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  • 特許-竹材、竹製品、及び竹材の製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-28
(45)【発行日】2024-03-07
(54)【発明の名称】竹材、竹製品、及び竹材の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B27K 9/00 20060101AFI20240229BHJP
【FI】
B27K9/00 L
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020075911
(22)【出願日】2020-04-22
(65)【公開番号】P2021173008
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2022-10-05
(73)【特許権者】
【識別番号】594153063
【氏名又は名称】株式会社竹六商店
(74)【代理人】
【識別番号】100129702
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 喜永
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100094248
【弁理士】
【氏名又は名称】楠本 高義
(72)【発明者】
【氏名】田井中 聡明
(72)【発明者】
【氏名】森倉 稔貴
【審査官】吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-202687(JP,A)
【文献】特開平08-332602(JP,A)
【文献】登録実用新案第3000219(JP,U)
【文献】特開平10-249818(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B27K 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原竹を長手方向に対して平行な方向に切断して形成された竹材本体を備え、
前記竹材本体が、表皮と反対側の裏面から前記表皮に向かって延びて維管束と導通する複数の導通穴を有し、
前記複数の導通穴が、前記長手方向と直交方向に並んで列をなし、この列が前記長手方向複数並んでおり、
前記長手方向から見た場合に、異なる列をなす導通穴が、互いに一部重なるように配置されていることを特徴とする竹材。
【請求項2】
前記導通穴は、少なくとも前記維管束の中の道管又は師管に導通する請求項1に記載する竹材。
【請求項3】
前記導通穴から前記維管束に、ポリホウ酸ナトリウム、リン酸アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、無機ポリリン酸塩、グアニル尿素、ポリリン酸アンモニウム、ホウ酸塩、無機リン、有機リン酸、又は、ホスホン酸の中の一つ又は複数を有する処理液が含浸されて構成された請求項1又は2のいずれかに記載する竹材。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載する竹材から形成した竹製品。
【請求項5】
原竹を長手方向に対して平行な方向に切断して竹材本体を形成する第1ステップと、
前記竹材本体の表皮と反対側の裏面に、前記表皮へ延びて維管束と導通する導通穴を、前記長手方向と直交方向に並んで列をなし、この列が前記長手方向に複数並ぶように形成する第2ステップとを有し、
前記第2ステップにおいて、異なる列をなす導通穴を、前記長手方向から見て互いに一部重なり合うように形成することを特徴とする竹材の製造方法。
【請求項6】
前記導通穴から前記維管束に、ポリホウ酸ナトリウム、リン酸アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、無機ポリリン酸塩、グアニル尿素、ポリリン酸アンモニウム、ホウ酸塩、無機リン、有機リン酸塩、又は、ホスホン酸の中の一つ又は複数を有する処理液を含浸させる第3ステップを含む請求項5に記載する竹材の製造方法。
【請求項7】
前記原竹を乾燥するステップを含む請求項5又は6に記載する竹材の製造方法。
【請求項8】
前記導通穴を形成した後、前記竹材本体を乾燥するステップを含む請求項5乃至7のいずれかに記載する竹材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、竹製の建築構造物又は竹製品を形成するための竹材、及び竹材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、竹材を使用して、竹塀や竹垣等の建築構造物、又は笊や鞄等の竹製品が形成されている。また、竹材に関連した出願が行われている(特許文献1参照)。例えば、竹材を使用した竹塀は、趣を有するため、主として和風建築物として好まれている。しかし、山林又は藪から採取した原竹は油を含み、原竹を加工して形成する竹材は油が残存するため、燃えやすく難燃性に劣るという短所があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3130350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願発明は、難燃性を有する竹材、竹製品、及び竹材の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明の竹材は、山林又は藪から採取した原竹が加工されて形成された竹材であり、
原竹の長手方向に対して平行な方向に切断されて形成された裏面を有する竹材本体と、前記裏面から維管束に導通する導通穴と、を含むことを特徴とする。
【0006】
本願発明の竹材は、前記竹材において、前記導通穴は、少なくとも前記維管束の中の道管又は師管に導通することを特徴とする。
【0007】
本発明の竹材は、前記竹材において、前記裏面に対して平行であり、前記長手方向に対して垂直な方向に、複数個配置されて形成される導通穴の列が、該長手方向に複数列配置され、異なる列に配置される異なる導通穴の一部同士は、前記長手方向において重なり合うことを特徴とする。
【0008】
本願発明の竹材は、前記竹材において、前記導通穴から前記維管束に、ポリホウ酸ナトリウム、リン酸アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、無機ポリリン酸塩、グアニル尿素、ポリリン酸アンモニウム、ホウ酸塩、無機リン、有機リン酸、又は、ホスホン酸の中の一つ又は複数を有する処理液が含浸されて構成されたことを特徴とする。
【0009】
本願発明の竹製品は、前記竹材から形成した竹製品。
【0010】
本願発明の竹材の製造方法は、山林又は藪から採取した原竹を加工して行う竹材の製造方法であり、
原竹の長手方向に対して平行な方向に切断して形成される裏面を有する竹材本体を形成するステップと、前記裏面から維管束に、原竹の長手方向に対して略垂直方向に導通する導通穴を形成するステップと、を含むことを特徴とする。
【0011】
本願発明の竹材の製造方法は、前記竹材の製造方法において、前記導通穴から前記維管束に、ポリホウ酸ナトリウム、リン酸アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、無機ポリリン酸塩、グアニル尿素、ポリリン酸アンモニウム、ホウ酸塩、無機リン、有機リン酸塩、又は、ホスホン酸の中の一つ又は複数を有する処理液を含浸させるステップを含むことを特徴とする。
【0012】
本願発明の竹材の製造方法は、前記竹材の製造方法において、山林又は藪から採取した原竹を乾燥するステップを含むことを特徴とする。
【0013】
前記導通穴を形成した後、前記竹材本体を乾燥するステップを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本願発明の竹材によれば、導通穴から維管束に、難燃の性質を有する処理液を含浸させることにより、難燃性を有することができる。また、竹に無数存在する維管束に処理液を含浸することができるため、含浸させる処理液の量を増加させて、難燃性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本願発明の竹材の一実施形態を示す図であり、同図(a)は一部切断表面側斜視図であり、(b)は一部切断裏面側斜視図であり、同図(c)はスロット(導通穴)の重なり幅を説明するための平面図である。
図2】竹の維管束を示す拡大断面図である。
図3】本願発明の竹材の他の実施形態を示す図であり、同図(a)は一部切断表面側斜視図であり、(b)は一部切断裏面側斜視図であり、同図(c)は導通穴の重なり幅を説明するための平面図である。
図4】本願発明の竹材の製造方法を示す図であり、同図(a)は、原竹の一部を長手方向と平行に切断した場合の断面図であり、同図(b)は、原竹の半分を長手方向と平行に切断した場合の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本願発明を実施するための形態を、図面に基づいて説明する。図1において、符号10は、本願発明の竹材を示す。竹材10は、山林又は藪から採取した原竹を加工して形成する。原竹の種類は、真竹、孟宗竹、黒竹、篠竹、千島笹、紋竹、矢竹、胡麻竹、又は晒竹等、特に限定されない。
【0017】
(竹材本体12)
竹材10は、図1に示すように、原竹の長手方向(X軸方向)に対して平行な方向に切断されて形成された裏面14を有する竹材本体12を備える。竹材本体12は、表皮17側の表面16を有し、表面16は、原竹の表皮17の形状が残存している。竹材本体12は、X軸方向に対して平行な方向に切断されて形成された側面18を有する。裏面14及び側面18は、原竹が、竹割機や木工機械により、X軸方向に対して平行な方向に切断されて形成される。図1は、竹材本体12のX軸方向における一部を切断して記載しているが、竹材本体12のX軸方向の長さは限定されない。竹材本体12のY軸方向及びZ軸方向の寸法は、特に限定されない。
【0018】
(スリット(導通穴)20)
竹材10は、図1(b)及び(c)に示すように、裏面14側に、維管束22(図2に示す)に導通する複数個のスリット20を備える。スリット20が維管束22に導通するのは、後述の処理液をスリット20から維管束22に含浸させるためである。竹は、イネ目・イネ科・タケ亜科に属する植物であり、草本植物と呼ばれており、維管束22を有する。維管束22は、道管24及び師管26を有し、道管24及び師管26の周囲に維管束鞘28を有している。道管24又は師管26の直径は、約20~100μmである。維管束鞘28の外周のY軸方向又はZ軸方向の長さは、約100~300μmである。道管24は、根から吸い上げた水分及び養分を竹全体に運ぶ菅であり、師管26は、光合成で作った養分を根等の養分を貯える部分に運ぶ菅である。なお、維管束22は、周囲を柔細胞23で囲まれている。
【0019】
スリット20は裏面14から表面16近くまで、レーザー加工により、形成される。レーザー加工は、レーザー強度(単位は例えばE/St、E:パルスエネルギー、S:ビームスポットの面積、t:レーザーパルスの時間長さ)等を調節して行われる。スリット20は、表面16側の表皮17には、至らないことが好ましい。表皮17には、維管束22が存在せず、後述の処理液を含浸させることができない。このため、スリット20は、表皮17以外に設ければ十分であるからである。また、表皮17に至らないことにより、加工工数を低減できるからである。なお、スリット20が表面16を貫通しない方が、外観上好ましい。スリット20は、レーザー加工により、裏面14に対して垂直方向に設けられる。
【0020】
スリット20は、平面視において、例えば、原竹の長手方向(X軸方向)に対して垂直な方向(Y軸方向)を長手方向とする略長方形である。スリット20の寸法は、例えば、X軸方向において0.5mm、Y軸方向において2.0mmであるが、後述の処理液を含浸できる大きさであれば、特に限定されない。スリット20の深さは、スリット20が維管束22に導通し、後述の処理液が含浸すれば、特に限定されない。但し、スリット20のYZ方向断面の面積が大きいほど、スリット20に接触する維管束22の数量が多くなり、スリット20と維管束22との接触面積が広くなり、処理液をスリット20から維管束22へ含浸させやすくなる。
【0021】
スリット20はレーザーによる千鳥加工により一定ピッチでY軸方向に複数個形成される。Y軸方向に配置された複数のスリット20から形成されるスリット20の列が、一定ピッチでX軸方向に複数列配置される。図1(c)に示すように、異なる列に配置される異なるスリット20の一部同士は、竹材本体12の長手方向(X軸方向)において重なり合い、重なり幅(オーバーラップ)ov1が生じることが好ましい。スリット20に接触する維管束22の数量が多くなり、スリット20と維管束22との接触面積が広くなり、より多くの処理液をスリット20から維管束22へ含浸させやすくなるからである。
【0022】
(処理液)
竹材10は、スリット20から維管束22に、ポリホウ酸ナトリウム、リン酸アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、無機ポリリン酸塩、グアニル尿素、ポリリン酸アンモニウム、ホウ酸塩、無機リン、有機リン酸、又は、ホスホン酸の中の一つ又は複数を有する処理液が含浸されて構成される。また、竹材10は、臭素系難燃剤、塩素系難燃剤、リン系難燃剤、ホウ素系難燃剤、シリコン系難燃剤、又は臭素含有化合物の中の一つ又は複数を有する処理液が含浸されて構成されてもよい。これらの処理液は、難燃の性質を有し、付随して防虫、防カビ及び防腐の性質を有する。
【0023】
(竹材10の製造方法)
本願発明の竹材10を製造するために、まず、山林又は藪から原竹が採取される。採取された原竹は、煮沸又は加熱された後、乾燥される。煮沸又は加熱は、通称「油抜き」と呼ばれ、以下、この「煮沸又は加熱」を「油抜き」と言う。採取後の原竹は、油抜きの前にも乾燥を行ってもよい。煮沸は、80℃~100℃の水酸化ナトリウム水溶液中で煮ることにより行われる。水酸化ナトリウムの代替として、炭酸ナトリウムを使用してもよい。加熱は、例えば、原竹にガスバーナーの炎を当てることによって行われる。油抜きにより、原竹の維管束22の中の油等の養分及び柔細胞23の澱粉等の養分が排出される。乾燥(以下、「油抜き後乾燥」という。)は、例えば、天日干し又は日陰干しにより行われる。油抜き後乾燥により、維管束22の中の水分が排出される。油抜き及び油抜き後乾燥により、維管束22の道管24及び師管26から養分及び水分が排出され、道管24及び師管26が空洞化される。なお、晒竹を油抜きした後、加熱水蒸気処理して炭化竹にすると、油抜きで残った維管束22の養分を更に排出することができる。
【0024】
油抜き後乾燥の後、上述のように、竹割機や木工機械により、裏面14及び側面18が形成され、レーザー加工によりスリット20が形成される。スリット20を形成した後、竹材10が乾燥機に投入され、竹材10が乾燥(以下、「加工後乾燥」という。)される。真空室内で減圧乾燥してもよい。この時、スリット20を形成したことにより竹材本体12が空気に触れる面積が増大しており、竹材本体12の乾燥効率が向上する。なお、規定量の処理液を含浸できれば、加工後乾燥として自然乾燥してもよく、又は、加工後乾燥しなくてもよい。次に、上述の処理液が、スリット20から維管束22に含浸される。上述した原竹の油抜き及び油抜き後乾燥により、維管束22の道管24及び師管26が空洞化されているため、多くの処理液が容易に含浸される。また、加工後乾燥によって、維管束22の道管24及び師管26に残存していた養分及び水分が排出され、道管24及び師管26が確実に空洞化されており、より多くの処理液が容易に含浸される。
【0025】
スリット20は、多数形成することにより、竹材10の全体に渡って処理液が均一に含浸される。なお、原竹として、故意に立ち枯れさせた胡麻竹を使用すると、竹が立ち枯れする時に養分を使用しているため、処理液が容易に含浸される。その後、乾燥機に投入され、含浸された処理液は乾燥固着される。この時、スリット20を形成したことにより竹材本体12の体積が少なくなっており、竹材本体12の乾燥効率は向上すると考えられる。
【0026】
(効果)
本願発明の竹材10によれば、スリット20から維管束22に、難燃性等の性質を有する処理液を含浸することにより、難燃性等の性質を有することができる。また、竹に無数存在する維管束22に処理液を含浸することができるため、竹材10に多量の処理液を含浸することができ、難燃性等の性質を向上させることができる。
【0027】
また、原竹の油抜、油抜き後乾燥、加工後乾燥により、維管束22の道管24及び師管26を空洞化させておいて、スリット20から維管束22の道管24及び師管26に処理液を含浸させるため、竹材10に多くの処理液を容易に含浸させることができる。すなわち、原竹の油抜、油抜き後乾燥、加工後乾燥による維管束22の道管24等の空洞化と、維管束22に導通するスリット20との相乗効果により、より多くの処理液を維管束22に含浸させることができ、難燃等の効果が、より顕著に生じる。
【0028】
以上、本願発明の一実施形態について説明したが、本願発明は、上述の実施形態に限定されない。例えば、図3に示す竹材30であってもよい。竹材30は、竹材本体31が竹節33を有し、平面視において、導通穴32が円形状であること以外は、図1に示す竹材10と同様の構成である。竹材30においても、図1に示す竹材10と同様に、導通穴32は裏面34からレーザー加工により設けられるが、表面36側の表皮38には至らないことが好ましい。また、図1に示す竹材10と同様により、異なる列に配置される異なる導通穴32の一部同士は、竹材本体31の長手方向(X軸方向)において重なり合い、重なり幅(オーバーラップ)ov2が生じることが好ましい。竹材30の場合、竹節33付近には維管束22が入り組んでいるが、竹節33付近の維管束22に導通する導通穴32を設けることにより、竹節33付近に効率良く処理液を含浸させることができる。
【0029】
また、本願発明の竹材の裏面は、フラットな平面でなくともよい。例えば、図4(a)に示すように、原竹40の一部を長手方向と平行に切断することにより、凹部42を有する竹材44であってもよい。この場合、竹材44の裏面46はフラットではない。また、図4(b)に示すように、原竹40の半分を長手方向と平行に切断することにより、凹部52を有する竹材48であってもよい。この場合、竹材48の裏面50はフラットではない。
【0030】
以上、本願発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、本願発明は、図面に記載した実施形態に限定されることなく、様々な設計変更が可能である。例えば、導通穴は、レーザー加工により、裏面に対して垂直方向に設けることに限定されず、裏面に対して斜め方向に設けてもよい。また、導通穴は、NCドリル加工によって形成してもよい。また、導通穴は、木材用のインサイジング機によって形成してもよい。また、導通穴から維管束に、処理液として、液体ガラス(水ガラス)、水や溶剤に分散したシリカ系溶液、防水剤、又は強化剤等を含浸させてもよい。また、導通穴の形状は、平面視において、長方形又は円形に限定されず、長方形以外の矩形又は楕円形であってもよい。また、油抜きは、処理液の含浸前であれば行う時は限定されず、何回行ってもよい。
【0031】
また、本願発明の竹材において、表皮にサンドブラスト等を施して、表皮の表面を粗面にし、処理液を表皮に含浸させてもよい。表皮の表面を粗面にすることにより、処理液が含浸しやすくなる。処理液の含浸後は、クリア塗装を施して表面に光沢を与えることが好ましい。
【0032】
また、スリット20は、一つがY軸方向両端部付近まで延びるものであってもよい。また、スリット20は、X軸歩行を長手方向とするものであってもよい。スリット20の開口部は、側面視において、目視できないことが好ましい。
【符号の説明】
【0033】
10、30:竹材
12、31:竹材本体
14、34:裏面
16、36:表面
17、38:表皮
18:側面
20:スリット(導通穴)
22:維管束
24:道管
26:師管
28:維管束鞘
32:導通穴
33:竹節
ov1、ov2:重なり幅(オーバーラップ)
図1
図2
図3
図4