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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-28
(45)【発行日】2024-03-07
(54)【発明の名称】無線給電システム、システム、送信機
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/40 20160101AFI20240229BHJP
   H02J 50/20 20160101ALI20240229BHJP
   H02J 50/80 20160101ALI20240229BHJP
【FI】
H02J50/40
H02J50/20
H02J50/80
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2023072104
(22)【出願日】2023-04-26
【審査請求日】2023-04-26
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520354692
【氏名又は名称】エイターリンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】小舘 直人
【審査官】田中 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-039216(JP,A)
【文献】国際公開第2021/192044(WO,A1)
【文献】特開2003-318768(JP,A)
【文献】特開2021-035258(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/40
H02J 50/20
H02J 50/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の送信機と、複数の受信機と、前記複数の送信機を制御可能な制御装置と、から構成される無線給電システムにおいて、
前記複数の送信機は、前記複数の受信機に対して無線により電力供給が可能であり、
前記制御装置は、第1期間ごとに、第2期間に渡って前記複数の送信機が電波を送信しないように制御可能であり、
前記制御装置は、前記第2期間において、前記複数の送信機および前記複数の受信機が配置された空間内におけるキャリアセンス制御を実行し、
前記制御装置は、前記複数の送信機に含まれる少なくとも1の送信機または前記制御装置により空間内に動作中の他の無線機器が存在することを検知した場合には、前記無線機器の動作中の期間は少なくとも、前記複数の送信機が電波を送信しないように制御する電波停止ステップを実行する、
無線給電システム。
【請求項2】
複数の送信機と、複数の受信機と、前記複数の送信機を制御可能な制御装置と、から構成される無線給電システムにおいて、
前記複数の送信機は、前記複数の受信機に対して無線により電力供給が可能であり、
前記制御装置は、第1期間ごとに、第2期間に渡って前記複数の送信機が電波を送信しないように制御可能であり、
前記制御装置は、前記第2期間において、前記複数の送信機および前記複数の受信機が配置された空間内におけるキャリアセンス制御を実行し、
前記制御装置は、
所定の管理者へ前記複数の送信機が電波を送信するように制御することを示す情報を提示する再開提示ステップと、
前記再開提示ステップに応じて、前記所定の管理者から前記複数の送信機が電波を送信するように制御すること承認する承認操作を受け付ける再開承認ステップと、
前記再開承認ステップにおいて受け付けた前記承認操作に応じて、前記複数の送信機から前記複数の受信機に対する電力供給のための電波を送信する電波再開ステップと、
前記キャリアセンス制御により空間内に動作中の他の無線機器が存在することを検知した場合には、前記無線機器の動作中の期間は少なくとも、前記複数の送信機が電波を送信しないように制御する電波停止ステップと、
前記電波停止ステップに先立ち、所定の管理者へ前記複数の送信機が電波を送信しないように制御することを示す情報を提示する停止提示ステップと、
前記停止提示ステップに応じて、前記所定の管理者から前記複数の送信機が電波を送信しないように制御すること承認する承認操作を受け付ける停止承認ステップと、
を実行し、
前記電波停止ステップは、前記停止承認ステップにおいて受け付けた前記承認操作に応じて、前記複数の送信機が電波を送信しないように制御するステップである、
無線給電システム。
【請求項3】
複数の送信機と、複数の受信機と、前記複数の送信機を制御可能な制御装置と、から構成される無線給電システムにおいて、
前記複数の送信機は、前記複数の受信機に対して無線により電力供給が可能であり、
前記制御装置は、第1期間ごとに、第2期間に渡って前記複数の送信機が電波を送信しないように制御可能であり、
前記制御装置は、前記第2期間において、前記複数の送信機および前記複数の受信機が配置された空間内におけるキャリアセンス制御を実行し、
前記制御装置は、
前記空間内の他の無線機器の情報を取得する機器取得ステップと、
前記機器取得ステップにより取得した前記無線機器の情報に基づき、前記複数の送信機が電波を送信しないように制御する電波停止ステップと、
を実行する、
無線給電システム。
【請求項4】
前記機器取得ステップは、前記無線機器の所在位置、周波数帯および動作期間の情報を取得するステップであり、
前記電波停止ステップは、前記無線機器の所在位置、前記周波数帯および前記動作期間に基づき、前記複数の送信機が送信する電力供給のための電波が、前記無線機器の電波と干渉しないように前記複数の送信機が電波を送信しないように制御するステップである、
請求項3記載の無線給電システム。
【請求項5】
前記制御装置は、
無線機器の情報を記憶する機器記憶ステップと、
ユーザから、前記機器記憶ステップにおいて記憶した前記無線機器の情報の入力操作を受け付ける機器受付ステップと、
を実行し、
前記機器取得ステップは、前記機器受付ステップにおいて受け付けた前記無線機器の情報を取得するステップである、
請求項3記載の無線給電システム。
【請求項6】
前記制御装置は、
前記機器取得ステップにおいて取得した前記無線機器の情報に基づき、前記電波停止ステップから所定期間経過後に、無線機器が動作していないことを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにおいて前記無線機器が動作していないと判定した場合に、前記複数の送信機から前記複数の受信機に対する電力供給のための電波を送信する電波再開ステップと、
を実行する、
請求項3記載の無線給電システム。
【請求項7】
複数の送信機と、複数の受信機と、前記複数の送信機を制御可能な制御装置と、から構成される無線給電システムにおいて、
前記複数の送信機は、前記複数の受信機に対して無線により電力供給が可能であり、
前記制御装置は、第1期間ごとに、第2期間に渡って前記複数の送信機が電波を送信しないように制御可能であり、
前記制御装置は、前記第2期間において、前記複数の送信機および前記複数の受信機が配置された空間内におけるキャリアセンス制御を実行し、
前記制御装置は、
前記空間に存在する無線機器の使用予定に関する予約情報を取得する予約取得ステップと、
前記予約取得ステップにおいて取得した前記予約情報に基づき、前記複数の送信機から前記複数の受信機に対する電力供給のための電波が前記無線機器の電波と干渉しないように、前記複数の送信機が電波を送信しないように制御する電波停止ステップと、
を実行する、
無線給電システム。
【請求項8】
前記電波停止ステップは、前記予約取得ステップにおいて取得した前記予約情報に含まれる、前記空間の使用予定の内容に応じて前記無線機器の周波数帯および動作期間を特定し、前記複数の送信機から前記複数の受信機に対する電力供給のための電波が前記無線機器の電波と干渉しないように、前記複数の送信機が電波を送信しないように制御するステップである、
請求項7記載の無線給電システム。
【請求項9】
前記制御装置は、前記複数の送信機と有線接続を介して制御可能な、
請求項1から8のいずれか記載の無線給電システム。
【請求項10】
前記制御装置は、前記複数の送信機と無線接続を介して制御可能な、
請求項1から8のいずれか記載の無線給電システム。
【請求項11】
前記制御装置は、前記キャリアセンス制御の結果に基づき、前記第1期間および前記第2期間の少なくともいずれか1つを動的に制御する、
請求項1から8のいずれか記載の無線給電システム。
【請求項12】
前記制御装置は、送信機が出力する電波の周波数帯と干渉しうる周波数帯に他の無線機器が電波を送信しているか否かを判定するための前記キャリアセンス制御を実行する、
請求項1から8のいずれか記載の無線給電システム。
【請求項13】
請求項1~8のいずれか記載の第1無線給電システムと、
請求項1~8のいずれか記載の第2無線給電システムと、
を含むシステムにおいて、
前記第1無線給電システムに含まれる複数の第1送信機および、前記第2無線給電システムに含まれる複数の第2送信機は、第3期間に渡って前記第1送信機および前記第2送信機が電波を送信しないように制御可能なシステム。
【請求項14】
請求項1~8のいずれか記載の無線給電システムにおいて、前記キャリアセンス制御を行わせることが可能な送信機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線給電システム、システム、送信機に関する。
【背景技術】
【0002】
無線により電力を送電する技術が知られている。
特許文献1には、無線伝搬路の特性を推定し、推定結果に応じて効率的な給電を行うことができる電子装置及び方法が開示されている。
特許文献2には、無線システムとの間の干渉を回避するためのキャリアセンスを正確に行うことができる電子装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-044873号公報
【文献】特開2021-151061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
無線給電システムにおいて、送受信機が送信する電波が、他の無線機器に影響を与えてしまう課題がある。
そこで、本開示は、上記課題を解決すべくなされたものであって、その目的は、無線給電システムにおいて、送受信機が送信する電波が、他の無線機器に与える影響を抑制する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
複数の送信機と、複数の受信機と、複数の送信機を制御可能な制御装置と、から構成される無線給電システムにおいて、複数の送信機は、複数の受信機に対して無線により電力供給が可能であり、制御装置は、第1期間ごとに、第2期間に渡って複数の送信機が電波を送信しないように制御可能であり、制御装置は、第2期間において、複数の送信機および複数の受信機が配置された空間内におけるキャリアセンス制御を実行する、無線給電システム。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、無線給電システムにおいて、それぞれの送受信機が送信する電波が、他の無線機器に与える影響を抑制させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態に係るWPTシステム1の全体の構成を示す図である。
図2】送信機100と、受信機200との構成例を表すブロック図である。
図3】制御装置C10の機能構成を示すブロック図である。
図4】WPTテーブルC1012のデータ構造を示す図である。
図5】機器テーブルC1013のデータ構造を示す図である。
図6】キャリアセンス処理(第一実施形態)の動作を示すフローチャートである。
図7】キャリアセンス処理(第二実施形態)の動作を示すフローチャートである。
図8】コンピュータ90の基本的なハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。実施形態を説明する全図において、共通の構成要素には同一の符号を付し、繰り返しの説明を省略する。なお、以下の実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではない。また、実施形態に示される構成要素のすべてが、本開示の必須の構成要素であるとは限らない。また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。
【0009】
<概要>
<1 システム全体の構成図>
図1は、本実施形態に係るWPTシステム1の全体の構成を示す図である。
【0010】
図1に示すWPTシステム1は、例えば、送信機100、受信機200、第1情報処理装置300、及び第2情報処理装置400、制御装置C10を備える。図1に示すWPTシステム1は、例えば、ビル、又は工場等で利用される。なお、送信機100と第1情報処理装置300との接続、及び第1情報処理装置300と第2情報処理装置400との接続、制御装置C10と、第1情報処理装置300および第2情報処理装置400との接続は、有線であっても無線であっても構わない。
【0011】
図1において、WPTシステム1が送信機100を3台含む例を示しているが、WPTシステム1に含まれる送信機100の数は、3台に限定されない。WPTシステム1に含まれる送信機100は、2台以下であってもよいし、4台以上であってもよい。
【0012】
図1において、WPTシステム1が受信機200を7台含む例を示しているが、WPTシステム1に含まれる受信機200の数は、7台に限定されない。WPTシステム1に含まれる受信機200は、6台以下であってもよいし、8台以上であってもよい。
【0013】
図1において、WPTシステム1が第1情報処理装置300を2台含む例を示しているが、WPTシステム1に含まれる第1情報処理装置300の数は、2台に限定されない。WPTシステム1に含まれる第1情報処理装置300は、1台であってもよいし、3台以上であってもよい。
【0014】
送信機100は、例えば、受信機200へ給電信号、又はデータ信号(以下、まとめて無線信号)を送信する。送信機100は、例えば、920MHz帯の電波により、受信機200へ給電信号を送信する。送信機100は、例えば、2.4GHz帯の電波により、受信機200へデータ信号を送信する。送信機100は、データ信号を、920MHz帯の電波により送信してもよい。
【0015】
送信機100は、例えば、1台の受信機200へ給電信号を送信してもよいし、複数台の受信機200へ給電信号を送信してもよい。送信機100は、例えば、1台の受信機200へデータ信号を送信してもよいし、複数台の受信機200へデータ信号を送信してもよい。送信機100は、例えば、他の送信機100と同じデータ信号を送信してもよいし、他の送信機100と異なるデータ信号を送信してもよい。送信機100は、例えば、所定のコマンド信号をデータ信号として受信機200へ送信してもよいし、予め設定された信号をデータ信号として受信機200へ送信してもよい。
【0016】
送信機100は、例えば、受信機200から送信されるデータ信号を受信する。送信機100は、例えば、1台の受信機200から送信されるデータ信号を受信してもよいし、複数の受信機200から送信されるデータ信号を受信してもよい。送信機100は、受信機200から送信されるデータ信号を第1情報処理装置300へ送信する。送信機100は、送信機100の状態に関する情報を第1情報処理装置300へ送信する。
【0017】
受信機200は、例えば、送信機100から送信される給電信号、又はデータ信号を受信する。受信機200は、例えば、バッテリを有する場合、送信機100から送信される給電信号を電力へ変換し、変換した電力をバッテリに貯える。受信機200は、例えば、所定のセンサを有する場合、送信機100から送信される給電信号を電力へ変換し、変換した電力によりセンサを駆動させる。
【0018】
受信機200は、例えば、受信機200の状態に関する情報、又はセンサによる計測結果に関する情報を、データ信号として送信機100へ送信する。
【0019】
第1情報処理装置300は、WPTシステム1に収容される送信機100、受信機200の動作を監視する情報処理装置である。例えば、第1情報処理装置300は、送信機100から送信される、送信機100、及び受信機200の状態に関する情報に基づき、送信機100、又は受信機200が予め設定された状態になっているか否かを判断する。予め設定された状態になっていると判断した場合、第1情報処理装置300は、所定の情報を第2情報処理装置400へ送信する。
【0020】
また、第1情報処理装置300は、WPTシステム1に収容される送信機100、受信機200についての情報を蓄積する。例えば、第1情報処理装置300は、送信機100から送信される、送信機100及び受信機200の状態に関する情報を、第1情報処理装置300に設けられる記憶部に記憶する。
【0021】
また、第1情報処理装置300は、WPTシステム1に収容される送信機100の動作を制御する。
【0022】
また、第1情報処理装置300は、WPTシステム1に収容される送信機100の動作を制御する。例えば、第1情報処理装置300は、所定の指示、又は情報を送信機100へ送信する。
【0023】
また、第1情報処理装置300は、第2情報処理装置400の動作を制御する。
【0024】
第2情報処理装置400は、例えば、WPTシステム1の管理者が操作する情報処理装置である。第2情報処理装置400は、WPTシステム1に収容される送信機100、受信機200、又はこれらの両方が所定の状態になっている旨の連絡を第1情報処理装置300から受信すると、送信機100、受信機200、又はこれらの両方が所定の状態になっていることをユーザに提示する。
【0025】
また、第2情報処理装置400は、第1情報処理装置300に蓄積されている、送信機100及び受信機200の状態に関する情報を分析し、所定の情報をユーザに提示する。所定の情報は、例えば、以下である。
・送信機100の配置に関する情報
・受信機200の配置に関する情報
・消費電力に関する情報
・電力強度に関する情報
【0026】
<1.1 送信機と受信機の構成>
図2は、図1に示す送信機100と、受信機200との構成例を表すブロック図である。図2に示すように、送信機100と受信機200とは、例えば、互いに所定間隔で離間する。例えば、送信機100と受信機200とは、数m程度の距離だけ隔てられて設置される。具体的には、例えば、送信機100は、屋内の高所、例えば、天井、又は壁に設けられた所定の高位置に固定して設置される。受信機200は、屋内の所定のデバイスに設置されたり、給電が必要なデバイスの近傍に載置されたりする。また、受信機200は、ユーザにより携帯されてもよい。送信機100は、所定の周波数、例えば、920MHz帯の電波により、受信機200へ給電信号を送信する。受信機200は、送信機100から送信される給電信号を電力へ変換し、変換した電力を充電するか、又は、変換した電力を所定のデバイスへ供給する。
【0027】
送信機100は、例えば、発振器101、送信アンテナ102、マイコン(制御器)103、データ送受信機104、データ送受信アンテナ105を有する。発振器101、マイコン103、データ送受信機104、データ送受信アンテナ105、又はこれらのうち少なくともいずれかの組み合わせは、例えば、PCB(プリント基板)に実装されていてもよい。
【0028】
発振器101は、所定周波数帯、例えば、920MHz帯の信号を発振させる。発振された信号は、必要に応じて、増幅されて、不要周波数成分が除去されてもよい。
【0029】
送信アンテナ102は、例えば、920MHz帯の電波を効率的に送信可能に形成されている。送信アンテナ102は、発振器101で発振された信号を、給電信号として放射する。
【0030】
マイコン103は、送信機100の動作を制御する。マイコン103は、例えば、ARMプロセッサを搭載したシングルボードコンピュータにより実現される。マイコン103は、例えば、送信アンテナ102による電波の送信を制御する。
【0031】
データ送受信機104は、デジタルデータのアナログ化、アナログデータの変調等の処理を実施する。また、データ送受信機104は、データ送受信アンテナ105で受信されるデータ信号の復調、復調されたデータのデジタル化等の処理を実施する。データ送受信機104は、例えば、データ送受信アンテナ105で受信されるデータ信号から所定の信号を抽出し、デジタルデータに変換してマイコン103へ送信する。
【0032】
データ送受信アンテナ105は、例えば、2.4GHz帯の電波を効率的に送受信可能に形成されている。データ送受信アンテナ105は、データ送受信機104から供給されるデータ信号を放射する。また、データ送受信アンテナ105は、受信機200から送信されたデータ信号を受信する。
【0033】
受信機200は、例えば、受信アンテナ201、整流器202、電力管理部203、バッテリ204、マイコン205、データ送受信機206、データ送受信アンテナ207を有する。受信アンテナ201、整流器202、電力管理部203、バッテリ204、マイコン205、データ送受信機206、データ送受信アンテナ207、又はこれらのうち少なくともいずれかの組み合わせは、例えば、PCB又はFPC(フレキシブル基板)に実装されていてもよい。
【0034】
受信アンテナ201は、例えば、920MHz帯の電波を効率的に受信可能に形成されている。受信アンテナ201は、送信アンテナ102から放射された給電信号を受信する。
【0035】
整流器202は、給電信号として受信した電波を整流し、直流電圧に変換する。
【0036】
電力管理部203は、直流電圧を管理する。例えば、電力管理部203は、直流電圧に基づいて充電電圧を制御する。電力管理部203は、充電電圧を制御することで、バッテリ204を充電する。また、電力管理部203は、例えば、バッテリ204に所定容量以上の電力が蓄えられると、直流電圧を、接続される部材へ供給する。
【0037】
また、電力管理部203は、マイコン205からの制御に応じ、バッテリ204に蓄えられた電力を放出させる。
【0038】
バッテリ204は、電力管理部203からの指示に応じて電力を蓄える。また、バッテリ204は、電力管理部203からの指示に応じて蓄えている電力を放出する。
【0039】
マイコン205は、受信機200の動作を制御する。マイコン205は、電力管理部203から供給される直流電圧、又はバッテリ204に蓄えられた電力により駆動される。マイコン205は、電力管理部203を制御し、バッテリ204に蓄えられた電力を放出させる。
【0040】
受信機200には、例えば、種々のセンサが接続可能である。例えば、熱センサ、温度センサ、光センサ、湿度センサ、振動センサ等が受信機200に接続される。受信機200に接続されたセンサは、例えば、電力管理部203から供給される直流電圧、又はバッテリ204から放出される電力により駆動される。マイコン205は、受信機200の所定部位における電圧値、受信機200に接続されるセンサの状況、センサにより検出された情報等を、継続的又は断続的に監視する。マイコン205は、受信機200の所定部位における電圧値、受信機200に接続されるセンサの状況、センサにより検出された情報等をデジタルデータとしてデータ送受信機206へ送信する。なお、センサは、受信機200に内蔵されていてもよい。
【0041】
データ送受信機206は、マイコン205から供給されるデジタルデータのアナログ化、アナログデータの変調等の処理を実施する。また、データ送受信機206は、データ送受信アンテナ207で受信されるデータ信号の復調、復調されたデータのデジタル化等の処理を実施する。データ送受信機206は、例えば、電力管理部203から供給される直流電圧、又はバッテリ204から放出される電力により駆動される。
【0042】
データ送受信アンテナ207は、例えば、2.4GHz帯の電波を効率的に送受信可能に形成されている。データ送受信アンテナ207は、データ送受信機206から供給されるデータ信号を放射する。また、データ送受信アンテナ207は、送信機100から送信されたデータ信号を受信する。例えば、データ送受信アンテナ207は、例えば、電力管理部203から供給される直流電圧、又はバッテリ204から放出される電力により駆動される。
【0043】
また、上述した各実施形態においては交流信号からなる送信電力を送信機100から無線で受信機200に送信する、いわゆるWPTシステム1への適用について説明していたが、それ以外の手法により受信機200に電力を提供するシステムへの適用も当然に可能である。このようなシステムは既知であるので詳細な説明は割愛するが、一例として、太陽光発電により生成した電力を有線/無線を問わずに受信機200に送出するシステム、さらには、レーザー光により電力を有線/無線を問わずに受信機200に送出するシステム等が挙げられる。他に、振動や音を受信機200に与え、受信機200が振動等のパワーを電力に変換する構成であっても適用可能である。加えて、交流信号からなる送信電力を無線で受電する以外の、既知の非接触給電技術、一例として磁界結合方式による非接触給電技術を用いたシステムにも当然に適用可能である。
【0044】
<制御装置C10の構成>
制御装置C10は、記憶部C101、制御部C104を備える情報処理装置である。
本開示において、制御装置C10は、第1情報処理装置300、第2情報処理装置400とは異なる情報処理装置として開示するが、第1情報処理装置300または第2情報処理装置400が、制御装置C10の機能を有するものとしても構わない。つまり、制御装置C10は、第1情報処理装置300または第2情報処理装置400であっても良い。
また、制御装置C10が有する機能は、複数の送信機100の少なくともいずれか1つに含まれ、送信機100の機能の一部として実現しても良い。つまり、制御装置C10が実行可能な処理は、送信機100により実行されても良い。つまり、送信機100は、制御装置C10のハードウェアおよびソフトウェア構成を一部に含んでも良い。
例えば、複数の送信機100のいずれかが他の送信機100の親機(ホスト)として、制御装置C10の機能を発揮し、各種処理を実行しても良い。つまり、親機にかかる送信機100は、制御装置C10として機能するためのハードウェアおよびソフトウェア構成を一部に含む。
なお、全ての送信機100が、制御装置C10として機能するためのハードウェアおよびソフトウェア構成を一部に含む構成としても良い。この場合、選択された所定の送信機100が親機として、制御装置C10の機能を発揮しても良い。親機は、ユーザによる入力操作により選択されても良い。
図3は、制御装置C10の機能構成を示すブロック図である。
【0045】
<制御装置C10の記憶部C101の構成>
制御装置C10の記憶部C101は、アプリケーションプログラムC1011、WPTテーブルC1012、機器テーブルC1013を備える。
【0046】
アプリケーションプログラムC1011は、制御装置C10の制御部C104を各機能ユニットとして機能させるためのプログラムである。
アプリケーションプログラムC1011は、ウェブブラウザアプリケーションなどのアプリケーションを含む。
【0047】
WPTテーブルC1012は、WPTシステム1に含まれる送信機および受信機に関する情報(送受信機情報)を記憶し管理するためのテーブルである。具体的に、どのWPTシステム1に、どのような送信機および受信機が関連付けられているかを記憶する。
WPTテーブルC1012は、送受信機IDを主キーとして、送受信機ID、所在エリア、送受信機データのカラムを有するテーブルである。
ユーザは、情報処理端末を介して送受信機情報を含む装置を登録するためのリクエストを制御装置C10へ送信する。制御装置C10の装置登録制御部C1041は、受信した送受信機情報をWPTテーブル1021の所在エリア、送受信機データの項目に記憶する。
図4は、WPTテーブルC1012のデータ構造を示す図である。
【0048】
送受信機IDは、送受信機を識別するための送受信機識別情報を記憶する項目である。送受信機識別情報は、送受信機情報ごとにユニークな値が設定されている項目である。
所在エリアは、送受信機が所在するエリアに関する情報を記憶する項目である。所在エリアは、エリアを特定するエリア識別情報を含む。エリアは、部屋または廊下などの空間の一部または全体、部屋に置かれた座席、屋外空間においては所定の領域範囲、自動車、バス、列車などの車両空間の一部または全体、自動車、バス、列車などの座席など、ユーザが所在可能な任意の物理的領域を示す。エリア識別情報は、当該物理的領域を識別可能に特定するための情報である。
送受信機データは、送受信機に関する情報を記憶する項目である。
・送信機または受信機のいずれかであるかを示す情報。
・送信機または受信機の個体を識別するための個体識別情報。
・送信機または受信機が使用する周波数帯などの電波に関する情報。
・受信機に関してはバッテリの残容量、センシングデバイス、アクチュエータ等の情報。
その他、送信機および受信機に関連付けられた任意の情報が記憶される。
【0049】
機器テーブルC1013は、WPTシステム1に含まれない無線機器に関する情報(機器情報)を記憶し管理するためのテーブルである。
機器テーブルC1013は、機器IDを主キーとして、機器ID、所在エリア、機器データのカラムを有するテーブルである。
図5は、機器テーブルC1013のデータ構造を示す図である。
【0050】
機器IDは、無線機器を識別するための機器識別情報を記憶する項目である。機器識別情報は、機器情報ごとにユニークな値が設定されている項目である。本開示における無線機器は、主にLPWA(Low Power Wide Area Network)であり、低消費電力で長距離のデータ通信を可能とする無線通信技術を用いたものである。
所在エリアは、無線機器が所在するエリアに関する情報を記憶する項目である。所在エリアは、エリアを特定するエリア識別情報を含む。エリアは、部屋または廊下などの空間の一部または全体、部屋に置かれた座席、屋外空間においては所定の領域範囲、自動車、バス、列車などの車両空間の一部または全体、自動車、バス、列車などの座席など、ユーザが所在可能な任意の物理的領域を示す。エリア識別情報は、当該物理的領域を識別可能に特定するための情報である。
機器データは、無線機器に関する情報を記憶する項目である。
・無線機器の個体を識別するための個体識別情報。
・無線機器が使用する周波数帯などの電波に関する情報。
・無線機器がどのような無線機器であるのか、無線機器の種別に関する情報。例えば、ワイヤレスマイク、無線LAN、Bluetooth(登録商標)機器などの情報を含む。
【0051】
<制御装置C10の制御部C104の構成>
制御装置C10の制御部C104は、装置登録制御部C1041、機器登録制御部C1042を備える。制御部C104は、記憶部C101に記憶されたアプリケーションプログラムC1011を実行することにより、各機能ユニットが実現される。
【0052】
制御装置C10は、前記複数の送信機と有線接続を介して制御可能である。
具体的に、制御装置C10は、複数の送信機100とイーサネット(Ethernet)、USB(Universal Serial Bus)、シリアル接続等の任意の有線接続規格に基づき有線接続されていても良い。制御装置C10の制御部C104は、有線接続を介して制御信号を送信機100へ送信することにより、送信機100の給電信号の送信、データ信号の送受信を制御することができる。
【0053】
制御装置C10は、前記複数の送信機を無線接続を介して制御可能である。
具体的に、制御装置C10は、複数の送信機100とWiFi、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near Field Communication)、Zigbee(登録商標)、Z-Wave、LTE等の任意の無線接続規格に基づき無線接続されていても良い。制御装置C10の制御部C104は、無線接続を介して制御信号を送信機100へ送信することにより、送信機100の給電信号の送信、データ信号の送受信を制御することができる。
【0054】
制御装置C10は、前記複数の送信機を有線接続を介して制御可能である。
具体的に、制御装置C10は、複数の送信機100とイーサネット(Ethernet)、USB(Universal Serial Bus)、シリアル接続等の任意の有線接続規格に基づき有線接続されていても良い。制御装置C10の制御部C104は、有線接続を介して制御信号を送信機100へ送信することにより、送信機100の給電信号の送信、データ信号の送受信を制御することができる。
【0055】
制御装置C10は、前記複数の送信機を無線接続を介して制御可能である。
具体的に、制御装置C10は、複数の送信機100とWiFi、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near Field Communication)、Zigbee(登録商標)、Z-Wave、LTE等の任意の無線接続規格に基づき無線接続されていても良い。制御装置C10の制御部C104は、無線接続を介して制御信号を送信機100へ送信することにより、送信機100の給電信号の送信、データ信号の送受信を制御することができる。
【0056】
<制御装置C10の動作>
制御装置C10の制御部C104による、送信機100の制御について説明する。
【0057】
制御装置C10の制御部C104は、第1期間ごとに、第2期間に渡って複数の送信機が電波を送信しないように制御可能である。制御装置C10の制御部C104は、第2期間において、複数の送信機および複数の受信機が配置された空間内におけるキャリアセンス制御を実行する。キャリアセンス制御とは、送信機が出力する電波の周波数帯と干渉しうる周波数帯に他の無線機器が電波を送信しているか否かを判定するための制御である。
具体的に、制御装置C10の制御部C104は、送信機100が給電信号およびデータ信号を送信する前に、周囲の無線電波を検出する制御を行う。具体的に、制御装置C10の制御部C104は、第1期間(4秒)ごとに、送信機100および受信機200が第2期間(50ミリ秒)に渡って電波を送信しないように制御する。制御装置C10の制御部C104は、WPTシステム1が電波を送信しない第2期間において、空間内に存在する無線電波の検出を送信機100に行わせる。送信機100は、データ送受信機104により、無線電波の検出を行う。これにより、制御装置C10の制御部C104は、空間内に他の動作中の無線機器が存在するか否か、また無線機器がどのような周波数帯を用いているかを検出することができる。なお、制御装置C10の制御部C104は、複数の送信機100ごとに、周囲に存在する他の無線機器の存在を検出することができる。また、無線電波の検出は、送信機100のデータ送受信機104ではなく、制御装置C10が備えたり、他の機器が備える無線電波の受信機に基づき検出しても構わない。
具体的に、制御装置C10の制御部C104は、第2期間において、給電信号を送受信する際に利用する920MHz帯、データ信号を送受信する際に利用する2.4GHz帯近傍に電波が存在するか否かの検出を行う。例えば、制御装置C10の制御部C104は、900MHz帯、920MHz、880MHz帯等の周波数帯の他、5GHz帯などの離れている範囲も含めて、干渉しうる周波数帯に電波が存在するか否かの検出を行う。
例えば、制御装置C10の制御部C104は、対象となる周波数帯域を監視し、検出された無線信号の強度を所定の閾値と対比する。制御装置C10の制御部C104は、所定の閾値以上の信号強度の無線信号が検出された場合に、他の無線機器が存在すると判定する。また、制御装置C10の制御部C104は、検出された無線信号に所定の信号パターンが含まれている場合に、他の無線機器が存在すると判定しても良い。制御装置C10の制御部C104は、それ以外の場合に、他の無線機器が存在しないと判定する。
【0058】
制御装置C10の制御部C104は、キャリアセンス制御の結果に基づき、第1期間および第2期間の少なくともいずれか1つを動的に制御する。
具体的に、制御装置C10の制御部C104は、キャリアセンス制御により検知した空間内に存在する他の無線機器の存在有無に応じて、第1期間および第2期間を制御する。
例えば、制御装置C10の制御部C104は、他の無線機器の存在を検出した場合には、第1期間を短くし、第2期間をより長くする。これにより、制御装置C10の制御部C104は、第2期間において他の無線機器が用いている電波の状態をより詳細に検出することができる。また、制御装置C10の制御部C104は、第2期間において、無線信号を検出できなかった場合には、他の無線機器が存在しないと判定する。
【0059】
制御装置C10の制御部C104は、制御状態をユーザ等の外部に通知する制御を実行する。
制御装置C10の制御部C104は、キャリアセンス制御を実行している期間に渡って、制御装置C10が備えるLED等の表示装置を所定の色で点灯させたり、所定の点滅パターン(第1通知パターン)で点灯させる。
制御装置C10の制御部C104は、他の無線機器が電波を送信していることを検知した場合に、所定期間に渡って、制御装置C10が備えるLED等を所定の色で点灯させたり、所定の点滅パターン(第1通知パターン)で点灯させる。
制御装置C10の制御部C104は、送信機100に対して電波を送信しないように制御(電波停止ステップ)を実行している場合に、電波を停止している期間に渡って、制御装置C10が備えるLED等を所定の色で点灯させたり、所定の点滅パターン(第3通知パターン)で点灯させる。制御装置C10の制御部C104は、送信機100が電波を送信していない場合に、電波を送信していないことを示す情報を制御装置C10が備えるLED等を所定の色で点灯させたり、所定の点滅パターン(第3通知パターン)で点灯させても良い。
制御装置C10の制御部C104は、制御装置C10が備える表示装置ではなく、送信機100が備えるLED等の表示装置を制御しても良い。制御装置C10の制御部C104は、制御装置C10が備える表示装置ではなく、受信機200が備えるLED等の表示装置を制御しても良い。
制御装置C10の制御部C104は、制御状態をディスプレイ等の表示装置に表示しても良い。また、制御装置C10の制御部C104は、制御状態をユーザ等が所有する情報処理端末に表示しても良い。
これにより、ユーザは、制御装置C10の制御状態を視覚的に確認することができる。
【0060】
<WPTシステム1の動作>
以下、WPTシステム1の各処理について説明する。
図6は、キャリアセンス処理(第一実施形態)の動作を示すフローチャートである。
図7は、キャリアセンス処理(第二実施形態)の動作を示すフローチャートである。
【0061】
<キャリアセンス処理(第一実施形態)>
キャリアセンス処理(第一実施形態)は、送信機が出力する電波の周波数帯と干渉しうる周波数帯に他の無線機器が電波を送信しているか否かを判定するための処理である。
【0062】
<キャリアセンス処理(第一実施形態)の概要>
キャリアセンス処理(第一実施形態)は、ユーザから送信機および受信機が存在する空間に所在する他の無線機器の入力操作を受け付け、受け付けた無線機器の情報を記憶し、記憶した無線機器の情報を取得し、当該無線機器の情報に応じて管理者に対して送受信機の電波送信の停止要否を提示し、停止に関する承認操作を受け付け、送受信機の電波送信を停止し、停止後に管理者に対して送受信機の電波送信の再開要否を提示し、再開に関する承認操作を受け付け、送受信機の電波送信を再開する一連の処理である。
【0063】
<キャリアセンス処理(第一実施形態)の詳細>
以下に、キャリアセンス処理(第一実施形態)の詳細を説明する。
【0064】
ステップS101において、制御装置C10の制御部C104は、無線機器の情報を記憶する機器記憶ステップを実行する。
具体的に、ユーザは、情報処理端末の入力装置を操作することにより、任意の無線機器の所在エリア、機器データ等を制御装置C10へ送信することができる。制御装置C10の機器登録制御部C1042は、受信した無線機器の所在エリア、機器データを、それぞれ、機器テーブルC1013の所在エリア、機器データの項目に記憶する。これにより、ユーザは、新たな無線機器を機器テーブルC1013に機器情報として登録することができる。なお、無線機器の登録は、キャリアセンス処理(第一実施形態)の中で行う必要は必ずしもなく、任意のタイミングで実行する構成としても良い。
【0065】
ステップS102において、制御装置C10の制御部C104は、ユーザから、機器記憶ステップにおいて記憶した無線機器の情報の入力操作を受け付ける機器受付ステップを実行する。
具体的に、ユーザは、所定の会議室等の配置されている情報処理端末の入力装置を操作することにより、ウェブブラウザ等に入力操作処理を実行するためのページ(入力操作処理ページ)のURLを入力し、入力操作処理ページを開く。情報処理端末の制御部は、入力操作処理ページを開くためのリクエストを、制御装置C10へ送信する。制御装置C10の制御部C104は、受信したリクエストに基づき、所定の会議室等の所在エリアに基づき機器テーブルC1013の所在エリアの項目を検索し、1または複数の機器情報を取得する。制御装置C10の制御部C104は、取得した1または複数の機器情報に基づき、所定の会議室等に存在する1または複数の無線機器を選択可能な態様で一覧表示する入力操作処理ページを生成し情報処理端末へ送信する。情報処理端末の制御部は、受信した入力操作処理ページをディスプレイに表示する。
ユーザは、情報処理端末の入力装置を操作することにより、一覧表示された1または複数の無線機器から、所定の無線機器を選択する。つまり、ユーザは、情報処理端末の入力装置を操作することにより、所定の会議室等に所在する1または複数の無線機器のうち、使用する一部または全部の無線機器を選択する。例えば、ユーザは、会議室においてワイヤレスマイクを使用する場合には、情報処理端末の入力装置を操作することにより無線機器としてワイヤレスマイクを選択する。
ユーザは、情報処理端末の入力装置を操作することにより、入力操作処理ページに設けられた使用期間の項目に選択した無線期間の使用期間を入力する。例えば、ユーザは、ワイヤレスマイクを現在時刻から1時間にわたって使用する場合には、情報処理端末の入力装置を操作することにより「1時間」の使用期間の値を入力する。情報処理端末の制御部は、ユーザにより選択された1または複数の無線機器の機器ID、入力された使用期間を制御装置C10へ送信する。制御装置C10の制御部C104は、1または複数の無線機器の機器ID、使用期間を受信し受け付ける。
【0066】
ユーザは、スマートフォン、PC等の自身の情報処理端末(ユーザ端末)を用いて、所定の会議室等を特定する所在エリアに関する情報を入力することにより、入力操作処理ページを開く構成としても良い。ユーザは、任意の情報処理端末を用いて、所定の会議室等に配置されている任意の無線機器を選択することができる。
【0067】
なお、ユーザは、情報処理端末の入力装置を操作することにより、所定の会議室等の使用有無および使用期間に関する入力を行う構成としても良い。この場合、情報処理端末の入力装置は、所定の会議室等の所在エリアおよび所定の会議室の使用期間を含むリクエストを制御装置C10へ送信する。制御装置C10の制御部C104は、受信した所在エリアに基づき機器テーブルC1013の所在エリアの項目を検索し、所定の会議室等に存在するすべての無線機器の機器IDを取得し、受け付ける。また、この場合、制御装置C10の制御部C104は、取得したすべての無線機器の使用期間を、所定の会議室の使用期間とみなす。制御装置C10の制御部C104は、所定の会議室等に存在するすべての無線機器の機器ID、使用期間を取得し、受け付ける。
なお、ユーザによる使用期間の入力は必ずしも必要はない。ユーザによる情報処理端末の入力装置の操作から使用期間が開始するものとしても良い。また、使用期間の終了は、ユーザによる情報処理端末の入力装置に対する入力操作を受け付けて判定しても良い。例えば、ユーザが情報処理端末に表示された「使用を終了する」ボタン等を押下することにより、使用期間を終了させても良い。
【0068】
ステップS103において、制御装置C10の制御部C104は、空間内の他の無線機器の情報を取得する機器取得ステップを実行する。
具体的に、制御装置C10の制御部C104は、ステップS101において取得した、所定の会議室等に所在する一部または全部の無線機器の機器IDに基づき、機器テーブルC1013の機器IDの項目を検索し、所在エリア、機器データを取得する。これにより、制御装置C10の制御部C104は、所定の会議室等に所在する一部または全部の無線機器の情報を取得することができる。
【0069】
ステップS103において、機器取得ステップは、無線機器の所在位置、周波数帯および動作期間の情報を取得するステップを実行する。
具体的に、制御装置C10の制御部C104は、所定の会議室等に所在する一部または全部の無線機器の機器データに含まれる、無線機器の周波数帯の情報を取得する。また、ステップS101において受け付けた1または複数の無線機器ごとの使用期間を、それぞれ無線期間の動作期間として特定し、受け付ける。
【0070】
ステップS103において、機器取得ステップは、機器受付ステップにおいて受け付けた無線機器の情報を取得するステップを実行する。
具体的に、ステップS101において機器テーブルC1013に無線機器の機器情報が記憶されている場合には、制御装置C10の制御部C104は、当該機器テーブルC1013に記憶された機器データを取得する。
【0071】
ステップS104において、制御装置C10の制御部C104は、電波停止ステップに先立ち、所定の管理者へ複数の送信機が電波を送信しないように制御することを示す情報を提示する停止提示ステップを実行する。
具体的に、制御装置C10の制御部C104は、ステップS103において取得した無線機器の所在エリア、機器データに基づき、WPTテーブルC1012の所在エリアおよび送受信機データの項目を検索する。制御装置C10の制御部C104は、機器データに含まれる無線電波の周波数帯に基づき、当該無線電波の周波数帯と干渉するおそれがある周波数帯を含む送受信機データに関するレコードをWPTテーブルC1012から検索する。
具体的に、制御装置C10の制御部C104は、機器データに含まれる無線機器の無線電波の周波数帯との一部が少なくとも重なる送信機100および受信機200をWPTテーブルC1012から検索し、特定する。
制御装置C10の制御部C104は、特定した送信機100および受信機200に関連付けられた管理者にかかるユーザの情報処理端末へ、当該送信機100および受信機200に対して電波を送信しないように制御することを示す情報を通知する。例えば、制御装置C10の制御部C104は、「●●エリアに所在する、送信機●●、受信機●●の電波送信を停止します。よろしいですか?」などのメッセージを、管理者の情報処理端末へ送信する。情報処理端末は、受信したメッセージを表示し、管理者に対して提示する。
管理者は、ステップS101において受け付けた所在エリアにおける電波送信を管理する権限を有する者、無線局免許状等の無線に関する資格または免許を有する免許人等を含む。管理者は、特定された送信機100および受信機200の操作および管理を行う者を含む。
【0072】
ステップS105において、制御装置C10の制御部C104は、停止提示ステップに応じて、所定の管理者から複数の送信機が電波を送信しないように制御すること承認する承認操作を受け付ける停止承認ステップを実行する。
具体的に、管理者は、情報処理端末に送信されたメッセージを確認するとともに、情報処理端末に表示される「停止を承認する」ボタンを選択する。情報処理端末の制御部は、電波の送信を停止するためのリクエストを制御装置C10へ送信する。
【0073】
ステップS106において、電波停止ステップは、停止承認ステップにおいて受け付けた承認操作に応じて、機器取得ステップにより取得した無線機器の情報に基づき、複数の送信機が電波を送信しないように制御するステップを実行する。
具体的に、リクエストを受信すると、制御装置C10の制御部C104は、ステップS104において特定した送信機100および受信機200の電波送信を停止する。なお、制御装置C10の制御部C104は、ステップS103において特定した無線機器の動作期間に渡って送信機100および受信機200の電波送信を自動的に停止させても良い。つまり、無線電波の送信停止においては、ステップS104、ステップS105の処理は省略しても構わない。
これにより、制御装置C10の制御部C104は、無線機器の所在位置、周波数帯および動作期間に基づき、複数の送信機が送信する電波が、無線機器の電波と干渉しないように複数の送信機が電波を送信しないように制御する。
【0074】
ステップS107において、制御装置C10の制御部C104は、所定の管理者へ複数の送信機が電波を送信するように制御することを示す情報を提示する再開提示ステップを実行する。
具体的に、ユーザは、所定の会議室等の配置されている情報処理端末の入力装置を操作することにより、所定の会議室等に所在する無線機器の使用を終了したことを示す情報を、入力操作処理ページに入力する。例えば、ユーザは情報処理端末に表示された「使用を終了する」ボタン等を押下する。情報処理端末の制御部は、電波の送信を再開するためのリクエストを制御装置C10へ送信する。
制御装置C10の制御部C104は、特定した送信機100および受信機200に関連付けられた管理者にかかるユーザの情報処理端末へ、当該送信機100および受信機200に対して電波の送信を開始することを示す情報を通知する。例えば、制御装置C10の制御部C104は、「●●エリアに所在する、送信機●●、受信機●●の電波送信を再開します。よろしいですか?」などのメッセージを、管理者の情報処理端末へ送信する。情報処理端末は、受信したメッセージを表示し、管理者に対して提示する。
なお、制御装置C10の制御部C104は、ユーザによる入力操作を受け付けることなく、ステップS103において特定した動作期間経過後に、自動的にメッセージを管理者の情報処理端末へ送信しても良い。
【0075】
ステップS108において、制御装置C10の制御部C104は、再開提示ステップに応じて、所定の管理者から複数の送信機が電波を送信するように制御すること承認する承認操作を受け付ける再開承認ステップを実行する。
具体的に、管理者は、情報処理端末に表示されたメッセージを確認するとともに、情報処理端末に表示される「承認ボタン」を選択する。情報処理端末の制御部は、電波の送信を再開するためのリクエストを制御装置C10へ送信する。
【0076】
ステップS109において、制御装置C10の制御部C104は、再開承認ステップにおいて受け付けた承認操作に応じて、複数の送信機から複数の受信機に対する電力供給のための電波を送信する電波再開ステップを実行する。
具体的に、リクエストを受信すると、制御装置C10の制御部C104は、特定した送信機100および受信機200の電波送信を開始する。
【0077】
ステップS109において、制御装置C10の制御部C104は、機器取得ステップにおいて取得した無線機器の情報に基づき、電波停止ステップから所定期間経過後に、無線機器が動作していないことを判定する判定ステップを実行する。
具体的に、制御装置C10の制御部C104は、ステップS103において特定した動作期間経過後に、送信機100および受信機200の電波送信を自動的に開始させても良い。つまり、無線電波の送信再開においては、ステップS107、ステップS108の処理は省略しても構わない。
【0078】
ステップS109において、制御装置C10の制御部C104は、判定ステップにおいて無線機器が動作していないと判定した場合に、複数の送信機から複数の受信機に対する電力供給のための電波を送信する電波再開ステップを実行する。
具体的に、制御装置C10の制御部C104は、所在エリアにおける無線機器の無線電波の検出を行い、所在エリアにおける無線機器の動作有無を判定する。例えば、制御装置C10の制御部C104は、ステップS103において取得した機器情報に含まれる無線電波の周波数帯に基づき、当該周波数帯域近傍における無線電波の存在有無を検出することにより、無線機器の動作有無を判定しても良い。
制御装置C10の制御部C104は、無線機器が動作していないと判定した場合に、送信機100および受信機200の電波送信を自動的に開始させる。
これにより、他の無線機器への影響を抑制するために送信機が電波の送信を停止した場合においても、送信機は他の無線機器との電波干渉を抑制しつつ、無線による電力供給を再開することができる。
【0079】
<キャリアセンス処理(第二実施形態)>
キャリアセンス処理(第二実施形態)は、送信機が出力する電波の周波数帯と干渉しうる周波数帯に他の無線機器が電波を送信しているか否かを判定するための処理である。
【0080】
<キャリアセンス処理(第二実施形態)の概要>
キャリアセンス処理(第二実施形態)は、送信機および受信機が所在する空間に存在する他の無線機器の使用予定に関する予約情報を取得し、当該予定情報の開始日時において送受信機の電波送信を停止し、当該予定情報の終了日時において送受信機の電波送信を再開する一連の処理である。
【0081】
<キャリアセンス処理(第二実施形態)の詳細>
以下に、キャリアセンス処理(第二実施形態)の詳細を説明する。
【0082】
ステップS301において、制御装置C10の制御部C104は、空間に存在する無線機器の使用予定に関する予約情報を取得する予約取得ステップを実行する。
具体的に、制御装置C10の制御部C104は、WPTテーブルC1012を検索し、送信機100および受信機200ごとに、所在エリアおよび送受信機データの情報を取得する。
制御装置C10の制御部C104は、取得した所在エリアに基づき、不図示の会議室の予約管理システム等にアクセスし、送信機100および受信機200が存在する所在エリアの使用予定に関する情報を取得する。
制御装置C10の制御部C104は、取得した所在エリアに基づき、機器テーブルC1013の所在エリアの項目を検索し、機器データを取得する。
これにより、制御装置C10の制御部C104は、送信機100および受信機200が存在するエリアごとに、当該エリアの使用予定の期間に関する予約情報とともに、当該使用予定において使用される可能性がある無線機器の機器データ(当該エリアに存在する無線機器の機器データ)を取得し、特定することができる。
【0083】
ステップS302において、制御装置C10の制御部C104は、予約取得ステップにおいて取得した予約情報に基づき、複数の送信機から複数の受信機に対する電力供給のための電波が無線機器の電波と干渉しないように、複数の送信機が電波を送信しないように制御する電波停止ステップを実行する。
具体的に、制御装置C10の制御部C104は、ステップS301において取得した予約情報および機器データに基づき、送信機100および受信機200が使用する無線電波の周波数帯と、当該送信機100および受信機200の所在エリアに存在する無線機器の無線電波の周波数帯とが干渉するおそれがあるか否かを判定する。具体的に、制御装置C10の制御部C104は、送信機100および受信機200が使用する無線電波の周波数帯と、機器データに含まれる無線機器の無線電波の周波数帯との一部が少なくとも重なるか否かを判定する。
制御装置C10の制御部C104は、送信機100および受信機200と、無線機器とが干渉すると判定した場合は、当該予約情報に含まれる使用期間に渡って送信機100および受信機200に対して、無線信号を送信しないように制御する。具体的に、制御装置C10の制御部C104は、送信機100および受信機200に対して無線信号の送信を停止するように制御する。
【0084】
ステップS302において、電波停止ステップは、予約取得ステップにおいて取得した予約情報に含まれる、空間の使用予定の内容に応じて無線機器の周波数帯および動作期間を特定し、複数の送信機から複数の受信機に対する電力供給のための電波が無線機器の電波と干渉しないように、複数の送信機が電波を送信しないように制御するステップを実行する。
具体的に、ステップS301において制御装置C10の制御部C104が取得する予約情報は、使用予定の期間において使用する予定の無線機器を特定するための機器IDを含んでも良い。制御装置C10の制御部C104は、取得した機器IDに基づき、機器テーブルC1013の機器IDを検索することにより機器データを取得する。
この場合、制御装置C10の制御部C104は、ステップS301において取得した予約情報および機器データに基づき、送信機100および受信機200が使用する無線電波の周波数帯と、当該送信機100および受信機200の所在エリアに存在しており使用予定の無線機器の無線電波の周波数帯とが干渉するおそれがあるか否かを判定する。つまり、制御装置C10の制御部C104は、所在エリアに存在するすべての無線機器ではなく、使用予定のある無線機器のみを対象として干渉するか否かの判定を行う。
制御装置C10の制御部C104は、送信機100および受信機200と、無線機器とが干渉すると判定した場合は、当該予約情報に含まれる使用期間に渡って送信機100および受信機200に対して、無線信号を送信しないように制御する。具体的に、制御装置C10の制御部C104は、送信機100および受信機200に対して無線信号の送信を停止するように制御する。
【0085】
ステップS303において、制御装置C10の制御部C104は、予約情報に含まれる送信機100および受信機200が所在する所在エリアの使用期間と、現在日時とを比較することにより、所在エリアの使用期間が経過したか否かを判定する。制御装置C10の制御部C104は、所在エリアの使用期間が経過したと判定した場合には、所在エリアに存在する送信機100および受信機200の無線信号の送信を再開する。
これにより、制御装置C10の制御部C104は、送信機100および受信機200が存在するエリアにおいて、予約情報に応じて、予約期間に渡って送信機100および受信機200による無線信号の送信を停止することにより、エリアに存在する他の無線機器との電波干渉を抑制することができる。また、予約期間終了後に、送信機100および受信機200による無線信号の送信を自動的に再開することができる。これにより、制御装置C10の制御部C104は、送信機100および受信機200が無線信号を送信できず、機能しない期間を最小限に抑えることができる。
【0086】
なお、キャリアセンス処理(第二実施形態)においても、キャリアセンス処理(第一実施形態)と同様に、ステップS302の電波停止ステップに先立ち、停止提示ステップ(S104)、停止承認ステップ(S105)を実施しても良い。また、ステップS303の電波再開ステップに先立ち、再開提示ステップ(S107)、再開承認ステップ(S108)を実施しても良い。
【0087】
<コンピュータの基本ハードウェア構成>
図8は、コンピュータ90の基本的なハードウェア構成を示すブロック図である。コンピュータ90は、プロセッサ901、主記憶装置902、補助記憶装置903、通信IF991(インタフェース、Interface)を少なくとも備える。これらは通信バス921により相互に電気的に接続される。
【0088】
プロセッサ901とは、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアである。プロセッサ901は、演算装置、レジスタ、周辺回路等から構成される。
【0089】
主記憶装置902とは、プログラム、及びプログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものである。例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
【0090】
補助記憶装置903とは、データ及びプログラムを保存するための記憶装置である。例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等である。
【0091】
通信IF991とは、有線又は無線の通信規格を用いて、他のコンピュータとネットワークを介して通信するための信号を入出力するためのインタフェースである。
ネットワークは、インターネット、LAN、無線基地局等によって構築される各種移動通信システム等で構成される。例えば、ネットワークには、3G、4G、5G移動通信システム、LTE(Long Term Evolution)、所定のアクセスポイントによってインターネットに接続可能な無線ネットワーク(例えばWi-Fi(登録商標))等が含まれる。無線で接続する場合、通信プロトコルとして例えば、Z-Wave(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等が含まれる。有線で接続する場合は、ネットワークには、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等により直接接続するものも含む。
【0092】
なお、各ハードウェア構成の全部または一部を複数のコンピュータ90に分散して設け、ネットワークを介して相互に接続することによりコンピュータ90を仮想的に実現することができる。このように、コンピュータ90は、単一の筐体、ケースに収納されたコンピュータ90だけでなく、仮想化されたコンピュータシステムも含む概念である。
【0093】
<コンピュータ90の基本機能構成>
コンピュータ90の基本ハードウェア構成(図8)により実現されるコンピュータの機能構成を説明する。コンピュータは、制御部、記憶部、通信部の機能ユニットを少なくとも備える。
【0094】
なお、コンピュータ90が備える機能ユニットは、それぞれの機能ユニットの全部または一部を、ネットワークで相互に接続された複数のコンピュータ90に分散して設けても実現することができる。コンピュータ90は、単一のコンピュータ90だけでなく、仮想化されたコンピュータシステムも含む概念である。
【0095】
制御部は、プロセッサ901が補助記憶装置903に記憶された各種プログラムを読み出して主記憶装置902に展開し、当該プログラムに従って処理を実行することにより実現される。制御部は、プログラムの種類に応じて様々な情報処理を行う機能ユニットを実現することができる。これにより、コンピュータは情報処理を行う情報処理装置として実現される。
【0096】
記憶部は、主記憶装置902、補助記憶装置903により実現される。記憶部は、データ、各種プログラム、各種データベースを記憶する。また、プロセッサ901は、プログラムに従って記憶部に対応する記憶領域を主記憶装置902または補助記憶装置903に確保することができる。また、制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ901に、記憶部に記憶されたデータの追加、更新、削除処理を実行させることができる。
【0097】
データベースは、リレーショナルデータベースを指し、行と列によって構造的に規定された表形式のテーブル、マスタと呼ばれるデータ集合を、互いに関連づけて管理するためのものである。データベースでは、表をテーブル、マスタ、表の列をカラム、表の行をレコードと呼ぶ。リレーショナルデータベースでは、テーブル、マスタ同士の関係を設定し、関連づけることができる。
通常、各テーブル、各マスタにはレコードを一意に特定するための主キーとなるカラムが設定されるが、カラムへの主キーの設定は必須ではない。制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ901に、記憶部に記憶された特定のテーブル、マスタにレコードを追加、削除、更新を実行させることができる。
また、記憶部に、データ、各種プログラム、各種データベースを記憶させることにより、本開示にかかる情報処理装置、情報処理システムが製造されたものとして捉えることができる。
【0098】
なお、本開示におけるデータベース、マスタは、情報が構造的に規定された任意のデータ構造体(リスト、辞書、連想配列、オブジェクトなど)を含み得る。データ構造体には、データと、任意のプログラミング言語により記述された関数、クラス、メソッドなどを組み合わせることにより、データ構造体と見なし得るデータも含むものとする。
【0099】
通信部は、通信IF991により実現される。通信部は、ネットワークを介して他のコンピュータ90と通信を行う機能を実現する。通信部は、他のコンピュータ90から送信された情報を受信し、制御部へ入力することができる。制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ901に、受信した情報に対する情報処理を実行させることができる。また、通信部は、制御部から出力された情報を他のコンピュータ90へ送信することができる。
【0100】
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を以下に付記する。
【0101】
(付記1)
複数の送信機と、複数の受信機と、複数の送信機を制御可能な制御装置と、から構成される無線給電システムにおいて、複数の送信機(100)は、複数の受信機(200)に対して無線により電力供給が可能であり、制御装置(C10)は、第1期間ごとに、第2期間に渡って複数の送信機が電波を送信しないように制御可能であり、制御装置(C10)は、第2期間において、複数の送信機および複数の受信機が配置された空間内におけるキャリアセンス制御を実行する、無線給電システム。
複数の送信機および複数の受信機から構成される無線給電システムにおいて、適切にキャリアセンス制御を実行することができる。これにより、それぞれの送受信機が送信する電波が、他の無線機器に与える影響を抑制することができる。
【0102】
(付記2)
制御装置(C10)は、複数の送信機と有線接続を介して制御可能な、付記1記載の無線給電システム。
これにより、他の無線機器の影響を受けることなく、送受信機の電波送信を制御することができる。
【0103】
(付記3)
制御装置(C10)は、複数の送信機と無線接続を介して制御可能な、付記1記載の無線給電システム。
これにより、有線による接続が難しい位置に配置された送受信機に対しても、送受信機の電波送信を制御することができる。
【0104】
(付記4)
制御装置(C10)は、キャリアセンス制御の結果に基づき、第1期間および第2期間の少なくともいずれか1つを動的に制御する、付記1から3のいずれか記載の無線給電システム。
これにより、キャリアセンス制御の結果に応じて、柔軟に送受信機の電波送信を制御することができる。
【0105】
(付記5)
制御装置(C10)は、送信機が出力する電波の周波数帯と干渉しうる周波数帯に他の無線機器が電波を送信しているか否かを判定するためのキャリアセンス制御を実行する、付記1から4のいずれか記載の無線給電システム。
これにより、空間内に他の無線機器が存在するか否かを判定することが可能な無線給電システムを提供することができる。
【0106】
(付記6)
制御装置(C10)は、キャリアセンス制御により空間内に動作中の他の無線機器が存在することを検知した場合には、無線機器の動作中の期間は少なくとも、複数の送信機が電波を送信しないように制御する電波停止ステップ(S106,S302)を実行する、付記1から5のいずれか記載の無線給電システム。
これにより、空間内に存在する他の無線機器との電波干渉を抑制することができる無線給電システムを提供することができる。
【0107】
(付記7)
制御装置(C10)は、所定の管理者へ複数の送信機が電波を送信するように制御することを示す情報を提示する再開提示ステップ(S107)と、再開提示ステップに応じて、所定の管理者から複数の送信機が電波を送信するように制御すること承認する承認操作を受け付ける再開承認ステップ(S108)と、再開承認ステップにおいて受け付けた承認操作に応じて、複数の送信機から複数の受信機に対する電力供給のための電波を送信する電波再開ステップ(S109)と、電波停止ステップに先立ち、所定の管理者へ複数の送信機が電波を送信しないように制御することを示す情報を提示する停止提示ステップ(S104)と、停止提示ステップに応じて、所定の管理者から複数の送信機が電波を送信しないように制御すること承認する承認操作を受け付ける停止承認ステップ(S105)と、を実行し、電波停止ステップ(S106)は、停止承認ステップにおいて受け付けた承認操作に応じて、複数の送信機が電波を送信しないように制御するステップである、付記6記載の無線給電システム。
これにより、送受信機の電波送信の停止、電波送信の再開時に、無線給電システムの管理者へ通知を行い、当該通知に対する承認に応じて停止、再開を行うことができる。法令、規則等に従い所定の管理者の指示に従い、無線給電システムを制御することができる。
【0108】
(付記8)
制御装置(C10)は、空間内の他の無線機器の情報を取得する機器取得ステップ(S103)と、機器取得ステップにより取得した無線機器の情報に基づき、複数の送信機が電波を送信しないように制御する電波停止ステップ(S106)と、を実行する、付記1記載の無線給電システム。
これにより、空間内に存在する他の無線機器との電波干渉を抑制することができる無線給電システムを提供することができる。
【0109】
(付記9)
機器取得ステップ(S103)は、無線機器の所在位置、周波数帯および動作期間の情報を取得するステップであり、電波停止ステップ(S106)は、無線機器の所在位置、周波数帯および動作期間に基づき、複数の送信機が送信する電力供給のための電波が、無線機器の電波と干渉しないように複数の送信機が電波を送信しないように制御するステップである、付記8記載の無線給電システム。
これにより、空間内に存在する他の無線機器との電波干渉を抑制しつつ、無線による電力供給を行うことが可能な無線給電システムを提供することができる。
【0110】
(付記10)
制御装置(C10)は、無線機器の情報を記憶する機器記憶ステップ(S101)と、ユーザから、機器記憶ステップにおいて記憶した無線機器の情報の入力操作を受け付ける機器受付ステップ(S102)と、を実行し、機器取得ステップ(S103)は、機器受付ステップにおいて受け付けた無線機器の情報を取得するステップである、付記8または9記載の無線給電システム。
これにより、ユーザから受け付けた空間内に存在する他の無線機器との電波干渉を抑制することができる無線給電システムを提供することができる。
【0111】
(付記11)
制御装置(C10)は、機器取得ステップにおいて取得した無線機器の情報に基づき、電波停止ステップから所定期間経過後に、無線機器が動作していないことを判定する判定ステップ(S109,S303)と、判定ステップにおいて無線機器が動作していないと判定した場合に、複数の送信機から複数の受信機に対する電力供給のための電波を送信する電波再開ステップ(S109,S303)と、を実行する、付記8から10のいずれか記載の無線給電システム。
これにより、他の無線機器への影響を抑制するために送信機が電波の送信を停止した場合においても、送信機は他の無線機器との電波干渉を抑制しつつ、無線による電力供給を再開することができる。
【0112】
(付記12)
制御装置(C10)は、空間に存在する無線機器の使用予定に関する予約情報を取得する予約取得ステップ(S301)と、予約取得ステップにおいて取得した予約情報に基づき、複数の送信機から複数の受信機に対する電力供給のための電波が無線機器の電波と干渉しないように、複数の送信機が電波を送信しないように制御する電波停止ステップ(S302)と、を実行する、付記1記載の無線給電システム。
これにより、空間内に存在する他の無線機器との電波干渉を抑制することができる無線給電システムを提供することができる。
【0113】
(付記13)
電波停止ステップ(S302)は、予約取得ステップにおいて取得した予約情報に含まれる、空間の使用予定の内容に応じて無線機器の周波数帯および動作期間を特定し、複数の送信機から複数の受信機に対する電力供給のための電波が無線機器の電波と干渉しないように、複数の送信機が電波を送信しないように制御するステップである、付記12記載の無線給電システム。
これにより、空間内に存在する他の無線機器との電波干渉を抑制することができる無線給電システムを提供することができる。
【0114】
(付記14)
付記1~3のいずれか記載の第1無線給電システムと、付記1~3のいずれか記載の第2無線給電システムと、を含むシステムにおいて、第1無線給電システムに含まれる複数の第1送信機および、第2無線給電システムに含まれる複数の第2送信機は、第3期間に渡って第1送信機および第2送信機が電波を送信しないように制御可能なシステム。
これにより、空間内に異なる複数の無線給電システムが存在する場合においても、それぞれの送受信機が送信する電波が、他の無線機器に与える影響を抑制することができる。
【0115】
(付記15)
付記1~13のいずれか記載の無線給電システムにおいて、キャリアセンス制御を行わせることが可能な送信機。
複数の送信機および複数の受信機から構成される無線給電システムにおいて、それぞれの送受信機が送信する電波が、他の無線機器に与える影響を抑制することができる。
【符号の説明】
【0116】
1 WPTシステム、300 第1情報処理装置、3001 記憶部、3004 制御部、3006 入力装置、3008 出力装置、400 第2情報処理装置、4001 記憶部、4004 制御部、4006 入力装置、4008 出力装置、C10 制御装置、C101 記憶部、C104 制御部、C106 入力装置、C108 出力装置、100 送信機、200 受信機


【要約】
【課題】無線給電システムにおいて、それぞれの送受信機が送信する電波が、他の無線機器に影響を与えてしまう課題がある。
【解決手段】複数の送信機と、複数の受信機と、複数の送信機を制御可能な制御装置と、から構成される無線給電システムにおいて、複数の送信機は、複数の受信機に対して無線により電力供給が可能であり、制御装置は、第1期間ごとに、第2期間に渡って複数の送信機が電波を送信しないように制御可能であり、制御装置は、第2期間において、複数の送信機および複数の受信機が配置された空間内におけるキャリアセンス制御を実行する、無線給電システム。
【選択図】 図6
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8