(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-28
(45)【発行日】2024-03-07
(54)【発明の名称】フィリング入り麺、並びにフィリング入り麺を押し出すための金型および方法
(51)【国際特許分類】
A21C 3/04 20060101AFI20240229BHJP
A23L 7/109 20160101ALI20240229BHJP
【FI】
A21C3/04
A23L7/109 B
(21)【出願番号】P 2022196821
(22)【出願日】2022-12-09
【審査請求日】2022-12-09
(32)【優先日】2021-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】522480403
【氏名又は名称】陳 慶榮
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】陳 慶榮
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04715803(US,A)
【文献】特開平08-182460(JP,A)
【文献】実開昭63-086788(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A21C 1/00-15/04
A23L 7/109-7/113
A23G 1/00-9/52
A23P 10/00-30/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平面に垂直な方向に結合可能な上型板、中型板と、下型板とを含む、フィリング入り麺を押し出すための金型であって、
当該上型板は、中央部生地供給孔と、複数の僻遠部生地供給孔と、複数のAフィリング供給孔と、複数のBフィリング供給孔とを含み、当該上型板は下面に当該中央部生地供給孔と当該複数の僻遠部生地供給孔との間に介在するAフィリング環状溝を有し、当該複数のAフィリング供給孔および複数のBフィリング供給孔はAフィリング環状溝に位置し、
当該下型板は、その下面に内側環状溝、同心の外側環状溝、および当該内側環状溝と当該外側環状溝とを隔てるBフィリングノズルシートを有し、当該Bフィリングノズルシートは複数の等間隔に分布したB受容孔を有し、かつ、当該下型板は複数の吐出孔を有し、それらは当該複数のB受容孔と同心で位置合わせされ、そのため当該内側環状溝、当該外側環状溝、当該複数のB受容孔および複数の吐出孔は互いに流体連通しており、
複数のBフィリングノズルは、各Bフィリングノズルが入口部とこれに連なる管状部とを有し、当該複数のBフィリングノズルは当該複数のB受容孔に1対1で固定され、当該入口部は当該B受容孔に密着し、当該入口部の入口は当該Bフィリングノズルシートの頂面と面一であり、かつ、当該管状部の少なくとも一部は、当該管状部の底端と当該下型板の吐出孔の出口とが揃うようにして当該下型板の吐出孔の中心位置に挿入されるため、当該内側環状溝と当該外側環状溝とは、水平方向において当該管状部を囲繞してのみ相互に流体連通可能であり、
当該中型板は、当該中央部生地供給孔に対応する中央部孔と、当該複数の僻遠部生地供給孔に対応する複数の僻遠部孔と、下面に位置する中央部くぼみと、下面に位置し当該中央部くぼみを取り囲むB環状溝と、下面に位置し当該中央部くぼみと当該B環状溝とを隔てる直立壁と、を有し、当該中型板はさらに、複数のA受容孔と、当該複数のBフィリング供給孔に対応する複数のBフィリング孔とを有し、当該複数のA受容孔および当該複数のBフィリング孔は、いずれも当該B環状溝に位置し、
複数のAフィリングノズルは、各Aフィリングノズルが、入口部と、これに連なる縮径した階段式管状部とを有し、当該複数のAフィリングノズルは当該複数のA受容孔に1対1で固定され、当該入口部は当該A受容孔に密着し、当該入口部の入口は当該中型板の頂面と面一であり、かつ当該階段式管状部は、当該B環状溝に挿入されるとともに少なくとも一部が当該B環状溝から突き出し、
当該上型板と、中型板と、下型板とを結合すると、当該中央部生地供給孔と当該中央部孔とが位置合わせされ、当該複数の僻遠部生地供給孔と当該複数の僻遠部孔とが位置合わせされ、複数のBフィリング供給孔と複数のBフィリング孔とが位置合わせされ、当該Aフィリング環状溝が当該複数のAフィリングノズルの入口を包み、当該中型板のB環状溝と当該下型板のBフィリングノズルシートとが位置合わせされ、当該複数のAフィリングノズルの当該B環状溝から突き出した階段式管状部が当該複数のBフィリングノズルの当該入口部に挿入され、当該中型板の下面の当該B環状溝の外縁に隣接する部分および当該直立壁の底面は、それぞれ当該Bフィリングノズルシートの頂面の外縁部分および内縁部分に密接し、かつ当該複数のBフィリングノズルの入口を覆わず、このため、Bフィリングが当該複数のBフィリング供給孔から入り、当該複数のBフィリング孔を通り、当該B環状溝に入った後、さらに当該複数のBフィリングノズル入口に入って当該複数のAフィリングノズルの階段式管状部を囲繞し、当該複数のBフィリングノズルの管状部の底端を通り当該下型板の複数の吐出孔から流出することのできるBフィリング流路が形成され、同時に、Aフィリングが当該複数のAフィリング供給孔から当該Aフィリング環状溝に入った後、さらに当該複数のAフィリングノズルの入口に入り、続いて当該複数のAフィリングノズルの階段式管状部の底端から流出することのできるAフィリング流路が形成され、同時に、X生地が当該中央部生地供給孔から入り、当該中型板の中央部孔を通り、当該中型板の中央部くぼみおよび当該下型板の内側環状溝に入り、さらに当該複数のBフィリングノズルの管状部を囲繞して当該下型板の複数の吐出孔から流出することのできるX生地流路が形成され、同時に、Y生地が当該複数の僻遠部生地供給孔から入り、当該中型板の複数の僻遠部孔を通り、当該下型板の外側環状溝に入り、さらに当該複数のBフィリングノズルの管状部を囲繞して当該下型板の複数の吐出孔から流出することのできるY生地流路が形成され、
当該X、Y生地流路から流出するX、Y生地は、当該Bフィリング流路から流出するBフィリングを包囲し、同時に当該Bフィリング流路から流出するBフィリングは当該Aフィリング流路から流出するAフィリングを包囲する、金型。
【請求項2】
当該下型板の複数の吐出孔の孔径が当該Bフィリングノズルシートの複数のB受容孔の孔径より小さい、請求項1に記載の金型。
【請求項3】
前記複数のAフィリングノズルの数が4~50個である、請求項1に記載の金型。
【請求項4】
当該複数の僻遠部生地供給孔の数が2~4個である、請求項1に記載の金型。
【請求項5】
当該複数のAフィリング供給孔および当該複数のBフィリング供給孔の数がそれぞれ2~8個である、請求項1に記載の金型。
【請求項6】
上型板と中型板と下型板とがボルトによって結合される、請求項1に記載の金型。
【請求項7】
Aフィリング中核柱と、当該Aフィリング中核柱を包む中間のBフィリング環状柱と、当該Bフィリング環状柱を包む外側の2つの半環状柱であるX生地およびY生地と、を含むフィリング入り麺。
【請求項8】
当該Aフィリング中核柱として使用される食材が、当該Bフィリング環状柱として使用される食材より低いまたは同等の粘度を有し、当該X生地およびY生地が、当該Bフィリング環状柱の食材よりも高い粘度を有する、請求項7に記載のフィリング入り麺。
【請求項9】
当該Aフィリング中核柱として使用される食材が、チョコレートペースト、果物で作ったピューレ、野菜で作ったピューレ、またはこれらの混合物を含む、請求項7に記載のフィリング入り麺。
【請求項10】
当該Bフィリング環状柱として使用される食材が、ピーナッツペースト、チーズペースト、ゴマペースト、ジャガイモピューレ、タロイモピューレ、またはこれらの混合物を含む、請求項7に記載のフィリング入り麺。
【請求項11】
当該Aフィリング中核柱として使用される食材が、ピーナッツペースト、チーズペースト、ゴマペースト、ジャガイモピューレ、タロイモピューレ、またはこれらの混合物を含む、請求項7に記載のフィリング入り麺。
【請求項12】
当該X生地およびY生地が配合の異なる生地であり、それぞれ、各種中華麺、日本の麺、およびイタリアパスタを製造するための生地である、請求項7に記載のフィリング入り麺。
【請求項13】
当該X生地およびY生地がそれぞれ、エンバク、アワ、キャッサバ、ジャガイモまたはサツマイモの粉を原料とする生地である、請求項7に記載のフィリング入り麺。
【請求項14】
Aフィリング中核柱と、当該Aフィリング中核柱を包む中間のBフィリング環状柱と、当該Bフィリング環状柱を包む外側の2つの半環状柱であるX生地およびY生地と、を含むフィリング入り麺の押出成型方法であり、前記請求項1~6のいずれか1項に記載の金型を準備し、それらを結合することと、当該上型板の中央部生地供給孔および複数の僻遠部生地供給孔に、X生地およびY生地をそれぞれ連続的に導入し、同時に、当該複数のAフィリング供給孔および当該複数のBフィリング供給孔に、AフィリングおよびBフィリングをそれぞれ連続的に導入し、これにより、当該X、Y生地流路から流出するX、Y生地が当該Bフィリング流路から流出するBフィリングを包囲し、同時に当該Bフィリング流路から流出する当該Bフィリングが当該Aフィリング流路から流出するAフィリングを包囲することと、が含まれる、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Aフィリング中核柱と、当該Aフィリング中核柱を包む中間のBフィリング環状柱と、当該Bフィリング環状柱を包む外側の2つの半環状柱であるX生地およびY生地と、を有する新規なフィリング入り麺に関する。本発明はまた、当該フィリング入り麺を押出成形するための金型および方法も開示する。
【背景技術】
【0002】
本願発明者は、わが国の発明特許公告第771247号において、中核Aフィリング、中間層Bフィリング、外層C生地を有するフィリング入り麺を開示した。そこでは、当該中核Aフィリングとなる食材が相対的に低粘度であり、当該中間層Bフィリングとなる食材が相対的に高粘度であり、当該外層C生地は3者のうち最も粘度が高い。当該中間層Bフィリングは、当該外層C生地と当該中核Aフィリングとの移行部となっており、これにより当該中間層Bフィリングと当該中核Aフィリングとの間、および当該外層C生地と当該中間層Bフィリングとの間が良好に接着されるため、当該フィリング入り麺が押出形成可能となっている。この先行発明はまた、当該フィリング入り麺を押出成形するための金型および方法も開示している。この先行発明の内容は、参考という形で本発明に組み込まれる。
【0003】
これまでに、外側の生地として異なる2種類の生地を使用したフィリング入り麺はなかった。
【発明の概要】
【0004】
本発明の主な目的は、Aフィリング中核柱と、当該Aフィリング中核柱を包む中間のBフィリング環状柱と、当該Bフィリング環状柱を包む外側の2つの半環状柱であるX生地およびY生地と、を有する新規なフィリング入り麺を提供することである。
【0005】
本発明のもう一つの目的は、本発明の新規なフィリング入り麺を押し出すための金型を提供することである。
【0006】
本発明のさらにもう一つの目的は、本発明の新規なフィリング入り麺を押し出すための方法を提供することである。
【0007】
本発明の上記目的を達成するために完成した、フィリング入り麺を押し出すための金型および方法の各種実施態様は、以下の特許請求の範囲に記載するとおりである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明は、以下の図面を参照して説明される。
【
図1】本発明の好ましい具体的実施例により完成した、フィリング入り麺を押し出すための金型の斜視図および部分断面図
【
図2】
図1の金型の上型板を開き、Aフィリングノズルの一部を取り付けていない状態の斜視図
【
図3】
図1の金型の中型板を開き、Bフィリングノズルを取り付けていない状態の斜視図
【
図5】
図1の金型を用いて押出成形された、中核Aフィリングと、中間層Bフィリングと、外側の2つの半環状柱であるX生地およびY生地とを有する本発明のフィリング入り麺の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の好ましい具体的実施例により完成した、フィリング入り麺を押し出すための金型を
図1~4に示す。得られたフィリング入り麺は、
図5のとおり、中核Aフィリングと、中間層Bフィリングと、外側の2つの半環状柱であるX生地およびY生地とを有する。
【0010】
当該金型は、水平面に垂直な方向に結合可能な上型板140と、中型板130と、下型板110とを含む。
【0011】
当該上型板140は、中央部生地供給孔143’と、2個の僻遠部生地供給孔143’’と、4個のAフィリング供給孔145と、4個のBフィリング供給孔144とを含み、当該上型板は下面に当該中央部生地供給孔143’と当該2個の僻遠部生地供給孔143’’との間に介在するAフィリング環状溝146を有し、当該4個のAフィリング供給孔145および4個のBフィリング供給孔144はAフィリング環状溝146に位置する。
【0012】
当該下型板110は、その下面に内側環状溝114、同心の外側環状溝113、および当該内側環状溝と当該外側環状溝とを隔てるBフィリングノズルシート115を有し、当該Bフィリングノズルシートは24個の等間隔に分布したB受容孔116を有し、かつ、当該下型板は24個の吐出孔111を有し、それらの孔径は当該B受容孔116の孔径よりわずかに小さく、また当該24個のB受容孔116と同心であるため、当該内側環状溝114、当該外側環状溝113、当該B受容孔116および吐出孔111は互いに流体連通している。
【0013】
当該金型は24個のBフィリングノズル150を有し、各Bフィリングノズル150は入口部153とこれに連なる管状部151とを有し、当該24個のBフィリングノズル150は当該24個のB受容孔116に1対1で固定され、当該入口部153は当該B受容孔116にしっかりと密着し、当該入口部153の入口152は当該Bフィリングノズルシート115の頂面と面一であり、かつ、当該管状部151の下部は、当該管状部151の底端と当該下型板の吐出孔111の出口とが揃うようにして当該下型板の吐出孔111の中心位置に挿入されるため、当該内側環状溝114と当該外側環状溝113とは、水平方向において当該管状部151を囲繞してのみ相互に流体連通可能である。
【0014】
当該中型板130は、当該中央部生地供給孔143’に対応する中央部孔133’と、当該2個の僻遠部生地供給孔143’’に対応する2個の僻遠部孔133’’と、下面に位置する中央部くぼみ135と、下面に位置し当該中央部くぼみを取り囲むB環状溝136と、下面に位置し当該中央部くぼみと当該B環状溝とを隔てる直立壁137と、を有し、当該中型板はさらに、24個のA受容孔138と、当該4個のBフィリング供給孔144に対応する4個のBフィリング孔134とを有し、当該24個のA受容孔138および当該4個のBフィリング孔134は、いずれも当該B環状溝136に位置する。
【0015】
当該金型は、24個のAフィリングノズル160を有し、各Aフィリングノズルは、入口部163と、これに連なる縮径した階段式管状部161とを有し、当該24個のAフィリングノズルは当該24個のA受容孔138に1対1で固定され、当該入口部163は当該A受容孔138にしっかりと密着し、当該入口部の入口162は当該中型板の頂面と面一であり、かつ当該階段式管状部161は、その下部が当該B環状溝136から突き出るようにして当該B環状溝136に挿入される。
【0016】
当該上型板140と、中型板130と、下型板110とを結合すると(例えば図に示したような従来のボルト方式)、当該中央部生地供給孔143’と当該中央部孔133’とが位置合わせされ、当該2個の僻遠部生地供給孔143’’と当該2個の僻遠部孔133’’とが位置合わせされ、4個のBフィリング供給孔144と4個のBフィリング孔134とが位置合わせされ、当該Aフィリング環状溝146が当該24個のAフィリングノズル160の入口を包み、当該中型板のB環状溝136と当該下型板のBフィリングノズルシート115とが位置合わせされ、当該24個のAフィリングノズル160の当該B環状溝から突き出した階段式管状部161が当該24個のBフィリングノズル150の当該入口部153に挿入されるとともに当該階段式管状部161の外面と当該Bフィリングノズル150の入口部153および管状部151の内面との間に環状通路が形成される。
【0017】
4本のBフィリング導入管82は、その底端が当該Bフィリング孔134に入るようにして当該4個のBフィリング供給孔144に装着挿入される。当該中型板の下面の当該B環状溝136の外縁に隣接する部分および当該直立壁137の底面は、それぞれ当該Bフィリングノズルシート115の頂面の外縁部分および内縁部分に密接し、かつ当該24個のBフィリングノズルの入口152を覆わない。このためBフィリングは、当該4本のBフィリング導入管82から当該4個のBフィリング孔134に導入され、当該Bフィリングは続いて当該B環状溝136に入って当該24個のAフィリングノズル160の階段式管状部161を囲繞し、さらに当該24個のBフィリングノズル150の入口152に入り、最終的に、当該環状通路を経て当該24個のBフィリングノズル150の管状部151の底端を通り当該下型板110の24個の吐出孔111から流出することができる。
【0018】
4本のAフィリング導入管83は当該4個のAフィリング供給孔145に装着挿入され、このため、Aフィリングは、当該4本のAフィリング導入管83から当該4個のAフィリング供給孔145に導入された後、当該Aフィリング環状溝146に入り、続いてさらに当該24個のAフィリングノズル160の入口162に入って当該24個のAフィリングノズル160の階段式管状部161の底端を通って当該下型板110の24個の吐出孔111から流出することができ、ここで、当該環状通路を通り当該Bフィリングノズル150の管状部151の底端から流出するBフィリングは、当該Aフィリングノズル160の階段式管状部161の底端から流出するAフィリングを包み込み、中詰め構造を形成する。
【0019】
X生地導入管81’は、その底端が当該中型板130の中央部孔133’に入るようにして当該中央部生地供給孔143’に装着挿入される。このため、X生地は、当該X生地導入管81’により当該中型板130の中央部孔133’および中央部くぼみ135に導入され、さらに当該下型板110の内側環状溝114に入ることができる。
【0020】
2本のY生地導入管81’’は、その底端が当該中型板130の2個の僻遠部孔133’’に入るようにして当該2個の僻遠部生地供給孔143’’に装着挿入される。このため、Y生地は、当該2本のY生地導入管81’’により当該中型板130の2個の僻遠部孔133’’に導入され、さらに当該下型板110の外側環状溝113に入ることができる。当該内側環状溝114および当該外側環状溝113は、当該Bフィリングノズル150の管状部151を囲繞してのみ相互に流体連通することができるため、当該X生地およびY生地は、当該24個のBフィリングノズル150の管状部151を囲繞して当該下型板110の24個の吐出孔111から流出する。当該X生地およびY生地が2つの半環状柱を形成して当該中詰め構造を包囲したのが、
図5に示すAフィリング中核柱と、当該Aフィリング中核柱を包む中間のBフィリング環状柱と、当該Bフィリング環状柱を包む外側の2つの半環状柱であるX生地およびY生地と、を有する新規なフィリング入り麺である。
【0021】
前記X生地とY生地とは、配合の異なる生地にして、食感、風味および/または色が異なるようにしてもよい。ここでいう生地とは、各種中華麺、日本の麺(ラーメン、うどん)、および各種イタリアパスタを製造するための生地を含む(がそれに限らない)。製麺用の生地だけでなく、本発明に好適な生地は、点心や軽食を製造するための、小麦以外の雑穀(エンバク、アワ、キャッサバ、ジャガイモ、サツマイモなど)の粉を原料とした生地であってもよい。
【0022】
以上、添付図を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の技術的概念の範囲内で、特定の技術的特徴を任意の適切な方法で組み合わせることを含め、本発明の技術的解決策に対して様々な単純な変更を行うことができる。不必要な繰り返しを避けるために、本発明では、様々な可能な組み合わせについてこれ以上説明しない。しかしながら、これらの単純な変更および組み合わせもまた、本発明で開示された内容と見なされるべきであり、すべて本発明の保護範囲に属する。
【符号の説明】
【0023】
110 下型板
111 吐出孔
113 外側環状溝
114 内側環状溝
115 Bフィリングノズルシート
116 受容孔
130 中型板
133’ 中央部孔
133’’ 僻遠部孔
134 Bフィリング孔
135 中央部くぼみ
136 B環状溝
137 直立壁
138 A受容孔
140 上型板
143’ 中央部生地供給孔
143’’ 僻遠部生地供給孔
144 Bフィリング供給孔
145 Aフィリング供給孔
146 Aフィリング環状溝
150 Bフィリングノズル
151 管状部
152 入口
153 入口部
160 Aフィリングノズル
161 階段式管状部
162 入口
163 入口部
81’ X生地導入管
81’’ Y生地導入管
82 Bフィリング導入管
83 Aフィリング導入管
A Aフィリング
B Bフィリング
X X生地
Y Y生地