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特許7445246データ処理システム、データ処理方法、及びデータ処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-28
(45)【発行日】2024-03-07
(54)【発明の名称】データ処理システム、データ処理方法、及びデータ処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240229BHJP
   G06F 16/245 20190101ALI20240229BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06F16/245
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023119826
(22)【出願日】2023-07-24
【審査請求日】2023-08-01
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522490505
【氏名又は名称】株式会社パトスロゴス
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】牧野 正幸
【審査官】関 博文
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-053243(JP,A)
【文献】特開2015-035096(JP,A)
【文献】特開2000-082081(JP,A)
【文献】特開2003-091633(JP,A)
【文献】特開2007-226428(JP,A)
【文献】特開2012-58898(JP,A)
【文献】特開2009-146350(JP,A)
【文献】亀谷 聡,SaaSに適したマルチテナントデータベースの研究開発,INTEC TECHNICAL JOURNAL 2012.1 第12号 ,株式会社インテック,2012年01月30日,第12号,pp.70-75
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G06F 16/245
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
数の情報処理サービスシステムのそれぞれにおける、管理用データベースに含まれる複数の項目に関する複数のデータのそれぞれの参照及び更新の少なくともいずれかの権限に関する権限データを設定する権限設定部と、
前記複数の情報処理サービスシステムに含まれる第1情報処理サービスシステムから、前記複数のデータに含まれる少なくとも1つのデータの参照及び更新の少なくともいずれかの要求に関するデータ処理要求を受信する要求受信部と、
前記権限データ及び前記データ処理要求に基づいて、前記少なくとも1つのデータの提供及び更新の少なくともいずれかの処理をするデータ処理部と、
を備え
前記複数の情報処理サービスシステムのそれぞれは、前記管理用データベースに基づいて、SaaSを含むそれぞれ異なる所定の情報処理サービスを、ユーザが利用するユーザ端末に提供する情報処理システムであり、
前記管理用データベースは、前記複数の情報処理サービスシステムのそれぞれが相互に利用するデータベースである、
データ処理システム。
【請求項2】
前記権限設定部は、前記ユーザの前記ユーザ端末を通じた操作に基づいて、前記複数の情報処理サービスシステムごとに異なる、前記権限データを設定する、請求項1に記載のデータ処理システム。
【請求項3】
前記要求受信部による前記データ処理要求の受信及び前記データ処理部による前記データ処理要求に基づく処理の少なくともいずれかを含む要通知処理に応じて、前記第1情報処理サービスシステムとは異なる第2情報処理サービスシステムに対し、前記要通知処理があった旨を通知する通知データを出力する通知部をさらに実現させる、請求項1又は2に記載のデータ処理システム。
【請求項4】
前記少なくとも1つのデータを更新する時期を示す更新時期データを管理する更新管理部をさらに備え、
前記データ処理部は、前記更新時期データにさらに基づいて、前記更新時期データが示す時期に前記少なくとも1つのデータの更新の処理をする、
請求項1又は2に記載のデータ処理システム。
【請求項5】
前記管理用データベースは、現時点の情報として登録されているデータのデータベースを含む現在データベースと、現時点以降に更新される予定のデータのデータベースを含む予定データベースとを含み、
前記データ処理部は、前記予定データベースに、更新される予定の少なくとも1つのデータを登録し、前記更新時期データが示す前記更新する時期に、前記予定データベースに登録されている前記更新される予定の少なくとも1つのデータに基づいて、前記現在データベースを更新する、
請求項4に記載のデータ処理システム
【請求項6】
前記複数のデータは、複数の人事データを含み、
前記複数の情報処理サービスシステムのそれぞれは、前記ユーザ端末に、人事関連業務に関する情報処理サービスを提供する
請求項1又は2に記載のデータ処理システム。
【請求項7】
コンピュータが、
数の情報処理サービスシステムのそれぞれにおける、管理用データベースに含まれる複数の項目に関する複数のデータのそれぞれの参照及び更新の少なくともいずれかの権限に関する権限データを設定し、
前記複数の情報処理サービスシステムに含まれる第1情報処理サービスシステムから、前記複数のデータに含まれる少なくとも1つのデータの参照及び更新の少なくともいずれかの要求に関するデータ処理要求を受信し、
前記権限データ及び前記データ処理要求に基づいて、前記少なくとも1つのデータの提供及び更新の少なくともいずれかの処理を
前記複数の情報処理サービスシステムのそれぞれは、前記管理用データベースに基づいて、SaaSを含むそれぞれ異なる所定の情報処理サービスを、ユーザが利用するユーザ端末に提供する情報処理システムであり、
前記管理用データベースは、前記複数の情報処理サービスシステムのそれぞれが相互に利用するデータベースである、
データ処理方法。
【請求項8】
コンピュータに、
数の情報処理サービスシステムのそれぞれにおける、管理用データベースに含まれる複数の項目に関する複数のデータのそれぞれの参照及び更新の少なくともいずれかの権限に関する権限データを設定する権限設定部と、
前記複数の情報処理サービスシステムに含まれる第1情報処理サービスシステムから、前記複数のデータに含まれる少なくとも1つのデータの参照及び更新の少なくともいずれかの要求に関するデータ処理要求を受信する要求受信部と、
前記権限データ及び前記データ処理要求に基づいて、前記少なくとも1つのデータの提供及び更新の少なくともいずれかの処理をするデータ処理部と、
を実現させ
前記複数の情報処理サービスシステムのそれぞれは、前記管理用データベースに基づいて、SaaSを含むそれぞれ異なる所定の情報処理サービスを、ユーザが利用するユーザ端末に提供する情報処理システムであり、
前記管理用データベースは、前記複数の情報処理サービスシステムのそれぞれが相互に利用するデータベースである、
データ処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ処理システム、データ処理方法、及びデータ処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザに対して所定の情報処理サービスを提供する外部の情報処理サービスシステムに対して、当該外部の情報処理サービスシステムから受け付けるデータ処理要求に応じて、データベースにおいて管理されるデータを処理する技術が知られていた。
【0003】
例えば、特許文献1に記載されているデータ処理システムは、データ処理対象とするデータの選択を受け付け、データ処理の要求を受け付け、データ処理を実行し、データ及びデータ処理の内容を記憶し、記憶されたデータ処理の内容を、データの情報とともに表示させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2023-28580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、情報処理サービスを提供する複数の情報処理サービスシステムが知られている。状況若しくは用途等に応じて、ユーザが複数の情報処理サービスシステムを使い分ける場合がある。
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載されているデータ処理システムでは、複数の情報処理サービスシステムが連携してサービスを提供することは考慮されておらず、当該システムは、複数の情報処理サービスシステムが利用するプラットフォームとして機能することができない。
【0007】
そこで、本開示の一実施形態は、複数の情報処理サービスシステムが利用するプラットフォームとして機能するデータ処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一実施形態に係るデータ処理システムは、複数の項目に関する複数のデータを含む管理用データベースに基づいて所定の情報処理サービスを提供する複数の情報処理サービスシステムのそれぞれにおける、管理用データベースの複数の項目が示すデータのそれぞれの参照及び更新の少なくともいずれかの権限に関する権限データを設定する権限設定部と、複数の情報処理サービスシステムに含まれる第1情報処理サービスシステムから、複数のデータに含まれる少なくとも1つのデータの参照及び更新の少なくともいずれかの要求に関するデータ処理要求を受信する要求受信部と、権限データ及びデータ処理要求に基づいて、少なくとも1つのデータの提供及び更新の少なくともいずれかの処理をするデータ処理部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態によれば、複数の情報処理サービスシステムが利用するプラットフォームとして機能するデータ処理システムを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態であるデータ処理システム100における処理の概要を示す図である。
図2】本開示の一実施形態であるデータ処理システム100の構成を示す図である。
図3】記憶部110に記憶される権限データの例を示す図である。
図4】記憶部110に記憶される処理要求データの例を示す図である。
図5】記憶部110に記憶される通知設定データを示す図である。
図6】データ処理システム100における処理の例を示すフローチャートである。
図7】コンピュータ700のハードウェア構成の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付図面を参照して、本開示の一実施形態について説明する。図1は、一実施形態であるデータ処理システム100における処理の概要を示す図である。
【0012】
データ処理システム100は、データ処理プログラムによって実現される情報処理システムであり、複数の情報処理サービスシステム200のそれぞれと通信して、当該複数の情報処理サービスシステム200のそれぞれから受け付けるデータの処理(参照及び更新の少なくともいずれか)の要求に応じて、管理用データベース101に記憶されるデータを処理する情報処理システムである。
【0013】
データ処理システム100は、情報処理サービスシステム200から受け付けるデータの参照及び更新の少なくともいずれかの要求に応じて、管理用データベース101に記憶されるデータを、情報処理サービスシステム200に提供し、また、当該データを更新する(S101)。また、データ処理システム100は、他の情報処理サービスシステム200に対し、情報処理サービスシステム200からデータの処理要求の受信及び当該データ処理要求に応じたデータ処理を通知する通知データを出力する(S102)。
【0014】
このように、データ処理システム100は、複数の情報処理サービスシステム200が扱うデータを管理用データベース101として管理し、当該データの参照及び更新の少なくともいずれかの処理を行う。すなわち、データ処理システム100は、いわば、複数の情報処理サービスシステム200を連携するプラットフォームとして機能することができる。
【0015】
昨今、人事データや労務データ等のバックオフィス関連データを扱う複数の情報処理サービスが展開されている。当該複数の情報処理サービスがそれぞれ異なるデータ構造のデータベースを用いる仕様となっていることや、互いに同じデータを処理する場面がありデータの整合性の維持が困難となっていること等を要因として、特に、人事データや労務データ等のバックオフィス関連データを扱う複数の情報処理サービス同士を連携することは困難であった。
【0016】
具体的には、例えば、複数の情報処理サービスシステムのそれぞれが、同一のデータを更新する場合に、適切な更新処理が行われない場合がある。また、複数の情報処理サービスシステムのそれぞれが、互いに全てのデータにアクセス可能である場合、データのセキュリティが担保されず、複数の情報処理サービスシステムの利用の障害となる。
【0017】
そこで、データ処理システム100は、複数の情報処理サービスシステム200が扱うデータを管理用データベース101として管理し、当該データの参照及び更新の少なくともいずれかを行うことで、いわば、複数の情報処理サービスシステム200を連携するプラットフォームとして機能する。
【0018】
図2は、本開示の一実施形態であるデータ処理システム100の構成を示す図である。データ処理システム100は、第1情報処理サービスシステム210及び第2情報処理サービスシステム220とインターネット等のネットワークを介して通信可能に接続される。データ処理システム100の詳細については、後述する。
【0019】
第1情報処理サービスシステム210及び第2情報処理サービスシステム220は、それぞれ複数の情報処理サービスシステム200の1つ及び他の1つであり、所定の情報処理サービスを提供する情報処理システムである。
【0020】
情報処理サービスシステム200は、管理用データベース101に記憶されるデータに基づいて、情報処理サービス(例えば、SaaS(Software as a Service))をユーザに提供する。
【0021】
情報処理サービスシステム200は、人事データ又は労務データに基づいて、例えば採用管理、タレントマネジメント、勤怠管理、経費管理、労務管理、個人情報管理、給与管理等の、人事関連業務又は労務関連業務に関する情報処理サービスを提供するシステムであってもよい。すなわち、管理用データベース101に含まれるデータは、人事データ又は労務データであってもよい。
【0022】
ここで、管理用データベース101は、複数の項目に関する複数のデータを含むデータベースである。管理用データベース101は、データ処理システム100の一部として設置されてもよい。また、管理用データベース101は、データ処理システム100の管理者において管理されてもよい。
【0023】
管理用データベース101は、複数の情報処理サービスシステム200が処理可能なデータ構造であってもよい。
【0024】
管理用データベース101には、複数の項目のそれぞれに対応する複数のデータが記憶されている。具体的には、例えば第1情報処理サービスシステム210が人事データに基づいて人事関連業務に関する情報処理サービスを提供する場合、管理用データベース101には、例えば、「標準月額給与」「課長評価」「部長評価」等の複数の項目のそれぞれに対応する複数のデータが記憶されている。
【0025】
管理用データベース101は、現在データベース及び予定データベースを含んでもよい。現在データベースは、現時点の情報として登録されているデータのデータベースである。予定データベースは、現時点以降に更新される予定のデータのデータベースである。予定データベースでは、更新予定のデータと、更新時期を示す更新時期データとが対応付けられていてもよい。管理用データベース101が、現在データベース及び予定データベースを含むことにより、後述するデータ処理部150は、更新管理部140と連携して、所定の更新時期にデータを更新することができる。
【0026】
なお、図2において、2つの情報処理サービスシステム(第1情報処理サービスシステム210及び第2情報処理サービスシステム220)が示されているが、データ処理システム100は、3つ以上の情報処理サービスシステム200と通信可能であってもよい。
【0027】
続いて、データ処理システム100の詳細について説明する。データ処理システム100は、記憶部110、権限設定部120、要求受信部130、更新管理部140、データ処理部150、通知設定部160、通知部170を備える。図2に示す各部は、例えば、記憶領域を用いたり、記憶領域に格納されたプログラムをプロセッサが実行したりすることにより実現することができる。
【0028】
記憶部110は、データ処理システム100において処理されるデータを記憶する。記憶部110は、例えば、後述する、権限データ、処理要求データ、通知設定データを記憶することができる。
【0029】
また、記憶部110は、さらに、管理用データベース101として機能することができる。すなわち、記憶部110は、さらに、各情報処理サービスシステム200が所定の情報処理サービスを提供するために処理するデータを記憶することができる。
【0030】
なお、管理用データベース101は、記憶部110とは異なる、データ処理システム100の外部に設置されるデータベースであってもよい。
【0031】
権限設定部120は、複数の情報処理サービスシステム(例えば、第1情報処理サービスシステム210及び第2情報処理サービスシステム220)のそれぞれにおける、管理用データベース101の複数の項目が示すデータのそれぞれの参照及び更新の少なくともいずれかの権限に関する権限データを設定し、生成された権限データを記憶部110に格納する。
【0032】
権限データは、例えば、情報処理サービスシステム200それぞれにおける、データそれぞれの参照若しくは更新の権限の有無を示すデータである。すなわち、第1情報処理サービスシステム210において、所定のデータの参照の権限があり、更新の権限がない場合、後述するデータ処理部150は、第1情報処理サービスシステム210から受け付ける当該所定のデータの参照要求に応じたデータ処理を行う一方、当該所定のデータの更新要求に応じたデータ処理を行わない。
【0033】
権限設定部120は、いわば恒常的な権限データを設定してもよい。これにより、データ処理システム100は、適切な権限管理の下、複数の情報処理サービスシステム200のプラットフォームとして機能することができる。なお、恒常的な権限データとは、例えば、データ処理システム100の管理者や各情報処理サービスシステム200の管理者等による権限データの変更処理がない限り、変更されない権限データであってもよい。
【0034】
また、権限設定部120は、一時的な権限データを設定してもよい。一時的な権限データは、例えば、後述するデータ処理部150によるデータ処理が行われている間は、データの参照及び更新の権限を停止する権限データであってもよい。これにより、データ処理システム100は、データの処理中に、他のデータの参照処理及び更新処理が同時に発生しないよう、複数の情報処理サービスシステム200のプラットフォームとして、適切に管理用データベース101を管理することができる。
【0035】
また、権限設定部120は、複数の情報処理サービスのそれぞれのユーザのユーザ端末を通じた操作に基づいて、権限データを設定することができる。これにより、当該ユーザは、複数の情報処理サービスごとに、権限データを設定することができる。
【0036】
図3は、記憶部110に記憶される権限データの例を示す図である。記憶部110に記憶される権限データは、例えば、権限データID、システムID、権限内容データを含む。
【0037】
権限データIDは、記憶部110に記憶される権限データを識別する情報である。システムIDは、権限に対応する情報処理サービスシステム200を識別する情報である。
【0038】
権限内容データは、情報処理サービスシステム200における、データの参照及び更新の少なくともいずれかの権限を示すデータである。権限内容データは、例えば、データごとに、参照及び更新の「可」「不可」を示すデータであってもよい。なお、図3に示す権限内容データの詳細は一例であり、その他の形式で権限が示されてもよい。
【0039】
要求受信部130は、第1情報処理サービスシステム210から、管理用データベース101に記憶される複数のデータに含まれる少なくとも1つのデータの参照及び更新の少なくともいずれかの要求に関するデータ処理要求を受信し、受信した要求に関する処理要求データを記憶部110に格納する。
【0040】
第1情報処理サービスシステム210は、データの参照に関するデータ処理要求及び後述するデータ処理部150によるデータ提供処理を通じて、データ処理システム100から、管理用データベース101に記憶されるデータを取得する。第1情報処理サービスシステム210は、取得したデータに基づいて、所定の情報処理サービスを提供する。
【0041】
また、第1情報処理サービスシステム210は、所定の情報処理サービスの処理結果に応じて、管理用データベース101に記憶されるデータの更新(例えば、追加、修正、削除等)を行う場合がある。このとき、第1情報処理サービスシステム210は、データの更新に関するデータ処理要求を行い、後述するデータ処理部150が、データの更新処理を行う。
【0042】
図4は、記憶部110に記憶される処理要求データの例を示す図である。記憶部110に記憶される処理要求データは、例えば、処理要求ID、処理対象データID、処理種別データ、更新内容データ、更新時期データを含む。
【0043】
処理要求IDは、記憶部110に記憶される処理要求データを識別するデータである。処理対象データIDは、処理要求データが要求する処理の対象となる、管理用データベース101に記憶されるデータを識別するデータである。
【0044】
更新内容データは、処理要求データが示す更新要求における、更新後のデータ内容を示すデータである。更新時期データは、処理要求データが示す更新要求において、データを更新する時期(例えば、更新する時刻)を示すデータである。
【0045】
更新時期は、例えば、期初、期末、年明け、年末、年度初め、年度末、等の人事データ又は労務データを切り替えるタイミングであってもよく、任意の日時、時間帯、曜日であってもよい。
【0046】
更新管理部140は、管理用データベース101に記憶される複数のデータに含まれる少なくとも1つのデータを更新する時期を示す更新時期データを管理する。
【0047】
更新管理部140は、例えば、第1情報処理サービスシステム210から、更新時期データを取得して、記憶部110に格納してもよい。このとき、更新管理部140は、第1情報処理サービスシステム210から受信するデータ処理要求に応じて、更新時期データを取得してもよい。
【0048】
更新管理部140は、例えば、記憶部110に記憶される処理要求データに含まれる更新時期データに基づいて、当該更新時期に、後述するデータ処理部150に対してデータ処理を実行させることによって、更新時期データを管理してもよい。
【0049】
データ処理部150は、権限データ及びデータ処理要求に基づいて、管理用データベース101に記憶される複数のデータに含まれる少なくとも1つのデータの提供及び更新の少なくともいずれかの処理をする。
【0050】
具体的には、データ処理部150は、例えば、以下のようなフローで、データ処理を実行する。まず、データ処理部150は、権限データを参照して、要求受信部130が受信したデータ処理要求について、当該データ処理要求を送信した第1情報処理サービスシステム210が権限を有するか否かを判定する。第1情報処理サービスシステム210が権限を有しない場合、データ処理部150は、例えば、権限を有しないことを、第1情報処理サービスシステム210に通知してもよい。
【0051】
続いて、第1情報処理サービスシステム210が権限を有する場合、データ処理部150は、データ処理要求に応じてデータを処理する。
【0052】
より具体的には、データ処理要求が、データの参照に関する要求である場合、データ処理部150は、当該データを、第1情報処理サービスシステム210に提供する。
【0053】
このとき、データ処理部150は、例えば、現在データベースに含まれる当該データを、第1情報処理サービスシステム210に提供することができる。これにより、第1情報処理サービスシステム210は、現時点でのデータを取得することができる。
【0054】
また、データ処理部150は、例えば、予定データベースに含まれる当該データを、第1情報処理サービスシステム210に提供することができる。これにより、第1情報処理サービスシステム210は、更新予定のデータを取得することができる。
【0055】
また、データ処理要求が、データの更新に関する要求である場合、データ処理部150は、例えば、当該データを、処理要求データに含まれる更新内容データに更新する。このとき、データ処理部150は、更新処理を実行又は完了したことを、第1情報処理サービスシステム210に通知してもよい。
【0056】
このとき、データ処理部150は、例えば、現在データベースに含まれるデータを更新してもよい。これにより、データ処理システム100は、即座に、管理用データベース101に含まれるデータを更新することができる。
【0057】
また、データ処理部150は、例えば、まず、予定データベースに更新内容データを登録し、所定のタイミング(例えば、更新時期データが示す更新時期)で、予定データベースに登録された更新内容データに基づいて、現在データベースに含まれるデータを更新してもよい。これにより、データ処理システム100は、任意の更新時期で、データを更新することができる。
【0058】
また、データ処理部150は、更新時期データに基づいて、当該更新時期データが示す時期に、データの更新の処理を行ってもよい。
【0059】
通知設定部160は、情報処理サービスシステム200ごとに、情報処理サービスシステム200それぞれに通知すべき、要求受信部130によるデータ処理要求及びデータ処理部150によるデータ処理要求に基づく処理の少なくともいずれかを含む要通知処理の設定に関する通知設定データを生成して記憶部110に格納する。
【0060】
通知設定部160は、例えば、データ処理システム100の管理者の指示に応じて、通知設定データを生成してもよく、また、情報処理サービスシステム200それぞれの管理者の指示に応じて、通知設定データを生成してもよい。
【0061】
通知設定データは、例えば、情報処理サービスシステム200ごと及びデータごとに、所定の要通知処理が行われた場合に通知するか否かを示すデータであってもよい。
【0062】
ここで、要通知処理は、例えば、要求受信部130によるデータ処理要求であってもよい。すなわち、要求受信部130が、例えば、データの更新に関するデータ処理要求を受信した場合に、言い換えれば、当該データが更新待ちの場合(特に例えば、予定データベースに登録された場合)に、後述する通知部170は、通知データを出力することができる。
【0063】
また、要通知処理は、例えば、データ処理部150によるデータ処理要求に基づく処理であってもよい。すなわち、データ処理部150が、例えば、データの更新に関するデータ処理要求に応じて、データを更新した場合に、言い換えれば、当該データの更新時(特に例えば現在データベースが更新された場合)に、後述する通知部170は、通知データを出力することができる。
【0064】
図5は、記憶部110に記憶される通知設定データを示す図である。記憶部110に記憶される通知設定データは、例えば、通知設定ID、システムID、通知設定内容データを含む。
【0065】
通知設定IDは、記憶部110に記憶される通知設定データを識別するデータである。
【0066】
通知設定内容データは、通知設定の内容を示すデータである。通知設定内容データは、例えば、管理用データベース101に記憶されるデータに、所定の要通知処理が行われた場合に通知するか否かを示すデータであってもよい。
【0067】
通知部170は、要求受信部130によるデータ処理要求の受信及びデータ処理部150によるデータ処理要求に基づく処理の少なくともいずれかを含む要通知処理に応じて、第1情報処理サービスシステム210とは異なる第2情報処理サービスシステム220に対し、要通知処理があった旨を通知する通知データを出力する。
【0068】
通知部170は、まず、例えば、通知設定データに基づいて、第2情報処理サービスシステム220における要通知処理を参照する。そして、通知部170は、第2情報処理サービスシステム220における要通知処理に基づいて、第2情報処理サービスシステム220に対して要通知処理があった旨を通知する通知データを生成し、出力する。
【0069】
通知部170は、第2情報処理サービスシステム220の権限データの内容を含む通知データを生成し、出力してもよい。これによって、例えば、データ処理システム100による処理に応じて権限データが変更される場合に、第2情報処理サービスシステム220が、当該データの参照及び更新ができるかを把握することができる。
【0070】
図6は、データ処理システム100における処理の例を示すフローチャートである。
【0071】
まず、権限設定部120が、複数の情報処理サービスシステム200のそれぞれの権限データを設定する(S601)。要求受信部130が、第1情報処理サービスシステム210から、管理用データベース101に記憶されるデータのデータ処理要求を受信する(S602)。
【0072】
データ処理部150が、データ処理要求に応じて、管理用データベース101に記憶されるデータの提供又は更新の処理を行う(S603)。このとき、データ処理部150は、更新管理部140によって管理される更新時期データが示す更新時期に、管理用データベース101に記憶されるデータの更新の処理を行ってもよい。
【0073】
通知部170は、通知設定部160によって設定された通知設定データに基づいて、第2情報処理サービスシステム220に対し、要通知処理が行われたことを通知するための通知データを出力する(S604)。
【0074】
次に、図7を参照して、データ処理システム100をコンピュータ700により実現する場合のハードウェア構成の一例について説明する。図7は、コンピュータ700のハードウェア構成の例を示す図である。
【0075】
図7に示すように、コンピュータ700は、例えば、プロセッサ701、メモリ702、記憶装置703、入力I/F部704、データI/F部705、通信I/F部706、及び表示装置707を含む。
【0076】
コンピュータ700は、例えば、サーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ(例えば、デスクトップ、ラップトップ、タブレット等)、メディアコンピュータプラットフォーム(例えば、ケーブル、衛星セットトップボックス、デジタルビデオレコーダ等)、ハンドヘルドコンピュータデバイス(例えば、PDA、電子メールクライアント等)、あるいは他種のコンピュータ、またはコミュニケーションプラットフォームであってもよい。
【0077】
プロセッサ701は、メモリ702に記憶されているプログラムを実行することによりコンピュータ700における各種の処理を制御する制御部である。
【0078】
メモリ702は、例えばRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体である。メモリ702は、プロセッサ701によって実行されるプログラムのプログラムコードや、プログラムの実行時に必要となるデータを一時的に記憶する。
【0079】
記憶装置703は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体である。記憶装置703は、オペレーティングシステムや、上記各構成を実現するための各種プログラムを記憶する。
【0080】
入力I/F部704は、ユーザからの入力を受け付けるためのデバイスである。入力I/F部704は、例えば、キーボードやマウス、タッチパネル、各種センサ、ウェアラブル・デバイス等である。入力I/F部704は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等のインターフェースを介してコンピュータ700に接続されてもよい。
【0081】
データI/F部705は、コンピュータ700の外部からデータを入力するためのデバイスである。データI/F部705は、例えば、各種記憶媒体に記憶されているデータを読み取るためのドライブ装置等である。データI/F部705は、コンピュータ700の外部に設けられてもよい。データI/F部705がコンピュータ700の外部に設けられる場合、データI/F部705は、例えば、USB等のインターフェースを介してコンピュータ700に接続される。
【0082】
通信I/F部706は、コンピュータ700の外部の装置と有線又は無線により、インターネット等のネットワークを介したデータ通信を行うためのデバイスである。通信I/F部706は、コンピュータ700の外部に設けられてもよい。通信I/F部706がコンピュータ700の外部に設けられる場合、通信I/F部706は、例えば、USB等のインターフェースを介してコンピュータ700に接続される。
【0083】
表示装置707は、各種情報を表示するためのデバイスである。表示装置707は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、ウェアラブル・デバイスのディスプレイ等である。表示装置707は、コンピュータ700の外部に設けられてもよい。表示装置707がコンピュータ700の外部に設けられる場合、表示装置707は、例えば、ディスプレイケーブル等を介してコンピュータ700に接続される。また、入力I/F部704としてタッチパネルが採用される場合には、表示装置707は、入力I/F部704と一体化して構成されてもよい。
【0084】
以上、本開示の一実施形態について説明した。データ処理システム100は、複数の情報処理サービスシステム200のそれぞれの権限データを設定し、第1情報処理サービスシステム210からデータ処理要求を受信し、権限データ及びデータ処理要求に基づいて、管理用データベース101に含まれる少なくとも1つのデータの提供及び更新の少なくともいずれかの処理をすることができる。これにより、データ処理システム100は、複数の情報処理サービスシステム200が利用するプラットフォームとして機能することができる。
【0085】
また、データ処理システム100は、複数の情報処理サービスシステム200のそれぞれのユーザのユーザ端末を通じた操作に基づいて、権限データを設定することができる。これにより、データ処理システム100は、データのセキュリティを担保して、複数の情報処理サービスシステム200が利用するプラットフォームとして機能することができる。
【0086】
また、データ処理システム100は、要通知処理に応じて、第2情報処理サービスシステム220に対し、要通知処理があった旨を通知する通知データを出力することができる。これにより、第2情報処理サービスシステム220は、要通知処理があったことを把握することができる。
【0087】
また、データ処理システム100は、管理用データベース101に含まれる少なくとも1つのデータの更新時期データにさらに基づいて、更新時期データが示す更新時期に、管理用データベース101に含まれる少なくとも1つのデータの更新の処理をすることができる。これにより、データ処理システム100は、例えばユーザが事前に設定した更新時期に、データの更新処理を行うことができる。
【0088】
なお、本実施形態は、本開示理解を容易にするためのものであり、本開示を限定して解釈するためのものではない。本開示は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るとともに、本開示にはその等価物も含まれる。
【0089】
また、本開示において、「部」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」又は装置が有する機能が2つ以上の物理的手段、装置、又はソフトウェアにより実現されても、2つ以上の「部」又は装置の機能が1つの物理的手段、装置、又はソフトウェアにより実現されてもよい。
【符号の説明】
【0090】
100 データ処理システム、101 管理用データベース、110 記憶部、120 権限設定部、130 要求受信部、140 更新管理部、150 データ処理部、160 通知設定部、170 通知部、200 情報処理サービスシステム、210 第1情報処理サービスシステム、220 第2情報処理サービスシステム
【要約】
【課題】複数の情報処理サービスシステムが利用するプラットフォームとして機能することを可能とする。
【解決手段】データ処理システムは、複数の項目に関する複数のデータを含む管理用データベースに基づいて所定の情報処理サービスを提供する複数の情報処理サービスシステムのそれぞれにおける、管理用データベースの複数の項目が示すデータのそれぞれの参照及び更新の少なくともいずれかの権限に関する権限データを設定する権限設定部と、複数の情報処理サービスシステムに含まれる第1情報処理サービスシステムから、複数のデータに含まれる少なくとも1つのデータの参照及び更新の少なくともいずれかの要求に関するデータ処理要求を受信する要求受信部と、権限データ及びデータ処理要求に基づいて、少なくとも1つのデータの提供及び更新の少なくともいずれかの処理をするデータ処理部と、を備える。
【選択図】図1
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図7