(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-28
(45)【発行日】2024-03-07
(54)【発明の名称】管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/12 20120101AFI20240229BHJP
G06Q 10/087 20230101ALI20240229BHJP
【FI】
G06Q50/12
G06Q10/087
(21)【出願番号】P 2023103221
(22)【出願日】2023-06-23
(62)【分割の表示】P 2020126103の分割
【原出願日】2020-07-27
【審査請求日】2023-06-23
(73)【特許権者】
【識別番号】520208122
【氏名又は名称】NOT A HOTEL株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】▲浜▼渦 伸次
【審査官】岡北 有平
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2006/000016(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/217910(WO,A1)
【文献】特開平09-128609(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
宿泊施設の複数の客室にそれぞれ設置された複数の冷蔵庫
又は商品保管庫内の在庫を個別に管理する冷蔵庫
又は商品保管庫の管理システムであって、
前記複数の冷蔵庫
又は商品保管庫のそれぞれにネットワークを介して接続された管理端末を備え、
前記冷蔵庫
又は商品保管庫は、
宿泊客により前記冷蔵庫
又は商品保管庫内から商品が取り出される動作を検知するセンサと、
前記センサにより前記動作が検知された商品の決済用情報を前記管理端末に送信する決済用情報送信部と、を備え、
前記管理端末は、
前記冷蔵庫
又は商品保管庫から送信される前記決済用情報を受信する決済用情報受信部と、
前記決済用情報受信部が受信した前記決済用情報に基づいて、前記商品の決済処理を行う決済処理部と、
それぞれの前記宿泊客が前記冷蔵庫又は商品保管庫内から取り出した商品に基づく宿泊客毎の購買履歴情報を記憶する記憶部と、
前記購買履歴情報に基づいて設定された宿泊客毎の嗜好情報に基づいて、前記冷蔵庫又は商品保管庫への各商品の補充の要否を判断する補充要否判断部と、
を備える、
管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の
管理システムにおいて、
前記
記憶部は、
前記冷蔵庫
又は商品保管庫の在庫状態を示す在庫情報を前記宿泊客毎に記憶する
とともに、
前記冷蔵庫
又は商品保管庫内の各商品の補充を必要とする在庫数量を記憶
し、
前記補充要否判断部は、さらに前記
記憶部の各記憶内容に基づき、前記補充の要否を判断す
る、
管理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の
管理システムにおいて、
前記管理端末は、
前記補充を必要とする商品について補充数量を含む補充指示情報を生成する補充指示情報生成部と、
前記補充指示情報生成部が生成した前記補充指示情報を前記商品の配送元となる配送者端末に送信する補充指示情報送信部と、を備える、
管理システム。
【請求項4】
請求項2に記載の
管理システムにおいて、
前記管理端末は、
前記補充要否判断部の判断結果に基づいて、前記
記憶部に記憶されている前記在庫情報を前記宿泊客毎に更新する在庫情報更新部を備える、
管理システム。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の
管理システムにおいて、
前記センサは、前記宿泊客により前記冷蔵庫
又は商品保管庫内から取り出された商品が再び前記冷蔵庫
又は商品保管庫内に差し戻される動作をも検知するものであって、
前記管理端末は、
前記決済用情報受信部が受信した前記決済用情報のうち、再び前記冷蔵庫
又は商品保管庫内に差し戻された商品についての決済用情報を修正し、その修正した決済用情報を前記決済処理部に送信する決済用情報修正部を備える、
管理システム。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の
管理システムにおいて、
前記冷蔵庫
又は商品保管庫は、
前記冷蔵庫
又は商品保管庫内に設置された複数の商品の重量を個別に検出する重量センサと、
前記重量センサが検出した重量に基づき、前記宿泊客による商品の取り出し前後の重量変化が予め定められた閾値を超える場合、前記冷蔵庫
又は商品保管庫の異常を示す異常信号を前記管理端末に送信する不正行為監視部と、を備える、
管理システム。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の
管理システムにおいて、
前記センサは、前記商品が取り出される動作を、各商品に付されたRFIDを用いた通信により検知する、
管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、宿泊施設の複数の客室にそれぞれ設置された冷蔵庫内の在庫を個別に管理する冷蔵庫管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ホテル等の宿泊施設を利用する宿泊客からは、複数の客室にそれぞれ設置された冷蔵庫内の商品を購入した際における利便性の向上を求める声が高まっている。
【0003】
かような背景の下、例えば、特許文献1には、冷蔵庫内の商品を利用した宿泊客がチェックアウトする際のビル明細加算処理時間を短縮し得る自動課金装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1は、宿泊客がチェックアウトする際に、クレジットカード又は現金等による決済作業があり、人手が介在している。従って、利便性の向上を求める宿泊客の要望に十分に応えたものとはいえない。
【0006】
そこで、本発明は、宿泊施設の複数の客室にそれぞれ設置された冷蔵庫内の商品を利用する宿泊客の決済作業を極限まで削減することのできる冷蔵庫管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様における、冷蔵庫管理システムは、宿泊施設の複数の客室にそれぞれ設置された複数の冷蔵庫内の在庫を個別に管理する冷蔵庫管理システムであって、前記複数の冷蔵庫のそれぞれにネットワークを介して接続された管理端末を備え、前記冷蔵庫は、宿泊客により前記冷蔵庫内から商品が取り出される動作を検知するセンサと、前記センサにより前記動作が検知された商品の決済用情報を前記管理端末に送信する決済用情報送信部と、を備え、前記管理端末は、前記冷蔵庫から送信される前記決済用情報を受信する決済用情報受信部と、前記受信部が受信した前記決済用情報に基づいて、前記商品の決済処理を行う決済処理部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、宿泊施設の複数の客室にそれぞれ設置された冷蔵庫内の商品を利用する宿泊客の決済作業を極限まで削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第一実施形態に係る冷蔵庫管理システム1を示すブロック構成図である。
【
図2】
図1の冷蔵庫100の機能ブロック構成図である。
【
図3】
図1の管理端末200を示す機能ブロック構成図である。
【
図4】管理端末200に格納される宿泊施設データの一例を示す図である。
【
図5】管理端末200に格納されるユーザデータの一例を示す図である。
【
図6】本発明の第一実施形態に係る、冷蔵庫管理方法に係るフローチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではない。また、実施形態に示される構成要素のすべてが、本開示の必須の構成要素であるとは限らない。
【0011】
(実施形態1)
<構成>
図1は、本発明の第一実施形態に係る冷蔵庫管理システム1を示すブロック構成図である。本システム1は、複数の冷蔵庫100と、管理端末200と、カード会社システム300と、配送者端末400と、を有する。
【0012】
複数の冷蔵庫100と、管理端末200と、カード会社システム300と、配送者端末400とは、各々、ネットワークNWを介して接続される。ネットワークNWは、インターネット、イントラネット、無線LAN(Local Area Network)又はWAN(Wide Area Network)等により構成される。
【0013】
冷蔵庫100は、宿泊施設の複数の客室にそれぞれ設置される。「冷蔵庫」の概念には、電化製品のうち、冷蔵機能のみを有する機器、冷凍機能のみを有する機器、および、その両方の機能を有する機器が含まれ得る。本実施形態で想定される冷蔵庫100は、例えば、ホテルの客室に設置される業務用途の冷蔵庫であり得る。
【0014】
ここで、冷蔵庫100が行った処理、動作、ユーザが電化製品に行った操作などに関する情報は、ログ情報として記録される。ログ情報は、例えば、電化製品の運転状況又は動作日時を示す情報などの、冷蔵庫100から取得が可能な種々の情報を含み得る。ログ情報の一例としては、冷蔵庫100の庫内の設定温度を示す情報、冷蔵庫100の周辺温度を示す情報、冷蔵庫100の庫内温度を示す情報、冷蔵庫100の開閉履歴(開閉日時および/または開閉回数)を示す情報、冷蔵庫100の駆動系(コンプレッサーのモータ)の回転数を示す情報、冷蔵庫100のフィルターの掃除履歴に関する情報などを挙げることができる。
【0015】
冷蔵庫100は、宿泊客により冷蔵庫100内から商品が取り出される動作を検知するセンサ110Aと、冷蔵庫内に設置された複数の商品の重量を個別に検出する重量センサ110Bとを備える。なお、
図1では、これらセンサ110A、110Bを総称して、「センサ110」と表記している。センサ110Aは、冷蔵庫100内から商品が取り出される動作を、各商品に付された(例えば、各商品の表面に貼付等された)RFID(Radio Frequency Identifier)タグ(RFIDチップ)を用いた通信により検知することが好ましい。なぜなら、RFIDは電力効率が比較的高いにも関わらず、その単価が下がり続けており(例えば一個当たり5円~10円)、安価でありながら確実かつ高精度に、冷蔵庫100内から商品が取り出される動作を検出することができるからである。また、センサ110Aは、後述する決済用情報の修正の観点から、宿泊客により冷蔵庫100内から取り出された商品が再び冷蔵庫内に差し戻される動作をも検知するものであることが好ましい。
【0016】
重量センサ110Bは、公知の重量センサからなり、冷蔵庫100内に収容された商品の重さに応じた信号を、後述する制御部140の不正行為監視部142に送信する。
【0017】
管理端末200は、一または複数の宿泊施設を運営するサービス提供者によって管理されてもよい。管理端末200は、複数の冷蔵庫100のそれぞれにネットワークNWを介して接続され、それぞれの冷蔵庫100内の在庫を個別に管理する。管理端末200は、例えば、ワークステーション又はパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、或いはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。本実施形態においては、説明の便宜上サーバ端末として1台を例示しているが、これに限定されず、複数台であってもよい。
【0018】
カード会社システム300は、複数存在し、それぞれ異なる電子マネー又はクレジットカードを取り扱う。カード会社システム300で交換可能な電子マネーとは、例えば、Apple pay(登録商標)、PayPal(登録商標)、Alipay(登録商標)、WeChatpay(登録商標)等であり得る。
【0019】
本実施形態では、カード会社システム300において、宿泊客の個人情報DB301が管理されており、宿泊客の数だけ個人情報DB301も複数存在する。より具体的に、各社の個人情報DB301は、宿泊客の電子マネー番号又はクレジットカード番号に紐付けて本人の住所・氏名・電話番号等の個人情報を記憶している。また、個人情報DB301は、ICチップ固有の識別子に紐付けて、ICチップ所有者の住所・氏名・電話番号等を記憶しても良い。本実施形態では、説明の便宜上、個人情報DB301は、カード会社システム300の管理下にあるが、必ずしも管理下にある必要はない。
【0020】
配送者端末400は、出荷用に揃えた商品の配送元となる集荷拠点に設置される。この集荷拠点では、配送者端末400において出荷指示が受信され、その指示された商品を各生産者から集める。集められた各商品は、集荷拠点から図示しない配送網を通じて配送先であるホテル等の宿泊施設に届けられる。
【0021】
図2は、
図1の冷蔵庫100の機能ブロック構成図である。冷蔵庫100は、通信部120と、記憶部130と、制御部140とを備える。
【0022】
通信部120は、ネットワークNWを介して管理端末200と通信を行うための通信インターフェースであり、例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等の通信規約により通信が行われる。
【0023】
記憶部130は、各種制御処理又は制御部140内の各機能を実行するためのプログラム、入力データ等を記憶するものであり、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等から構成される。さらに、記憶部130は、管理端末200と通信を行ったデータを一時的に記憶することもできる。なお、各種データを格納したデータベース(図示せず)が記憶部130または冷蔵庫100外に構築されていてもよい。
【0024】
制御部140は、記憶部130に記憶されているプログラムを実行することにより、冷蔵庫100の全体の動作を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)又はGPU(Graphics Processing Unit)等から構成される。制御部140は、決済用情報送信部141、不正行為監視部142等を有する。この決済用情報送信部141、不正行為監視部142は、記憶部130に記憶されているプログラムにより起動されてコンピュータ(電子計算機)により実行される。
【0025】
決済用情報送信部141は、上述したセンサ110Aにより冷蔵庫100内から商品が取り出される動作が検知された商品の決済用情報を管理端末200に送信する機能を有する。この決済用情報には、宿泊客を識別する識別情報の他に、決済対象商品の属性、決済金額、および、宿泊施設の情報が含まれ得る。宿泊施設の情報には、宿泊施設に関連する各種データ(例えば、宿泊施設ID、基本情報、施設情報、及び周辺情報等)の他に、宿泊施設からのキャンペーン情報等が含まれ得る。なお、宿泊施設に関連する宿泊施設データの詳細については
図4を参照しつつ後述する。
【0026】
不正行為監視部142は、冷蔵庫100が備える重量センサ110Bが検出した重量に基づき、宿泊客による商品の取り出し前後の重量変化が予め定められた閾値を超える場合、冷蔵庫100の異常を示す異常信号を管理端末200に送信する機能を有する。冷蔵庫100内に商品が収容されていると、重量センサ110Bからの信号は、商品の重さに応じた信号となる。このため、不正行為監視部142は、冷蔵庫100内から商品が取り出されてから例えば所定時間が経過した後の重量センサ110Bからの信号が同じ重さを示すものであると、冷蔵庫100内から正常に商品が取り出されたと判断する。一方、不正行為監視部142は、重量センサ110Bからの信号に基づき、冷蔵庫100内から商品が取り出されたと判断した後に、所定時間が経過する前に、商品の取り出し前後の重量変化が予め定められた閾値を超えた場合に、例えば宿泊客が空瓶だけを冷蔵庫100内に戻す等して不正な行為が行われたものとして、冷蔵庫100の異常を示す異常信号を管理端末200に送信する。
【0027】
図3は、
図1の管理端末200を示す機能ブロック構成図である。管理端末200は、通信部210と、記憶部220と、制御部230とを備える。
【0028】
通信部210は、ネットワークNWを介して複数の冷蔵庫100、カード会社システム300、又は、配送者端末400と通信を行うための通信インターフェースであり、例えばTCP/IP等の通信規約により通信が行われる。
【0029】
記憶部220は、各種制御処理又は制御部230内の各機能を実行するためのプログラム、入力データ等を記憶するものであり、RAM又はROM等から構成される。記憶部220は、複数の冷蔵庫100、カード会社システム300、又は、配送者端末400との通信内容を一時的に記憶している。記憶部220は、在庫情報記憶部221、発注点記憶部222等を有する。
【0030】
在庫情報記憶部221は、冷蔵庫100の在庫状態を示す在庫情報を宿泊客毎に記憶する機能を有する。在庫情報には、宿泊客毎に冷蔵庫100から取り出された商品の種類及びその数量を含む使用データの他、宿泊客毎に冷蔵庫100内に現在保温・保冷等されている庫内商品の種類及びその数量が含まれ得る。例えば、在庫情報記憶部221は、かかる使用データを宿泊客に関連する各種データに紐づけて保持する。なお、宿泊客に関連するユーザデータの詳細については
図5を参照しつつ後述する。
【0031】
発注点記憶部222は、冷蔵庫100内の各商品の補充を必要とする在庫数量を記憶する機能を有する。ここで、発注点とは、商品ごとに任意で設定されるものであり、次の発注を行う条件であり得る。発注点には少なくとも次の発注を行うタイミングに係る条件が含まれ、さらに1回の発注における発注数量の設定を含むことも可能である。例えば飲料水又はドリンク類のペットボトルの在庫について、在庫が残り2本になった際に、追加で5本発注を行うといったルールを発注条件として設定し得る。
【0032】
制御部230は、記憶部220に記憶されているプログラムを実行することにより、管理端末200の全体の動作を制御するものであり、CPU又はGPU等から構成される。制御部230は、決済用情報受信部231、決済処理部232、補充要否判断部233、補充指示情報生成部234、補充指示情報送信部235、在庫情報更新部236、決済用情報修正部237等を有する。この決済用情報受信部231、決済処理部232、補充要否判断部233、補充指示情報生成部234、補充指示情報送信部235、在庫情報更新部236、決済用情報修正部237は、記憶部220に記憶されているプログラムにより起動されてコンピュータ(電子計算機)により実行される。
【0033】
決済用情報受信部231は、各冷蔵庫100から通信部210を介して送信されてくる決済用情報を受信する機能を有する。
【0034】
決済処理部232は、決済用情報受信部231が受信した決済用情報に基づいて、宿泊客により冷蔵庫100内から取り出された商品の決済処理を行う機能を有する。具体的に、決済処理部232は、記憶部220に予めインストールされたクレジット決済用アプリケーションを起動して、通信部210を介してカード会社システム300との間で通信を行って決済処理を行い得る。ここでの決済処理には、商品の取引に係る合計金額又は税額の表示、宿泊客から事前の承認を得て預かった預り金に基づいて釣銭を計算して表示する処理等が含まれ得る。この表示は、例えば、宿泊客が所有するスマートフォンまたはタブレット端末等の端末画面を介して行われる。
【0035】
補充要否判断部233は、在庫情報記憶部221並びに発注点記憶部222の各記憶内容に基づき、冷蔵庫100内の各商品の補充の要否を判断する機能を有する。
【0036】
補充指示情報生成部234は、冷蔵庫100内の補充を必要とする商品について補充数量を含む補充指示情報を生成する機能を有する。この補充指示情報には、補充数量の他に、例えば、補充が必要な商品ID、商品名、価格等の商品情報、補充量、補充先の宿泊客に関連する各種データを含まれ得る。
【0037】
補充指示情報送信部235は、補充指示情報生成部234が生成した補充指示情報を商品の配送元となる配送者端末400に送信する機能を有する。
【0038】
在庫情報更新部236は、補充要否判断部233の判断結果に基づいて、在庫情報記憶部221に記憶されている在庫情報を宿泊客毎に更新する機能を有する。
【0039】
決済用情報修正部237は、決済用情報受信部231が受信した決済用情報のうち、宿泊客により再び冷蔵庫100内に差し戻された商品についての決済用情報を修正し、その修正した決済用情報を決済処理部232に送信する機能を有する。
【0040】
図4は、管理端末200に格納される宿泊施設データの一例を示す図である。
【0041】
図4に示す宿泊施設データ1000は、宿泊施設に関連する各種データを格納する。
図4において、説明の便宜上、一宿泊施設(宿泊施設ID「10001」で識別される宿泊施設)の例を示すが、複数の宿泊施設に関する情報を格納することができる。宿泊施設に関連する各種データとして、例えば、宿泊施設の基本情報(施設名、住所、宿泊プラン(料金)、アクセス(交通手段等))、施設情報(部屋情報(部屋タイプ、グレード別)、設備情報(部屋内、施設内の設備)、飲食施設情報(レストラン、カフェ、バー等)、レクリエーション施設(ボーリング場、カラオケ、プール、ゴルフ場、プライベートビーチ、アスレチック等)、周辺情報(宿泊施設周辺の観光地、飲食施設(レストラン等)、その他レンタカー、シャトル等の情報)、レクリエーション施設情報(ゴルフ場、遊園地、動物園、水族館等、サービス情報(シュノーケリング体験、ダイビング体験、トレッキング体験等)、交通情報(バス、タクシー、鉄道、航空等)が挙げられる。
【0042】
図5は、管理端末200に格納されるユーザデータの一例を示す図である。
【0043】
図5に示すユーザデータ2000は、宿泊客に関連する各種データを格納する。
図5において、説明の便宜上、一宿泊客(宿泊客ID「20001」で識別される宿泊客)の例を示すが、複数の宿泊客の情報を格納することができる。宿泊客に関連する各種データとして、例えば、宿泊客の基本情報(宿泊客の氏名、住所、Eメールアドレス等の連絡先、年齢、性別、嗜好等)、宿泊履歴情報(宿泊客が宿泊した宿泊施設名、部屋タイプ、利用した設備、飲食施設等)、旅行履歴情報(宿泊客が過去に宿泊先で利用した旅行計画(旅行計画ID等を含む))、決済情報(宿泊施設料、旅行計画に含まれる交通手段、施設、プラン等を予約/決済するために必要な情報)等が挙げられる。
【0044】
<処理の流れ>
図6を参照しながら、本実施形態の冷蔵庫管理システム1が実行する冷蔵庫管理方法の処理の流れについて説明する。
図6は、本発明の第一実施形態に係る、冷蔵庫管理方法に係るフローチャートの一例である。
【0045】
まず、宿泊客が冷蔵庫100内から商品を取り出す(ステップS101)。そして、この取り出し動作がセンサ110Aによって検知される(ステップS102)。続いて、冷蔵庫10の制御部140が備える決済用情報送信部141は、取り出し動作が検知された商品の決済用情報を、通信部120を介して管理端末200に送信する(ステップS103)。
【0046】
ここで、同じ/異なる種類の商品の取り出しが連続して行われる場合には、ステップS101~ステップS103に相当する処理を商品の取り出し回数に等しい回数だけ反復して実行される。この反復処理によれば、管理端末200の記憶部220に商品購入の履歴データが蓄積されていく。これにより、宿泊客(特には連泊客)の嗜好に合わせて宿泊客毎に冷蔵庫100の中身を最適化(オプティマイズ)する所謂マイルーム設定機能の他、宿泊客毎に冷蔵庫100の中身をカスタマイズする所謂レコメンド機能(宿泊客の好みにあった物品・それに付随するサービスを推薦する機能)が実現され得る。
【0047】
ここで、宿泊客の嗜好を示す嗜好情報の一例として、宿泊客が要求する客室内の空間内における環境(温度、湿度、風量等)、宿泊客のアレルギー(魚卵(いくらなど)、ピーナッツ、果物、そば、甲殻類(エビ・カニ等)などの食物アレルギー)の有無、嗜好品である酒類・アルコール飲料(ビール、ワイン、ブランデー等)の消費量等を挙げることができる。また、嗜好情報は、宿泊客の過去の購買履歴等に基づいて設定され、本人の嗜好を反映する情報となり得るものである。
【0048】
次に、管理端末200では、その制御部230が備える決済用情報受信部231が冷蔵庫100から通信部210を介して送信されてくる決済用情報を受信すると(ステップS104)、その制御部230が備える決済処理部232は、決済用情報に基づいて、冷蔵庫100内から取り出された商品の決済処理を行う(ステップS105)。
【0049】
また、制御部230が備える補充要否判断部233は、決済用情報の受信に連動して、在庫情報記憶部221並びに発注点記憶部222の各記憶内容に基づき、冷蔵庫100内の各商品の補充の要否を判断する(ステップS106)。具体的に、補充要否判断部233は、在庫情報記憶部221に格納されている在庫数量と、発注点記憶部222に予め設定されている発注点データとを比較し、当該発注点データにより表される在庫数量に比べて冷蔵庫100内の在庫数が少なくなったときには、商品の「補充要」と判断され、その判断を示す情報が補充指示情報生成部234に送信される(ステップS106におけるYES)。
【0050】
「補充要」の判断を示す情報を受け取った補充指示情報生成部234では、冷蔵庫100内の補充を必要とする商品について補充数量を含む補充指示情報が生成される(ステップS107)。そして、補充指示情報送信部235は、補充指示情報生成部234が生成した補充指示情報を、商品の配送元となる配送者端末400に送信する(ステップS108)。
【0051】
ここで、補充指示情報において補充日時が指定されている場合には、当該日時に補充商品が宿泊施設に配送されることを指示する情報が含まれ得る。また、補充指示情報において補充形態が指定されており、例えば、常に最大在庫量となるように商品の補充を行うことが指示されているような場合には、最大在庫量となる商品補充数量が補充指示情報に含まれ得る。また例えば、宿泊客の嗜好に合わせた商品の補充を行うことが指示されているような場合には、酒類等の嗜好品を含む商品の補充数量が補充指示情報に含まれ得る。
【0052】
ステップS108において補充指示情報が配送者端末400に対して送信されると(配送者端末400から受信完了通知を受け取ると)、当該補充指示情報に基づいて、在庫情報更新部236は、在庫情報記憶部221に記憶されている在庫情報を宿泊客毎に更新する(ステップS109)。こうした在庫チェックによって、管理端末200では、リアルタイムで、補充すべき商品並びにその数量を把握・管理できる。従って、各冷蔵庫100においては在庫切れが発生することがない。
【0053】
一方、商品の配送元となる集荷拠点においては、その配送者端末400が管理端末200から補充指示情報を受け取ると、補充商品を取り揃え(ステップS110)、指定された補充日時がある場合には、その日時に指定数量分の商品を補充する(ステップS111)。
【0054】
以上のように、本実施形態によれば、宿泊客により冷蔵庫100内から商品が取り出される動作が、冷蔵庫100のセンサ110AにおいてRFIDを用いた通信により検知されることに加え、管理端末200の決済処理部232においてクレジット決済用アプリケーションの起動による商品の決済処理が行われる。
【0055】
このように、RFIDを用いた検知処理と、クレジット決済用アプリケーションを用いた決済処理とを連携させることで、これらの処理に人手が入り込む余地を極限まで削減することが可能となる。この結果、宿泊施設の複数の客室にそれぞれ設置された冷蔵庫内の商品を利用する宿泊客の決済作業を極限まで削減することができる。
【0056】
また、本実施形態によれば、比較的安価なRFIDを用いて、宿泊客の商品購入を管理するログ情報を得るために必要なセンサ110Aを構成できるので、回路構成がシンプルでシステム全体のコストを削減することが可能となる。
【0057】
また、本実施形態によれば、宿泊客の過去の購買履歴等に基づいて設定された嗜好情報に基づいて、宿泊客(特には連泊客)毎に冷蔵庫100の中身を最適化(オプティマイズ)したり、宿泊客毎に冷蔵庫100の中身をカスタマイズしたりすることが可能となる。これにより、宿泊客は、宿泊施設での滞在を存分に堪能することができる。
【0058】
以上、開示に係る実施形態について説明したが、これらはその他の様々な形態で実施することが可能であり、種々の省略、置換および変更を行なって実施することが出来る。これらの実施形態および変形例ならびに省略、置換および変更を行なったものは、特許請求の範囲の技術的範囲とその均等の範囲に含まれる。
【0059】
なお、上記の実施形態では、冷蔵庫100内から商品が取り出される動作を、各商品に付されたRFIDタグ(RFIDチップ)を用いた通信により検知する例を示した。しかし、これに限らない。かようなセンサとしては、冷蔵庫100内から商品が取り出される動作を検知し得るものであれば任意の構成を適用できる。
【0060】
本発明はワインセラー(例えば置きワインセラー等)の用途にも適用可能である。
【符号の説明】
【0061】
1 冷蔵庫管理システム、 100 冷蔵庫、110 センサ、120 通信部、130 記憶部、140 制御部、200 管理端末、210 通信部、220 記憶部、230 制御部、300 カード会社システム、400 配送者端末、NW ネットワーク