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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-28
(45)【発行日】2024-03-07
(54)【発明の名称】多軸磁気抵抗センサパッケージ
(51)【国際特許分類】
   G01R 33/02 20060101AFI20240229BHJP
   G01B 7/00 20060101ALI20240229BHJP
   G01B 7/30 20060101ALI20240229BHJP
   G01R 33/09 20060101ALI20240229BHJP
   G01R 35/00 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
G01R33/02 U
G01R33/02 L
G01B7/00 102M
G01B7/00 103M
G01B7/30 H
G01R33/09
G01R35/00 M
【請求項の数】 8
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2016162312
(22)【出願日】2016-08-23
(65)【公開番号】P2017049240
(43)【公開日】2017-03-09
【審査請求日】2019-08-20
【審判番号】
【審判請求日】2021-12-09
(31)【優先権主張番号】14/842,578
(32)【優先日】2015-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100133503
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 一哉
(72)【発明者】
【氏名】カウストゥブ・ラヴィンドラ・ナガルカル
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・ウィリアム・ロレイン
【合議体】
【審判長】岡田 吉美
【審判官】中塚 直樹
【審判官】濱野 隆
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0015525(US,A1)
【文献】特開2010-256366(JP,A)
【文献】特開2007-033027(JP,A)
【文献】特開平6-258411(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0062469(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 33/00-33/26
G01B 7/00-7/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置姿勢センサであって、
第1の平面に沿って配置された第1の基板部分(44)と、前記第1の平面に直交する第2の平面に沿って配置された第2の基板部分(46)と、を含む誘電体基板(12、42)と、
前記第1の基板部分(44)に取り付けられ、少なくとも1つの磁気抵抗センサ回路(24)を含む第1の磁気抵抗センサチップ(48)と、
前記第2の基板部分(46)に取り付けられ、かつ前記第1の磁気抵抗センサチップに隣接して配置され、少なくとも1つの磁気抵抗センサ回路(24)を含む第2の磁気抵抗センサチップ(50)とを含み、
前記第1の磁気抵抗センサチップの前記少なくとも1つの磁気抵抗センサ回路の軸は、前記第2の磁気抵抗センサチップの前記少なくとも1つの磁気抵抗センサ回路の軸とは異なる方向に向けられ、
前記誘電体基板は、前記第1の磁気抵抗センサチップ(48)と前記第2の磁気抵抗センサチップ(50)との間の位置で曲がり、これにより前記第1の基板部分(44)と前記第2の基板部分(46)が規定され、
前記誘電体基板は、その上に形成され、信号を受信および送信するために前記第1および前記第2の磁気抵抗センサチップに接続された複数の電気リード線(18)を含
前記第1および前記第2の磁気抵抗センサチップの各々は、前記少なくとも1つの磁気抵抗センサ回路から一定の距離に配置された較正コイル(26)をさらに含み、前記較正コイルは、前記それぞれの磁気抵抗センサチップの較正を提供する較正磁界を生成するように構成され、
前記第1の基板部分(44)および前記第2の基板部分(46)のそれぞれが共通較正コイル(56、58)を有する、
位置姿勢センサ。
【請求項2】
請求項1に記載の位置姿勢センサであって、前記第1の磁気抵抗センサチップに隣接する前記第1の基板部分に取り付けられた第3の磁気抵抗センサチップ(52)をさらに含み、前記第3の磁気抵抗センサチップは、少なくとも1つの磁気抵抗センサ回路を含み、前記第3の磁気抵抗センサチップは、前記第1の基板部分(44)において前記第1の磁気抵抗センサチップに整列されている、位置姿勢センサ。
【請求項3】
請求項1に記載の位置姿勢センサであって、前記第1および前記第2の磁気抵抗センサチップの各々の前記少なくとも1つの磁気抵抗センサ回路から一定の距離に配置された共通較正コイル(28)をさらに含み、前記共通較正コイルは、前記第1および前記第2の磁気抵抗センサチップの各々の較正を提供する較正磁界を生成するように構成される、位置姿勢センサ。
【請求項4】
請求項1に記載の位置姿勢センサであって、前記誘電体基板は、その上に形成された複数の接続パッド(22)を含み、前記第1および前記第2の磁気抵抗センサチップの各々は、その上に形成された複数のチップパッド(32)を含み、
前記位置姿勢センサは、前記第1および前記第2の磁気抵抗センサチップのそれぞれのチップパッドを、フリップチップ接合により前記誘電体基板のそれぞれの接続パッドに接合するはんだをさらに含む、位置姿勢センサ。
【請求項5】
請求項1に記載の位置姿勢センサであって、前記誘電体基板は、FR4、セラミック、またはポリイミド材料のうちの1つを含む、位置姿勢センサ。
【請求項6】
位置姿勢センサを製造する方法であって、
第1の平面に沿って配置された第1の基板部分(44)と、前記第1の平面に直交する第2の平面に沿って配置された第2の基板部分(46)と、を含む誘電体基板を提供するステップと、
少なくとも1つの磁気抵抗センサ回路を含む第1の磁気抵抗センサチップを前記誘電体基板の前記第1の基板部分(44)に取り付けるステップと、
少なくとも1つの磁気抵抗センサ回路を含む第2の磁気抵抗センサチップを、前記第2の磁気抵抗センサチップが前記第1の磁気抵抗センサチップに隣接して配置されるように前記誘電体基板の前記第2の基板部分(46)に取り付けるステップと、を含み、
前記第1および前記第2の磁気抵抗センサチップを前記誘電体基板に取り付けるステップは、前記第1の磁気抵抗センサチップの前記少なくとも1つの磁気抵抗センサ回路の軸と前記第2の磁気抵抗センサチップの前記少なくとも1つの磁気抵抗センサ回路の軸が直交するように、前記第1および前記第2の磁気抵抗センサチップを前記誘電体基板に取り付けるステップと、
前記第1の基板部分(44)および前記第2の基板部分(46)のそれぞれに共通較正コイル(56、58)が設けられるステップと、
を含み、
前記誘電体基板は、前記第1の磁気抵抗センサチップ(48)と前記第2の磁気抵抗センサチップ(50)との間の位置で曲げられる柔軟な基板を備え、
前記誘電体基板は、その上に形成され、信号を受信および送信するために前記第1および前記第2の磁気抵抗センサチップに接続された複数の電気リード線(18)を含む、
前記第1および前記第2の磁気抵抗センサチップの各々は、前記少なくとも1つの磁気抵抗センサ回路から一定の距離に配置された較正コイル(26)を含み、前記較正コイルは、前記それぞれの磁気抵抗センサチップの較正を提供する較正磁界を生成するように構成されている、
方法。
【請求項7】
請求項に記載の方法であって、前記第1および前記第2の磁気抵抗センサチップを前記誘電体基板に取り付けるステップは、前記誘電体基板に対する前記第1および前記第2の磁気抵抗センサチップのフリップチップ接合を含み、リフローはんだにより、前記第1および前記第2の磁気抵抗センサチップのチップパッドと前記誘電体基板の接続パッドとの間の電気的接続を提供する、方法。
【請求項8】
請求項に記載の方法であって、第3の磁気抵抗センサチップを、前記第3の磁気抵抗センサチップが第1の基板部分(44)において前記第1の磁気抵抗センサチップと整列するように、前記第1の基板部分に取り付けるステップであって、前記第3の磁気抵抗センサチップは少なくとも1つの磁気抵抗センサ回路を含む、ステップをさらに含み、
前記第1、前記第2、および前記第3の磁気抵抗センサチップが3軸センサを形成する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、一般的には、外科的または介入的場面などの医療場面で使用される器具、インプラント、または装置のための位置/姿勢情報を提供するために用いることができるセンサに関し、特に、多軸のパッケージ化された磁気抵抗センサに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な医療場面では、患者に対してナビゲートまたは位置決めされる(外部的または内部的に)医療器具、インプラント、または装置の位置および/または姿勢情報を取得することが望ましい場合がある。たとえば、外科的および/または介入的場面においては、医療装置もしくは医療装置の一部の位置および/または姿勢情報を、装置または関連する部分が患者の体内など見えない場合であっても、取得することが有用であり得る。同様に、位置および姿勢情報の全部または一部を観察するために撮像技術が用いられる特定の処置では、同時に取得することができる画像データなどの他のデータに関連づけることができる追跡された装置自体から位置および姿勢情報を導出することが有用であり得る。
【0003】
このような医療場面では、医療器具、インプラント、または装置の位置/姿勢情報を提供するために、電磁(EM)センサを実現することができる。EMセンサは、コントローラと、空間的に変化する特性(磁界が場所によって異なる)を有する磁界を生成する磁界源送信器と、追跡される医療器具、インプラント、または装置に一体化されたEMセンサと、を含む位置/姿勢追跡システムの一部として利用することができる。EMセンサの位置は、EMセンサ観察が送信器からの算出された磁界と一致する位置を算出することによって、すなわち、送信器とEMセンサとの間の相互インダクタンスを測定し、測定値を処理して、送信器に対するEMセンサの位置および姿勢を分析することによって、決定することができる。
【0004】
このようにして位置姿勢情報を取得するのに好適なナビゲーションセンサについて起こり得る1つの問題は、追跡される装置に対する位置姿勢センサのサイズである。特に、外科的および介入的場面では、処置を受けている解剖学的構造のサイズおよび/または脆弱性に起因して、あるいは、処置に関連する外傷を最小にするために、可能な限り小さい器具、インプラント、または装置を用いることが望ましい場合がある。したがって、使用される器具、インプラント、または装置に適した大きさのナビゲーションセンサを使用することが望ましい。しかし、所望の位置姿勢情報を所望の精度および正確さで提供し、当該器具、インプラント、もしくは装置と共にまたはその中で使用するのに適したサイズである適切な位置姿勢センサアセンブリを構成することは困難であり得る。たとえば、既存の位置姿勢センサアセンブリは、2つの直交して配置された検出回路、較正コイル、および初期化コイルを含む単一のチップとして構成されることが多く、このようなアセンブリのサイズは約1mm2である。このサイズの位置姿勢センサアセンブリは、神経、心臓、および整形外科用スペースの多くの用途に使用可能であるが、1mmより小さい多くの標準的なカテーテル管腔および針に組み込むことはできない。
【0005】
したがって、既存の位置姿勢センサアセンブリの選択肢と比較して、サイズを縮小した位置姿勢センサアセンブリを提供することが望ましい。このような位置姿勢センサアセンブリは、十分な精度および正確さで、かつ6つの自由度で、位置姿勢情報を提供することがさらに望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許出願公開第2014/0292312号明細書
【発明の概要】
【0007】
本発明の一態様によれば、位置姿勢センサパッケージは、誘電体基板に取り付けられた誘電体基板および第1の磁気抵抗センサチップを含み、第1の磁気抵抗センサチップは、少なくとも1つの磁気抵抗センサ回路を含む。位置姿勢センサパッケージはまた、誘電体基板に取り付けられ、かつ第1の磁気抵抗センサチップに隣接して配置され、少なくとも1つの磁気抵抗センサ回路を含む第2の磁気抵抗センサチップを含む。第1の磁気抵抗センサチップの少なくとも1つの磁気抵抗センサ回路は、第2の磁気抵抗センサチップの少なくとも1つの磁気抵抗センサ回路とは異なる方向に向けられている。
【0008】
本発明の別の態様によれば、位置姿勢センサパッケージを製造する方法は、誘電体基板を提供するステップと、少なくとも1つの磁気抵抗センサ回路を含む第1の磁気抵抗センサチップを誘電体基板に取り付けるステップと、を含む。本方法はまた、第2の磁気抵抗センサチップを、第2の磁気抵抗センサチップが第1の磁気抵抗センサチップに隣接して配置されるように誘電体基板に取り付けるステップであって、第2の磁気抵抗センサチップは少なくとも1つの磁気抵抗センサ回路を含む、ステップを含む。第1のおよび第2の磁気抵抗センサチップは、第1の磁気抵抗センサチップの少なくとも1つの磁気抵抗センサ回路と第2の磁気抵抗センサチップの少なくとも1つの磁気抵抗センサ回路との間の既知の角度を確立するように、誘電体基板に取り付けられる。
【0009】
本発明のさらに別の態様によれば、多軸磁気抵抗センサパッケージは、誘電体基板および導電性相互接続を含むフレックス回路と、導電性相互接続に電気的に結合するように誘電体基板に取り付けられた第1の磁気抵抗センサチップと、導電性相互接続に電気的に結合するように誘電体基板に取り付けられた第2の磁気抵抗センサチップと、を含む。第1および第2の磁気抵抗センサチップの各々は、少なくとも1つの磁気抵抗センサ回路を含み、第1の磁気抵抗センサチップの少なくとも1つの磁気抵抗センサ回路の向きが第2の磁気抵抗センサチップの少なくとも1つの磁気抵抗センサ回路の向きと既知の角度だけ異なるように、第1および第2の磁気抵抗センサチップがフレックス回路に取り付けられている。
【0010】
様々な他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および図面から明らかになろう。
【0011】
図面は、本発明を実施するために現在考えられる実施形態を示す。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】それぞれ本発明の一実施形態による位置姿勢センサパッケージの上面図および下面図である。
図2図1Aおよび図1Bの位置姿勢センサパッケージの側面図である。
図3】本発明の一実施形態による、図1Aおよび図1Bおよび図2の位置姿勢センサパッケージで使用可能な磁気抵抗センサチップを示す図である。
図4】本発明の一実施形態による、図1Aおよび図1Bおよび図2の位置姿勢センサパッケージで使用可能な磁気抵抗センサチップを示す図である。
図5】本発明の別の実施形態による位置姿勢センサパッケージを示す図である。
図6】本発明の別の実施形態による位置姿勢センサパッケージを示す図である。
図7】本発明の一実施形態による、位置姿勢センサパッケージを組み込むことができる介入的装置の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態は、位置/姿勢情報を提供する多軸磁気抵抗センサパッケージを提供する。パッケージは、その上に形成された1つまたは複数の検出回路をそれぞれ含むいくつかのチップを含み、チップは、既存の位置姿勢センサアセンブリと比べて、少なくとも1つの寸法についてパッケージのサイズを縮小するように、共通の基板上に実装される。
【0014】
本明細書で説明するように、位置/姿勢システムの部品は、一般的に、外科的もしくは介入的器具、インプラント、装置、または外科的もしくは介入的場面で位置姿勢情報が所望され得る任意の他の適切な装置の種々のタイプに取り付けることができる。位置/姿勢システムは、様々な外科的または介入的装置の位置および姿勢を補正し、追跡するのに適している。特に、本明細書に開示した特定の実施形態では、位置/姿勢システムは、外部磁界を測定し、またはそれに応答して、位置座標および/または姿勢(角度)情報などの空間特性を決定するために使用できる複数の電磁(EM)センサを含む。例示的な実施形態では、EMセンサは、外部から印加された磁界の存在下で位置姿勢情報を生成するように構成された1軸または2軸の磁気抵抗センサであってもよい。
【0015】
ここで図1Aおよび図1Bおよび図2を参照して、本発明の一実施形態による、位置姿勢情報を提供する多軸磁気抵抗センサパッケージ10(すなわち、位置姿勢センサパッケージ)を示す。パッケージ10は、一般に、誘電体基板12と、基板12に取り付けられた第1の磁気抵抗センサチップ14および第2の磁気抵抗センサチップ16の配列と、を含む。第1および第2の磁気抵抗センサチップ14、16を基板12に取り付けるために、公知の取り付け/パッケージング技術を用いることができ(以下でより詳細に説明されるように)、チップ14、16と基板12との間に電気的導通が提供されて、基板12の上またはその中に形成されたリード線または相互接続18(すなわち、「フレックス回路」を形成する)は、チップ14、16から信号を受信し、パッケージ10の入力/出力(I/O)20に信号を送ることができる。
【0016】
本発明の実施形態によれば、パッケージ10の基板12は、使用中にパッケージに機械的安定性を提供し、さらに適切な誘電体特性を提供するように選択された誘電体材料で形成されている。したがって、誘電体基板12は、本発明の実施形態により、セラミック(たとえば、BaTi(チタン酸バリウム)、FR4、ポリイミドまたはポリマーフィルム(たとえば、Kapton(商標)、Ultem(商標)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、Upilex(商標))を含む、いくつかの適切な誘電体材料のうちのいずれかで形成することができる。基板に対して磁気抵抗センサチップ14、16を機械的および電気的に接続するために、複数の接続パッド22が基板12上に形成されて、リード線/相互接続18が接続パッド22から引き出されており、それはいくつかの公知技術のいずれかにより基板12上に形成される。様々な実施形態によれば、リード線/相互接続18は、パッケージ10上の電気的経路を提供するために、基板12の表面上のトレースとして形成することができる。たとえば、相互接続18は、初期スパッタリングされた密着層(チタン、クロムなど)およびスパッタリングされた銅シード層、その上に追加の銅をめっきすることにより形成することができる。相互接続18は、パッケージの接続パッド22とI/O接続20との間の電気的接続を提供するために、所望の形状にパターニングおよびエッチングすることができる。ビア(図示せず)などの追加の特徴を基板12に形成することができ、パッケージ10における経路選択を増加させるために、相互接続18をビア内に形成し、基板12の表面上に出すことができる。
【0017】
本発明の一実施形態によれば、パッケージ10の第1および第2の磁気抵抗センサチップ14、16は、チップの位置および姿勢の決定を提供する回路を含む固体(すなわち、シリコンベースの)デバイスである。より具体的には、第1および第2の磁気抵抗センサチップ14、16の各々は、1つまたは複数の磁気抵抗センサ回路24(または小型の表面実装センサ)を有するように形成することができる。1つまたは複数の磁気抵抗センサ回路24は、センサ回路24が外部から印加された磁界に対して移動し、または姿勢を変化させた場合に、導電体または半導体の電気抵抗の変化を示す信号をそれぞれ生成する。すなわち、センサチップ14、16では、種々のセンサ回路24のチップの抵抗は、印加された磁界に依存する。本発明の実施形態によれば、第1および第2の磁気抵抗センサチップ14、16の各々は、その上に形成された単一の磁気抵抗センサ回路24を含むことができ、あるいはその上に形成された2つの磁気抵抗センサ回路24を含むことができる。
【0018】
図3および図4を参照すると、磁気抵抗センサチップ14、16の拡大平面図が示されており、図3は、単一の磁気抵抗センサ回路24(すなわち、1軸センサ)のみを含むセンサチップを示し、図4は、互いに直交するように配列された2つの磁気抵抗センサ回路24(すなわち、2軸センサ)を含むセンサチップ14、16を示す。センサ回路24は、磁界の存在下で位置(すなわち、x、y、および/またはzの位置データ)および姿勢データ(すなわち、ロール、ピッチ、およびヨーの姿勢データ)を生成するために十分な感度を有する。特定の実施では、磁気抵抗センサチップ14、16は、低電圧(たとえば、2.0V以下)で、かつ広い磁界範囲(たとえば、±10Oe)にわたって動作する。さらに、特定の実施では、磁気抵抗センサチップ14、16は、金属耐性周波数で非常に低いノイズフロア(たとえば、マイクロコイルより10~1000倍低い)を有する。
【0019】
磁気抵抗センサチップ14、16の寸法およびサイズは、チップが1軸として形成されているか、または2軸センサとして形成されているかに基づいて、大きく決定される。単一の磁気抵抗センサ回路24を含む図3の1軸センサチップは、たとえば、0.4mm×0.4mm~0.5mm×0.5mmの寸法を有することができ、一対の直交して配列された磁気抵抗センサ回路24を含む図4の2軸センサチップは、たとえば、0.9mm×0.9mm~1.0mm×1.0mmの寸法を有することができる。したがって、1軸センサチップのコンパクトなフォームファクタは、2軸センサチップが実現できないかもしれない特定の器具または装置(たとえば、カテーテル管腔、針など)とともに、その実施を提供することができることが分かる。
【0020】
実際には、磁気抵抗センサチップ14、16は、多層設計とすることができ、(一実施形態では)センサチップを較正するために用いられるオフセットもしくは較正コイル26、磁気抵抗センサ回路24をリセットすることができるセットリセットストラップ(図示せず)、および磁界を測定するために使用される抵抗ブリッジ(図示せず)に対応する層を有する。一実施態様では、温度および磁界などに関する、磁気抵抗センサチップ14、16が動作する環境における予測できない変動に起因する位置および/または姿勢の誤差を低減するために、較正コイル26が動的な較正動作に使用することができる金属コイルとして形成されている。特に、較正コイル26は、指定された周波数で既知の磁界を生成するように構成され、指定された周波数は他の周波数でセンサチップ14、16を較正するために外挿することができる。特定の実施形態では、較正システムは、センサチップ14、16を動作させる前に初期較正を提供し、あるいはセンサチップが動作している場所で単一の較正を提供し、他の実施形態では、較正システムは、連続的または断続的に使用している間にセンサチップ14、16を較正するために使用されるフィードバックループの一部として機能することができる。いくつかの実施形態では、較正コイル26は、センサ回路24に対する較正コイル26の構造設計に基づいて磁気抵抗センサチップ14、16を較正する。たとえば、較正コイル26は、2軸磁気抵抗センサチップ14、16(図4)の2つのセンサ回路24に対して固定された位置にあってもよい。したがって、較正コイル26によって生成された電気抵抗に対する外部磁界(たとえば、B/I値)は、常に一定である。さらに、B/I値は、磁気抵抗センサチップ14、16によって生成された励磁電流(たとえば、電気抵抗を生成することができる)から独立した幾何学的な量である。較正コイル26のB/I値は、一般に、温度、磁界、または、磁気抵抗センサチップの環境における同様の変動によって変化しないので、磁気抵抗センサチップ14、16を較正するためのアルゴリズムでB/I値を用いることが有用であり得る。
【0021】
一実施形態では、図3および図4で示して説明したように、各々がそれ自体の較正コイル26を有する第1および第2の磁気抵抗センサチップ14、16に代えて、パッケージ10が第1および第2の磁気抵抗センサチップ14、16の各々を較正するために使用される共通較正コイル28を含んでもよいことが理解される。図1Bを再び参照すると、共通較正コイル28がパッケージ10に設けられ、それは基板12上に形成され、パッケージのI/O接続20に接続されていることが示されている。例示的な実施形態では、共通較正コイル28は、基板12の第1および第2の磁気抵抗センサチップ14、16が取り付けられている側の反対側に形成される。共通較正コイル28は、磁気抵抗センサチップ14、16のセンサ回路24に対して固定された位置にあってもよく、そうすることで、共通較正コイル28によって生成された電気抵抗に対する外部磁界を常に一定にすることができる。有利なことに、センサチップ14、16の両方のためにパッケージ10の共通較正コイル28を用いることで、パッケージ10に必要なリード線/相互接続18の数を(センサチップ14、16ごとの別々の較正コイルについて必要とされるリード線/相互接続と比較して)低減させる。さらに、パッケージ10で共通較正コイル28を用いることにより、共通較正コイル28を用いる際に関係する電流を1回だけ測定すればよく、別々の較正コイルを用いる場合の2回に比べて電流が節約される。
【0022】
多軸磁気抵抗センサパッケージ10の位置および姿勢を決定するために第1および第2の磁気抵抗センサチップ14、16を用いる際には、パッケージ10が磁界の存在下で位置(x、y、および/またはzの位置データ)および姿勢データ(ロール、ピッチ、およびヨーの姿勢データ)を生成できるように、それぞれの第1の磁気抵抗センサチップ14の磁気抵抗センサ回路24は、第2の磁気抵抗センサチップ16の磁気抵抗センサ回路24とは異なる方向に配向していることが必要である。すなわち、第1および第2の磁気抵抗センサチップ14、16の各々が単一のセンサ回路24を含む1軸センサを有する実施形態では、第1の磁気抵抗センサチップ14のセンサ回路24は、第2の磁気抵抗センサチップ16のセンサ回路24とは異なる方向に配向される。例示的な実施形態では、図1Aに示すように、第1および第2の磁気抵抗センサチップ14、16は、それぞれのセンサ回路24が互いに直交する向きになる(すなわち、互いに90°の向きになる)ように基板12に取り付けられる。
【0023】
図1A図1Bおよび図2に示す多軸磁気抵抗センサパッケージ10は、第1および第2の磁気抵抗センサチップ14、16のセンサ回路24が互いに直交する向きになるように構成されているが、チップ14、16のセンサ回路24が90°以外の角度で互いに配向されてもよいことが認識される。すなわち、パッケージ10は、90°以外の角度で互いに配向するセンサ回路24を用いて磁界の存在下で位置姿勢データを生成するように機能することができるが、重要な制限は、第1および第2の磁気抵抗センサチップ14、16の各々の磁気抵抗センサ回路24の間の向きが知られており、パッケージ10の組立中に制御されることである。第1および第2の磁気抵抗センサチップ14、16のセンサ回路24の間の角度が分かれば、センサ回路24により生成された信号を処理して、パッケージ10の位置および姿勢を正確に決定することができる。
【0024】
第1および第2の磁気抵抗センサチップ14、16のセンサ回路24の間の既知の向き/角度を提供するための、第1および第2の磁気抵抗センサチップ14、16の基板12への取り付けについては、本発明の例示的な実施形態は、フリップチップの適用により第1および第2の磁気抵抗センサチップ14、16を基板12に取り付ける。図2に示すように、フリップチップ工程により第1および第2の磁気抵抗センサチップ14、16を基板12に取り付ける際には、製造工程の終わり近くで磁気抵抗センサチップ14、16のチップパッド32(センサ回路のセンサ入力および出力、センサ回路のセットリセット動作、センサ回路のオフセットまたは較正動作、電源、グランドなどに対応する)の上にはんだの小ドット30が堆積される。次に、第1および第2の磁気抵抗センサチップ14、16は、はんだバンプ30が下地基板12の接続パッド22の上になるようにチップを反転させて基板12に取り付けられる。はんだバンプ30は、次に、通常、リフローはんだ処理または熱超音波圧着法を用いて再溶融され、電気的接続を生成し、次に電気的絶縁性接着剤(図示せず)が、通常、チップの回路と下地の実装基板12との間の残った隙間に「アンダーフィル」されて、より強力な機械的接続を提供し、熱ブリッジを提供し、チップ14、16およびパッケージ10の残りの部分の示差加熱に起因する応力がはんだ接合に加わらないことを確実にする。フリップチップを適用することにより、基板12上の第1および第2の磁気抵抗センサチップ14、16の配置/取り付けの位置精度を0.25°以内に制御することができ、そうすることで、第1および第2の磁気抵抗センサチップ14、16のセンサ回路24の間の向き/角度を十分に既知であって制御されたものにすることができる。
【0025】
図1A図1B、および図2に示すように、第1および第2の磁気抵抗センサチップ14、16の基板12への取り付けについてはさらに、第1および第2の磁気抵抗センサチップ14、16が、パッケージ10のサイズを1つの寸法について最小にするように配置されていることが分かる。すなわち、第1および第2の磁気抵抗センサチップ14、16は、互いに隣接するように基板12に取り付けられ、第1および第2の磁気抵抗センサチップ14、16は、パッケージの幅(矢印36で示す)が最小になるように誘電体基板の長手方向(矢印34で示す)に沿っている。第1および第2の磁気抵抗センサチップ14、16の各々が1軸センサとして構成される(すなわち、各チップが単一の磁気抵抗センサ回路24のみを含む)実施形態では、全体的なパッケージ10の幅は、このようにして約0.5mm(およびパッケージの高さを0.25mm)に維持することができ、それは、たとえばカテーテル管腔および微細針などの医療装置/器具内にパッケージ10を配置することを可能にする。
【0026】
ここで図5および図6を参照すると、本発明の別の実施形態による、位置姿勢情報を提供する多軸磁気抵抗センサパッケージ40が示されており、パッケージ40は3軸パッケージとして構成されている。パッケージ40は、図1A図1B、および図2で示して説明したパッケージ10に機能/動作において類似しているが、誘電体基板42の構成が、3軸検出パッケージを提供するために、チップのセンサ回路が3つの軸に沿って配置/配向することができるように、磁気抵抗センサチップの配置を提供する点で異なっている。図5および図6に示すように、基板42は、第1の平面に沿って配置された第1の基板部分44と、第1の平面に直交する第2の平面に沿って配置された第2の基板部分46と、で形成され、基板42はL字形状の構造を有する。
【0027】
本発明の実施形態によれば、3軸磁気抵抗センサパッケージ40に含まれる磁気抵抗センサチップの数は、パッケージに含まれるチップのタイプ、すなわち、チップが1軸センサとして構成されているか、2軸センサとして構成されているかに基づいて変化することができる。例示的な実施形態では、図5に示すように、複数の1軸センサがパッケージ40に含まれており、第1の磁気抵抗センサチップ48、第2の磁気抵抗センサチップ50、および第3の磁気抵抗センサチップ52の各々は、単一のセンサ回路24を含む1軸センサとして設けられている(ただし、第2の磁気抵抗センサチップは2軸センサであってもよいことが認識される)。第1および第3の磁気抵抗センサチップ48、52は、互いに隣接し、基板42の長手方向(矢印54で示す)に整列するように、第1の基板部分44に取り付けられ、第2の磁気抵抗センサチップ50は、第1および第3の磁気抵抗センサチップ48、52のうちの一方に隣接する位置で第2の基板部分46に取り付けられている。第1、第2、および第3の磁気抵抗センサチップ48、50、52は、各チップのセンサ回路24が他の各センサ回路24と異なる角度で配向するように基板部分44、46に取り付けられ、例示的な実施形態では、チップ48、50、52は、センサ回路24が互いに直交して配向するように基板部分44、46に取り付けられる。しかし、上で詳細に説明したように、チップ48、50、52のセンサ回路24は、チップ48、50、52の各々の磁気抵抗センサ回路24の間の向きが既知である(すなわち、パッケージの組み立て時に制御される)限り、90°以外の角度で互いに配向されてもよいことが認識されるが、所望の方向の0.25°以内に基板上のチップの位置精度を制御するために、フリップチップの製造および配置技術を用いて、第1、第2、および第3の磁気抵抗センサチップ48、50、52を基板42に取り付ける。
【0028】
他の実施形態では、3軸磁気抵抗センサパッケージ40に含まれる磁気抵抗センサチップの数は、図5および図6に示す3つのチップ48、50、52よりも少なくすることができる。たとえば、3軸磁気抵抗センサパッケージ40は、2つの磁気抵抗センサチップのみを含むように構成することができ、第1の磁気抵抗センサチップは、第1の基板部分44に取り付けられて、2軸センサ(その上に2つの直交する向きのセンサ回路がある)の形態であり、第2の磁気抵抗センサチップは、第2の基板部分46に取り付けられて、第1の磁気抵抗センサチップの2つのセンサ回路と異なるように(たとえば、直交するように)配向された少なくとも1つのセンサ回路を有する1軸または2軸センサの形態である。
【0029】
図6に示すように、パッケージ10は、第1、第2、および第3の磁気抵抗センサチップ48、50、52を較正するために使用されるいくつかの共通較正コイル56、58をさらに含む。共通較正コイル56は、第1および第3の磁気抵抗センサチップ48、52を較正するために第1の基板部分44(その裏面側)に設けることができ、別の共通較正コイル58は、第2の磁気抵抗センサチップ50を較正するために第2の基板部分46(その裏面側)に設けることができる。磁気抵抗センサチップ48、50、52が動作する環境における温度および磁界などに関する予測できない変動に起因する位置および/または姿勢の誤差を低減するために、較正コイル56、58を動的較正動作のために使用することができ、較正コイル56、58は、指定された周波数で既知の磁界を発生するように構成され、指定された周波数は他の周波数でセンサ回路24を較正するために外挿することができる。
【0030】
ここで図7を参照すると、多軸磁気抵抗センサパッケージ10(図1)と共に使用するのに適した医療装置100の一例が示されている。この例では、医療装置100は、患者の脈管内に挿入してナビゲートするのに適したカテーテルである。カテーテルは、例として示すものであるが、本明細書で説明した多軸磁気抵抗センサパッケージ10、40は、外科的もしくは介入的な器具、インプラント、または装置の他の様々なタイプの上またはその中に設けてもよい。このような器具、インプラント、または装置の例としては、これらに限らないが、インプラント、プローブ、突き錐、ドリル、アスピレータ、鉗子、ブレード、ねじ、釘、ピン、Kワイヤ、針、カニューレ、導入器、カテーテル、ガイドワイヤ、ステント、心臓弁、フィルタ、内視鏡、腹腔鏡、または電極、内視鏡もしくは他の体内のカメラ装置、または外科的もしくは介入的使用の際に位置姿勢情報が所望され得る他の任意の適切な装置を挙げることができる。
【0031】
図示した医療装置100(たとえば、カテーテル)は、多軸磁気抵抗センサパッケージ10、40を配置することができる遠位端部または先端部102を含む。一実施形態では、多軸磁気抵抗センサパッケージは、図1A図1B、および図2に示して説明したように、外部から印加された磁界の存在下で位置姿勢情報を生成するように構成された2軸磁気抵抗センサパッケージ10であってもよい。別の実施形態では、多軸磁気抵抗センサパッケージは、図5および図6に示して説明したように、外部から印加された磁界の存在下で位置姿勢情報を生成するように構成された3軸磁気抵抗センサパッケージ40であってもよい。シャフト104は、先端部102に連通しており、シャフト104は、医療装置100(たとえば、カテーテル)を操作して動作させるために用いることができるハンドルアセンブリ106に先端部102を連結する。特定の事例では、ハンドルアセンブリ106は、ケーブル108を介するなどして、使用者がカテーテルの機能および動作の特定の態様を制御することを可能にするオペレータコンソール110と通信することができる。
【0032】
動作する際は、医療装置100に関連する(および医療装置100に対して既知の位置に固定された)磁界送信器112が、センサパッケージ10、40を含む体積にわたって空間的に変化する特性を有する磁界を送信する。図7では送信器112を単一の送信器要素として示しているが、他の実施形態によれば、離間した位置にある複数の送信器を、センサパッケージ10、40によって検出される磁界を生成するために用いることができる。送信器112により生成され、多軸磁気抵抗センサパッケージ10、40のセンサチップによって検出される磁界(すなわち磁界の強さ)は、医療装置100の空間的特性、たとえば位置(たとえば、X、Y、およびZ座標)および姿勢(たとえば、ピッチ、ヨー、およびロール角)を決定するために使用される。医療装置100内の多軸磁気抵抗センサパッケージ10、40から取得された信号は、コンソール110の処理回路および/またはメモリなどにより、医療装置100に関する位置/姿勢情報を生成するために処理することができる。
【0033】
有利なことに、本発明の実施形態は、このように、位置/姿勢情報を提供する多軸磁気抵抗センサパッケージを提供する。パッケージは、その上に形成された1つまたは複数の検出回路をそれぞれ含むいくつかのチップを含み、チップは、既存の位置姿勢センサアセンブリと比べて、少なくとも1つの寸法についてパッケージのサイズを縮小するように、共通の基板上に実装される。パッケージを製造する際には、制御された配置技術を用いてチップを基板に取り付け、そのようにすることで、各チップの磁気抵抗センサ回路の、1つまたは複数の他の各チップの磁気抵抗センサ回路に対する向きが既知のものとなる。
【0034】
したがって、本発明の一実施形態によれば、位置姿勢センサパッケージは、誘電体基板に取り付けられた誘電体基板および第1の磁気抵抗センサチップを含み、第1の磁気抵抗センサチップは、少なくとも1つの磁気抵抗センサ回路を含む。位置姿勢センサパッケージはまた、誘電体基板に取り付けられ、かつ第1の磁気抵抗センサチップに隣接して配置され、少なくとも1つの磁気抵抗センサ回路を含む第2の磁気抵抗センサチップを含む。第1の磁気抵抗センサチップの少なくとも1つの磁気抵抗センサ回路は、第2の磁気抵抗センサチップの少なくとも1つの磁気抵抗センサ回路とは異なる方向に向けられている。
【0035】
本発明の別の実施形態によれば、位置姿勢センサパッケージを製造する方法は、誘電体基板を提供するステップと、少なくとも1つの磁気抵抗センサ回路を含む第1の磁気抵抗センサチップを誘電体基板に取り付けるステップと、を含む。本方法はまた、第2の磁気抵抗センサチップを、第2の磁気抵抗センサチップが第1の磁気抵抗センサチップに隣接して配置されるように誘電体基板に取り付けるステップであって、第2の磁気抵抗センサチップは少なくとも1つの磁気抵抗センサ回路を含む、ステップを含む。第1のおよび第2の磁気抵抗センサチップは、第1の磁気抵抗センサチップの少なくとも1つの磁気抵抗センサ回路と第2の磁気抵抗センサチップの少なくとも1つの磁気抵抗センサ回路との間の既知の角度を確立するように、誘電体基板に取り付けられる。
【0036】
本発明のさらに別の実施形態によれば、多軸磁気抵抗センサパッケージは、誘電体基板および導電性相互接続を含むフレックス回路と、導電性相互接続に電気的に結合するように誘電体基板に取り付けられた第1の磁気抵抗センサチップと、導電性相互接続に電気的に結合するように誘電体基板に取り付けられた第2の磁気抵抗センサチップと、を含む。第1および第2の磁気抵抗センサチップの各々は、少なくとも1つの磁気抵抗センサ回路を含み、第1の磁気抵抗センサチップの少なくとも1つの磁気抵抗センサ回路の向きが第2の磁気抵抗センサチップの少なくとも1つの磁気抵抗センサ回路の向きと既知の角度だけ異なるように、第1および第2の磁気抵抗センサチップがフレックス回路に取り付けられている。
【0037】
この明細書は、本発明を開示するために実施例を用いており、最良の形態を含んでいる。また、いかなる当業者も本発明を実施することができるように実施例を用いており、任意のデバイスまたはシステムを製作し使用し、任意の組み込まれた方法を実行することを含んでいる。本発明の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が想到するその他の実施例を含むことができる。このような他の実施例が特許請求の範囲の文字通りの言葉と異ならない構造要素を有する場合、または、それらが特許請求の範囲の文字通りの言葉と実質的な差異がなく等価な構造要素を含む場合には、このような他の実施例は特許請求の範囲内であることを意図している。
【0038】
本発明について限られた数の実施形態にのみ関連して詳述しているが、本発明がこのような開示された実施形態に限定されないことが直ちに理解されるべきである。むしろ、これまでに記載されていない任意の数の変形、変更、置換または等価な構成を組み込むために、本発明を修正することができ、それらは本発明の趣旨と範囲に相応している。さらに、本発明の様々な実施形態について記載しているが、本発明の態様は記載した実施形態のうちのいくつかのみを含んでもよいことを理解すべきである。したがって、本発明は、上記の説明によって限定されるとみなされるのではなく、添付した特許請求の範囲によって限定されるだけである。
【符号の説明】
【0039】
10 多軸磁気抵抗センサパッケージ
12 誘電体基板
14 第1の磁気抵抗センサチップ
16 第2の磁気抵抗センサチップ
18 リード線または相互接続
20 入力/出力(I/O)接続
22 接続パッド
24 磁気抵抗センサ回路
26 較正コイル
28 共通較正コイル
30 はんだバンプ
32 チップパッド
34 矢印
36 矢印
40 多軸磁気抵抗センサパッケージ
42 誘電体基板
44 第1の基板部分
46 第2の基板部分
48 第1の磁気抵抗センサチップ
50 第2の磁気抵抗センサチップ
52 第3の磁気抵抗センサチップ
54 矢印
56 共通較正コイル
58 共通較正コイル
100 医療装置
102 遠位端部または先端部
104 シャフト
106 ハンドルアセンブリ
108 ケーブル
110 オペレータコンソール
112 磁界送信器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7