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▶ 伊奈垣 由美の特許一覧

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  • 特許-ラップタオル 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-28
(45)【発行日】2024-03-07
(54)【発明の名称】ラップタオル
(51)【国際特許分類】
   A47K 10/02 20060101AFI20240229BHJP
【FI】
A47K10/02 A
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020066297
(22)【出願日】2020-03-12
(65)【公開番号】P2021142315
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2023-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】519427011
【氏名又は名称】伊奈垣 由美
(74)【代理人】
【識別番号】100187838
【弁理士】
【氏名又は名称】黒住 智彦
(72)【発明者】
【氏名】伊奈垣 由美
【審査官】川村 大輔
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-146303(JP,A)
【文献】特開2009-207752(JP,A)
【文献】特開2014-217493(JP,A)
【文献】登録実用新案第3033071(JP,U)
【文献】実開平05-093385(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 10/02
A47D 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯後タオル本体の上縁部を伸ばし、当該上縁部にギャザーの寄っていない状態で干せるラップタオルであって、
ゴムバンドからなるゴム部分と、当該ゴム部分に縫合されたリボン状のひもからなるリボン部分とで構成され、リボン部分側の端部に、第一のボタンホールを有し、ゴム部分側の端部に、第二のボタンホールを有するとともに、ゴム部分における、リボン部分との縫合部側に、複数の第三のボタンホールが設けられたゴムリボンを備え、
タオル本体の上縁部に、ループが設けられるとともに、当該上縁部の一端部に、第一のボタンが設けられ、当該上縁部の他端部に、第二のボタンが設けられ、
ゴムリボンが、タオル本体に対して縫着されない状態で前記ループに挿通され、
ポンチョ型にする際には、第一のボタンホールと、いずれかの第三のボタンホールとを、第一のボタンで留めるとともに、第二のボタンホールを、第二のボタンで留めた状態とし、
洗濯する際には、第一のボタンに留めた第三のボタンホールのみを外すことによって、タオル本体の上縁部を伸ばすことができるようにした
ことを特徴とするラップタオル。
【請求項2】
ポンチョ型にしたときのタオル本体の重なり部分の幅を10cm以上とした請求項1記載のラップタオル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着替える際に使用するラップタオルに関する。
【背景技術】
【0002】
ラップタオルとしては、特許文献1のものが知られている。同文献のラップタオルはゴムバンドが縫着されており、洗濯した後に、どうしても上縁部のギャザーのよった部分が乾きにくく、においを発することもあり、必ずしも衛生的とは言えなかった。
また、着替えるときに裾がはだけて装着者の素肌が見えていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-207752号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1のタオルは、上縁部のギャザーの寄った部分を伸ばして干すことができず、乾きにくくにおいを発することもあり、本発明のラップタオルほど衛生的ではなかった。そのうえ、重なり部分が2センチ程度であったため、着替えの最中に装着者の素肌が見えてしまうおそれがあった。また、ギャザー部分のゴムが縫着されているため、経年・洗濯で劣化してしまうと、買い替えなければならなかった。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するために為されたものであり、乾きやすいだけでなく、着替えの時に装着者の素肌が見えにくい。それに加え、ゴム交換も可能な構造のラップタオルを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、これまでのラップタオルのように、タオル本体に対して短いゴムバンドの両端を縫着するというのではなく、複数個のボタンホールを有するギャザーをよせるためのゴムバンドと、両端にボタンホールを有するリボン状のひもを縫合し長さを確保することで、ギャザーを伸ばして干すことを可能にした。この部材はゴムバンドとリボン状のひもを組み合わせることにより、経年・洗濯による劣化にも強くなる。以後このゴムバンドとリボン状のひもを縫合した部材をゴムリボンと呼ぶ(図2)。ゴムリボンの取り付けに関しては、ボタン等の着脱可能な固定手段で固定する。
【0007】
また、ポンチョ状にした際の重なり部分を10センチ以上にし、タオルの端から10センチ以上の場所に固定部材5bを付けることで、はだけにくく、装着者の身体が見えるのを防ぐことが可能となった。
【発明の効果】
【0008】
以上のように、本発明によって今までは不可能だった劣化して伸縮性を失ったゴムを交換することができ、ギャザーを伸ばして干せるため、乾きやすいだけでなく、着替えるときに、はだけず中が見えにくい構造のラップタオルを提供することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明のラップタオルのゴムリボンを絞った状態の展開図(裏)である。
図2】本発明のラップタオルの部材であるゴムリボンの図である。
図3】本発明のラップタオル本体の上縁部を伸ばした状態の、上縁部のみの図である。
図4】本発明のラップタオルのゴムリボンを伸ばした状態(裏)を示した図である。
図5】本発明のラップタオルをポンチョ型にして、平置きにし、表と裏を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のラップタオルの好適な実施形態について、図面を用いて具体的に説明する。本発明のラップタオル1は、図1に示すように、ラップタオル本体1と、ゴムリボン2とで構成されている。
【0011】
図1は、本発明のラップタオル1の上縁部3のループに、ボタンホール付きゴムリボン2を挿通させ、ゴムリボンの両端にあるボタンホールにボタンを留める(ボタンホール2a,2bはボタン4aで留め、ボタンホール2bはボタン4bで留める)ことにより、ポンチョ型のラップタオルとして使用することができる。
【0012】
図2における、2bのボタンホール数は、複数個ではあるが、その数は適宜変更できる。また、ギャザーを寄せるためのゴムリボン2は、タオル本体に縫合されていない。そのため、ゴムが劣化して伸縮性を失ったとしても、容易に交換できる。
【0013】
本発明のラップタオルをポンチョ型にして使用する際には、図2のゴムリボンの2aおよび2b図2では3つあるので、そのうちの1つ)の2つのボタンホールを4aのボタンで留め、ゴムリボンの2bのボタンホールを4bのボタンで留める。(図1参照)その際、3つある2bのボタンホールのうち、どれを使用するかは、ラップタオルを首からまくのか腰から巻くのか、または痩せているのか太っているのかによって自由に選択することができる。
【0014】
ラップタオルを洗濯する際には、図1のボタン4aに留めたゴムリボンのボタンホール2bのみを外す(2aは外さない)ことによって、図4のようなギャザーの寄っていない平らな状態で洗濯し、干せるようになった。そのため、既存のラップタオルのギャザー部分が乾きにくいという問題点を解決することができ、より衛生的になる。
【0015】
同じく図4のw(ポンチョにした際の重なり部分)だが、図5で示したように、重なり部分wを10cm以上とすることで、裾がはだけても装着者の素肌が見えるのを防いでくれる。
【0016】
本発明のラップタオルにおいて、小さな子どもから大人のまで様々な体格の人が使うことを想定すると、その幅wは、概ね120センチ~150センチ程度が好ましい。そして、重なり部分wが10センチ以上なので、ラップタオルのwは、100~130センチ程度ということになる。
【0017】
したがって、ゴムリボン2も概ね100~130センチということになる。そして、ゴムリボン2のリボン部分2aとゴム部分2bの長さの割合であるが、
2a:2bは通常、1:0.5~1:2の範囲とされ、好ましくは、1:0.8~1:1.2の範囲とされる。本例では、1:1としている。
【符号の説明】
【0018】
1 ラップタオル本体
2 ゴムリボン全体
2a ゴムリボンのリボン部分
2a リボン部分の端にあるボタンホール
2b ゴムリボンのゴム部分
2b ゴム部分の端にあるボタンホール
2b ゴム部分のリボンとの縫合部側にある複数個のボタンホール
2c ゴムとリボンの縫合部
3 ラップタオルの上縁部
3a ラップタオルの上縁部にあるゴムリボンを挿通させるためのボタンホール。
4a ラップタオル本体に取り付けられたボタン
4b ラップタオル本体に取り付けられたボタン
5a 着脱固定手段(押さえ側)
5b 着脱固定手段(受け側)
ラップタオルのゴムリボン2を伸ばした状態で置いた時の幅
ラップタオルをポンチョ型にした時の重なり部分
タオルの幅wから両端の重なり部分(w×2)を引いた長さ
図1
図2
図3
図4
図5