(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-28
(45)【発行日】2024-03-07
(54)【発明の名称】ポリマー発泡材料を製造するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
B29C 44/34 20060101AFI20240229BHJP
C08J 9/18 20060101ALI20240229BHJP
B01J 3/00 20060101ALI20240229BHJP
B29C 44/00 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
B29C44/34
C08J9/18 CES
C08J9/18 CFF
B01J3/00 A
B29C44/00 G
(21)【出願番号】P 2022505368
(86)(22)【出願日】2020-10-21
(86)【国際出願番号】 CN2020122337
(87)【国際公開番号】W WO2022082474
(87)【国際公開日】2022-04-28
【審査請求日】2022-01-25
(73)【特許権者】
【識別番号】507166519
【氏名又は名称】▲華▼▲東▼理工大学
(74)【代理人】
【識別番号】110001863
【氏名又は名称】弁理士法人アテンダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】趙玲
(72)【発明者】
【氏名】許志美
(72)【発明者】
【氏名】劉濤
(72)【発明者】
【氏名】姚舜
(72)【発明者】
【氏名】宗原
(72)【発明者】
【氏名】胡冬冬
【審査官】山本 晋也
(56)【参考文献】
【文献】英国特許出願公開第02301595(GB,A)
【文献】中国特許出願公開第109551701(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108410061(CN,A)
【文献】中国実用新案第211074573(CN,U)
【文献】特開2000-127194(JP,A)
【文献】特開2014-156073(JP,A)
【文献】特表2021-507835(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C44/
B29B
C08J 9/
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマー発泡材料を製造するための装置であって、
物理発泡剤でポリマー粒子を飽和させるために使用される飽和ユニット(1)と、
前記飽和ユニット内の飽和完了後のポリマー粒子を発泡させるために使用される発泡ユニット(2)と、
前記ポリマー粒子を前記飽和ユニットに転送するために使用される供給ユニット(3)と、を含み、
前記供給ユニット、前記飽和ユニットおよび前記発泡ユニットは、同軸に順次接続され、前記供給ユニットと前記飽和ユニットは、第1のバルブによって接続され、前記供給ユニットの前記飽和ユニットに隣接していない一端に第2のバルブが設置され、
前記飽和ユニットと前記発泡ユニットは、第3のバルブによって接続され、前記発泡ユニットの前記飽和ユニットに隣接していない一端に第4のバルブが設置されることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記飽和ユニットの外側にジャケットが設置され
、
及び/又は、前記供給ユニット、前記飽和ユニットおよび前記発泡ユニットは、上から下へ同軸に順次接続され、
及び/又は、前記飽和ユニットは高圧噴射ポンプの排気端に接続され、前記物理発泡剤は前記高圧噴射ポンプを介して前記飽和ユニットに導入され
、
及び/又は、前記供給ユニットの側壁には、大気と連通するパイプラインが設置され、前記パイプラインにはベントバルブが設置され
、
及び/又は、前記供給ユニットは高圧噴射ポンプの排気端に接続され
、
及び/又は、前記供給ユニットとサイロは前記第2のバルブを介して接続され、前記サイロと前記供給ユニットは同軸で接続され、
及び/又は、前記発泡ユニットは高圧噴射ポンプの排気端に接続され
、
及び/又は、前記発泡ユニットの側壁には、大気と連通するパイプラインが設置され、前記パイプラインにはベントバルブが設置され
ていることを特徴とする請求項1に記載のポリマー発泡材料を製造するための装置。
【請求項3】
飽和ユニットの外側に前記飽和ユニットの半径方向に沿って分布するジャケットが設置されている場合、前記ジャケットには複数の吸気孔が設置され
、
及び/又は、前記飽和ユニットは高圧噴射ポンプに接続される場合、前記飽和ユニットと前記高圧噴射ポンプの間に圧力バランスバルブが設置され、
及び/又は、前記供給ユニットは高圧噴射ポンプの排気端に接続される場合、前記供給ユニットと前記高圧噴射ポンプの間に圧力バランスバルブが設置され、
及び/又は、前記発泡ユニットは高圧噴射ポンプの排気端に接続される場合、前記発泡ユニットと前記高圧噴射ポンプの間に圧力バランスバルブが設置されることを特徴とする請求項2に記載のポリマー発泡材料を製造するための装置。
【請求項4】
ポリマー発泡材料を製造するための前記装置は、
両端にそれぞれ第1のバルブと第2のバルブが設置され、側壁が高圧噴射ポンプの排気端に接続され、側壁に大気に接続されたパイプラインも設置され、ポリマー粒子を飽和ユニットに転送するために使用される供給ユニットと、
一端が前記第1のバルブを介して前記供給ユニットに接続され、他端に第3のバルブが設置され、側壁が前記高圧噴射ポンプの排気端に接続され、物理発泡剤で前記ポリマー粒子を飽和させるために使用される飽和ユニットと、
一端が前記第3のバルブを介して前記飽和ユニットに接続され、他端に第4のバルブが設置され、前記飽和ユニット内の飽和完了後のポリマー粒子を発泡させるために使用される発泡ユニットと、を含み、
前記高圧噴射ポンプの吸気端は、ガスバッファタンクとガスボンベに順番に接続されることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のポリマー発泡材料を製造するための装置。
【請求項5】
ポリマー発泡材料を製造するための方法であって、請求項1~4のいずれか一項に記載のポリマー発泡材料を製造するための装置を使用することによって実施され、
前記第1のバルブを閉じ、前記第2のバルブを開き、前記ポリマー粒子を前記供給ユニットに転送するステップ(1)と、
前記第2のバルブを閉じ、前記第1のバルブを開き、前記ポリマー粒子を前記供給ユニットを介して前記飽和ユニットに転送し、前記第1のバルブ及び前記第3のバルブを閉じ、前記飽和を実行するステップ(2)と、
前記飽和が完了した後、前記第4のバルブを閉じ、前記第3のバルブを開き、前記飽和ユニット内の飽和完了後のポリマー粒子を前記発泡ユニットに転送するステップ(3)と、
前記第3のバルブを閉じ、前記第4のバルブを開き、前記飽和ユニットにおける飽和完了後のポリマー粒子を圧力解放し、発泡させて、前記ポリマー発泡材料を得るステップ(4)と、を含むことを特徴とするポリマー発泡材料の製造方法。
【請求項6】
前記物理発泡剤は、超臨界流体CO
2または超臨界流体N
2であり、
及び/又は、前記供給ユニットがサイロに接続されている場合、ステップ(1)で、前記ポリマー粒子を前記サイロから前記供給ユニットに転送し、
及び/又は、前記ポリマー粒子は熱可塑性ポリマー粒子であり
、前記熱可塑性ポリマー粒子の平均直径は、1~4mm
であり、
及び/又は
、発泡温度は(T
m-30℃)~(T
m-10℃)であり、ここで、Tmは前記ポリマー粒子の溶融温度であり
、前記発泡温度は4~6℃/minの加熱速度で(T
m-30℃)~(T
m-10℃)に上げることができ、
及び/又は、前記飽和ユニット内の前記ポリマー粒子の滞留時間tは20~120mi
nであることを特徴とする請求項5に記載のポリマー発泡材料を製造するための方法。
【請求項7】
前記供給ユニットに圧力バランスバルブとベントバルブも設置されている場合、
ステップ(1)において、前記第1のバルブ及び前記供給ユニットの圧力バランスバルブを閉じ、前記供給ユニットのベントバルブ及び前記第2のバルブを順番に開き、前記ポリマー粒子を前記供給ユニットに転送し、
ステップ(2)において、前記第2のバルブ及び前記供給ユニットのベントバルブを閉じ、前記第1のバルブ及び前記供給ユニットの圧力バランスバルブを開き、前記ポリマー粒子を前記供給ユニットを介して前記飽和ユニットに転送し、
及び/又は、
前記発泡ユニットに圧力バランスバルブも設置されている場合、
ステップ(3)において、前記飽和が完了した後、前記第4のバルブを閉じ、前記第3のバルブを開き、前記発泡ユニットの圧力バランスバルブを開き、前記飽和ユニット内の飽和完了後のポリマー粒子を前記発泡ユニットに転送し、
ステップ(4)において、前記第3のバルブ及び前記発泡ユニットの圧力バランスバルブを閉じ、前記第4のバルブを開き、前記飽和ユニットで飽和が完了したポリマー粒子を圧力解放し、発泡させて、前記ポリマー発泡材料を得ることができ、
及び/又は、
前記発泡ユニットに圧力バランスバルブとベントバルブも設置されている場合、
ステップ(3)において、前記飽和が完了した後、前記第4のバルブ、前記発泡ユニットのベントバルブを閉じ、前記第3のバルブ及び前記発泡ユニットの圧力バランスバルブを開き、前記飽和ユニット内の飽和完了後のポリマー粒子を前記発泡ユニットに転送し、
ステップ(4)において、前記第3のバルブ及び前記発泡ユニットの圧力バランスバルブを閉じ、前記第4のバルブ及び前記発泡ユニットのベントバルブを開き、前記飽和ユニットで飽和が完了したポリマー粒子を圧力解放し、発泡させて、前記ポリマー発泡材料を得ることができることを特徴とする請求項5又は6に記載のポリマー発泡材料を製造するための方法。
【請求項8】
前記供給ユニットの供給と前記発泡ユニットの発泡は同時に行われ、これは以下のように行われ、
前記第2のバルブ及び前記第4のバルブを閉じ、前記第1のバルブと前記第3のバルブを同期に開き、前記ポリマー粒子を、前記供給ユニットから前記発泡ユニットに転送して前記物理発泡剤の飽和を行い、前記飽和ユニットで飽和が完了したポリマー粒子を、前記飽和ユニットから前記発泡ユニットに転送し、
前記第1のバルブ及び前記第3のバルブを閉じ、前記第2のバルブ及び前記第4のバルブ4を開き、不飽和ポリマー粒子を前記供給ユニットに転送し、前記飽和ユニットで飽和が完了したポリマー粒子を圧力解放して、前記ポリマー発泡材料を得ることができることを特徴とする請求項5又は6に記載のポリマー発泡材料を製造するための方法。
【請求項9】
前記供給ユニット、前記発泡ユニット、前記飽和ユニットがすべて高圧噴射ポンプの排気端に接続され、圧力バランスバルブが設置され、かつ前記供給ユニットにはベントバルブが設置されている場合、前記供給ユニットの供給と前記発泡ユニットの発泡は、以下のように同期して実行され、
前記第2のバルブ、前記第4のバルブ及び前記供給ユニットのベントバルブを閉じ、前記第1バルブ、前記第3バルブ、前記供給ユニットの圧力バランスバルブ、前記発泡ユニットの圧力バランスバルブ、前記飽和ユニットの圧力バランスバルブを同時に開き、前記ポリマー粒子を、前記供給ユニットから前記発泡ユニットに転送して前記物理発泡剤の飽和を行い、前記飽和ユニットで飽和が完了したポリマー粒子を、前記飽和ユニットから前記発泡ユニットに転送し、
前記第1のバルブ、前記第3のバルブ、前記供給ユニットの圧力バランスバルブ、および前記発泡ユニットの圧力バランスバルブを閉じ、まず前記供給ユニットのベントバルブを開き、次に前記第2のバルブと前記第4のバルブを開き、飽和されていないポリマー粒子を前記供給ユニットに転送し、前記飽和ユニットで飽和が完了したポリマー粒子を圧力解放して、前記ポリマー発泡材料を得ることができることを特徴とする請求項8に記載のポリマー発泡材料を製造するための方法。
【請求項10】
ポリマー発泡材料を製造するための前記方法は、
飽和ユニットに不活性無機粒子を事前に充填し、供給ユニットにポリマー粒子を事前に充填し、内部空気をCO
2またはN
2に置き換えるステップ(1)と、
前記第1のバルブ、前記第3のバルブ、前記供給ユニットの圧力バランスバルブ、および前記発泡ユニットの圧力バランスバルブを閉じ、高圧噴射ポンプをオンにし、前記飽和ユニットの圧力バランスバルブを開き、二酸化炭素飽和圧力を15MPaに維持し、前記飽和ユニットを5℃/minの加熱速度でプログラム温度制御して加熱し、前記飽和ユニットを発泡温
度に上げるステップ(2)と、
前記第2のバルブ、前記第4のバルブ及び前記供給ユニットのベントバルブを閉じ、前記供給ユニットの圧力バランスバルブ、前記発泡ユニットの圧力バランスバルブ、前記第1のバルブ、前記第3のバルブを開き、前記飽和ユニットの最下層の床層内の不活性無機粒子は下に移動して前記発泡ユニットに入り、前記ポリマー粒子は前記供給ユニットから前記飽和ユニットの最上層床層に入るステップ(3)と、
前記飽和ユニットの事前に充填された不活性無機粒子がすべて排出され、前記ポリマー粒子で前記飽和ユニットの床層を満充填した後、前記第1のバルブと前記第3のバルブを閉じ、前記飽和ユニット内の圧力バランスバルブを開き、飽和が完了するまで飽和操作を開始するステップ(4)と、
前記第2のバルブ、前記第4のバルブ及び前記供給ユニットのベントバルブを閉じ、その後に前記供給ユニットの圧力バランスバルブ、前記発泡ユニットの圧力バランスバルブ、前記第1のバルブ、前記第3のバルブを開き、前記飽和ユニットの最下層の床層内のポリマー粒子は移動して前記発泡ユニットに入り、前記ポリマー粒子は前記供給ユニットから前記飽和ユニットの最上層の床層に入るステップ(5)と、
前記飽和ユニットの最下層の床層内の前記ポリマー粒子は移動して前記発泡ユニットに入った後、前記第1のバルブ、前記第3のバルブ、前記供給ユニットの圧力バランスバルブ、および前記発泡ユニットの圧力バランスバルブを閉じ、まず前記供給ユニットのベントバルブを開き、次に前記第2のバルブと前記第4のバルブを開き、圧力解放して発泡させて発泡ビーズを取得すると同時に、前記供給ユニットにポリマー粒子を注入し、その後に前記第2のバルブ、前記第4のバルブ、および前記供給ユニットのベントバルブを閉じるステップ(6)と、
前記供給ユニット及び前記発泡ユニット内の空気を置き換え、かつステップ(5)(6)を繰り返して、安定した連続運転状態を実現し、発泡ビーズを得るステップ(7)と、を含むことを特徴とする請求項9に記載のポリマー発泡材料を製造するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマー発泡材料を製造するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリマー発泡材料は、ポリマーをマトリックスとして、ガスを分散相とするガス/固体二相複合材料である。その独特の微孔性構造により、ポリマー材料の形態及び構造を改善することができるため、軽量、低熱伝導率、優れた断熱・遮音性能、高比強度等の利点がある。上記の利点はまた、ポリマー発泡材料の幅広い用途を促進し、航空宇宙、交通輸送、新エネルギー包装、電化製品、スポーツ用品などに軽量の基本原料を提供する。
【0003】
現在、熱可塑性プラスチック発泡材料の成型プロセスは、主に押出発泡成形、射出発泡成形、ビーズ発泡成形及びプレス発泡成形などである。しかしながら、押出発泡成形サンプルは2次元に制限され、射出発泡成形サンプルは低倍率であり、ビーズ発泡成形は3次元の超低密度発泡材料を得ることができ、発泡製品の応用分野を広げる。現在、より成功しているビーズ発泡には、EPS、EPE、EPP、およびE-TPUが含まれる。ビーズ発泡成形技術には、予備発泡ビーズ製造技術とプレス融着成形技術の2つの異なる技術が含まれる。まず、予備発泡ビーズ製造技術により、高倍率熱可塑性ポリマーの予備発泡ビーズを製造し、次に予備発泡ビーズを金型キャビティに輸送し、金型のベントホールまたはベント溝から一定の圧力の蒸気を導入し、ビーズを再び膨張し、融着して成形し、次に蒸気入口を閉じて金型キャビティ内の圧力を解放し、発泡製品はさらに膨張してキャビティ全体を満たす。ビーズ成形発泡成形技術は、異形発泡製品を製造でき、加工プロセスのエネルギー利用効率を改善し、スクラップの発生を減らす。
【0004】
現在のビーズ発泡成形における予備発泡ビーズの製造プロセスは、オートクレーブ調製技術と噴流層調製技術に分けられる。
【0005】
オートクレーブ調製技術は、熱可塑性ポリマー粒子、分散媒、分散剤、および界面活性剤を一緒にオートクレーブに追加し、次に二酸化炭素を導入してオートクレーブ内の空気を置き換え、最初に圧力が安定するまで調整し、混合システム全体を撹拌し始め、二酸化炭素のポリマーマトリックスへの拡散プロセスを強化し、反応釜に対してプログラミング昇温させ、適切な温度に加熱した後に保温して、二酸化炭素を発泡圧力まで注入し、オートクレーブ内の圧力を一定期間維持し、圧力逃がし弁を開き、圧力変化によって引き起こされる熱力学的不安定性状態により、ポリマーマトリックスと発泡剤が相分離し、気泡の核形成と成長を引き起こし、最終的に膨張した熱可塑性ポリマー発泡ビーズが得られた。1回の発泡で得られた熱可塑性ポリマー発泡ビーズは、表面の残留水分とさまざまな有機添加剤を除去するために乾燥させる必要がある。オートクレーブタイプのビーズ発泡プロセスは、エネルギーを消費しすぎ、分散媒および分散剤のフォローアップ処理コストが高く、プロセスが冗長であり、製造コストが高く、得られた発泡ビーズのセルサイズが不均一である。
【0006】
噴流層調製技術は、熱可塑性ポリマー粒子と分散媒を噴流層に追加し、高圧二酸化炭素を使用して連続的に吹き付けることで、ポリマービーズが噴流状態になり、超臨界二酸化炭素雰囲気で飽和させ、飽和が完了するまで、噴流層内の二酸化炭素の圧力を維持し、圧力逃し弁をすばやく開いた後、熱可塑性ポリマー発泡ビーズを得る。このプロセスは、複雑な後処理プロセスや高エネルギー消費などのオートクレーブタイプの欠点を効果的に克服するが、噴流層調製技術には、断続的な操作による生産効率が低いなどの問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明によって解決されるべき技術的課題は、熱可塑性ビーズ発泡材料の現在の調製技術において、高エネルギー消費、冗長工程、高生産コスト、低生産効率、および得られた発泡ビーズの不均一なセルサイズの欠陥を克服するために、ポリマー発泡材料を製造するための方法および装置を提供する。本発明によって提供されるポリマー発泡材料を製造するための方法および装置は、エネルギー消費を低減し、発泡プロセス手順を簡素化し、製造コストを低減し、発泡時間を短縮し、得られた発泡ビーズのセルサイズの均一性を向上させる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の技術的解決手段を採用する。
ポリマー発泡材料を製造するための装置であって、ここで、ポリマー発泡材料を製造するための前記装置は、
物理発泡剤でポリマー粒子を飽和させるために使用される飽和ユニット(1)と、
前記飽和ユニット内の飽和完了後のポリマー粒子を発泡させるために使用される発泡ユニット(2)と、
前記ポリマー粒子を前記飽和ユニットに転送するために使用される供給ユニット(3)と、を含む。
【0009】
前記供給ユニット、前記飽和ユニットおよび前記発泡ユニットは、同軸に順次接続され、前記供給ユニットと前記飽和ユニットは、第1のバルブによって接続され、
前記供給ユニットの前記飽和ユニットに隣接していない一端に第2のバルブが設置され、
前記飽和ユニットと前記発泡ユニットは第3のバルブによって接続され、前記発泡ユニットの前記飽和ユニットに隣接していない一端に第4のバルブが設置されている。
【0010】
本発明において、好ましくは、前記飽和ユニットの外側にジャケットが設置され、例えば、ジャケットは前記飽和ユニットの半径方向に沿って分布する。前記ジャケットには複数の吸気孔が設置される。
【0011】
ここで、前記飽和ユニットの半径方向に沿って、前記ジャケットは、均一に分布した8つの吸気孔を有してもよく、前記吸気孔は、円形孔であってもよく、前記円形孔の直径は、前記ポリマー粒子の直径よりも小さくてもよい。
【0012】
ここで、前記飽和ユニットの軸方向に沿って、前記ジャケットの各前記吸気孔の間隔は25mmであってもよい。
【0013】
ここで、前記飽和ユニットの軸方向に沿って、前記ジャケットの各前記吸気孔の間には交差配列してもよい。
【0014】
本発明において、前記飽和ユニットの軸方向は、前記飽和ユニットと前記発泡ユニットの接続方向を指す。前記飽和ユニットの半径方向とは、前記飽和ユニットの軸方向に垂直な方向を指す。
【0015】
本発明において、好ましくは、前記供給ユニット、前記飽和ユニットおよび前記発泡ユニットは、上から下まで同軸に順次接続される。
【0016】
本発明において、好ましくは、前記飽和ユニットは高圧噴射ポンプの排気端に接続され、前記物理発泡剤は前記高圧噴射ポンプを介して前記飽和ユニットの中に送られる。好ましくは、前記高圧噴射ポンプの排気端は、前記飽和ユニットの下端に接続される。
【0017】
前記飽和ユニットは高圧噴射ポンプに接続される場合、前記飽和ユニットと前記高圧噴射ポンプとの間に圧力バランスバルブが設置されてもよい。
【0018】
ここで、前記高圧噴射ポンプの吸気端は、ガスバッファタンクとガスボンベに順番に接続されてもよい。
【0019】
本発明において、前記供給ユニットの側壁には、大気と連通するパイプラインが設置されてもよい。前記パイプラインにバルブが設置されてもよく、前記バルブは、ベントバルブと呼ぶことができる。前記パイプラインは前記供給ユニットの側壁の上端に設置されてもよい。
【0020】
本発明において、好ましくは、前記供給ユニットは高圧噴射ポンプの排気端に接続され、前記高圧噴射ポンプの排気端は、前記供給ユニットの下端に接続されてもよい。より好ましくは、前記飽和ユニットが高圧噴射ポンプの排気端に接続されている場合、前記供給ユニット及び前記飽和ユニットは同じ高圧噴射ポンプに接続される。
【0021】
前記供給ユニットは高圧噴射ポンプの排気端に接続される場合、前記供給ユニットと前記高圧噴射ポンプとの間に圧力バランスバルブが設置されてもよい。
【0022】
本発明において、前記供給ユニットとサイロは前記第2のバルブを介して接続されてもよく、前記サイロと前記供給ユニットは同軸で接続される。
【0023】
本発明において、好ましくは、前記発泡ユニットは高圧噴射ポンプの排気端に接続され、前記高圧噴射ポンプの排気端は、前記発泡ユニットの下端に接続されてもよい。より好ましくは、前記飽和ユニットが高圧噴射ポンプの排気端に接続されている場合、前記発泡ユニットと前記飽和ユニットは同じ高圧噴射ポンプに接続される。
【0024】
ここで、前記発泡ユニットは高圧噴射ポンプの排気端に接続される場合、前記発泡ユニットと前記高圧噴射ポンプとの間に圧力バランスバルブが設置されてもよい。
【0025】
本発明において、前記発泡ユニットの側壁可能には、大気と連通するパイプラインが設置されてもよい。前記パイプラインにバルブが設置されてもよく、前記バルブは、ベントバルブと呼ぶことができる。前記パイプラインは前記発泡ユニットの側壁の上端に設置されてもよい。
【0026】
本発明において、好ましくは、ポリマー発泡材料を製造するための前記装置は、
両端にはそれぞれ第1のバルブと第2のバルブが設置され、側壁が高圧噴射ポンプの排気端に接続され、側壁に大気に接続されたパイプラインも設置され、ポリマー粒子を飽和ユニットに転送するために使用される供給ユニットと、
一端が前記第1のバルブを介して前記供給ユニットに接続され、他端に第3のバルブが設置され、側壁が前記高圧噴射ポンプの排気端に接続され、物理発泡剤で前記ポリマー粒子を飽和させるために使用される飽和ユニットと、
一端が前記第3のバルブを介して前記飽和ユニットに接続され、他端に第4のバルブが設置され、側壁が前記高圧噴射ポンプの排気端に接続され、側壁に、大気に接続されたパイプラインも設置されてもよく、前記高圧噴射ポンプの吸気端が、ガスバッファタンクとガスボンベに順番に接続され、前記飽和ユニット内の飽和完了後のポリマー粒子を発泡させるために使用される発泡ユニットと、を含む。
【0027】
本発明はさらにポリマー発泡材料を製造するための方法を提供し、ポリマー発泡材料を製造するための前記装置を使用することによって実施され、
前記第1のバルブを閉じ、前記第2のバルブを開き、前記ポリマー粒子を前記供給ユニットに転送するステップ(1)と、
前記第2のバルブを閉じ、前記第1のバルブを開き、前記ポリマー粒子を前記供給ユニットを介して前記飽和ユニットに転送し、前記第1のバルブ及び前記第3のバルブを閉じ、前記飽和を実行するステップ(2)と、
前記飽和が完了した後、前記第4のバルブを閉じ、前記第3のバルブを開き、前記飽和ユニット内の飽和完了後のポリマー粒子を前記発泡ユニットに転送するステップ(3)と、
前記第3のバルブを閉じ、前記第4のバルブを開き、前記飽和ユニットにおける飽和完了後のポリマー粒子を圧力解放し、発泡させて、前記ポリマー発泡材料を得るステップ(4)と、を含む。
【0028】
本発明において、好ましくは、前記物理発泡剤は、超臨界流体CO2または超臨界流体N2である。
【0029】
本発明において、前記供給ユニットがサイロに接続されている場合、ステップ(1)で、前記ポリマー粒子を前記サイロから前記供給ユニットに転送する。
【0030】
本発明において、前記飽和ユニットと高圧噴射ポンプの排気端の間に圧力バランスバルブが設置される場合、前記飽和プロセス中に前記第1バルブと前記第3バルブを閉じ、前記圧力バランスバルブを開くと、前記物理発泡剤の飽和環境を形成できる。
【0031】
ここで、前記飽和プロセス中、前記高圧噴射ポンプの噴射圧力は、10~15MPa、好ましくは12~15MPa、例えば15MPaであってもよい。
【0032】
本発明において、好ましくは、前記供給ユニットに圧力バランスバルブとベントバルブも設置されている場合、
ステップ(1)において、前記第1のバルブ及び前記供給ユニットの圧力バランスバルブを閉じ、前記供給ユニットのベントバルブ及び前記第2のバルブを順番に開き、前記ポリマー粒子を前記供給ユニットに転送する。
【0033】
ステップ(2)において、前記第2のバルブ及び前記供給ユニットのベントバルブを閉じ、前記第1のバルブ及び前記供給ユニットの圧力バランスバルブを開き、前記ポリマー粒子を前記供給ユニットを介して前記飽和ユニットに転送する。
【0034】
前記第1のバルブ及び前記供給ユニットの圧力バランスバルブを閉じ、前記供給ユニットのベントバルブ及び前記第2のバルブを順番に開く場合、常圧下で前記ポリマー粒子を前記供給ユニットに転送でき、前記第2のバルブ及び前記供給ユニットのベントバルブを閉じ、前記第1のバルブ及び前記供給ユニットの圧力バランスバルブを開く場合、通常、前記供給ユニットと前記飽和ユニットの圧力のバランスを取り直す必要がある。
【0035】
本発明において、好ましくは、前記発泡ユニットに圧力バランスバルブも設置されている場合、
ステップ(3)において、前記飽和が完了した後、前記第4のバルブを閉じ、前記第3のバルブ、前記発泡ユニットの圧力バランスバルブを開き、前記飽和ユニット内の飽和完了後のポリマー粒子を前記発泡ユニットに転送する。
【0036】
ステップ(4)において、前記第3のバルブ及び前記発泡ユニットの圧力バランスバルブを閉じ、前記第4のバルブを開き、前記飽和ユニットで飽和が完了した後のポリマー粒子を圧力解放し、発泡させて、前記ポリマー発泡材料を得ることができる。
【0037】
本発明において、好ましくは、前記発泡ユニットに圧力バランスバルブとベントバルブも設置されている場合、
ステップ(3)において、前記飽和が完了した後、前記第4のバルブ、前記発泡ユニットのベントバルブを閉じ、前記第3のバルブ、前記発泡ユニットの圧力バランスバルブを開き、前記飽和ユニット内の飽和完了後のポリマー粒子を前記発泡ユニットに転送する。
【0038】
ステップ(4)において、前記第3のバルブ及び前記発泡ユニットの圧力バランスバルブを閉じ、前記第4のバルブ、前記発泡ユニットのベントバルブを開き、前記飽和ユニットで飽和が完了した後のポリマー粒子を圧力解放し、発泡させて、前記ポリマー発泡材料を得ることができる。
【0039】
好ましくは、前記供給ユニット、前記発泡ユニット、前記飽和ユニットがすべて高圧噴射ポンプの排気端に接続され、すべて圧力バランスバルブが設置される場合、前記飽和プロセス中、前記供給ユニット、前記発泡ユニットに接続されている圧力バランスバルブを閉じ、前記飽和ユニットに接続されている圧力バランスバルブを開き、前記第1のバルブ及び前記第3のバルブを閉じると、ガス発泡剤の飽和環境を形成できる。
【0040】
本発明において、好ましくは、前記供給ユニットの供給と前記発泡ユニットの発泡は同期に行われ、これは以下のように行われる。
【0041】
前記第2のバルブ及び前記第4のバルブを閉じ、前記第1のバルブと前記第3のバルブを同期に開き、前記ポリマー粒子を、前記供給ユニットから前記発泡ユニットに転送して前記物理発泡剤の飽和を行い、前記飽和ユニットで飽和が完了したポリマー粒子を、前記飽和ユニットから前記発泡ユニットに転送する。
【0042】
前記第1のバルブ及び前記第3のバルブを閉じ、前記第2のバルブ及び前記第4のバルブ4を開き、飽和されていないポリマー粒子を前記供給ユニットに転送し、前記飽和ユニットで飽和が完了したポリマー粒子を圧力解放して、前記ポリマー発泡材料を得ることができる。
【0043】
ここで、前記ポリマー粒子を前記供給ユニットから前記発泡ユニットに転送するための駆動力は、重力であってもよい。
【0044】
ここで、前記飽和ユニットでの飽和完了後のポリマー粒子を前記飽和ユニットから前記発泡ユニットに転送するための駆動力は、重力であってもよい。
【0045】
ここで、前記ポリマー粒子を前記供給ユニットに転送するための駆動力は、重力であってもよい。
【0046】
ここで、前記飽和ユニットでの飽和完了後のポリマー粒子の圧力解放の駆動力は、一般に圧力差である。
【0047】
発明者は、創造的な作業により、前記供給ユニットの供給と前記発泡ユニットの発泡を同期に行い、上記の操作を繰り返すと、安定した連続運転状態を実現でき、ポリマー発泡材料が連続運転生産を実現できることを発見した。
【0048】
好ましくは、前記供給ユニット、前記発泡ユニット、前記飽和ユニットがすべて高圧噴射ポンプの排気端に接続され、すべて圧力バランスバルブが設置され、かつ前記供給ユニットにはベントバルブが設置されている場合、前記供給ユニットの供給と前記発泡ユニットの発泡は、以下のように同期して実行できる。
【0049】
前記第2のバルブ、前記第4のバルブ及び前記供給ユニットのベントバルブを閉じ、前記第1のバルブ、前記第3のバルブ、前記供給ユニットの圧力バランスバルブ、前記発泡ユニットの圧力バランスバルブ及び前記飽和ユニットの圧力バランスバルブを同時に開き、前記ポリマー粒子を、前記供給ユニットから前記発泡ユニットに転送して前記物理発泡剤の飽和を行い、前記飽和ユニットで飽和が完了したポリマー粒子を、前記飽和ユニットから前記発泡ユニットに転送し、
前記第1のバルブ、前記第3のバルブ、前記供給ユニットの圧力バランスバルブ、および前記発泡ユニットの圧力バランスバルブを閉じ、まず前記供給ユニットのベントバルブを開き、次に前記第2のバルブと前記第4のバルブを開き、飽和されていないポリマー粒子を前記供給ユニットに転送し、前記飽和ユニットで飽和が完了したポリマー粒子を圧力解放して、前記ポリマー発泡材料を得ることができる。
【0050】
本発明において、前記ポリマー粒子は、熱可塑性ポリマー粒子であってもよい。
【0051】
ここで、前記熱可塑性ポリマー粒子は、ポリエチレン粒子、ポリプロピレン粒子またはポリウレタン粒子などの当技術分野における従来の熱可塑性ポリマー粒子であってもよい。
【0052】
ここで、前記熱可塑性ポリマー粒子の平均直径は、1.8mmまたは3.8mmなどの1~4mmであってもよい。
【0053】
本発明において、前記発泡温度は、(Tm-30℃)~(Tm-10℃)であってもよい。ここで、Tmは、前記ポリマー粒子の溶融温度であり、例えば、Tm-30℃またはTm-30℃である。
【0054】
ここで、前記発泡温度は、4~6℃/min(たとえば、5℃/min)の加熱速度で(Tm-30℃)~(Tm-10℃)に上げることができる。
【0055】
前記ポリマー粒子(例えば、ポリプロピレン粒子)の溶融温度が165℃である場合、前記発泡温度は147℃であってもよい。
【0056】
前記ポリマー粒子(例えば、ポリウレタン粒子)の溶融温度が119℃である場合、前記発泡温度は105℃であってもよい。
【0057】
本発明において、好ましくは、前記飽和ユニット内の前記ポリマー粒子の滞留時間tは、20~120min、例えば30minであってもよい。
【0058】
本発明において、前記ポリマー発泡材料のセルサイズは、35~85μm、例えば、35μm、48μm、74μm、80μm、または85μm、また例えば、35~48μm、35~80μm、または48~74μmであってもよい。
【0059】
本発明において、前記ポリマー発泡材料のセル密度は、一般に、0.9×108cells/cm3よりも大きく、好ましくは、0.96×108~1.0×109cells/cm3、例えば、4.7×108cells/cm3、1.0×109cells/cm3、2.1×108cells/cm3、9.6×107cells/cm3又は1.4×108cells/cm3である。
【0060】
本発明において、好ましくは、ポリマー発泡材料を製造するための前記方法は、
飽和ユニットに不活性無機粒子を事前に充填し、供給ユニットにポリマー粒子を事前に充填し、内部空気をCO2またはN2に置き換えるステップ(1)と、
前記第1のバルブ、前記第3のバルブ、前記供給ユニットの圧力バランスバルブ、および前記発泡ユニットの圧力バランスバルブを閉じ、高圧噴射ポンプをオンにし、前記飽和ユニットの圧力バランスバルブを開き、二酸化炭素飽和圧力を15MPaに維持し、前記飽和ユニットを5℃/minの加熱速度でプログラム温度制御して加熱し、前記飽和ユニットを発泡温度(たとえば、147℃または105℃)に上げるステップ(2)と、
前記第2のバルブ、前記第4のバルブ及び前記供給ユニットのベントバルブを閉じ、前記供給ユニットの圧力バランスバルブ、前記発泡ユニットの圧力バランスバルブ、前記第1のバルブ、前記第3のバルブを開き、前記飽和ユニットの最下層の床層内の不活性無機粒子は下に移動して前記発泡ユニットに入り、前記ポリマー粒子は前記供給ユニットから前記飽和ユニットの最上層床層に入るステップ(3)と、
前記飽和ユニットの事前に充填された不活性無機粒子がすべて排出され、前記ポリマー粒子が前記飽和ユニットの床層を満充填した後、前記第1のバルブと前記第3のバルブを閉じ、前記飽和ユニット内の圧力バランスバルブを開き、飽和が完了するまで飽和操作を開始するステップ(4)と、
前記第2のバルブ、前記第4のバルブ及び前記供給ユニットのベントバルブを閉じ、その後に前記供給ユニットの圧力バランスバルブ、前記発泡ユニットの圧力バランスバルブ、前記第1のバルブ、前記第3のバルブを開き、前記飽和ユニットの最下層の床層内のポリマー粒子は移動して前記発泡ユニットに入り、前記ポリマー粒子は前記供給ユニットから前記飽和ユニットの最上層の床層に入るステップ(5)と、
前記飽和ユニットの最下層の床層内の前記ポリマー粒子は移動して前記発泡ユニットに入った後、前記第1のバルブ、前記第3のバルブ、前記供給ユニットの圧力バランスバルブ、および前記発泡ユニットの圧力バランスバルブを閉じ、まず前記供給ユニットのベントバルブを開き、次に前記第2のバルブと前記第4のバルブを開き、圧力解放して発泡させて発泡ビーズを取得すると同時に、前記供給ユニットにポリマー粒子を注入し、その後に前記第2のバルブ、前記第4のバルブ、および前記供給ユニットのベントバルブを閉じるステップ(6)と、
前記供給ユニット及び前記発泡ユニット内の空気を置き換え、かつステップ(5)(6)を繰り返して、安定した連続運転状態を実現し、発泡ビーズを得るステップ(7)と、を含む。
【0061】
ここで、好ましくは、ステップ(1)は以下のとおりである。ジャケット付き飽和ユニットに不活性無機粒子を事前に充填し、
前記ジャケットは前記飽和ユニットの外側に設置され、前記ジャケットには前記飽和ユニットの半径方向に沿って8つの吸気円形孔が均一に分布し、円形孔の直径は充填されたポリマー粒子の直径よりも小さい。前記ジャケットの前記飽和ユニットに沿う軸方向において、吸気円形孔の軸方向間隔は25mmで、かつ交差に配置される。
【0062】
本発明において、前記「ユニット」は、1つまたは複数の機器アイテムを含むエリアを指す場合がある。機器アイテムには、1つまたは複数の反応器または反応容器、分離器、蒸留塔、ヒーター、交換器、パイプ、ポンプ、コンプレッサー、およびコントローラーが含まれるが、これらに限定されない。
【0063】
本発明において、前記「高圧噴射ポンプ」とは、一般に、出力圧力が10MPaを超える噴射ポンプを指す。
【0064】
この分野の常識に準拠することに基づいて、上記の各好ましい条件を任意に組み合わせて、本発明の好ましい実施例を得ることができる。
【0065】
本発明で使用される試薬および原材料はすべて市販されている。
【発明の効果】
【0066】
本発明のプラスの進捗効果は以下のとおりである。
(1)本発明は、移動床操作モードを採用し、以前に使用されたケトル法および噴流床法と比較して、分散媒として水を必要とせず、エネルギー消費を低減し、プロセス手順を大幅に簡素化し、かつ発泡ビーズの連続調製工程を形成し、生産効率を向上させる。
(2)本発明における移動床技術の使用は、熱伝達および発泡剤拡散プロセスを随伴性強化し、マルチスケール範囲で物理発泡剤のポリマービーズ中の拡散速度を増加させる。
(3)本発明では、床層の半径方向に沿って多孔質に分布するジャケットを使用でき、物理発泡剤の均一な拡散および急速な飽和を形成する。
(4)本発明の発泡方法において、ポリマービーズ中の物理発泡剤の拡散経路が短く、飽和状態に迅速に到達することができ、発泡時間が短縮される。
(5)本発明の方法によって得られたビーズ発泡製品では、発泡ビーズのサイズは、オートクレーブ発泡プロセスによって得られた発泡ビーズよりも均一であり、セル形態はより規則的である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【
図1】本発明の実施例2~3による移動床発泡装置(半径方向に沿って多孔質に分布するジャケットを備えた)の簡単な概略図である。
【
図2】本発明の実施例4~5よる移動床発泡装置の簡単な概略図である。
【
図3】本発明の実施例1で得られたポリプロピレン発泡ビーズの断面電子顕微鏡図である。
【
図4】本発明の実施例2で得られた熱可塑性ポリウレタン発泡ビーズの断面電子顕微鏡図である。
【
図5】本発明の実施例3で得られたポリプロピレン発泡ビーズの断面電子顕微鏡図である。
【
図6】本発明の実施例4で得られた熱可塑性ポリウレタン発泡ビーズの断面電子顕微鏡図である。
【
図7】本発明の実施例5で得られたポリプロピレン発泡ビーズの断面電子顕微鏡図である。
【
図8】本発明の比較例1で得られたポリプロピレン発泡ビーズの断面電子顕微鏡図である。
【
図9】本発明の比較例2で得られた熱可塑性ポリウレタン発泡ビーズの断面電子顕微鏡図である。
【
図10】実施例1のジャケットの多孔質に分布する半径方向の図である。
【
図11】実施例1のジャケットの多孔質に分布する軸方向の図である。
【
図12】本発明の実施例1による移動床発泡装置(半径方向に沿って多孔質に分布するジャケットを備えた)の簡単な概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0068】
以下の実施例は、本発明をさらに説明するが、本発明を、記載された実施例の範囲に限定されない。以下の実施例における特定の条件がない実験方法は、従来の方法および条件に従って、または製品仕様に従って選択される。
【0069】
実施例1
図10、
図11および
図12に示されるように、この実施例は、ポリマー発泡材料を製造するための装置を提供する。
【0070】
両端にそれぞれボールバルブ1 11とボールバルブ2 12が設置され、側壁の下端が高圧噴射ポンプ43の排気端に接続され、バルブF1 31を介して制御され、側壁の上端に大気に接続されたパイプラインも設置され、バルブF2 32を介して制御され、ここで、ボールバルブ1 11を開くことにより、熱可塑性ポリプロピレンビーズが供給部21に追加される供給部21と、
一端がボールバルブ2 12を介して供給部21に接続され、他端にボールバルブ3 13が設置され、側壁の下端が高圧噴射ポンプ43の排気端に接続され、バルブF3 33を介して制御される飽和部22と、
一端がボールバルブ3 13を介して飽和部22に接続され、他端にボールバルブ4 14が設置され、側壁の下端が高圧噴射ポンプ43の排気端に接続され、バルブF4 34を介して制御され、ここで、飽和された熱可塑性ポリプロピレンビーズが、ボールバルブ3 13を開くことによって発泡部23に追加される発泡部23と、
熱可塑性ポリプロピレンビーズをボールバルブ1 11を介して供給部21に転送するサイロ41と、を含む。
【0071】
サイロ41、供給部21、飽和部22および発泡部23は、上から下に順に同軸に接続され、
高圧噴射ポンプ43の吸気端は、ガスバッファタンク44およびガスボンベ45に順次接続されている。
【0072】
具体的な製造ステップは以下のとおりである。
(1)
図1に示すように、半径方向の多孔質ジャケット51を備えた移動床の飽和部22に、不活性無機粒子を事前に充填し、供給部21に、熱可塑性ポリプロピレンビーズを事前に充填し、内部の空気をCO
2に置き換えた。
図10に示すように、多孔質ジャケットは飽和部22の外側に設置され、該ジャケットには半径方向52に8つの吸気円形孔が均一に分布し、円形孔の直径は充填された熱可塑性ポリプロピレンビーズの直径よりも小さく、
図11に示すように、軸方向では、吸気円形孔の軸方向の間隔は25mmであり、発泡剤のより均一な分散効果を形成するために、吸気円形孔は交差して配置される。該多孔質分布ジャケットは、発泡剤の飽和効果を高め、発泡ビーズのセル形態を改善する。
(2)ボールバルブ2 12、ボールバルブ3 13、バルブF1 31、バルブF4 34、を閉じ、高圧噴射ポンプ43、バルブF3 33をオンにし、二酸化炭素飽和圧力を15 MPaに維持し、飽和部22を5℃/minの加熱速度でプログラム温度制御して加熱し、装置を147℃の発泡温度まで上げた。
(3)ボールバルブ1 11、ボールバルブ4 14、バルブF2 32を閉じ、バルブF1 31、バルブF4 34を開き、供給部21、発泡部23、飽和部22の圧力のバランスを取り、すべて15MPaに設定し、ボールバルブ2 12とボールバルブ3 13を同時に開き、飽和部22の最下層の床層内の不活性無機粒子は下に移動して発泡部に入り、直径1.8mm、Tm165℃の熱可塑性ポリプロピレンビーズは、供給部21から飽和部22の最上層床層に入った。
(4)飽和部22の事前に充填された不活性無機粒子がすべて排出され、熱可塑性ポリプロピレンビーズが飽和部22の床層を満充填した後、バルブF3 33を開き、ボールバルブ2 12およびボールバルブ3 13を閉じ、飽和が完了するまで飽和操作を開始した。
(5)ボールバルブ1 11、ボールバルブ4 14、バルブF2 32を閉じ、次にバルブF1 31、バルブF4 34を開き、供給部21、発泡部23と飽和部22の圧力のバランスを取り、ボールバルブ2 12とボールバルブ3 13を同時に開き、飽和部22の最下層の床層内にある熱可塑性ポリプロピレンビーズは移動して発泡部23に入り、熱可塑性ポリプロピレンビーズは供給部21から飽和部22の最上層床層に入った。
(6)飽和部22の最下層の床層内にある滞留時間30minのポリプロピレンビーズは移動して発泡部23に入った後、ボールバルブ2 12、ボールバルブ3 13、バルブF4 34、バルブF1 31を閉じ、最初にバルブF2 32を開き、次にボールバルブ4 14、ボールバルブ1 11を開き、急速圧力解放して発泡させてポリプロピレン発泡ビーズを得ると同時に、熱可塑性ポリプロピレンビーズを供給部21に注入し、次に、ボールバルブ4 14、ボールバルブ1 11、バルブF2 32を閉じた。
(7)供給部21及び発泡部23内の空気を置き換え、かつステップ(5)(6)を繰り返して、安定した連続運転状態を実現し、ポリプロピレン発泡ビーズを得た。
【0073】
実施例2
図1に示すように、この実施例は、ポリマー発泡材料を調製するための装置を提供し、該装置は、以下の構成要素を除いて、残りの構成要素および接続関係が、実施例1のものと同じである。
【0074】
発泡部23は、一端がボールバルブ3 13を介して飽和部22に接続され、他端にボールバルブ4 14が設置され、その側壁下端が高圧噴射ポンプの排気端に接続され、バルブF4 34を介して制御され、側壁の上端には、大気に接続されたパイプラインも設置され、バルブF5 35を介して制御され、ここで、飽和された熱可塑性ポリウレタンビーズは、ボールバルブ3 13を開くことによって発泡部23に添加される。
【0075】
具体的な製造ステップは以下のとおりである。
(1)
図1に示すように、半径方向の多孔質ジャケット51を備えた移動床の飽和部22に、不活性無機粒子を事前に充填し、供給部21に、熱可塑性ポリウレタンビーズを事前に充填し、内部の空気をCO2に置き換えた。多孔質ジャケットの設置は実施例1と同じである。
(2)ボールバルブ2 12、ボールバルブ3 13、バルブF1 31、バルブF4 34、を閉じ、高圧噴射ポンプ43、バルブF3 33をオンにし、二酸化炭素飽和圧力を15MPaに維持し、飽和部22を5℃/minの加熱速度でプログラム温度制御して加熱し、装置を105℃の発泡温度まで上げた。
(3)ボールバルブ1 11、ボールバルブ4 14、バルブF2 32、バルブF5 35を閉じ、バルブF1 31、バルブF4 34を開き、供給部21、発泡部23、飽和部22の圧力のバランスを取り、すべて15MPaに設定し、ボールバルブ2 12とボールバルブ3 13を同時に開き、飽和部22の最下層の床層内の不活性無機粒子は下に移動して発泡部に入り、直径3.8mm、Tm119℃の熱可塑性ポリウレタンビーズは、供給部21から飽和部22の最上層床層に入った。
(4)飽和部22の事前に充填された不活性無機粒子がすべて排出され、熱可塑性ポリウレタンビーズが飽和部22の床層を満充填した後、バルブF3 33を開き、ボールバルブ2 12およびボールバルブ3 13を閉じ、飽和が完了するまで飽和操作を開始した。
(5)ボールバルブ1 11、ボールバルブ4 14、バルブF2 32、バルブF5 35を閉じ、次にバルブF1 31、バルブF4 34をすぐに開き、供給部21、発泡部23と飽和部22の圧力のバランスを取り、ボールバルブ2 12とボールバルブ3 13を同時に開き、飽和部22の最下層の床層内にある熱可塑性ポリウレタンビーズは移動して発泡部23に入り、熱可塑性ポリウレタンビーズは供給部21から飽和部22の最上層床層に入った。
(6)飽和部22の最下層の床層内にある滞留時間30minのポリウレタンビーズは移動して発泡部23に入った後、ボールバルブ2 12、ボールバルブ3 13、バルブF4 34、バルブF1 31を閉じ、最初にバルブF2 32を開き、次にボールバルブ4 14、ボールバルブ1 11を開き、急速圧力解放して発泡させて熱可塑性ポリウレタン発泡ビーズを得たと同時に、熱可塑性ポリウレタンビーズを供給部21に注入し、次に、ボールバルブ4 14、ボールバルブ1 11、バルブF2 32を閉じた。
(7)供給部21及び発泡部23内の空気を置き換え、かつステップ(5)(6)を繰り返して、安定した連続運転状態を実現し、熱可塑性ポリプロピレン発泡ビーズを得た。
【0076】
実施例3
この実施例におけるポリマー発泡材料を製造するための装置の構造は、実施例2と同じである。
【0077】
具体的な製造ステップは以下のとおりである。
(1)
図1に示すように、半径方向の多孔質ジャケット51を備えた移動床の飽和部22に、不活性無機粒子を事前に充填し、供給部21に、熱可塑性ポリプロピレンビーズを事前に充填し、内部の空気をN
2に置き換えた。
(2)ボールバルブ2 12、ボールバルブ3 13、バルブF1 31、バルブF4 34、を閉じ、高圧噴射ポンプ43、バルブF3 33をオンにし、二酸化炭素飽和圧力を15MPaに維持し、飽和部22を5℃/minの加熱速度でプログラム温度制御して加熱し、装置を105℃の発泡温度まで上げた。
(3)ボールバルブ1 11、ボールバルブ4 14、バルブF2 32、バルブF5 35を閉じ、バルブF1 31、バルブF4 34を開き、供給部21、発泡部23、飽和部22の圧力のバランスを取り、すべて15MPaに設定し、ボールバルブ2 12とボールバルブ3 13を同時に開き、飽和部22の最下層の床層内の不活性無機粒子は下に移動して発泡部に入り、直径3.8mm、Tm119℃のポリプロピレンビーズは、供給部21から飽和部22の最上層床層に入った。
(4)飽和部22の事前に充填された不活性無機粒子がすべて排出され、ポリプロピレンビーズが飽和部22の床層を満充填した後、バルブF3 33を開き、ボールバルブ2 12およびボールバルブ3 13を閉じ、飽和が完了するまで飽和操作を開始した。
(5)ボールバルブ1 11、ボールバルブ4 14、バルブF2 32、バルブF5 35を閉じ、次にバルブF1 31、バルブF4 34を開き、供給部21、発泡部23と飽和部22の圧力のバランスを取り、ボールバルブ2 12とボールバルブ3 13を同時に開き、飽和部22の最下層の床層内にあるポリプロピレンビーズは移動して発泡部23に入り、ポリプロピレンビーズは供給部21から飽和部22の最上層床層に入った。
(6)飽和部22の最下層の床層内にある滞留時間30minのポリプロピレンビーズは移動して発泡部23に入った後、ボールバルブ2 12、ボールバルブ3 13、バルブF4 34、バルブF1 31を閉じ、最初にバルブF2 32を開き、次にボールバルブ4 14、ボールバルブ1 11を開き、急速圧力解放して発泡させてポリプロピレン発泡ビーズを得たと同時に、ポリプロピレンビーズを供給部21に注入し、次に、ボールバルブ4 14、ボールバルブ1 11、バルブF2 32を閉じた。
(7)供給部21及び発泡部23内の空気を置き換え、かつステップ(5)(6)を繰り返して、安定した連続運転状態を実現し、ポリプロピレン発泡ビーズを得た。
【0078】
実施例4
図2に示すように、この実施例は、ポリマー発泡材料を製造するための装置を提供し、
両端にそれぞれボールバルブ1 11とボールバルブ2 12が設置され、側壁の下端が高圧噴射ポンプ43の排気端に接続され、バルブF1 31を介して制御され、側壁の上端に大気に接続されたパイプラインも設置され、バルブF2 32を介して制御され、ここで、ボールバルブ1 11を開くことにより、熱可塑性ポリプロピレンビーズが供給部21に追加される供給部21と、
一端がボールバルブ2 12を介して供給部21に接続され、他端にボールバルブ3 13が設置され、側壁の下端が高圧噴射ポンプ43の排気端に接続され、バルブF3 33を介して制御される飽和部22と、
一端がボールバルブ3 13を介して飽和部22に接続され、他端にボールバルブ4 14が設置され、側壁の下端が高圧噴射ポンプ43の排気端に接続され、バルブF4 34を介して制御され、側壁の上端に、大気に接続されたパイプラインも設置され、バルブF5 35を介して制御され、ここで、飽和された熱可塑性ポリプロピレンビーズが、ボールバルブ3 13を開くことによって発泡部23に追加される発泡部23と、
ボールバルブ1 11を介して熱可塑性ポリプロピレンビーズを供給部21に転送するサイロ41と、を含む。
【0079】
サイロ41、供給部21、飽和部22および発泡部23は、上から下に順に同軸に接続され、
高圧噴射ポンプ43の吸気端は、ガスバッファタンク44およびガスボンベ45に順次接続された。
【0080】
具体的な製造ステップは以下のとおりである。
(1)
図1に示すように、移動床飽和部22に不活性無機粒子を事前に充填し、供給ユニット21に熱可塑性ポリプロピレンビーズを事前に充填し、かつ内部空気をCO2に置き換えた。
(2)ボールバルブ2 12、ボールバルブ3 13、バルブF1 31、バルブF4 34、を閉じ、高圧噴射ポンプ43、バルブF3 33をオンにし、二酸化炭素飽和圧力を15MPaに維持し、飽和部22を5℃/minの加熱速度でプログラム温度制御して加熱し、装置を147℃の発泡温度まで上げた。
(3)ボールバルブ1 11、ボールバルブ4 14、バルブF2 32、バルブF5 35を閉じ、バルブF1 31、バルブF4 34を開き、供給部21、発泡部23、飽和部22の圧力のバランスを取り、すべて15MPaに設定し、ボールバルブ2 12とボールバルブ3 13を同時に開き、飽和部22の最下層の床層内の不活性無機粒子は下に移動して発泡部に入り、直径1.8mm、Tm165℃の熱可塑性ポリプロピレンビーズは、供給部21から飽和部22の最上層床層に入った。
(4)飽和部22の事前に充填された不活性無機粒子がすべて排出され、熱可塑性ポリプロピレンビーズが飽和部22の床層を満充填した後、バルブF3 33を開き、ボールバルブ2 12およびボールバルブ3 13を閉じ、飽和が完了するまで飽和操作を開始した。
(5)ボールバルブ1 11、ボールバルブ4 14、バルブF2 32、バルブF5 35を閉じ、次にバルブF1 31、バルブF4 34を開き、供給部21、発泡部23と飽和部22の圧力のバランスを取り、ボールバルブ2 12とボールバルブ3 13を同時に開き、飽和部22の最下層の床層内にある熱可塑性ポリプロピレンビーズは移動して発泡部23に入り、熱可塑性ポリプロピレンビーズは供給部21から飽和部22の最上層床層に入った。
(6)飽和部22の最下層の床層内にある滞留時間30minのポリプロピレンビーズは移動して発泡部23に入った後、ボールバルブ2 12、ボールバルブ3 13、バルブF4 34、バルブF1 31を閉じ、最初にバルブF2 32を開き、次にボールバルブ4 14、ボールバルブ1 11を開き、急速圧力解放して発泡させてポリプロピレン発泡ビーズを得ると同時に、熱可塑性ポリプロピレンビーズを供給部21に注入し、次に、ボールバルブ4 14、ボールバルブ1 11、バルブF2 32を閉じた。
(7)供給部21及び発泡部23内の空気を置き換え、かつステップ(5)(6)を繰り返して、安定した連続運転状態を実現し、ポリプロピレン発泡ビーズを得た。
【0081】
実施例5
この実施例におけるポリマー発泡材料を製造するための装置の構造は、実施例4におけるものと同じである。
【0082】
具体的な製造ステップは以下のとおりである。
(1)
図2に示すように、移動床飽和部22に不活性無機粒子を事前に充填し、供給ユニット21に熱可塑性ポリプロピレンビーズを事前に充填し、かつ内部空気をCO
2に置き換えた。
(2)ボールバルブ2 12、ボールバルブ3 13、バルブF1 31、バルブF4 34、を閉じ、高圧噴射ポンプ43、バルブF3 33をオンにし、二酸化炭素飽和圧力を15MPaに維持し、飽和部22を5℃/minの加熱速度でプログラム温度制御して加熱し、装置を105℃の発泡温度まで上げた。
(3)ボールバルブ1 11、ボールバルブ4 14、バルブF2 32、バルブF5 35を閉じ、バルブF1 31、バルブF4 34を開き、供給部21、発泡部23、飽和部22の圧力のバランスを取り、すべて15MPaに設定し、ボールバルブ2 12とボールバルブ3 13を同時に開き、飽和部22の最下層の床層内の不活性無機粒子は下に移動して発泡部に入り、直径3.8mm、Tm119℃の熱可塑性ポリウレタンビーズは、供給部21から飽和部22の最上層床層に入った。
(4)飽和部22の事前に充填された不活性無機粒子がすべて排出され、熱可塑性ポリプロピレンビーズが飽和部22の床層を満充填した後、バルブF3 33を開き、ボールバルブ2 12およびボールバルブ3 13を閉じ、飽和が完了するまで飽和操作を開始した。
(5)ボールバルブ1 11、ボールバルブ4 14、バルブF2 32、バルブF5 35を閉じ、次にバルブF1 31、バルブF4 34を開き、供給部21、発泡部23と飽和部22の圧力のバランスを取り、ボールバルブ2 12とボールバルブ3 13を同時に開き、飽和部22の最下層の床層内にある熱可塑性ポリウレタンビーズは移動して発泡部23に入り、熱可塑性ポリウレタンビーズは供給部21から飽和部22の最上層床層に入った。
(6)飽和部22の最下層の床層内にある滞留時間30minのポリウレタンビーズは移動して発泡部23に入った後、ボールバルブ2 12、ボールバルブ3 13、バルブF4 34、バルブF1 31を閉じ、最初にバルブF2 32を開き、次にボールバルブ4 14、ボールバルブ1 11を開き、急速圧力解放して発泡させて熱可塑性ポリウレタン発泡ビーズを得たと同時に、熱可塑性ポリウレタンビーズを供給部21に注入し、次に、ボールバルブ4 14、ボールバルブ1 11、バルブF2 32を閉じた。
(7)供給部21及び発泡部23内の空気を置き換え、かつステップ(5)(6)を繰り返して、安定した連続運転状態を実現し、熱可塑性ポリウレタン発泡ビーズを得た。
【0083】
比較例1
オートクレーブに実施例1と完全に同じであるポリプロピレンビーズ100重量部、分散媒として脱イオン水、分散剤としてカオリン1.2重量部、界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.1重量部、分散促進剤として硫酸アルミニウム0.02重量部を添加し、反応釜に発泡剤として二酸化炭素を注入し、数回繰り返して釜内の空気を排出した後、撹拌を開始し、二酸化炭素を注入し続け、反応釜内の圧力を6.3MPaに制御し、反応釜に対してプログラム温度上昇して加熱させ、釜内の温度を5℃/minの加熱速度で150℃に上げ、30min保持し、発泡温度と発泡圧力の条件下で、30min撹拌を続け、最後に、オートクレーブの圧力逃がし弁を開いて、迅速な圧力逃がしを行い、圧力逃がし速度は300MPa/sであり、次に、オートクレーブの排出口を開き、発泡製品を収集タンクに排出し、ポリプロピレン発泡ビーズを取得して、その後のセル形態の特性評価を実行した。
【0084】
比較例2
オートクレーブに実施例2と完全に同じである熱可塑性ポリウレタンビーズ100重量部を加え、分散媒として脱イオン水、分散剤としてカオリン1.2重量部、界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.1重量部、分散促進剤として硫酸アルミニウム0.02重量部を加え、反応釜に発泡剤として二酸化炭素を注入し、数回繰り返して釜内の空気を排出した後、撹拌を開始し、二酸化炭素を注入し続け、反応釜内の圧力を7.8MPaに制御し、反応釜に対してプログラム温度上昇して加熱させ、釜内の温度を5℃/minの加熱速度で105℃に上げ、30min保持し、発泡温度と発泡圧力の条件下で、30min撹拌を続け、最後に、オートクレーブの圧力逃がし弁を開いて、迅速な圧力逃がしを行い、圧力逃がし速度は300MPa/sであり、次に、オートクレーブの排出口を開き、発泡製品を収集タンクに排出し、熱可塑性ポリウレタンフォームビーズを取得して、その後の気孔形態の特性評価を実行した。
【0085】
効果実施例
実施例1~5と比較例1~2の発泡材料を使用して、そのセル径サイズ(Image pro plus測定)とセル密度(Image J測定)を検出した。具体的なデータを以下の表1に示す。
【0086】
【符号の説明】
【0087】
11:ボールバルブ1
12:ボールバルブ2
13:ボールバルブ3
14:ボールバルブ4
21:供給部
22:飽和部
23:発泡部
31:バルブF1
32:バルブF2
33:バルブF3
34:バルブF4
35:バルブF5
41:ポリマービーズサイロ
42:発泡後の泡ビーズ
43:高圧噴射ポンプ
44:ガスバッファタンク
45:ガスボンベ
51:多孔質ジャケット
52:多孔質ジャケットの半径方向