記第1光源基板を前記第1突出部と前記シャーシとの間の前記間隙内に押える第1押え部と;
前記シャーシ上に立ち上がる第2立上部と、この第2立上部の先端側から前記第1突出部と反対向きで前記並設方向に沿って突出するとともに前記シャーシ上に前記第2光源基板が前記並設方向に移動可能な間隙を介して対向する第2突出部を有し、前記並設方向に移動された前記第2光源基板を前記第2突出部と前記シャーシとの間の前記間隙内に押える第2押え部と;
を備え
前記接続部で前記第1光源基板と前記第2光源基板の互いの端部間が接続された状態において、前記第1立上部と前記第1光源基板、および前記第2立上部と前記第2光源基板とは、それぞれ前記並設方向に非接触で間隔を設けて配置される
ことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
端部に第1接続部が設けられた第1光源基板と;
端部に前記第1接続部と接続可能とする第2接続部が設けられた第2光源基板と;
前記第1接続部と前記第2接続部とが接続されるように、前記第1光源基板と前記第2光源基板とが接近する接続移動方向にそれぞれ移動可能に配置されるシャーシと;
前記シャーシ上に立ち上がる第1立上部と、この第1立上部の先端側から前記第1光源基板の前記接続移動方向に対して反対方向に突出するとともに前記シャーシ上に前記第1光源基板が前記接続移動方向に移動可能な間隙を介して対向する第1突出部を有し、前記接続移動方向に移動された前記第1光源基板を前記第1突出部と前記シャーシとの間の前記間隙内に押える第1押え部と;
前記シャーシ上に立ち上がる第2立上部と、この第2立上部の先端側から前記第2光源基板の前記接続移動方向に対して反対方向に突出するとともに前記シャーシ上に前記第2光源基板が前記接続移動方向に移動可能な間隙を介して対向する第2突出部を有し、前記接続移動方向に移動された前記第2光源基板を前記第2突出部と前記シャーシとの間の前記間隙内に押える第2押え部と;
を備え、
前記第1接続部と前記第2接続部とが接続された状態において、前記第1立上部と前記第1光源基板、および前記第2立上部と前記第2光源基板とは、それぞれ前記接続移動方向に沿った方向に非接触で間隔を設けて配置される
ことを特徴とする照明装置。
【請求項3】
前記シャーシ上に設けられ、前記第1光源基板と前記第2光源基板が互いに対向する端部とは反対側の端部に対向するストッパ部をさらに備える
ことを特徴とする請求項1または2記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、光源基板を用いる照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源基板を用いる照明装置では、光源基板をシャーシに取り付けるのに、放熱性を重視して、固定部により光源基板をシャーシに密着するとともに動かないように押し付けた状態に固定することが多い。
【0003】
しかし、シャーシと光源基板との熱膨張率に差がある場合、点灯による熱膨張時や消灯による熱収縮時に、シャーシと点灯基板との間や点灯基板と固定部との間から異音が発生することがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-169481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、異音の発生を防止できる照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の照明装置は、第1光源基板、第2光源基板、シャーシ、接続部、第1押え部および第2押え部を備える。シャーシは、第1光源基板と第2光源基板とを所定の並設方向に並べて配置する。接続部は、第1光源基板と第2光源基板の互いの端部間を接続する。第1押え部は、シャーシ上に立ち上がる第1立上部と、第1立上部の先端側から並設方向に沿って突出するとともにシャーシ上に第1光源基板が並設方向に移動可能な間隙を介して対向する第1突出部を有し、並設方向に移動された第1光源基板を第1突出部とシャーシとの間の間隙内に押える。第2押え部は、シャーシ上に立ち上がる第2立上部と、第2立上部の先端側から第1突出部と反対向きで並設方向に沿って突出するとともにシャーシ上に第2光源基板が並設方向に移動可能な間隙を介して対向する第2突出部を有し、並設方向に移動された第2光源基板を第2突出部とシャーシとの間の間隙内に押える。接続部で第1光源基板と第2光源基板の互いの端部間が接続された状態において、第1立上部と第1光源基板、および第2立上部と第2光源基板とは、それぞれ並設方向に非接触で間隔を設けて配置される。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の照明装置によれば、異音の発生を防止することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施形態を示す照明装置の光源基板の斜視図である。
図2】同上照明装置の光源基板の組立手順を示す斜視図である。
図3】同上照明装置の光源基板の組立手順を示す斜視図である。
図4】同上照明装置の光源基板の端面図である。
図5】同上照明装置の光源基板の側面図である。
図6】同上照明装置の光源基板の端部の斜視図である。
図7】同上照明装置の光源基板の全体の斜視図である。
図8】同上照明装置の一部を省略した端面図である。
図9】同上照明装置の斜視図である。
図10】第2の実施形態を示す照明装置の光源基板の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、第1の実施形態を、図1ないし図9を参照して説明する。
【0010】
図8および図9に例えば天井直付形の照明装置10を示す。照明装置10は、長尺状に設けられており、発光領域が長手方向に沿ってライン状に連続するベースライトである。照明装置10は、設置面である天井面に設置される器具本体11と、この器具本体11に取り付けられる光源ユニット12とを備えている。
【0011】
器具本体11は、下面側に開口部15が形成された長尺な箱状に形成されている。
【0012】
光源ユニット12は、上部側が器具本体11の開口部15に挿入される挿入領域12a、下部側が器具本体11の外部に配置される突出領域12bに構成されている。光源ユニット12は、筒状のカバー20、このカバー20内に挿通配置される支持部材であるシャーシ21、このシャーシ21に取り付けられる光源22および電源部23、およびカバー20の両端に取り付けられるキャップ24などを備えている。
【0013】
カバー20は、長尺で、長手方向に同一形状の筒状に形成されている。カバー20の両側には、カバー20の内部側に突出する屈曲部25が形成されている。カバー20の下部側は、中央が下方に突出する凸湾曲状に形成されている。カバー20の少なくとも突出領域12bに対応した下部側は光が透過する透光部に形成されている。
【0014】
また、シャーシ21は、金属製で、長尺に形成されている。シャーシ21は、上方に開口する断面略コ字形に形成されている。シャーシ21は、基板取付面部28、およびこの基板取付面部28の両側から上方に折曲して設けられた側面部29を有している。基板取付面部28の前面側に光源22が配置される。シャーシ21は、基板取付面部28に光源22を取り付けるための基板取付構造30を備えている。シャーシ21内には、外部からの電源線が接続される図示しない端子台が配設されている。端子台からは光源ユニット12に接続される電源ケーブルが引き出されている。
【0015】
また、図1および図7に示すように、光源22は、発光モジュールである第1光源基板33と第2光源基板34とを備えている。これら光源基板33,34は、基板本体である長尺な基板35、およびこの基板35の一面側である実装面に基板35の長手方向に沿って所定のピッチで実装された発光素子36を有している。基板35の実装面には配線パターンが形成されており、この配線パターン上に発光素子36が実装されている。発光素子36は、例えば表面実装形LEDが用いられているが、例えば有機ELなどの他の素子を用いてもよい。
【0016】
基板35の両側には、複数の窪み部37が設けられている。窪み部37は、基板35の両側で長手方向の同じ位置に設けられており、基板35の長手方向に直交する方向の幅が狭い部分となっている。なお、窪み部37は、基板35の両側で長手方向の異なる位置に設けられていてもよい。
【0017】
第1光源基板33と第2光源基板34とは、長手方向の端部が互いに対向するように所定の並設方向aに沿って直線状に並んで配置されるとともに、互いの端部間が接続部38によって電気的および機械的に接続される。
【0018】
接続部38は、第1光源基板33の端部に設けられた一対の第1接続部39と、第2光源基板34の端部に設けられた一対の第2接続部40とを有している。これら第1接続部39および第2接続部40は、互いに係合して電気的に接続されるとともに機械的に連結されるコネクタで構成されており、例えば、第1接続部39が雄側コネクタ、第2接続部40が雌側コネクタで構成されている。第1接続部39および第2接続部40は、第1光源基板33と第2光源基板34とが互いに接近する接続移動方向b1,b2(第1接続移動方向b1、第2接続移動方向b2)にそれぞれ移動することにより、互いに係合して接続される。第1接続部39および第2接続部40は、それぞれ基板35の配線パターンに接続されており、第1光源基板33と第2光源基板34とを電気的に接続する。
【0019】
そして、光源基板33,34は、シャーシ21の基板取付面部28の前面側に基板35の背面側を対向させた状態でシャーシ21の長手方向に沿って配置されている。すなわち、第1光源基板33と第2光源基板34とがシャーシ21の長手方向に沿った所定の並設方向aに並んで配置される。
【0020】
第1光源基板33の第1接続部39が設けられた端部とは反対側の端部には、電源部23に接続するための接続ケーブルが接続される図示しない電源側接続部が設けられている。この電源側接続部は、接続ケーブルが接続される接続用コネクタまたは端子台で構成されている。
【0021】
また、図8に示すように、電源部23は、外部から供給される交流電力などの外部電力を直流電力などの所定の点灯電力に変換して光源基板33,34に供給し、発光素子36を点灯させる。電源部23は、シャーシ21の両側の側面部29の上部間に亘って取り付けられる取付部材43により、シャーシ21に取り付けられている。電源部23の外部電力の入力部には、光源ユニット12の外部に引き出される電源ケーブルが接続され、また、電源部23の点灯電力の出力部には、光源ユニット12の接続ケーブルが接続されている。
【0022】
また、図9に示すように、キャップ24は、カバー20の端部に取り付けられている。キャップ24に配置されたねじ46を器具本体11に螺着することにより、光源ユニット12が器具本体11に取り付けられる。
【0023】
次に、図1ないし図6において、シャーシ21の基板取付構造30について説明する。
【0024】
基板取付構造30は、第1光源基板33および第2光源基板34をシャーシ21に取り付けるものである。基板取付構造30は、シャーシ21の基板取付面部28に設けられた第1押え部51、第2押え部52、およびストッパ部53を備えている。
【0025】
第1押え部51は第1光源基板33をシャーシ21に対して押え、第2押え部52は第2光源基板34をシャーシ21に対して押える。ストッパ部53は、第2光源基板34の第2接続部40が設けられた端部に対して反対側の端部をシャーシ21に対して押える。
【0026】
押え部51,52は、光源基板33,34が配置されるシャーシ21の基板配置領域28aに対して、シャーシ21の長手方向yに交差する短手方向である幅方向xの両側に設けられているとともに、シャーシ21の長手方向yに沿って複数箇所に設けられている。押え部51,52の位置は、光源基板33,34の両側の窪み部37の位置と対応されている。
【0027】
押え部51,52は、基板取付面部28から切り起こされており、シャーシ21に一体に設けられている。押え部51,52は、シャーシ21の基板配置領域28a内から幅方向xの外側に向けて切り起こされている。シャーシ21の基板配置領域28a内には切起し孔55が開口されるが、この切起し孔55は基板配置領域28aに配置される光源基板33,34によって略閉塞される。
【0028】
押え部51,52は、シャーシ21の表面から略垂直に立ち上げられた立上部56、およびこの立上部56の先端側からシャーシ21の長手方向yに沿って突出された突出部57a,57bを有している。立上部56は、光源基板33,34の窪み部37が対向される。なお、第1押え部51の突出部は第1突出部57aであり、第2押え部52の突出部は第2突出部57bである。
【0029】
第1突出部57aと第2突出部57bとは、光源基板33,34が並んで配置される並設方向aに沿って突出されているとともに、互いに相反する反対向きに突出されている。第1突出部57aは第1光源基板33の接続移動方向b1に対して反対方向に突出され、第2突出部57bは第2光源基板34の接続移動方向b2に対して反対方向に突出されている。すなわち、第1突出部57aはシャーシ21の一端側に突出され、第2突出部57bはシャーシ21の他端側に突出され、第1突出部57aと第2突出部57bとは互いに外向きに突出されている。
【0030】
第1突出部57aおよび第2突出部57bは、シャーシ21および光源基板33,34に対向する縁部に、光源基板33,34の表面である実装面に当接可能とする当接部58を有している。当接部58は、光源基板33,34の並設方向aおよび接続移動方向b1,b2あるいは長手方向yに対して凸曲面状に形成されている。突出部57a,57bとシャーシ21との間には、光源基板33,34の基板35の厚みよりも広い間隙59が設けられている。
【0031】
本実施形態では、シャーシ21の幅方向xの両側の押え部51,52は、光源基板33,34の両側の窪み部37の位置と対応して、シャーシ21の長手方向の同じ位置であって、シャーシ21の幅方向xの両側で互いに対向する位置に設けられている。
【0032】
また、ストッパ部53は、シャーシ21から切り起されて第2光源基板34の端部に対向される。ストッパ部53は、光源基板33,34をシャーシ21に配置した後にシャーシ21から立ち上げてもよい。
【0033】
そして、光源基板33,34をシャーシ21に組み立てるには、図2に示すように、まず、第1光源基板33および第2光源基板34をシャーシ21上に配置する。このとき、光源基板33,34の両側の窪み部37を押え部51,52の位置に合わせてシャーシ21上に配置する。
【0034】
図3に示すように、光源基板33,34の両側の窪み部37を押え部51,52の位置に合わせてシャーシ21上に配置した状態では、第1光源基板33と第2光源基板34との端部間は離れた状態にあり、第1接続部39と第2接続部40とが離反状態で互いに対向されている。
【0035】
この状態から第1光源基板33と第2光源基板34とを互いに接近する接続移動方向b1,b2にそれぞれ移動させる。
【0036】
この移動により、図1に示すように、第1光源基板33の第1接続部39と第2光源基板34の第2接続部40とが互いに接続され、第1光源基板33と第2光源基板34とが電気的に接続されるとともに機械的に連結される。
【0037】
第1光源基板33が接続移動方向b1に移動することにより、窪み部37に隣接する第1光源基板33の側縁部が第1押え部51の第1突出部57aとシャーシ21との間の間隙59に進入し、第1押え部51の第1突出部57aとシャーシ21との間の間隙59内に第1光源基板33を押さえる。
【0038】
第2光源基板34が接続移動方向b2に移動することにより、窪み部37に隣接する第2光源基板33の側縁部が第2押え部52の第2突出部57bとシャーシ21との間の間隙59に進入し、第2押え部52の第2突出部57bとシャーシ21との間の間隙59内に第2光源基板34を押さえる。
【0039】
第1光源基板33の第1接続部39と第2光源基板34の第2接続部40とが互いに接続された状態では、第1光源基板33が第1押え部51の第1突出部57aとシャーシ21との間の間隙59内に押さえられ、第2光源基板34が第2押え部52の第2突出部57bとシャーシ21との間の間隙59内に押さえられ、光源基板33,34が一体に並設方向aに移動しても両押え部51,52で押さえられた状態に保持される。
【0040】
さらに、ストッパ部53をシャーシ21から立ち上げ、第2光源基板34の端部との間に所定の間隙を介して対向させる。
【0041】
そして、図4および図5に示すように、押え部51,52は、シャーシ21に対して、光源基板33,34を固定するのではなく、光源基板33,34を所定の範囲内で自由に動くように制限した状態に押えている。なお、図4および図5は、照明装置10の設置後の状態を示し、シャーシ21の下側に光源基板33,34が位置する。
【0042】
シャーシ21の表面に垂直な垂直方向(法線方向)zにおける押え部51,52の突出部57a,57bとシャーシ21との間の間隙59の幅をh、光源基板33,34(基板35)の厚みをtとすると、間隙59の幅hは光源基板33,34(基板35)の厚みtよりも広い寸法関係を有している。すなわち、押え部51,52の突出部57a,57bは、シャーシ21に対して光源基板33,34(基板35)の厚みtよりも広い幅hの垂直方向zの間隙59を介して対向され、この垂直方向zの間隙59内に光源基板33,34(基板35)を垂直方向zに所定の範囲内で自由に動くように制限した状態に押えている。そして、照明装置10の設置後の状態では、光源基板33,34が下降して押え部51,52に載った状態に支持され、光源基板33,34とシャーシ21との間が離れている。なお、垂直方向zの間隙59の幅hは、光源基板33,34(基板35)をシャーシ21との間に固定せず、かつ、光源基板33,34(基板35)をシャーシ21になるべく接近させて発光素子36が発生する熱を光源基板33,34(基板35)からシャーシ21に伝達できるように、光源基板33,34(基板35)の厚みtに対して例えば0.5mm以下の寸法分だけ広いことが好ましい。
【0043】
さらに、シャーシ21の幅方向xの両側に配置される押え部51,52の立上部56が互いに対向する幅方向(面方向)xの幅をw1、光源基板33,34(基板35)の窪み部37の位置での幅方向xの幅をw2とすると、押え部51,52の幅w1は光源基板33,34(基板35)の幅w2よりも広い関係を有している。すなわち、シャーシ21の幅方向xの両側の押え部51,52は、シャーシ21の幅方向xに光源基板33,34(基板35)の幅方向xの幅w2よりも広い幅方向xの間隙60を介して対向され、この幅方向xの間隙60内に光源基板33,34(基板35)を幅方向xに所定の範囲内で自由に動くように制限した状態に押えている。なお、幅方向xの間隙60の幅w1は、両側の押え部51,52の立上部56で光源基板33,34(基板35)を挟み込んで固定することがないように、光源基板33,34(基板35)の幅w2に対して例えば1~3mmの寸法分だけ広いことが好ましい。
【0044】
さらに、シャーシ21の第1押え部51の立上部56と第2押え部52の立上部56との最も外側位置での長手方向yの間隔をp1、シャーシ21の第1押え部51の第1突出部57aと第2押え部52の第2突出部57bとの最も外側位置での長手方向yの間隔をp2、接続部39,40で一体に連結された光源基板33,34で押え部51,52が配置される窪み部37の最も外側位置での長手方向yの間隔をp3とすると、光源基板33,34の間隔p3は、押え部51,52の立上部56の間隔p1よりも広く、押え部51,52の突出部57a,57bの間隔p2よりも狭い関係を有している。すなわち、押え部51,52は、光源基板33,34が外れず、かつ光源基板33,34が長手方向yに所定の範囲内で自由に動くように制限した状態に押えている。
【0045】
さらに、第2光源基板34の端部とストッパ部53との間にも間隙61が設けられている。すなわち、ストッパ部53は、光源基板33,34が長手方向yに所定の範囲内で自由に動くように制限した状態に押えている。また、ストッパ部53とは反対側で、第1光源基板34の端部には接続ケーブルが接続されているため、この接続ケーブルにより、光源基板33,34が長手方向yに所定の範囲内で自由に動くように制限した状態に押えている。
【0046】
そして、照明装置10を設置するには、器具本体11を天井面に設置する。このとき、外部からの電源線を器具本体11内に引き込み、器具本体11内の端子台に接続する。
【0047】
光源ユニット12の電源部23から引き出されている接続ケーブルを器具本体11内の端子台から引き出されている電源ケーブルと電気的に接続する。
【0048】
光源ユニット12の上部側の挿入領域12aを器具本体11の開口部15に挿入し、光源ユニット12のキャップ24からねじ46を器具本体11に螺着し、光源ユニット12を器具本体11に取り付け、設置完了となる。
【0049】
そして、外部電源が電源部23に供給されると、電源部23によって外部電源の電力を変換した点灯電力が光源基板33,34に供給され、光源基板33,34の発光素子36が点灯し、発光素子36が発する光がカバー20を透過して外部に出射される。
【0050】
また、点灯時において、発光素子36が発生する熱は、主に基板35からシャーシ21に伝達され、シャーシ21を通じて外部に放熱される。さらに、電源部23が発生する熱は、主にシャーシ21に伝達され、シャーシ21を通じて外部に放熱される。
【0051】
点灯時には、発光素子36などが発生する熱によって温度上昇するシャーシ21や基板35などが熱膨張する。一方、消灯時には、放熱によって温度低下するシャーシ21や基板35などが熱収縮する。
【0052】
仮に、押え部51,52によりシャーシ21に光源基板33,34を動かないように固定していたとした場合、シャーシ21と光源基板33,34との熱膨張率に差があるために、熱膨張時や熱収縮時に、シャーシ21と光源基板33,34との接触部位の間や光源基板33,34と押え部51,52との接触部位の間でずれが生じて異音が発生することがある。
【0053】
そして、本実施形態の照明装置10では、押え部51,52は、シャーシ21に対して、光源基板33,34を固定するのではなく、光源基板33,34を所定の範囲内で自由に動くように制限した状態に押えているため、異音の発生を防止できる。しかも、シャーシ21に対する光源基板33,34のずれを制限することができ、光学的特性や熱的特性に影響が生じないようにできる。
【0054】
すなわち、押え部51,52の突出部57a,57bは、シャーシ21に対して光源基板33,34(基板35)の厚みtよりも広い幅hの間隙59を介して対向され、この間隙59内に光源基板33,34(基板35)を所定の範囲内で垂直方向zに自由に動くように制限した状態に押えているため、異音の発生を防止できる。しかも、発光素子36が発生する熱を光源基板33,34からシャーシ21に伝達できるように、光源基板33,34の動きを制限することにより、熱的特性に影響が生じないようにできる。
【0055】
しかも、押え部51,52の突出部57a,57bは、凸曲面状の当接部58を有するため、光源基板33,34が押え部51,52の突出部57a,57bに接触した状態にあっても、光源基板33,34が動きやすく、異音の発生を防止できる。
【0056】
さらに、シャーシ21の幅方向xの両側の押え部51,52の立上部56は、光源基板33,34の窪み部37の幅w2よりも広い幅w1の間隙60を介して対向され、この間隙60内に光源基板33,34を所定の範囲内で幅方向xに自由に動くように制限した状態に押えているため、異音の発生を防止できる。しかも、光源基板33,34の幅方向xへの動きを所定の範囲内に制限することにより、光学的特性に影響が生じないようにできる。
【0057】
さらに、シャーシ21の長手方向yの第1押え部51の立上部56と第2押え部52の立上部56とは、第1光源基板33の窪み部37と第2光源基板34の窪み部37との最大の間隔p3よりも狭い間隔p1で対向され、光源基板33,34を所定の範囲内で長手方向yに自由に動くように制限した状態に押えているため、異音の発生を防止できる。しかも、光源基板33,34の長手方向yへの動きを所定の範囲内に制限することにより、光学的特性に影響が生じないようにできる。しかも、シャーシ21の長手方向yの第1押え部51の第1突出部57aと第2押え部52の第2突出部57bとは、第1光源基板33の窪み部37と第2光源基板34の窪み部37との最大の間隔p3よりも広い間隔p2に位置されるため、光源基板33,34が押え部51,52から外れるのを防止できる。
【0058】
さらに、ストッパ部53により、光源基板33,34の長手方向yの動きを制限できる。ストッパ部53は、光源基板33,34に対して所定の間隙を介して対向されるため、光源基板33,34を所定の範囲内で長手方向yに自由に動くように制限した状態に押えるため、異音の発生を防止できる。
【0059】
なお、ストッパ部53は、第1光源基板33の端部に対向して設けてもよい。この場合、両端のストッパ部53の間隔は、光源基板33,34の長さよりも広い関係とする。
【0060】
次に、図10に第2の実施形態を示す。
【0061】
第1の実施形態に対して、シャーシ21の長さが約2の長さに形成されている。このシャーシ21に対して、第1光源基板33と第2光源基板34を1組として2組用い、シャーシ21の長手方向に沿って配置する。第1の実施形態で示した基板取付構造30により各組の光源基板33,34がシャーシ21に取り付けられている。2組の光源基板33,34の間は、別途の接続部で電気的に接続される。
【0062】
このような長尺な照明装置10では、より異音が発生しやすいが、光源基板33,34を所定の範囲内で自由に動くように制限した状態に押えているため、異音の発生を防止できる。
【0063】
なお、シャーシ21の第1押え部51の第1突出部57aと第2押え部52の第2突出部57bとは、互いに対向するように内向きに突出されていてもよい。この場合、例えば第1光源基板33をシャーシ21上に配置して第1押え部51に取り付けた後、第2光源基板34の一部が第1光源基板34上に重なるように配置してから移動させることにより、第2光源基板34を第1光源基板33の端部側に並ぶようにシャーシ21上に配置して第2押え部52に取り付ける。さらに、別途用いる接続部によって光源基板33,34の端部間を電気的に接続するとともに機械的に連結すればよい。
【0064】
また、押え部51,52は、シャーシ21の幅方向xの両側で、互いに対向する位置に設けられていてもよいし、互いに異なる位置に設けられていてもよい。
【0065】
また、押え部51,52は、シャーシ21とは別体で、シャーシ21に取り付けてもよい。
【0066】
また、照明装置10は、直付形に限らず、埋込形にも適用でき、あるいはシーリングライトや吊下げ形器具などにも適用できる。これらの場合、基板35は、長尺状でなくてもよく、正方形、円弧状、円形などでも構わない。
【0067】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0068】
10 照明装置
21 シャーシ
33 第1光源基板
34 第2光源基板
38 接続部
39 第1接続部
40 第2接続部
51 第1押え部
52 第2押え部
53 ストッパ部
56 第1立上部および第2立上部である立上部
57a 第1突出部
57b 第2突出部
59 間隙
a 並設方向
b1,b2 接続移動方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10