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特許7445345プログラム、方法、情報処理装置、システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-28
(45)【発行日】2024-03-07
(54)【発明の名称】プログラム、方法、情報処理装置、システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20240229BHJP
   G06Q 10/063 20230101ALI20240229BHJP
【FI】
G06Q50/04
G06Q10/063
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2023116577
(22)【出願日】2023-07-18
【審査請求日】2023-07-18
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519165490
【氏名又は名称】A1A株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】松原 脩平
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 延也
【審査官】渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】特許第6980927(JP,B1)
【文献】特開2005-258614(JP,A)
【文献】特開2002-215866(JP,A)
【文献】”調達部門の分析業務を一括支援 論理的な原価低減を実現”,日経ものづくり 第718号 ,日本,日経BP社,2014年07月01日,第718号,p.102-103,ISSN:1349-2772
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記プログラムは、前記プロセッサに、
他の事業体から提供された見積書に関する情報のアップロードを受け付けるステップと、
アップロードを受け付けた前記見積書に関する情報に含まれる項目と、当該項目についての文字とを、前記項目が属する分類毎に記憶するステップと
を実行させ、
前記分類は、少なくとも原材料に関する分類と、工程に関する分類とを含み、
前記受け付けるステップにおいて、前記見積書に関する情報は、フリーフォームの画像データであり、
前記画像データを画像解析することで、前記画像データに含まれる文字を抽出するステップを前記プロセッサに実行させ、
前記記憶するステップにおいて、見積書に含まれる文字の発生順序に基づいて文字と項目との関係を学習させた学習済みモデルに、抽出した前記文字を入力し、前記学習済みモデルから、項目に対応付けられた形式で文字を出力させ、前記項目、及び前記項目と対応付けられた文字を、前記項目が属する分類毎に記憶するプログラム。
【請求項2】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記プログラムは、前記プロセッサに、
他の事業体から提供された見積書に関する情報のアップロードを受け付けるステップと、
アップロードを受け付けた前記見積書に関する情報に含まれる項目と、当該項目についての文字とを、前記項目が属する分類毎に記憶するステップと
を実行させ、
前記分類は、少なくとも原材料に関する分類と、工程に関する分類とを含み、
前記受け付けるステップにおいて、前記見積書に関する情報は、フリーフォームの画像データであり、
前記画像データを画像解析することで、前記画像データに含まれる文字データを抽出するステップを前記プロセッサに実行させ、
前記記憶するステップにおいて、抽出した前記文字データから、予め登録されている項目と、前記項目に係る文字とを検出し、検出した前記項目及び前記文字を、前記項目が属する分類毎に記憶するログラム。
【請求項3】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記プログラムは、前記プロセッサに、
他の事業体から提供された見積書に関する情報のアップロードを受け付けるステップと、
アップロードを受け付けた前記見積書に関する情報に含まれる項目と、当該項目についての文字とを、前記項目が属する分類毎に記憶するステップとを実行させ、
前記分類は、少なくとも原材料に関する分類と、工程に関する分類とを含み、
前記受け付けるステップにおいて、前記見積書に関する情報は、フリーフォームの画像データであり、
前記画像データを画像解析することで、前記画像データに含まれる文字データを抽出するステップを前記プロセッサに実行させ、
前記記憶するステップにおいて、前記画像データの所定領域で検出された第1文字に基づいて分類を決定し、前記所定領域に含まれる項目と、前記項目に係る第2文字とを検出し、前記第2文字を前記項目と対応付け、当該第2文字を、決定した前記分類と関連付けて記憶するログラム。
【請求項4】
前記見積書における情報の配置を提案するステップを前記プロセッサに実行させる請求項1記載のプログラム。
【請求項5】
前記受け付けるステップにおいて、前記見積書は、製造業で提示される、材料費を計算するための項目を含み、当該材料費を計算するための項目は、前記原材料に関する分類に属する請求項1記載のプログラム。
【請求項6】
前記受け付けるステップにおいて、前記材料費を計算するための項目は、「投入重量」、「材料単価」、「スクラップ重量」、「スクラップ単価」を含む請求項記載のプログラム。
【請求項7】
前記受け付けるステップにおいて、前記見積書は、製造業で提示される、加工費を計算するための項目を含み、当該加工費を計算するための項目は、前記工程に関する分類に属する請求項1記載のプログラム。
【請求項8】
前記受け付けるステップにおいて、前記加工費を計算するための項目は、「賃率」、「レート(マシンレート、マンレート)」、「段取時間」、「加工工数」を含む請求項7記載のプログラム。
【請求項9】
前記分類は、部品に関する分類、金型に関する分類、物流に関する分類を含む請求項1記載のプログラム。
【請求項10】
前記記憶するステップにおいて、複数の見積書に関する情報を記憶し、
前記分類毎に記憶されている情報を読み出し、所定の傾向を分析するステップを前記プロセッサに実行させる請求項1記載のプログラム。
【請求項11】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記プログラムは、前記プロセッサに、
他の事業体から提供された製造業に係る見積書に関する情報のアップロードを、ユーザから受け付けるステップと、
前記ユーザからアップロードを受け付けたことに応じ、アップロードを受け付けた前記見積書に関する情報に含まれる項目と、前記見積書に関する情報に含まれ、前記項目に係る文字とを対応付けて記憶するステップと、
前記見積書に関する情報に含まれる項目及び文字を記憶すると、過去に記憶した項目及び文字から、今回記憶した項目及び文字に関連する項目及び文字を抽出し、抽出した項目及び文字を含む見積書に関する情報を読み出すステップと、
読み出した前記見積書に関する情報を、アップロードを受け付けた前記見積書に関する情報と比較可能に前記ユーザに出力するステップと
を実行させるプログラム。
【請求項12】
前記読み出すステップにおいて、今回記憶した項目及び文字と、過去に記憶した項目及び文字とに基づき、アップロードを受け付けた前記見積書に含まれる部品と類似する部品の見積書に関する情報を読み出す請求項11記載のプログラム。
【請求項13】
前記読み出すステップにおいて、今回記憶した項目及び文字と、過去に記憶した項目及び文字とに基づき、アップロードを受け付けた前記見積書を提供した事業体から過去に提供された見積書に関する情報を読み出す請求項11記載のプログラム。
【請求項14】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記プログラムは、前記プロセッサに、
他の事業体から提供された製造業に係る見積書に関する情報のアップロードを受け付けるステップと、
アップロードを受け付けた前記見積書に関する情報に含まれる項目と、前記見積書に関する情報に含まれ、前記項目に係る文字とを対応付けて記憶するステップと、
前記見積書に関する情報に含まれる項目及び文字を記憶すると、過去に記憶した項目及び文字から、今回記憶した項目及び文字に関連する項目及び文字を抽出し、抽出した項目及び文字を含む見積書に関する情報を読み出すステップと、
読み出した前記見積書に関する情報を、アップロードを受け付けた前記見積書に関する情報と比較可能に出力するステップと
を実行させ、
前記読み出すステップにおいて、今回記憶した項目及び文字と、過去に記憶した項目及び文字とに基づき、アップロードを受け付けた前記見積書に係る部品と品番が同じ部品の見積書に関する情報を読み出すログラム。
【請求項15】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記プログラムは、前記プロセッサに、
他の事業体から提供された製造業に係る見積書に関する情報のアップロードを受け付けるステップと、
アップロードを受け付けた前記見積書に関する情報に含まれる項目と、前記見積書に関する情報に含まれ、前記項目に係る文字とを対応付けて記憶するステップと、
前記見積書に関する情報に含まれる項目及び文字を記憶すると、過去に記憶した項目及び文字から、今回記憶した項目及び文字に関連する項目及び文字を抽出し、抽出した項目及び文字を含む見積書に関する情報を読み出すステップと、
読み出した前記見積書に関する情報を、アップロードを受け付けた前記見積書に関する情報と比較可能に出力するステップと
を実行させ、
前記読み出すステップにおいて、今回記憶した項目及び文字と、過去に記憶した項目及び文字とに基づき、アップロードを受け付けた前記見積書と同時に相見積もりを取った他の事業者から提供された見積書に関する情報を読み出すログラム。
【請求項16】
前記見積書に関する情報に含まれる項目及び文字を記憶すると、当該見積書に含まれる部品の比較対象としての項目に係る文字を、過去に記憶した複数の見積書に基づいて算出するステップを前記プロセッサに実行させる請求項11記載のプログラム。
【請求項17】
前記見積書に関する情報に含まれる項目及び文字を記憶すると、過去に記憶した複数の見積書に基づき、記憶した文字に含まれる誤記を推定するステップを前記プロセッサに実行させる請求項11記載のプログラム。
【請求項18】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行される方法であって、前記プロセッサが、請求項1乃至17のいずれかに記載のステップを実行する方法。
【請求項19】
制御部と、記憶部とを備える情報処理装置であって、前記制御部が、請求項1乃至17のいずれかに記載のステップを実行する情報処理装置。
【請求項20】
他の事業体から提供された見積書に関する情報のアップロードを受け付ける手段と、
アップロードを受け付けた前記見積書に関する情報に含まれる項目と、当該項目についての文字とを、前記項目が属する分類毎に記憶する手段と
を備え、
前記分類は、少なくとも原材料に関する分類と、工程に関する分類とを含み、
前記受け付ける手段は、前記見積書に関する情報を、フリーフォームの画像データとして受け付け、
前記画像データを画像解析することで、前記画像データに含まれる文字を抽出する手段を備え、
前記記憶する手段は、見積書に含まれる文字の発生順序に基づいて文字と項目との関係を学習させた学習済みモデルに、抽出した前記文字を入力し、前記学習済みモデルから、項目に対応付けられた形式で文字を出力させ、前記項目、及び前記項目と対応付けられた文字を、前記項目が属する分類毎に記憶するシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、方法、情報処理装置、システムに関する。
【背景技術】
【0002】
見積書の形式や必要事項の記入漏れ等を確認する作業を簡略化し、見積もり金額の決定を過去に発行した見積書を利用して行う技術がある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-256689号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、見積書の形式や見積もり単価を、過去に発行された見積書を利用して作成するようにしている。しかしながら、過去に発行された見積書を利用して新たな見積書を作成するのみでは、見積書の情報を有効に活用できているとは言えない。
【0005】
本開示の目的は、過去に発行された見積書の有効な活用を支援することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムである。プログラムは、プロセッサに、他の事業体から提供された見積書に関する情報のアップロードを受け付けるステップと、アップロードを受け付けた見積書に関する情報に含まれる項目と、当該項目についての文字とを、項目が属する分類毎に記憶するステップとを実行させる。分類は、少なくとも原材料に関する分類と、工程に関する分類とを含む。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、過去に発行された見積書の有効な活用を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】システム1の全体構成の例を示すブロック図である。
図2図1に示す端末装置10の構成例を表すブロック図である。
図3】サーバ20の機能的な構成の例を示す図である。
図4】第1分類テーブル2021のデータ構造の例を示す図である。
図5】第2分類テーブル2022のデータ構造の例を示す図である。
図6】第3分類テーブル2023のデータ構造の例を示す図である。
図7】第4分類テーブル2024のデータ構造の例を示す図である。
図8】画像データテーブル2025のデータ構造の例を示す図である。
図9】見積書に関する情報を記憶する際のサーバ20の動作の例を表すフローチャートである。
図10】見積書に記載されている情報を、項目が属する分類毎に異なるテーブルに記憶する際の模式図である。
図11】ディスプレイ141に表示される見積書データの表示例を表す模式図である。
図12】見積書に関する情報に基づいてユーザによる査定をアシストする際のサーバ20の動作の例を表すフローチャートである。
図13】ディスプレイ141に表示される比較内容の一覧の表示例を表す模式図である。
図14】ディスプレイ141に表示される比較結果の表示例を表す模式図である。
図15】ディスプレイ141に表示される比較結果の表示例を表す模式図である。
図16】ディスプレイ141に表示される比較結果の表示例を表す模式図である。
図17】ディスプレイ141に表示される比較結果の表示例を表す模式図である。
図18】ディスプレイ141に表示される比較結果の表示例を表す模式図である。
図19】ディスプレイ141に表示される比較結果の表示例を表す模式図である。
図20】見積書に関する情報に基づいて見積書についての所定の傾向を分析する際のサーバ20の動作の例を表すフローチャートである。
図21】ディスプレイ141に表示される分析結果の表示例を表す模式図である。
図22】ディスプレイ141に表示される分析結果の表示例を表す模式図である。
図23】ディスプレイ141に表示される分析結果の表示例を表す模式図である。
図24】ディスプレイ141に表示される分析結果の表示例を表す模式図である。
図25】コンピュータ90の基本的なハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0010】
<概略>
本実施形態に係るシステムは、ユーザがサプライヤー(事業者)から受領した製造業の見積書のアップロードを受け付ける。製造業の見積書とは、例えば、発注前に調達品の価格の妥当性を把握するため仕入先企業から受け取る書類を表す。本実施形態において、見積書は、材料費、加工費、管理費等、単価の細かい内訳まで記載されている。システムは、アップデートされた情報から所定の項目と、この項目に係る文字を抽出し、抽出した項目及び文字を、項目が属する分類毎に記憶する。
【0011】
システムは、記憶している見積書に関する情報に基づき、所定の傾向を分析する。また、システムは、ユーザが発注先を選定する際に役に立つ情報をユーザに提示する。
【0012】
<1 システム全体の構成図>
図1は、システム1の全体構成の例を示すブロック図である。図1に示すシステム1は、例えば、端末装置10、及びサーバ20を含む。端末装置10、及びサーバ20は、例えば、ネットワーク80を介して通信接続する。
【0013】
図1において、システム1が端末装置10を2台含む例を示しているが、システム1に含まれる端末装置10の数は、2台に限定されない。端末装置10は、例えば、サーバ20により提供されるサービスを受けるユーザが操作する端末である。システム1に含まれる端末装置10は、1台であってもよいし、3台以上であってもよい。
【0014】
図1において、システム1がサーバ20を1台含む例を示しているが、システム1に含まれるサーバ20の数は、1台に限定されない。サーバ20は、有する機能に応じ、複数のサーバから構成されていてもよい。また、サーバ20は、例えば、複数の装置の集合体を1つのサーバとしてもよい。1つ又は複数のハードウェアに対して本実施形態に係るサーバ20を実現することに要する複数の機能の配分の仕方は、各ハードウェアの処理能力及び/又はサーバ20に求められる仕様等に鑑みて適宜決定することができる。
【0015】
図1に示す端末装置10は、例えば、サーバ20により提供されるサービスを受けるユーザが操作する情報処理装置である。端末装置10は、例えば、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPC等により実現される。端末装置10は、例えば、スマートフォン、タブレット等の携帯端末であってもよい。また、端末装置10は、HMD(Head Mount Display)、腕時計型端末等のウェアラブル端末であってもよい。
【0016】
端末装置10は、通信IF(Interface)12と、入力装置13と、出力装置14と、メモリ15と、ストレージ16と、プロセッサ19とを備える。入力装置13は、ユーザからの入力操作を受け付けるための装置(例えば、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス、キーボード等)である。出力装置14は、ユーザに対して情報を提示するための装置(ディスプレイ、スピーカー等)である。
【0017】
サーバ20は、製造業の見積書に係るサービスを提供する情報処理装置である。具体的には、サーバ20は、例えば、ユーザがサプライヤーから納められた見積書に関する情報を記憶する。サーバ20は、例えば、記憶している情報に基づき、見積書に基づく判断において、ユーザに有意な情報を提供する。
【0018】
サーバ20は、例えば、ネットワーク80に接続されたコンピュータにより実現される。サーバ20は、通信IF22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備える。入出力IF23は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、及び、ユーザに対して情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。
【0019】
各情報処理装置は演算装置と記憶装置とを備えたコンピュータにより構成されている。コンピュータの基本ハードウェア構成、及び当該ハードウェア構成により実現されるコンピュータの基本機能構成は後述する。端末装置10、サーバ20のそれぞれについて、後述するコンピュータの基本ハードウェア構成およびコンピュータの基本機能構成と重複する説明は省略する。
【0020】
<1.1 端末装置の構成>
図2は、図1に示す端末装置10の構成例を表すブロック図である。図2に示すように、端末装置10は、通信部120と、入力装置13と、出力装置14と、音声処理部17と、マイク171と、スピーカー172と、カメラ160と、位置情報センサ150と、記憶部180と、制御部190とを備える。端末装置10に含まれる各ブロックは、例えば、バス等により電気的に接続される。なお、音声処理部17と、マイク171と、スピーカー172と、カメラ160と、位置情報センサ150とは必須の構成でなくてもよい。
【0021】
通信部120は、端末装置10が他の装置と通信するための変復調処理等の処理を行う。通信部120は、制御部190で生成された信号に送信処理を施し、外部(例えば、サーバ20)へ送信する。通信部120は、外部(例えば、サーバ20)から受信した信号に受信処理を施し、制御部190へ出力する。
【0022】
入力装置13は、端末装置10を操作するユーザが指示、又は情報を入力するための装置である。入力装置13は、例えば、操作面へ触れることで指示が入力されるタッチ・センシティブ・デバイス131等により実現される。入力装置13は、ユーザから入力される指示を電気信号へ変換し、電気信号を制御部190へ出力する。なお、入力装置13には、例えば、外部の入力機器から入力される電気信号を受け付ける受信ポートが含まれてもよい。
【0023】
出力装置14は、端末装置10を操作するユーザへ情報を提示するための装置である。出力装置14は、例えば、ディスプレイ141等により実現される。ディスプレイ141は、制御部190の制御に応じたデータを表示する。ディスプレイ141は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、又は有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって実現される。
【0024】
音声処理部17は、例えば、音声信号のデジタル-アナログ変換処理を行う。音声処理部17は、マイク171から与えられる信号をデジタル信号に変換して、変換後の信号を制御部190へ与える。また、音声処理部17は、音声信号をスピーカー172へ与える。音声処理部17は、例えば音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク171は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部17へ与える。スピーカー172は、音声処理部17から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を端末装置10の外部へ出力する。
【0025】
カメラ160は、受光素子により光を受光し、撮影信号として出力するためのデバイスである。
【0026】
位置情報センサ150は、端末装置10の位置を検出するセンサであり、例えばGPS(Global Positioning System)モジュールである。GPSモジュールは、衛星測位システムで用いられる受信装置である。衛星測位システムでは、少なくとも3個または4個の衛星からの信号を受信し、受信した信号に基づいて、GPSモジュールが搭載される端末装置10の現在位置を検出する。位置情報センサ150は、端末装置10が接続する無線基地局の位置から、端末装置10の現在の位置を検出してもよい。
【0027】
記憶部180は、例えば、メモリ、及びストレージ等により実現され、端末装置10が使用するデータ、及びプログラムを記憶する。記憶部180は、例えば、見積情報181を記憶する。
【0028】
見積情報181は、例えば、サプライヤーから納められた見積書に関する情報である。見積情報181は、例えば、1又は複数の見積書に関する情報を含むデータファイルである。見積書に関する情報のファイル形式は、例えば、サプライヤー毎に異なっており、様々な形式がある。見積書に関する情報は、例えば、画像ファイルであってもよいし、PDF(登録商標)ファイルであってもよい。PDFデータには、テキストデータが含まれていてもよいし、含まれていなくてもよい。
【0029】
制御部190は、プロセッサ19が記憶部180に記憶されるプログラムを読み込み、プログラムに含まれる命令を実行することにより実現される。制御部190は、端末装置10の動作を制御する。制御部190は、プログラムに従って動作することにより、操作受付部191、送受信部192、提示制御部193としての機能を発揮する。
【0030】
操作受付部191は、入力装置13から入力される指示、又は情報を受け付けるための処理を行う。具体的には、例えば、操作受付部191は、タッチ・センシティブ・デバイス131等から入力される指示、又は情報を受け付ける。
【0031】
また、操作受付部191は、カメラ160から入力される画像を受け付ける。具体的には、例えば、操作受付部191は、カメラ160により撮影された撮影データを受信する。
【0032】
また、操作受付部191は、マイク171から入力される音声情報を受け付ける。具体的には、例えば、操作受付部191は、マイク171から入力され、音声処理部17でデジタルデータに変換された音声データを受信する。
【0033】
送受信部192は、端末装置10が、サーバ20等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。具体的には、例えば、送受信部192は、見積情報181に記憶されている見積書に関する情報を、サーバ20へ送信する。また、送受信部192は、サーバ20から出力される情報を受信する。
【0034】
提示制御部193は、ユーザに対して所定の画像を表示させるため、出力装置14を制御する。例えば、提示制御部193は、サーバ20から提供される情報に基づく画像をディスプレイ141に表示させる。より具体的には、例えば、提示制御部193は、端末装置10を介してユーザから指定された情報に関する画像をサーバ20に要求する。提示制御部193は、要求に応じてサーバ20から提供される情報に基づく画像をディスプレイ141に表示させる。
【0035】
<1.2 サーバの機能的な構成>
図3は、サーバ20の機能的な構成の例を示す図である。図3に示すように、サーバ20は、通信部201と、記憶部202と、制御部203としての機能を発揮する。
【0036】
通信部201は、サーバ20が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0037】
記憶部202は、例えば、第1分類テーブル2021と、第2分類テーブル2022と、第3分類テーブル2023と、第4分類テーブル2024と、画像データテーブル2025等とを有する。なお、記憶部202に記憶されるテーブルは、これらに限定されない。記憶部202は、第1分類テーブル2021と、第2分類テーブル2022と、第3分類テーブル2023と、第4分類テーブル2024とのうち、少なくともいずれかの分類に関するテーブルを有しなくてもよい。また、記憶部202は、5番目以降の分類に関する情報を記憶するテーブルを有してもよい。
【0038】
第1分類テーブル2021は、見積書における第1の分類に係る情報を記憶するテーブルである。本実施形態において、見積書における第1の分類は、例えば、「見積書の概要」を表す。第1の分類である「見積書の概要」には、例えば、見積書の概要に関する複数の項目が属する。第1分類テーブル2021には、例えば、「見積書の概要」に属する各項目についての文字が記憶される。詳細は後述する。本実施形態において、文字は、アルファベット、及び数字等を含む。
【0039】
第2分類テーブル2022は、見積書における第2の分類に係る情報を記憶するテーブルである。本実施形態において、見積書における第2の分類は、例えば、「部品」を表す。第2の分類である「部品」には、例えば、部品に関する複数の項目が属する。第2分類テーブル2022には、例えば、「部品」に属する各項目についての文字が記憶される。詳細は後述する。
【0040】
第3分類テーブル2023は、見積書における第3の分類に係る情報を記憶するテーブルである。本実施形態において、見積書における第3の分類は、例えば、「材料」を表す。第3の分類である「材料」には、例えば、材料に関する複数の項目が属する。第3分類テーブル2023には、例えば、「材料」に属する各項目についての文字が記憶される。詳細は後述する。
【0041】
第4分類テーブル2024は、見積書における第4の分類に係る情報を記憶するテーブルである。本実施形態において、見積書における第4の分類は、例えば、「工程」を表す。第4の分類である「工程」には、例えば、工程に関する複数の項目が属する。第4分類テーブル2024には、例えば、「工程」に属する各項目についての文字が記憶される。詳細は後述する。
【0042】
画像データテーブル2025は、見積書に係る画像データを記憶するテーブルである。詳細は後述する。
【0043】
制御部203は、プロセッサ29が記憶部202に記憶されるプログラムを読み込み、プログラムに含まれる命令を実行することにより実現される。制御部203は、プログラムに従って動作することにより、受信制御モジュール2031、送信制御モジュール2032、記憶制御モジュール2033、分析モジュール2034、アシストモジュール2035、提示制御モジュール2036としての機能を発揮する。
【0044】
受信制御モジュール2031は、所定の通信プロトコルに則って送信された信号に対する受信処理を制御する。具体的には、例えば、受信制御モジュール2031は、端末装置10から送信される信号に対して受信処理を行う。また、受信制御モジュール2031は、端末装置10で記憶されている見積書に関する情報をクローニングにより取得してもよい。
【0045】
送信制御モジュール2032は、サーバ20が外部の装置に対し通信プロトコルに則って信号を送信する処理を制御する。具体的には、例えば、送信制御モジュール2032は、表示する画像に係る情報を端末装置10へ送信する。
【0046】
記憶制御モジュール2033は、見積書に関する情報を記憶部202に記憶する処理を制御する。具体的には、例えば、記憶制御モジュール2033は、アップロードを受け付けた見積書に関する情報に含まれる項目と、当該項目についての文字とを、項目が属する、予め設定される分類と関連付けて記憶する。
【0047】
分析モジュール2034は、記憶部202にユーザ及びユーザと関連する主体が蓄積した見積書に関する情報を用いた分析を実施する。例えば、分析モジュール2034は、分析対象として設定される2つ以上の項目についての値を記憶部202から読み出し、読み出した値を用いて所定の傾向を分析する。
【0048】
アシストモジュール2035は、記憶部202にユーザ及びユーザと関連する主体が蓄積した見積書に関する情報を用い、ユーザが査定する際に有意な情報をユーザに提示する。例えば、アシストモジュール2035は、アップロードされた見積書と、過去にユーザ又はユーザと関連する主体が記憶した見積書に基づく情報とを比較する。
【0049】
提示制御モジュール2036は、記憶部202に記憶している見積書に関する情報、見積書に基づく判断において、ユーザに有意な情報をユーザへ提示する。
【0050】
<2 データ構造>
図4図8は、サーバ20が記憶するテーブルのデータ構造を示す図である。なお、図4図8は一例であり、記載されていないデータを除外するものではない。また、同一のテーブルに記載されるデータであっても、記憶部202において離れた記憶領域に記憶されていることもあり得る。
【0051】
図4は、第1分類テーブル2021のデータ構造の例を示す図である。図4に示す第1分類テーブル2021は、見積書ID、及び見積書レコードIDをキーとして、見積書URL、品番、品名、サプライヤ名、適用機種、見積作成日、基準数、基準数単位、材料費小計、加工費小計、単価、製品重量等のカラムを有するテーブルである。なお、第1分類テーブル2021は、これらのうち少なくともいずれかのカラムを有していなくてもよいし、これら以外のカラムを有していてもよい。
【0052】
見積書IDは、見積書を一意に識別するための識別子を記憶する項目である。見積書レコードIDは、同一の見積書内におけるレコードを識別するための識別子を記憶する項目である。同一の見積書内において、所定の条件で料金が分かれる場合がある。見積書レコードIDは、例えば、条件毎に連続する番号が付される。
【0053】
見積書URLは、見積書に係るデータファイルに対する参照情報(パス)を記憶する項目である。品番は、部品に割り当てられている番号を記憶する項目である。品名は、部品の名称を記憶する項目である。サプライヤ名は、仕入先、つまり、部品を製造している企業の名称を記憶する項目である。適用機種は、部品が適用される製品の機種を記憶する項目である。見積作成日は、見積書が作成された日付を記憶する項目である。
【0054】
基準数は、単価契約の見積書において価格算出の前提条件として用いられる、月間又は年間の生産数量を記憶する項目である。基準数は、例えば、見積基準数、設定台数、年間数量、月産数等と表記されてもよい。基準数単位は、基準数の単位を記憶する項目である。基準数単位は、例えば、個/月、個/年のような単位が選択可能に記憶される。材料費小計は、材料費の小計を記憶する項目である。材料費小計は、材料費合計と表記されてもよい。加工費小計は、加工費の小計を記憶する項目である。加工費小計は、加工費合計と表記されてもよい。単価は、部品1個当たりの価格を記憶する項目である。製品重量は、部品1個当たりの重量を記憶する項目である。
【0055】
図5は、第2分類テーブル2022のデータ構造の例を示す図である。図5に示す第2分類テーブル2022は、見積書ID、見積書レコードID、親品番、親品名、部品_品番、部品_品名をキーとして、部品購入先、個数、購入部品単価、購入部品費合計、調達区分等のカラムを有するテーブルである。なお、第2分類テーブル2022は、これらのうち少なくともいずれかのカラムを有していなくてもよいし、これら以外のカラムを有していてもよい。
【0056】
親品番は、製品構成で示された親子関係の親に当たる品目に割り当てられている番号を記憶する項目である。親品名は、親に当たる品目の名称を記憶する項目である。部品_品番は、見積書の対象となる部品に割り当てられている番号を記憶する項目である。部品_品名は、見積書の対象となる部品の名称を記憶する項目である。部品購入先は、購入先(仕入先)、つまり、部品を製造している企業の名称を記憶する項目である。個数は、部品を購入する際の最小単位を記憶する項目である。購入部品単価は、部品を最小単位で購入する際の料金を記憶する項目である。購入部品費合計は、部品の購入費の合計を記憶する項目である。調達区分は、調達に係る区分を記憶する項目である。
【0057】
図6は、第3分類テーブル2023のデータ構造の例を示す図である。図6に示す第3分類テーブル2023は、見積書ID、見積書レコードID、親部品_品番、親部品_品名、部品_品番、部品_品名をキーとして、材料品番、材料名、材料単価、材料単価単位、投入量、投入単価、スクラップ単価、スクラップ重量、材料費、厚さ、幅、ピッチ、直径、長さ等のカラムを有するテーブルである。なお、第3分類テーブル2023は、これらのうち少なくともいずれかのカラムを有していなくてもよいし、これら以外のカラムを有していてもよい。
【0058】
親部品_品番は、製品構成で示された親子関係の親に当たる部品に割り当てられている番号を記憶する項目である。親部品_品名は、親に当たる部品の名称を記憶する項目である。材料品番は、使われている材料に割り当てられている番号を記憶する項目である。材料名は、使われている材料の名称を記憶する項目である。材料単価は、使われている材料の重量あたりの単価を記憶する項目である。材料単価単位は、単価と対応する重量の単位を記憶する項目である。
【0059】
投入量は、部品1個を製造するために投入した材料の重量を記憶する項目である。投入単価は、部品1個を製造するために投入した材料の単価を記憶する項目である。スクラップ単価は、部品1個を製造する際に、発生するスクラップ(リサイクル材)の重量を記憶する項目である。スクラップ重量は、スクラップ(リサイクル材)の買取価格を記憶する項目である。材料費は、材料費の合計を記憶する項目である。材料費は、例えば、以下の式により求められる。なお、捨てるだけで特にリサイクルされないものは、材料費から差し引かれない。
材料費=投入重量×材料単価-スクラップ重量×スクラップ単価
【0060】
厚さ、幅、ピッチは、部品が板材、又はコイル材である場合に記憶される項目である。直径、長さは、部品が棒材、又は線材である場合に記憶される項目である。
【0061】
図7は、第4分類テーブル2024のデータ構造の例を示す図である。図7に示す第4分類テーブル2024は、見積書ID、見積書レコードID、親部品_品番、親部品_品名、部品_品番、部品_品名をキーとして、部品_利用個数、工程名、設備名、取り数、回数、段取り時間、加工工数、合計工数、合計工数単位、マンレート、マシンレート、合計賃率、合計賃率単位、加工費等のカラムを有するテーブルである。なお、第4分類テーブル2024は、これらのうち少なくともいずれかのカラムを有していなくてもよいし、これら以外のカラムを有していてもよい。
【0062】
部品_利用個数は、加工プロセスにおいて利用される部品の個数を記憶する項目である。工程名は、加工プロセスの名称を記憶する項目である。設備名は、加工プロセスで使用される設備の名称を記憶する項目である。取り数は、1つの工程から部品がいくつ作れるかを表す数量を記憶する項目である。回数は、加工プロセスに含まれる処理の回数を記憶する項目である。段取り時間は、加工プロセスを開始する前に行う、設備や工具等の準備にかかる時間を記憶する項目である。加工工数は、加工プロセスでかかる作業時間を記憶する項目である。合計工数は、段取り時間と加工工数とを足し合わせた時間を記憶する項目である。合計工数単位は、合計工数の単位を記憶する項目である。マンレートは、加工プロセスに関わる人件費の時間あたりの費用を記憶する項目である。マシンレートは、加工プロセスに関わる設備の時間あたりの費用を記憶する項目である。合計賃率は、マシンレートとマンレートとを足し合わせた時間を記憶する項目である。合計賃率単位は、合計賃率の単位を記憶する項目である。加工費は、加工費の合計を記憶する項目である。加工費は、例えば、以下の式により求められる。
加工費=賃率×作業時間
又は
加工費=合計賃率×合計工数
【0063】
図8は、画像データテーブル2025のデータ構造の例を示す図である。図8に示す画像データテーブル2025は、見積書ID、見積書レコードID、画像URL等のカラムを有するテーブルである。なお、画像データテーブル2025は、これら以外のカラムを有していてもよい。画像URLは、見積書に係る画像データに対する参照情報(パス)を記憶する項目である。
【0064】
<3 動作>
サーバ20が見積書に関する情報を処理する際のサーバ20の動作について説明する。
【0065】
(見積書に関する情報の記憶処理)
図9は、見積書に関する情報を記憶する際のサーバ20の動作の例を表すフローチャートである。
【0066】
まず、ユーザは、サプライヤーから見積書を受領する。見積書は、例えば、発注前に調達品の価格の妥当性を把握するためサプライヤーから受け取る書類であり、材料費、加工費、管理費等、単価(総合計)の細かい内訳まで記載されている。ユーザは、例えば、サプライヤーから、書面により見積書を受け取る。書面による見積書の受取は、例えば、FAXによる見積書の受け取りを含む。
【0067】
ユーザは、見積書を受領すると、受領した見積書をスキャナで取り込む。ユーザは、複数の見積書を連続してまとめてスキャンしてもよい。ユーザが所持する端末装置10は、スキャンにより生成された画像データを受信し、受信した画像データを見積情報181として記憶部180に記憶する。画像データのファイル形式は、例えば、TIFF、JPEG、PDF等、いずれであってもよい。
【0068】
端末装置10は、例えば、入力装置13を介して入力されるユーザからの操作に従い、ウェブブラウザを起動させ、サービスが提供されるウェブサイトへアクセスする。端末装置10は、記憶した見積情報181をサーバ20へアップロードする。端末装置10は、サービスに係るアプリケーションを実行することで見積情報181をサーバ20へアップロードしてもよい。なお、端末装置10がスキャナの機能を有する場合、スキャナとしての端末装置10から、画像データがサーバ20へアップロードされてもよい。
【0069】
ステップS11において、サーバ20は、見積書に関する情報のアップロードを受け付ける。具体的には、例えば、サーバ20の制御部203は、受信制御モジュール2031により、端末装置10から送信された見積情報181を受信する。つまり、受信制御モジュール2031は、例えば、フリーフォームの画像データを受信する。
【0070】
ステップS12において、サーバ20は、見積書に関する情報に含まれる項目と、当該項目についての文字とを、項目が属する分類毎に記憶する。具体的には、例えば、記憶制御モジュール2033は、見積情報181に対してOCR処理を実施し、見積情報181に含まれている文字を文字コードに変換する。記憶制御モジュール2033は、項目と、項目に対して入力されている文字とを関連付ける。記憶制御モジュール2033は、取得した文字を、文字と関連付けられている項目に応じた分類のテーブルに記憶する。
【0071】
具体的には、記憶制御モジュール2033は、例えば、品番、品名、サプライヤ名、適用機種、見積作成日、基準数、基準数単位、材料費小計、加工費小計、単価、製品重量の項目について記入されている文字を、分類:「見積書の概要」と対応付け、第1分類テーブル2021における該当する項目に記憶する。また、記憶制御モジュール2033は、例えば、部品購入先、個数、購入部品単価、購入部品費合計、調達区分の項目について記入されている文字を、分類:「部品」と対応付け、第2分類テーブル2022における該当する項目に記憶する。また、記憶制御モジュール2033は、例えば、材料品番、材料名、材料単価、材料単価単位、投入量、投入単価、スクラップ単価、スクラップ重量、材料費、厚さ、幅、ピッチ、直径、長さの項目について記入されている文字を、分類:「材料」と対応付け、第3分類テーブル2023における該当する項目に記憶する。また、記憶制御モジュール2033は、例えば、部品_利用個数、工程名、設備名、取り数、回数、段取り時間、加工工数、合計工数、合計工数単位、マンレート、マシンレート、合計賃率、合計賃率単位、加工費の項目について記入されている文字を、分類:「工程」と対応付け、第4分類テーブル2024における該当する項目に記憶する。
【0072】
図10は、見積書に記載されている情報を、項目が属する分類毎に異なるテーブルに記憶する際の模式図である。図10によれば、例えば、見積作成日、サプライヤ名に相当する項目が領域101に記載され、品番、品名、適用機種、基準数、基準数単位、製品重量に相当する項目が領域102に記載され、材料費小計、加工費小計、単価に相当する項目が領域105、領域106に記載されている。記憶制御モジュール2033は、これらの項目について記入されている文字を、分類:「見積書の概要」と対応付け、第1分類テーブル2021における該当する項目に記憶する。また、図10によれば、例えば、材料品番、材料名、材料単価、材料単価単位、投入量、投入単価、スクラップ単価、スクラップ重量、材料費、厚さ、幅、ピッチ、直径、長さに相当する項目が領域103に記載されている。記憶制御モジュール2033は、これらの項目について記入されている文字を、分類:「材料」と対応付け、第3分類テーブル2023における該当する項目に記憶する。また、図10によれば、例えば、部品_利用個数、工程名、設備名、取り数、回数、段取り時間、加工工数、合計工数、合計工数単位、マンレート、マシンレート、合計賃率、合計賃率単位、加工費に相当する項目が領域104に記載されている。記憶制御モジュール2033は、例えば、これらの項目について記入されている文字を、分類:「工程」と対応付け、第4分類テーブル2024における該当する項目に記憶する。また、図10によれば、例えば、部品購入先、個数、購入部品単価、購入部品費合計、調達区分に相当する項目が所定の領域(図示せず)に記載されている。記憶制御モジュール2033は、これらの項目について記入されている文字を、分類:「部品」と対応付け、第2分類テーブル2022における該当する項目に記憶する。
【0073】
記憶制御モジュール2033が項目と、項目に対して入力されている文字とを関連付ける手法は種々の手法がある。この手法について既存の技術を採用してもよいが、記憶制御モジュール2033は、例えば、以下の手法を採用する。
【0074】
(1)第1の手法
記憶制御モジュール2033は、例えば、OCR処理によりコード化された文字のうち、見積書の値を表すと想定される文字を所定の順序で並べる。見積書の値を表すと想定される文字は、例えば、項目を表す文字ではなく、数字、又はアルファベットにより表される文字である。所定の順序は、例えば、見積書における行の左から右へ視点を移動させた際に現れる文字を順に並べ、該当する行における文字を並べると、次の行へ移行して同様の処理を繰り返して得られる順序である。
【0075】
記憶制御モジュール2033は、所定の順序で並べた文字を学習済みモデルへ入力する。学習済みモデルは、例えば、入力された文字群を、見積書における項目と関連付けて順序を整形させるためのモデルである。学習済みモデルは、サーバ20に記憶されていてもよいし、他のサーバに記憶されていてもよい。
【0076】
学習済みモデルは、例えば、モデル学習プログラムに従い、機械学習モデルに機械学習を行わせることで生成される。学習済みモデルは、例えば、複数の関数が合成されたパラメータ付き合成関数である。パラメータ付き合成関数は、複数の調整可能な関数及びパラメータの組合せにより定義される。本実施形態に係る学習済みモデルは、上記の要請を満たす如何なるパラメータ付き合成関数であってもよい。例えば、学習済みモデルは、自然言語処理のLSTM(Long short-term memory)、Transformer、BERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)、GPT-3(Generative Pre-Training3)等のモデルにより実現されてもよい。また、学習済みモデルは大規模言語モデルであってもよい。
【0077】
学習済みモデルは、例えば、入力される文字の羅列に対し、これらの文字を見積書の項目と対応付けた所望の順序に整形して出力するように学習されている。学習済みモデルは、例えば、教師あり学習により学習されてもよいし、教師あり学習と強化学習の両方の手法で学習されてもよい。学習済みモデルは、複数のサプライヤーから提供された見積書に対応可能な汎用的なモデルであってもよいし、サプライヤー毎に見積書の内容が学習された、サプライヤー毎に特化したモデルであってもよい。
【0078】
記憶制御モジュール2033は、学習済みモデルから出力される、文字と見積書の項目とが対応付けられたデータを取得する。記憶制御モジュール2033は、取得したデータに含まれる文字と対応付けられている項目を識別する。記憶制御モジュール2033は、識別した項目が属する分類を決定する。記憶制御モジュール2033は、取得したデータに含まれる文字を、決定した分類についてのテーブルにおける該当する項目のカラムに記憶する。
【0079】
(2)第2の手法
記憶制御モジュール2033は、例えば、OCR処理によりコード化された文字から、項目として予め登録されている文字を抽出する。抽出される文字は、予め設定される文字と同一であってもよいし、所定の意味の幅を許容するものであってもよい。記憶制御モジュール2033は、項目として予め登録されている文字を抽出すると、抽出した文字と所定の位置関係にある文字を抽出する。抽出した文字と所定の位置関係にある文字は、例えば、項目に対して所定の方向に所定の距離だけ離れて記入される、項目の各値に係る文字である。記憶制御モジュール2033は、項目を表す文字と、項目の値に係る文字とを対応付ける。記憶制御モジュール2033は、項目として抽出した文字を、予め登録されている文字に変換し、項目の値に係る文字と対応付けてもよい。
【0080】
記憶制御モジュール2033による項目を表す文字の抽出は、例えば、学習済みモデルにより行われてもよい。このとき、学習済みモデルは、例えば、入力される文字に対し、項目を表す文字を出力するように学習されている。また、第3分類テーブル2023による、抽出した文字と所定の位置関係にある文字の抽出は、例えば、学習済みモデルにより行われてもよい。このとき、学習済みモデルは、例えば、入力される位置に対し、所定の位置にある文字を抽出するように学習されている。
【0081】
記憶制御モジュール2033は、値に係る文字と対応付けられている項目を識別する。記憶制御モジュール2033は、識別した項目が属する分類を決定する。記憶制御モジュール2033は、値に係る文字を、決定した分類についてのテーブルにおける該当する項目のカラムに記憶する。
【0082】
(3)第3の手法
記憶制御モジュール2033は、例えば、OCR処理によりコード化された文字から、分類として予め登録されている文字を抽出する。抽出される文字は、予め設定される文字と同一であってもよいし、所定の意味の幅を許容するものであってもよい。記憶制御モジュール2033は、分類として予め登録されている文字を抽出すると、画像データに基づき、抽出した文字と所定の位置関係にある領域を識別する。抽出した文字と所定の位置関係にある領域は、例えば、分類に係る情報が記載されている表を表す領域である。
【0083】
記憶制御モジュール2033は、識別した領域から、項目として予め登録されている文字を抽出する。抽出される文字は、予め設定される文字と同一であってもよいし、所定の意味の幅を許容するものであってもよい。記憶制御モジュール2033は、項目として予め登録されている文字を抽出すると、抽出した文字と所定の位置関係にある文字を抽出する。抽出した文字と所定の位置関係にある文字は、例えば、項目に対して所定の方向に所定の距離だけ離れて記入される、項目の各値に係る文字である。記憶制御モジュール2033は、項目を表す文字と、項目の値に係る文字とを対応付ける。記憶制御モジュール2033は、項目として抽出した文字を、予め登録されている文字に変換し、項目の値に係る文字と対応付けてもよい。記憶制御モジュール2033は、値に係る文字を、項目が属する分類についてのテーブルの、該当する項目のカラムに記憶する。
【0084】
記憶制御モジュール2033による分類を表す文字の抽出は、例えば、学習済みモデルにより行われてもよい。このとき、学習済みモデルは、例えば、入力される文字に対し、分類を表す文字を出力するように学習されている。また、第3分類テーブル2023による領域の識別は、例えば、学習済みモデルにより行われてもよい。このとき、学習済みモデルは、例えば、入力される画像中の位置に対し、所定の領域を抽出するように学習されている。
【0085】
上記説明において、ユーザがサプライヤーから受領する見積書は、書面によるものに限定されない。ユーザは、サプライヤーから、例えば、PDF、又はExcel(登録商標)等のデータファイルとして見積書を取得してもよい。これにより、スキャナは不要となる。
【0086】
また、上記説明において、サーバ20においてOCR処理が実施される場合を説明しているが、OCR処理は、スキャナにより実施されてもよい。また、OCR処理は、端末装置10により実施されてもよい。この場合、端末装置10又はスキャナからアップロードされる情報は、例えば、画像データに加え、コード化された文字情報も含む。
【0087】
また、上記説明において、端末装置10が画像データをアップロードする場合を説明しているが、端末装置10がアップロードする情報は画像データに限られない。受領した見積書に基づき、ユーザが項目に係る値を所定のフォームに入力し、値を入力したフォームをサーバ20へアップロードしてもよい。記憶制御モジュール2033は、項目、及び文字の組に対し、項目について予め設定されている分類を関連付ける。つまり、記憶制御モジュール2033は、取得した文字を、文字と関連付けられている項目に応じた分類のテーブルに記憶する。
【0088】
また、上記説明において、記憶制御モジュール2033が、項目と、項目に対して入力されている文字とを関連付けるようにしているが、システム1以外の情報処理装置が、項目と、項目に対して入力されている文字とを関連付けてもよい。サーバ20は、他のシステムで関連付けられた項目及び文字を取得する。記憶制御モジュール2033は、項目、及び文字の組に対し、項目について予め設定されている分類を関連付ける。つまり、記憶制御モジュール2033は、取得した文字を、文字と関連付けられている項目に応じた分類のテーブルに記憶する。
【0089】
また、上記説明において、提示制御モジュール2036は、記憶部202にデータが記憶されると、記憶部202に記憶されたデータを端末装置10のユーザに提示してもよい。これにより、ユーザは、データ変換の正誤を確認することが可能となる。ユーザは、サーバ20から提示される見積書を確認し、不備がある項目、又は変換できなかった項目がある場合、これらの項目、又はこれらの項目についての値を修正する。記憶制御モジュール2033は、ユーザから修正指示に応じ、記憶部202に記憶されているデータを更新する。
【0090】
図11は、ディスプレイ141に表示される見積書データの表示例を表す模式図である。図11において、提示制御部193は、領域1411に、記憶部202に記憶されたデータをリスト状に表示する。提示制御部193は、見積書に記載されていた情報を、分類毎にまとめてリスト状に表示する。分類毎に項目が記載され、項目名も予め設定された記載となっているため、ユーザがデータ化された見積書の内容を確認する労力が抑えられる。
【0091】
図11において、提示制御部193は、領域1412に、見積書の画像データを表示する。提示制御部193は、領域1411に表示される項目が、領域1412に表示される画像においてどこに該当するかを視認可能にガイドを表示してもよい。
【0092】
また、上記説明において、提示制御モジュール2036は、データ変換ミス等の発生しにくい見積書のフォーマットを提案するようにしてもよい。例えば、提示制御モジュール2036は、記憶部202に情報を記憶しやすい項目、及びこのような項目が配置された見積書を提案するようにしてもよい。具体的には、例えば、記憶部202にひな形となるフォーマットが記憶されている。例えば、ユーザから見積書のフォーマットが要求された場合、提示制御モジュール2036は、ひな形としてのフォーマットをユーザに提供する。つまり、提示制御モジュール2036は、見積書における情報の配置をユーザに提案する。
【0093】
(査定アシスト処理)
図12は、見積書に関する情報に基づいてユーザによる査定をアシストする際のサーバ20の動作の例を表すフローチャートである。図12に係る処理は、例えば、見積書に関する情報が図9に示したフローに従ってサーバ20に記憶された後に実行される。
【0094】
ステップS21において、サーバ20は、ユーザに対し、査定アシストの要否を確認する。具体的には、記憶制御モジュール2033は、例えば、見積書に関する情報をサーバ20に記憶すると、見積書の記憶が完了した旨を端末装置10へ通知する。アシストモジュール2035は、例えば、見積書の記憶が完了した旨の通知と共に、査定アシストの要否を確認するための確認領域を端末装置10に表示させる。
【0095】
ユーザは、査定アシストを必要とする場合、端末装置10に表示された確認領域に、査定アシストを要求する旨を入力する。端末装置10は、ユーザから入力された指示をサーバ20へ送信する。
【0096】
ステップS22において、サーバ20は、端末装置10から送信される指示を受け付ける。
【0097】
ステップS23において、サーバ20は、見積書の比較内容の一覧をユーザに提示する。具体的には、アシストモジュール2035は、例えば、端末装置10から査定アシストが要求されると、前段で記憶した見積書に対して実施可能な比較の内容の一覧をユーザに提示する。記憶した見積書に対して実施可能な比較は、例えば、以下を含む。なお、記憶した見積書に対して実施可能な比較は、以下に限定されず、これら以外の比較があってもよい。
・類似した部品についての見積書との比較
・相見積を取った他のサプライヤーから提出された見積書との比較(他のサプライヤーから提出された見積書が先に記憶されている場合に限る)
・同品番の部品についての見積書との比較
・同サプライヤーから提出された見積書との比較
・過去の見積書群に含まれる値に基づいて算出される値との比較
【0098】
アシストモジュール2035は、新たに記憶した見積書と、上記見積書とを比較する際、分類毎の価格の構成比率を算出してもよい。
【0099】
アシストモジュール2035は、比較対象としての見積書を選択する際にキーとなる項目を予め記憶していてもよい。また、アシストモジュール2035は、比較対象としての見積書を選択する際にキーとなる項目を、ユーザからの入力に基づいて設定してもよい。
【0100】
アシストモジュール2035は、比較内容を表す複数のサムネイル画像を取得する。具体的には、例えば、アシストモジュール2035は、比較内容を表す複数のサムネイル画像を作成する。または、比較内容を表す複数のサムネイル画像が記憶部202に記憶されており、アシストモジュール2035は、記憶部202からサムネイル画像を読み出す。提示制御モジュール2036は、比較内容を表すサムネイル画像の一覧をユーザに提示する。
【0101】
図13は、ディスプレイ141に表示される比較内容の一覧の表示例を表す模式図である。図13において、提示制御部193は、比較内容を表す6つのサムネイル画像をディスプレイ141に表示する。提示制御部193は、サムネイル画像に、比較内容を表す名称を対応付ける。提示制御部193は、比較結果がすでに作成済みである場合、サムネイル画像に、比較結果が作成された日時を対応付ける。
【0102】
図13において、提示制御部193は、類似部品についての見積書との比較を表す「類似部品比較」のサムネイル画像をディスプレイ141に表示させる。また、提示制御部193は、他のサプライヤーから提出された見積書との比較を表す「相見積比較」のサムネイル画像をディスプレイ141に表示させる。なお、相見積の対象である見積書が記憶部202に記憶されていない場合は、「相見積比較」のサムネイル画像が表示されないようにしてもよい。また、提示制御部193は、同品番の部品についての見積書との比較を表す「同品番過去見積比較」のサムネイル画像をディスプレイ141に表示させる。また、提示制御部193は、同サプライヤーから提出された見積書との比較を表す「同サプライヤー過去見積比較」のサムネイル画像をディスプレイ141に表示させる。また、提示制御部193は、過去の見積書群に含まれる値に基づいて算出される値との比較を表す「コストテーブル比較」のサムネイル画像をディスプレイ141に表示させる。また、提示制御部193は、見積書を比較する際、分類毎の価格の構成比率を表した「価格の構成比較」のサムネイル画像をディスプレイ141に表示させる。
【0103】
なお、提示制御モジュール2036は、サムネイル画像の一覧をユーザに提示せず、比較内容を表す名称をリスト状に提示してもよい。
【0104】
ユーザは、ディスプレイ141に表示される比較内容から、少なくともいずれかの比較内容を選択する。端末装置10は、ユーザから入力された比較内容の選択指示をサーバ20へ送信する。
【0105】
ステップS24において、サーバ20は、ユーザから選択された比較内容に応じた比較結果をユーザに提示する。具体的には、例えば、アシストモジュール2035は、ユーザから選択された比較内容に関する情報を記憶部202から読み出す。アシストモジュール2035は、例えば、ユーザが過去に記憶部202に記憶した情報から、ユーザにより選択された比較内容に関する情報を読み出す。
【0106】
例えば、アシストモジュール2035は、ユーザにより「類似部品比較」が選択された場合、記憶された見積書に係る部品と類似する部品についての情報を記憶部202から読み出す。類似する部品は、例えば、品番、品名に所定の関連性がある部品を表す。類似する部品は、アシストモジュール2035により選択されてもよいし、ユーザにより選択されてもよい。アシストモジュール2035は、複数種類の類似部品を選択してもよいし、1種類の類似部品を選択してもよい。
【0107】
類似する部品についての情報は、例えば、最新の見積書から読み出された情報である。なお、類似する部品についての情報は、最新の見積書から読み出された情報に限定されない。類似する部品についての情報は、例えば、所定のフラグ(採用フラグ、最新フラグ等)が付された情報であってもよい。類似する部品についての情報は、例えば、所定の期間だけ前に記憶された見積書から読み出された情報であってもよい。また、類似する部品についての情報は、例えば、所定の期間に記憶された情報に対して統計的な処理が施された情報(平均値、中央値等)であってもよい。
【0108】
アシストモジュール2035は、読み出した情報に基づき、類似部品に係る項目毎の情報を、比較元の部品に係る項目毎の情報と比較可能な態様で配列する。アシストモジュール2035は、注目するべき項目の情報を、他の項目の情報と判別可能な態様で表示してもよい。アシストモジュール2035は、比較元の情報との差異に基づき、表示態様を変えてもよい。提示制御モジュール2036は、情報を配列した結果の画像をユーザに提示する。
【0109】
図14は、ディスプレイ141に表示される比較結果の表示例を表す模式図である。図14において、提示制御部193は、領域1413に、比較元となる、今回アップロードした見積書に関する情報を表示する。提示制御部193は、領域1414に、比較対象となる、類似部品の見積書に関する情報を表示する。図14において、提示制御部193は、材料単価についての値を他の項目の情報に対して判別可能な態様で表示している。また、提示制御部193は、比較元の材料単価の値よりも低い場合と高い場合とで表示態様を変えている。
【0110】
例えば、アシストモジュール2035は、ユーザにより「相見積比較」が選択された場合、記憶された見積書と相見積が取られた見積書に関する情報を記憶部202から読み出す。相見積が取られた見積書は、例えば、相見積の対象であることを表す情報に基づいて判別される。アシストモジュール2035は、例えば、相見積が取られた見積書が複数記憶されている場合、複数の見積書に関する情報を記憶部202から読み出す。
【0111】
アシストモジュール2035は、読み出した情報に基づき、相見積が取られた見積書の項目毎の情報を、比較元の見積書の項目毎の情報と比較可能な態様で配列する。アシストモジュール2035は、注目するべき項目の情報を、他の項目の情報と判別可能な態様で表示してもよい。アシストモジュール2035は、比較元の情報との差異に基づき、表示態様を変えてもよい。提示制御モジュール2036は、情報を配列した結果の画像をユーザに提示する。
【0112】
図15は、ディスプレイ141に表示される比較結果の表示例を表す模式図である。図15において、提示制御部193は、領域1415に、比較元となる、今回アップロードした見積書に関する情報を表示する。提示制御部193は、領域1416に、比較対象となる、相見積が取られた見積書に関する情報を表示する。図15において、提示制御部193は、材料単価についての値を他の項目の情報に対して判別可能な態様で表示している。また、提示制御部193は、比較元の材料単価の値よりも低い場合と高い場合とで表示態様を変えている。
【0113】
例えば、アシストモジュール2035は、ユーザにより「同サプライヤー過去見積比較」が選択された場合、記憶された見積書に係るサプライヤーと同一のサプライヤーが同一の部品について納品した見積書に関する情報を記憶部202から読み出す。
【0114】
アシストモジュール2035は、例えば、同一サプライヤーから納品された、同一の部品についての1又は複数の見積書に関する情報を記憶部202から読み出す。具体的には、例えば、アシストモジュール2035は、最新の見積書から遡って予め設定された数の見積書に関する情報を記憶部202から読み出す。また、アシストモジュール2035は、例えば、見積作成日が所定の間隔だけ開いた、予め設定された数の見積書に関する情報を記憶部202から読み出してもよい。
【0115】
アシストモジュール2035は、読み出した情報に基づき、同一サプライヤーが同一の部品について納品した見積書の項目毎の情報を、比較元の見積書の項目毎の情報と比較可能な態様で配列する。アシストモジュール2035は、注目するべき項目の情報を、他の項目の情報と判別可能な態様で表示してもよい。アシストモジュール2035は、比較元の情報との差異に基づき、表示態様を変えてもよい。提示制御モジュール2036は、情報を配列した結果の画像をユーザに提示する。
【0116】
図16は、ディスプレイ141に表示される比較結果の表示例を表す模式図である。図16において、提示制御部193は、領域1417に、比較元となる、今回アップロードした見積書に関する情報を表示する。提示制御部193は、領域1418に、比較対象となる、同一サプライヤーが同一部品について納品した見積書に関する情報を表示する。図16において、提示制御部193は、材料単価についての値を他の項目の情報に対して判別可能な態様で表示している。また、提示制御部193は、比較元の材料単価の値よりも低い場合と高い場合とで表示態様を変えている。
【0117】
例えば、アシストモジュール2035は、ユーザにより「同品番過去見積比較」が選択された場合、記憶された見積書に係る部品と同一の品番の部品についての情報を記憶部202から読み出す。アシストモジュール2035は、例えば、異なるサプライヤーから納品された見積書に関する情報を記憶部202から読み出す。アシストモジュール2035は、同一の部品の見積書を納品したサプライヤーが複数存在する場合、複数の異なるサプライヤーから納品された見積書に関する情報を記憶部202から読み出す。
【0118】
異なるサプライヤーから納品された同一の部品の見積書は、例えば、当該サプライヤーから納品された同一の部品の最新の見積書である。なお、異なるサプライヤーから納品された同一の部品の見積書は、最新の見積書に限定されない。異なるサプライヤーから納品された同一の部品の見積書は、例えば、所定のフラグ(採用フラグ、最新フラグ等)が付された見積書であってもよい。異なるサプライヤーから納品された同一の部品の見積書は、例えば、所定の期間だけ前に記憶された見積書であってもよい。また、異なるサプライヤーから納品された同一の部品の見積書は、例えば、所定の期間に記憶された情報に対して統計的な処理が施された情報(平均値、中央値等)であってもよい。
【0119】
アシストモジュール2035は、読み出した情報に基づき、異なるサプライヤーが同一の部品について納品した見積書の項目毎の情報を、比較元の見積書の項目毎の情報と比較可能な態様で配列する。アシストモジュール2035は、注目するべき項目の情報を、他の項目の情報と判別可能な態様で表示してもよい。アシストモジュール2035は、比較元の情報との差異に基づき、表示態様を変えてもよい。提示制御モジュール2036は、情報を配列した結果の画像をユーザに提示する。
【0120】
図17は、ディスプレイ141に表示される比較結果の表示例を表す模式図である。図17において、提示制御部193は、領域1419に、比較元となる、今回アップロードした見積書に関する情報を表示する。提示制御部193は、領域14110に、比較対象となる、異なるサプライヤーが同一部品について納品した見積書に関する情報を表示する。図17において、提示制御部193は、材料単価についての値を他の項目の情報に対して判別可能な態様で表示している。また、提示制御部193は、比較元の材料単価の値よりも低い場合と高い場合とで表示態様を変えている。
【0121】
例えば、アシストモジュール2035は、ユーザにより「コストテーブル比較」が選択された場合、記憶された見積書に係る部品と同一の品番の部品についての情報を記憶部202から読み出す。アシストモジュール2035は、例えば、同一の品番の部品についての所定の項目の情報を記憶部202から読み出す。所定の項目は、例えば、価格に係る項目である。所定の項目は、例えば、1つであってもよいし、複数であってもよい。所定の項目が複数である場合、所定の項目は、例えば、互いに関連性を有する。所定の項目は、例えば、材料単価、材料重量、投入量、投入単価、工数、賃率等を含む。
【0122】
アシストモジュール2035は、例えば、読み出した情報を用い、統計的な処理を実行する。具体的には、アシストモジュール2035は、例えば、読み出した情報の平均値、中央値等を算出する。また、アシストモジュール2035は、例えば、比較元となる見積書の項目の標準偏差等を算出してもよい。また、アシストモジュール2035は、例えば、読み出した情報の分布図を作成してもよい。
【0123】
アシストモジュール2035は、統計的な処理を実行した結果を、比較元の見積書の項目毎の情報と比較可能な態様で配列する。アシストモジュール2035は、注目するべき項目の情報を、他の項目の情報と判別可能な態様で表示してもよい。アシストモジュール2035は、比較元の情報との差異に基づき、表示態様を変えてもよい。提示制御モジュール2036は、情報を配列した結果の画像をユーザに提示する。アシストモジュール2035は、統計的な処理を実行した結果と、比較元の見積書の該当項目の情報とに所定の要件を満たす差異がある場合、比較元の見積書の記載内容に誤りがあると推定してもよい。提示制御モジュール2036は、見積書の記載内容に誤りがある可能性をユーザに提示する。
【0124】
図18は、ディスプレイ141に表示される比較結果の表示例を表す模式図である。図18において、提示制御部193は、領域14111に、比較元となる、今回アップロードした見積書に関する情報を表示する。提示制御部193は、領域14112に、同一部品についての見積書群に基づいて作成した算出結果を表示する。図18において、提示制御部193は、領域14112に、横軸を材料単価、縦軸を材料重量とする分布図を表示する。提示制御部193は、分布図における所定の座標点を、他の座標点と判別可能に表示している。また、提示制御部193は、比較元の材料費合計について、統計値よりも低い場合と高い場合とで表示態様を変えている。
【0125】
例えば、アシストモジュール2035は、ユーザにより「価格の構成比較」が選択された場合、所定の比較内容において比較対象となっている見積書について、第1分類テーブル2021~第4分類テーブル2024に記憶されている分類毎の費用、例えば、材料費、部品購入費、工程費、償却費、物流費、管理費を読み出す。具体的には、例えば、アシストモジュール2035は、「価格の構成比較」の対象として「類似部品比較」が設定されている場合、記憶された見積書に係る部品と類似する部品についての情報を記憶部202から読み出す。
【0126】
アシストモジュール2035は、読み出した情報に基づき、類似部品に係る項目毎の情報を、比較元の部品に係る項目毎の情報と比較可能な態様で配列する。また、アシストモジュール2035は、記憶部202から読み出された、見積書における分類毎の価格の構成の比率を算出する。アシストモジュール2035は、各見積書について、分類毎の価格の構成の比率を算出する。アシストモジュール2035は、比較元の情報との差異に基づき、表示態様を変えてもよい。提示制御モジュール2036は、情報を配列した結果の画像をユーザに提示する。
【0127】
図19は、ディスプレイ141に表示される比較結果の表示例を表す模式図である。図19において、提示制御部193は、領域14113に、比較元となる、今回アップロードした見積書に関する情報を表示する。提示制御部193は、領域14114に、比較対象となる、類似部品の見積書に関する情報を表示する。提示制御部193は、領域14115に、分類毎の価格の構成比率を表示する。図19において、提示制御部193は、材料単価についての値を他の項目の情報に対して判別可能な態様で表示している。また、提示制御部193は、比較元の材料単価の値よりも低い場合と高い場合とで表示態様を変えている。
【0128】
なお、「価格の構成比較」の対象として「類似部品比較」以外の比較が設定されていてもよい。その場合、提示制御部193は、分類毎の価格の構成比率と共に、設定されている比較内容に応じた情報を表示する。
【0129】
上記説明では、アシストモジュール2035は、ユーザにより比較内容が選択された後、アップロードされた見積書と、過去の見積書とを比較するようにしている。しかしながら、アシストモジュール2035は、査定アシストの要求がされると、予め設定されている比較内容でアップロードされた見積書と、過去の見積書とを比較してもよい。この場合、アシストモジュール2035は、比較結果に基づくサムネイル画像を作成してもよい。
【0130】
また、上記説明において、アシストモジュール2035は、ユーザから比較内容の設定を受け付けるようにしてもよい。具体的には、例えば、アシストモジュール2035は、比較内容を一覧表示する際、比較内容を設定可能な領域をユーザに提示してもよい。
【0131】
また、上記説明では、査定アシストの要否の確認が、記憶部202に見積書に関する情報が記憶された直後に実施される場合を説明した。アシストモジュール2035は、査定アシストの要求を任意のタイミングでユーザから受け付けてもよい。
【0132】
(分析処理)
図20は、見積書に関する情報に基づいて見積書についての所定の傾向を分析する際のサーバ20の動作の例を表すフローチャートである。
【0133】
まず、ユーザは、見積書についての分析結果を確認したい場合、入力装置13を操作し、ウェブブラウザを起動させ、サービスが提供されるウェブサイトへアクセスする。ユーザは、見積書の分析を要求する指示を端末装置10に入力する。端末装置10は、見積書の分析を要求する旨の信号をサーバ20へ送信する。
【0134】
ステップS31において、サーバ20は、端末装置10から送信される要求を受け付ける。
【0135】
ステップS32において、サーバ20は、記憶部202に蓄積している見積書に関する情報を用いた分析を実施する。例えば、分析モジュール2034は、分析対象として設定される2つ以上の項目についての値を記憶部202から読み出し、読み出した値を大きさに基づいて整列させる。具体的には、例えば、分析モジュール2034は、分析対象として2つの項目を設定し、設定した項目を軸としたxy平面を作成する。分析モジュール2034は、項目について読み出した値をxy平面上に分布させる。また、例えば、分析モジュール2034は、分析対象として3つの項目を設定し、設定した項目を軸としたxyz空間を作成する。分析モジュール2034は、項目について読み出した値をxyz空間に分布させる。分析対象として設定される項目は、例えば、所定の傾向が表れることが経験的に認識されている項目のセットが予め設定されていてもよい。また、分析対象として設定される項目は、例えば、ユーザにより任意に設定されてもよい。
【0136】
分析モジュール2034は、例えば、記憶部202から読み出した値から、見積書の所定の項目が指定される文字である値のみを抽出する。分析モジュール2034は、任意の項目について文字の指定を受け付ける。具体的には、分析モジュール2034は、見積書の所定の項目をフィルタとして設定可能である。分析モジュール2034は、フィルタとして設定される項目において、所定の文字の指定を受け付ける。分析モジュール2034は、フィルタとして設定される項目が指定された文字である見積書の、所定項目の値を抽出する。
【0137】
分析モジュール2034は、抽出した値を、当該値の大きさに基づいて整列した画像を作成する。提示制御モジュール2036は、作成した画像をユーザに提示する。
【0138】
図21図23は、ディスプレイ141に表示される分析結果の表示例を表す模式図である。図21図23において、提示制御部193は、領域14115に、複数の項目フィルタを表示する。項目フィルタで表示される内容は、記憶部202に記憶されてる見積書の項目に対応する。各項目フィルタは、例えば、プルダウン式で値を入力可能となっている。対応する項目について記憶部202に記憶されている値がプルダウンで入力可能となっている。プルダウンにより値が入力されると、入力された値が記憶されている見積書がサーバ20において抽出される。
【0139】
図21図23において、提示制御部193は、領域14116に、分析対象としての項目を表示する。分析対象としての項目は、例えば、プルダウン式で選択可能となっている。分析対象としての項目は、見積書に含まれる項目であれば、任意に設定可能である。プルダウンにより項目が選択されると、選択された項目に係る値がサーバ20において読み出される。項目フィルタに所定の値が入力されている場合、抽出された見積書について、選択された項目に係る値がサーバ20において読み出される。
【0140】
図21図23において、提示制御部193は、領域14117に、分析結果を表示する。提示制御部193は、サーバ20において読み出された値についての分布図を分析結果として表示する。提示制御部193は、分布図における点が選択されると、選択された点に対応する見積書の情報を表示する。
【0141】
図21において、ユーザは、項目フィルタに値を入力せず、x軸として「基準数」を選択し、y軸として「単価」を選択している。提示制御部193は、記憶部202から読み出された、項目:基準数と、項目:単価との値を領域14117に表示する。
【0142】
図22において、ユーザは、項目フィルタ:サプライヤーに「企業A」を入力し、x軸として「製品重量」を選択し、y軸として「単価」を選択している。提示制御部193は、記憶部202から読み出された、サプライヤーが企業Aである見積書の項目:製品重量と、項目:単価との値を領域14117に表示する。
【0143】
図23において、ユーザは、項目フィルタ:サプライヤーに「企業A」を入力し、項目フィルタ:工程に「切断・鍛造、他6件」を入力し、x軸として「製品重量」を選択し、y軸として「加工費」を選択している。提示制御部193は、記憶部202から読み出された、サプライヤーが企業Aであり、工程が切断・鍛造、他6件である見積書の項目:製品重量と、項目:加工費との値を領域14117に表示する。
【0144】
分析モジュール2034による分析は、分布図に限定されない。分析モジュール2034は、分布図に限られない種々の分析手法を採用可能である。例えば、分析モジュール2034は、図24に示すような積み上げ図を作成してもよい。図24に示す図は、工程における各工程グループの構成比を積み上げ図で表している。図24において、ユーザは、項目フィルタの値を領域14118から入力可能であり、分析対象を領域14119から選択可能であり、工程グループを領域14120から追加又は削減可能である。
【0145】
以上のように、上記実施形態では、受信制御モジュール2031は、他の事業体から提供された見積書に関する情報のアップロードを受け付ける。記憶制御モジュール2033は、アップロードを受け付けた見積書に関する情報に含まれる項目と、当該項目についての文字とを、項目が属する分類毎に記憶する。分類は、少なくとも原材料に関する分類と、工程に関する分類とを含む。製造業に係る見積書は、発注前に調達品の価格の妥当性を把握するため仕入先企業から受け取る書類である。そのため、製造業に係る見積書には、原材料に関する情報、工程に関する情報等、価格に関する詳細な情報が種々記載されている。本実施形態では、記憶制御モジュール2033は、アップロードを受け付けた見積書に関する情報に含まれる項目と、当該項目についての文字とを、項目が属する分類である、少なくとも分類:「材料」、及び分類:「工程」毎に記憶する。このため、製造業に係る見積書に含まれる多くの情報が、後の処理で利用しやすいように系統立てて記憶されることになる。これにより、サーバ20は、納品された見積書における各項目の値を、系統立てた分類に則って記憶することが可能となる。
【0146】
したがって、本実施形態に係るサーバ20によれば、過去に発行された見積書の有効な活用を支援することができる。
【0147】
また、製造業に係る見積書は、サプライヤー間で入力フォーマットが異なることがある。その場合、どの項目が対象の項目なのか、判断に工数がかかる場合がある。本実施形態に係るサーバ20は、納品された見積書における各項目の値を、予め設定されている項目の値として記憶するため、サプライヤー間で納品書のフォーマットが一致していない場合であってもユーザは見積書の内容を工数をかけずに理解することが可能となる。
【0148】
また、上記実施形態では、受信制御モジュール2031は、見積書に関する情報を、フリーフォームの画像データとして受信する。これにより、ユーザは、任意のサプライヤーが納品する見積書をアップロードすることが可能となる。
【0149】
また、上記実施形態では、記憶制御モジュール2033は、画像データを画像解析することで、画像データに含まれる文字を抽出する。記憶制御モジュール2033は、見積書に含まれる文字の発生順序に基づいて文字と項目との関係を学習させた学習済みモデルに、抽出した文字を入力し、学習済みモデルから、項目に対応付けられた形式で文字を出力させ、項目、及び項目と対応付けられた文字を、項目が属する分類毎に記憶する。これにより、見積書に関する情報を、高精度に記憶部202に記憶することが可能となる。また、見積書のフォーマットがサプライヤー毎に異なる場合であっても、見積書に関する情報を、高精度に記憶部202に記憶することが可能となる。
【0150】
また、上記実施形態では、記憶制御モジュール2033は、画像データに含まれる文字データを抽出する。記憶制御モジュール2033は、抽出した文字データから、予め登録されている項目と、項目に係る文字とを検出し、検出した項目及び文字を、項目が属する分類毎に記憶する。これにより、見積書に関する情報を、高精度に記憶部202に記憶することが可能となる。また、見積書のフォーマットがサプライヤー毎に異なる場合であっても、見積書に関する情報を、高精度に記憶部202に記憶することが可能となる。
【0151】
また、上記実施形態では、記憶制御モジュール2033は、画像データに含まれる文字データを抽出する。記憶制御モジュール2033は、画像データの所定領域で検出された第1文字に基づいて分類を決定する。記憶制御モジュール2033は、所定領域に含まれる項目と、項目に係る第2文字とを検出し、検出した項目及び第2文字を、項目が属する分類毎に記憶する。これにより、見積書に関する情報を、高精度に記憶部202に記憶することが可能となる。また、見積書のフォーマットがサプライヤー毎に異なる場合であっても、見積書に関する情報を、高精度に記憶部202に記憶することが可能となる。
【0152】
また、上記実施形態では、提示制御モジュール2036は、見積書における情報の配置を提案する。これにより、ユーザは、情報を記憶しやすい見積書を把握することが可能となる。ユーザは、サプライヤーへ見積書のフォーマットを変更することを依頼することが可能となるため、より活用しやすい見積書をサプライヤーから受け取ることが可能となる。
【0153】
また、上記実施形態では、見積書は、製造業で提示される、材料費を計算するための項目を含む。材料費を計算するための項目は、原材料に関する分類に属する。より具体的には、見積書は、材料費を計算するための項目として、例えば、「投入重量」、「材料単価」、「スクラップ重量」、「スクラップ単価」、又はこれらのうち少なくともいずれかの組み合わせを含む。これにより、製造業に係る見積書について、高精度に情報を記憶することが可能となる。
【0154】
また、上記実施形態では、見積書は、製造業で提示される、加工費を計算するための項目を含む。加工費を計算するための項目は、工程に関する分類に属する。より具体的には、見積書は、加工費を計算するための項目として、例えば、「賃率」、「レート(マシンレート、マンレート)」、「段取時間」、「加工工数」、又はこれらのうち少なくともいずれかの組み合わせを含む。これにより、製造業に係る見積書について、高精度に情報を記憶することが可能となる。
【0155】
また、上記実施形態では、記憶制御モジュール2033は、複数の見積書に関する情報を記憶する。分析モジュール2034は、分類毎に記憶されている情報を読み出し、所定の傾向を分析する。これにより、サーバ20は、過去から蓄積されている見積書に関する情報に基づき、調達品の価格の妥当性を把握するための分析をすることが可能となる。例えば、所定の傾向から乖離した値がある場合には、見積書作成時のミスの発生を推定することも可能になる。さらに、価格の変動に基づき、適切な価格を提案することが可能となる。
【0156】
また、上記実施形態では、受信制御モジュール2031は、他の事業体から提供された製造業に係る見積書に関する情報のアップロードを受け付ける。記憶制御モジュール2033は、アップロードを受け付けた見積書に関する情報に含まれる項目と、見積書に関する情報に含まれ、項目に係る文字とを対応付けて記憶する。アシストモジュール2035は、見積書に関する情報に含まれる項目及び文字を記憶すると、過去に記憶した項目及び文字から、今回記憶した項目及び文字に関連する項目及び文字を抽出し、抽出した項目及び文字を含む見積書に関する情報を読み出す。アシストモジュール2035は、読み出した見積書に関する情報を、アップロードを受け付けた見積書に関する情報と比較可能に出力する。
【0157】
このため、例えば、相見積を依頼している際に、他のサプライヤーから見積書をまだ受領していない場合であっても、今回の見積書と、過去の見積書とを比較させることが可能となる。今回受領した見積書の価格の構成比率、又は各費用を流用元の部品と比較することが可能であるため、査定する際の参考情報として活用することが可能となる。
【0158】
また、これまでは関連する見積書を探そうとすると、ユーザは、見積書を記憶している記憶場所に1つずつアクセスする必要があった。サーバ20によれば、関連する見積書の候補が提案されるため、ユーザは、条件や部品ジャンルが似ている見積書との比較結果を容易に入手することが可能となる。このため、発注先を決定する際の労力を低減させることが可能となる。
【0159】
また、上記実施形態では、アシストモジュール2035は、今回記憶した項目及び文字と、過去に記憶した項目及び文字とに基づき、アップロードを受け付けた見積書に含まれる部品と類似する部品の見積書に関する情報を読み出す。これにより、ユーザは、今回記憶した見積書を、類似部品に係る見積書と比較することが可能となる。そのため、ユーザは、より説得力のある価格交渉を行うための資料を容易に取得することが可能となる。
【0160】
また、上記実施形態では、アシストモジュール2035は、今回記憶した項目及び文字と、過去に記憶した項目及び文字とに基づき、アップロードを受け付けた見積書を提供した事業体から過去に提供された見積書に関する情報を読み出す。これにより、ユーザは、今回記憶した見積書を、同じサプライヤーに係る見積書と比較することが可能となる。そのため、ユーザは、より説得力のある価格交渉を行うための資料を容易に取得することが可能となる。
【0161】
また、上記実施形態では、アシストモジュール2035は、今回記憶した項目及び文字と、過去に記憶した項目及び文字とに基づき、アップロードを受け付けた見積書に係る部品と品番が同じ部品の見積書に関する情報を読み出す。これにより、ユーザは、今回記憶した見積書を、過去に発注に至った過去の部品に係る見積書と比較することが可能となる。そのため、ユーザは、より説得力のある価格交渉を行うための資料を容易に取得することが可能となる。
【0162】
また、上記実施形態では、アシストモジュール2035は、今回記憶した項目及び文字と、過去に記憶した項目及び文字とに基づき、アップロードを受け付けた見積書と同時に相見積もりを取った他の事業者から提供された見積書に関する情報を読み出す。これにより、相見積もりを行った各サプライヤーの最新の見積を比較できる。また、相見積先サプライヤーの見積フォーマットがサプライヤーの書式になっていた場合であっても、見積書の書き方の違いをうまく統合して比較可能であるため、相見積を比較する際の労力が軽減される。
【0163】
また、上記実施形態では、アシストモジュール2035は、見積書に関する情報に含まれる項目及び文字を記憶すると、当該見積書に含まれる部品の比較対象としての項目に係る文字を、過去に記憶した複数の見積書に基づいて算出する。これにより、ユーザは、今回記憶した見積書を、過去の見積書に基づく統計値と比較することが可能となる。そのため、ユーザは、より説得力のある価格交渉を行うための資料を容易に取得することが可能となる。また、今回の見積書において、類似見積には存在しない構成部品、又は工程が存在する場合、コストテーブルを使った試算結果と比較することで、見積書における価格の適正を判断することが可能となる。また、試算結果の算出に使われたコストテーブルを見ても差分の原因がわからない場合には、サプライヤー側での作成ミスを推定することが可能であり、正しい見積書の取得にも貢献可能である。
【0164】
また、統計値にアクセスすることで、統計値の算出に用いられた計算過程、及び参照されたデータを確認することが可能である。そのため、ユーザは、統計値としての試算結果を、妥当性及び信頼性を理解した上で安心して採用することが可能となる。妥当かつ信頼できる値は交渉で利用でき、妥当性及び信頼性に欠ける値は参考に留める等の使い分けも可能である。
【0165】
また、上記実施形態では、見積書に関する情報に含まれる項目及び文字を記憶すると、過去に記憶した複数の見積書に基づき、記憶した文字に含まれる誤記を推定する。これにより、ユーザは、工数をかけず、見積書における誤記を発見することが可能となる。
【0166】
(変形例)
上記実施形態において、分類は、見積書の概要、部品、材料、工程を含む例を説明した。しかしながら、分類は他の分類を含んでいてもよい。例えば、分類には、金型に関する分類、物流に関する分類等が含まれていてもよい。これにより、より高精度に見積書を分析可能であり、また査定時のアシストをすることが可能となる。
【0167】
また、上記実施形態において、査定アシストにより作成された情報は、サーバ20又は端末装置10で記憶可能である。このとき、例えば、サーバ20又は端末装置10は、アップロードされた見積書と関連付けて査定アシストに係る情報を記憶する。このため、サプライヤーの選定が完了し、価格の妥当性の根拠を、見積書と関連付けて整理することが可能となる。後に比較結果を見返したくなった場合、ユーザは、比較対象に用いた部品の品名又は品番で比較結果を検索可能であるため、利便性が向上する。こうすることで、査定時の承認申請書を作成する際の労力が低減される。
【0168】
また、上記実施形態では、アシストモジュール2035は、ユーザにより「同サプライヤー過去見積比較」が選択された場合、記憶された見積書に係るサプライヤーと同一のサプライヤーが同一の部品について納品した見積書に関する情報を記憶部202から読み出す。サプライヤーにより見積書が修正された場合、アシストモジュール2035は、修正前後の見積書に関する情報を比較してもよい。提示制御モジュール2036は、修正前後の見積書に関する情報を比較可能にユーザに提示する。これにより、ユーザは、見積書に修正があった場合であっても、修正箇所を容易に把握することが可能となる。
【0169】
また、上記実施形態では、見積書に関するデータは、自社が記憶させた情報に限らず、他社が記憶させた情報であってもよい。これにより、市場の状態をより考慮した分析、又は査定アシストが可能となる。
【0170】
<4 コンピュータの基本ハードウェア構成>
図25は、コンピュータ90の基本的なハードウェア構成を示すブロック図である。コンピュータ90は、プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93、通信IF99(インタフェース、Interface)を少なくとも備える。これらはバスにより相互に電気的に接続される。
【0171】
プロセッサ91とは、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアである。プロセッサ91は、演算装置、レジスタ、周辺回路等から構成される。
【0172】
主記憶装置92とは、プログラム、及びプログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものである。例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
【0173】
補助記憶装置93とは、データ及びプログラムを保存するための記憶装置である。例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等である。
【0174】
通信IF99とは、有線又は無線の通信規格を用いて、他のコンピュータとネットワークを介して通信するための信号を入出力するためのインタフェースである。
【0175】
ネットワークは、インターネット、LAN、無線基地局等によって構築される各種移動通信システム等で構成される。例えば、ネットワークには、3G、4G、5G移動通信システム、LTE(Long Term Evolution)、所定のアクセスポイントによってインターネットに接続可能な無線ネットワーク(例えばWi-Fi(登録商標))等が含まれる。無線で接続する場合、通信プロトコルとして例えば、Z-Wave(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等が含まれる。有線で接続する場合は、ネットワークには、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等により直接接続するものも含む。
【0176】
なお、各ハードウェア構成の全部または一部を複数のコンピュータ90に分散して設け、ネットワークを介して相互に接続することによりコンピュータ90を仮想的に実現することができる。このように、コンピュータ90は、単一の筐体、ケースに収納されたコンピュータ90だけでなく、仮想化されたコンピュータシステムも含む概念である。
【0177】
<コンピュータ90の基本機能構成>
図25に示すコンピュータ90の基本ハードウェア構成により実現されるコンピュータの機能構成を説明する。コンピュータは、制御部、記憶部、通信部の機能ユニットを少なくとも備える。
【0178】
なお、コンピュータ90が備える機能ユニットは、それぞれの機能ユニットの全部または一部を、ネットワークで相互に接続された複数のコンピュータ90に分散して設けても実現することができる。コンピュータ90は、単一のコンピュータ90だけでなく、仮想化されたコンピュータシステムも含む概念である。
【0179】
制御部は、プロセッサ91が補助記憶装置93に記憶された各種プログラムを読み出して主記憶装置92に展開し、当該プログラムに従って処理を実行することにより実現される。制御部は、プログラムの種類に応じて様々な情報処理を行う機能ユニットを実現することができる。これにより、コンピュータは情報処理を行う情報処理装置として実現される。
【0180】
記憶部は、主記憶装置92、補助記憶装置93により実現される。記憶部は、データ、各種プログラム、各種データベースを記憶する。また、プロセッサ91は、プログラムに従って記憶部に対応する記憶領域を主記憶装置92または補助記憶装置93に確保することができる。また、制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ91に、記憶部に記憶されたデータの追加、更新、削除処理を実行させることができる。
【0181】
データベースは、リレーショナルデータベースを指し、行と列によって構造的に規定された表形式のテーブルと呼ばれるデータ集合を、互いに関連づけて管理するためのものである。データベースでは、表をテーブル、表の列をカラム、表の行をレコードと呼ぶ。リレーショナルデータベースでは、テーブル同士の関係を設定し、関連づけることができる。
【0182】
通常、各テーブルにはレコードを一意に特定するためのキーとなるカラムが設定されるが、カラムへのキーの設定は必須ではない。制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ91に、記憶部に記憶された特定のテーブルにレコードを追加、削除、更新を実行させることができる。
【0183】
通信部は、通信IF99により実現される。通信部は、ネットワークを介して他のコンピュータ90と通信を行う機能を実現する。通信部は、他のコンピュータ90から送信された情報を受信し、制御部へ入力することができる。制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ91に、受信した情報に対する情報処理を実行させることができる。また、通信部は、制御部から出力された情報を他のコンピュータ90へ送信することができる。
【0184】
以上、本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。
【0185】
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を以下に付記する。
(付記1)
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、プログラムは、プロセッサに、他の事業体から提供された見積書に関する情報のアップロードを受け付けるステップと、アップロードを受け付けた見積書に関する情報に含まれる項目と、当該項目についての文字とを、項目が属する分類毎に記憶するステップとを実行させ、分類は、少なくとも原材料に関する分類と、工程に関する分類とを含むプログラム。
(付記2)
受け付けるステップにおいて、見積書に関する情報は、フリーフォームの画像データである(付記1)に記載のプログラム。
(付記3)
画像データを画像解析することで、画像データに含まれる文字を抽出するステップをプロセッサに実行させ、記憶するステップにおいて、見積書に含まれる文字の発生順序に基づいて文字と項目との関係を学習させた学習済みモデルに、抽出した文字を入力し、学習済みモデルから、項目に対応付けられた形式で文字を出力させ、項目、及び項目と対応付けられた文字を、項目が属する分類毎に記憶する(付記2)に記載のプログラム。
(付記4)
画像データを画像解析することで、画像データに含まれる文字データを抽出するステップをプロセッサに実行させ、記憶するステップにおいて、抽出した文字データから、予め登録されている項目と、項目に係る文字とを検出し、検出した項目及び文字を、項目が属する分類毎に記憶する(付記2)に記載のプログラム。
(付記5)
画像データを画像解析することで、画像データに含まれる文字データを抽出するステップをプロセッサに実行させ、記憶するステップにおいて、画像データの所定領域で検出された第1文字に基づいて分類を決定し、所定領域に含まれる項目と、項目に係る第2文字とを検出し、第2文字を項目と対応付け、当該第2文字を、決定した分類と関連付けて記憶する(付記2)に記載のプログラム。
(付記6)
見積書における情報の配置を提案するステップをプロセッサに実行させる(付記1)から(付記5)のいずれかに記載のプログラム。
(付記7)
受け付けるステップにおいて、見積書は、製造業で提示される、材料費を計算するための項目を含み、当該材料費を計算するための項目は、原材料に関する分類に属する(付記1)から(付記6)のいずれかに記載のプログラム。
(付記8)
受け付けるステップにおいて、材料費を計算するための項目は、「投入重量」、「材料単価」、「スクラップ重量」、「スクラップ単価」を含む(付記7)に記載のプログラム。
(付記9)
受け付けるステップにおいて、見積書は、製造業で提示される、加工費を計算するための項目を含み、当該加工費を計算するための項目は、工程に関する分類に属する(付記1)から(付記8)のいずれかに記載のプログラム。
(付記10)
受け付けるステップにおいて、加工費を計算するための項目は、「賃率」、「レート(マシンレート、マンレート)」、「段取時間」、「加工工数」を含む(付記9)に記載のプログラム。
(付記11)
分類は、部品に関する分類、金型に関する分類、物流に関する分類を含む(付記1)から(付記10)のいずれかに記載のプログラム。
(付記12)
記憶するステップにおいて、複数の見積書に関する情報を記憶し、分類毎に記憶されている情報を読み出し、所定の傾向を分析するステップをプロセッサに実行させる(付記1)から(付記11)のいずれかに記載のプログラム。
(付記13)
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、プログラムは、プロセッサに、他の事業体から提供された製造業に係る見積書に関する情報のアップロードを受け付けるステップと、アップロードを受け付けた見積書に関する情報に含まれる項目と、見積書に関する情報に含まれ、項目に係る文字とを対応付けて記憶するステップと、見積書に関する情報に含まれる項目及び文字を記憶すると、過去に記憶した項目及び文字から、今回記憶した項目及び文字に関連する項目及び文字を抽出し、抽出した項目及び文字を含む見積書に関する情報を読み出すステップと、読み出した見積書に関する情報を、アップロードを受け付けた見積書に関する情報と比較可能に出力するステップとを実行させるプログラム。
(付記14)
読み出すステップにおいて、今回記憶した項目及び文字と、過去に記憶した項目及び文字とに基づき、アップロードを受け付けた見積書に含まれる部品と類似する部品の見積書に関する情報を読み出す(付記13)に記載のプログラム。
(付記15)
読み出すステップにおいて、今回記憶した項目及び文字と、過去に記憶した項目及び文字とに基づき、アップロードを受け付けた見積書を提供した事業体から過去に提供された見積書に関する情報を読み出す(付記13)に記載のプログラム。
(付記16)
読み出すステップにおいて、今回記憶した項目及び文字と、過去に記憶した項目及び文字とに基づき、アップロードを受け付けた見積書に係る部品と品番が同じ部品の見積書に関する情報を読み出す(付記13)に記載のプログラム。
(付記17)
読み出すステップにおいて、今回記憶した項目及び文字と、過去に記憶した項目及び文字とに基づき、アップロードを受け付けた見積書と同時に相見積もりを取った他の事業者から提供された見積書に関する情報を読み出す(付記13)に記載のプログラム。
(付記18)
見積書に関する情報に含まれる項目及び文字を記憶すると、当該見積書に含まれる部品の比較対象としての項目に係る文字を、過去に記憶した複数の見積書に基づいて算出するステップをプロセッサに実行させる(付記13)に記載のプログラム。
(付記19)
見積書に関する情報に含まれる項目及び文字を記憶すると、過去に記憶した複数の見積書に基づき、記憶した文字に含まれる誤記を推定するステップをプロセッサに実行させる(付記13)に記載のプログラム。
(付記20)
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行される方法であって、プロセッサが、(付記1)から(付記19)のいずれかに記載のステップを実行する方法。
(付記21)
制御部と、記憶部とを備える情報処理装置であって、制御部が、(付記1)から(付記19)のいずれかに記載のステップを実行する情報処理装置。
(付記22)
(付記1)から(付記19)のいずれかに記載のステップを実行する手段を具備するシステム。
【符号の説明】
【0186】
1…システム
10…端末装置
12…通信IF
120…通信部
13…入力装置
131…タッチ・センシティブ・デバイス
14…出力装置
141…ディスプレイ
150…位置情報センサ
160…カメラ
17…音声処理部
171…マイク
172…スピーカー
180…記憶部
19…プロセッサ
190…制御部
20…サーバ

【要約】
【課題】過去に発行された見積書の有効な活用を支援する。
【解決手段】プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムである。プログラムは、プロセッサに、他の事業体から提供された見積書に関する情報のアップロードを受け付けるステップと、アップロードを受け付けた見積書に関する情報に含まれる項目と、当該項目についての文字とを、項目が属する分類毎に記憶するステップとを実行させる。分類は、少なくとも原材料に関する分類と、工程に関する分類とを含む。
【選択図】図10
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25