(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-28
(45)【発行日】2024-03-07
(54)【発明の名称】蓋・把手付偏平体容器
(51)【国際特許分類】
B65D 30/10 20060101AFI20240229BHJP
【FI】
B65D30/10 Z
(21)【出願番号】P 2020139669
(22)【出願日】2020-07-29
【審査請求日】2023-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】592173043
【氏名又は名称】藤原 保信
(74)【代理人】
【識別番号】100147647
【氏名又は名称】岡本 直樹
(72)【発明者】
【氏名】藤原 保信
【審査官】加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-246039(JP,A)
【文献】特開2000-238746(JP,A)
【文献】特開2002-068178(JP,A)
【文献】特開2006-290368(JP,A)
【文献】特開平11-321844(JP,A)
【文献】米国特許第06264099(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0060535(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 30/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓋・把手付密閉型偏平体容器を形成するための蓋・把手付密閉型偏平体容器用シートであって、
矩形形状を有する底壁、
前記底壁の左右方向両側に谷折線を挟んでそれぞれ設けられた一対の側壁、
前記一対の側壁それぞれの左右方向外側に、山折線を挟んで設けられた一対の斜フランジ把手部、
前記底壁の上下方向両側に谷折線を挟んでそれぞれ設けられた一対の襠壁、
前記一対の襠壁それぞれの上下方向外側に、山折線を挟んで設けられた一対の襠側壁、
前記一対の襠側壁それぞれの上下方向外側に、山折線を挟んで設けられた一対のフランジ部、
前記一対の側壁それぞれの上下方向両側に、谷折線を挟んでそれぞれ設けられ、三角形状を有する二対の襠三角壁、
前記二対の襠三角壁それぞれの左右方向外側にそれぞれ設けられ、谷折線を挟んで前記一対の斜フランジ把手部それぞれに隣接する四つの襠壁端折返部、
前記二対の襠三角壁それぞれと山折線を挟んで隣接すると共に、前記一対の襠壁それぞれ及び前記一対の襠側壁それぞれと谷折線を挟んで隣接するように設けられ、三角形状を有する二対のコーナー三角壁、及び
前記蓋・把手付密閉型偏平体容器用シートの四隅にそれぞれ設けられ、前記四つの襠壁端折返部それぞれ、前記二対のコーナー三角壁それぞれ、及び前記一対のフランジ部それぞれと、山折線を挟んで隣接する四つのコーナー把手部、
を有する容器本体部と、
前記容器本体部と繋がって設けられた蓋部と、
を備えることを特徴とする蓋・把手付密閉型偏平体容器用シート。
【請求項2】
請求項1に記載の蓋・把手付密閉型偏平体容器用シートを組み立てることにより形成される蓋・把手付密閉型偏平体容器であって、
前記四つの襠壁端折返部が、谷折線で内側に折り込まれることにより、前記一対の斜フランジ把手部にそれぞれ固着され、
前記四つのコーナー把手部が、山折線で外側に折り込まれることにより、前記四つの襠壁端折返部にそれぞれ部分的に固着され、
前記蓋部が、その三方シール部において前記容器本体部に溶着されたことを特徴とする蓋・把手付密閉型偏平体容器。
【請求項3】
蓋・把手付非密閉型偏平体容器を形成するための蓋・把手付非密閉型偏平体容器用シートであって、
矩形形状を有する底壁、
前記底壁の左右方向両側に谷折線を挟んでそれぞれ設けられた一対の側壁、
前記一対の側壁それぞれの左右方向外側に、山折線を挟んで設けられた一対の斜フランジ把手部、
前記底壁の上下方向両側に谷折線を挟んでそれぞれ設けられた一対の襠壁、
前記一対の襠壁それぞれの上下方向外側に、山折線を挟んで設けられた一対の襠側壁、
前記一対の襠側壁それぞれの上下方向外側に、山折線を挟んで設けられた一対のフランジ部、
前記一対の側壁それぞれの上下方向両側に、谷折線を挟んでそれぞれ設けられ、三角形状を有する二対の襠三角壁、
前記二対の襠三角壁それぞれの左右方向外側にそれぞれ設けられ、谷折線を挟んで前記一対の斜フランジ把手部それぞれに隣接する四つの襠壁端折返部、
前記二対の襠三角壁それぞれと山折線を挟んで隣接すると共に、前記一対の襠壁それぞれ及び前記一対の襠側壁それぞれと谷折線を挟んで隣接するように設けられ、三角形状を有する二対のコーナー三角壁、及び
前記蓋・把手付非密閉型偏平体容器用シートの四隅にそれぞれ設けられ、前記四つの襠壁端折返部それぞれ、前記二対のコーナー三角壁それぞれ、及び前記一対のフランジ部それぞれと、山折線を挟んで隣接する四つのコーナー把手部、
を備えることを特徴とする蓋・把手付非密閉型偏平体容器用シート。
【請求項4】
請求項3に記載の蓋・把手付非密閉型偏平体容器用シートを組み立てることにより形成される蓋・把手付非密閉型偏平体容器であって、
前記四つの襠壁端折返部が、谷折線で内側に折り込まれることにより、前記一対の斜フランジ把手部にそれぞれ固着されたことを特徴とする蓋・把手付非密閉型偏平体容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一枚の合成樹脂シートを山折、谷折線で曲折することにより、形成された容器本体と、蓋を備えた偏平体容器に関する。
【技術背景】
【0002】
従来、物品等の内容物を包装する偏平体容器として、袋状の容器が提供されているが、通常二枚の合成樹脂シートの縁部分を三方シールして、提供されているが相対的に容積が小さくて、多量の内容物を収納する事ができない。又、必要な容量を確保するため、袋底部を立体的に展開した、スタンドパウチが普及しているが、数枚の部分に分けて溶着するため、シール性能の向上のため、高度な製袋設備が必要である。
【0003】
合成樹脂シートを曲折することにより、形成されたトレー状の容器が提供されているが、シートを予め所定形状に裁断するとともに、組み立てに手間が掛かり、液漏れの可能性がある。
【0004】
又、様々な形に成形するための方法として、インジェクション、ブロー、真空等の成型の方法があるが、どの方法も個々に金型が必要であり高コストである。
【先行技術文献】
【0005】
特開2000-033954
特開2014-97844
特許第5955512
特開2019-172339
特開2020-083326
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、金型を必要とする合成樹脂の成型方法や、シートを複雑な形に裁断する必要がなく、山折、谷折線で曲折することにより、底部に継ぎ目がなく、液漏れのない容器の形成できる金型を必要としない、偏平体容器を提供することを課題とする。
【0007】
電子レンジで加熱した時に、取り出し時に丈夫な把手が有り、且、火傷しない容器が求められる。
【0008】
一枚の矩形シートから大小様々な形に成形できる、偏平体容器を提供することが求められる。
【0009】
偏平体容器を立体化した時に、座屈しない保形性の高い状態で提供できると共に、使用後は元の状態の偏平体容器に出来る、環境面で好ましい偏平体容器の開発を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで、本発明が上記課題を解決するための手段として、構成したところは、一枚のシートに山折、谷折線を入れることにより、偏平体容器が形成されるので、金型代がいりません。
【0011】
又、一枚のシートで容器本体が形成されるので、容器の底部や側面に継ぎ目がないので、液漏れが防げる。
【0012】
従来の偏平体容器の場合は、フランジ等のあるものがあるが、本格的な把手のあるものがなく、当該偏平体容器の場合は、両方向に両手で支えることのできる、丈夫な把手部を形成するので、電子レンジで加熱調理した時に、火傷する心配がない。
【0013】
シートのサイズにより、又、襠側壁3A、襠壁4Aの高さ、コーナー三角壁4Dの形を変化させることで、大小様々な用途に利用可能な、偏平体容器の形成が可能となる。
【0014】
偏平体容器を立体化した時に、密閉型偏平体容器の場合は、襠側壁3Aと襠壁4Aの間の山折線3は、内圧により座屈しないが、非密閉型偏平体容器の場合は、山折線3で折り曲げずに、筋目だけ入れて襠側壁3A,襠壁4Aを一体にして立錐させることで、座屈を防ぐことができる。又、使用後は密閉型、非密閉型を問わず襠側壁3A、襠壁4Aの間の山折線3で曲折することで、偏平化できるので、環境面に好適である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、本体シートに1~12の山折、谷折線を入れて、平行する谷折線4で内側に折込み、双方の山折線3で折曲げることで、曲折偏平体(2-A)、(5-A)を形成して、襠壁端折返部8A、8B、8Cを襠壁端折返固着部9A、9B、9C、9Dで固着することで、蓋・把手付密閉型偏平体容器の本体部分を形成し、次に(2-B)、(5-B)の蓋部10Aの三方シール部17Aで偏平体容器のフランジ部を溶着させ、蓋・把手付密閉型偏平体容器(3-A)、(6-A)を完成する。包装時には、投入口Aより圧空にて立体化させながら、内容物を投入して閉口シール部18Aを溶着し、密閉化ができる。
【0016】
又、本体シートに、1~12の山折、谷折線を入れた上で、平行する双方の谷折り線4で、谷折りするが、平行する山折線3では、山折りに曲折しない状態で、曲折偏平体(8-A)、(10-B)を形成し、4ヶ所の襠壁端折返部8B、8Cを襠壁端折返固着部9A′、9B′、9C′、9D′で固着して、偏平体容器の本体部分を形成した後に、双方のフランジ部2Aを保持しながら、底壁7Aを下方に展開させることで、半立体化しながら襠壁端折返部8A、8Bの裏面を固着させて、蓋・把手付非密閉型偏平体容器(8-A)、(10-B)を立体化した容器本体(8-B)、(11-A)が形成できる。又、共蓋部10A′を(8-B)に示すように、谷折り線11で折り曲げて、3ヶ所の蓋フック部で、フランジ部2A、斜フランジ把手部2Bとで止めることで、上下、左右の応力に対して、又、捻じれ応力にも強い、蓋・把手付非密閉型偏平体容器を立体化した容器[図―9]を形成することができる。又、分離した蓋部10A′を(12-A)に示すように、谷折線11で折曲げ、2ヶ所の蓋フック部11B、11B′で、容器本体の斜フランジ把手部2Bに止めることにより、同じく強固な蓋分離型の蓋・把手付非密閉型偏平体容器を立体化した容器[図―12]の16Bを形成することができる。
【0017】
蓋・把手付密閉型偏平体容器の場合は、液体等の漏出がないのでウエットシート、ウエットティッシュ容器、フローズンチルド食品容器等として利用可能であり、又、蓋・把手付非密閉型偏平体容器においては、弁当容器、ファーストフード向け容器等々に利用できる。
【0018】
其々の用途において消費後の空容器は、従来そのままゴミ袋に入れて廃棄しているので、膨大な嵩となりますが、当容器においては、平行する双方の、襠側壁3Aと襠壁4Aの間の山折線3で折曲げ、手を汚すことなく元の偏平体容器に、容易に戻すことにより大幅に減容化できるので、環境面で好ましい。
【0019】
密閉型、非密閉型偏平体容器を問わず、4ヶ所の襠壁端折返部8A、8B、8Cを、襠壁端折返固着部9A、9B、9C、9Dで固着させることで、偏平体容器を立体化した時に、四隅にあるコーナー把手部6Aの裏側に、トラス構造となる襠三角壁4Dとコーナー三角壁5Aで、三角錐部EFGHを形成して、コーナー把手部6Aとその間の斜フランジ部で形成された、把手部分が強固になるので、電子レンジで加熱調理後、取り出しやすく、熱くなり難いので、火傷を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図-1】は、本発明に係る蓋・把手付密閉型偏平体容器を形成するための、第一実施例を示す平面図である。
【図-2】の(2-A)は、本体シートを曲折した斜視図である。(2-B)は、本体シートを曲折して、偏平体容器本体を形成した図である。
【図-3】の(3-A)は、本発明の蓋・把手付密閉型偏平体容器の第一実施例である。(3-B)は、(3-A)を立体化して、閉口シール部18Aで閉口した斜視図である。
【図-4】の(4-A)は、本発明に係る蓋・把手付密閉型偏平体容器を形成するための、第二実施例の本体シートの曲折前の斜平面図である。(4-B)は、本体シートを曲折途上の斜視図である。
【図-5】の(5-A)は、襠壁端折返固着部9A、9B、9C、9Dで、襠壁端折返部を固着した、蓋・把手付密閉型偏平体容器の容器本体を示す斜視図である。(5-B)は、環状破断部を設けた蓋部10Aを示す斜視図である。
【図-6】の(6-A)は、環状破断部を設営したシートを伴う蓋部10Aの三方シール部17Aで固着した、蓋・把手付密閉型偏平体容器14Aを示す斜視図である。(6-B)は、(6-A)を立体化して、閉口シール部18Aで密閉した斜視図である。(6-C)は、立体容器14Bを、破線13で切断した断面図である。
【図-7】は、本発明に係る蓋・把手付非密閉型偏平体容器を形成するための、第3実施例の本体シートを曲折する前の平面図である。
【図-8】の(8-A)は、本体シートを曲折することにより、襠壁端折返部8B、8Cを襠壁端折返固着部9A′、9B′、9C′、9D′で固着して、共蓋部10A′を付設した蓋・把手付非密閉型偏平体容器である。(8-B)は、蓋部10A′と蓋傾斜部10B、10B′に蓋フック折返固着部12A、12Bで固着して形成した、蓋フック部11A、11B、11B′で、立体化した容器本体に施蓋前の状態を示す斜視図である。
【図-9】は、(8-B)の状態から、蓋部を蓋継部1Aで折り曲げて、容器本体に蓋フック部11A、11B、11B´で固定した状態を示す。
【図-10】の(10-A)は、本発明に係る蓋・把手付非密閉型偏平体容器を形成するための、第4実施例の本体シートを示す平面図である。(10-B)は、本体シートを谷折線4で折曲げて、襠壁端折返部8B、8Cを襠壁端折返固着部9A′、9B′、9C′、9D′で固着して、形成した蓋・把手付非密閉型偏平体容器の本体部分を示す斜視図である。
【図-11】の(11-A)は、16Aを立体化し、襠壁端折返部8A、8Bの裏面を固着した斜視図である。(11-B)は、その蓋部10A′であり、谷折線11で折曲げた蓋傾斜部10B、10B′の両端部に、谷折線10で折曲げ、蓋フック折返固着部12Bで固着して形成した、蓋フック部11B、11B′を示し、谷折縦12で折曲げて形成した蓋ブレ防止壁23Aを示す。
【図-12】は、立体化した容器本体16Bに、(11-B)で形成した蓋部10A′の蓋フック部11B、11B′で、斜フランジ把手部2Bに固定した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下図面に基づいて、本発明の好ましい実施形態について説明する。
<第1実施形態>
[図―1]、[図―2]、[図―3]に基づいて、第1実施形態である蓋・把手付密閉型偏平体容器について説明する。
【0022】
本発明は、一枚の合成樹脂シートや、例えば牛乳パック用のシートや、段ボールのGフルート(0.9ミリ厚)シートの表裏に、耐水性の薄膜状ポリエチレンシートをラミネート加工したシートを、使用するのが好ましい。
【0023】
[図―1]に示すように、まず、山折り、谷折線を強く入れるようにして、双方のフランジ部2Aに平行する山折線1と、山折線3の間の襠側壁3A、更に、双方の山折り線3と谷折り線4の間に襠壁4Aを形成して、その双方の延長部に襠三角壁4D及び、襠壁端折返部8B、その隣接部に8A、8Cを配置し、四隅にコーナー三角壁5Aを設け、底壁7Aの両サイドに側壁4B、その伸延部に斜フランジ把手部2Bを配置し、シートの四隅にコーナー把手部6Aを設けている。蓋部10Aについては、
谷折線11で両サイドに蓋傾斜部10Bを配置し、三方シール部17Aを設けることで、構成される。
【0024】
[図―2]の(2-A)で、底壁7Aを挟んで平行する谷折り線4で内側に折り込み、更に、(2-B)で山折線3で外側に折込み、双方の襠壁4Aの両端部に襠壁端折返部8A、8B、8Cを襠壁端折返固着部9A、9B、9C、9Dで固着することで、蓋・把手付密閉型偏平体容器の容器本体部と、蓋継部1Aで蓋部10Aと繋がり、三方シール部17Aで溶着前の状態を形成する。
【0025】
襠壁4Aの高さは、相対的に襠側壁3Aの高さに対して同等以下とすることが好ましく、襠三角壁4Dの底壁と接する部分の角度は、コーナー三角壁5Aの底壁と接する部分の角度に対しても、同等以下とすることが好ましい。
【0026】
[図-3]の(3-A)で示すように、蓋・把手付密閉型偏平体容器の容器本体と、蓋部10Aの三方シール部17Aで溶着して、投入口Aより圧空で立体化して、内容物を収納後、閉口シール部18Aでヒートシールすることで、密閉化できる。又、開封方法は、開口Vノッチ部19Aを設けることで、手で開封できる。
【0027】
[図―3]の(3-B)で示すように、13Aを投入口Aより圧空で立体化して、コーナー把手部6Aの裏面で、襠壁端折部8A、8B、8Cを襠壁端折返固着部9A、9B、9C、9Dで固着して、コーナー三角壁5A及びその裏面に構成する、襠三角壁4Dによって、トラス部の集まりである、四面トラス構造の三角錐部EFGHが形成されるので、強固なコーナー部となり、四隅にあるコーナー把手部6Aと、斜フランジ部2Bが繋がることで、両サイドに強固な把手部が形成する。更に、閉口シール部18Aで密閉化すると、容器が内圧によって陥没防止できると共に、捻じれ応力に対しても強い容器となる。
【0028】
<第2実施形態>
[図―4]、[図―5]、[図―6]に基づいて、蓋・把手付密閉型偏平体容器のイージーオープンタイプについて、説明する。
【0029】
本発明は、合成樹脂シートや、例えば牛乳パック、段ボールシートのGフルート(0.9ミリ厚)の表裏に、ポリエチレン薄膜シートをラミネート加工して、機密性及び耐水性のあるシートを使用するのが好ましい。
【0030】
[図―4]の(4-A)に示すように、山折、谷折線をしっかりと入れることで、第1実施形態と同様に、蓋・把手付密閉型偏平体容器の容器本体を形成し、[図―5]の(5-A)で示す。次に環状破断部22Aを伴った蓋部シート(5-B)を、(5-A)の容器本体部分に、三方シール部17Aで溶着して構成した、蓋・把手付密閉型偏平体容器のイージーオープンタイプを,[図―6]の(6-A)に示す。次に投入口Aより圧空で立体化して、内容物を収納して、閉口シール部18Aで密閉溶着した状態を(6-B)に示す。コーナー把手部の説明は、第1実施例と同様なので、省略する。
[図―6]の(6-C)で示すのは、蓋・把手付密閉型イージーオープン型偏平体容器14Bを、破線13で切断した断面図であり、蓋部10Aは、開口引き上げ部21Aで、弱着部20Aを剥がすとともに、環状破断部22Aで強着部20B下部シートを共剥がして、弱着部外側ミシン目22Bに沿って、開口することで環状破断部22Aの開口部が確保され、内容物が取り出せる。その結果として、両サイドの蓋傾斜部10Bが、容器本体と一体化してフランジ部2Aと同じ高さで、水平になることで、開口部ギリギリまで、内容物を収納できると共に、液状物を収納する容器として好適となる利点が生じる。
【0031】
<第3実施形態>
[図-7]、[図-8]、[図-9]に基づいて、蓋・把手付非密閉型偏平体容器について説明する。
【0032】
本発明は、牛乳パック、Gフルート(0.9ミリ厚)の段ボールシートの表裏に、ポリエチレンの薄膜シートをラミネート加工することで耐水性のあるとともに、紙としてリサイクルできるので、環境面で好ましい。
【0033】
[図-7]で示す様に、一枚のシートをトムソン型抜きして、山折り、谷折り線をしっかりと入れることで、蓋・把手付非密閉型偏平体容器を形成し、その状態を[図―8]の(8-A)で示す。フランジ部2Aに平行して延びる、双方の谷折り線4で内側に折り込み、四隅にある襠壁折返部8B、8Cを襠壁端折返固着部9A′、9B′、9C′、9D′で固着して、蓋部10A′に延設する蓋フック固着部12Aを形成し、生ずる蓋フック部11Aと、蓋部10A′及びその両サイドの蓋傾斜部10B′に延設する蓋フック折返固着部12Bを形成し、生ずる蓋フック部11B、11B′を形成することで、蓋・把手付非密閉型偏平体容器15Aを、[図-8]の(8-A)に示す。
【0034】
(蓋・把手付非密閉型偏平体容器の立体化方法)
[図-8]の(8-A)の蓋・把手付非密閉型偏平体容器の本体シートを、底壁7Aを挟んで平行に延びる、谷折線4で内側に折込み、4か所ある襠壁端折返部8B、8Cを、襠壁端折返固着部で固着して、偏平体容器本体を形成して、次に、その偏平体容器を立体化するために、[図-8]の(8-B)の底壁7Aを、双方にあるフランジ部2Aを保持しながら、下方に移動させると、4か所ある襠壁端折返部8B、8Cを、襠壁端折返固着部9A′、9B′、9C′、9D′で固着して、展開を阻止した状態で、襠側壁3Aと襠壁4Aの間の山折線3は、折らないで筋目だけ入れて、襠側壁3Aと襠壁4Aを一体化して、展開することで四隅のコーナー三角壁5Aと、双方の側壁4Bが出現して、襠壁端折返部8A、8Bの裏面を固着させることで、双方にあるコーナー把手部6Aと斜フランジ把手部2Bが繋がることで、強固な把手部が形成される。その強固となる根拠として、襠壁端折返部8Bに隣接する、襠三角壁4Dと側壁4Bで形成されるトラス部と、コーナー三角壁5Aのトラス部で、トラス部の四面集合体である、三角錐部EFGHが形成される所以である。それで上下左右の応力に対して強固な容器本体が形成される。
【0035】
[図―8]の(8-B)に示す共蓋部10A′の平行する谷折線11で折曲げて、蓋フック部11A、11B、11B′で、容器本体に施蓋固定することで、捻じれ応力に対しても強固な、蓋・把手付非密閉型偏平体容器15Aを立体化した容器を[図―9]の15Bに示す。
【0036】
<第4実施形態>
[図-10]、[図-11]、[図-12]に示す、第4実施形態である蓋・把手付非密閉型偏平体容器は、蓋分離型であり、例えば、弁当容器として利用する場合、作業台上により多くの容器本体を置いて、盛付け作業ができる利点がある。又、施蓋方式は、蓋部が正確に施蓋されるように、双方の谷折線12で内側に折返された、蓋ブレ防止壁23Aを設けて、[図-11]の(11-A)で示す容器本体16Bに、(11-B)の蓋部10A′の谷折線11で折曲げて、蓋傾斜部10B、10B′に延設された蓋フック部11B、11B′で、容器本体に固定される。その他に付いては、第3実施例同様であるので省略する。
【符号の説明】
【0037】
1、2、3、6、7、9 :山折線
4、5、8、10、11、12 :谷折線
13 :破線
1A :蓋継部
2A :フランジ部
2B :斜フランジ把手部
3A :襠側壁
4A :襠壁
4B :側壁
4D :襠三角壁
5A :コーナー三角壁
6A :コーナー把手部
7A :底壁
8A、8B、8C :襠壁端折返部
9A、9B、9C、9D :襠壁端折返固着部
9A′、9B′、9C′、9D′ :襠壁端折返固着部
10A、10A′ :蓋部
10B、10B′ :蓋傾斜部
11A、11B、11B′ :蓋フック部
12A、12B :蓋フック折返固着部
13A :蓋・把手付密閉型偏平体容器
13B :13Aを立体化した容器
14A :蓋・把手付密閉型イージーオープン式偏平体容器
14B :14Aを立体化した容器
15A :蓋・把手付非密閉型偏平体容器
16A :蓋・把手付非密閉型偏平体容器本体
17A :三方シール部
18A :閉口シール部
19A :開口Vノッチ部
20A :弱着シール部
20B :強着部
21A :開口引き上げ部
22A :環状破断部
22B :弱着部外側ミシン目
23A :蓋ブレ防止壁
A :投入口
EFGH :三角錐部
【図-1】
【図-2】
【図-3】
【図-4】
【図-5】
【図-6】
【図-7】
【図-8】
【図-9】
【図-10】
【図-11】
【図-12】