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特許7445445コンピュータプログラム、広告表示装置、及び広告表示方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-28
(45)【発行日】2024-03-07
(54)【発明の名称】コンピュータプログラム、広告表示装置、及び広告表示方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0251 20230101AFI20240229BHJP
   G09F 21/04 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
G06Q30/0251
G09F21/04 S
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020015445
(22)【出願日】2020-01-31
(65)【公開番号】P2021124757
(43)【公開日】2021-08-30
【審査請求日】2022-10-17
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390023168
【氏名又は名称】株式会社エヌケービー
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】菊田 眞弘
【審査官】太田 龍一
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-061361(JP,A)
【文献】特開2005-222481(JP,A)
【文献】特開2002-215076(JP,A)
【文献】韓国公開特許第2003-0066198(KR,A)
【文献】特開2008-145719(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G09F 21/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
公共交通移動体内に設けられた表示装置に複数の広告を表示させる処理をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであって、
前記公共交通移動体の停止位置に関する情報を取得し、
前記停止位置に関する情報と対応付けられていない第1広告と、前記停止位置に関する情報と対応付けられた第2広告とを含む前記複数の広告を記憶し、
前記第1広告を前記表示装置に表示させ、
前記停止位置に関する情報を取得した場合、前記第1広告の表示終了後に、取得した前記停止位置に関する情報に応じた前記第2広告を前記表示装置に表示させ、
前記第2広告の表示終了後に、再び前記第1広告を前記表示装置に表示させ、
画像及び音声を含む前記第2広告、並びに、案内音声を記憶し、
前記音声及び前記案内音声を出力する音声出力部に、前記案内音声を出力させ、
前記停止位置に関する情報を取得した場合、前記第1広告の表示と前記案内音声の出力との終了後に、前記第2広告を前記表示装置に表示させ、
前記第2広告を表示させる際、前記画像の出力を開始させるタイミングと同期させて、
前記音声出力部に前記音声の出力を開始させる
処理をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
【請求項2】
前記公共交通移動体は、列車、又はバスであり、
前記停止位置に関する情報は、前記列車の次の停車駅に関する情報、又は前記バスの次の停留所に関する情報である
請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項3】
複数の前記第1広告を記憶し、
前記表示装置に複数の前記第1広告を連続して表示させ、
前記停止位置に関する情報を取得した際に前記第1広告が表示されている場合、
前記表示装置に複数の前記第1広告の表示を中断させて前記第2広告を表示させ、
前記第2広告の表示終了後に、複数の前記第1広告の表示を再開させる
処理をコンピュータに実行させる請求項1または請求項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項4】
複数の前記停止位置に関する情報を取得し、
複数の前記停止位置に関する情報とそれぞれ対応付けられた複数の前記第2広告を記憶する
処理をコンピュータに実行させる請求項1から請求項のいずれか1項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項5】
同一の前記停止位置に関する情報と対応付けられた複数の前記第2広告を記憶し、
複数の前記第2広告と対応付けられた前記停止位置に関する情報を取得した場合、取得した前記停止位置に関する情報と対応付けられた複数の前記第2広告を前記表示装置に連続して表示させる
処理をコンピュータに実行させる請求項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項6】
前記公共交通移動体は、タクシーであり、
前記停止位置に関する情報は、前記タクシーの配車に関するアプリケーションにて入力された目的地に関する情報である
請求項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項7】
公共交通移動体内に設けられた表示装置に複数の広告を表示させる広告表示装置であっ
て、
前記公共交通移動体の停止位置に関する情報を取得する取得部と、
前記停止位置に関する情報と対応付けられていない第1広告と、前記停止位置に関する
情報と対応付けられた第2広告とを含む前記複数の広告とを記憶する記憶部と、
前記複数の広告を前記表示装置に表示させるタイミングを制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
前記第1広告を前記表示装置に表示させ、
前記停止位置に関する情報を取得した場合、前記第1広告の表示終了後に、取得した前
記停止位置に関する情報に応じた前記第2広告を前記表示装置に表示させ、
前記第2広告の表示終了後に、再び前記第1広告を前記表示装置に表示させ、
画像及び音声を含む前記第2広告、並びに、案内音声を記憶し、
前記音声及び前記案内音声を出力する音声出力部に、前記案内音声を出力させ、
前記停止位置に関する情報を取得した場合、前記第1広告の表示と前記案内音声の出力
との終了後に、前記第2広告を前記表示装置に表示させ、
前記第2広告を表示させる際、前記画像の出力を開始させるタイミングと同期させて、
前記音声出力部に前記音声の出力を開始させる
広告表示装置。
【請求項8】
公共交通移動体内に設けられた表示装置に複数の広告を表示させる広告表示方法であっ
て、
前記公共交通移動体の停止位置に関する情報を取得し、
前記停止位置に関する情報と対応付けられていない第1広告と、前記停止位置に関する
情報と対応付けられた第2広告とを含む前記複数の広告を記憶し、
前記第1広告を前記表示装置に表示させ、
前記停止位置に関する情報を取得した場合、前記第1広告の表示終了後に、取得した前
記停止位置に関する情報に応じた前記第2広告を前記表示装置に表示させ、
前記第2広告の表示終了後に、再び前記第1広告を前記表示装置に表示させ、
画像及び音声を含む前記第2広告、並びに、案内音声を記憶し、
前記音声及び前記案内音声を出力する音声出力部に、前記案内音声を出力させ、
前記停止位置に関する情報を取得した場合、前記第1広告の表示と前記案内音声の出力
との終了後に、前記第2広告を前記表示装置に表示させ、
前記第2広告を表示させる際、前記画像の出力を開始させるタイミングと同期させて、
前記音声出力部に前記音声の出力を開始させる
広告表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コンピュータプログラム、広告表示装置、及び広告表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
バス、タクシー、及び列車等の公共交通移動体には、乗客へ広告を表示するデジタルサイネージ装置等の表示装置が搭載されている。表示装置は、予め設定された順番(プレイリスト)に従い、広告を表示する。(例えば特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-96748号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の表示装置(デジタルサイネージ装置)は、広告を表示する際の公共交通移動体の停車駅又は停留所等の停止位置に応じた広告を表示することについて考慮されていない。
【0005】
本開示は、公共交通移動体の停止位置に応じた広告を表示装置に表示させることができるコンピュータプログラム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るコンピュータプログラムは、公共交通移動体内に設けられた表示装置に複数の広告を表示させる処理をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであって、前記公共交通移動体の停止位置に関する情報を取得し、前記停止位置に関する情報と対応付けられていない第1広告と、前記停止位置に関する情報と対応付けられた第2広告とを含む前記複数の広告を記憶し、前記第1広告を前記表示装置に表示させ、前記停止位置に関する情報を取得した場合、前記第1広告の表示終了後に、取得した前記停止位置に関する情報に応じた前記第2広告を前記表示装置に表示させ、前記第2広告の表示終了後に、再び前記第1広告を前記表示装置に表示させる処理をコンピュータに実行させる。
【0007】
本開示に係る広告表示装置は、公共交通移動体内に設けられた表示装置に複数の広告を表示させる広告表示装置であって、前記公共交通移動体の停止位置に関する情報を取得する取得部と、前記停止位置に関する情報と対応付けられていない第1広告と、前記停止位置に関する情報と対応付けられた第2広告とを含む前記複数の広告を記憶する記憶部と、前記複数の広告を前記表示装置に表示させるタイミングを制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記第1広告を前記表示装置に表示させ、前記停止位置に関する情報を取得した場合、前記第1広告の表示終了後に、取得した前記停止位置に関する情報に応じた前記第2広告を前記表示装置に表示させ、前記第2広告の表示終了後に、再び前記第1広告を前記表示装置に表示させる。
【0008】
本開示に係る広告表示方法は、公共交通移動体内に設けられた表示装置に複数の広告を表示させる広告表示方法であって、前記公共交通移動体の停止位置に関する情報を取得し、前記停止位置に関する情報と対応付けられていない第1広告と、前記停止位置に関する情報と対応付けられた第2広告とを含む前記複数の広告を記憶し、前記第1広告を前記表示装置に表示させ、前記停止位置に関する情報を取得した場合、前記第1広告の表示終了後に、取得した前記停止位置に関する情報に応じた前記第2広告を前記表示装置に表示させ、前記第2広告の表示終了後に、再び前記第1広告を前記表示装置に表示させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、公共交通移動体の停止位置に応じた広告を表示装置に表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1に係る広告表示システムの構成を示す模式図である。
図2】停止位置DBの内容例を示す概念図である。
図3】広告表示装置の構成を示すブロック図である。
図4】第1広告DBの内容例を示す概念図である。
図5】第2広告DBの内容例を示す概念図である。
図6】案内音声DBの内容例を示す概念図である。
図7】広告表示装置の制御部が行う表示装置に複数の広告を表示させる処理を例示するフローチャートである。
図8】変形例の広告表示装置の制御部が行う表示装置に複数の広告を表示させる処理を例示するフローチャートである。
図9】実施の形態2の広告表示装置の制御部が行う表示装置に複数の広告を表示させる処理を例示するフローチャートである。
図10】実施の形態3に係る広告表示システムの構成を示す模式図である。
図11】実施の形態3の第2広告DBの内容例を示す概念図である。
図12】広告表示装置の制御部が行う表示装置に複数の広告を表示させる処理を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。図1は、実施の形態1に係る広告表示システムSの構成を示す模式図である。広告表示システムSは、公共交通移動体1に搭載された広告表示装置2を含む。公共交通移動体1は、例えば、列車、バス、及びタクシー等の乗り物である。以下、公共交通移動体1が列車又はバスである場合について説明する。
【0012】
広告表示装置2は、公共交通移動体1に搭載された通信装置5と通信可能に接続されている。通信装置5は、ネットワークNを介して公共交通移動体1の外部に設けられた外部サーバ6と通信を行う。広告表示装置2は、通信装置5及びネットワークNを介して外部サーバ6と通信を行い、外部サーバ6から複数の広告を取得する。広告表示装置2は、公共交通移動体1内に設けられた停止位置情報出力装置3、及び表示装置4と通信可能に接続されている。停止位置情報出力装置3は、後述する停止位置に関する情報を広告表示装置2へ出力する。広告表示装置2は、取得した複数の広告を表示装置4に表示させる。
【0013】
外部サーバ6は、例えばインターネット又は公衆回線網等のネットワークNに接続されているサーバ等のコンピュータである。外部サーバ6は、複数台のコンピュータによって構成されるクラウドサーバであってもよい。外部サーバ6は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)又はハードディスク等により構成される記憶部61を備える。記憶部61には、後述する停止位置に関する情報、複数の広告及び案内音声が保存されている。複数の広告は、後述する第1広告及び第2広告を含む。複数の広告及び案内音声は、通信装置5及びネットワークNを介して外部サーバ6から広告表示装置2へ送信される。詳しくは第1広告は外部サーバ6から広告表示装置2へ送信される。第2広告及び案内音声は、停止位置に関する情報と関連付けられて外部サーバ6から広告表示装置2へ送信される。外部サーバ6から広告表示装置2への複数の広告及び案内音声の送信、すなわち外部サーバ6と通信装置5(広告表示装置2)との通信は、例えば公共交通移動体1が、列車の車両基地又はバスの車庫に停車している際に行われる。外部サーバ6と通信装置5(広告表示装置2)との通信は、公共交通移動体1の移動中(走行中)に行われてもよい。
【0014】
表示装置4は、例えば液晶表示装置、又は有機EL(Electro Luminescence)表示装置である。表示装置4は、デジタルサイネージ装置でもよい。表示装置4は、例えば公共交通移動体1(列車又はバス)のドアの上部、又は公共交通移動体1の天井に設けられている。表示装置4は、表示部41及び音声出力部42を備える。表示部41は例えば液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイである。音声出力部42は例えばスピーカである。音声出力部42は、表示装置4とは別装置として公共交通移動体1に搭載されたものであってもよい。例えば音声出力部42は、公共交通移動体1に搭載された車内スピーカであってもよい。表示装置4は、広告表示装置2と一体に構成されていてもよい。
【0015】
通信装置5は、通信部(図示せず)、及び広告表示装置2と通信するための入出力I/F(インターフェイス/図示せず)を含む。通信部は、wifi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、LTE、4G、又は5G等の通信のプロトコルを用いて無線通信をするための通信装置である。通信部は、例えば、wifi、Bluetooth、LTE、4G、又は5Gを用いて無線通信を行い、ネットワークNを介して外部サーバ6と通信を行う。通信装置5は、広告表示装置2と一体に構成されていてもよい。すなわち通信装置5は、広告表示装置2に内蔵されていてもよい。
【0016】
停止位置情報出力装置3は、公共交通移動体1(列車又はバス)の停止位置に関する情報を出力する装置である。以下、停止位置に関する情報を停止位置情報とも称する。公共交通移動体1(列車又はバス)の停止位置は、次の停車駅又は次の停留所である。停止位置情報出力装置3は、通信装置5と通信可能に接続されている。停止位置情報出力装置3は、RAM、ROM又はハードディスク等により構成される記憶部31を備える。また、タッチパネル等により構成される操作部32を備える。
【0017】
記憶部31には停止位置DB(データベース/Database)311が記憶されている。例えば停止位置情報出力装置3は、通信装置5を介して外部サーバ6又は図示しない通信網に接続されている図示しない外部コンピュータから停止位置DB311をダウンロードし、記憶部31に記憶させる。図2は停止位置DB311の内容例を示す概念図である。停止位置DB311には、列車又はバスの路線(系統)ごとに、停止位置に関する情報と、停止位置に関する情報を出力する位置とが関連(対応)付けられて保存されている。停止位置に関する情報は、列車の次の停車駅に関する情報、又はバスの次の停留所に関する情報である。次の停車駅に関する情報には、例えば次の停車駅の名称、及び次の停車駅の駅番号(ステーションナンバー)が含まれる。次の停留所に関する情報には、例えば次の停留所の名称、及び次の停留所の停留所番号が含まれる。停止位置に関する情報を出力する位置は、例えば列車の始発駅からの移動距離を含む。また、停留所のGPS(Global Positioning System)座標又は住所を含む。列車又はバスの運転手等の乗務員は、列車又はバスの運行を開始する際に操作部32を操作し、列車又はバスの路線(系統)を選択する。
【0018】
例えば公共交通移動体1が列車である場合、停止位置情報出力装置3は、列車の車輪の回転回数を計測し、計測した車輪の回転回数に基づいて始発駅からの移動距離を導出する。例えば列車が始発駅を出発する際に列車の運転手の操作により、車輪の回転回数は0にリセットされる。停止位置情報出力装置3は、予め記憶部31に記憶してある車輪の円周の長さに計測した車輪の回転回数を乗じることにより始発駅からの移動距離を導出する。停止位置情報出力装置3は、記憶部31に記憶された停止位置DB311を参照し、導出した移動距離に基づいて、次の停車駅に関する情報(停止位置に関する情報)を広告表示装置2へ出力する。図2の停止位置DB311においてA路線には、停止位置に関する情報としてA駅の名称及び駅番号、並びにB駅の名称及び駅番号が含まれる。A駅の名称及び駅番号は5kmの移動距離と関連付けられて保存されている。B駅の名称及び駅番号は12kmの移動距離と関連付けられて保存されている。例えば停止位置情報出力装置3は、始発駅からの移動距離が5kmを超えた際に、A駅の名称及び駅番号を次の停車駅に関する情報(停止位置に関する情報)として広告表示装置2へ出力する。また、始発駅からの移動距離が12kmを超えた際に、B駅の名称及び駅番号を次の停車駅に関する情報(停止位置に関する情報)として広告表示装置2へ出力する。すなわち停止位置情報出力装置3は、列車が次の停車駅に近づいた際に、列車の次の停車駅に関する情報(停止位置に関する情報)を広告表示装置2へ出力する。
【0019】
停止位置DB311には、停止位置に関する情報を出力する位置として各停車駅間の距離が保存されていてもよい。例えば停止位置情報出力装置3は、計測した車輪の回転回数に基づいて列車の総移動距離を導出し、列車の任意の停車駅からの移動距離を導出する。例えば停止位置情報出力装置3は、列車がA駅を出発する際、A駅における列車の総移動距離を記憶部31に記憶させる。列車がA駅から出発した後、停止位置情報出力装置3は導出した列車の総移動距離と、記憶部31に記憶されたA駅における列車の総移動距離との差分から、列車のA駅からの移動距離を導出する。例えばA駅の次の停車駅はB駅である。停止位置情報出力装置3は、A駅からの移動距離がA駅とB駅との間の距離に近づいた際、例えばA駅からの移動距離がA駅とB駅との間の距離から1km等の任意の距離を引いた距離となった際、B駅(次の停車駅)に関する情報を広告表示装置2へ出力する。すなわち停止位置情報出力装置3は、列車が次の停車駅に近づいた際に、列車の次の停車駅に関する情報を広告表示装置2へ出力する。
【0020】
停止位置DB311には、停止位置に関する情報を出力する位置として、移動距離の代わりに車輪の回転回数が保存されていてもよい。停止位置情報出力装置3は、停止位置DB311を参照し、計測した車輪の回転回数に基づいて次の停車駅に関する情報を出力する。
【0021】
列車が次の停車駅に近づいた際に、当該停車駅に設けられた外部コンピュータと通信装置5との通信が行われてもよい。例えば列車が次の停車駅に近づいた際に、当該停車駅の外部コンピュータから列車の次の停車駅に関する情報(停止位置に関する情報)が通信装置5を介して停止位置情報出力装置3へ送信される。停止位置情報出力装置3は、外部コンピュータから送信された停止位置に関する情報を広告表示装置2へ出力する。停止位置情報出力装置3は、後述の公共交通移動体1がバスである場合と同様に、GPS信号に基づき導出した列車の位置に基づいて、次の停車駅に関する情報を出力してもよい。
【0022】
例えば公共交通移動体1がバスである場合、例えば停止位置情報出力装置3は、GPS信号の受信機を含み、GPS衛星から取得したGPS信号に基づき、バスの位置(GPS座標)を導出する。停止位置情報出力装置3は、記憶部31に記憶された停止位置DB311を参照し、導出したバスの位置に基づいて、次の停留所に関する情報(停止位置に関する情報)を広告表示装置2へ出力する。
【0023】
停止位置情報出力装置3は、公共交通移動体1(列車又はバス)の乗務員による手動操作によって、停止位置に関する情報を広告表示装置2へ出力してもよい。例えば乗務員は操作部32を操作して、次の停車駅又は次の停留所を選択する。停止位置情報出力装置3は、選択された次の停車駅に関する情報又は選択された次の停留所に関する情報を広告表示装置2へ出力する。図1において停止位置情報出力装置3は広告表示装置2と別装置として示してあるが、停止位置情報出力装置3は広告表示装置2と一体に構成されていてもよい。
【0024】
停止位置情報出力装置3は、例えば公共交通移動体1のドアの上部に設けられたLED(light emitting diode)表示装置等の図示しない表示部と接続されている。停止位置情報出力装置3は、広告表示装置2への停止位置に関する情報の出力に加えて、当該表示部に次の停車駅の名称又は次の停留所の名称を表示させ、公共交通移動体1の乗客に次の停車駅又は次の停留所を案内(報知)してもよい。
【0025】
図3は、広告表示装置2の構成を示すブロック図である。広告表示装置2は公共交通移動体1に搭載されたコンピュータであり、制御部21、記憶部22、入出力I/F(インターフェイス)24、及び操作部25を含む。制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、又はMPU(Micro Processing Unit)等により構成してあり、記憶部22に予め記憶された制御プログラム及びデータを読み出して実行することにより、種々の制御処理及び演算処理等を行う。
【0026】
入出力I/F24は、広告表示装置2と、停止位置情報出力装置3、表示装置4、及び通信装置5とを接続するインターフェイスである。操作部25は、例えばタッチパネル等により構成されている。
【0027】
記憶部22は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、又はフラッシュメモリ等のメモリ素子により構成してある。記憶部22はハードディスクにより構成してあってもよい。記憶部22には、制御プログラムが予め記憶してある。記憶部22に記憶された制御プログラムは、広告表示装置2が読み取り可能な記録媒体23から読み出された制御プログラムを記憶したものであってもよい。また、図示しない通信網に接続されている図示しない外部コンピュータから制御プログラムをダウンロードし、記憶部22に記憶させたものであってもよい。
【0028】
記憶部22には、第1広告DB221、第2広告DB222、及び案内音声DB223が記憶されている。第1広告DB221には、外部サーバ6から通信装置5を介して送信された第1広告が保存される。第1広告は、停止位置に関する情報と関連付けられて保存されていない広告、すなわち停止位置に関する情報と対応付けられていない広告である。第1広告は、例えば全国にて活動(展開)している企業、いわゆるナショナルクライアントの広告である。第1広告DB221には、第1広告を表示させる順番が含まれる。例えば第1広告を表示させる順番は第1広告と共に外部サーバ6から送信される。例えば記憶部22に記憶された第1広告DB221は、外部サーバ6の記憶部61に記憶されている第1広告DB221を外部サーバ6から取得し、記憶部22に記憶させたものであってもよい。
【0029】
図4は、第1広告DB221の内容例を示す概念図である。第1広告DB221には、複数の第1広告(第1広告のデータ)と、各第1広告を表示させる順番を示す表示番号とが関連付けられて保存されている。第1広告は画像(静止画又は動画)を含む。第1広告は音声を含んでいてもよい。例えば画像が静止画である場合においては第1広告には何秒間の静止画の表示(出力)を行うのかという情報が付与されている。第1広告DB221は、列車又はバスの路線(系統)ごとに、複数の第1広告と、各第1広告を表示させる順番を示す表示番号とが関連付けられて保存されている構成であってもよい。列車又はバスが始発の駅又は停留所から出発する際に、列車又はバスの乗務員のよる操作部25の操作によって列車又はバスの路線(系統)は選択される。
【0030】
第2広告DB222には、外部サーバ6から通信装置5を介して送信された第2広告及び停止位置に関する情報が保存される。第2広告は、停止位置に関する情報と関連付けられて保存される広告、すなわち停止位置に関する情報と対応付けられている広告である。図5は、第2広告DB222の内容例を示す概念図である。第2広告DB222には、IDナンバーと、第2広告(第2広告のデータ)と、停止位置に関する情報とがそれぞれ関連付けられて保存されている。図5の第2広告DB222においては、停止位置に関する情報として列車の次の停車駅の名称が示してある。IDナンバー(1)の第2広告は、停止位置に関する情報としてA駅と対応付けられている。IDナンバー(2)の第2広告は、停止位置に関する情報としてB駅と対応付けられている。IDナンバー(3)の第2広告は、停止位置に関する情報としてB駅及びC駅と対応付けられている。IDナンバー(4)の第2広告は、停止位置に関する情報としてD駅と対応付けられている。すなわち複数の第2広告は複数の停止位置に関する情報とそれぞれ対応付けられている。IDナンバー(3)の第2広告のように、1つの第2広告に複数の停止位置に関する情報が対応付けられていてもよい。例えば記憶部22に記憶された第2広告DB222は、外部サーバ6の記憶部61に記憶されている第2広告DB222を外部サーバ6から取得し、記憶部22に記憶させたものであってもよい。
【0031】
例えば第2広告と対応付けられている停止位置に関する情報は、当該第2広告を依頼する企業(広告主)によって指定された停止位置(停車駅又は停留所)に関する情報である。例えば第2広告は、当該企業の最寄りの駅又は停留所を含む停止位置に関する情報と対応付けられる。例えば第2広告の広告主は特定の地域のみにて活動している企業、いわゆるローカルクライアントである。
【0032】
第2広告は画像(静止画又は動画)及び音声を含む。例えば画像が静止画である場合においては第2広告には何秒間の静止画の表示(出力)を行うのかという情報が付与されている。例えば第2広告の音声は、外部サーバ6にて、広告主により用意された文章に基づき音声合成技術を用いて作成されたものであってもよい。第2広告は音声を含まない構成であってもよい。第2広告DB222は、列車又はバスの路線(系統)ごとに、IDナンバーと、複数の第2広告と、複数の停止位置に関する情報とが関連付けられて保存されている構成であってもよい。列車又はバスが始発の駅又は停留所から出発する際に、列車又はバスの乗務員による操作部25の操作によって列車又はバスの路線(系統)は選択される。
【0033】
案内音声DB223には、外部サーバ6から送信された案内音声及び停止位置に関する情報が保存されている。図6は、案内音声DB223の内容例を示す概念図である。案内音声DB223には、列車又はバスの路線(系統)ごとに、案内音声と、停止位置に関する情報とがそれぞれ関連付けられて保存されている。すなわち案内音声は停止位置に関する情報と対応付けられている。案内音声は、次の停車駅又は次の停留所を乗客に案内するための音声を含み、例えば「次はA駅です。」という音声である。図6において「次はA駅です。」という案内音声は停止位置に関する情報としてA駅と対応付けられている。案内音声は、例えば外部サーバ6にて文章に基づき音声合成技術を用いて作成されたものであってもよい。当該文章は、例えば公共交通移動体1の運行を行う鉄道会社又はバス会社によって用意される。例えば記憶部22に記憶された案内音声DB223は、外部サーバ6の記憶部61に記憶されている案内音声DB223を外部サーバ6から取得し、記憶部22に記憶させたものであってもよい。
【0034】
制御部21は、記憶部22に記憶されているプログラムを実行することにより、通信装置5を介して外部サーバ6と通信を行う。制御部21は、外部サーバ6から送信された案内音声、複数の広告(第1広告及び第2広告)、停止位置に関する情報を、記憶部22の第1広告DB221、第2広告DB222、及び案内音声DB223に保存する。
【0035】
制御部21は、記憶部22に記憶されているプログラムを実行することにより、取得部として機能する。制御部21(取得部)は、入出力I/F24を介して停止位置情報出力装置3から出力された公共交通移動体1の停止位置に関する情報を取得する。詳しくは公共交通移動体1が停止位置、すなわち次の停車駅又は次の停留所に近づいた際、停止位置情報出力装置3から停止位置に関する情報、すなわち次の停車駅に関する情報又は次の停留所に関する情報が広告表示装置2(制御部21)へ出力される。制御部21(取得部)は、停止位置情報出力装置3から出力された停止位置に関する情報を取得する。
【0036】
例えば記憶部22に停止位置DB311が記憶されていてもよい。この場合、制御部21は、例えば停止位置情報出力装置3と適宜通信を行い、列車の移動距離(車輪の回転回数)又はバスの位置を取得する。制御部21は、停止位置DB311を参照し、取得した列車の移動距離(車輪の回転回数)又はバスの位置に応じた停止位置に関する情報を取得する。
【0037】
制御部21は、記憶部22に記憶されているプログラムを実行することにより、案内音声を音声出力部42に再生(出力)させる。例えば制御部21は、停止位置に関する情報を取得した場合、案内音声DBを参照し、取得した停止位置に関する情報と関連付けられた案内音声を音声出力部42(表示装置4)へ出力し、音声出力部42に案内音声を再生(出力)させる。
【0038】
制御部21は、記憶部22に記憶されているプログラムを実行することにより、表示装置4に第1広告を出力し、表示装置4の表示部41に第1広告の画像を表示(出力)させる。すなわち制御部21は、表示装置4に第1広告を表示させる。第1広告が音声を含む場合、制御部21は、当該音声を音声出力部42に案内音声を再生させる。
【0039】
制御部21は、例えば第1広告DB221の表示番号に従って、表示装置4に複数の第1広告を表示させる。詳しくは制御部21は、表示番号が1番の第1広告を表示装置4に表示させる。表示番号が1番の第1広告が終了した場合、表示番号が2番の第1広告を表示装置4に表示させる。制御部21は、表示番号が3番以降の第1広告についても同様に表示装置4に表示させる。すなわち制御部21は、表示装置4に複数の第1広告を連続して表示させる。制御部21は、表示番号が最後の番号の第1広告が終了した場合、再び、表示番号が1番の第1広告から連続して表示装置4に表示させてもよい。すなわち制御部21は、複数の第1広告を繰り返し表示装置4に表示させてもよい。
【0040】
制御部21は、記憶部22に記憶されているプログラムを実行することにより、表示装置4に第2広告を出力し、表示部41に第2広告の画像を表示(出力)させ、音声出力部42に第2広告の音声を再生(出力)させる。すなわち制御部21は、表示装置4に第2広告を表示させる。音声出力部42が表示装置4とは別装置である場合、制御部21は、表示装置4への第2広告の出力に加えて、別装置の音声出力部42へ第2広告(第2広告の音声)を出力し、別装置の音声出力部42に第2広告の音声を再生(出力)させる。
【0041】
制御部21は、記憶部22に記憶されているプログラムを実行することにより、複数の広告(第1広告及び第2広告)を表示装置4に表示させるタイミングを制御する。制御部21は、停止位置に関する情報を取得した際に第1広告が表示装置4に表示されている場合、停止位置に関する情報を取得した際に表示装置4に表示されている第1広告を当該第1広告の終了まで表示装置4に表示させる。制御部21は、第2広告DB222を参照し、当該第1広告の表示と上述の案内音声の再生(出力)との終了後に、表示装置4に取得した停止位置に関する情報と対応付けられた第2広告を表示させる。すなわち制御部21は、停止位置に関する情報を取得した際に表示されている第1広告の表示終了後に、表示装置4に複数の第1広告の表示を中断させて停止位置に関する情報に応じた第2広告を表示させる。従って停止位置に関する情報が取得された際に表示されている第1広告を途切れさせることなく、第2広告を表示装置4に表示させることができる。
【0042】
上述のように制御部21は、第1広告の表示と案内音声の再生との終了後に第2広告を表示装置4に表示させる。すなわち制御部21は案内音声の再生の終了後に第2広告の音声を音声出力部42に再生させる。従って、第2広告の音声を案内音声と重なることなく再生することができる。第2広告の音声が案内音声と重なることによる第2広告の宣伝効果の低下を防止することができる。制御部21は、第2広告を表示装置4に表示させる際、表示部41に第2広告の画像の表示(出力)を開始させるタイミングと同期させて、音声出力部42に第2広告の音声の再生(出力)を開始させる。すなわち表示部41による第2広告の画像の表示(出力)と音声出力部42による第2広告の音声の再生(出力)とは同期して開始される。すなわち画像の表示の開始及び音声の再生の開始がずれることなく第2広告を表示することができる。なお音声出力部42が表示装置4とは別装置である場合も、第2広告の画像の表示と第2広告の音声の再生とは同期して開始される。
【0043】
制御部21は、第2広告の表示終了後に、表示装置4に停止位置に関する情報を取得した際に表示されていた第1広告の次の表示番号と対応付けられた第1広告を表示させ、複数の第1広告の連続した表示を再開させる。すなわち第2広告は、複数の第1広告の連続した表示に割り込んで表示される。
【0044】
制御部21は、停止位置に関する情報を取得した際に第1広告が表示装置4に表示されている場合、停止位置に関する情報を取得した際に表示装置4に表示されている第1広告の表示が途中であっても、表示装置4に第2広告を表示させてもよい。すなわち制御部21は第1広告の表示の途中にて、表示装置4に表示される広告を第1広告から第2広告へ強制的に切り替えてもよい。この場合、第1広告から第2広告への切り替え(第2広告の表示)は、案内音声の再生の終了後に行われることが好ましい。
【0045】
制御部21は、複数の第2広告と対応付けられた停止位置に関する情報を取得した場合、取得した停止位置に関する情報と対応付けられた複数の第2広告を表示装置4に連続して表示させる。例えば制御部21は、取得した停止位置に関する情報と対応付けられた複数の第2広告のIDナンバーに基づいて表示装置4に連続して表示させる。以下、一例を説明する。
【0046】
図5の第2広告DB222において、IDナンバー(2)及びIDナンバー(3)の第2広告が、B駅という同一の停止位置に関する情報と対応付けられている。すなわちB駅という停止位置に関する情報は複数の第2広告と対応付けられている。制御部21は、B駅という停止位置に関する情報を取得した場合、IDナンバー(2)の第2広告を上述のようにして表示装置4に表示させる。制御部21は、IDナンバー(2)の第2広告の表示終了後に、IDナンバー(3)の第2広告を表示装置4に表示させる。制御部21はIDナンバー(3)の第2広告の表示終了後、表示装置4に第1広告の表示を再開させる。制御部21は、第2広告を表示させる順番に基づいて、同一の停止位置に関する情報と対応付けられた複数の第2広告を表示装置4に連続して表示させてもよい。例えば第2広告を表示させる順番は、第2広告DB222に含まれ、第2広告と関連付けられて保存されている。
【0047】
図7は、広告表示装置2の制御部21が行う表示装置4に複数の広告を表示させる処理を例示するフローチャートである。例えば公共交通移動体1の運転手等の乗務員は、公共交通移動体1の運行を開始する際に、始発の駅又は停留所にて操作部25を操作し、制御部21に以下の処理を開始させる。
【0048】
制御部21は、第1広告DB221に保存された複数の第1広告を連続して表示装置4へ出力し(S1)、複数の第1広告を表示装置4に連続して表示させる。複数の第1広告は、例えば前述のように予め定められた順番に従い、表示装置4に連続して表示される。複数の第1広告は、例えば前述のように繰り返し表示される。なお制御部21が表示装置4へ出力する第1広告の数は1つであってもよい。
【0049】
制御部21は、停止位置に関する情報(次の停車駅に関する情報又は次の停留所に関する情報)を取得したか否かを判定する(S2)。制御部21は、停止位置に関する情報を取得していない場合(S2:NO)、再度S2の判定を行うべくループ処理を行う。当該ループ処理を行うにあたって、制御部21は所定時間の待機処理(スリープ)を実行してもよい。
【0050】
制御部21は、停止位置に関する情報を取得した場合(S2:YES)、案内音声DBを参照し、取得した停止位置に関する情報と対応付けられた案内音声を音声出力部42へ出力し(S3)、当該案内音声を音声出力部42に再生(出力)させる。音声出力部42は、例えば「次はA駅です。」のような次の停車駅(停留所)を案内する音声(案内音声)を再生し、公共交通移動体1の乗客へ次の停車駅(停留所)を案内(報知)する。
【0051】
制御部21は、停止位置に関する情報を取得した際に表示装置4に表示されている第1広告の表示終了後に、表示装置4に複数の第1広告の連続した表示を中断させる。すなわち制御部21は、停止位置に関する情報を取得した際に表示装置4へ出力している第1広告の出力終了後に、複数の第1広告の連続した表示装置4への出力を中断する。
【0052】
制御部21は、音声出力部42による案内音声の再生、及び停止位置に関する情報を取得した際に表示されている第1広告の表示装置4による表示が終了しているか否かを判定する(S4)。すなわち制御部21は、音声出力部42への案内音声の出力、及び停止位置に関する情報を取得した際に出力している第1広告の表示装置4への出力の両方が終了しているか否かを判定する。案内音声の再生及び上記第1広告の表示が終了していない場合(S4:NO)、制御部21は再度S4の判定を行うべくループ処理を行う。当該ループ処理を行うにあたって、制御部21は所定時間の待機処理(スリープ)を実行してもよい。
【0053】
案内音声の再生及び第1広告の表示が終了している場合(S4:YES)、制御部21は、第2広告DB222を参照し、取得した停止位置に関する情報が第2広告DB222において複数の第2広告と関連付けられて保存されているか否かを判定する。すなわち制御部21は、取得した停止位置に関する情報(停止位置情報)が複数の第2広告と対応しているか否か(対応付けられているか否か)を判定する(S5)。
【0054】
制御部21は、取得した停止位置に関する情報が第2広告DB222に複数の第2広告と関連付けられて保存されている場合、すなわち取得した停止位置に関する情報が複数の第2広告と対応している場合(S5:YES)、当該複数の第2広告を連続して出力する(S6)。詳しくは、制御部21は当該複数の第2広告を表示装置4へ連続して出力し、出力した複数の第2広告を前述のように表示装置4に連続して表示させる。複数の第2広告は、例えば前述のようにIDナンバーに従い連続して表示される。前述のように表示部41による各第2広告の画像の表示(出力)と音声出力部42による各第2広告の音声の再生(出力)とは同期して開始される。1つの停車駅又は停留所(停止位置)にて、複数の第2広告を表示装置4に表示させることができる。
【0055】
制御部21は、取得した停止位置に関する情報と対応付けられた複数の第2広告の表示の終了後、第1広告の連続した出力を再開する(S8)。詳しくは制御部21は、停止位置に関する情報を取得した際に表示されていた第1広告の次の表示番号と関連付けられた第1広告から表示番号の順に第1広告を表示装置4に出力し、表示装置4に複数の第1広告の連続した表示を再開させる。
【0056】
制御部21は、取得した停止位置に関する情報が1つの第2広告のみと対応付けられている場合、すなわち取得した停止位置に関する情報が複数の第2広告と対応していない場合(S5:NO)、次の処理を行う。制御部21は、取得した停止位置に関する情報と対応付けられた第2広告を表示装置4へ出力し(S7)、出力した第2広告を表示装置4に表示させる。当該第2広告の表示終了後、制御部21はS8の処理を行う。取得された停止位置に関する情報が複数の第2広告と対応していない場合は、取得された停止位置に関する情報が第2広告と対応付けられていない場合を含む。取得された停止位置に関する情報が第2広告と対応付けられていない場合、S7の処理は省略される。
【0057】
制御部21は、次の停車駅又は次の停留所が終点であるか否かを判定する(S9)。次の停車駅又は次の停留所が終点であるか否かの判定は、例えば停止位置に関する情報に含まれる次の停車駅又は次の停留所が終点であることを示す情報に基づいて行われる。制御部21は例えば取得した停止位置に関する情報に終点であることを示す情報が含まれていた場合、次の停車駅又は次の停留所が終点であると判定する。
【0058】
制御部21は、次の停車駅又は次の停留所が終点であると判定した場合(S9:YES)、処理を終了する。例えば制御部21は、終点の停車駅又は停留所にて公共交通移動体1の乗務員による終点を示す操作が行われることにより、公共交通移動体1が終点に到着したと判定し、処理を終了してもよい。終点を示す操作は例えば、操作部25(タッチパネル)による終点ボタンを選択(タッチ)する操作である。
【0059】
制御部21は、次の停車駅又は次の停留所が終点であると判定しなかった場合(S9:NO)、すなわち次の停車駅又は次の停留所が終点ではない場合、S2の処理を行う。すなわち1は、公共交通移動体1が終点に到着するまで、公共交通移動体1が次の停車駅又は次の停留所に近づくごとに、停止位置に関する情報を取得し、取得した停止位置に関する情報と対応付けられた第2広告を出力する。従って公共交通移動体1(列車又はバス)が、各停車駅又は各停留所に近づいたタイミングにて、広告主により指定された各停車駅に関する情報又は広告主により指定された各停留所に関する情報と対応付けられた各第2広告を表示装置4に表示させることができる。すなわち列車又はバスの乗客へ各停車駅又は各停留所に応じた広告を提供することができる。
【0060】
前述のように列車が次の停車駅に近づいた際に、当該停車駅に設けられた外部コンピュータと通信装置5との通信が行われてもよい。例えば列車が次の停車駅に近づいた際に、当該停車駅の外部コンピュータから列車の次の停車駅に関する情報(停止位置に関する情報)が通信装置5を介して制御部21(広告表示装置2)へ送信される。停車駅の外部コンピュータから停止位置に関する情報に加えて、当該停止位置に関する情報と対応付けられた第2広告が通信装置5を介して制御部21(広告表示装置2)へ送信されてもよい。制御部21は外部コンピュータから送信された第2広告を表示装置4に表示させる。
【0061】
表示装置4には、第1広告及び第2広告が表示される。第1広告は、公共交通移動体1の位置に関わらず表示装置4に表示される。第2広告は、例えば、第2広告の広告主により指定された公共交通移動体1の停止位置に関する情報と対応付けられている。公共交通移動体1が次の停車駅又は次の停留所(停止位置)に近づいた際、停止位置に関する情報が取得される。取得された停止位置に関する情報と対応付けられた第2広告が、第1広告の表示終了後に、表示装置に表示される。従って指定された停止位置に公共交通移動体1が近づいたタイミング、すなわち指定された停止位置にて、第2広告を表示装置に表示させることができる。つまり公共交通移動体の乗客へ公共交通移動体1の停止位置に応じた広告を提供することができる。第1広告の表示終了後に第2広告が表示されるので、表示装置4に第1広告の表示を中断させることなく、第2広告を表示させることができる。
【0062】
表示装置4には複数の第1広告が連続して表示される。停止位置に関する情報が取得された場合、取得された停止位置に関する情報と対応付けられた第2広告は、当該停止位置に関する情報が取得された際に表示装置4に表示されている第1広告の表示終了後に、表示装置4に表示される。複数の第1広告は、第2広告の表示終了後に、停止位置に関する情報が取得された際に表示されていた第1広告の次の順番の第1広告から連続して表示装置4に表示される。停止位置に関する情報が取得された際に表示されている第1広告を中断させることなく、第2広告を複数の第1広告の連続した表示に割り込ませて表示させることができる。
【0063】
広告表示装置2(制御部21)は、第1広告の有無を判断し、第1広告がない場合、表示装置4に第1広告の代わりに公共交通移動体1に関する業務案内を表示させてもよい。業務案内には、例えば公共交通移動体1に関する問い合わせ先(連絡先)、路線図、及び次の停車駅の案内が含まれる。業務案内は、例えば公共交通移動体1の運営会社により作成され、広告表示装置2の記憶部31に記憶されている。広告表示装置2は、第1広告がある場合、前述のように表示装置4に第1広告を表示させる。広告表示装置2は、第1広告がある場合、第1広告及び業務案内を表示装置4に表示させてもよい。例えば第1広告及び業務案内は交互に表示装置4に表示される。
【0064】
例えば列車(公共交通移動体1)が急行列車である場合、広告表示装置2は、停止位置に関する情報に加えて、通過駅に関する情報を取得してもよい。例えば急行列車(公共交通移動体1)はA駅を出発し、B駅を通過してC駅に到着する。急行列車がB駅に近づいた際、停止位置情報出力装置3はB駅の名称及び駅番号等のB駅に関する情報(通過駅に関する情報)を広告表示装置2へ出力する。B駅に関する情報は、当該情報を出力する位置、例えば急行列車の始発駅からの移動距離と関連付けられて、停止位置情報出力装置3の記憶部31に記憶(保存)されている。広告表示装置2は、取得したB駅に関する情報(通過駅に関する情報)と対応付けられた第2広告を表示装置4に表示させる。当該第2広告は、例えばB駅に関する情報が取得された際に表示されている第1広告の表示終了後に、表示装置4に表示される。広告表示装置2は表示装置4に表示される広告を、第1広告の表示の途中に当該第1広告からB駅に関する情報と対応付けられた第2広告へ切り替えてもよい。急行列車(公共交通移動体1)の通過駅に応じた広告を表示装置4に表示させることができる。広告表示装置2は、B駅に関する情報(通過駅に関する情報)と対応付けられた第2広告の表示終了後に、表示装置4に第1広告の表示を再開させる。
【0065】
急行列車がB駅に近づいた際に、通信装置5は、B駅に設けられた外部コンピュータと通信を行い、当該外部コンピュータからB駅に関する情報(通過駅に関する情報)を取得してもよい。通信装置5は、取得したB駅に関する情報を広告表示装置2へ送信する。急行列車がB駅に近づいた際に、通信装置5がB駅に設けられた外部コンピュータと通信を行い、当該外部コンピュータから第2広告を取得してもよい。取得された第2広告は、通信装置5から広告表示装置2へ送信され、広告表示装置2によって表示装置4に表示される。
【0066】
(変形例)
変形例にかかる構成のうち、実施の形態1と同様な構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。公共交通移動体1は実施の形態1と同様に、列車又はバスである。変形例の制御部21は、記憶部22に記憶されているプログラムを実行することにより、以下の処理を行う。制御部21は、複数の第2広告と対応付けられた停止位置に関する情報を取得した場合、取得した停止位置に関する情報と対応付けられた複数の第2広告の内、いずれかの第2広告を選択し、選択した第2広告を表示装置4に表示させる。以下、一例を説明する。
【0067】
実施の形態1と同様に第2広告DB222において、IDナンバー(2)及びIDナンバー(3)の第2広告が、B駅という同一の停止位置に関する情報と対応付けられているとする。制御部21は、B駅という停止位置に関する情報を取得した場合、IDナンバー(2)及びIDナンバー(3)の第2広告の内、いずれかの第2広告を選択する。当該第2広告の選択は例えばランダムに行われる。例えば各第2広告の広告料に応じて、選択のされやすさ(選択される確率)が異なっていてもよい。第2広告の選択は、停止位置に関する情報を取得した時間帯又は曜日等の予め設けられた選択条件(選択基準)に基づいて行われてもよい。例えば選択条件は、第2広告DB222に第2広告と関連付けて保存される。
【0068】
制御部21は、選択した第2広告を前述のようにして表示装置4に表示させる。制御部21が選択する第2広告の個数は1つに限らず、複数であってもよい。例えば取得された停止位置に関する情報と対応付けられた複数の第2広告の個数が3つである場合、制御部21は、3つの第2広告の内、2つの第2広告を選択してもよい。制御部21は、選択した2つの第2広告を、前述のように表示装置4に連続して表示させる。
【0069】
図8は、変形例の広告表示装置2の制御部21が行う表示装置4に複数の広告を表示させる処理を例示するフローチャートである。例えば公共交通移動体1の運転手等の乗務員は、公共交通移動体1の運行を開始する際に、始発の駅又は停留所にて操作部25を操作し、制御部21に以下の処理を開始させる。
【0070】
制御部21は、S11からS14の処理を行う。S11からS14の処理は実施の形態1のS1からS4の処理と同様であるので詳細な説明を省略する。案内音声の再生及び停止位置に関する情報を取得した際に表示されている第1広告の表示が終了している場合(S14:YES)、制御部21は次の処理を行う。制御部21は、第2広告DB222を参照し、取得した停止位置に関する情報が第2広告DB222において複数の第2広告と関連付けられて保存されているか否かを判定する。すなわち制御部21は、取得した停止位置に関する情報(停止位置情報)が複数の第2広告と対応しているか否か(対応付けられているか否か)を判定する(S15)。
【0071】
取得した停止位置に関する情報が複数の第2広告と対応している場合(S15:YES)、すなわち取得した停止位置に関する情報が複数の第2広告と対応付けられている場合、制御部21は次の処理を行う。制御部21は、取得した停止位置に関する情報と対応付けられた複数の第2広告の内、いずれかの第2広告を前述のようにして選択する(S16)。制御部21は、選択した第2広告を表示装置4へ出力し(S17)、当該第2広告を表示装置4に表示させる。前述のように表示部41による各第2広告の画像の表示(出力)と音声出力部42による各第2広告の音声の再生(出力)とは同期して開始される。従って、同じ停車駅又は停留所(停止位置)であっても、異なる第2広告を表示装置4に表示させることができる。例えば、公共交通移動体1の往路と復路とにおいて異なる第2広告を表示装置4に表示させることができる。制御部21は、選択した第2広告の表示の終了後、S19の処理を行う。S19の処理は実施の形態1のS8の処理と同様なので説明を省略する。
【0072】
制御部21は、取得した停止位置に関する情報が複数の第2広告と対応していない場合(S15:NO)、S18及びS19の処理を行う。S18の処理は実施の形態1のS7の処理と同様なので説明を省略する。
【0073】
制御部21は、次の停車駅又は次の停留所が終点であるか否かを判定する(S20)。S20の処理は実施の形態1のS9の処理と同様なので詳細な説明は省略する。制御部21は、次の停車駅又は次の停留所が終点であると判定した場合(S20:YES)、処理を終了する。制御部21は、次の停車駅又は次の停留所が終点であると判定しなかった場合(S20:NO)、すなわち次の停車駅又は次の停留所が終点ではない場合、S12の処理を行う。
【0074】
(実施の形態2)
実施の形態2にかかる構成のうち、実施の形態1と同様な構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。実施の形態1と同様に、公共交通移動体1が列車又はバスである場合について説明する。実施の形態2の広告表示装置2の制御部21は、記憶部22に記憶されているプログラムを実行することにより、以下の処理を行う。
【0075】
制御部21は、停止位置に関する情報を取得した場合、表示装置4に取得した停止位置に関する情報と対応付けられている第2広告を、公共交通移動体1が停車駅又は停留所に停車するまで繰り返し表示させる。例えば公共交通移動体1が停車駅又は停留所に到着した際、制御部21は、公共交通移動体1の運転手による操作部32又は操作部25の操作によって公共交通移動体1が停車駅又は停留所に到着したことを示す信号を取得する。制御部21は、列車が停車駅に到着したことを示す信号を取得することにより、列車が停車駅に到着したと判定し、表示装置4に第2広告の表示を終了させ、第1広告を表示させる。すなわち制御部21は、公共交通移動体1の停車駅又は停留所への到着後、表示装置4に第1広告の表示を再開させる。列車が停車駅に到着したことを示す信号は例えば停止位置情報出力装置3によって出力されてもよい。例えば停止位置情報出力装置3は、広告表示装置2への停車位置に関する情報の出力後に一定時間以上、列車の車輪の回転回数が変化しない場合、列車が停車駅に到着したことを示す信号を広告表示装置2へ出力する。
【0076】
制御部21は、停止位置に関する情報を取得した場合であって、当該停止位置に関する情報と対応付けられた第2広告が第2広告DB222に保存されていない場合、第1広告を表示装置4に表示させる。
【0077】
図9は、実施の形態2の広告表示装置2の制御部21が行う表示装置4に複数の広告を表示させる処理を例示するフローチャートである。例えば公共交通移動体1の運転手等の乗務員は、公共交通移動体1の運行を開始する際に、始発の駅又は停留所にて操作部25を操作し、制御部21に以下の処理を開始させる。
【0078】
制御部21は、S21からS23の処理を行う。S21からS23の処理は、実施の形態1のS1からS3の処理と同様なので詳細な説明を省略する。制御部21は、第2広告DB222を参照し、取得した停止位置に関する情報(停止位置情報)が第2広告と対応しているか否か(対応付けられているか否か)を判定する(S24)。取得された停止位置に関する情報が第2広告と対応している場合(S24:YES)、すなわち取得された停止位置に関する情報が第2広告と関連付けられて第2広告DB222に保存されている場合、制御部21は第1広告の表示及び案内音声の再生が終了しているか否かを判定する(S25)。
【0079】
案内音声の再生及び第1広告の表示が終了していない場合(S25:NO)、制御部21は再度S25の判定を行うべくループ処理を行う。当該ループ処理を行うにあたって、制御部21は所定時間の待機処理(スリープ)を実行してもよい。案内音声の再生及び第1広告の表示が終了している場合(S25:YES)、制御部21は、取得した停止位置に関する情報と対応付けられた第2広告を表示装置4に出力し(S26)、当該第2広告を表示装置4に表示させる。
【0080】
制御部21は、前述のようにして公共交通移動体1が停車駅又は停留所に到着したか否かを判定する(S27)。公共交通移動体1が停車駅又は停留所に到着していない場合(S27:NO)、制御部21はS26の処理を行う。すなわち制御部21は公共交通移動体1が停車駅又は停留所に到着するまで第2広告を繰り返し表示装置4に表示させる。従って第2広告による宣伝効果を高めることができる。公共交通移動体1が停車駅又は停留所に到着している場合(S27:YES)、制御部21は、第1広告の連続した出力を再開する(S28)。詳しくは制御部21は、停止位置に関する情報を取得した際に表示されていた第1広告の次の表示番号と関連付けられた第1広告から表示番号の順に第1広告を表示装置4に出力し、表示装置4に複数の第1広告の連続した表示を再開させる。制御部21は後述のS30の処理を行う。
【0081】
取得された停止位置に関する情報が第2広告と対応していない場合(S24:NO)、すなわち取得された停止位置に関する情報が第2広告と対応付けられていない場合、制御部21は、表示装置4への第1広告の出力を継続する(S29)。すなわち制御部21は、表示装置4に複数の第1広告の連続した表示を継続させる。制御部21は、公共交通移動体1が到着した停車駅又は停留所が終点であるか否かを判定する(S30)。制御部21は例えば取得した停止位置に関する情報に終点であることを示す情報が含まれていた場合、公共交通移動体1が到着した停車駅又は停留所が終点であると判定する。制御部21は、公共交通移動体1が到着した停車駅又は停留所が終点であると判定した場合(S30:YES)、処理を終了する。制御部21は、公共交通移動体1が到着した停車駅又は停留所が終点ではないと判定した場合(S30:NO)、制御部21はS22の処理を行う。
【0082】
(実施の形態3)
図10は、実施の形態3に係る広告表示システムSの構成を示す模式図である。実施の形態3にかかる構成のうち、実施の形態1と同様な構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。広告表示システムSは、公共交通移動体1に搭載された広告表示装置2を含む。以下、公共交通移動体1がタクシーである場合について説明する。
【0083】
広告表示装置2は、公共交通移動体1に搭載された通信装置5と通信可能に接続されている。通信装置5は、ネットワークNを介して公共交通移動体1の外部に設けられた外部サーバ6と通信を行う。広告表示装置2は、通信装置5及びネットワークNを介して外部サーバ6と通信を行い、外部サーバ6から複数の広告を取得する。外部サーバ6は、ネットワークNを介して通信端末7と通信を行う。通信端末7は、例えばタクシー(公共交通移動体1)を利用する客(利用客)によって携帯されている。利用客は、通信端末7に保存されたタクシーの配車に関するアプリケーションを用いて、出発地及び目的地を入力する。入力された出発地に関する情報及び入力された目的地に関する情報が通信端末7から外部サーバ6へ送信される。外部サーバ6は、送信された出発地に関する情報及び目的地に関する情報を通信装置5(公共交通移動体1)へ送信する。タクシーの運転手は、当該出発地点まで客を迎えに行く。広告表示装置2は、公共交通移動体1内に設けられた表示装置4及び停止位置情報出力装置3と通信可能に接続されている。表示装置4は、例えばタクシーの助手席の後部に設けられている。また、タクシーの運転席の後部に設けられていてもよい。停止位置情報出力装置3は停止位置に関する情報を広告表示装置2へ出力する。広告表示装置2は、取得した複数の広告を表示装置4に表示させる。
【0084】
通信端末7は、スマートフォン、携帯電話機、タブレット端末又は可搬型のPC(Personal Computer)等の可搬型のコンピュータである。また、デスクトップPC等の据置型のコンピュータでもよい。通信端末7は、タクシーを利用する客(利用客)によって所有されている。通信端末7は、ネットワークNを介して外部サーバ6と通信可能である。通信端末7には、タクシーの配車に関するアプリケーション(以下、配車アプリ)71が保存されている。すなわち通信端末7は配車アプリ71を保持している。例えば配車アプリ71は、通信端末7が備えるRAM、ROM、EEPROM、又はフラッシュメモリ等のメモリ素子により構成してある図示しない記憶部に記憶(保存)されている。
【0085】
通信端末7のCPU等により構成される図示しない制御部は、配車アプリ71を実行することにより、タクシーの出発地及び目的地の入力を受け付ける。通信端末7の制御部は、配車アプリ71にて入力された出発地に関する情報及び配車アプリ71にて入力された目的地に関する情報を外部サーバ6へ送信する。出発地に関する情報は出発地の名称、住所及びGPS座標を含む。目的地に関する情報は目的地の名称、住所及びGPS座標を含む。出発地に関する情報及び目的地に関する情報は、例えば利用客による通信端末7の図示しないタッチパネル等の操作部の操作によって入力される。
【0086】
外部サーバ6は、記憶部61を備える。外部サーバ6は、記憶部61に記憶された第1広告及び第2広告を、通信装置5を介して広告表示装置2(公共交通移動体1)へ送信する。第2広告は停止位置に関する情報として、目的地に関する情報と関連(対応)付けられている。
【0087】
外部サーバ6は、通信端末7から送信された(配車アプリ71にて入力された)出発地に関する情報及び目的地に関する情報を取得する。外部サーバ6は、取得した出発地に近い位置にいるタクシー(公共交通移動体1)が備える通信装置5と通信を行い、当該通信装置5(公共交通移動体1)へ出発地に関する情報及び目的地に関する情報を送信する。外部サーバ6とは異なる外部サーバが通信端末7と通信を行い、配車アプリ71にて入力された出発地に関する情報及び目的地に関する情報を取得してもよい。外部サーバ6とは異なる外部サーバは、出発地に関する情報及び目的地に関する情報を通信装置5(公共交通移動体1)へ送信する。
【0088】
通信装置5は、外部サーバ6から送信された目的地に関する情報(停止位置に関する情報)を停止位置情報出力装置3へ出力する。外部サーバ6から送信された目的地に関する情報、すなわち配車アプリ71にて入力された目的地に関する情報は、タクシー(公共交通移動体1)の停止位置に関する情報である。例えば通信装置5は、外部サーバ6から送信された出発地に関する情報及び目的地に関する情報を公共交通移動体1に搭載された図示しない液晶表示装置又は有機EL表示装置に表示する。タクシーの運転手は当該液晶表示装置又は有機EL表示装置に表示された出発地までタクシーを運転して利用客を迎えに行く。配車アプリ71にて入力された目的地に関する情報は、外部サーバ6から送信されなくてもよい。例えばタクシーの配車センターのオペレータから運転手へ電話等の手段によって出発地に関する情報及び目的地に関する情報が伝えられてもよい。運転手は停止位置情報出力装置3の操作部32を操作して、伝えられた目的地に関する情報を停止位置情報出力装置3へ入力する。
【0089】
停止位置情報出力装置3は記憶部31を備える。停止位置情報出力装置3は、通信装置5から出力された目的地に関する情報を記憶部31に記憶させる。停止位置情報出力装置3は、運転手の操作部32の操作によって入力された目的地に関する情報を記憶部31に記憶させてもよい。停止位置情報出力装置3は、GPS信号の受信機を含み、GPS衛星から取得したGPS信号に基づき、タクシー(公共交通移動体1)の位置(GPS座標)を導出する。停止位置情報出力装置3は、タクシーが目的地に近づいた際、例えば目的地が含まれる市内(町内、村内、又は区内)にタクシーが入った際に、記憶部31に記憶された目的地に関する情報を広告表示装置2へ出力する。
【0090】
広告表示装置2は、制御部21、記憶部22、入出力I/F24、及び操作部25を含む。制御部21は、CPU又はMPU等により構成してあり、記憶部22に予め記憶された制御プログラム及びデータを読み出して実行することにより、種々の制御処理及び演算処理等を行う。
【0091】
記憶部22には第1広告DB221、第2広告DB222が記憶されている。図11は、実施の形態3の第2広告DB222の内容例を示す概念図である。第2広告DB222には、IDナンバーと、複数の第2広告(第2広告のデータ)と、複数の目的地に関する情報とがそれぞれ関連付けられて保存されている。すなわち第2広告は目的地に関する情報と対応付けられている。図11の第2広告DB222においては、停止位置に関する情報(目的地に関する情報)として目的地の住所が示してある。IDナンバー(1)の第2広告は、目的地に関する情報として「A県A市」という住所と対応付けられている。IDナンバー(2)の第2広告は、目的地に関する情報として「A県B市」という住所と対応付けられている。
【0092】
制御部21は、停止位置に関する情報、すなわち配車アプリ71にて入力された目的地に関する情報を、停止位置情報出力装置3から取得する。制御部21は、第2広告DB222を参照し、取得した目的地に関する情報と対応付けられた第2広告を表示装置4に表示させる。例えば取得された目的地に関する情報が「A県B市XX町X丁目X-X」である場合、制御部21は、第2広告DB222に保存された目的地に関する情報の内、「A県B市XX町X丁目X-X」を含む目的地に関する情報と対応付けられている第2広告を選択する。この場合、制御部21は「A県B市」という目的地に関する情報と対応付けられているIDナンバー(2)の第2広告を選択する。制御部21は、選択した第2広告を表示装置4に表示させる。
【0093】
図12は、広告表示装置2の制御部21が行う表示装置4に複数の広告を表示させる処理を例示するフローチャートである。例えばタクシーの運転手が利用客の乗車を確認し、
操作部25を操作して制御部21に以下の処理を開始させる。例えばタクシーの運転手がタクシーの図示しない表示板(表示器)を「予約」又は「迎車」の状態から「賃走」の状態に切り替えることにより、制御部21は以下の処理を開始してもよい。
【0094】
制御部21は、第1広告を表示装置4へ出力し(S31)、表示装置4に第1広告を表示させる。制御部21は、前述のように第1広告を連続して表示装置4に表示させる。
【0095】
制御部21は、目的地に関する情報(停止位置に関する情報)を取得したか否かを判定する(S32)。目的地に関する情報は、前述のようにタクシー(公共交通移動体1)が目的地に近づいた際、停止位置情報出力装置3から制御部21(広告表示装置2)へ出力される。すなわち制御部21はタクシー(公共交通移動体1)が目的地に近づいた際に目的地に関する情報を取得する。
【0096】
制御部21は、目的地に関する情報を取得していない場合(S32:NO)、再度S32の判定を行うべくループ処理を行う。当該ループ処理を行うにあたって、制御部21は所定時間の待機処理(スリープ)を実行してもよい。
【0097】
制御部21は、目的地に関する情報(停止位置に関する情報)を取得した場合(S32:YES)、すなわちタクシーが目的地に近づいた場合、第2広告DB222を参照し、取得した目的地に関する情報と対応付けられた第2広告を選択する。例えば第2広告は複数個選択される。制御部21は、第1広告の表示終了後、選択した第2広告を表示装置4へ出力し(S33)、当該第2広告を表示装置4に表示させる。制御部21は、例えば選択した複数の第2広告を前述のように連続して表示装置4に表示させる。従ってタクシーの乗客(利用客)の目的地に応じた第2広告を表示装置4に表示させることができる。
【0098】
制御部21は、選択した第2広告の表示終了後に、第1広告を表示装置4へ出力し(S34)、当該第1広告を表示装置4に表示させる。制御部21は、選択した各第2広告の表示終了後に、選択した各第2広告を再び表示装置4に表示させてもよい。すなわち制御部21は、選択した各第2広告を繰り返し表示装置4に表示させてもよい。
【0099】
制御部21は、タクシー(公共交通移動体1)が目的地に到着したか否かを判定する(S35)。制御部21は、タクシーが目的地に到着したと判定した場合(S35:YES)、処理を終了する。例えば制御部21は、目的地にてタクシーの運転手による目的地への到着を示す操作が行われることにより、タクシーが目的地に到着したと判定し、処理を終了する。目的地への到着を示す操作は例えば、操作部25(タッチパネル)による到着ボタンを選択(タッチ)する操作である。制御部21は、例えばタクシーの表示板が「賃走」の状態から「支払い」の状態へ切り替わることにより、タクシーが目的地に到着したと判定し、処理を終了してもよい。制御部21は、タクシーが目的地に到着していないと判定した場合(S35:NO)、S33の処理を行う。
【0100】
例えば制御部21は、予め停止位置情報出力装置3から目的地に関する情報を取得していてもよい。例えば目的地に関する情報は、通信装置5から停止位置情報出力装置3へ出力された際に、停止位置情報出力装置3から制御部21(広告表示装置2)へ出力される。制御部21は、例えば取得した目的地に関する情報と対応付けられた第2広告を第1広告の表示の終了後に表示装置4に表示させる。制御部21は、例えば表示装置4に第1広告を表示させずに、取得した目的地に関する情報と対応付けられた第2広告のみを繰り返し表示装置4に表示させてもよい。
【0101】
今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。各実施例にて記載されている技術的特徴は互いに組み合わせることができ、本発明の範囲は、特許請求の範囲内での全ての変更及び特許請求の範囲と均等の範囲が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0102】
N ネットワーク
S 広告表示システム
1 公共交通移動体
2 広告表示装置
21 制御部
22 記憶部
23 記録媒体
221 第1広告DB
222 第2広告DB
223 案内音声DB
24 入出力I/F
25 操作部
3 停止位置情報出力装置
31 記憶部
311 停止位置DB
32 操作部
4 表示装置
41 表示部
42 音声出力部
5 通信装置
6 外部サーバ
61 記憶部
7 通信端末
71 タクシーの配車に関するアプリケーション(配車アプリ)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12